説明

発光装置

【課題】LEDチップから放射される光を検出する光検出部が実装基板に一体に設けられた構成を採用しながらも、光取り出し効率の向上を図れ且つ光検出部のS/N比を向上させることが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光部を構成するLEDチップ1は、n形窒化物半導体層14とp形窒化物半導体層16とを有するLED薄膜部12、カソード電極18およびアノード電極17がZnO結晶からなる六角錘状の錐体11の下面11a側に形成され、当該錐体11よりもLED薄膜部12が実装基板2の一表面に近くなる形で実装基板2に実装されている。実装基板2は、上記一表面からLEDチップ1のLED薄膜部12および錐体11の下部を囲む形で突出した壁部2bから錐体11の下部へ向かって張り出した庇部2cを有し、該庇部2cに、LEDチップ1から放射される光を検出する光検出部4を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDチップ(発光ダイオードチップ)を利用した発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図8に示すように、LEDチップ1’と、当該LEDチップ1’が一表面側に実装された実装基板2’とを備え、実装基板2’に、LEDチップ1’から放射される光を検出する光検出部4’を設けてなる発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここにおいて、実装基板2’は、上記一表面からLEDチップ1’を囲む形で突出した枠状の壁部2b’の上端部からLEDチップ1’の斜め上方の位置まで張り出した庇部2c’を有し、該庇部2c’においてLEDチップ1’に臨む面側に光検出部4’の受光面が形成されている。また、図8に示した構成の発光装置は、壁部2b’に、LEDチップ1’から放射された光の一部を光検出部4’の受光面へ反射により導くミラー2d’が形成されている。
【0004】
なお、図8に示した構成の発光装置では、実装基板2’に実装された1個のLEDチップ1’が発光部を構成しているが、上記特許文献1には、発光色の異なる複数種のLEDチップを発光部として1つの実装基板に実装するとともに、当該実装基板に、各LEDチップそれぞれからの光を各別に検出する複数の光検出部を設けた発光装置も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−294834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図8に示した構成の発光装置では、実装基板2’が、LEDチップ1’を囲む形で突出した枠状の壁部2b’の上端部からLEDチップ1’の斜め上方の位置まで張り出した庇部2c’を有し、該庇部2c’においてLEDチップ1’に臨む面側に光検出部4’の受光面が形成されているので、庇部2c’が設けられていない場合に比べて、LEDチップ1’から斜め上方へ放射された光やLEDチップ1’から側方へ放射されてミラー2d’で反射された光が庇部2c’に遮られ、光取り出し効率が低下してしまう。
【0007】
また、図8に示した構成の発光装置では、実装基板2’における壁部2b’の突出高さがLEDチップ1’の厚み寸法よりも大きく、LEDチップ1’の斜め上方に光検出部4’の受光面が位置しているので、光検出部4’の受光面に、ミラー2d’で反射された外乱光(例えば、太陽光や照明光など)が入射して光検出部4’のS/N比が低下してしまうことがあった。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、LEDチップから放射される光を検出する光検出部が実装基板に一体に設けられた構成を採用しながらも、光取り出し効率の向上を図れ且つ光検出部のS/N比を向上させることが可能な発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、少なくとも1個のLEDチップからなる発光部と、当該発光部が一表面側に実装された実装基板とを備え、LEDチップは、n形窒化物半導体層とp形窒化物半導体層とを有するLED薄膜部、n形窒化物半導体層に電気的に接続されたカソード電極およびp形窒化物半導体層に電気的に接続されたアノード電極がZnO結晶からなる六角錘状の錐体の下面側に形成されてなり、当該錐体よりもLED薄膜部が実装基板の前記一表面に近くなる形で実装基板に実装されてなり、実装基板は、前記一表面からLEDチップのLED薄膜部および錐体の下部を囲む形で突出した壁部から錐体の下部へ向かって張り出した庇部を有し、該庇部に、LEDチップから放射される光を検出する光検出部が設けられてなることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、LEDチップは、n形窒化物半導体層とp形窒化物半導体層とを有するLED薄膜部、n形窒化物半導体層に電気的に接続されたカソード電極およびp形窒化物半導体層に電気的に接続されたアノード電極がZnO結晶からなる六角錘状の錐体の下面側に形成されてなり、当該錐体よりもLED薄膜部が実装基板の一表面に近くなる形で実装基板に実装されてなり、実装基板は、LEDチップが実装される前記一表面からLEDチップのLED薄膜部および錐体の下部を囲む形で突出した壁部から錐体の下部へ向かって張り出した庇部を有し、該庇部に、LEDチップから放射される光を検出する光検出部が設けられているので、LEDチップから放射される光を検出する光検出部が実装基板に一体に設けられた構成を採用しながらも、光取り出し効率の向上を図れ且つ光検出部のS/N比を向上させることが可能になる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記実装基板は、前記一表面側とは反対の他表面側の複数の外部接続用電極と前記LEDチップおよび前記光検出部それぞれとを電気的に接続する複数の貫通孔配線が形成されてなることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、前記実装基板の前記一表面側に、前記LEDチップおよび前記光検出部それぞれと電気的に接続される複数の外部接続用電極を設ける場合に比べて、前記実装基板の平面サイズの小型化を図れる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記実装基板は、複数のシリコン基板を用いて形成され、前記光検出部がフォトダイオードからなることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、前記光検出部を前記実装基板に容易に形成することが可能となる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記LEDチップを駆動する駆動回路部と、前記光検出部の出力が予め設定された目標値に保たれるように駆動回路部から前記LEDチップへ供給される電流を制御する制御回路部とが実装基板に集積化されてなることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、前記実装基板とは別の基板に駆動回路部および制御回路部を設けて当該別の基板を実装基板に並設する場合に比べて、駆動回路部および制御回路部を含めた発光装置の小型化を図ることができる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記LEDチップから放射される光によって励起されて前記LEDチップよりも長波長の光を放射する蛍光体を含有した透光性材料により形成され前記実装基板との間に前記LEDチップを囲む形で配置された蛍光体キャップを備え、蛍光体キャップは、下面開口した六角錘状の形状に形成されてなることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、前記LEDチップの前記錐体から放射された光が蛍光体キャップの光入射面で全反射されるのを抑制できて前記LEDチップからの光を蛍光体キャップで効率良く色変換(波長変換)することができ、また、蛍光体キャップの光入射面への前記LEDチップからの光の入射光強度の均一化を図れ、蛍光体キャップの局所的な温度上昇をより抑制することができ、蛍光体の量子効率の向上を図れる。また、蛍光体キャップを通る光の光路長差を低減でき、色むらを低減できる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記発光部は、発光色が異なる複数種の前記LEDチップからなり、前記光検出部は、各発光色の前記LEDチップそれぞれから放射される光を各別に検出するように複数設けられてなることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記発光部が、発光色が異なる複数種の前記LEDチップから構成されているので、前記各LEDチップそれぞれの発光色とは異なる色の混色光を得ることができ、また、前記光検出部が、各発光色の前記LEDチップそれぞれから放射される光を各別に検出するように複数設けられているので、前記各光検出部それぞれの出力に基づいて前記各LEDチップそれぞれの光出力を各別に制御することが可能となり、所望の混色光を安定して得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明では、LEDチップから放射される光を検出する光検出部が実装基板に一体に設けられた構成を採用しながらも、光取り出し効率の向上を図れ且つ光検出部のS/N比を向上させることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態1の発光装置を示す概略断面図である。
【図2】同上の発光装置の製造方法の説明図である。
【図3】実施形態2の発光装置の概略断面図である。
【図4】実施形態3の発光装置の概略断面図である。
【図5】実施形態4の発光装置の概略断面図である。
【図6】同上の発光装置の要部概略平面図である。
【図7】実施形態5の発光装置の概略断面図である。
【図8】従来例の発光装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態1)
以下、本実施形態の発光装置について図1および図2に基づいて説明する。
【0024】
本実施形態の発光装置は、LEDチップ1と、当該LEDチップ1が一表面側に実装された実装基板2とを備えている。なお、本実施形態では、1個のLEDチップ1により発光部を構成している。
【0025】
LEDチップ1は、青色光を放射するGaN系の青色LEDチップであり、それぞれ窒化物半導体材料により形成されたn形窒化物半導体層14と発光層15とp形窒化物半導体層16との積層構造を有するLED薄膜部12、n形窒化物半導体層14に電気的に接続されたカソード電極18およびp形窒化物半導体層16に電気的に接続されたアノード電極17がn形のZnO結晶からなる六角錘状の錐体11の下面11a側に形成されている。
【0026】
LEDチップ1のLED薄膜部12は、n形窒化物半導体層14をn形GaN層により構成し、発光層15をInGaN層により構成し、p形窒化物半導体層16を発光層15側のp形AlGaN層と当該p形AlGaN層における発光層15側とは反対側のp形GaN層とで構成してあるが、LED薄膜部12の積層構造は特に限定するものではなく、発光層15は単層構造に限らず、多重量子井戸構造ないし単一量子井戸構造でもよい。
【0027】
また、LEDチップ1は、LED薄膜部12の平面視形状を錐体11の下面11aよりもやや小さな正六角形状の形状に形成してあり、カソード電極18が、LED薄膜部12のn形窒化物半導体層14に接する形で形成されて当該n形窒化物半導体層14と電気的に接続され、アノード電極17が錐体11の下面11aに接する形で形成され当該錐体11を介してp形窒化物半導体層16と電気的に接続されている。したがって、n形窒化物半導体層14と発光層15とp形窒化物半導体層16との平面サイズを同じにすることができる。ここで、LEDチップ1のアノード電極17およびカソード電極18は、下層側のTi膜と上層側のAu膜との積層膜により構成されている。ただし、アノード電極17およびカソード電極18それぞれの形状、サイズ、個数および配置は特に限定するものではない。
【0028】
上述のLEDチップ1は、主表面がc面のサファイアウェハの主表面側に上記積層構造を有するLED薄膜部12をエピタキシャル成長法(例えば、MOVPE法など)により成長し、その後、LED薄膜部12を錐体11の基礎となるn形ZnOウェハに接合してから、サファイアウェハを除去し、続いて、塩酸系のエッチング液(例えば、塩酸水溶液など)を用いてエッチング速度の結晶方位依存性を利用した異方性エッチングを行うことによりn形ZnOウェハの一部からなる六角錘状の錐体11を形成している。なお、n形ZnOウェハとしては、水熱合成法を利用して製造したものを用いている。六角錘状の錐体11の高さは、n形ZnOウェハの厚さで規定することができ、本実施形態では、n形ZnOウェハとして厚さが500μmのものを用いているので、錐体11の高さは500μmとなっているが、n形ZnOウェハの厚さは特に限定するものではない。また、錐体11の下面11aに対する各斜面11bそれぞれの傾斜角は、n形ZnOウェハの結晶軸方向で規定され、n形ZnOウェハにおいて錐体11の下面11aとなるZn極性面である(0001)面とは反対側のO極性面である(000−1)面に適宜パターニングされたマスクを設けてn形ZnOウェハをO極性面側から異方性エッチングすることにより錐体11を形成しているので、下面11aに対する各斜面11bそれぞれの傾斜角が60°となっている。また、上記マスクのサイズを適宜設定すれば、錐体11を、六角錘の頂部を切り欠いた六角錘状の形状(六角錘台状の形状)とすることもできる。
【0029】
また、LEDチップ1は、LED薄膜部12における錐体11側とは反対側の表面(ここでは、n形窒化物半導体層14の表面)に光取り出し効率向上用の微細凹凸構造を形成してもよい。このような微細凹凸構造を形成すれば、LEDチップ1においてLED薄膜部12から錐体11側とは反対側に放射される光(ここでは、発光層15からn形窒化物半導体層14側へ放射される光)がLED薄膜部12の表面で反射されるのを抑制して効率良く取り出すことができ、光取り出し効率の向上を図れる。
【0030】
上述のLEDチップ1は、アノード電極17とカソード電極18との間に順方向バイアス電圧を印加することにより、トンネル電流注入によりアノード電極17からp形窒化物半導体層16へホールが注入されるとともに、カソード電極18からn形窒化物半導体層14へ電子が注入され、発光層15に注入された電子とホールとが再結合することで発光し、錐体11の各斜面11bおよびLED薄膜部12におけるn形窒化物半導体層14の錐体11側とは反対側の表面から光が放射される。なお、波長が450nmの光に対するZnOの屈折率は2.1、GaNの屈折率は2.4である。
【0031】
以上説明したLEDチップ1は、錐体11よりもLED薄膜部12が実装基板2の上記一表面に近くなる形で実装基板2に実装されている。
【0032】
実装基板2は、上記一表面からLEDチップ1のLED薄膜部12および錐体11の下部を囲む形で突出した壁部2bから錐体11の下部へ向かって張り出した庇部2cを有し、該庇部2cに、LEDチップ1から放射される光を検出する光検出部4が設けられている。なお、光検出部4は、LEDチップ1における錐体11の斜面11bから放射される光の一部や、LED薄膜部12から実装基板2の上記一表面側へ放射される光の一部が入射する。
【0033】
ここにおいて、実装基板2は、半導体材料であるシリコンからなる第1のシリコン基板20aを用いて形成されLEDチップ1が一表面側に実装されるベース基板20と、第2のシリコン基板30aを用いて形成されてベース基板20に接合された中間層基板30と、第3のシリコン基板40aを用いて形成されて中間層基板30に接合され光検出部4が設けられた光検出部形成基板40とを有している。要するに、実装基板2は、半導体材料であるシリコンにより形成されている。なお、本実施形態では、中間層基板30と光検出部形成基板40の周部とで、上述の壁部2bが構成され、光検出部形成基板40において中間層基板30の開口窓31上に張り出した部位が、上述の庇部2cが構成されている。
【0034】
実装基板2は、ベース基板20、中間層基板30および光検出部形成基板40それぞれの外周形状が矩形状であり、中間層基板30の中央部に六角形状の開口窓31が形成され、光検出部形成基板40の中央部に六角形状の光取出窓41が形成されるとともに光取出窓41の周部に光検出部4が形成されており、ベース基板20と中間層基板30と光検出部形成基板40とで囲まれた空間にLEDチップ1の一部が収納されている。なお、開口窓31および光取出窓41の開口形状は六角形状に限らず、例えば、円形状でもよい。
【0035】
ベース基板20と中間層基板30と光検出部形成基板40とで囲まれた上記空間におけるLEDチップ1と実装基板2との間の隙間には、透光性の封止材(例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラスなど)からなり、LEDチップ1の一部や、光検出部4、LEDチップ1と実装基板2とを接合し且つ電気的に接続している各バンプ50などを封止した封止部5が形成されている。要するに、封止部5の一部がアンダーフィル部を構成している。
【0036】
また、本実施形態の発光装置は、LEDチップ1から放射される光によって励起されてLEDチップ1よりも長波長の光を放射する蛍光体を含有した透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラス、有機成分と無機成分とがnmレベルもしくは分子レベルで混合、結合した有機・無機ハイブリッド材料など)により形成され実装基板2との間にLEDチップ1を囲む形で配置された蛍光体キャップ6を備えている。ここにおいて、蛍光体キャップ6は、実装基板2の上記一表面側において、LEDチップ1のうち光検出部形成基板40から突出した部分を実装基板2との間で覆う形で形成されている。また、蛍光体キャップ6は、半楕円球状の形状に形成されているが、半球状の形状でもよい。また、蛍光体キャップ6をドーム状の形状として、蛍光体キャップ6とLEDチップ1との間にゲル状のポリマーを充填してもよい。
【0037】
本実施形態の発光装置では、上述の蛍光体として、LEDチップ1から放射された青色の光によって励起されてブロードな黄色系の光を放射する粒子状の黄色蛍光体を採用しているので、LEDチップ1から放射された青色の光と黄色蛍光体から放射された光とが蛍光体キャップ6から出射されることとなり、白色光を得ることができる。なお、蛍光体キャップ6の透光性材料としてガラスを採用すれば、シリコーン樹脂などの有機材料を採用している場合に比べて、蛍光体キャップ6の熱伝導性が向上するので、蛍光体の温度上昇を抑制できて光束を向上させることができ、しかも、水蒸気やNOなど対するガスバリア性や耐透湿性が向上するとともに、蛍光体の吸湿劣化を抑制でき、信頼性および耐久性が向上する。また、蛍光体キャップ6の材料として用いる透光性材料に混合する蛍光体も黄色蛍光体に限らず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを混合しても白色光を得ることができ、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いれば演色性を高めることができる。
【0038】
上述の中間層基板30および光検出部形成基板40は、ベース基板20と同じ外形寸法に形成されている。また、光検出部形成基板40の厚み寸法と中間層基板30の厚み寸法との合計寸法は、LEDチップ1の錐体11の高さ寸法よりも小さく設定されている。
【0039】
上述のベース基板20、中間層基板30、光検出部形成基板40は、それぞれ、導電形がn形で主表面が(100)面のシリコン基板20a,30a,40aを用いて形成してある。
【0040】
ベース基板20は、第1のシリコン基板20aの一表面側(図1における上面側)に、LEDチップ1のアノード電極17およびカソード電極18それぞれとバンプ50,50を介して接合され電気的に接続される導体パターン25a,25bが形成されるとともに、中間層基板30に形成された後述の2つの貫通孔配線34,34を介して光検出部4と電気的に接続される2つの導体パターン25c,25dが形成されており、各導体パターン25a,25b,25c,25dと第1のシリコン基板20aの他表面側(図1における下面側)に形成された4つの外部接続用電極27a,27b,27c,27dとがそれぞれ貫通孔配線24を介して電気的に接続されている。なお、各バンプ50の材料としてはAuを採用しているが、これに限らず、例えば、半田を採用してもよい。
【0041】
また、ベース基板20は、第1のシリコン基板20aの上記一表面側に、中間層基板30と接合するための接合用金属層29も形成されている。なお、複数の貫通孔配線24のうち、LEDチップ1に電気的に接続される貫通孔配線24は、LEDチップ1で発生した熱を放熱させるサーマルビアを兼ねている。
【0042】
また、ベース基板20は、第1のシリコン基板20aに、上述の各貫通孔配線24それぞれが内側に形成される複数の貫通孔22が厚み方向に貫設され、第1のシリコン基板20aの上記一表面および上記他表面と各貫通孔22の内面とに跨って熱酸化膜(シリコン酸化膜)からなる第1の絶縁膜23が形成されており、各導体パターン25a,25b,25c,25d、接合用金属層29、各外部接続用電極27a,27b,27c,27dおよび各貫通孔配線24が第1のシリコン基板20aと電気的に絶縁されている。
【0043】
ここにおいて、各導体パターン25a,25b,25c,25d、接合用金属層29、および各外部接続用電極27a,27b,27c,27dは、第1の絶縁膜23上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されており、各導体パターン25a,25b,25c,25dと接合用金属層29とを同時に形成し、各外部接続用電極27a,27b,27c,27dを同時に形成してある。なお、本実施形態では、第1の絶縁膜23上のTi膜の膜厚を15〜50nm、Ti膜上のAu膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。また、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、各Au膜と第1の絶縁膜23との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。また、貫通孔配線24の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。
【0044】
中間層基板30は、第2のシリコン基板30aの一表面側(図1における下面側)に、ベース基板20の2つの導体パターン27c,27dと接合されて電気的に接続される2つの導体パターン35c,35dが形成されるとともに、ベース基板20の接合用金属層29と接合される接合用金属層36が形成されている。また、中間層基板30は、第2のシリコン基板30aの他表面側(図1における上面側)に、貫通孔配線34,34を介して導体パターン35c,35dと電気的に接続される導体パターン37c,37dが形成されるとともに、光検出部形成基板40と接合するための接合用金属層38が形成されている。
【0045】
また、中間層基板30は、上述の2つの貫通孔配線34それぞれが内側に形成される2つの貫通孔32が第2のシリコン基板30aの厚み方向に貫設され、第2のシリコン基板30aの上記一表面および上記他表面と各貫通孔32の内面とに跨って熱酸化膜(シリコン酸化膜)からなる第2の絶縁膜33が形成されており、各導体パターン35c,35d,37c,37dおよび各接合用金属層36,38が第2のシリコン基板30aと電気的に絶縁されている。ここにおいて、各導体パターン35c,35d,37c,37dおよび各接合用金属層36,38は、絶縁膜33上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されており、導体パターン35c,35dと接合用金属層36とを同時に形成し、導体パターン37c,37dと接合用金属層38とを同時に形成してある。なお、本実施形態では、第2の絶縁膜33上のTi膜の膜厚を15〜50nm、Ti膜上のAu膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、各Au膜と第2の絶縁膜33との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。また、貫通孔配線34の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。
【0046】
光検出部形成基板40は、第3のシリコン基板40aの一表面側(図1における下面側)に、中間層基板30の2つの導体パターン37c,37dと接合されて電気的に接続される2つの導体パターン47c,47dが形成されるとともに、中間層基板30の接合用金属層38と接合される接合用金属層48が形成されている。ここにおいて、光検出部4は、上述のようにフォトダイオードにより構成されており、光検出部形成基板40に形成された2つの導体パターン47c,47dの一方の導体パターン47cが、光検出部4を構成するフォトダイオードのp形領域4cに電気的に接続され、他方の導体パターン47dが、上記フォトダイオードのn形領域4dを構成する第3のシリコン基板40aに電気的に接続されている。なお、光検出部4は、p形領域4cの表面が受光面を構成している。
【0047】
また、光検出部形成基板40は、第3のシリコン基板40aの上記一表面側にシリコン酸化膜からなる第3の絶縁膜43が形成されており、当該第3の絶縁膜43がフォトダイオードの反射防止膜を兼ねている。また、光検出部形成基板40は、上記一方の導体パターン47cが、第3の絶縁膜43に形成したコンタクトホール43cを通してp形領域4cと電気的に接続され、上記他方の導体パターン47dが第3の絶縁膜43に形成したコンタクトホール43dを通してn形領域4dと電気的に接続されている。ここにおいて、各導体パターン47c,47dおよび接合用金属層48は、第3の絶縁膜43上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されており、同時に形成してある。なお、本実施形態では、第3の絶縁膜43上のTi膜の膜厚を15〜50nm、Ti膜上のAu膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、各Au膜と第3の絶縁膜43との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
【0048】
上述の発光装置の製造にあたっては、例えば、図2に示すように、光検出部4、第3の絶縁膜43、各導体パターン47c,47d、および接合用金属層48が形成された第3のシリコン基板40aと中間層形成基板30とを接合する第1の接合工程を行った後、第3のシリコン基板40aを所望の厚みまで研磨する研磨工程を行い、その後、誘導結合プラズマ(ICP)型のドライエッチング装置などを用いて第3のシリコン基板40aに光取出窓41を形成する光取出窓形成工程を行うことで光検出部形成基板40を完成させてから、LEDチップ1が実装されたベース基板20と中間層基板30とを接合する第2の接合工程を行うことにより実装基板2を完成させ、続いて、封止部5を形成する封止部形成工程、封止部形成工程の後で蛍光体キャップ6を配設する蛍光体キャップ配設工程を行うようにすればよい。ここにおいて、第1の接合工程、第2の接合工程では、接合前に互いの接合表面へアルゴンのプラズマ若しくはイオンビーム若しくは原子ビームを真空中で照射して各接合表面の清浄化・活性化を行ってから、接合表面同士を接触させ、常温下で直接接合する常温接合法を採用しているが、常温接合法に限らず、加熱圧接法や、AuSnや半田などの低融点共晶材料を用いた接合法を採用してもよい。
【0049】
上述の第1の接合工程では、第3のシリコン基板40aの接合用金属層48と中間層基板30の接合用金属層38とが接合されるとともに、第3のシリコン基板40aの導体パターン47c,47dと中間層基板30の導体パターン37c,37dとが接合され電気的に接続される。ここで、第3のシリコン基板40a側の導体パターン47c,47dと中間層基板30側の導体パターン37c,37dとの接合部位を、貫通孔配線34に重なる領域からずらしておけば、導体パターン47c,47dと導体パターン37c,37dとの互いの接合面の平坦度を高めることができ、特に常温接合法により接合する際の接合歩留まりを高めることができるとともに接合信頼性を高めることができる。また、上述の第2の接合工程では、ベース基板20の接合用金属層29と中間層基板30の接合用金属層36とが接合されるとともに、ベース基板20の導体パターン25c,25dと中間層基板30の導体パターン35c,35dとが接合され電気的に接続される。ここで、ベース基板20の導体パターン25c,25dと中間層基板30の導体パターン35c,35dとの接合部位を、貫通孔配線24に重なる領域および貫通孔配線34に重なる領域からずらしておけば、導体パターン25c,25dと導体パターン35c,35dとの互いの接合面の平坦度を高めることができ、特に常温接合法により接合する際の接合歩留まりを高めることができるとともに接合信頼性を高めることができる。
【0050】
また、本実施形態の発光装置の製造にあたっては、上述の各シリコン基板20a,30a,40aとして、それぞれベース基板20、中間層基板30、光検出部形成基板40を多数形成可能なシリコンウェハを用い、上述の第1の接合工程、研磨工程、第2の接合工程、光取出窓形成工程、第2の接合工程、封止部形成工程、蛍光体キャップ配設工程などの各工程をウェハレベルで行うことでウェハレベルパッケージ構造体を形成してから、ダイシング工程により実装基板2のサイズに分割されている。ここで、実装基板2と蛍光体キャップ6とでパッケージを構成している。したがって、ベース基板20と中間層基板30と光検出部形成基板40とが同じ外形サイズとなり、小型のパッケージを実現できるとともに、製造が容易になる。
【0051】
以上説明した本実施形態の発光装置によれば、LEDチップ1のLED薄膜部12、カソード電極18およびアノード電極17がZnO結晶からなる六角錘状の錐体11の下面11a側に形成され、当該錐体11よりもLED薄膜部12が実装基板2の上記一表面に近くなる形で実装基板2に実装されており、実装基板2が、LEDチップ1が実装される上記一表面からLEDチップ1のLED薄膜部12および錐体11の下部を囲む形で突出した壁部2bから錐体11の下部へ向かって張り出した庇部2cを有し、該庇部2cに、LEDチップ1から放射される光を検出する光検出部4が設けられているので、LEDチップ1から放射される光を検出する光検出部4が実装基板2に一体に設けられた構成を採用しながらも、光取り出し効率の向上を図れ、且つ、外乱光に起因した光検出部4の出力のノイズを低減でき、光検出部4のS/N比を向上させることが可能になる。なお、ベース基板20の上記一表面側には、LEDチップ1からの光を反射する反射膜(図示せず)を設けることが好ましい。また、サーマルビアを兼ねる貫通孔配線24については、ベース基板20の厚み方向に直交する断面の面積を大きくすることが放熱性を向上させる観点から望ましい。
【0052】
また、本実施形態の発光装置では、実装基板2における上記一表面側とは反対の他表面側の外部接続用電極27a,27b,27c,27dとLEDチップ1および光検出部4とを電気的に接続する貫通孔配線24,24,24,24,34,34が形成されているので、実装基板2の上記一表面側に、LEDチップ1と電気的に接続される外部接続用電極27a,27b,27c,27dを設ける場合に比べて、実装基板2の平面サイズの小型化を図れる。
【0053】
また、本実施形態の発光装置では、実装基板2が複数のシリコン基板20a,30a,40aを用いて形成され、光検出部4がフォトダイオードにより構成されているので、光検出部4を実装基板2に容易に形成することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態の発光装置は、実装基板2に光検出部4が設けられているので、例えば、LEDチップ1として赤色LEDチップを採用した発光装置と、LEDチップ1として緑色LEDチップを採用した発光装置と、LEDチップ1として青色LEDチップを採用した発光装置とを同一の回路基板上に近接して配置して、当該回路基板に各発光装置のLEDチップ1を駆動する駆動回路部と、各光検出部4の出力がそれぞれの目標値に保たれるように駆動回路部から各発光色のLEDチップ1に流れる電流をフィードバック制御する制御回路部などを設けておくことにより、各光検出部4それぞれの出力に基づいて各発光色のLEDチップ1の光出力を各別に制御することができ、各発光色ごとのLEDチップ1の光出力の経時変化の違いなどによらず混色光(ここでは、白色光)の光色や色温度の精度を向上することができる。要するに、所望の混色光を安定して得ることができる。
【0055】
(実施形態2)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、実施形態1にて説明したベース基板20と中間層基板30との積層体に対応する部分が、図3に示すように1枚のシリコン基板20aを用いて形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
本実施形態では、ベース基板20の上記一表面の周部から突出した部分が実施形態1にて説明した中間層基板30に対応しており、ベース基板20の厚肉部において外部接続用電極27c,27dに電気的に接続された導体パターン25c,25dが、光検出部形成基板30の導体パターン47c,47dと接合されて電気的に接続されている。
【0057】
しかして、本実施形態の発光装置では、実装基板2が2枚のシリコン基板20a,40aを用いて形成されているので、実施形態1の発光装置に比べて低コスト化を図れる。
【0058】
(実施形態3)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、図4に示すように、蛍光体キャップ6が、下面開口した六角錘状の形状に形成されている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
しかして、本実施形態の発光装置では、蛍光体キャップ6を光入射面が楕円球面の一部により構成されるドーム状に形成してある場合に比べて、LEDチップ1の錐体11から放射された光が蛍光体キャップ6の光入射面で全反射されるのを抑制できてLEDチップ1からの光を蛍光体キャップ6で効率良く色変換(波長変換)することができ、また、蛍光体キャップ6の光入射面へのLEDチップ1からの光の入射光強度の均一化を図れ、蛍光体キャップ6の局所的な温度上昇をより抑制することができ、蛍光体の量子効率の向上を図れる。
【0060】
また、本実施形態の発光装置では、蛍光体キャップ6が、当該蛍光体キャップ6の6つの内側面が錐体11の6つの斜面11bそれぞれに接する大きさに形成されているので、発光装置全体の小型化を図れるとともに、蛍光体キャップ6の蛍光体で発生した熱をLEDチップ1を通して放熱させることができて、蛍光体の温度上昇をより抑制できて、量子効率のより一層の向上を図れる。また、蛍光体キャップ6を通る光の光路長差を低減でき、色むらを低減できる。
【0061】
なお、蛍光体キャップ6が、LEDチップ1との間に空気層が形成される形で実装基板2に固着されるようにすれば、LEDチップ1から放射されて蛍光体キャップ6に入射し蛍光体キャップ6の蛍光体により散乱された光のうちLEDチップ1側へ散乱されてLEDチップ1に吸収される光の光量を低減できて外部への光取り出し効率を向上できる。また、実施形態2において、蛍光体キャップ6の形状を本実施形態と同様の形状としてもよい。
【0062】
(実施形態4)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、図5および図6に示すように、実装基板2に発光色が互いに異なる複数種(ここでは、4種類)のLEDチップ1が実装されて当該複数種のLEDチップ1により発光部が構成されており、光検出部形成基板40の光検出部4が、各LEDチップ1から放射される光を各別に検出できるようにLEDチップ1と同じ数だけ設けられている点(つまり、LEDチップ1と光検出部4との組が複数組ある点)などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
本実施形態では、4種類のLEDチップ1として、それぞれ、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップ、黄色LEDチップを採用しており、赤色光と緑色光と青色光と黄色光との混色光として白色光を得ることができる。ただし、各LEDチップ1の発光色は特に限定するものではなく、所望の混色光に応じて適宜設定すればよい。
【0064】
また、本実施形態の発光装置は、光検出部形成基板40における中間層基板30側とは反対側にリフレクタ部80が設けられている点が相違する。リフレクタ部80は、光検出部形成基板40と連続一体に形成してもよいし(つまり、第3のシリコン基板40aの一部により構成してもよいし、第3のシリコン基板40aとは別にシリコン基板を用いて形成してもよい。ここで、リフレクタ部80は、光検出部形成基板40から離れるにつれて開口面積が徐々に大きくなっている。なお、リフレクタ80の内側面には、LEDチップ1から放射される光を反射する反射膜(図示せず)を被着しておくことが好ましい。
【0065】
しかして、本実施形態の発光装置では、リフレクタ部80を設けてあるので、混色性が向上し、色むらを抑制することができる。
【0066】
(実施形態5)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態3と略同じであって、図7に示すように、LEDチップ1を駆動する駆動回路部8と、光検出部4の出力が予め設定された目標値に保たれるように駆動回路部8からLEDチップ1へ供給される電流を制御する制御回路部9とが実装基板2に集積化されている点が相違する。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
実装基板2は、第4のシリコン基板70aを用いて形成され駆動回路部8および制御回路部9が形成された回路形成基板70がベース基板20における中間層基板30側とは反対側に接合されている。ここにおいて、回路形成基板70は、第4のシリコン基板70aの一表面側に駆動回路部8と外部接続用電極27a,27bとを電気的に接続する導体パターン71a,71bが形成されるとともに、制御回路部9と外部接続用電極27c,27dとを電気的に接続する導体パターン71c,71dが形成され、駆動回路部8と制御回路部9とを電気的に接続する配線(図示せず)が形成されている。また、回路形成基板70は、第4のシリコン基板70aの他表面側に、駆動回路部8および制御回路部9それぞれと貫通孔配線74を介して電気的に接続される複数の外部接続用電極75が形成されている。また、回路形成基板70には、導体パターン71a,71b,71c,71d、各貫通孔配線74および各外部接続用電極75を電気的に絶縁する第4の絶縁膜73が形成されている。また、回路形成基板70は、第4のシリコン基板70aの上記他表面側に、外部接続用電極75と同じ材料により同一厚さに形成された放熱用パッド76を備えている。
【0068】
しかして、本実施形態の発光装置では、実装基板2とは別の基板に駆動回路部8および制御回路部9を設けて当該別の基板を実装基板2に並設する場合に比べて、駆動回路部8および制御回路部9を含めた発光装置の小型化を図ることができるとともに、LEDチップ1で発生した熱をベース基板20および回路形成基板70を通して効率良く放熱させることが可能となる。
【0069】
なお、実施形態1〜3,5において、蛍光体キャップ6は必ずしも設ける必要はなく、蛍光体キャップ6を設けない場合には、LEDチップ1の発光色が発光装置の発光色に等しくなる。
【符号の説明】
【0070】
1 LEDチップ
2 実装基板
2b 壁部
2c 庇部
4 光検出部
6 蛍光体キャップ
8 駆動回路部
9 制御回路部
11 錐体
11a 下面
12 LED薄膜部
14 n形窒化物半導体層
15 発光層
16 p形窒化物半導体層
17 アノード電極
18 カソード電極
20a 第1のシリコン基板
24 貫通孔配線
27a,27b,27c,27d 外部接続用電極
30a 第2のシリコン基板
34 貫通孔配線
40a 第3のシリコン基板
70a 第4のシリコン基板
74 貫通孔配線
75 外部接続用電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のLEDチップからなる発光部と、当該発光部が一表面側に実装された実装基板とを備え、LEDチップは、n形窒化物半導体層とp形窒化物半導体層とを有するLED薄膜部、n形窒化物半導体層に電気的に接続されたカソード電極およびp形窒化物半導体層に電気的に接続されたアノード電極がZnO結晶からなる六角錘状の錐体の下面側に形成されてなり、当該錐体よりもLED薄膜部が実装基板の前記一表面に近くなる形で実装基板に実装されてなり、実装基板は、前記一表面からLEDチップのLED薄膜部および錐体の下部を囲む形で突出した壁部から錐体の下部へ向かって張り出した庇部を有し、該庇部に、LEDチップから放射される光を検出する光検出部が設けられてなることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記実装基板は、前記一表面側とは反対の他表面側の複数の外部接続用電極と前記LEDチップおよび前記光検出部それぞれとを電気的に接続する複数の貫通孔配線が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記実装基板は、複数のシリコン基板を用いて形成され、前記光検出部がフォトダイオードからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記LEDチップを駆動する駆動回路部と、前記光検出部の出力が予め設定された目標値に保たれるように駆動回路部から前記LEDチップへ供給される電流を制御する制御回路部とが実装基板に集積化されてなることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
前記LEDチップから放射される光によって励起されて前記LEDチップよりも長波長の光を放射する蛍光体を含有した透光性材料により形成され前記実装基板との間に前記LEDチップを囲む形で配置された蛍光体キャップを備え、蛍光体キャップは、下面開口した六角錘状の形状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光部は、発光色が異なる複数種の前記LEDチップからなり、前記光検出部は、各発光色の前記LEDチップそれぞれから放射される光を各別に検出するように複数設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−278151(P2010−278151A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128096(P2009−128096)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】