説明

発泡樹脂パネルの製造方法

【課題】断熱性や強度に優れ、耐久性が向上し、成形も容易で、断熱容器の組み立て折り畳み等も容易な発泡樹脂パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】布と布の間の樹脂注入空間、布と成型品の間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、樹脂注入空間内に布と成型品に接着した発泡樹脂層を備えた発泡樹脂パネルを製造するようにした。一枚の布の上に複数枚の成型品を間隔をあけて配置し、夫々の成型品と布との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、その樹脂注入空間内に布及び成型品と接着した発泡樹脂パネルを複数枚備えた発泡樹脂パネルを製造するようにした。それら発泡樹脂パネルの間にヒンジ部をも形成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は要保冷品の収容搬送、特に、ドライアイスの収容搬送に適する断熱容器の底板、周壁、上板等として使用するのに適する発泡樹脂パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライアイスの搬送には断熱容器が使用されている。その断熱容器は断熱材製の底板、周壁(前板、後板、両側板)、上板から構成され、それらは搬送後の嵩張りを解消するため、折り畳み可能に連結され、再利用時に組み立て可能としてある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−043958
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の断熱容器は次のような課題があった。
(1)図8(a)、(b)に示すように底板Dと周壁Eの連結部分は、周壁E同士の連結部分、周壁Eと上板Fの連結部分は連結シートG、布テープH等で連結されているため、それら連結シートG、布テープH部分の気密性が劣り、断熱効果が必ずしも十分ではなかった。
(2)前記底板D、周壁Eは、図7のように、発泡樹脂板Aを防水シートB製の袋内に収容してあるため、防水シートBとその中の発泡樹脂板Aの間に隙間(空気層)Cができ、隙間Cと防水シートBの外との間で空気や熱が移行し、断熱容器の断熱性が低下する。
(3)発泡樹脂板Aが防水シートB内に収容されているが、搬送、折り畳み、組み立ての各作業時に発泡樹脂板Aが欠けたり、ひび割れしたりすることがあり、形状を長期にわたって維持することが難しかった。形状が崩れるとそれを組み立てて形成される断熱容器の連結部の気密性の維持が難しく、断熱性が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の課題は、前記諸問題を解決でき、断熱性や強度に優れ、耐久性が向上し、成形も容易で、断熱容器の組み立て折り畳み等も容易且つ確実で、組み立てられた断熱容器の連結部分の気密性も高く、断熱性も良好となる発泡樹脂パネルの製造方法を提供することにある。
【0006】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、布と布との間の樹脂注入空間内に、又は布と成型品との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、前記布間、又は布と成型品との間にそれらと接着された発泡樹脂層を備えた発泡樹脂パネルを製造する方法である。
【0007】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、樹脂注入空間の周囲に、成型品とは別体の嵌合材を配置し、前記樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、布と布との間、又は布と嵌合材との間、又は布と成型品との間、又は布と成型品と嵌合材との間にそれらと接着された発泡樹脂層を備えた発泡樹脂パネルを製造する方法である。
【0008】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、成型品に嵌合部を備えたものを用い、樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、布と布との間、又は布と嵌合材との間、又は布と成型品との間、又は布と成型品と嵌合材との間に、それらと接着された発泡樹脂層を備えた発泡樹脂パネルを製造する方法である。
【0009】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、一枚の布の上に複数の成型品を、間隔をあけて配置し、その布と夫々の成型品との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、一枚の布と夫々の成型品との間にそれらと発泡樹脂層が接着された発泡樹脂パネルを複数枚製造する方法である。
【0010】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、一枚の布の上に底板用、前板用、後板用、両側板用の成型品を間隔をあけて配置し、一枚の布とそれら成型品との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、一枚の布に底板用、前板用、後板用、両側板用の発泡樹脂パネルとそれらパネル間の前記間隔にヒンジ部を成形する方法である。この場合、一枚の布に前記成型品の他に上板用の成型品をも間隔をあけて配置し、一枚の布とそれら成型品との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、一枚の布に底板用、前板用、後板用、両側板用、上板用の発泡樹脂パネルとそれらパネル間の前記間隔にヒンジ部を成形することもできる。
【0011】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、前記いずれの製造方法においても、布同士、又は布と嵌合材、又は布と成型品、又は布と嵌合材と成型品を、樹脂注入発泡時に位置ずれしないように固定するのがよい。本発明における前記成型品、嵌合材は樹脂製、アルミ製、金属製といった各種材質製とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、布間の樹脂注入空間内に、又は布と成型品の間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させて、発泡樹脂層を布と、又は布と成型品とを接着させるので、次のような効果がある。
(1)布付き発泡樹脂パネルを容易に成形することができる。
(2)樹脂注入空間の周囲に嵌合材を配置すると、樹脂発泡により布と嵌合材が、又は布と嵌合材と成型品が接着するため、樹脂を注入発泡させる前に布と嵌合材を、又は布と嵌合材と成型品を接着加工する必要がなく成形作業が容易になる。
(3)発泡樹脂が樹脂注入空間の隅ずみまで行き渡り、隙間や空間ができないため、変形や欠けのない発泡樹脂パネルを成形でき、それら発泡樹脂パネルで組み立てて作られる箱の組み合わせ部分の気密性が確保され断熱性が確保される。
(4)成型品があるため強度に優れ、型崩れせず、耐久性があり損傷しにくく、長寿命となる。
(5)樹脂注入空間の周囲に嵌合材を配置して、樹脂を注入発泡させることにより、嵌合材付きの発泡樹脂パネルを手軽に成形でき、この嵌合材付き発泡樹脂パネルを底板、前板、後板、両側板、上板に使用すれば、それらの嵌合材同士を嵌合させて断熱容器を組み立てることができ、組み立てが容易かつ確実になり、嵌合部(従来のヒンジ部に相当)の気密性も確保され、組み立てられる断熱容器の断熱性も向上する。
(6)布がフレキシブルであるため、布に接着成形された発泡樹脂パネルを箱に組み立てるときに、その布をヒンジとして組み立てることができ、組み立てが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法の一例を示す斜視図、(b)は(a)のX−X断面図。
【図2】本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法の他例を示す平面図。
【図3】(a)は本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法の他例の分解図、(b)は(a)の樹脂注入前のX−X断面図、(c)は樹脂注入後のX−X断面図。
【図4】(a)は本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法のさらに他例の分解図、(b)は(a)の樹脂注入前のX−X断面図、(c)は(a)の樹脂注入前のY−Y断面図、(d)は樹脂注入後のY−Y断面図。
【図5】本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法のさらに他例の部分説明図。
【図6】本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法で製造された発泡樹脂パネルを使用してドライアイス収容容器を組み立てる場合の一例を示す縦断面図。
【図7】従来のドライアイス収容容器の断熱パネルの断面図
【図8】(a)は従来のドライアイス収容容器の組み立て縦断面図、(b)は従来のドライアイス収容容器の組み立て横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法の一例を、図1(a)、(b)を参照して説明する。本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、各種用途の断熱容器の底板、周壁板(前板、後板、両側板の計4枚)、上板等を製造するのに使用できるが、一例として図1(a)、(b)に示す製造方法は、ドライアイス収容容器用の発泡樹脂パネルを製造する場合の一例である。この実施形態は布2と樹脂成型品3の組み合わせの場合である。
【0015】
図1(a)では、台(作業台、テーブル等)1の上に布2を敷き、布2の上にそれより小さいサイズで窪みのある成型品(樹脂成型品)3を配置して、布2と樹脂成型品3との間に樹脂注入空間4を設け、樹脂成型品3の周壁に開口した樹脂注入口5から樹脂注入空間4内に発泡剤を添加した樹脂(発泡樹脂)を注入して発泡(注入発泡)させることにより、発泡樹脂を布2と樹脂成型品3の内面に密着させて、布2と樹脂成型品3との間に発泡樹脂層6を備えた発泡樹脂パネル7を成形する製造方法である。この場合、発泡樹脂は樹脂注入空間4内の隅ずみまで行き渡り、布2と樹脂成型品3の内面に密着して、布2と発泡樹脂層6と樹脂成型品3の三層が互いに密着した発泡樹脂パネル7が成形される。
【0016】
前記布2は従来のドライアイス収容容器の断熱材の被覆材として使用されている防水布(樹脂メッシュに防水加工が施されたもの:防水加工された樹脂製布)や、従来からテントや幌等に使用されている布と同じものが適するが、それ以外の材質製の布、樹脂製布、合成皮革(人工皮革)製布といった各種材質製のものとすることもでき、それらは防水加工したものが望ましい。そのサイズ、形状等は用途に応じて決定できる。
【0017】
樹脂成型品3は窪みのある皿型の樹脂成型品であり、その形状、サイズ、材質、空間の深さ等は発泡成形後の発泡樹脂パネルの用途に合わせて決定することができる。図1(a)の外周縁8は図1(b)に明示してあるように上向き開口の嵌合溝9が形成されている。図1(a)、(b)の形状の嵌合溝9には、断熱容器組み立て時に、他の発泡樹脂パネル7の外周縁8を嵌入することもできる。外周縁8、嵌合溝9の形状は底板用、周壁用、上板用の発泡樹脂パネルで断熱容器を組み立てるときに、それら発泡樹脂パネル7の組み立てが容易で、組み立てられた断熱容器の連結部の気密性が確保され、連結部の強度を高めることができる他の形状、構造とするのが望ましい。外周縁8、嵌合溝9は場合によっては必要ない場合もある。
【0018】
前記発泡樹脂は既存の発泡樹脂と同じものであってもよく、他のものであってもよく、例えば、ポリウレタン樹脂に発泡剤を添加したものが適する。注入された発泡樹脂は自己発熱反応の進行により体積膨張して発泡する。布2と樹脂成型品3は樹脂の注入発泡時に位置ずれしないように適宜の手段で連結固定しておくのがよい。本願発明では、いずれの実施形態においても、樹脂注入前に布や成型品にプライマを塗布しておいて布や成型品と樹脂との密着性を高めるのがよい。プライマとしては各種のものを使用できるが、例えば、市販品のコニシボンドスーパーGスプレーZが適する。
【0019】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は図2のようにすることもできる。この製造方法は基本的には前記実施形態と同様であり、異なるのは、一枚の布2に底板用、両側板用、前板用、後板用、上板用の六枚の発泡樹脂パネルを成形する方法である。この場合は、台1の上に敷いた一枚の布2の上に底板成形用の樹脂成型品3aを配置し、その四方周囲に間隔をあけて周壁用の樹脂成型品3b〜3eを配置し、更に、前記樹脂成型品3dの外側に上板用の樹脂成型品3fを配置し、布2と夫々の樹脂成型品3との間に形成される樹脂注入空間4(図1(b)と同様)の夫々に発泡樹脂を注入する。発泡樹脂の注入は夫々の樹脂注入空間4に個別に行うことも、同時に行うこともできる。図2の布2の上に配置した樹脂成型品3の間の空間部はヒンジ部10a〜10eであり、ヒンジ部10a〜10dは底板用の発泡樹脂パネル7aの上に周壁用の発泡樹脂パネル7b〜7eを乗せて組み立てるのに必要な幅(広さ)とし、ヒンジ部10eは組み立てられた周壁の上に上板用の発泡樹脂パネル7fを被せるのに必要な幅(広さ)にしてある。
【0020】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は図3(a)〜(c)のようにすることもできる。この製造方法も基本的には前記実施形態と同様である。異なるのは、樹脂成型品3を側面形状下向きコ字状にし、それを布2の上に配置し、樹脂成型品3の一方の開口側面11内に凸状を備えた雄型の嵌合材12を、他方の開口側面13に凹溝を備えた雌型の嵌合材14を配置し、布2と樹脂成型品3と雄型の嵌合材12と雌型の嵌合材14で囲われる樹脂注入空間4(図3(b))に発泡樹脂を注入して発泡させて、布2と樹脂成型品3と両嵌合材12、14が発泡樹脂層6と密着した発泡樹脂パネル7(図3(c))を成形することである。
【0021】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は図4(a)〜(d)のようにすることもできる。この製造方法は基本的には前記実施形態と同様である。異なるのは、樹脂成型品3の開口側面11、13を連続する二つの側面(図4(a)の右側面と手前側面)に設け、一方の開口側面11に雄型の嵌合材12を、他方の開口側面13に雌型の嵌合材14を配置したことである。
【0022】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は、図示しないが、樹脂成型品3の開口側面をいずれかの一辺又は三辺に形成することもでき、その場合は、夫々の開口側面に雄型又は雌型の嵌合材、或いは共に雄型の嵌合材、又は共に雌型の嵌合材を配置してから、樹脂注入空間に発泡樹脂を注入発泡させることができる。
【0023】
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法の他例は図5のようにすることもできる。この製造方法も基本的には前記実施形態と同様である。異なるのは、一方の発泡樹脂パネル7aの外周面に凸条15を、他方の発泡樹脂パネル7bの外周面に凹溝16を形成し、凸条15の先に差込み治具17を配置固定し、凹溝16の内側に受け治具18を配置固定し、前記凸条15側の外周面と凹溝16側の外周面の夫々に、互いに嵌合離脱可能な半円弧状の係止具19、20を配置固定されるようにしたことである。この発泡樹脂パネル7a、7bを製造するには、発泡樹脂注入前に、前記差込み治具17を凸条15の先に突き出して配置し、前記受け治具18を凹溝16の内側に入れて夫々セットし、凸条15側の外周面外側に一方の係止具19を、凹溝16側の外周面外側に他方の係止具20を夫々セットし、その状態で図1(b)のように布2と樹脂成型品3との間に形成される樹脂注入空間4に発泡樹脂を注入して発泡させて、凸条15に差込み治具17の付いた発泡樹脂パネル7aと、凹溝16の内側に受け治具18が内蔵された発泡樹脂パネル7bを成形する。
【0024】
前記実施形態では樹脂の発泡で布2、樹脂成型品3、嵌合材12、14等が相互に密着する場合であるが、密着性を高めるために必要であれば、布2、樹脂成型品3、嵌合材12、14に接着剤を塗布するとか、それらの接着面にプライマ層を設けるなどして、それらの接着(密着)をより一層高めることもできる。接着剤やプライマ層は接着性(密着性)に富んだものを適宜選択使用することができる。本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法は工場施工することもできるが現場施工することもできる。
【0025】
前記実施形態はいずれも布2の上に樹脂成型品3を配置して、両者の間に樹脂注入空間4を形成し、その樹脂注入空間4に樹脂を注入発泡させる方法であるが、本願発明では樹脂成型品3に代えてアルミ成型品や金属成型品を使用することができる。又、それら成型品3を使用せずに、2枚の布2を対向配置し、その周囲を布又は他の部材で囲って樹脂注入空間4を設け、その樹脂注入空間4に樹脂を注入発泡させることもできる。この場合も、布2が変形したり布2に皺が寄ったりせず、所定形状の樹脂注入空間4が形成されるように布を保持し、樹脂注入空間4を確保する必要がある。また、必要に応じて、対向配置した布の周囲に前記した雄型の嵌合材12や雌型の嵌合材14を配置して、注入発泡樹脂と接着させることもできる。布2は袋状にしてその内部を樹脂注入空間とし、その袋をそれと略同形、同サイズのケース内に収容し、そのケースの外に開口している注入口から前記布製袋内に樹脂を注入発泡させることもできる。発泡後にケースから袋を取出せば、成型所望の形状、サイズで、全外周が布で被覆された発泡樹脂パネルを取出すことができる。この場合も、袋にプライマをコーティングしておくことにより、発泡樹脂が袋と密着する。
【0026】
(発泡樹脂パネルの使用例)
本願発明の発泡樹脂パネルの製造方法で製造された発泡樹脂パネルを使用してドライアイス収容容器を組み立てるには、例えば、次のようにすることができる。
(1)図6のように底板用の発泡樹脂パネル7aを、その布2を下面にし、樹脂成形品3を内面にして床や組み立て台の上に配置する。
(2)前記底板用の発泡樹脂パネル7aの上面外周部の上に、周壁用の発泡樹脂パネル(前板用、後板用、両側板用)7bを縦向きに配置して上面開口の箱型に組み立てる。このとき周壁用の発泡樹脂パネル7bも布2を外面にする。
(3)前記底板用の発泡樹脂パネル7aと、周壁用の四枚の発泡樹脂パネル7bの雄型の嵌合材12と雌型の嵌合材14を嵌合させる。図示しないが必要に応じてそれら発泡樹脂パネル7b同士の連結箇所の内面又は/及び外面には布2にマジックバンド(登録商標:以下同じ)や他の連結テープ等を貼って連結を確実且つ強固にして密閉する。
(4)底板用の発泡樹脂パネル7aと組み立てられた周壁用の発泡樹脂パネル7bで囲われた収納空間内にドライアイスを収容してから、前記周壁の上に上板用の発泡樹脂パネル7fを被せ、その上板用の発泡樹脂パネル7fと周壁用の四枚の発泡樹脂パネル7bとの連結箇所もマジックバンドや他の連結テープ等で連結して密閉する。
(5)ドライアイスを取り出すときは、前記上板用の発泡樹脂パネル7fを開き、取り出し後に、底板用の発泡樹脂パネル7aと周壁用の発泡樹脂パネル7bの連結箇所、周壁用の発泡樹脂パネル7b同士の連結箇所に貼り付けたマジックバンドや他の連結テープ等を剥してから、周壁用の発泡樹脂パネル7b同士の連結を解除し、底板用の発泡樹脂パネル7aと周壁用の発泡樹脂パネル7bの連結を解除して折り畳む。
(6)前記ドライアイス収容容器を再利用してドライアイスを収容するときは、前記(1)〜(4)の作業をしてドライアイス収容容器を組み立てて使用する。
【0027】
前記使用例では、布2を外面にして配置したが、これとは逆に布2を内面にして配置し、組み立てることもできる。
【符号の説明】
【0028】
1 台
2 布
3 成型品
3a〜3f 成型品
4 樹脂注入空間
5 樹脂注入口
6 発泡樹脂層
7 発泡樹脂パネル
7a 底板用の発泡樹脂パネル
7b〜7e 周壁用の発泡樹脂パネル
7f 上板用の発泡樹脂パネル
8 成型品の外周縁
9 成型品の嵌合溝
10a〜10e ヒンジ部
11 成型品の一方の開口側面
12 雄型の嵌合材
13 成型品の他方の開口側面
14 雌型の嵌合材
15 凸条
16 凹溝
17 差込み治具
18 受け治具
19、20 係止具
A 発泡樹脂板
B 防水シート
C 隙間
D 底板
E 周壁
F 上板
G 連結シート
H 布テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布と布との間の樹脂注入空間内に、又は布と成型品との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、前記布間、又は布と成型品との間にそれらと接着された発泡樹脂層を形成することを特徴とする発泡樹脂パネルの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の発泡樹脂パネルの製造方法において、樹脂注入空間の周囲に、成型品とは別体の嵌合材を配置し、前記樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、布と布との間、又は布と嵌合材との間、又は布と成型品との間、又は布と成型品と嵌合材との間にそれらと接着された発泡樹脂層を形成することを特徴とする発泡樹脂パネルの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の発泡樹脂パネルの製造方法において、成型品に嵌合部を備えたものを用い、樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、布と布との間、又は布と嵌合材との間、又は布と成型品との間、又は布と成型品と嵌合材との間に、それらと接着された発泡樹脂層を形成することを特徴とする発泡樹脂パネルの製造方法。
【請求項4】
一枚の布の上に複数の成型品を、間隔をあけて配置し、その布と夫々の成型品との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、一枚の布と夫々の成型品との間にそれらと接着された発泡樹脂層を形成することを特徴とする発泡樹脂パネルの製造方法。
【請求項5】
一枚の布の上に底板用、前板用、後板用、両側板用の成型品を間隔をあけて配置し、前記一枚の布とそれら成型品との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、夫々の樹脂注入空間内に布と成形品に密着する発泡樹脂層を備えた発泡樹脂パネルを形成し、それら発泡樹脂パネルの間の前記間隔にヒンジ部を形成することを特徴とする発泡樹脂パネルの製造方法。
【請求項6】
一枚の布の上に底板用、前板用、後板用、両側板用、上板用の成型品を間隔をあけて配置し、前記一枚の布とそれら成型品との間の樹脂注入空間内に樹脂を注入発泡させることにより、夫々の樹脂注入空間内に布と成形品に密着する発泡樹脂層を備えた発泡樹脂パネルを形成し、それら発泡樹脂パネルの間の前記間隔にヒンジ部を形成することを特徴とする発泡樹脂パネルの製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発泡樹脂パネルの製造方法において、布、成型品、嵌合材が樹脂の注入発泡により位置ずれしないように固定されたことを特徴とする発泡樹脂パネルの製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の発泡樹脂パネルの製造方法において、成型品、嵌合材が、樹脂製、アルミ製、金属製であることを特徴とする発泡樹脂パネルの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−218671(P2011−218671A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90234(P2010−90234)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000155045)株式会社本宏製作所 (41)
【Fターム(参考)】