説明

発電機の軸シール装置

【課題】回転軸の振れ回りによって加熱されるハイスポットに起因した回転軸の曲がりを抑制し、振れ回り振動の増大を防ぎ、発電機の信頼性を大幅に向上できる発電機の軸シール装置を提供する。
【解決手段】軸シール装置2は、回転軸5の外径よりも大きい内径を有して回転軸5に回転一体に設けられたスリーブ12と、スリーブ12の外周側に隙間を隔ててケーシング3に浮動自在に支持されるとともに隙間D1にシール油Oを導く給油孔13aを有するシールリング13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は発電機の軸シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーシング内に水素ガスなどの気体を冷媒として封入した発電機が知られている。このような発電機は、ケーシングに収容された回転軸と、ケーシングと回転軸との間における冷媒の漏洩を防ぐ軸シール装置と、を備える。
【0003】
この軸シール装置は、回転軸との間に隙間を形成するシールリングを備え、この隙間にシール油を給油してケーシング内外の通気を遮断して冷媒の漏洩を防ぐ。
【0004】
図17は、従来の軸シール装置を示した縦断面図である。
【0005】
図18は、従来の軸シール装置のシールリングの支持状態を示した図である。
【0006】
図17および図18に示すように、軸シール装置101は、発電機のケーシング102に設けられたシールケーシング103と、シールケーシング103のシール保持溝105に嵌合されたシールリング106と、シールリング106を弾性的に保持するシールスプリング107と、を備える。シールケーシング103およびシールリング106は、シールリング106と回転軸108との隙間Sにシール油Oを導く給油孔103a、106aを有する。軸シール装置101は、隙間Sに導かれたシール油Oの圧力とシールスプリング107の張力との釣り合いによって回転軸108からシールリング106を浮き上がらせて回転軸108とシールリング106との非接触状態を保つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−97273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、回転軸108は、一般に、回転軸108自体や回転軸108に設けられた回転子の質量分布の不均一によって不釣合いを有する。回転軸108は、この不釣合いによって振れ回り振動を生じる。この振れ回り振動は、回転軸108とシールリング106との隙間Sを局所的に狭く(図18中、Smin)し、当該箇所におけるシール油の高温化を招く。この高温なシール油Oは、回転軸108のシール部分において周方向に不均一な熱分布を発生させ、ひいては回転軸108に曲がりを生じさせて振れ回り振動を増大させる。
【0009】
以下、この振れ回り振動の増大について詳細に説明する。
【0010】
図19は、従来の軸シール装置における回転軸とシールリングとの隙間を示した図である。なお、図19は、回転軸108の振れ周り振動の様子を誇張して示した図である。
【0011】
図19に示すように、回転軸108は、重心Orが回転中心Owから偏心edして振れ回る。仮に、回転軸108および回転子に不釣合いなどの偏重心が無ければ、回転軸108の重心Orと、回転軸108の回転中心Owとは一致する。ところが、一般に、回転軸108および回転子は、不釣合いなどの偏重心を有るため、重心Orが回転中心Owから偏心edして振れ回る。なお、回転軸108の重心Orの振れ回り(公転Ω)と回転軸108自体の回転(自転ω)とは一致する。
【0012】
他方、軸シール装置101は、ケーシング102内の冷媒の漏洩を防ぐために設けられているので、ケーシング102内側の圧力とケーシング102外側の圧力との差(圧力差)によってシールリング106をシールケーシング103に押し付けられる。これによって、シールリング106は、その動きを拘束または妨げられて、回転軸108の振れ回りに十分に追従できなくなる場合がある。
【0013】
なお、シールリング106の中心Osと回転軸108の回転中心Owとは、静的な偏心esを有する。
【0014】
ここで、回転軸108の振れ回りによって回転中心Owから最も遠くなる回転軸108の表面部分をハイスポットHSと呼ぶ。このハイスポットHSは、回転中心Ow、回転軸108の半径rと重心Orの偏心edとの和を半径とする破線円の内側を振れ回る。また、ハイスポットHSは、静的な偏心esによってシールリング106の内周面に近づき、最小隙間部Sminを生じる。最小隙間部Sminは、静的な偏心esおよび回転軸108の公転Ωと自転ωの一致によって常にハイスポットHSとシールリング106との間に成され、一定な位置関係を示す。
【0015】
そして、間隙Sを満たすシール油は、ハイスポットHSとシールリング106とが最小間隙部Sminを成す位置関係になる度に圧縮されて高温になり、ハイスポットHSを加熱する。
【0016】
図20は、回転軸のシール部分の様子を概略的に示した図である。
【0017】
図20に示すように、回転軸108は、ハイスポットHSが最小間隙部Sminを成す位置を通過する度に圧縮、加熱されたシール油によって局所的に高温な加熱部109を生じ、ひいてはシール部分の周方向に不均一な熱分布を生じる。回転軸108は、シール部分の不均一な熱分布によって加熱部109(すなわち、ハイスポットHS近傍)に局所的な伸びを生じ、ひいては軸全体の曲がりを生じる。この回転軸108の曲がりは、発電機全体に影響を与える。
【0018】
図21は、曲がりを生じた回転軸による発電機の影響を概略的に示した図である。
【0019】
図21に示すように、曲がった回転軸108は、回転中心軸Owと中心線Rd(回転軸108各部の重心を結んだ線)との間に偏心を持って振れ回り、振れ回り振動を増大させる場合がある。
【0020】
シールリングを周方向に分割して回転軸とシールリングとの接触を抑制し、振動の増大を回避した軸シール装置が知られているが、回転軸の振れ回りによって局所的に加熱されるハイスポットに起因した回転軸の曲がりを防ぐことは困難である。
【0021】
そこで、本発明は、回転軸の振れ回りによって加熱されるハイスポットに起因した回転軸の曲がりを抑制し、振れ回り振動の増大を防ぎ、発電機の信頼性を大幅に向上できる発電機の軸シール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る発電機の軸シール装置は、内部に冷媒を収容するケーシングと前記ケーシングの内外を貫く回転軸との間に設けられて前記冷媒の漏洩を防ぐ発電機の軸シール装置において、前記回転軸の外径よりも大きい内径を有して前記回転軸に回転一体に設けられたスリーブと、前記スリーブの外周側に隙間を隔てて前記ケーシングに浮動自在に支持されるとともに前記隙間にシール油を導く給油孔を有するシールリングと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、回転軸の振れ回り振動の増大を防いで発電機の信頼性を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る軸シール装置が適用された発電機に示した概略図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る軸シール装置のシールリングの浮動保持状態を示した概念図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る軸シール装置における回転軸とシールリングとの隙間を示した図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る軸シール装置のシール部分の様子を概略的に示した図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図9】本発明の第5実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図10】本発明の第5実施形態に係る軸シール装置のシール部分の様子を示した図。
【図11】本発明の第6実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図12】本発明の第7実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図13】本発明の第8実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図14】本発明の第9実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図15】本発明の第10実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図16】本発明の第11実施形態に係る軸シール装置を示した断面図。
【図17】従来の軸シール装置を示した縦断面図。
【図18】従来の軸シール装置のシールリングの支持状態を示した図。
【図19】従来の軸シール装置における回転軸とシールリングとの隙間を示した図。
【図20】回転軸のシール部分の様子を概略的に示した図。
【図21】曲がりを生じた回転軸による発電機の影響を概略的に示した図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る発電機の軸シール装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第1実施形態について図1から図5を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態に係る軸シール装置が適用された発電機に示した概略図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る発電機1の軸シール装置2は、ケーシング3と回転軸5との間における冷媒6の漏洩を防ぐ。
【0029】
ここで先ず、発電機1は、内部に冷媒6を収容するケーシング3と、ケーシング3の内外を貫く回転軸5と、ケーシング3内にあり回転軸5と一体に回転する回転子8と、回転子8の周囲を取り囲みケーシング3の内側に固定された固定子9と、ケーシング3外にあって回転軸5を回転自在に軸支する軸受11と、ケーシング3と回転軸5との間で冷媒6の漏洩を防ぐ軸シール装置2と、を備える。発電機1は、タービンなどの原動機(図示省略)に接続された回転軸5を介して原動機が発生した仕事を受け取り、回転子8と固定子9との電磁誘導によって発電する。
【0030】
回転子8および固定子9はコイルを備える。回転子8および固定子9は、発電の際、コイルに流れる電流によって発熱し、高温になる。
【0031】
軸受11は、回転軸5とともに回転子8を滑らかに回転できるように保持する。
【0032】
冷媒6は、例えば水素ガスなどの気体であり、コイルに流れる電流によって発熱する回転子8および固定子9を冷却する。冷媒6は、ケーシング3外にある熱交換器(図示省略)とケーシング3内とを循環してケーシング3内の温度を予め定められた温度以下に冷却する。
【0033】
軸シール装置2は、ケーシング3内からの冷媒6の漏出を防ぐようケーシング3の両開口端部3aに2箇所設けられる。
【0034】
図2は、本発明の第1実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0035】
図2に示すように、軸シール装置2は、発電機1の回転軸5の外径よりも大きい内径を有して回転軸5に回転一体に設けられたスリーブ12と、スリーブ12の外周側に隙間D1を隔ててケーシング3に対して浮動自在に支持されるとともに隙間D1にシール油Oを導く給油孔13aを有するシールリング13と、を備える。また、軸シール装置2は、ケーシング3に設けられたシールケーシング15と、シールリング13を弾性的に保持するシールスプリング16と、を備える。
【0036】
スリーブ12は、回転軸5と同心状の円筒であり、ケーシング3の内外に跨がって延びる。スリーブ12は、回転軸5の外周部に一体に形成される。より詳しくは、スリーブ12は、回転軸5の外周から径方向に突出させて一体成形されたスリーブ支持台17によって保持される。また、スリーブ12は、スリーブ支持台17を支持端として回転軸5の軸方向へ延び、開口した自由端を有する。スリーブ12は、回転軸5の軸径よりも小さい寸法の板厚(例えば、軸径の2%以下)を有し、回転軸5よりも低い曲げ剛性を有することが望ましい。
【0037】
なお、スリーブ12は、ケーシング3の内側に開口していても、外側に開口していても良い。換言すれば、スリーブ12は、ケーシング3の内側に配置された端部を回転軸5に回転一体に固定されていても良く、ケーシング3の外側に配置された端部を回転軸5に回転一体に固定されていても良い。スリーブ12がケーシング3の内側に開口している場合は、スリーブ12と回転軸5との隙間D2に冷媒6が侵入してスリーブ12を内周側から冷却する。他方、スリーブ12がケーシング3の外側に開口している場合は、スリーブ12と回転軸5との隙間D2に雰囲気A(一般には空気)が侵入してスリーブ12を内周側から冷却する。なお、ケーシング3の内側に配置された端部とは、シール油Oが満ちる隙間D1よりもケーシング3の内側に延びたスリーブ12の開口端である。ケーシング3の外側に配置された端部とは、シール油Oが満ちる隙間D1よりもケーシング3の外側に延びたスリーブ12の開口端である。
【0038】
シールリング13は、環状の構造物であり、複数個の円弧状部材を一体に固定したものでも、複数個の円弧状部材を分割したまま組み合わせたものでも、一体成形されたものでも良い。給油孔13aは、シールリング13の内周と外周とを貫く。シールリング13は、外周部にシールスプリング16を周方向へ巻掛けるスプリング掛溝13bを有する。
【0039】
シールケーシング15は、シールリング13を保持するものであり、シールリング13が嵌合するシール保持溝18と、シール保持溝18にシール油Oを導く給油孔15aと、を有する。シール保持溝18は、回転軸5の径方向におけるシールリング13の移動を許しつつ回転軸5の軸方向におけるシールリング13の移動を規制するようシールリング13を保持する。給油孔15aは、油圧供給装置21に接続される。油圧供給装置21は、隙間D1に到達したシール油Oの圧力がケーシング3内の冷媒6の圧力よりも高くなるようにシール油Oを圧送する。
【0040】
図3は、本発明の第1実施形態に係る軸シール装置のシールリングの浮動保持状態を示した概念図である。
【0041】
シールスプリング16は、シールリング13のスプリング掛溝13bに半円弧分ずつ巻掛けられた長尺な弾性体であり、上半円弧スプリング16aおよび下半円弧スプリング16bの各端部16cをシールケーシング15に固定される。
【0042】
軸シール装置2は、隙間D1に導かれたシール油Oの圧力とシールスプリング16の張力との釣り合いによってスリーブ12からシールリング13を浮き上がらせてスリーブ12とシールリング13との非接触状態を保つ。換言すれば、シールリング13は、シール油Oの圧力とシールスプリング16の張力との釣り合いによって浮動性を維持する。なお、下半円弧スプリング16bはシール油Oの圧力に加えてシールリング13の質量も保持する。
【0043】
図4は、本発明の第1実施形態に係る軸シール装置における回転軸とシールリングとの隙間を示した図である。なお、図4は、回転軸5の振れ周り振動の様子を誇張して示した図である。
【0044】
図4に示すように、回転軸5は、重心Orが回転中心Owから偏心edして振れ回る。仮に、回転軸5、回転子8およびスリーブ12に不釣合いなどの偏重心が無ければ、回転軸5の重心Orと、回転軸5の回転中心Owとは一致する。ところが、一般に、回転軸5、回転子8およびスリーブ12は、不釣合いなどの偏重心を有るため、重心Orが回転中心Owから偏心edして振れ回る。なお、回転軸5の重心Orの振れ回り(公転Ω)と回転軸5自体の回転(自転ω)とは一致する。なお、シールリング13の中心Osと回転軸5の回転中心Owとは、静的な偏心esを有する。
【0045】
他方、軸シール装置2は、ケーシング3内の冷媒の漏洩を防ぐために設けられているので、ケーシング3内側の圧力とケーシング3外側の圧力との差(圧力差)によってシールリング13をシールケーシング15に押し付けられて浮動性が低下したり、拘束されてしまったりする。浮動性が低下したり、拘束されてしまったりしたシールリング13は、回転軸5の振れ回りに十分に追従できなくなる場合がある。
【0046】
ここで、回転軸5の振れ回りによって回転中心Owから最も遠くなるスリーブ12の表面部分をハイスポットHS’と呼ぶ。ハイスポットHS’は、回転中心Ow、スリーブ12の半径rsと重心Orの偏心edとの和を半径とする破線円の内側を振れ回る。また、ハイスポットHS’は、静的な偏心esによってシールリング13の内周面に近づき、最小隙間部Sminを生じる。最小隙間部Sminは、静的な偏心esおよび回転軸5の公転Ωと自転ωの一致によって常にハイスポットHS’とシールリング13との間に成され、一定な位置関係を示す。
【0047】
そして、間隙Sを満たすシール油Oは、ハイスポットHS’とシールリング13とが最小間隙部Sminを成す位置関係になる度に圧縮されて高温になり、ハイスポットHS’を加熱する。
【0048】
図5は、本発明の第1実施形態に係る軸シール装置のシール部分の様子を概略的に示した図である。
【0049】
図5に示すように、軸シール装置2のスリーブ12は、ハイスポットHS’が最小間隙部Sminを成す位置を通過する度に圧縮、加熱されたシール油Oによって局所的に高温な加熱部23を生じ、ひいてはシール部分の周方向に不均一な熱分布を生じる。スリーブ12は、シール部分の不均一な熱分布によって加熱部23(すなわち、ハイスポットHS’近傍)に局所的な伸びを生じ、ひいてはスリーブ12全体の曲がり(熱応力による曲げ)を生じる。
【0050】
ところが、軸シール装置2は、回転軸5よりも剛性の小さいスリーブ12を片持梁状に支持するため、スリーブ12の曲がりが回転軸5に伝わることを抑制できる。なお、スリーブ12と回転軸5との隙間D2は、変形したスリーブ12が回転軸5に接しない程度に確保される。
【0051】
もちろん、スリーブ12の曲がりは、スリーブ12の不釣合いを生じるものの、回転軸5、回転子8および変形前のスリーブ12の全体の不釣合いに比べれば極めて僅かな不釣合いであり、回転軸5の振れ回り振動を増大させることはない。
【0052】
したがって、本実施形態に係る軸シール装置2は、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0053】
[第2の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第2実施形態について図6を参照して説明する。
【0054】
図6は、本発明の第2実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0055】
なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
図6に示すように、軸シール装置2Aは、回転軸5の外周にスリーブ12を焼きばめたスリーブ支持台17Aを備える。
【0057】
スリーブ支持台17Aは、回転軸5の外周から径方向に突出させて一体成形される。スリーブ12は、スリーブ支持台17Aに焼きばめられて保持される。
【0058】
本実施形態に係る軸シール装置2Aは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0059】
また、本実施形態に係る軸シール装置2Aは、回転軸5とスリーブ12とを一体成形することが困難な場合、回転軸5とは別に形成したスリーブ12を回転軸5に後付けすることができる。
【0060】
[第3の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第3実施形態について図7を参照して説明する。
【0061】
図7は、本発明の第3実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0062】
なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0063】
図7に示すように、軸シール装置2Bは、スリーブ12に設けられた継手部25と、継手部25を回転軸5に締結する締結部材26と、を備える。
【0064】
継手部25は、スリーブ12のいずれかの端部に連続させて一体に形成される。継手部25は、締結部材26の通し穴25aを有する。
【0065】
締結部材26は、例えばボルトであり、回転軸5に形成されたボルト穴27に締め付けられる。
【0066】
本実施形態に係る軸シール装置2Bは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0067】
また、本実施形態に係る軸シール装置2Bは、回転軸5とスリーブ12とを一体成形することが困難な場合、回転軸5とは別に形成したスリーブ12を回転軸5に後付けすることができる。
【0068】
[第4の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第4実施形態について図8を参照して説明する。
【0069】
図8は、本発明の第4実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0070】
なお、本実施形態において、第3実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0071】
図8に示すように、軸シール装置2Cは、回転軸5に回転一体に設けられてスリーブ12開口端に外嵌めされたストッパスリーブ28を備える。
【0072】
ストッパスリーブ28は、スリーブ12よりも軸方向長さが短いスリーブ29と、スリーブ29に設けられた継手部31と、を備える。継手部31は、スリーブ29のいずれかの端部に連続させて一体に形成される。継手部31は、通し穴31aを有する。
【0073】
締結部材32は、例えばボルトであり、通し穴31aを通り回転軸5に形成されたボルト穴33に締め付けられる。
【0074】
スリーブ12は、片持梁状に支持されているため、回転軸5とともに回転して大きな遠心力が加わると自由端である開口端が径外方向へ変形してシールリング13に接触する虞がある。特に、シールリング13の浮動性が損なわれた場合、このような虞が高まる。そこで、軸シール装置2Cは、スリーブ12の開口端にストッパスリーブ28を外嵌めしてスリーブ12開口端における径外方向の変形を抑制する。
【0075】
本実施形態に係る軸シール装置2Cは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0076】
また、本実施形態に係る軸シール装置2Cは、遠心力によるスリーブ12の変形を抑制してシール機能の信頼性を向上できる。
【0077】
[第5の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第5実施形態について図9および図10を参照して説明する。
【0078】
図9は、本発明の第5実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0079】
図10は、本発明の第5実施形態に係る軸シール装置のシール部分の様子を示した図である。
【0080】
なお、本実施形態において、第3実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0081】
図9および図10に示すように、軸シール装置2Dは、スリーブ12の両端に設けられた一対の継手部25と、継手部25を回転軸5に締結する締結部材26と、を備える。
【0082】
軸シール装置2Dは、スリーブ12の両開口端を継手部25で回転軸5に固定したものである。本実施形態に係るスリーブ12は、両持梁状に支持されているため、回転軸5とともに回転して大きな遠心力が加わっても端部の径外方向変形を防ぐことができる。
【0083】
なお、両端支持されたスリーブ12は、ハイスポットHS’の加熱によって曲げモーメントMを生じるが、回転軸5に比べて剛性が低いので回転軸5を曲げるものではない(図10)。
【0084】
本実施形態に係る軸シール装置2Dは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0085】
また、本実施形態に係る軸シール装置2Dは、遠心力によるスリーブ12の変形を抑制してシール機能の信頼性を向上できる。
【0086】
[第6の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第6実施形態について図11を参照して説明する。
【0087】
図11は、本発明の第6実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0088】
なお、本実施形態において、第5実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0089】
図11に示すように、軸シール装置2Eの継手部25の一方は、回転軸5の軸方向へ摺動自在なように締結部材26を通す拡大孔35を有する。
【0090】
軸シール装置2Eは、一方の継手部25の通し穴25aを拡大孔35にしたものである。締結部材26と拡大孔35とは、継手部25の軸方向変位を非拘束、径方向変位を拘束の状態でスリーブ12を回転軸5に締結する。本実施形態に係るスリーブ12は、両持梁状に支持されているため、回転軸5とともに回転して大きな遠心力が加わっても端部の径外方向変形を防ぐことができる。しかも、両端支持されたスリーブ12は、ハイスポットHS’の加熱によって軸方向へ延びるが、一方の継手部25の軸方向変位が非拘束状態(摺動自在)であるため曲げモーメントを抑制して回転軸5の曲がりを防ぐ。
【0091】
本実施形態に係る軸シール装置2Eは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0092】
また、本実施形態に係る軸シール装置2Eは、遠心力によるスリーブ12の変形を抑制してシール機能の信頼性を向上できる。
【0093】
[第7の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第7実施形態について図12を参照して説明する。
【0094】
図12は、本発明の第7実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0095】
なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0096】
図12に示すように、軸シール装置2Fのスリーブ12は、シールリング13に相対する中間部を回転軸5に回転一体に固定される。
【0097】
スリーブ支持台17Bは、シールリング13(ひいてはシール油Oの満ちた隙間D1)に相対して回転軸5から延びてスリーブ12の中間部を保持する。スリーブ支持台17Bは、ケーシング3の内側を指向する面を常に冷媒6に晒す。なお、スリーブ支持台17Bは、ケーシング3の外側を指向する面を常に雰囲気Aに晒す。
【0098】
ハイスポットHS’はシールリング13に相対するスリーブ12の外表面部分に生じるため、ハイスポットHS’の熱はスリーブ支持台17Bに伝わり回転軸5のほうへ伝導しようとする。ところが、軸シール装置2Fは、スリーブ支持台17Bの一方の面(ケーシング3の内側に向かう面)を冷媒6に晒し、スリーブ支持台17Bの他方の面(ケーシング3の外側に向かう面)を雰囲気Aに晒すので、スリーブ支持台17Bに伝わる熱を回転軸5に至る前に冷却する。
【0099】
したがって、軸シール装置2Fは、ハイスポットHS’に生じた熱が回転軸5に達しないようスリーブ支持台17Bを冷却し、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0100】
[第8の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第8実施形態について図13を参照して説明する。
【0101】
図13は、本発明の第8実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0102】
なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0103】
図13に示すように、軸シール装置2Gは、回転軸5とスリーブ12との隙間D2に冷却装置37を備える。冷却装置37は、回転軸5の外周に設けられた冷却翼38を備える。
【0104】
冷却翼38は、回転軸5に回転一体に設けられた複数の翼であり、回転軸5とともに回転(図13中、自転ω)して隙間D2に向かう流れを生じる。冷却翼38は、隙間D2の内側にあっても良く、隙間D2の外側にあっても良く、隙間D2の内外に跨がっていても良い。冷却翼38は、隙間D2の高さ(径方向)よりも短い翼幅を有する。すなわち、冷却翼38の径外端とスリーブ12の内周面とは隙間dを形成する。
【0105】
冷却翼38は、ケーシング3の内側にあってもよく、外側にあってもよい。換言すれば、冷却翼38は、ケーシング3の内側に開口するスリーブ12に冷媒6を流し込んでも良く、ケーシング3の外側に開口するスリーブ12に雰囲気Aを流し込んでも良い。
【0106】
軸シール装置2Gは、回転軸5とともに冷却翼38を回転し、隙間D2の回転軸5近傍側からスリーブ12の内周面側を経由して隙間dから流れ出す流れ(図13中、実線矢)を生じる。この流れは、スリーブ12の内周側からハイスポットHS’を冷却し、スリーブ12の曲がりを抑制し、ひいては回転軸5の曲がりを抑制する。
【0107】
したがって、本実施形態に係る軸シール装置2Gは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0108】
[第9の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第9実施形態について図14を参照して説明する。
【0109】
図14は、本発明の第9実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0110】
なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0111】
図14に示すように、軸シール装置2Hは、回転軸5とスリーブ12との隙間D2に冷却装置37Aを備える。冷却装置37Aは、隙間D2の内外に渡って回転軸5の外周に形成された螺旋状の溝39を有する。
【0112】
溝39は、冷却装置37の冷却翼38と同様に、回転軸5とともに回転(図14中、自転ω)して隙間D2に向かう流れを生じるものである。溝39は、ケーシング3の内側にあってもよく、外側にあってもよい。換言すれば、溝39は、ケーシング3の内側に開口するスリーブ12に冷媒6を流し込んでも良く、ケーシング3の外側に開口するスリーブ12に雰囲気Aを流し込んでも良い。
【0113】
軸シール装置2Hは、回転軸5とともに溝39を回転し、隙間D2の回転軸5近傍側からスリーブ12の内周面側を経由して隙間D2から流れ出る流れ(図14中、実線矢)を生じる。この流れは、スリーブ12の内周側からハイスポットHS’を冷却し、スリーブ12の曲がりを抑制し、ひいては回転軸5の曲がりを抑制する。
【0114】
したがって、本実施形態に係る軸シール装置2Hは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0115】
[第10の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第10実施形態について図15を参照して説明する。
【0116】
図15は、本発明の第10実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0117】
なお、本実施形態において、第8実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0118】
図15に示すように、軸シール装置2Iは、回転軸5とスリーブ12との隙間D2に冷却装置37Bを備える。冷却装置37Bは、冷却翼38と、スリーブ12の内周面と外周面とを貫いて回転軸5とスリーブ12との隙間D2の内外を連通させる排気口41aを有する排気流路41を備える。
【0119】
排気口41aは、ハイスポットHS’を効率的に冷却できるよう、極力ハイスポットHS’に近接させて配置される。具体的には、排気口41aは、隙間D1の中央に極力寄せて配置したスリーブ12の内側に位置する開口端と、隙間D1の側方近傍に極力寄せて配置したスリーブ12の外側に位置する開口端と、を有する。
【0120】
また、排気口41aは、スリーブ12の内周面と外周面とを貫く孔であるが、ケーシング3の内外を連通させることはない。すなわち、排気口41aは、ケーシング3の内側から隙間D2へ冷媒6が流れ込む場合、ケーシング3の内側かつスリーブ12の外周側へ冷媒6を流し出す。他方、排気口41aは、ケーシング3の外側から隙間D2へ雰囲気Aが流れ込む場合、ケーシング3の外側かつスリーブ12の外周側へ雰囲気Aを流し出す。
【0121】
軸シール装置2Iは、隙間D2に流し込んだ流体(冷媒6または雰囲気A)を回転軸5の回転にともなう遠心力によって排気口41aから流出させてハイスポットHS’を冷却し、スリーブ12の曲がりを抑制し、ひいては回転軸5の曲がりを抑制する。
【0122】
したがって、本実施形態に係る軸シール装置2Iは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0123】
[第11の実施形態]
本発明に係る発電機の軸シール装置の第11実施形態について図16を参照して説明する。
【0124】
図16は、本発明の第11実施形態に係る軸シール装置を示した断面図である。
【0125】
なお、本実施形態において、第4実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0126】
図16に示すように、軸シール装置2Jのストッパスリーブ28Aは、スリーブ29と、回転にともなって回転軸5とスリーブ12との隙間D2に雰囲気Aを流入させる冷却流入孔42を有する継手部31Aと、を備える。
【0127】
冷却流入孔42は、冷却装置37の冷却翼38と同様に、回転軸5とともに回転して隙間D2に向かう流れを生じるものである。冷却流入孔42は、ストッパスリーブ28Aとともにケーシング3の内側にあってもよく、外側にあってもよい。換言すれば、冷却流入孔42は、ケーシング3の内側に開口するスリーブ12に冷媒6を流し込んでも良く、ケーシング3の外側に開口するスリーブ12に雰囲気Aを流し込んでも良い。
【0128】
また、軸シール装置2Jのスリーブ12は、スリーブ12の内周面と外周面とを貫いて回転軸5とスリーブ12との隙間D2の内外を連通させる排気口41aを有する。
【0129】
排気口41aは、ハイスポットHS’を効率的に冷却できるよう、極力ハイスポットHS’に近接させて配置される。具体的には、排気口41aは、隙間D1の中央に極力寄せて配置したスリーブ12の内側に位置する開口端と、隙間D1の側方近傍に極力寄せて配置したスリーブ12の外側に位置する開口端と、を有する。
【0130】
また、排気口41aは、スリーブ12の内周面と外周面とを貫く孔であるが、ケーシング3の内外を連通させることはない。すなわち、排気口41aは、ケーシング3の内側から隙間D2へ冷媒6が流れ込む場合、ケーシング3の内側かつスリーブ12の外周側へ冷媒6を流し出す。他方、排気口41aは、ケーシング3の外側から隙間D2へ雰囲気Aが流れ込む場合、ケーシング3の外側かつスリーブ12の外周側へ雰囲気Aを流し出す。
【0131】
軸シール装置2Jは、冷却流入孔42から隙間D2に流し込んだ流体(冷媒6または雰囲気A)を回転軸5の回転にともなう遠心力によって排気口41aから流出させてハイスポットHS’を冷却し、スリーブ12の曲がりを抑制し、ひいては回転軸5の曲がりを抑制する。
【0132】
したがって、本実施形態に係る軸シール装置2Jは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを防ぐことができる。
【0133】
また、本実施形態に係る軸シール装置2Cは、遠心力によるスリーブ12の変形を抑制してシール機能の信頼性を向上できる。
【0134】
このように、本実施形態に係る軸シール装置2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H、2I、2Jは、回転軸5の振れ回りによって加熱されるハイスポットHS’に起因した回転軸5の曲がりを抑制し、振れ回り振動の増大を防ぎ、発電機1の信頼性を大幅に向上できる。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
1 発電機
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H、2I、2J 軸シール装置
3 ケーシング
3a 開口端部
5 回転軸
6 冷媒
8 回転子
9 固定子
11 軸受
12 スリーブ
13 シールリング
13a 給油孔
13b スプリング掛溝
15 シールケーシング
15a 給油孔
16 シールスプリング
16a 上半円弧スプリング
16b 下半円弧スプリング
16c 端部
17、17A、17B スリーブ支持台
18 シール保持溝
21 油圧供給装置
23 加熱部
25 継手部
25a 通し穴
26 締結部材
27 ボルト穴
28、28A ストッパスリーブ
29 スリーブ
31、31A 継手部
31a 通し穴
32 締結部材
33 ボルト穴
35 拡大孔
37、37A、37B 冷却装置
38 冷却翼
39 溝
41 排気流路
41a 排気口
42 冷却流入孔
101 軸シール装置
102 ケーシング
103 シールケーシング
103a 給油孔
105 シール保持溝
106 シールリング
107 シールスプリング
108 回転軸
109 加熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷媒を収容するケーシングと前記ケーシングの内外を貫く回転軸との間に設けられて前記冷媒の漏洩を防ぐ発電機の軸シール装置において、
前記回転軸の外径よりも大きい内径を有して前記回転軸に回転一体に設けられたスリーブと、
前記スリーブの外周側に隙間を隔てて前記ケーシングに浮動自在に支持されるとともに前記隙間にシール油を導く給油孔を有するシールリングと、を備えたことを特徴とする発電機の軸シール装置。
【請求項2】
前記回転軸の外周に前記スリーブを焼きばめたスリーブ支持台を備えたことを特徴とする請求項1に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項3】
前記スリーブに設けられた継手部と、
前記継手部を前記回転軸に締結する締結部材と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項4】
前記回転軸に回転一体に設けられて前記スリーブ開口端に外嵌めされたストッパスリーブを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項5】
前記スリーブの両端に設けられた一対の継手部と、
前記継手部を前記回転軸に締結する締結部材と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項6】
前記継手部の一方は、前記回転軸の軸方向へ摺動自在なように前記締結部材を通す拡大孔を有することを特徴とする請求項5に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項7】
前記回転軸と前記スリーブとの隙間に冷却装置を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項8】
前記冷却装置は、前記回転軸の外周に設けられた冷却翼を備えたことを特徴とする請求項7に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項9】
前記冷却装置は、前記回転軸と前記スリーブとの隙間の内外に渡って前記回転軸の外周に形成された螺旋状の溝を有することを特徴とする請求項7に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項10】
前記冷却装置は、前記スリーブの内周面と外周面とを貫いて前記回転軸と前記スリーブとの隙間の内外を連通させる排気口を有する排気流路を備えたことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項11】
前記ストッパスリーブは、回転にともなって前記回転軸と前記スリーブとの隙間に雰囲気を流入させる冷却流入孔を有することを特徴とする請求項4に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項12】
前記スリーブは、前記スリーブの内周面と外周面とを貫いて前記回転軸と前記スリーブとの隙間の内外を連通させる排気口を有することを特徴とする請求項11に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項13】
前記スリーブは、前記ケーシングの内側に配置された端部を前記回転軸に回転一体に固定されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項14】
前記スリーブは、前記ケーシングの外側に配置された端部を前記回転軸に回転一体に固定されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発電機の軸シール装置。
【請求項15】
前記スリーブは、前記シールリングに相対する中間部を前記回転軸に回転一体に固定されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発電機の軸シール装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2012−90397(P2012−90397A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233914(P2010−233914)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】