説明

発電装置および方法、並びにプログラム

【課題】発電をより適切に行うことができるようにする。
【解決手段】掃除機100の筺体は、側面102によって、八角形が形成される。その側面102の内側は、山型の形状をなしている。つまり、各上面101は、側面102側から中央に向かって高くなるような、互いに異なる方向を向く斜面として形成される。各上面101に設置される太陽電池ユニット111が、互いに異なる方向に向くので、光が一方向から照射されると、ユニット間で発電量に偏りが生じる。掃除機100は、各太陽電池ユニット111の発電量を比較することにより、どの方向から光が照射されているのか把握する。移動制御部151は、移動機能部171を制御して掃除機100の筺体を、光の照射方向に向かう方向に移動させる。本発明は、例えば、発電装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、発電をより適切に行うことができるようにした発電装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電パネルは、屋根の上など日光がよく当たりそうな場所に固定設置されるものが一般的であった。太陽光発電パネルを備えた携帯型の機器のように、ユーザが太陽光発電パネルの設置場所を、容易かつ自由に決定することができる場合も、単に設置場所を決めることができるのみであり、設置された状態から、季節や時間、天候や周辺の木々や生物による周辺環境の変化に対して積極的に対応し、発電効率の向上に努めることはなかった。
【0003】
また、発電効率を向上させる制御方法としては、例えば、最大電力が得られるように電圧や電流を制御する最大電力点追従式の電気的な制御(MPPT(Maximum Power Point Tracking))があった。
【0004】
さらに、近年においては、太陽光の向きに応じて、太陽光パネルの設置角度を変える方法も考えられている。また、バッテリの残量が少なくなると充電設備に移動する移動ロボットが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−285547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の方法では、発電を適切に行うことができない恐れがあった。例えば、太陽光発電パネルを固定設置する場合、その場所が常に最適な場所であるとは限らず、また周辺環境の変化に対応することができなかった。また、携帯型の太陽光発電パネルの場合も、ユーザが設置した場所が必ずしも常に最適な場所とは限らなかった。また、設置後は、ユーザが位置や向きを変更するまで、周辺環境の変化に対応することができなかった。さらに、そのユーザによる変更が適切なものであるとは限らなかった。
【0007】
また、MPPT制御を行う場合も、発電を行う太陽光発電パネルの位置が好適な位置とは限らず、効率よく発電を行うことができない恐れがあった。
【0008】
さらに、太陽光の向きに応じて太陽光パネルの設置角度を変える方法の場合も、設置角度を変更しても、その位置が適切でない場合が考えられ、必ずしも効率よく発電を行うことができなかった。
【0009】
また、上述した移動ロボットの場合、バッテリの残量に応じて移動を行うが、効率よく発電を行うことができる好適な位置を検索することはできなかった。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、適切な位置を求めて自ら移動することにより、発電をより適切に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面は、発電を行う発電装置であって、前記発電装置の筺体に互いに異なる方向に向けて設けられた、光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行う複数の発電手段と、各発電手段の発電により得られた電流を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された各電流の大きさに基づいて、光の照射方向に向かうように移動方向を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記移動方向に前記発電装置を移動させる移動手段とを備える発電装置である。
【0012】
前記発電装置の現在位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された現在位置と、前記検出手段により検出された、各発電手段の発電により得られた電流の大きさとを関連付けて記憶する記憶手段とをさらに備えることができる。
【0013】
前記複数の発電手段の発電により得られた電力を蓄電する蓄電手段をさらに備え、
前記移動手段は、前記蓄電手段により蓄電された前記電力を消費して駆動することができる。
【0014】
前記蓄電手段により蓄電された前記電力を消費して所定の機能を実現する電力消費手段をさらに備えることができる。
【0015】
現在時刻を提供する計時手段をさらに備え、
前記電力消費手段は、前記計時手段により提供される現在時刻に応じた処理を行うことができる。
【0016】
前記蓄電手段に蓄電される前記電力の残量を検出する残量検出手段をさらに備え、前記移動手段は、前記残量検出手段により検出される前記電力の残量が満充電に近い状態の場合、前記発電装置を発電量が少ない位置に移動させることができる。
【0017】
前記蓄電手段に蓄電される前記電力の残量を検出する残量検出手段をさらに備え、前記移動手段は、前記残量検出手段により検出される前記電力の残量が空充電に近い状態の場合、前記発電装置を発電量が多い位置に移動させることができる。
【0018】
前記蓄電手段に蓄電された前記電力を他の装置に出力する電力出力手段をさらに備えることができる。
【0019】
前記複数の発電手段は、互いに異なる色の色素を用いた色素増感型太陽電池よりなり、前記検出手段により検出された各電流の大きさに基づいて、現在の時間帯を推測する推測手段をさらに備えることができる。
【0020】
本発明の一側面はまた、発電を行う発電装置の発電方法であって、前記発電装置の、互いに異なる方向に向けて設けられた複数の発電手段が、光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行い、前記発電装置の検出手段が、各発電により得られた電流を検出し、前記発電装置の決定手段が、検出された各電流の大きさに基づいて、光の照射方向に向かうように移動方向を決定し、前記発電装置の移動手段が、決定された前記移動方向に前記発電装置を移動させる発電方法である。
【0021】
本発明の一側面においては、光エネルギーが電気エネルギーに変換されて発電が行われ、各発電により得られた電流が検出され、検出された各電流の大きさに基づいて、光の照射方向に向かうように移動方向が決定され、決定された移動方向に発電装置が移動される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換して、発電を行うことができる。特に、より適切に発電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用した掃除機の構成例を示す図である。
【図2】本発明を適用した掃除機に光を照射した場合の例を説明する図である。
【図3】本発明を適用した掃除機の内部の構成例を示すブロック図である。
【図4】動作制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図5】自己消費処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図6】充電優先処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図7】市制制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図8】本発明を適用した掃除機の他の構成例を示す図である。
【図9】太陽光のスペクトラムの例を説明する図である。
【図10】色素毎の光吸収波長の例を説明する図である。
【図11】本発明を適用した掃除機の内部の他の構成例を示すブロック図である。
【図12】自己消費処理の流れの他の例を説明するフローチャートである。
【図13】本発明を適用した掃除システムの構成例を示す図である。
【図14】本発明を適用した掃除機の内部の、さらに他の構成例を示すブロック図である。
【図15】動作制御処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。
【図16】電力供給処理の流れの他の例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(自走式掃除機)
2.第2の実施の形態(色素増感型太陽電池を用いた自走式掃除機)
3.第3の実施の形態(掃除システム)
【0025】
<1.第1の実施の形態>
[自走式掃除機外観]
図1は、本発明を適用した自走式の掃除機の外観を説明する図である。図1に示される掃除機100の筺体は、主に、図1Aに示されるような複数の上面および側面と、図1Cに示されるような底面により構成される。
【0026】
図1Bに示されるように、掃除機100の筺体は、上面側からみると八角形をなしており、8面の上面(上面101−1乃至上面101−8)を有する。以下において、この上面101−1乃至上面101−8を互いに区別する必要が無い場合、単に上面101と称する。
【0027】
掃除機100の筺体の周縁部を形成する各側面は、地面に対して略垂直に形成され、図1Aに示されるように、上面101に対して、1対1に対応する。つまり、図1Aに示されるように、上面101−1に対して側面102−1が形成され、上面101−2に対して側面102−2が形成され、上面101−3に対して側面102−3が形成される。図示は省略するが、上面101−4乃至上面101−8に対しても同様に、側面102−4乃至側面102−8が形成される。
【0028】
すなわち、掃除機100の筺体には、側面が8面形成される。以下において、側面102−1乃至側面102−8を互いに区別する必要が無い場合、単に側面102と称する。
【0029】
図1Bに示されるように、掃除機100の筺体は、側面102によって、八角形が形成される。また、図1Aに示されるように、その側面102の内側は、山型の形状をなしている。つまり、各上面101は、側面102側から中央に向かって高くなるような、互いに異なる方向を向く斜面として形成される。
【0030】
図1Cに示されるように、上面101に対向する底面103は、略平面により形成される。この底面103も側面102により囲まれるので、八角形の平面となる。
【0031】
上面101には、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電を行う太陽電池が設置される。例えば、図1Aに示されるように、上面101−1には、太陽電池パネル111−1−1、太陽電池パネル111−1−2、および太陽電池パネル111−1−3が設置される。同様に、上面101−2には、太陽電池パネル111−2−1、太陽電池パネル111−2−2、および太陽電池パネル111−2−3が設置される。上面101−3にも、太陽電池パネル111−3−1、太陽電池パネル111−3−2、および太陽電池パネル111−3−3が設置される。
【0032】
これらの太陽電池は、どのようなものであってもよい。例えば、結晶シリコンやアモルファスシリコンを用いた所謂シリコン系の太陽電池を用いてもよい。
【0033】
図1Bに示されるように、上面101−4乃至上面101−8の各面にも同様に太陽電池パネルが設置される。各上面101の太陽電池パネルが1ユニットを形成する。つまり、上面101−1には、太陽電池ユニット111−1が設置される。上面101−2乃至上面101−8も同様に、太陽電池ユニット111−2乃至太陽電池ユニット111−8が設置される。
【0034】
つまり、太陽電池ユニット111−1乃至太陽電池ユニット111−8は、互いに異なる方向に向けて設置されている。太陽電池の発電は、このユニット毎に独立しており、ユニット毎に発電量(電流値)の検出を行うことができる。以下において、太陽電池ユニット111−1乃至太陽電池ユニット111−8を互いに区別して説明する必要が無い場合、単に太陽電池ユニット111と称する。
【0035】
太陽電池ユニット111において発電された電力は、掃除機100が内蔵する二次電池に蓄電される。つまり、掃除機100は、発電機能だけでなく、蓄電機能も有する。また、掃除機100は、太陽電池ユニット111において発電された電力や、二次電池に蓄電される電力を使って、掃除機が位置する地面(床)を掃除する床掃除を行うことができる。つまり、掃除機100は、電力を消費して駆動する電力消費機能として掃除機能を有する。
【0036】
図1Cに示されるように、底面103には、ゴミや埃の吸い込み口113−1乃至吸い込み口113−4が形成される。以下において、これらの吸い込み口を互いに区別して説明する必要が無い場合、単に吸い込み口113と称する。掃除機100は、この底面103の吸い込み口113から床のゴミや埃等を吸い取ることにより、床掃除を行う。
【0037】
さらに、掃除機100は、太陽電池ユニット111において発電された電力や、二次電池に蓄電される電力を使って自身(筺体)を移動させることができる。つまり、掃除機100は、電力消費機能として移動機能を有する。
【0038】
図1Cに示されるように、底面103には、自由に向きを変えることができるタイヤ112―1乃至タイヤ112−4が形成される。以下において、これらのタイヤを互いに区別して説明する必要が無い場合、単にタイヤ112と称する。各タイヤ112は、掃除機100が内蔵するモータにより駆動し、筺体を床に沿って任意の方向に移動させることができる。
【0039】
上述したように、各太陽電池ユニット111は、互いに異なる方向に向けて設置されるので、図2Aに示されるように光が一方向から照射されると、図2Bに示されるように、ユニット間で発電量に偏りが生じる。
【0040】
図2Aの例の場合、上面101−2側から光が照射されているので、各太陽電池ユニット111の発電量は、図2Bに示されるように、光の照射方向に向かう太陽電池ユニット111−2が最も大きくなり、その反対側を向く太陽電池ユニット111−6が最も小さくなる。
【0041】
このように、各太陽電池ユニット111が互いに異なる方向に向けて設置されるので、掃除機100は、各太陽電池ユニット111の発電量を比較することにより、どの方向から光が照射されているのか把握することができる。
【0042】
[掃除機の内部構成]
図3は、掃除機100の内部の主な構成例を示すブロック図である。図3において、太線の矢印は、太陽電池ユニット111において発電される電力(電流)の供給関係の様子を示している。
【0043】
図3に示されるように、掃除機100は、発電機能として動作する太陽電池ユニット111−1乃至太陽電池ユニット111−8の発電により得られる電流を検出する電流検出部131−1乃至電流検出部131−8を有する。以下において、電流検出部131−1乃至電流検出部131−8を互いに区別する必要が無い場合、単に電流検出部131と称する。
【0044】
図3に示されるように、各太陽電池ユニット111に電流検出部131が1つずつ設けられている。つまり、電流検出部131は、各太陽電池ユニット111において発生する電流を個別に検出することができる。電流の検出はどのような方法でもよい。例えば、オペアンプを用いた一般的な小規模の電流検出回路を用いて検出を行うようにしてもよい。なお、各電流検出部131が検出した電流値は、CPU134に供給される。
【0045】
また、掃除機100は、太陽電池ユニット111−1乃至太陽電池ユニット111−8において発電されて得られた電力(電流)を二次電池133に蓄電させるか否かを制御する充電電流制御部132−1乃至充電電流制御部132−8を有する。以下において、充電電流制御部132−1乃至充電電流制御部132−8を互いに区別する必要が無い場合、単に充電電流制御部132と称する。
【0046】
図3に示されるように、各太陽電池ユニット111に充電電流制御部132が1つずつ設けられている。つまり、充電電流制御部132は、各太陽電池ユニット111において発生する電流の充電を個別に制御することができる。この充電制御方法は、どのような方法で行われるようにしても良いが、例えば、電流検出部131と二次電池133との間を短絡したり解放したりするスイッチ回路を用いて制御するようにしてもよい。なお、各充電電流制御部132の動作制御は、CPU132により行われる。
【0047】
掃除機100は、太陽電池ユニット111において発電された電力を蓄電する二次電池133を有する。二次電池133は、蓄電した電力を、CPU134や機能処理部135に適宜供給する。つまり、二次電池133は、蓄電機能および電力供給機能として動作する。なお、二次電池133は、このような機能を有するものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、リチウムイオン二次電池や、ニッケル・カドミウム二次電池等が考えられるが、それ以外であってもよい。また、図示は省略するが、掃除機100は、太陽電池ユニット111において発電された電力を、二次電池133を介さずに、CPU134や機能処理部135に供給することもできる。
【0048】
掃除機100は、適宜、演算処理や制御処理等を行い、掃除機100全体を制御するCPU134を有する。図3に示されるように、CPU134は、制御部141、バッテリ充電量検出部142、電流算出部143、計時部144、位置計測部145、充電電流制御部146、動作選択部147、移動制御部151、および掃除制御部152を有する。
【0049】
制御部141は、掃除機100全体の制御に関する処理を行う。例えば、制御部141は、バッテリ充電量検出部142から供給されるバッテリ残量に関する情報、電流算出部143から供給される発電量に関する情報、計時部144から取得した時刻情報、位置計測部145から取得した現在位置情報等に基づいて、充電電流制御部146、動作選択部147、移動制御部151、および掃除制御部152等を制御し、充電や電力消費動作を制御する。
【0050】
バッテリ充電量検出部142は、二次電池133のバッテリ残量(Vbat)を検出し、それを制御部141に通知する。バッテリ残量の検出方法は任意である。制御部141に供給されるパラメータは、二次電池133のバッテリ残量を示すものであればどのようなものであってもよい。
【0051】
電流算出部143は、電流検出部131により検出される電流値を用いて、各太陽電池ユニット111の発電量に関するパラメータを算出する。例えば、電流算出部143は、図3に示されるように、総電流算出部161、最大電流算出部162、および最小電流算出部163を有する。
【0052】
総電流算出部161は、電流検出部131毎に、これまで検出された電流値の総和(Isp_ttl)(積算値)を算出する。最大電流算出部162は、今回、各電流検出部131において検出された電流値の中の最大値Isp_maxを求める。最小電流算出部163は、今回、各電流検出部131において検出された電流値の中の最小値Isp_minを求める。例えば、平均値や中央値のように、電流算出部143が、上述した以外のパラメータを算出するようにしてもよい。電流算出部143は、求めたパラメータを制御部141に供給する。
【0053】
計時部144は、時刻や時間を管理する機能を有し、適宜、時刻情報を制御部141に供給する。位置計測部145は、例えば全地球測位システム(GPS(Global Positioning System))のような、位置計測機能を有し、掃除機100の現在位置を特定し、その位置を示す位置特定情報を制御部141に供給する。
【0054】
充電電流制御部146は、制御部141から供給される情報に従って、充電電流制御部132を制御し、太陽電池ユニット111において発電された電力の充電を開始させたり、停止させたりする。
【0055】
動作選択部147は、制御部141の制御に従って、電力を消費して駆動させる機能の選択を行う。図3の例の場合、動作選択部147は、電力消費機能として移動を行うか、掃除を行うかを選択する。移動を行う場合、動作選択部147は、移動制御部151を選択し、制御する。また、掃除を行う場合、動作選択部147は、掃除制御部152を選択し、制御する。
【0056】
動作選択部147に選択された移動制御部151は、制御部141の制御に従って、移動機能部171を制御し、駆動させる。また、動作選択部147に選択された掃除制御部152は、制御部141の制御に従って、掃除機能部172を制御し、駆動させる。
【0057】
掃除機100は、さらに機能処理部135を有する。機能処理部135は、二次電池133や太陽電池ユニット111から供給される電力を消費して動作し、所定の機能を実現する(自己電力消費機能)。図3の例の場合、機能処理部135は、移動機能部171および掃除機能部172を有する。
【0058】
移動機能部171は、例えば、タイヤ112や、タイヤ112を回転させるモータ等により構成され、移動制御部151の制御に従ってモータ等を駆動させることにより、筺体を所望の位置に移動させる。
【0059】
掃除機能部172は、例えば、吸い込み口113や、吸い込み口113から吸引するためのモータ等により構成され、掃除制御部152の制御に従ってモータ等を駆動させることにより、筺体の下や周囲の床の掃除を行う。
【0060】
掃除機100は、例えば、移動機能部171の移動機能により筺体を移動させながら、掃除機能部172により床掃除を行うことにより、筺体と比較して広範囲の領域を掃除することができる。
【0061】
また、掃除機100は、例えば、移動機能部171の移動機能により筺体を移動させ、太陽電池ユニット111による太陽光発電に好適な位置に移動し、充電電流制御部146を制御して、二次電池133に充電を行うことができる。
【0062】
掃除機100は、これらの動作を、二次電池133や太陽電池ユニット111から供給される電力を用いて行う。つまり、掃除機100は、自律動作により、例えば居室等の所定の領域全体を掃除したり、より効率の良い発電(充電)を行ったりすることができる。
【0063】
なお、掃除機100が有する自己電力消費機能は、移動機能および掃除機能以外であってもよい。つまり、機能処理部135が、移動機能部171および掃除機能部172以外の機能部を有するようにしてもよい。例えば、換気機能、冷暖房機能、加湿機能、除湿機能、照明、画像表示、音声出力、または通信等、太陽電池ユニット111において発電された電力や、二次電池133に蓄電された電力を消費するものであれば、どのような機能であっても良い。また、機能の数も任意である。
【0064】
掃除機100は、その他に、ROM(Read Only Memory)181およびRAM(Random Access Memory)182を有する。ROM181には、予め所定のプログラムやデータ等が記憶されており、CPU134により、それらが適宜読み出される。RAM182には、CPU134において実行されるプログラムや処理されるデータ等が、適宜、ロードされる。これらのROM181およびRAM182は、CPU134に内蔵されるようにしてもよい。
【0065】
さらに、掃除機100は、入力部191、出力部192、記憶部193、通信部194、およびドライブ195を有する。
【0066】
入力部191は、例えば、キーボード、マウス、ボタン、若しくはタッチパネルなどの任意の入力デバイスや入力端子等よりなり、ユーザや他の装置等の外部からの情報入力を受け付け、入力された情報をCPU134に提供する。
【0067】
出力部192は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ、スピーカ、若しくは出力端子などよりなり、CPU134から供給される情報を画像や音声としてユーザに提供したり、所定の信号として他の装置に出力したりする。
【0068】
記憶部193は、例えば、フラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)やハードディスクなどよりなり、CPU134から供給される情報を記憶したり、記憶している情報をCPU134に供給したりする。
【0069】
通信部194は、例えば、有線LAN(Local Area Network)や無線LANのインタフェースやモデムなどよりなり、インターネットを含むネットワークを介して他の装置との通信処理を行う。例えば、通信部194は、CPU134に制御され、インターネットを含むネットワークを介してコンピュータプログラムを取得し、それを記憶部193にインストールする。
【0070】
ドライブ195には、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア196が適宜装着される。例えば、ドライブ195は、CPU134に制御され、そのリムーバブルメディア196からコンピュータプログラムを読み出し、それを記憶部193にインストールする。
【0071】
[動作制御処理の流れ]
次に、以上のような掃除機100が実行する処理について説明する。最初に、図4のフローチャートを参照して、CPU134が実行する動作制御処理の流れの例を説明する。
【0072】
掃除機100の図示せぬ電源スイッチが投入されると、所定の起動処理が行われた後、CPU134は、動作制御処理を開始する。
【0073】
動作制御処理が開始されると、制御部141は、ステップS101において、動作制御処理を終了するか否かを判定する。電源が切断される等しておらず、動作制御処理を継続すると判定された場合、制御部141は、処理をステップS102に進める。
【0074】
ステップS102において、バッテリ充電量検出部142が、二次電池133のバッテリ残量を検出すると、制御部141は、その検出されたバッテリ残量が、所定の閾値以上であるか否かを判定する。この閾値は予め定められていても良いし、例えば時刻情報や位置情報やイベント発生等、何らかの他の要因に基づいて適宜設定されるようにしてもよい。
【0075】
また、この判定処理は、二次電池133の蓄電状態が、満充電状態、若しくは、それに近い状態であるか否かを判定するものである。したがって、この閾値の大きさは任意であるが、基本的には、満充電状態に近い大きな値とするのが望ましい。
【0076】
二次電池133のバッテリ残量が所定の閾値より少ないと判定された場合、制御部141は、処理をステップS103に進める。
【0077】
ステップS103において、充電電流制御部146は、充電電流制御部132を制御して、太陽電池ユニット111において発電された電力を二次電池133に充電させる充電処理を開始する。既に開始されている場合、この処理は省略することができる。
【0078】
ステップS104において、制御部141は、電流算出部143を介して、各電流検出部131から供給される電流検出結果や、電流算出部143においてその電流検出結果から算出された各種パラメータの値を取得する。
【0079】
ステップS105において、制御部141は、各太陽電池ユニット111の発電量に基づいて、掃除機100の移動方向を決定する。
【0080】
掃除機100は、屋外で使用することも可能であるが、基本的には屋内での使用が想定されている。例えば、屋内の場合、掃除機100が移動可能な床は、壁、天井、および窓等により囲まれており、掃除機100が移動可能な全ての領域に日光が直射されない場合が多い。このような屋内のように、掃除機100が移動可能な範囲において光の当たり方に偏りが生じる領域の場合、光が照射される方向、つまり、明るい方に向かって移動することにより、掃除機100は、光(主に日光)の照射量が多い位置に移動することができる。
【0081】
掃除機100は、上述したように、各太陽電池ユニット111が互いに異なる方向に向けて設置されているので、制御部141は、各太陽電池ユニット111の発電量を比較することにより、容易に光の照射方向を特定することができる。
【0082】
例えば、図2Bの例のように、太陽電池ユニット111−2の発電量が最も大きい場合、光(主に日光)は、図2Aに示されるように、太陽電池ユニット111−2側から照射されていることがわかる。
【0083】
このように光の照射方向を把握すると、制御部141は、移動方向を、光の照射方向に向かう方向(図2Aの例の場合、上面101−2側に向かう方向)に決定する。
【0084】
例えば、屋内の床の窓から日光が差し込む部分(直射日光が当たる部分)は、その他の部分(直射日光が当たらない部分)に比べて明るくなる。通常の場合、その日光は床である程度反射されて拡散する。したがって、日光が差し込む部分の周辺においては、その日光が差し込む部分の方からの光の照射量が多くなる。つまり、掃除機100は、光の照射量の多い明るい方向(発電量の多い太陽電池ユニット111の方向)に向かうことにより、その日光が差し込む部分に移動し、直射日光を受けて効率よく発電を行うことができる。
【0085】
制御部141は、このように移動方向を決定する。なお、このとき、制御部141は、電流算出部143において算出されたパラメータを用いることにより、さらに容易に移動方向を決定することができる。例えば、制御部141は、最大電流算出部162により算出された最大電流(Isp_max)が得られた太陽電池ユニット111と、最小電流算出部163により算出された最小電流(Isp_min)が得られた太陽電池ユニット111を特定することにより、光の照射方向が容易に推定することができ、移動方向を決定することができる。
【0086】
このように移動方向を決定すると、移動制御部151は、移動機能部171を制御して掃除機100の筺体を、その移動方向に移動させる。
【0087】
ステップS107において、位置計測部145は、現在の筺体の位置(現在位置)を検出する。ステップS108において、制御部141は、各太陽電池ユニット111の発電量を、ステップS107において検出された現在位置と関連付けて、記憶部193に記憶させる。これは、発電量の観測位置毎の履歴情報、つまり、光の照射量の地図情報を作成するための処理である。このように蓄積された各観測位置の発電量の履歴は、後述するように、発電の為の好適な位置の探索等に利用される。
【0088】
なお、このとき、制御部141は、電流算出部143により算出される各種パラメータの値も、発電量や現在位置に関連付けて記憶部193に記憶させるようにしてもよい。このようにすることにより、制御部141は、例えば、各観測位置の光の照射方向等、パラメータを用いた多様な情報を容易に得ることができるようになる。
【0089】
また、制御部141は、計時部144から現在の時刻を取得し、その現在時刻情報も、発電量や現在位置に関連付けて記憶部193に記憶させるようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、制御部141は、各観測位置の時刻毎の履歴情報を得ることができ、時刻に応じた制御を行うことができるようになる。
【0090】
ステップS108の処理を終了すると、制御部141は、処理をステップS101に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0091】
動作制御処理が終了されず、ステップS102においてバッテリ残量が所定の閾値より少ないと判定される間、ステップS101乃至ステップS108の各処理が繰り返し実行される。
【0092】
このときバッテリ残量の確認(ステップS102)を行う間隔は、任意である。例えば、所定の時間毎に繰り返し行われるようにしてもよいし、所定のイベントが発生した時に行われるようにしてもよい。
【0093】
また、各太陽電池ユニット111の発電量の検出(ステップS104)の回数に対して、移動方向の決定(ステップS105)の回数が少なくてもよい。さらに、ステップS106の処理1回分の移動量も任意である。状況に応じて長くしたり短くしたりしてもよい。例えば、移動方向が前回と変化しない場合、不要な移動方向の判定による消費電力や負荷の不要な増大を抑制するために、1回の移動量を長くして移動方向の決定間隔を長くするようにしてもよい。逆に、移動方向が頻繁に変化する場合、移動経路の不要な増大を抑制するために、1回の移動量を短くして移動方向の決定間隔を短くするようにしてもよい。また、移動方向の決定の時間間隔は変えずに、移動速度を制御することにより、移動量を調整するようにしてもよい。
【0094】
さらに、位置の検出(ステップS107)と発電量の記憶(ステップS108)の間隔も任意である。例えば、より精度良く発電量の情報を得るために、移動(ステップS106)1回分の間に、複数回、位置を検出して発電量を記憶するようにしてもよいし、発電量の記憶の為の負荷や消費電力を低減させるために、複数回の移動につき1回、位置検出と発電量の記憶が行われるようにしてもよい。
【0095】
すなわち、ステップS102の判定に対して、ステップS103乃至ステップS108の各処理は、省略したり、複数回行ったりすることができる。
【0096】
そのステップS102において、バッテリ残量が所定の閾値以上であると判定された場合、制御部141は、処理をステップS109に進める。
【0097】
この場合、二次電池133が略満充電の状態であるので、充電電流制御部146は、ステップS109において、充電電流制御部132を制御し、充電処理を停止させる。
【0098】
さらに、ステップS110において、制御部141は、動作選択部147、移動制御部151、および掃除制御部152を制御し、二次電池133に蓄電された電力を掃除機100自身で消費する自己消費処理を開始する。例えば、制御部141は、自己消費処理として、移動機能部171を駆動させて筺体を移動させたり、掃除機能部172を駆動させて床掃除を行わせたりして、二次電池133に蓄電された電力の消費を行う。
【0099】
自己消費処理を開始すると、制御部141は、処理をステップS101に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0100】
ステップS101において、例えば、掃除機100の電源スイッチ(図示せず)が切断される等して、動作制御処理を終了すると判定された場合、制御部141は、動作制御処理を終了する。
【0101】
掃除機100が移動可能な領域において、どの位置も光の照射量が均一である場合、どこで発電(充電)を行っても、その効率に変化は略無いが、一般的には光の照射量に偏りがある場合が多い。例えば、日光が当たる日なたの部分と、日光が当たらない日蔭の部分とが存在することも考えられる。そのような場合、日蔭で発電(充電)を行うよりも、日なたで発電(充電)を行う方が発電効率が良い。
【0102】
掃除機100は、以上のような動作制御を行うことにより、日蔭から日なたに移動することができ、効率よく発電(充電)を行うことができる。
【0103】
なお、太陽の位置が変化することにより、日光が差し込む位置が変化することも考えられる。つまり、光の照射量の偏り方が変化することも考えられる。そのような場合であっても、掃除機100は、自走機能を備えているので、その変化に合わせて移動することができ、常に好適な位置において効率よく発電(充電)を行うことができる。
【0104】
以上のように、掃除機100は、太陽電池ユニットを互いに異なる方向に向けて筐体に設置し、その太陽電池ユニット111の出力(発電量)をセンサ出力として用いることにより、各太陽電池ユニット111の発電量の大きさに基づいて、光の照射方向を容易に判定することができる。
【0105】
また、掃除機100は、移動機能部171を備えており、自走することができるので、光の照射方向に向かって移動することにより、光の照射量の大きい明るい位置で発電を行うことができる。したがって、掃除機100は、より効率よく発電を行うことができる。
【0106】
さらに、掃除機100は、二次電池133を備えており、太陽電池ユニット111において発電された電力を蓄電することができる。つまり、掃除機100は、明るい位置に移動し、より効率よく充電を行うことができる。また、掃除機100は、その二次電池133に蓄電された電力を、適宜、移動機能や掃除機能に用いることができる(自己消費することができる)。すなわち、他の装置や回路等から電力の供給を受けずに、自分自身が発電した電力を使って、自律動作することができる。
【0107】
また、掃除機100は、充電電流制御部132を備えているので、バッテリ残量が増えると充電を停止することができる。これにより、不要な充電動作を抑制し、二次電池133の劣化を抑制する(寿命を延ばす)ことができる。
【0108】
[自己消費処理の流れ]
次に、図5のフローチャートを参照して、図4のステップS110の処理において開始される自己消費処理の流れの例を説明する。
【0109】
自己消費処理が開始されると、制御部141は、ステップS131において、計時部144から時刻情報を取得し、現在時刻を確認する。ステップS132において、掃除制御部152は、制御部141の制御に従って掃除機能部172を制御し、現在時刻に応じた掃除機能動作を行う。
【0110】
制御部141は、ステップS131において現在時刻を確認すると、その時刻に応じた掃除機能動作を決定する。例えば午前中の場合、生活サイクルに合っていたり、騒音に対する許容度が高かったりして、一般的に掃除に適した時刻であり、また、日没までの時間が比較的長く、電力を消費しても太陽光による発電が容易である。そこで、制御部141は、例えば、掃除機能動作を優先的に選択し、高パワーで掃除を行う(吸引力を上げる)うにする。
【0111】
また、例えば夕方の場合、日没までの時間が短く、太陽光による発電が困難になっていくことが予想される。そこで制御部141は、パワーを落として掃除を行うようにする。さらに、例えば、夜間の場合、太陽光による発電が困難であり、かつ、騒音に対する許容度も低下する。そこで制御部141は、さらにパワーを低減させて掃除を行うようにしたり、消費電力の大きな掃除機能動作を停止させたりする。
【0112】
このように制御部141は、時間に応じて掃除機能動作の内容を制御する。もちろん、上述した時間に応じた動作は一例であり、制御部141が、上述した以外の動作を行うように制御するようにしてもよい。
【0113】
掃除制御部152は、このような制御部141からの指示に従って掃除機能部172を制御し、現在時刻に応じた掃除機能動作を行う。
【0114】
ステップS133において、制御部141は、バッテリ充電量検出部142に、二次電池133のバッテリ残量を検出させ、二次電池133のバッテリ残量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0115】
この閾値は予め定められていても良いし、例えば時刻情報や位置情報やイベント発生等、何らかの他の要因に基づいて適宜設定されるようにしてもよい。
【0116】
また、この判定処理は、二次電池133の蓄電状態が、満充電状態、若しくは、それに近い状態であるか否かを判定するものである。したがって、この閾値の大きさは任意であるが、基本的には、満充電状態に近い大きな値とするのが望ましい。
【0117】
バッテリ残量が所定の閾値以上であり、満充電である、若しくは、満充電に近い状態であると判定された場合、制御部141は、処理をステップS134に進める。
【0118】
ステップS134において、制御部141は、記憶部193に記憶させた履歴に基づいて、発電量が少ない位置を移動可能範囲として特定する。ステップS135において、
制御部141は、動作選択部147に移動制御部151を選択させる。制御部141は、選択された移動制御部151に移動可能範囲を指定し、その範囲内に掃除機100を移動させるように指示する。移動制御部151は、その指示に従って、移動機能部171を制御し、制御部141により設定された移動可能範囲内に掃除機100を移動させる。
【0119】
移動可能範囲内に掃除機100が移動すると、制御部141は、ステップS136において、掃除機100の移動を移動可能範囲内に制限する。以降、移動制御部151は、制御部141の制御に従って、移動可能範囲内のみを移動するように移動機能部171を制御する。
【0120】
ステップS136の処理を終了すると、制御部141は、処理をステップS138に進める。また、ステップS133において、バッテリ残量が所定の閾値より大きくないと判定された場合、制御部141は、処理をステップS137に進める。ステップS137において、制御部141は、移動可能範囲内に設定されていた移動制限を解除する。なお、移動制限がかけられていない場合、この処理は省略される。ステップS137の処理が終了すると、制御部141は、処理をステップS138に進める。
【0121】
ステップS138において、制御部141は、自己消費処理を終了するか否かを判定し、終了しないと判定された場合、処理をステップS131に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS138において、例えば後述するようにバッテリ残量が少なくなったり、ユーザが指示されたりして、自己消費処理を終了すると判定された場合、制御部141は、自己消費処理を終了する。
【0122】
このように自己消費処理を行うことにより、掃除機100は、掃除機能動作(自己電力消費動作)を、現在時刻に応じて適切に行うことができる。
【0123】
また、バッテリ残量が多い場合(満充電状態またはそれに近い状態の場合)、制御部141は、位置情報に対応させた発電量の履歴に基づいて、移動可能範囲を、発電量が少ない領域(つまり光の照射量が少ない領域)に限定することにより、不要な発電を抑制し、太陽電池ユニット111の劣化を抑制させることができる(寿命を延ばすことができる)。
【0124】
また、バッテリ残量が低減し、二次電池133が充電可能な状態となった場合、制御部141は、移動制限を解除することにより、また効率よく発電(充電)を行うようにすることができる。
【0125】
なお、ステップS131乃至ステップS138のループにおいて、各ステップの処理は、適宜、省略したり、複数回行ったりすることができる。例えば、ステップS136の処理により移動可能範囲に制限をかけた後、バッテリ残量が所定の閾値より少なくなるまで、ステップS134乃至ステップS136の処理は省略することができる(移動制限はかけられたままである)。
【0126】
なお、以上においては、移動可能範囲を「発電量が少ない位置」として説明したが、このときの発電量のレベルは任意である。この移動可能範囲を、より光が照射されない領域に限定することにより、制御部141は、太陽電池ユニット111の劣化をより抑制することができ、太陽電池ユニット111の信頼性を向上させることができる。ただし、その場合、一般的に、掃除機100の移動可能範囲は狭くなる。
【0127】
なお、バッテリ残量が多い場合、制御部141は、掃除機100をできるだけ光が照射されない位置に移動させ、停止する(移動させない)ようにしてもよい。つまり、制御部141が、移動可能範囲を特定の位置に限定するようにしてもよい。
【0128】
[充電優先処理の流れ]
次に、図6のフローチャートを参照して、充電優先処理の流れの例を説明する。掃除機100は、バッテリ残量が少なくなると、電力を消費する掃除機能動作より、充電処理を優先させる。このような動作を行うために、CPU134は、充電優先処理を実行する。
【0129】
充電優先処理が開始されると、制御部141は、ステップS151において、バッテリ充電量検出部142に二次電池133のバッテリ残量を検出させ、バッテリ残量が所定の閾値以下であるか否かを判定する。
【0130】
この閾値は予め定められていても良いし、例えば時刻情報や位置情報やイベント発生等、何らかの他の要因に基づいて適宜設定されるようにしてもよい。
【0131】
なお、この判定処理は、二次電池133に蓄電された電力が使い切られたか(以下、空充電状態と称する)、若しくは、空充電に近い状態であるか否かを判定するものである。したがって、この閾値の大きさは任意であるが、基本的には、バッテリ残量がこの閾値以下となると短期間内に空充電状態になる恐れがある程、小さい値とするのが望ましい。少なくとも、ステップS102やステップS133の処理における閾値よりも小さな値とする必要がある。ただし、閾値が小さすぎると、直ぐに二次電池133が空充電状態になり、移動できなくなる恐れがあるので、適切な程度の余裕を持たせる必要がある。
【0132】
ステップS151において、バッテリ残量が所定の閾値以下であると判定された場合、制御部141は、処理をステップS152に進める。ステップS152において、制御部141は、自己消費処理を停止する。つまり、制御部141は、移動制御部151や掃除制御部152を制御し、移動や掃除を停止させる。これにより、図5のフローチャートを参照して説明した自己消費処理は、終了される。
【0133】
ステップS153において、制御部141は、記憶部193に記憶されている、発電量の観測位置毎の履歴情報(地図情報)に基づいて、発電量が最大の位置を特定する。ステップS154において、制御部141は、その特定した位置を示す位置情報を移動制御部151に供給し、掃除機100をその位置に移動させる。移動制御部151は、このような制御部141の制御にしたがって、移動機能部171を制御し、掃除機100を、発電量が最大であるとされた位置に移動させる。
【0134】
ステップS154の処理を終了すると、制御部141は、処理をステップS155に進める。また、ステップS151において、バッテリ残量がまだ十分にあり、所定の閾値より多いと判定された場合、制御部141は、処理をステップS155に供給する。
【0135】
ステップS155において、制御部141は、充電優先処理を終了するか否かを判定し、終了しないと判定された場合、ステップS151に処理を戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS155において、充電優先処理を終了すると判定された場合、制御部141は、充電優先処理を終了する。
【0136】
なお、ステップS151乃至ステップS155のループ処理において、一度バッテリ残量が所定の閾値以下になった後、バッテリ残量がその閾値を超えるまでの間、ステップS152乃至ステップS154の各処理は省略することができる。
【0137】
以上のように、バッテリ残量を監視し、バッテリ残量が少なくなった場合、充電処理を電力消費処理に優先させることにより、掃除機100は、二次電池133が空充電状態になるのを抑制し、自律動作の破たんを抑制することができる。
【0138】
また、そのとき、掃除機100は、より発電効率のよい位置に移動して発電するようにするので、より効率よく充電を行うことができる。さらに、掃除機100は、発電量の観測位置毎の履歴情報を記録するので、その履歴情報に基づいて、発電量の大きな、より好適な位置(より明るい位置)を容易に検索することができる。つまり、掃除機100は、容易に、より効率よく充電を行うことができる。
【0139】
[姿勢制御処理の流れ]
次に、図7のフローチャートを参照して、姿勢制御処理の流れの例を説明する。掃除機100は、各上面101に太陽電池ユニット111を設置している。これらは互いに異なる方向に向けて設置されているので、ある一方向から光が照射されるとき、通常の場合、各太陽電池ユニット111の発電量は互いに異なる。つまり、使用頻度に偏りが生じるので、各太陽電池ユニット111の耐久性に差が生じる。
【0140】
そこで、できるだけ各太陽電池ユニット111の使用率を平均化するように、CPU134は、姿勢制御処理を実行する。
【0141】
電流算出部143の総電流算出部161は、図4のステップS104において検出された各太陽電池ユニット111の発電量(電流値)を保持している。姿勢制御処理が開始されると、総電流算出部161は、ステップS171において、各太陽電池ユニット111の総発電量(総電流Isp_ttl)を算出し、それを制御部141に供給する。
【0142】
なお、総電流算出部161が、図4のステップS104において発電量(電流値)が算出される度に、各太陽電池ユニット111の総発電量(総電流Isp_ttl)を算出し、それを保持するようにしてもよい。その場合、ステップS171において、総電流算出部161は、その保持している各太陽電池ユニット111の総発電量(総電流Isp_ttl)を、制御部141に供給するのみでよい。
【0143】
ステップS172において、制御部141は、総電流算出部161から供給される各太陽電池ユニット111の総発電量(総電流Isp_ttl)の大きさを比較する。ステップS173において、制御部141は、その比較結果に基づいて、総発電量が最小の太陽電池ユニット111の発電量が最大となるように、移動制御部151を制御し、筐体の向きを制御させる。移動制御部151は、その制御に従って移動機能部171を制御し、筐体を適宜回転させ、向きを調整する。
【0144】
ステップS173の処理を終了すると、制御部141は、姿勢制御処理を終了する。このようにすることにより、掃除機100は、複数設けられた太陽電池ユニット111のうち、使用量の少ない太陽電池ユニット111において積極的に発電を行わせるようにすることができる。これにより、各太陽電池ユニット111の劣化速度の偏りを抑制することができ、太陽電池ユニット111の故障率の増大を抑制し、信頼性を向上させることができる。
【0145】
なお、この姿勢制御処理は、適宜実行することができる。例えば、所定の時間間隔で定期的に繰り返されるようにしてもよいし、所定のイベント発生時に実行されるようにしてもよい。
【0146】
以上のように、掃除機100は、発電をより適切に行うことができる。
【0147】
<2.第2の実施の形態>
[色素増感型太陽電池を用いた自走式掃除機]
図8は、本発明を適用した掃除機の他の構成例を示す図である。図8に示される掃除機200は、基本的に第1の実施の形態において説明した掃除機100と同様の掃除機であり、掃除機100と同様の構成を有し、同様の処理を行う。
【0148】
ただし、掃除機200は、太陽電池として色素増感型の太陽電池を用いる。色素増感型の太陽電池は、増感色素を担持させたチタニア多孔質電極と対極との間に電解液を介在させた構造を有し、有機色素を用いて光起電力を得る太陽電池である。
【0149】
掃除機200の8つの上面を上面201−1乃至上面201−8とする。上面201−1乃至上面201−8は、それぞれ、上述した掃除機100の上面101−1乃至上面101−8に対応し、同様に形成される。
【0150】
上面201−1には、上面101−1の場合と同様に、3つの太陽電池パネル(太陽電池パネル211−1−1、太陽電池パネル211−1−2、および太陽電池パネル211−1−3が設置される。上面101−2乃至上面101−8にも同様に、太陽電池パネルが3つずつ形成される。これらの太陽電池パネルは、一面毎にユニットを形成する。
【0151】
つまり、図8に示されるように、上面201−1には、太陽電池ユニット211−1が設置される。上面201−2には、太陽電池ユニット211−2が設置される。上面201−2乃至上面201−8も同様に、太陽電池ユニット211−2乃至太陽電池ユニット211−8が設置される。
【0152】
この場合も、太陽電池ユニット211−1乃至太陽電池ユニット211−8は、互いに異なる方向に向けて設置されている。太陽電池の発電は、このユニット毎に独立しており、ユニット毎に発電量(電流値)の検出を行うことができる。以下において、太陽電池ユニット211−1乃至太陽電池ユニット211−8を互いに区別して説明する必要が無い場合、単に太陽電池ユニット211と称する。
【0153】
図8の例において、太陽電池パネル211−1−1は赤色の色素を用いている。赤色の色素としては、例えば、ルテニウム錯体(N719)、メロシアニン類(D149)、ポルフィリン類(TCPP)、キサンテン系色素、並びに、フルオロセイン、若しくはキサンテン系色素等がある。
【0154】
太陽電池パネル211−1−2は青色の色素を用いている。青色の色素としては、例えば、スクアリリウム系色素やシアニン系色素がある。
【0155】
太陽電池パネル211−1−3は緑色の色素を用いている。緑色の色素としては、例えば、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素、フタロシアニン類、および、ルテニウム錯体(ブラックダイ)等がある。
【0156】
太陽電池ユニット211では、太陽電池ユニット111の場合と異なり、各太陽電池パネルの発電量(電流値)を個別に計測できるようになされている。例えば、掃除機200は、太陽電池ユニット211−1において、太陽電池パネル211−1−1の発電量、太陽電池パネル211−1−2の発電量、および、太陽電池パネル211−1−3の発電量をそれぞれ検出することができる。太陽電池ユニット211−2乃至太陽電池ユニット211−8も同様に構成される。
【0157】
図9に示されるグラフの曲線221は、太陽光の波長分布の様子の例を示している。図9に示される例のように、太陽光には、複数の波長成分が含まれるが、各波長の光強度は、太陽の角度、つまり、時間帯によって異なってくる。例えば、日の出や日の入りのように、太陽が地平線に近い低い位置にいる場合、日中のように太陽が高い位置にある場合に比べて、太陽光の赤色の波長成分は強くなる。
【0158】
色素増感型太陽電池の場合、各波長成分の吸収率が色素によって異なる。図10Aの点線222は、赤色系色素を用いた太陽電池の光吸収波長特性の例を示している。また、図10Bの点線223は、黄色系色素の光吸収波長特性の例を示している。
【0159】
このように、色素増感型太陽電池は、各波長成分の吸収率に偏りがあり、かつ、吸収し易い波長成分は、太陽電池に用いられる色素の色(色素によって見える太陽電池パネルの色)によって異なる。
【0160】
したがって、上述したように互いに異なる色の色素(太陽電池パネルの色が異なって見える色素)を用いた太陽電池パネルを組み合わせて太陽電池ユニット211を形成し、各パネルの発電量を個別に検出することができるようにすることにより、吸収した光の波長分布の傾向を解析することができる。
【0161】
掃除機200は、受光する太陽光の波長分布の傾向を把握することにより、例えば、現在の時刻(時間帯)を検出することができる。例えば、掃除機200は、太陽光に含まれる赤色の波長成分が強い場合、日の出若しくは日の入りと推測することができ、青色や緑色の波長成分が強い場合、日中と推測することができ、暗い場合、夜間と推測することができる。なお、日の出であるか日の入りであるかは、その前の状態(日中と推測されたか、夜間と推測されたか)によって推測することができる。
【0162】
また、より詳細に波長分布を解析することにより、掃除機200は、例えば、より詳細な時間帯を推測することもできるし、天気や季節を推測することもできる。また、受光した光が太陽光であるか電灯のような人工的な光であるかを推測することもできる。
【0163】
このような光の解析において、単に現時点の光の波長分布だけでなく、過去の解析結果や波長分布の情報等も用いることにより、掃除機200は、より複雑かつ正確な解析を行うことができる。
【0164】
このように、掃除機200は、計時部等を設けずに波長分布の解析により時間帯等を推測することができるので、構成をより簡易化し、コストを低減させることができる。
【0165】
なお、掃除機200が、このような波長分布の解析結果に、例えば、温度、湿度、画像、および音声等の他の情報を組み合わせて、時間帯や天気等の各種推測を行うようにしてもよい。例えば、計時部を設け、時刻情報とを組み合わせるようにしてもよい。このようにすることにより、掃除機200は、より多様な情報をより正確に推測することができる。
【0166】
また、太陽電池ユニット211を構成する各太陽電池パネルに用いられる色素の色(色素により見える太陽電池パネルの色)は、上述した以外であってもよく、例えば、黄色系の色素が用いられるようにしてもよい。黄色の色素としては、例えば、シアニン系色素(D131)、クマリン系色素、およびスチルベン系色素がある。もちろん、これ以外の色であってもよい。
【0167】
さらに、太陽電池ユニット211を構成する色素の色(色素により見える太陽電池パネルの色)の数は、各太陽電池ユニット211間で同じであれば任意であり、例えば、4色以上であってもよいし、2色であってもよい。色数が多いほど、より詳細な波長分布の解析が可能になるが、色数を低減させることにより、設置面積や回路規模の増大を抑制し、解析や推測等の処理の負荷が低減させることができる。
【0168】
[掃除機の内部構成]
図11は、掃除機200の内部の主な構成例を示すブロック図である。図11に示されるように、掃除機200は、基本的に掃除機100と同様の構成を有する。掃除機100と構成が同様の部分については、その説明を省略する。
【0169】
ただし、掃除機200は、太陽電池パネル毎に電流検出部131と充電電流制御部132を有する。つまり、図11に示されるように、太陽電池パネル211−1−1に対して電流検出部131−1−1および充電電流制御部132−1−1が設けられている。同様に、太陽電池パネル211−1−2に対して電流検出部131−1−2および充電電流制御部132−1−2が設けられており、太陽電池パネル211−1−3に対して電流検出部131−1−3および充電電流制御部132−1−3が設けられている。
【0170】
電流検出部131−1−1は、太陽電池パネル211−1−1の発電量(電流値)を検出し、充電電流制御部132−1−1は、太陽電池パネル211−1−1において発電されて得られた電力(電流)を二次電池133に蓄電させるか否かを制御する。
【0171】
同様に、電流検出部131−1−2は、太陽電池パネル211−1−2の発電量(電流値)を検出し、充電電流制御部132−1−2は、太陽電池パネル211−1−2において発電されて得られた電力(電流)を二次電池133に蓄電させるか否かを制御する。電流検出部131−1−3は、太陽電池パネル211−1−3の発電量(電流値)を検出し、充電電流制御部132−1−3は、太陽電池パネル211−1−2において発電されて得られた電力(電流)を二次電池133に蓄電させるか否かを制御する。
【0172】
つまり、太陽電池ユニット211−1に対して設けられる電流検出部131−1は、電流検出部131−1−1乃至電流検出部131−1−3からなり、各太陽電池パネルの発電量を個別に検出することができる。また、太陽電池ユニット211−1に対して設けられる充電電流制御部132−1は、充電電流制御部132−1−1乃至充電電流制御部132−1−3からなり、各太陽電池パネルにおいて得られた電力の二次電池133への蓄電を個別に制御することができる。
【0173】
図示は省略するが、太陽電池ユニット211−2乃至太陽電池ユニット211−8に対応する電流検出部131−2乃至電流検出部131−8も、それぞれ、電流検出部131−1と同様の構成を有し、各太陽電池パネルの発電量を個別に検出することができる。
【0174】
同様に、太陽電池ユニット211−2乃至太陽電池ユニット211−8に対応する充電電流制御部132−2乃至充電電流制御部132−8も、それぞれ、充電電流制御部132−1と同様の構成を有し、各太陽電池パネルにおいて得られた電力の二次電池133への蓄電を個別に制御することができる。
【0175】
また、図11に示されるように、掃除機200の場合、CPU134の計時部144が省略されている。これは、上述したように、CPU134が、太陽電池パネルにおいて吸収した太陽光の波長成分の分析を行って、時間帯の推測を行うからである。このように、掃除機200の場合、太陽光の波長分析によって時間を推測するようにしたので、CPU134の構成をより簡易化することができる。
【0176】
もちろん、図3の場合と同様に、計時部144を設け、天気や光源等の推測等を、より正確に行うことができるようにしてもよい。また、その他のより多様な情報の推測を行うようにしてもよい。
【0177】
[自己消費処理の流れ]
次に、図12のフローチャートを参照して、この掃除機200の場合の、図4のステップS110の処理において開始される自己消費処理の流れの例を説明する。
【0178】
自己消費処理が開始されると、制御部141は、ステップS231において、電流検出部131により検出された、太陽電池ユニット211の各太陽電池パネルの発電量(電流値)により示される、吸収した光の波長分布に基づいて、現在の時間帯を推測する。
【0179】
推測方法は任意である。図8の例のように、3色程度の色素を用いた太陽電池ユニット211の場合、一般的に、波長分布は簡易的なものになる。したがって、演算量を低減させるために、波長分布と時間帯の関係を示すテーブル情報を用いて現在の時間帯を推測するようにしてもよい。例えば、ユニット内の3つの太陽電池パネルの発電量の関係毎に推測される時間帯を対応付けたテーブル情報を予め用意しておき、制御部141が、電流検出部131から得られる各太陽電池パネルの発電量とそのテーブル情報とから、現在の時間帯を推測するようにしてもよい。もちろん、その他の方法により推測を行うようにしてもよい。
【0180】
制御部141は、ステップS232において、ステップS231において推測された時間帯に応じた掃除機能動作を行う。動作の内容は任意である。
【0181】
ステップS233乃至ステップS238の各処理は、図5のステップS133乃至ステップS138の各処理と同様に行われる。
【0182】
以上のように、太陽電池パネルとして、互いに異なる色素を用いた複数の色素増感型太陽電池を用い、制御部141が、各太陽電池パネルにおいて検出された電流値から、現在の時間帯を推測するようにしたので、掃除機200は、計時部等の構成を省略して構成を簡易化することができ、コストや消費電力を低減させることができる。
【0183】
つまり、掃除機200は、発電をより適切に行うことができる。
【0184】
<3.第3の実施の形態>
[掃除システム]
上述した掃除機100や掃除機200は、自走式の移動体であるため軽く小さい方が好ましく、そのため、二次電池133は小さい方が望ましい。つまり、二次電池133の容量は任意であるが、事実上有限である。
【0185】
二次電池133が満充電状態の場合、自身で消費できなかった余剰分の電力は、無駄になってしまう。
【0186】
そこで、二次電池133に蓄電された電力を他の装置に供給することができるようにしてもよい。
【0187】
図13は、本発明を適用した掃除システムの主な構成例を示す図である。図13に示される掃除システム300は、自律的に掃除を行うシステムであり、自走式の掃除機301、電力を蓄電する蓄電装置302、蓄電装置302に充電された電力を消費して動作する負荷装置303および負荷装置304を有する。
【0188】
掃除システム300は、掃除機301は、上述した掃除機100および掃除機200と同様の、掃除を行う自走式の掃除機である。掃除機301は、基本的に、掃除機100または掃除機200と同様の構成を有するが、側面102に接続端子311を有する。この接続端子311は、どの側面102に設けられるようにしてもよいし、複数の側面に設けられるようにしてもよいし、側面102以外に設けられるようにしてもよい。また、接続端子311の数や形状も任意である。この接続端子311は、掃除機301と蓄電装置302とを電気的に接続する端子である。
【0189】
蓄電装置302は、掃除機301において発電された電力を蓄電する装置である。蓄電装置302は、図示せぬ二次電池(バッテリ)を内蔵し、電気的に接続された掃除機301から供給される電力を蓄電する。
【0190】
蓄電装置302は、蓄電した電力を、電気的に接続される負荷装置303および負荷装置304等に適宜供給する。
【0191】
蓄電装置302は、接続端子312を有する。接続端子312は、掃除機301と蓄電装置302とを電気的に接続する端子であり、接続端子311に対応する形状を有する。
【0192】
蓄電装置302が有する二次電池(バッテリ)の容量は、任意であるが、少なくとも、掃除機301が有する二次電池133の容量よりは大きい方が望ましい。
【0193】
掃除機301は、二次電池133が満充電となるか、若しくは、満充電に近い状態となると、矢印に示されるように、蓄電装置302の位置まで移動し、接続端子311と接続端子312とを接続させる。
【0194】
接続端子311および接続端子312を介して掃除機301と蓄電装置302とが電気的に接続されると、掃除機301は、蓄電装置302に対して、二次電池133に蓄電されている電力を供給する。
【0195】
掃除機301から蓄電装置302へ電力が供給されると、二次電池133の充電量が低減し、また充電可能となるので、掃除機301は、蓄電装置302の位置から移動し、適切な位置で充電若しくは動作を行う。
【0196】
以上のように、掃除システム300においては、掃除機301により発電された電力が、他の装置である蓄電装置302に供給され、蓄電装置302や、さらに他の装置である負荷装置303や負荷装置304等により消費される。負荷装置303および負荷装置304は任意の装置である。
【0197】
掃除システム300の構成は、図13に示される以外であってもよく、例えば、1台の掃除機301に対して、複数台の蓄電装置302が設けられるようにしてもよいし、逆に、1台の蓄電装置302に対して、複数台の掃除機301が設けられるようにしてもよい。掃除システム300が複数台の掃除機301および複数台の蓄電装置302を備えるようにしてもよい。
【0198】
負荷装置303および負荷装置304の数も任意である。また、掃除機301が蓄電装置302ではなく、負荷装置303や負荷装置304等のような、蓄電機能を備えず、電飾消費機能を備える装置に接続されるようにしてもよい。
【0199】
また、各装置間の通信や電力の授受は、有線を介して行うようにしても良いし、無線で行うようにしてもよい。
【0200】
以上のように、掃除機301において発電された電力を他の装置に蓄電させたり、消費させたりすることができるようにすることにより、掃除システム300は、掃除機301において発電された電力をより有効に使用することができる。
【0201】
なお、例えば、蓄電装置302が、太陽発電パネル等を備えて発電を行ったり、蓄電された電力を、バッテリ残量が少ない掃除機301に供給したりすることができるようにしてもよい。
【0202】
[掃除機の内部構成]
図14は、掃除機301の内部の主な構成例を示すブロック図である。図11に示されるように、掃除機301は、基本的に掃除機100と同様の構成を有する。掃除機100と構成が同様の部分については、その説明を省略する。
【0203】
図14に示される例の場合、CPU134は、図3の例の構成に加えて、電力出力制御部353を有する。また、機能処理部135は、図3の例の構成に加えて、電力出力機能部373を有する。
【0204】
動作選択部147に選択された電力出力制御部353は、制御部141の制御に従って、電力出力機能部373を制御し、駆動させる。
【0205】
電力出力機能部373は、例えば、接続端子311等を含む図示せぬ電気回路により構成され、電力出力制御部353の制御に従って、二次電池133を、接続端子311を介して蓄電装置302に接続し、二次電池133に蓄電されている電力を蓄電装置302に供給する。
【0206】
[動作制御処理の流れ]
次に、以上のような掃除機301が実行する処理について説明する。最初に、図15のフローチャートを参照して、CPU134が実行する動作制御処理の流れの例を説明する。このフローチャートは、図4のフローチャートに対応するものである。
【0207】
ステップS301乃至ステップS309の各処理は、図4のステップS101乃至ステップS109の各処理と同様に実行される。
【0208】
ステップS309において充電処理が停止されると、制御部141は、ステップS310において、自己消費動作条件を確認する。例えば、時間帯が日中の場合、掃除機能や移動機能を動作させるべきで、時間帯が夜間の場合、掃除機能や移動機能を動作させるべきでないといった、自己消費動作を実行する条件(自己消費動作条件)が予め設定されており、制御部141は、その条件を確認する。
【0209】
ステップS311において、制御部141は、その確認結果に基づいて、自己消費処理を実行すべきか否かを判定する。
【0210】
例えば、上述したような条件が設定されている場合、制御部141は、現在の時間帯が日中であれば、掃除機能や移動機能を積極的に動作させるべきである(自己消費処理を実行すべき)と判定する。逆に、現在の時間帯が夜間であれば、掃除機能や移動機能を動作させるべきでない(自己消費処理を実行すべきでない)と判定する。
【0211】
自己消費処理を実行すべきと判定された場合、制御部141は、処理をステップS312に進める。ステップS312において、制御部141は、掃除機能や移動機能等を積極的に動作させて二次電池133に蓄電された電力を消費するように、自己消費処理を開始する。この処理は、図4のステップS110と同様に実行される。自己消費処理が開始されると制御部141は、処理をステップS301に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0212】
また、ステップS311において、自己消費処理すべきでないと判定された場合、制御部141は、処理をステップS313に進める。ステップS313において、制御部141は、二次電池133に蓄電された電力を他の装置に供給する電力供給処理を開始する。電力供給処理が開始されると制御部141は、処理をステップS301に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0213】
以上のように、動作制御処理を実行することにより、掃除機301は、内蔵する二次電池133に蓄電された電力を自分自身で消費するだけでなく、他の装置に供給することができ、自分自身が発電した電力をより有効に使用する(他の装置への供給も含む)ことができる。つまり、掃除システム300は、掃除機301の発電機能をより有効に利用することができる。
【0214】
[電力供給処理の流れ]
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のステップS313の処理において開始される電力供給処理の流れの例を説明する。
【0215】
電力供給処理が開始されると、制御部141は、ステップS331において、電力を供給する蓄電装置302を特定する。例えば掃除機301には、電力を供給可能な蓄電装置302が登録されている。この登録は、予めなされていてもよいし、ユーザ等が適宜行うようにしてもよい。蓄電装置302の情報は、ユーザ等が、新規作成、追加、編集、削除等を任意に行うことができるようにしてもよいし、そのような作業に対して、ユーザ権限やパスワード等で制限を付与するようにしてもよい。
【0216】
掃除機301に登録可能な蓄電装置302の台数は任意である。例えば、複数台の蓄電装置302が登録されている場合、制御部141は、それらの中から最適な1台を選択し、その位置を特定する。なお、この選択方法は任意である。例えば、掃除機301の現在位置に最も近い蓄電装置302を選択するようにしてもよいし、バッテリ残量が最も少ない蓄電装置302を選択するようにしてもよい。もちろん、これら以外の方法であってもよい。
【0217】
電力供給先として蓄電装置302を特定すると、制御部141は、ステップS332において、電力出力制御部353を介して電力出力機能部373を制御し、掃除機301が現在その蓄電装置302に電気的に接続されているか否かを確認する。接続端子311が、電力を供給する蓄電装置302に接続されていないと判定された場合、制御部141は、処理をステップS333に進める。
【0218】
ステップS333において、移動制御部151は、制御部141の制御に従って移動機能部171を制御し、掃除機301を、電力を供給する蓄電装置302の場所まで移動し、その蓄電装置302の接続端子312に、掃除機301の接続端子311を接続する。
【0219】
掃除機301を蓄電装置302に接続させると、制御部141は、処理をステップS334に進める。また、ステップS332において、掃除機301が、電力を供給する蓄電装置302に接続されていると判定された場合、制御部141は、ステップS333の処理を省略し、ステップS334に処理を進める。
【0220】
ステップS334において、電力出力制御部353は、制御部141の制御に従って電力出力機能部373を制御し、掃除機301に接続された蓄電装置302のバッテリ残量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。この閾値は予め定められていても良いし、例えば時刻情報や位置情報やイベント発生等、何らかの他の要因に基づいて適宜設定されるようにしてもよい。
【0221】
また、この判定処理は、蓄電装置302の二次電池の蓄電状態が、満充電状態、若しくは、それに近い状態であるか否かを判定するものである。したがって、この閾値の大きさは任意であるが、基本的には、満充電状態に近い大きな値とするのが望ましい。
【0222】
蓄電装置302のバッテリ残量が所定の閾値以上であると判定された場合、制御部141は、その蓄電装置302への電力供給(充電)は不可能であると判定し、処理をステップS335に進める。
【0223】
ステップS335において、制御部141は、登録されている情報の中に未選択の蓄電装置302が存在するか否かを判定する。存在すると判定された場合、制御部141は、処理をステップS331に戻し、それ以降の処理繰り返す。
【0224】
また、ステップS335において、選択可能な(未選択の)蓄電装置302が存在しないと判定された場合、制御部141は、電力の他の装置への供給を断念し、処理をステップS336に進める。ステップS336において、制御部141は、なるべく発電を行わないように、履歴に基づいて、発電量が最小の位置に移動する。ステップS336の処理が終了すると、制御部141は、電力供給処理を終了する。
【0225】
また、ステップS334において、掃除機301に接続された蓄電装置302のバッテリ残量が所定の閾値より少ないと判定された場合、制御部141は、処理をステップS337に進める。
【0226】
ステップS337において、電力出力制御部353は、制御部141により制御されて電力出力機能部373を制御し、二次電池133の電力の供給を開始する。
【0227】
ステップS338において、バッテリ充電量検出部142は、二次電池133のバッテリ残量を検出する。制御部141は、その検出されたバッテリ残量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。この閾値は予め定められていても良いし、例えば時刻情報や位置情報やイベント発生等、何らかの他の要因に基づいて適宜設定されるようにしてもよい。
【0228】
また、この判定処理は、二次電池133に十分な空き容量が生じたかを判定するものである。したがって、この閾値の大きさは任意であるが、基本的には、十分に小さい値(例えば、残量が半分以下、若しくは、空充電状態に近い値)とするのが望ましい。
【0229】
まだ電力の供給が十分でなく、二次電池133のバッテリ残量が所定の閾値以上であると判定された場合、制御部141は、処理をステップS339に進める。
【0230】
ステップS339において、電力出力制御部353は、制御部141により制御されて電力出力機能部373を制御し、蓄電装置302のバッテリ残量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。この閾値は予め定められていても良いし、例えば時刻情報や位置情報やイベント発生等、何らかの他の要因に基づいて適宜設定されるようにしてもよい。
【0231】
また、この判定処理は、蓄電装置302の二次電池の蓄電状態が、満充電状態、若しくは、それに近い状態であるか否かを判定するものである。したがって、この閾値の大きさは任意であるが、基本的には、満充電状態に近い大きな値とするのが望ましい。
【0232】
ステップS339において、バッテリ残量が所定の閾値より少ないと判定された場合、制御部141は、処理をステップS338に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0233】
ステップS339において、蓄電装置302のバッテリ残量が所定の閾値以上であると判定された場合、制御部141は、処理をステップS340に処理を進める。
【0234】
ステップS340において、電力出力制御部353は、制御部141の制御に従って電力出力機能部373を制御し、電力の供給を停止する。電力の供給を停止すると、制御部141は、処理をステップS335に戻し、電力の供給が可能な他の蓄電装置302を検索するために、それ以降の処理を繰り返す。
【0235】
また、ステップS338において、バッテリ残量が所定の閾値より少ないと判定した場合、制御部141は、処理をステップS341に進める。ステップS341において、電力出力制御部353は、制御部141の制御に従って電力出力機能部373を制御し、電力の供給を停止する。電力の供給が停止されると、制御部141は、電力供給処理を終了する。
【0236】
以上のように電力供給処理を行うことにより、掃除機301は、自分自身で消費できない電力を他の装置に供給することができ、自分自身が発電した電力をより有効に使用することができる。
【0237】
なお、このような掃除機301において、色素増感型太陽電池を用いるようにしてもよい。また、以上においては、電力の供給についてのみ説明したが、掃除機301が、蓄電装置302、負荷装置303、および負荷装置304等の他の装置と通信を行い、発電履歴や動作履歴を授受することができるようにしてもよい。
【0238】
以上のように、掃除システム300は、掃除機301に発電をより適切に行わせることができる。
【0239】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0240】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0241】
この記録媒体は、例えば、図3に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、若しくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア196により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM181や、記憶部193に含まれるハードディスクなどにより構成される。
【0242】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0243】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0244】
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成が、複数の装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成が、まとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成が付加されるようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部が他の装置(または他の処理部)の構成に含まれるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0245】
100 掃除機, 111 太陽電池ユニット, 131 電流検出部, 132 充電電流制御部, 133 二次電池, 134 CPU, 135 機能処理部, 141 制御部, 142 バッテリ充電量検出部, 143 電流算出部, 144 計時部, 145 位置計測部, 146 充電電流制御部, 147 動作選択部, 151 移動制御部, 152 掃除制御部, 171 移動機能部, 172 掃除機能部, 200 掃除機, 300 掃除システム, 301 掃除機, 302 蓄電装置, 303および304 負荷装置, 353 電力出力制御部, 373 電力出力機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電を行う発電装置であって、
前記発電装置の筺体に互いに異なる方向に向けて設けられた、光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行う複数の発電手段と、
各発電手段の発電により得られた電流を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された各電流の大きさに基づいて、光の照射方向に向かうように移動方向を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記移動方向に前記発電装置を移動させる移動手段と
を備える発電装置。
【請求項2】
前記発電装置の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された現在位置と、前記検出手段により検出された、各発電手段の発電により得られた電流の大きさとを関連付けて記憶する記憶手段と
をさらに備える請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記複数の発電手段の発電により得られた電力を蓄電する蓄電手段をさらに備え、
前記移動手段は、前記蓄電手段により蓄電された前記電力を消費して駆動する
請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
前記蓄電手段により蓄電された前記電力を消費して所定の機能を実現する電力消費手段をさらに備える
請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
現在時刻を提供する計時手段をさらに備え、
前記電力消費手段は、前記計時手段により提供される現在時刻に応じた処理を行う
請求項4に記載の発電装置。
【請求項6】
前記蓄電手段に蓄電される前記電力の残量を検出する残量検出手段をさらに備え、
前記移動手段は、前記残量検出手段により検出される前記電力の残量が満充電に近い状態の場合、前記発電装置を発電量が少ない位置に移動させる
請求項3に記載の発電装置。
【請求項7】
前記蓄電手段に蓄電される前記電力の残量を検出する残量検出手段をさらに備え、
前記移動手段は、前記残量検出手段により検出される前記電力の残量が空充電に近い状態の場合、前記発電装置を発電量が多い位置に移動させる
請求項3に記載の発電装置。
【請求項8】
前記蓄電手段に蓄電された前記電力を他の装置に出力する電力出力手段をさらに備える
請求項3に記載の発電装置。
【請求項9】
前記複数の発電手段は、互いに異なる色の色素を用いた色素増感型太陽電池よりなり、
前記検出手段により検出された各電流の大きさに基づいて、現在の時間帯を推測する推測手段をさらに備える
請求項1に記載の発電装置。
【請求項10】
発電を行う発電装置の発電方法であって、
前記発電装置の、互いに異なる方向に向けて設けられた複数の発電手段が、光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行い、
前記発電装置の検出手段が、各発電により得られた電流を検出し、
前記発電装置の決定手段が、検出された各電流の大きさに基づいて、光の照射方向に向かうように移動方向を決定し、
前記発電装置の移動手段が、決定された前記移動方向に前記発電装置を移動させる
発電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−9552(P2012−9552A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142867(P2010−142867)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】