説明

皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物

【課題】優れた起泡性と洗浄時から乾燥後までの良好な使用感を有する、皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、成分(A)と成分(C)の重量比率が(A)/(C)=0.5〜60である皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物:
(A)一般式(1)
1O−(AO)n−R2 (1)
で表される化合物。
(B)成分(A)以外の界面活性剤、
(C)カチオン性ポリマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素数8〜10のアルコールへの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物(アルキレングリコールエーテル)、界面活性剤および特定のカチオン性ポリマーを含有する、シャンプー、ボディシャンプー等の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤組成物には、油などの汚れ成分の乳化力や可溶化力、又は洗浄力といった種々の機能が求められている。なかでも皮膚又は毛髪用途の洗浄剤は、工業用洗浄剤と異なり、洗浄時の泡立ちの良さや泡の感触、すすぎ時、乾燥後の感触(毛髪の場合は指通りや髪の柔らかさ、皮膚の場合はすすぎやすさや乾燥後のしっとり感)、といった使用感の向上が求められている。
【0003】
洗浄剤組成物の起泡性向上や粘度調整のために、種々の増泡・増粘剤が開発され、脂肪酸アルカノールアミドや脂肪酸アミドプロピルベタイン等が汎用増泡・増粘剤として用いられている。しかしこれら含窒素化合物は、配合条件によっては色相などの経時変化を起こす。また、脂肪酸ジエタノールアミドは、不純物であるニトロソ化合物に発ガン性の疑いがある。これらの理由から、窒素非含有の増粘・増泡剤が望まれている。
【0004】
特許文献1には、窒素非含有の増粘・増泡剤として、炭素数8〜12のアルコールを出発原料とし、エチレンオキシドを1〜3モル付加させた(ポリ)エチレングリコールアルキルエーテルと陰イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤との組合せにより、起泡性に優れた洗浄剤組成物が記載されている。
【0005】
また、特許文献2、3にも、短鎖のエチレンキシドやプロピレンオキシドを導入した高級脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物が記載され、起泡性向上や低温安定性向上の例が紹介されている。しかし、これらの文献には、いずれも使用感向上やカチオン性ポリマー使用に関する言及がなく、また、これらの方法では満足できる使用感が得られず、特に皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物に求められる十分な使用感が得られない。
【0006】
皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は、感触向上のため、カチオン性ポリマーを使用することが知られている。特許文献4には、短鎖のアルコールのアルキレングリコールエーテルであるジアルキルレングリコールと陰イオン性界面活性剤との組合せに、カチオン性ポリマーを組み合わせることにより、使用感を向上させる検討がなされているが、この方法では十分な起泡性が得られない。
【0007】
いずれの先行文献においても、優れた起泡性と使用感が両立できておらず、優れた起泡性と洗浄時から乾燥後までの良好な使用感との両立が望まれていた。
【特許文献1】特開2004−277685号公報
【特許文献2】特開平11−12594号公報
【特許文献3】特開平7−53991号公報
【特許文献4】特開平4−108723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、優れた起泡性と洗浄時から乾燥後までの良好な使用感を有する、皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、成分(A)と成分(C)の重量比率が(A)/(C)=0.5〜60である皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物を提供するものである:
(A)一般式(1)
1O−(AO)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数8〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、平均付加モル数nは0.5〜4.0未満の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)で表される化合物、
(B)成分(A)以外の界面活性剤、
(C)カチオン性ポリマー。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、優れた起泡性と洗浄時から乾燥後までの良好な使用感を有する、皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
成分(A)の一般式(1)において、R1は炭素数8〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基である。低臭化の観点から直鎖アルキル基が好ましい。起泡性の観点からR1は炭素数8のものが好ましく、混合アルキルの場合、炭素数8のものが50モル%以上、更に80モル%以上、特に98モル%以上であるのが好ましい。
【0012】
成分(A)の一般式(1)において、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、プロピレンオキシ基(以下POと言う)及び/又はエチレンオキシ基(以下EOと言う)が好ましく、POとEOはブロックでもランダムでも良いが、ブロックが好ましく、低臭化の観点からPO、EOの順にブロック状に配列しているのがより好ましく、特にPOのみのものが好ましい。
【0013】
成分(A)の一般式(1)の化合物において、平均付加モル数nは0.5〜4.0未満の数を示すが、起泡性と低臭化の観点から1.0〜3.0、更に2.0〜3.0、より更に2.0〜2.8、特に2.0〜2.5が好ましい。
【0014】
一般式(1)中のR2は、水素原子またはメチル基を示すが、水素原子が好ましい。
【0015】
成分(A)は、洗浄剤組成物中に0.1〜20重量%、更に0.3〜10%重量%、特に0.5〜5%重量%含まれるのが起泡性と経済性の観点から好ましい。
【0016】
成分(B)の界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の界面活性剤であり、具体的には以下のものが挙げられる。
【0017】
陰イオン性界面活性剤としては、硫酸系、スルホン酸系、カルボン酸系、リン酸系及びアミノ酸系のものが好ましく、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、が好ましく、特に一般式(3)又は(4)で表されるものが好ましい。
R3-O(CH2CH2O)pSO3M (3)
R4-OSO3M (4)
〔式中、R3は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、R4は炭素数10〜18のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン又は塩基性アミノ酸を示し、pはエチレンオキサイド平均付加モル数で、1〜5の数を示す。〕
【0018】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド類等が挙げられる。このうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレンC8−C20脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが好ましい。アルキルグリコシド類としては、アルキル基の炭素数8〜14で、糖(グルコース)の縮合度1〜2のものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドとしては、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、またモノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよいが炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸メチルエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド等が挙げられる。
【0019】
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤及びアミンオキサイド型界面活性剤等が挙げられる。このうち、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤及びアルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤がより好ましく、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン及び脂肪酸アミドプロピルスルホベタイン等のスルホベタイン並びにアルキルジメチルアミンオキサイドが更に好ましい。アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン及び脂肪酸アミドプロピルスルホベタイン等のスルホベタインが、例えば、汚れ存在下でも優れた起泡性が求められる皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物の場合の汚れがあっても起泡性が損なわれない性能、即ち起泡性の耐汚れ性の観点から及び増粘性の観点から、特に好ましい。最も好ましいのは、アルキルヒドロキシスルホベタインである。脂肪酸アミドプロピルベタイン及びアルキルヒドロキシスルホベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルスルホベタイン等が好ましい。なかでも、ラウリルヒドロキシスルホベタインが最も好ましい。アルキルジメチルアミンオキサイドは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリルジメチルアミンオキサイド及びミリスチルジメチルアミンオキサイドが好ましい。
【0020】
陽イオン性界面活性剤の例として、特開2000-178146号公報に記載の、下記一般式(5):
【0021】
【化1】

【0022】
〔式中、R5、R6、R7及びR8のうち、少なくとも1個は総炭素数12〜28のアルコキシ基、好ましくは16〜28の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルカノイルアミノ基、アルケノイルアミノ基、アルカノイル基又はアルカノイルオキシ基が置換していてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、残余はベンジル基、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、Z-はハロゲンイオン又は有機アニオン、例えばアセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフォネート、スルフェート、及びアルキルスルフェート基から選択されたものを示す。〕
で表わされる第4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0023】
上記化合物(5)の好ましい例として、R5、R6、R7及びR8のうち、少なくとも1個が総炭素数8〜22のアルコキシ基で置換していても良いアルキル基で、残余は、メチル基、エチル基、ベンジル基を示すものが挙げられる。さらに好ましい具体例としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムや塩化オクダデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムのような塩化モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムや塩化分岐ジアルキルジメチルアンモニウムのような塩化ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0024】
成分(B)の界面活性剤は、起泡性の観点から陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の界面活性剤が好ましい。
【0025】
成分(B)は、洗浄剤組成物中に3〜50重量%、更に5〜30重量%、特に10〜30重量%含まれるのが起泡性、経済性の観点から好ましい。
成分(A)と(B)の比率は、起泡性と経済性の観点から重量比で(A)/(B)=0.005〜1、更に0.01〜1、特に0.02〜0.5、最も0.05〜0.5が好ましい。
【0026】
成分(C)のカチオン性ポリマーとしては、下記(a)〜(d)からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる:
(a)一般式(I)又は(II)で表されるノニオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種と、一般式(III)又は(IV)で表されるカチオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種と、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びアリル基から選ばれる少なくとも2個の基を分子中に有する架橋性ビニル単量体の少なくとも1種とを必須構成単量体とし、ラジカル重合することにより得られるカチオン性基含有共重合体
【0027】
【化2】

【0028】
〔式中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12及びR13は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0029】
【化3】

【0030】
〔式中、R11は前記と同じ意味を示し、A1及びA2は同一又は異なって、式−(CH2)m−(mは2〜6の整数を示す)で表される基を示し、Bは−O−又は−CH2−基を示す。〕
【0031】
【化4】

【0032】
〔式中、R11は前記と同じ意味を示し、R14及びR15は同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基を示し、R16は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Yは−O−、−NH−、−CH2− 又は−O−CH2CH(OH)−基を示し、Zは炭素数1〜4(ただしYが−CH2− のときは炭素数0〜3)の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xは酸の共役塩基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキルサルフェート基を示す。〕
【0033】
【化5】

【0034】
〔式中、R17及びR18は同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、R19及びR20は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは前記と同じ意味を示す。〕、
(b)カチオン化セルロース誘導体、
(c)カチオン化グアーガム誘導体、及び
(d)ジアリル4級アンモニウム塩重合物又はジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物。
【0035】
成分(C)の(a)カチオン性基含有共重合体について、以下に詳述する。
(イ)ノニオン性基含有ビニル単量体
一般式(I)で表される単量体の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。一般式(II)で表される単量体としては、N−(メタ)アクロイルモルホリン等が挙げられる。
【0036】
(ロ)カチオン性基含有ビニル単量体
上記一般式(III)で表される単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミドを酸で中和した酸中和物あるいは4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0037】
上記一般式(IV)で表される単量体の具体例としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル型4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0038】
上記の酸中和物を得るための好ましい酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;及び酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、スルファミン酸、トルエンスルホン酸、乳酸、ピロリドン−2−カルボン酸、コハク酸、プロピオン酸、グリコール酸等の総炭素数1〜22の有機酸等が挙げられる。上記4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等の炭素数1〜8のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
【0039】
上記一般式(III)又は(IV)で表される単量体の中で特に好ましいものとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、又はジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドを前記の4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩、あるいはジメチルジアリルアンモニウムクロライドが挙げられる。ここで酸中和物単量体は、系のpH等により中和した酸の解離が起こり、ポリマー構造が変化するため、粘度の安定性が低いという欠点を有する。この点からも4級アンモニウム塩型単量体がより好ましい。
【0040】
(ハ)架橋性ビニル単量体
架橋性ビニル単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;N−メチルアリルアクリルアミド、N−ビニルアクリルアミド、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスアクリルアミド酢酸等のアクリルアミド類;ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルエチレン尿素等のジビニル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリアリルアンモニウム塩、ペンタエリスリトールのアリルエーテル化体、分子中に少なくとも2個のアリルエーテル単位を有するスクローゼのアリルエーテル化体等のポリアリル化合物;ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
これらの架橋性単量体の中では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、又はペンタエリスリトールテトラアリルエーテルが好ましい。
【0041】
(ニ)その他のビニル単量体
成分(A)のカチオン性基含有共重合体は、必須構成単位である前記の3種類のビニル単量体のほかに、これらと共重合が可能なその他のビニル単量体を構成成分とすることができる。その他のビニル単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トルイル(メタ)アクリレート、キシリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシ(メタ)アクリレート、2−フェノキシ(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体等が挙げられる。
該その他のビニル単量体はカチオン性基含有共重合体を構成する全単量体中、30重量%以下で用いるのが好ましく、特に15重量%以下で用いるのが好ましい。
【0042】
(ホ)カチオン性基含有共重合体
カチオン性基含有共重合体を形成する単量体であるノニオン性基含有ビニル単量体(a1)とカチオン性基含有ビニル単量体(a2)との好ましい配合比率は、(a1)/(a2)のモル比で、2/98〜98/2であり、さらに好ましくは40/60〜97/3である。上記モル比が大きい場合はチキソトロピー性の発現が、モル比が小さい場合は低シェアレート時の粘度保持が夫々容易となるが、両特性発現には上記範囲内である方が好ましい。
架橋性ビニル単量体(a3)の割合は、単量体全量に対して0.002〜5重量%が好ましく、0.002重量%以上0.1重量%未満が特に好ましい。単量体(a3)の割合が0.002重量%以上であれば、カチオン性基含有共重合体から形成されるハイドロゲルの粘度が十分であり、また5重量%以下であれば、ハイドロゲルの感触は柔らかく、すべりの良いものとなる。
本発明の成分(C)の(a)カチオン性基含有共重合体の好ましい一態様として、下記式で表されるN,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩−N,N−ジメチルアクリルアミド−ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体が挙げられる:
【0043】
【化6】

【0044】
(式中、モル比でx/y=1/9〜5/5、(x+y+z)/z=1/0.1〜1/0.002である。)
例えば、市販品としては、ソフケアKG−301W〔花王(株)製〕やソフケアKG−101E〔花王(株)製〕が挙げられる。
【0045】
成分(C)の(b)カチオン化セルロース誘導体について、以下に詳述する。
(b)カチオン化セルロース誘導体としては、次の一般式(VI)で表わされるものが好ましい。
【0046】
【化7】

【0047】
(I)式中、Aはアンヒドログルコース単位の残基を示し、aは50〜20000の整数であり、各R21は、それぞれ次の一般式(VII)で表わされる置換基を示す。
【0048】
【化8】

【0049】
式(VII)中、R'及びR"は炭素数2又は3のアルキレン基、bは0〜10の整数、cは0〜3の整数、dは0〜10の整数、R'''は炭素数1〜3のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基、R22、R23及びR24は同じか又は異なっており、炭素数10までのアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示すか、又は式中の窒素原子を含んで塩素環を形成してもよく、そしてX1は陰イオン(塩素、臭素、沃素、硫酸、スルホン酸、メチル硫酸、リン酸、硝酸等)を表わす。
カチオン化セルロースのカチオン置換度は、0.01〜1、すなわちアンヒドログルコース単位あたりのcの平均値は、0.01〜1、好ましくは0.02〜0.5である。又、b+dの合計は平均1〜3である。置換度は、0.01以下では充分でなく、又1以上でもかまわないが、反応収率の点より1以下が好ましい。例えばR22、R23及びR24としては全てCH3基、又は2つのCH3基などの短鎖アルキル基であり、残り1つが炭素数10〜20の長鎖アルキル基であるものが好ましい。ここで用いるカチオン化セルロースの分子量は約100000〜8000000の間である。
例えば、市販品としては、ポイズC−80H〔花王(株)製〕やポリマーJR−400(ダウケミカル社製)等が挙げられる。
【0050】
成分(C)の(c)カチオン化グアーガム誘導体について、以下に詳述する。
(c)カチオン化グアーガム誘導体としては、次の一般式(VIII)で表わされるものが好ましい。
【0051】
【化9】

【0052】
式(VIII)中、Dはグアーガム残基、R25はアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基、R26、R27及びR28は同じか又は異なっており、炭素数10以下のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示すか、又は式中の窒素原子を含んで複素環を形成してもよく、X3は陰イオン(塩素、臭素、沃素、硫酸、スルホン酸、メチル硫酸、リン酸、硫酸等)、そしてfは正の整数を示す。
カチオン化グアーガム誘導体のカチオン置換度は、0.01〜1、特に0.02〜0.5個のカチオン基が糖ユニットに導入されたものが好ましい。この型のカチオン性ポリマーは、特公昭58-35640号公報、特公昭60-46158号公報、及び特開昭58-53996号公報中に記載されており、例えば市販品としては、ローディア社(Rhodia Inc.)から商標名ジャガー(Jaguar)で市販されており、ジャガーC−13C等が挙げられる。
【0053】
成分(C)の(d)ジアリル4級アンモニウム塩重合物又はジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物について、以下に詳述する。
(d)ジアリル4級アンモニウム塩重合物又はジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物としては、次の一般式(IX)又は(X)で表わされるものが好ましい。
【0054】
【化10】

【0055】
【化11】

【0056】
式(IX)及び(X)中、R33及びR34は同じか又は異なっており、水素、アルキル基(炭素数1〜18)、フェニル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、アミドアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシアルキル基、又はカルボアルコキシアルキル基、R35、R36、R37及びR38は同じか又は異なっており、水素原子、低級アルキル基(炭素数1〜3)、又はフェニル基、X4は陰イオン(塩素、臭素、沃素、硫酸、スルホン酸、メチル硫酸、硫酸など)、gは1〜50の整数、hは0〜50の整数、そしてiは150〜8000の整数を示す。
ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物の分子量としては約3万〜200万、好ましくは10万〜100万の範囲が良い。
例えば、市販品としては、ナルコ社から商標名マーコートで市販されており、マーコート100やマーコート550等が挙げられる。
成分(C)は、感触の観点から、(a)カチオン性基含有共重合体、(c)カチオン化グアーガム誘導体及び(d)ジアリル4級アンモニウム塩重合物又はジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物が好ましく、(a)カチオン性基含有共重合体及び(d)ジアリル4級アンモニウム塩重合物又はジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物がより好ましく、(a)カチオン性基含有共重合体が特に好ましい。
【0057】
成分(C)は1種以上を用いることができる。皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物中の成分(C)の含有量は、泡質、感触及びコンディショニング効果の観点から、全組成中に好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
成分(A)と(C)の比率は、起泡性と感触の観点から、重量比で(A)/(C)=0.5〜60であるが、1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、特に1〜20が好ましく、最も1〜10が好ましい。
【0058】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は、油性成分を含有することができる。
油性成分としては、高級アルコール、シリコーン、及びエステル油、炭化水素類、グリセリド類、植物油、動物油、ラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類、等が挙げられ、高級アルコール、エステル油及び/又はシリコーンが好ましく、高級アルコール及び/又はシリコーンが特に好ましい。
【0059】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は更に、グリセリン、保湿剤、(C)成分以外のカチオン性ポリマー、多糖類、ポリペプタイド、パール化剤、溶剤、液晶形成基剤、色素、香料、噴射剤、エデト酢酸塩やクエン酸塩などのキレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を、適宜配合することができる。抗フケ剤としては、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミンなどが挙げられる。
【0060】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は、常法に従って製造できる。また、その剤型も特に制限されず、液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることができるが、液体状、ペースト状又はクリーム状とするのが好ましく、特に液体状とするのが好ましい。液体状とする場合には、液体媒体として水、ポリエチレングリコール等を用いるのが好ましく、水の配合量は、全組成中に10〜80重量%が好ましい。
【0061】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物のpHは、20倍希釈液とした場合、25℃で4〜10、特に5〜9が好ましい。
【0062】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は、常法に従って製造でき、例えば毛髪洗浄料、全身洗浄料、洗顔料、手洗い剤等の身体用洗浄剤とすることができる。
【実施例】
【0063】
実施例1
表1及び表2に示したアルキレングリコールエーテル1〜9と界面活性剤を用い、常法にて表3に示すヘアシャンプーを調製し、下記の方法で起泡性、泡の感触、すすぎ時の指通り、及び乾燥後の櫛通りと髪の柔らかさの評価を行った。その結果を表3に示す。
<評価方法>
ブリーチ処理した日本人女性の毛髪20g(20cm)にシャンプー1gを塗布し、30秒間泡立てた時点の起泡性、泡の感触、すすぎ時の指通り、及びドライヤーで乾燥させた後の櫛通りと髪の柔らかさについて専門パネラー5名により下記の基準で評価した。
1)起泡性
4:起泡性が非常に良い。
3:起泡性が良い。
2:起泡性が普通。
1:起泡性が悪い。
2)泡の感触
4:クリーミーな泡質で感触が非常に良い。
3:普通の泡質で感触が良い。
2:普通の泡質で感触がやや悪い。
1:粗い泡質で感触悪い。
3)すすぎ時の指通り
4:きしみは全くなく、指通りが非常に良い。
3:きしみが弱く、指通りが良い。
2:きしみがやや強く、指が通りづらい。
1:きしみが強く、指通りが悪い。
4)乾燥後の櫛通り
4:櫛通りが良く非常になめらか。
3:櫛を通すのに多少ひっかかるが、おおむねなめらか。
2:櫛を通すのにひっかかりが目立つ。
1:櫛通りが悪く、ひっかかりが非常に多い。
5)乾燥後の髪の柔らかさ
4:非常に柔らかく、しなやか。
3:柔らかい。
2:柔らかさに少し欠ける。
1:ゴワつく。
いずれも5名の評価の平均点を求め、3.6以上を◎、2.6〜3.4を○、1.6〜2.4を△、1.4以下を×とした。
6)耐汚れ性試験
イオン交換水15gを含ませ、汚れ成分としてラノリン〔山桂産業(株)製〕0.05mLを塗布した日本人女性の毛髪15g(20cm)に、表3に示したヘアシャンプーを0.5mLとり、25秒間泡立てた。生じた泡を直径5cmの目盛り付きシリンダーにとり、起泡量(mL)を測定した。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
【表3】

【0067】
表3の結果に示されるように、従来技術の比較品1にカチオン性ポリマーを添加した比較品2は起泡性が弱く、感触は若干向上する程度(公知レベル)である。一方、本願発明の成分(A)である特定の増泡剤を含む比較品3は、起泡性は良いが感触に欠点があり、これにカチオン性ポリマーを添加すると(本発明品2)感触が飛躍的に向上する。特定の増泡剤にカチオン性ポリマーを添加することで、従来技術(比較品1)にカチオン性ポリマーを添加する場合以上にカチオン性ポリマーの添加効果があることが分かる。また、 成分(A)と(C)の比率が重量比で(A)/(C)=0.5〜60を外れるもの(比較品9,10)は起泡性又は感触に欠点があった。
【0068】
実施例2
表1及び表2に示したアルキレングリコールエーテル1〜9と界面活性剤を用い、常法にて表4に示すボディシャンプーを調製し、下記の方法で起泡性、泡の感触、すすぎやすさ、及び乾燥後のしっとり感の評価を行った。その結果を表4に示す。
<評価方法>
ボディシャンプー1gを手に取り、手、腕を洗浄したときの起泡性、泡の感触、すすぎやすさ、及び乾燥後のしっとり感について専門パネラー5名により下記の基準で評価した。
1)起泡性
4:起泡性が非常に良い。
3:起泡性が良い。
2:起泡性が普通。
1:起泡性が悪い。
2)泡の感触
4:クリーミーな泡質で感触が非常に良い。
3:普通の泡質で感触が良い。
2:普通の泡質で感触がやや悪い。
1:粗い泡質で感触悪い。
3)すすぎやすさ
4:すすぎ性が非常に良い。
3:すすぎ性が良い。
2:ややすすぎ性が悪く、ぬるつきが残る。
1:すすぎ性が悪く、ぬるつきが強い。
5)乾燥後のしっとり感
4:非常にしっとりし、うるおいを感じる。
3:しっとりする。
2:しっとり感に欠ける。
1:かさつく。
いずれも5名の評価の平均点を求め、3.6以上を◎、2.6〜3.4を○、1.6〜2.4を△、1.4以下を×とした。
6)耐汚れ性試験
水道水でぬらし、汚れ成分としてラノリン〔山桂産業(株)製〕0.1mLを塗布した手のひらに、表4に示したボディシャンプーを1gとり、30秒間泡立てた。生じた泡を直径5cmの目盛り付きシリンダーにとり、起泡量(mL)を測定した。
【0069】
【表4】

【0070】
表4の結果から、表3のヘアシャンプーと同様、本発明品は特定の増泡剤とカチオン性ポリマーとの併用効果が著しいことが分かる。
【0071】
実施例3
下記組成のヘアシャンプーを製造した。
(成分) (重量%)
アルキレングリコールエーテル1 0.7
ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム* 12.0
ラウリン酸モノエタノールアミド 0.8
カチオン性ポリマー1** 0.2
カチオン性ポリマー3*** 0.2
シリコーン**** 1.0
香料,メチルパラベン 適量
精製水 バランス
計 100
*:( )内はエチレンオキシド平均付加モル数を示す
**:ソフケアKG101E〔花王(株)製〕
***:ポイズ C-150L〔花王(株)製〕
****:シリコーン BY22−060〔東レ・ダウコーニング(株)製〕
このヘアシャンプーは、起泡性が良好で、洗浄時から乾燥後まで指通りが良好で優れた使用感を有していた。
【0072】
実施例4
下記組成のボディシャンプーを製造した。
(成分) (重量%)
アルキレングリコールエーテル2 2.0
ラウリルリン酸塩* 30.0
カチオン性ポリマー2** 0.5
アミドプロピルベタイン*** 2.0
グリセリン 3.0
香料,メチルパラベン 適量
精製水 バランス
計 100
*:プライオリー B−650D;花王(株)製
**:ソフケアKG301W〔花王(株)製〕
***:アンヒトール20AB〔花王(株)製〕
このボディシャンプーは、起泡性が良好で、洗浄時の泡質が良好で、乾燥後もしっとりとした、優れた使用感を有していた。
【0073】
実施例5
下記組成のヘアシャンプーを製造した。
(成分) (重量%)
アルキレングリコールエーテル8 0.6
ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム* 12.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.2
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 0.6
カチオン性ポリマー1** 0.2
カチオン性ポリマー4*** 0.2
シリコーン**** 2.0
香料,メチルパラベン 適量
精製水 バランス
計 100
*:( )内はエチレンオキシド平均付加モル数を示す
**:ソフケアKG101E〔花王(株)製〕
***:ジャガーC-13C(ローディア社製)
****:シリコーン BY22−014〔東レ・ダウコーニング(株)製〕
このヘアシャンプーは、起泡性および耐汚れ性が良好で、洗浄時から乾燥後まで指通りが良好で優れた使用感を有していた。
【0074】
実施例6
下記組成のヘアシャンプーを製造した。
(成分) (重量%)
アルキレングリコールエーテル8 0.6
ラウリルエーテル硫酸アンモニウム 6.0
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム* 6.0
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 0.8
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 0.5
カチオン性ポリマー5** 0.4
シリコーン*** 2.0
香料,メチルパラベン 適量
精製水 バランス
計 100
*:( )内はエチレンオキシド平均付加モル数を示す
**:マーコート550(ナルコ社製)
***:シリコーン BY22−007〔東レ・ダウコーニング(株)製〕
このヘアシャンプーは、起泡性および耐汚れ性が良好で、洗浄時から乾燥後まで指通りが良好で優れた使用感を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、成分(A)と成分(C)の重量比率が(A)/(C)=0.5〜60である皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物:
(A)一般式(1)
1O−(AO)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数8〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、平均付加モル数nは0.5〜4.0未満の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)で表される化合物、
(B)成分(A)以外の界面活性剤、
(C)カチオン性ポリマー。
【請求項2】
成分(C)が、(a)一般式(I)又は(II)で表されるノニオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種と、一般式(III)又は(IV)で表されるカチオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種と、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びアリル基から選ばれる少なくとも2個の基を分子中に有する架橋性ビニル単量体の少なくとも1種とを必須構成単量体とし、ラジカル重合することにより得られるカチオン性基含有共重合体
【化1】

〔式中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12及びR13は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【化2】

〔式中、R11は前記と同じ意味を示し、A1及びA2は同一又は異なって、式−(CH2)m−(mは2〜6の整数を示す)で表される基を示し、Bは−O−又は−CH2−基を示す。〕
【化3】

〔式中、R11は前記と同じ意味を示し、R14及びR15は同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基を示し、R16は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Yは−O−、−NH−、−CH2− 又は−O−CH2CH(OH)−基を示し、Zは炭素数1〜4(ただしYが−CH2−のときは炭素数0〜3)の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xは酸の共役塩基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキルサルフェート基を示す。〕
【化4】

〔式中、R17及びR18は同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、R19及びR20は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは前記と同じ意味を示す。〕、(b)カチオン化セルロース誘導体、(c)カチオン化グアーガム誘導体、及び(d)ジアリル4級アンモニウム塩重合物又はジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物からなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項3】
成分(B)が、少なくとも2種の界面活性剤からなり、そのうち1種の界面活性剤がスルホベタインである請求項1又は2記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分(A)と成分(B)の重量比率が(A)/(B)=0.005〜1である請求項1〜3の何れか1項記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項5】
成分(A)の一般式(1)中のnが1.0〜3.0である請求項1〜4の何れか1項記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項6】
成分(A)が0.1〜20重量%含まれる請求項1〜5の何れか1項記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項7】
成分(A)の一般式(1)中のAOが、炭素数3のプロピレンオキシ基である請求項1〜6の何れか1項記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項8】
20倍希釈時のpHが4〜10である請求項1〜7の何れか1項記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2007−197420(P2007−197420A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295254(P2006−295254)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】