説明

皮膚洗浄剤組成物

【課題】起泡性や泡質に優れ、すすぎ時のストップフィーリング性が良好な皮膚洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、
(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、
(C)カチオン電荷密度が4.5meq/g以上のカチオン基含有ポリマー、
(D)無機塩又は炭素数6以下の有機酸塩、
(E)ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤、
(F)高級脂肪酸、高級アルコール及びアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種以上、
並びに水を含有する皮膚洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
顔や全身を清浄にするために用いる皮膚洗浄剤の諸性能として、泡立ちが良好で使用感に優れること、また、すすぎ時の感触として、摩擦抵抗のある感触(ストップフィーリング)があることが求められる。
【0003】
特許文献1には、硫酸残基を有するアニオン界面活性剤、炭素数10〜14の高級アルコール及びカチオン性ポリマーを含有する毛髪洗浄剤が、洗髪時に良好な泡立ちとすべりの良い泡質を有し、使用感に優れたものであることが記載されている。
しかしながら、従来、この分野で汎用されている界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、主剤として皮膚洗浄剤組成物に用いると、すすぎ時にいつまでもヌルヌルした感触が続くという問題があった。
【0004】
特許文献2及び3には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等の水溶性界面活性剤を主剤としたパーソナルクレンジング組成物において、ポリイソブテン、シリコーン油等の水不溶性オイルを添加することにより、すすぎ時に改善されたリンスフィールを与えることが記載されている。
しかしながら、このように皮膚洗浄剤組成物に油性成分を添加すると、特に、全身を洗浄するために使用する場合、すすぎ時のストップフィーリングが十分でなかったり、洗い流し後に皮膚への残留感や油性感が強いため、べたつきがあり、さっぱりした感触が得られない。また、泡量が損なわれるなどの問題もあった。
【特許文献1】特開2003−212733号公報
【特許文献2】特表2001−513539号公報
【特許文献3】特表2001−513538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、起泡性や泡質に優れ、すすぎ時のストップフィーリング性が良好な皮膚洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、後記成分(A)〜(F)を組み合わせて用いれば、上記課題を解決した皮膚洗浄剤組成物が得られることを見出した。
【0007】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、
(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、
(C)カチオン電荷密度が4.5meq/g以上のカチオン基含有ポリマー、
(D)無機塩又は炭素数6以下の有機酸塩、
(E)ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤、
(F)高級脂肪酸、高級アルコール及びアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種以上、
並びに水を含有する皮膚洗浄剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、泡立ちが速く、泡量、泡質ともに優れ、すすぎ時のストップフィーリング性が良好なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で用いる成分(A)のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、次式で表されるものが好ましい。
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を示し、mは平均で0.5〜10の数を示し、Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す)
【0012】
式中、R1としては、特に炭素数10〜18のアルキル基が好ましい。また、エチレンオキシドの平均付加モル数mは、0.5〜10であるが、0.5〜6、特に1〜4であるのが好ましい。
また、Xとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸由来のカチオンなどが挙げられる。
【0013】
成分(A)は、1種以上を用いることができ、全組成中に1〜20質量%、特に3〜13質量%含有するのが、泡立ちの速さ・泡量及びすすぎ時のストップフィーリング性に優れるので好ましい。
【0014】
成分(B)のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩としては、次式で表されるものが好ましい。
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、R2は炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは平均で0.5〜10の数を示し、Xは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す)
【0017】
式中、R2としては、特に炭素数10〜18のアルキル基が好ましい。また、エチレンオキシドの平均付加モル数nは、0.5〜10であるが、特に1〜6であるのが好ましい。
また、Xとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸由来のカチオンなどが挙げられる。
【0018】
成分(B)は、1種以上を用いることができ、全組成中に1〜20質量%、特に1.5〜10質量%含有するのが、泡量・泡質及びすすぎ時のストップフィーリング性に優れるので好ましい。
【0019】
本発明においては、成分(A)と(B)との質量割合が、(A):(B)=85:15〜25:75、特に75:25〜35:65であるのが、泡立ち、泡量、泡質及びすすぎ時のストップフィーリング性に優れるので好ましい。
また、全組成中における、成分(A)及び(B)の合計含有量が5〜25質量%、特に7.5〜20質量%であるのが、泡立ち、泡量及び泡質に優れるので好ましい。
【0020】
本発明で用いる成分(C)のカチオン基含有ポリマーは、カチオン電荷密度が4.5meq/g以上のものである。
ここで、カチオン電荷密度とは、ポリマーを構成するモノマーユニット中のカチオン電荷の当量数(meq/g)をいう。
【0021】
カチオン電荷密度が4.5meq/g以上のカチオン基含有ポリマーとしては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー;ジメチルジアリルアンモニウムクロリドと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等、他のモノマーとの共重合体;ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
【0022】
より具体的には、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(マーコート100;オンデオナルコ社製:電荷密度6.2meq/g)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体(マーコート295;オンデオナルコ社製:電荷密度6.0meq/g)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体(マーコート280;オンデオナルコ社製:電荷密度5.0meq/g)、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(花王社製:電荷密度4.8meq/g)等が挙げられる。
【0023】
カチオン基含有ポリマーのカチオン電荷密度は、4.5meq/g以上、好ましくは4.5〜7、より好ましくは5〜7、特に好ましくは5.5〜6.5である。この範囲の高いカチオン電荷密度を有するものであれば、洗浄剤組成物のすすぎ時のストップフィーリング性が良好である。とりわけ、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の重量比が97:3である共重合体(前記マーコート295;オンデオナルコ社製:電荷密度6.0meq/g)が、すすぎ時のストップフィーリングの面で好ましい。
【0024】
成分(C)のポリマーとしては、特に、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体が、製造設備の耐腐食性の面からも好ましい。
【0025】
成分(C)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.05〜2質量%、更には0.075〜1.5質量%、特に0.1〜0.8質量%含有するのが、すすぎ時のストップフィーリング性に優れるので好ましい。
【0026】
本発明で用いる成分(D)は、無機塩又は炭素数6以下の有機酸塩である。無機塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属と、ハロゲン、硫酸、亜硫酸、燐酸等との塩が挙げられ、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、燐酸2水素ナトリウム、燐酸水素2ナトリウム等が挙げられる。また、有機酸塩としては、酢酸のほか、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸等のヒドロキシ酸、多価酸と、アルカリ金属等との塩などが挙げられる。これらのうち、塩化ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウムが好ましい。
【0027】
成分(D)は、本発明の効果である起泡性や泡質を妨げない範囲で、1種以上を用いることができ、全組成中に0.5〜10質量%、更に0.5〜6質量%含有するのが、成分(A)、(B)及び(C)の3成分により形成するコンプレックスが溶解しやすく、ストップフィーリング性が向上し、液外観(透明性)も向上するので好ましい。
【0028】
本発明においては、成分(A)と(B)との質量割合が、(A):(B)=85:15〜25:75であるのが好ましいが、この場合において、成分(A)、(B)及び(C)の3成分により形成するコンプレックスが溶解しやすくなり、(C)/((A)+(B))の値が、0.025〜0.08である場合に、コンプレックスがより溶解しやすくなる。
特に、(D)無機塩又は炭素数6以下の有機酸塩と、成分(A)、(B)及び(C)の3成分により形成するコンプレックスの関係において、(D)/((A)+(B)+(C))の値が、0.19〜0.34であるのが、溶解性が高まり、安定性や、パールの光沢が発現しやすくなるので、より好ましい。溶解したコンプレックスは、希釈過程で析出し、皮膚に吸着するため、ぬるつきが素早く消失し、ストップフィーリングも更に向上するので好ましい。
【0029】
本発明で用いる成分(E)のポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤としては、次式で表されるものが好ましい。
【0030】
【化3】

【0031】
(式中、R3は炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を示し、pは平均で3〜30の数を示す)
【0032】
式中、R3としては、特に炭素数10〜18のアルキル基が好ましい。また、エチレンオキシドの平均付加モル数pは、3〜30であるが、特に10〜20であるのが好ましい。
また、成分(E)のポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB(Griffin)は、10〜20が好ましく、更には、13〜18が好ましい。
【0033】
より具体的には、ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル(HLB14.5;エマルゲン116、花王社製)、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル(HLB13.5;BC−10TX、日光ケミカル社製)、ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル(HLB15.5;BC−15TX、日光ケミカル社製)、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(HLB18;BS−20、日光ケミカル社製)、ポリオキシエチレン(15)アルキル(sec−C12−C14)エーテル(HLB15.3;ソフタノール150、日本触媒社製)などが挙げられる
【0034】
成分(E)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.25〜5質量%、特に0.5〜3.5質量%含有するのが、泡立ちの速さ、泡量及びすすぎ時のストップフィーリング性に優れるので好ましい。
【0035】
本発明で用いる成分(F)は、高級脂肪酸、高級アルコール及びアルキルグリセリルエーテルから選ばれるものである。
高級脂肪酸としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良く、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等が挙げられ、炭素数10〜18のもの、特に炭素数12〜15のものが好ましい。
また、高級アルコールとしては、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良く、例えば、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、グリセリン、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられ、炭素数10〜18のもの、特に炭素数12〜15のものが好ましい。
【0036】
また、アルキルグリセリルエーテルとしては、炭素数4〜18、特に炭素数6〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましい。更に、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルが好ましい。
【0037】
高級脂肪酸、高級アルコールを含有することにより、泡立ち、泡の質感(泡のキメ細かさや、泡の弾力性)を向上させる。また、アルキルグリセリルエーテルは泡立ち性や、泡量、泡の伸ばしやすさで顕著な効果が得られる。
【0038】
また、後述のように、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、弱酸性〜中性領域のpHを示すものが好ましい。かかる組成物において、高級脂肪酸は、塩としての脂肪酸石鹸ではなく、脂質(遊離脂肪酸)として組成物中に含有され、通常、身体洗浄を行う希釈倍率領域においては、泡性能の向上に寄与すると考えられる。
【0039】
成分(F)は、1種以上を用いることができ、高級脂肪酸と高級アルコール、高級脂肪酸又は高級アルコールとアルキルグリセリルエーテルを組み合わせて用いることもできる。特に、ラウリン酸とミリスチルアルコールを組み合わせて用いるのが、泡のキメ細かさや、泡の弾力を向上させる点で好ましい。また、ラウリン酸又はミリスチルアルコールとアルキルグリセリルエーテルを組み合わせることにより、泡量を増し、伸ばしやすい泡質を付与することができ、更に、泡性能を高めながら且つ泡消えの効果も良好であるという点で好ましい。
高級脂肪酸と高級アルコールは、全組成中にそれぞれ0.1〜3.5質量%、特に0.2〜2.5質量%含有するのが好ましい。アルキルグリセリルエーテルは、全組成中に0.1〜3.5質量%、特に0.2〜2.5質量%含有するのが好ましい。
【0040】
前記のように、成分(A)、(B)及び(C)の3成分により形成するコンプレックスを溶解させるため、成分(D)を混合することにより、すすぎ時のストップフィーリング性を向上させることができる。しかし、このようにして、すすぎ時のストップフィーリング性を向上させると、洗浄時の泡立ち、泡量、泡質が劣化する場合がある。このため、更に、成分(E)の特定の非イオン界面活性剤と、成分(F)を組み合わせることにより、泡質を改善することができる。特に、成分(E)と(F)との質量割合が、(E):(F)=80:20〜40:60、特に、75:25〜55:45であると、洗浄時の泡立ち、泡量、泡質の改善効果が高いので好ましい。また、全組成中における成分(E)及び(F)の合計含有量が0.25〜8.5質量%、特に0.35〜8.5質量%、更に0.7〜6質量%であることが好ましい。
【0041】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、前記の成分以外に、通常の洗浄剤組成物に用いられる他の界面活性剤を、本発明の効果を妨げない範囲で含有することもできる。具体的には、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アシル化アミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、アシル−L−グルタミン酸塩等のアニオン界面活性剤;アルキルグルコシド、脂肪酸モノ又はジアルカノールアミド、ポリオキシアルキレン型ブロックポリマー、グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;カルボベタイン系、スルホベタイン系、イミダゾリニウムベタイン系、ヒドロキシベタイン系、脂肪酸アミドベタイン系等の両性界面活性剤などが挙げられる。
【0042】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに必要に応じて、通常洗浄剤組成物に用いられる各種成分を含有することができる。具体的には、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の保湿剤;エタノール等の溶剤;メチルセルロース等の粘度調整剤;トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤;グリチルリチン酸カリウム、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤;メチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、安息香酸塩等の防腐剤;その他、色素、香料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を適宜含有することができる。
また、本発明において、水は、全組成中に40〜90質量%含有するのが好ましい。
【0043】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、通常の方法により、配合成分を秤量し、水又は水を主体としアルコール等の他の水溶性溶剤を含む水性媒体に、任意の順序で混合することにより製造することができる。ボディシャンプー、洗顔料、メイク落とし等として適用することができる。
【0044】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、弱酸性に調整されるのが、皮膚への刺激が少なく、優れた洗浄力が損なわれることなく洗浄時の泡立ちが良好となり、すすぎ時のストップフィーリング性、使用感に優れるので好ましい。
弱酸性とは、pHが4.5〜7、好ましくはpH4.5〜6.5をいい、本発明においてpHは、イオン交換水で20質量倍に希釈したときの25℃における値を示す。
【実施例】
【0045】
実施例1〜7、比較例1〜12
表1及び表2に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を製造し、液外観、すすぎ時のストップフィーリングを感じるまでの早さ、泡立ち、泡のキメ細かさ及び泡の弾力を評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
なお、実施例において、各表中に記載のポリマー配合量は、ポリマー固形分としての値を示す。
【0046】
(製造方法)
表に示す成分を秤量してイオン交換水中に添加し、50℃で十分攪拌して、皮膚洗浄剤組成物を得た。水酸化ナトリウムを適量添加して、20倍希釈液のpHが弱酸性になるように調整した。ここでpHは、組成物をイオン交換水で20倍希釈して5質量%水溶液を得た後、pHメーター(堀場製作所製、型番F−22)を用いて測定した。
【0047】
(評価方法)
(1)液外観:
各洗浄剤組成物をガラス瓶に入れたときの外観(透明感)を目視にて評価した。評価結果を以下の基準に従ってランク分けした。
A:透明感がある。
B:透明感がやや無い。
C:透明感が無い。
【0048】
(2)すすぎ時のストップフィーリングを感じるまでの早さ(前腕洗浄評価):
各洗浄剤組成物1.0gを片方の手に取り、水道水を用いて希釈して泡立てた後、両腕(肘から先)を洗浄し、水道水にてすすいだ。その際に、両前腕を擦り合わしながらすすぎを行い、ストップフィーリングを感じるまでの擦り合わせた回数を測定した。測定結果を以下の評価基準に従ってランク分けを行った。
5;擦り合わせ回数が2回以下。
4;擦り合わせ回数が3回以上5回。
3;擦り合わせ回数が6回以上8回。
2;擦り合わせ回数が9回以上11回。
1;擦り合わせ回数が12回以上。
【0049】
(3)泡立ち:
専門評価者10名が、各洗浄剤組成物1.0gを片方の手に取り、水道水を用いて希釈し、泡立てた初期の泡立てやすさを観察した。測定結果を以下の評価基準に従ってランク分けを行った。
5;泡立て易いと答えた人が8人以上。
4;泡立て易いと答えた人が6〜7人。
3;泡立て易いと答えた人が3〜5人。
2;泡立て易いと答えた人が1〜2人。
1;泡立て易いと答えた人が0人。
【0050】
(4)泡のキメ細かさ:
専門評価者10名が、各洗浄剤組成物1.0gを片方の手に取り、水道水を用いて希釈し、約30秒間泡立てた後の泡のキメ細かさを観察した。測定結果を以下の評価基準に従ってランク分けを行った。
5;泡がキメ細かいと答えた人が8人以上。
4;泡がキメ細かいと答えた人が6〜7人。
3;泡がキメ細かいと答えた人が3〜5人。
2;泡がキメ細かいと答えた人が1〜2人。
1;泡がキメ細かいと答えた人が0人。
【0051】
(5)泡の弾力:
専門評価者10名が、各洗浄剤組成物1.0gを片方の手に取り、水道水を用いて希釈し、約30秒間泡立てた後の泡の弾力を観察した。測定結果を以下の評価基準に従ってランク分けを行った。
5;泡に弾力があると答えた人が8人以上。
4;泡に弾力があると答えた人が6〜7人。
3;泡に弾力があると答えた人が3〜5人。
2;泡に弾力があると答えた人が1〜2人。
1;泡に弾力があると答えた人が0人。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
実施例8〜12、比較例13〜19
実施例1〜7と同様にして、表3に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を製造し、液外観、すすぎ時のストップフィーリングを感じるまでの早さ及び泡立ちを評価した。また、泡量を評価した。結果を表3に併せて示す。
【0055】
(評価方法)
(1)泡量:
専門評価者10名が、各洗浄剤組成物1.0gを片方の手に取り、水道水を用いて希釈し、約30秒間泡立てた後の泡のボリュームを観察した。測定結果を以下の評価基準に従ってランク分けを行った。
5;泡にボリュームがあると答えた人が8人以上。
4;泡にボリュームがあると答えた人が6〜7人。
3;泡にボリュームがあると答えた人が3〜5人。
2;泡にボリュームがあると答えた人が1〜2人。
1;泡にボリュームがあると答えた人が0人。
【0056】
【表3】

【0057】
実施例13
以下に示す組成のボディシャンプーを、実施例1〜7と同様にして製造した。
【0058】
【表4】

【0059】
実施例14
以下に示す組成のボディシャンプーを、実施例1〜7と同様にして製造した。
【0060】
【表5】

【0061】
実施例15
以下に示す組成のボディシャンプーを、実施例1〜7と同様にして製造した。
【0062】
【表6】

【0063】
実施例13〜15で得られたボディシャンプーはいずれも、すすぎ時のストップフィーリング性が良好で、泡立ちや泡のキメ細かさ、泡の弾力性に優れたものである。また、液外観(パール外観)も良好である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、
(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、
(C)カチオン電荷密度が4.5meq/g以上のカチオン基含有ポリマー、
(D)無機塩又は炭素数6以下の有機酸塩、
(E)ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤、
(F)高級脂肪酸、高級アルコール及びアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種以上、
並びに水を含有する皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
成分(E)と(F)との質量割合が、(E):(F)=80:20〜40:60であり、全組成中における、成分(E)及び(F)の合計含有量が0.25〜8.5質量%である請求項1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
イオン交換水で20質量倍に希釈したときのpHが4.5〜7である請求項1又は2記載の皮膚洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2009−263289(P2009−263289A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116336(P2008−116336)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】