説明

皮膚洗浄料

【課題】
脂肪酸を洗浄成分の主体とする洗浄料において、安定性に優れ、血行を促進し、発汗作用を高める液状の皮膚洗浄料を提供する。
【解決手段】
炭素数12〜22の脂肪酸及び/又はその塩を6〜33質量%含有する液状の洗浄料のうち、12−ヒドロキシステアリン酸及び/又はその塩を0.1〜5質量%含むものにおいて、苦汁を0.001〜0.1質量%と海藻抽出物を0.01〜1質量%含有させることにより、安定性に優れ、血行を促進し、発汗作用を高める洗浄料が得られた。苦汁及び海藻抽出物はいずれもフランス、ブルターニュ産のものが好適であった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を清浄に保つ液状の洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
苦汁は、海水より水分を留去することにより析出してくる食塩を除去した残りの成分である。苦汁には保湿作用や肌荒れ改善効果があること(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)、苦汁を洗浄剤に含有すると、皮膚のつっぱり感を緩和する作用を有することが知られている(例えば、特許文献3を参照)。また苦汁と海藻抽出物とを組み合わせて浴用剤に配合することによって血行を促進し、発汗を高める作用を有することも知られている(例えば、特許文献4、特許文献5を参照)。
【0003】
石鹸やボディシャンプー等を用いて皮膚を洗浄するときに発汗を高めることは、汗腺及び毛穴を開かせることにより皮膚の老廃物をきれいに洗い流すことができるとともに、泡による遮蔽効果も伴うのでサウナ効果が高く、皮膚を健康に保つことができる。しかしながら、苦汁に含まれる2価金属イオンであるマグネシウムイオンは、洗浄剤に用いられる脂肪酸と反応し、難溶性の金属石鹸を生成することからボディシャンプーのような液状の洗浄料ではしばしば白濁し、すなわち安定に配合するのは困難であった。従って、これまでに発汗を促す目的では専ら浴用剤が用いられており、苦汁が安定に配合された洗浄剤が求められていた。
【0004】
また、脂肪酸及び/又はその塩を含有する液状の洗浄料において、苦汁に海藻抽出物を共存させることにより、白濁を起こさず、安定に苦汁が洗浄剤に配合できることは全く知られていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2004−51596号公報
【特許文献2】特開2006−06991号公報
【特許文献3】特開2006−169452号公報
【特許文献4】特開平7−17850号公報
【特許文献5】特開2001−226254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、脂肪酸及び/又はその塩を洗浄料の主洗浄成分とする液状の洗浄料において、苦汁を白濁することなく安定に配合でき、使用時に血行を促進し発汗作用を高める皮膚洗浄料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意研究した結果、脂肪酸及び/又はその塩を洗浄料の主洗浄成分とする洗浄料において、苦汁と海藻抽出物とを共存させることにより、苦汁を白濁することなく安定に配合でき、使用時に血行を促進し発汗作用を高めることができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明の洗浄料は、以下に示すとおりである。
(1)炭素数12〜22の脂肪酸及び/又はその塩を含有する液状の洗浄料であって、A)苦汁を0.001〜0.1質量%と、B)海藻抽出物を0.01〜1質量%とを含有することを特徴とする、液状の洗浄料。
(2)上記脂肪酸及び/又はその塩の含有量が、洗浄料全体に対して6〜30質量%含有することを特徴とする、(1)に記載の液状の洗浄料。
(3)上記脂肪酸及び/又はその塩に、12−ヒドロキシステアリン酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする、(1)又は(2)何れかに記載の液状の洗浄料。
(4)上記12−ヒドロキシステアリン酸及び/又はその塩を洗浄料全体に対して0.1〜5質量%含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れかに記載の液状の洗浄料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安定性に優れ、血行を促進し、発汗作用を高める液状の皮膚洗浄料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の必須成分である炭素数12〜22の脂肪酸及び/又はその塩
本発明の洗浄料は、必須成分として炭素数12〜22の脂肪酸及び/又は脂肪酸とアルカリとの中和物である脂肪酸の塩(脂肪酸石鹸)を洗浄成分として含有する。このような脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが用いられ、特に酸化しにくく、入手のしやすい飽和の脂肪酸である、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。本発明の洗浄料においては、脂肪酸及び/又はその塩を洗浄料組成物全体に対して6〜30質量%含有していることが好ましく、12〜21質量%含有していることがより好ましい。これは脂肪酸の塩が本発明の主な洗浄成分であり、この含有量が少なすぎると、本発明の優れた洗浄力が低下するし、多すぎると本発明の効果が得られにくくなるからである。また、上記脂肪酸及び/又はその塩のうち、12−ヒドロキシステアリン酸及び/又はその塩が特に好ましく、該脂肪酸及び/またはその塩を洗浄料組成物全体に対して0.1〜5質量%含有していることが好ましく、0.5〜3質量%含有していることがより好ましい。12−ヒドロキシステアリン酸及び/又はその塩の含有量が少なすぎると、洗浄力が低下し、多すぎるとゲル化が起こり、洗浄料が固くなりすぎて、泡沫の形成性や水へのなじみが悪くなり、使用性が損なわれてしまうからである。
【0010】
脂肪酸を中和して、これらの脂肪酸の塩(脂肪酸石鹸)と為すアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類、アルギニン、リジンなどの塩基性アミノ酸などが挙げられる。これらの内では、入手のし易さから水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムが好ましい。また、脂肪酸のアルカリによる中和率は、95〜105%が好ましい。中和率が高すぎると、アリカリ性が強くなりすぎてしまい、中和率が低すぎると洗浄力が低下してしまうからである。
【0011】
(2)本発明の必須成分である苦汁
本発明の洗浄料は、必須の成分として苦汁を含有することを特徴とする。苦汁は、一般的に、海水より水分を留去することにより析出してくる食塩を除去した残りの成分である。この様な苦汁を製造するための、海水より食塩を除く工程は、天日、熱によって水分を蒸散させて海水を濃縮していく方法や逆浸透膜などを利用した選択的脱塩工程でも可能であるが、本発明に使用する苦汁は、この様な製造法によって制限を受けない。また、苦汁は、海水より食塩を除去したものであり、そのような濃縮液のままでも使用可能であり、さらに水分を除去して固体としたものでも使用可能である。苦汁は、その原海水を採取する地域や採取した深さ、季節、さらには製法、濃縮度合いによっても組成が若干変動するが、この様な変動によっても本発明は影響を受けない。本発明の化粧料においては、この様な苦汁を0.001〜0.1質量%含有していることが好ましく、0.005〜0.05質量%含有していることがさらに好ましい。この濃度以下では、苦汁を配合する効果が充分に発揮できず、これを超えて配合しても効果が頭打ちとなり、さらに製剤的に不安定となってしまうからである。苦汁は、その生産地、原料となる海水などの含塩水の種類により、その構成塩成分が少しずつ異なるが、本発明に使用する苦汁としては、苦汁を特徴づける成分組成が、苦汁100g中に含有する金属元素としてマグネシウムがその塩として20〜50g、ナトリウムがその塩として40〜60g、カリウムがその塩として1〜10g、カルシウムがその塩として0.05〜0.2gであるようなものが、特に好ましい。これは、このような組成のものが、本発明の洗浄剤において、製剤系の安定化により優れているからである。このような組成の苦汁としては、フランス・ブルターニュ地方の海水から食塩を除去した、苦汁もしくは苦汁を濃縮したものが特に好ましい。このようなものは既に市販されており、該市販品をそのまま使用することができる。このような市販品としては、(株)ボンヌヴィー製の「オーメールピュール」が好ましく例示できる。
【0012】
(3)本発明の必須成分である海藻抽出物
本発明の洗浄料は、必須の成分として藻抽出物を含有することを特徴とする。かかる海藻抽出物としては、特に限定されないが、通常、緑藻類、紅藻類及び/又は褐藻類に属する海藻類から抽出された海藻抽出物が用いられる。緑藻類に属する海藻としては、例えば、シャジクモ類、ホシミドロ類、ミル類、ハネモ類、カサノリ類、ミドリゲ類、シオグサ類、アオサ類、ヒビミドロ類、カワノリ類、クロレラ類、クンショウモ類、ボルボクス類等に属する海藻が挙げられ、紅藻類に属する海藻としては、例えば、イギス類、マサゴシバリ類、スギノリ類、カクレイト類、ダルス類、テングサ類、カギノリ類、ウミゾウメン類、オオイシソウ類、ウシケノリ類、チノリモ類等に属する海藻が挙げられ、褐藻類に属する海藻としては、例えば、ヒバマタ類(Fucus)、オキナワモズク類、ホンダワラ類、コンブ類等に属する海藻が挙げられる。特に好ましいものは、褐藻類で、中でもヒバマタ類である。ヒバマタとは褐藻類ヒバマタ目の海藻で、葉状体が扁平で二叉に分かれて成長し、茎が短いことを特徴としている。本発明に用いられるヒバマタとしては、フカスセラツス(Fucus serratus)、F. vesiculosus、F. spiralis等が好ましく例示できる。フカスセラツス(F. serratus)はフランス・ブルターニュ半島沖のユネスコ保護区より採取した褐藻である。かかる海藻の抽出物としては、水性担体による抽出物が特に好ましい。特に、熱水による抽出物や、水とともにホモジネートし、遠心分離などの操作により、水不溶分を取り除いた抽出物が好ましい。このようなものは既に市販されており、それらの市販品をそのまま使用することができる。このような市販品としては、フカスセラツス(Fucus serratus)抽出物49.2%を含有するアリスタライフサイエンス株式会社製の「ホメオシールド」等が好ましく例示できる。かかる海藻抽出物を本発明の皮膚洗浄料に含有させる場合には、0.01〜1質量%が好ましく、0.03〜0.5質量%がより好ましい。量が少なすぎると、洗浄料中での苦汁による白濁化が防止できない場合が存し、多すぎると海藻由来の多糖類によりゲル化して使用性が低下する場合が存するからである。
【0013】
(4)本発明の洗浄料
本発明の洗浄料においては、前記必須成分である脂肪酸、アルカリ成分、苦汁成分と海藻抽出物以外に、化粧品で通常使用されている任意成分を本発明の効果を損なわない範囲において、さらに含有することができる。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、ベントナイト、無水珪酸、含硫珪酸アルミニウム、亜鉛華、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良いベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類などが好ましく例示できる。
【0014】
本発明の洗浄料は、これらの成分を常法に従って混合すればよいが、好ましくは高温で溶解しておいた脂肪酸などの油性成分にアルカリなどの水性成分を添加して、脂肪酸の中和、塩(石鹸)の生成を行い、その後、苦汁や海藻抽出物などの成分を添加した方が安定性に優れた製剤が得られる。
【0015】
以下に実施例を示して本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明はこれらの実施例にのみ限定を受けないことは云うまでもない。
【実施例】
【0016】
<実施例1〜7>
下記に示す表1の処方に従って、本発明の洗浄料を作製した。即ち、70℃に温度を調整し、イにロを加えて中和し、攪拌冷却し、さらにハを加えて攪拌して、本発明の洗浄料1〜7を得た。同様に操作して、表2の処方に従って、比較例1〜4もそれぞれ作製した。
【0017】
【表1】

【0018】
【表2】

【0019】
<試験例>
上記で得られた各実施例及び比較例の洗浄料について、配合安定性及び使用時の発汗性について評価した。即ち、本発明の洗浄料1〜7及び比較例1〜4を専門パネラー5名が肉眼観察し、透明:2、少し白濁:1、白濁:0として評価した。また被験者10名に、入浴時に各洗浄料を、それぞれ日を変えて使用させ、そのときの発汗性を、非常に発汗する:2、発汗を感じる:1、全く発汗しない:0として評価させた。
【0020】
結果を表3に示すが、本発明の洗浄料は、白濁することなく安定で、使用時にも発汗効果の高い洗浄料であることが判る。
【0021】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数12〜22の脂肪酸及び/又はその塩を含有する液状の洗浄料であって、A)苦汁を0.001〜0.1質量%と、B)海藻抽出物を0.01〜1質量%とを含有することを特徴とする、液状の洗浄料。
【請求項2】
上記脂肪酸及び/又はその塩の含有量が、洗浄料全体に対して6〜30質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の液状の洗浄料。
【請求項3】
上記脂肪酸及び/又はその塩に、12−ヒドロキシステアリン酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする、請求項1又は2何れか1項に記載の液状の洗浄料。
[請求項4] 上記12−ヒドロキシステアリン酸及び/又はその塩を洗浄料全体に対して0.1〜5質量%含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の液状の洗浄料。

【公開番号】特開2011−57645(P2011−57645A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211466(P2009−211466)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】