説明

皮膚科学の疾病の処置のためのFLAP阻害剤の局所製剤

本明細書に記載されているものは、皮膚科学の疾患、障害または疾病を処置するための局所製剤である。本明細書に開示の局所製剤は、経皮投与のために処方された治療上効果的な量のFLAP阻害剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2008年12月23日出願の米国仮特許出願61/140522、発明の名称「皮膚科学の疾病の処置のためのFLAP阻害剤の局所製剤」の利益を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本明細書に記載されるものは、タンパク質(FLAP)阻害化合物を活性化する少なくとも1つの5−リポキシゲナーゼを含む、哺乳動物の皮膚への局所投与用の医薬組成物、及び皮膚疾患、障害及び疾病の処置又は予防におけるその使用の方法である。
【背景技術】
【0003】
タンパク質(FLAP)阻害化合物を活性化する5−リポキシゲナーゼの局所投与は、皮膚疾患、障害及び疾病の処置のために使用される。皮膚疾患、障害及び疾病は、座瘡、乾癬、皮膚炎(接触又はアトピー性)、湿疹、蕁麻疹、酒さ、火傷、及び瘢痕化を含む。特定の例において、皮膚疾患、障害及び疾病は、ロイコトリエンの過剰産生から生じる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載されるものは、特定の実施形態において、皮膚科学の疾患、障害及び疾病(即ち、表皮、真皮及び/又は皮下組織の異常状態)を処置するための局所製剤である。本明細書に記載されるものは、特定の実施形態において、免疫不全(例えば、自己免疫障害(例えば、湿疹、乾癬));増殖性の障害(例えば、黒色腫);アレルゲン、及び/又は刺激物との接触;皮脂脂質の過剰産生(例えば、座瘡);(例えば、座瘡瘢痕化を含む瘢痕化);火傷(例えば、第1度、第2度、第3度、又は第4度);またはそれらの組み合わせを処置するための局所製剤である。本明細書に記載されるものは、特定の実施形態において、慢性水疱性障害、座瘡、乾癬、皮膚炎(接触又はアトピー性)、湿疹、蕁麻疹、瘢痕化(即ち、瘢痕(例えば、ケロイド瘢痕又は肥厚性瘢痕)の形成)、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、第4度の火傷及び/又は黒色腫を処置するための局所製剤である。幾つかの実施形態において、本明細書に開示の局所製剤は、治療上効果的な量のFLAP阻害化合物を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に開示の局所製剤は、アレルゲン、及び/又は刺激物との接触の前又は後に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に開示の局所製剤は、身体外傷(例えば、外科手術)の前又は後に投与される。
【0005】
一つの態様において、本明細書に記載されるものは、皮膚科学の疾患、障害又は疾病の処置に効果的な量のFLAP阻害化合物、及び軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スティック、リポソーム、ナノ粒子、パッチ又は創傷被覆材を提供するための適切な賦形剤を含む局所製剤である。
【0006】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物は、ロイコトリエン合成を阻害し、ロイコトリエン受容体を拮抗し、インターロイキン−4(IL−4)合成を阻害し、又はムシン合成を阻害又は減少させる。
【0007】
幾つかの実施形態において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、免疫不全;増殖性の障害;アレルゲン及び/又は刺激物との接触、かゆみ、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、水疱性障害、膠原病(collagenoses)、乾癬、乾癬病巣、接触皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、酒さ、肥厚性瘢痕化、ケロイド瘢痕形成、皮膚硬化症、項部息肉性毛嚢炎、川崎病、シェーグレンラルソ症候群、グロヴァー病、皮脂脂質の過剰産生、座瘡、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、第4度の火傷、日光角化症、扁平上皮癌又は黒色腫、或いはそれらの組み合わせである。
【0008】
幾つかの実施形態において、局所製剤は、抗生物質;抗真菌剤;ステロイド抗炎症剤;非ステロイド抗炎症剤;抗ヒスタミン剤;抗ウイルス剤;αアゴニスト;β遮断薬;炭酸脱水酵素阻害薬;縮瞳薬;プロスタグランジン;抗血管新生剤;エタボン酸ロテプレドノール;肥満細胞安定化薬;シクロスポリン;及びDP2アンタゴニストから選択される治療上効果的な量の第2の化合物をさらに含む。特定の実施形態において、局所製剤は、治療上効果的な量のDP受容体アンタゴニストをさらに含む。
【0009】
一つの態様において、本明細書に記載されるものは、FLAP阻害化合物を含む治療上効果的な量の局所製剤を、それを必要とする個体に投与する工程を含む、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置又は予防する方法である。
【0010】
方法の幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物は、ロイコトリエン合成を阻害し、ロイコトリエン受容体を拮抗し、インターロイキン−4(IL−4)合成を阻害し、又はムシン合成を阻害又は減少させる。幾つかの実施形態において、局所製剤は、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スティック、リポソーム、ナノ粒子、パッチ又は創傷被覆材の形態である。
【0011】
方法の幾つかの実施形態において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、免疫不全;増殖性の障害;アレルゲン及び/又は刺激物との接触、かゆみ、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、水疱性障害、膠原病、乾癬、乾癬病巣、接触皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、酒さ、肥厚性瘢痕化、ケロイド瘢痕形成、皮膚硬化症、項部息肉性毛嚢炎、川崎病、シェーグレンラルソ症候群、グロヴァー病、皮脂脂質の過剰産生、座瘡、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、第4度の火傷、日光角化症、扁平上皮癌又は黒色腫、或いはそれらの組み合わせである。
【0012】
方法の特定の実施形態において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、瘢痕化である。特定の例において、瘢痕化は、ケロイド瘢痕の形成を結果として生じる。
【0013】
方法の特定の実施形態において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、外科手術から生じる。特定の例において、局所製剤は、外科手術前に投与される。特定の例において、局所製剤は、外科手術後に投与される。
【0014】
方法の特定の実施形態において、局所製剤は、刺激物及び/又はアレルゲンとの接触前に投与される。特定の例において、局所製剤は、刺激物及び/又はアレルゲンとの接触後に投与される。
【0015】
特定の実施形態において、提供されるものは、治療上効果的な量のFLAP阻害化合物を含む局所製剤を、哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物におけるかゆみを処置又は予防する方法である。幾つかの実施形態において、かゆみは、本明細書に記載の疾患又は疾病のいずれかの症状である。幾つかの実施形態において、かゆみは、刺激物、アレルゲン、またはそれらの組み合わせとの接触により引き起こされる。幾つかの実施形態において、かゆみは、皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、又は乾癬の症状である。幾つかの実施形態において、かゆみは、アトピー性皮膚炎又はアレルギー性皮膚炎の症状である。
【0016】
一つの態様において、本明細書において提供されるものは、治療上効果的な量のFLAP阻害化合物を含む局所製剤を、哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における発疹を処置又は予防する方法である。幾つかの実施形態において、発疹は、本明細書に記載の疾患又は疾病のいずれかの症状である。幾つかの実施形態において、発疹は、刺激物、アレルゲン、またはそれらの組み合わせとの接触により引き起こされる。幾つかの実施形態において、発疹は、皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、又は乾癬の症状である。幾つかの実施形態において、発疹は、アトピー性皮膚炎又はアレルギー性皮膚炎の症状である。
【0017】
一つの態様において、本明細書において提供されるものは、治療上効果的な量のFLAP阻害化合物を含む局所製剤を、哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における皮膚の炎症を処置又は予防する方法である。幾つかの実施形態において、皮膚の炎症は、本明細書に記載の疾患又は疾病のいずれかの症状である。幾つかの実施形態において、皮膚の炎症は、刺激物、アレルゲン、またはそれらの組み合わせとの接触により引き起こされる。幾つかの実施形態において、皮膚の炎症は、皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、又は乾癬の症状である。幾つかの実施形態において、皮膚の炎症は、アトピー性皮膚炎又はアレルギー性皮膚炎の症状である。
【0018】
一つの態様において、本明細書において提供されるものは、治療上効果的な量のFLAP阻害化合物を含む局所製剤を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物における疱疹、発赤、腫れ、痂皮形成、スケーリング(scaling)、またはそれらの組み合わせを処置する又は予防する方法である。幾つかの実施形態において、疱疹、発赤、腫れ、痂皮形成、スケーリング、またはそれらの組み合わせは、本明細書に記載の疾患又は疾病のいずれかの症状である。幾つかの実施形態において、疱疹、発赤、腫れ、痂皮形成、スケーリング、またはそれらの組み合わせは、刺激物、アレルゲン、またはそれらの組み合わせとの接触により引き起こされる。幾つかの実施形態において、疱疹、発赤、腫れ、痂皮形成、スケーリング、またはそれらの組み合わせは、皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、又は乾癬の症状である。幾つかの実施形態において、疱疹、発赤、腫れ、痂皮形成、スケーリング、またはそれらの組み合わせは、アトピー性皮膚炎又はアレルギー性皮膚炎の症状である。
【0019】
方法の幾つかの実施形態において、投与は、抗生物質;抗真菌剤;ステロイド抗炎症剤;非ステロイド抗炎症剤;抗ヒスタミン剤;抗ウイルス剤;αアゴニスト;β遮断薬;炭酸脱水酵素阻害薬;縮瞳薬;プロスタグランジン;抗血管新生剤;エタボン酸ロテプレドノール;肥満細胞安定化薬;シクロスポリン;及びDP2アンタゴニストから選択される、治療上効果的な量の第2の化合物をさらに含む。特定の実施形態において、投与は、治療上効果的な量のDP受容体アンタゴニストをさらに含む。
【0020】
一つの態様において、この態様は、皮膚への適応のための局所製剤の製造における、FLAP阻害化合物の使用である。一つの態様において、この態様は、皮膚への適応のための局所製剤の製造における、FLAP阻害化合物及び第2の治療薬剤の使用である。
【0021】
一つの態様において、この態様は、皮膚疾患、障害又は疾病の処置のための局所製剤の製造における、FLAP阻害化合物の使用である。一つの態様において、この態様は、皮膚疾患、障害又は疾病の処置のための局所製剤の製造における、FLAP阻害化合物及び第2の治療薬剤の使用である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本明細書に記載のFLAP阻害化合物の例を示す。
【図2】アラキドン酸により誘発される炎症から生じる、耳の炎症、LTB及びCysLTレベルでの、経口投与されたFLAP阻害化合物Aの効果を図示する。
【図3】アラキドン酸により誘発される炎症から生じる、耳の炎症、LTB及びCysLTレベルでの、経皮投与されたFLAP阻害化合物Aの効果を図示する。
【図4】総細胞、好中球及び気管支肺胞洗浄液(BALF)中に存在するリンパ球の数での、FLAP阻害剤とDP受容体のアンタゴニズムの効果を図示する。
【図5】BALF中のムシンの存在下での、FLAP阻害剤とDP受容体アンタゴニストとの組み合わせの効果を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ロイコトリエンは、多くの生物学的プロセスにおいて重要な役割を果たすと示されてきた、アラキドン酸から由来する炎症促進性脂質媒介物質の分類である。アラキドン酸は、酵素5−リポキシゲナーゼ(5−LO)により媒介される2工程のプロセスにおいて、ロイコトリエン(LTA)へと転換される。LTAは、LTA加水分解酵素を介してLTBへと転換される、又はLTC合成酵素により媒介されるグルタチオンとの結合を通じてLTCへと転換される。アミド結合開裂は、LTCをLTDへと転換し、その後引き続きLTEへと転換する。最初の酸化工程は、5−LO及び膜結合性5−リポキシゲナーゼ―活性化タンパク質(FLAP)の両方の密接な関与を要求するプロセスである。FLAPの阻害は、全てのロイコトリエン産生の阻害を結果として生じる。LTBは、Gタンパク質結合受容体(GPCRs)BLT及びBLTのためのリガンドであり、及び両方の受容体は、炎症反応における走化性と細胞刺激に関与する。
【0024】
ロイコトリエンは、皮膚科学の疾患、障害又は疾病の病因に関与する、炎症の脂質媒介物質である。ロイコトリエンは、アレルギー又は炎症性の刺激に反応して、肥満細胞、好酸球、単球/マクロファージ、及び好中球によって主に生産される。一つの態様において、皮膚疾病により影響される領域にある生物学的組織は、高いレベルのロイコトリエンを有する。ロイコトリエン合成経路におけるFLAPの役割は重要なものであり、これは、5−リポキシゲナーゼと共同したFLAPが、ロイコトリエンの合成のための経路において第1工程を実行するからである。FLAPを阻害することは、標的にロイコトリエン依存性の又はロイコトリエンにより媒介される皮膚科学の疾患、障害又は疾病の処置を行い、皮膚疾患、障害又は疾病には、ほんの一例ではあるが、免疫疾患、障害又は疾病(例えば、自己免疫疾患、障害又は疾病(例えば、湿疹、乾癬));増殖性の疾病(例えば、黒色腫);アレルゲン及び/又は刺激物との接触;肥満細胞の疾患又は疾病;瘢痕化(外傷(例えば、外科手術)の後の瘢痕化);皮膚に影響を及ぼす炎症性の疾患又は疾病、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0025】
本明細書に開示されるものは、ロイコトリエン依存性の又はロイコトリエンにより媒介される皮膚科学の疾患、障害又は疾病の処置又は予防のための、哺乳動物への局所投与に適した薬の製造における、FLAP阻害剤の使用である。
【0026】
本明細書に記載されるものは、FLAP阻害剤を使用する、局所投与に適した医薬組成物、処置する方法、予防する方法、局所製剤を処方する方法、生産する方法、製造する方法、処置計画である。
【0027】
本明細書に記載されるものは、特定の実施形態において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するためのFLAP阻害化合物を含む、局所製剤である。一つの態様において、哺乳動物へのFLAP阻害化合物の局所投与は、FLAP阻害化合物の体内吸収を最小化する。一つの態様において、FLAP阻害化合物の局所投与は、皮膚疾患、障害又は疾病の局所処置を提供する。一つの態様において、FLAP阻害化合物を用いた皮膚疾患、障害又は疾病の局所処置は、FLAP阻害化合物の全身投与に関連する、起こりうる副作用を減少する。
【0028】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置又は予防するための、抗生物質;抗真菌剤;ステロイド抗炎症剤;非ステロイド抗炎症剤;抗ヒスタミン剤;抗ウイルス剤;αアゴニスト;β遮断薬;炭酸脱水酵素阻害薬;縮瞳薬;プロスタグランジン;抗血管新生剤;エタボン酸ロテプレドノール、肥満細胞安定化薬、シクロスポリン、及び/又はDP2アンタゴニストと組み合わせたFLAP阻害化合物を含む。
【0029】
一つの態様において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、ロイコトリエン及び/又はサイトカインの過剰産生の結果である。一つの態様において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、皮膚科学の免疫疾患、障害又は疾病、皮膚科学の増殖性の疾病、アレルゲン及び/又は刺激物との接触から生じる皮膚科学の疾患、障害又は疾病、皮膚科学の肥満細胞の疾患、障害又は疾病、火傷、皮膚に影響を及ぼす炎症性疾患、障害又は疾病、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。アレルゲン及び/又は刺激物は、ウルシオール(uruishol)、アルコール、キシレン、テレピン、エステル、アセトン、ケトンを含むが、これらに限定されない。皮膚科学の免疫疾患、障害又は疾病は、湿疹、乾癬を含むが、これらに限定されない。皮膚科学の増殖性の障害は、黒色腫を含むが、これに限定されない。皮脂脂質の過剰産生に関する皮膚科学の障害は、座瘡を含むが、これに限定されない。皮膚科学の肥満細胞の障害は、ケロイド瘢痕、肥厚性瘢痕、及び/又は座瘡瘢痕の形成などの瘢痕化を含む、繊維芽細胞の障害を含むが、これらに限定されない。皮膚科学の火傷の障害は、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、又は第4度の火傷を含むが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書に記載されるものは、特定の実施形態において、慢性水疱性障害、座瘡、乾癬、皮膚炎(例えば、接触又はアトピー性)、湿疹、蕁麻疹、酒さ、瘢痕化(即ち、瘢痕(例えば、ケロイド瘢痕又は肥厚性瘢痕)の形成)、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、第4度の火傷及び/又は黒色腫を処置するためのFLAP阻害化合物を含む、局所製剤である。幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、治療上効果的な量のFLAP阻害剤を含む。幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、アレルゲン及び/又は刺激物との接触の前又は後に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、身体的な外傷(例えば、外科手術)の前又は後に投与される。一つの態様において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所製剤は、外科手術後の瘢痕形成を処置又は予防するため、局所的に投与される。局所製剤は怪我の部位に適応されることが理解される。
【0031】
特定の例において、ロイコトリエン及び/又はサイトカインは、瘢痕化及び/又は繊維芽細胞の移動に関与する。一つの態様において、FLAPの活性を阻害することは、繊維芽細胞の活性及び/又は移動を阻害し、及び/又は瘢痕化を処置する。特定の例において、FLAPの活性を阻害することは、真皮の間質腔において、ムシンの堆積を減らす又は阻害する。
【0032】
特定の例において、ロイコトリエンは、皮脂腺からの脂質の産生を媒介する。特定の例において、(例えば、FLAPを阻害することにより)ロイコトリエンの合成を阻害することは、中程度の座瘡における炎症性病変の数を減らし、皮脂腺性の脂質の合成を阻害する。
【0033】
一つの態様において、ロイコトリエンは、本明細書記載の皮膚科学の疾患、障害又は疾病の病因に関与する。幾つかの例において、FLAPの阻害は、ロイコトリエンの産生の減少を結果として生じる。幾つかの例において、ロイコトリエンの減少は、炎症、及び/又は繊維症の減少を結果として生じる。
【0034】
(FLAP阻害剤)
一つの態様において、FLAP阻害化合物は、本明細書開示の、又は当該技術分野におけるFLAP阻害化合物から選択される。
【0035】
一つの態様において、FLAP阻害化合物は、式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はN−酸化物である:

ここで、
AはCH又はNであり;
は−F、−Cl、−Br、−CN、C−Cアルキル、C−Cフルオロアルキル、−O−C−Cアルキル、又は−O−C−Cフルオロアルキルであり;
はC−Cアルキル又はC−Cフルオロアルキルである。
【0036】
一つの態様において、AはCHである。別の態様において、AはNである。
【0037】
一つの態様において、Rは−F、−Cl、−Br、−CN、−CH、−CHCH、シクロプロピル、−CF、−OCH、−OCHCH、又は−OCFである。別の態様において、Rは−F、−Cl、−Br、−CN、−CH、−CF、−OCH、又は−OCFである。別の態様において、Rは−CHである。
【0038】
一つの態様において、RはC−Cアルキルである。別の態様において、Rは−CH、又は−CHCHである。別の態様において、Rは−CHである。
【0039】
一つの態様において、Rは−CHであり、R2は−CHである。一つの態様において、AはCHであり、Rは−CHであり、R2は−CHである。
【0040】
一つの態様において、FLAP阻害化合物は、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル(indol)-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物A);又は3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物B)である。一つの態様において、FLAP阻害化合物は化合物Aである。
【0041】
別の態様において、FLAP阻害化合物は式(II)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はN−酸化物である:

ここで、
はC−Cアルキル又はC−Cフルオロアルキルであり;
は置換又は非置換の単環式又は二環式へテロシクロアルキルである。
【0042】
一つの態様において、RはC−Cアルキルである。別の態様において、Rは−CH、又は−CHCHである。別の態様において、R2は−CHである。
【0043】
一つの態様において、Rは、環の中に少なくとも一つのN原子を含む、置換又は非置換の単環式又は二環式へテロシクロアルキルである。一つの態様において、Rは、環の中に少なくとも一つのN原子を含む、置換又は非置換の単環式又は二環式C−C10ヘテロシクロアルキルである。
【0044】
一つの態様において、Rは、キノリジニル、ジオキシニル(dioxinyl)、ピペリジニル、モルフォリニル、チアジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、オキサジナノニル(oxazinanonyl)、ジヒドロピロリル、ジヒドロイミダゾリル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロオキサゾリル、オキシラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジノニル(imidazolidinonyl)、ピロリジノニル(pyrrolidinonyl)、ジヒドロフラノニル、ジオキソラノニル(dioxolanonyl)、チアゾリジニル、ピペリジノニル(piperidinonyl)、テトラヒドロナフィリジニル(tetrahydronaphyridinyl)、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロチエニル、インドリニル、及びチアゼパニル(thiazepanyl)から選択された、置換又は非置換の単環式又は二環式ヘテロシクロアルキルである。
【0045】
一つの態様において、Rは、ピペリジニル、モルフォリニル、チアジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロイミダゾリル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジノニル、ピロリジノニル、チアゾリジニル、ピペリジノニル、テトラヒドロナフィリジニル、テトラヒドロキノリニル、及びインドリニルから選択された、置換又は非置換の単環式又は二環式ヘテロシクロアルキルである。
【0046】
一つの態様において、Rは、ピペリジニル、モルフォリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピペリジノニル、テトラヒドロキノリニル、及びインドリニルから選択された、置換又は非置換の単環式又は二環式ヘテロシクロアルキルである。
【0047】
一つの態様において、Rは、ピペリジニル、モルフォリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロキノリニル、及びインドリニルから選択された、置換又は非置換の単環式又は二環式ヘテロシクロアルキルである。一つの態様において、Rは、置換又は非置換のピロリジニル、及びインドリニルである。一つの態様において、Rは、置換又は非置換のインドリニルである。
【0048】
更なる又は代替の実施形態において、Rは以下のものからなる基から選択される:

はH、−C(=O)R又は−SO−C−Cアルキルであり;RはC−Cアルキル、C−Cフルオロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のヘテロアリール、又は−O−C−Cアルキルである。
【0049】
更なる又は代替の実施形態において、Rは以下のものからなる基から選択される:


一つの態様において、R

である。
【0050】
一つの態様において、Rは−C(=O)Rである。
【0051】
更なる又は代替の実施形態において、Rは以下のものからなる基から選択される:

【0052】
更なる又は代替の実施形態において、Rは以下のものからなる基から選択される:

一つの態様において、R

である。
【0053】
一つの態様において、Rは、C−Cアルキル、C−Cフルオロアルキル、置換又は非置換のフェニル、又は−O−C−Cアルキルである。別の態様において、Rは、−CH、CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CH(CH、−C(CH、−CF、−OCH、−OCHCH、又は−OC(CHである。別の態様において、Rは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CF、−OCH、−OCHCH、又は−OC(CHである。また別の態様において、Rは、−CHである。
【0054】
一つの態様において、式(II)の化合物は以下の構造を有する:

【0055】
一つの態様において、FLAP阻害化合物は、3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル(indol)-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物C)又は3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物K)である。
【0056】
一つの態様において、FLAP阻害剤は、米国特許出願11/538762(US7405302として公布);米国特許出願12/131828;米国特許出願11/553946(2007/0105866として発行);米国特許出願11/925841;米国特許出願12/089706;米国特許出願12/089707;米国特許出願12/092570;米国特許出願11/744555(2007/0219206として発行);米国特許出願11/746010(2007/0225285として発行);米国特許出願11/745387(2007/0244128として発行);米国特許出願12/257876;米国特許出願61/055887;米国特許出願61/055899;国際特許出願PCT/US07/86188;WO07/047207;WO07/056021;WO07/056220;WO07/056228;国際特許出願PCT/US08/62310;国際特許出願PCT/US08/062793;国際特許出願PCT/US08/62580;国際特許出願PCT/US2008/052960;国際特許出願PCT/US08/81190;国際特許出願PCT/US08/76225に記載の化合物から選択される。これらの各々は、その全体における参照により、本明細書に組み込まれる。
【0057】
一つの態様において、FLAP阻害剤は、以下のものから選択される。即ち:MK886(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-イソプロピル-1H-インドル(indol)-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸としても知られている);MK591(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸としても知られている);DG031(BAY X1005;シクロペンチル-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)-フェニル]-酢酸としても知られている); 化合物A(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;米国特許出願11/553946にて概説されたように調合されるもの);化合物B(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;米国特許出願11/553946にて概説されたように調合されるもの);化合物C(3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸; WO07/056220にて概説されたように調合されるもの);化合物D(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸; 米国特許出願11/553946の化合物2−19を参照); 化合物E(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸; 米国特許出願11/553946の化合物2−107を参照);化合物F(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸; 米国特許出願11/553946の化合物2−197を参照);化合物G(2-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イルメチル]-2-エチル-酪酸;米国特許出願11/744555の化合物4−38を参照);化合物H(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸; 米国特許出願第11/553946の化合物2−73を参照); 化合物I(3-[5-((S)-1-アセチル-ピロリジン-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸; WO07/056220の化合物1−2を参照);化合物J(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;米国特許出願11/553946の化合物2−201を参照);3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物K)から選択される。
【0058】
別の態様において、FLAP阻害剤は、米国特許第4929626号;第4970215号;第5081138号;第5095031号;第5204344号;第5126354号;第5221678号;第5229516号;第5272145号;第5283252号;第5288743号;第5292769号;第5304563号;第5399699号;第5459150号;第5512581号;第5597833号;第5668146号;第5668150号;第5691351号;第5714488号;第5783586号;第5795900号;及び第5843968号に記載の化合物から選択され、その各々がそのようなFLAP阻害剤の開示のための参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
(FLAP阻害化合物の更なる形態)
幾つかの実施形態において、治療薬剤(複数)(例えば、FLAP阻害化合物及び/又は第2の治療薬剤)は、薬学的に許容可能な塩として医薬組成物の中に存在する。幾つかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、FLAP阻害化合物と酸を反応させることにより得られる。幾つかの他の実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、FLAP阻害化合物と塩基を反応させることにより得られる。他の実施形態において、治療薬剤は、本明細書記載の医薬組成物の製造において、遊離酸又は遊離塩基として使用される。薬学的に許容可能な塩のタイプは、以下のものを含むが、これらに限定されない:(1)化合物の遊離塩基形態と、薬学的に許容可能なもの:例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタリン酸等の無機酸;又は例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]oct-2-ene-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4'-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-ene-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸(tertiary butylacetic acid)、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸等の有機酸を反応させることにより形成される酸付加塩(acid addition salts);(2)酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えば、マグネシウム、又はカルシウム)、又はアルミニウムイオンにより置換される親化合物の中に存在する場合に形成される塩を含む。幾つかの場合において、本明細書記載のFLAP阻害化合物は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン等であるが、これらに限定されない有機塩基と反応する。他の場合において、本明細書記載のFLAP阻害化合物は、アルギニン、リジン等であるが、これらに限定されないアミノ酸を用いて塩を形成する。酸性プロトンを含む化合物を用いて塩を形成するために使用される、許容可能な無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等を含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、本明細書記載のFLAP阻害化合物は、ナトリウム塩として使用される。
【0060】
幾つかの実施形態において、本明細書記載のFLAP阻害化合物は、その溶媒付加形態又は結晶形、特に溶媒和物又は多形を含む。溶媒和物は、定比又は不定比量の溶媒を含み、水、エタノール等の薬学的に許容可能な溶媒を用いた結晶化のプロセス中に形成される。水和物は、溶媒が水である場合に形成され、又はアルコラートは、溶媒がアルコールの場合に形成される。
【0061】
幾つかの実施形態において、本明細書記載のFLAP阻害化合物は、1以上の立体中心を持ち、各々の中心はR又はS配置に独立して存在する。本明細書提供の化合物は、ジアステレオマーの形態、エナンチオマーの形態、及びエピマーの形態を、それらの適切な混合物と同様に全て含む。
【0062】
幾つかの実施形態において、本明細書開示のFLAP阻害化合物上の部位は、様々な代謝反応に対して感受性がある。それゆえ、代謝反応の場所での適切な置換基の組み込みは、代謝経路を減らし、最小化し、又は除去する。具体的な実施形態において、代謝反応に対する芳香環の感受性を減らし、最小化し、又は除去する適切な置換基は、ほんの一例ではあるが、ハロゲン、重水素又はアルキル基である。
【0063】
幾つかの実施形態において、本明細書記載のFLAP阻害化合物は、同位体的に(例えば、放射性同位体を用いて)又は発色団又は蛍光部分、生物発光ラベル、又は化学発光ラベルの使用を含むが、これらに限定されない別の他の手段により標識化される。幾つかの実施形態において、本明細書記載のFLAP阻害化合物は、同位体的に標識化され、1つ以上の原子が、大抵は自然に見出される原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により置換されるという事実に関わらず、本明細書提供の様々な式及び構造にて列挙されるものと同一である。幾つかの実施形態において、1つ以上の水素原子は、重水素で置換される。幾つかの実施形態において、本明細書記載の化合物上の代謝部位は、重水素化される。幾つかの実施形態において、重水素での置換は、例えば、インビボでの半減期の増加又は必要な用量の減少などの、より大きな代謝安定性から生じる治療上の利点を提供する。
【0064】
本明細書を通じて、基及びそれらの置換基は、安定した部分及び化合物を提供する、当業者により選択される。
【0065】
(皮膚科学の疾患、障害又は疾病)
本明細書に記載されるものは、特定の実施形態において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病(例えば、皮膚病)を処置するための局所製剤である。本明細書で使用されるように、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、表皮、真皮、及び/又は皮下組織の任意の異常状態を含む。特定の例において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、免疫疾患、障害又は疾病、(例えば、自己免疫疾患、障害又は疾病);増殖性の疾患又は疾病;アレルゲン及び/又は刺激物との接触;肥満細胞の疾患又は疾病、瘢痕化、火傷、炎症性疾患又は疾病、又はそれらの組み合わせにより引き起こされる。皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、慢性水泡性障害(chronic blistering (bullous) disorder)、乾癬、皮膚炎(例えば、接触又はアトピー性)、湿疹、蕁麻疹、酒さ、瘢痕化(即ち、瘢痕(例えば、ケロイド瘢痕又は肥厚性瘢痕)の形成)、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、第4度の火傷及び/又は黒色腫を含むが、これらに限定されない。
【0066】
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、アレルゲン及び/又は刺激物との接触の前又は後に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、身体的な外傷(例えば、外科手術)の前又は後に投与される。
【0067】
幾つかの実施形態において、本明細書記載の疾患、障害又は疾病のいずれかを処置すること又は予防することは、疾患、障害又は疾病の重症度を減らし、又は少なくとも1つの症状の発症を予防する。幾つかの実施形態において、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、皮膚の上層の炎症を伴う。幾つかの実施形態において、皮膚の上層の炎症は、かゆみ、疱疹、発赤、腫れ、滲出、痂皮形成、及びスケーリング(scaling)を引き起こす。幾つかの実施形態において、皮膚の上層の炎症は、発疹、疱疹、面疱、皮膚潰瘍(open sores)、滲出、痂皮、及びスケーリングを結果として生じる。
【0068】
(水疱性疾患、障害又は疾病)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、水疱性疾患、障害又は疾病である。特定の例において、水疱性疾患、障害又は疾病は、疱疹の形成(即ち、皮膚の上層中の細胞の流体の蓄積)により特徴化される。特定の例において、水疱性疾患、障害又は疾病は、免疫疾患、障害又は疾病である。特定の例において、ロイコトリエン及び/又はサイトカインは、疱疹の形成を媒介する(例えば、毛細血管から皮膚の上層へと血漿の滲出を誘発する)。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、水疱性障害に関連するロイコトリエンの濃度を減らし、及び、更に、水疱性障害を処置する。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、水疱性疾患、障害又は疾病に関連するサイトカインの濃度を減らし、及び、更に水疱性疾患、障害又は疾病を処置する。水疱性疾患、障害又は疾病は、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、増殖性天疱瘡、葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、粘膜類天疱瘡、リニアIgA水疱性疾患、疱疹状皮膚炎、及び後天性表皮水疱症を含むが、これらに限定されない。
【0069】
(黒色腫)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、黒色腫である。一つの態様において、黒色腫は、メラニン形成細胞の増殖性障害である。特定の例において、ロイコトリエンは、メラニン形成細胞の成長を刺激する。更に、特定の例において、炎症は、黒色腫の成長を促進する。一つの態様において、ロイコトリエン及び/又はサイトカインは、黒色腫に関連する炎症を媒介する。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、黒色腫に関連するロイコトリエン及び/又はサイトカインの濃度を減らし、黒色腫に関連するメラニン形成細胞の成長を遅くする及び/又は阻害する。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、黒色腫に関連する炎症を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、黒色腫を処置する。
【0070】
(座瘡)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、座瘡である。一つの態様において、座瘡は、ロイコトリエンの過剰産生により引き起こされる。特定の例において、座瘡は、皮脂脂質(即ち、皮脂腺により生産される脂質)により引き起こされる。特定の例において、LTBは、皮脂脂質の産生を調節する。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、座瘡に関連するLTB及び/又はサイトカインの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、座瘡に関連するロイコトリエン及び/又はサイトカインの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、座瘡に関連する皮脂脂質の濃度を減らす。特定の例において、FLAPを阻害することは、座瘡を処置する。
【0071】
(乾癬)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、乾癬である。特定の例において、乾癬の症状は、血管及び毛細血管から、表皮、真皮、及び/又は皮下組織への血漿の滲出から生じる。特定の例において、ロイコトリエン及び/又はサイトカインは、乾癬に関連する血管及び毛細血管からの血漿の滲出を引き起こす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、乾癬に関連するロイコトリエン及び/又はサイトカインの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、乾癬に関連する血管及び毛細血管からの血漿の滲出を減らす。特定の例において、FLAPを阻害することは、乾癬を処置する。
【0072】
(皮膚炎)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、皮膚炎である。本明細書で使用されるように、皮膚炎は、皮膚の炎症状態を意味する。一つの態様において、皮膚炎は慢性又は急性である。特定の例において、皮膚炎は急性であり、原因薬剤(offending agent)(例えば、ウルシオール(uruishol))との接触から生じる。特定の例において、皮膚炎は慢性であり、過敏症から生じる。
【0073】
皮膚炎のタイプは、以下のものを含むが、これらに限定されない:海綿状皮膚炎(刺激性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、熱により誘発される皮膚炎、及び薬物により誘発される皮膚炎);アレルギー性接触皮膚炎(接触皮膚炎は、外部化合物、防腐剤、芳香剤、又は植物によるものである);脂漏性湿疹(脂漏性湿疹は、ふけとしても知られている);汗疱状皮膚炎(汗疱としても知られる);小胞性又は水疱性皮膚炎(薬物反応、又は自己免疫疾患により引き起こされる;その例は、スティーブンス・ジョンソン症候群(Steven Johnson Syndrome)、水疱性多形性紅斑、水疱性類天疱瘡、及び尋常性天疱瘡を含む)。
【0074】
特定の例において、皮膚炎(例えば、慢性又は急性)の症状は、免疫系の障害から生じる。特定の例において、皮膚炎(例えば、慢性又は急性)の症状は、血管及び毛細血管から表皮、真皮、及び/又は皮下組織への、血漿の滲出から生じる。特定の例において、ロイコトリエン及び/又はサイトカインは、血管及び毛細血管からの血漿の滲出を引き起こす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、皮膚炎に関連するロイコトリエン及び/又はサイトカインの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、皮膚炎に関連する血管及び毛細血管からの血漿の滲出を減らす。特定の例において、FLAPを阻害することは、皮膚炎を処置する。
【0075】
幾つかの実施形態において、皮膚炎は、アトピー性皮膚炎又はアレルギー性皮膚炎である。幾つかの実施形態において、皮膚炎はアトピー性皮膚炎である。幾つかの実施形態において、皮膚炎はアレルギー性皮膚炎である。
【0076】
(湿疹)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、湿疹である。本明細書で使用されるように、湿疹は、皮膚の慢性炎症状態である。特定の例において、湿疹の症状は、血管及び毛細血管から表皮、真皮、及び/又は皮下組織への、血漿の滲出から生じる。特定の例において、ロイコトリエン及び/又はサイトカインは、血管及び毛細血管からの血漿の滲出を引き起こす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、湿疹に関連するロイコトリエンの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、湿疹に関連するサイトカインの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、湿疹に関連する血管及び毛細血管からの血漿の滲出を減らす。特定の例において、FLAPを阻害することは、湿疹を処置する。
【0077】
(蕁麻疹)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、蕁麻疹である。特定の例において、蕁麻疹は、過敏症又は別の免疫不全から生じる。特定の例において、蕁麻疹の症状は、血管及び毛細血管から表皮、真皮、及び/又は皮下組織への、血漿の滲出から生じる。特定の例において、ロイコトリエンは、血管及び毛細血管からの血漿の滲出を引き起こす。特定の例において、サイトカインは、蕁麻疹に関連する炎症及び/又は過敏症を引き起こす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、蕁麻疹に関連するロイコトリエン及び/又はサイトカインの濃度を減らす。特定の例において、FLAPを阻害することは、蕁麻疹に関連する血管及び毛細血管からの血漿の滲出を減らす。特定の例において、FLAPを阻害することは、蕁麻疹を処置する。
【0078】
(酒さ)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、酒さである。本明細書で使用されるように、酒さは、紅斑毛細血管拡張性(erythematotelangiectatic)酒さ(ETR)、丘疹膿疱性(Papulopustular)酒さ、及び/又は腫瘤性(Phymatous)酒さのいずれかを指す。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、酒さを処置する。特定の例において、ロイコトリエン及び/又はサイトカインの濃度を減らすことは、酒さを処置する。
【0079】
(皮膚潰瘍)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、皮膚潰瘍である。本明細書で使用されるように、潰瘍は、表皮、及びしばしば真皮の部分並びに皮下脂肪の劣化により特徴付けられる皮膚の障害である。特定の例において、潰瘍は、壊死組織の領域である。特定の例において、潰瘍は、免疫系の機能障害から生じる。特定の例において、潰瘍は、好中球の機能不全などではあるが、これには限定されない免疫系の機能障害から生じる。特定の例において、ロイコトリエンは、好中球のための走化性物質である。特定の例において、サイトカインは、皮膚潰瘍に関連する炎症及び/又は過敏症を引き起こす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、皮膚潰瘍に関連するロイコトリエンの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、皮膚潰瘍に関連する好中球の走化性を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、皮膚潰瘍に関連するサイトカインの濃度を減らす。特定の例において、FLAPを阻害することは、皮膚潰瘍を処置する。
【0080】
(瘢痕化)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、瘢痕化である。本明細書で使用されるように、瘢痕化は、瘢痕の形成を指す。一つの態様において、瘢痕は、肥厚性瘢痕、又はケロイド瘢痕、又は座瘡から生じる瘢痕である。特定の例において、瘢痕は、炎症(例えば、サイトカイン及び/又はコラーゲンの過剰産生)から生じる繊維組織の領域である。特定の例において、瘢痕は、感染(例えば、座瘡)の結果である。特定の例において、繊維芽細胞は移動し、傷口に過剰なコラーゲンを沈着させ、瘢痕を結果として生じる。特定の例において、ロイコトリエンは、走化性物質として作用し、繊維芽細胞の活性を調節する。特定の例において、FLAPの活性を阻害することは、瘢痕化に関連する繊維芽細胞の活性及び/又は移動を阻害する。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、瘢痕化に関連するロイコトリエンの濃度を減らす。特定の例において、FLAPを阻害することは、瘢痕化に関連する繊維芽細胞の活性及び/又は移動を阻害する。特定の例において、サイトカインは、瘢痕化に関連する炎症を調節する。特定の例において、FLAPを阻害することは、瘢痕化に関連するサイトカインの濃度を減らす又は阻害する。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、瘢痕化を処置する。
【0081】
(火傷)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚科学の疾患、障害又は疾病を処置するために投与され、ここで、皮膚科学の疾患、障害又は疾病は、火傷である。本明細書で使用されるように、火傷は、熱、冷気、電気、化学薬品、光(例えば、紫外線照射により引き起こされる日焼け)、放射線、又は摩擦により引き起こされる、皮膚の損傷又は破壊を指す。一つの態様において、火傷は、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、又は第4度の火傷である。特定の例において、火傷は、瘢痕の形成を結果として生じる。特定の例において、火傷は、炎症を結果として生じる。特定の例において、FLAPの活性を阻害することは、瘢痕化及び/又は炎症に関連する白血球の活性及び/又は移動を阻害する。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、瘢痕化及び/又は炎症に関連するロイコトリエンの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、瘢痕化及び/又は炎症に関連するサイトカインの濃度を減らす。特定の例において、FLAP活性を阻害することは、瘢痕化及び/又は炎症を処置する。
【0082】
(かゆみ)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、哺乳動物のかゆみを処置するため又は予防するために投与される。幾つかの実施形態において、かゆみは、本明細書開示の疾患、障害又は疾病のいずれかの症状である。幾つかの実施形態において、かゆみは、刺激物、アレルゲン、又はそれらの組み合わせとの接触の結果である。幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、刺激物、アレルゲン、又はそれらの組み合わせとの接触に関連するかゆみを減らす。幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、皮膚炎、乾癬又は蕁麻疹(uticaria)に関連するかゆみを減らす。
【0083】
(特定の用語)
用語「個体」、「患者」、又は「被験体」は、互換的に使用される。本明細書で使用されるように、それらは任意の哺乳動物を意味する。一つの態様において、哺乳動物はヒトである。
【0084】
用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」又は「処置(treatment)」、及びその他文法上の同等物は、本明細書で使用されるように、障害の発症を緩和し、軽減し、阻害し、減らし、寛解し、遅らせること、障害の進行を阻止し、及び/又は障害及び/又は障害の症状の退行を誘発することを含む。用語はまた、障害の予防処置も含む。用語は更に、任意の治療効果を達成することも含む。治療効果は、処置されている根本的な障害の根絶又は寛解、及び/又は基礎疾患(underlying disorder)に関連する1つ以上の生理学的な症状を意味し、改善は個体において観察される。
【0085】
用語「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」又は「予防(prevention)」、及びその他文法上の同等物は、本明細書で使用されるように、障害の発達を阻害すること(阻止又は止めること)、及び/又は障害の更なる進行を阻害すること(阻止又は止めること)を含む。これら用語は、予防法を含むように意図されている。予防効果に関して、組成物は、特定の障害を発達させる危険性のある個体、又は疾患の1つ以上の生理学的な症状を報告する個体、或いは疾患の再発の危険性のある個体に投与される。
【0086】
用語「効果的な量」又は「治療上効果的な量」は、本明細書で使用されるように、所望の結果、例えば、処置さていれる疾患、障害又は疾病の1つ以上の症状をある程度和らげることを達成する、投与される薬剤(例えば、FLAP阻害化合物)の量を指す。特定の例において、結果は、疾患の少なくとも1つの徴候、症状、又は原因の減少及び/又は緩和、或いは生物系の任意の他の所望の変化である。
【0087】
(局所製剤)
幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、局所効果(即ち、皮膚に限定される効果)のため皮膚へのFLAP阻害化合物の送達を促進する。特定の例において、FLAP阻害化合物の局所投与は、FLAP阻害化合物の全身投与に関連する副作用を減らす又は除去する。
【0088】
局所製剤は、軟膏、クリーム、ローション、液剤、ペースト、ゲル、スティック、リポソーム、ナノ粒子、パッチ、包帯及び創傷被覆材を含むが、これらに限定されない。
【0089】
幾つかの実施形態において、本明細書記載の皮膚の製剤は、製剤の約0.1重量%から約50重量%、約0.1重量%から約25重量%、約0.1重量%から約10重量%、約0.1重量%から約5重量%、又は約0.1重量%から約1重量%のFLAP阻害化合物を含む。
【0090】
(クリーム及びローション)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、クリームの形態である。特定の例において、クリームは、水乳濁液の中の油又は油乳剤の中の水に分散するFLAP阻害化合物を含む、半固体(例えば、軟らかい固体又は濃い液体)の製剤である。本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、ローションの形態である。特定の例において、ローションは、流体乳濁液(例えば、水乳濁液の中の油又は油乳剤の中の水)である。幾つかの実施形態において、ローション及び/又はクリームの疎水性成分は、動物(例えば、ラノリン、肝油、及び竜涎香)、植物(例えば、サフラワー油、ヒマシ油、ヤシ油、綿実油、メンヘーデン油、パーム核油、パーム油、ラッカセイ油、ダイズ油、ナタネ油、亜麻仁油、米ぬか油、パイン油、ゴマ油、又はヒマワリ種子油)、又は石油(例えば、鉱油、又はワセリン)に由来する。
【0091】
特定の例において、ローション及びクリームは、皮膚科学的な障害に「乾燥する」効果をもたらし(例えば、障害から滲出される幾つか又は全ての流体は軟膏に混和できる)、従って流体の滲出により特徴化される皮膚科学の障害に役立つ。
【0092】
(軟膏)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、軟膏の形態である。特定の例において、軟膏は、体温で軟らかくなる又は溶ける半固体の調剤である。特定の例において、軟膏は皮膚を再水和し、従って水分の損失により特徴化される皮膚科学の疾患、障害又は疾病に役立つ。
【0093】
(ペースト)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、ペーストの形態である。特定の例において、ペーストは、少なくとも20%の固体を含む。特定の例において、ペーストは、体温で流れない軟膏である。特定の例において、ペーストは皮膚を再水和し、従って水分の損失により特徴化される皮科学の膚疾患、障害又は疾病に役立つ。特定の例において、ペーストは、それらが適応される領域に亘る保護コーティングとして機能する。
【0094】
(ゲル)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、ゲルの形態である。特定の例において、ゲルは、液体中に分散された大きな有機分子の分散からなる、半固定(又は半硬質の)式(semisolid (or semi-rigid) systems)である。特定の例において、ゲルは水で溶け、温かい水又は食塩水を使用して取り除かれる。特定の例において、ゲルは皮膚を再水和し、従って水分の損失により特徴化される皮膚科学の疾患、障害又は疾病に役立つ。
【0095】
ゲルは、単相又は二相系を含む。単相ゲルは、明確な境界が、分散した高分子及び液体の間に存在しないといった様式で、液体を通じて均一に分配された有機高分子からなる。幾つかの単相ゲルは、合成高分子(例えば、カルボマー)又は天然ガム(例えば、トラガカント)から調合される。幾つかの実施形態において、単相ゲルは、一般的に水性であるが、またアルコール及び油を使用して作られる。二相ゲルは、小さな離散粒子の網状組織からなる。
【0096】
ゲルはまた、疎水性または親水性のものとしても分類される。特定の実施形態において、疎水性のゲルの基剤は、コロイド珪酸でゲル化されたポリエチレン又は脂肪油、又はアルミニウム或いは亜鉛セッケンを備えた、液体パラフィンからなる。対照的に、疎水性のゲルの基剤は通常、適切なゲル化剤(例えば、トラガカント、デンプン、セルロース誘導体、カルボキシビニルポリマー、及び珪酸マグネシウム−アルミニウム)でゲル化された水、グリセロール、又はプロピレングリコールからなる。
【0097】
(スティック)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、スティックの形態である。特定の例において、スティックは、体温で溶ける固体の剤形である。幾つかの実施形態において、スティックは、ワックス、ポリマー、樹脂、硬い塊へと融合した乾燥固体、及び/又は融合した結晶を含む。幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤は、止血鉛筆(即ち、(1)結晶化の水が失われ、溶けるまで結晶を熱する、及び(2)溶けた結晶を型に流し込み、それらを硬くすることにより調合されるスティック)の形状である。幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤は、スティックの形状であり、ここでスティックは、ろう(例えば、ろうは、溶解され、適切な型へと流し込まれ、スティックの形状に凝固される)を含む。
【0098】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤は、スティックの形態であり、ここで、スティックは溶解塩基(melting base)(即ち、体温で柔らかくなる塩基)を含む。溶解塩基の例は、ろう、油、ポリマー及びゲルを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤は、スティックの形態であり、ここで、スティックは湿潤塩基(moisten base)(即ち、水分を加えることにより活性化される塩基)を含む。
【0099】
(パッチ)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、パッチを介して投与される。幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、ポリマー又は接着剤において溶解される及び/又は分散される。幾つかの実施形態において、本明細書開示のパッチは、FLAP阻害化合物の連続的な、パルス状の、又はオンデマンド送達のために構築される。
【0100】
幾つかの例において、本明細書記載の局所製剤は、感圧性の接着剤(例えば、ポリアルキルオキサゾリンポリマー(polyalkyloxazoline polymers))を含み、皮膚の影響を受けた領域への接着剤フィルムの適応を可能にする。
【0101】
(創傷被覆材)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、創傷被覆材と共に(またはそれを介して)投与される。創傷被覆材は、ガーゼ、透明フィルムの包帯、ヒドロゲル、ポリウレタンフォームの包帯、ヒドロコロイド及びアルギン酸塩を含むが、これらに限定されない。特定の例において、創傷被覆材は、(1)創傷における水分を維持し、(2)半透性であり、(3)半閉塞性(semiocclusive)であり、(4)自己融解の創傷清拭を可能にし、(5)外部の汚染物質から保護し、(6)滲出した流体を吸収し、及び/又は(7)創傷の可視化を可能にする。
【0102】
(皮膚のペイント(Dermal Paint))
幾つかの実施形態において、本明細書開示の製剤及び組成物は、皮膚のペイントとして投与される。本明細書で使用されるように、ペイント(塗膜形成要素としても知られる)は、溶媒、モノマー又はポリマー、活性薬剤、及び随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む溶液である。組織への適応後、溶媒は、モノマー又はポリマー、及び活性薬剤を含む薄いコーティングを残して蒸発する。コーティングは、活性薬剤を保護し、適応した部位にて活性薬剤を固定化した状態に維持する。これは、損失する活性薬剤の量を減少させ、それに応じて個体の皮膚の影響を受けた領域に送達された量を増加させる。限定されない例として、ペイントは、コロジオン(例えば、弾性コロジオン、USP)、及びサッカライドシロキサンコポリマーと架橋結合薬剤を含む溶液を含む。コロジオンは、ピロキシリン(ニトロセルロース)を含むエチルエーテル/エタノールの溶液である。適応後、エチルエーテル/エタノールの溶液は、ピロキシリンの薄いフィルムを残して蒸発する。サッカライドシロキサンコポリマーを含む溶液において、サッカライドシロキサンコポリマーは、サッカライドシロキサンコポリマーの架橋結合を開始する溶媒の蒸発後に、コーティングを形成する。
【0103】
(皮膚科学の賦形剤)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、透過促進剤を含む。透過促進剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテル、ラウレス−9、ドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホサクシネート、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(PLE)、Tween80、ノニルフェノキシポリエチレン(NP−POE)、ポリソルベート、グリココール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロジヒドロフシジン酸ナトリウム、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、オレイン酸、カプリル酸、モノ−及びジ−グリセリド、ラウリン酸、アシルコリン、カプリル酸、アシルカルニチン、カプリン酸ナトリウム、EDTA、クエン酸、サリチル酸塩、DMSO、デシルメチルスルホキシド、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、プロパンジオール、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルを含むが、これらに限定されない。
【0104】
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、ゲル化剤(増粘剤)を含む。幾つかの実施形態において、本明細書開示の局所製剤はさらに、ゲル化剤の約0.1%から約5%まで、より好ましくは約0.1%から約3%、及び最も好ましくは約0.25%から約2%までを含む。特定の実施形態において、本明細書開示の局所製剤の粘度は、約100cPから約500000cP、約100cPから約1000cP、約500cPから約1500cP、約1000cPから約3000cP、約2000cPから約8000cP、約4000cPから約10000cP、約10000cPから約50000cPの範囲にある。
【0105】
ゲルの局所製剤の調合における使用に適切なゲル化剤は、以下のものを含むがこれらに限定されない。即ち、セルロース、セルロース誘導体、セルロースエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース)、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸)、珪酸塩、デンプン、トラガカント、カルボキシビニルポリマー、カラギナン、パラフィン、ワセリン、アカシア(アラビアガム)、カンテン、珪酸アルミニウムマグネシウム、アルギニン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ブラダーラック(bladderwrack)、ベントナイト、カルボマー、カラギナン、カルボポール、キサンタン、セルロース、微結晶セルロース(MCC)、セラトニア、ツノマタ、デキストロース、ファーセレラン、ゼラチン、ガッチガム(ghatti gum)、グアーガム、ヘクトライト、ラクトース、スクロース、マルトデキストリン、マンニトール、ソルビトール、ハチミツ、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、イモデンプン、ゼラチン、アラヤガム、ポリエチレングリコール(例えば、PEG200−4500)、トラガカントガム、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)、オキシポリゼラチン、ペクチン、ポリゲリン、ポビドン、炭酸プロピレン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー(PVM/MA)、ポリ(メタクリル酸メトキシエチル)、ポリ(メタクリル酸メトキシエトキシエチル)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチル−セルロース(CMC)、二酸化ケイ素、ポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0106】
皮膚への適応後に、液体及びゲルとして適応され、フィルムへと変化する製剤における使用に適切な薬剤は、水溶液へと組み込まれると熱可逆性ゲルを形成すると知られる、ポリオキシプロピレン及びポリオキシエチレンからなるポリマーを含むが、これに限定されない。これらポリマーは、体温に近い温度で液体状態からゲル状態に変化させる能力を有し、それゆえ、ゲル及び/又はフィルムとして影響を受けた領域へと適応される、役立つ製剤を許容する。体温でゲル化し、本明細書記載のゲル及び/又はフィルムにおいて役立つポリマーの例は、ポロクサマー(例えば、酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマーである、PLURONICS F68(登録商標)、F88(登録商標)、F108(登録商標)、及びF127(登録商標))を含むが、これらに限定されない。液体状態からゲル状態の相転移は、ポリマーの濃度及び溶液中の成分に依存する。
【0107】
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、皮膚軟化薬を含む。皮膚軟化薬は、以下のものを含むが、これらに限定されない。即ち、ヒマシ油エステル、ココアバターエステル、サフラワー油エステル、綿実油エステル、コーン油エステル、オリーブ油エステル、肝油エステル、アーモンド油エステル、アボカド油エステル、パーム油エステル、ゴマ油エステル、スクアレンエステル、ククイ油(kikui oil)エステル、ダイズ油エステル、アセチル化モノグリセリド、エトキシ化モノステアリン酸グリセリン、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸メチル、デシロレート(decyloleate)、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸メチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、及び乳酸セチル、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、及びオレイン酸オレイル、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルシン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、2−オクチルドデカニルアルコール、ラノリン及びラノリン誘導体、みつろう、ゲイロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、カルナウバロウ、カンデリラロウ、レシチン、及びコレステロールを含む。
【0108】
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、研磨剤、吸収剤、固化防止剤、収斂薬、精油、芳香剤、皮膚の調節剤(skin-conditioning agents)、皮膚の治癒剤(skin healing agents)、皮膚保護剤(例えば、日焼け止め剤、又は紫外線吸収剤或いは飛散剤)、皮膚緩和剤、防腐剤又はそれらの組み合わせを含む。
【0109】
本明細書開示の医薬品の局所製剤は、任意の適切な方法により調合される。任意の適切な技術、単体、及び/又は賦形剤は、本明細書開示のFLAP阻害剤との使用のため考慮される。本明細書記載の医薬品の局所製剤の要約に関しては、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995)」;「Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975」;「Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980」;及び「Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Eighth Ed. (Lippincott Williams & Wilkins 2004)」、「Muller, R.H. et al. Advanced Drug Delivery Reviews 59 (2007) 522-530」を参照。これらはこのような開示のための参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
(投薬)
本明細書に開示されるものは、特定の実施形態において、FLAP阻害化合物の局所製剤であり、ここで、局所製剤は、予防及び/又は治療処置のため投与される。特定の例において、この使用に効果的な量は、疾患、障害又は疾病の重症度及び経過、以前の治療、個体の健康状態及び薬物反応、及び治療する医師の判断に依存する。幾つかの実施形態において、用量は、製剤の約0.001重量%から約10重量%までである。
【0111】
幾つかの実施形態において、皮膚科学の障害が改善しない場合、本明細書開示の局所製剤は、慢性的に(即ち、個体の生命の期間を含む、延長された期間の間)投与される。幾つかの実施形態において、皮膚科学の障害が改善する場合、本明細書開示の局所製剤は、連続的に;二者択一的に与えられ、投与される活性薬剤の用量は、一時的に減らされる、又は特定の時間の間一時的に止められる(即ち、「休薬期間」)。幾つかの実施形態において、休薬期間は、2日から1年の間続き、その間にすべての整数を含む。幾つかの実施形態において、休薬期間中の用量の減少は、約10%から約100%までの間であり、その間にすべての整数を含む。
【0112】
幾つかの実施形態において、皮膚科学の障害が改善する場合、本明細書開示の局所製剤は、維持用量として投与される。幾つかの実施形態において、皮膚科学の障害が改善する場合、本明細書開示の局所製剤は、回数を減らして又は用量を減らして投与される。
【0113】
一つの実施形態において、本明細書開示の局所製剤は、FLAP阻害化合物の制御放出のために処方される。幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物は、15分、又は30分、又は1時間、又は4時間、又は6時間、又は12時間、又は18時間、又は1日、又は2日、又は3日、又は4日、又は5日、又は6日、又は7日、又は10日、又は12日、又は14日、又は18日、又は21日、又は25日、又は30日、又は45日、又は2か月、又は3か月、又は4か月、又は5か月、又は6か月、又は9か月、又は1年を超える時間にわたって放出される。
【0114】
(併用療法)
一つの態様において、本明細書開示の医薬組成物及び方法は、追加の治療薬剤を含む。一つの態様において、追加の治療薬剤は、FLAP阻害化合物以外の治療薬剤である。
【0115】
一つの態様において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所製剤は、(別々に又は同じ製剤において)以下のものから選択された治療薬剤と共に同時投与される。即ち、抗生物質(例えば、硫酸ポリミキシンB/亜鉛バシトラシン、ポリミキシンB/ネオマイシン/グラミシジン、ポリミキシンB/トリメトプリム、ポリミキシンB/バシトラシン、フルオロキノロン(例えば、スプロフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン)、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシン、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン);抗真菌剤(例えば、アンホテリシンB、イトラコナゾール(intraconazole)、フルコナゾール、ボリコナゾール);ステロイド抗炎症剤(例えば、酢酸フルオロメトロン、酢酸プレドニゾロン、エタボン酸ロテプレドノール、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンナトリウム、リメキソロン、酢酸フルオロメトロン);非ステロイド抗炎症剤(例えば、ネパフェナク、ケトロラクトロメタミン、ブロムフェナク、ジクロフェナクナトリウム、ケトロラクトロメタミン、フマル酸ケトチフェン);抗ヒスタミン剤(例えば、ジフマル酸エメダスチン、塩酸オロパタジン、エピナスチンHCl、塩酸アゼラスチン、フマル酸ケトチフェン); 抗ウイルス剤(例えば、アシクロビル、ビダラビン、トリフルリジン);αアゴニスト(例えば、アプラクロリジン、ブリモニジン、ビマトプロスト);β遮断薬(例えば、塩酸ベタキソロール、塩酸レボブノロール、塩酸カルテオロール、メチプラノロール、マレイン酸チモロール、チモロール半水和物);炭酸脱水酵素阻害薬(例えば、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、アセタゾラミド);縮瞳薬(例えば、塩化アセチルコリン、エコチオパート);プロスタグランジン(例えば、トラボプロスト、ビマトプロスト、ラタノプロスト);抗血管新生剤(例えば、ペガプタニブナトリウム、ラニビズマブ、ベルテポルフィン);エタボン酸ロテプレドノール、肥満細胞安定薬(例えば、ロドキサミドトロメタミン、ネドクロミルナトリウム、クロモリンナトリウム、ペミロラストカリウム)、シスプロスチン、及びDP2アンタゴニストから選択される。
【0116】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗生物質と共に同時投与される。抗生物質は、硫酸ポリミキシンB/亜鉛バシトラシン、ポリミキシンB/ネオマイシン/グラミシジン、ポリミキシンB/トリメトプリム、ポリミキシンB/バシトラシン、フルオロキノロン(例えば、スプロフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン)、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシン、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン)を含むが、これらに限定されない。
【0117】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗真菌剤と共に同時投与される。抗真菌剤は、アンホテリシンB、イトラコナゾール(intraconazole)、フルコナゾール、及びボリコナゾール含むが、これらに限定されない。
【0118】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)ステロイド抗炎症剤と共に同時投与される。ステロイド抗炎症剤は、以下のものを含むが、これらに限定されない。即ち、ベタメタゾン、プレドニゾン、アルクロメタゾン、アルドステロン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デオキシコルチコステロン、デソニド、デスオキシメタゾン、デスオキシコルトン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、フルクロロロン、フルドロコルチゾン、フルドロキシコルチド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチン、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロン、フルプレドニデン、フルチカゾン、ホルモコータル、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン/コルチゾール、アセポン酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンブテプレート、酪酸ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾン/プレドニゾロン、リメキソロン、チキソクロトール、トリアムシノロン、及びウロベタゾールを含む。
【0119】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)非ステロイド抗炎症剤(NSAID)と共に同時投与される。NSAIDは、ネパフェナク、ケトロラク、ブロムフェナク、ジクロフェナク、ケトロラク、ケトチフェンを含むが、これらに限定されない。
【0120】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗ヒスタミン剤と共に同時投与される。幾つかの実施形態において、抗ヒスタミン剤は、アンレキサノクス(amelexanox)、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、レボセチリジン、エフレチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスカルボエトキシロラタジン(descarboethoxyloratadine)、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、オロパタジン、ピクマスト(picumast)、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジン、及びトリプロリジンを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、抗ヒスタミン剤は、エメダスチン、オロパタジン、エピナスチン、アゼラスチン、ケトチフェンを含むが、これらに限定されない。
【0121】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗ウイルス剤と共に同時投与される。抗ウイルス剤は、アシクロビル、ビダラビン、トリフルリジンを含むが、これらに限定されない。
【0122】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)αアゴニストと共に同時投与される。αアゴニストは、アプラクロリジン、ブリモニジン、ビマトプロストを含むが、これらに限定されない。
【0123】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)β遮断薬と共に同時投与される。Β遮断薬は、ベタキソロール、レボブノロール、カルテオロール、メチプラノロール、チモロールを含むが、これらに限定されない。
【0124】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)炭酸脱水酵素阻害薬と共に同時投与される。炭酸脱水酵素阻害薬は、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、アセタゾラミドを含むが、これらに限定されない。
【0125】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)縮瞳薬と共に同時投与される。縮瞳薬は、塩化アセチルコリン、エコチオパートを含むが、これらに限定されない。
【0126】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)プロスタグランジンと共に同時投与される。プロスタグランジンは、トラボプロスト、ビマトプロスト、ラタノプロストを含むが、これらに限定されない。
【0127】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗血管新生剤と共に同時投与される。抗血管新生剤は、ペガプタニブナトリウム、ラニビズマブ、ベルテポルフィンを含むが、これらに限定されない。
【0128】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)エタボン酸ロテプレドノールと共に同時投与される。
【0129】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)肥満細胞安定薬と共に同時投与される。肥満細胞安定薬は、ロドキサミドトロメタミン、ネドクロミルナトリウム、クロモリンナトリウム、ペミロラストカリウムを含むが、これらに限定されない。
【0130】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)シスプロスチンと共に同時投与される。
【0131】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害化合物を含む本明細書開示の局所医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)DP受容体アンタゴニストと共に同時投与される。一つの態様において、追加の治療薬剤は、小分子DP受容体アンタゴニスト化合物である。幾つかの実施形態において、DP受容体アンタゴニストは、国際特許出願PCT/US09/35174(発明の名称「Antagonists of Prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US08/82056(発明の名称「Antagonists of PGD2 receptors」);国際特許出願PCT/US08/82082(発明の名称「Antagonists of PGD2 receptors」); 国際特許出願PCT/US09/32495(発明の名称「N,N-disubstituted aminoalkylbiphenyl antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/32499(発明の名称「N,N-disubstituted aminoalkylbiphenyl antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/33961(発明の名称「Cyclic diaryl ether compounds as antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/38291(発明の名称「Aminoalkylphenyl antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/49621(発明の名称「Antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/49631(発明の名称「Antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/58655(発明の名称「Heteroaryl antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/58663(発明の名称「Heteroaryl antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/44219(発明の名称「Tricyclic antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/48327(発明の名称「Cycloaklane[B]indole antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/59256(発明の名称「Heteroaryl antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/59891(発明の名称「Heteroalkyl biphenyl antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/64630(発明の名称「Heterocyclic antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/63439(発明の名称「Cycloaklane[B]azaindole antagonists of prostaglandin D2 receptors」);国際特許出願PCT/US09/63438(発明の名称「Cycloaklane[B]azaindole antagonists of prostaglandin D2 receptors」);米国仮特許出願61/147437(発明の名称「Indolozine compounds as prostaglandin D2 receptor antagonists」に開示の化合物;又はそれらの薬学的に許容可能な塩又はN−酸化物から選択される。
【0132】
幾つかの実施形態において、DP受容体アンタゴニストは、AMG009、AMG853、WO09/085177の化合物14、AZD1981、ODC9101(OC459)、OC499、OC1768、OC2125、OC2184、QAV680、MLN6095、ACT−129968、ADC3680、SAR398171、S555739、AP768、[2'-(3-ベンジル-1-エチル-ウレイドメチル)-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル]-酢酸、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸、TM30642、TM30643、TM30089、TM27632、及びTM3170、{2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル}-酢酸、[2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸、(5-{2-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4-トリフルオロメチル-フェニル}-ピリジン-3-イル)-酢酸、及び{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドル-5-イル}-酢酸から選択される。
【0133】
幾つかの実施形態において、FLAP阻害剤及び追加の治療薬剤は、同じ医薬組成物の中にある。幾つかの実施形態において、FLAP阻害剤及び追加の治療薬剤は、別々の医薬組成物の中にある。幾つかの実施形態においてFLAP阻害剤及び追加の治療薬剤は、同じ時間で投与される。幾つかの実施形態においてFLAP阻害剤及び追加の治療薬剤は、異なる時間で投与される。
【0134】
(実施例)
以下の実施例は、説明的なものであり、本明細書記載の製剤及び方法の範囲を限定するものではない。
【0135】
実施例1:FLAP阻害剤の局所製剤
一つの態様において、FLAP阻害化合物の局所製剤を、FLAP阻害化合物とプロピレングリコール、トランスクトール(transcutol)及び水を混ぜることにより調合する。一つの態様において、局所製剤は、75%のプロピレングリコール、15%のトランスクトール、10%の水の溶液中にFLAP阻害化合物(10mg/mL)を含む。
【0136】
この製剤を使用すると、以下のFLAP阻害化合物は全て、10mg/mL:化合物A(Na塩)、化合物B(Na塩)、化合物C(酸及びNa塩)、化合物F(Na塩)、化合物G(Na塩)、化合物I(酸)、及び化合物J(Na塩)で溶解する。
【0137】
実施例2:化合物Aのローション製剤
化合物Aを、以下の通りに処方する:

【0138】
化合物Aを、メントール及びポリソルベート80と混合する。その後、プロピレングリコール及びエタノールを混合物に加える。最終的に、混合物の体積を精製水と合わせて1500mLにする。
【0139】
実施例3:化合物Bのローション製剤
化合物Bを、以下の通りに処方する:

【0140】
化合物Bを、化合物Bが溶解するまでにエタノールと混合する。その後、エトキシジグリコールを加える。更に、メチルパラベンとプロピルパラベンを、プロピレングリコールの中に混合する。化合物B/エタノール混合物をその後、プロピレングリコール/メチルパラベン/プロピルパラベン混合物に加える。最終的に、体積を精製水と合わせて9000mLにする。
【0141】
実施例4:化合物Cのヒドロゲル製剤
化合物Cを、以下の通りに処方する:

【0142】
化合物C、ベンジルアルコール、及びグリセリンを、約3200mLの精製水に加える。カルボポールをゆっくりと混合物に加える。体積を精製水と合わせて4000mLにする。最終的に、トロラミンを、ゲルが形成されるまでに液滴で加える。
【0143】
実施例5:化合物Dのスティック製剤
化合物Dを、以下の通りに処方する:

【0144】
みつろう、ココアバター、パラフィン及びラノリンを最初に溶解する。化合物Dをその後、石油と混合する。石油/化合物Dの混合物を、溶解した製剤に加える。結果として生じる混合物を撹拌し、型に流し込む。
【0145】
実施例6:切除されたケロイドの再発の処置及び予防時の、FLAP阻害化合物の効果を評価する臨床試験。外科手術時での処置
耳たぶのケロイド瘢痕の切除後に、局所的に投与される化合物の安全性及び効果を評価するための試験研究内で制御された、二重盲検の、無作為化されたプラセボ。各々の患者は、左右両側のケロイド瘢痕の切除を受け、各々の患者が自身を対照として務めるように、片方の耳たぶを化合物で処置し、その間にもう片方の耳たぶをプラセボで処置する。
【0146】
18〜65歳の、10から12までの被験体がこの研究に参加する。全ての被験体は、外科的な切除に適した左右両側のケロイド瘢痕を有しており、その結果、切除後、2cmに満たない各々の耳たぶにある1つの創傷がもたらされる。創傷は、耳たぶの皮膚、脂肪及び繊維組織に制限される。
【0147】
いずれの被験体も、研究前の12週間以内に、放射線照射、冷凍外科手術、コルチコステロイド又は他の薬理学的な薬剤でのケロイド処置を受けていない。被験体は、出血障害の病歴がなく、乾癬又は湿疹又は悪性皮膚腫瘍にかかったことがない、又は乾癬又は湿疹又は悪性皮膚腫瘍が進行中ではない。出産の可能性のある女性の被験体は、確認された陰性の尿妊娠検査を有していなければならず、研究期間の過程において医学的に証明された避妊の形態を実行していなければならない。同意書を、各々の被験体から得る。
【0148】
(外科的なケロイド切除及び処置プロトコル)
10から12までの患者は、左右両側のケロイド切除を受ける。各々の患者は、各々の線形センチメートル(each linear centimeter)の片方の耳たぶの創縁に対して、創傷閉鎖の直後に、及びその後4週間24時間毎に繰り返し、臨床的に許容可能で安全な局所製剤(液剤、クリーム、軟膏又はゲル)において0.05から1.5重量%の間の適切な濃度へ処方された、FLAP阻害化合物の皮膚投与を受ける。もう片方の耳たぶは、各々の線形センチメートルの耳たぶの創縁に対して、創傷閉鎖の直後に、及びその後4週間24時間毎に繰り返し投与される、プラセボ(処置グループにおいて使用されるものと同一であるが、活性医薬成分を欠く、臨床的に許容可能で安全な局所製剤)で、局所的に処置される。主な評価は、視覚的アナログ尺度を使用する外科手術後4週から6ヶ月の期間にわたるレイパネル(lay panel)による、写真評価に基づく。
【0149】
主な評価項目は、52週の時間枠の間、ケロイド兆候(keloid indication)における、試験化合物との予備的な安全性経験(preliminary safety experience)を得ることである。第2の評価項目は、(i)ケロイド再発の減少(時間枠52週)、及び(ii)医師の世界的な評価及び被験体の評価(時間枠52週)である。
【0150】
実施例7:切除されたケロイドの再発の処置及び予防時の、FLAP阻害化合物の効果を測定する臨床試験。手術の7日後に始まる処置
耳たぶのケロイド瘢痕の切除後に、局所的に投与される化合物の安全性及び効果を評価するための試験研究内で制御された、二重盲検の、無作為化されたプラセボ。各々の患者は、左右両側のケロイド瘢痕の切除を受け、各々の患者が自身を対照として務めるように、片方の耳たぶを化合物で処置し、その間にもう片方の耳たぶをプラセボで処置する。
【0151】
18〜65歳の、10から12までの被験体がこの研究に参加する。全ての被験体は、外科的な切除に適した左右両側のケロイド瘢痕を有しており、その結果、切除後、2cmに満たない各々の耳たぶにある1つの創傷がもたらされる。創傷は、耳たぶの皮膚、脂肪及び繊維組織に制限される。
【0152】
いずれの被験体も、研究前の12週間以内に、放射線照射、冷凍外科手術、コルチコステロイド又は他の薬理学的な薬剤でのケロイド処置を受けていない。被験体は、出血障害の病歴がなく、乾癬又は湿疹又は悪性皮膚腫瘍かかったことがなく、又は乾癬又は湿疹又は悪性皮膚腫瘍が進行中ではない。出産の可能性のある女性の被験体は、確認された陰性の尿妊娠検査を有していなければならず、研究期間の過程において医学的に証明された避妊の形態を実行していなければならない。同意書を、各々の被験体から得る。
【0153】
(外科的なケロイド切除及び処置プロトコル)
10から12までの患者は、左右両側のケロイド切除を受ける。各々の患者は、各々の線形センチメートル(each linear centimeter)の片方の耳たぶの創縁に対して、創傷閉鎖の7日後に、及びその後4週間24時間毎に繰り返し、臨床的に許容可能で安全な局所製剤(液剤、クリーム、軟膏又はゲル)において0.05から1.5重量%の間の適切な濃度へ調合された、FLAP阻害化合物の皮膚投与を受ける。もう片方の耳たぶは、各々の線形センチメートルの耳たぶの創縁に対して、創傷閉鎖の直後に、及びその後4週間24時間毎に繰り返し投与される、プラセボ(処置グループにおいて使用されるものと同一であるが、活性医薬成分を欠く、臨床的に許容可能で安全な局所製剤)で、局所的に処置される。主な評価は、視覚的アナログ尺度を使用する外科手術後4週から6ヶ月の期間にわたるレイパネル(lay panel)による、写真評価に基づく。
【0154】
主な評価項目は、52週の時間枠の間、ケロイド兆候(keloid indication)における、試験化合物との予備的な安全性経験(preliminary safety experience)を得ることである。第2の評価項目は、(i)ケロイド再発の減少(時間枠52週)、及び(ii)医師の世界的な評価及び被験体の評価(時間枠52週)である。
【0155】
実施例8:ウサギの創傷治癒及び肥厚性瘢痕モデル
麻酔をかけた後、10の若い大人のメスのニュージーランドウサギに耳の創傷を作り、1羽の片耳につき4つの創傷、合計8つの創傷を作る。創傷を、むき出しの軟骨(bare cartilage)にまで進むように作られる創傷を伴う、7mmの生検パンチを使用して作る。解剖顕微鏡を、各々の創傷における表皮、真皮及び軟骨膜の完全な除去を確認するために使用する。肥厚性瘢痕モデルについて、それは、軟骨膜層(perichondrial layer)の除去であり、及び瘢痕の増加をもたらす欠陥の再上皮化の、後に続く遅れである。各々の創傷は独立して治癒し、別々のサンプルと見なされる。
【0156】
2つの処置グループを、創傷治癒の初期段階及び後期段階を研究するために調べる。初期の処置グループ(n=15のウサギ、120の創傷)を、創傷後0、1、2、3、4、5、6及び7日目に、0.05−1.5重量%の局所製剤(液剤、クリーム、軟膏又はゲル)として調合された試験化合物、又は局所ビヒクル製剤(topical vehicle formulation)を使用するプラセボで処置し、創傷後28日目に収集する。後期の処置グループ(n=15のウサギ、120の創傷)を、創傷後7、8、9、10、11、12、13及び14日目に、0.05−1.5重量%の局所製剤(液剤、クリーム、軟膏又はゲル)として調合された試験化合物、又は局所ビヒクル製剤を使用するプラセボで処置し、創傷後28日目に収集する。各々のグループの創傷の半分を、活性化合物で処置し、もう半分をプラセボで処置する。各々の創傷を、滅菌した包帯(Tegaderm;3M)で覆い、創傷が肉眼的検査で再上皮化されたものを現わすまで、包帯を各々の処置に従い、毎日変える。感染、乾燥又は壊死の証明がある場合、創傷を分析から除外する。
【0157】
各々の研究の終わりに、創傷を、周囲の創傷を受けていない組織の5mmの縁(margin)と共に収集する。瘢痕を二分し、各々の創傷の半分を4%の中性緩衝ホルムアルデヒド中に固定し、脱水し、パラフィン中に埋め込み、4μmの切片に切り、マッソントリクローム又はシラスレッド(sirrus red)で染色する。各々の創傷のもう半分を、液体窒素中で急速冷凍し、RNA抽出のために貯蔵する。
【0158】
(組織学的分析)
光学顕微鏡検査を、各々の組織の切片及び創傷治癒の程度を調べるために使用し、瘢痕の肥大を、盲検法の様式において校正されたレンズレチクル(calibrated lens reticle)で測定する。創傷治癒のパラメーター:関連性のある測定は、肉芽組織の内殖の量及び高さ、創傷の上皮化、及び創傷閉鎖である。各々のパラメーターを2回評価し、結果を平均する。
【0159】
瘢痕の肥大のパラメーター:瘢痕の評価指数を、「Lu et al, J. Am. Coll. Surg., 2005, 201, p391-397」により記載されるものとして測定する。数値を盲検法の様式により2回測定し、結果を平均化する。
【0160】
実施例9:皮膚投与後の急性の刺激性及び皮膚浸透について試験するためのラット赤肌モデル
オスのスプラーグドーリーラット(グループにつきn=3)の背中を剃り、その結果、体の領域の表面のおよそ20%を露出させた。剃られた皮膚を穏やかにすり減らし、その後、75%のプロピレングリコール、15%のトランスクトール(transcutol)、10%の水を含む、製剤中の試験化合物の10mg/mLの溶液の2mLを赤肌に適応した。投与部位を、(もしあれば)皮膚が余材を浄化してから24時間塞いだ。血漿サンプルを、2、4、24及び72時間で各々のラットから抜き取る。
【0161】
紅班、浮腫又は他の皮膚に見出されるもの(dermal finding)の視覚的な分析を、投薬の前、その後24、48及び72時間にて記録した。点数付けはドレーズプロトコルに従った。
【0162】
結果:化合物A(Na塩)、化合物B(Na塩)、化合物C(酸及びNa塩)、化合物F(Na塩)、化合物G(Na塩)、化合物J(Na塩)、化合物I(酸)を全て、皮膚投与後のラット赤肌モデルにおいて試験した。全ての化合物を、この研究において陰性であると見出した;0のドレーズスコアを、各々の動物に対して記録した。PK分析は、全ての化合物が測定可能な血漿レベルを有し、24時間の時点での血漿レベルが110ng/mLよりも下であったことを示した。
【0163】
実施例10:マウスアラキドン酸誘発耳炎症モデル
(手順)
マウスアラキドン酸(AA)誘発耳炎症モデルを、5−リポキシゲナーゼ−活性化タンパク質(FLAP)阻害剤の経口及び局所適応による、耳の腫れ及びロイコトリエン(LT)産生の阻害の程度を測定するために利用した。方法を、「Byrum et al., J Exp Med. 1997 Mar 17;185(6):1065-75)」から採用した。
【0164】
メスのCD−1マウス(体重18−20グラム)に、化合物(0.5%のメチルセルロースビヒクルの10ml/kg中30mg/kg)を経口的に、又は0.01−10重量%の濃度で実験の耳に局所的に投与し、ビヒクルを反対側の対照の耳に適応した。化合物の投与後4時間、エタノール中のAAの4mg/mlの溶液の40μlのアリコートを、実験の(右の)耳に適応し、ビヒクル(エタノール)を対照の(左の)耳に適応した。30分後、マウスを封入されたプレキシグラスチャンバー(enclosed Plexiglas chamber)に入れ、1−2分間又は呼吸が止まるまでCOに曝した。耳の生検をその後、炎症及びロイコトリエンのレベルの評価のために得た。
【0165】
(耳の炎症)
8mmの耳パンチを、各々の実験の耳及び各々の対照の耳の同じ位置から得て、重さを量った。炎症の程度を、実験の耳と対照の耳[実験の耳(mg)−対照の耳(mg)]の間の重さの違いにより測定した。このアッセイの典型的な反応は、4から12mgの範囲での重さの増加である。耳パンチをその後、ロイコトリエンの後の評価のため凍結した。
【0166】
(ロイコトリエンの分析)
耳パンチを、0.01%のトリトンxを含むトリス緩衝液に入れ、ポリトロンプローブホモゲナイザー(polytron probe homogenizer)を使用して均質化した。サンプルをその後、4℃で10分間、10000Xgで遠心分離した。上澄み液中のロイコトリエンB(LTB)及びシステイニルロイコトリエン(CysLT)濃度を、酵素免疫測定法(EIA)により測定した。
【0167】
(結果)
経口用量研究:AAは、12mg(対照の耳)から21.7mg(実験の耳)までの耳の重さの増加と共に、明白な耳の炎症を引き起こした。LT生合成はまた、311pg/mlから3051pg/mlまで増加する上澄み液中のCysLTの濃度、及び245pg/mlから995pg/mlまでのより適度な増加を示すLTBの濃度と共に増加した。図2は、アラキドン酸誘発耳炎症から生じる耳の炎症、LTB及びCysLTレベルでの、経口投与されたFLAP阻害化合物Aの効果を図示する。AA処置の4時間前に経口で与えられた化合物Aは、耳の重さの変化の測定により炎症の約65%の減少(図2A);LTBレベルの約33%の減少(図2B);及びCysLTレベルの約57%の減少(図2C)を結果として生じた。
【0168】
皮膚投与の研究:経口用量研究と同様に、AAは、12mg(対照の耳)から15.8mg(実験の耳)までの耳の重さの増加と共に、耳の炎症を引き起こした。上澄み液中のCysLTの濃度は399pg/mlから4904pg/mlまで増加し、LTBは236pg/mlから729pg/mlまでの増加を示した。0.01−10%の濃度で局所的に与えられる化合物Aは、0.1%での最大活性と共に全て3つのエンドポイントを減少させる。図3は、アラキドン酸誘発耳炎症から生じる耳の炎症、LTB及びCysLTレベルでの、皮膚投与されたFLAP阻害化合物Aの効果を図示する。AA処置の4時間前に皮膚に適応された化合物Aは、耳の重さの変化の測定により炎症の約60%の減少(図3A);LTBレベルの約55%の減少(図3B);及びCysLTレベルの約37%の減少(図3C)を結果として生じた。局所適応に伴う阻害の大きさは、経口投薬後に観察されるものと同様である。
【0169】
実施例11:ムシンレベルでのDP2アンタゴニストの効果
BALB/cマウスをグループに分け、24時間ケージの中で気候順応させる(0日目)。対照のグループを空気に曝し、試験グループを8日間、1日につき7つのフィルターの無いタバコの煙に曝した(1日目から8日目)。FLAP阻害化合物(3-(3-(tert-ブチルチオ)-1-(4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンジル)-5-((5-メチルピリジン-2-イル)メトキシ)-1H-インドル(indol)-2-イル)-2,2-ジメチルプロピオン酸)(30mg/kg、1日2回)、DP受容体アンタゴニスト 5-{2-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4-トリフルオロメチル-フェニル}-ピリジン-3-イル)-酢酸(10mg/kg1日1回)、又はFLAP阻害化合物(3-(3-(tert-ブチルチオ)-1-(4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンジル)-5-((5-メチルピリジン-2-イル)メトキシ)-1H-インドル-2-イル)-2,2-ジメチルプロピオン酸)(30mg/kg、1日2回)とDP受容体アンタゴニスト 5-{2-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4-トリフルオロメチル-フェニル}-ピリジン-3-イル)-酢酸(10mg/kg1日1回)の組み合わせを、1日目の初めに投与し、及び13日目まで投与する。14日目に、気管支肺胞洗浄液(BALF)を、細胞、サイトカイン、ケモカイン(例えば、KC、IL−17、MIP−2、IL−6)、ムシン、及び/又はタンパク質の流入のために試験する。肺組織学も調べる。トラフ血漿中濃度を、以下の表に示す:

【0170】
図4は、総細胞(図4A)、好中球(図4B)及びBALFに存在するリンパ球(図4C)の数での、FLAPの阻害、DP受容体のアンタゴニズム、及びFLAPの阻害とDP受容体のアンタゴニズムの組み合わせの効果を図示する。図4Aにおいて、*は、P<0.05対空気、一元配置分散分析(one-way ANOVA)を表し;図4Bにおいて、*は、P<0.05対煙、テューキーの方法(Tukey's)を伴う一元配置分散分析であり、***は、P<0.001対空気、テューキーの方法を伴う一元配置分散分析であり、「ns」は、P=0,055、片側t検定(one-tailed t-test)であり;及び図4Cにおいて、*は、P<0.05対煙、片側t検定である。
【0171】
図5は、BALF中のムシンに存在するFLAPの阻害、DP受容体アンタゴニスト、及びFLAPの阻害とDP受容体アンタゴニストの組み合わせの効果を図示する。図5において、*は、P<0.05対煙、片側t検定を表す。亜慢性の煙のマウスモデルにおいて、BALF中のムシン分泌でのFLAPの阻害とDP受容体アンタゴニストの組み合わせの効果は、付加的なものであり、即ち、FLAPの阻害とDP受容体アンタゴニストの組み合わせは、各々の化合物のみより多く、BALF中のムシンの量を減らした。一つの態様において、FLAP阻害化合物単独の、又はFLAP阻害化合物とDP受容体アンタゴニストとの組み合わせの、皮膚への局所投与の効果は、BALFにおいて観察されるように、同じ効果(例えば、機構的に予期される)を有する。
【0172】
本明細書記載の実施例及び実施形態は、説明的な目的のためのものであり、当業者に示唆される様々な修正又は変更は、この出願の精神及び範囲、並びに添付された請求項の範囲内に含まれるべきものである。本明細書で使用されるセクションの見出し(section headings)は、組織的な目的のみのためであり、記載の題目を限定するものとして構築されるべきものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の皮膚科学の疾患、障害または疾病を処置するのに効果的な量のFLAP阻害化合物と、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スティック、リポソーム、ナノ粒子、パッチまたは創傷被覆材を与えるための少なくとも1つの薬学的に適切な賦形剤を備えていることを特徴とする局所製剤。
【請求項2】
FLAP阻害化合物は、ロイコトリエン合成を阻害し、ロイコトリエン受容体を拮抗し、インターロイキン4(IL−4)合成を阻害し、またはムチン合成を阻害することを特徴とする請求項1の局所製剤。
【請求項3】
皮膚科学の疾患、障害または疾病が、
免疫不全、
増殖性の障害、
アレルゲン及び/又は刺激物との接触、かゆみ、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、水疱性障害、膠原病、乾癬、乾癬病巣、接触皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、酒さ、肥厚性瘢痕化、ケロイド瘢痕形成、皮膚硬化症、項部息肉性毛嚢炎、川崎病、シェーグレンラルソ症候群、グロヴァー病、皮脂脂質の過剰産生、座瘡、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、第4度の火傷、日光性角化症、扁平上皮癌または黒色腫、または、
それらの組み合わせ、
であることを特徴とする請求項1記載の局所製剤。
【請求項4】
FLAP阻害化合物は、次の式(I)

(Aは、CHまたはNであり、R1は、-F、-Cl、-Br、-CN、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、-O-C1-C4アルキル、または-O-C1-C4フルオロアルキルであり、Rは、C1-C4アルキルまたはC1-C4フルオロアルキルである)の化合物、その薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物であることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の局所製剤。
【請求項5】
FLAP阻害化合物は、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル(indol)-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物A)、または、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物B)、または
それらの薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物、
であることを特徴とする請求項4記載の局所製剤。
【請求項6】
FLAP阻害化合物は、次の式(II)

(Rは、C1-C4アルキルまたはC1-C4フルオロアルキルであり、Rは、置換又は非置換の単環式又は二環式のヘテロシクロアルキルである)の化合物、その薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物であることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の局所製剤。
【請求項7】
は、

(Rは、H、-C(=O)Rまたは-SO2-C1-C4アルキルであり、Rは、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のヘテロアリール、または-O-C1-C4アルキルである)から成る基から選択されたものであることを特徴とする請求項6記載の局所製剤。
【請求項8】
式(II)の化合物が、次の

の構造を有することを特徴とする請求項7記載の局所製剤。
【請求項9】
FLAP阻害化合物は、
3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル(indol)-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物C)、
3-{5-(S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物K)、または、
それらの薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物であることを特徴とする請求項8記載の局所製剤。
【請求項10】
FLAP阻害化合物は、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-イソプロピル-1H-インドル(indol)-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(MK886)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(MK591)、
シクロペンチル-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)-フェニル]-酢酸(DG031; BAY X1005)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物A)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物B)、
3-5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物C)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物D)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物E)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物F)、
2-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イルメチル]-2-エチル-酪酸(化合物G)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物H)、
3-[5-((S)-1-アセチル-ピロリジン-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物I)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物J)、
3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物K)、または、
それらの薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物から選択されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の局所製剤。
【請求項11】
治療上効果的な量の第2の化合物を更に含み、
ここで、第2の化合物は、抗生物質、抗真菌剤、ステロイド抗炎症剤、非ステロイド抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、αアゴニスト、β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、縮瞳薬、プロスタグランジン、抗血管新生剤、エタボン酸ロテプレドノール、肥満細胞安定化薬、シクロスポリンまたはDP2アンタゴニストであることを特徴とする、請求項1乃至10の何れか1つに記載の局所製剤。
【請求項12】
FLAP阻害化合物を含む治療上効果的な量の局所製剤を、それを必要としている個人に投与する工程を含んでいることを特徴とする、皮膚科学の疾患、障害または疾病の処置方法。
【請求項13】
FLAP阻害化合物は、ロイコトリエン合成を阻害し、ロイコトリエン受容体を拮抗し、インターロイキン4(IL−4)合成を阻害し、またはムチン合成を阻害することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
局所製剤は、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スティック、リポソーム、ナノ粒子、パッチまたは創傷被覆材の形状であることを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項15】
FLAP阻害化合物は、式(I)

(Aは、CHまたはNであり、R1は、-F、-Cl、-Br、-CN、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、-O-C1-C4アルキル、または-O-C1-C4フルオロアルキルであり、Rは、C1-C4アルキルまたはC1-C4フルオロアルキルである)の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物であることを特徴とする請求項12乃至14の内の何れか1つに記載の方法。
【請求項16】
FLAP阻害化合物は、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル(indol)-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物A)、または、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物B)、または、
それらの薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物であることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
FLAP阻害化合物は、式(II)

(Rは、C1-C4アルキルまたはC1-C4フルオロアルキルであり、Rは、置換又は非置換の単環式又は二環式ヘテロシクロアルキルである)の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物であることを特徴とする請求項12乃至14の内の何れか1つに記載の方法。
【請求項18】
は、

から成る基から選択され、
は、H、-C(=O)Rまたは-SO2-C1-C4アルキルであり、
は、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のヘテロアリール、または-O-C1-C4アルキルであることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
式(II)の化合物は、
次の

の構造を有することを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
FLAP阻害化合物は、
3-5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル(indol)-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物C)、
3-{5-((S)-(1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物K)、または、
それらの薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物であることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
FLAP阻害化合物は、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-イソプロピル-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(MK886)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(MK591)、
シクロペンチル-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)-フェニル]-酢酸(DG031; BAY X1005)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物A)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物B)、
3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物C)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物D)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物E)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物F)、
2-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イルメチル]-2-エチル-酪酸(化合物G)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物H)、
3-[5-((S)-1-アセチル-ピロリジン-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物I)、
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドル-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物J)、
3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドル-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドル-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸(化合物K)、または、
それらの薬学的に許容可能な塩またはN−酸化物から選択されたものであることを特徴とする、請求項12乃至14の内の何れか1つに記載の方法。
【請求項22】
皮膚科学の障害は、
免疫不全、
増殖性の障害、
アレルゲン及び/又は刺激物との接触、かゆみ、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、水疱性障害、膠原病、乾癬、乾癬病巣、接触皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、酒さ、肥厚性瘢痕化、ケロイド瘢痕形成、皮膚硬化症、項部息肉性毛嚢炎、川崎病、シェーグレンラルソ症候群、グロヴァー病、皮脂脂質の過剰産生、座瘡、第1度の火傷、第2度の火傷、第3度の火傷、第4度の火傷、日光性角化症、扁平上皮癌または黒色腫であることを特徴とする請求項14乃至16のうちの何れか1つに記載の方法。
【請求項23】
疾患、障害または疾病が、瘢痕化であることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項24】
瘢痕化は、ケロイド瘢痕の形成を結果として生じることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
皮膚科学の疾患、障害または疾病は、外科手術に起因し、局所製剤は、外科手術の前又は後に投与されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項26】
刺激物及び/又はアレルゲンとの接触の前又は後に局所製剤が投与されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項27】
治療上効果的な量の第2の化合物を更に含み、
ここで、第2の化合物は、抗生物質、抗真菌剤、ステロイド抗炎症剤、非ステロイド抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、αアゴニスト、β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、縮瞳薬、プロスタグランジン、抗血管新生剤、エタボン酸ロテプレドノール、肥満細胞安定化薬、シクロスポリンまたはDP2アンタゴニストであることを特徴とする、請求項12乃至14の何れか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−513406(P2012−513406A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542551(P2011−542551)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/069065
【国際公開番号】WO2010/075314
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(510209672)パンミラ ファーマシューティカルズ,エルエルシー. (17)
【Fターム(参考)】