説明

皮膚科学上の被検物を処置するためのアレキサンドライトレーザシステム

【課題】皮膚の内部に良好に侵入できるレーザ光を発生するアレキサンドライトレーザを提供する。
【解決手段】アレキサンドライトを使用することによって、赤外線近傍、特に755nm周辺の50nmの範囲における発振が可能となる。この範囲の赤外線によって、メラニン吸収に比較したヘモグロビン吸収の割合がなお許容範囲でありながら、良好な侵入が可能となる。発振において、レーザは、5ないし100m秒の持続時間および10ないし50J/cm2 のフルエンスを有するパルスを発生する。患者の皮膚科学上の標的にレーザ光出力パルスを伝える光伝達装置が提供される。本発明は、また、脱毛装置を示す。ここでは、処理される皮膚部分に屈折率整合(index-matching)応用を使用することが望ましく、可視的な指示剤は、熱または光の反応物、あるいは目に見える変化を生成するレーザ光パルスに対する他の反応物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連の出願
本出願は、本願明細書の一部をなすものとしてここに引用するホレース・ダブル・フルモトによる「ピーク温度の制御のための物質のパルス間欠的加熱、およびレーザ加熱効率の改良」という発明の名称である1996年4 月9 日に出願された米国仮特許出願第60/015,082号にもとづいて優先権を主張するものである。本出願は、本願明細書の一部をなすものとしてここに引用するホレース・ダブル・フルモト等による「不要な静脈の処置方法およびその装置」という発明の名称である1996年11月7 日に出願された米国特許出願第08/745,133号にもとづいて優先権を主張するものである。
本出願は、また、本願明細書の一部をなすものとしてここに引用するホレース・ダブル・フルモト等による「脱毛のためのアレキサンドライトレーザ装置およびその方法」という発明の名称である1996年11月7日に出願された米国特許出願第08/744,344号にもとづいて優先権を主張するものである。
【0002】
脚の静脈(leg vein)、ポートワイン母斑、他の拡張性血管障害、および入れ墨を含む色素障害のような種々の皮膚科学上の問題等を処置するのに使用されるアレキサンドライトレーザシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
選択光熱分解(photothermolysis)の原理が、多くのレーザ処置の基礎をなし、脚の静脈(leg vein)、ポートワイン母斑、他の拡張性血管障害、および入れ墨を含む色素障害のような種々の皮膚科学上の問題等を処置するのに使用される。標的とする組織を含む皮膚層および表皮膚層には、一般にレーザまたはフラッシュランプから光が照射される。この光の波長または色は、エネルギが組織において優先的または選択的に吸収されるように選ばれる。これによって、成分である蛋白質が性質を変える部分、または色素部分が消散する部分の温度を上昇させることを意図した局所的な加熱が引き起こされる。
【0004】
照射光のパルス持続時間もまた、光を選択するには重要な要素である。パルスの持続時間があまりにも長いと、組織によって吸収される熱は周辺の組織に拡散し、必要な温度にまで選択的に加熱されない。しかし、パルス持続時間があまりにも短いと、血液ヘモグロビンまたは入れ墨染料分子のような光吸収化学物質は早急に加熱されて蒸発する。適切なパルス幅が、標的とされる組織の熱拡散時間にマッチすることは、理論的に強制されている。ポートワイン母斑に含まれる小さい血管では、例えば、熱拡散時間はマイクロセカンド(μsec)から数ミリセカンド(msec)の百倍のオーダとなりうる。大きな脚の静脈は、5から100msecの範囲の熱拡散を有する。色素障害分子はナノセカンド(nsec)の短い熱拡散時間を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
皮膚科学上の被検物における選択光熱分解のために、種々のタイプのレーザがテストされている。自然に起こる皮膚科学上の着色、さらに入れ墨の処置にQスイッチアレキサンドライトレーザが成功的に使用されている。脱毛に長パルスのルビーレーザが提案されている。ネオジミウムヤグ(Nd:YAG)レーザ(1060nmで発振する)、およびアルゴン(488〜514nmの範囲で発振する)が拡張した血管の処置に提案されている。最も成功的な血管処置は、色素レーザ、特にフラッシュランプ励起パルス色素レーザを使用することによって達成されている。これらのレーザは、ヘモグロビンの吸収バンドピークである577〜585nmの範囲で発振し、また、良好な選択性を提供するパルスモードで発振する。色およびパルス持続時間の適切な選択で、小さい血管を処置する時に50%よりも大きい比率の成功が一般的である。あいにく、色素レーザはパルス持続時間が1.5ミリ秒よりも小さく限定される。したがって、ミリ秒の百倍のパルス持続時間が要求される大きい組織の処置には、少なくとも上述の原理に従うと、色素レーザは不適当である。周波数二倍のネオジミウムヤグが、532nmで長パルスを生成するための技術として提案されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、皮膚科学上の被検査物を処置するための長パルスアレキサンドライトレーザを示す。アレキサンドライトを使用することによって、近赤外線、特にアレキサンドライトが波長可変な760nm近傍の100nmの範囲で発振可能となる。約755nmおよび周辺50nmの範囲±25nmで発振することが理想的である。この範囲の赤外線は、メラニン吸収に比較したヘモグロビン吸収の割合がなお許容範囲でありながら、良好に侵入する。さらに、長パルスアレキサンドライトレーザを使用することは、色素障害および入れ墨に代表的に使用される短パルスのレーザのQスイッチバージョンに比較して、2つの利点がある。
1)大きい皮膚科学上の組織の熱的緩和時間にパルス持続時間が整合しうる。
2)Qスイッチ素子を取り除くことによって、レーザシステムは安定し、発振が容易となる。
【0007】
理想的には、レーザは、5ないし100msecの持続時間を有し、伝達されたフルエンス、すなわち平方センチメートル当たりのジュール(J/cm2 )が10ないし50J/cm2 であるレーザ光出力パルスを発生する。0.1ないし10cm2 のスポットサイズが、標的部位の効率の良い変換のためには好ましい。患者の皮膚科学上の標的部位にレーザ光出力パルスを伝達する光伝達システムが設けられている。
【0008】
特定の実施形態においては、パルスには、半球形状の共振器構造による多重共振モードが含まれる。好ましくは、共振器ミラーのうち少なくとも1つの曲率半径が、レーザ出力パルスの発生中にアレキサンドライト利得媒質に生じる熱レンズの焦点距離よりも小さい。これにより、このレンズに対するレーザの感度が減じられる。
【0009】
この実施形態の他の構成においては、能動パルス形成回路がアレキサンドライトをポンプするための少なくとも1つのフラッシュランプを駆動するために使用され、この回路によって、パルス間欠的加熱は長パルス持続時間の効果を達成することができる。しかし、これらのパルス間欠的原理は、レーザが励起される他のタイプのフラッシュランプに一般化される。
【0010】
一般には、パルス間欠的加熱技術は、また、フラッシュランプで励起される他のタイプのレーザに適用される。例えば、色素レーザ、ルビーレーザ等に、選択光熱分解応用で要求される限定された周波数の効果的な長パルスを効率的に発生する方法としてである。これらの技術は、一連のレーザ光パルスを、例えば血管のような標的組織の熱的緩和時間の全持続を有する限定された使用率で使用することをあてにする。パルスの全パワーは、標的とする血管を変性させるために必要である。パルス間欠的加熱技術は、レーザしきい値を得るために利得媒質によって吸収されるエネルギを減少させることによって、レーザを効率的に使用する。最も一般的には、パルス間欠的加熱は、10msecおよびそれ以上のパルスを要求するフラッシュランプ励起レーザのための皮膚科学上の応用において役に立つ。
【0011】
本発明は、また、長パルスアレキサンドライトレーザ脱毛装置を示す。本発明にアレキサンドライトを使用することによって、近赤外線における発振が可能となり、メラニン吸収に比較したヘモグロビン吸収の割合はなお許容範囲でありながら、毛包に対する良好な侵入が提供される。
【0012】
特定の実施形態においては、処置される皮膚部分に塗布する屈折率整合材を使用することが望ましい。この材料は、皮膚へのレーザ光のより良好な結合を提供する皮膚層を覆う。
【0013】
本実施形態の他の構成においては、皮膚に使用される局部指示剤が好ましい。近赤外線の皮膚照射によっては、例えば色素レーザを使用する時に見つけられる特徴的な皮膚色変化を生じない。したがって、処置の間に皮膚のどの部分がすでに照射されたかを正確に認識することは困難である。可視的な指示剤は、熱または光の反応物、あるいは目に見える変化を生成するレーザ光パルスに対する他の反応物である。これによって、操作者は皮膚の部分における既に処理された跡が分かる。
【0014】
皮膚は、ミリ秒より大きく、好ましくは約5ないし50msecの間レーザパルスで好ましくは処置される。各パルスは10ないし50J/cm2 のフルエンスを含むのがよい。各処置の間、皮膚の処置される各部分は好ましくは一つのパルスで照射されるが、複数パルスであってもよい。たとえそうであっても、永久および完全なレーザ除去は3から4回の反復処置を要求し、各回の処置の間は週から月にわたる長い休止時間である。
【0015】
本発明は、また、化粧用、すなわち非医療である不要な静脈の処置のための硬化治療と光処置方法との結合を示す。これは、先行技術からのフラッシュランプ励起パルス色素レーザ硬化治療アプローチと同様である。しかし、光にもとづく処置と硬化治療との間に12時間ないし6か月の休止時間をおくことによって、90〜100%の範囲における十分に増大した成功が達成されている。好ましくは、光にもとづく処置は硬化治療の前に行われる。しかし、休止時間後に、光にもとづく処置に続いて硬化治療が行われることによって、成功は達成される。
【0016】
特定の実施形態において、755nmの範囲で発振するアレキサンドライトレーザが好ましい光源であるが、フラッシュランプ源も使用できる。
【0017】
他の構成によれば、本発明はまた、不要な血管を処置するためのキットを特徴とする。キットは、血管の破壊を開始するのに適用される光を伴う血管への照射のための光源を備える。高張食塩水のような硬化剤が、また、血管への注入には必要である。血管への照射と血管への硬化剤の注入との間に休止時間を設けて待機させることを提示する指示手段が、光源とともに、望ましくは設けられる。
【0018】
種々の新規な構成の詳細および部品の結合、ならびに他の利点を含む本発明の上述の特徴、およびその他の特徴は、添付の図面を参照して詳述され、請求の範囲において指摘される。本発明の特定の実施形態は図により示されるが、発明をそれに限定するように示したのではないと理解される。本発明の原理および特徴は、本発明の範囲から逸脱しない範囲で種々の実施形態に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に、本発明の原理により構成されたアレキサンドライトレーザ装置を示す。アレキサンドライトレーザ108は、アレキサンドライト結晶利得媒質110が通常中心に配置された周囲に、一般的に一つ以上のフラッシュランプLP1およびLP2が配置されている。フラッシュランプLP1,LP2は、直接、またはレフレクタ112を介して利得媒質を照射する。
【0020】
アレキサンドライトレーザの使用は、いくつかの理由から他のレーザ装置にとっても好まれる。577〜585nmの範囲で発振するパルス化された色素レーザは、メラニンに比較してヘモグロビン(deoxy-hemoglobin)(Hb)および酸素ヘモグロビン(oxy-hemoglobin)(HbO2 )によって十分に吸収される。これにより、良好な選択性が提供され、つまり色素レーザが選択される意義がある。しかし、問題は、メラニンの全吸収が極めて高いことである。結果として、レーザ光は皮膚層に極めて深く侵入しない。効果的に皮膚組織に到達するためには、光は5ミリメータまで深く侵入しなければならない。
【0021】
694nmで発振するルビーレーザは、メラニンの吸収がこの波長では増加的に低いので、良好な侵入が達成される。しかし、問題は、HbおよびHbO2 がこの波長では低い吸収を有することである。
【0022】
これに対して、新規なアレキサンドライトレーザ装置が発振する755nm周辺の50nmの範囲においては、ルビーレーザに比べてメラニン吸収は低い。したがって、より良い侵入が達成される。しかし、より重要なことに、この範囲におけるHbの吸収ピークおよびHbO2 の吸収は、ルビーレーザの波長においてよりも十分に高いという事実である。
【0023】
アレキサンドライトレーザを使用すると、さらに、より実利的な利点を有する。長パルス色素レーザおよびルビーレーザは、非効率となりがちであるため、素子が大きい。さらには、パルス化された色素レーザは、赤外線において効率的でない色素利得媒質を要求するというさらなる欠点を有する。これに対して、長パルスのアレキサンドライトレーザ装置は、十分に小さく、フラッシュランプからレーザ光パルス出力へのエネルギ変換が、色素レーザまたはルビーレーザよりも効率的である。
【0024】
色素レーザに対するアレキサンドライトレーザのさらなる利点は、色素レーザよりも長い持続時間であるため、大きい皮膚組織を処置することができることである。
【0025】
長パルスのアレキサンドライトレーザ108を使用することは、また、入れ墨の除去および色素障害処置のために従来使用されている他のアレキサンドライトレーザシステムに比較して、確実な利点を有する。歴史上、アレキサンドライトレーザは、一般的に改良が困難とみなされている。レーザ空洞共振器におけるQスイッチ素子は、レーザの動作を不安定にしていた。本発明のレーザ装置108は、Qスイッチ素子が取り除かれ、利得媒質レーザは長パルス持続時間に駆動される。これによって、レーザの動作は改良されている。
【0026】
アレキサンドライト結晶110は、レーザ光出力パルス125をレーザの共振する空洞共振器で発生する。空洞共振器の共振は、ミラー118および120によって決定される。ミラー120は、一部のみを反射し、したがってレーザ出力開口を提供する。しかし、出力開口ミラー120の反射は、相対的に高い。一般に、Qスイッチレーザにおいては、出力開口ミラー120の反射率は50%以下である。これにより、高いピークパルス出力が生成されるが、短いパルス持続時間である。これに対して、この長パルスのアレキサンドライトレーザ装置では、駆動要因は、レーザのポンピングしきい値をまさに越えたところで動作する時に、レーザの効率を増加させることである。結果として、本発明のミラー120の反射率は、一実施形態において、好ましくは70%,80%以上である。
【0027】
好ましい実施形態では、共振器鏡118と120によって定められる空洞共振器は、半球に近いものである。このような形状では、出力反射鏡120は平板か平板に近い反射鏡であり、全反射鏡118は曲面である。好ましくは、この曲面の半径は、0.5 〜1mである。
【0028】
好ましい実施形態である球面共振器の出力反射鏡118の曲面の半径、または、異なる半径の鏡を同心円上に組み合わせて共振させた場合ではそれら複数の鏡の半径は、アレクサンドライト結晶110の熱レンズを補正するために、小さい方が好ましい。熱レンズは、レーザロッド110内の熱勾配によって形成される。
【0029】
慣例的な技術によって、アレクサンドライト結晶110の周辺を冷やすこともある。レーザ出力に変換されない吸収熱は、結晶体110の周辺に流体、冷媒液又は気体等を流すことによって、放熱しなければならない。この放熱によって、結晶体の長手方向の中心軸の温度が最も高くなっていると思われ、結晶体内部に熱勾配が生じる。この熱勾配によって形成された熱レンズは、正の温度増加係数を有することが最も重要であり、そのときに、熱レンズが活性化する。一般に、レーザ共振器は、熱レンズによって共振器に付加されるパワーを補正するように設計される。この問題は、レーザを異なるパワーで異なる出力に励起させるような場合に、熱レンズが可変であるときに生じる。このために、通常市販されているレーザは、一定した平均パワーで励起され、可変出力は、吸引または反射減衰器を有するような他の手段によって得られる。
【0030】
しかしながら、脚の静脈や毛包またはそれよりも大きい皮膚組織に光熱分解の原理を施すようなときに、超長パルスを継続させるには固有の問題が起きる。このとき必要なパルス持続時間は、1から100msecであり、5msecよりも長いことが好ましい。アレキサンドライト結晶は、結晶がレーザ光を発しているときに熱レンズを形成する。この動的レンズは、静的光学要素を用いて矯正することができない。
【0031】
本発明では、動的レンズの影響を最小とするように光共振器を選択することができる。明らかに、反射鏡118、120のパワーは、パルスが発生している間に発生する熱によってアレクサンドライト結晶に誘発される熱レンズのパワーよりも大きくなるように選択される。このように選択することによって、効果的に、パルスの間で熱レンズを矯正できることは当然である。
【0032】
本発明では、図示された反射鏡118の具体例のように、共振器鏡のうちの少なくとも1つが、誘発された熱レンズの焦点距離よりもずっと小さい焦点距離を有する高い曲率の曲面を有していることが必要である。熱レンズは、共振器の1ジオプターと同じ大きさのパワーを与えることができる。そして、熱レンズの影響を最小化するために、共振器鏡118のパワーが重要とされるべきである。一実施形態では、半径0.5 mの共振器鏡が4ジオプタ−の焦点距離を有するであろうし、これによって、どのような熱レンズでも1ジオプター止まりとなるので、共振器に与える影響が少なくなるであろう。比較によると、従来の共振器鏡では、複数の反射鏡がそれぞれ曲面を有していることがわかる。
【0033】
もう1つの設計要因は、共振器鏡118と120によって定められる共振器の長さである。好ましい具体例では、共振器は、相対的に短く、15インチまたは約38センチメ−タである。球面共振器は、熱レンズが機能すると不規則な動作をする。この熱レンズがあるので、共振器鏡118と120の間の間隔は、共振器鏡の曲面よりも小さくする。
【0034】
曲面の半径が短い共振器は、共振器のフレネル数を好適化するだろう。このフレネル数は、α/λDである。このとき、αは、ウエスト半径(waist radius)、λは波長、Dはミラー間距離である。最低次モードのレーザーでは、フレネル数は、当然ながら1単位と同じかこれよりも小さい。自由空間レーザはこの基準を用いて設計されている。ビーム拡散を無視してマルチモードレーザーを考慮すると、フレネル数は、1単位よりも大きくすることができる。実際、もし、高定型トップハット特性(a highly uniform top hat beam profile )が要求されるなら、それより高次数のモードが好ましい。例として、共振器鏡間距離を共振器鏡の曲面に殆ど等しい0.4 mとし、ロッドの断面が「ウエスト(waist) 」(高性能マルチモードレーザーでは、ウエストははっきりしないが)を誘導するならば、次のフレネル数を得る。これは、まさにマルチモードレーザであることを意味している。
【0035】
F=α/λD
α 3mm(ロッドの直径が1/4 ″として)
λ=0.755 micron
D=0.4 meters
α2 (3 ×10-3) 2
λD 0.755 ×10-6×0.4
【0036】
皮膚科および形成外科的処置のような表面処置のためのレーザシステムの設計は、一般に自由空間レーザを効果的に使用することとは異なる原理に基づいて行われる。自由空間レーザシステムにおいて、より低次数のモードを発生する傾向にあり、最低次数のTEM00モードを発生することが好ましい。TEM00レーザの性質は、良く知られている。近接および遠離場でのガウス空間のビーム特性は、容易に解析可能である。古典的なレーザのもとでは、TEM00モードは、長距離を伝搬させることができる。しかし、表面処置では、低次数モードレーザが深く浸透する必要はない。表面は、標的の境界外面と定義され、その標的に対するレーザ場の相互作用は、短いものであるが相互作用深さまで及ぶ。相互作用は、吸収または散乱の形式である。表面相互作用で重要なパラメータは、放射照度よりもむしろ、ビームの発散を誘発する表面における強さである。とくに、表面が表皮や皮膚層のように、高度に吸収と散乱を起こすようなものである場合には、表面で入射する放射場のビームの発散は、ほとんどが表面相互作用の結果であるということができる。それ故に、マルチモードの性質は、皮膚の処置部を温めるときに許容可能となる。
【0037】
空洞共鳴器からのパルスは、好ましくは、内科用の光伝達システム126に連結される。このシステムは、ファイバオプティックスを含むかなりの数の形式の異なるものの全てに該当する。図示例では、レーザ発振器から皮膚処置部への光ファイバ導光路を示している。光ファイバ導光路としては、特に、石英ファイバ光伝達機構を用いることができる。本発明の性質である長パルスは、石英ファイバの使用が可能である。相対的に、高エネルギがレーザ光出力パルス124とともに生じるが、20〜40Jという低ピ−ク出力にすると、光伝達システムに損傷を与えないで済む。
【0038】
高度マルチモードレーザの使用に伴って起こる問題は、生じた光線が低f数光学(low f number optics )を使用して伝播することが困難であるということである。光ファイバは商業的に利用可能であり、符号が入れられた装置ではコア直径からせいぜい1.5mmまでの直径を有するものであり、レーザからの高拡散ビームの焦点を合わせて光ファイバに入光する。
【0039】
ファイバの使用は、分節アーム(直線的に光路を曲げる機構のもの)と比較すると、利便性がよく低コストであり、他の有効性も有している。低出力準位で起動するレーザは、しばしば、環状出力特性を生じ、その周辺にのみレーザ光を発する。分節アームでは、この画像がそのまま標的に照射される。ファイバ光伝達システムは、そのようなビームを均質化し、出力装置に要求される定型トップハット特性を提供する。
【0040】
図2Aおよび2Bは、処置室内で使用されるレーザシステムの2つの装置を示している。これらは、目盛り部412と前面制御板514を有するメインユニット510を備えている。フットスイッチ516は、制御がし易いように設けられている。回転アーム520は、先端に手動部524が設けられた光伝達ファイバ126を支持する。手動部524は、放射始動のためのフィンガースイッチ526を有している。図2Bは、光伝達システム126として分節アーム528を用いた他の実施形態を示している。
【0041】
図3は、フラッシュライト駆動源122の回路図である。一般に、このような回路は、2つのキセノンフラッシュランプLP1,LP2に、シマーサプライ132と高電圧出力供給源130を連結している。よく知られているように、フラッシュランプLP1,LP2は高電圧出力供給源130によって駆動され、高電圧出力供給源130によって駆動されているときに、シマーサプライ132は、フラッシュランプLP1,LP2を一定の処置温度に維持し、光の発生は一瞬に近い。2組のコンデンサ・バンクCX 、CY には、それぞれ抵抗RX 、RY が並列におかれており、主に高電圧出力供給源130から蓄電し、アレクサンドライトをポンピングするためにフラッシュランプLP1,LP2を起こさせるパワーを供給する。1%有効レーザでは、50Jの出力であり、フラッシュランプで励起するエネルギは、およそ5kJでなければならない。これは、10cmまでの波長のフラッシュランプを用いることによって達成される。
【0042】
一般には、レーザフラッシュランプは、受動パルス形成回路(PFN)を通して高電圧出力供給源によって駆動される。本発明では、2つのIGBTトランジスタQ1、Q2を有するアナログ回路に置き換えて、能動PFNとする。IGBTパワースイッチは、SCRやサイリスターのように過大電流でONするだけのものではない。IGBTは過大電流を切ることができる。大きな標的が使用されるときは、パルス持続時間は、5〜50msec必要である。処置時、これらトランジスターは、通常、非伝導状態にある。
【0043】
フラッシュランプLP1,LP2はシマーサプライ132の両端間に接続される。IGBTドライバ134は、レーザ光パルスの発生を始める信号を送られる。トリガ信号は、両方のトランジスタQ1、Q2に送られる。一連のキセノンフラッシュランプLP1,LP2は、抵抗R7,R8を通じてアースされ、高電圧出力供給源130の両端間に接続される。そのとき、フラッシュランプには、高電圧出力供給源130と一連のコンデンサ・バンクCX 、CY の両方から電流が流れる。本発明では、コンデンサ・バンクCX 、CY は低コスト、コンパクト電気コンデンサから形成されることが好ましい。10cmまでの波長のフラッシュランプにとって、長パルスレーザしきい値に到達しうる電流をフラッシュランプに与えるために要求される電圧は、450〜900ボルトである。標準電気コンデンサは、450VDCと評価され、組み合わせることにより、それより高い電圧での使用が可能となる。
【0044】
高電圧出力供給源130の両端間にフラッシュランプを接続するのにトランジスターQ1,Q2を介したことで、従来の受動PFNとは異なる優れた特徴を有する。第1に、受動PFNでは、一般にパルス持続時間を選択して与えることが困難である。受動パルス形成回路は、1つのパルス持続時間を与えるのみである。それと比較すると、IGBTトランジスタQ1,Q2によって与えられるトリガパルスは、IGBTドライバを通すことによって、容易にデジタル制御され、レーザ特質とパワーの供給が一致するようなパルス持続時間を与えるだろう。
【0045】
図中のパルス持続時間選択器135としては、オペレーターが、5、10、20msecのいずれかを選択できるものであることが好ましい。パルスを唯一制限できるものは、損傷が出始める前にトランジスタQ1,Q2が伝導する電流である。しかしながら、この要因は、2又はそれ以上のトランジスタが、電流の需要と一致するように、接続されているので、回路によって生成されるパルス持続時間に厳しい上限を与えるものではない。
【0046】
さらに、能動PFNは、パルス間欠加熱技術への適用を見越して使用されたものである。図4Aは、レーザに供給されるパワーとレーザを照射された血管の温度を時間の関数で示したものである。トランジスタQ1,Q2を制御することによって、選択されたパルス持続時間Tsの間、一連の短いサブパルスが、使用率を満たすように発生する。各サブパルスは、1、2または3msecの持続時間を有している。
【0047】
パルス間欠加熱技術は、図4Bに示されるフラッシュランプ励起レーザのように、加熱の振幅を一定化する以上の効果を有している。ポンプパワーPaの一定のしきい値は、アレクサンドライトのような利得媒質でレーザが発光を始めるのに必要とされる。発生した光を圧縮し短パルスとすることによって、媒質を励起するようなポンプパワーのパーセンテージが上がり、図4Aの斜線部に示されるような出力ビームのパワーに到達する。図4Bに示されるように、一定の振幅モードでレーザを操作するとき、パワーのほとんどは、レーザしきい値に到達するのに消費される。このパワーは、熱としてほとんど失われ、液体冷却の必要と、パワー供給の需要が増加する。
【0048】
図4Aと図4Bに示されるように、パルス間欠加熱源によって皮膚科学上の標的部位に起こる温度上昇Tは、連続振幅加熱源によって起こるのとで、わずかな違いがある。パルス間欠加熱源を用いると段階的に温度が上昇するのに対し、連続振幅加熱源では徐々に増加する。この違いは、しかし、治療の効果に影響を与えるものではない。治療の効果は、組織が破壊されるかどうかを決定する温度の上限できまるものであるからである。
【0049】
パルス持続時間が短くなれば、一定振幅熱と比較したパルス間欠加熱技術の有効性は、ほとんど顕著には現れない。本発明のシステムに関しては、概ね、10msecよりも長いパルス持続時間が、パルス間欠熱を効果的にするのに必要とされる。
【0050】
1.脱毛方法
アレキサンドライトレーザシステムは、美容としての、すなわち医療としてでない脱毛に応用される。アレキサンドライトを用いることは、多くの理由があって他のレーザシステムよりも好ましい。アレキサンドライトであれば、760±100nmの範囲に調整できる。この範囲では、従来用いられたルビーまたはパルス色素レーザに比べ、多くの利点がある。
【0051】
577〜585nmの範囲で作動するパルス色素レーザは、図5に示すように、メラニンと比べてもデオキシヘモグロビン(Hb)およびオキシヘモグロビン(Hb02 )によく吸収される。これにより、良好な選択性が得られる。しかし、メラニンでの全体の吸収が非常に大きいのが問題である。その結果、レーザ光は、皮層にあまり深くは侵入しない。毛の生える皮膚組織を効果的に不活性にするには、光は5mmまで深く侵入して毛乳頭およびそれを取り巻く栄養血管に達しなければならない。
【0052】
694nmで作動するルビーレーザは、この波長ではメラニンの吸収がより少ないため、よく侵入できる。しかし、やはり図5に示すように、この波長では、HbおよびHb02 での吸収が小さいのが問題である。毛の成長を効果的にかつ永久に止めるには、光は毛乳頭に達するまで深く侵入して、かつ、毛乳頭のみならず周囲の栄養血管にも吸収されなければならない。ルビーレーザは、血液での吸収が小さいので、この破壊を成し得ない。先行技術で外部からの吸収材を用いるのは、この理由による。しかし、このような吸収材は、毛乳頭の深さに達しないため、問題の解決にはならない。
【0053】
これに対し、本発明のアレキサンドライトレーザが作動する755±50nmの範囲においては、ルビーレーザに比較して、メラニンでの吸収がより小さい。したがって、より深く侵入して約5mmの深さで毛乳頭に達し得る。しかも、さらに重要なことに、この範囲でHbでの吸収はピークに達し、Hb02 での吸収はルビーレーザの波長におけるよりも相当に大きい。これらの要因からレーザ光について以下のことが導かれる。第1に、毛乳頭およびその栄養血管の深さにまで侵入できる。第2に、メラニンおよびそれらの血管中の血液細胞に含まれるヘモグロビンに吸収されやすい。パルス持続時間が長いので、皮膚の表面と毛乳頭との間の細い血管中の血液は、受けた熱を周囲の組織に拡散し、変質するほどには加熱されない。毛乳頭中の血液は、大きい組織ではあるが毛乳頭の範囲内で熱がとどまるため、加熱される。
【0054】
他のレーザに比較してさらに利点となるのは、Qスイッチ素子なしのアレキサンドライトレーザが、一般的に色素レーザよりもパルスの長い継続時間を許容するという事実である。この事実は、光線のパルス持続時間が選択性に重要であるので適切である。パルス持続時間が長すぎると、毛乳頭や周囲の血管によって吸収される熱は、毛乳頭や血管が選択的にこれらの組織を破壊するのに必要な程度に熱せられないので、周囲の真皮組織に拡散する。しかし、パルス持続時間が短すぎると、ヘモグロビンやメラニン、小さな血管のような化学被検物を吸収する小さい血管は、過熱され、燃焼される。この結果、紫斑病、出血、燃焼を引き起こすだけでなく、毛の成長を永久に止める効果もない。比較的パルス持続時間の短いルビーレーザでは、永久脱毛に十分な成果が得られないのも、この理由による。
【0055】
好ましくは、レーザシステムは、脱毛のために1〜40msecの継続時間を持つレーザ光出力パルスで、処置される皮膚の部位を照射する。しかし、特に好ましいのは、大体5〜10msecの継続時間を使用した場合である。
【0056】
長パルスアレキサンドライトレーザは、また、入れ墨消散や色素障害処置のために先行技術に用いられた他のアレキサンドライトレーザシステムに比較して有効な利点を有している。歴史的に、アレキサンドライトレーザは、一般に実施するのが困難であると見られてきた。レーザ共振器におけるQスイッチ素子は、不安定レーザの運転の原因をなす。本発明のレーザシステムにおいては、Qスイッチ素子は取り外され、利得媒質レーザは長いパルス持続時間で作動される。これは、レーザの作動を改善する。
【0057】
本発明は、さらに、処置される皮膚に塗る1または2以上の局所塗布剤の使用を含む。ミネラルオイル、K−Yゼリーやその他のウェット、侵入、生体適合塗布剤は、好ましくレーザで処置される毛の生える皮膚の層に塗布される。その層は、大きな屈折力ある屈折率整合(gross refractive index-matching )を供給する。
【0058】
屈折率整合の層に加えて、感温性,感光性の照射のマーカは、屈折率整合層に分離層として含まれているか、または屈折率整合物質とともに共通の媒質(塗布剤)の中に含まれている。このサーモクロミックまたはホトクロミックマーカは、レーザ光の出力パルスの受光に応じて色や状態を変化させる。マーカには、オメガエンジニアリングインコーポレーテッドによって商業的に販売されている、公知の温度で液化する温度指示クレヨン(crayon)または液体が用いられる。ただし、これらの製品は、生体適合ではまだ用いられていない。
【0059】
サーモクロミックまたはホトクロミックマーカの使用は、近赤外線で皮膚を照射するときに役立つ。皮膚が577〜585nmのような短い周波数のパルス光を受けたとき、処置される皮膚の部分の記録として即時に表れる紫斑効果がある。この効果は、皮膚が近赤外線で照射されるときには生じない。しかし、例えば、光線や指示された熱に応じて、色や状態が変化するマーカの使用は、処置される皮膚の部分の有用な指示となる。
図6は、本発明に係るアレキサンドライトレーザを用いた脱毛技術を示すフローチャートである。
【0060】
まず、最初のステップ149において、ある患者について最初に不要な毛を含む皮膚部位への染毛が有用である。これは、特に明るい色の毛をもつ患者に有用である。この場合、商業的に利用される所定の暗い色で染毛される。患者は、レーザ処置の期間中、この染毛を実行する。この商業的な染毛により、毛乳頭に対して毛包の毛茎の中から深く侵入する染毛効果を得る。これは、毛乳頭およびその周囲の中の毛生成組織にレーザエネルギの吸収を促進し、そして選択性も向上する。
【0061】
ステップ150において、処置される皮膚部位は、屈折率整合層で最初に被覆される。ステップ152において、サーモクロミックまたはホトクロミックマーカもまた、場合によっては屈折率整合層とともに、皮膚部位に被覆される。
【0062】
つぎに、ステップ154において、皮膚部位はレーザ光パルスで照射される。皮膚部位の全表面は、皮膚上に分離するかまたはわずかに重なったスポットを用いて、約20J/cm2 で完全に照射される。スポットは、各毛包の処置が完全になされるように皮膚上に配置される。各塗布を継続する間において、皮膚を照射するに必要なレーザ光パルス数は、スポットの大きさとレーザのパワーに基づいて決定される。高パワーレーザは、5msecパルス継続期間で必要なエネルギーの20J/cm2 を達成でき、大きなスポットを用いることができる。7mm径スポット(seven millimeters spot size )は、回路技術に基づく利用可能なレーザパワーと、妥当な時間にそのエリアを十分に処置するに十分な大きさのスポットとの間で良好なトレードオフを表す。サーモクロミックまたはホトクロミックマーカは、すでに処置された皮膚の部分をオペレータに指示する。
【0063】
医学実験は、皮膚部位が同じ処置セッションで一度だけ照射されれば、良好な結果が得られることを示唆している。好ましくは、部位の各セクションは、20J/cm2 のフルエンスを供給する1つの5msecパルスを受けるべきである。
【0064】
ステップ156において、このプロトコルは、大体月間の長い休止期間後(after approximately month long intervening dwell intervals)に繰り返される。一般に、最初のセッションは、すべての脱毛に完全には成功しない。毛茎を含まない毛包に対しては、一般にいかなる毛の将来的成長をも終了させるには不十分に照射される。毛茎の付加吸収の欠如は、毛生成組織を十分に損傷するに十分な温度よりも低くなる結果を招く。最初の照射の間、毛を含む毛包の大部分は破壊される。つぎの休止期間において、前述の毛を持たなかった毛包は、処置の再実行時に新しい成長を示す毛包が破壊されるまで、それら自身の毛を成長させる。完全な脱毛のため、このプロセスは、一般にステップ149の再染毛を必要なだけ3,4回繰り返さなければならない。
【0065】
2.不要な静脈の処置方法
アレキサンドライトレーザシステムは、また、美容などの非治療学、不要な静脈の処置に有用である。静脈瘤と毛細管拡張症の脚静脈は、表面の血管拡張という点で共通する。静脈瘤の静脈は、拡がる伏在の静脈、拡がる表面の静脈、拡がる細静脈の3つのグループに分類されている。より包括的な分類でいうと、単に不要な脚静脈である。光療法、硬化療法、静脈脱離は、これらの状態を処置する典型的な方法である。どの療法も利点と欠点を持っている。本発明では、光療法と硬化療法とは結合されて、単一療法によっては達成できないような成功率と結果を得ている。
【0066】
図7Aは、本発明の原理を具現化した結合された光療法と硬化療法技術を示すものである。一般に、技術は、光療法の破壊的な結果をターゲット(標的)血管に実現させるアレキサンドライトレーザとこれに続く休止期間を用いるターゲット血管への近赤外線照射を含む。この期間の終了後、硬化療法は血管に実行される。一方、最初の硬化療法の後に休止期間が実行され、つぎに、後述する図7Bに示すように、不要な血管の近赤外線の照射が実行される。
【0067】
より詳しくは、光療法は最初にステップ310〜316で実行される。このプロセスの最初のステップ310は、ターゲットの静脈瘤や毛細管拡張症の脚静脈の大きさや深さを評価することである。一般に、熟練の医師は、測定装置を用いるかもしれないが、これを視覚的に実行する。
【0068】
ステップ312において、血管ターゲットの大きさに応じて、効果的なパルス持続時間と全体のフルエンスが指定される。パルス持続時間は、理想的には血管の熱的緩和時間に合致させるべきであり、熱的緩和時間は、血管の大きさに相関する。一般に、静脈瘤のような血管の処置のために、1msec以上の全体的に効果のあるパルス持続時間が望ましい。ただし、大きな血管の場合、好ましくは5〜100msecである。
【0069】
全体のフルエンスは、血管の大きさにより指定される。フルエンスは、パルス持続時間の経過後、それらの成分である蛋白質が変質する温度になるまで、血管の壁を励起するに十分に高くあるべきである。一般のターゲットでは温度は70°Cである。一般に、与えられた全体のエネルギーは、好ましくは5J/cm2 より大きく、通常、15〜30J/cm2 の範囲、特に好ましくは、大体20J/cm2 のフルエンスである。
【0070】
ステップ314において、照射光の波長は、血管のサイズと深さによって選択される。一般に、皮膚表面近くの小さい毛細管拡張症に対して、望ましい波長は577〜585nmである。この波長の限定された侵入深さは重大な障害ではないが、高い選択性が望ましい。しかし、深層のおよび/または大きな血管に対して、近赤外線は望ましい波長である。深層の血管は、真皮や表皮によって効果的に少なく吸収される波長を要求する。光線はメラニンによって吸収されることなしに血管に深く侵入できる。大きな横断面を持つ血管は、また、より大きく横断面における加熱のための近赤外線を要求する。図4は、755nmのアレキサンドライトレーザ光が、694nmの通常ルビーレーザ光よりも、ヘモグロビンと酸素ヘモグロビンの両方による吸収に好適であることを示している。
【0071】
図8は、ルーメン(lumen )の壁212によって囲まれたルーメン210の内部の血管の横断面を示す。矢印214によって示された入射光に対して、577〜585nmの範囲は、一般に血管の直接受光した壁の小さな区域に吸収される(符号216を参照)。これは、示された大きな血管に対して、光の破壊的効果を実現するエリアを制限する。これに対して、効果的に少なく吸収される近赤外線光が用いられるとき、加熱区域218は、内部210の大きな割合と血管の壁212の大部分を占めるように拡張される。大きな血管に対して、この拡張されたエリアは望ましい。特に好ましい光源は、755nmのアレキサンドライトレーザである。しかし、710〜810nmの範囲内であればアレキサンドライトレーザは、いくつかの成功を達成できる。フィルタ付きフラッシュランプ光源は、ルビー、半導体ダイオード、チタニウム添加水晶、Nd添加水晶と同様に可能である。
【0072】
図7Aに戻って、ステップ315において、照射の前に、温度または光検出照射マーカが、不要な血管を含む照射されるべき皮膚部位に塗布される。このマーカは、受光した皮膚の部分をオペレータに示す。マーカは、レーザの受光またはそれによる熱によって溶ける温度指示液または粘着物である。一例として、オメガエンジニアリングインコーポレーテッドによって生産されるオメガラック(OMEGALAQ)がある。ただし、この製品について生体適合の使用は確認されていない。
【0073】
サーモクロミックまたはホトクロミックマーカの使用は、皮膚に近赤外線を照射するときに有用である。577〜585nmのように短い周波数で皮膚が照射されるとき、処置される皮膚の部分の記録として即時に表れる皮膚の色変化がある。この効果は、皮膚が近赤外線で照射されるときには生じない。例えば光または誘導熱に応じて色または状態が変化するマーカの使用は、処置される皮膚の部分の有用な指示を与える。 つぎに、ステップ316において、不要な血管を含む真皮は、選択された波長、効果的なパルス継続期間、およびフルエンスを用いて照射される。しかし、一定のまたはほぼ一定の振幅のパルスが用いられ、好ましくは、本発明は、長パルス継続期間に対するパルス間欠的加熱技術による。
【0074】
つぎのステップ(318)は、光療法の後の待機期間または休止期間である。これは、12時間位に短くできるし、6カ月位に長くできる。その理由は、必要な休止期間は明らかでないからである。理論的には、この期間がターゲットの血管の中で光療法の破壊効果を十分に発達させるものであると考えられる。
【0075】
最後に、ステップ320において、硬化療法は、休止期間の満了の後、血管に実行される。これは、硬化剤が血管に注入される公知の技術にしたがって実行される。好ましくは、硬化剤として、高張食塩水、デキストロース、ポリドカナル(エトキシスクレロールとして知られている)が用いられる。リドカインやその他局所麻酔薬は痛みの抑制に有用なものとして付加される。これは、ここで引用する「硬化療法」に開示されている。
【0076】
図7Bは、本発明に係る結合された光療法と硬化療法の第2実施形態を示す。第2実施形態において、図7Bにおける326〜334の照射ステップの技術は、図7Aにおける310〜316の照射ステップで開示された技術と同様である。しかし、その差異は、ステップ326〜334の照射前に、硬化療法322が行われることである。硬化治療322の後に、休止期間のステップ324、照射ステップ326〜334と続く。
【0077】
レーザシステムは、キットの一部として販売されるかもしれない。そのキットは、図7A,7Bで示されたようなレーザ照射と硬化療法の結合をアドバイスする指示マニュアルを含む。また、キットは、硬化剤とともに、照射があったことを示すマーカも含む。
【0078】
結合された光療法と硬化療法についての実験結果
多数の患者は、最初に755nmで5msecパルスを発生するレーザで処置され、つぎに一般的プロトコルにしたがって硬化療法で処置された。
処置されるエリアは同一化され、テンプレートは、容易に同一化され得る形で処置される静脈のグループに適合させるように配置された。解剖学上のランドマークと皮膚障害は、エリアを正確に再現できるように、テンプレートの上にマークされる。つぎに、6つのパンチアウトが、処置サイトと「屈折率」の写真に、皮膚マーキングペンでマークされた。2つの基準線写真がとられた。つぎに、サイトは、レーザからそれぞれ照射される(1)15J/cm2 シングルパルス、(2)15J/cm2 ダブルパルス、(3)20J/cm2 シングルパルス、(4)20J/cm2 ダブルパルス、そして、30J/cm2 シングルパルスで処置される。この処置が実行された後、患者は、大体4週間でつぎの約束が与えられた。
【0079】
2度目の約束において、テンプレートは再び処置サイトに当てられた。ランドマークは合致された。屈折率マーキング孔も同様にマークされた。最初の処置セッションと同じプロトコルを用いて写真がとられた。エリアは、再び20J/cm2 シングルまたはダブルパルスを用いて処置された。
患者の何人かは、また、さらに4週間後に、3度目となる処置をされる。この処置は、各々の場合、20J/cm2 ダブルパルスが用いられて、同じプロトコルで実行される。
【0080】
すべての患者において、硬化療法は最後の光療法から4週間以内に実行される。各々の場合、拡大鏡を備えた30ゲージ針を用いて、残っているくも状血管の中に、23.4%ステライルの4〜7cc、非保存食塩水と2%ザイカロンが30:1で混合されたものが注入される。
【0081】
本研究の結果、ほとんどの患者は76%以上の血管の消散(clearing)を示し、患者の何人かは血管のほとんど完全な消散(resolution)を示した。図9は、実験で使用した多数の異なったフルエンスに対する結果を要約したものである。この実験は、特に15J/cm2 シングルパルス、20J/cm2 シングルパルス、20J/cm2 ダブルパルス、そして30J/cm2 シングルパルスで行われた。各々の場合、改善率の平均または中央値が80%を越えた。
【0082】
本発明は、特に好ましい実施形態に基づいて図示および記載されたが、当業者は、請求の範囲により限定された本発明の範囲を逸脱することなく形態と詳細に各種の変更を加えることが可能であると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
添付の図面において、異なる図を通じて同一部品には同一符号が用いられている。図面の寸法は正確ではない。その代わり、本発明の原理を図示することに重点がおかれている。
【図1】皮膚科学上の検査物の処置への新規なアレキサンドライトレーザ装置の使用を示す概略図である。
【図2】(A)および(B)は、アレキサンドライトレーザ装置の2つの実施形態の概略図である。
【図3】レーザ装置に対する新規なフラッシュランプ駆動源を示す回路図である。
【図4】(A)および(B)は、それぞれパルス間欠加熱および一定振幅加熱に対するパワー/上昇温度の時間関数である。
【図5】ヘモグロビンおよびメラニンのスペクトル吸収のプロット図である。
【図6】本発明による脱毛を示す処理図である。
【図7】(A)および(B)は、本発明の2つの実施形態による脚の静脈を処置するための光および硬化治療技術の結合を示す処理図である。
【図8】血管の断面と、近赤外線と対照的な577〜585ナノメータの光を使用することによって得られる異なる加熱効果を示す図である。
【図9】フルエンスおよびパルス結合の種々の結合に対する脚の静脈除去のパーセントを示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0084】
108…アレキサンドライトレーザ、118,120…ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚科学上の被検物を処置するためのレーザシステムであって、 1ないし50Jのエネルギーを発生し、有効持続時間が5ないし100ミリ秒で、フルエンスが10ないし50J/cm2 で、スポットサイズが0.1ないし10cm2 のレーザ光出力パルスを発生する長パルスアレキサンドライトレーザと、
前記レーザ光出力パルスを患者の皮膚科学上の標的部位に伝達する光伝達システムとを備えるレーザシステム。
【請求項2】
請求項1において、前記アレキサンドライトレーザの共振空洞が、多重共振モードで構成されるレーザ光出力パルスを発生するレーザシステム。
【請求項3】
請求項1において、前記アレキサンドライトレーザの共振空洞が、半球構造を有しているレーザシステム。
【請求項4】
請求項1において、前記アレキサンドライトレーザが、曲面全反射ミラーおよび平面または略平面部分反射ミラーを有し、それらのミラーがアレキサンドライト利得媒質を含む共振空洞を形成するレーザシステム。
【請求項5】
請求項1において、前記アレキサンドライトレーザが、全反射ミラーおよび部分反射ミラーを有し、それらのミラーがアレキサンドライト利得媒質を含む共振空洞を形成し、それらのミラーのうち少なくとも1つの曲率半径が、前記レーザ光出力パルスの発生中にアレキサンドライト利得媒質に生じる熱レンズの焦点距離よりも小さいレーザシステム。
【請求項6】
請求項1において、前記アレキサンドライトレーザが、全反射ミラーおよび部分反射ミラーを有し、それらのミラーがアレキサンドライト利得媒質を含む共振空洞を形成し、それらのミラーのうち少なくとも1つの曲率半径がそれらのミラー間の距離よりも小さいレーザシステム。
【請求項7】
請求項6において、前記ミラー間の距離が、前記レーザ光出力パルスの発生中にアレキサンドライト利得媒質に生じる熱レンズの寄与を考慮して、前記ミラーのうちの少なくとも1つの曲率半径よりも小さいレーザシステム。
【請求項8】
請求項1において、前記光伝達システムが、皮膚科学上の標的部位における少なくとも1cm2 の領域に前記レーザ光出力パルスを分布させるレーザシステム。
【請求項9】
請求項1において、前記アレキサンドライトレーザが、前記レーザ光出力パルスを0.5ないし10秒間発生するレーザシステム。
【請求項10】
請求項1において、前記長パルスアレキサンドライトレーザが、 アレキサンドライト利得媒質と、
そのアレキサンドライト利得媒質を励起するための少なくとも1つのフラッシュランプと、
その少なくとも1つのフラッシュランプに電力を供給するために接続される電源と、
その電源による前記少なくとも1つのフラッシュランプの駆動を制御する能動パルス形成回路とを有するレーザシステム。
【請求項11】
請求項10において、前記能動パルス形成回路が、前記電源との前記少なくとも1つのフラッシュランプの接続を開閉する少なくとも1つのトランジスタを有するレーザシステム。
【請求項12】
請求項10において、前記能動パルス形成回路が、前記電源との前記少なくとも1つのフラッシュランプの接続を開閉するように並列に接続される2以上のトランジスタを有するレーザシステム。
【請求項13】
請求項10において、前記能動パルス形成回路が、持続時間中に一連のサブパルスを含むレーザ光出力パルスを発生するように、前記少なくとも1つのフラッシュランプを流れる電流を変調するレーザシステム。
【請求項14】
皮膚科学上の被検物を処置するためのレーザシステムであって、
利得媒質と、
その利得媒質を励起するための少なくとも1つのフラッシュランプと、
その少なくとも1つのフラッシュランプに電力を供給するために接続される電源と、
その電源による前記少なくとも1つのフラッシュランプの駆動を制御して、持続時間中に一連のサブパルスを含むレーザ光出力パルスを発生するように、前記少なくとも1つのフラッシュランプを流れる電流を変調する能動パルス形成回路と、
前記レーザ光出力パルスを患者の皮膚科学上の標的部位に伝達する光伝達システムとを備えたレーザシステム。
【請求項15】
皮膚科学上の被検物のためのレーザ処置方法であって、
持続時間が5ないし100ミリ秒で、フルエンスが10ないし50J/cm2 で、波長が730ないし780nmのレーザ光出力パルスを発生させ、
そのレーザ光出力パルスを患者の皮膚科学上の標的部位に伝達するレーザ処置方法。
【請求項16】
請求項15において、多重共振モードで前記レーザ光出力パルスを発生させるレーザ処置方法。
【請求項17】
請求項15において、アレキサンドライトレーザの半球共振空洞に前記レーザ光出力パルスを発生させるレーザ処置方法。
【請求項18】
請求項17において、前記共振空洞を、アレキサンドライト利得媒質周囲の曲面全反射ミラーおよび平面または略平面部分反射ミラーで形成するレーザ処置方法。
【請求項19】
請求項15において、共振空洞を全反射ミラーおよび部分反射ミラーで形成し、
それらのミラーのうち少なくとも1つの曲率半径を、前記レーザ光出力パルスの発生中にアレキサンドライト利得媒質に生じる熱レンズの焦点距離よりも小さくするレーザ処置方法。
【請求項20】
請求項15において、共振空洞を全反射ミラーおよび部分反射ミラーで形成し、それらのミラーのうちの少なくとも1つの曲率半径よりも小さい距離でそれらのミラーを隔てるレーザ処置方法。
【請求項21】
請求項15において、一連の持続時間の短いサブパルスから前記レーザ光出力パルスを発生させるレーザ処置方法。
【請求項22】
脱毛レーザシステムであって、
持続時間が5ないし50ミリ秒で、フルエンスが10ないし50J/cm2 のレーザ光出力パルスを発生する長パルスアレキサンドライトレーザと、
前記レーザ光出力パルスを患者の毛の生える皮膚に伝達する光伝達システムとを備える脱毛レーザシステム。
【請求項23】
請求項22において、前記皮膚に塗られ、前記レーザ光出力パルスに可視的に反応する局部指示剤を備える脱毛レーザシステム。
【請求項24】
請求項23において、前記局部指示剤が、オペレータに、前記皮膚において前記レーザ光出力パルスですでに処置された部分であることを示す照射のマーカを与える脱毛レーザシステム。
【請求項25】
請求項22において、前記皮膚に塗られ、前記皮膚に深く侵入する前記レーザ光出力パルスとの結合を促進する屈折率整合剤を備える脱毛レーザシステム。
【請求項26】
請求項25において、前記屈折率整合剤および照射のマーカが共通の塗布剤に含まれる脱毛レーザシステム。
【請求項27】
請求項22において、前記長パルスアレキサンドライトレーザが、
アレキサンドライト利得媒質と、
そのアレキサンドライト利得媒質を励起するための少なくとも1つのフラッシュランプと、
その少なくとも1つのフラッシュランプに電力を供給するために接続される電源と、
その電源による前記少なくとも1つのフラッシュランプの駆動を制御する能動パルス形成回路とを有する脱毛レーザシステム。
【請求項28】
請求項27において、前記能動パルス形成回路が、持続時間中に一連のサブパルスを含むレーザ光出力パルスを発生するように、前記少なくとも1つのフラッシュランプを流れる電流を変調する脱毛レーザシステム。
【請求項29】
非医療的脱毛方法であって、
波長が710ないし810nmのレーザ光を発生させ、
前記レーザ光を1ミリ秒よりも長い有効パルス持続時間で毛の生える皮膚に照射する脱毛方法。
【請求項30】
請求項29において、10ないし50J/cm2 のフルエンスで前記毛の生える皮膚に照射する脱毛方法。
【請求項31】
請求項29において、1回の処置において1回だけ前記毛の生える皮膚の部分に照射する脱毛方法。
【請求項32】
請求項31において、複数回の処置を行う脱毛方法。
【請求項33】
請求項32において、各回の処置の間少なくとも数週間待機する脱毛方法。
【請求項34】
請求項29において、前記毛の生える皮膚に照射する前に、前記レーザ光に可視的に反応する局部指示剤を前記毛の生える皮膚に塗る脱毛方法。
【請求項35】
請求項29において、前記毛の生える皮膚に照射する前に、前記毛の生える皮膚に深く侵入する前記レーザ光との結合を促進する屈折率整合剤を塗る脱毛方法。
【請求項36】
請求項29において、一連のサブパルスで前記レーザ光を発生させる脱毛方法。
【請求項37】
請求項29において、波長が約755nmの前記レーザ光を前記毛の生える皮膚に照射する脱毛方法。
【請求項38】
不要な血管の非医療的処置方法であって、
前記血管または血管壁を変質させる光を前記血管に照射し、
前記血管に硬化療法を施し、
前記血管への照射と前記硬化療法との間に休止時間を設けて待機する処置方法。
【請求項39】
請求項38において、前記血管に硬化療法を施す前に、前記血管に照射する手順を行う処置方法。
【請求項40】
請求項38において、前記休止時間を設けて待機する手順において、12時間ないし6か月待機する処置方法。
【請求項41】
請求項38において、前記硬化療法を施す手順において、前記血管に硬化剤を注入する処置方法。
【請求項42】
請求項38において、前記不要な血管の大きさを観測し、
その観測した大きさに基づいて照射するパルスの持続時間を選択し、
その選択したパルス持続時間で照射する処置方法。
【請求項43】
請求項42において、前記照射にあたり、前記選択したパルス持続時間中に一連の別の光パルスを発生させる処置方法。
【請求項44】
請求項38において、前記不要な血管の深さを観測し、
少なくともその観測した深さに基づいて前記光の波長を選択し、
その選択した波長の光を照射する処置方法。
【請求項45】
請求項38において、前記血管に照射する手順において、近赤外光を前記血管に照射する処置方法。
【請求項46】
請求項45において、前記照射にあたり、選択したパルス持続時間中に一連の別の光パルスを発生させる処置方法。
【請求項47】
請求項38において、照射されることにより前記皮膚においてすでに照射された部分であることを示すマーカを前記皮膚に設置する処置方法。
【請求項48】
請求項38において、前記血管に照射する手順の前に、前記硬化療法を施す手順を行う処置方法。
【請求項49】
不要な血管を処置するためのキットであって、
前記血管の破壊を起こす光を前記血管に照射するための近赤外光源と、
前記光源を、前記血管への照射と前記血管への硬化剤の注入との間に休止時間を設けて待機させることを提示する指示手段とを備えたキット。
【請求項50】
請求項49において、前記血管へ注入するための硬化剤を備えたキット。
【請求項51】
請求項49において、前記指示手段において12時間ないし6か月の休止時間が好ましいとするキット。
【請求項52】
請求項49において、前記光源が、前記血管の熱的緩和時間に合致したパルス持続時間で前記血管に照射するキット。
【請求項53】
請求項52において、前記光源が、前記選択されたパルス持続時間中に一連の別の光パルスを発生させるキット。
【請求項54】
請求項52において、前記パルス持続時間が1ないし100ミリ秒であるキット。
【請求項55】
請求項49において、前記光源がアレキサンドライトレーザであるキット。
【請求項56】
請求項49において、前記近赤外光源からの光に反応するマーカを備えたキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−93469(P2008−93469A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340003(P2007−340003)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【分割の表示】特願2001−21982(P2001−21982)の分割
【原出願日】平成9年4月4日(1997.4.4)
【出願人】(501033084)サイノシュア・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】