説明

監視カメラ及び監視カメラシステム、赤外線検出装置

【課題】 一般家庭においても、簡単に、且つ安価に設置できる監視カメラを提供する。
【解決手段】 天井Sに取り付けて室内を撮像する監視カメラ20であって、シーリング型照明器具1の給電ソケット2に接続される接続プラグ6と、電線11を介し、接続プラグ6に受電可能に接続され、内部に撮像手段を備えるカメラ本体17と、電線11を収容すると共に、カメラ本体17を支持する屈曲可能なアーム13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯等のために屋内の天井等に設置して使用する監視カメラ、及び人物等を検出するための赤外線検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像手段(例えば、CCDカメラ)を内蔵して人物の撮像・監視を行う監視カメラは、金融機関、会社、美術館等の厳重なセキュリティの確保が要求される公共施設において普及しているが、近年、このような施設のみならず、一般家庭(特に、マンション)内においても設置されるようになってきている。
そして、係る監視カメラの設置にあっては、例えば、特許文献1に開示されているように、固定金具とカメラの画角調整用の可動金具(水平用、垂直用)を用いて天井や壁面高所にネジ止めにて取り付ける方法が一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−135671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の監視カメラ取り付け機構は、構造が複雑でコスト高となり、且つ、高所での取り付け作業は、手間と労力を有するものであり、また、可動金具による監視カメラの位置調整(水平方向の調整と垂直方向の調整)も容易ではなかった。また、これに加え、監視カメラの設置に際し、電力供給のためのカメラ用電源コードの引き込み作業も必要であり、場合によっては、天井に監視カメラを設置するための孔を設ける必要もあった。
従って、何らかの理由で、監視カメラの設置位置を変更したい場合は、上記同様の作業が必要であるため、一旦設置された監視カメラの監視状態を変更するのも容易ではなかった。
一方、上記した監視カメラ、侵入警報器、自動ドア、照明機器等では、人物を検知して動作を開始させるために赤外線検出装置が用いられ、又来客を検知するためにもこの種の検出装置が用いられている。
しかし、赤外線検出装置の検出器は、人体から発せられる5μm程度の赤外線を感知することが可能であるが、設置場所の温度変化や夏・冬の周囲温度によって感度(検出距離)が大幅に変動してしまう。このため、従来、例えば、検出信号を増幅するための増幅器を温度補償回路により制御することがあるが、非常に複雑な制御が必要となるため、装置が高価になってしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、公共施設だけでなく一般家庭においても、簡単に、且つ安価に設置できる監視カメラ、及び、該監視カメラを用いた監視システムを提供することを目的とし、又監視カメラ等に好適な赤外線検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明では、天井に取り付けて室内を撮像する監視カメラであって、シーリング型照明器具の給電ソケットに接続される接続プラグと、電線を介し、上記接続プラグに受電可能に接続され、内部に撮像手段を備えるカメラ本体と、上記電線を収容すると共に、上記カメラ本体を支持する屈曲可能なアームとを備え、上記カメラ本体の上記天井への取り付けと同時に該カメラ本体への電力供給を可能としたことを特徴としている。
【0007】
また、別の発明では、上記構成の監視カメラと、上記カメラ本体からの映像信号および/または音声信号をモニタ手段に送信する送信機と、該モニタ手段に接続されて上記送信信号を受信する受信機とを備えることを特徴としている。
更に、本発明の赤外線検出装置は、赤外線検出器の取付けられるブラケットと、該ブラケットに接触配置されるペルチェ素子と、該ペルチェ素子に対し外気温度に対応させて吸熱方向への電流及び発熱方向への電流を切り換えて供給する温度制御回路とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、既設のシーリング型照明器具の給電ソケットを利用することにより、監視カメラの天井への設置と監視カメラへの電力供給を同時に行うことが可能であり、監視カメラの新設や設置位置の変更に対して簡単、且つ安価に対応することができる。
また、カメラ本体を屈折自在のアーム(フレキシブルチューブ)で支持することにより、設置後の監視カメラの画角調整も容易に行える。
更に、本発明の赤外線検出装置によれば、夏等の高温時にはペルチェ素子に吸熱方向への電流を供給してブラケットを冷やし、冬等の低温時には発熱方向への電流を供給してブラケットを温めるので、赤外線検出器の感度を一定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る監視カメラの構成を示す分解斜視図である。
【図2】監視カメラの設置状態を示す斜視図である。
【図3】監視カメラの設置状態を示す要部断面図である。
【図4】カメラ本体の応用例1を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】照明装置の回路図である。
【図6】カメラ本体の応用例2を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】送信機の回路構成を示すブロック図である。
【図8】受信機の回路構成を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る赤外線検出装置の正面図である。
【図10】本発明に係る温度制御回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1〜図8に基づいて、本発明に係る実施の形態を説明する。
【0011】
先ず、図1〜図3を用いて監視カメラの構成について説明する。
図1は本発明に係る監視カメラの構成を示す分解斜視図、図2は監視カメラの設置状態を示す斜視図、図3は監視カメラの設置状態を示す要部断面図である。
図中の符号1は、既に天井Sに設置されているシーリング型照明器具としてのダウンライトを示し、符号2はその給電ソケットである。尚、照明器具(電球)は取り外されている。
【0012】
本発明の監視カメラ20は、上記ダウンライト1の給電ソケット2およびその取付カバーを覆うメインカバー3、給電ソケット2に接続される接続プラグ6、商用電源AC100Vより所定のDC電圧(本実施例では、DC5V)を発生するアダプター(ACアダプター)9、アダプター9の電源コード11を収容するフレキシブルチューブ(アーム)13、フレキシブルチューブ13を挿通する抑えバネ12、頂面中央のコード孔15より該フレキシブルチューブ13を挿通させると共に、抑えバネ12を介在してアダプター9を収容するサブカバー14、フレキシブルチューブ13により支持されるカメラ本体17、等で構成されている。
【0013】
上記構成の監視カメラ20の天井Sへの取り付け手順は、以下の通りである。
先ず、ダウンライト1の給電ソケット2に接続プラグ6の口金7をねじ込んで装着した後、ダウンライト1の全体を覆うメインカバー3を天井S面に取り付ける。
メインカバー3の取り付けは、メインカバー3のネジ孔4に挿通された図示しないネジにて天井S面に固定する。このメインカバー3の中央には、3つの係合突起5aを設けた略円形の取付孔5が形成されている。
【0014】
次に、給電ソケット2に装着された接続プラグ6のプラグ差込口8に、アダプター9のプラグ端子10を差し込んで受電可能な状態とする。
【0015】
続いて、サブカバー14をメインカバー3に取り付けて、カバー内にアダプター9を収容する。
サブカバー14の基端部には、上記3つの係合突起5aに対応する3つの係合爪14aが設けてあり、該係合爪14aと取付孔5の凹部5bの位置を合わせてサブカバー14の基端部を取付孔5に嵌合させ、左右何れかの方向に回動させると、取付孔5の係合突起5aにサブカバー14の係合爪14aが係合する。このとき、サブカバー14は、収容した抑えバネ12の弾性にて常時下方に付勢された状態でメインカバー3にきつく結合された状態となる(図3参照)。
【0016】
同時に、サブカバー14内に収容されているアダプター9については、上記抑えバネ12の弾性にて常時上方(プラグ端子10の差し込み方向)に付勢されているため、プラグ差込口8に差し込まれたプラグ端子10が緩んだり脱落したりする虞はない。
【0017】
フレキシブルチューブ13の上端部は自由端とされ、下端部はネジ16結合(或いは、カシメ、溶接、接着等の固着手段でも良い)にてカメラ本体17のケーシング17aに固着されている。また、該フレキシブルチューブ13の中空部に収容されているアダプター9の電源コード11(DC5V、GNDの各ライン)は、カメラ本体17の内部において、図示しない回路基板の電源ラインに接続されている。
【0018】
カメラ本体17は、図示しない撮像部(例えば、CCDカメラ)を内蔵して室内に侵入した人物等を撮像する部分であり、そのケーシング17aには、カメラレンズ19が配設されている。また、この他、ケーシング17aには、撮像部が撮像した映像を表示するモニタ部18、人体検知用の本発明の赤外線検出装置の赤外線検出器22、マイクロホン21等が配設されている。
また、カメラ本体17内には、撮像データを蓄積するためのフレームメモリが搭載されており、カメラ本体17の図示しない釦操作により、該メモリに蓄積されている撮像データをモニタ部18に表示できるようにもなっている。
【0019】
上記した取り付け手順により、本発明の監視カメラ20は、図2に示すように、既設のダウンライト1の給電ソケット2を利用して天井Sに垂下状態にて設置され、カメラ本体17の天井Sへの取り付けと同時に該カメラ本体17への電力供給を可能としている。
【0020】
また、監視カメラ20設置後のカメラレンズ19の位置調整(画角調整)は、カメラ本体17を支持するフレキシブルチューブ13を必要に応じてグースネック形状に湾曲させ、カメラ本体17の向きを上下左右に自在に変えることにより可能である。画角調整の際は、カメラ本体17のモニタ部18に表示される映像を目安にすると良い。
【0021】
以上、本実施形態の監視カメラ20によれは、既設のシーリング型照明器具1の給電ソケット2を利用することにより、監視カメラ20の天井Sへの設置とカメラ本体17への電力供給を同時に行うことが可能であり、監視カメラ20の新設や設置位置の変更に対して簡単、且つ安価に対応することができる。
また、カメラ本体17をフレキシブルチューブ13で支持することにより、設置後のカメラ本体17の画角調整も容易に行える。この際、モニタ部18の撮像映像を目安にすると効率良く画角調整が行える。
【0022】
次に、本発明の応用例を示す。
〔応用例1〕
図4は、カメラ本体17の応用例1を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である
本例では、図4に示すように、カメラ本体17のケーシング17aの下部両側部に、アダプター9のGNDラインが接続される−給電部26とDC5Vラインが接続される+給電部25が設けられ、これら給電部25、26を利用して照明装置30が着脱自在に装着できるようになっている。
【0023】
上記照明装置30は、基板31、該基板31の実装面(下面)に実装される光源32、該光源32からの光を集光させる円錐台状の反射ミラー36、基板31の半田面(上面)に設けたL型板状の−電極33(GND)と+電極34(DC5V)、これらが搭載された基板31を収容するケーシング35で構成されている。光源32への給電は上記電極33、34を介して行われる。
【0024】
図5は、上記照明装置30の回路図であり、LED1、2は光源となるLED(発光ダイオード)、D1は逆電圧防止用ダイオード、R1、R2は電流制限用抵抗である。尚、LED1、2は、図4のLED32に対応している。
【0025】
上記構成の照明装置30では、電極33、34にてカメラ本体17の給電部26、25を両側から挟み込むというワンタッチ操作により、図4(b)に示すように、照明装置30をカメラ本体17の下方に給電部26、25を支点として前後に揺動可能に装着することができ、且つ、該照明装置30は、その際の板状電極33、34の奏する弾性挟持力で保持可能となる。
また、本例では、電極33の先端部を凹形に、電極34の先端部を凸形に形成することで、照明装置30を誤って逆装着した場合に上記した照明回路への給電が不可となるように考慮されている。
【0026】
以上、応用例1によれば、カメラ本体17に照明装置30を装着することにより、監視カメラ20の設置のために取り外されたダウンライト1の照明効果を補償することができる。
また、照明装置30の着脱は、ワンタッチの簡単操作で行えるため、使い勝手は極めて良い。
【0027】
〔応用例2〕
図6は、カメラ本体17の応用例2を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である
本例では、図6に示すように、カメラ本体17のケーシング17aの下部両側部に、アダプター9のGNDラインが接続される−給電部26とDC5Vラインが接続される+給電部25が設けられ、これら給電部25、26に送信機40が着脱自在に装着できるようになっている。
【0028】
カメラ本体17への送信機40の装着構造は、上記した照明装置30の場合と同様で、送信機40のケーシング40aに設けた板状の−電極42(GND)と+電極(DC5V)にてカメラ本体17の給電部26、25を両側から挟み込む構造である。
また、カメラ本体17の底部にコネクタ27が設けられ、該コネクタ27よりケーブル43を介して送信機40に各種信号(撮像部からの映像信号、マイクロホン21からの音声信号等)が転送されるようになっている。
【0029】
図7は、上記送信機40の回路構成を示すブロック図である。
図7において、符号51はケーブル43を介してカメラ本体17より転送されてくる信号を受信するIF部(インタフェース部)である。
符号52はIF部50が受信したベースバンドの信号を変調し、RF(Radio Frequency)信号を出力する変調器で、RF発生用のPLL(Phase Lock Loop)発振信回路が内蔵されている。
符号53はRF信号を電力増幅するPower AMPである。
符号54はBPF(Band Pass Filter)、符号55はBPF54を通過したRF信号を後述する受信機60に送信する送信アンテナである。
符号56は、チャンネルSW57の設定に基づいて変調の際の高周波を2.4〜2.45GHzの周波数範囲で切り替え制御するMCU(Micro Control Unit)である。
符号58、59は、電極41、42より給電されたDC5Vを元に、所望の制御DC電圧(例えば、DC3.3V、DC1.8V)を発生するAVR(Automatic Voltage Regulator)である。
【0030】
上記した構成要素(電子部品)が実装された基板50がケーシング40aに収納されて送信機40を構成している。
尚、符号81は、アダプター9からの電力供給が遮断された場合(例えば、誤って壁スイッチをオフしてしまった場合)に、該アダプター9に代わり、ダイオード82を介して電力供給を行う電池である。
【0031】
また、図6に示すように、送信機40のケーシング40aの下部両側部に、アダプター9のGNDラインが接続される−給電部45と、DC5Vラインが接続される+給電部44が設けられ、これら給電部44、45に上述した照明装置30が着脱自在に装着可能になっている。
本構成では、照明装置30の電極33、34にて送信機40の給電部45、44を両側より挟み込むというワンタッチ操作により、照明装置30を送信機40の下方に給電部45、44を支点として揺動可能に装着することが可能であり、照明装置30は、その際の電極33、34の奏する弾性挟持力にて保持可能となる。
また、電極33の先端部を凹形に、電極34の先端部を凸形にすることで、誤って照明装置30を逆装着した場合に給電不可とし、照明回路を保護するようになっている。
【0032】
図8は受信機60の回路構成を示すブロック図である。該受信機60は、監視カメラ20とは別の場所に設置されているテレビ受像機やモニタ装置等のモニタ手段70に接続される。
【0033】
図8において、符号61は、上述した送信機40より送信されるRF信号を受信する受信アンテナである。
符号62はBPF(Band Pass Filter)、符号63は該BPF62を通過したRF信号を増幅するRF AMPである。
符号64はRF信号をベースバンド信号に復調する検波器で、検波用の高周波を発生させるPLL(Phase Lock Loop)発振回路が内蔵されている。
符号65は復調されたベースバンド信号を映像信号と音声信号に分離する信号分離部である。
符号66は上記信号分離部65において分離された映像信号と音声信号をそれぞれ電力増幅し、映像信号をモニタ手段70のVideo入力端子71に送出し、音声信号を音声入力端子72に送出するVideo AMPである。
符号67は、チャンネルSW68の設定に基づいて復調の際の高周波を2.4〜2.45GHzの周波数範囲で切り替え制御するMCU(Micro Control Unit)である。尚、送信機40側でのチャンネル指定と受信機60側でのチャンネル指定は一致させておく必要がある。
符号69は商用電源AC100Vより制御電圧DC5Vを発生する電源部である。
【0034】
また、符号75は上記信号分離部65において分離された映像信号及び音声信号をそれぞれデータ圧縮する圧縮回路である。
符号77は有線ラン78を介して外部装置との通信接続制御を行うランコントローラ、符号76は該ランコントローラ77の動作を制御するMCU(Micro Control Unit)である。
このように、監視カメラ20より受信した映像信号や音声信号を有線ラン78を介して外部装置としてのモニタ手段に送信することにより、電波の届かない場所においても、映像や音声による監視が可能となる。
また、インターネットを使用すれば、携帯電話により遠隔地での監視も可能である。
【0035】
上記した構成要素(電子部品)が実装された基板が図示しないケーシングに収納されて本発明の受信機60を構成している。
【0036】
以上説明した監視カメラ20、送信機40、受信機60により、本発明による監視カメラシステムが構成される。尚、受信機60とモニタ手段70とは、プラグインにより接続可能である。
ところで、本発明の赤外線検出装置80は、図9に示すように、赤外線検出器22(図2参照)を備えている。この赤外線検出器22は焦電型であり、本実施例では焦電型赤外線検出器(製品名:RE210、日本セラミック株式会社製)が用いられており、5.0±0.5μmの赤外線を検出する。
赤外線検出器22は取付板81を介してブラケット82に取付られている。ブラケット82の平坦な上面にはペルチェ素子83が固着されている。ペルチェ素子83上には放熱用ブラケット84が固定されている。
ペルチェ素子83は、図10に示す温度制御回路85に接続されている。この温度制御回路85は、電源VDD(5V)にエミッタが接続されているpnp形トランジスタ86を有し、このトランジスタ86のコレクタにペルチェ素子83の一端及び他のnpn形トランジスタ87のコレクタが接続されている。pnp形トランジスタ86と並列的に接続されているpnp形トランジスタ88のコレクタには、ペルチェ素子83の他端及び他のpnp形トランジスタ89のコレクタが接続されている。このトランジスタのベースにはスイッチング用のトランジスタ90が接続されている。そして、更に並列的に接続されているサーミスタ91の接地例にはトランジスタ90のベースが可変抵抗器を介して接続されている。
ここで、ペルチェ素子83と温度制御回路85との動作を説明する。
周囲温度が低く、サーミスタ91が不導通であると、トランジスタ86が導通してペルチェ素子83に発熱方向への電流が供給され、該素子83が発熱してブラケット82を加熱する。
これに対し、周囲温度が高く、サーミスタ91が導通すると、スイッチング用トランジスタ90がONし、トランジスタ88が導通する。このトランジスタ88からは吸熱方向への電流がペルチェ素子83に供給され、該素子83の出力側からトランジスタ87にこの電流が流れる。従ってペルチェ素子が吸熱してブラケット82を冷却する。ブラケット82からの吸熱した熱分は放熱用ブラケット84により放熱される。
以上のように、ブラケット82が一定温度に保たれるので、赤外線検出器22も一定温度に保持され、感度(検出距離)を一定に維持することができる。
本発明の赤外線検出装置80は、本実施例では、カメラ本体17内に配置されているがカメラ本体17の外壁に取付けてもよい。また、同装置80は撮影部の動作開始のために用いているが、照明装置の動作開始に兼用してもよい。
また、同装置80は、本実施例だけでなく、侵入警報器、自動ドア、来客検出装置等に適用可能である。
【0037】
以上、本実施形態の監視カメラシステムによれば、上述した監視カメラ20の奏する効果に加え、送信機40を着脱自在とし、必要に応じて装着する構造としたので、送信機40を装着せず、カメラ本体17に蓄積された映像をモニタすることも可能であり、これにより簡易な監視が行える。
また、撮像映像のモニタ手段として専用のモニタ装置を用いず既設のテレビ受像機を使用してモニタ可能であるから、安価にシステム構築でき、且つ、映像と共に音声もモニタすることにより、より高度なセキュリティ性の確保が可能である。
また、送信機40に照明装置30を装着することにより、監視カメラ20の設置のために取り外されたダウンライト1の照明効果を補償することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上、本発明の実施形態では、シーリング型照明器具として、ダウンライトについて説明したが、シーリングライトについても勿論適用可能である。但し、給電ソケット(2)がローゼット型ソケットである場合は、接続プラグ(6)側もこれに対応できるローゼット型を使用することになる。
【符号の説明】
【0039】
1 ダウンライト(シーリング型照明器具)
2 給電ソケット
6 接続プラグ
9 アダプター
10 プラグ端子
11 電源コード(電線)
13 フレキシブルチューブ(アーム)
17 カメラ本体
18 モニタ部
20 監視カメラ
22 赤外線検出器
25、26、44、45 給電部
30 照明装置
40 送信機
60 受信機
70 テレビ受像器、モニタ装置(モニタ手段)
S 天井
80 赤外線検出装置
82 ブラケット
83 ペルチェ素子
84 放熱用ブラケット
85 温度制御回路
86 トランジスタ
87 トランジスタ
88 トランジスタ
89 トランジスタ
91 サーミスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に取り付けて室内を撮像する監視カメラであって、
シーリング型照明器具の給電ソケットに接続される接続プラグと、
電線を介し、前記接続プラグに受電可能に接続され、内部に撮像手段を備えるカメラ本体と、
前記電線を収容すると共に、前記カメラ本体を支持する屈曲可能なアームとを備え、
前記カメラ本体の前記天井への取り付けと同時に該カメラ本体への電力供給を可能としたことを特徴とする監視カメラ。
【請求項2】
前記電線は、アダプターの電源コードであり、該アダプターのプラグ端子を前記接続プラグに接続してなることを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。
【請求項3】
前記アームは、フレキシブルチューブで構成されることを特徴とする請求項1、又は2に記載の監視カメラ。
【請求項4】
前記カメラ本体に、撮像された映像を表示するモニタ部を設けてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の監視カメラ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の監視カメラと、前記カメラ本体からの映像信号および/または音声信号をモニタ手段に送信する送信機と、該モニタ手段に接続されて送信信号を受信する受信機と
を備えることを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項6】
前記送信機は、前記カメラ本体の給電部に着脱自在、且つ受電可能に装着可能であることを特徴とする請求項5に記載の監視カメラシステム。
【請求項7】
前記送信機の給電部、または前記カメラ本体の前記給電部に着脱自在、且つ受電可能に装着可能な照明装置を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の監視カメラシステム。
【請求項8】
前記モニタ手段として、テレビ受像機を用いることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の監視カメラシステム。
【請求項9】
赤外線検出器の取付けられるブラケットと、該ブラケットに接触配置されるペルチェ素子と、該ペルチェ素子に対し外気温度に対応させて吸熱方向への電流及び発熱方向への電流を切り換えて供給する温度制御回路とを含むことを特徴とする赤外線検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−89908(P2012−89908A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232167(P2010−232167)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(510054795)株式会社ダブリュー・ビィ・ジャパン (1)
【Fターム(参考)】