説明

監視装置、方法及びプログラム並びに監視システム

【課題】
バードストライクの危険のある鳥の接近を監視し、警告する。
【解決手段】
レーダ装置(10)が、周囲を走査して得られるレーダ画像データを周期的に出力する。コンピュータ(30)で動作する監視プログラムの背景生成機能(32a)が、複数シーン数のレーダ画像データから背景画像データを生成し、背景除去機能(32c)が、その後のレーダ画像データから背景画像データを除去する。2値化機能(32d)がエコー画像を2値化し、中心決定機能(32e)が各エコー画像の中心を決定し、雨雪除去機能(32f)が、雨雪を除去する。追跡機能(32g)は、複数シーンの前雪除去結果から、鳥を追跡する。警告機能(32h)は、鳥が所定領域に入ると警告を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥類等の移動体を監視する監視装置、方法及びプログラム並びに監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飛行場や風力発電設備等では鳥類の衝突が大きな問題となっており、このため、接近する鳥類等を監視する監視システムが必要とされる。
【0003】
例えば、特許文献1には、空港監視レーダ、気象観測用レーダ、航空機追跡(追尾)レーダ、海洋監視レーダなどを使い、鳥類を観測することが記載され、更には、夜間に飛翔する鳥類を暗視手段で暗視しつつ、鳥類の発する音を集音手段で集音し、暗視手段30の暗視方向と集音手段の集音方向を鳥類の移動に合わせて調節し、その調節位置を保持することで、鳥類の位置を容易に且つ高精度に取得する鳥類観測装置及び鳥類観測方法が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、ミリ波レーダを上空に向け、このミリ波レーダで取得された距離情報と受信信号の強度情報に基づいて、目標体がヘリコプタであるか鳥であるかを識別することが記載されている。反射波の受信強度により、鳥のような小さな物体か、ヘリコプタや小型飛行機のような小型飛行体を区別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−189103号公報
【特許文献2】特開2005−233763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
レーダを用いる従来の監視システムでは、レーダ計測画面を監視員が注視し、鳥類らしきものとその接近を目視観察するものであり、接近する鳥類の接近の程度を精度良く検出することができず、従って、接近する鳥類に向け適したタイミングで警告することが難しかった。また、従来の技術では、広範囲を一括監視することが難しかった。
【0007】
鳥類以外にも、集団化した昆虫の接近を監視したいとする要望もあるし、無線操縦飛行機、小型飛行機等の飛行体の接近を監視する必要のある分野もある。
【0008】
本発明は、所定のエリアに接近する鳥類等の移動体を広範囲で効率的に監視できる監視装置、方法及びプログラム並びに監視システムを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る監視装置は、所定角度範囲を走査して得られるレーダ画像データであって、時間の経過とともに順次、供給される複数シーンのレーダ画像データに従い移動体を監視する監視装置であって、所定シーン数の当該レーダ画像データを合成して背景画像データを生成する背景生成手段と、当該背景画像データの生成後に供給される各レーダ画像データから当該背景画像データを減算することで背景を除去する背景除去手段と、当該背景除去手段で背景を除去したレーダ画像データを2値化し、移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成する2値化手段と、当該2値化エコー画像データに含まれる当該各移動体のエコー画像の中心を示すエコー中心を決定する中心決定手段と、当該中心決定手段により決定されるエコー中心の内、雨及び雪の何れかを示すエコー中心を除去する雨雪除去手段と、時間的に連続する3以上の所定数のレーダ画像データに対する当該雨雪除去手段による雨雪の除去結果に従い、当該移動体を追跡する追跡手段と、当該追跡手段による追跡の結果、当該移動体が所定領域に入る場合に警告を出力する警告手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る監視方法は、所定角度範囲を走査して得られるレーダ画像データであって、時間の経過とともに順次、供給される複数シーンのレーダ画像データに従いコンピュータに移動体を監視させる監視方法であって、当該コンピュータが、所定シーン数の当該レーダ画像データを合成して背景画像データを生成する背景生成ステップと、当該コンピュータが、当該背景画像データの生成後に供給される各レーダ画像データから当該背景画像データを減算することで背景を除去する背景除去ステップと、当該コンピュータが、当該背景除去ステップで背景を除去したレーダ画像データを2値化し、移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成する2値化ステップと、当該コンピュータが、当該2値化エコー画像データに含まれる当該各移動体のエコー画像の中心を示すエコー中心を決定する中心決定ステップと、当該コンピュータが、当該中心決定ステップにより決定されるエコー中心の内、雨及び雪の何れかを示すエコー中心を除去する雨雪除去ステップと、当該コンピュータが、時間的に連続する3以上の所定数のレーダ画像データに対する当該雨雪除去ステップによる雨雪の除去結果に従い、当該移動体を追跡する追跡ステップと、当該コンピュータが、当該追跡ステップによる追跡の結果、当該移動体が所定領域に入る場合に警告を出力する警告ステップとを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る監視プログラムは、所定角度範囲を走査して得られるレーダ画像データであって、時間の経過とともに順次、供給される複数シーンのレーダ画像データに従いコンピュータに移動体を監視させる監視プログラムであって、当該コンピュータに、所定シーン数の当該レーダ画像データを合成して背景画像データを生成させる背景生成機能と、当該背景画像データの生成後に供給される各レーダ画像データから当該背景画像データを減算することで背景を除去させる背景除去機能と、当該背景除去機能で背景を除去したレーダ画像データを2値化し、移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成させる2値化機能と、当該2値化エコー画像データに含まれる当該各移動体のエコー画像の中心を示すエコー中心を決定させる中心決定機能と、当該中心決定機能により決定されるエコー中心の内、雨及び雪の何れかを示すエコー中心を除去させる雨雪除去機能と、時間的に連続する3以上の所定数のレーダ画像データに対する当該雨雪除去機能による雨雪の除去結果に従い、当該移動体を追跡させる追跡機能と、当該追跡機能による追跡の結果、当該移動体が所定領域に入る場合に警告を出力させる警告機能とを実現させることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る監視システムは、所定角度範囲を繰り返し走査し、当該所定角度範囲のレーダ画像データを順次、生成し出力するレーダ装置と、当該レーダ装置からの複数シーンの当該レーダ画像データに従い、当該所定角度範囲に存在する移動体を監視する監視装置とからなる監視システムであって、当該監視装置が、所定シーン数の当該レーダ画像データを合成して背景画像データを生成する背景生成手段と、当該背景画像データの生成後に供給される各レーダ画像データから当該背景画像データを減算することで背景を除去する背景除去手段と、当該背景除去手段で背景を除去したレーダ画像データを2値化し、移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成する2値化手段と、当該2値化エコー画像データに含まれる当該各移動体のエコー画像の中心を示すエコー中心を決定する中心決定手段と、当該中心決定手段により決定されるエコー中心の内、雨及び雪の何れかを示すエコー中心を除去する雨雪除去手段と、時間的に連続する3以上の所定数のレーダ画像データに対する当該雨雪除去手段による雨雪の除去結果に従い、当該移動体を追跡する追跡手段と、当該追跡手段による追跡の結果、当該移動体が所定領域に入る場合に警告を出力する警告手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レーダ画像データから鳥などに移動体を効果的に追跡し、所定領域への侵入を精度良く検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。
【図2】コンピュータ30で動作する監視プログラムのメインルーチンの動作フローチャートを示す。
【図3】図2の鳥計測処理における鳥認識・追跡処理の動作フローチャートを示す。
【図4】図3の前処理の詳細なフローチャートを示す。
【図5】図3の本処理の詳細なフローチャートを示す。
【図6】追跡機能による鳥追跡の詳細なフローチャートを示す。
【図7】エコー中心点を追跡し接続する手順の説明図である。
【図8】エコー中心点を追跡し接続する別の手順の説明図である。
【図9】エコー中心点を追跡し接続する更に別の手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。レーダ装置10は、アンテナ部12をモータ14により水平面内で360度にわたり一定速度(例えば、2.5秒に1回転)で回転させながら、水平方向に電波パルスビームを放射し、その反射波を検出する。なお、本実施例では、地上面反射(グランドクラッタ)を低減するため、電波を放射するスロットアンテナを若干、上向きにしている。
【0017】
アンテナ部12から放射されるビームの水平幅が、方位分解能を決定し、垂直幅が高度分解能を決定する。パルス幅が距離分解能を決定する。基本的に狭ビームであるほど、分解能が高くなる。方位分解能は、等距離に位置するが方位角度がわずかに異なる2つの目標物を区別できる最小の方位角度である。距離分解能は、同一方位上の異なる距離に位置する2つの目標物を区別できる、当該2つの目標物間の最短距離であり、パルス幅が狭い程、距離分解能が高くなる。高度分解能は、垂直ビーム角度の正弦値に距離を乗算した値となる。
【0018】
ロータリエンコーダ16はアンテナ部12の回転角度位置を検出し、所定角度間隔のパルス信号を出力する。ロータリエンコーダ16はまた、事前に、アンテナ部12が基準方位(例えば、北)を向いている時点でトリガー信号を出力するように調整さる。
【0019】
画像化回路18は、ロータリエンコーダ16からのパルス信号及びトリガー信号に従い、アンテナ部12による受信反射波の強度分布を示すグレースケールの画像データ(レーダ画像データ)を生成する。生成されるレーダ画像データは、アンテナ部12を中心として一定距離範囲の円形の画像データ、又は、そのような円形の画像データを水平方向と垂直方向に走査した、ビデオ信号に準拠した画像データとなる。前者の画像データの各画素は、距離方向と方位角方向の極座標系で特定され、後者の画像データは水平方向と垂直方向の直交座標系で特定される。レーダ画像の場合、レーダ装置10から遠く離れるほど、放射ビームが水平及び垂直方向に拡散することから、1画素の代表する地理的な範囲が広くなる。
【0020】
アンテナ部12の1回転毎に画像化回路18により生成される各画像データは、ロータリエンコーダ16からのトリガー信号により、風等によるアンテナ部12の回転ムラを解消された、一定方位(基準方向)に向いたものとなる。画像化回路18はまた、生成したレーダ画像データを、トリガー信号に同期してコンピュータ30に出力する。アンテナ部12が基準方向から1回転して得られるレーダ画像データを1シーンの画像データとする。
【0021】
コンピュータ30は、レーダ装置10からのレーダ画像データを使って、監視対象の鳥が所定の管理領域に入るか否かを監視する監視装置として機能する。コンピュータ30は、コンピュータの一般的構成と同様、CPU32、種々の指示を入力するキーボード34及びマウス36、CPU32の演算ワーク領域となるメモリ38、並びに、種々の画像及びテキスト等を表示する表示装置40を具備する。CPU32は、後述する監視プログラムにより種々の機能32a〜32hを実現する。
【0022】
レーダ装置10により観測されたレーダ画像データ及びこれを処理した画像データを観測用にシーン単位で記憶する手段として、コンピュータ30は、4シーン分のデータを記憶可能なデータメモリ42を具備する。データメモリ42は、一連の互いに異なる時刻tc,tc−T,tc−2T,tc−3Tにおけるレーダ画像データを処理して得られる1シーンの画像データがそれぞれ格納されるシーンメモリ42−1,42−2,42−3,42−4を具備する。tcは現在時刻であり、Tは、アンテナ部12が1回転するのに要する時間である。実際には、メモリ38の記憶領域をデータメモリ42として利用するが、本実施例の理解を容易にするために、メモリ38とは別の手段としてデータメモリ42(シーンメモリ42−1,42−2,42−3,42−4)を図示した。
【0023】
ハードディスク装置(HDD)50には、CPU32で動作する監視プログラムと、観測データ及び結果が格納される。更に、コンピュータ30は、レーダ装置10により観測されるレーダ画像データを取り込むデータ取り込み装置52を具備する。データ取り込み装置52は、レーダ装置10のロータリエンコーダ16からのトリガー信号に従い、画像化回路18からのレーダ画像データを取り込み、メモリ38に格納する。
【0024】
図2乃至図6は、コンピュータ30で動作する監視プログラムの動作フローチャートを示す。図2は、メインルーチンの動作フローチャートを示す。
【0025】
監視プログラムが起動されると、オペレータに表示装置40の画面上の表示スケールを入力させ(S1)、管理領域設定機能32aが、オペレータによるキーボード34及びマウス36の操作に従い、1又は複数の監視領域及びマスク領域を設定する(S2、S3)。監視領域は鳥類の接近を監視する領域であり、マスク領域はそのような監視が不要な領域であり、何れも複数設定可能である。監視領域及びマスク領域は、円形、楕円形又は矩形として設定できる。
【0026】
オペレータは、警報の条件(羽数及び増加率等)を指定し、雨雪除去の閾値等を指定した上で、計測の実行を指示し、監視プログラムは、オペレータのこの指示に従い計測を開始する(S4)。
【0027】
図3は、図2のステップS4の計測処理における鳥認識・追跡処理の動作フローチャートを示す。コンピュータ30は、レーダ装置10からのレーダ画像データを、オペレータが指定したシーン数だけ取り込み、背景生成機能32bを使ってこれらを合成させて背景画像とし、背景画像の画像データをメモリ38に格納する(S11)。例えば、背景生成機能32bは、全シーンのレーダ画像データから、ピクセル毎に最小輝度、最大輝度及び平均輝度を算出する。そして、ピクセル単位で、最小輝度と平均輝度の差(α)が平均輝度と最大輝度の差(β)以上の場合には、最大輝度を背景輝度とし、それ以外では、平均輝度+αを背景輝度とする。気温や湿度、浮遊する埃等の影響を受けやすいレーダ画像に対しても、このような方法で背景輝度をピクセル単位で決定することにより、精度良く背景画像を決定できる。ただし、全シーンのレーダ画像データを単純に加算し平均化してもよい。背景画像は静物のみからなり、後述するように、鳥を含むレーダ画像データから背景画像データを減算することで、鳥、雨、雪、その他の移動体の各エコーを抽出できる。
【0028】
次に、オンライン計測の前処理を実行する(S12)。鳥を追跡するために、本実施例では、直前の3つのシーンの画像を利用するので、前処理として、これらのシーンのレーダ画像データを取り込み、追跡のための処理を施し、逐次、シーンメモリ42−1,42−2,42−3に格納する。
【0029】
前処理(S12)の詳細を、図4を参照して説明する。図4は、前処理(S12)の詳細なフローチャートを示す。
【0030】
ループ変数nに1を代入する(S21)。レーダ装置10から1シーンのレーダ画像データを取り込み、メモリ38に一時格納する(S22)。メモリ38に格納したレーダ画像データがコマ落ちしているような不完全なものの場合(S23)、再度、レーダ装置10から1シーンのレーダ画像データを取り込み、メモリ38に一時格納する(S22)。データ取り込み装置52が、レーダ装置10からのレーダ画像データを逐次取り込んで、メモリ38に格納している場合には、ステップS22、S23は、メモリ38にレーダ画像データが格納済みかどうかを確認する処理に変更される。
【0031】
メモリ38に格納したレーダ画像データがコマ落ちしていない場合(S23)、背景除去機能32cが、そのレーダ画像データからステップS11で取得した背景画像データを減算して、背景画像を除去する(S24)。背景画像を除去したレーダ画像データは、鳥エコーを含む移動体エコーを主として含むエコー画像データとなる。
【0032】
2値化機能32dが、背景画像を除去したエコー画像データを所定閾値で2値化し、必要によりノイズを除去する(S25)。レーダ装置10による計測の場合、先に説明したように、遠くにいる移動体ほど、その移動体からの反射波強度は小さくなるので、一般的には、2値化閾値は、遠距離ほど小さくするのが望ましい。ただし、本実施例の目的が、接近する鳥を検知することであり、そのような鳥を見逃さない程度の、距離に関わらず一定の2値化閾値を採用する。
【0033】
2値化機能32dによる得られる2値化エコー画像データの各画素は、本実施例では、鳥を含む移動体に対して2進値”1”、それ以外に対して2進値”0”となる。移動体の大きさを反映し、隣接する複数の画素の画素値が”1”となる。
【0034】
2値化機能32dは、2値化の後に、目標とする鳥のサイズよりも十分に小さなサイズをカバーするエコーと、目標とする鳥のサイズよりも十分に大きなサイズをカバーするエコーを、ノイズとして削除する。レーダ装置10から遠距離にある物体ほど、大きなサイズで表現されることになるので、ノイズ判定閾値も、遠距離になるほど、大きなサイズとする。画像データが極座標で表現されている場合、画素数で表現されるノイズ判定閾値は、小さいノイズに対するものも、大きなノイズに対するものも、遠距離ほど少ない画素数となる。他方、直交座標系で表現される場合、画素数で表現されるノイズ判定閾値は、小さいノイズに対するものも、大きなノイズに対するものも、距離に関わらず、一定で良い。
【0035】
中心決定機能32eが、ノイズ除去機能32dによりノイズを除去された2値化エコー画像データの、各エコーの中心を決定する(S26)。具体的には、画素値が”1”の互いに隣接する画素が1つの移動体のエコーを表現しており、これらの一群の画素の重心となる画素をエコー中心として特定する。簡易的には、水平方向と垂直方向の中心を採用すればよい。
【0036】
雨雪除去機能32fが、雨と雪のエコーを除去する(S27)。降雨又は降雪がある地域では、ステップS24〜S26の処理後であっても、エコーとして出現するが、降雨又は降雪は、小さなエコーがある程度以上の空間密度で密集した状態で表現されることから、本実施例では、一定の検査半径内に一定サイズ以上のエコーが一定数以上存在する場合に、それらを降雨又は降雪と判定する。より具体的に説明すると、中心決定機能32eで決定された各エコー中心を順に注目し、注目しているエコー中心から所定の検査半径内に一定サイズ以上の他のエコーのエコー中心が存在するかどうかを調べる。検査半径は、実際の降雨又は降雪の観測状況から決定される。検査半径内に一定数以上の他のエコー中心が存在する場合、注目するエコー中心と、検査半径内で発見された他のエコー中心の全てに削除マークを付ける。エコー画像中の全部のエコー中心に対してこの処理を終了したら、削除マークを付加したエコー中心とそのエコーを、2値エコー画像データから削除する。
【0037】
ステップS24〜S27の処理を終えて得られた2値エコー画像データは、監視対象であるサイズの移動体の所在を示すものであり、移動体の多くは監視対象である鳥を示す。
【0038】
CPU32で動作する監視プログラムは、ステップS24〜S27の処理を終えて得られた2値エコー画像データとエコー中心データを、n=1の場合にはシーンメモリ42−4に、n=2の場合にはシーンメモリ42−3に、n−3の場合には、シーンメモリ42−2にそれぞれ格納する(S28)。
【0039】
nをインクリメントし(S30)、nが3を越えるまで(S31)、ステップS22以降を繰り返す。nが3を越えると(S31)、必要な3シンーンの観測データが得られたので、前処理(S12)を終了する。
【0040】
図4に示すフローでは、ステップS28において、ループ変数nに従って、データの保存先となるシーンメモリを切り替えたが、この時点では、nに関わらず、密集データ削除機能32fで処理したデータをシーンメモリ42−1に格納し、次のレーダ画像データを取り込む前に、すなわち、ステップS30からステップS22に進む前に、シーンメモリ42−1〜42−3のデータをそれぞれシーンメモリ42−2〜42−4に転送するようにしてもよい。
【0041】
前処理(S12)に続けて、鳥を追跡する本処理を実行する(S13)。図5は、本処理(S13)の詳細なフローチャートを示す。
【0042】
レーダ装置10から1シーンのレーダ画像データを取り込み(S41)、メモリ38に一時格納する(S42)。メモリ38に格納したレーダ画像データがコマ落ちしているような不完全なものの場合(S42)、再度、レーダ装置10から1シーンのレーダ画像データを取り込み、メモリ38に一時格納する(S41)。メモリ38に格納したレーダ画像データがコマ落ちしていない場合(S42)、前処理の場合と同様に、背景除去(S43)、2値化及びノイズ除去(S44)、中心決定(S45)、並びに雨雪除去(S46)を実行する。そして、雨雪除去機能32fで処理した2値エコー画像データとエコー中心データをシーンメモリ42−1に格納する(S47)。
【0043】
この時点で、シーンメモリ42−1〜42−4には、4つ連続する時刻(又はシーン)における鳥の位置を示す2値エコー画像データ及びエコー中心データが格納されたことになる。鳥監視プログラムの追跡機能32gが、シーンメモリ42−1〜42−4に記憶されるこれら4つのシーンのエコー中心データを使って、鳥を追跡する(S48)。追跡機能32gは、各シーンのエコー中心の内で追跡の過程で鳥と認識したものは鳥として登録し、シーン間の接続関係も、判明したものはその接続関係を登録する。この登録データは、メモリ38(又はHDD50)に格納される。追跡機能32gの詳細は後述する。
【0044】
追跡完了後、CPU32は、シーンメモリ42−1〜42−3に記憶される2値エコー画像データ及びエコー中心データをシーンメモリ42−1〜42−4に順送りで転送する(S49)。すなわち、シーンメモリ42−3に記憶されるデータをシーンメモリ42−4に転送し、シーンメモリ42−2に記憶されるデータをシーンメモリ42−3に転送し、シーンメモリ42−1に記憶されるデータをシーンメモリ42−2に転送する。このとき、シーンメモリ42−4に記憶されるデータを事後的に利用する場合、シーンメモリ42−3のデータをシーンメモリ42−4に転送する前に、シーンメモリ42−4のデータをHDD50に保存する。
【0045】
追跡の結果、監視領域内に鳥が入る場合(S50)、警告機能32hが、警告メッセージを生成する(S51)。
【0046】
CPU32は、直近の観測結果であるレーダ画像又はステップS43〜S46の何れかの段階での処理後の画像で、表示装置40の表示画像を更新する(S52)。警告機能32hが警告メッセージを生成している場合、その警告メッセージを表示装置40の画面に重畳表示する。
【0047】
図6は、追跡機能32gによる鳥追跡(S48)の詳細なフローチャートを示す。理解を容易にするために、連続する4つのシーンを時間の順番でt0,t1,t2,t3と表記し、シーンt0〜t3で雨雪除去処理後の2値エコー画像データに含まれるエコーのエコー中心をp0〜p3と表記する。すなわち、シーンメモリ42−1〜42−4に記憶される2値エコー画像データに含まれるエコーのエコー中心は、それぞれp3,p2,p1,p0となり、エコー中心p0は時刻tc−3Tのシーンt0に含まれ、エコー中心p1は時刻tc−2Tのシーンt1に含まれ、エコー中心p2は時刻tc−3Tのシンーンt2に含まれ、エコー中心p3は時刻tcのシーンt3に含まれる。
【0048】
図6において、まず、シーンt0の任意のエコー中心p0を指定し(S61)、その点が鳥として登録済みか否かを調べる(S62)。
【0049】
エコー中心p0が鳥として登録されていない場合(S62)、エコー中心p0及びシーンt1〜t3の未登録のエコー中心p1〜p3がなだらかに連続する組み合わせを探索し、それらのエコー中心p1〜p3を鳥として登録し、接続関係も登録する(S63)。
【0050】
図7を参照して、ステップS63における探索方法を説明する。エコー中心p0に対して、内側半径R0aと外側半径R0bの間を初回検査範囲とし、当該初回検査範囲内に入るシーンt2のエコー中心を探索し、p1候補とする。エコー中心p0からp1候補に接続する直線をp0とp1候補との間の距離と同じ距離だけ延ばした点paを中心に半径Reの移動誤差範囲を設定し、その移動誤差範囲内でシーンt2のエコー中心を探索し、p2候補とする。p1候補からp2候補に接続する直線をp1候補とp2候補との間の距離と同じ距離だけ延ばした点pbを中心に半径Reの移動誤差範囲を設定し、その移動誤差範囲内でシーンt3のエコー中心を探索し、p3候補とする。{p0,p1候補,p2候補,p3候補}の組み合わせで、最も誤差が小さくなる各エコー中心p0,p1候補,p2候補,p3候補を鳥として登録し、その接続関係を登録する。その際、paとp2候補との間の距離と、pbとp3候補との間の距離の平均値を誤差と評価する。オペレータは、半径R0a,R0b,Reを観測対象及び観測地域において適宜に選択し、事前に設定する。p1候補、p2候補又はp3候補が見つからない場合、エコー中心p0は鳥として登録されること無しに、探索を終了する。
【0051】
ステップS63の後、シーンt0に次の未処理のp0があるかどうかを調べ(S68)、ある場合には(S68)、次のエコー中心p0を指定して(S69)、ステップS62に戻る。未処理のエコー中心p0がない場合には(S68)、追跡を終了する。
【0052】
エコー中心p0が鳥として登録済みの場合(S62)、このエコー中心p0に接続するシーンt1のエコー中心p1が登録済みかどうかを調べる(S64)。シーンt1に接続するエコー中心p1が登録されていない場合(S64)、鳥として登録されたエコー中心p0はシーンt1で消失したことになる。この場合(S64)、次のエコー中心p0の処理に移行する(S68)。
【0053】
エコー中心p0に接続するシーンt1のエコー中心p1が登録済みである場合(S64)、点p1に接続するシーンt2のエコー中心p2が鳥として登録済みかどうかを調べる(S65)。エコー中心p2が登録済みの場合(S65)、これらのエコー中心p0,p1,p2に接続可能なエコー中心p3をシーンt3から探索する(S66)。図8は、ステップS66における探索処理の説明図を示す。p1からp2に接続する直線をp1とp2との間の距離と同じ距離だけ延ばした仮想点pを中心に半径Reの移動誤差範囲を設定し、その移動誤差範囲内でシーンt3のエコー中心を探索し、仮想点pに最も近いエコー中心p3を追跡している鳥として登録する。移動誤差範囲内にシーンt3のエコー中心を発見できない場合、シーンt3で消失した扱いにする。
【0054】
シーンt2にエコー中心p0に接続する鳥として登録されたエコー中心p2が存在しない場合(S65)、シーンt2で消失したと想定されるので、シーンt3上に仮想点pを設定し、仮想点pから一定距離範囲内でシーンt3のエコー中心p3を探索する(S67)。図9は、ステップS67における探索処理の説明図を示す。p0からp1に接続する直線をp0とp1との間の距離の2倍の距離だけ延ばした仮想点pを中心に半径2Reの移動誤差範囲を設定し、その移動誤差範囲内でシーンt3のエコー中心を探索し、最も点pに近い点p3を追跡している鳥として登録する。エコー中心p3とエコー中心p1を結ぶ直線の中点をシーンt2におけるエコー中心p2として登録する。移動誤差範囲内にシーンt3のエコー中心を発見できない場合に、結局、シーンt2で消失した扱いにする。
【0055】
ステップS66,S67の後、シーンt0に次の未処理のエコー中心p0があるかどうかを調べ(S68)、ある場合には(S68)、次のエコー中心p0を指定して(S69)、ステップS62に戻る。未処理のエコー中心p0がない場合には(S68)、追跡を終了する。
【0056】
本処理(S13)が終了すると、後処理として、シーンメモリ42−1〜42−4に格納されるデータをHDD50に保存し、シーンメモリ42−1〜42−4をクリアする(S14)。
【0057】
上記実施例では、レーダ装置10がアンテナ部12を自律的に回転して周囲を計測(撮影)するとしたが、コンピュータ30の処理能力は、アンテナ部12の回転速度に比べ十分に速いので、レーダ装置10がアンテナ部12を自律的に回転しても、コンピュータ30は十分に追従できる。逆に、コンピュータ30の指示に従い、レーダ装置10がアンテナ部12を1回転させて、周囲を計測(撮影)してもよいことは勿論である。
【0058】
レーダ装置10は、一定の監視角度範囲を繰り返し走査するタイプのものであってもよい。監視対象の飛来方向が限定されている場合には、そのように運用される。
【0059】
コンピュータ30は、単体のスタンドアローンのコンピュータであっても、複数のコンピュータが連係動作するシステム構成であってもよいことは、明らかである。
【0060】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
10:レーダ装置
12:アンテナ部
14:モータ
16:画像化回路
18:ロータリエンコーダ
30:コンピュータ
32:CPU
32a:領域設定機能
32b:背景除去機能
32c:2値化機能
32d:ノイズ除去機能
32e:中心決定機能
32f:雨雪除去機能
32g:追跡機能
32h:警告機能
34:キーボード
36:マウス
38:メモリ
40:表示装置
42:データメモリ
42−1,42−2,42−3,42−4:シーンメモリ
50:ハードディスク装置(HDD)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定角度範囲を走査して得られるレーダ画像データであって、時間の経過とともに順次、供給される複数シーンのレーダ画像データに従い移動体を監視する監視装置であって、
所定シーン数の当該レーダ画像データを合成して背景画像データを生成する背景生成手段と、
当該背景画像データの生成後に供給される各レーダ画像データから当該背景画像データを減算することで背景を除去する背景除去手段と、
当該背景除去手段で背景を除去したレーダ画像データを2値化し、移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成する2値化手段と、
当該2値化エコー画像データに含まれる当該各移動体のエコー画像の中心を示すエコー中心を決定する中心決定手段と、
当該中心決定手段により決定されるエコー中心の内、雨及び雪の何れかを示すエコー中心を除去する雨雪除去手段と、
時間的に連続する3以上の所定数のレーダ画像データに対する当該雨雪除去手段による雨雪の除去結果に従い、当該移動体を追跡する追跡手段と、
当該追跡手段による追跡の結果、当該移動体が所定領域に入る場合に警告を出力する警告手段
とを具備することを特徴とする監視装置。
【請求項2】
当該2値化手段が、当該2値化画像データにおいて当該移動体のエコー画像に相当しないエコー画像をノイズとして除去することを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
当該雨雪除去手段は、当該中心決定手段により決定されるエコー中心の内、一定以上の密集密度を構成する当該エコー中心を雨及び雪の何れかを示すエコー中心と判定して除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
所定角度範囲を走査して得られるレーダ画像データであって、時間の経過とともに順次、供給される複数シーンのレーダ画像データに従いコンピュータに移動体を監視させる監視方法であって、
当該コンピュータが、所定シーン数の当該レーダ画像データを合成して背景画像データを生成する背景生成ステップと、
当該コンピュータが、当該背景画像データの生成後に供給される各レーダ画像データから当該背景画像データを減算することで背景を除去する背景除去ステップと、
当該コンピュータが、当該背景除去ステップで背景を除去したレーダ画像データを2値化し、移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成する2値化ステップと、
当該コンピュータが、当該2値化エコー画像データに含まれる当該各移動体のエコー画像の中心を示すエコー中心を決定する中心決定ステップと、
当該コンピュータが、当該中心決定ステップにより決定されるエコー中心の内、雨及び雪の何れかを示すエコー中心を除去する雨雪除去ステップと、
当該コンピュータが、時間的に連続する3以上の所定数のレーダ画像データに対する当該雨雪除去ステップによる雨雪の除去結果に従い、当該移動体を追跡する追跡ステップと、
当該コンピュータが、当該追跡ステップによる追跡の結果、当該移動体が所定領域に入る場合に警告を出力する警告ステップ
とを具備することを特徴とする監視方法。
【請求項5】
当該2値化ステップが、当該コンピュータが、当該2値化画像データにおいて当該移動体のエコー画像に相当しないエコー画像をノイズとして除去するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の監視方法。
【請求項6】
当該雨雪除去ステップは、当該コンピュータが、当該中心決定ステップにより決定されるエコー中心の内、一定以上の密集密度を構成する当該エコー中心を雨及び雪の何れかを示すエコー中心と判定して除去するステップであることを特徴とする請求項4又は5に記載の監視方法。
【請求項7】
所定角度範囲を走査して得られるレーダ画像データであって、時間の経過とともに順次、供給される複数シーンのレーダ画像データに従いコンピュータに移動体を監視させる監視プログラムであって、当該コンピュータに、
所定シーン数の当該レーダ画像データを合成して背景画像データを生成させる背景生成機能と、
当該背景画像データの生成後に供給される各レーダ画像データから当該背景画像データを減算することで背景を除去させる背景除去機能と、
当該背景除去機能で背景を除去したレーダ画像データを2値化し、移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成させる2値化機能と、
当該2値化エコー画像データに含まれる当該各移動体のエコー画像の中心を示すエコー中心を決定させる中心決定機能と、
当該中心決定機能により決定されるエコー中心の内、雨及び雪の何れかを示すエコー中心を除去させる雨雪除去機能と、
時間的に連続する3以上の所定数のレーダ画像データに対する当該雨雪除去機能による雨雪の除去結果に従い、当該移動体を追跡させる追跡機能と、
当該追跡機能による追跡の結果、当該移動体が所定領域に入る場合に警告を出力させる警告機能
とを実現させることを特徴とする監視プログラム。
【請求項8】
当該2値化機能が、当該コンピュータに、当該2値化画像データにおいて当該移動体のエコー画像に相当しないエコー画像をノイズとして除去させる機能を含むことを特徴とする請求項7に記載の監視プログラム。
【請求項9】
当該雨雪除去機能は、当該コンピュータに、当該中心決定機能により決定されるエコー中心の内、一定以上の密集密度を構成する当該エコー中心を雨及び雪の何れかを示すエコー中心と判定して除去する機能であることを特徴とする請求項7又は8に記載の監視プログラム。
【請求項10】
所定角度範囲を繰り返し走査し、当該所定角度範囲のレーダ画像データを順次、生成し出力するレーダ装置と、
当該レーダ装置からの複数シーンの当該レーダ画像データに従い、当該所定角度範囲に存在する移動体を監視する監視装置
とからなる監視システムであって、
当該監視装置が、
所定シーン数の当該レーダ画像データを合成して背景画像データを生成する背景生成手段と、
当該背景画像データの生成後に供給される各レーダ画像データから当該背景画像データを減算することで背景を除去する背景除去手段と、
当該背景除去手段で背景を除去したレーダ画像データを2値化し、移動体のエコー画像を含む2値化エコー画像データを生成する2値化手段と、
当該2値化エコー画像データに含まれる当該各移動体のエコー画像の中心を示すエコー中心を決定する中心決定手段と、
当該中心決定手段により決定されるエコー中心の内、雨及び雪の何れかを示すエコー中心を除去する雨雪除去手段と、
時間的に連続する3以上の所定数のレーダ画像データに対する当該雨雪除去手段による雨雪の除去結果に従い、当該移動体を追跡する追跡手段と、
当該追跡手段による追跡の結果、当該移動体が所定領域に入る場合に警告を出力する警告手段
とを具備することを特徴とする監視システム。
【請求項11】
当該2値化手段が、当該2値化画像データにおいて当該移動体のエコー画像に相当しないエコー画像をノイズとして除去することを特徴とする請求項10に記載の監視システム。
【請求項12】
当該雨雪除去手段は、当該中心決定手段により決定されるエコー中心の内、一定以上の密集密度を構成する当該エコー中心を雨及び雪の何れかを示すエコー中心と判定して除去することを特徴とする請求項10又は11に記載の監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−8021(P2012−8021A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144565(P2010−144565)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(397039919)一般財団法人日本気象協会 (29)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】