説明

監視設定装置及びそれを用いた生産システム

【課題】複数の装置の設定を一括して行うことができ、装置毎の設定ミスが起こり難い監視設定装置を提供する。
【解決手段】監視設定装置1では、画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値を設定情報とし、無線LAN2を通じて、各画像形成装置3-1〜3-4との間でデータ通信を行って、各画像形成装置3-1〜3-4の設定情報を取得し、これらの設定情報を表示装置11の画面11aに表示して確認することができるようにしている。また、各画像形成装置3-1〜3-4別に、入力操作部18の入力操作により表示装置11の画面11a上の設定情報を変更することができ、無線LAN2を通じて、その変更された設定情報を画像形成装置に戻し、この設定情報に従って、画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値を設定し直すようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の監視対象装置の監視及び調節設定が可能な監視設定装置及びそれを用いた生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、電子機器の調整値を設定しており、ユーザモードに調整値を設定させるユーザ調整モードの他に、他の調整モードを設けて、この他の調整モードでの調整者による調整値の設定を可能にし、また他の調整モードであるときに、ユーザ調整モードとは異なる他の調整モードであることを視認させるための識別情報を表示画面に表示して、調整値の調整を支援している。
【特許文献1】特開2006−217493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1では、複数の電子機器があれば、電子機器別に、調整値の確認及び設定を行っているので、調整者による調整値の設定ミスが発生していても、その電子機器の調整値の確認や修正を行うのが煩雑であり難しかった。
【0004】
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、複数の装置の設定を一括して行うことができ、装置毎の設定ミスが起こり難い監視設定装置及びそれを用いた生産システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の監視設定装置は、監視対象装置の設定情報を該監視対象装置から取得する取得手段と、取得手段により取得された監視対象装置の設定情報を表示する表示手段と、表示手段により表示された監視対象装置の設定情報に対する変更を行うための入力手段と、入力手段により変更された監視対象装置の設定情報を該監視対象装置に指示して設定させる指示手段とを備え、前記表示手段は、前記取得手段により複数の監視対象装置の設定情報が取得されたときに、該表示手段の画面を複数の表示領域に分割して、各表示領域にそれぞれの監視対象装置の設定情報を分割表示し、前記入力手段は、前記各表示領域に表示されたそれぞれの監視対象装置別に、監視対象装置の設定情報に対する変更を行うことが可能であり、前記指示手段は、各監視対象装置別に、前記入力手段により変更された監視対象装置の設定情報を該監視対象装置に指示して設定させている。
【0006】
また、前記監視対象装置の設定情報は、監視対象装置の調節状態及びトラブルを示している。
【0007】
更に、前記表示手段は、各表示領域にそれぞれの監視対象装置の設定情報を分割表示する代わりに、各監視対象装置の設定情報のいずれかを選択的に表示することが可能である。
【0008】
また、前記入力手段は、前記表示手段により表示された監視対象装置の設定情報の標準値を設定することが可能である。
【0009】
更に、前記入力手段は、前記監視対象装置の設定情報の標準値を基準とする設定範囲で、該設定情報を変更することが可能である。
【0010】
また、前記取得手段は、監視対象装置の設定情報と共に該監視対象装置の識別情報を取得し、前記表示手段は、取得手段により取得された監視対象装置の設定情報及び識別情報を表示している。
【0011】
更に、前記取得手段及び指示手段は、無線LANを通じて、監視対象装置の設定情報の取得及び指示を行っている。
【0012】
更に、前記監視対象装置は、画像形成装置である。
【0013】
また、本発明の生産システムは、上記本発明の監視設定装置を用いている。
【発明の効果】
【0014】
このような構成の監視設定装置によれば、複数の監視対象装置の設定情報を取得して、表示手段の画面の各表示領域にそれぞれの監視対象装置の設定情報を分割表示し、それぞれの監視対象装置別に、監視対象装置の設定情報に対する変更を行って、この変更された設定情報を監視対象装置に指示して設定させている。このため、監視設定装置側で、複数の監視対象装置の設定情報を一括して設定することが可能であり、監視対象装置毎の設定ミスが起こり難い。
【0015】
例えば、監視対象装置の設定情報は、監視対象装置の調節状態及びトラブルを示している。この場合は、監視設定装置側で、各監視対象装置の調節状態を変更したり、トラブルを確認することが可能となる。
【0016】
また、各表示領域にそれぞれの監視対象装置の設定情報を分割表示する代わりに、各監視対象装置の設定情報のいずれかを選択的に表示することもできる。
【0017】
また、監視対象装置の設定情報の標準値を設定したり、監視対象装置の設定情報の標準値を基準とする設定範囲で、該設定情報を変更することができるので、この標準値を基準にした設定情報の調整が容易である。
【0018】
また、監視対象装置の設定情報と共に該監視対象装置の識別情報を取得して表示しているので、複数の監視対象装置の設定情報をそれぞれの識別情報により識別することができる。
【0019】
例えば、無線LANを通じて、監視対象装置の設定情報の取得及び指示を行うことができる。
【0020】
例えば、監視対象装置は、画像形成装置である。画像形成装置としては、電子写真方式のものがあるが、この電子写真方式の画像形成装置では、感光体を帯電させる帯電電圧、現像装置の現像バイアス、転写電圧、定着温度等を設定する必要がある。そこで、これらを設定情報としておけば、監視設定装置側で、複数の画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等を一括して設定することが可能となり、画像形成装置毎の設定ミスによる画像形成不良を回避することができる。
【0021】
また、本発明の生産システムは、上記本発明の監視設定装置を用いている。生産システムでは、複数の装置を用いるので、これらの装置を監視対象装置とし、上記本発明の監視設定装置を適用すれば、各監視対象装置の一括管理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の監視設定装置の一実施形態を概略的に示すブロック図である。また、図2は、本実施形態の監視設定装置を示す斜視図である。更に、図3は、本実施形態の監視設定装置を適用した生産システムを示すブロック図である。
【0024】
図3に示すように、本実施形態の監視設定装置1は、無線LAN2を通じて、複数の画像形成装置3-1〜3-4に接続され、これらの画像形成装置3-1〜3-4を監視及び管理することができる。ここでは、4台の画像形成装置3-1〜3-4を例示しているが、無線LAN2を通じて、監視設定装置1を最大で16台の画像形成装置に接続し、これらの画像形成装置を監視及び管理することができる。
【0025】
図1及び図2に示すように、本実施形態の監視設定装置1は、大型液晶表示装置等の表示装置11と、表示装置11の画面11a上に重ね合わされたタッチパネル12と、監視設定装置1全体の制御を司るCPU13と、CPU13のワークエリアとして用いられるメモリ14と、各種のデータもしくはプログラム等を記憶するハードディスク装置15と、表示装置11の表示制御を行うLCDコントローラ16と、無線LAN2を通じてデータ通信を行う通信部17と、データ等を入力するために操作される入力操作部18と、表示装置11の向きを変更するための表示角度変更部19と、撮影カメラ20と、プリンタ21と、スキャナ22とを備えている。
【0026】
通信部17は、最大で16の入出力ポートを有しており、先に述べたように無線LAN2を通じて、監視設定装置1を最大で16台の画像形成装置に無線接続することを可能にする。
【0027】
入力操作部18は、キーボードやマウス等であり、入力操作によりデータ等を入力してCPU13に通知する。
【0028】
表示角度変更部19は、表示装置11を上下左右に駆動して、その画面11aの向きを変更するためのものである。入力操作部18の入力操作により画面11aの向きを指示すると、これに応答してCPU13は、表示角度変更部19を駆動制御して、表示装置11を上下左右に駆動して、入力操作により指示された向きに画面11aを向ける。
【0029】
プリンタ21は、画像等を記録用紙に印刷するためのものである。撮影カメラ20により画像が撮像されたり、スキャナ22により原稿の画像等が読取られると、これらの画像等がCPU13を通じてプリンタ21に入力され、プリンタ21により画像等が記録用紙に印刷される。
【0030】
タッチパネル12は、表示装置11の画面11aが見えるような透光性を有する平板状のものであり、図4に示すようにガラス板等の透光板31の相互に対向するx方向の2辺にLEDアレイ32及びフォトトランジスタアレイ33を配置し、また透光板31の相互に対向するy方向の2辺にもLEDアレイ34及びフォトトランジスタアレイ35を配置したものである。各LEDアレイ及び各フォトトランジスタアレイのいずれも、LED素子もしくはフォトトランジスタ素子を0.5mm間隔で配置している。このタッチパネル12では、x方向のLEDアレイ32から複数の光ビームを出射させて、これらの光ビームをフォトトランジスタアレイ33に入射させ、またy方向のLEDアレイ34からも複数の光ビームを出射させて、これらの光ビームをフォトトランジスタアレイ35に入射させている。この状態で、タッチパネル12上の任意の位置Pにペンの先端を接触させると、ペンの先端により、x方向のLEDアレイ32からの複数の光ビームのいずれかが遮断されて、このx方向の遮断位置がフォトトランジスタアレイ33によりx座標として検出され、同時に、ペンの先により、y方向のLEDアレイ34からの複数の光ビームのいずれかが遮断されて、このy方向の遮断位置がフォトトランジスタアレイ35によりy座標として検出され、これによりペンの先の位置Pがxy座標として検出される。
【0031】
タッチパネル12としては、光学式の他に、抵抗膜方式や感圧式等の他の種類のものを適用しても構わない。
【0032】
CPU13は、タッチパネル12により検出されたペンの先のxy座標を表示装置1の画面1a上の点の位置として入力する。そして、ペンの先により文字や図形等が描かれたときには、CPU13は、タッチパネル12により検出されたペンの先のxy座標を随時入力して、ペンの先のxy座標の移動軌跡を求め、この移動軌跡、つまり文字や図形等をオブジェクトとしてメモリ14に記憶する。そして、CPU13は、このオブジェクトをメモリ14から読み出して、このオブジェクトである文字や図形等を表示装置11の画面11aに表示する。
【0033】
このような表示装置11の画面11aへのオブジェクトの表示は、タッチパネル12上にオブジェクトが描かれると同時に、つまりリアルタイムで行われる。この場合は、ペンによりオブジェクトを描くと同時に、オブジェクトを表示装置11の画面11a上で確認することができる。
【0034】
また、表示装置11の画面11a上のオブジェクトが一旦消去された後でも、入力操作部18の入力操作によりオブジェクトの再表示が指示されると、これに応答してCPU13によりオブジェクトがメモリ14から読み出されて表示装置11の画面11aに再表示される。
【0035】
図3に示す各画像形成装置3-1〜3-4は、最大で16台まで増設することができ、それぞれが記録用紙への印刷を行う。従って、図3の生産システムは、印刷システムであるともいえる。
【0036】
各画像形成装置3-1〜3-4は、電子写真方式のものであり、静電潜像を感光体ドラム表面に形成し、トナーにより感光体ドラム表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム表面にトナー像を形成し、トナー像を感光体ドラムから記録用紙に転写し、記録用紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録用紙上に定着させる。
【0037】
また、各画像形成装置3-1〜3-4は、画像形成装置全体の制御を司るCPU41と、記憶部42と、無線LAN2を通じて、監視設定装置1との間でデータ通信を行う通信部43とを備えている。
【0038】
このような電子写真方式の画像形成装置では、感光体を帯電させる帯電電圧、現像装置の現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値を設定する必要がある。
【0039】
ここで、仮に、画像形成装置別に、帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値を管理設定していたならば、調整者による設定ミスが発生していても、その画像形成装置の調整値の確認や修正を行うのが煩雑であり難しい。
【0040】
そこで、本実施形態の監視設定装置1では、画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値を設定情報とし、無線LAN2を通じて、各画像形成装置3-1〜3-4との間でデータ通信を行って、各画像形成装置3-1〜3-4の設定情報を取得し、これらの設定情報を表示装置11の画面11aに表示して確認することができるようにしている。また、各画像形成装置3-1〜3-4別に、入力操作部18の入力操作により表示装置11の画面11a上の設定情報を変更することができ、無線LAN2を通じて、その変更された設定情報を画像形成装置に戻し、この設定情報に従って、画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値を設定し直すようにしている。これにより、各画像形成装置3-1〜3-4の調整値を一括して設定することが可能となり、画像形成装置毎の設定ミスが起こり難くなり、画像形成装置毎の設定ミスによる画像形成不良を防止することができる。
【0041】
次に、そのような監視設定装置1による各画像形成装置3-1〜3-4の調整値の管理設定手順を詳しく述べる。
【0042】
監視設定装置1では、調整者が入力操作部18を入力操作して各画像形成装置3-1〜3-4の設定情報の収集を指示すると、これに応答してCPU13は、無線LAN2を通じて、設置情報の送信を各画像形成装置3-1〜3-4に指示する。
【0043】
各画像形成装置3-1〜3-4では、設置情報の送信指示を通信部43で受信し、この設置情報の送信指示をCPU41に入力する。CPU41は、この指示を入力すると、画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値を収集し、また該画像形成装置の識別番号(機種名や製造番号等)を記憶部42から読み出し、無線LAN2を通じて、それらの調整値及び識別番号を示す設定情報を監視設定装置1に送信する。これにより、各画像形成装置3-1〜3-4の設定情報が監視設定装置1に送信される。
【0044】
監視設定装置1では、各画像形成装置3-1〜3-4別に、画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値及び識別番号を示す設定情報を通信部17で受信し、各画像形成装置3-1〜3-4の設定情報をCPU13に入力する。CPU13は、各画像形成装置3-1〜3-4の設定情報を入力すると、各画像形成装置3-1〜3-4別に、画像形成装置の設定情報から帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度等の調整値及び識別番号を抽出し、これらの調整値及び識別番号を対応付けてハードディスク装置15に記憶する。
【0045】
そして、CPU13は、各画像形成装置3-1〜3-4が4台であることから、図5に示すように表示装置11の画面11aを4つの表示領域11-1、11-2、11-3、11-4に分割し、それぞれの表示領域に各画像形成装置3-1〜3-4の調整値及び識別番号を分割表示する。
【0046】
ここでは、表示領域毎に、画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度及び識別番号が表示され、また調整指示ボタン51が表示されている。帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度については、標準値もしくは標準値を基準とする設定範囲がそれぞれ決められており、調整値がその標準値に等しいかもしくは設定範囲に入っていれば、この旨を示す「OK」が表示され、また調整値がその標準値に等しくないかもしくは設定範囲に入っていなければ、この調整値が表示される。例えば、表示領域11-1には、識別番号「Model:MX1100 Sirial:1002345678」が表示され、帯電電圧がその標準値に等しいかもしくは設定範囲に入っている旨を示す「OK」が表示され、現像バイアスがその標準値に等しいかもしくは設定範囲に入っている旨を示す「OK」が表示され、転写電圧がその標準値に等しいかもしくは設定範囲に入っている旨を示す「OK」が表示され、定着温度がその標準値に等しくないかもしくは設定範囲に入っていないことから、この定着温度150(℃)が表示される。
【0047】
このような表示装置11の画面11aをみれば、各画像形成装置3-1〜3-4の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度を一括して確認することができ、各画像形成装置3-1〜3-4間の比較により調整値のバラツキやその傾向を容易に把握することができる。
【0048】
尚、表示装置11の画面11aを4つの表示領域11-1〜11-4に分割しているが、画像形成装置の台数が増減したときには、この台数に合わせて表示装置11の画面11aを分割し、この台数分の表示領域を設ければ良い。また、画像形成装置が多数である場合は、画面11a全体の表示内容を1頁として、各画像形成装置の設定情報及び識別番号を複数頁に振り分けて表示しても構わない。例えば、18台の画像形成装置がある場合は、18台の画像形成装置の設定情報及び識別番号を5頁に振り分け、入力操作部18の入力操作により頁単位のスクロールを実行し、1頁目から4頁目までは、頁毎に、4台の画像形成装置の設定情報及び識別番号を4つの表示領域にそれぞれ分割表示し、5頁目では、2台の画像形成装置の設定情報及び識別番号を2つの表示領域にそれぞれ分割表示するようにする。また、入力操作部18の入力操作により、表示装置11の画面11aの分割数を指示することができるようにしても良い。例えば、分割数を1、2、4、8、16等のいずれかより選択指示して、この指示された分割数に画面11aを分割する。分割数1が指示された場合は、画面11aを分割せず、画面11a全体に1台の画像形成装置の設定情報及び識別番号を表示する。
【0049】
こうして図5に示すように表示装置11の画面11aの各表示領域11-1〜11-4に各画像形成装置3-1〜3-4の調整値及び識別番号が表示された状態では、表示領域11-1の定着温度150(℃)だけが他の表示領域の定着温度と異なり、画像形成装置3-1の定着温度の設定ミスであることが分かる。
【0050】
そこで、次のような手順で表示領域11-1に表示されている画像形成装置3-1の定着温度を調節して変更する。
【0051】
まず、調整者は、入力操作部18を入力操作して表示領域11-1の調整指示ボタン51を指示する。CPU13は、表示領域11-1の調整指示ボタン51が指示されると、画像形成装置3-1の調整値を変更するためのシミュレーションモードを設定し、図5の画面11aを図6に示すなシミュレーションモードの画面11aに更新する。この図6の画面11aでは、「1.DSPF」(両面同時読取り装置)、「2.現像装置」、「3.転写装置」、「4.帯電装置」、「5.クリーニング装置」、及び「6.定着装置」という6つの項目が表示されており、入力操作部18の入力操作によりいずれかの項目が指示される。すなわち、DSPFの調整値の変更が必要なときには「1.DSPF」の項目が指示され、現像装置の現像バイアスの変更が必要なときには「2.現像装置」の項目が指示され、転写装置の転写電圧の変更が必要なときには「3.転写装置」の項目が指示され、帯電装置の帯電電圧の変更が必要なときには「4.帯電装置」の項目が指示され、クリーニング装置の調整値の変更が必要なときには「5.クリーニング装置」の項目が指示され、定着装置の定着温度の変更が必要なときには「6.定着装置」の項目が指示される。
【0052】
ここでは、画像形成装置3-1の定着温度の変更が必要なので、入力操作部18の入力操作により「6.定着装置」の項目が指示される。これに応答してCPU13は、図6の画面11aの代わりに、図7に示すような定着温度設定の画面11aを表示する。この図7の画面11aでは、設定されている現在の定着温度150(℃)、及び定着温度の標準値180(℃)及び標準値を基準とする設定範囲(170℃〜190℃)が表示されており、標準値180(℃)及び設定範囲(170℃〜190℃)を参照しつつ、例えば入力操作部18の入力操作により現在の定着温度150(℃)を180(℃)に変更指示することができる。このとき、入力操作部18の入力操作により指示された温度が設定範囲(170℃〜190℃)から外れる場合は、CPU13により現在の定着温度150(℃)を標準値180(℃)に強制的に変更指示するようにしても良い。
【0053】
この後、図7の画面11aにおいて、入力操作部18の入力操作によりOKボタン52が指示されると、これに応答してCPU13は、無線LAN2を通じて、変更指示された定着温度180(℃)及び画像形成装置3-1の識別番号を示す設定情報を送信する。
【0054】
画像形成装置3-1では、設置情報を通信部43で受信し、この設置情報をCPU41に入力する。CPU41は、この設置情報を入力すると、この設置情報によって画像形成装置3-1の識別番号が示されていることから、この設置情報によって示される定着温度180(℃)を自己の画像形成装置3-1のものとして取り込み、この定着温度180(℃)に定着装置の定着温度を変更制御する。これにより、画像形成装置3-1の定着装置の定着温度が150(℃)から180(℃)に更新され、定着温度の設定ミスが是正される。
【0055】
尚、他の画像形成装置では、設置情報を受信しても、この設置情報によって示される識別情報が自己の画像形成装置のものではないことから、この設置情報を取り込むことはなく、この設定情報によって示される定着温度が設定されることもない。
【0056】
また、CPU13は、図7の画面11aにおけるOKボタン52が指示されると、図7の画面11aを図6の画面11aに戻す。そして、図6の画面11aにおいて、入力操作部18の入力操作によりOKボタン53が指示されると、これに応答してCPU13は、図6の画面11aを図5の元の画面11aに戻す。
【0057】
以降同様の手順により、入力操作部18の入力操作によりいずれかの表示領域の調整指示ボタン51が指示されると、この表示領域に表示されている画像形成装置の調整値を変更するためのシミュレーションモードが設定されて、図6の画面11aが表示され、6つの項目のいずれかが指示されると、この項目の調整値を設定するための画面11aが表示され、この画面11aで調整値が変更されて、OKボタン52が指示されると、この変更された調整値が画像形成装置の識別番号と共に送信されて、この画像形成装置で調整値が受信され、この受信した調整値に該当する調整値が変更される。
【0058】
また、図5の画面11aが表示されているときに、入力操作部18の入力操作により終了が指示されると、監視設定装置1による各画像形成装置の監視が終了となる。
【0059】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、画像形成装置の帯電電圧、現像バイアス、転写電圧、定着温度を例示しているが、ポリゴンミラーの回転数等の他の調整値や、紙詰まり等のトラブルを設定情報として扱っても良い。また、画像形成装置とは異なる他の装置を監視対象装置としても構わない。更に、表示画面上での表示態様を適宜に変更しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の監視設定装置の一実施形態を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の監視設定装置を示す斜視図である。
【図3】図1の監視設定装置を適用した生産システムを示すブロック図である。
【図4】図1の監視設定装置におけるタッチパネルを示す平面図である。
【図5】図1の監視設定装置における表示装置の画面の分割表示を例示する図である。
【図6】図1の監視設定装置におけるシミュレーションモードのときの画面を例示する図である。
【図7】図1の監視設定装置における調整値を設定するための画面を例示する図である。
【符号の説明】
【0061】
1 監視設定装置
2 無線LAN
3-1〜3-4 画像形成装置
11 表示装置
12 タッチパネル
13、41 CPU
14 メモリ
15 ハードディスク装置
16 LCDコントローラ
17、43 通信部
18 入力操作部
19 表示角度変更部
20 撮影カメラ
21 プリンタ
22 スキャナ
42 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象装置の設定情報を該監視対象装置から取得する取得手段と、
取得手段により取得された監視対象装置の設定情報を表示する表示手段と、
表示手段により表示された監視対象装置の設定情報に対する変更を行うための入力手段と、
入力手段により変更された監視対象装置の設定情報を該監視対象装置に指示して設定させる指示手段とを備え、
前記表示手段は、前記取得手段により複数の監視対象装置の設定情報が取得されたときに、該表示手段の画面を複数の表示領域に分割して、各表示領域にそれぞれの監視対象装置の設定情報を分割表示し、
前記入力手段は、前記各表示領域に表示されたそれぞれの監視対象装置別に、監視対象装置の設定情報に対する変更を行うことが可能であり、
前記指示手段は、各監視対象装置別に、前記入力手段により変更された監視対象装置の設定情報を該監視対象装置に指示して設定させることを特徴とする監視設定装置。
【請求項2】
前記監視対象装置の設定情報は、監視対象装置の調節状態及びトラブルを示すことを特徴とする請求項1に記載の監視設定装置。
【請求項3】
前記表示手段は、各表示領域にそれぞれの監視対象装置の設定情報を分割表示する代わりに、各監視対象装置の設定情報のいずれかを選択的に表示することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の監視設定装置。
【請求項4】
前記入力手段は、前記表示手段により表示された監視対象装置の設定情報の標準値を設定することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の監視設定装置。
【請求項5】
前記入力手段は、前記監視対象装置の設定情報の標準値を基準とする設定範囲で、該設定情報を変更することが可能であることを特徴とする請求項4に記載の監視設定装置。
【請求項6】
前記取得手段は、監視対象装置の設定情報と共に該監視対象装置の識別情報を取得し、
前記表示手段は、取得手段により取得された監視対象装置の設定情報及び識別情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の監視設定装置。
【請求項7】
前記取得手段及び指示手段は、無線LANを通じて、監視対象装置の設定情報の取得及び指示を行うことを特徴とする請求項1に記載の監視設定装置。
【請求項8】
前記監視対象装置は、画像形成装置であることを特徴とする請求項1に記載の監視設定装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一つに記載の監視設定装置を用いた生産システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−109646(P2009−109646A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280494(P2007−280494)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】