説明

目標追尾装置

【課題】早期に高精度な着弾位置の推定値を得るように、どのセンサがどの目標をいつからいつまで観測するかの効率のよいセンサの割当てスケジュールを決定する目標追尾装置を得る。
【解決手段】複数のセンサ4a〜4dにより複数の目標1a〜1dを観測し、この観測結果に基づき、追尾処理部5により追尾処理を行い、この追尾処理された追尾情報に基づいて軌道推定部7により目標の着弾までの軌道情報を推定し、次いで、この軌道情報に基づいて、要求精度算出部8により、満たすべき追尾精度要求を算出し、この算出された追尾精度要求を満足するように、どのセンサがどの目標をいつからいつまで観測するかの割当てスケジュール10を割当て部9により決定し、センサ制御部11がこの割当てスケジュール10どおりに複数のセンサ4a〜4dを制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のセンサにより目標観測を行い、目標を追尾する目標追尾装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
数百km以上の長距離にわたって高速で弾道飛行するような目標を追尾する場合、地上に設置されたセンサ(主にレーダ装置)からは、その覆域の限界により1つのセンサで発射から着弾まで観測し続けることは困難である。そのため、広域に配備された複数のセンサを中央で管理・制御して追尾を継続させるようなセンサネットワークシステムが考えられている。
ここで、弾道目標の着弾位置が重要な地域・施設であると予測できる場合には、迎撃などの対応をとる必要があるため、目標の探知後は、なるべく早期に高精度な着弾位置の推定を行わなければならない。着弾位置の推定精度を向上させるためには、着弾位置の算出元である追尾情報の精度を高める必要がある。複数のセンサを同時に割当てて観測頻度を高くすれば、追尾精度を向上させることができる。
【0003】
上記のような、目標に対して観測するセンサを割当てるという要求に対する従来の技術として、特許文献1に開示されたセンサ群管理装置がある。この従来の技術は、主に追尾情報等に基づいてどの目標にどのセンサを割当てるかを決定するようにしたものである。追尾手段から、位置・速度・加速度などの目標の運動諸元の推定値とその誤差の推定値が追尾情報として得られ、この誤差の推定値が大きい目標から優先的に精度の良いセンサ(目標から近いセンサ)を割当てることとしている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−277543号公報(第4〜6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、システム全体で使用可能なセンサリソース(センサが同時に観測できる目標の数に相当する)は限られているため、目標数が多くなる場合を想定して、なるべく少ない割当てセンサ数で必要な精度を満たすように、限られたセンサリソースを効率よく目標に割当てねばならない。
しかし、特許文献1の従来の技術では、効果の高いセンサを割当てるようにしているが、精度要求を満たすために必要最低限のセンサを割当てるための具体的な割当て方法については示されていなかった。そのため、センサを無駄に割当てる可能性があった。
また、従来の技術では、着弾位置精度を満たすための割当て方法が明らかにされていなかった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、早期に高精度な着弾位置の推定値を得るように、どのセンサがどの目標をいつからいつまで観測するかの効率のよいセンサの割当てスケジュールを決定する目標追尾装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係わる目標追尾装置においては、それぞれ弾道目標を観測する複数のセンサを管理・制御して複数の弾道目標を観測・追尾する目標追尾装置において、
複数のセンサから入力される各センサの稼動状況に基づいて、センサの状態を管理するセンサ管理手段、複数のセンサから入力される弾道目標の観測結果に基づいて追尾処理を行う目標追尾手段、この目標追尾手段によって追尾処理された追尾情報に基づいて弾道目標の着弾までの軌道情報を推定する軌道推定手段、この軌道推定手段により推定された軌道情報に基づいて、満たすべき追尾精度要求を算出する要求精度算出手段、この要求精度算出手段により算出された追尾精度要求を満足するように、どのセンサがどの目標をいつからいつまで観測するかの割当てスケジュールを決定する割当て手段、及びこの割当て手段により決定された割当てスケジュールどおりに複数のセンサを制御するセンサ制御手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、以上説明したように、それぞれ弾道目標を観測する複数のセンサを管理・制御して複数の弾道目標を観測・追尾する目標追尾装置において、
複数のセンサから入力される各センサの稼動状況に基づいて、センサの状態を管理するセンサ管理手段、複数のセンサから入力される弾道目標の観測結果に基づいて追尾処理を行う目標追尾手段、この目標追尾手段によって追尾処理された追尾情報に基づいて弾道目標の着弾までの軌道情報を推定する軌道推定手段、この軌道推定手段により推定された軌道情報に基づいて、満たすべき追尾精度要求を算出する要求精度算出手段、この要求精度算出手段により算出された追尾精度要求を満足するように、どのセンサがどの目標をいつからいつまで観測するかの割当てスケジュールを決定する割当て手段、及びこの割当て手段により決定された割当てスケジュールどおりに複数のセンサを制御するセンサ制御手段を備えたので、早期に着弾精度を満足するようなセンサの割当てスケジュールを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による目標追尾装置を示すブロック図である。
図1において、観測すべき対象としての目標1a〜1dは、打ち上げ後数分間は、推薬の燃焼により加速上昇し、推薬の燃焼後は慣性運動を行うような弾道目標とし、これらの目標をまとめて目標群2とする。観測ビーム3a〜3dは、センサ4a〜4dから目標群2に向けて出射される。センサ4a〜4dは、観測ビーム3a〜3dを用いて目標1a〜1dを観測する。ここではセンサとしてレーダ装置を考える。
図1では、どのセンサ4a〜4dがどの目標1a〜1dを観測しているかを示している。目標1aは、センサ4aとセンサ4bの2センサから同時に観測されている。また、センサ4bは目標1aと目標1cを同時に観測している。センサ4dは、目標1dを観測している。
ここで、同時といっても同一時刻ではなく、単位時間内の観測を表している。近年のレーダ装置は、単位時間内に時分割で複数目標を観測・追尾できるため、このような観測も可能と考える。なお、単位時間内に照射できる観測ビーム数(リソースの数)は、上限がセンサごとに決まっているものとする。
【0010】
追尾処理部5は、センサ4a〜4dが出力する観測情報を受けて、各目標1a〜1dの追尾を行い、各目標の追尾情報を出力する。センサ管理部6は、センサ4a〜4dが出力する稼動情報を受けて、センサ4a〜4dの稼動状態を管理する。軌道推定部7は、追尾処理部5からの追尾情報を受けて、その目標が着弾するまでの軌道情報を算出する。要求精度算出部8は、軌道推定部7から出力される軌道情報を受けて、その目標の追尾精度が満たすべき指標を追尾精度要求として算出する。
割当て部9は、センサ管理部6からのセンサ稼動情報、追尾処理部5からの追尾情報、軌道推定部7からの軌道情報、要求精度算出部8からの追尾精度要求を受けて、センサ4a〜4dの各目標1a〜1dへの割当てを決定する。この割当て部9による割当て結果は、割当てスケジュール10として保持される。センサ制御部11は、割当てスケジュール10のとおりにセンサ4a〜4dを制御する。センサ4a〜4dは、センサ制御部11から送られてくる制御情報に従って目標群2を観測する。
【0011】
図2は、この発明の実施の形態1による目標追尾装置の割当てスケジュールの例を示した図である。
図2において、センサ毎に目標の観測開始、観測終了を示している。各センサは、リソースの数だけ、同時に目標を観測することができる。
図3は、この発明の実施の形態1による目標追尾装置の割当て部の処理フローを示すフローチャートである。
【0012】
図4は、この発明の実施の形態1による目標追尾装置の軌道面に近いセンサを確認するための図である。
図4において、目標とその予測軌道及び着弾推定位置と、センサの配置例を示している。
【0013】
図5は、この発明の実施の形態1による目標追尾装置の着弾時刻の追尾誤差推定値と着弾誤差範囲の関係を示した図である。
図5では、着弾時の経路角にしたがって着弾位置の誤差範囲が投影され、上下方向に誤差が大きいほど投影によって進行方向に範囲が広がり、着弾位置誤差の推定値(着弾誤差範囲)も進行方向に最大となる様子を示している。
【0014】
次に、本発明の実施の形態1の目標追尾装置の動作について、図1に基づいて説明する。
割当てスケジュール10は、例えば図2に示したような形式をしている。現時刻以降の時間軸に対して、どのセンサがどの目標をいつからいつまで観測するかを示している。リソースは、各センサが同時に観測できる目標数に対応している。図2の例では、3センサともそれぞれ3目標を同時観測可能であることを意味している。いつからいつまで(観測開始、観測終了)という時刻指定は、推定軌道のどこからどこまでという指定と一対一に対応しており、推定軌道を覆域内に捉えることのできるセンサが選ばれている。
センサ制御部11は、割当てスケジュール10に示された各センサの観測の開始と終了が時刻どおりに行われるように、センサ4a〜4dに目標1a〜1dの観測開始・終了指示を送る。センサ4a〜4dは、入力された指示に従って、目標1a〜1dを観測し、目標1a〜1dの観測情報を得る。
【0015】
次に、追尾処理部5は、センサ4a〜4dから送られてくる観測情報に基づいて、それら観測情報と既追尾目標1a〜1dを対応づける相関処理を行い、対応する観測情報を用いて、目標1a〜1dの予測・推定を行って、追尾情報を更新する。追尾処理部5は、追尾情報として、位置・速度・加速度等の運動諸元の推定値およびそれらの誤差の推定値を出力する。
例えば、直交3次元座標x、y、zにおける位置追尾誤差の推定値は、次の式(1)で定義される位置追尾誤差共分散行列Pとして計算される。
【0016】
P=E[(Xs−Xm)(Xs−Xm)] ・・(1)
ここで、
Xs:3行1列の追尾位置ベクトル
Xm:3行1列の真位置ベクトル
:行列Aの転置行列である。
【0017】
さらに、その大きさとしては、Pの二次形式を用いて、次式(2)を満たすXの範囲(追尾誤差楕円)で表され、特にその楕円の長半径などを用いる。
【0018】
(X−Xs)−1(X−Xs)≦d(m) ・・(2)
ここで、
Xs:3行1列の追尾位置ベクトル
X:3行1列の位置ベクトル
−1:追尾位置誤差共分散行列Pの逆行列
d(m):カイ2乗分布のmパーセント信頼区間である。
なお、式(1)(2)とも、速度、加速度でも同様に計算できる。
【0019】
次に、軌道推定部7は、追尾情報に基づいて、現時刻から着弾までの軌道および着弾位置を推定する。軌道の計算方法は、追尾情報の位置・速度の推定値を初期値とした慣性運動であって、外力として地球の重力や空気抵抗などを受けることを考慮した物理計算による。こうして推定した軌道が地表面と交わる位置を着弾推定位置、その時刻を着弾推定時刻とする。
また、着弾位置の誤差の推定値(着弾誤差範囲)として、追尾誤差推定値を着弾推定時刻まで時間発展(追尾処理の予測と同じ計算でよい)させて求める。これらを軌道情報として出力する。
【0020】
要求精度算出部8は、着弾位置誤差の要求として、どの時点で着弾位置誤差をどのくらいにしなければならないかを予め保持しているものとする。この保持する内容は、早期に着弾位置を特定したいのであるから、例えば、目標を新たに発見(探知)してから100秒以内に着弾位置誤差を100km以内にするといった内容となる。このとき、探知時刻から100秒後を要求時刻、100kmを要求着弾位置精度と呼ぶ。
要求精度算出部8は、後述する式(3)により、上記の要求着弾位置精度(式(3)のRmax)を、軌道推定部7から出力される軌道情報(式(3)のt、th)を用いて、要求時刻において満たすべき追尾精度(追尾誤差推定値)の形の要求精度(式(3)のPp、Pv)に変換して出力する。
センサ管理部6は、センサ4a〜4dから定期的に送られてくる稼動情報に基づいて、各センサが使用可能かどうかを把握している。
【0021】
次に、割当て部9は、センサ管理部6からの各センサの稼働状況、追尾処理部5からの追尾情報、軌道推定部7からの軌道情報に基づき、要求精度算出部8からの要求精度を満たすために、どの目標をどのセンサでいつからいつまで観測するかの割当てスケジュール10を作成する。
なお、割当ての計算タイミングは、センサの稼働状況の変化、追尾目標の追加・削除、軌道の変化などを監視し、前回割当てスケジュールを計算してから、そのスケジュールが成立しなくなるような状況となった場合のみで十分である。
【0022】
次に、要求精度算出部8における要求精度の算出方法について詳細に述べる。
着弾位置誤差推定値は、追尾誤差推定値の時間発展で表されるから、以下の式(3)の関係を満たすような位置と速度に関する追尾精度要求値(Pp,Pv)を要求精度とする。
【0023】
(d(m)0.5×(Pp+Pv×t))/min{tan(th),1}≦Rmax ・・(3)
ここで、
Pp:要求時刻における位置追尾精度要求値(位置誤差共分散行列の最大固有値の平方根)
Pv:要求時刻における速度追尾精度要求値(速度誤差共分散行列の最大固有値の平方根)
t[s]:要求時刻から着弾推定時刻までの時間
d(m):カイ2乗分布におけるmパーセント信頼区間(mパーセントは着弾精度要求として規定されるもの)
th[rad]:着弾経路角(着弾時の軌道と地平面のなす角度。地平面と平行を0度とし、0〜π/2とする。)
min{a,b}:aとbの値の小さい方を示す関数
Rmax[m]:要求着弾精度(真値との差をRmax以内にと要求された距離)である。
【0024】
上記の要求着弾精度を追尾精度要求値に変換する原理は、以下のとおりである。
レーダの特徴として、目標までの距離によらず距離精度は良好であるが、角度方向(方位角、仰角)の精度は、遠方の目標になるほど悪くなる。複数の異なる位置にあるレーダで同一目標を観測する場合、方位角方向は、他のレーダの距離方向と重ねることができるが、仰角方向は重ねることができない。よって、これらの観測情報を使って追尾した結果、追尾誤差推定値としては仰角方向すなわち上下方向の誤差が一番大きく現れる。
また、この追尾誤差推定値を着弾推定時刻まで推定軌道に沿って伝播させても、上下方向に誤差が大きいのは変わらない。
さらに、この伝播させた追尾誤差推定値を着弾時の経路角にしたがって投影した範囲を着弾位置の誤差範囲と考えると、上下方向に誤差が大きいほど投影によって進行方向に範囲が広がり、着弾位置誤差の推定値(着弾誤差範囲)も進行方向に最大となる(図5参照)。
よって、追尾誤差の最大となる上下軸方向の誤差推定値に着目して、上記の追尾精度要求値としている。
【0025】
次いで、割当て部9の動作を図3に基づき、さらに詳細に述べる。
割当て部9は、どの目標をどのセンサがいつからいつまで観測するかのスケジュールを決める。対象の目標とセンサは、それぞれ追尾情報、センサ稼動情報より決まる。
次に、要求対象の目標の要求時刻までの推定軌道に対して、どのセンサをいつからいつまで割当てるかを図3のフローに従って目標ごとに決めていく。要求対象でない目標や、要求時刻を過ぎた後の推定軌道については、覆域に捉えることのできるセンサを1つ適当に割当てて追尾を継続させる。
STEP1で、要求時刻における追尾精度を予測する。追尾精度の予測は、例えば、推定軌道にそって観測情報が得られると仮定して擬似観測値をつくり、それを追尾処理して追尾誤差推定値を得る。なお、ループの1回目では現状の割当てセンサのうち1つを選択して実施したり、要求時刻まで観測できるセンサを適当に選んだりして決める。
STEP2で、予測した追尾精度(誤差共分散行列)から追尾精度要求値Pp、Pvを求め、式(3)を満たしているかどうかを判定する。
【0026】
STEP3は、追尾精度要求を満たしていないので、軌道面(目標位置、着弾位置を含む地面に垂直な面)に近いセンサを割当てに追加する。
STEP4は、追尾精度要求を満たしたので、これまでに追加したセンサを割当てることとして割当てスケジュールを更新する。
追尾精度要求を満たすまで、STEP3により順次選ばれるセンサは、例えば図4のようになる。図4を参照すると、目標#1に対しては、センサ#6、#5、#2、#1、#7、#3、#4の順で割当てが決定していく。目標#2に対してはセンサ#2、#6、#4、#7、#5、#3、#1の順である。
【0027】
上記の割当てセンサの選択方法の原理は、以下のとおりである。
追尾精度要求を満たすためにセンサを割当てるのは、探知してから100秒以内の早い段階である。弾道目標は、この間に噴射を終えて慣性運動に移る可能性が高い。この運動の変化は、推力による加速度が急激に0になるため、追尾誤差を大きくする要因となる。
このとき、追尾処理で予測した目標位置と目標の観測される位置の差が大きくなるが、この差は軌道面内(目標位置、着弾位置を含む地面に垂直な面)に発生する。追尾処理にとっては、この差を、観測精度のよい距離方向で観測する方が、追尾誤差を小さくすることができる。追尾誤差を小さくできれば、結果として着弾位置誤差の推定値も小さくなるから、上記のような割当て方法としている。
【0028】
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、割当て部9の割当てフローにおいて、STEP2で、追尾精度の予測値を使って軌道推定部と同じ計算で着弾誤差範囲を算出し、直接、要求着弾精度と比較することもできるが、着弾までの軌道予測処理を上記のループが回るたびに計算するのは負荷が高く、要求精度算出部8で着弾位置精度に関する要求を追尾精度の要求に変換して追尾精度予測結果だけで判断するようにしたので、処理の高速化が図れている。
また、割当て部9において、軌道面に近いセンサから順に割当てることで、効果の高いセンサから順に要求を満たすまでのセンサのみを割当てていることになり、無駄のないセンサ割当てが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の実施の形態1による目標追尾装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による目標追尾装置の割当てスケジュールの例を示した図である。
【図3】この発明の実施の形態1による目標追尾装置の割当て部の処理フローを示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1による目標追尾装置の軌道面に近いセンサを確認するための図である。
【図5】この発明の実施の形態1による目標追尾装置の着弾時刻の追尾誤差推定値と着弾誤差範囲の関係を示した図である。
【符号の説明】
【0030】
1a〜1d 観測対象の目標、2 目標群、3a〜3d 観測ビーム、
4a〜4d センサ、5 追尾処理部、6 センサ管理部、7 軌道推定部、
8 要求精度算出部、9 割当て部、10 割当てスケジュール、
11 センサ制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ弾道目標を観測する複数のセンサを管理・制御して複数の弾道目標を観測・追尾する目標追尾装置において、
上記複数のセンサから入力される各センサの稼動状況に基づいて、上記センサの状態を管理するセンサ管理手段、上記複数のセンサから入力される弾道目標の観測結果に基づいて追尾処理を行う目標追尾手段、この目標追尾手段によって追尾処理された追尾情報に基づいて上記弾道目標の着弾までの軌道情報を推定する軌道推定手段、この軌道推定手段により推定された軌道情報に基づいて、満たすべき追尾精度要求を算出する要求精度算出手段、この要求精度算出手段により算出された追尾精度要求を満足するように、どのセンサがどの目標をいつからいつまで観測するかの割当てスケジュールを決定する割当て手段、及びこの割当て手段により決定された割当てスケジュールどおりに上記複数のセンサを制御するセンサ制御手段を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
【請求項2】
上記割当て手段は、上記弾道目標の軌道面に近いセンサを優先的に選択するというルールに基づいて、上記割当てスケジュールを決定することを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。
【請求項3】
上記要求精度算出手段は、着弾位置精度に対する要求である着弾位置精度要求を予め保持し、この保持した着弾位置精度要求を、上記軌道推定手段により推定された軌道情報に基づき、上記追尾精度要求に変換することを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−187468(P2007−187468A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3741(P2006−3741)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】