説明

直動装置およびその異常判定装置

【課題】循環路を循環する転動体の循環異常を早期に判定する手段を提供する。
【解決手段】リニアガイド装置1の循環路14の一部を構成する樹脂製のエンドキャップ11の方向転換路12が形成された部位に、循環路14を循環するボール9の接近を検出する金属検出センサ16を設け、この金属検出センサ16によりボール9の通過時間間隔を検出し、通過時間間隔が異常判定通過周期以上のときに、循環異常の発生を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアガイド装置やボールねじ装置等の工作機械や精密機械、半導体製造装置、射出成形機等の機械装置の送り機構等に用いられる直動装置およびその異常判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直動装置としてのリニアガイド装置は、循環路を循環するボール等の転動体を介して、レールにスライダを直線移動可能に支持して構成されており、循環路における何らかの異常によって転動体の正常な循環が阻害され、詰り現象等の循環異常が発生すると、転動体の循環における摺動抵抗が増大して方向転換路が形成されたエンドキャップに過大な力が作用し、エンドキャップが破損して直動装置としての機能を果たせなくなるという致命的な損傷に至る可能性があり、致命的損傷に至る前に異常を検出する手段が求められている。
【0003】
従来のリニアガイド装置の異常判定装置としては、リニアガイド装置をスライダに設けた戻り路と、エンドキャップに設けた方向転換路と、レールに設けたレール軌道溝とスライダに設けたスライダ軌道溝とを対向させて形成した負荷路とを連通した4つの循環路にそれぞれ複数のボールを装填し、循環路の負荷路を転動するボールによりレールを直線的に移動するスライダを支持して構成し、そのリニアガイド装置の異常を検出するために、スライダの移動方向の前後端部に取付けられたエンドキャップの、それぞれの循環路を構成する方向転換路の外壁の合計8箇所の端面に歪ゲージにより形成したブリッジ回路を貼付し、それぞれのブリッジ回路によりエンドキャップの端面の変形量を検出して、いずれかのブリッジ回路からの電圧信号が変化したときに、エンドキャップが破損するであろうことを検知して、リニアガイド装置の稼動を停止している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−42785号公報(第6頁段落0032−0036、第8頁段落0051−0058、第1図、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、エンドキャップに形成された方向転換路の外壁の端面の変形を検出して循環路における異常を検出しているため、循環異常に伴って増大した摺動抵抗による変形を検出することになり、異常の検出が可能になった時点では、循環異常が相当に進行した状態になっており、リニアガイド装置の致命的な破損を未然に防止するには不十分であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、循環路を循環する転動体の循環異常を早期に判定する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、固定体と、前記固定体に複数の金属製の転動体を介して移動可能に支持された移動体と、前記転動体が循環する循環路とを備えた直動装置において、前記循環路の一部を構成する樹脂部材に、前記循環路を循環する前記転動体の接近を検出する金属検出センサを設け、前記金属検出センサにより、前記転動体の通過時間間隔を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
これにより、本発明は、循環路に循環異常が生じたときに、通過時間間隔が長時間側に移行することを利用して、摺動抵抗が増大する以前の循環異常を金属検出センサにより直接検出して、循環路に循環異常が生じたことを早期に、かつ確実に判定することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、図面を参照して本発明による直動装置およびその異常判定装置の実施例について説明する。
【実施例】
【0009】
図1は実施例のリニアガイド装置を示す斜視図、図2は実施例の異常判定装置を示すブロック図である。
図1において、1は直動装置としてのリニアガイド装置である。
2は直動装置の固定体としてのレールであり、合金鋼等の鋼材で製作された長尺の柱状部材であって、その上面には機械装置の基台等にレール2を固定するための段付ボルト穴であるレール取付穴3が所定のピッチで複数設けられている。
【0010】
5は固定体の転動体ガイド面としてのレール軌道溝であり、レール2の両方の側面の長手方向に沿って形成された円弧状断面の溝である。
6は直動装置の移動体としてのスライダであり、合金鋼等の鋼材で製作された略コの字状の断面形状を有する鞍状部材であって、その上面には取付ねじ穴7が設けられており、この取付ねじ穴7を用いて機械装置の移動テーブル等がボルト等により締結される。
【0011】
8は移動体の転動体ガイド面としてのスライダ軌道溝であり、スライダ6の両方の袖壁6aの内側にレール軌道溝5に対向して設けられた円弧状断面の溝である。
9は直動装置の転動体としてのボールであり、合金鋼等の鋼材で製作された球体である。
10は戻り路であり、スライダ6の袖壁6aに形成されたボール9を循環させるためのボール9の直径より大きい直径を有し、スライダ6の移動方向(スライダ移動方向という。)にスライダ6を貫通する貫通穴であって、それぞれのスライダ軌道溝8に対応して設けられている。
【0012】
11はエンドキャップであり、樹脂材料等で製作され、スライダ6のスライダ移動方向の前後端部に配置されている。
12はエンドキャップ11の袖部11aのスライダ6側に設けられた方向転換路であり、対向配置されたスライダ軌道溝8とレール軌道溝5とにより形成される負荷路とスライダ6の戻り路10とをそれぞれ接続するU字状に湾曲した通路であって、それぞれの負荷路に対応して設けられており、ボール9を案内してその循環方向を転向させる機能を有している。
【0013】
上記の負荷路の両端部は、エンドキャップ11の方向転換路12とスライダ6の戻り路10とで形成される連通路によりそれぞれ連通されてリニアガイド装置1の循環路14が形成され、この循環路14に複数のボール9が装填される。
また、スライダ6の移動に伴ってボール9が循環路14を循環し、負荷路を転動するボール9がスライダ6に加えられた荷重を往復動自在に支持し、スライダ6がレール2の長手方向に沿った直線往復移動可能に支持される。これによりリニアガイド装置1が直動装置として機能する。
【0014】
本実施例のリニアガイド装置1には、片側に2つ、両側で4つの循環路14が形成されており、それぞれの循環路14の一部を構成する樹脂部材としてエンドキャップ11を有している。
16は金属検出センサであり、金属の存在を検出する誘導型または磁気型のギャップセンサ等であって、検出対象となる金属(本実施例では、ボール9)との距離に応じてセンサ出力が変化し、ボール9の接近の検出を可能としている。
【0015】
また、金属検出センサ16は、スライダ6のスライダ移動方向の前端部に配置された樹脂製のエンドキャップ11の両側の袖部11aの、方向転換路12の壁面となる部位の端面に形成された有底の穴等にそれぞれ取付けられており、4つの循環路14のそれぞれの方向転換路12を移動するボール9の通過を検出する。
本実施例の金属検出センサ16は、図1において、手前側のエンドキャップ11のぞれぞれの袖部11aの下側の循環路14の方向転換路12となる部位に1つずつ、奥側のエンドキャップ11にのぞれぞれの袖部11aの上側の循環路14の方向転換路12となる部位に1つずつ、合計4つ取付けられている。
【0016】
18はリード線であり、各金属検出センサ16のセンサ出力信号を、それぞれ図2に示すパーソナルコンピュータ等の異常判定装置20へ導く機能を有している。
図2において、21は異常判定装置20の制御部であり、異常判定装置20内の各部を制御して異常判定処理等を実行すると共にデータ通信等も制御する。
22は記憶部であり、制御部21が実行するプログラムやそれに用いる各種のデータおよび制御部21による処理結果等が格納される。
【0017】
23は時計部であり、水晶発振器等を有する周波数発生器とカレンダを格納したメモリ等を備えており、発生した周波数を基に経過時間等を計数すると共に、現在日時等を制御部21へ出力する機能を有している。
24は表示部であり、LCD等の表示画面を備えており、循環異常の判定時の警告画面等を表示する機能を有している。
【0018】
25は入力部であり、キーボードやマウス等を備えており、リニアガイド装置1が組込まれた機械装置の操作担当者等からの、各種の設定値や、正常時の通過周期を算出するための諸元値、閾値設定のためのパラメータ等の入力を受付ける機能を有している。
26は警報部であり、ブザーやスピーカ等を備えており、異常発生時等にブザー音や電子音により警報を発する機能を有している。
【0019】
30は駆動装置であり、図示しないボールねじ装置等を駆動するモータ等を備えており、リニアガイド装置1のスライダ6の移動速度をリアルタイムに異常判定装置20の制御部21へ送信する機能を有している。
上記の異常判定装置20の記憶部22には、リニアガイド装置1の幾何学的関係、および駆動装置30から取得したスライダ6の移動速度を基にボール9の正常運転時における公転速度を求め、金属検出センサ16からのセンサ出力信号を基に循環路14の方向転換路12を通過する隣合うボール9間の通過時間間隔を検出し、この通過時間間隔が、異常判定通過周期以上となったときに、循環路14における循環異常を判定して、表示部24や警報部26により操作担当者等への警告を報知する機能等を有する異常判定処理プログラムが予め格納されており、制御部21が実行する異常判定処理プログラムのステップにより本実施例の異常判定装置20のハードウェアとしての各機能手段が形成される。
【0020】
また、記憶部22には、金属検出センサ16からのセンサ出力信号を基に1つのボール9の通過を検出するための通過検出閾値(図4に符号Kで示す実線参照)等が予め設定されて格納されている。
本実施例の通過検出閾値としては、金属検出センサ16からのセンサ出力信号のピーク電圧の30%以上、50%以下の範囲の電圧(本実施例では、40%の電圧)が設定されている。
【0021】
更に、記憶部22には、リニアガイド装置1の運転時に、循環路14を循環するボール9の循環異常を判定するときの異常判定通過周期を算出するための異常転動体間隔としての異常ボール間隔が予め設定されて格納されている。
本実施例の異常ボール間隔としては、各循環路14に装填されたボール9間に設定された隙間の総和(総隙間という。)の寸法許容範囲の最大値にボール9の直径を加えた長さに一定の倍率を乗じた長さが格納されている。
【0022】
なお、ボール9間に、ボール9同士が直接接触することを防止するための樹脂製等のスペーサが挿入されている場合は、総隙間の最大値にボール9の直径およびスペーサにより隔置されるボール9の間隔を加えた長さに一定の倍率を乗じた長さが異常ボール間隔として格納される。
また、前記の一定の倍率は、1.0以上、1.2以下の範囲の値(本実施例では、1.1)が設定されている。
【0023】
以下に、図3に示すフローチャートを用い、Sで示すステップに従って本実施例の異常判定処理について説明する。
機械装置の操作担当者が、始業時等に機械装置および異常判定装置20へ電源を投入すると、異常判定装置20の記憶部22に格納されている異常判定処理プログラムが自動的に起動される。
【0024】
S1、異常判定処理プログラムが起動すると、制御部21は、駆動装置30からのスライダ6の「0」を超える移動速度の着信を待って待機し、駆動装置30から移動速度を受信したときに、ステップS2へ移行する。
移動速度を受信しない場合は、前記の待機を継続する。
S2、駆動装置30からの移動速度を受信した制御部21は、記憶部22に格納されている異常ボール間隔を読出すと共に、スライダ6の移動速度Vsと、式(1)に示す転動に関する幾何学的関係、つまり公転速度Vbは移動速度Vsの半分の速度になるという幾何学的関係とを基に、ボール9の公転速度Vbを算出する。
【0025】
Vb=Vs/2 ・・・・・・・(1)
そして、制御部21は、読出した異常ボール間隔を算出した公転速度で除して、異常判定通過周期を算出する。
S3、異常判定通過周期を算出した制御部21は、記憶部22に格納されている通過検出閾値を読出し、時計部23により、金属検出センサ16のセンサ出力信号が、その上昇時に通過検出閾値以上になったときから、次のセンサ出力信号の上昇時に通過検出閾値以上となるまでの時間を測定して、通過時間間隔(図4参照)を検出する。
【0026】
S4、通過時間間隔を検出した制御部21は、検出した通過時間間隔が、異常判定通過周期以上のときは、循環路14に循環異常が生じたことを判定してステップS5へ移行する。
通過時間間隔が異常判定通過周期未満の場合は、正常運転と判定してステップS1へ戻り、上記の異常判定を継続する。
【0027】
S5、循環路14に循環異常が生じたことを判定した制御部21は、循環路14に循環異常が生じた旨の文言や循環異常と判定した循環路14の位置等を表示した循環異常警告画面を表示部24に表示し、警報部26からブザー音またはビープ音等を発して、操作担当者等に警告を報知すると共に、駆動装置30へ停止指令を送信してリニアガイド装置1の運転を停止させる。
【0028】
このように、本実施例の異常判定処理においては、金属検出センサ16により方向転換路12を移動するボール9の通過時間間隔を直接検出するので、循環路14に詰り現象等の循環異常が生じたときに、通過時間間隔が長時間側に移行することを利用して、摺動抵抗が増大する以前の循環異常を直接検出して、循環路に循環異常が生じたことを早期に、かつ確実に判定することができ、摺動抵抗の増大に伴うエンドキャップ11の破損という致命的損傷を未然に防止することができる。
【0029】
また、転動に関する幾何学的関係とスライダ6の移動速度を用いて、異常判定通過周期を算出しながら、金属検出センサ16により検出したボール9の通過時間間隔を監視するので、スライダ6の移動における加減速時を含む運転時の全ストローク範囲での通過時間間隔の異常を検出することができ、循環路14に循環異常が生じたことを迅速に、かつ確実に判定することができる。
【0030】
更に、本実施例の金属検出センサ16は、誘導型または磁気型のセンサであるので、樹脂を介して金属を検出することが可能になり、エンドキャップ11の方向転換路12に開口を設けることなく、ボール9の通過時間間隔を検出することができる。
以上説明したように、本実施例では、リニアガイド装置の循環路の一部を構成する樹脂製のエンドキャップに、循環路を循環するボールの接近を検出する金属検出センサを設け、この金属検出センサによりボールの通過時間間隔を検出するようにしたことによって、循環路に詰り現象等の循環異常が生じたときに、通過時間間隔が長時間側に移行することを利用して、摺動抵抗が増大する以前の循環異常を金属検出センサにより直接検出して、循環路に循環異常が生じたことを早期に、かつ確実に判定することができ、摺動抵抗の増大に伴うエンドキャップの破損という致命的損傷を未然に防止することができる。
【0031】
また、循環路を循環するボールの循環異常を判定するときの、異常判定通過周期を算出するための異常ボール間隔を格納しておき、この異常ボール間隔を、転動に関する幾何学的関係と、スライダの移動速度とを基に算出したボールの公転速度で除して異常判定通過周期を算出し、金属検出センサのセンサ出力信号により検出したボールの通過時間間隔を、算出した異常判定通過周期と比較し、検出した通過時間間隔が異常判定通過周期以上のときに、循環路に循環異常が生じたこと判定するようにしたことによって、スライダの移動における加減速時を含む運転時の全ストローク範囲での通過時間間隔の異常を検出することができ、循環路に循環異常が生じたことを迅速に、かつ確実に判定することができる。
【0032】
なお、上記実施例においては、転動体としてボールを用いたリニアガイド装置を例に説明したが、転動体としてころを用いたリニアガイド装置においても同様の効果を得ることができる。
この場合に負荷路を形成するレールの転動体ガイド面とスライダの転動体ガイド面はころが転動するレール軌道面とスライダ軌道面とで構成され、エンドキャップにおいて方向転換路が立体交差する場合は、スライダ移動方向の前後端部に配置されたエンドキャップに、それぞれの端面に近い側の方向転換路を通過するころの通過時間間隔を検出するための金属検出センサを設けるようにするとよい。
【0033】
また、直動装置はリニアガイド装置であるとして説明したが、直動装置としてのボールねじ装置に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
この場合に、直動装置の固定体としてのボールねじ軸に、複数の金属製のボールを介して移動体としてのボールナットを移動可能に支持させ、固定体の転動体ガイド面としての軸軌道溝と、移動体の転動体ガイド面としてのナット軌道溝とを対向配置して形成された負荷路の両端を、樹脂部材としての樹脂製のリターンチューブやエンドキャップ、こま等で連通して循環路を形成し、その循環路の一部を構成する樹脂部材に金属検出センサを設け、この金属検出センサによりボールの通過時間間隔を検出するようにし、上記ステップS1の前に公転速度Vbを算出するためのボールねじ装置の形状の諸元値を入力するステップを設け、操作担当者に、軸軌道溝のリードL、ボールピッチ円直径Dm、ボールの直径Dw、負荷路におけるボールとナット軌道溝および軸軌道溝との接触角αとからなる形状の諸元値を入力させ、上記ステップS2において、スライダ6の移動速度Vsと、式(2)に示す転動に関する幾何学的関係とを基に、ボールの公転速度Vbを算出するとよい。
【0034】
この場合に、公転速度Vbは、
Vb=πDm(1−(Dw/Dm)cosα)Vs/2L ・・・・・・(2)
なる幾何学的関係を用いて算出する。
更に、ボールねじ装置の転動体を円柱状のローラとした、直動装置としてのローラねじ装置に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例のリニアガイド装置を示す斜視図
【図2】実施例の異常判定装置を示すブロック図
【図3】実施例の異常判定処理を示すフローチャート
【図4】実施例の金属検出センサのセンサ出力信号の波形を示す説明図
【符号の説明】
【0036】
1 リニアガイド装置
2 レール
3 レール取付穴
5 レール軌道溝
6 スライダ
6a 袖壁
7 取付ねじ穴
8 スライダ軌道溝
9 ボール
10 戻り路
11 エンドキャップ
11a 袖部
12 方向転換路
14 循環路
16 金属検出センサ
18 リード線
20 異常判定装置
21 制御部
22 記憶部
23 時計部
24 表示部
25 入力部
26 警報部
30 駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定体と、前記固定体に複数の金属製の転動体を介して移動可能に支持された移動体と、前記転動体が循環する循環路とを備えた直動装置において、
前記循環路の一部を構成する樹脂部材に、前記循環路を循環する前記転動体の接近を検出する金属検出センサを設け、
前記金属検出センサにより、前記転動体の通過時間間隔を検出することを特徴とする直動装置。
【請求項2】
固定体と、前記固定体に複数の金属製の転動体を介して移動可能に支持された移動体と、前記転動体が循環する循環路と、前記循環路の一部を構成する樹脂部材に設けられた、前記循環路を循環する前記転動体の接近を検出する金属検出センサと、を備えた直動装置の異常判定装置であって、
前記循環路を循環する転動体の循環異常を判定するときの、異常判定通過周期を算出するための異常転動体間隔を格納する手段と、
前記金属検出センサのセンサ出力信号から、前記転動体の通過時間間隔を検出する手段と、
前記転動体の転動に関する幾何学的関係と、前記移動体の移動速度とを基に、前記転動体の公転速度を算出する手段と、
前記異常転動体間隔を、前記算出した公転速度で除して、前記異常判定通過周期を算出する手段と、
前記検出した通過時間間隔が、前記異常判定通過周期以上のときに、前記循環路に循環異常が生じたこと判定する手段と、を備えることを特徴とする直動装置の異常判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−92183(P2009−92183A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265117(P2007−265117)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】