説明

直線型X線レーザー発生装置

【課題】1keV以上のハードX線レーザーを発生することができる小型のX線レーザー発生装置を提供すること。
【解決手段】電子ビームを発生し加速する装置(1)と、発生した電子ビーム(4)の輸送軌道上に配置された複数のターゲット(2)と、複数のターゲット(2)に電子ビーム(4)を衝突させて発生したX線(5)を単色化するX線ミラー(3)とを備え、各ターゲット(2)で発生するX線(6)を互いに干渉させてX線レーザーを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
放射線を発生して利用する産業分野に関わる。あるいはまた粒子加速器を製造し利用する産業分野に関わる。
【背景技術】
【0002】
X線発生機構として、山田廣成の発明による卓上型電子シンクロトロンの電子軌道上に微細ターゲットを挿入する方法があり、数MeVから数10MeVという低エネルギー電子を用いて、高輝度ハードX線を発生しているが、X線のコヒーレンスは低くレーザーではない。GeVオーダーの電子ビームを発生して、アンジュレーター中を通過させて、比較的コヒーレンスの高いX線を発生する方法があるが、装置は極めて大型であり、1keV以上の短波長X線の発生は困難である。プラズマを非常に細いチャンネル状に発生し、X線レーザーを発生する方法が有り、1keV程度のX線を発生している。完全円形シンクロトロンのつくる完全円形電子軌道の周囲に環状ミラーを配置して、発生する放射光と電子ビームを相互作用させる山田廣成の発明による光蓄積リング型レーザーが有るが、X線の発生は困難である。
【特許文献1】特開平08-195300号公報
【特許文献2】特開2000-058300号公報
【非特許文献1】Netze,R.,Wouts R.,van der Spoel D.,Weckert E.,and Hajdu,J.,Natur 406,752(2000).
【非特許文献2】S.Yamamoto,K.Tsuchiya,and T.Shioya,Construction of two new in-vacuum type tapered undulators for the PF-AR in press,the proc.of the eighth international conference on synchrotron radiation instrumentation(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高強度のX線レーザー、即ち約1keV以上のハードX線レーザーを発生する技術はまだ実用化していない。1keV領域では幾つかの方法で試みられてはいるが、装置は大型であり、実用化の目途は立っていない。小型装置で1keV以上のハードX線レーザーを発生することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
問題を解決する手段は、電子ビームを発生し加速する装置と、発生した電子ビームの輸送軌道上に配置された複数のターゲットと、複数の前記ターゲットに前記電子ビームを衝突させて発生したX線を単色化する機構とを有し、各前記ターゲットで発生し単色化したX線を互いに干渉させてX線レーザーを発生するX線レーザー発生装置である。
前記X線レーザー発生装置において、前記ターゲットが、多層膜、回折格子及び結晶からなる群の中から選択されるいずれかであることを特徴とするX線レーザー発生装置である。
前記X線レーザー発生装置において、前記電子ビームの輸送軌道の外に配置され、発生する前記X線を互いに干渉させるX線ミラーを備えることを特徴とするX線レーザー発生装置である。
前記X線レーザー発生装置において、前記ターゲットを回転及び平行移動する機構を具備し、該機構によって前記X線の波長を選択し干渉させることを特徴とするX線レーザー発生装置である。
前記X線レーザー発生装置において、前記電子ビームの輸送軌道の外に配置した前記X線ミラーの位置が変更可能であることを特徴とするX線レーザー発生装置である。
前記X線レーザー発生装置において、前記電子ビームのパスを遅延させる磁石を備え、前記X線と前記電子ビームとを同期させることを特徴とするX線レーザー発生装置である。
前記X線レーザー発生装置において、前記電子ビームの軌道を変更する磁石を備え、発生した前記X線と前記電子ビームとを前記磁石によって分離することを特徴とするX線レーザー発生装置である。
前記X線レーザー発生装置において、前記電子ビームの輸送軌道上に配置された4重極磁石を備え、該4重極磁石によって前記電子ビームを前記ターゲットの位置に収束させ、前記X線と前記電子ビームの干渉効果を高めることを特徴とするX線レーザー発生装置である。
【発明の効果】
【0005】
本発明のX線レーザー発生装置は、電子ビームを結晶ターゲットに衝突させることにより、単色光を直接所定の方向に発生させることができる。さらには、複数の結晶ターゲットから発生した単色X線を互いに干渉させることにより、可干渉性を高めることができる。そしてさらには、電子ビームと発生した干渉性の高いX線を同じ位相速度でターゲットに進入させることにより、ターゲット内でX線の強制誘導放出を行わせることができる。以上の原理により、本発明のX線レーザー発生装置は、第1に極めて大強度のX線レーザーを提供し、第2に1keV以上のX線レーザーを提供できる点で、第3に結晶または回折格子または多層膜を選択しその回転角度を変えるという簡単な操作でX線の波長を選択できる等、従来のX線レーザーを発生する装置を凌ぎ、第4に小型で有る点で、汎用性をもたらす。もちろん低エネルギーX線やEUV光を発生することは容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態に関して詳細に説明する。
【実施例】
【0007】
本発明のX線レーザー発生装置の構成を、図1を用いて詳細に述べる。図1に示したように、本X線レーザー発生装置は、は電子ビーム発生加速装置1、電子軌道4中に置いた複数のターゲット2、ターゲット2から発生したX線を再び電子軌道4に戻すためのX線ミラー3、電子ビームをX線ビームから分離するための磁石10、電子ビームを捨てるためのダンパー11、及び、X線ビームを取り出すためのポート7及び8を備えて構成される。電子ビーム発生加速装置1としては、ライナックまたはマイクロトロンが適当であるが、ベータトロンや、シンクロトロン、静電加速器であってもよい。電子エネルギーは、1MeV以上8MeV以下が好適であるが、それ以外のエネルギーであってもよい。ターゲット2の材質としては、ダイヤモンドやSi等の結晶が好適である。結晶の厚さは、数10μmから0.1mm程度が好適であるが、1mm程度の厚さであってもよい。結晶の幅は、電子ビームの断面をカバーするようなサイズであるから、数mmから数cmのものである。低エネルギーX線や紫外線の発生には回折格子が好適である。多層膜を使用するならば層の周期を人工的に決めることができるため、ターゲット2及びX線ミラー3の配置に自由度が増す。
電子ビームの軌道は、本実施例では直線であるが、図3に示したように、電子ビームの軌道を蛇行させるように構成することも可能である。電子ビームを輸送する距離は、1mから10mとすることができるが、取り出したいX線強度を考慮して決定すればよい。
電子ビームを輸送するとき、電子ビームの発散を押さえるために、四重極磁石12を設置するのが良い。場所的には、ターゲット2との衝突により電子ビームが発散するのを押さえるためにターゲット2の位置に対応させて設置するのが良い。しかし、四重極磁石12は無くてもよく、その設置場所を、ターゲット2の位置に対応しない場所とすることもできる。
ターゲット2は、電子軌道4に沿って等間隔に置いているが、間隔を決定するための理論は次節でのべる。ターゲットに結晶を用いるとき、結晶面は電子の進行方向に対して、所定の傾きを持たせるが、その角度は、結晶面の格子数と取り出す単色X線の波長により決定する。
【0008】
次に、図2を用いて、干渉性の高い単色X線を発生するメカニズムについて詳細に説明する。ここでは、ターゲット2として結晶を使用する場合について説明する。また、X線ミラー3による反射は考慮しない。電子軌道4に沿って電子ビームがターゲットである結晶2に衝突すると、制動放射X線を発生するが、制動放射X線は直ちに結晶により回折を受ける。結晶面は、電子ビームに対して角度−Xを成すように設置している。即ち、電子ビームは結晶面に対して角度Xで入射している。このとき、結晶面に対する出射角は入射角Xと同じであるが、+及び−双方向に回折を受ける。結晶の格子数と入射角により回折を受けるX線の波長が特定されるが、結晶面に対して対称な2方向に回折が起こり、X線5及びX線6として放射される。結晶の格子数、入射角、波長の関係は良く知られたブラッグの理論で与えられる。例えば、Si(220)面では、入射角14.75°で12.7keVのX線が回折を受ける。結果としてX線6は電子ビームの進行方向に一致している。即ち、回折を受けたX線6は、ターゲット2を透過した電子ビームとほぼ同じスピードで、同じ方向に伝搬して次のターゲット2’に衝突する。結晶2’は、電子ビームの進行方向に対して+Xだけ回転した角度に設置している。従って、電子ビームの方向に伝搬してきたX線6は再び結晶面に対して±Xの方向に回折を受ける。もちろん電子ビームがターゲット2’に衝突して発生するX線も±Xの方向に回折を受ける。しかも、発生するX線と伝搬してきたX線は、ほぼ同じ位相に有る。即ち、ここで新たに発生したX線と伝搬してきたX線は、干渉して強め合う結果となる。結晶ターゲットは、電子の進行方向に、引き続き周期的に設置されており、しかも交互に角度+または−Xを成すように設定されているので、電子の進行方向に引き続き単色X線が発生し、発生したX線と伝搬してきたX線とが干渉し合う。
【0009】
以上の原理によれば、電子ビームとX線ビームの位相速度が同じであるならば、ターゲット2の位置はほぼ任意の位置に設置して良い。しかもターゲット2の数には制限はない。但し、発生したX線がターゲット2により吸収を受けるために、取り出すX線エネルギーによっては、最適値がある。10keVのX線を取り出す場合には、通過する全てのターゲットの合計の厚さを1mm程度にするのが良く、厚さが10μmのターゲットであるならば、約100層となる。
電子エネルギーが低く100MeV以下であるような場合には、電子のスピードが光速ではないので時には、電子ビームとX線の間に位相差が発生する。従って、ターゲット2を設置する位置は、この位相差がX線の波長λの整数倍になるような位置とする。β(光速に対する電子速度の比)が0.999999(エネルギーに換算して361MeV)であるような電子ビームの場合には、光が10mm伝搬する間に、電子ビームは、10nm遅れる。従って、10mm間隔もしくはその整数倍の間隔でターゲットを設置し、波長10nmのX線を取り出せば、コヒーレント長の長いX線を取り出すことができる。もちろん高調波である波長1nmや0.1nmのX線も発生する。ターゲットを1mm間隔に精度良く設置すれば、波長1nmとその高調波を発生することができ。
以上の様に直進する電子ビーム軌道上の特定の位置に結晶あるいは回折格子あるいは多層膜を設置するのが本発明の第1の構成である。このとき反射ミラー3は必須条件ではない。電子エネルギーは比較的高い方が短波長の発生に好適である。
【0010】
次に、第2の例として、X線を反射するX線ミラー(以下、反射ミラーとも記す)3を用いて、X線の強度を増強し、X線の強制誘導放射を行わせる原理を詳しく述べる。
反射ミラー3が有る場合には、ターゲット2として非結晶物質を使うこともできる。即ち反射ミラー3で単色化を行ない、反射されたX線がターゲット2の位置で、電子ビームと位相が合うように反射ミラー3の位置を設定すれば、干渉によりさらにX線強度は増幅される。しかも電子ビームからX線の強制誘導放出を起こさせることが出来る。もちろんターゲット2に結晶または多層膜を用いる方が効率が良いので、その様な場合について以下で述べる。
伝搬したX線5が、X線ミラー3で反射され、結晶2'に同じ入射角Xで進入するように、反射ミラー3を設置しているので、回折光はやはり±Xの方向に伝搬する。従って、反射ミラー3で反射され、回折を受けたX線も電子の進行方向に伝搬する成分を持つ。X線ミラー3は、特定の単色X線を反射する材質でなければならない。従って、全反射ミラーを使うのが好ましい。しかしながら、入射角が大きな場合には高エネルギーX線に対して反射率が落ちるために、特定の結晶を用いるか、多層膜を用いるのが良い。
【0011】
次に第2の例で、ターゲット2及びX線ミラー3を置く位置について述べる。X線の干渉性を高めるためのいくつかの規則が有る。まず、第1に、X線ミラー3を経由してターゲット2からターゲット2’へ伝搬するX線の位相を、直進したX線6の位相と同じにするための条件である。そのためには、ターゲット2−X線ミラー3−ターゲット2’の光路長及びターゲット2−ターゲット2’の光路長がいずれも取り出すX線波長の整数倍になるようにX線ミラー3の位置を調整するのがよい。第2の条件は、X線ミラー3で反射されてターゲット2’に到達したX線が、電子ビームのバンチと必ず遭遇するようにX線ミラー3の位置を決めることである。ターゲット2−X線ミラー3−ターゲット2’の光路長は、ターゲット2−ターゲット2’より必ず長いために、当X線を発生した同じバンチと遭遇することはないが、次またはさらに次などのバンチと遭遇させることができる。もちろんターゲット2−ターゲット2’の間で電子ビームを、図3に示したように複数の磁石14を用いて蛇行させて、ターゲット2’へ到達する時刻を遅延させるのが一つの方法であり、遭遇のタイミングを調整するのが容易である。図2には、このような磁石を明示はしていない。
【0012】
ライナックやマイクロトロン加速器で発生する電子ビームはいずれもバンチ構造を持っていて、マイクロパルスが形成されている。例えば5GHzライナックを使用した場合、バンチ間隔は約6cmである。例えば隣接するターゲットを13cm間隔の位置に置き反射ミラー3の位置を、電子ビーム軌道から計って約7.9cmの位置にするのが一つの解であるが、他にもたくさんの解が有る。但し、電子ビームのエネルギーが低い場合には、電子の位相速度が光速ではないことを考慮して、この値に補正を加えればよい。
【0013】
この様にして並んだ複数のターゲット2とX線ミラー3を通過したX線は、図1のポート7及びポート8に沿った方向に取り出される。ポート8に沿った方向に取り出されるX線は、単色X線と白色制動放射X線が混じった物となる。従って、単色X線を取り出すには、X線ミラー3もしくは適当な結晶を挿入する必要が有る。ポート7に沿った方向には、単色X線が取り出される。
【0014】
以上の説明では、本発明のX線レーザー発生装置において、結晶や多層膜をターゲットに用いることにより、単色である干渉性の高い光を発生する点について述べているが、増幅するプロセスについては述べていない。従ってX線の強度は、単にターゲットの数に比例して増えることになる。結晶ターゲットの存在とX線ミラーの存在により、増幅がおこるわけではない。
しかし、実際には、干渉性の高いX線が作る位相のそろった電磁波により、X線の強制誘導放出が起こる。制動放射が起こるプロセスは、電子ビームがターゲットの核子の近傍を通るときに、曲げられて、光子を放出する事によるが、その様な電子と核子がつくる場に電磁波が存在することにより、強制誘導放出が起こる。これは通常のレーザーで、原子を励起することにより反転分布を発生させたところへ電磁波が進入すると強制誘導放射が起こるのに似ている。入射電子ビームは、あたかも原子核を周回する軌道電子のように振る舞う。原子核の近傍を通過する高エネルギー電子は、いつでもX線を放出できる励起状態に有ると考えてよく、反転分布を形成しているので、ここへ電磁波が進入すると、その波長の電磁波を強制誘導放出することになる。制動放射で白色X線が放出されると言う現象は、当該電子が原子核のつくるポテンシャル中で、連続的な順位にあると解釈して良い。その連続順位の一つが、特定波長の入射X線と共鳴を起こすわけである。しかも電磁波と電子ビームは同じ位相速度で伝搬しているために強制誘導放射を起こす確率は極めて高い。このような増幅プロセスは、自由電子レーザーにも類似している。自由電子レーザーの場合は、磁石で曲げられることにより白色光を発生するが、磁石によりキャプチャーされた電子がつくる順位がやはり連続順位だと解釈できるのである。自由電子レーザーを量子力学的に解釈すると、このような連続順位に単色電磁波が進入して誘導放射を行うと考えて良い。但し、本発明のX線レーザーでは、電子ビームと光(X線)が常に正確に同じ位相でターゲットに到達するため、電子ビームのマイクロバンチングについて考慮する必要は無い。
結果として、本発明のX線レーザー発生装置で発生させたX線レーザーが飽和に達した場合のX線強度は、電子数の2乗に比例する、例えば電子数が10の10乗個のとき、X線光子数は、10の20乗個になる。これは極めて大きな値であり、現在計画されているX線レーザー発生装置及び既存X線レーザー発生装置よりも大きい値である。
【0015】
以上、本発明のX線レーザー発生装置の構成とその原理について主要な部分を述べたが、ターゲットやミラーの駆動機構については、特には述べなかった。ターゲットの位置や、傾きをナノメートルレベルで微調する必要性について述べているが、微調機構そのものは、公知の技術を用いて製作された市販されている機構で十分にまかなうことができる。
第0011段落で述べている、電子ビームを蛇行させる装置は、強度と極性の異なる平行に配置された複数の磁石14で構成されていて、電子軌道を符号13で示した様に蛇行させて、電子ビームが次のターゲットに到着するのを遅延させることにより、X線ミラー3を経由して到着したX線が同時にターゲットに到着するよう磁力を調整する機構を備えた装置であり、自由電子レーザー等で用いられている公知の技術を用いて製作され得る。複数の磁石14は、電磁石で構成することができるが、永久磁石を用いて、磁極間隙を調整して、磁力分布を変更する事によっても同様に実現できる。この場合には、電子エネルギーが低くても、電子ビームとX線を正確に同期させることが出来る点で優れている。
以上、詳しく説明したように、本発明のX線レーザー発生装置は、1keV以上のX線レーザーの発生が容易であり、しかも結晶あるいは回折格子あるいは多層膜の位置と角度を変えることにより、容易に波長を選択できるX線レーザー発生装置を提供できる。もちろん1keV以下の光を発生することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の直線型X線レーザー発生装置の構成を示す断面図である。
【図2】干渉性の高い単色X線を発生するメカニズムを説明する図である。
【図3】電子ビームを蛇行させてパスを調整する機構を説明する図である。
【符号の説明】
【0017】
1…電子ビーム発生加速装置
2…ターゲット
2’…ターゲット
3…X線ミラー
4…電子軌道
5…X線
6…X線
7…ポート
8…ポート
10…磁石
11…ダンパー
12…四重極電磁石
13…蛇行した電子軌道
14…電子軌道を蛇行させるための磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームを発生し加速する装置と、発生した電子ビームの輸送軌道上に配置された複数のターゲットと、複数の前記ターゲットに前記電子ビームを衝突させて発生したX線を単色化する機構とを有し、各前記ターゲットで発生し単色化したX線を互いに干渉させてX線レーザーを発生するX線レーザー発生装置。
【請求項2】
請求項1のX線レーザー発生装置において、前記ターゲットが、多層膜、回折格子及び結晶からなる群の中から選択されるいずれかであることを特徴とするX線レーザー発生装置。
【請求項3】
請求項1または2のX線レーザー発生装置において、前記電子ビーム輸送軌道の外に配置され、発生する前記X線を互いに干渉させるX線ミラーを備えることを特徴とするX線レーザー発生装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のX線レーザー発生装置において、前記ターゲットを回転及び平行移動する機構を具備し、該機構によって前記X線の波長を選択し干渉させることを特徴とするX線レーザー発生装置。
【請求項5】
請求項3または4のX線レーザー発生装置において、前記電子ビーム輸送軌道の外に配置した前記X線ミラーの位置が変更可能であることを特徴とするX線レーザー発生装置。
【請求項6】
請求項5のX線レーザー発生装置において、前記電子ビームのパスを遅延させる磁石を備え、前記X線と前記電子ビームとを同期させることを特徴とするX線レーザー発生装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかの項に記載のX線レーザー発生装置において、前記電子ビームの軌道を変更する磁石を備え、発生した前記X線と前記電子ビームとを前記磁石によって分離することを特徴とするX線レーザー発生装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかの項に記載のX線レーザー発生装置において、前記電子ビーム輸送軌道上に配置された4重極磁石を備え、該4重極磁石によって前記電子ビームを前記ターゲットの位置に収束させ、前記X線と前記電子ビームの干渉効果を高めることを特徴とするX線レーザー発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−80973(P2007−80973A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264316(P2005−264316)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(502235669)
【出願人】(501038001)株式会社光子発生技術研究所 (13)
【Fターム(参考)】