説明

真菌感染症の処置のための局所抗真菌製剤の投与方法

本発明は、一種以上の抗真菌剤(たとえばテルビナフィン(terbinafme)、脂質及び界面活性剤を含む局所抗真菌製剤並びに、皮膚及び爪の真菌感染症の処置のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2008年7月23日出願の米国仮特許出願第61/083,115号、2008年10月2日出願の米国仮特許出願第61/102,111号、2009年2月5日出願の米国仮特許出願第61/150,187号及び2009年4月9日出願の米国仮特許出願第61/162,122号に基づく優先権の利益を請求する。これらの出願の各内容は、本明細書中、参照として含まれる。
【0002】
技術分野
本出願は、一種以上の抗真菌剤(antifungal)、脂質及び界面活性剤を含む抗真菌剤の局所製剤並びに、皮膚及び爪の真菌感染症の処置のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
爪甲真菌症(onychomycosis)は、爪の肥厚、変色及び割れ、爪床から爪が持ち上がってしまう指の爪及び足指の爪の真菌感染症である。この病気は皮膚糸状菌(dermophytes)により生じ、一般集団、特に高齢者の間で発生率が高い。爪甲真菌症は、最も一般的には紅色白癬菌(Trichophyton rubrum:T.rubrum)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes:T.mentagrophytes)及び表皮糸状菌フロクスム(Epidermophyton floccusum:E.floccusum)により生じる。非皮膚糸状菌(nondermatophytes)による爪甲真菌症は通常、カンジダ・アルビカンスなどのカンジダ種により生じ、免疫が保たれている人の足指の爪よりも指の爪の侵襲的な爪の疾患である。
【0004】
爪甲真菌症の割合は考察される母集団により変動する。一般的な米国の母集団の近年の研究から有病率は2%〜3%であることが判明したが、フィンランドでの研究からは13%であった(Elewskiら、J.Am.Acd.Dermatol.2000;42(1)(Pt1):1-20:非特許文献1;Heikkilaら、Br.J.Dermatol.1995;133(5):699-703:非特許文献2)。爪甲真菌症は40歳〜60歳の人の最大約15%まで影響を与えているかもしれない(Kepkaら、米国特許公開第2006/0067898号:特許文献1)。
【0005】
テルビナフェンは爪甲真菌症処置用の経口治療として現在示されている抗真菌薬(antimycotic)である(Lamisil(商標)、Novartis International AG,Basel,スイス)。感染した(単数または複数の)爪の化学的または外科的除去を含む他の治療の選択肢では、爪床が収縮し、爪床が背面転位となる可能性がある。
【0006】
本出願のこの区分の全ての参照文献の引用は、当該参照文献が本出願の先行技術であることを認めるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】Kepkaら、米国特許公開第2006/0067898号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Elewskiら、J.Am.Acd.Dermatol.2000;42(1)(Pt1):1-20
【非特許文献2】Heikkilaら、Br.J.Dermatol.1995;133(5):699-703
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ヒト被験者での真菌感染症の処置に使用し得る一種以上の抗真菌剤の局所製剤を提供する。本発明の局所抗真菌製剤(topical antifungal formulation)は、医薬的に許容可能なキャリヤ中に一種以上の抗真菌剤と一種以上の脂質と一種以上の界面活性剤をと含む。特定の態様において、前記抗真菌剤は、単独または一種以上の抗真菌剤と組み合わせたテルビナフィン、テルビナフィンの塩、またはテルビナフィンの誘導体若しくは類似物である。特定の態様において、前記抗真菌剤は、アバファンジン(abafungin)、アクリソルシン(acrisorcin)、アルバコナゾール(albaconazole)、アルベンダゾール(albendazole)、アモロルフィン(amorolfine)、アンモテリシンB(amphotericin B)、アニヅラファンジン(anidulafungin)、アラセルタコナゾール(arasertaconazole)、アジスロマイシン(azithromycin)、ベクリコナゾール(becliconazole)、ベンゾジチアゾール(benzodithiazole)、ビフォナゾール(bifonazole)、ブトコナゾール(butoconazole)、ブテナフィン(butenafine)、カルビストリン(calbistrin)、カスポファンジン(caspofungin)、N-クロロタウリン、クロロキシン(chloroxine)、クロルフェニシン(chlorphenesin)、シクロピロックス(ciclopirox)、シオテロネール(cioteronel)、クロトリマゾール(clotrimazole)、クロコナゾール(croconazole)、シトポリンス(cytoporins)、デオキシムルンドカンジン(deoxymulundocandin)、エベルコナゾール(eberconazole)、エコナゾール(econazole)、エファングマブ(efungumab)、フェニチコナゾール(fenticonazole)、フラバノイドグリコシド(flavanoid glycosides)、フルコナゾール(fluconazole)、フルシトシン(flucytosine)、フルトリマゾール(flutrimazole)、ホスフルコナゾール(fosfluconazole)、ゲナコナゾール(genaconazole)、ゲンチアンバイオレット(gentian violet)、グリセロフルビン(griseofulvin)、グリセオフルフィンPEG(griseofulvin PEG)、ハロプロギン(haloprogin)、ヒドロキシイトラコナゾール(hydroxy itraconazole)、イソコナゾール(isoconazole)、イトラコナゾール(itraconazole)、ケトコナゾール(ketoconazole)、ラノコナゾール(lanoconazole)、レトラズリル(letrazuril)、リラナフテート(liranaftate)、ルリコナゾール(luliconazole)、ミカファンジン(micafungin)、ミコナゾール(miconazole)、ミコフェノール酸、ナフチフィン(naftifine)、ナタマイシン(natamycin)、ニタゾキサニド(nitazoxanide)、ニトロエチレンベースの抗真菌剤、ナイスタチン(nystatin)、オモカナゾール(omocanazole)、オキシコナゾール(oxiconazole)、ポリエンマクロライド、ポリエンマクロライド、ポサコナゾール(posaconazole)、パラミコナゾール(pramiconazole)、キノロン類似体、ラパマイシン(rapamycin)、ラブコナゾール(ravuconazole)、リロピロックス(rilopirox)、サミダゾール(samidazole)、セルタコナゾール(sertaconazole)、シタマキニン(sitamaquine)、ソルダリシン(sordaricin)、スクアレスタチン(squalestatin)、スクアレン、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、スルコナゾール、スルトリエシン(sultriecin)、タフェノキニン(tafenoquine)、テルコナゾール(terconazole)、チオコナゾール(tioconazole)、トルナフテート(tolnaftate)、ボリコナゾール(voriconazole)、あるいは式I:
【化1】

の化合物またはその単一エナンチオマー、またはエナンチオマーの混合物、ジアステレオマーの混合物;あるいはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物、または塩{式中、RはC1-12アルキル、C1-12アシル、またはヘテロアリール-C6-14アリールであり;Xはハロであり;YはNまたはCHであり;ZはCH2またはOである}である。特定の態様において本発明の局所抗真菌製剤は、テルビナフィン、一種以上のリン脂質及び一種以上の非イオン界面活性剤を含む。特定の態様において、局所抗真菌製剤はテルビナフィンと追加の抗真菌剤、一種以上のリン脂質及び一種以上の非イオン界面活性剤を含む。特定の態様において、本明細書で提供される局所抗真菌製剤は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ポサコナゾール、サペルコナゾール、SCH-50002、テルコナゾール、ブテナフィン及びグリセオフルビンの一種と、その水和物、溶媒和物及び塩;一種以上のリン脂質及び一種以上の非オン界面活性剤を含む。特定の態様において、本明細書で提供される抗真菌製剤は、代謝拮抗物質、マクロライド、エチコカジン(echinocadin)、イミダゾール、トリアゾール、ベンジルアミン、グリセオフルビン、アリルアミン、ポリエン、チオカルバメート及びハロゲン化フェノールエーテル類などが挙げられるが、これらに限定されない抗真菌剤の種類由来である抗真菌剤を含む。本開示は、局所製剤、たとえば溶液、懸濁液、ゲル、フルイドゲル、エマルション、エマルションゲル、ローション、軟膏、フィルム形成性溶液、クリーム、スプレー及びラッカーなどに関する。
【0010】
特に、本発明の抗真菌製剤は、ヒト被験者における爪甲真菌症を処置または予防するために使用し得る。本発明の抗真菌製剤は、これらに限定されないが、体部白癬、頑癬、足白癬、粃糠疹(癜風)などを含む皮膚の真菌感染症の処置または予防に使用することもできる。本発明の抗真菌製剤は、トリコフィトン(Trichophyton)(たとえば紅色白癬菌(T.rubru)、毛瘡白癬菌(T.mentagrophytes)、トリコフィトン・ベルコースム(T.verrucosum)、紫色白癬菌(T.violaceum))、犬小胞子菌、表皮菌フロクスム(E.floccusum)及びカンジダ属のイースト(たとえばカンジダ・アルビカンス)、並びに癜風菌により一般的に生じる真菌感染症の処置に使用することもできる。
【0011】
本発明の抗真菌製剤は、真菌感染症を処置するのに十分な量で感染領域に抗真菌剤の送達を促進する。爪甲真菌症の場合には、製剤は爪及び/または周囲の皮膚に投与することができる。製剤は、足指全体及び/または先端部にも投与することができる。製剤は好ましくは、指または足指の末節骨(distal phalanx)に適用することができる。皮膚感染の場合には、製剤は皮膚の感染領域に投与することができる。一態様において、局所テルビナフィン製剤は、爪の表面(即ち爪板)及び爪を取り囲む皮膚に適用する。別の態様では、局所テルビナフィン製剤は経皮的(epicutaneously)に適用する。
【0012】
一態様において、本明細書では、被験者に本明細書中に記載の一種以上の抗真菌剤の治療的有効量と、脂質、好ましくはリン脂質と、界面活性剤、好ましくは非イオン界面活性剤を含む医薬製剤を局所投与することを含む、爪甲真菌症の処置法を提供する。別の態様では、本発明は、本明細書中に記載の一種以上の抗真菌剤、たとえばテルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む医薬製剤を被験者に局所投与することを含む、爪甲真菌症を処置するための有効量で爪に抗真菌剤を送達する方法を包含する。態様によっては、本方法は、第二の抗真菌製剤(局所またはその他の方法で投与)と組み合わせた、本明細書に記載の局所抗真菌製剤を被験者に投与することを含む。
【0013】
本明細書では、抗真菌剤、たとえばテルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む組成物を、感染した爪及び/または感染した爪の周囲の皮膚組織に投与することを含む、ヒト被験者での爪甲真菌症を処置するための投薬計画を提供する。本組成物は、二週間以上、たとえば3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週以上を含む期間で投与すべきである。一態様において、本組成物は、10〜12週の期間で投与すべきである。本組成物は、ヒト被験者の感染した爪に約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%、好ましくはそれたを超える真菌学的治癒率(mycological cure rate)となる期間投与すべきである。
【0014】
本明細書中で使用する場合、「処置する」、「処置している」または「〜の処置」なる用語は、被験者の症状の重篤度が軽減または少なくとも部分的に改善若しくは向上されること及び/または少なくとも一つの臨床症状の軽減、緩和または減少が達成される及び/または症状の進行の阻害若しくは遅延及び/または疾病若しくは疾患の発病の進行の遅延があることを意味する。「処置する」、「処置している」または「〜の処置」なる用語は、病状、たとえば爪甲真菌症を管理するすることも意味する。
【0015】
被験者での爪甲真菌症の処置度は、真菌学的治癒率によって測定することができる。真菌学的治癒率は、爪サンプルの鏡検が陰性であること(negative microscopy)及び抗真菌剤で処置した爪の皮膚糸状菌の培養検査で陰性であること(negative culture)により定義される。
【0016】
処置の成功を決定する別の方法は、臨床的治癒率を測定することによる。臨床的治癒率(clinical cure rate)は、公開された方法(Tavakkolら、The American Journal of Geriatric Pharmacotherapy.2006年;4巻:1-13頁)に従って24週間後に少なくとも2mm及び48週間後に5mmの足の爪の正常な成長により定義することができる。
【0017】
一態様において、局所製剤は、爪組織g当たり抗真菌剤の平均濃度が約1mg/g〜約50mg/g、約1mg/g〜約25mg/g、約1mg/g〜約5mg/g、または約1mg/g〜約10mg/gとなるように、ヒト被験者の爪組織及び/または周囲の皮膚に投与する。別の態様では、局所製剤は、爪組織グラム当たり抗真菌剤の平均濃度が少なくとも1.5mg/g、2.0mg/g、2.1mg/g、2.2mg/g、2.3mg/g、2.4mg/g、2.5mg/g、2.6mg/g、2.7mg/g、2.8mg/g、2.9mg/g、3.0mg/g、5mg/g、10mg/g、15mg/g、20mg/g、25mg/g、30mg/g、35mg/g、40mg/g、45mg/g、または50mg/gの平均濃度を達成するようにヒト被験者の爪組織及び/または周囲の皮膚に投与する。さらに別の態様では、局所製剤は、爪組織グラム当たり抗真菌剤の平均濃度が約0.1〜約15mg/g、約0.2〜約12.5mg/g、約0.5〜約10mg/g、約1〜約7.5mg/g、または約2〜約5mg/gを達成するようにヒト被験者の爪組織及び/または周囲の皮膚に投与する。平均濃度は、局所製剤の投与中断後1、2または3週間後に測定することができる。
【0018】
本方法の特定の態様では、本発明の局所真菌製剤の投与により、ヒト被験者でのテルビナフィンの平均血清濃度が10.0ng/ml、5.0ng/ml、4.0ng/ml、3.0ng/ml、2.0ng/ml、1.0ng/ml、0.5ng/mlまたは0.2ng/ml未満となる。
【0019】
本方法の態様によっては、局所製剤はテルビナフィン約3.0mgを含む。局所製剤は、たとえば一日二回投与することができる。特定の態様では、局所製剤は少なくとも三週間投与する。
【0020】
別の側面では、本発明はテルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む局所製剤の投与法を提供し、ここで前記方法は、少なくとも1、2または3週間、一日二回、爪組織に局所製剤を投与することを含む。
【0021】
本方法の態様によっては、局所製剤は、テルビナフィン約0.1〜約5.0mg、好ましくは1.0〜約5.0mgを含む。たとえば局所製剤はテルビナフィン約3.0mgを含むことができる。
【0022】
本方法の態様によっては、局所製剤中のテルビナフィンは塩の形である。
【0023】
別の側面では、本発明は、爪組織グラム当たりテルビナフィンの平均濃度約0.1〜約15mg/g、約0.2〜約12.5mg/g、約0.5〜約10.0mg/g、約1.0〜約7.5mg/gまたは約2.0〜約5.0mg/gを目標とするためにヒト被験者の感染した爪組織に医薬組成物を投与することを含む、ヒト被験者の爪組織の真菌感染症の処置法を提供する。平均濃度は、医薬組成物の投与中断後1、2または3週間で測定することができる。投与により、10ng/mL、5.0ng/ml、4.0ng/ml、3.0ng/ml、2.0ng/ml、1.0ng/ml、0.5ng/mlまたは0.2ng/ml未満のヒト被験者におけるテルビナフィンの平均血清濃度ともなる。医薬製剤は、テルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む。
【0024】
本方法の態様によっては、局所製剤は、抗真菌剤約1〜約20mgを含む。本方法の態様によっては、局所製剤は、抗真菌剤約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約8mg、約10mg、約12mg、約14mg、約16mg、約18mg、または約20mgを含む。局所製剤は、たとえば一日一回または二回投与することができる。特定の態様では、局所製剤は少なくとも三週間投与する。
【0025】
本方法の態様によっては、医薬組成物中の脂質はリン脂質である。
【0026】
本方法の特定の態様では、医薬組成物中の抗真菌剤は塩の形である。特定の態様では、医薬組成物の抗真菌剤の特定部分は塩の形である。
【0027】
別の側面では、本発明は少なくとも三週間、一日二回、ヒト被験者の感染した爪組織に医薬組成物を投与することを含む、ヒト被験者の爪組織の真菌感染症を処置する方法を提供し、ここで前記医薬組成物は抗真菌剤、脂質及び界面活性剤を含む。
【0028】
本発明の態様によっては、医薬組成物は、抗真菌剤約1〜約20mgを含む。例えば医薬組成物は、抗真菌剤約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20mgを含むことができる。
【0029】
本発明の特定の態様では、医薬組成物中の脂質はリン脂質である。
【0030】
本発明の態様によっては、医薬組成物中のテルビナフィンは塩の形である。
【0031】
さらに本発明では、本明細書に記載の抗真菌剤、たとえばテルビナフィン、脂質、好ましくはリン脂質及び界面活性剤、好ましくは非イオン界面活性剤を含む医薬的に許容可能な製剤を、感染した爪及び/または感染した爪の周囲の皮膚に投与することを含む、ヒト被験者の爪甲真菌症の処置のための投薬計画を提供する。製剤は、一定期間、たとえば二週以上、たとえば3、4、5、6、7、8、9、10、11または12週以上などの期間投与すべきである。一態様において、製剤は10〜12週間、投与すべきである。製剤はヒト被験者の感染した爪で好ましくは、約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%を超える真菌学的治癒率となるような期間、投与すべきである。あるいは、製剤は真菌感染症の再発を防ぐ期間、投与すべきである。
【0032】
本明細書中で使用する場合、本発明の製剤を参照する際に使用される「医薬的に許容可能な」なる用語は、製剤が製剤を投与する被験者で許容不可能なレベルの炎症とならないことを意味する。好ましくは、そのようなレベルは行政当局によって認定されるのに適した製剤を提供するのに十分に低い。
【0033】
本明細書中で使用する場合、特定の結果を達成するための「十分量」、「〜するのに有効な量」または「〜するのに十分な量」なる用語は、治療的有効量の投与によって所望の効果(治療的効果でありうる)、を生じさせるのに有効なテルビナフィンまたはその塩の量をさす。あるいは、「治療的有効」量とは、少なくとも一つの臨床症状で何らかの軽減、緩和及び/または減少を提供する量である。本発明の方法により処置し得る疾患と関連する臨床症状は、当業者に知られている。さらに、当業者は、何らかの利益が被験者にもたらされる限り、治療的効果は完璧でも治療的である必要はないことを理解するだろう。たとえば、「十分な量」または「〜するのに十分な量」は、爪甲真菌症を処置するのに有効である量であり、真菌学的治癒として定義することができる。
【0034】
本発明の態様は、特に医薬または生物学的目的に関し、哺乳類被験者(たとえばヒト)の皮膚または爪など、障壁及び狭窄部(constriction)及びこれらを通る抗真菌剤の適用、投与及び/または輸送のための製剤で有用である。結果として、局所抗真菌製剤は、感染部位、たとえば爪床に、爪甲真菌症を処置するのに適切な物理的形態及び十分な量で到達することができる。
【0035】
特定の態様では、本明細書で提供される抗真菌製剤は、好ましくはベシクル(小胞:vesicle)または他の拡大面凝集体(extended surface aggregates:ESA)を形成し、ここで前記ベシクル製剤は、皮膚及び爪などの半透過性障壁を通る優れた透過能をもつ。特定の作用機構に限定されないが、好ましい抗真菌製剤は変形能及び/または適応能力により特徴付けられるベシクルを形成することができる。ベシクルの変形能及び/または適用能力により、皮膚及び/または爪の細孔をベシクルが透過し、感染症を処置するのに十分な量の抗真菌剤を感染部位に送達できる。ベシクルの適応能力または変形能は、透過前の平均ベシクル径よりも少なくとも50%小さい平均孔径の細孔をもつ障壁をベシクルが透過する能力によって決定することができる。かくして特定の態様では、製剤は、透過前の平均ベシクル径よりも少なくとも50%小さい平均孔径の細孔をもつ障壁をベシクルが透過し得る変形可能なベシクルを含む。態様によっては、細孔はヒト皮膚の細孔または動物の皮膚の細孔である。態様によっては、平均孔径は約10ミクロン〜約100ミクロン、約30〜約70ミクロン、または約40〜約60ミクロンである。
【0036】
変形能は、以下の方法を用いて評価することができる:1)種々の輸送駆動の障壁透過圧(transport-driving trans barrier pressure:Δp)に関して半透過性膜を通る凝集体またはESA懸濁液のフラックス(flux)(ja)を測定する(例えば重量測定法で);2)それぞれ測定したフラックス値を対応する圧力値で割ることにより、懸濁液の障壁透過性Pの圧力依存性を計算する:P(Δp)=ja(Δp)/Δp;3)最終と最初のベシクル径の比2rves(Δp)/2rves,0を(たとえば動的光散乱により)モニターする、ここで2rves(Δp)はΔpにより駆動される半透過性障壁通過後のベシクル径であり、2rves,0は開始ベシクル径であり、必要により流動効果について修正する;及び4)両方のデータセットP(Δp)対rves(Δp)/rves,0を調整して、高い凝集体適応能力及び安定性に関して共存範囲を決定する。
【0037】
特定の態様では、真菌学的治癒率は、処置約14週間、12週間、10週間、8週間、6週間、4週間または2週間後、ヒト被験者で約70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%を超える。
【0038】
特定の態様では、臨床的治癒率は、処置約48週間、24週間、12週間、10週間、8週間、6週間、4週間または2週間後、ヒト被験者で約70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%を超える。
【0039】
本発明の方法の特定の態様に従って、被験者の爪甲真菌症に冒された領域に対して一回の投与当たりに投与される抗真菌剤量は、約0.25mg〜約20.0mg、約0.5mg〜約10.0mg、約0.5mg〜約5.0mg、約1.0mg、2.0mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、6.0mg、7.0mg、8.0mg、9.0mg、10.0mg、11.0mg、12.0mg、13.0mg、14.0mg、15.0mg、16.0mg、17.0mg、18.0mg、19.0mgまたは20.0mgであり得る。そのような量は、所望により好適な期間、任意の特定の患者に対して、20.0mgを超えて(たとえば30、40、50、75または100mgまで)増やすことができる。数値に関して本明細書中で使用する場合、「約」なる用語は、測定をする際に通常の人的ミスに由来すると予測されるものを含む特定の数値の周囲の範囲を意味する。たとえば特定の態様では、特定の数値と関連して使用する際の「約」なる用語は、その数値の±1%、±2%、±3%、±4%、±5%または±10%を意味する。本発明の抗真菌製剤は、約一日一回、一日二回、一日三回、一日四回、二日に一回、三日に一回または一週間に一回投与することができる。
【0040】
本明細書で提供する局所抗真菌製剤を投与するための特定の態様では、爪甲真菌症に感染した特定部位に投与される抗真菌剤の一日の全用量は、約0.25mg〜約20mg、約0.5mg〜約5mg、約5mg〜約10mg、約10mg〜約15mg、または約15mg〜約20mgであり得る。具体的な態様では、感染部位に投与される抗真菌剤の一日分の用量は、約1mg、約1.5mg、約3mg、約6mg、約9mg、または約12mgである。特定の態様では、被験者に投与される抗真菌剤の一日の全用量は、約1mg〜約40mg、約1mg〜約10mg、約10mg〜約20mg、約20mg〜約20mg、または約20mg〜約40mgである。具体的な態様では、被験者に投与される抗真菌剤の一日分の用量は、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約9mg、約12mg、約15mg、約18mg、約21mg、または約24mgである。
【0041】
特定の態様では、抗真菌薬(たとえばテルビナフィンまたはイトラコナゾール)の他の局所製剤が真菌学的治癒率に従って感染をうまく処置できなかったとき、本明細書に開示される局所抗真菌製剤は、ヒト被験者で真菌学的治癒をもたらす。特定の態様では、本明細書で開示される局所抗真菌製剤は、感染した爪及び/または周囲の皮膚に局所製剤を最初に適用してから14週間後にヒトの足指で90%を超える真菌学的治癒を示す。特定の態様では、本明細書で開示される局所抗真菌製剤は、現在利用可能な局所抗真菌製剤よりも高い真菌学的治癒率となる。本発明の好ましい抗真菌製剤は、経口テルビナフィンと匹敵し得る無傷の(clean)爪の成長を達成する。本発明の好ましい局所抗真菌製剤は、経口テルビナフィンと同程度の治療速度を達成する。
【0042】
特定の態様では、本明細書に開示される局所抗真菌製剤は、局所投与を介して感染部位に非侵襲的に及び主に抗真菌剤を送達するのに使用される。本明細書に開示される局所抗真菌製剤は経口抗真菌薬(antimycotic)の代わりに投与することができ、または経口抗真菌薬と組み合わせて投与することができる。本明細書に開示される抗真菌製剤は、抗真菌剤の全身濃度と比較して、爪及び/または爪床で比較的高い濃度をもたらすべきである。
【0043】
本明細書に開示される抗真菌製剤は、経口の全身用テルビナフィン製剤よりも安全であり得る。本発明の抗真菌製剤は感染部位に適用するだけなので、経口テルビナフィンなどに関連する副作用の危険性は、胃腸への作用(たとえば膨満感、食欲不振、消化不良、吐き気、腹痛、下痢)、皮膚の反応(たとえば発疹、じんましん)、筋骨格の反応(関節痛若しくは筋肉痛)または不快感若しくは疲労感などは減弱される。本明細書に開示の抗真菌製剤により軽減される他の危険性としては、高い肝臓酵素及び/または肝不全が挙げられる。
【0044】
一態様では、本発明は本明細書に開示の抗真菌剤、たとえばテルビナフィンの治療的有効量、脂質及び界面活性剤を含む医薬製剤を被験者に局所投与することを含む、爪甲真菌症、特に爪甲真菌症の再発を防止するための方法を包含する。本明細書に開示される抗真菌製剤は、患者の爪甲真菌症の再発速度を遅くすることができる。より具体的には、本明細書に開示の抗真菌製剤は、最終投与から2週間、6週間、12週間及び48週間後に現在利用可能な処置(たとえばLamisil(商標)クリーム、Lamisil(商標)ローション、Lamisil(商標)ゲルまたは経口Lamisil)よりも爪甲真菌症の再発の速度を遅くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
発明の詳細な説明
通常、本明細書で記載する用語体系並びに本明細書で記載する有機化学、医薬品化学及び薬理学における研究室手順は当業者に知られており、一般的に使用される。他に定義しない限り、本明細書中で使用する全ての技術的及び科学的用語は、本開示が属する業界の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味をもつ。
【0046】
「アルキル」なる用語は、線状または分岐の飽和一価炭化水素基を指し、ここで前記アルキルは本明細書中で記載されているように一つ以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。「アルキル」なる用語はまた、他に記載しない限り、線状と分岐アルキルの両方を包含する。特定の態様において、アルキルは、1〜20(C1-20)、1〜15(C1-15)、1〜12(C1-12)、1〜10(C1-10)、若しくは1〜6(C1-6)個の炭素原子をもつ線状飽和一価炭化水素基、または3〜20(C3-20)、3〜15(C3-15)、3〜12(C3-12)、3〜10(C3-10)、若しくは3〜6(C3-6)個の炭素原子の分岐飽和一価炭化水素基である。本明細書中で使用する場合、線状C1-6及び分岐C3-6アルキル基は、「低級アルキル」とも称する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(全ての異性体形を含む)、n-プロピル、イソプロピル、ブチル(全ての異性体形を含む)、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル(全ての異性体形を含む)、及びヘキシル(全ての異性体形を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。たとえばC1-6アルキルは、1〜6個の炭素原子の線状飽和一価炭化水素基または3〜6個の炭素原子の分岐飽和一価炭化水素基をさす。
【0047】
「アリール」なる用語は、少なくとも一つの炭化水素環を含む単環式芳香族基及び/または多環式一価芳香族基をさす。特定の態様では、アリールは6〜20(C6-20)、6〜15(C6-15)、または6〜10(C6-10)個の環原子をもつ。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アンスリル、フェナンスリル、ピレニル、ビフェニル及びターフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。アリールは、二環式または三環式炭素環も指し、ここで環の一つは芳香族で他方は、飽和、部分的に不飽和、または芳香族、たとえばジヒドロナフチル、インデニル、インダニル若しくはテトラヒドロナフチル(テトラリニル)であってもよい。特定の態様では、アリールは、本明細書中で記載される一種以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。
【0048】
「ヘテロアリール」なる用語は、少なくとも一つの芳香環を含む単環式芳香族基及び/または多環式芳香族基をさし、ここで少なくとも一つの芳香環はO、S及びNから独立して選択される一つ以上のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基のそれぞれの環は、一つまたは二つのO原子、一つまたは二つのS原子、及び/または一つ〜四つのN原子を含むことができ、ただし、それぞれの環のヘテロ原子の総数は4以下であり、それぞれの環は少なくとも一つの炭素原子を含む。ヘテロアリールは、任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合して、安定な化合物を作り出すことができる。特定の態様では、ヘテロアリールは5〜20、5〜15、または5〜10個の環原子をもつ。単環式ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、及びトリアジニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリール基の例としては、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、プリニル、ピロロピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ジヒドロイソインドリル、及びテトラヒドロキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式ヘテロアリール基の例としては、カルバゾイル、ベンズインゾリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、及びキンサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の態様では、ヘテロアリールは、本明細書中に記載されるように一つ以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。
【0049】
本明細書中で使用される「アルケノイル」なる用語は、−C(O)-アルケニルをさす。「アルケニル」なる用語は、線状または分岐の一価炭化水素であって、一つ以上、一態様では1〜5個の炭素-炭素二重結合をもつ。アルケニルは、本明細書中に記載されるように一つ以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。「アルケニル」なる用語は、当業者には理解されるように、「シス」及び「トランス」配置、あるいは「Z」及び「E」配置をもつ基を包含する。本明細書中で使用する場合、「アルケニル」なる用語は、他に記載しない限り、線状及び分岐アルケニルの両方を包含する。たとえばC2-6アルケニルは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和一価炭化水素基または、3〜6個の炭素原子の分岐不飽和一価炭化水素基をさす。特定の態様では、アルケニルは、2〜30(C2-30)、2〜24(C2-24)、2〜20(C2-20)、2〜15(C2-15)、2〜12(C2-12)、2〜10(C2-10)、若しくは2〜6(C2-6)個の炭素原子の線状一価炭化水素基、または3〜30(C3-30)、3〜24(C3-24)、3〜20(C3-20)、3〜15(C3-15)、3〜12(C3-12)、3〜10(C3-10)、若しくは3〜6(C3-6)個の炭素原子の分岐一価炭化水素基である。アルケニルの例としては、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、アリル、ブテニル、及び4-メチルブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の態様では、アルケノイルは、一つの炭素-炭素二重結合を含むモノ-アルケノイルである。特定の態様では、アルケノイルは、二つの炭素-炭素二重結合を含む、ジ-アルケノイルである。特定の態様では、アルケノイルは、2つを超える炭素-炭素二重結合を含む、ポリ-アルケノイルである。
【0050】
「ヘテロサイクリル(heterocyclyl)」または「複素環式」なる用語は、少なくとも一つの非芳香環を含む単環式非芳香族環系及び/または多環式環系をさし、ここで前記非芳香環原子の一つ以上は、O、SまたはNから独立して選択されるヘテロ原子であり、残余は炭素原子である。特定の態様では、ヘテロサイクリルまたは複素環基は、3〜20、3〜15、3〜10、3〜8、4〜7、または5〜6個の環原子をもつ。特定の態様では、ヘテロサイクリルは単環式、二環式、三環式、または四環式環系であり、これらは融合または橋架環系を含み得、ここで窒素または硫黄原子は任意に酸化されていてもよく、窒素原子は任意に四級化されていてもよく、幾つかの環は部分的に若しくは完全に飽和であるか、芳香族であってもよい。ヘテロサイクリルは任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合して、安定な化合物を作りだしてもよい。そのような複素環式基の例としては、アクリジニル、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソキサジニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾナフトフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、β-カルボリニル、カルバゾリル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ジヒドロベンゾイソキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、ジオキソラニル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、フラノニル、フラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリジニル、イソキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリル、オキシラニル、ペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナラサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、プテリジニル(pteridinyl)、プリニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリドピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、テトラゾリル、チアジアゾロピリミジニル、チアジアゾリル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアジニル、トリアゾリル、及び1,3,5-トリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の態様では、複素環は本明細書中に記載のように一つ以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。
【0051】
「ハロゲン」、「ハロゲン化物」または「ハロ」なる用語は、フッ素、塩素、臭素及び/またはヨウ素をさす。
【0052】
「任意に置換されていてもよい」なる用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール及びヘテロサイクリルを含む基が一つ以上の置換基Q、一態様では1、2、3若しくは4個の置換基Qで置換されていてもよいことを意味し、ここでそれぞれのQは独立して、シアノ、ハロ、オキソ、ニトロ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-14アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C(O)Re、−C(O)ORe、−C(O)NRfRg、−C(NRe)NRfRg、−ORe、−OC(O)Re、−OC(O)ORe、−OC(O)NRfRg、−OC(=NRe)NRfRg、−OS(O)Re、−OS(O)2Re、−OS(O)NRfRg、−OS(O)2NRfRg、−NRfRg、−NReC(O)Rf、−NReC(O)ORf、−NReC(O)NRfRg、−NReC(=NRh)NRfRg、−NReS(O)Rf、−NReS(O)2Rf、−NReS(O)NRfRg、−NReS(O)2NRfRg、−SRe、−S(O)Re、−S(O)2Re、及び−S(O)2NRfRgからなる群から独立して選択され、ここでRe、Rf、Rg、及びRhはそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-14アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロサイクリルであるか;RfとRgはこれらが結合しているN原子と一緒になって、ヘテロサイクリルを形成する。
【0053】
「光学活性」及び「エナンチオマー的に活性」なる用語は、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、または約99.8%以上のエナンチオマー過剰率をもつ分子の集まりをさす。
【0054】
光学活性化合物を記載する際、接頭辞R及びSは、その(単数または複数の)キラル中心の絶対配置を表示するために使用する。(+)及び(−)を使用して化合物の旋光度、即ち偏光面が光学活性化合物により回転される方向を表示する。(−)の接頭辞は、化合物が左旋性、即ち化合物は偏光面を左または反時計回りに回転することを示す。(+)接頭辞は、化合物が右旋性、即ち化合物は偏光面を右または時計回りに回転することを示す。しかしながら、光学回転の印、(+)及び(−)は、分子の絶対配置R及びSに関連していない。
【0055】
「溶媒和物」なる用語は、本明細書中に提供された化合物またはその塩をさし、これは非共有結合分子間力により結合した溶媒の化学量論量または非化学量論量をさらに含む。溶媒が水である場合には、溶媒和物は水和物である。
【0056】
本明細書中で提供された抗真菌製剤は、抗真菌剤、脂質、好ましくはリン脂質、界面活性剤、好ましくは非イオン界面活性剤と、3.5〜9.0、好ましくは4〜7.5のpH範囲の水溶液を含む。本明細書中で提供された抗真菌製剤は、抗真菌剤、または抗真菌剤の医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物若しくは塩を含むことができる。抗真菌製剤は任意に、緩衝液、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤(microbicide)、抗菌剤(antimicrobial)、及び/または増粘剤を含むことができる。特定の態様では、医薬組成物中の抗真菌剤の特定部分は塩の形である。
【0057】
任意の作用機構に特定されないが、本発明のテルビナフィン製剤は、ベシクルまたは拡大面凝集体(extended surface aggregate:ESA)を形成するのが好ましく、ここで前記ベシクル調製物は、皮膚及び/または爪などの半透過性障壁を通る改善された透過能力をもつ。本発明のベシクルまたは拡大面凝集体は、テルビナフィン、脂質及び一種以上の膜不安定化剤(membrane destabilizing agent)、たとえば界面活性剤から構成される。
【0058】
4.1.抗真菌剤
本明細書に開示される医薬組成物は一種以上の抗真菌剤(antifungal)を含む。抗真菌剤としては、テルビナフィン、テルビナフィン誘導体及び類似体、アリルアミン類または構造的に関連した類似体、トリアゾール類及び/またはイミダゾール類、リラナフタート(liranaftate)及びトルナフタート(tolnaftate)、グリセフルビン(grisefulvin)、及びその混合物及び/または組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
4.1.1.テルビナフィン
テルビナフィンはアリルアミン抗真菌薬(anti-mycotic)に属する。テルビナフィンの構造は以下の式Iに示される。
【0060】
【化2】

テルビナフィンはその遊離塩基または塩の形で本明細書中で開示される製剤中の抗真菌剤として使用することができる。具体的な態様では、テルビナフィンは、本明細書中テルビナフィン-HClと称する、塩酸(HCl)塩として使用する。本明細書中で使用される「テルビナフィン」なる用語は、この化合物の遊離塩基形並びにその治療的に許容可能な酸付加塩を包含する。好適な塩形としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩及びフマル酸塩が挙げられるが、原則として任意の医薬的に許容可能なアニオンを使用することができる。
【0061】
本明細書中で提供されるテルビナフィンを含有する医薬製剤によりテルビナフィンの局所投与が可能になり、治療的有効量のテルビナフィンと少なくとも一種の脂質と少なくとも一種の界面活性剤を含み、ここで前記製剤は、脂質、界面活性剤、親油性賦形剤及び薬剤を全て含んだ乾燥重量の合計として定義される乾燥「総脂質(total lipid)」重量に関して0.25〜25.0%のテルビナフィンを含む。本明細書中で提供されたテルビナフィンを含有する医薬製剤は、テルビナフィン0.25〜30重量%または約0.5〜約10重量%含むこともできる。具体的な態様では、本明細書中で提供されたテルビナフィンを含有する医薬製剤は、テルビナフィン約0.25重量%〜約0.5重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、約1.0重量%〜約1.5重量%、約1.5重量%〜約2.0重量%、約2.0重量%〜約2.5重量%、約2.5重量%〜約3.0重量%、約3.0重量%、〜約4.0重量%、約5.0重量%〜約6.0重量%、約6.0重量%〜約7.0重量%、約7.0重量%〜約8.0重量%、約8.0重量%〜約9.0重量%、約9.0重量%〜約10重量%、約10重量%〜約12重量%、約12重量%〜約14重量%、約14重量%〜約16重量%、約16重量%〜約18重量%、約18重量%〜約20重量%、約22重量%〜約24重量%、約26重量%、〜約28重量%、約28重量%〜約30重量%を含むことができる。一態様では、テルビナフィンを含有する医薬製剤はテルビナフィン約1.5重量%を含む。
【0062】
本明細書中で提供されたテルビナフィンを含有する医薬製剤は、約0.25mg/g〜約200mg/gの範囲の量のテルビナフィンを含有する。特定の態様では、テルビナフィンの量は、約0.25mg/g〜約200mg/g、約0.5mg/g〜約175mg/g、約0.5mg/g〜約150mg/g、約0.5mg/g〜約100mg/g、約0.5mg/g〜約75mg/g、約0.5mg/g〜約50mg/g、約0.5mg/g〜約25mg/g、約0.5mg/g〜約20mg/g、約0.5mg/g〜約10mg/g、約0.5mg/g〜約5mg/g、約0.5mg/g〜約4mg/g、約0.5mg/g〜約3mg/g、約0.5mg/g〜約2mg/g、及び約0.5mg/g〜約1.5mg/gの範囲内であることができる。
【0063】
本明細書中で提供されるテルビナフィンを含有する医薬製剤は、通常、極性液体媒質も含む。本発明のテルビナフィン製剤は、液体媒質中で通常投与される。本発明のテルビナフィン製剤は、溶液、懸濁液、ゲル、フルイドゲル、エマルション、エマルションゲル、クリーム、ローション、軟膏、スプレー、フィルム形成性溶液、ラッカーまたは本製剤を浸み込ませたパッチの形状であることができる。
【0064】
4.1.2テルビナフィン誘導体及び類似体
本明細書中で提供される医薬製剤の抗真菌剤は、テルビナフィン及び類似体などのアリルアミン類も含むことができる。態様によっては、テルビナフィン誘導体または類似体は式IA:
【化3】

{式中、
(a)R1は式:
【化4】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化5】

の基を表し、式IIa〜IIiの式において、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化6】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシで置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキル(phenalkyl)またはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化7】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
の化合物である。
【0065】
任意の低級アルキルまたはアルコキシ基は好ましくは1〜4個、特に2または1個の炭素原子をもつ。他に記載しない限り、アルキル部分は好ましくは1〜12個の炭素原子、特に2〜8個の炭素原子、特に2〜6個の炭素原子及び最も好ましくは3〜5個の炭素原子をもち、橋架している場合には、1〜4個、特に1または2個の炭素原子をもつ。任意のアルケニルまたはアルキニル基は好ましくは3〜6個の炭素原子、特に3〜4個の炭素原子をもち、例えばアリル、プロペニルまたはプロピニルがある。そのようなアルキル、アルコキシ、アルケニル及びアルキニル基は直鎖または分岐であることができる。好ましいシクロアルキリデン基はシクロアルキリデンである。シクロアルキルなる用語は、ボルニルまたはアダマンチルなどのポリシクロ基を含むものと理解すべきであるが、シクロヘキシルまたはシクロペンチルが好ましい。
【0066】
具体的な態様では、R7及びR8は同一であり、両方とも水素である。具体的な態様では、R9は水素またはハロゲンである。具体的な態様では、IIb及びIIc、R2及びR3が結合している炭素原子への結合は、それぞれXに対してはメタで、環窒素に対してはパラである。具体的な態様では、Xは硫黄、イミノまたは低級アルキルアミノである。R1は好ましくは式IIb、IIc若しくはIIdの基であるか、特にIIaである。R2は好ましくは水素である。R3は好ましくは水素であり、R4は、具体的な態様ではアルキルである。具体的な態様では、R5は水素である。
【0067】
具体的な態様では、p、r、s、t、u及びvの値は、7-員、好ましくは5-員または6-員環を生成するように選択する。
【0068】
R6と窒素原子との間の二重結合は、好ましくはトランス配置である。ハロゲンは、フッ素、塩素または臭素を表し、好ましくは塩素または臭素である。
【0069】
特定の態様では、式IAの化合物は、米国特許第4,755,534号に定義されたとおりであり、その開示は本明細書中、その全体が参照として含まれる。
【0070】
具体的な態様では、式IAの化合物は:
【化8】

であり、テルビナフィンとしても知られている。
【0071】
具体的な態様では、式IAの化合物は:
【化9】

であり、ナフチフィン(naftifine)としても知られている。
【0072】
具体的な態様では、式IAの化合物は:
【化10】

であり、これはRyderら、1992年、Current Topics in Medical Mycology、第4巻、158〜188頁に記載されている。
【0073】
特定の態様では、テルビナフィンの類似体は米国特許出願公開第2007/0244336号に記載されており、この開示は本明細書中、その全体が参照として含まれる。特定の態様では、テルビナフィンの塩は米国特許出願公開第2006/0004230号に記載されており、その開示は本明細書中、その全体が参照として含まれる。特定の態様では、抗真菌剤アリルアミン誘導体は米国特許出願公開第2005/0032904号に記載されており、その開示は本明細書中、その全体が参照として含まれる。
【0074】
4.1.2.アリルアミン類または構造的に関連した類似体
本明細書中で提供される局所抗真菌製剤中で使用するのに好適なアリルアミンまたは構造的に関連した類似体としては、アモロルフィン(amorolfine)、ブテナフィン(butenafine)、及びナフチフィン(naftifine)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
一態様において、本明細書中で提供される局所抗真菌剤中のアリルアミンまたは構造的に関連した類似体は、以下の構造をもつアモロルフィンである。
【0076】
【化11】

別の態様において、本明細書中で提供される局所抗真菌剤中のアリルアミンまたは構造的に関連した類似体は、以下の構造をもつブテナフィンである。
【0077】
【化12】

さらに別の態様において、本明細書中で提供される局所抗真菌剤中のアリルアミンまたは構造的に関連した類似体は、以下の構造をもつナフチフィンである。
【0078】
【化13】

アリルアミンまたは構造的に関連した類似体は、その遊離塩基、またはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物若しくは塩の形で、本明細書中で提供される製剤中で使用されえる。具体的な態様では、アリルアミンまたは構造的に関連した類似体は、塩酸(HCl)塩として使用される。「アリルアミンまたは構造的に関連した類似体」なる用語は、化合物の遊離塩基形並びに医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩の形を包含する。好適な塩の形としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩及びフマル酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
本明細書中で提供される医薬製剤により、アリルアミンまたは構造的に関連する類似体の局所投与が可能になり、アリルアミンまたは構造的に関連する類似体の治療的有効量と、少なくとも一種の脂質と少なくとも一種の界面活性剤とを含み、ここで前記製剤は、脂質、界面活性剤、親油性賦形剤及びアリルアミンを全て含んだ乾燥重量の合計として定義される乾燥「総脂質」重量に関して0.25〜25.0%のアリルアミンを含む。本明細書中で提供される製剤は、アリルアミンまたは構造的に関連した類似体0.25〜30重量%または約0.5重量%〜約10重量%も含むことができる。具体的な態様において、局所製剤は、アリルアミンまたは構造的に関連した類似体を約0.25重量%〜約0.5重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1重量%〜約1.5重量%、約1.5重量%〜約2重量%、約2重量%〜約2.5重量%、約2.5重量%〜約3重量%、約3重量%〜約4重量%、約4重量%〜約5重量%、約5重量%〜約6重量%、約6重量%〜約7重量%、約7重量%〜約8重量%、約8重量%〜約9重量%、約9重量%〜約10重量%、約10重量%〜約12重量%、約12重量%〜約14重量%、約14重量%〜約16重量%、約16重量%〜約18重量%、約18重量%〜約20重量%、約22重量%〜約24重量%、約26重量%〜約28重量%、または約28重量%〜約30重量%含むことができる。
【0080】
本明細書中で提供される医薬製剤は、約0.25mg/g〜約200mg/gの範囲の量のアリルアミンまたは構造的に関連する類似体を含む。特定の態様では、医薬製剤中のアリルアミンまたは構造的に類似した類似体の量は、約0.25mg/g〜約200mg/g、約0.5mg/g〜約175mg/g、約0.5mg/g〜約150mg/g、約0.5mg/g〜約100mg/g、約0.5mg/g〜約75mg/g、約0.5mg/g〜約50mg/g、約0.5mg/g〜約25mg/g、約0.5mg/g〜約20mg/g、約0.5mg/g〜約10mg/g、約0.5mg/g〜約5mg/g、約0.5mg/g〜約4mg/g、約0.5mg/g〜約3mg/g、約0.5mg/g〜約2mg/g、または約0.5mg/g〜約1.5mg/gの範囲内であることができる。
【0081】
特定の態様では、本明細書中で提供される局所製剤は、極性液体媒質も含む。特定の態様では、本明細書中で提供される局所製剤は、水性媒質中で投与される。本明細書中で提供される局所製剤は、溶液、懸濁液、ゲル、フルイドゲル、エマルション、エマルションゲル、クリーム、ローション、軟膏、スプレー、フィルム形成性溶液、ラッカーまたは本製剤を浸み込ませたパッチの形状であることができる。
【0082】
4.1.3.トリアゾール類及び/またはイミダゾール類
特定の態様では、本明細書中で開示される抗真菌製剤は、トリアゾール類及びまたはイミダゾール類、たとえば式I:
【化14】

の構造をもつもの、または単一エナンチオマー、またはエナンチオマーの混合物、ジアステレオマーの混合物;あるいはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物、または塩{式中、RはC1-12アルキル、C1-12アシル、またはヘテロアリール-C6-14アリールであり;
Xはハロであり;
YはNまたはCHであり;
ZはCH2またはOである}を包含する。
【0083】
式I中の基R、X、Y、及びZは本明細書中でさらに定義する。そのような基に関して本明細書中で提供される態様の全ての組み合わせは、本開示の範囲内である。
【0084】
特定の態様では、RはC1-12アルキルである。特定の態様では、Rはイソプロピルである。特定の態様では、RはC1-12アシルである。特定の態様では、Rはアセチルである。特定の態様では、Rはヘテロアリール-C6-14アリールである。特定の態様では、Rは1-sec-ブチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン-4-イル、1-(2-ヒドロキシペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン-4-イル、または1-((2S,3R)-2-ヒドロキシペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン-4-イルである。
【0085】
特定の態様では、Xはそれぞれ独立してフルオロまたはクロロである。特定の態様では、Xはフルオロである。特定の態様では、Xはクロロである。
【0086】
特定の態様では、YはNである。特定の態様では、YはCHである。
【0087】
特定の態様では、ZはCH2である。特定の態様では、ZはOである。
【0088】
一態様において、式Iの化合物{式中、Rはイソプロピル、アセチル、1-sec-ブチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン-4-イル、1-(2-ヒドロキシペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン-4-イル、または1-((2S,3R)-2-ヒドロキシペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン-4-イルであり;Xはそれぞれ独立してフルオロまたはクロロであり;YはNまたはCHであり;ZはCH2またはOである}を本明細書中で提供する。
【0089】
一態様において、式Iの化合物は、以下の構造:
【化15】

をもつイトラコナゾールまたはその単一エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物;あるいはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩である。
【0090】
別の態様では、式Iの化合物は、以下の構造:
【化16】

をもつケトコナゾールまたはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩である。
【0091】
さらに別の態様では、式Iの化合物は、以下の構造:
【化17】

をもつポサコナゾールまたはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩である。
【0092】
さらに別の態様では、式Iの化合物は、以下の構造:
【化18】

をもつテトラコナゾールまたはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩である。
【0093】
さらに別の態様では、式Iの化合物は、以下の構造:
【化19】

をもつSCH-50002またはその単一エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物、あるいはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩である。
【0094】
さらに別の態様では、式Iの化合物は、以下の構造:
【化20】

をもつサペルコナゾール(saperconazole)またはその単一エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物、あるいはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩である。
【0095】
さらに別の態様では、トリアゾール及び/またはイミダゾール抗真菌剤は、以下の構造:
【化21】

をもつフルコナゾール(fluconazole)またはその単一エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物、あるいはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩である。
【0096】
さらに別の態様では、トリアゾール及び/またはイミダゾール抗真菌剤は、以下の構造:
【化22】

をもつボリコナゾール(voriconazole)またはその単一エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物、あるいはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩である。
【0097】
本明細書中で提供されるトリアゾール及び/またはイミダゾール抗真菌剤は、その単一エナンチオマー、エナンチオマーの混合物またはジアステレオマーの混合物;あるいはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩として本明細書中で提供される製剤中で使用することができる。具体的な態様では、トリアゾール及び/またはイミダゾール抗真菌剤は、その遊離塩基形で使用される。本明細書中で使用されるような「トリアゾール及び/またはイミダゾール抗真菌剤」なる用語は、化合物の単一エナンチオマー、エナンチオマーの混合物及び、ジアステレオマーの混合物、並びにあるいは化合物の医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物及び塩、たとえばその単一エナンチオマー、エナンチオマーの混合物及びジアステレオマーの混合物が挙げられる。
【0098】
本明細書中で提供される医薬製剤により、トリアゾール及び/またはイミダゾール抗真菌剤、たとえばイトラコナゾール、ケトコナゾール、ポサコナゾール、サペルコナゾール、SCH-50002、テルコナゾール、フルコナゾールまたはボリコナゾールの局所投与が可能になり、本明細書中で提供されるトリアゾールまたはイミダゾール抗真菌剤の治療的有効量と、少なくとも一種の脂質と少なくとも一種の界面活性剤とを含み、ここで前記製剤は、脂質、界面活性剤、親油性賦形剤及び抗真菌剤を全て含んだ乾燥重量の合計として定義される乾燥「総脂質」重量に関して抗真菌剤0.25〜25%を含む。本明細書中で提供される製剤は、抗真菌剤0.25〜30重量%または約0.5%〜約10重量%も含むことができる。具体的な態様では、局所抗真菌製剤は、トリアゾール及び/またはイミダゾール抗真菌剤を約0.25重量%〜約0.5重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1重量%〜約1.5重量%、約1.5重量%〜約2重量%、約2重量%〜約2.5重量%、約2.5重量%〜約3重量%、約3重量%〜約4重量%、約4重量%〜約5重量%、約5重量%〜約6重量%、約6重量%〜約7重量%、約7重量%〜約8重量%、約8重量%〜約9重量%、約9重量%〜約10重量%、約10重量%〜約12重量%、約12重量%〜約14重量%、約14重量%〜約16重量%、約16重量%〜約18重量%、約18重量%〜約20重量%、約22重量%〜約24重量%、約26重量%〜約28重量%、または約28重量%〜約30重量%含むことができる。
【0099】
本明細書中で提供される医薬製剤は、約0.25mg/g〜約200mg/gの範囲の量でトリアゾール及び/またはイミダゾール抗真菌剤を含む。特定の態様では、医薬製剤中のトリアゾールまたはイミダゾール抗真菌剤の量は、約0.25mg/g〜約200mg/g、約0.5mg/g〜約175mg/g、約0.5mg/g〜約150mg/g、約0.5mg/g〜約100mg/g、約0.5mg/g〜約75mg/g、約0.5mg/g〜約50mg/g、約0.5mg/g〜約25mg/g、約0.5mg/g〜約20mg/g、約0.5mg/g〜約10mg/g、約0.5mg/g〜約5mg/g、約0.5mg/g〜約4mg/g、約0.5mg/g〜約3mg/g、約0.5mg/g〜約2mg/g、または約0.5mg/g〜約1.5mg/gの範囲内であることができる。
【0100】
特定の態様では、本明細書中で提供される抗真菌製剤は、極性液体媒質も含む。特定の態様では、本明細書中で提供される抗真菌製剤は、水性媒質中で投与される。本明細書中で提供される抗真菌製剤は、溶液、懸濁液、ゲル、フルイドゲル、エマルション、エマルションゲル、クリーム、ローション、軟膏、スプレー、フィルム形成性溶液、ラッカーまたは本製剤を浸み込ませたパッチの形状であることができる。
【0101】
本明細書中で提供される抗真菌剤は、特定の立体化学を指定しない限り、全ての可能な立体異性体、たとえばエナンチオマー及びジアステレオマー及びそれらの混合物を包含するものと理解される。本明細書中で提供される抗真菌剤がアルケニルまたはアルケニレン基を含む場合、抗真菌剤は、シス(Z)若しくはトランス(E)異性体として、または幾何学的シス/トランス(またはZ/E)異性体の混合物として存在し得る。構造異性体が低エネルギー障壁により相互交換可能である場合、抗真菌剤は単一互変異性体または互変異性体の混合物として存在し得る。これは、抗真菌剤中で、たとえばイミノ、ケト若しくはオキシム基を含むプロトン互変異性(proton tautomerism)の形態;または芳香族部分を含む抗真菌剤中でいわゆる原子価互変異性(valence tauromerism)の形態をとることができる。単一抗真菌剤は二種以上の異性形で存在し得ると考えられる。
【0102】
本明細書中で提供される抗真菌剤は、エナンチオマー的に純粋、たとえば単一エナンチオマー若しくは単一ジアステレオマーであるか、立体異性体混合物、たとえばエナンチオマーの混合物、ラセミ混合物、またはジアステレオマー混合物であることができる。それゆえ、当業者はその(R)形での化合物の投与は、インビボでエピマー化を受ける化合物に関しては、その(S)形での投与と同等であることを認識するだろう。個々のエナンチオマーを製造/単離するための慣用法としては、好適な光学的に純粋な前駆体からの合成、アキラルな出発物質からの不斉合成、またはエナンチオマー混合物の分割、たとえばキラルクロマトグラフィー、再結晶、光学分割、ジアステレオマー塩形成またはジアステレオマー付加物への誘導体形成、続く分離が挙げられる。
【0103】
本明細書中で提供される抗真菌剤が酸性または塩基性部分を含む場合、これらは医薬的に許容可能な塩として提供することができる(Bergeら、J.Pharm.Sci.1977年、66巻、1〜19頁;及び“Handbook of Pharmaceutical Salts,Properties,and Use,”Stahl及びWermuth編;Wiley-VCH and VHCA、Zurich、2002年参照)。
【0104】
医薬的に許容可能な塩の製造で使用するのに好適な酸としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ホウ酸、(+)-ショウノウ酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、L-グルタミン酸、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、(−)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、過塩素酸、リン酸、L-ピログルタミン酸、糖酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、琥珀酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸及び吉草酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
医薬的に許容可能な塩の製造で使用するのに好適な塩基としては、無機塩基、たとえば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛若しくは水酸化ナトリウム;及び有機塩基、たとえば一級、二級、三級及び四級、脂脂肪族及び芳香族アミン類、たとえばL-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール(deanol)、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン(hydrabamine)、1H-イミダゾール、L-リジン、モルホリン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、二級アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、及びトロメタミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
4.1.4.リラナフテート及びトルナフテート
リラナフテートは、以下の構造をもつ抗真菌剤である。
【化23】

トルナフテートは以下の構造をもつ抗真菌剤である。
【化24】

【0107】
リラナフテートまたはトルナフテートはその遊離形、またはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物若しくは塩形で使用することができる。具体的な態様では、リラナフテートまたはトルナフテートはその遊離塩基形で使用する。本明細書中で使用する「リラナフテート」なる用語は、当該化合物の遊離形並びに医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩形を包含する。本明細書中で使用する「トルナフテート」なる用語は、当該化合物の遊離形並びに医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩形を包含する。
【0108】
本明細書中で提供される医薬製剤によりリラナフテートまたはトルナフテートの局所投与が可能になり、治療的に有効量のリラナフテートまたはトルナフテートと、少なくとも一種の脂質と少なくとも一種の界面活性剤とを含み、ここで前記製剤は、脂質、界面活性剤、親油性賦形剤及びリラナフテートまたはトルナフテートを全て含んだ乾燥重量の合計として定義される乾燥「総脂質」重量に関して0.25〜25.0%のリラナフテートまたはトルナフテートを含む。本明細書中で提供される製剤は、リラナフテートまたはトルナフテートを0.25〜30重量%または約0.5重量%〜約10重量%含む。具体的な態様では、局所製剤は、リラナフテートまたはトルナフテートを約0.25重量%〜約0.5重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1重量%〜約1.5重量%、約1.5重量%〜約2重量%、約2重量%〜約2.5重量%、約2.5重量%〜約3重量%、約3重量%〜約4重量%、約4重量%〜約5重量%、約5重量%〜約6重量%、約6重量%〜約7重量%、約7重量%〜約8重量%、約8重量%〜約9重量%、約9重量%〜約10重量%、約10重量%〜約12重量%、約12重量%〜約14重量%、約14重量%〜約16重量%、約16重量%〜約18重量%、約18重量%〜約20重量%、約22重量%〜約24重量%、約26重量%〜約28重量%、または約28重量%〜約30重量%含むことができる。
【0109】
本明細書中で提供される医薬製剤は、約0.25mg/g〜約200mg/gの範囲の量でリラナフテートまたはトルナフテートを含む。特定の態様では、医薬製剤中のリラナフテートまたはトルナフテートの量は、約0.25mg/g〜約200mg/g、約0.5mg/g〜約175mg/g、約0.5mg/g〜約150mg/g、約0.5mg/g〜約100mg/g、約0.5mg/g〜約75mg/g、約0.5mg/g〜約50mg/g、約0.5mg/g〜約25mg/g、約0.5mg/g〜約20mg/g、約0.5mg/g〜約10mg/g、約0.5mg/g〜約5mg/g、約0.5mg/g〜約4mg/g、約0.5mg/g〜約3mg/g、約0.5mg/g〜約2mg/g、または約0.5mg/g〜約1.5mg/gの範囲内でアルことができる。
【0110】
特定の態様では、本明細書中で提供される抗真菌製剤は、極性液体媒質も含む。特定の態様では、本明細書中で提供される抗真菌製剤は、水性媒質中で投与される。本明細書中で提供される抗真菌製剤は、溶液、懸濁液、ゲル、フルイドゲル、エマルション、エマルションゲル、クリーム、ローション、軟膏、スプレー、フィルム形成性溶液、ラッカーまたは本製剤を浸み込ませたパッチの形状であることができる。
【0111】
4.1.5.グリセフルビン
グリセオフルビンは、以下の構造をもつ抗真菌剤である。
【0112】
【化25】

グリセオフルビンはその遊離形、またはその医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物若しくは塩形で使用することができる。具体的な態様では、グリセオフルビンはその遊離塩基形で使用する。本明細書中で使用する「グリセオフルビン」なる用語は、当該化合物の遊離形並びに医薬的に許容可能な溶媒和物、水和物または塩形を包含する。
【0113】
本明細書中で提供される医薬製剤によりグリセオフルビンの局所投与が可能になり、治療的に有効量のグリセオフルビンと、少なくとも一種の脂質と少なくとも一種の界面活性剤とを含み、ここで前記製剤は、脂質、界面活性剤、親油性賦形剤及びグリセオフルビンを全て含んだ乾燥重量の合計として定義される乾燥「総脂質」重量に関して0.25〜25%のグリセオフルビンを含む。本明細書中で提供される製剤は、グリセオフルビンを0.25〜30重量%または約0.5重量%〜約10重量%含む。具体的な態様では、局所製剤は、グリセオフルビンを約0.25重量%〜約0.5重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1重量%〜約1.5重量%、約1.5重量%〜約2重量%、約2重量%〜約2.5重量%、約2.5重量%〜約3重量%、約3重量%〜約4重量%、約4重量%〜約5重量%、約5重量%〜約6重量%、約6重量%〜約7重量%、約7重量%〜約8重量%、約8重量%〜約9重量%、約9重量%〜約10重量%、約10重量%〜約12重量%、約12重量%〜約14重量%、約14重量%〜約16重量%、約16重量%〜約18重量%、約18重量%〜約20重量%、約22重量%〜約24重量%、約26重量%〜約28重量%、または約28重量%〜約30重量%含むことができる。
【0114】
本明細書中で提供される医薬製剤は、約0.25mg/g〜約200mg/gの範囲の量でグリセオフルビンを含む。特定の態様では、医薬製剤中のグリセオフルビンの量は、約0.25mg/g〜約200mg/g、約0.5mg/g〜約175mg/g、約0.5mg/g〜約150mg/g、約0.5mg/g〜約100mg/g、約0.5mg/g〜約75mg/g、約0.5mg/g〜約50mg/g、約0.5mg/g〜約25mg/g、約0.5mg/g〜約20mg/g、約0.5mg/g〜約10mg/g、約0.5mg/g〜約5mg/g、約0.5mg/g〜約4mg/g、約0.5mg/g〜約3mg/g、約0.5mg/g〜約2mg/g、または約0.5mg/g〜約1.5mg/gの範囲内であることができる。
【0115】
特定の態様では、本明細書中で提供される抗真菌製剤は、極性液体媒質も含む。特定の態様では、本明細書中で提供される抗真菌製剤は、水性媒質中で投与される。本明細書中で提供される抗真菌製剤は、溶液、懸濁液、ゲル、フルイドゲル、エマルション、エマルションゲル、クリーム、ローション、軟膏、スプレー、フィルム形成性溶液、ラッカーまたは本製剤を浸み込ませたパッチの形状であることができる。
【0116】
4.2.脂質
本発明の意義において、「脂質」とは、脂肪のようなものまたはそれと同様の特性をもつ任意の物質である。一般に、延長した非極性基(「鎖」、X)と、通常、水溶性の極性親水性部分、「頭部」基(Y)とをもち、基本的な式II:
X−Yn (II)
{式中、nは0に等しいかそれより大きい}を有する。n=0である脂質は非極性脂質といい、n1の脂質は極性脂質という。この意味において、これらに限定されないが、グリセリド、グリセロリン脂質、グリセロホスフィノ脂質(glycerophosphinolipid)、グリセロホスホノ脂質(glycerophosphonolipid)、スルホリピド(sulfolipid)、スフィンゴリピド(sphingolipid)、イソプレノイド脂質、ステロイドまたはステロール類及び炭水化物を含む脂質(carbohydrate-containing lipid)を含む全ての両親媒性物質は、一般的に脂質といい、本明細書中そういうものとして含まれる。関連する脂質のリスト及び脂質に関連する定義は、本明細書中、参照として含まれる欧州特許出願第EP0 475 160A1号(4頁、8行〜6頁、3行を参照)及び米国特許第6,165,500号(第6欄、10行〜第7欄、58行を参照)に提供されている。
【0117】
リン脂質は、たとえば式III:
R1−CH2−CHR2−CR3H−O−PHO2−O−R4 (III)
の化合物である。式中、R1及びR2は両方とも水素、OHでもC1-C3アルキル基であることができず、通常独立して、脂肪族鎖、最も一般的には脂肪酸または脂肪アルコールから誘導される。R3は通常水素である。ホスフェートのOH-基は、基のイオン化度に依存してヒドロキシル基またはヒドロキシルアニオン(即ちヒドロキシド)形である。さらにR4はプロトンであるか、あるいはトリ-短鎖アルキルアンモニウム基、たとえばトリメチルアンモニウム基、またはアミノ-置換短鎖アルキル基、たとえば2-トリメチルアンモニウムエチル基(コリニル:cholinyl)または2-ジメチルアンモニウム短アルキル基で置換された短鎖アルキル基である。
【0118】
スフィンゴリン脂質(sphingophospholipid)はたとえば、式IIIB:
R1−スフィンゴシン−O−PHO2−O−R4 (IIIB)
の化合物である。式中、R1はスフィンゴシン(sphingosine)の窒素にアミノ結合を介して結合した脂肪酸であり、R4は式IIIについて与えられた意味をもつ。
【0119】
脂質は好ましくは式IIIまたはIIIBの物質であり、ここでR1及び/またはR2はアシルまたはアルキル、n-ヒドロキシアシルまたはn-ヒドロキシアルキルであり、これらは鎖の殆ど任意の点で結合した一つ以上のメチル基で分岐していてもよく;通常、このメチル基は鎖の端部近くである(イソまたはアンテイソ)。基R1及びR2はさらに飽和でも不飽和(一価-、二価-または多価-不飽和)であってもよい。R3は水素であり、R4は2-トリメチルアンモニウムエチル(後者はホスファチジルコリン頭部基に相当する)、2-ジメチルアンモニウムエチル、2-メチルアンモニウムエチルまたは2-アミノエチル(ホスファチジルエタノールアミン頭部基に相当する)である。天然グリセロリン脂質を選択する場合には、R4はプロトン(ホスファチジン酸を与える)、セリン(ホスファチジルセリンを与える)、グリセロール(ホスファチジルグリセロールを与える)、イノシトール(ホスファチジルイノシトールを与える)またはアルキルアミン基(エチルアミンの場合にはホスファチジルエタノールアミンを与える)であってもよい。また脂質二層(lipid bilayer)を形成するような任意の他の十分に極性のホスフェートエステルも本発明の製剤の製造用に同様に考えられえる。
【0120】
表1は、本発明に従った好ましいリン脂質を列記する。
【表1】

【0121】
本発明との関係において好ましい塩基性脂質は、非荷電であり、安定な、十分に水和した二層を形成する;ホスファチジルコリン類及びスフィンゴミエリン類は、そのような脂質の最も優れた代表例である。これらのどちらも表1に列記された鎖を持つことができるが、脂質の鎖が不規則な状態にある、流体相二層(fluid phase bilayers)を形成するものが好ましい。
【0122】
種々の負に荷電した、即ちアニオン性の脂質も、得られた脂質凝集体への(カチオン性)薬剤充填または凝集体からの放出を調節するために、ベシクル状脂質二層(vesicular lipid bilayer)に取り込むことができる。そのような荷電した脂質の魅力的な例としては、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトールがあり、あまり好まれないが、ホスファチジン酸(及びそのアルキルエステル)またはホスファチジルセリンがある。当業者には、電気的に中性の(単数または複数)二層成分と組み合わせてこれらを使用するよりも、荷電した脂質からベシクルを製造するのはそれほどよくはないことは理解されるだろう。荷電した脂質を使用する場合、緩衝液組成物及び/またはpHへの配慮は、脂質の頭部イオン化の所望の度合い及び/または反対に荷電した薬剤と脂質分子との間の静電気相互作用の所望の度合いを確保するために選択しなければならない。さらに中性の脂質に関しては、荷電した二層脂質成分は、原理上は表1に列記した任意の鎖をもちえる。しかしながら、脂肪鎖の流動性を高めるベシクルの適応能力を増大する役割と、流体相中で脂質が互いに、そして薬剤と混合するより良い能力の両方により、流体相脂質二層を形成する鎖は明らかに好ましい。
【0123】
脂質の脂肪酸-または脂肪アルコール-誘導鎖は通常、以下の表に与えられた塩基性脂肪族鎖のタイプから選択される。
【0124】
【表2】

【0125】
【表3】

【0126】
【表4】

【0127】
他の二重結合の組み合わせまたは位置も同様に可能である。
【0128】
好適な脂肪酸残基はさらに分岐することができ、たとえば脂肪酸鎖のイソまたはアンテイソ位置に、あるいは10-R-メチルオクタデカン酸またはツベルクロステアリン(tuberculostearic)酸鎖と同様に、鎖の中間に近い位置にメチル基を含むことができる。分岐脂肪酸の中で比較的重要なものはイソプレノイド類であり、その多くは3,7,11,15-テトラメチルヘキサデク-trans-2-エン-1-オール、クロロフィルの脂肪族アルコール部分から誘導される。例としては、5,9,13,17-テトラメチルオクタデカン酸及び特に、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカン酸(フィタン)酸及び2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン(プリスタン)酸が挙げられる。4,8,12-トリメチルトリデカン酸の良好な供給源は海洋生物である。脂肪酸の二重結合と側鎖との組み合わせも可能である。
【0129】
あるいは好適な脂肪酸残基は、特に鎖の真ん中でまたは末端に向かって、一つまたは数個のオキシ-または環式基をもつことができる。後者の中でも最も優れたもの、脂環式脂肪酸は、シクロプロパン(及び時折、シクロプロペン)環を含んでいるものであるが、シクロヘキシル及びシクロヘプチル環も知見することができ、本発明の目的に関して有用であろう。2-(D)-ヒドロキシ脂肪酸は非環式脂肪酸よりもより普遍的であり、且つスフィンゴ脂質の重要な構成成分である。15-ヒドロキシ-ヘキサデカン酸及び17-ヒドロキシ-オクタデカン酸も興味深く、9-ヒドロキシ-オクタデカ-trans-10,trans-12-ジエン(ジモルフェコール:dimorphecolic)酸及び13-ヒドロキシ-オクタデカ-cis-9,trans-11-ジエン(コリオール:coriolic)酸も興味深いかもしれない。ほぼ間違いなく、現在の医薬的使用において最も重要なヒドロキシ-脂肪酸はリシノール酸、(D-(−)12-ヒドロキシ-オクタデク-cis-9-エノン酸であり、これはひまし油の最大90%を構成し、これは水素化形で使用されることが多い。エポキシ-メトキシ-、及びフラノイド-脂肪酸は、本発明の状況においては僅かしか実際的関心がない。
【0130】
一般的に言えば、脂肪酸の不飽和、分岐または任意の他の種類の誘導体形成は、そのような変形部位が脂肪酸鎖の中間または末端部分にあるという本発明の意図と最もよく適合する。cis-不飽和脂肪酸はtrans-脂肪酸よりももっと好ましく、より少ない二重結合をもつ脂肪酸の酸化感受性のため、より少ない二重結合をもつ脂肪酸が多数の二重結合をもつ脂肪酸よりも好ましい。さらに、対称性鎖の脂質は一般的に、非対称鎖の脂質よりもよく適合する。
【0131】
たとえば式IIIの好ましい脂質は、天然のホスファチジルコリンであり、レシチンと呼ばれていた。これは、卵(パルミチン酸、C16:0、及びオレイン酸、C18:1が豊富であるが、ステアリン酸、C18:0、パルミトール酸、C16:1、リノール酸C18:2、及びアラキドン酸、C20:4基を含む)、大豆(不飽和C18鎖が豊富であるが、他の幾つかの中でもいくらかパルミチン酸基も含む)、ココナツ(飽和鎖が豊富)、オリーブ(一価不飽和鎖が豊富)、サフラン(ベニバナ)及びひまわり(n-6リノール酸が豊富)、アマニ(n-3リノール酸が豊富)、鯨脂肪(一価不飽和n-3鎖が豊富)、サクラソウ(primroseまたはprimula)(n-3鎖が豊富)から得ることができる。好ましい、天然ホスファチジルエタノールアミン類(ケファリンと呼ばれていた)は卵または大豆起源であることが多い。生物学的起源の好ましいスフィンゴミエリン類は、卵または脳組織から通常製造される。好ましいホスファチジルセリン類も通常、脳材料由来であるが、ホスファチジルグリセロールは優先的に大腸菌などのバクテリアから抽出するか、、天然ホスファチジルコリンから出発して、ホスホリパーゼDを使用してホスファチジル基転移反応(transphosphatidylation)によっても製造する。好ましく使用されるホスファチジルイノシトール類は、市販の大豆リン脂質またはウシ肝臓抽出物から単離される。好ましいホスファチジン酸は上記供給源のいずれかから抽出されるか、好適なホスファチジルコリンからホスホリパーゼDを使用して製造される。
【0132】
さらに、合成ホスファチジルコリン類(式IIIのR4は2-トリメチルアンモニウムエチルに相当する)、並びにR1及びR2は、先の段落で定義されたように12〜30個の炭素原子、優先的には14〜22個の炭素原子、さらに好ましくは16〜20個の炭素原子をもつ脂肪族鎖である、ただし、前記鎖は得られたESAが流体脂質二層(fluid lipid bilayer)を構成するように選択しなければならない。これは通常、比較的短い飽和鎖と比較的長い不飽和鎖を使用することを意味する。合成スフィンゴミエリン類(式IIIBのR4は2-トリメチルアンモニウムエチルに相当する)、及びR1は、前記段落で定義されたように10〜20個の炭素原子、優先的には完全飽和鎖ごとに10〜14個の炭素原子及び不飽和鎖ごとに16〜20個の炭素原子をもつ脂肪族鎖である。
【0133】
合成ホスファチジルエタノールアミン類(R4は2-アミノエチルである)、合成ホスファチジン酸(R4はプロトンである)またはそのエステル(たとえばR4は、短鎖アルキル、たとえばメチルまたはエチルに相当する)、合成ホスファチジルセリン(R4はL-またはD-セリンである)、または合成ホスファチジル(多価)アルコール類、たとえばホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール(R4はL-またはD-グリセロール)は脂質として好ましく、ここでR1及びR2は特に本テキスト中の対応する表中に与えられたようなものなど、同一または適度に異なるタイプ及び長さの脂肪酸残基である。さらに、R1はアルケニルを表すことができ、R2は同一ヒドロキシアルキル基、たとえばテトラデシルヒドロキシ若しくはヘキサデシルヒドロキシ、たとえばジテトラデシル若しくはジヘキサデシルホスファチジルコリン若しくはエタノールアミンであり、R1はアルケニルを表すことができ、R2はヒドロキシアシル、たとえばプラズマロゲン(plasmalogen)(R4はトリメチルアンモニウムエチル)であるか、またはR1はアシル、たとえばラウリル、ミリストイル若しくはパルミトイルであることができ、R2はヒドロキシ、たとえば天然若しくは合成リゾホスファチジルコリン(lysophosphatidyl choline)若しくはリゾホスファチジルグリセロール若しくはリゾホスファチジルエタノールアミン類、たとえば1-ミリストイル若しくは1-パルミトイルリゾホスファチジルコリン若しくは-ホスファチジルエタノールアミンであり;R3は水素を表すことが多い。
【0134】
式IIIBの脂質も本発明の意味では好ましい脂質である。式IIIBにおいて、n=1、R1はアルケニル基であり、R2はアシルアミド基であり、R3は水素であり、及びR4は2-トリメチルアンモニウムエチル(コリン基)を表す。そのような脂質は、スフィンゴミエリンの名前で知られている。
【0135】
さらに好適な脂質としては、リゾホスファチジルコリン類似体、たとえば1-ラウロイル-1,3-ジヒドロキシプロパン-3-ホスホリルコリン、モノグリセリド、たとえばモノオレイン若しくはモノミリスチン、セレブロシド、セラミドポリヘキソシド(polyhexoside)、スルファチド、スフィンゴプラズマロゲン(sphingoplasmalogen)、ガングリオシド若しくはグリセリドがあり、これは3の位置に遊離若しくはエステル化ホスホリル基もホスフィノ基を含まない。そのようなグリセリドの例としては、任意のアシル若しくはアルケニル基をもつジアシルグリセリドまたは1-アルケニル-1-ヒドロキシ-2-アシルグリセリドがあり、ここで3-ヒドロキシ基は、たとえばモノガラクトシルグリセリンなどのガラクトシル基により、炭水化物基の一つによりエーテル化されている。
【0136】
所望の頭部または鎖基特性をもつ脂質は、天然または合成前駆体から、ホスホリパーゼ(たとえばホスホリパーゼA1、A2、B、C及び、特にD)、デサチュラーゼ、エロンガーゼ(elongase)、アシルトランスフェラーゼなどによる生化学的手段で形成することもできる。
【0137】
さらに、好適な脂質は、生体膜中に含まれ、クロロホルムなどの非極性溶媒を用いて抽出することができる任意の脂質である。既に述べた脂質に加えて、そのような脂質としては例えば、ステロイド類、たとえばエストラジオール、またはステロール類、たとえばコレステロール、ベータ-シトステロール、デスモステロール(desmosterol)、7-ケト-コレステロール若しくはベータ-コレスタノール(cholestanol)、脂肪-溶解性ビタミン類、たとえばレチノイド類、ビタミン類、たとえばビタミンA1若しくはA2、ビタミンE、ビタミンK、たとえばK1若しくはK2またはビタミンD1若しくはD3なども挙げられる。
【0138】
溶解性の低い両親媒性成分は、合成脂質、たとえばミリストレオイル、パルミトレオイル、ペトロセリニル(petroselinyl)、ペトロセライジル(petroselaidyl)、オレオイル、エライジル(elaidyl)、cis-若しくはtrans-バクセノイル(vaccenoyl)、リノリル、リノレニル、リノラジル(linolaidyl)、オクタデカテトラノイル、ゴンドイル(gondoyl)、エイコサエノイル(eicosaenoyl)、エイコサジエノイル、エイコサトリエノイル、アラキドイル、cis-若しくはtrans-ドコサエノイル、ドコサジエノイル、ドコサトリエノイル、ドコサテトラエノイル、ラウロイル、トリデカノイル、ミリストイル、ペンタデカノイル、パルミトイル、ヘプタデカノイル、ステアロイル若しくはノナデカノイル、グリセロリン脂質または分岐鎖をもつ対応する誘導体または対応するジアルキル若しくはスフィンゴシン誘導体、糖脂質または他のジアシル若しくはジアルキル脂質を含む、または好ましくは含む。
【0139】
より溶解性の(単数または複数種類の)両親媒性成分は、溶解性を高めるために上記列記の溶解性の低い成分から誘導されることが多く、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイルまたはウンデカノイル置換基または幾つかの、互いに独立して、選択された置換基または溶解性を改善するための種々の材料で置換及び/または複合化及び/または結合させる。
【0140】
さらなる好適な脂質としては、ジアシル-若しくはジアルキル-グリセロホスホエタノールアミンアゾポリエトキシレン誘導体、ジデカノイルホスファチジルコリンまたはジアシルホスホオリゴマルトビオンアミド(diacylphosphoolligomaltobionamide)がある。
【0141】
特定の態様において、製剤中の脂質の量は、約1重量%〜約10重量%、約2重量%〜約10重量%、約1重量%〜約4重量%、約4重量%〜約7重量%または約7重量%〜約10重量%である。特定の態様において、前記脂質はリン脂質である。別の具体的な態様では、リン脂質はホスファチジルコリンである。一態様において、本発明の局所製剤は一種以上の抗真菌剤(たとえば、テルビナフィン)、ホスファチジルコリン及び界面活性剤を含み、ここで前記製剤はホスファチジルコリン1〜10重量%を含む。
【0142】
4.3.界面活性剤
「界面活性剤」なる用語はその通常の意味をもつ。関連する界面活性剤のリスト及び界面活性剤に関連する定義は、本明細書中、参照として含まれる欧州特許第EP0 475 160A1号(たとえば6頁、5行〜14頁17行参照)及び米国特許第6,165,500号(たとえば第7欄、60行〜第19欄、64行参照)、並びにHandbook of Industrial Surfactantsまたは米国薬局方、ヨーロッパ薬局方などの薬学ハンドブックの好適な界面活性剤に提供されている。本発明の態様によっては、本明細書中、その開示全体が参照として含まれる、2002年1月31日公開の米国特許出願公開第2002/0012680A1号の表1〜18に記載されているものがある。従って以下のリストは、本出願と併せて特に一般的または有用である幾つかの界面活性剤種の選択を提案するものであり、決して完全なものでも排他的なものでもない。本発明に従って使用すべき好ましい界面活性剤としては、12を超えるHLBをもつものが挙げられる。このリストは、イオン化長鎖脂肪酸または長鎖脂肪アルコール類、長鎖脂肪アンモニウム塩、たとえばアルキル-若しくはアルケノイル-トリメチル-、-ジメチル-及び-メチル-アンモニウム塩、アルキル-若しくはアルケノイル-硫酸塩、長鎖脂肪鎖ジメチル-アミンオキシド類、たとえばアルキル-若しくはアルケノイル-ジメチル-アミノオキシド類、長鎖脂肪鎖、たとえばアルカノイル、ジメチル-アミンオキシド類、特にドデシルジメチル-アミンオキシド、長鎖脂肪鎖、たとえばアルキル-N-メチルグルカミド類及びアルカノイル-N-メチルグルカミド類、たとえばMEGA-8、MEGA-9及びMEGA-10、N-長鎖脂肪鎖-N,N-ジメチルグリシン類、たとえばN-アルキル-N,N-ジメチルグリシン類、3-(長鎖脂肪鎖-ジメチルアンモニオ)-アルカン-スルホネート類、たとえば3-(アシルジメチルアンモニオ(acyidimethylammonio))-アルカンスルホネート類、スルホスクシネート塩の長鎖脂肪鎖誘導体、たとえばビス(2-エチルアルキル)スルホスクシネート塩、長鎖脂肪鎖-スルホベタイン類、たとえばアシル-スルホベタイン類、長鎖脂肪鎖ベタイン類、たとえばEMPIGEN BB若しくはZWITTERGENT-3-16、-3-14、-3-12、-3-10、若しくは-3-8、またはポリエチレン-グリコール-アシルフェニルエーテル類、特にノナエチレン-グリコール-オクチル-フェニルエーテル、ポリエチレン-長鎖脂肪鎖-エーテル類、特にポリエチレン-アシルエーテル類、たとえばノナエチレン-デシルエーテル、ノナエチレン-ドデシルエーテル若しくはオクタエチレン-ドデシルエーテル、ポリエチレングリコール-イソアシルエーテル類、たとえばオクタエチレングリコール-イソトリデシルエーテル、ポリエチレングリコール-ソルビタン長鎖脂肪鎖エステル類、たとえばポリエチレングリコール-ソルビタン-アシルエステル類及び特に、ポリオキシエチレン-モノラウレート(たとえばポリソルベート20若しくはTween 20)、ポリオキシエチレン-ソルビタン-モノオレエート(たとえばポリソルベート80若しくはTween 80)、ポリオキシエチレン-ソルビタン-モノラウロレイレート(monolauroleylate)、ポリオキシエチレン-ソルビタン-モノペトロセリネート(monopetroselinate)、ポリオキシエチレン-ソルビタン-モノエライデート(monoelaidate)、ポリオキシエチレン-ソルビタン-ミリストレイレート(myristoleylate)、ポリオキシエチレン-ソルビタン-パルミトレイニレート(palmitoleinylate)、ポリオキシエチレン-ソルビタン-p-エトロセリニレート(etroselinylate)、ポリヒドロキシエチレン-長鎖脂肪鎖エーテル類、たとえばポリヒドロキシエチレン-アシルエーテル類、たとえばポリヒドロキシエチレン-ラウリルエーテル類、ポリヒドロキシエチレン-ミリストイルエーテル類、ポリヒドロキシエチレン-セチルステアリル、ポリヒドロキシエチレン-パルミチルエーテル類、ポリヒドロキシエチレン-オレオイルエーテル類、ポリヒドロキシエチレン-パルミトレイオイル(palmitoleoyl)エーテル類、ポリヒドロキシエチレン-リノレイル、ポリヒドロキシエチレン-4、若しくは6、若しくは8、若しくは10、若しくは12-ラウリル、ミリストイル、パルミトイル、パルミトレイル、オレオイル若しくはリノエイルエーテル類(Brijシリーズ)、または対応するエステル類、ポリヒドロキシエチレン-ラウレート、-ミリステート、-パルミテート、-ステアレート若しくは-オレエート、特にポリヒドロキシエチレン-8-ステアレート(Myrj 45)及びポリヒドロキシエチレン-8-オレエート、ポリエトキシル化ひまし油40(Cremophor EL)、ソルビタン-モノ長鎖脂肪鎖、たとえばアルキレート(Arlacel若しくはSpanシリーズ)、特にソルビタン-モノラウレート(Arlacel 20、Span 20)、長鎖脂肪鎖、たとえばアシル-N-メチルグルカミド類、アルカノイル-N-メチルグルカミド類、特にドデカノイル-N-メチルグルカミド、ドデカノイル-N-メチルグルカミド、長鎖脂肪鎖サルフェート類、たとえばアルキル-サルフェート類、アルキルサルフェート塩、たとえばラウリル-サルフェート(SDS)、オレオイル-サルフェート;長鎖脂肪鎖チオグルコシド類、たとえばアルキルチオグリコシド類及び特にヘプチル-、オクチル-及びノニル-ベータ-D-チオグルコピラノシド;種々の炭水化物の長鎖脂肪鎖誘導体、たとえばペントース類、ヘキソース類及び二糖類、特にアルキル-グルコシド類及びマルトシド類、たとえばヘキシル-、ヘプチル-、オクチル-、ノニル-及びデシル-ベータ-D-グルコピラノシド若しくはD-マルトピラノシド;さらなる塩、特に次のもののナトリウム塩、コール酸塩、デオキシコール酸塩、グリココール酸塩、グリコデオキシコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、脂肪酸の塩、特にオレイン酸塩、エライダート(elaidate)、リノール酸塩、ラウリン酸塩、若しくはミリスチン酸塩、殆どの場合ナトリウム形、リゾリン脂質、n-オクタデシレン-グリセロホスファチジン酸、オクタデシレン-ホスホリルグリセロール、オクタデシレン-ホスホリルセリン、n-長鎖脂肪鎖-グリセロ-ホスファチジン酸、たとえばn-アシル-グリセロ-ホスファチジン酸、特にラウリルグリセロ-ホスファチジン酸、オレオイル-グリセロ-ホスファチジン酸、n-長鎖脂肪鎖-ホスホリルグリセロール、たとえばn-アシル-ホスホリルグリセロール、特にラウリル-、ミリストイル-、オレオイル-若しくはパルミトエロイル-ホスホリルグリセロール、n-長鎖脂肪鎖-ホスホリルセリン、たとえばn-アシル-ホスホリルセリン、特にラウリル-、ミリストイル-、オレオイル-若しくはパルミトエロイル-ホスホリルセリン、n-テトラデシル-グリセロ-ホスファチジン酸、n-テトラデシル-ホスホリルグリセロール、n-テトラデシル-ホスホリルセリン、対応する-、エライドイル(elaidoyl)-、バセニル(vaccenyl)-リゾリン脂質類、対応する短鎖リン脂質、並びに界面活性剤及び、膜不安定化ポリペプチド類(membrane destabilising polypeptide)が挙げられる。界面活性剤の鎖は通常、キャリヤ凝集体中に流体-鎖状態を維持することと少なくとも適合し得るように、または流体状態であるように選択される。
【0143】
表5は本発明に従った好ましい界面活性剤を列記する。
【0144】
【表5】

【0145】
【表6】

特定の態様では、界面活性剤は非イオン界面活性剤である。界面活性剤は、製剤中に約1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約4重量%、約4重量%〜約7重量または約7重量%〜約10重量%で存在することができる。特定の態様では、非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン類(ポリソルベート界面活性剤)、ポリヒドロキシエチレンステアレート類またはポリヒドロキシエチレンラウリルエーテル類(Brij界面活性剤)からなる群から選択される。具体的な態様では、界面活性剤はポリオキシエチレン-ソルビタン-モノオレエート(たとえばポリソルベート80若しくはTween 80)である。
【0146】
4.4.製剤
本発明の抗真菌製剤は、抗真菌剤を1〜10重量%、1〜15重量%、1〜20重量%、または1〜30重量%含むことができる。本発明の局所抗真菌製剤は、脂質を1〜10重量%、1〜15重量%、1〜20重量%、または1〜30重量%含むことができる。本発明の抗真菌製剤は、界面活性剤を1〜10重量%、1〜15重量%、1〜20重量%、1〜30重量%、1〜40重量%または1〜50重量%含むことができる。
【0147】
本発明の抗真菌製剤は、脂質対界面活性剤を様々な比で含むことができる。この比はモルに関して表すことができる(脂質mol/界面活性剤mol)。本発明の抗真菌製剤中の脂質対界面活性剤のモル比は、約1:2〜約10:1である。特定の態様では、この比は約1:1〜約5:1、約1:1〜約2:1、約2:1〜約3:1、約3:1〜約4:1、約4:1〜約5:1または約5:1〜約10:1である。具体的な態様では、脂質対界面活性剤比は、約1.0:1.0、約1.25:1.0、約1.5/1.0、約1.75/1.0、約2.0/1.0、約2.5/1.0、約3.0/1.0または約4.0/1.0である。
【0148】
本発明の抗真菌製剤は、種々の比の抗真菌剤対脂質を含むことができる。この比は、モルに関して表すことができる(抗真菌剤mol/脂質mol)。本発明の局所抗真菌製剤中の抗真菌剤対脂質のモル比は、約0.2:1〜約2:1である。特定の態様では、比は、約0.2:1〜約0.7:1、約0.7:1〜約1.2:1、約1.2:1〜約1.7:1または約1.7:1〜約2:1である。
【0149】
本発明の抗真菌製剤は、以下の三種の成分:抗真菌剤、脂質及び混合される界面活性剤の様々な量の総量(total mount:TA)を含むこともできる。この総量は、局所組成物の重量パーセントに関して記載することができる。一態様では、TAは約1%〜約40%、約5%〜約30%、約7.5%〜約15%、約5%〜約10%、約10%〜約20%または約20%〜約30%である。具体的な態様では、TAは8%、9%、10%、15%または20%である。
【0150】
本発明の局所抗真菌製剤に関する総脂質量、脂質/界面活性剤比(mol/mol)及び抗真菌剤/界面活性剤比(mol/mol)の選択された範囲を以下の表6に記載する。
【0151】
【表7】

本発明の抗真菌製剤は任意に、以下の成分:共溶媒、キレート化剤、緩衝液、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、皮膚軟化剤、保湿剤、滑剤及び増粘剤の一種以上を含むことができる。
【0152】
本発明の抗真菌製剤は、水溶液のpHをpH3.5〜pH9、pH4〜pH7.5、またはpH4〜pH6.5に調節するための緩衝液を含むことができる。緩衝液の例としては、酢酸塩緩衝液、乳酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝液及びプロピオン酸塩緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
本発明の抗真菌製剤は通常、水性媒質中に配合される。本製剤は、低級アルコールなどの共溶媒を任意に使用して配合することができる。
【0154】
「殺菌剤」または「抗菌剤」は、医薬製剤中の細菌数を減らすために通常添加される。殺菌剤の数例としては、短鎖アルコール類、たとえばエチル及びイソプロピルアルコール、クロロブタノール(chlorbutanol)、ベンジルアルコール、クロロベンジルアルコール(chlorbenzylalcohol)、ジクロロベンジルアルコール(dichlorbenzylalcohol)、ヘキサクロロフェン;フェノール化合物、たとえばクレゾール、4-クロロ-m-クレゾール、p-クロロ-m-キシレノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ポビドン-ヨウ素;パラベン類、特にアルキル-パラベン類、たとえばメチル-、エチル-、プロピル-、またはブチル-パラベン、ベンジルパラベン;酸、たとえばソルビン酸、安息香酸及びその塩;四級アンモニウム化合物、たとえばアルコニウム塩、たとえば臭化物、ベンゾアルコニウム塩、たとえば塩化物または臭化物、セトリモニウム塩、たとえば臭化物、フェノアルケシニウム(phenoalkecinium)塩、たとえば臭化フェノドデシニウム、塩化セチルピリジニウム及び他の塩;さらに、水銀化合物、たとえば酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、若しくは硝酸フェニル水銀、チオマーサル、クロルヘキシジン若しくはそのグルコン酸塩、また生物起源の任意の抗菌的に活性化合物、あるいはこれらの任意の好適な混合物が挙げられる。
【0155】
「酸化防止剤」の例としては、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びジ-tert-ブチルフェノール(LY178002、LY256548、HWA-131、BF-389、CI-986、PD-127443、E-5119、BI-L-239XXなど)、三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、没食子酸塩プロピル(PG)、1-O-ヘキシル-2,3,5-トリメチルヒドロキノン(HTHQ);芳香族アミン(ジフェニルアミン、p-アルキルチオ-o-アニシジン、エチレンジアミン誘導体、カルバゾール、テトラヒドロインデノインドール);フェノール類及びフェノール酸(グアヤコール、ヒドロキノン、バニリン、没食子酸及びそのエステル類、プロドカテク酸、キナ酸、シリンガ酸(syringic acid)、エラグ酸、サリチル酸、ノルジヒドログアヤレト酸(NDGA)、オイゲノール);トコフェノール類(トコフェロール類など(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ)及びその誘導体、たとえばトコフェリル-アシレート(たとえば、-アセテート、-ラウレート、ミリステート、-パルミテート、-オレエート、-リノレートなどまたは、任意の他の好適なトコフェリル-リポエート)、トコフェリル-POE-スクシネート;トロロクス(trolox)及び対応するアミド並びにチオカルボキサミド類似体;アスコルビン酸及びその塩、イソアスコルベート、(2若しくは3若しくは6)-o-アルキルアスコルビン酸、アスコルビルエステル類(たとえば、6-o-ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル-、オレイル、またはリノレイル-L-アスコルビン酸など)がある。選択的に酸化された化合物、たとえば亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオウレア;キレート化剤、たとえばEDTA、GDTA、デスフェラール(desferral);混合型内因性防衛システム(miscellaneous endogenous defence system)、たとえばトランスフェリン、ラクトフェリン、フェリチン、セルロプラスミン(cearuloplasmin)、ハプトグロビン(haptoglobion)、ヘモペキシン(heamopexin)、アルブミン、グルコース、ユビキノール-10);酵素的酸化防止剤、たとえばスーパーオキシドジスムターゼ及び同様の活性をもつ金属錯体、たとえばカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、及びあまり複雑でない分子、たとえばベータ-カロテン、ビリルビン、尿酸;フラボノイド(フラボン、フラボノール、フラボノン(flavonone)、フラバノナール(flavanonal)、チャコン(chaconne)、アントシアニン)、N-アセチルシステイン、メスナ(mesna)、グルタチオン、チオヒスチジン誘導体、トリアゾール類;タンニン、桂皮酸、ヒドロキシ桂皮酸及びそのエステル(クマリン酸及びエステル、カフェイン酸及びそのエステル、フェルラ酸、(イソ-)クロロゲン酸、シナピン酸);スパイス抽出物(たとえばクローブ、シナモン、セージ、メース、ローズマリー、オレガノ、オールスパイス、ナツメグ由来);カルノシン酸、カルノソール、カルノソール酸(carsolic acid);ロスマリン酸、ロスマリジフェノール(rosmaridiphenol)、ゲンチシン酸、フェルラ酸;エンバク粉抽出物、たとえばアベナントラミド(avenanthramide)1及び2;チオエーテル、ジチオエーテル、スルホキシド、テトラアルキルチウラムジスルフィド;フィチン酸、ステロイド誘導体(たとえば、U74006F);トリプトファン代謝物(たとえば、3-ヒドロキシキヌレニン、3-ヒドロキシアントラニル酸)、及びオルガノカルコゲニド(organochalcogenide)も有用である。
【0156】
「増粘剤」は医薬製剤の粘度を増加させるために使用し、医薬的に許容可能な親水性ポリマー、たとえば部分的にエーテル化したセルロース誘導体、カルボキシメチル-、ヒドロキシエチル-、ヒドロキシプロピル-、ヒドロキシプロピルメチル-またはメチル-セルロースを含む;完全合成親水性ポリマー、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(ヒドロキシエチル)-、ポリ(ヒドロキシプロピル)-、ポリ(ヒドロキシプロピルメチル)メタクリレート、ポリアクリロニトリル、メタアリル-スルホネート、ポリエチレン、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ラクチド、ポリエチレングリコール-ジアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(プロピルメタクリルアミド)、ポリ(プロピレンフマレート-コ-エチレングリコール)、ポロキサマー、ポリアスパルトアミド、(ヒドラジン架橋)ヒアルロン酸、シリコーンを含む;天然ゴム、アルギネート、カラジーナン、グアーガム、ゼラチン、トラガカント、(アミド化)ペクチン、キサンタン、キトサンコラーゲン、アガロースを含む;その混合物及びさらなる誘導体またはコポリマー及び/または医薬的にまたは少なくとも生物学的に許容可能なポリマーから選択することができる。
【0157】
本発明の抗真菌製剤は、極性液体媒質も含みえる。本発明の局所抗真菌製剤は、水性媒質中で投与することができる。本発明の抗真菌製剤は、溶液、懸濁液、エマルション、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、スプレー、フィルム形成性溶液またはラッカーの形状であることができる。
【0158】
一態様において、本発明は具体的には、爪甲真菌症を処置するための医薬組成物を製造するための抗真菌剤、リン脂質及び非イオン界面活性剤の使用に関する。これに関連して、本発明は、爪甲真菌症の処置用の抗真菌剤を含む製剤または医薬組成物であって、製剤または医薬組成物が局所送達用に配合される、前記製剤または医薬組成物に関する。
【0159】
表7は、製剤の好ましい賦形剤を列記する。
【表8】

【0160】
4.4.ベシクル製剤
任意の作用機構または論理に限定されるものではないが、本発明の製剤は、その適合性、変形能力または浸透性を特徴とするベシクルまたはESAを形成することができる。
【0161】
「許容表面曲率(tolerable surface curvature)」に影響を与えるベシクルまたは凝集体の「適合性(adaptability)」なる用語は、所与のベシクルまたは凝集体が、形状、伸張比、及び表面対体積比などのその特性を容易に変更させる能力として定義される。本発明のベシクルは、細孔交差(pore crossing)によって生じる異方性応力に対して凝集体の形状及び特性を調整する能力によって特徴付けることができる。十分な適合性とは、ベシクルまたは凝集体が全面的に崩壊(extensive fragmentation)することなく、圧力によって生じるような様々な一方向性の力または応力に耐えうるという意味を含み、これは「安定な」凝集体を定義する。凝集体がこの条件を満足するバリアを通過する場合、「適合性」及び(形状)「変形性」+「浸透性」は本質的に等価である。本発明の関係において「バリア」とは(たとえば欧州特許第EP0 475 160号及びPCT国際特許出願国際公開第WO98/17255号のように)、貫通延伸(through-extending)する狭い細孔を持つ物体であり、かかる狭い細孔は、かかる細孔内をESAが浸透する前は(球状とみなされる)ESAの半径よりも少なくとも25%小さい半径をもつ。
【0162】
細孔に関連して使用される「狭い」なる用語は、細孔半径が著しく、典型的には、細孔を横断するその能力に関して試験した実体の半径よりも少なくとも25%小さいということを意味する。必要な差(necessary difference)は通常、より狭い細孔に関してはより大きくなるべきである。従って25%限界は、径>150nmではかなり適しているが、より小さな系に関して、たとえば<50nmでは>100%差の要件がさらに適している。約20nmの径では、少なくとも200%の凝集体径差が必要とされることが多い。
【0163】
バリアに関して使用される「半透過性」なる用語は、溶液がトランスバリア開口部(transbarrier opening)を横断することができるのに対し、非適合性凝集体の懸濁液(適用する「狭い」細孔の上記定義に関して十分に大きい)は横断できないことを意味する。ゲルラメラ相中の任意の一般的なホスファチジルコリンから、または任意の生物ホスファチジルコリン/コレステロール1/1mol/mol混合物から製造された慣用の脂質ベシクル(リポソーム)、あるいは比較し得るほどの大型の油液滴は、全て規定の相対直径をもつが、かかる非適合性凝集体の三つの例である。
【0164】
「安定性の」なる用語は、試験した凝集体が、その直径を自発的にまたは輸送関連の機械的応力の下で(たとえば半透性バリアを介する通過中に)許容できないほど変えないことを意味し、このことは薬学的許容可能な程度までを意味することが多い。20〜40%の変化は通常、許容可能とみなされる;凝集体直径の半減または倍増は境界であり、直径が大きく変化することは通常、許容されない。あるいは、非常に好都合なことには、圧力下で細孔横断により生じる凝集体直径の変化は、系の安定性を評価するのに用いられる;同じ基準は、変更すべきところは変更して、「狭い」細孔に適用される。凝集体直径変化の正確な値を得るためには、流量/ボルテックス効果の補正が必要になるかもしれない。これらの手順は、本出願人の刊行物に詳細が記載されている:Cevcら、Biochim.Biophys.Acta 2002年;1564:21〜30。
【0165】
従って、半透過性バリア中の狭い細孔内を通る、超変形性(ultradeformable)、混合脂質凝集体の非破壊性通過は、高い凝集体適合性の特徴を示す。細孔半径が平均凝集体半径の2倍小さい場合、凝集体はバリア内で断片化することなく通過するために、その形状及び表面積対体積比を少なくとも100%変更しなければならない。凝集体の形状の容易且つ可逆性の変化は、凝集体の高い変形性を不可逆的に示唆し、大きな表面対体積比適合(surface-to-volume ratio adaptation)を必要とする。表面対体積比における変化は、それ自体a)懸濁している液体以外の、及び懸濁液と非混和性の物質を含有する小型の液滴の場合におけるなど、高い体積圧縮率;b)たとえば内部と外部ベシクル体積の間の流体を自由交換するベシクルの場合における、高い凝集体膜浸透性を示唆する。
【0166】
4.5適用方法
本発明の別の側面では、抗真菌剤、脂質及び界面活性剤を含む医薬的組成物を投与する方法を提供する。通常、医薬組成物は爪組織に投与する。たとえば、態様によっては、爪組織に局所適用する。
【0167】
本明細書中で使用する場合、「爪組織」なる用語は、「爪部(nail unit)」の成分である任意の組織を記載するために使用する。爪部は、マトリックス、爪甲(nail plate)、爪床、キューティクル、爪半月及び下爪皮から構成される。マトリックスは、細胞が増殖し、角質化してから爪甲に取り込まれる部分である。この組織は爪郭(nail fold)の近位約5mmから始まり、「爪半月」または「半月」と呼ばれる領域を覆う。マトリックスはキューティクル、爪甲の近位の変性角質層のひだによって感染から守られている。
【0168】
一態様において、局所製剤は、ヒト被験者の爪組織及び/または周囲の皮膚に投与し、これにより爪組織グラム当たり抗真菌剤の平均濃度が少なくとも約1.5mg/g、2.0mg/g、2.1mg/g、2.2mg/g、2.3mg/g、2.4mg/g、2.5mg/g、2.6mg/g、2.7mg/g、2.8mg/g、2.9mg/g及び3.0mg/gとなる。別の態様では、局所製剤はヒト被験者の爪組織に投与され、これにより爪組織グラム当たり抗真菌剤の平均濃度が約0.1〜約15mg/g、約0.2〜約12.5mg/g、約0.5〜約10.0mg/g、約1.0〜約7.5mg/gまたは約2.0〜約5.0mg/gとなる。平均濃度は、局所製剤投与中断1、2または3週間後に測定することができる。本発明はまた、ヒト被験者の感染した爪組織及び/または周囲の皮膚に局所製剤を投与し、これにより爪組織グラム当たり抗真菌剤の平均濃度が約0.1〜約15mg/g、約0.2〜約12.5mg/g、約0.5〜約10.0mg/g、約1.0〜約7.5mg/gまたは約2.0〜約5.0mg/gとなることを含む、ヒト被験者での爪組織の真菌感染症の処置法を提供する。平均濃度は、医薬組成物投与中断1、2または3週間後に測定することができる。
【0169】
本方法の特定の態様では、本発明の局所製剤の投与により、10.0ng/ml、5.0ng/ml、4.0ng/ml、3.0ng/ml、2.0ng/ml、1.0ng/ml、0.5ng/mlまたは0.2ng/ml未満のヒト被験者中の抗真菌剤の平均血清濃度となる。
【0170】
本方法の態様によっては、局所製剤は抗真菌剤を約1.0〜約5.0mg含む。本方法の具体的な態様では、医薬組成物は抗真菌剤を3.0mg含む。局所製剤は、一日二回投与することができる。特定の態様では、組成物は、二日に一回、一日一回、一日三回または一日四回投与することもできる。他の態様では、局所製剤は少なくとも三週間投与する。他の態様では、局所製剤は、3〜48週間、3〜36週間または3〜24週間、3〜12週間または3〜6週間投与する。
【0171】
本方法の具体的な態様では、局所製剤は、爪真菌感染症の処置のために12週間投与し、続いて真菌学的治癒が達成されたかどうかを測定するために判断する。真菌学的治癒が達成されたら、さらなる局所製剤の投与を中断する。真菌学的治癒が達成されなかったら、局所製剤をさらに12週間投与し、続いて投薬計画によって治癒したかを測定するために二回目の判断をする。投薬計画により真菌学的治癒が達成されるまで、このサイクルを繰り返すことができる。特定の態様では、製剤は90%を超える真菌学的治癒率を生じるように適合されている。
【0172】
別の態様では、抗真菌剤、脂質及び界面活性剤を含む局所製剤を、少なくとも1、2または3週間、一日二回、爪組織及び/または周囲の組織に適用する。本発明は、ヒト被験者の感染した爪組織及び周囲の組織に局所製剤を少なくとも1、2または3週間、一日二回適用することを含む、ヒト被験者での爪組織の真菌感染症の処置方法を提供し、ここで前記局所製剤は、抗真菌剤、脂質及び界面活性剤を含む、前記方法も提供する。
【0173】
本方法の特定の態様では、局所製剤は、二日に一回、毎日、一日三回、または一日四回投与することもできる。具体的な態様では、局所製剤は、3〜48週間、3〜36週間、3〜24週間、3〜12週間または3〜6週間投与する。
【0174】
本方法の態様によっては、局所製剤は抗真菌剤を約1.0〜約5.0mg含む。たとえば局所製剤は、抗真菌剤を約3.0mg含む。
【0175】
特定の態様では、処置される真菌感染症は爪甲真菌症を含む。
【0176】
本明細書中に記載の態様によっては、局所製剤は12週間を超える期間、投与する。たとえば態様によっては、局所製剤は少なくとも24週間、たとえば少なくとも36週間、または少なくとも48週間投与する。
【0177】
本方法の態様によっては、周期的処置(cyclical treatment)投薬計画を用いる。かかる投薬計画では、一定期間、局所製剤の投与を含む処置サイクルを用い、続いて製剤を投与しない期間があり、必要によりこの順序を繰り返す、即ちサイクルである。処置サイクルとしてはたとえば、一日二回の投与を使用するなどして、12週間連続して局所製剤を投与し、続いて一定の期間、製剤を投与せず、続いてさらに12週間、連続して製剤を再び投与するさらなる期間を含むことができる。
【0178】
本方法の特定の態様では、局所製剤を一定の期間、爪真菌感染症を処置するために投与し、続いて投与によって被験者で真菌学的治癒が達成されたかを測定するために被験者の評価を行う、処置投薬計画を包含する。真菌学的治癒が達成されていたら、局所製剤のさらなる投与は中断する。真菌学的治癒が達成されていなかったら、第二の投与期間、局所製剤を再び投与し、続いて投薬計画により治癒が達成されたかどうかを測定するために第二の評価を行う。投薬計画により真菌学的治癒が達成されるまで、このサイクルを繰り返すことができる。
【0179】
特定の態様では、本発明は、具体的な患者集団を処置するために、本明細書中に記載の投与方法を使用することに関する。態様によっては、爪真菌感染症に慢性的に罹患している患者集団は、本明細書中に記載の投与方法により処置することができる。具体的な態様では、持続性の再感染した患者集団は、本明細書中に記載の方法により処置することができる。たとえば、局所製剤は、第一の投与期間(たとえば最初の12週間)かかる母集団に投与し、次いで第二の続く投与期間(たとえば追加の12週間)に再び投与して、爪組織の再感染を防ぐことができる。
【0180】
別の態様では、爪真菌感染症に慢性的に罹患している患者母集団において爪組織の再感染を防ぐために、本明細書中に記載の投与方法を予防的に使用することができる。
【0181】
4.5.キット
本発明はさらに、ヒト被験者での真菌感染症の処置または予防のために本発明の抗菌製剤を充填した一つ以上の容器を含む医薬パックまたはキットを包含する。本発明は、上記方法で使用し得るキットを提供する。
【0182】
一態様では、キットは本発明の抗真菌製剤を含む一つ以上の容器を含む。キットはさらに、皮膚及び/または爪感染症を処置または予防するために本発明の抗真菌製剤を投与するための使用説明書並びに副作用及び投薬量情報を含む。任意に(単数または複数種類の)かかる容器と関連して、ヒトに投与するための製造、使用または販売を規制する行政機関によって定める書式で通知することができる。
【実施例】
【0183】
実施例1:抗真菌製剤
局所適用するための抗真菌製剤は、以下の手順により製造することができる。
【0184】
1.有機相製造:これは全ての親油性賦形剤を含む。
【0185】
有機相は、脂質、界面活性剤、抗真菌剤塩酸塩及び任意の追加の親油性賦形剤を好適な容器に秤量し、続いてこれらの成分を光学的に等方性相に混合し、これは透明溶液のように見える。混合している間、有機相を加熱するが、温度は45℃を超えて上昇させてはならない。
【0186】
2.水性相製造
水性相は、非親油性成分と、溶媒として役立つ水とを好適な容器内へ秤量し、次いでこれらの溶液を透明溶液に混合することによって製造する。混合している間、温度は40℃に上昇する。
【0187】
3.両方の相を混合することによる濃縮中間体の製造
等方性有機相と透明な水性相とを好適な容器内で攪拌下、混合する。混合前後に両方の相の温度を35℃〜45℃の間で保持しなければならない。得られた中間体は40℃で機械的にホモジェナイズする。ホモジェナイズ開始前に、製造容器内の圧力を−0.08MPaに下げる。所望の平均キャリヤサイズは通常、ホモジェナイズ10分後に到達する。
【0188】
三つのプロセスパラメーター:温度、ホモジェナイザー循環速度及び全体のプロセス時間を濃縮中間体の製造の間、注意深く制御しなければならない。
【0189】
4.濃縮中間体と希釈緩衝液との混合による最終バルク製品の製造
濃縮中間体を希釈緩衝液で所望の最終濃度まで希釈する。この混合物を20℃で混合容器内、均質性に到達するまで注意深く攪拌する。
【0190】
表8は、本発明の好ましい抗真菌製剤における界面活性剤、脂質、一種以上の抗真菌剤(たとえばテルビナフェン)の量について記載する。含有される一種以上の抗真菌剤、脂質、脂質及び界面活性剤の量は、製剤中の総割合(percent total)に関して記載される。以下に記載のテルビナフィン製剤の一つは、インビボにおける薬効に関して試験した。
【0191】
【表9】

【0192】
【表10】

【0193】
【表11】

【0194】
【表12】

【0195】
【表13】

【0196】
【表14】

【0197】
【表15】

【0198】
【表16】

【0199】
【表17】

【0200】
製剤例1
製剤1は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてスフィンゴミエリン(脳)(47.944mg/g)、界面活性剤としてTween 80(42.056mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0201】
製剤例2
製剤2は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてスフィンゴミエリン(脳)(53.750mg/g)、界面活性剤としてTween 80(31.250mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(15.000mg/g)を含む。
【0202】
製剤例3
製剤3は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてスフィンゴミエリン(脳)(90.561mg/g)、界面活性剤としてTween 80(79.439mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0203】
製剤例4
製剤4は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてスフィンゴミエリン(脳)(47.944mg/g)、界面活性剤としてTween 80(42.056mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0204】
製剤例5
製剤5は、抗真菌剤(5mg/g)、脂質としてスフィンゴミエリンラウロイル(50.607mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(44.393mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(10.000mg/g)を含む。
【0205】
製剤例6
製剤6は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてスフィンゴミエリンラウロイル(90.561mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(79.439mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0206】
製剤例7
製剤7は、抗真菌剤(7.5mg/g)、脂質としてスフィンゴミエリンラウロイル(49.276mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(79.439mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0207】
製剤例8
製剤8は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(53.750mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(31.250mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0208】
製剤例9
製剤9は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(90.561mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(79.439mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0209】
製剤例10
製剤10は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(41.351mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(48.649mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0210】
製剤例11
製剤11は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(47.882mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(37.118mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、グリセロール、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0211】
製剤例12
製剤12は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(95.764mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(74.236mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0212】
製剤例13
製剤13は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルイノシトール(66.676mg/g)、界面活性剤としてSpan 20(24.324mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(25.000mg/g)を含む。
【0213】
製剤例14
製剤14は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルイノシトール(62.027mg/g)、界面活性剤としてSpan 20(22.973mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0214】
製剤例15
製剤15は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルイノシトール(124.054mg/g)、界面活性剤としてSpan 20(45.946mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0215】
製剤例16
製剤16は、抗真菌剤(5mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジルイノシトール(62.687mg/g)、界面活性剤としてSpan 20(32.313mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてHTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0216】
製剤例17
製剤17は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジン酸(41.853mg/g)、界面活性剤としてTween 80(43.147mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0217】
製剤例18
製剤18は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジン酸(95.764mg/g)、界面活性剤としてTween 80(74.236mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0218】
製剤例19
製剤19は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジン酸(47.882mg/g)、界面活性剤としてTween 80(37.118mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、及びEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0219】
製剤例20
製剤20は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン及びホスファチジン酸(45.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(45.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、及びEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0220】
製剤例21
製剤21は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(31.935mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(58.065mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(15.000mg/g)を含む。
【0221】
製剤例22
製剤22は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(42.500mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(42.500mg/g)、乳酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0222】
製剤例23
製剤23は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(38.276mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(51.724mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0223】
製剤例24
製剤24は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(42.500mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(42.500mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(15.000mg/g)を含む。
【0224】
製剤例25
製剤25は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(85.000mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(85.000mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0225】
製剤例26
製剤26は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(38.276mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(51.276mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0226】
製剤例27
製剤27は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(36.429mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(48.571mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0227】
製剤例28
製剤28は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(72.299mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(97.701mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(15.000mg/g)を含む。
【0228】
製剤例29
製剤29は、抗真菌剤(7.5mg/g)、脂質としてホスファチジルエタノールアミン(46.250mg/g)、界面活性剤としてTween 80(46.250mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(20.000mg/g)を含む。
【0229】
製剤例30
製剤30は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルエタノールアミン(38.804mg/g)、界面活性剤としてTween 80(46.196mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(15.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0230】
製剤例31
製剤31は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルエタノールアミン(36.667mg/g)、界面活性剤としてTween 80(33.333mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0231】
製剤例32
製剤32は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(23.333mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(66.667mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0232】
製剤例33
製剤33は、抗真菌剤(12.5mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(45.833mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(41.667mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0233】
製剤例34
製剤34は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(31.957mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(38.043mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0234】
製剤例35
製剤35は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(47.143mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(42.857mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(25.000mg/g)を含む。
【0235】
製剤例36
製剤36は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(96.905mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(88.095mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(20.000mg/g)を含む。
【0236】
製剤例37
製剤37は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(31.957mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(38.043mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0237】
製剤例38
製剤38は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルエタノールアミン(35.455mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(54.545mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0238】
製剤例39
製剤39は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルエタノールアミン(84.457mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(100.543mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0239】
製剤例40
製剤40は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルエタノールアミン(89.048mg/g)、界面活性剤としてクレモフォール(80.952mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0240】
製剤例41
製剤41は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(41.087mg/g)、界面活性剤としてTween 80(48.913mg/g)、プロピオン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0241】
製剤例42
製剤42は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(45.280mg/g)、界面活性剤としてTween 80(39.720mg/g)、プロピオン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0242】
製剤例43
製剤43は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(107.500mg/g)、界面活性剤としてTween 80(62.500mg/g)、プロピオン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0243】
製剤例44
製剤44は、抗真菌剤(5mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(77.243mg/g)、界面活性剤としてTween 80(67.757mg/g)、プロピオン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0244】
製剤例45
製剤45は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(45.280mg/g)、界面活性剤としてTween 80(39.720mg/g)、プロピオン酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0245】
製剤例46
製剤46は、抗真菌剤(30mg/g)、ホスファチジルグリセロール(90.561mg/g)、Tween 80(79.439mg/g)、プロピオン酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【0246】
製剤例47
製剤47は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(47.944mg/g)、界面活性剤としてTween 80(42.056mg/g)、プロピオン酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(10.000mg/g)を含む。
【0247】
製剤例48
製剤48は、抗真菌剤(5mg/g)、脂質としてホスファチジルセリン(50.607mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(44.393mg/g)、リン酸塩(pH5.5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0248】
製剤例49
製剤49は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルセリン(107.500mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(62.500mg/g)、リン酸塩(pH5.5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0249】
製剤例50
製剤50は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルセリン(47.944mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(42.056mg/g)、リン酸塩(pH5.5)緩衝液、抗菌剤としてチメロサール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0250】
製剤例51
製剤51は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(46.364mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(38.636mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(25.000mg/g)を含む。
【0251】
製剤例52
製剤52は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(46.364mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(38.636mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(20.000mg/g)を含む。
【0252】
製剤例53
製剤53は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(46.098mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(43.902mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(15.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0253】
製剤例54
製剤54は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(43.537mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(41.463mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0254】
製剤例55
製剤55は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(45.000mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(45.000mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0255】
製剤例56
製剤56は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(59.492mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(35.508mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0256】
製剤例57
製剤57は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(39.054mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(45.946mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0257】
製剤例58
製剤58は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルグリセロール(35.854mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(34.146mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0258】
製剤例59
製剤59は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(50.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(40.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0259】
製剤例60
製剤60は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(38.571mg/g)、界面活性剤としてTween 80(51.429mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0260】
製剤例61
製剤61は、抗真菌剤(7.5mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(41.954mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.546mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0261】
製剤例62
製剤62は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(42.632mg/g)、界面活性剤としてTween 80(47.368mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0262】
製剤例63
製剤63は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.098mg/g)、界面活性剤としてTween 80(43.902mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0263】
製剤例64
製剤64は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(39.721mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.279mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0264】
製剤例65
製剤65は、抗真菌剤(5mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(44.198mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.802mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0265】
製剤例66
製剤66は、抗真菌剤(2.5mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.453mg/g)、界面活性剤としてTween 80(51.047mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0266】
製剤例67
製剤67は、抗真菌剤(5mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(51.221mg/g)、界面活性剤としてTween 80(43.779mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0267】
製剤例68
製剤68は、抗真菌剤(2.5mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(54.167mg/g)、界面活性剤としてTween 80(43.333mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0268】
製剤例69
製剤69は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(66.440mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。製剤例69は、エマルションである。
【0269】
製剤例70
製剤70は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(66.440mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。製剤例70は、懸濁液である。
【0270】
製剤例71
製剤71は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(66.440mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0271】
製剤例72
製剤72は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(40.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。製剤例72は、エマルションである。
【0272】
製剤例73
製剤73は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(40.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。製剤例73は、懸濁液である。
【0273】
製剤例74
製剤74は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(40.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.000mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0274】
製剤例75
製剤75は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(40.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてパラベン(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0275】
製剤例76
製剤76は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(40.000mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤として塩化ベンザルコニウム(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0276】
製剤例77
製剤77は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(40.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてパラベン(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0277】
製剤例78
製剤78は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(66.440mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤として塩化ベンザルコニウム(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0278】
製剤例79
製剤79は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(66.440mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0279】
製剤例80
製剤80は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(40.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.000mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0280】
製剤例81
製剤81は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(40.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.000mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0281】
製剤例82
製剤82は、抗真菌剤(10mg/g)、ホスファチジルコリン(44.444mg/g)、Tween 80(55.556mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【0282】
製剤例83
製剤83は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(66.440mg/g)、界面活性剤としてTween 80(23.560mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0283】
製剤例84
製剤84は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(54.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(36.000mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0284】
製剤例85
製剤85は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(50.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(40.000mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0285】
製剤例86
製剤86は、抗真菌剤(12.5mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(48.611mg/g)、界面活性剤としてTween 80(38.889mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0286】
製剤例87
製剤87は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.575mg/g)、界面活性剤としてTween 80(38.425mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。製剤例87は、エマルションである。
【0287】
製剤例88
製剤88は、抗真菌剤(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.575mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。製剤例88は、懸濁液である。
【0288】
製剤例89
製剤89は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.575mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0289】
製剤例90
製剤90は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(50.000mg/g)、界面活性剤としてTween 80(40.000mg/g)、酢酸塩(pH4.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0290】
製剤例91
製剤91は、抗真菌剤(30mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(94.444mg/g)、界面活性剤としてTween 80(75.556mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0291】
製剤例92
製剤92は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.712mg/g)、界面活性剤としてTween 80(38.288mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0292】
製剤例93
製剤93は、抗真菌剤(12mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(48.889mg/g)、界面活性剤としてTween 80(39.111mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0293】
製剤例94
製剤94は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(39.721mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.279mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.25mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0294】
製剤例95
製剤95は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(90.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0295】
製剤例96
製剤96は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.575mg/g)、界面活性剤としてTween 80(38.425mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてBHT(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。製剤例96は、エマルションである。
【0296】
製剤例97
製剤97は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.575mg/g)、界面活性剤としてTween 80(38.425mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてBHT(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。製剤例97は、懸濁液である。
【0297】
製剤例98
製剤98は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(54.643mg/g)、界面活性剤としてTween 80(30.357mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、抗菌剤としてBHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0298】
製剤例99
製剤99は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(39.72mg/g)、界面活性剤としてTween 80(50.279mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0299】
製剤例100
製剤100は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(90.00mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール、酸化防止剤としてBHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、エモリエントとしてグリセロール(30.000mg/g)、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む。
【0300】
製剤例101
製剤101は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.57mg/g)、界面活性剤としてTween 80(38.425mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、酸化防止剤としてBHT(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。製剤101は、エマルションである。
【0301】
製剤例102
製剤102は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.57mg/g)、界面活性剤Tween 80(38.425mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、酸化防止剤としてBHT(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。製剤例102は、懸濁液である。
【0302】
製剤例103
製剤103は、抗真菌剤(15mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(54.64mg/g)、界面活性剤としてTween 80(30.357mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、酸化防止剤としてBHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200)、並びにキレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)を含む。
【0303】
製剤例104
製剤104は、抗真菌剤(6.1mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.58mg/g)、界面活性剤としてTween 80(38.43mg/g)、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.25mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、エタノール(30.000mg/g)、並びに任意に酸化防止剤としてBHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)を含む。
【0304】
製剤例105
製剤105は、抗真菌剤(6.1mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(64.52mg/g)、界面活性剤としてTween 80(35.484mg/g)、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.25mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、エタノール(30.000mg/g)、並びに任意に酸化防止剤としてBHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)を含む。
【0305】
製剤例106
製剤106は、抗真菌剤(6.1mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(66.44mg/g)、界面活性剤としてTween 80(23.56mg/g)、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.25mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、エタノール(30.000mg/g)、並びに任意に酸化防止剤としてBHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)を含む。
【0306】
製剤例107
製剤107は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(46.58mg/g)、界面活性剤としてTween 80(38.43mg/g)、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.25mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、エタノール(30.000mg/g)、並びに任意に酸化防止剤としてBHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)を含む。
【0307】
製剤例108
製剤108は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(64.52mg/g)、界面活性剤としてTween 80(35.484mg/g)、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.25mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、エタノール(30.000mg/g)、並びに任意に酸化防止剤としてBHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)を含む。
【0308】
製剤例109
製剤109は、抗真菌剤(10mg/g)、脂質としてホスファチジルコリン(66.44mg/g)、界面活性剤としてTween 80(23.56mg/g)、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.25mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、キレート化剤としてEDTA(3.000mg/g)、エタノール(30.000mg/g)、並びに任意に酸化防止剤としてBHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)を含む。
【0309】
製剤例1〜109はまた、任意にペクチン、キサンタンガム、HPMCゲル、メチルセルロースまたはカルボポールなどの増粘剤を含むことができる。製剤例1〜103は、抗真菌剤、抗真菌剤の塩、またはテルビナフィンの誘導体若しくは類似体を含むことができる。
【0310】
製剤例1〜109は、テルビナフィン、テルビナフィンの塩、またはテルビナフィンの誘導体若しくは類似体などの、本明細書中に開示した任意の抗真菌剤を使用して製造することができる。
【0311】
実施例2:抗真菌剤の効能及び薬物動態学のインビボ研究
テルビナフィンを含有する局所抗菌製剤の効能及び薬物動態学を爪甲真菌症の処置に関して研究した。本研究の第一の目的は、本明細書中に開示されるテルビナフィン製剤での処置12週間後の真菌学的治癒率を測定することであった。テルビナフィン製剤は、3.0mgのテルビナフィンが投与12週間の間、一日二回(b.i.d.)、各標的領域に送達されるように、被験者の二つの標的領域に適用した。連続投与12週間後に、被験者の処置を中断した。標的領域は、感染した足の爪それぞれの上の20cm2面積として定義した。中断処置から2週間後(研究14週目)、爪試験片を顕微鏡により観察し、続いて真菌学的に培養し、評価した。
【0312】
5.1.1.真菌学的治癒率の評価測定
真菌学的治癒率は、水酸化カリウム(KOH)サンプルの鏡検が陰性であること、及び皮膚糸状菌の培養検査で陰性であることにより定義する。
【0313】
真菌学的サンプルを被験者から採取する。真菌学的サンプルの処理に関しては、中央検査室を使用する。KOH鏡検が陽性であり、且つ培養検査が皮膚糸状菌に関して陰性である場合には、被験者は追加のスクリーニング訪問(screening visit)を受けえるので、再培養(reculture)することができる。繰り返した培養検査の結果が皮膚糸状菌に関して陰性である場合には、スクリーニング訪問から約三週間以内である限り、被験者は登録することができる。
【0314】
検体収集
分析用に爪の切り取りを集めるために、マイコトランス(Mycotrans)収集エンベローブを爪の下に置いた。過剰に被験者を不快にさせることなく、ネイルクリッパーを使用して標的の足爪のつま先から可能な限りできるだけ後ろで標的の爪を切り取った。爪のカット部下から爪下の崩れかかっている破片を削り集めた。角化性の爪床及び爪下の破片をサンプルに含めた。大きな標的の足爪の全ての変色した、栄養障害(dystrophic)または脆性部分からもサンプルを集めた。
【0315】
標的の足爪試験片の皮膚糸状菌に関するKOHウエットマウント顕微鏡検査(wet mount microscopy)及び真菌学的培養検査を、真菌学的サンプル上で実施した。臨床試験片のサンプルは、以下の種:紅色白癬菌(T.rubrum)、趾間菌(T.interdigitale)、トンズランス菌(T.tonsurans)、及び他の病原性皮膚糸状菌、並びにカンジタ・アルビカンス(C.albicans)及びスコラプラリオプシス・ブレビカウリス(S.brevicaulis)を単離及び同定するために、病原性菌類用の選択的寒天、Merck、Darmstadt、ドイツ(製品番号:1.10415.0001)上に播種した。プレートは、28℃で1から4週間培養し、毎週観察し、疑わしいコロニーは顕微鏡的に試験及び/または同定のために生化学的に試験した。
【0316】
真菌学的治癒率は、テルビナフィン製剤での処置開始14週間後と、処置が完了した2週間後に、81の足の爪に関して測定した。感染した足の爪81のうち、73は完全な真菌学的治癒を示したが、8つは示さなかった。データのまとめを表9に示す。
【0317】
【表18】

【0318】
5.1.2テルビナフィンの血清及び爪組織濃度の測定
局所テルビナフィン製剤の薬物動態学も同様に研究した。本研究の目的は、局所テルビナフィン製剤を投与された被験者の血清及び標的爪組織中のテルビナフィン濃度を測定することであった。
【0319】
血清中のテルビナフィン濃度を測定するために血液サンプル(2.7ml)を、最初の投与前(0時間)並びに、局所テルビナフィン6.0mg用量の投与0.5、1、2、4、8及び12時間後に採取した。最初の投与から12時間のサンプルは、局所テルビナフィン製剤の二回目の毎日の投与前に採取した。
【0320】
テルビナフィンの血清サンプルは、LC-MSMSにより分析した。使用した内部標準はナフチフィンであった。サンプルは、血清50μLをメタノール50μLと内部標準溶液300μL(9:1のアセトニトリル/メタノール溶液中、ナフチフィン50μg/L)に添加して調製した。この溶液を5分間静置し、次いで遠心分離にかけた。遠心分離後、上清50μLを移動相溶液450μLに添加した。
【0321】
血清濃度は、研究の1日目と12週に測定した。それぞれの時間点試験における各人に関しては、血清サンプルは定常状態及びトラフ濃度に関してテルビナフィン1ng/ml未満であることが判明した。
【0322】
本発明の局所テルビナフィン製剤で処置した標的の爪中のテルビナフィン濃度も測定した。集めた切り取った爪をアルカリ加水分解、続いてヘキサン抽出にかけた。全てのサンプルを1:100に希釈した。テルビナフィン濃度はLC-MSMSにより測定した。この測定に関して集めた爪サンプルは、測定14週で3.4mg/爪組織gの平均値を示し、これは局所テルビナフィン製剤投与を中断してから2週間後であった。今回集めたデータの中央値は2.3mg/爪組織gであり、幾何平均は2.4mg/爪組織gであった。
【0323】
5.1.3.臨床的治癒の評価
臨床的治癒は、当業界で知られる標準的な方法を使用して、24週間後に少なくとも2mmの爪の正常な成長により定義される(たとえば、Tavakkolら、The American Journal of Geriatric Pharmacotherapy。2006年;4巻:1〜13頁参照)。臨床的治癒率の評価に関しては、爪の目に見える近位縁から爪の長さを測定し、爪の成長が正常であるか及び何ミリ爪の成長が正常であるかを評価する。爪の近位縁から2mmの正常な爪の成長の場合(24週)には、治癒とみなされる。
【0324】
5.1.4.結論
これらの結果は、爪甲及び周囲の皮膚に局所適用したときに、一種以上の抗真菌剤(たとえば、テルビナフィン)、脂質及び界面活性剤を含む、本明細書に開示の抗真菌製剤はヒト被験者で爪甲真菌症の処置に有効であることを示す。抗真菌製剤は、爪甲真菌症に罹患したヒト被験者で90%を超える真菌学的治癒を効果的に提供することができる。局所抗真菌製剤は、従前の抗真菌剤の局所製剤では、爪の感染症をうまく治癒させるのに効果がなかったことが実証された爪甲真菌症に対し有効な処置を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む医薬製剤を被験者に局所投与することを含む、被験者の真菌感染症を処置する方法。
【請求項2】
前記真菌感染症が爪甲真菌症である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記医薬製剤がクリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、スプレー、ラッカーまたはフィルム形成性溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
テルビナフィンが塩の形である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
テルビナフィンが遊離塩基の形である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
テルビナフィンがHCl塩の形である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記製剤がテルビナフィン0.5〜10.0重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記製剤がテルビナフィン1.5重量%を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記脂質がリン脂質である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
リン脂質対界面活性剤の比が1/1〜5/1(w/w)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記製剤がリン脂質2.0〜10.0重量%を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記製剤が界面活性剤1.0〜5.0重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記リン脂質がホスファチジルコリンである、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリヒドロキシエチレンステアレートまたはポリヒドロキシエチレンラウリルエーテルからなる群から選択される非イオン界面活性剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記界面活性剤がポリソルベート80(Tween 80)である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記製剤を被験者の爪及び/または周囲の皮膚の両方に適用する、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
感染部位へ適用される一日分の全投与量は1.0mg〜12.0mgである、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
治療的有効量のテルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む医薬製剤を被験者に局所投与することを含む、爪甲真菌症を処置するための有効量で爪にテルビナフィンを送達するための方法。
【請求項19】
前記製剤がクリーム、ローション、溶液、軟膏、ゲル、スプレー、ラッカーまたはフィルム形成性溶液である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
テルビナフィンが塩の形である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
テルビナフィンが遊離塩基の形である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
テルビナフィンがHCl塩の形である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記製剤がテルビナフィン0.5〜5.0重量%を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記製剤がテルビナフィン1.5重量%を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記脂質がリン脂質である、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
リン脂質対界面活性剤の比が1/1〜5/1(w/w)である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記製剤がリン脂質2〜10重量%を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記リン脂質がホスファチジルコリンである、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記製剤が界面活性剤1〜5重量%を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリヒドロキシエチレンステアレートまたはポリヒドロキシエチレンラウリルエーテルからなる群から選択される非イオン界面活性剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記界面活性剤がポリソルベート80(Tween 80)である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記製剤を被験者の爪及び/または周囲の皮膚の両方に適用する、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
感染部位へ適用される一日分の全投与量は1.0mg〜12.0mgである、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記製剤は感染部位へ優れた浸透能力をもつ、請求項1または18に記載の方法。
【請求項35】
テルビナフィン、脂質及び界面活性剤を水溶液中に含むテルビナフィン製剤であって、局所送達に適している前記製剤。
【請求項36】
前記製剤がさらに増粘剤を含む、請求項35に記載の製剤。
【請求項37】
前記製剤がさらに酸化防止剤を含む、請求項35に記載の製剤。
【請求項38】
前記製剤がさらに抗菌剤を含む、請求項35に記載の製剤。
【請求項39】
前記製剤が塩の形のテルビナフィンを含む、請求項35に記載の製剤。
【請求項40】
前記製剤がテルビナフィン0.5〜10.0重量%を含む、請求項35に記載の製剤。
【請求項41】
前記水溶液が4.0〜7.5の範囲のpHをもつ、請求項35に記載の製剤。
【請求項42】
前記脂質がリン脂質である、請求項35に記載の製剤。
【請求項43】
前記リン脂質対界面活性剤の比は1/1〜5/1(w/w)である、請求項42に記載の製剤。
【請求項44】
前記製剤はリン脂質2.0〜10.0重量%を含む、請求項42に記載の製剤。
【請求項45】
前記リン脂質はホスファチジルコリンである、請求項35に記載の製剤。
【請求項46】
前記製剤は界面活性剤1.0〜5.0重量%を含む、請求項35に記載の製剤。
【請求項47】
前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリヒドロキシエチレンステアレートまたはポリヒドロキシエチレンラウリルエーテルからなる群から選択される非イオン界面活性剤である、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
前記界面活性剤がポリソルベート80(Tween 80)である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
テルビナフィン(10mg/g)、スフィンゴミエリン(脳)(47.944mg/g)、Tween 80(42.056mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項50】
テルビナフィン(15mg/g)、スフィンゴミエリン(脳)(53.750mg/g)、Tween 80(31.250mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(15.000mg/g)を含む製剤。
【請求項51】
テルビナフィン(30mg/g)、スフィンゴミエリン(脳)(90.561mg/g)、Tween 80(79.439mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項52】
テルビナフィン(10mg/g)、スフィンゴミエリン(脳)(47.944mg/g)、Tween 80(42.056mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項53】
テルビナフィン(5mg/g)、スフィンゴミエリンラウロイル(50.607mg/g)、Brij 98(44.393mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(10.000mg/g)を含む製剤。
【請求項54】
テルビナフィン(30mg/g)、スフィンゴミエリンラウロイル(90.561mg/g)、Brij 98(79.439mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項55】
テルビナフィン(7.5mg/g)、スフィンゴミエリンラウロイル(49.276mg/g)、Brij 98(79.439mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項56】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(53.750mg/g)、Brij 98(31.250mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項57】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(90.561mg/g)、Brij 98(79.439mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項58】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(41.351mg/g)、Brij 98(48.649mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、ペクチン増粘剤、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項59】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(47.882mg/g)、Brij 98(37.118mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、グリセロール、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項60】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロール(95.764mg/g)、Brij 98(74.236mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項61】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルイノシトール(66.676mg/g)、Span 20(24.324mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(25.000mg/g)を含む製剤。
【請求項62】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルイノシトール(62.027mg/g)、Span 20(22.973mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項63】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルイノシトール(124.054mg/g)、Span 20(45.946mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項64】
テルビナフィン(5mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジルイノシトール(62.687mg/g)、Span 20(32.313mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、HTHQ(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項65】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジン酸(41.853mg/g)、Tween 80(43.147mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項66】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジン酸(95.764mg/g)、Tween 80(74.236mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項67】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジン酸(47.882mg/g)、Tween 80(37.118mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項68】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン及びホスファチジン酸(45.000mg/g)、Tween 80(45.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項69】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(31.935mg/g)、クレモフォール(58.065mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(15.000mg/g)を含む製剤。
【請求項70】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(42.500mg/g)、クレモフォール(42.500mg/g)、乳酸塩(pH6.5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項71】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(38.276mg/g)、クレモフォール(51.724mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項72】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(42.500mg/g)、クレモフォール(42.500mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(15.000mg/g)を含む製剤。
【請求項73】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルコリン(85.000mg/g)、クレモフォール(85.000mg/g)、乳酸塩(pH4)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項74】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(38.276mg/g)、クレモフォール(51.276mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)、及びEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項75】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(36.429mg/g)、クレモフォール(48.571mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項76】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルコリン(72.299mg/g)、クレモフォール(97.701mg/g)、乳酸塩(pH5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、及びエタノール(15.000mg/g)を含む製剤。
【請求項77】
テルビナフィン(7.5mg/g)、ホスファチジルエタノールアミン(46.250mg/g)、Tween 80(46.250mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(20.000mg/g)を含む製剤。
【請求項78】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルエタノールアミン(38.804mg/g)、Tween 80(46.196mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(15.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項79】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルエタノールアミン(36.667mg/g)、Tween 80(33.333mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項80】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルグリセロール(23.333mg/g)、Brij 98(66.667mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項81】
テルビナフィン(12.5mg/g)、ホスファチジルグリセロール(45.833mg/g)、Brij 98(41.667mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項82】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルグリセロール(31.957mg/g)、Brij 98(38.043mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項83】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルグリセロール(47.143mg/g)、Brij 98(42.857mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(25.000mg/g)を含む製剤。
【請求項84】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルグリセロール(96.905mg/g)、Brij 98(88.095mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(20.000mg/g)を含む製剤。
【請求項85】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルグリセロール(31.957mg/g)、Brij 98(38.043mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項86】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルエタノールアミン(35.455mg/g)、クレモフォール(54.545mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項87】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルエタノールアミン(84.457mg/g)、クレモフォール(100.543mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、EDTA(3.000mg/g)並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項88】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルエタノールアミン(89.048mg/g)、クレモフォール(80.952mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項89】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルグリセロール(41.087mg/g)、Tween 80(48.913mg/g)、プロピオン酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項90】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルグリセロール(45.280mg/g)、Tween 80(39.720mg/g)、プロピオン酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項91】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルグリセロール(107.500mg/g)、Tween 80(62.500mg/g)、プロピオン酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項92】
テルビナフィン(5mg/g)、ホスファチジルグリセロール(77.243mg/g)、Tween 80(67.757mg/g)、プロピオン酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項93】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルグリセロール(45.280mg/g)、Tween 80(39.720mg/g)、プロピオン酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項94】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルグリセロール(90.561mg/g)、Tween 80(79.439mg/g)、プロピオン酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項95】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルグリセロール(47.944mg/g)、Tween 80(42.056mg/g)、プロピオン酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(10.000mg/g)を含む製剤。
【請求項96】
テルビナフィン(5mg/g)、脂質としてホスファチジルセリン(50.607mg/g)、Brij 98(44.393mg/g)、リン酸塩(pH5.5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項97】
テルビナフィン(30mg/g)、脂質としてホスファチジルセリン(107.500mg/g)、界面活性剤としてBrij 98(62.500mg/g)、リン酸塩(pH5.5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項98】
テルビナフィン(10mg/g)、脂質としてホスファチジルセリン(47.944mg/g)、Brij 98(42.056mg/g)、リン酸塩(pH5.5)緩衝液、チメロサール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項99】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルグリセロール(46.364mg/g)、Brij 98(38.636mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(25.000mg/g)を含む製剤。
【請求項100】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルグリセロール(46.364mg/g)、Brij 98(38.636mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(20.000mg/g)を含む製剤。
【請求項101】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルグリセロール(46.098mg/g)、Brij 98(43.902mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(15.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項102】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルグリセロール(43.537mg/g)、Brij 98(41.463mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項103】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルグリセロール(45.000mg/g)、Brij 98(45.000mg/g)、酢酸塩(pH5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項104】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルグリセロール(59.492mg/g)、Brij 98(35.508mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)及びエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項105】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルグリセロール(39.054mg/g)、Brij 98(45.946mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、及びEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項106】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルグリセロール(35.854mg/g)、Brij 98(34.146mg/g)、酢酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、及びEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項107】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(50.000mg/g)、Tween 80(40.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項108】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(38.571mg/g)、Tween 80(51.429mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項109】
テルビナフィン(7.5mg/g)、ホスファチジルコリン(41.954mg/g)、Tween 80(50.546mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項110】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(42.632mg/g)、Tween 80(47.368mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項111】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(46.098mg/g)、Tween 80(43.902mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項112】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(39.721mg/g)、Tween 80(50.279mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項113】
テルビナフィン(5mg/g)、ホスファチジルコリン(44.198mg/g)、Tween 80(50.802mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項114】
テルビナフィン(2.5mg/g)、ホスファチジルコリン(46.453mg/g)、Tween 80(51.047mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項115】
テルビナフィン(5mg/g)、リン脂質としてホスファチジルコリン(51.221mg/g)、Tween 80(43.779mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項116】
テルビナフィン(2.5mg/g)、リン脂質としてホスファチジルコリン(54.167mg/g)、界面活性剤としてTween 80(43.333mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項117】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(66.440mg/g)、Brij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含み、エマルションとして配合された製剤。
【請求項118】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(66.440mg/g)、Brij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含み、懸濁液として配合された製剤。
【請求項119】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(66.440mg/g)、Brij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項120】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(40.000mg/g)、Tween 80(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含み、エマルションとして配合された製剤。
【請求項121】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(40.000mg/g)、Tween 80(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含み、懸濁液として配合された製剤。
【請求項122】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(40.000mg/g)、Tween 80(50.000mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、BHT(0.200mg/g)、及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項123】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(40.000mg/g)、Tween 80(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、パラベン(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項124】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(40.000mg/g)、Brij 98(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、塩化ベンザルコニウム(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項125】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(40.000mg/g)、Tween 80(50.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、抗菌剤としてパラベン(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項126】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(66.440mg/g)、Brij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、塩化ベンザルコニウム(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項127】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(66.440mg/g)、Brij 98(23.560mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項128】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(40.000mg/g)、Tween 80(50.000mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項129】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(40.000mg/g)、Tween 80(50.000mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、抗菌剤としてベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項130】
リン脂質としてホスファチジルコリン(44.444mg/g)、Tween 80(55.556mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項131】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(66.440mg/g)、Tween 80(23.560mg/g)、酢酸塩(pH5.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項132】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(54.000mg/g)、Tween 80(36.000mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項133】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(50.000mg/g)、Tween 80(40.000mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項134】
テルビナフィン(12.5mg/g)、ホスファチジルコリン(48.611mg/g)、Tween 80(38.889mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項135】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.575mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含み、エマルションとして配合された製剤。
【請求項136】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.575mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHA(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含み、懸濁液として配合された製剤。
【請求項137】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.575mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項138】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(50.000mg/g)、Tween 80(40.000mg/g)、酢酸塩(pH4.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項139】
テルビナフィン(30mg/g)、ホスファチジルコリン(94.444mg/g)、Tween 80(75.556mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項140】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.712mg/g)、Tween 80(38.288mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項141】
テルビナフィン(12mg/g)、ホスファチジルコリン(48.889mg/g)、Tween 80(39.111mg/g)、酢酸塩(pH4)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項142】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(39.721mg/g)、Tween 80(50.279mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.25mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項143】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(90.000mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項144】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.575mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、BHT(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含み、エマルションとして配合された製剤。
【請求項145】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.575mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、BHT(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含み、懸濁液として配合された製剤。
【請求項146】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(54.643mg/g)、Tween 80(30.357mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、BHA(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項147】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(39.72mg/g)、Tween 80(50.279mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、EDTA(3.000mg/g)並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項148】
テルビナフィン(10mg/g)、ホスファチジルコリン(90.00mg/g)、リン酸塩(pH6.5)緩衝液、ベンジルアルコール(5.250mg/g)、BHT(0.200mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.500mg/g)、グリセロール(30.000mg/g)、キレート剤としてEDTA(3.000mg/g)、並びにエタノール(30.000mg/g)を含む製剤。
【請求項149】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.57mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、BHT(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含み、エマルションとして配合された製剤。
【請求項150】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(46.57mg/g)、Tween 80(38.425mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、BHT(0.500mg/g)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200mg/g)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含み、懸濁液として配合された製剤。
【請求項151】
テルビナフィン(15mg/g)、ホスファチジルコリン(54.64mg/g)、Tween 80(30.357mg/g)、リン酸塩(pH4)緩衝液、BHA(0.500mg/g)及び酸化防止剤としてメタ重亜硫酸ナトリウム(0.200)、並びにEDTA(3.000mg/g)を含む製剤。
【請求項152】
容器内に請求項49〜15のいずれか一項に記載の製剤と、真菌感染症の処置で使用するための取り扱い説明書とを含むキット。
【請求項153】
爪及び皮膚の真菌感染症の処置のために製剤が配合されている、テルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む医薬製剤。
【請求項154】
ヒト被験者の爪及び/または周辺の皮膚に製剤を局所適用することを含む、ヒトの爪組織にテルビナフィンを投与する方法であって、前記製剤はテルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含み、前記投与により爪組織グラム当たり少なくとも約2.5mg/gのテルビナフィンの平均濃度となり、前記平均濃度は前記製剤の投与中断後少なくとも2週間で測定し;前記投与によりヒト被験者中のテルビナフィンの平均血清濃度が10ng/mL未満となる、前記方法。
【請求項155】
ヒト被験者の爪及び/または周辺の皮膚に製剤を局所適用することを含む、ヒトの爪組織にテルビナフィンを投与する方法であって、前記製剤はテルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含み、前記投与により爪組織グラム当たり少なくとも約0.1〜約15.0mg/gのテルビナフィンの平均濃度となり、前記平均濃度は前記製剤の投与中断後少なくとも2週間で測定し;前記投与によりヒト被験者中のテルビナフィンの平均血清濃度が10ng/mL未満となる、前記方法。
【請求項156】
前記投与によりヒト被験者でのテルビナフィンの平均血清濃度が5ng/g未満となる、請求項154及び155に記載の方法。
【請求項157】
前記投与によりヒト被験者でのテルビナフィンの平均血清濃度が1ng/g未満となる、請求項154及び155に記載の方法。
【請求項158】
前記製剤がテルビナフィン約3.0mgを含む、請求項154及び155に記載の方法。
【請求項159】
前記製剤を一日二回投与する、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記製剤を少なくとも二週間投与する、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記製剤中の脂質がリン脂質である、請求項154及び155に記載の方法。
【請求項162】
前記製剤中のテルビナフィンが塩の形である、請求項154及び155に記載の方法。
【請求項163】
テルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む製剤を、少なくとも三週間、一日二回、感染した爪及び/または周囲の皮膚に局所投与することを含む、ヒト被験者において爪真菌感染症を処置する方法。
【請求項164】
前記製剤はテルビナフィン約1.0〜約5.0mgを含む、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
前記製剤はテルビナフィン約3.0mgを含む、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記製剤中の脂質がリン脂質である、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記製剤中のテルビナフィンが塩の形である、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
ヒト被験者の爪及び/または周辺の皮膚に製剤を局所適用することを含む、爪真菌感染症の処置方法であって、前記投与により爪組織グラム当たり少なくとも約2.5mg/gのテルビナフィンの平均濃度となり、前記平均濃度は前記製剤の投与中断後少なくとも2週間で測定し;前記投与によりヒト被験者中のテルビナフィンの平均血清濃度が10ng/mL未満となり、前記製剤はテルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含む、前記方法。
【請求項169】
前記投与によりヒト被験者でのテルビナフィンの平均血清濃度が5ng/mL未満となる、請求項154及び155に記載の方法。
【請求項170】
前記投与によりヒト被験者でのテルビナフィンの平均血清濃度が1ng/mL未満となる、請求項154及び155に記載の方法。
【請求項171】
前記医薬組成物がテルビナフィン約3.0mgを含む、請求項168、169または170に記載の方法。
【請求項172】
前記医薬組成物を一日二回投与する、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記医薬組成物を少なくとも三週間投与する、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記医薬組成物がリン脂質である、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記医薬組成物中のテルビナフィンが塩の形である、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
製剤を一日二回、少なくとも三週間、ヒト被験者の感染した爪に適用することを含む、ヒト被験者での爪組織の真菌感染症の処置方法であって、前記製剤はテルビナフィン、脂質及び界面活性剤を含み、少なくとも三週間の投与後に、追加の処置が必要かどうかを決定するために真菌学的治癒(mycological cure)に関して評価する、前記方法。
【請求項177】
前記製剤がテルビナフィン約1.0〜約5.0mgを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記製剤がテルビナフィン約3.0mgを含む、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記製剤中の脂質がリン脂質である、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記製剤中のテルビナフィンが塩の形である、請求項179に記載の方法。
【請求項181】
式Iの化合物、脂質及び界面活性剤を含む医薬製剤を被験者に局所投与することを含む、ヒト被験者における真菌感染症の処置方法であって、式Iの化合物は以下の構造式:
【化1】

{式中、
(a)R1は式:
【化2】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化3】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化4】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化5】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。
【請求項182】
式Iの化合物の治療的有効量、脂質及び界面活性剤を含む医薬製剤を被験者に局所投与することを含む、爪甲真菌症を処置するのに有効量で式Iの化合物を爪に送達する方法であって、式Iの化合物は以下の構造式:
【化6】

{式中、
(a)R1は式:
【化7】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化8】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化9】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化10】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。
【請求項183】
式Iの化合物、脂質及び界面活性剤を含む製剤であって、前記製剤は局所送達に適しており、ここで式Iの化合物は以下の構造式:
【化11】

{式中、
(a)R1は式:
【化12】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化13】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化14】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化15】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。
【請求項184】
式Iの化合物、脂質及び界面活性剤を含む医薬製剤であって、前記製剤は爪及び皮膚の真菌感染症の処置のために配合され、式Iの化合物は以下の構造式:
【化16】

{式中、
(a)R1は式:
【化17】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化18】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化19】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化20】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。
【請求項185】
ヒト被験者の爪及び/または周囲の皮膚に製剤を局所投与することを含む、ヒトの爪組織に式Iの化合物を投与する方法であって、前記製剤は式Iの化合物、脂質及び界面活性剤を含み、前記投与により爪組織1グラム当たり少なくとも約2.5mg/gの式Iの化合物の平均濃度となり、ここで前記平均濃度は前記製剤の投与中断後少なくとも2週間で測定し、前記投与により、ヒト被験者中の式Iの化合物の平均血清濃度は10ng/mL未満となり、式Iの化合物は以下の構造式:
【化21】

{式中、
(a)R1は式:
【化22】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化23】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化24】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化25】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。
【請求項186】
ヒト被験者の爪及び/または周囲の皮膚に製剤を局所投与することを含む、ヒトの爪組織に式Iの化合物を投与する方法であって、前記製剤は式Iの化合物、脂質及び界面活性剤を含み、前記投与により爪組織1グラム当たり少なくとも約0.1〜約15.0mg/gの式Iの化合物の平均濃度となり、ここで前記平均濃度は前記製剤の投与中断後少なくとも2週間で測定し、前記投与により、ヒト被験者中の式Iの化合物の平均血清濃度は10ng/mL未満となり、式Iの化合物は以下の構造式:
【化26】

{式中、
(a)R1は式:
【化27】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化28】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化29】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化30】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。
【請求項187】
式Iの化合物、脂質及び界面活性剤を含む製剤を、少なくとも三週間、一日二回感染した爪及び/または周囲の皮膚に局所投与することを含む、ヒト被験者における爪真菌感染症の処置法であって、式Iの化合物は以下の構造式:
【化31】

{式中、
(a)R1は式:
【化32】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化33】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化34】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化35】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。
【請求項188】
感染した爪及び/または周囲の皮膚に製剤を局所投与することを含む、ヒト被験者において爪真菌感染症の処置方法であって、前記投与により爪組織1グラム当たり少なくとも約2.5mg/gの式Iの化合物の平均濃度となり、ここで前記平均濃度は前記製剤の投与中断後少なくとも2週間で測定し、前記投与により、ヒト被験者中の式Iの化合物の平均血清濃度は10ng/mL未満となり、前記製剤は式Iの化合物、脂質及び界面活性剤を含み、式Iの化合物は以下の構造式:
【化36】

{式中、
(a)R1は式:
【化37】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化38】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは
−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化39】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化40】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。
【請求項189】
ヒト被験者の感染した爪に少なくとも三週間、一日二回製剤を局所投与することを含む、ヒトの爪組織の真菌感染症の処置方法であって、前記製剤は式Iの化合物、脂質及び界面活性剤を含み、式Iの化合物は以下の構造式:
【化41】

{式中、
(a)R1は式:
【化42】

の基を表し、R2は水素若しくは低級アルキルを表すか、またはR1とR2は一緒になって式:
【化43】

の基を表し、式IIa〜IIiにおいて、R7及びR8は独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトロ、低級アルキル、低級アルコキシまたは−C(=O)−R15(式中、R15はH、ヒドロキシル、低級アルキル、アルコキシ(R15はカルボニル基と一緒になってエステルである)、またはアミノ(R15はカルボニル基と一緒になってカルバモイルである)を表し;
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル若しくは低級アルコキシを表し、
Xは酸素、硫黄、イミノ、低級アルキルイミノまたは式:−(CH2)r−の基を表し、
pは1、2若しくは3であり、
rは1、2若しくは3であり、
sは3、4若しくは5であり、
tは2、3若しくは4であり、及び
vは3、4、5若しくは6であり、
R3及びR5は独立して水素または低級アルキルを表し、及び
R4はC1-6アルキルまたはC3-8シクロアルキル-(C1-6)-アルキルを表し;及び
R6は式:
【化44】

の基を表し、
ここでR11は水素、(C1-6)アルキル、任意にα-ヒドロキシ置換されていてもよいアルキル;アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、フェナルキルまたはチエニルを表し、
R12、R13及びR14は独立して、水素若しくは低級アルキルを表し、
【化45】

は任意に二重結合を含んでいてもよいC5-8シクロアルキリデン基を表す;あるいは
(b)R1は上記(a)において定義された式IIa〜IIgの基を表し、
R2は水素または低級アルキルを表し、
R3及びR4は一緒になって基:−(CH2)u−を表し、ここでuは1〜8の整数を表し、
R5及びR6は、上記(a)において定義された意味をもつ}
をもつ、前記方法。

【公表番号】特表2011−529038(P2011−529038A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519254(P2011−519254)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006742
【国際公開番号】WO2010/010470
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(511019502)ターゲッティド デリバリー テクノロジーズ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】