説明

着色ポリエステルフィルム

【課題】
光沢度が高く、所定の色調を満たす、意匠性の高い、着色ポリエステルフィルムである。
【解決手段】
本発明の着色ポリエステルフィルムは、少なくとも片面の光沢度が70〜200であり、かつJIS−Z−8722に基づくa値、b値が以下の(A)式を満たすことを特徴とする。
100≧|a|+|b|≧5 …(A)
なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色ポリエステルフィルムに関する。詳しくは、光沢度が高く、所定の色調を満たす、着色ポリエステルフィルムである。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルフィルムは、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、その他多くの優れた特性から、工業材料、磁気記録材料、光学材料、情報材料、包装材料など広い分野において使用されている。
【0003】
近年、ポリエステルフィルムはその優れた特性を生かし、基材に貼り合わせた後に成形加工を施したり、ポリエステルフィルムそのものを成形加工し、容器などとして多く使用されている。その際、意匠性を付与するために、高い光沢度を示すポリエステルフィルムが提案されている(例えば特許文献1)。しかし、白色のポリエステルフィルムであるため、使用される用途が限定されてしまい、様々な用途で意匠性を付与することは不可能であった。また、a値、b値を規定することによって、美麗性に優れたポリエステルフィルムが提案されている(例えば特許文献2)。しかし、光沢度に関しては全く、記載されておらず、また金属缶や金属缶蓋の外面側の貼合せ材として使用されることにより、優れた美麗性を発現できるが、フィルム自体での意匠性は劣るものであった。
【特許文献1】特開2004−255636号公報
【特許文献2】特開2001−301025号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は上記課題を解決し、光沢度が高く、所定の色調を満たしているため、意匠性に優れ、また、光沢度が高いことから、易洗浄性にも優れており、様々な用途に使用できる着色ポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の着色ポリエステルフィルムは、
(1)フィルムの少なくとも片面の光沢度が70〜200であり、かつJIS Z−8722に基づくa値、b値が以下の(A)式を満たす着色ポリエステルフィルム、
100≧|a|+|b|≧5 …(A)
(2)JIS−Z−8722に基づくa値、b値が以下の(B)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の着色ポリエステルフィルム、
50≧|a|+|b|≧15 …(B)
(3)JIS−Z−8722に基づくa値、b値、L値が以下の式(C)〜(E)を満たすことを特徴とする(1)または(2)に記載の着色ポリエステルフィルム、
20≧a≧−50 …(C)
50≧b≧−20 …(D)
80≧L≧30 …(E)
(4)全光線透過率が50%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載の着色ポリエステルフィルム、
(5)無機顔料を、着色ポリエステルフィルム全体を100質量%として、0.1〜30質量%含有していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム、
(6)フィルム中の顔料質量比が以下の(F)式を満たすことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム、
0.95≧(白色顔料)/(全顔料)≧0.2 …(F)
(7)着色ポリエステルフィルム全体を100質量%として、オリゴマーを0.1〜0.8質量%含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム、
(8)少なくとも基層ポリエステル(I)層、表層ポリエステル(II)層の2層以上からなることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム、
(9)表層ポリエステル(II)層全体を100質量%として、表層ポリエステル(II)層中にエチレンテレフタレート環状三量体を0.1〜0.5質量%含有することを特徴とする請求項8に記載のポリエステルフィルム、
(10)表層ポリエステル(II)層中に、着色剤を含まないことを特徴とする(8)または(9)に記載のポリエステルフィルム、
(11)フィルムの融点が246〜270℃であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のポリエステルフィルム、
(12)二軸に配向していることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム、
(13)成形加工用途に使用することを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム、
である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の着色ポリエステルフィルムは、光沢度が高く、所定の色調を満たしているため、意匠性に優れ、また、光沢度が高いことから、易洗浄性にも優れており、高い意匠性を長く保つことができるため、様々な用途に使用することができる。このため、基材に貼り合わせた後に成形加工を施したり、フィルム自体を成形加工して使用した場合、意匠性に非常に優れた成形加工品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の着色ポリエステルフィルムは、フィルムの少なくとも片面の光沢度が70〜200であることが必要である。ここで、光沢度とはJIS Z−8741(1997年)に基づいて測定した60度鏡面光沢の値を示す。光沢度が70未満であれば、フィルム表面の艶が認められず、意匠性に劣ってしまうばかりでなく、洗浄性が低下してしまい、洗浄しても表面の汚れ等が落ちにくくなり、意匠性を保持するのが難しくなってしまう。光沢度はフィルムの表面形状に起因することが大きく、フィルムの表面を平滑にすることで光沢度を高くすることができる。光沢度を70以上にするためには、中心線平均粗さを20nm未満にすることが好ましい。ここで、中心線平均粗さとは、接触式の2次元粗さ計で測定した値である。中心線平均粗さを20nm未満にするためには、所定の色調を得るために添加する顔料などの着色剤や、フィルムの取扱い性を制御する粒子等の粒径を小さいものを選択することで達成することができる。好ましい、着色剤や粒子の粒径は2μm以下である。
【0008】
また、光沢度を200より大きくしても、見た目での艶はほとんど変わらなく、易洗浄性の効果もほとんど差がなくなるため、実用上必須ではない。
【0009】
より好ましくは、フィルムの少なくとも片面の光沢度が75〜190であり、80〜180であれば最も好ましい。
【0010】
本発明の着色ポリエステルフィルムは、JIS Z−8722に基づくa値、b値が以下の(A)式を満たすことが必要である。
100≧|a|+|b|≧5 …(A)
ここで、a値、b値は反射法で測定を行った値である。|a|+|b|<5であると、フィルムの色の彩度が低くなってしまうため、フィルムの色目が白色または、黒色に近くなってしまい、外観上好ましくない。また、100<|a|+|b|であると、彩度が高すぎるため、不自然な色調となってしまい、逆に意匠性が低下してしまう場合があるので好ましくない。
【0011】
値、b値が以下の(B)式を満たせば、より、意匠性が向上するため、好ましい。
50≧|a|+|b|≧15 …(B)
本発明の着色ポリエステルフィルムにおいて、JIS−Z−8722に基づくa値、b値、L値が以下の式(C)〜(E)を満たすことが好ましい。ここで、a値、b値、L値は反射法で測定を行った値である。
20≧a≧−50 …(C)
50≧b≧−20 …(D)
80≧L≧30 …(E)
本発明の着色ポリエステルフィルムのa値、b値が(C)、(D)式を満たすことで、鮮明な色調を示すことができ、さらに意匠性を高くすることができる。a値、b値が(C’)、(D’)式を満たせばさらに好ましく、(C’’)、(D’’)式を満たせば最も好ましい。
20≧a≧−40 …(C’)
15≧a≧−30 …(C’’)
40≧b≧−20 …(D’)
30≧b≧−15 …(D’’)
本発明の着色ポリエステルフィルムのL値が30未満では遮光性が低下してしまい、隠蔽性に劣る場合があるため好ましくない。本発明の着色ポリエステルフィルムを、基材に貼り合わせて使用する場合、隠蔽性が低いと、基材を隠蔽することができず、また、本発明のポリステルフィルム自身を成形加工して容器などとして使用する場合は、内容物を隠蔽することができないため、意匠性が低下してしまう場合があり、また内容物保持性にも影響がでる場合がある。逆に80を越えるためにはフィルム中への顔料の多量添加による密度増加、ひいては包装材料としての搬送時のエネルギーロスや、他のフィルム特性を損ねてしまう。L値は(E’)式を満たせばさらに好ましく、(E’’)式を満たせば最も好ましい。
75≧L≧30 …(E’)
75≧L≧35 …(E’’)
本発明の着色ポリエステルフィルムにおいて、JIS Z−8722に基づくa値、b値、L値が(A)〜(E)式を満たすためには、着色剤を添加して、調色する方法を好ましく用いることができる。
【0012】
調色を行う方法は、特に限定されないが、一般的な調色作業としては以下の手順で進められることが多い。1.色見本を見て、目標の色を定める 2.使用する着色剤を選ぶ 3.着色剤の混合量を選ぶ 4.それらを混合してサンプルを作成する 5.サンプルの色と色見本を比較する(目視及び色調測定) 6.色見本と等しい色であれば作業終了、等しくなければ修正作業に入る 7.サンプルと色見本との違いの傾向を見定める(目視及び色差より) 8.修正に必要な着色剤とその混合量を選ぶ 9.以下4〜6を繰り返して目標の色を調色する
これらの作業を効率化するために、CCM(Computer Color Matching)技術も好ましく使用される。CCMとは、予め着色剤を選定してその測色データをコンピューターに登録しておき、色見本が示されるなり、すぐにこれを測色してコンピューターにデータを送り込み、色見本に合った着色剤配合比率を算出させ、それに基づき着色剤を配合させる技術である。
【0013】
値は明るさの変化値で、値が大きくなるほど、明るくなる方向で、値が小さくなるほど暗くなる方向である。また、a値は赤と緑の色の変化値で、プラス値が大きくなるほど赤方向で、マイナス値ならば緑方向である。b値は黄と青の色の変化値で、プラス値が大きくなるほど黄方向で、マイナス値ならば青方向である。(A)〜(E)式を満たす所定の色調を得るために、赤系、緑系、黄系、青系着色剤などを添加して調色することができる。L値が高い着色剤を添加した方が、a値、b値の変化量も大きくなる場合が多く、a値、b値を大幅に変化させたいときは、L値が高い着色剤を使用すると有利な傾向にある。
【0014】
使用する着色剤としては、染料、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。しかし、染料ではポリエステルからの昇華が起こりやすく、製造工程を汚染する場合があるために無機、有機顔料が好ましく使用される。使用される無機顔料としては、例えば、ベンガラ、モリブデンレッド、カドミウムレッド、などの赤色顔料、赤口黄鉛、クロムパーミリオンなどの橙色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルーなどの青色顔料、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、コバルトグリーンなどの緑色顔料、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエローなどの黄色顔料、マンガンバイオレット、ミネラルバイオレットなどの紫色顔料などが挙げられる。また、彩度を著しく低下させない程度であれば、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸亜鉛などの白色顔料、カーボンブラック、黒色酸化鉄などの黒色顔料も添加してもよい。また、使用される有機顔料としては縮合アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、イソインドリノン、キノフタロン、アンスラキノン系などを挙げることができる。
【0015】
無機顔料の方が、有機顔料と比較して耐熱性に優れているため、より好ましく使用される。本発明の着色ポリエステルフィルムは、成形時及び、成形品を加熱する場合があり、加熱時の変色を防ぐ点で、無機顔料を含有していることが好ましい。意匠性を付与するために、無機顔料を着色ポリエステルフィルム全体を100質量%として、0.1〜30質量%含有していることが好ましい。より好ましくは0.2〜25質量%含有していることが好ましく、0.5〜20質量%含有していれば最も好ましい。
【0016】
本発明の着色ポリエステルフィルムに着色剤を添加し、着色する方法は特に限定されないが、原料となるポリエステル樹脂にあらかじめ高濃度で着色剤を溶融混練し、製膜時に希釈樹脂にて所定の濃度となるようにするマスターバッチ法を好ましく用いることができる。
【0017】
ここで、マスターバッチを製造する具体的な方法について説明する。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂を低温で凍結粉砕し、粉末状にしたものに所定の着色剤を添加し、均一となるように混合した後、ベント式二軸押出機に供給し溶融混練する。この時に、着色剤の分散助剤としてステアリルステアレートやステアリル酸マグネシウムなどをマスターバッチ全体を100質量%として、0.01〜1質量%添加しても良い。このようにして着色混練した樹脂をストランド状に押出し、水中で冷却固化した後、カッターで所望のサイズにカッティングしてマスターバッチを得ることができる。なお、マスターバッチ中の着色剤濃度としては経済的な観点からは高濃度、例えばマスターバッチ全体を100質量%として、30質量%以上などとすることが好ましいが、分級などによるフィルム長手方向での色むらを防止する観点から、マスターバッチ中の着色剤濃度は1〜30質量%であることが好ましく、1.5〜20質量%であればさらに好ましい。
【0018】
本発明の着色ポリエステルフィルムは、フィルム中の顔料質量比が以下の(F)式を満たすことが好ましい。
0.95≧(白色顔料)/(全顔料)≧0.2 …(F)
ここでの、白色顔料は、顔料便覧(日本顔料技術協会編)で示されている白色顔料系のことを好ましく用いることができる。白色顔料は非常に着色力、隠蔽性が大きいため、(白色顔料)/(全顔料)が0.2未満であると、遮光性が低下してしまい、隠蔽性に劣る場合があるため好ましくない。逆に、(白色顔料)/(全顔料)が0.95より大きいと、フィルムの白色感が強くなりすぎて、色調が不自然になってしまい、意匠性が低下してしまう場合があるので好ましくない。
【0019】
本発明の着色ポリエステルフィルムはフィルム中の顔料質量比が(F’)式を満たすと、さらに好ましく、(F’’)を満たすと最も好ましい。
0.9≧(白色顔料)/(全顔料)≧0.2 …(F’)
0.9≧(白色顔料)/(全顔料)≧0.3 …(F’’)
本発明の着色ポリエステルフィルムの全光線透過率は50%以下であることが好ましい。全光線透過率が50%より高くなると遮光性が低下してしまい、隠蔽性に劣るため好ましくない。より好ましくは、全光線透過率が45%以下であり、40%以下であれば最も好ましい。
【0020】
全光線透過率を上記の範囲にする方法としては特に限定されないが、例えば隠蔽性に優れる顔料を使用する方法が挙げられる。隠蔽性に優れる顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸亜鉛などの白色顔料や、カーボンブラックなどの黒色顔料を用いることが好ましい。ここで、これら隠蔽性を有する顔料については、フィルム中の添加量がフィルム全体を100質量%として、0.1〜20質量%であれば好ましく、0.5〜10質量%であればより好ましい。
【0021】
また、顔料の不透明性は粒径に依存するところが大きく、0.1〜0.3μmの粒径のものを使用すると不透明性が高くなり、0.1μmより小さくすると不透明性が急激に低下し、0.3μmより大きくすると、同様に不透明性が低下する。また、不透明性顔料濃度を高くすることにより、より隠蔽性を高くすることができる。ここでいう、粒径とは長軸径の算術平均値のことを示す。なお、粒径の測定方法は特に限定されないが、例えば、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡などを用いて、10000〜100000倍程度の倍率で場所を変えて粒子を任意の数観察して、観察した画像をイメージアナライザーなどに取り込んで、画像解析することによって測定することができる。
【0022】
本発明の着色ポリエステルフィルムはオリゴマーをフィルム全体を100質量%として、0.1〜0.8質量%含有することが好ましい。ここでいうオリゴマーとは、エチレンテレフタレート環状三量体のことを指す。エチレンテレフタレート環状三量体とは、ポリエチレンテレフタレート樹脂中に存在している低分子量体の一種で、分子間エステル交換反応、分子内エステル交換反応によって生成される。3つの単量体が、環状の構造をとったもので、ポリエチレンテレフタレート樹脂中の低分子量体の約80%を占める。環状三量体はクロロホルム、ジオキサン、キシレンなどの有機溶媒によって抽出し、薄膜クロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィなどによって、その他の低分子量体と分離でき、特定することができる。
【0023】
オリゴマー含有量を0.1質量%未満にすることは原理的には可能であっても、製造コストが莫大となり経済的に不利となるので好ましくない。また、0.8質量%より多くなると、成形加工時の予熱工程、成型加工後のレトルト熱処理や乾熱処理などの熱処理を行った際に、環状三量体の析出、結晶化物が認められ、外観を損ねる問題がある。より好ましくは0.15〜0.75質量%であり、0.2〜0.7質量%であれば、最も好ましい。
【0024】
オリゴマー含有量を上記の範囲とする方法としては、製膜前の原料樹脂段階でのオリゴマー含有量を低減しておくことが好ましい。その方法の例としては、固相重合法が挙げられる。すなわち、ポリエステル樹脂をガラス転移点以上融点以下の温度の大気中あるいは不活性ガス中または、熱水中で予備結晶化を行う。その後、減圧下または不活性ガス雰囲気下で、(ガラス転移温度の+5)℃以上、(融点の−5)℃以下の範囲、好ましくは(ガラス転移点の+10)℃以上、(融点の−10)℃以下の範囲で固相重合を行う。
【0025】
また、水中で固化した樹脂を熱処理する方法や溶媒により固化した樹脂からオリゴマーを抽出する方法も挙げることができる。
【0026】
また、耐熱性を損なわない範囲での共重合やポリマーブレンドする方法も好ましく用いることができる。例えば、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートの場合で、固相重合などの特殊な工程を経ない、共重合率が0モル%であればオリゴマー量は通常1.1〜1.2質量%であるが、5モル%イソフタル酸を共重合すると1質量%、10モル%共重合すると0.9質量%まで樹脂中のオリゴマー量を低減することが可能である。しかしながら、これら共重合の場合、他の組成からなるオリゴマー量が増加するので、ポリエチレンテレフタレートへのイソフタル酸の共重合率は5モル%以下であることが好ましい。
【0027】
本発明の着色ポリエステルフィルムは、少なくとも基層ポリエステル(I)層、表層ポリエステル(II)層の2層以上からなることが好ましい。積層フィルムとすることで、着色ポリエステルフィルムの特性を向上させることができるため、好ましい態様である
例えば、表層ポリエステル(II)層中の環状三量体量を極めて少なくしたり、結晶性の高いポリエステルを使用したりすることで、本発明の着色ポリエステルフィルムを加熱したときの、環状三量体の表面への析出を抑制することができる。
【0028】
上記の例を達成するために、本発明の着色ポリエステルフィルムは、表層ポリエステル(II)層中にエチレンテレフタレート環状三量体を、表層ポリエステル(II)層全体を100質量%として、0.1〜0.5質量%含有することが好ましい。表層ポリエステル(II)層中の環状三量体含有量が上記の範囲であると、成形加工時の予熱工程、成型加工後のレトルト熱処理や乾熱処理などの熱処理を行った際の環状三量体の表面への析出抑制効果が非常に高まるため、好ましい。より好ましくは、0.1〜0.45質量%であり、0.1〜0.4質量%であれば、最も好ましい。
【0029】
また、基層ポリエステル(I)層に所定の色調を得るために、粒径の大きい顔料を添加した場合、高い光沢度を得るために、顔料を含有しない表層ポリエステル(II)層を積層することで、好ましい色調と光沢度を容易に達成することができる。また、上記の構成とした場合、経時、加熱などによって表面へ析出しやすい顔料を使用した際の、顔料の表面への析出も抑制することができる。
【0030】
上記の例を達成するために、本発明の着色ポリエステルフィルムは、表層ポリエステル(II)層中に着色剤を含まないことが好ましい。表層ポリエステル(II)層中に着色剤を含まないことで高い光沢度を達成することができる。
【0031】
2層以上の積層フィルムにする場合、表層の厚みはフィルム全体の厚みに対して1〜20%の厚みであることが好ましく、2〜15%であればより好ましい。このような積層フィルムの製造方法としては、複数の押出機を用いて溶融押出を行い、Tダイ上部に設置したフィードブロック内で合流させ、積層する方法を好ましく用いることができる。ここで、2層以上の積層フィルムとはA/B2層、A/B/A及びA/B/C3層、さらにそれ以上の積層フィルムのことを指す。
【0032】
また、本発明の着色ポリエステルフィルムは、取扱い性と加工性を向上させるために、上記した無機顔料、有機顔料以外に平均粒子径0.01〜10μmの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子を着色ポリエステルフィルム全体に対して0.01〜3重量%含有することが好ましい。内部粒子の析出方法としては、たとえば、特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、特開昭54−90397号公報等に記載の技術を採用することができる。さらに、特公昭55−20496号公報や特開昭59−204617号公報等の他の粒子を併用することもできる。なお、10μmを超える平均粒子径を有する粒子を使用すると、フィルムに欠陥が生じることがあるので注意を要する。かかる無機粒子としては、たとえば、湿式及び乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなどを使用することができる。また、有機粒子としては、スチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。中でも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子スチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子、無機粒子および有機粒子は二種類以上を併用してもよい。
【0033】
また、2層以上の積層フィルムとする場合は、表層ポリエステル(II)層中に、光沢度を低下させない程度であれば、取扱い性、加工性向上のための上記粒子を添加させてもよい。
【0034】
ここで、本発明の着色ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂とは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称であって、通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。ここでジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。
【0035】
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールなどを挙げることができる。これらの、ジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上併用してもよい。また、本発明に用いるポリエステルは1種のポリエステルであっても、2種以上のポリエステルのブレンドであってもよい。
【0036】
特に好ましく用いられるポリエステルはテレフタル酸あるいはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応による重縮合反応によって得ることができるエチレンテレフタレートを主たる構成成分とすることが機械強度、加工性、熱特性、湿度特性などに優れるため好ましい。なおここで、主たるというのは、ポリエステル中のエチレンテレフタレート成分が30モル%以上であることを言う。
【0037】
本発明の着色ポリエステルフィルムは耐熱性、樹脂の取扱い性の観点から融点が246〜270℃であることが好ましい。ここで、本発明の着色ポリエステルフィルムの融点としては示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/分で測定を行った際の融解現象で発現する吸熱ピーク温度である。異なる組成のポリエステル樹脂をブレンドして使用し、フィルムとした場合には複数の融解に伴う吸熱ピークが現れる場合があるが、その場合、最も高温に現われる吸熱ピーク温度を本発明の着色ポリエステルフィルムの融点とする。融点が250〜270℃であればより一層好ましい。ポリエステルフィルムの融点を掛かる温度範囲とする方法としては、フィルム製膜時に使用するポリエステル樹脂段階において、融点を246〜270℃の範囲としておくことが好ましく、また、異なる組成のポリエステル樹脂を用いる場合でも、融点が246℃以上であるポリエステル樹脂を使用し、また、融点が低いポリエステル樹脂をブレンドして使用する場合においても、溶融混練時の樹脂間でのエステル交換反応による融点降下を抑制するために、予め樹脂中に残存している触媒を失活させたり、触媒能を低減させるためにリン化合物を添加する。また、残存触媒量の低いポリエステル樹脂を準備するなどをすることで、融点を246〜270℃の範囲にすることができる。
【0038】
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂を製造するに際しては、反応触媒、着色防止剤を使用することができる。反応触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物ゲルマニウム化合物などを、また着色防止剤としては、リン化合物などを使用することができるが、本発明では特にこれらに限定するものではない。
【0039】
通常、ポリエステルの製造が完結する以前の任意の段階において、重合触媒として、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及び/またはチタン化合物を添加することが好ましい。このような方法としては、例えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加する方法や、ポリエステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法を使用することができる。
【0040】
かかるゲルマニウム化合物としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム水和物あるいは、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシドなどのゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフォノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウムなどのリン酸含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウムなどを使用することができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好ましく用いられる。
【0041】
また、アンチモン化合物としては特に限定されないが、例えば三酸化アンチモンなどの酸化物、酢酸アンチモンなどが使用できる。また、さらにチタン化合物としては、特に限定しないが、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタンテトラアルコキシドを好ましく用いることができる。
【0042】
本発明の着色ポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されないが、例えばポリエステル樹脂を必要に応じて乾燥した後、溶融押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化し未延伸シートを得る方法が挙げられる。このようにして得られる未延伸シートはそのまま巻き取り未延伸のまま用いても良いが、フィルムに強靱性、寸法安定性、耐熱性や機械強度を高める目的で本発明の着色ポリエステルフィルムは二軸延伸を施し二軸配向させることが好ましい。二軸延伸の方法としてはフィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸法、あるいはフィルムの長手方向と幅方向をほぼ同時に延伸する同時二軸延伸法などにより延伸を行うことができる。
【0043】
かかる延伸方式としては、同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでもよい。すなわち、未延伸シートをフィルムの長手方向及び幅方向に延伸、熱処理し、目的とする面配向度のフィルムを得る方法が採用される。これらの方式の中では、フィルムの品質の点で、テンター方式によるものが好ましく、長手方向に延伸した後に、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式、または長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方式などが面配向係数のばらつき抑制、厚みむら抑制の点から好ましく用いられる。
【0044】
かかる延伸方法において、採用される延伸倍率としては、それぞれの方向に好ましくは1.6〜4.2倍、さらに好ましくは2.4〜4.0倍である。また、延伸速度は100〜200000%/分であることが望ましく、延伸温度はポリエステルのガラス転移点〜ガラス転移点+100℃の温度範囲であれば任意の温度とすることができるが、好ましくは、80〜170℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を90〜150℃、幅方向の延伸温度を95℃〜150℃とするのがよい。フィルムに非常に優れた成形性を付与するためには、特に長手方向の延伸温度を100〜130℃とすることが好ましく、特に縦延伸前において、100℃以上の高温で1〜100秒間程度結晶化しない範囲において予熱した後、延伸することは、均一な延伸による優れた平面性、配向むら抑制による優れた成形性の発現などの点で好ましいことである。さらに、延伸は各方向に対して複数回行ってもよい。
【0045】
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行うことができる。この熱処理は、オーブン中、加熱されたロール上などの任意の方法により行うことができる。熱処理温度は、延伸温度〜原料の融点の範囲の任意の温度とすることができるが、成形加工性と耐衝撃性の点から160〜235℃の熱処理温度であることが好ましい。かかる温度より低温であれば、耐衝撃性が悪化し、高温であれば成形加工性が悪化することがある。また、熱処理時間は他の特性を悪化させない範囲においては任意とすることができるが、通常1〜30秒間行うのが好ましい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向及び/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
【0046】
本発明の着色ポリエステルフィルムはフィルム厚みが5〜500μmであることが好ましい。無延伸フィルムとして用いられる場合には100〜500μmであるとより好ましい。また二軸配向フィルムであっても、フィルム製造後に二次加工としてフィルム単体で食品容器などに用いられる場合は75〜250μmであればより好ましく、100〜200μmであれば特に好ましい。さらに、他の基材などと貼り合わせて用いられるような場合には6〜38μmであることが好ましく、さらに好ましくは7〜25μm、8〜20μmであれば特に好ましい。
【0047】
本発明の着色ポリエステルフィルムは、成形加工用途に使用することが好ましい。成形加工用途とは例えば、基材に貼り合せて加工したり、フィルムそのものを加工したりして、容器などの形態に加工する用途である。ここでいう、基材とは特に限定されないが、樹脂シートや紙、また木材などの天然素材などが挙げられる。
【0048】
本発明の着色ポリエステルフィルムを基材に貼り合わせて使用する場合、貼り合わせ品の意匠性の点で、光沢度が高い面と反対面側を基材とを貼り合わせる構成が好ましい。また、本発明の着色ポリエステルフィルムを加工して容器などの形態に加工して使用する場合、加工品の意匠性の点で、容器の外側の面に光沢度が高い面がくるように加工することが好ましい。
【実施例】
【0049】
(物性・評価)
ポリマー、フィルムの物性、特性は以下の方法にて測定、評価した。
【0050】
(1)色調
JIS−Z−8722(2000年)に基づき、分光式色差計(日本電色工業製SE−2000、光源 ハロゲンランプ 12V4A、0°〜−45°後分光方式)を用いて、各フィルムの色調(L*値、a値、b値)を反射法により測定した。測定は温度23℃、湿度65%の雰囲気中で行った。フィルムの任意の5ヶ所を選び出して測定を行い、その平均値を採用した。
【0051】
(2)光沢度
JIS−Z−8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV−5Dを用いて、60°鏡面光沢度を測定した。測定はn=5で行い、最大値と最小値を除いた平均値を光沢度とした。
【0052】
(3)全光線透過率
ヘーズメーターHGM−2DP(スガ試験機株式会社)で測定した。測定はn=5で行い、最大値と最小値を除いた平均値を全光線透過率とした。
【0053】
(4)フィルム中の顔料含有量
無機顔料の含有量は金属元素の残存量として蛍光X線測定により求めた。なお、定量は予め原子吸光法などを用いて定量した金属量既知のサンプルを使用して作成した強度と各元素量との検量線を用いて行った。また、有機顔料の含有量はフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解後、H−NMRおよび13C−NMRを用いて着色剤濃度を測定した。なお、有機顔料の特定はラマン分光法における共鳴ラマン効果を用いてフィルム中の顔料からのラマンバンドを励起波長を変更することで得て、顔料標準サプルのラマンバンドと比較することにより行うことができる。なお、表層ポリエステル(II)層中の顔料含有量を測定する場合は、表層ポリエステル(II)層部分のみ削り取ることによりサンプルを採取し、測定を行った。
【0054】
(5)フィルム中のオリゴマー量
フィルム100mgをオルソクロロフェノール1mLに溶解し、液体クロマトグラフィー(Varian社製モデル8500)で環状三量体量を測定した。なお、表層ポリエステル(II)層中の環状三量体量を測定する場合は、表層ポリエステル(II)層部分のみ削り取ることによりサンプルを採取し、測定を行った。
【0055】
(6)フィルムの融点
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用いて測定した。試料5mgをサンプルに用い、25℃から10℃/分で300℃まで昇温した際の吸熱ピーク温度を融点とした吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側の吸熱ピークのピーク温度を融点とした。
【0056】
(7)粒子の粒径
フィルムの断面をフィールドエミッション走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM−6700F)にて任意の場所で粒子を100個観察(100000倍)し、画像をイメージアナラーザーに取り込んだ。取り込んだ画像をから、長軸径を測定し、算術平均値を求めて、粒子の粒径とした。
【0057】
(8)意匠性
フィルムサンプルを25人に見せ、意匠性が高い、意匠性がない、どちらでもないの3段階で評価してもらい、意匠性高い4点、どちらでもない2点、意匠性ない0点として点数を出し、次のように評価した。
○:80点以上
△:50〜80点
×:50点未満。
【0058】
(9)易洗浄性
フィルムを一週間23℃、65%RHの雰囲気下で保存した後、フィールドエミッション走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM−6700F)にて、フィルム表面の任意の10箇所を観察(350倍)して、直径5μm以上の塵の数をカウントして、その平均値を算出した。その後、産業用ワイパー(キムワイプ、クレシア(株)製、ワイパーS−200)で、フィルム表面を拭き取った(縦方向、横方向3回ずつ)。その後、同様にフィルム表面の任意の10箇所を観察し、拭き取り前後での、直径5μm以上の塵数の減少率を以下の式から算出し、評価した。
減少率(%)
=(拭き取り前の塵数−拭き取り後の塵数)/(拭き取り前の塵数)×100
○:減少率80%以上
△:減少率40〜80%
×:減少率40%未満。
【0059】
(10)耐オリゴマー析出性
フィルムを枠貼りし、熱風オーブン中にて120℃、2時間の熱処理を行った。熱処理後のフィル表面をフィールドエミッション走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM−6700F)で観察(500倍)し、以下の基準で評価を行った。
○:フィルム表面にオリゴマーなどの析出は観察されなかった。
△:フィルム表面にオリゴマーの析出が認められた。
×:手で触っただけで、粉が析出していた。
【0060】
(11)熱成形性
300℃に加熱した遠赤外線ヒーターを用いて(フィルムの融点−20)℃の温度になるようにフィルムを加熱し円柱状の金型(底面直径50mm)を用いて真空成形を行いフィルムを容器に成形した。金型に沿って成形できた状態を成形度合い(絞り比:成形高さ/底面直径)を用いて以下の基準で評価した。
○:絞り比0.7以上で成形できた。
△:絞り比0.7〜0.3で成形できた。
×:破れが発生し、絞り比0.3で成形できなかった。
【0061】
(ポリエステルの製造方法)
以下の実験において使用したポリエステル樹脂は以下のようにして製造した。
【0062】
(ポリエステルW)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部の混合物に酢酸マンガン0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025質量部、二酸化ゲルマニウム0.02質量部を添加し、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングしてポリエチレンテレフタレート(ポリエステルW)を得た。
【0063】
(ポリエステルX)
ポリエステルWを回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、230℃で極限粘度が0.75となるまで固相重合を行い、ポリエステルXを得た。
【0064】
(ポリエステルY)
テレフタル酸100質量部、および1,4−ブタンジオール110質量部の混合物を、窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054質量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054質量部を添加し、エステル化反応を行った。次いで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.066質量部を添加して、減圧下で重縮合反応を行い、固有粘度0.88のポリブチレンテレフタレート樹脂を作製した。その後、140℃、窒素雰囲気下で結晶化を行い、ついで窒素雰囲気下で200℃、6時間の固相重合を行い、固有粘度1.20のポリブチレンテレフタレート樹脂(ポリエステルY)とした。
【0065】
(ポリエステルZ)
テレフタル酸ジメチルを100質量部、エチレングリコール70質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール7質量部の混合物に、酢酸マンガンを0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃メタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.045質量部、二酸化ゲルマニウム0.01質量部を添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に275℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして1,4−シクロヘキサンジメタノールを4モル%共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。該ポリマーを3mm径の立方体に切断し、回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、225℃で極限粘度が0.8になるまで固相重合を行い、ポリエステルZを得た。
【0066】
(顔料マスターA)
粉末状に凍結粉砕したポリエステルWと、平均粒径が0.2μmの酸化チタンを質量比50:50で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターAを得た。
【0067】
(顔料マスターB)
粉末状に凍結粉砕したポリエステルWと、チタンイエローを質量比75:25で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターBを得た。
【0068】
(顔料マスターC)
粉末状に凍結粉砕したポリエステルWと、ベンガラを質量比95:5で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターCを得た。
(顔料マスターD)
粉末状に凍結粉砕したポリエステルWと、カーボンブラックを質量比98.5:1.5で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターDを得た。
【0069】
(顔料マスターE)
粉末状に凍結粉砕したポリエステルWと、群青を質量比95:5で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターEを得た。
【0070】
(顔料マスターF)
粉末状に凍結粉砕したポリエステルWと、酸化クロムを質量比95:5で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターFを得た。
【0071】
(顔料マスターG)
粉末状に凍結粉砕したポリエステルWと、縮合アゾ系の有機顔料カラーインデックス・ピグメントイエロー180を質量比95:5で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターGを得た。
【0072】
(粒子マスターP)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部の混合物に酢酸マンガン0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025質量部、二酸化ゲルマニウム0.02質量部を添加した。さらに、平均粒径2.2μmの湿式シリカ凝集粒子のエチレングリコールスラリーを粒子濃度が2質量%となるように添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.63となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして粒子マスターQを得た。
【0073】
(粒子マスターQ)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部の混合物に酢酸マンガン0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025質量部、二酸化ゲルマニウム0.02質量部を添加した。さらに、平均粒径4μmの湿式シリカ凝集粒子のエチレングリコールスラリーを粒子濃度が6質量%となるように添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.63となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして粒子マスターQを得た。
【0074】
(実施例1)
着色剤を含有する層(基層)と、含有しない層(表層)の2層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルWと、ポリエステルYと、顔料マスターAと、顔料マスターBと、顔料マスターCと、顔料マスターDと、粒子マスターPを質量比36.2:30:3.8:16:2:8:4で混合して使用した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルXと粒子マスターPを質量比96:4の割合で混合して使用した。
【0075】
各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、別々の単軸押出機に供給、280℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて基層/表層(積層厚み比10.5:1.5)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0076】
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度100℃で長手方向に3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度95℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
【0077】
(実施例2)
着色剤を含有する層(基層)と、含有しない層(表層)の2層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルXと、ポリエステルYと、顔料マスターAと、顔料マスターCと、顔料マスターDと、顔料マスターGと、粒子マスターPを質量比56:10:8:8:6:8:4で混合して使用した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルXと粒子マスターPを質量比96:4の割合で混合して使用した。
【0078】
上記原料を使用して、基層/表層(積層厚み比13:2)とする以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み15μmの二軸配向フィルムを得た。
【0079】
(実施例3)
着色剤を含有する基層と表層の、2層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルXと、ポリエステルYと、顔料マスターAと、顔料マスターBと、顔料マスターDと、粒子マスターQを質量比51:20:15:5:5:4で混合して使用した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルXと、顔料マスターEと、粒子マスターQを質量比91:5:4の割合で混合して使用した。
【0080】
上記原料を使用して、基層/表層(積層厚み比18:2)とする以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み20μmの二軸配向フィルムを得た。
【0081】
(実施例4)
着色剤を含有する層(基層)と、含有しない層(表層)の2層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルXと、ポリエステルYと、顔料マスターAと、顔料マスターEと、顔料マスターFと、粒子マスターQを質量比46:20:10:10:10:4で混合して使用した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルWと、顔料マスターZと、粒子マスターQを質量比36:61:3の割合で混合して使用した。
【0082】
上記原料を使用して、基層/表層(積層厚み比11:2)とする以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み13μmの二軸配向フィルムを得た。
【0083】
(実施例5)
有機顔料を含有する層(基層)と、含有しない層(表層)の2層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルXと、顔料マスターAと、顔料マスターEと、顔料マスターFを質量比60:15:15:10で混合して使用した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルXを使用した。
【0084】
各々混合したポリエステル樹脂を個別に、真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、別々の単軸押出機に供給、280℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて基層/表層(積層厚み比130:20)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ、フィルム厚み150μmの未延伸フィルムを得た。
【0085】
(実施例6)
着色剤を含有する層(基層)と、含有しない層(表層)の3層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルWと、ポリエステルZと、顔料マスターAと、顔料マスターCと、顔料マスターDと、顔料マスターEと、粒子マスターPを質量比24:40:8:10:4:10:4で混合して使用した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルXと、粒子マスターPを質量比96:4の割合で混合して使用した。
【0086】
各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、別々の単軸押出機に供給、280℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて表層/基層/表層(積層厚み比1:10:1)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0087】
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向に3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度215℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
【0088】
(実施例7)
ポリエステルXと、顔料マスターAと、顔料マスターGを質量比70:20:10で混合し、真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させフィルム厚み100μmの未延伸フィルムを得た。
【0089】
(実施例8)
着色剤を含有する層(基層)と、含有しない層(表層)の2層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルZと、顔料マスターFと、顔料マスターGと、粒子マスターPを質量比79:10:10:1で混合して使用した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルXと、粒子マスターPを質量比98:2の割合で混合して使用した。
【0090】
上記原料を使用して、基層/表層(積層厚み比18:2)とする以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み20μmの二軸配向フィルムを得た。
【0091】
(比較例1)
着色剤を含有する層(基層)と、含有しない層(表層)の2層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルXと、顔料マスターAと、粒子マスターPを質量比66:30:4で混合した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルXと粒子マスターPを質量比96:4の割合で混合して使用した。
【0092】
上記原料を使用して、実施例1と同様にしてフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
【0093】
(比較例2)
ポリエステルWと、顔料マスターGと、粒子マスターPを質量比80:15:5で混合し、真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムとした。
【0094】
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度215℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み20μmの二軸配向フィルムを得た。
【0095】
(比較例3)
有機顔料を含有する層(基層)と、含有しない層(表層)の3層積層フィルムとした。基層を構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルXと、顔料マスターAと、顔料マスターDと粒子マスターQを質量比46:20:4:30混合した。表層を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルXと粒子マスターQを質量比70:30の割合で混合して使用した。
【0096】
各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、別々の単軸押出機に供給、280℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて表層/基層/表層(積層厚み比2:16:2)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0097】
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度95℃で長手方向に3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度215℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み20μmの二軸配向フィルムを得た。
【0098】
【表1】

【0099】
【表2】

【0100】
【表3】

【0101】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の着色ポリエステルフィルムは、基材に貼り合わせて使用したり、フィルムそのものを加工して、容器などに成形して使用するなどの、成形加工用途に適している。本発明の着色ポリエステルフィルムを使用した成形品は、意匠性に非常に優れており、また易洗浄性にも優れているため、高い意匠性を長く保つことができる。このため、具体的には包装材料、包装容器などに適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの少なくとも片面の光沢度が70〜200であり、かつJIS−Z−8722に基づくa値、b値が以下の(A)式を満たすことを特徴とする着色ポリエステルフィルム。
100≧|a|+|b|≧5 …(A)
【請求項2】
JIS−Z−8722に基づくa値、b値が以下の(B)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の着色ポリエステルフィルム。
50≧|a|+|b|≧15 …(B)
【請求項3】
JIS−Z−8722に基づくa値、b値、L値が以下の式(C)〜(E)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の着色ポリエステルフィルム。
20≧a≧−50 …(C)
50≧b≧−20 …(D)
80≧L≧30 …(E)
【請求項4】
全光線透過率が50%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム。
【請求項5】
無機顔料を、着色ポリエステルフィルム全体を100質量%として、0.1〜30質量%含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム。
【請求項6】
フィルム中の顔料質量比が以下の(F)式を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム。
0.95≧(白色顔料)/(全顔料)≧0.2 ・・・(F)
【請求項7】
着色ポリエステルフィルム全体を100質量%として、オリゴマーを0.1〜0.8質量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム。
【請求項8】
少なくとも基層ポリエステル(I)層、表層ポリエステル(II)層の2層以上からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム。
【請求項9】
表層ポリエステル(II)層全体を100質量%として、表層ポリエステル(II)層中にエチレンテレフタレート環状三量体を0.1〜0.5質量%含有することを特徴とする請求項8に記載のポリエステルフィルム。
【請求項10】
表層ポリエステル(II)層中に、着色剤を含まないことを特徴とする請求項8または9に記載のポリエステルフィルム。
【請求項11】
フィルムの融点が246〜270℃であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項12】
二軸に配向していることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム。
【請求項13】
成形加工用途に使用することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の着色ポリエステルフィルム。

【公開番号】特開2007−45895(P2007−45895A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−230451(P2005−230451)
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】