説明

知識構造のマッピングを使用した管状器官を測定する方法

あらかじめ定義されたテンプレート構造を使用し、それを器官のイメージングデータセットにマッピングすることにより、自動的に構造臨床レポートを生成するための様々な方法(CTあるいはMRスキャンのような)が提供されている。テンプレートあるいは知識構造は、管状器官の一般的な構造を記述し、特定器官あるいは関心領域のための測定または量の受諾可能な範囲に関連する従来知識に基づいている。関心の器官は元の画像断面から区分される。本発明の実施例において、対応する中心線が計算され、管状器官の骨格が作成される。抽出された中心線に基づき、知識構造(テンプレート)は、器官データにマッピングされる。所望の測定がテンプレートに定義されるので、実際の測定は構造のために自動的に計算される。そのような測定は3次元の環境で更に純化され、別の使用のための構成臨床レポートを形作るのに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関連する申請書として、2004年11月26日に提出された米国の申請書番号60/631,266の利点を主張する。
【0002】
本発明は、医学イメージングの分野に関連し、より詳しくは、知識構造のマッピングを使用するテンプレートにマッピング可能な変数を測定し、解剖構造を対話的に視覚化するための様々な方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
技術の進歩を活用して、医療手順計画および診断は、仮想の環境で行うことができる。洗練された診断走査療法、例えば、人体の領域の多くのX線断層が得られる放射線医学のプロセスであるコンピュータトモグラフィ(CT)の出現により、スキャンによって、三次元容積測定のデータセットが患者の人体の所定の領域での様々な構造を表すことが可能なとなるように、所定の患者について相当なデータ得ることができる。このような三次元容積測定のデータセットは、ユーザーが色々な方法での任意視点から三次元容積測定のデータセット内の任意の点を見ることが可能な公知の容積レンダリング技術を使用して、表示することが可能である。
【0004】
この現象が生じた一つの領域は、手順計画の目的のための、大動脈、結腸のような管状内部人体構造の検査にあった。 従来の方法は、得られた2Dの断面内で管の直径を測定する。 しかし、これらの断面の向きは、測定の下で管状構造に必ずしも直角でない。この限定は、不正確な直径および長さの測定の原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
異なる外科計画手順のため、解剖考察の対応するセットがある。異なった手順および解剖考察の数を与えられて、構成された臨床レポートは、異なった目的に合わせられた測定の数と位置を制御するために、必要とされる。しかし、この分野のほとんどの現在のソフトウェアは、構造を手動で測定するか、または構造内の点を自動的に測定するが、どこを測定するか決定するのは、ユーザーに任せる。このように、医者か他のユーザーは、異なった場合のために必要とするすべての変数を覚えなければならない。従って、現システムには少なくとも2つの欠点がある:(1)ユーザーは余分な測定をする; または(2)ユーザーは不十分な測定をする。 さらに、完全な臨床レポートを得るために、ユーザーは集中的して対話操作を行わなければならない。
【0006】
従って、必要なことは、自動測定、および、異なる器官あるいは関心領域のためにテンプレートを利用する解剖構造のための表示システムである。例えば、腹部の大動脈瘤のステントする領域に供給されるのにこの分野で求められるものは、腹部の大動脈瘤と構造マッピングの自動測定と視覚化を提供する技術と表示モードである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
あらかじめ定義されたテンプレート構造を使用して構成された臨床レポートを自動生成し、それを器官のイメージングデータセットにマッピングする様々な方法(CTあるいはMRスキャンのような)が提案されている。テンプレートあるいは知識構造は、例えば、管状器官の一般的な構造を表し、特定器官または関心領域のための測定または量の受諾可能な範囲と関連している以前の知識に基づいている。関心の器官は、元のイメージの断面から分割される。本発明の実施例において、対応する中心線は計算でき、管状器官の骨格も作成することができる。抽出された中心線に基づいて、知識構造(テンプレート)を、器官データにマッピングが可能である。必要とされる測定がテンプレートに定義されるので、実際の測定を、その構造のために自動的に計算することができる。このような測定を、3次元の環境において更に純化し、さらに、構成された臨床レポートを形成するために使用することができる。
【0008】
ここにおいて、元はカラーが使用されていた図のグレースケールのものしか許されていない。したがって、元の内容を十分に記述するために、図の色を参照するのに、どんな要素あるいは構造が記述されているか示すために付加的な記述を行っている。
【0009】
様々な方法およびシステムが、器官データにあらかじめ定義された知識構造をマッピングすることによって、構成された臨床レポートを自動的に発生させるために提供される。 このような方法およびシステムは、必要な測定を行い、ユーザーの対話操作の量を減らす。 本発明の実施例において、管状器官の一般的な構造を記述するテンプレート(すなわち知識構造)が、測定節点の中の測定の受諾可能な範囲および比率の以前の知識に基づいて定義することが可能である。測定節点は、測定の点とタイプが定義される知識構造内の節点である。例えば、点は、その点での最大、最小の直径を測定する知識構造の初めで定義できる、あるいは、角度測定が、知識構造内の任意の3点に対し定義することができる。さらに、本発明の実施例において、知識構造の重要な節点を識別することができる。 重要な節点は、付加的な測定条件を含む測定節点である。その測定条件は、測定条件を有することができる支援された測定(例えば、長さ、面積、容積および角度)である重要節点と関連付けることができる。その重要節点の仕様は、その測定点での測定のための合格条件を定義する。
【0010】
本発明の実施例において、例えば、器官の端で点を設定することにより、器官の望ましい断面を、ユーザーは定義することができる。このような実施例においては、対応する中心線を、定義された点を使用する骨格として生成させることができる。抽出された中心線に基づいて、知識構造(すなわち、テンプレート)を、実際の器官データにマッピングすることが可能である。テンプレートに定義された与えられた器官のための必要な測定点を有することが、測定プロセスが自動化されることを可能とする。 これらの自動化された測定が、さらなる使用のために構成された臨床レポートを形成するのに使用することができる。いくつかの実施例において、様々な立体表示モードを使用して立体的に、あるいは、自動立体的に表示される三次元環境で、この測定が編集され、純化される。 実施例において、重要節点で規定された条件を合格しなかったそれらの測定は、ユーザーのために識別することができる。また、テンプレートによって規定された許容範囲あるいは比率の外にある測定は、ユーザーの注意を引くようにさせられる。
【0011】
実施例において、この方法およびシステムは、腹部の大動脈瘤を測定し、適切なステント選択を支援するために、使用される。この測定は、ステントデータベースから、または特注のステント製作に使用するために、最適のステントを選択するために使用することができる。
【0012】
本発明の実施例において、新しいシステムおよび方法が、知識構造のマッピングを使用する符号構造備えて、器官の測定および視覚化のために提供される。これらの実施例は、例えば、手術計画に使用される。腹大動脈のような管状構造で何が続くか、本発明の方法を図示するのに使用される。 しかし、本発明の方法およびシステムは、知識構造あるいはテンプレートにマッピングすることが可能な構造符号を有するあらゆる解剖構造に同様に適用する。
【実施例1】
【0013】
図1は、知識構造を規定し、自動測定を実行し、測定および測定の確認をさらに純化するために編集するための方法の例を図示する。 本発明の実施例において、この方法は、腹部の大動脈瘤の測定そして評価に使用される。 この方法の工程は、以下に詳しく記述されている。
【0014】
実施例において、構成された臨床レポートは、あらかじめ定義されたテンプレートの構造を使用することによって生成することができる。このようなテンプレートの構造は、人間の解剖学の測定または比率の知られている範囲を捕捉する数理モデルである。これらは、関心のある管状構造(例えば、人間器官)のイメージングデータセットにマッピングすることができる。本発明の実施例において、イメージングデータセットはCT、MR、超音波のイメージング技術、または他の適切なイメージング技術を使用することによって得ることができる。いくつかの実施例においては、スキャンからの得られたデータが許容可能な範囲あるいは比率の外にあるかどうか決定するための確認ツールとして、これらのテンプレートの構造が作用する。そのような確認の工程はユーザーによって選ばれるか、あるいは自動的に行うことができる。 例示のシステムは、データが許容可能な範囲あるいは比率から外れているならば、ユーザーに警告し、新しいデータセットを得る必要があると提唱する。
【0015】
実施例の一つにおいて、腹部の大動脈瘤のステント移殖選択のために、3つの処理段階を利用することができる。これらの処理段階は、次の例を含むことができる:(1)知識構造の定義、(2)自動化された測定(テンプレートマッピング)、(3)自動化された測定を純化するための後処理の測定編集、そして(4)測定の確認。
【0016】
知識構造を定義することは、図1内の100で表示されている例示の方法の第一ステップである。本発明の実施例において、複数の測定および値の許容可能な範囲は、腹部の大動脈瘤のステント計画工程の間に考慮される。これらの測定は、計画工程で使用される知識構造の部分である。このような知識構造は、例えば、立案者がスキャンデータ測定が適切であるか否か、あるいは新しいスキャンが行われなければならないか否かを決定することを可能にする。
【0017】
図2は、腹部の大動脈瘤の場合およびステント計画工程に使用されるテンプレートのための測定点の例を図示している。この例示のテンプレートでは、動脈壁へ移殖に安定した注入の部位を提供するためには、患者は、腎動脈の下で、および動脈瘤の上で、1.5から2cmの頚部の正常な大動脈有している。大動脈の頚部は直径がおよそ26ミリメートルまたは以下で、血栓はない。さらに、動脈瘤および大動脈の頚部が正常な大動脈と成す角度は一般に60度未満である。外側の腸骨および共通の腸骨動脈であるアクセス動脈は、装置を受け入れるのに十分に、より大きくなければならない。従って、その寸法は一般に直径で7ミリメートルを超えるべきである。しかし、外側の腸骨の直径がおよそ7ミリメートルより小さいなら、共通腸骨動脈の切断は、キャリアの配置のために行う。切断により、直径をキャリアの配置を可能にするように拡大することができる。
【0018】
再度、図2のテンプレートを参照し、移殖用の肢部のための「着地区域」のとして利用される共通腸骨動脈は、直径でおよそ13ミリメートルまたは以下である。さらに、共通腸骨動脈の角部が過大であるなら、ステント移殖キャリアの前進に障害となる。例示のシステムにおいて、この角部が過大なら、ユーザーは警告される。さらに、大動脈の長手方向の軸線と共通の腸骨動脈間の角度は、問題なく分岐された内部移殖(endograft)の配置のために一般に45度未満であるべきである。また腸骨肢部が逆テーパーと成る直径20ミリメートルまでの抹消部の配置がよく利用され、供給されることに注意するべきである。
【0019】
本発明の実施例による、腹部の大動脈瘤のための知識構造を定義するのに有用な、図2には示されていない、複数の測定がある。例えば、低い側の腎動脈から大動脈の分岐点への長さは、1つのそのような測定である。さらに、左の腸骨動脈の端部への低い側の腎動脈の長さ、低い側の腎動脈から右の腸骨動脈の端部への長さ、および動脈瘤の長さは、知識構造の定義に有用であろう。
【0020】
本発明の実施例において、大動脈瘤の容積は、知識構造で規定され、測定することができる。 左右の共通腸骨動脈の最小直径、左右の外側の腸骨動脈の最小直径、大動脈の頚部の長さ、そして、左右の腸骨動脈の角度のようなテンプレートのいくつかの構成要素は、患者がステント注入を受けることができるかどうか、決定する。これらの測定点は、各々の重要節点が関連条件付きテストを有する重要節点として識別される。例えば、共通の腸骨動脈の最小直径のための条件付きテストは、直径が7ミリメートル以上であるかどうかである。これらの条件付テストは、ステント注入の適合性を決定し、最適のステントを検索するため使用される。いくつかの実施例において、一つ以上のテストが行われる必要がある状態を評価するため、重要節点と提携する1つ以上のテストがある。例えば、通常、共通腸骨動脈の直径は7ミリメートルから13ミリメートルの範囲にあり、大動脈の長手方向の軸線と成す角度は45度未満である。
【0021】
図1に戻って、102は、実施例の方法あるいは自動測定のための本発明を詳しく述べている。これは、例えば、107の楕円マッピングと108のテンプレートマッピングとに沿った103の中心線の抽出を含む。自動測定工程は、腹部の大動脈瘤の血管拡張(endovascular)修理のための測定を提供する。この自動測定工程は、4つのユーザー定義の点に沿った入力として断層法イメージを使用する:一つは、腎動脈の上、一つは、低い側の腎動脈のちょうど下、一つは、左の外側の腸骨動脈の端部で、そして、一つは、右の外側の腸骨動脈の端部。これらの入力を使用して、ステント計画に使用する長さ、直径、角度および容積を生成することができる。
【0022】
本発明の実施例において、腹部の大動脈瘤は、元の断層法イメージの断面から分割でき、関心部分の中心線を抽出することができる。この中心線に基づいて、脈管の直径、長さ、および角度が計算される。動脈瘤の最も大きい部分、大動脈の分岐点、そして共通および外側の腸骨動脈の最も小さい部分が、同様に自動的に検出される。
【0023】
取得された断層法スキャンデータ(例えば、CTあるいはMRイメージデータ)を使用して、容積は図示され、イメージが表示される。本発明の実施例において、表示されたイメージは立体または自動立体である。腹部の大動脈瘤のステント計画工程のために関心領域の自動測定を促進するため、4点がユーザーによって入力される:一つは、腎動脈の上、一つは、低い側の腎動脈のちょうど下、左の外側の腸骨動脈の端部、および一つは、右の外側の腸骨動脈の端部。ユーザーがこの4点を選んだ後、例示のシステムは、自動的に必要な長さを測定できる。左右の腸骨動脈と同様に、腹部大動脈の直径と、それらの間の角度の自動測定が行われる。これらの測定が、腹部の大動脈瘤の血管拡張(endovascular)修理のために適切なステントを決定するために使用される。
【0024】
図1の103は、最初の分割104、中心線の抽出105および円滑化106を含む全体の中心線の抽出工程を示す。中心線の抽出103は、例えば、さらなる測定のための基礎になる動脈瘤の中心線を抽出するために、断層法断面および3つのユーザー定義の点を利用できる。
【0025】
4つのユーザー定義の点の輝度に基づいた最初の分割104において、適応性のある閾が決定され、大動脈を区分するためのアルゴリズムへの入力変数として使用される。4点の最大、最小の輝度が、閾を決定するために使用される。最大、最小の輝度の値が与えられて、領域指定の値が、閾範囲を生成するために加算あるいは減算される。例えば、4点の最大、最小輝度の値が75と120ならば、たとえば、60−135の適応性の閾範囲を得るために、それぞれ、15の領域指定値をこれらの価値から加算、あるいは減算される。
【0026】
図1の中心線の抽出105は、図3でさらに詳細が示される。中心線の生成のために、細線化のアルゴリズムにより、区分された大動脈の骨格が得られる。実施例において、26とおりの平行簡略方法が実行される。中心線が区分されたデータの中心に正確に置かれることを確実にするために、このアルゴリズムは3Dでボクセルを対称的に取除くことができる。 代わりの実施例では、例示の方法が、6とおり、18とおり、および26とおりの点結合性を使用するボクセルを検討している。いくつかの例で、細線化の方法が一般に表面の滑らかさおよびノイズに非常に敏感であるので、場合によっては予想外の分岐がある。例えば、表面の単一のボクセル「隆起」あるいは「穴」は、主要な中心線から逸脱する分岐をもたらす。
【0027】
あらかじめ定義された3つの脈管のボクセル点によって、中心線は、骨格上の点の間を追跡することによって、ステップ500で抽出される。
【0028】
図3の中心線の抽出300の320は、境界点を分類し、それらを処理のために記録する。320は、図4で更に詳しく述べる。それらを参照し、それぞれ相互に、区分された動脈瘤データ内の全てのボクセルは422で点検される。ボクセルが、(背景ボクセルが、適応性のある閾範囲の外で輝度が落ちるボクセルとして定義される)背景にある26の近接するボクセル節点のどれかの近接点を有しているならば、424で境界点として分類され、426でそれぞれの配列に記録される。与えられたボクセル点Aのため、点Aに中心を置かれた3x3x3の立方体内にあるボクセルは、Aの26近接点である。本発明の実施例において、境界点は、近接点が背景ボクセルであることに拠る26の異なるタイプに分類することができ、境界点は、後の処理のため、それぞれの配列に記録することができる。
【0029】
ボクセル点が420で分類された後、図3および5に示されるように、単純境界点は440決定される。単純境界点である境界点は、データから取り除かれる。図5の542は、そのような点が取り除かれるか否かを決定する。単純境界点は、もしデータから取り除かれたとき、トポロジーの方法でその26近接点の連結性を変えることのない境界点である。境界点は、544および546の両方の条件が満足されていれば、取除いてもトポロジー的に問題はない。さらに、544は、そのボクセル点Aを取り除いた後、3x3x3領域のオイラーの特徴が、同一に保たれているか否かを定める。与えられた点に対し、実施例による点Aと無背景近接点の配置により、オイラーの値が計算される。その値が同一に保たれるなら、その点を取り除くことは、近接点の連結性に影響を与えない。 ステップ544の条件が満たされるならば、546で、無背景の近接点が、境界点を取り除いた後、3x3x3近接領域内の経路により依然として接続されているか否かを決定できる。この条件が同様に満たされるならば、この点は、550で単純境界点として分類され、データから取り除かれる。544あるいは546での条件のいずれも満たされなければ、548でこの点は単純境界点ではないと定めることができ、よって、データセットから取り除かれない。
【0030】
再び図3に戻って、単純境界点をチェックした後、中心線の抽出300の次のタスクは、360で細線化の操作を実行することである。本実施例において、一つボクセル点幅骨格がひとつだけ保持される場合、細線化作業は停止する。各相互作用において、26の方向での境界点の削除は、特定の対称的な順序で実行される。例えば、これは、骨格を可能な限り正確に脈管の中心に保つことを確実にする。例えば、「左の」方向に分類された境界点は消去され、続いて、「右の」方向の境界点が消される。この操作は、一つのボクセル点幅骨格だけ残ったとき、停止する。
【0031】
単一点分類のためのテンプレートの組を使用する多くの典型的な方法と比べて、上に記述されている例示の方法は、より正確な中心線の骨格を生成する。しかし、それは、中心線の骨格の誤った分岐を生成する傾向をより大きくする。
【0032】
図3の参照を続け、中心線の抽出300の操作380は、特定の脈管を追跡するために使用することができる。骨格が生成された後、境界点分類320から3ボクセル点を使用して、骨格上で結合された最短の経路を、中心線として抽出することができる。細線化操作360から生成された骨格は、実施例において、重み付けされていない図である。従って、標準的な幅優先探索(BFS: Breadth First Search)は、最短接続経路を定める。この幅優先探索アルゴリズムは、中心線の追跡にも使用することができる。
【0033】
図3−5に示され、上で記述されている中心線の抽出に加えて、次の例示の擬似コードが、本発明の実施例における中心線の抽出を実行するために使用することができる。
細線化:
Do
{
For each point in the volume
{
if the point is a border point in 26 directions
{
store the point in the respective arrays (26 arrays)
}
}
For each border point stored in the 26 arrays,
{
If (IsSimpleBorderPoint(x, y, z))
{
remove the point from the array
remove the point from the volume
}
}
}while(there still are points removable)

Find the points on skeleton nearest to the 3 defined points:

Center_line_1 = Breadth_First_Search(skeleton, point1, point2);
Center_line_2 = Breadth_First_Search(skeleton, point1, point3);
【0034】
幅優先探索は、特定のボクセル源から到達可能なすべてのボクセルに触れる一連の結合されたボクセルを通した探査を実行する。さらに、探査の順序は、アルゴリズムが、近接点の近接点への前進の前に、ボクセルの近接点のすべてを探ることである。幅優先探索の考え方の一つの方法は、水たまりに落ちる石から出る波のように拡大することである。同じ「波」内のボクセルは、ボクセル源から同じ距離である。ここにおいて、「距離」は、ボクセル源から最短経路でのボクセルの数として定義される。
【0035】
図1に再度戻り、中心線の抽出103の次の操作は平滑化106である。平滑化106は、線の中心線の特性を維持しながら、小さい摂動および間違った分岐を取除くように、実行される。例えば、ある実施例では、平滑化106は、本発明の実施例の最初の中心線点についてガウス平滑を行うことができる。ガウス平滑は、中心線の点の最初の中心化を、他の典型的な平滑技術よりよく保存する。他の平滑技術がガウス平滑に代替可能ではあるが、殆んどは普通ガウス平滑により達成されると同様ないい結果を生まない。
【0036】
本発明の実施例の代替において、McMasterのスライド平均は、ガウス平滑の代わりに使用される。この方法は、点の平均位置を計算するために、最初の点および近接点を取り、この新しい位置に最初の点を動かす。第2の点およびその近接点に進み、この新しく設定された点の平均位置を計算し、この新しい位置に第2の点を移動し、この工程を繰り返す。これらの新しい平均の点をすべて結合することにより中心線が作成される。
【0037】
更なる代替の実施例において、平滑化は、図6に示されたような例示の平滑工程を使用して、実施される。これを参照して、610での代替の平滑工程は、中心線上の特徴点(湾曲が比較的大きい)を見つけ出す。次に、620で、得られた特徴点に基づいて、中心線をパラメータで表すために、区分的Bスプライン合わせが実行される。2つの節点が与えられて、通常のBスプライン合わせが、例えば、この2点を連結するのに使用される。2つの制御点が決定され、全中心線の連続性を維持することにより、2つの節点を結合する最もよく合う線を計算するために、これらの制御点が使用される。
【0038】
本発明の代替の実施例において、2段平滑方法(図7、8に示す)が、上記の技術を使用する代わりにノイズを取り除くために使用される。区分的Bスプラインを使用する形成技術が、より平滑な中心線を作成することをできるが、しかし、それは中心線がより不正確になる原因となり、とりわけ、細くあるいは非常に大きい湾曲がある脈管に対して。後で記述され、図7および8に示される代替の2段平滑方法は、上述の方法よりも平滑さは低い中心線を形成するが、中心線の中心化特性を保持できる。本発明の実施例おいて、正確な中心線は、腹部の大動脈瘤のステント選択の目的のため正確な測定を達成するために望ましい。
【0039】
2段平滑方法は、節点の近接点に基づいて3つのタイプとして、線の節点を分類する:タイプ1は中心線に沿う両側に近接点がある;タイプ2は片側に近接点がある;そしてタイプ3は近接点を有しない。この方法において、第1段は、すべてのタイプ1の点に低域フィルタを適用する。実施例において、この低域フィルタは、重さ付けされた近隣平均を利用し、タイプ1の点の新しい位置が近接点の重み付き平均の位置によって定められる。より近い近接点はより高い重み付けがされ、より離れた近接点はより低い重み付けがなされる。この段の後に、タイプ1の点でのいくつかの高周波摂動は取除くことができる。
【0040】
次に、タイプ1およびタイプ2の点の位置は、二つの接続された線分間の角度が実施例で与えられた閾より大きいことを確保するために中心線に沿って調節される。これは、過度の平滑化のための中心線の変形を低減するためと、線の方向での急な変化を避けるために、実行される。図7を参照し、二つの結合された線分ライン1、ライン2の間の角度が与えられた閾より大きければ、角度の頂点の点Pが、短い横軸(ライン1)の長さと等しい段長さを有する長い横軸(ライン2)に沿って移動可能である。この工程は、角度が要求を満たすまで続けられる。
【0041】
図8は、本発明の実施例による2段平滑化アルゴリズムに基づいて、線がどのように平滑化されるかを図示する。ライン(a)は、はじめのラインで、タイプ1の点は赤で、タイプ2の点は黄色で、タイプ3の点は黒で示されている。図8のライン(b)は、2段平滑化方法の第一段の後に、タイプ1の(赤い)点でのノイズをどのように取り除くことが可能か示している。図8のライン(c)は、ラインの急な方向変更を避けるため、タイプ1の点のラインに沿った動きを示す。タイプ1およびタイプ2の両方の点が、この位置調節のための候補であることが注意される。しかし、この例においては、タイプ2の2つの点だけが、移動規準に従って移動する。
【0042】
図1の中心線の抽出103の完了において、自動測定処理200は、楕円マッピング107と共に続く。楕円マッピングの構成部分は、図9に示されている。本発明の実施例において、楕円マッピングが、中心線に垂直な画像面上の所定の位置で血管の直径を測定するために使用されている。楕円マッピングは、血管の最大径、最小径、および面積を測定するために使用される。工程700は、動脈瘤の中心線上の点および入力として腹部の大動脈瘤のボクセルデータを利用し、血管のある特定の位置で、長軸が最大の直径を表し、短軸が最小の直径を表す楕円を生成する。
【0043】
図9に示すように、920は、所定の中心線の点に中心を置き、その中心線に垂直である、区分された容積に基づく画像面を抽出する。次に、中心線の点に基づいて、940で、エッジ検出を結合する区域成長アルゴリズムに基づく種が、血管を区分するために各2D画像面について実行される。実施例において、その画像面上のエッジを配置するために、Cannyエッジ検出が適用され、種点(中心線の点)から成長する区域のため制約としてこれらのエッジを使用する。Cannyエッジ検出方法は最適のエッジ検出を行う。最初に、画像ノイズを平滑、除去し、画像の階調を得ることによりエッジの強さを見つけ、エッジの方向を得る。次に、エッジの方向に、エッジに沿って追跡し、エッジであると考えられないピクセル値を除去するために、非最大削除がなされる。最後に、エッジ連結手段として、発見方法が使用される。Cannyエッジ検出の後、細い連続的なエッジが配置される。
【0044】
このエッジが種点を十分に囲まないときは、区域の成長は、その周囲の範囲から外に漏れる。従って、実施例では、このような漏れを避けるために、停止基準が適用される。種点周りのエッジ点の平均輝度は、閾として使用される。これらのエッジ点は、種点に最も近いラインである連続的なエッジライン上にすべて配置される。カルシウムの存在は、時として、血管区域の内側に偽のエッジの原因になることがある。最も近いエッジがカルシウムのために(種点と比較して非常に大きい平均輝度のために)形成されたならば、それは除去することができる。実施例において、最も近いエッジラインの探索は、最も近く高い確率の血管のエッジに達するまで続けられる。この高い確率の血管のエッジは、種点に非常に類似している平均輝度を有する。
【0045】
本発明の実施例において、種に基づく区分化のため、以下の例示の擬似コードが使用される:
For each image plane and its seed point (centerline point),
CannyEdgeDetection (srcImage、edgeImage);
Loop until the nearest high probability vessel edge around seed point is reached
{
FindNearestEdgeLine(seed、edgeImage、edgeLine);
averageIntensity = ComputeAverageIntensity (edgeLine、srcImage);
if((averageIntensity - seedIntensity) > CALCIUM_THRESHOLD)
EliminateCalciumEdge (edgeImage、edgeLine);
Else
Break;
}
regionGrowThreshold = averageIntensity;
segmentedRegion = SeedBasedRegionGrowing (seed、srcImage、edgeLine、regionGrowThreshold);
【0046】
この擬似コードにおいて、CannyEdgeDetectionは、元の画像(srcImage)からの2進数画像であるエッジ画像(edgeImage)を生成する。FindNearestEdgeLineは、CannyEdgeDetectionのより生成されたエッジ画像に基づいて、種点のまわりの最も近い連続エッジライン(edgeLine)を見つける。ComputeAverageIntensityは、種点のまわりの最も近いエッジライン上のエッジ点の平均輝度を計算し、SeedBasedRegionGrowingは、エッジ画像および停止規準(輝度の閾-regionGrowThreshold)に基づき血管区域を区分する。図10は、この区分化アルゴリズムのいくつかの結果を示す。
【0047】
再度、図9に戻り、実施例の楕円の長軸、短軸および原点を見つけるために、楕円マッピング107のプロセス960は、区域の点に主成分解析(PCA)を適用する。PCAは、多分関連する多くの変数を、主成分と呼ばれる無関連のより少ない変数に変換させる数学的方法である。(固有ベクトルおよび固有値を含んでいる)最初の主成分は、データにて、できるだけ多くの変異性を占め、それぞれ続く成分が、できるだけ多くの残りの変異性を占める。従って、PCA変換の後、得られた固有ベクトルに沿った分散は極端(最大および最小)であり、無関連である。
【0048】
実施例において、PCAの性質は、楕円のマッピングを達成するのに使用される。血管の区域の点の位置が、PCAの入力として集められる。点の位置の共分散マトリックスの分解の後、第一の固有ベクトルは、点分布の変動が最高である方向を示し、第2の固有ベクトルは、点分布の変動が最低である方向を示す。従って、第1の固有ベクトルは最大の直径をどこで測定するかを示唆し、第2の固有ベクトルは最小の直径をどこで測定するかを示唆する。実施例において、第1及び第2の固有ベクトルは、楕円の長軸および短軸の方向として使用され、楕円の原点として平均位置を使用する。
【0049】
楕円マッピングの典型的な方法は、パラメータで表された楕円モデルを血管の区域に合わせ、合わせ誤差を最小にすることである。画像処理において、PCAは、特徴(多変動)の寸法を減らすのに使用され、楕円マッピングのためによく使用される。但し、それの背後の数学に基づいて、この方法は、特徴が主に分布される最適の方向を提供できる。上記の実施例で記述されているように、PCAは、ほとんど、あるいは最少の血管のエッジ点が置かれる方向を提供する。これらは楕円の軸線の方向である。
【0050】
実施例において、楕円マッピングにPCAを使用することのいくつかの利点がある。第一に、PCAは、点の分布の最適の方向を提供する。また、PCAの統計的な性質のために、それはノイズの妨害を避けることができる。さらに、楕円マッピングのためにPCAを使用することにおいて、低い計算の費用がある。PCAの計算の複雑性は、nをエッジ点の数とすると、O(n)である。
【0051】
図9の980に戻り、長軸、短軸に沿った直径を測定する。実施例において、エッジ点は原点の二つの側に軸線に沿って分けられ、2つのグループ間の最も短い間隔を直径として測定する。
【0052】
本発明の実施例において、(図1、107および図9に関連し記述されているように)楕円マッピング地図のための以下の例示の擬似コードが使用される:
SegmentBloodVesselRegion (seed, image, resRegion);
ComputeConvarianceMatrix (resRegion, covariance);
Decomposition (covariance, eigenvectors, eigenvalues);
ellipseOrigin = LocateEllipseOrigin (eigenVectors);
For each eigenvector,
{
FindEdgePointsOnTwoSides (edgePointsOnLeftSide, edgePointsOnRightSide);
diameter = FindShortestDistance();
}
【0053】
SegmentBloodVesselRegionは、記述されている実施例の種ベースの区域成長方法を使用する。区域点はresRegionに記憶され、ComputeConvarianceMatrixは区分された区域の中の点の位置の共分散マトリックスを計算する。分解は、共分散マトリックスの2つの固有ベクトルおよび固有値を計算する。EdgePointsOnTwoSidesは、固有ベクトルに沿うエッジ点を見つけ、それらを二つの側(edgePointsOnLeftSide、edgePointsOnRightSide)に分ける。図11は、例示の楕円マッピングの結果を示している。
【0054】
図1に再度戻って、108は、テンプレートマッピングに関連する。本発明の実施例において、この方法は、ステント計画のためのすべての必要な測定がされることを保障するため、動脈瘤の容積の上に測定したテンプレートをマッピングする。この自動化されたマッピングの工程の一つ利点は、手動測定の退屈な仕事を減らすことができることである。さらに、実施例のデータベースから最適合のステントが自動的に選択されることである。108での処理は、ステント計画および選択に必要である自動化された測定(例えば、直径、長さ、角度および容積)をするために平滑にされた中心線および区分された動脈瘤の容積を利用する。
【0055】
図12は、テンプレートマッピングの方法の例を示す。テンプレートマッピング1200の1205は、腎動脈(第一のユーザー定義点)の上の直径と、基部の移殖部(第2のユーザー定義点)での直径を測定し、1210は、基部の移殖部(距離は中心線に沿って計測される)の15ミリメートル下での直径を決定する。次に、1215と1220で、大動脈の分岐点が検出され、その大動脈の分岐点の直径(末端の頚部の径)が測定される。いくつかの実施例において、大動脈の分岐点の位置は自動的に検出することができる。自動検出は、複数の観察に基づいている。例えば、楕円マッピングの後、楕円の原点は、対応する中心線の節と一致しない。しかし、マッピング区域が円のようであればあるほど、楕円の原点と中心線の節との間の距離はより小さくなる。自動検出に対するもう一つの考察は、分岐点近くでマッピングされる区域が大動脈に沿った他の所でより円に類似していないかどうかである。さらなる考察は、二つの連結円状分岐点よって形成されたように、分岐点の近くの区域が「8」のような形状かどうかである。二つの円状の分岐点の間の連結が非常に細ければ(例えば、1つまたは2つのピクセルのように)、楕円マッピングはその区域の中のエッジ点を検出できる。従って、得られた楕円の直径は、より大きい分岐点の直径に近く、得られた楕円の原点は、より大きい分岐点のための中心線の節に近い。このとき、探索がより小さい分岐点の中心線に沿って続けると、対応する中心線の節は、得られた楕円の外側で見つけられる。楕円のマッピングの前の単純な形態学的開始操作が、弱く結合された分岐点を分割することにより、この問題を避けることができる。実施例において、二つの基準が、解剖的分岐点を見つけるために、利用される。第一に、楕円の原点から中心線の点への偏差は、比較的大きく、第二に、解剖的分岐点の近くの直径が突然変化することである。この大動脈の分岐点の自動検出は、本発明の実施例の工程1215で起こる。
【0056】
本発明の実施例において、大動脈の分岐点の検出のための次の擬似コードが使用可能である:
For each centerline node inferior to centerline bifurcation and superior to centerline end
{
EllipseMapping (centerline_node, centerline_node_tangent);
If centerline_node is outside of the ellipse,
{
Opening(mapping_slice);
EllipseMapping(centerline_node, centerline_node_tangent);
}
if (Distance(ellipse_origin, centerline_node) > average_distance *
THREHOLD_RATIO1) and (nextDiameter < diameter * THRESHOLD_RATIO2)
{
bifurcation_location = centerline_node;
break;
}
}
【0057】
上記の例示の擬似コードにおいて、centerline_nodeは、中心線の点を示し、centerline_node_tangentは、centerline_nodeで接線の方向を示す。 average_distanceは、楕円の原点から中心線の節への各腸骨の中心線に沿った距離の標準偏差として計算することができる。THREHOLD_RATIO1およびTHREHOLD_RATIO2は、領域内の特定の価値である。例えば、THREHOLD_RATIO1は、腹部の大動脈瘤データのための望ましい比率として3.0およびTHREHOLD_RATIO2は、2/3が設定される。 THRESHOLD_RATIO1は、中心線の節から楕円の原点の距離の比率を表し、THRESHOLD_RATIO2は、中心線に沿った連続した直径の変化の率を表す。
【0058】
本発明の実施例において、腸骨分岐点の位置は、図12の1230での自動的に検出することができる。腸骨分岐点の検出は、少なくとも2つの理由のため、大動脈の分岐点の検出と異なっている。第一に、大動脈の分岐点を検出するために、(それぞれ左および右の腸骨動脈)の2つの中心線を利用することができる。但し、腸骨分岐点を追うと、外側の腸骨動脈の中心線だけ抽出される。第二に、腸骨動脈に動脈瘤がある可能性がある。従って、大動脈の分岐点の第2の仮定、解剖的分岐点の近くの直径は突然変わる、は、腸骨分岐点を識別するのに、もはや使用されていない。例えば、腸骨動脈瘤の端部は、またその条件を満たすことができる。それ故に腸骨分岐点を見つけるための規準は、以下のように変更される:第一に、楕円の原点から中心線の点への偏差は、分岐点の後で突然になくなり、第二に、分岐点は円でない。第一の規準は、動脈瘤の可能性を取り除く。第二の規準は、中心線の抽出の工程からノイズを取り除くのを助ける。中心線の抽出の誤差が顕著なとき、偏差は非分岐点の部分で大きい。但し、通常、非分岐点の部分の断面は、分岐点の部分の断面よりも、円に近い。それ故に、中心線の抽出のノイズは、断面の円形性を検査することによって、濾過することができる。腸骨動脈に規準を適用する前に、ノイズろ過の工程は、楕円マッピングから生成されるノイズを取り除くために絶対必要である。
【0059】
本発明の実施例において、腸骨分岐点の検出のための例示の擬似コードは以下のとおりである:
For each centerline node inferior to aorta anatomic bifurcation and superior to the subjective end of external iliac artery
{
EllipseMapping(centerline_node, centerline_node_tangent);
Compute_Deviation_From_Centerline_Node();
Compute_NotCircular_Degree();
}
Filtering_Noise_From_EllipseMapping (ellipses);
maxDeviation = 0;
For each ellipse,
{
if((currentDeviation < THRESHOLD1 * prevDeviation
and (currentDeviation > meanDeviation)
and (currentDiameter < prevDiameter)
and (currentNotCircularDegree > THRESHOLD2)
and (currentDeviation > maxDeviation))
{
maxDeviation = currentDeviation;
possible_bifurcation_location = prev_centerline_node;
}
}
bifurcation_location = possible_bifurcation_location;
【0060】
上記の例示の擬似コードにおいて、centerline_nodeは、中心線の点を示し、centerline_node_tangentは、centerline_nodeで接線方向を示す。Compute_Deviation_From_Centerline_Node()は、楕円の原点から中心線の節への各腸骨中心線に沿う距離の標準偏差を計算することである。
【0061】
Compute_NotCircular_Degree()は、各楕円に対し長軸/短軸の比率を計算することである。程度がより大きいほど、円形性はより小さくなる。
【0062】
Filtering_Noise_From_EllipseMapping()は、楕円マッピングにより発生する顕著な誤差をろ過する機能である。THREHOLD1およびTHREHOLD2は、領域内の特定の値である。例えば、THREHOLD1は2/3とし、THREHOLD2が1.2として設定される。
【0063】
図12の1225で、動脈瘤本体の最大直径は測定される。実施例において、この直径の測定は、近位の移殖場所のおよそ15ミリメートル下の点から大動脈の分岐点に亘ってなされる。次に、左右の共通腸骨動脈および外側の腸骨動脈の最小直径は、図12の1235と1240で測定される。1245で、左右の外側の腸骨動脈(ユーザーが定義する第2と第3の点)の端部の直径が測定される。より低い腎動脈から大動脈の分岐点への、中心線に沿う長さは1250で測定される。次に、より低い腎動脈から左右の共通腸骨動脈の分岐点への長さは1255で測定される。より低い腎動脈から左右の腸骨動脈の端部への長さは、1260で測定される。近位頚部の角度は、1265で測定され、左右の腸骨の角度は、本発明の実施例における1270で測定することができる。
【0064】
これらの例示の測定の完了に、1275で、発症記録に規定されているすべての測定が条件を満たしているかどうか確認される。測定のどれかが、条件テストを合格しないならば、視覚フィードバックおよび通告が、ユーザーに提供される。最後に、1280で、上記の測定に基づいて、最適なステントがステントデータベースから決定される。本発明の実施例において、ユーザーは合わせ公差を設定することができる。最適なステントとは、自動化された測定にできるだけ密接に一致し、ユーザーによって規定された以上でない合わせ公差を有するものである。要求を満たすステントが入手できないならば、特注のステントを製造するための元として使用することができる測定レポートは生成される。
【0065】
図1に戻り、実施例において、109で測定編集が実行され、それは図15でさらに詳しく述べられる。実施例において、1520で、直径の測定は編集され、3D環境での測定の改善を可能にする。図16に示されているように、この例示の3D環境は、ユーザーが、同じような2D環境においてよりも、腹部の大動脈瘤の測定を編集する大きい自由度を有することができる。実施例において、この3D環境は、立体あるいは自動立体表示システムを利用するかもしれない。直径、長さおよび角の測定の利用による変更された測定は、腹部の大動脈瘤のレンダリングされた画像を移動し、サイズ調整し、回転することによりって形成される。
【0066】
例示の編集工程の間に、測定のための断面は、測定位置で表示される。ユーザーは、直径の測定を編集する。移動操作において、ユーザーは、中心線に沿う直径の測定を移動させる。図17(a)は、移動操作前の楕円の直径を示し、図17(b)は、楕円が近位頚部へ遠くなる移動工程の後の楕円の直径を表す。新しい位置が決定されると、新しい測定をするために、自動計算(楕円マッピング)が行われる。直径の測定の移動は、中心線に沿った上と下の2つの直径の測定の間の範囲内に制限される。
【0067】
ユーザーが3D環境でサイズ調整操作を実行したいならば、楕円の直径の寸法と形は変わるかもしれない。楕円の形状を変えるためには、ユーザーは楕円の軸を選択し、所望の位置にその軸をドラッグすればよい。楕円の寸法を変えるためには、ユーザーは、軸の上あるいは近くを除く楕円の任意の位置を選択すればよい。図18(a)は、サイズ調整操作前の楕円の直径を示す。図18(b)に戻り、楕円は、拡大されたサイズ調整後が示されている。実施例において、楕円は、再形成されている。図19(a)は、再形成前の楕円の直径を示し、図19(b)は、再形成後の直径を表している。図19(b)では、長軸上のドラッグした点は、新しい位置に置かれ、楕円は再計算される。
【0068】
さらに、ユーザーがフリーハンドの移動(例示のシステムの画像の手動による移動)によって対応する中心線のまわりで直径の楕円を回転することを可能にする3D環境で、ユーザーは回転操作を実行する。図20(a)は、回転操作前の楕円を示し、図20(b)は、楕円の方向が調節される回転操作の後の楕円を表す。方向の調節において、自動計算(すなわち楕円マッピング)が、新しい測定をするため実行される。
【0069】
図15に戻り、直径の測定は上記されているように編集され、対応して、長さの測定は1540で編集される。一般に、ユーザーが長さの測定を直接編集することは必要ない。近位の移殖場所での、大動脈の分岐点での、あるいは左右の腸骨動脈の端部での楕円が移動されると、対応する長さの測定が自動的に再計算される。
【0070】
直径および長さの測定の編集に加えて、角の測定が、図15の1560で同様に編集される。本発明の実施例において、ユーザーは、選択し、角度のどちらかの横をドラッグすることにより、図21に示されるように、角度の測定を変更することができる。
【0071】
図1に再度戻り、最終的な処理操作は測定110を確認することであり、それは、前の工程でなされた直径、長さおよび角度の測定が正確であることを確認するために使用することができる。
【0072】
いくつかの方法が、測定の結果を確認するために使用される。一つの実施例において、フリーハンドによる確認が使用されている。このモードでは、ユーザーは、あらゆる方向の血管のあらゆる位置に切断面を置くことができる。図22に示されるように、元のデータ輝度を有する、対応する得られた断面が、切断面の中心に示されている。従って、ユーザーは、元のデータに対してその測定がどう合っているか検査できる。
【0073】
他の実施例において、断面で案内された確認が、測定を確認するために使用されている。このモードでは、図23に示すように、確認が、中心線によって案内される。このために、3つのスライダーバーが、それぞれ動脈瘤本体、左の腸骨動脈および右の腸骨動脈のために使用される。ユーザーがスライダーバーを動かすと、中心線の点に中心を置き、中心線に垂直を保つ切断面が、その中心線を通して自動的に移動する。中心線の位置での元の切断は、切断面の中心に示される。確認工程の間に、切断面は最適の視野角度を達成するために、常にユーザーに面する。
【0074】
更に別の実施例では、測定を確認するのに、「フライスルー」 (測定を用いる血管「フライスルー」)を用いて案内された確認が使用される。このモードでは、ユーザーは、大動脈の内部からの脈官とその測定を見ることができる。経路は、中心線によって支配される。それ故に、ユーザーは、血管の中から測定を確認できる。このモードは、ユーザーに大動脈の中からの動脈瘤のトポロジーと幾何学の確証を与える。
【0075】
本発明の実施例において、あらゆる3Dデータセットの表示システムを使用することができる。例えばシンガポールのVolume Interactions株式会社により提供されているDextroscope(商標)は、本発明の実施例のための優れたプラットホームである。上記の機能は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組合せで、実行することができる。
【0076】
本発明は、実施例と実施に関連して、例として記述されている。従って、腹部の大動脈瘤に関連して記述されているどの機能性でも、例えば、大きな血管あるいは、心臓または肝臓のような、器官あるいは管腔に適用することができる。それは、器官への知識構造のマッピングが、調査の下での器官に依存する異なった記号構造を含むと理解される。本発明の範囲あるいは精神から実質的に離れないで、適切な分野で通常の技術を持っている者は、例示の実施例あるいは実施への修正が容易に成されることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一つの実施例による、知識構造マッピングを使用して腹部の大動脈瘤を測定するための工程を示す。
【図2】本発明の一つの実施例による、腹部の大動脈瘤の計画工程の例示の測定テンプレートを示す。
【図3】本発明の一つの実施例による、図1の工程105中心線の抽出の工程を詳しく示す。
【図4】本発明の一つの実施例による、図3に示されている工程320の構成部分である境界点の分類の工程の更なる詳細を示す。
【図5】本発明の一つの実施例による、図3の工程340に示されている単純点の検査の更なる詳細を示す。
【図6】本発明の一つの実施例による、図1の平滑工程106の平滑方法の詳細を示す。
【図7】本発明の一つの実施例による、代替の2段平滑方法を示す。
【図8】本発明の一つの実施例による、代替の2段平滑方法を示す。
【図9】本発明の一つの実施例による、図1の工程107のための楕円マッピング方法の詳細を示す。
【図10】本発明の一つの実施例による、エッジ検出を用いる種ベースの区域成長方法を結果を示す。
【図11】本発明の一つの実施例による、楕円マッピングの結果を示す。
【図12】本発明の一つの実施例による、図1のテンプレートマッピング工程108の詳細な工程を示す。
【図13】本発明の一つの実施例による、腹大動脈および腸骨動脈のテンプレートマッピングの結果を示す。
【図14】本発明の一つの実施例による、大動脈の分岐点と腸骨の分岐点の自動検出結果を示す。
【図15】本発明の一つの実施例による、図1の測定編集工程109の詳細な工程を示す。
【図16】本発明の一つの実施例による、3Dインターフェイス編集を示す。
【図17】(a)は本発明の一つの実施例による、移動工程前の楕円の直径を示すし、(b)は移動の後の楕円の直径を示す。
【図18】(a)は本発明の一つの実施例による、サイズ調整工程前の楕円の直径を示し、(b)は楕円のサイズ調整をされた直径を示す。
【図19】(a)および(b)は、本発明の一つの実施例による、整形前および整形後の楕円の直径を示す。
【図20】(a)は本発明の一つの実施例による、回転工程前の楕円を示し、(b)は回転後の楕円を示す。
【図21】本発明の一つの実施例による、角測定編集を示す。
【図22】本発明の一つの実施例による、測定のフリーハンド確認を示す。
【図23】本発明の一つの実施例による、断面で案内された確認を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
知識構造のテンプレートを規定すること、
中心線の抽出を実行すること、
楕円マッピングを実行すること、
テンプレートマッピングを実行すること、の工程を有する
ことを特徴とする知識構造のマッピングを使用した管状器官を測定する方法。
【請求項2】
測定を編集すること、その測定を確認すること、の工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記中心線の抽出が、
境界点を分類すること、処理のためにその境界点を保存すること、
単純境界点のために、前記境界点を調査すること、
細線化操作を実行すること、
所定の管状器官を追跡することの工程を有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記境界点を分類することが、ボクセルが背景の中に近接点を有するか否かを決定することの工程をさらに有することを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
単純境界点のための調査することが、ボクセル点を取り除くのに安全か否かを決定することの工程をさらに有することを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記ボクセル点を取り除くのに安全か否か決定することが、前記ボクセル点を取り除いた後、該ボクセル点のオイラーの特徴が同等であるか否かを決定すること、そして、非背景のボクセル点の近接点が経路により接続されているか否かを決定することの工程を有することを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記中心線の平滑化を行うことの工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記中心線の平滑化を行うことが、ガウスの平滑化であることの工程を有することを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記平滑化が、前記中心線上の特徴点を検出すること、抽出された該特徴点に基づいて、中心線をパラメータで表すために区分的Bスプライン合わせを実行することの工程を有することを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記平滑化が、前記中心線上の前記特徴点をタイプごとに分類すること、節点の第1のタイプに低域フィルタを付加すること、そして、前記中心線に沿った点の第1のタイプと第2タイプの位置を調節することの工程を有することを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記楕円マッピングが、区分容積に基づく画像面を引き出すこと、該区分容積の各画像面のエッジ検出を用いる種ベース区域成長技術を利用すること、前記楕円の長軸、短軸、原点を見つけるため区域点上の原理部品の分析を適用すること、そして、前記長軸、前記短軸に沿った直径を測定することの工程を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記テンプレートマッピングが、基部の移殖サイトでの直径を測定すること、基部の移殖サイトの下位の直径15mmを測定すること、大動脈の分岐点での直径を測定すること、基部の移殖サイトの下位の直径15mmの点から前記大動脈の分岐点に向かって為される、動脈瘤本体の最大直径の測定をすること、左右の外側の腸骨動脈の端部の直径を測定すること、前記大動脈の分岐点の下位であり前記腸骨動脈の端部の上位である左右の前記腸骨動脈の最小直径を測定すること、より低い腎動脈から前記大動脈の分岐点への前記中心線に沿う長さを測定すること、より低い腎動脈から左右の腸骨動脈の端部への長さを測定すること、基部の頚部角度を測定すること; そして、左右の腸骨動脈を測定することの工程を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記大動脈の分岐点が自動的に検出されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記知識構造テンプレートにおけるすべての測定条件が満たされているか否中か検証することの工程をさらに有することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
ステントデータベースから最も適合するステントを決定することの工程をさらに有することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記測定を編集することが、中心線に沿って直径の測定を移動すること、自動的に楕円を再マッピングすることの工程を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記測定を編集することが、楕円の直径の寸法と形状とを変化させることの工程を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記測定を編集することが、前記中心線周りに楕円の直径を回転させることの工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記測定を編集することが、楕円の長さの測定を編集することの工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記測定を編集することが、角度の測定を編集することの工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記測定を確認することが、フリーハンドにより確認することの工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記測定を確認することが、断面表示により案内されて確認することの工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記測定を確認することが、フライスルーにより案内されて確認することの工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項24】
器官の解剖組織上の記号を備える知識構造のテンプレートを規定すること、
主要記号の特徴の抽出を実行すること、
幾何学構造のマッピングを実行すること、
テンプレートマッピングを実行すること、の工程を有する
ことを特徴とする器官データに規定された知識構造をマッピングする方法。
【請求項25】
前記器官が、管状構造であることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記主要記号の特徴が、一つ以上の管状構造の中心線を備えることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記幾何学構造が、前記一つ以上の管状構造の内側あるいは外側管腔の断面に対応する楕円構造であることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記器官が、心臓であることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項29】
前記主要記号の特徴が、左右の心室の静脈および動脈の幾何学的で、空間的な変数を含んでいることを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記主要記号が、静脈および動脈の中心線を含んでいることを特徴とする請求項29記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2008−521461(P2008−521461A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542001(P2007−542001)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056273
【国際公開番号】WO2006/056613
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(503427359)ブラッコ イメージング ソチエタ ペル アチオニ (19)
【氏名又は名称原語表記】BRACCO IMAGING S.P.A.
【Fターム(参考)】