説明

研削装置

【課題】大型の玉軸受の玉の軌道及びリニアガイドのレールにおける玉転動溝等を精度良く超仕上げ加工する研削装置を提供する。
【解決手段】研削装置は、2つの横ロッド5,6、2つの縦ロッド14a,14b、砥石30保持用ホルダ15、及び縦ロッドホルダを横ロッドに揺動可能に連結する揺動軸31a,によ平行リンク機構7を有し、1の縦ロッドは一端が外で揺動伝達軸39に固定され、他の縦ロッドは一端が揺動伝達軸側で揺動可能に従動軸38に支持され、ホルダは、揺動伝達軸の側に砥石を保持可能で、そのときの砥石の揺動中心軸とホルダを横ロッドに連結する揺動軸との位置関係の全てが、揺動伝達軸と1の縦ロッドを横ロッドに連結する揺動軸との対応する位置関係、及び従動軸と他の縦ロッドを各横ロッドに連結する各揺動軸との対応する各位置関係のいずれにも同一となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受等の玉軸受の玉の軌道として設けられた溝、およびリニアガイドのレールに設けられた玉転動溝等の超仕上げ加工を行う研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
玉軸受の内輪の外周面および外輪の内周面に設けられる、玉を転動させるための環状の溝(軌道)は、玉軸受の回転精度の向上、玉軸受からの騒音、振動の軽減および玉軸受の耐久性の向上等を図るために、超仕上げ加工されるのが好ましい。また、リニアガイドにおいても、同様に、玉転動溝は超仕上げ加工されるのが好ましい。
この軌道の超仕上げ加工を行う場合、外輪の内側に設けられた軌道の超仕上げは、外輪の内側から軌道に対して超仕上げ砥石を押圧し、外輪の軸心に直交する方向に揺動させて行われる。このような超仕上げ加工のために、図12,13に示されるような研削装置81が使用されている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
研削装置81は、超仕上げ砥石82を保持する砥石保持アーム83、および砥石保持アーム83を保持する揺動伝達アーム84を備える。超仕上げ砥石82の先端は、外輪Wにおける軌道85の内面の湾曲に対応した湾曲面となっている。
砥石保持アーム83は、全体が略「コ」字状であって、一端86に超仕上げ砥石82を保持する。揺動伝達アーム84は、略「L」字状であって、一端88に砥石保持アーム83の他端87側を保持する。砥石保持アーム83は、揺動伝達アーム84の他端89側の側方に位置するように配される。揺動伝達アーム84の他端89側は、砥石揺動用モータ90に連結されて、砥石揺動用モータ90の正逆回動とともに揺動する。
【0004】
超仕上げ砥石82、砥石保持アーム83、揺動伝達アーム84および砥石揺動用モータ90は、砥石揺動用モータ90の駆動軸の延長線SA上に超仕上げ砥石82の先端の湾曲面の湾曲中心が位置するように組み立てられている。研削装置81は、このように構成されることにより、砥石揺動用モータ90の正逆回動に伴って超仕上げ砥石82が砥石揺動用モータ90の駆動軸の延長線SAを中心として揺動する。
研削装置81は、砥石保持アーム83が略「コ」字状に形成され、揺動伝達アーム84が略「L」字状に形成されていることにより、超仕上げ砥石82を外輪Wの内側の軌道85に押圧させた状態で砥石揺動用モータ90の駆動軸の延長上に超仕上げ砥石82の揺動中心を配することが可能となり、超仕上げ砥石82を揺動させて超仕上げ加工を行うことができる。
【0005】
なお、研削装置81では、外輪Wは、超仕上げ加工時にワーク回転用モータ91によってその軸心AC回りに回転される。
【特許文献1】特開平3−121771号公報
【特許文献2】特開2005−118962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
研削装置81は、砥石揺動用モータ90の駆動軸の延長線SA上に超仕上げ砥石82の揺動軸を配するように形成するために、砥石揺動用モータ90と超仕上げ砥石82とを連結する砥石保持アーム83および揺動伝達アーム84を採用する。砥石保持アーム83および揺動伝達アーム84は、外輪Wの外方で連結されて伸びる方向を変えながらクランク状に砥石揺動用モータ90に連結される。そして、外輪Wの外方における砥石保持アーム83および揺動伝達アーム84のいずれの部分も、揺動する時に外輪Wに当たることがないように、外輪Wから距離L1,L2を保って配される。
【0007】
このような研削装置81は、例えば風力発電機のプロペラに使用される大型の玉軸受における外輪Wの軌道を超仕上げ加工する場合には、外輪Wとの適度な距離L1,L2を保つために各部の長さが長い大型の砥石保持アーム83および揺動伝達アーム84が必要となる。
一方、砥石保持アーム83および揺動伝達アーム84の長い各部の撓みを軽減して超仕上げ砥石82の揺動時の位置を精度良く保つためには、各部の断面二次モーメント(断面積)を増加させねばならず、そうすると砥石保持アーム83および揺動伝達アーム84の慣性モーメントを増加させることになる。大きな慣性モーメントの砥石保持アーム83および揺動伝達アーム84を有する研削装置81は、大型化するという問題だけではなく、超仕上げ砥石82の円滑な揺動(振動)を実現するのが容易ではないという問題がある。
【0008】
また、自動化機器、電子機器および半導体機器等に頻繁に使用されるリニアガイドにおいても、走り精度の向上、騒音、振動の軽減および耐久性の向上に、スライダおよびレールにおける玉転動溝の超仕上げ加工は有効な手段である。しかし、リニアガイドのレールにおける玉転動溝は、レールの長手方向に沿って伸びている。図14に示されるように、このようなレールWBの玉転動溝85Bを従来の研削装置81で超仕上げ加工する場合、超仕上げ砥石82と揺動伝達アーム84の他端89との距離L1によって加工可能なレールWBの長さが制約されるという問題がある。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、大型の玉軸受の玉の軌道およびリニアガイドのレールにおける玉転動溝等を精度良く超仕上げ加工することができる研削装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る研削装置は、複数の横ロッド、1つ以上の縦ロッド、超仕上げ砥石を保持するためのホルダ、ならびに前記縦ロッドおよび前記ホルダを前記横ロッドに略直交させて揺動可能に連結する複数の揺動軸により形成された平行リンク機構を有し、1つの前記縦ロッドはその一端部が前記平行リンク機構の外部で駆動装置により正逆回動される揺動伝達軸に固定されており、前記ホルダは、前記揺動伝達軸が設けられた側に研削面が存在するように前記超仕上げ砥石を保持可能であって、かつ前記超仕上げ砥石を保持したときの前記超仕上げ砥石の揺動中心軸と前記ホルダをそれぞれの前記横ロッドに連結する各前記揺動軸との位置関係のすべてが、前記揺動伝達軸と前記1つの縦ロッドをそれぞれの前記横ロッドに連結する各前記揺動軸との対応するそれぞれの位置関係と同一になるように前記横ロッドに連結されている。
【0011】
好ましくは、前記横ロッドの長手方向の一方の端部に前記ホルダが連結されており、前記横ロッドの長手方向の他方の端部に前記揺動伝達軸に固定された前記1つの縦ロッドが連結されており、前記横ロッドの前記ホルダと前記1つの縦ロッドとの間に他の縦ロッドが連結されており、前記他の縦ロッドは、その一端部が前記揺動伝達軸が設けられた側において揺動可能に従動軸に支持され、かつ前記従動軸と前記他の縦ロッドをそれぞれの前記横ロッドに連結する各前記揺動軸との位置関係のすべてが、前記揺動伝達軸と前記1つの縦ロッドをそれぞれの前記横ロッドに連結する各前記揺動軸との対応するそれぞれの位置関係と同一である。
【0012】
好ましくは、前記複数の横ロッドは、それぞれにおける前記ホルダ、前記1つの縦ロッドおよび前記他の縦ロッドと連結する前記揺動軸が同一の仮想平面上に存在するように構成されることにより、前記超仕上げ砥石の揺動中心軸が、前記揺動伝達軸および前記従動軸を含む仮想平面上に形成される。
前記研削装置では、先端に凸状または凹状の湾曲する研削面を備え、湾曲する前記研削面の法線が前記揺動中心軸と交わるように前記ホルダに保持された超仕上げ砥石が使用される。
【0013】
前記ホルダは、前記超仕上げ砥石をそのロッドとするシリンダ装置としてもよい。
本発明における「横ロッド」および「縦ロッド」は、研削装置において水平に配されたロッドおよび垂直に配されたロッドに限られず、例えば、横ロッドが水平から45度傾斜されたものまたは垂直に伸びたものであり、縦ロッドがこの横ロッドに略直交させて連結されたものである場合も含まれる。そのような縦ロッドおよび横ロッドを有する研削装置であっても、水平に配された横ロッドおよび垂直に配された縦ロッドを有する研削装置と同じ機能を有し作用効果を奏する。
【0014】
また、ここでいう「対応するそれぞれの位置関係」が同一とは、例えば平行リンク機構が4節の平行リンク機構である場合、縦ロッドおよび第1の横ロッドを連結する第1の揺動軸、縦ロッドおよび第2の横ロッドを連結する第2の揺動軸、ならびに揺動伝達軸の位置関係が、ホルダおよび第1の横ロッドを連結する第3の揺動軸、ホルダおよび第2の横ロッドを連結する第4の揺動軸、ならびに超仕上げ砥石の揺動中心軸の位置関係と同一であること、つまり、第1の揺動軸と第2の揺動軸との距離、第1の揺動軸と揺動伝達軸との距離、ならびに第2の揺動軸と揺動伝達軸との距離が、第3の揺動軸と第4の揺動軸との距離、第3の揺動軸と超仕上げ砥石の揺動中心軸との距離、ならびに第4の揺動軸と超仕上げ砥石の揺動中心軸との距離にそれぞれ等しいことをいう。この位置関係の基準はそれぞれの軸心である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、例えば大型の玉軸受の玉の軌道およびリニアガイドのレールにおける玉転動溝等を精度良く超仕上げ加工することができる研削装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は研削装置1の正面図、図2は研削装置1の平面図、図3は研削装置1におけるシリンダ装置15の側面断面図、図4は制御装置4の概略図である。
図1および図2において、研削装置1は、本体装置2、駆動装置3および制御装置4等からなる。
本体装置2は、4つの横ロッド11a,11b,11c,11d、2つの第1連結部材12a,12b、2つの第2連結部材13a,13b、2つの縦ロッド14a,14b、シリンダ装置15およびベース(台)16等で構成される。
【0017】
4つの横ロッド11a,11b,11c,11dは、いずれも同一の細長い矩形状の金属の板材である。横ロッド11a,11b,11c,11dは、長手方向の両端近傍および中央に、それぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔17a,18a,19a,17b,18b,19b,17c,18c,19c,17dを備えている。横ロッドロッド11a,11b,11c,11dのそれぞれに設けられた3つの貫通孔(例えば貫通孔17a,18a,19a)の軸心は同一の仮想平面上に存在する。
横ロッド11a,11b,11c,11dは、2つがそれぞれの表面を対向させて平行に並べられ、その間に第1連結部材12a,12bおよび第2連結部材13a,13bを介在させて一体化されている。
【0018】
第1連結部材12a,12bは、上下左右の三方向のうち一方向から見た形状が「H」字状であり、他の一方向から見た形状が矩形であって、各部分が一体として厚板で形成されたものである。第1連結部材12aは、横ロッド11a,11bのそれぞれの長手方向の一方の端近傍における貫通孔17a,17bと中央における貫通孔18a,18bとの間で、「H」字状の面がそれぞれ横ロッド11a,11bの対向する面に当接されて、複数のボルトによって横ロッド11a,11bと一体化されている。他の第1連結部材12bも、同様にして2つの横ロッド11c,11dと一体化されている。
【0019】
第2連結部材13a,13bは、矩形の厚板で形成されている。第2連結部材13aは、横ロッド11a,11bのそれぞれの長手方向の中央における貫通孔18a,18bと他方の端近傍における貫通孔19a,19bとの間で、矩形の長辺両側面がそれぞれ横ロッド11a,11bの表面に当接され、複数のボルトによって横ロッド11a,11bと一体化されている。他の第2連結部材13bも、同様にして他の2つの横ロッド11c,11dと一体化されている。
2つの横ロッド11a,11bおよび2つの横ロッド11c,11dの間にそれぞれ介在する第1連結部材12a,12bおよび第2連結部材13a,13bは、いずれの幅も等しく、横ロッド11a,11b,ロッド11c,11dのそれぞれの全体形状は同一である。また、横ロッド11a,11bと第1連結部材12a、第2連結部材13aとの一体化物(以下「第1ロッド部5」という)、および横ロッド11c,11dと第1連結部材12b、第2連結部材13bとの一体化物(以下「第2ロッド部6」という)において、長手方向の両端近傍および第1連結部材12a,12bと第2連結部材13a,13bとの間(長手方向中央部分)には十分な隙間が確保されている。
【0020】
本発明における横ロッドは、第1ロッド部5および第2ロッド部6を指すものである。
縦ロッド14a,14bは、底面が矩形である程度の長さを有する略四角柱の外観であり、両底面の長辺部分が面取りされている。縦ロッド14a,14bは、高さ方向(長手方向)の一方の端近傍および中央近傍にそれぞれ底面の長辺方向に貫通する揺動軸孔20a,21a,20b,21bを備え、他方の端近傍に、揺動軸孔20a,20b等と同方向に貫通する固定軸孔22a,22bを備えている。
シリンダ装置15は、略四角柱の外観を有するシリンダ23を備えたエアシリンダーである。シリンダ23の互いに逆方向を向く2つの外周面には、いずれにも2つの深溝玉軸受24a,24b,24c,24dがシリンダ23の軸方向に並べて埋め込まれ、それぞれの外輪がシリンダ23に固定されている。4つの深溝玉軸受24a,24b,24c,24dは、シリンダカバー25側の2つの深溝玉軸受24a,24bの軸心が同一線上にあり、ロッドカバー26側の2つの深溝玉軸受24c,24dの軸心も同一線上となるように配されている。
【0021】
各深溝玉軸受24a,24b,24c,24dの内輪には、保持部材27a,27b,27c,27dの径小部28が嵌め込まれて固定されている。なお、保持部材27a〜27dは、円柱状の径小部28、および径小部28の一方の底面に連続し径小部28よりも径が大きく径小部28の軸心の延長上に軸心を有する円柱状の径大部29からなる。
シリンダ装置15のロッドは超仕上げ砥石30で形成されている。超仕上げ砥石30の先端面は、研削対象である例えば深溝玉軸受の外輪の(凹状の)軌道における表面の湾曲に略等しい湾曲する凸状の湾曲面46(図1参照)となっている。
【0022】
本発明におけるホルダはシリンダ装置15をいい、本発明におけるホルダを横ロッドに連結する各揺動軸は、保持部材27a,27b,27c,27dをいうものである。また、本発明における研削面は、超仕上げ砥石30の先端の湾曲面46である。
以上説明した第1ロッド部5、第2ロッド部6、2つの縦ロッド14a,14bおよびシリンダ装置15により、研削装置1の平行リンク機構7が形成される。
ここで、本体装置2における平行リンク機構7の構成について説明する。
第1ロッド部5と第2ロッド部6とは、一方の横ロッド11a,11bと他方の横ロッド11c,11dとをそれぞれ対向させて、かつそれぞれの間に距離が設けられて平行に配されている。
【0023】
一方の縦ロッド14aは、揺動軸孔20a側が、第1ロッド部5の第1連結部12aと第2連結部13aとの間、および第2ロッド部6の第1連結部12bと第2連結部13bとの間に、差し入れられている。縦ロッド14aは、揺動軸孔20aの軸心を横ロッド11a,11bの貫通孔18a,18bの軸心に一致させ、揺動軸孔21aの軸心を横ロッド11c,11dのそれぞれにおける中央の貫通孔18cの軸心に一致させて、第1ロッド部5および第2ロッド部6を揺動可能に支持する。
他方の縦ロッド14bは、揺動軸孔20b側が、第1ロッド部5の第2連結部13a側の端部の2つの横ロッド11a,11bの間、および第2ロッド部6の第2連結部13b側の端部の2つの横ロッド11c,11dの間に、差し入れられている。縦ロッド14bは、揺動軸孔20bの軸心を横ロッド11a,11bのそれぞれの貫通孔19a,19bの軸心に一致させ、揺動軸孔21bの軸心を横ロッド11c,11dのそれぞれの第2連結部13b側の端部近傍の貫通孔19cの軸心に一致させて、第1ロッド部5および第2ロッド部6のそれぞれの端部を揺動可能に支持する。
【0024】
縦ロッド14a,14bによる第1ロッド部5および第2ロッド部6の揺動可能な直接の支持は、軸心を一致させたそれぞれの貫通孔17a〜19a,17b〜19b,17c〜19c,17dおよび揺動軸孔20a,21a,20b,21bを貫通し両端が抜け止め処理された軸部材31a,31b,32a,32bによりなされている。軸部材31a,31b,32a,32bは、本体装置2が揺動動作するときの揺動軸となる。
また、軸部材31a,31b,32a,32bは、本発明における揺動軸に相当する。
シリンダ装置15は、シリンダカバー25側に配された各保持部材27a,27bのそれぞれの径大部29,29が、第1ロッド部5における第1連結部材12a側の端部の貫通孔17a,17bに嵌め込まれている。また、ロッドカバー26側に配された各保持部材27c,27dのそれぞれの径大部29,29は、第2ロッド部6の横ロッド11c,11dにおける第1連結部材12b側に設けられた貫通孔17c,17dに嵌め込まれている。シリンダ装置15は、このようにして第1ロッド部5および第2ロッド部6に保持されることにより、第1ロッド部5および第2ロッド部6のいずれに対しても揺動可能となっている。
【0025】
シリンダ装置15のシリンダ室47は、作動流体である空気の圧力を制御する圧力制御装置に連通されている。
組み合わされた第1ロッド部5、第2ロッド部6、2つの縦ロッド14a,14bおよびシリンダ装置15は、連結された相手に対して正逆回動可能な間接を6つ有する6節の平行リンク機構7を形成する。
平行リンク機構7においては、常に、第1ロッド部5と第2ロッド部6とは平行であり、2つの縦ロッド14a,14bの軸心およびシリンダ装置15の軸心の方向が一致している。また、2つの縦ロッド14a,14bの固定軸孔22a,22bは、これらの軸心が含まれる仮想平面が、常に第1ロッド部5に取り付けられた2つの軸部材31a,31bの軸心およびシリンダ装置15のシリンダカバー25側の保持部材27,27の軸心が含まれる仮想平面と平行である。
【0026】
横ロッド11a,11b,11c,11d、第1連結部材12a,12b、第2連結部材13a,13b、縦ロッド14a,14b、およびシリンダ装置15は、いずれも慣性重量を減少させるためにアルミニウムで製作されている。また、第1連結部材12a,12bおよび第2連結部材13a,13bは、軽量化を図るために円形の肉抜き処理がなされている。
装置本体2における第1ロッド部5と第2ロッド部6とは同一形状であり、縦ロッド14aと縦ロッド14bとも同一形状であるが、これらの一方またはいずれも別形状としてもよい。
【0027】
ベース16は、平行リンク機構7を支持する支持部33および駆動モータ34を固定する基部35を有する。
支持部33は、互いに平行に隔てられていずれも基部35から垂直に立ち上がる2つの肉厚の矩形板状部分36a,36bで形成される。
基部35は、平面視で長方形の形状を有し、長手方向の一方の側略半分で支持部33と連続し、他方の側に駆動モータ34が固定されている。
なお、基部35から立ち上がるそれぞれの矩形板状部分36a,36bは、基部35の長手方向に伸びている。
【0028】
ベース16(支持部33)による平行リンク機構7の支持は、次のようにして行われている。
矩形板状部分36a,36bは、それぞれが長手方向の両端部に貫通する孔37a,37bを有する。矩形板状部分36a,36bのそれぞれの長手方向一方の孔37a,37aにおけるそれぞれの軸心は同一線上にあり、他方の孔37b,37bのそれぞれの軸心も同一線上にある。長手方向一方側の孔37aの軸心と他方側の孔37bの軸心との距離は、平行リンク機構7における縦ロッド14a,14bの固定軸孔22a,22bの軸心の距離に等しい。
【0029】
2つの矩形板状部分36a,36bの間に平行リンク機構7における縦ロッド14a,14bの固定軸孔22a,22bが設けられた側が差し入れられている。
矩形板状部分36aの一方の孔37a、縦ロッド14aの固定軸孔22a、および矩形板状部分36bの一方の孔を従動軸38が貫通している。従動軸38は、矩形板状部分36a,36b(ベース16)に対して縦ロッド14aを揺動可能に支持する部材である。従動軸38は、固定軸孔22aに固定され、矩形板状部分36a,36bのそれぞれの孔37a,37aに玉軸受により回動可能に支持されている。従動軸38は、固定軸孔22aに回動可能に保持されたものとしてもよい。
【0030】
また、矩形板状部分36aの他方の孔37b、縦ロッド14bの固定軸孔22b、および矩形板状部分36bの他方の孔37bを揺動伝達軸39が貫通している。揺動伝達軸39は、固定軸孔22bに固定され、それぞれの孔37b,37bに玉軸受により回動可能に支持されている。揺動伝達軸39は、矩形板状部分36aの孔37bからさらに外方に伸び、伸びた部分には従動プーリ40が固定されている。
駆動装置3は、駆動モータ34、駆動プーリ41、タイミングベルト42および従動プーリ40からなる。
【0031】
駆動モータ34は、ACサーボモータである。駆動モータ34は、駆動軸43を揺動伝達軸39と平行にしてベース16の基部35に固定されている。駆動軸43には駆動プーリ41が取り付けられている。駆動プーリ41は、タイミングベルト42により従動プーリ40と連結されている。駆動プーリ41の径は従動プーリ40の径と同一であり、例えば、駆動プーリ41は、1回転することにより従動プーリ40を1回転させる。
本発明における駆動装置は、駆動モータ34に相当する。
制御装置4は、コントローラ44およびサーボアンプ45等からなる。
【0032】
コントローラ44は、種々の演算処理を行うCPU、超仕上げ加工条件の記憶およびサーボアンプ45を制御するためのプログラム等を記憶するRAM、大容量磁気ディスク等の記憶装置、超仕上げ加工条件等を入力しかつ超仕上げ加工の状況を表示させる入出力装置(タッチパネル)および異常を知らせる警報装置等からなる。
コントローラ44は、予め入力された超仕上げ砥石30の揺動運動の基準傾斜角度(揺動幅の中央の角度)α、揺動角度β、揺動数および加工時間等に従って、サーボアンプ45に対し駆動モータ34の制御を指示する。また、コントローラ44は、駆動モータ34だけではなく、圧力制御装置に対して超仕上げ砥石30がワークの被研削面を押圧する圧力を指示する。
【0033】
次に超仕上げ加工時の研削装置1の動作を説明する。
図5は研削装置1による深溝玉軸受の外輪Wの軌道85を超仕上げ加工する様子を示す図である。
研削装置1は、設定された基準傾斜角度αに応じてコントローラ44が駆動モータ34を回動させ、超仕上げ砥石30が初期(基準傾斜角度α)位置に配置される。このとき、サーボアンプ45はコントローラ44から基準傾斜角度αまでの回動指令を受け、駆動モータ34からのエンコーダ出力を受けて駆動モータ34の回動を制御する。
【0034】
続いて、コントローラ44の指示によって、外輪Wは設定された回転速度でその中心軸廻りに回転され、駆動モータ34は、設定された揺動角度±βおよび揺動数で正逆回動の繰り返しを開始する。タイミングベルト42によって駆動プーリ41に連結された従動プーリ40は、正逆回動動作することにより、揺動伝達軸39に固定された縦ロッド14bを揺動伝達軸39廻りに揺動させる。駆動プーリ41および従動プーリ40の径は同一であるので、従動プーリ40も駆動プーリ41と同じ揺動角度βの2倍(±β)の範囲で正逆回動し、縦ロッド14bは±βの角度範囲で揺動する。
【0035】
縦ロッド14bが揺動すると、第1ロッド部5および第2ロッド部6は、揺動伝達軸39からのそれぞれの距離に応じて縦ロッド14bの揺動平面内における縦ロッド14b(の長手方向)に略直交する方向に往復移動する。
保持部材27a,27b,27c,27dによって平行リンク機構7に組み込まれたシリンダ装置15は、第1ロッド部5および第2ロッド部6の往復運動により、揺動する。シリンダ装置15の揺動は、揺動伝達軸39の軸心および従動軸38の軸心を含む仮想平面と、保持部材27a,27bの軸心および保持部材27c,27dの軸心を含む仮想平面との交線廻りに行われる。そして、シリンダ装置15は、超仕上げ砥石30の先端の湾曲面46における各部の法線の交点がこの交線、つまりシリンダ装置15の揺動中心軸SAとなるように平行リンク機構7に組み込まれている。また、超仕上げ加工における超仕上げ砥石30の揺動数は、例えば500往復/分が選択される。そのため、超仕上げ砥石30は、駆動モータ34の正逆回動の繰り返しにより、この揺動中心軸SA廻りに例えば500往復/分の高速揺動を行う。
【0036】
さて、超仕上げ砥石30は、その先端の湾曲面46が、深溝玉軸受の外輪Wの軌道85における周面の湾曲の程度と略同じものが使用される。また、超仕上げ砥石30は、湾曲面46の法線が揺動中心軸SAと交わるようにシリンダ装置15に一体化されている。超仕上げ加工を行う対象が、例えばリニアガイドのレールのような直線となった部分の表面の場合にも、同様である。
なお、超仕上げ砥石30は、必ずしも湾曲面46の全ての部分における法線が揺動中心軸SAと交わるものでなくとも、研削装置1に使用して超仕上げ加工を行うことができる。
【0037】
研削装置1は、このような超仕上げ砥石30を、シリンダ装置15により、回転する外輪Wの軌道85に予め設定された強度で押圧させる。研削装置1は、同時に超仕上げ砥石30を、回転する外輪Wの回転軸方向に高速で揺動させて、外輪の軌道85の超仕上げ加工を行う。
図5に示されるように、研削装置1は、玉軸受の外輪Wの軸方向に伸びた平行リンク機構7によって超仕上げ砥石30の揺動を実現する。そのため、研削装置1は、外輪Wの径の大小を問わず適用することができ、例えば風力発電のプロペラに用いられるような大径の玉軸受の外輪Wを超仕上げ加工する場合でも、大型化することなく小型の装置で対応することができる。
【0038】
また、研削装置1は、リニアガイドのレールにおける玉転動溝を超仕上げ加工する場合にも、平行リンク機構7が、玉転動溝の伸びる方向ではなくこれと直交する方向に伸びているので、玉転動溝の長さに拘わらず小型化することができる。
図5には、研削装置1により、シリンダ装置15(超仕上げ砥石30)の軸心が外輪Wの径方向となる位置、つまり基準傾斜角度αを0(零)とし、この基準傾斜角度αに対して±βの揺動角度で超仕上げ加工する場合が示されている。研削装置1では、0以外の基準傾斜角度αで超仕上げ加工を行うことができる。研削装置1により、アンギュラ玉軸受の外輪WAにおける軌道85Aを超仕上げ加工する場合には、例えば図6に示されるように、軌道85Aの断面形状に対応させて予めコントローラ44に入力された垂直から傾斜する基準傾斜角度α(=αa)に対して、±βの揺動角度で超仕上げ砥石30を揺動させる。
【0039】
研削装置1では、駆動モータ34にACサーボモータが採用されていることにより、基準傾斜角度αおよび揺動角度βの変更を、入出力装置(タッチパネル)から簡単に行うことができる。
コントローラ44には、入力された任意の基準傾斜角度α、揺動角度β、超仕上げ砥石30が被研削面を押圧する圧力、および加工時間等の加工条件の組み合わせをファイルとして記憶し、研削対象に応じて複数の研削条件の中から適する1つの組み合わせを呼び出すことができる。
【0040】
また、ACサーボモータを備える研削装置1は、例えば基準傾斜角度αおよび揺動角度βの組み合わせが+30±15度および−30度±15度の2つの軌道を有する複列アンギュラ玉軸受を、アンギュラ玉軸受と同様に精度よく超仕上げ加工することができる。
図7は他の研削装置1Bの正面図である。
研削装置1Bは、平行リンク機構7におけるロッド14aの固定軸孔22aが揺動伝達軸39Bに固定され、第2縦ロッド14bの固定軸孔22bが従動軸38Bに固定されている。
【0041】
揺動伝達軸39Bは、従動プーリ40に固定されて従動プーリ40の正逆回動に伴って縦ロッド14aを揺動させる。従動軸38Bは、縦ロッド14bを矩形板状部分36a,36bに対して揺動可能に支持している。
研削装置1Bにおいて、研削装置1におけるものと同一の構成を有する部分については、図7において研削装置1におけるものと同一の符合を付し、その説明を省略する。超仕上げ加工における研削装置1Bの動作は、駆動モータ34の正逆回動動作が縦ロッド1aに伝達される点を除き研削装置1における動作と同一である。
【0042】
図8は他の研削装置1Cの正面図である。
研削装置1,1Bが6節の平行リンク機構7を有するのに対して、研削装置1Cは、4節の平行リンク機構7Cを有する。研削装置1Cは、研削装置1Bについて、縦ロッド14bならびに第1ロッド部5および第2ロッド部6における縦ロッド14aの縦ロッド14b側半分を取り除いたものである。
図8に示される研削装置1Cおいて、図7における符合と同一の符合を付した部分については、研削装置1Bにおけるものと同一の構成を有する。研削装置1Cは、駆動モータ34の正逆回動動作により、第1ロッド部5C、第2ロッド部6C、シリンダ装置15および縦ロッド14aからなる平行リンク機構7Cが作動し、超仕上げ砥石30を揺動中心軸SA廻りに回動させる。
【0043】
研削装置1Cにおける超仕上げ砥石30の揺動中心軸SAは、シリンダ装置15のシリンダカバー側における保持部材27aの軸心および保持部材27cの軸心を含む仮想平面と、揺動伝達軸39Bの軸心を含みかつ保持部材27aの軸心および軸部材32aの軸心を含む仮想平面に平行な仮想平面との交線である。
研削装置1,1B,1Cは、平行リンク機構7,7Cを採用し、超仕上げ砥石30の揺動中心軸SAを駆動モータ34の回動軸心の延長上に配さないことで、従来の研削装置では装置を大型化させなければ超仕上げ加工ができなかった種々の大型の玉軸受の玉の軌道およびリニアガイドの長尺レールにおける玉転動溝を、大型化させることなく超仕上げ加工することができる。
【0044】
また、研削装置1,1B,1Cは、玉軸受の外輪Wの軌道85のような内周面に設けられた断面が凹状に湾曲する溝およびリニアガイドの長尺レールにおける玉転動溝の表面だけではなく、短円管等の内周面において断面が湾曲して内方に突出する環状帯または長い棒に長手方向に伸びる湾曲表面を有して突出するレールの表面の超仕上げ加工に用いることができる。
図9は研削装置1が角棒WDの表面に突出するレール48の表面を超仕上げ加工する様子を示す図である。超仕上げ砥石30Dの先端面は、レール48の湾曲する表面の曲率に略等しい曲率の凹状の湾曲面46Dとなっている。超仕上げ砥石30Dは、湾曲面46Dの母線が揺動中心軸SAと平行になるようにしてシリンダ装置15に一体化されている。なお、このとき、湾曲面46Dは、その法線が揺動中心軸SAと交わる。
【0045】
超仕上げ砥石30Dがシリンダ装置15のロッドカバー26から突出する長さは、凸状の湾曲面46を有する超仕上げ砥石30よりも短い。
研削装置1は、超仕上げ砥石30Dの揺動中心軸SA、つまり揺動伝達軸39の軸心および従動軸38の軸心を含む仮想平面と、保持部材27a,27bの軸心および保持部材27c,27dの軸心を含む仮想平面との交線が、超仕上げ砥石30Dの湾曲面46Dよりも外方となるように、角棒WDのレール48位置と関連づけて配される。
研削装置1がレール48の表面を超仕上げ加工するときの動作は、図5に示される軸玉受の外輪Wの軌道85を超仕上げ加工する場合と同じである。
【0046】
上述の実施形態において、第1ロッド部5,5Cおよび第2ロッド部6,6Cをそれぞれ単一の肉厚板材で形成してもよい。第1ロッド部5,5C、第2ロッド部6,6C、縦ロッド14a,14bおよびシリンダ装置15は、6節の平行リンク機構7または4節のリンク機構7Cを構成するものであれば、上述した形態に限られない。
平行リンク機構として、第1ロッド部5,5Cおよび第2ロッド部6,6Cに加えてさらに1つまたは複数の横に伸びたロッドを設けてもよく、縦ロッド14a,14bに加えてさらに1つまたは複数の縦ロッドを設けてもよい。縦ロッド14a,14bに加えて設けられる縦ロッドは、第1ロッド部5,5Cおよび第2ロッド部6,6C等の横方向に伸びたロッドのみを揺動可能に接続するものでも、さらにベース16の支持部33に揺動可能に支持されるものでもよい。
【0047】
平行リンク機構は、次の要件を満たせば研削装置に採用することができる。
例えば、研削装置1における6節の平行リンク機構7では、縦ロッド14aを貫通する軸部材31a,32aおよび従動軸38の位置関係と、縦ロッド14bを貫通する軸部材31b,32bおよび駆動伝達軸39の位置関係とが同一であることを要する。ここで、「位置関係が同一」とは、軸部材31aおよび軸部材32a間の距離と軸部材31bおよび軸部材32b間の距離とが等しく、軸部材31aおよび従動軸38間の距離と軸部材31bおよび駆動伝達軸39間の距離とが等しく、かつ軸部材32aおよび従動軸38間の距離と軸部材32bおよび駆動伝達軸39間の距離とが等しいことをいう。また、シリンダ装置15は、保持部材27a,27bの軸心、保持部材27c,27dの軸心および超仕上げ砥石30の設定揺動中心軸SAの位置関係が、軸部材31b,32bおよび駆動伝達軸39の位置関係と同じになるように平行リンク機構7に組み込まれることを要する。
【0048】
この要件を満たす平行リンク機構7は、当然に、縦ロッド14aを揺動可能に支持する軸部材31aと縦ロッド14bを揺動可能に支持する軸部材31bとの距離、縦ロッド14aを揺動可能に支持する軸部材32aと縦ロッド14bを揺動可能に支持する軸部材32bとの距離、および従動軸38と駆動伝達軸39との距離のいずれも等しく(D1)、軸部材31aと保持部材27a,27bの軸心との距離および駆動伝達軸39と設定揺動中心軸SAとの距離が等しい(D1+D2、図10(a)参照)。
6節の平行リンク機構は、上記要件を満たせば、軸部材31aと軸部材32aとの距離が軸部材32aと従動軸38との距離に等しいか否かに拘わらず、研削装置1に採用することができる。
【0049】
研削装置1Cにおける4節の平行リンク機構7Cについても、上記した6節の平行リンク機構7と同様に、シリンダ装置15は、保持部材27a,27bの軸心、保持部材27c,27dの軸心および超仕上げ砥石30の設定揺動中心軸SAの位置関係が、縦ロッド14aを揺動可能に支持する軸部材31a,32aおよび駆動伝達軸39Bの位置関係と同じになるように平行リンク機構7Cに組み込まれている。
平行リンク機構7,7Cは、上記要件を満たせば、例えば、図11(a),(b)に示されるような、第1ロッド部5Dを揺動可能に支持する軸部材31Da,31Dbおよび第1ロッド部5Dに揺動可能に支持される支持部材27Da,27Dbのそれぞれの軸心が同一の仮想平面に存在しない場合、縦ロッド14Daおける軸部材31Da,32Da、従動軸38Dのそれぞれの軸心が同一の仮想平面に存在せず、および(/または)縦ロッド14Dbおける軸部材31Db,32Db、従動軸39Dのそれぞれの軸心が同一の仮想平面に存在しない場合、縦ロッド14Daの形状と縦ロッド14Dbの形状とが異なる場合、ならびに第1ロッド部5Eの形状と第2ロッド部6Eの形状とが異なる場合であっても、超仕上げ砥石を設定揺動中心軸SA廻りに揺動させることができる。
【0050】
上記要件は、平行リンク機構として6節の平行リンク機構7以外のもの、例えば8節の平行リンク機構または9節のリンク機構等を採用する場合にも当てはまる。
また、超仕上げ砥石30,30Dをシリンダ装置15のロッドとして構成せず、第1ロッド部5,5Cおよび第2ロッド部6,6Cに揺動可能に支持されるホルダに保持させてもよい。その場合、超仕上げ砥石30,30Dを被研削面に押圧させるために、例えば平行リンク機構7,7Cおよびこれを支持する支持部30が押圧用のシリンダ装置に連結される。
【0051】
第1ロッド部および第2ロッド部を、例えば肉抜きされた1枚の厚板で形成してもよい。
その他、研削装置1,1B,1C、および研削装置1,1B,1Cの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受等の玉軸受の玉の軌道、およびリニアガイドのレールにおける玉転動溝等の超仕上げ加工に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は研削装置の正面図である。
【図2】図2は研削装置の平面図である。
【図3】図3は研削装置におけるシリンダ装置の側面断面図である。
【図4】図4は制御装置の概略図である。
【図5】図5は玉軸受の外輪の軌道を超仕上げ加工する様子を示す図である。
【図6】図6は玉軸受の外輪の軌道を超仕上げ加工する様子を示す図である。
【図7】図7は他の研削装置の正面図である。
【図8】図8は他の研削装置の正面図である。
【図9】図9は角棒の突出するレール表面を超仕上げ加工する様子を示す図である。
【図10】図10は他の研削装置の超仕上げ加工する様子を示すである。
【図11】図11は他の研削装置の超仕上げ加工する様子を示すである。
【図12】図12は従来の研削装置の正面図である。
【図13】図13は従来の研削装置が玉軸受の外輪の軌道を超仕上げ加工する様子を示す図である。
【図14】図14は従来の研削装置がリニアガイドのレールにおける玉転動溝を超仕上げ加工する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1,1B,1C 研削装置
7,7C 平行リンク機構
14a,14b,14Da,14Db 縦ロッド
15 ホルダ(シリンダ装置)
27a,27b,27c,27d,27Da,27Db 揺動軸(保持部材)
30,30D 超仕上げ砥石
31a,31b,31Da,31Db 揺動軸(軸部材)
32a,32b,32Da,32Db 揺動軸(軸部材)
34 駆動装置(駆動モータ)
38,38B,38D 従動軸
39,39B,39D 揺動伝達軸
46,46D 研削面(超仕上げ砥石の先端の湾曲面)
SA 揺動中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の横ロッド、1つ以上の縦ロッド、超仕上げ砥石を保持するためのホルダ、ならびに前記縦ロッドおよび前記ホルダを前記横ロッドに略直交させて揺動可能に連結する複数の揺動軸により形成された平行リンク機構を有し、
1つの前記縦ロッドはその一端部が前記平行リンク機構の外部で駆動装置により正逆回動される揺動伝達軸に固定されており、
前記ホルダは、前記揺動伝達軸が設けられた側に研削面が存在するように前記超仕上げ砥石を保持可能であって、かつ前記超仕上げ砥石を保持したときの前記超仕上げ砥石の揺動中心軸と前記ホルダをそれぞれの前記横ロッドに連結する各前記揺動軸との位置関係のすべてが、前記揺動伝達軸と前記1つの縦ロッドをそれぞれの前記横ロッドに連結する各前記揺動軸との対応するそれぞれの位置関係と同一になるように前記横ロッドに連結されている
ことを特徴とする研削装置。
【請求項2】
前記横ロッドの長手方向の一方の端部に前記ホルダが連結されており、
前記横ロッドの長手方向の他方の端部に前記揺動伝達軸に固定された前記1つの縦ロッドが連結されており、
前記横ロッドの前記ホルダと前記1つの縦ロッドとの間に他の縦ロッドが連結されており、
前記他の縦ロッドは、その一端部が前記揺動伝達軸が設けられた側において揺動可能に従動軸に支持され、かつ前記従動軸と前記他の縦ロッドをそれぞれの前記横ロッドに連結する各前記揺動軸との位置関係のすべてが、前記揺動伝達軸と前記1つの縦ロッドをそれぞれの前記横ロッドに連結する各前記揺動軸との対応するそれぞれの位置関係と同一である
請求項1に記載の研削装置。
【請求項3】
前記複数の横ロッドは、それぞれにおける前記ホルダ、前記1つの縦ロッドおよび前記他の縦ロッドと連結する前記揺動軸が同一の仮想平面上に存在するように構成されることにより、前記超仕上げ砥石の揺動中心軸が、前記揺動伝達軸および前記従動軸を含む仮想平面上に形成された
請求項2に記載の研削装置。
【請求項4】
先端に凸状または凹状の湾曲する研削面を備え、湾曲する前記研削面の法線が前記揺動中心軸と交わるように前記ホルダに保持された超仕上げ砥石を有する
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の研削装置
【請求項5】
前記ホルダは、
前記超仕上げ砥石をそのロッドとするシリンダ装置である
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の研削装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−269111(P2009−269111A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120468(P2008−120468)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(596066024)西部自動機器株式会社 (11)
【Fターム(参考)】