説明

磁性構造体

【課題】不均衡な磁界を生成するよう構成された磁性構造体を提供する。
【解決手段】この磁性構造体は、電気機械装置及び電磁装置において使用されると有利になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね磁性構造体に関し、特に、電磁装置と用途及び電気機械装置と用途において使用するのに適した磁性構造体に関する。
[政府権益に関する記述]
本発明は米国エネルギー省との契約第DE-AC07-05-1D14517の下に米国政府支援を受けてなされた。米国政府は本発明に権利を有する。
【背景技術】
【0002】
モーター、発電機、交流発電機等の電磁装置と用途及び電気機械装置と用途は、通常、コイル及び/又は磁石を使用する。従来の磁性構造体は、1つの磁界を生成するために単一の磁石又は配列された複数の磁石を使用する。これらの磁石は通常、永久磁石又は電磁石である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
出力又は性能を増加させたい場合は、従来は、コイルのサイズ又は数を増加させるか、又は磁石のサイズ又は強さを増加させていた。これらの手法は重量、コスト、サイズ、及び耐久性の問題を引き起こし、多くの用途にとって実用的でない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様では、電気機械システムは、第1の大きさの物理的特性と、第1極性の第1極と、該第1極性と反対の第2極性の第2極とを有する第1磁性要素と、該第1の大きさと異なる第2の大きさの該物理的特性と、該第1極性の第1極と、該第2極性の第2極とを有する第2磁性要素とを備える磁性構造体と、該第1磁性要素と該第2磁性要素とを周囲距離より近い距離隔て、該第1磁性要素の該第1極が該第2磁性要素の該第1極と概ね対向するように保持するよう構成された支持構造体とを備える。1つの実施形態では、前記第1磁性要素は希土類磁石からなる。1つの実施形態では、前記第2磁性要素は希土類磁石からなる。1つの実施形態では、前記物理的特性は長さであり、前記第1の大きさは前記第2の大きさより大きい。1つの実施形態では、前記支持構造体は前記第1、第2磁性要素を、大きな勾配の磁界領域を含む不均衡な磁界を生成する位置に保持するよう構成されている。1つの実施形態では、前記支持構造体は前記磁性構造体とコイルシステムの互いに対する移動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記磁性構造体が前記コイルシステムに対して移動する時、前記磁界領域が該コイルシステムを通過する。1つの実施形態では、該システムは機械力を受け取り、該機械力の受け取りに応答して電気信号を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、該システムは電気信号を受け取り、該電気信号の受け取りに応答して機械力を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、前記コイルシステムは複数のコイルを備える。1つの実施形態では、前記複数のコイルは軸の周りに第1方向に巻かれた第1コイルと、該軸の周りに該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを含む。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、直列並列構成で結合された複数のコイル対を備える。1つの実施形態では、前記複数のコイルのうち1つのコイル対の第1コイルは、第1方向に巻かれた第1ワイヤからなり、該コイル対の第2コイルは、該第1方向と反対の第2方向に巻かれた第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、該システムは機械動力伝達システムを更に備える。1つの実施形態では、前記機械動力伝達システムは前記磁性構造体と前記コイルシステムの間の相対直線移動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記機械動力伝達システムは前記磁性構造体と前記コイルシステムの間の相対回転運動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、該システムは前記コイルシステムに対する前記磁性構造体の相対円運動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記第1磁性要素の前記第1極はほぼ半円環状の面を有し、前記第2磁性要素の前記第1極はほぼ半円環状の面を有する。1つの実施形態では、前記2つのほぼ半円環状の面は、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するよう寸法が設定されている。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイルを備える。1つの実施形態では、前記磁性構造体は前記第1磁性要素と前記第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を備える。
【0005】
1つの態様では、電力を生成する方法は、第1磁性要素と第2磁性要素とを間隔を隔てて同じ極が互いにほぼ対向するよう配置することで、該第1、第2磁性要素に関して不均衡で、該第1、第2磁性要素に隣接する領域において圧縮された磁界を発生させることと、コイルシステムと該磁界の間の相対移動を可能にすることとを含む。1つの実施形態では、該磁性要素はそれぞれ永久磁石からなる。1つの実施形態では、この方法は前記コイルシステムに発生する電流を整流することを更に含む。1つの実施形態では、この方法はエネルギー蓄積システムにエネルギーを蓄えることを更に含む。1つの実施形態では、前記相対移動を可能することは、前記コイルシステムに対して前記永久磁石を移動させることである。1つの実施形態では、前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、概ね直線経路に沿って該永久磁石を移動させることである。1つの実施形態では、前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、概ね円形の経路に沿って該永久磁石を移動させることである。1つの実施形態では、前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、該永久磁石を回転させることである。1つの実施形態では、該方法は前記不均衡な磁界の圧縮された磁界領域における勾配を最適化することを更に含む。1つの実施形態では、前記コイルシステムは第1方向に巻かれた第1コイルと、該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを備える。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、該永久磁石を概ね円形の経路に沿って移動させることである。1つの実施形態では、前記第1磁性要素はほぼ半円環状の面を有し、前記第2磁性要素はほぼ半円環状の面を有する。1つの実施形態では、前記2つのほぼ半円環状の面は、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するよう寸法が設定されている。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイルを備える。
【0006】
1つの態様では、機械力を生成する方法は、第1磁性要素と第2磁性要素とを間隔を隔てて同じ極が互いにほぼ対向するよう配置することで、該第1、第2磁性要素に関して不均衡で、該第1、第2磁性要素に隣接する領域において圧縮された磁界を発生させることと、該第1、第2磁性要素の近傍にあるコイルシステムに電流を伝導することとを含む。1つの実施形態では、前記電流は交流である。1つの実施形態では、該磁性要素はそれぞれ永久磁石からなる。1つの実施形態では、該方法は該磁性要素と該コイルシステムの間の相対移動を可能にすることを更に含む。1つの実施形態では、前記相対移動を可能することは、前記コイルシステムに対して前記永久磁石を移動させることである。1つの実施形態では、前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、概ね直線経路に沿って該永久磁石を移動させることである。1つの実施形態では、前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、概ね円形の経路に沿って該永久磁石を移動させることである。1つの実施形態では、前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、該永久磁石を回転させることである。1つの実施形態では、該方法は前記不均衡な磁界の圧縮された磁界領域における勾配を最適化することを更に含む。1つの実施形態では、前記コイルシステムは第1方向に巻かれた第1コイルと、該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを備える。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、該永久磁石を概ね円形の経路に沿って移動させることである。1つの実施形態では、前記第1磁性要素はほぼ半円環状の面を有し、前記第2磁性要素はほぼ半円環状の面を有する。1つの実施形態では、前記2つのほぼ半円環状の面は、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するよう寸法が設定されている。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイルを備える。
【0007】
1つの態様では、システムはケースと、該ケース内に収容された電気機械システムであって、コイルシステムと、磁性構造体であって、第1の大きさの物理的特性と、第1極性の第1極と、該第1極性と反対の第2極性の第2極とを有する第1磁性要素と、該第1の大きさと異なる第2の大きさの該物理的特性と、該第1極性の第1極と、該第2極性の第2極とを有する第2磁性要素とを備える磁性構造体と、該第1磁性要素と該第2磁性要素とを間隔を隔て、該第1磁性要素の該第1極が該第2磁性要素の該第1極と概ね対向するよう配置して、該第1、第2磁性要素に関して不均衡な磁界を発生させるように構成された支持構造体とを備える電気機械システムと、該ケース内に収容されたエネルギー蓄積装置とを備える。1つの実施形態では、前記第1磁性要素は希土類磁石からなる。1つの実施形態では、前記第2磁性要素は希土類磁石からなる。1つの実施形態では、前記物理的特性は長さであり、前記第1の大きさは前記第2の大きさより大きい。1つの実施形態では、前記不均衡な磁界は、該磁界が圧縮された領域を含む。1つの実施形態では、前記支持構造体は前記磁性構造体と前記コイルシステムの互いに対する移動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記磁性構造体が前記コイルシステムに対して移動する時、前記領域が該コイルシステムを通過する。1つの実施形態では、前記コイルシステムは複数のコイルを備える。1つの実施形態では、前記複数のコイルは第1方向に巻かれた第1コイルと、該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを含む。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、直列並列構成で結合された複数のコイル対を備える。1つの実施形態では、前記複数のコイルのうち1つのコイル対の第1コイルは、第1方向に巻かれた第1ワイヤからなり、該コイル対の第2コイルは、該第1方向と反対の第2方向に巻かれた第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、前記物理的特性は強さであり、前記第1の大きさは前記第2の大きさより大きい。1つの実施形態では、該コイルシステムは絶縁シート上の配線からなる。1つの実施形態では、該コイルシステムは複数の絶縁シート上の複数の配線からなる。1つの実施形態では、該システムは前記コイルシステムに対する前記磁性構造体の相対円運動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記第1磁性要素の前記第1極はほぼ半円環状の面を有し、前記第2磁性要素の前記第1極はほぼ半円環状の面を有する。1つの実施形態では、前記2つのほぼ半円環状の面は、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するよう寸法が設定されている。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイルを備える。
【0008】
1つの態様では、電気機械システムは、磁界を生成する第1手段と、磁界を生成する第2手段と、磁界を生成する該第1と第2手段を互いに対して配置して、不均衡で該第1と第2手段に隣接する領域において圧縮された磁界を発生させる手段と、電流を伝導する手段と、該圧縮された磁界領域と電流を伝導する該手段の間の相対移動を可能にする手段とを備える。1つの実施形態では、磁界を生成する前記第1と第2手段はそれぞれ永久磁石からなる。1つの実施形態では、電流を伝導する前記手段はコイル対を備え、該コイル対の第1コイルは、第1の外周長を有し第1の巻数第1方向に巻かれた第1ワイヤからなり、該コイル対の第2コイルは、該第1の外周長と異なる第2の外周長を有し第2の巻数第2方向に巻かれた第2ワイヤからなり、該第2の巻数は該第1の巻数と異なり、該第2方向は該第1方向と異なる。1つの実施形態では、前記第1の巻数は前記第2の巻数より大きく、前記第1の外周長は前記第2の外周長より小さい。1つの実施形態では、電流を伝導する前記手段は、その出力の電位差への前記第1コイルの寄与が、該電位差への前記第2コイルの寄与と同じ極性を有するよう該第1コイルを該第2コイルに結合する結合構成を更に備える。1つの実施形態では、該システムは、電流を伝導する該手段に対する前記領域の相対円運動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、磁界を生成する前記第1手段はほぼ半円環状の面を有し、磁界を生成する前記第2手段はほぼ半円環状の面を有する。1つの実施形態では、前記2つのほぼ半円環状の面は、磁界を生成する前記第1と第2手段の間にほぼ円環状の空洞を形成するよう寸法が設定されている。1つの実施形態では、電流を伝導する前記手段は、ほぼ円環状のコイルを備える。
【0009】
1つの態様では、システムは、ほぼ半円環状の面を有する第1磁性要素と、ほぼ半円環状の面を有する第2磁性要素と、該第1磁性要素と該第2磁性要素とを隔て、該第1と第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するように保持するよう構成された支持構造体とを備える。1つの実施形態では、該システムはコイルシステムを更に備える。1つの実施形態では、前記第1磁性要素は前記第2磁性要素とほぼ同一である。1つの実施形態では、前記第1磁性要素の長さは前記第2磁性要素の長さより長い。1つの実施形態では、前記第1磁性要素はほぼ円筒形の永久磁石からなる。1つの実施形態では、該第1磁性要素は第1の大きさの物理的特性と、第1極性の第1極と、該第1極性と反対の第2極性の第2極とを有し、該第2磁性要素は該第1の大きさと異なる第2の大きさの該物理的特性と、該第1極性の第1極と、該第2極性の第2極とを有し、該支持構造体は該第1磁性要素と該第2磁性要素とを周囲距離より近い距離隔て、該第1磁性要素の該第1極が該第2磁性要素の該第1極と概ね対向するように保持するよう構成されている。1つの実施形態では、前記第1磁性要素は希土類磁石からなる。1つの実施形態では、前記第2磁性要素は希土類磁石からなる。1つの実施形態では、前記物理的特性は長さであり、前記第1の大きさは前記第2の大きさより大きい。1つの実施形態では、前記支持構造体は前記第1、第2磁性要素を、大きな勾配の磁界領域を含む不均衡な磁界を生成する位置に保持するよう構成されている。1つの実施形態では、前記支持構造体は前記磁性要素とコイルシステムの互いに対する移動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記磁性要素が前記コイルシステムに対して移動する時、前記磁界領域が該コイルシステムを通過する。1つの実施形態では、該システムは機械力を受け取り、該機械力の受け取りに応答して電気信号を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、該システムは電気信号を受け取り、該電気信号の受け取りに応答して機械力を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、前記コイルシステムは複数のコイルを備える。1つの実施形態では、前記複数のコイルは軸の周りに第1方向に巻かれた第1コイルと、該軸の周りに該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを含む。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、直列並列構成で結合された複数のコイル対を備える。1つの実施形態では、前記複数のコイルのうち1つのコイル対の第1コイルは、第1方向に巻かれた第1ワイヤからなり、該コイル対の第2コイルは、該第1方向と反対の第2方向に巻かれた第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、該システムは機械動力伝達システムを更に備える。1つの実施形態では、前記機械動力伝達システムは前記磁性要素と前記コイルシステムの間の相対直線移動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記機械動力伝達システムは前記磁性要素と前記コイルシステムの間の相対回転運動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、該システムは前記コイルシステムに対する前記磁性要素の相対円運動を可能にするよう構成されている。
【0010】
1つの態様では、電気機械システムは、第1の強さと、第1極性の第1極と、該第1極性と反対の第2極性の第2極とを有する第1磁性要素と、該第1の強さとほぼ等しい第2の強さと、該第1極性の第1極と、該第2極性の第2極とを有する第2磁性要素と、該第1磁性要素と該第2磁性要素とを距離を隔て、該第1磁性要素の該第1極が該第2磁性要素の該第1極と概ね対向するように保持するよう構成された支持構造体とを備える磁性構造体と、コイルシステムと、前記コイルシステムに対する該磁性構造体の相対移動を容易にするよう構成された吊り下げシステムとを備える。該磁性構造体は、該磁性構造体に隣接する領域において、該第1の強さの5倍の強さを有する単一の磁石の勾配と少なくとも同程度の大きさの勾配を持つ磁界を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、該磁性構造体に隣接する領域の磁界勾配は、該第1の強さの7倍の強さを有する単一の磁石の勾配と少なくとも同程度の大きさである。
【0011】
1つの態様では、電気機械システムは、第1コイルと、該第1コイルと結合され該第1コイルと不整合の第2コイルとを有するコイルシステムと、該コイルシステムに対して動くよう構成された磁性構造体とを備える。1つの実施形態では、該システムは機械力を受け取り、該機械力の受け取りに応答して電気信号を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、該システムは電気信号を受け取り、該電気信号の受け取りに応答して機械力を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、該第1コイルは第1方向に巻かれた第1ワイヤからなり、該第2コイルは該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の等価直径を有し、前記第2コイルは、該第1の等価直径と異なる第2の等価直径を有する。1つの実施形態では、該磁性構造体は、第1極性の第1極と、該第1極性と反対の第2極性の第2極とを有する第1磁性要素と、該第1極性の第1極と、該第2極性の第2極とを有する第2磁性要素と、該第1磁性要素と該第2磁性要素とを周囲距離より近い距離隔て、該第1磁性要素の該第1極が該第2磁性要素の該第1極と概ね対向するように保持するよう構成された支持構造体とを備える。1つの実施形態では、前記第1磁性要素は希土類磁石からなる。1つの実施形態では、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素は異なる長さを有する。1つの実施形態では、前記支持構造体は前記第1、第2磁性要素を、大きな勾配の磁界領域を含む該磁性構造体に関して不均衡な磁界を生成する位置に保持するよう構成されている。1つの実施形態では、該システムは機械動力伝達システムを更に備える。1つの実施形態では、前記機械動力伝達システムは前記磁性構造体と前記コイルシステムの間の相対直線移動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記機械動力伝達システムは前記磁性構造体と前記コイルシステムの間の相対回転運動を可能にするよう構成されている。1つの実施形態では、前記第1コイルと前記第2コイルは異なる長さを有する。1つの実施形態では、前記第1コイルと前記第2コイルは異なる幅を有する。1つの実施形態では、前記第1コイルと前記第2コイルはベクトルに対する異なる断面積を有する。1つの実施形態では、該第1コイルは第1の直径を有する第1ワイヤからなり、該第2コイルは該第1の直径と異なる第2の直径を有する第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、該第1コイルは絶縁体層上の配線からなる。1つの実施形態では、該コイルシステムの出力の電位差への前記第1コイルの寄与は、該電位差への前記第2コイルの寄与と同じ極性を有する。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、直列並列構成で結合された複数の不整合のコイル対を備える。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイル枠を備える。1つの実施形態では、該磁性構造体はほぼ半円環状の面を持つ永久磁石を備える。1つの実施形態では、該磁性構造体はほぼ円環状の空洞を備える。
【0012】
1つの態様では、電力を生成する方法は、不整合のコイル対を結合することと、磁性構造体を該コイル対に対して動かすこととを含む。1つの実施形態では、前記コイル対を結合することは、該コイル対を直列並列構成で結合することである。1つの実施形態では、この方法は前記コイルシステムに発生する電流を整流することを更に含む。1つの実施形態では、この方法はエネルギー蓄積システムにエネルギーを蓄えることを更に含む。1つの実施形態では、この方法は該磁性構造体を用いて圧縮された磁界を生成することを更に含む。1つの実施形態では、前記コイル対は軸の周りに第1方向に巻かれた第1コイルと、該軸の周りに該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを含む。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、該不整合のコイル対はほぼ円環状のコイル枠に巻かれている。1つの実施形態では、該磁性構造体はほぼ半円環状の面を持つ永久磁石を備える。1つの実施形態では、該磁性構造体はほぼ円環状の空洞を備える。
【0013】
1つの態様では、システムはケースと、該ケース内に収容された電気機械システムであって、磁性構造体と;第1コイルと、該第1コイルに結合され該第1コイルと不整合の第2コイルとを有するコイルシステムと;該磁性構造体と該コイルシステムの相対移動を可能にするよう構成された支持構造体とを備える電気機械システムと、該ケース内に収容され該コイルシステムに結合されたエネルギー蓄積装置とを備える。1つの実施形態では、該磁性構造体は圧縮された磁界を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、該圧縮された磁界は該磁性構造体に関して不均衡である。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、直列並列構成で結合された複数のコイル対を備える。1つの実施形態では、前記第1コイルは第1方向に巻かれ、前記第2コイルは該第1方向と異なる第2方向に巻かれている。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する。1つの実施形態では、前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイル枠を備える。1つの実施形態では、該磁性構造体はほぼ半円環状の面を持つ永久磁石を備える。1つの実施形態では、該磁性構造体はほぼ円環状の空洞を備える。
【0014】
1つの態様では、電気機械システムは、磁界を生成する手段と、電流を伝導する第1手段と、該電流伝導第1手段に結合されこれと不整合の電流伝導第2手段とを備えるコイルシステムと、該磁界生成手段と該電流伝導第1、第2手段の間の相対移動を可能にする手段とを備える。1つの実施形態では、該磁界生成手段は複数の永久磁石を備える。1つの実施形態では、該磁界生成手段は圧縮された磁界を生成するよう構成されている。1つの実施形態では、該コイルシステムの出力の電位差への該電流伝導第1手段の寄与は、該電位差への該電流伝導第2手段の寄与と同じ極性を有する。1つの実施形態では、該電流伝導第1手段は絶縁層上の伝導性配線からなる。1つの実施形態では、前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイル枠を備える。1つの実施形態では、該磁界生成手段はほぼ半円環状の面を持つ永久磁石を備える。1つの実施形態では、該磁界生成手段はほぼ円環状の空洞を備える。
【0015】
1つの態様では、電気機械システムは、ケースと、該ケース内に収容されたコイルシステムと、該ケース内に収容されたエネルギー蓄積システムと、該ケース内に収容され同じ極が対向するよう互いに隔てられた複数の磁性要素を備える磁性構造体と、該磁性構造体と該コイルシステムの相対移動を容易にするよう構成された吊り下げシステムとを備える。1つの実施形態では、該電気機械システムは、該コイルシステムと該エネルギー蓄積システムとに結合されたエネルギー移送制御システムを更に備える。1つの実施形態では、該ケースは3.2立方インチ未満の内容積を有する。1つの実施形態では、該システムは期間5分に亘る10Hzの周波数の正弦波励振に応答して、該エネルギー蓄積システムに約18.24ジュールのエネルギーを蓄えるよう構成されている。1つの実施形態では、該エネルギー蓄積システムはスーパーコンデンサを備える。1つの実施形態では、該システムは期間5分に亘る10Hzの周波数の正弦波励振に応答して、該エネルギー蓄積システムに18ジュール以上のエネルギーを蓄えるよう構成されている。1つの実施形態では、該エネルギー蓄積システムの電圧レベルは約3Vである。1つの実施形態では、該システムは期間5分に亘る10Hzの周波数の方形波励振に応答して、該エネルギー蓄積システムに16ジュール以上のエネルギーを蓄えるよう構成されている。1つの実施形態では、該エネルギー蓄積システムの電圧レベルは約2.83Vである。1つの実施形態では、該システムは期間5分に亘る10Hzの周波数の正弦波励振に応答して、14ジュール以上のエネルギーを180オームの負荷に約2.7Vの電圧レベルで提供するよう構成されている。1つの実施形態では、該システムは期間5分に亘る10Hzの周波数の正弦波励振に応答して、11ジュール以上のエネルギーを90オームの負荷に約2.4Vの電圧レベルで提供するよう構成されている。
【0016】
図面内の要素のサイズ及び相対的位置は必ずしも一様な倍率で描かれていない。例えば、様々な要素の形及び角度は一様な倍率で描かれておらず、幾つかの要素は図面の見易さを改善するために拡大され配置されている。また、これらの要素の描かれた特定の形は、必ずしも実際の形についての情報を伝えることを意図されておらず、理解のし易さのためだけに選択されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】バイメタルコイルの実施形態の直径に沿った断面図である。
【図2】本発明に係る多コイルシステムの実施形態の側平面図である。
【図3】本発明に係る多コイルシステムの別の実施形態の側平面図である。
【図4】本発明に係る多コイルシステムの別の実施形態の上面図である。
【図5】図4の多コイルシステムの実施形態の底面図である。
【図6】図4の多コイルシステムの実施形態の別の上面図である。
【図7】図4の多コイルシステムの実施形態の側断面図である。
【図8】本発明に係る多コイルシステムの別の実施形態の側断面図である。
【図9】図8の多コイルシステムの実施形態で使用するのに適した層の実施形態の上面図である。
【図10】図8の多コイルシステムの実施形態で使用するのに適した配線の実施形態の側断面図である。
【図11】図8の多コイルシステムの実施形態で使用するのに適した層の別の実施形態の上面図である。
【図12】図8の多コイルシステムの実施形態で使用するのに適した配線の別の実施形態の側断面図である。
【図13】本発明に係る多コイルシステムの別の実施形態の側断面図である。
【図14】多コイルシステムの実施形態におけるコイル対の相対的位置を示す機能ブロック図である。
【図15】図14に示したコイル対の直列並列結合の実施形態を例示する機能ブロック図である。
【図16A】永久磁石によって生成された磁束を例示する図である。
【図16B】永久磁石によって生成された磁束を例示する図である。
【図17A】同じ極同士が互いに対向し周囲距離とほぼ接触位置の間の距離隔てて保持された2つの永久磁石によって生成された磁束を例示する図である。
【図17B】同じ極同士が互いに対向し周囲距離とほぼ接触位置の間の距離隔てて保持された2つの永久磁石によって生成された磁束を例示する図である。
【図18A】同じ極同士が互いに対向し周囲距離とほぼ接触位置の間の距離隔てて保持された2つの異なる長さの永久磁石を有する不均衡な磁性構造体の実施形態によって生成された磁束を例示する図である。
【図18B】同じ極同士が互いに対向し周囲距離とほぼ接触位置の間の距離隔てて保持された2つの異なる長さの永久磁石を有する不均衡な磁性構造体の実施形態によって生成された磁束を例示する図である。
【図19A】同じ極同士が互いに対向し周囲距離とほぼ接触位置の間の距離隔てて保持された2つの異なる長さの永久磁石を有する不均衡な磁性構造体の別の実施形態によって生成された磁束を例示する図である。
【図19B】同じ極同士が互いに対向し周囲距離とほぼ接触位置の間の距離隔てて保持された2つの異なる長さの永久磁石を有する不均衡な磁性構造体の別の実施形態によって生成された磁束を例示する図である。
【図20A】同じ極同士が互いに対向し周囲距離とほぼ接触位置の間の距離隔てて保持された2つの異なる長さの永久磁石を有する不均衡な磁性構造体の別の実施形態によって生成された磁束を例示する図である。
【図20B】同じ極同士が互いに対向し周囲距離とほぼ接触位置の間の距離隔てて保持された2つの異なる長さの永久磁石を有する不均衡な磁性構造体の別の実施形態によって生成された磁束を例示する図である。
【図21】不均衡な磁性構造体の別の実施形態の側断面図である。
【図22】不均衡な磁性構造体の別の実施形態の側断面図である。
【図23】バッテリーの実施形態の直径に沿った断面図である。
【図24】バッテリーの別の実施形態の側断面図である。
【図25】電気機械システムの実施形態の直径に沿った断面図である。
【図26】電気機械システムの別の実施形態の直径に沿った断面図である。
【図27】不均衡な磁性構造体の別の実施形態の側断面図である。
【図28】コイルシステムの別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
下記の記載において、装置、方法、及び物品の様々な実施形態の完全な理解を提供するために特定の細部が説明される。しかし、当業者は、これらの細部を備えていない他の実施形態が実施可能であることを理解するであろう。それら以外には、実施形態の説明を不必要に分かりにくくするのを避けるために、磁性構造体、コイル、バッテリー、リニア発電機、及び制御システムに関連する周知の構造と方法は詳細には記載されていない。
【0019】
文脈から他の意味であると考えられるのでなければ、下記の説明と請求項において、「を備える」とその変形「からなる」等は、「をこれらに限定されないが含む」と解釈されるべきである。
【0020】
本明細書において、「1つの実施形態」はその実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、又は特色が1つ以上の実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書中の様々な箇所の「1つの実施形態において」は、必ずしも同じ実施形態、又は全ての実施形態を指してはいない。また、1つ以上の実施形態の様々な特定の特徴、構造、又は特色は適切に組合されて、他の実施形態を形成してもよい。
各見出しは便宜のためだけに提供され、本開示または本発明の範囲又は意味を説明してはいない。
【0021】
図1は、バイメタルコイル100の実施形態の直径に沿った断面図である。コイル100は非磁性巻付枠102と、非磁性電気伝導性巻線104と、磁気伝導性巻線106とを備える。電気伝導性巻線104等の電気伝導性巻線を磁気伝導性巻線106等の磁気伝導性巻線と一緒に使用することは、コイルの電気伝導性巻線、例えばコイル100の巻線104を通過するか、又はそれによって生成された磁界の集中を容易にする。磁界の集中はコイル100の効率をずっと高めることができる。例えば、コイル100が発電機に使用されると、磁性構造体がコイル100内を通過する時、電気伝導性巻線104は電子流を生成し、一方、磁気伝導性巻線106は電気伝導性巻線104内に磁束を集中させ、コイル100から出力される電力を増加させる。
【0022】
電気伝導性巻線104の第1層108と第2層110は巻付枠102に巻かれている。1つの実施形態において、電気伝導性巻線104は一繋がりになっている。他の実施形態では、電気伝導性巻線104は電気的に直列又は並列に接続されていてもよい複数の巻線からなっていてもよい。磁気伝導性巻線106の第1層112は、電気伝導性巻線104の第2層110の上に巻かれている。電気伝導性巻線104の第3層114と第4層116は、磁気伝導性巻線106の第1層112の上に巻かれている。磁気伝導性巻線106の第2層118は、電気伝導性巻線104の第4層116の上に巻かれている。電気伝導性巻線104の第5層119は、磁気伝導性巻線106の第2層118の上に巻かれている。
【0023】
電気伝導性巻線104は任意の適切な電気伝導性材料、例えば金属材料、例えば銅、銀又はスズが被覆された銅、アルミニウム、銀、金、及び/又は合金でできていてよい。電気伝導性巻線104は、例えば単線、束線、撚線、絶縁束線、シート、又はこれらの組合せからなっていてもよい。例えばリッツ線を使用してもよい。電気伝導性巻線104は図示したものとサイズが大きく異なり、ずっと小さくても、ずっと大きくてもよい。電気伝導性巻線104は通常、絶縁材料120で被覆されている。電気伝導性巻線104はリード122、124に結合され、コイル100となる。
【0024】
磁気伝導性巻線106は任意の適切な磁気伝導性材料、例えば磁気遮蔽材料、例えばニッケル、ニッケル/鉄合金、ニッケル/スズ合金、ニッケル/銀合金、プラスチック磁気遮蔽材、及び/又はニッケル/鉄/銅/モリブデン合金でできていてよい。磁気遮蔽材料は、MuMetal(登録商標)、Hipernom(登録商標)、HyMu 80(登録商標)、及びPermalloy(登録商標)を含む幾つかの商標のものが商業上入手可能である。磁気伝導性巻線106は、例えば単線、束線、撚線、絶縁束線、シート、又はこれらの組合せからなっていてもよい。磁気伝導性巻線106は図示したものとサイズが大きく異なり、ずっと小さくても、ずっと大きくてもよい。磁気伝導性巻線106は通常、絶縁材料126で被覆されている。磁気伝導性巻線106は、接続128で示されるように閉ループを形成し、図示のように接地130に接続されている。
【0025】
電気伝導性巻線と磁気伝導性巻線の層の他の構成を使用してもよい。例えば、例示のように2層の電気伝導性巻線が1層の磁気伝導性巻線と交互になっている代わりに、m、nを正の整数としてm個の層の電気伝導性巻線がn個の層の磁気伝導性巻線と交互になっていてもよい。別の実施例では、m、nは一定である必要はない。例えば、層の数は増加しても、又は減少してもよい。層パターンの例は、2E、1M、3E、2M、4Eであり、Eは電気伝導性層を、Mは磁気伝導性層を表す。
【0026】
通常、第1層と最終層は電気伝導性巻線104の層である。1つの実験では、第1層と最終層が電気伝導性巻線104である構成は、発電機の用途において、最終層が磁気伝導性巻線106である場合より良好な性能を示した。別の例では、複数の電気伝導性巻線を使用してよい。バイメタルコイルの別の実施形態は、2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、389号に記載されている。
【0027】
図2は、多コイルシステム200の実施形態の機能ブロック図である。システム200は第1コイル202と、第2コイル204と、コイル枠206とを備える。例示のように、該2つのコイル202、204は単一のコイル枠206に巻かれている。幾つかの実施形態では、別々のコイル枠が該第1、第2コイルのために使用されてもよい。幾つかの実施形態では、コイル枠の直径は異なってもよい。例示のように、コイル枠206は円筒形である。ほぼ円環状のコイル枠(図28を参照)等の他の形のコイル枠を使用してもよい。ほぼ円環状のコイル枠は、真に円環状のコイル枠、製造許容差を反映した円環状コイル枠、又は楕円形コイル枠等の変形円環状のコイル枠である。
【0028】
第1コイル202はワイヤ208からなる。ワイヤ208は巻線207の形態にコイル枠206に第1数n回巻かれている。ワイヤ208は第1厚み210で決まる外周長を有する。ワイヤが丸い場合、この厚みはワイヤの直径であり、この外周長はワイヤの円周である。直径は円周と次の関係がある:
円周=π*直径
【0029】
また、ワイヤ208は、ベクトルに対するワイヤの断面積をその外周長で割った値である等価直径を有する。丸いワイヤの場合、等価直径は次のように定義されてよい:
等価直径=直径/外周長
幾つかの実施形態では、異なる形状のワイヤを使用してもよい。丸いワイヤを使用する必要はない。
【0030】
第1コイル202は方向矢印212が示す第1方向(Y)に巻かれている。第1コイル202は第1リード214と第2リード216とを有している。第2コイル204はワイヤ218からなる。ワイヤ218は巻線217の形態にコイル枠206に第2数m回巻かれている。ワイヤ218が丸い場合、ワイヤ218は第2厚み220又は直径で決まる円周を有する。第2コイル204は方向矢印222が示す第2方向(Z)に巻かれている。第2コイル204は第1リード224と第2リード226とを有している。コイル202、204の巻線207、217の細部は図示を容易にするために省略されている。例えばコイル202、204は通常それぞれ巻線207、217の複数の層を有する。幾つかの実施形態では、コイル202、204の巻数は例えば数百である。
【0031】
ワイヤ208、218は任意の適切な電気伝導性材料、例えば金属材料、例えば銅、銀又はスズが被覆された銅、アルミニウム、銀、金、及び/又は合金でできていてよい。ワイヤ208、218は、例えば単線、束線、撚線、絶縁束線、シート、又はこれらの組合せであってもよい。例えばリッツ線を使用してもよい。コイル202、204は図示したものとサイズが大きく異なり、ずっと小さくても、ずっと大きくてもよい。ワイヤ208、218は通常、絶縁材料で被覆されている(図1の絶縁材料120を参照)。
【0032】
また、システム200は、コイル枠206を通り一点鎖線で示した軸230に沿って動くよう構成された省略可能な磁性構造体228を有する。例えば吊り下げシステム(例えば図7の吊り下げシステム432を参照)を、磁性構造体228がコイル枠206を通り軸230に沿って運動するのを容易にするために使用してもよい。磁性構造体228は従来の単一の磁石であっても、又は他の磁性構造体、例えば下記又は2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、858号に記載された構造体を使用してもよい。例示のように、磁性構造体228はコイル枠206を通り概ね直線経路に沿って動くよう構成されてもよい。幾つかの実施形態では、磁性構造体228はコイル枠206を通り他の経路に沿って動くよう構成されてもよい。例えば円環状のコイルの場合、概ね円形の経路であってもよい(図28を参照)。
【0033】
例示のように、第1、第2コイル202、204は1つ以上の物理的特性が異なる点で不整合である。コイルの物理的特性の例は、長さ、幅、直径、ベクトルに対する断面積、等価直径、及び導電率を含む。例示のように、少なくとも2つの物理的特性が異なる。具体的には、第1厚み210は第2厚み220より小さく、第1巻数nは第2巻数mより大きい。また、第1方向Yは第2方向Zと異なる。幾つかの実施形態では、第1コイル202の巻線207の巻数nは、第2コイル204の巻線217の巻数mと同じか、又は小さくてもよい。幾つかの実施形態では、第1厚み210は第2厚み220と同じか、又は大きくてもよい。システム200を例えば発電機として使用し、コイル枠206を通る磁性構造体228の運動に応答して電気エネルギーを生成してもよい。
【0034】
例示のように、第1コイル202の第1リード214は第2コイル204の第2リード226に結合されている。省略可能な負荷232が第1コイルの第2リード216と第2コイルの第1リード224の間に結合されている。本実施形態において、コイル枠206を通る磁性構造体228の移動に応答して第1コイル202の第2リード216と第2コイル204の第1リード224の間に生成される電位差Vに、第1、第2コイル202、204の両方が同じ極性の電位差成分を提供するが、第1コイル202が電位差Vの最も大きな電圧成分を提供する。また、移動に応答して負荷232を流れる1つの方向の電流iにコイル202、204の両方が寄与するが、第2コイル204が電流iの最も大きな成分を提供する。
【0035】
幾つかの実施形態では、第1コイル202は第2コイル204に別の仕方で結合されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1コイル202の第1リード214は第2コイル204の第1リード224に結合され、負荷232は第1コイル202の第2リード216と第2コイル204の第2リード226の間に結合されてもよい。別の例では、第1コイル202の第2リード216は第2コイル204の第1リード224に結合され、負荷232は第1コイル202の第1リード214と第2コイル224の第2リード226の間に結合されてもよい。別の例では、第1コイル202の第2リード216は第2コイル204の第2リード226に結合され、負荷232は第1コイル202の第1リード214と第2コイル204の第1リード224の間に結合されてもよい。別の例では、第1コイル202の第1リード214は第2コイル204の第1リード224に結合され、第1コイル202の第2リード216は第2コイル204の第2リード226に結合され、負荷232はこの結合されたリードの対に結合されてもよい。
【0036】
幾つかの実施形態は、追加のコイル及び/又は様々な仕方で結合されたコイル対を使用してよい。幾つかの実施形態は1つ以上のバイメタルコイルを使用してよい。例えば図1のバイメタルコイル100を参照。例えば、幾つかの実施形態では、第1コイル202、第2コイル204、又は両方のコイルはバイメタルコイルであってよい。幾つかの実施形態では、磁性構造体228は、第1、第2コイル202、204を通るのでなくコイル202、204の傍に沿って動くよう構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1、第2コイルは、コイル枠に巻かれたワイヤの代りに、又は追加して、結合されたワイヤ片の列からなってもよい。
【0037】
図3は、多コイルシステム300の別の実施形態の機能ブロック図である。システム300は第1コイル302と、第2コイル304と、コイル枠306とを備える。例示のように、該2つのコイル302、304は単一のコイル枠306に巻かれている。幾つかの実施形態では、別々のコイル枠が該第1、第2コイル302、304のために使用されてもよい。幾つかの実施形態では、コイル枠の直径は異なってもよい。
【0038】
第1コイル302は第1厚み310のワイヤ308を備え、ワイヤ308は方向矢印312が示す第1方向(Y)にコイル枠306に第1数n回巻かれている。第1コイル302は第1リード314と第2リード316とを有している。第2コイル304は第2厚み320のワイヤ318を備え、ワイヤ318は方向矢印312が示す同じ第1方向(Y)にコイル枠306に第2数m回巻かれている。幾つかの実施形態では、コイルの巻数は例えば数百であってもよい。第2コイル304は第1リード324と第2リード326とを有している。コイル302、304の巻線307、317の細部は図示を容易にするために省略されている。例えばコイル302、304は通常それぞれ巻線の複数の層を有している。ワイヤ308、318は任意の適切な電気伝導性材料でできていてよく、通常図2のワイヤ208、218に関して説明したように絶縁材料で被覆されている。外周長と等価直径がワイヤ308、318に対して規定されてよい。
【0039】
また、システム300は、コイル枠306を通り一点鎖線で示した軸330に沿って動くよう構成された省略可能な磁性構造体328を有する。例えば吊り下げシステム(例えば図7の吊り下げシステム432を参照)を、磁性構造体328がコイル枠306を通り軸330に沿って運動するのを容易にするために使用してもよい。磁性構造体328は従来の単一の磁石であっても、又は他の磁性構造体、例えば下記又は2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、858号に記載された構造体を使用してもよい。
【0040】
例示のように、第1厚み310は第2厚み320より小さく、第1巻数nは第2巻数mより大きい。従って、コイル302、304は不整合である。幾つかの実施形態では、第1コイル302の巻数nは、第2コイル304の巻数mと同じか、又は小さくてもよい。幾つかの実施形態では、第1厚み310は第2厚み320と同じか、又は大きくてもよい。システム300を例えば発電機として使用し、コイル枠306を通る磁性構造体328の運動に応答して電気エネルギーを生成してもよい。
【0041】
例示のように、第1コイル302の第2リード316は第2コイル304の第1リード324に結合されている。省略可能な負荷332が第1コイル302の第1リード314と第2コイル304の第2リード326の間に結合されている。本実施形態において、コイル枠306を通る磁性構造体328の移動に応答して第1コイル202の第1リード314と第2コイル304の第2リード326の間に生成される電位差Vに、第1、第2コイル302、304の両方が同じ極性の電位差成分を提供するが、第1コイル302が電位差Vの最も大きな電圧成分を提供する。また、移動に応答して負荷332を流れる1つの方向の電流iにコイル302、304の両方が寄与するが、第2コイル304が電流iの最も大きな成分を提供する。
【0042】
幾つかの実施形態では、第1コイル302は第2コイル304に別の仕方で結合されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1コイル302の第1リード314は第2コイル304の第1リード324に結合され、負荷332は第1コイル302の第2リード316と第2コイル304の第2リード326の間に結合されてもよい。別の例では、第1コイル302の第1リード314は第2コイル304の第2リード326に結合され、負荷332は第1コイル302の第2リード316と第2コイル304の第1リード324の間に結合されてもよい。別の例では、第1コイル302の第2リード316は第2コイル304の第2リード326に結合され、負荷332は第1コイル302の第1リード314と第2コイル304の第1リード324の間に結合されてもよい。別の例では、第1コイル302の第1リード314は第2コイル304の第1リード324に結合され、第1コイル302の第2リード316は第2コイル304の第2リード326に結合され、負荷332はこの結合されたリードの対に結合されてもよい。
【0043】
幾つかの実施形態は、追加のコイル及び/又は様々な仕方で結合されたコイル対を使用してよい。幾つかの実施形態は1つ以上のバイメタルコイルを使用してよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1コイル302、第2コイル304、又は両方のコイルはバイメタルコイルであってよい(図1のバイメタルコイル100を参照)。幾つかの実施形態では、磁性構造体328は、第1、第2コイル302、304を通るのでなくコイル302、304の傍に沿って動くよう構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1、第2コイルは、コイル枠に巻かれたワイヤの代りに、又は追加して、結合されたワイヤ片の列からなってもよい。
【0044】
図4〜図7は不整合のコイルを使用する多コイルシステム400の別の実施形態を示す。図4〜図7は図示を容易にするために一様な倍率では描かれていない。図4は多コイルシステム400の上面図である。多コイルシステム400は上面404を有する絶縁体層402を備える。絶縁体層402は、例えば集積回路板、基板、又は絶縁体の薄膜又はシートからなる。商業上入手可能な絶縁材料は、例えば商標Mylar(登録商標)のものが販売されている。第1電気伝導性巻線又は配線406が絶縁体層402の上面404上の第1コイル408を形成する。第1電気伝導性配線406は任意の適切な電気伝導性材料、例えば銅、アルミニウム、金、銀、合金等でできていてよい。基板上に配線を形成するための周知の技法、例えばRFID装置及びアンテナに関して使用される技法を使用してもよい。絶縁体層402は開口410を有する。電気伝導性配線406は第1厚み412を有し、上から見て第1方向(Y)に開口410の周りに巻かれている。また、第1電気伝導性配線406は第1巻数nを有する(図では4巻き)。配線406は必ずしも一様な倍率では描かれていないし、任意の巻数nを使用してよい。小型の発電機で使用する典型的な実施形態は、例えば1巻き〜50巻きを有する。第1コイル408は第1端子414と第2端子416とを有する。
【0045】
図5は図4の多コイルシステム400の実施形態の底面図である。絶縁体層402は下面418を有する。第2電気伝導性巻線又は第2配線420が絶縁体層402の下面418上の第2コイル422を形成する。第2電気伝導性配線420は任意の適切な電気伝導性材料、例えば銅、アルミニウム、金、銀、合金等でできていてよい。基板上に配線を形成するための周知の技法、例えばRFID装置及びアンテナに関して使用される技法を使用してもよい。電気伝導性配線420は第2厚み424を有し、上から見て第2方向(Z)に開口410の周りに巻かれている。第2電気伝導性配線420は第2巻数mを有する(図では2巻き)。配線420は必ずしも一様な倍率では描かれていないし、任意の巻数mを使用してよい。小型の発電機で使用する典型的な実施形態は、例えば1巻き〜50巻きを有する。第2コイル422は第1端子426と第2端子428とを有する。
【0046】
図4に例示したように、第1方向Yは、上から見て開口410に対して時計回りである。第2方向Zは、上から見て開口410に対して反時計回りである。しかし、下から見ると(図5に示すように)、第2方向Zは、開口410に対して時計回りである。図6はシステム400の別の上面図であり、同じ視点、即ち、上から見て第1方向Yは第2方向Zと反対であることを示す。幾つかの実施形態では、第1、第2コイル408、422は両方とも、同じ視点、例えば上から見て同じ方向(例えば方向Y)に開口410の周りに巻かれてもよい。
【0047】
図7は図4〜図6に示した多コイルシステム400の実施形態の側面図であり、省略可能な磁性構造体430と、磁性構造体430が開口410を通過するのを容易にする吊り下げシステム432とを示す。図示を容易にするために、幾つかの細部が図7から省略されている。システム400は発電機として動作し開口410を通る磁性構造体430の運動に応答して電気エネルギーを生成するよう構成されてもよい。また、システム400はモーターとして動作し電気エネルギーのコイル408、422への印加に応答して磁性構造体430を動かすよう構成されてもよい。本実施形態において、発電機として構成された場合、第1コイル408の第1端子414が第2コイル422の第2端子428に結合されると、第1、第2コイル408、422を通る磁性構造体430の通過に応答して第1コイル408の第2端子416と第2コイル422の第1端子426の間に生成される電位差に、第1、第2コイル408、422の両方が同じ極性の電圧成分を提供するが、第1コイル408が該電位差の最も大きな電圧成分を提供する。また、移動に応答する1つの方向の電流iにコイル408、422の両方が寄与するが、第2コイル422が電流iの最も大きな成分を提供する。
【0048】
幾つかの実施形態は、追加のコイル及び/又は様々な仕方で結合されたコイル対を使用してよい。幾つかの実施形態は1つ以上のバイメタルコイルを使用してよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1コイル408、第2コイル422、又は両方のコイルはバイメタルコイルであってよい(図1のバイメタルコイル100及び2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、389号に記載されたバイメタルコイルを参照)。幾つかの実施形態では、磁性構造体430は、第1、第2コイル408、422を通るのでなくコイル408、422の傍に沿って、又は周りを動くよう構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1、第2コイルは、巻かれた配線の代りに、又は追加して、結合された配線片の列からなってもよい。
【0049】
図8〜図11は不整合のコイルを使用する多コイルシステム800の別の実施形態を示す。図8は多コイルシステム800の側断面図である。システム800は第1コイル802と第2コイル804とを備える。第1コイル802は第2コイル804と異なる少なくとも1つの物理的特性又は特徴を有する。
【0050】
第1コイル802はn個の積重ねられた絶縁体層806を備える。図9は第1コイル802の層806の実施形態の上面図である。任意の数n個の絶縁体層806を積重ねて第1コイル802としてよい。例えば幾つかの実施形態は単一の絶縁体層806を備え、他の実施形態は数百の絶縁体層806を使用してよい。絶縁体層806は、例えば集積回路板、基板、又は絶縁体の薄膜又はシートからなってよい。商業上入手可能な絶縁材料は、例えば商標Mylar(登録商標)のものが販売されている。各絶縁体層806は図9により詳細に示すように、その中央孔810の周りに上から見て第1方向(Y)に巻かれた電気伝導性配線808を有する。電気伝導性配線808は任意の適切な電気伝導性材料、例えば銅、アルミニウム、金、銀、合金等でできていてよい。基板上に配線を形成するための周知の技法、例えばRFID装置及びアンテナに関して使用される技法を使用してもよい。第1リード812は電気配線808の第1端814(図9を参照)に結合され、第2リード816は電気配線808の第2端818(図9を参照)に結合される。例示のように、各配線808は深さ809と幅807(図10を参照)によって規定される外周長811を有する。具体的には、例示のように、配線808の外周長は次のように規定される:
外周長=2*(配線の深さ)+2*(配線の幅)
【0051】
配線808の外縁は直線である必要はない。従って、外周長811は他の寸法によって規定されてもよい。配線808は磁界(例えば図16〜図20に示した磁束線によって表わされる磁界を参照)に対して相対移動する時、等価直径を有する。これは相対移動ベクトルに対するコイル804の向きに基づいて変わる。等価直径は相対移動ベクトルに垂直なコイルの断面積をコイルの外周長で割った値として定義されてもよい。例えば磁性構造体840が絶縁体層806に垂直な軸842に沿ってコイル802に対して移動する時、第1コイル802の直線外縁の配線808の等価直径は次のように表わすことができる:
等価直径=(配線の幅)/(配線の外周長)
例示の配線808は完全な一巻きを形成していない。幾つかの実施形態は図4〜図7に例示したような1以上の巻数を有する配線を使用してもよい。配線の巻数を追加すると、該配線の等価直径は増加する。配線は曲がっていなくてもよい。例えば、幾つかの実施形態は直線部分群からなる配線を使用してもよい。配線群からなるコイルの等価直径は、該配線群の等価直径の和として表わすことができる。
【0052】
第2コイル804はm個の積重ねられた絶縁体層820を備える。図11は第2コイル804の層820の実施形態の上面図である。任意の数mの絶縁体層820を積重ねて第2コイル804としてよい。例えば幾つかの実施形態は単一の絶縁体層820を備え、他の実施形態は数百の絶縁体層820を使用してよい。絶縁体層820は、例えば集積回路板、基板、又は絶縁体の薄膜又はシートからなってよい。商業上入手可能な絶縁材料は、例えば商標Mylar(登録商標)のものが販売されている。各絶縁体層820は図11により詳細に示すように、その中央孔824の周りに第2方向(Z)に巻かれた電気伝導性配線822を有する。電気伝導性配線822は任意の適切な電気伝導性材料、例えば銅、アルミニウム、金、銀、合金等でできていてよい。基板上に配線を形成するための周知の技法、例えばRFID装置及びアンテナに関して使用される技法を使用してもよい。第1リード826は電気配線822の第1端828(図11を参照)に結合され、第2リード830は電気配線822の第2端832(図11を参照)に結合される。例示のように、各配線822は配線808に関して説明したように深さ823と幅821(図12を参照)によって規定される外周長825を有する。配線822の外縁は直線である必要はない。従って、外周長825は他の寸法によって規定されてもよい。第2コイル804の配線822は、第1コイル802の配線808に関して説明したように磁界に対して相対移動する時、等価直径を有する。例示の配線822は完全な一巻きを形成していない。幾つかの実施形態は図4〜図7に例示したような1以上の巻数を有する配線を使用してもよい。
【0053】
中空の管であってよい省略可能なコイル枠834がコイル802、804の開口810、824に嵌合する。コイル802、804の配線808、822のそれぞれの外周長811、825は同じでも異なってもよい。幾つかの実施形態では、第1コイル802の配線808の深さ809は、第2コイル804の配線822の深さ823と同じである。幾つかの実施形態では、第1、第2コイル802、804の配線808、822は異なる深さを有してよい。幾つかの実施形態では、第1コイル802の配線808の幅807は、第2コイル804の配線822の幅821と同じである。幾つかの実施形態では、第1、第2コイル802、804の配線808、822は異なる幅を有してよい。幾つかの実施形態では、第1、第2コイル802、804の配線808、822は異なる等価直径を有してもよい。
【0054】
システム800は発電機として動作し第1コイル802と第2コイル804を通る磁性構造体840の移動に応答して電気エネルギーを生成するよう構成されてもよい。例えば、第1コイル802の第1リード812が第2コイル804の第2リード830に結合され、nがmより大きく、第1コイル802の配線808の等価直径が第2コイル804の配線822の等価直径より小さい場合、第1、第2コイル802、804を通る磁性構造体840の通過に応答して第1コイル802の第2リード816と第2コイル804の第1リード826の間に生成される電位差に、第1、第2コイル802、804の両方が同じ極性の電圧成分を提供するが、第1コイル802が該電位差の最も大きな電圧成分を提供する。また、移動に応答する1つの方向の電流iにコイル802、804の両方が寄与するが、第2コイル804が電流iの最も大きな成分を提供する。システム800はモーターとして動作するよう構成されてもよい。例示のように、コイル枠834はコイル802、804を通る磁性構造体840の概ね直線移動を可能にする。他の経路を使用してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、磁性構造体840は概ね円形の経路に沿ってコイル802、804に対して動くよう構成されてもよい。例えば円環状コイルシステム(図28を参照)を使用してもよい。
【0055】
幾つかの実施形態は、追加のコイル及び/又は様々な仕方で結合されたコイル対を使用してよい。幾つかの実施形態は1つ以上のバイメタルコイルを使用してよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1コイル802、第2コイル804、又は両方のコイルはバイメタルコイルであってよい(図1のバイメタルコイル100及び2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、389号に記載されたバイメタルコイルを参照)。幾つかの実施形態では、磁性構造体840は、軸842に一致するベクトルに沿って第1、第2コイル802、804を通るのでなくコイル802、804に対して別のベクトルに沿って動くよう構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1、第2コイルは、カーブした配線片の代りに、又は追加して、結合された真直ぐな配線片の列からなってもよい。
【0056】
図13は4つのコイル102、104、106、108を備えた多コイルシステム100の実施形態の側断面図である。コイル102、104、106、108の細部は図示を容易にするために省略されている。システム100の実施形態は、例えば、図1〜図12に例示したコイル、又は2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、389号に記載されたコイルに類似したコイルを使用してもよい。システム100は共通のコイル枠110を有する。幾つかの実施形態は追加のコイル枠を使用してもよい。第1コイル102は上から見ると矢印112が示すようにコイル枠110に対して時計回りに巻かれている。第2コイル104は上から見ると矢印114が示すようにコイル枠110に対して反時計回りに巻かれている。第1、第2コイル102、104は整合していても、又は不整合であってもよい。第1コイル102と第2コイル104は、例えば、異なる等価直径、異なる巻数、又はこれらの組合せを有するコイルを使用することで不整合となる。第3コイル106は上から見ると矢印116が示すようにコイル枠110に対して時計回りに巻かれている。第4コイル108は上から見ると矢印118が示すようにコイル枠110に対して反時計回りに巻かれている。第3、第4コイル106、108は整合していても、又は不整合であってもよい。第1コイル102は上リード120と下リード122を有する。第2コイル104は上リード124と下リード126を有する。第3コイル106は上リード128と下リード130を有する。第4コイル108は上リード132と下リード134を有する。磁性構造体136は、コイル枠110を通って磁性構造体136を動かすよう構成された吊り下げシステム138に結合されている。幾つかの実施形態は追加のコイル、又は整合した又は不整合のコイル対を使用してもよい。
【0057】
例示のように、第1コイル102の上リード120は第3コイル106の下リード130と結合され、第2コイル104の上リード124は第4コイル108の下リード134と結合され、第1コイル102の下リード122は第2コイル104の下リード126と結合され、第3コイル106の上リード128は第4コイル108の上リード132と結合されている。第1出力140は第1、第2コイル102、104の下リード122、126に結合されている。第2出力142は第3、第4コイル106、108の上リード128、132に結合されている。このコイル結合は直列並列構成と表現される。幾つかの実施形態は、コイル102、104、106、108と出力140、142とを他の構成で結合してもよい。追加のコイル対を直列並列構成で結合してもよい。例えば下記の図14、図15を参照。
【0058】
図13に示したシステム100は発電機として動作しコイル枠110を通る磁性構造体136の移動に応答して電気エネルギーを生成するよう構成されてもよい。本実施形態では、第1コイル102と第3コイル106は、第2コイル104と第4コイル108より大きな巻数を有する場合、コイル102、104、106、108を通る磁性構造体の通過に応答して第1出力140と第2出力142の間に生成される電位差Vに、コイル102、104、106、108の全てが同じ極性の電圧成分を提供するが、第1、第3コイル102、106が電位差Vの最も大きな電圧成分を提供する。また、第2、第4コイル104、108の等価直径は第1、第3コイル102、106の等価直径より大きく、負荷(図3の負荷332を参照)が出力140、142の間に結合された場合、移動に応答する1つの方向の電流iにコイル102、104、106、108の全てが寄与するが、第2、第4コイル104、108が電流iの最も大きな成分を提供する。システム100はモーターとして動作するよう構成されてもよい。
【0059】
図14、図15はN個のコイル対202を備えたシステム200の実施形態を例示する。図14は軸204に沿ったコイル対202の相対的位置を例示する。各コイル対202は第1コイルAと第2コイルBとを有する。各コイルは「+」と表記された第1リードと「−」と表記された第2リードとを有する。図15はコイル対202群を直列並列構成で結合することを例示する機能ブロック図である。コイル対202群の第1コイルAは降順に直列に結合され第1アーム206を形成する。コイル対202群の第2コイルBは降順に直列に結合され第2アーム208を形成する。第1アーム206と第2アーム208は並列に結合されている。第1リード210は結合アーム206、208の第1端212に結合されている。第2リード214は結合アーム206、208の第2端216に結合されている。
【0060】
コイルは磁石と一緒に頻繁に装置と用途において使用される。図16A、図16Bは従来の磁性構造体500によって生成される磁束を例示する図である。図16Bは図16Aの濃淡陰影版である。磁性構造体500は第1極性の第1極504と、第1極性と反対の第2極性の第2極506とを有する磁石を備える。図16は、磁性構造体500の永久磁石502が約11000ガウスの強さを有する場合に磁石502により生成される磁界を例示するために代表的な磁束等ポテンシャル線508を示す。領域内の等ポテンシャル線同士が近いほど、その領域の磁束密度は大きい。
【0061】
しかし、従来の磁性構造体を改善することができる。多くの装置と用途において、磁束密度を増加させることで効率と性能を大きく改善することができる。例えば、磁束密度を増加させると、勾配がより大きくなり、磁性構造体を使用する例えば発電機又はモーターの効率を増加させることができる。2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、858号は、同じ極が互いに対向するよう永久磁石同士を隔てて保持することで高磁束密度の領域を生じさせ、例えば電力生成効率の大きな改善を提供する幾つかの磁性構造体を開示している。
【0062】
図17A、図17Bは、圧縮され磁性構造体600に関して均衡した磁界を生成するよう構成された磁性構造体600を例示する。図17Bは図17Aの濃淡陰影版である。磁性構造体600は第1極性の第1極604と、第1極性と反対の第2極性の第2極606とを有する第1磁石602を備える。また、磁性構造体600は第1極性の第1極610と、第2極性の第2極612とを有する第2磁石608を備える。磁性構造体600は、例えばネオジム‐鉄‐ボロン永久磁石等の1つ以上の希土類磁石、1つ以上のセラミック磁石、1つ以上のプラスチック磁石、1つ以上の粉末磁石、又は1つ以上の他の磁石を備えてもよい。
【0063】
図17A、図17Bは、2つの基本的に同じ磁石602、608を使用する磁性構造体600の実施形態により生成される磁界を例示するために代表的な磁束等ポテンシャル線614を示す。具体的には、図17A、図17Bは、第1磁石602が約11000ガウスの強さを有し、第2磁石608が約11000ガウスの強さを有し、磁石602、608が同じ極が互いに対向するよう距離6mm隔てて保持された場合の代表的な磁束等ポテンシャル線614を示す。圧縮された磁界が、磁石602、608の間のスペース618に隣接した領域616に生成される。この磁界は磁性構造体600の磁石602、608に関して均衡している。
【0064】
1つの実験において、約13600ガウスの強さと、約1/2インチの直径と、約3/4インチの長さとを有し、同じ極が互いに対向するよう約6mm隔てて配置された2つのほぼ同じ円筒形磁石を使用して磁性構造体を構成した。該磁性構造体に隣接した領域の磁界勾配は、約68000ガウスの強さを有する単一の円筒形磁石によって生成される磁界勾配とほぼ等しかった。これは、約13600ガウスの強さを有する単一の円筒形磁石と比べて約500%の改善である。
【0065】
所望の領域における磁束密度の更なる増加は、不均衡な磁界を生成するよう構成された不均衡な磁性構造体を使用することで得られる。例えば異なる物理的特徴又は特性、例えば、異なる強さ、サイズ、形、体積、磁束密度、等価直径、又はこれらの組合せを持った磁性要素(例えば磁石、又は電磁石等の等価物)を磁性構造体内に配置することで、この磁性構造体は不均衡になる。例えば、選択された物理的特性が第1の大きさである第1磁石を、該選択された物理的特性を持たないか又は大きさが異なる第2磁石と一緒に使用してもよい。例えば、長さ、幅、深さ、又は半径等の第1寸法が第1の大きさである第1磁石を、該第1寸法が該第1の大きさと異なる第2の大きさである第2磁石と一緒に配置してもよい。別の例では、円錐形部を有する第1円筒形磁石が円錐形部を持たない第2円筒形磁石と一緒に配置されてもよい。別の例では、第1等価直径を持った第1磁石を、第2等価直径を持った第2磁石と一緒に使用してもよい。
【0066】
図18Aと図18Bは不均衡な磁界を生成するよう構成された磁性構造体700の実施形態の断面図である。図18Bは図18Aの濃淡陰影版である。磁性構造体700は第1円筒形磁石702と、第2円筒形磁石704とを備える。幾つかの実施形態では、磁石702、704は異なる形とサイズを有し、形とサイズの様々な組合せを使用してもよい。第1磁石702は長さ706、半径708、第1極性の第1極710、第2極性の第2極712、及び強さG1(単位:ガウス)を有する。第2磁石704は長さ714、半径716、第1極性の第1極718、第2極性の第2極720、及び強さG2(単位:ガウス)を有する。第1、第2磁石702、704は同じ極(例えばN極)が互いに対向するよう距離722隔てて配置されている。ハウジング(図23のハウジング852を参照)等の支持構造体を、磁石702、704を同じ極が互いに対向するよう所望の距離隔てて保持するために使用してもよい。例示のように、該選択された物理的特性は各磁石の長さであり、従って、各磁石は異なる等価直径を有する。具体的には、第1磁石702の長さ706は第2磁石704の長さ714より長い。幾つかの実施形態では、磁性構造体700は、異なる長さの磁石の代りに又は加えて、異なる半径の磁石を使用してもよい。同様に、異なる長さ及び/又は半径の磁石の代りに又は加えて、異なる強さG1、G2の磁石を使用してもよい。上述したように、不均衡な磁界を生成するよう構成された磁性構造体の様々な実施形態は、様々な組合せの1つ以上の物理的特性が異なる磁石を使用してもよい。磁性構造体700は、例えばネオジム‐鉄‐ボロン永久磁石等の1つ以上の希土類磁石、1つ以上のセラミック磁石、1つ以上のプラスチック磁石、1つ以上の電磁石、1つ以上の粉末磁石、又は1つ以上の他の磁石を備えてもよい。
【0067】
図18A、図18Bは、強さG1が約11600ガウスの第1磁石702と、強さG2が約11600ガウスの第2磁石704とが同じ極が互いに対向するよう距離16mm隔てて保持されている磁性構造体700の実施形態により生成される不均衡な磁界726を例示するために代表的な磁束等ポテンシャル線724を示す。磁界726は第1磁石702に係る領域728においてより大きな密度を有し、第2磁石704に係る領域730においてより小さい密度を有する。また、磁界726は磁性構造体726に隣接した2つの大勾配の磁界領域729、731を有する。2つの大勾配の磁界領域729、731は互いに対して不均衡である。例えば第1領域729は第2領域731より小さい。
【0068】
図19Aと図19Bは、強さG1が約11000ガウスの第1磁石702と、強さG2が約11000ガウスの第2磁石704とが同じ極が互いに対向するよう距離約11mm隔てて保持されている磁性構造体700の実施形態により生成される不均衡な磁界734を例示するために代表的な磁束等ポテンシャル線732を示す。図19Bは図19Aの濃淡陰影版である。磁界734は第1磁石702に係る領域736においてより大きな密度を有し、第2磁石704に係る領域738においてより小さい密度を有する。領域736における磁界734の密度は、図18Aの実施形態の領域728における磁界726の密度より大きく、領域738における磁界734の密度は、図18Aの実施形態の領域730における磁界726の密度より小さい。磁界734は磁石702、704に隣接する2つの領域739、740において圧縮され、互い及び磁性構造体700に関して不均衡である。
【0069】
図20Aと図20Bは、強さG1が約11600ガウスの第1磁石702と、強さG2が約11600ガウスの第2磁石704とが同じ極が互いに対向するよう距離2mm隔てて保持されている磁性構造体700の実施形態により生成される不均衡な磁界744を例示するために代表的な磁束等ポテンシャル線742を示す。図20Bは図20Aの濃淡陰影版である。磁界744は第1磁石702に係る領域746においてより大きな密度を有し、第2磁石704に係る領域748においてより小さい密度を有する。領域746における磁界744の密度は、図19の実施形態の領域736における磁界734の密度より大きく、領域748における磁界744の密度は、図19の実施形態の領域738における磁界734の密度より小さい。磁界744は磁石702、704の間のスペースに隣接し第2磁石702の端752を過ぎて延びる領域750と、第1磁石702に隣接する領域754において圧縮されている。領域750は磁界勾配が非常に大きなサブ領域756を有し、領域754は磁界勾配が非常に大きなサブ領域758を有する。磁界744は磁性構造体700に関して不均衡であり、大勾配領域750、754は互いに対して不均衡である。
【0070】
1つの実験において、異なる物理的特徴を持った2つの円筒形磁石を使用して磁性構造体を構成した。具体的には、約13600ガウスの強さと、約1/2インチの直径と、約3/4インチの長さとを持った第1円筒形磁石が、約13300ガウスの強さと、約1/2インチの直径と、約3/8インチの長さとを持った第2円筒形磁石から約2mm隔てた位置に同じ極が互いに対向するよう保持された。該磁性構造体に隣接した領域の磁界勾配は、約95200ガウスの強さを有する単一の円筒形磁石によって生成される磁界勾配とほぼ等しかった。これは、約13600ガウスの強さを有する単一の円筒形磁石と比べて約700%の改善である。
【0071】
不均衡な磁界を生成するよう構成された磁性構造体の最適な構成、例えば特定のコイル構成等の特定の用途で使用する磁石の最適な形状、強さ、及び位置を決定するためにガウスメータ(不図示)を使用してもよい。
【0072】
図21は、不均衡な磁性構造体100の別の実施形態を例示する。図21は必ずしも一様な倍率では描かれていない。磁性構造体100は第1円筒形磁石102、第2円筒形磁石104、及び第3円筒形磁石106を備える。第1磁石102は長さ108と半径110を有する。第2磁石104は長さ112と半径114を有する。第3磁石106は長さ116と半径118を有する。第1磁石102は第2磁石104から第1距離120隔てて保持され、第2磁石104は第3磁石106から距離122隔てて保持され、隣り合う磁石の同じ極が互いに対向する。第2磁石104の長さ112は第1磁石102の長さ108と異なる点で例示の磁性構造体100は不均衡である。1つの実施形態では、第1磁石102は1インチの長さ108と1/2インチの半径110を有し、第2磁石104は1/2インチの長さ112と1/2インチの半径114を有し、第3磁石106は1インチの長さ116と1/2インチの半径118を有する。
【0073】
図22は、不均衡な磁性構造体200の別の実施形態を例示する。磁性構造体200は必ずしも一様な倍率では描かれていない。磁性構造体200は半径204の球形磁石202と、長さ208と半径210を有する円筒形磁石206とを備える。磁石202、206は異なる形状を有する点で磁性構造体200は不均衡である。
【0074】
図23は、ケース802、発電機804、第1エネルギー蓄積装置806、制御モジュール808、第2エネルギー蓄積装置810、及び接触端子812、814を備えるバッテリー800の実施形態の直径に沿った断面図である。例示のケース802はバッテリー800の他の構成要素の図示を容易にするために切り取られている。ケース802は発電機804、第1エネルギー蓄積装置806、制御モジュール808、及び第2エネルギー蓄積装置810を収容する。接触端子812、814はバッテリー800のケース802の上部816と底部818にそれぞれ装着されている。ケース802は磁気及び/又は電気シールドである外ケースシールド820を備えてもよい。ケースシールド820は、例えば、スズホイル層と、磁気遮蔽材料層とを備えてもよい。磁気遮蔽材料は、例えばニッケル、ニッケル/鉄合金、ニッケル/スズ合金、ニッケル/銀合金、ニッケル/鉄/銅/モリブデン合金であり、ホイルの形態であってもよい。このようなホイル層は、例えば0.002〜0.004インチの範囲の厚みを持つ。磁気遮蔽材料は、MuMetal(登録商標)、Hipernom(登録商標)、HyMu 80(登録商標)、及びPermalloy(登録商標)を含む幾つかの商標のものが商業上入手可能である。
【0075】
幾つかの実施形態では、ケース802と接触端子812、814は、単3電池、単4電池、単2電池、単1電池、9Vバッテリー、時計バッテリー、ペースメーカーバッテリー、携帯電話バッテリー、コンピュータバッテリー、及び他の標準と非標準のバッテリー等の従来のバッテリーのものと同じ外部構成をとってもよい。バッテリー800の実施形態は所望の電圧レベル、例えば1.5V、3.7V、7.1V、9V、又は他の標準又は非標準の電圧を提供するよう構成されてもよい。幾つかの実施形態は直流及び/又は交流を提供するよう構成されてもよい。
【0076】
発電機804は運動エネルギーを電気エネルギーに変換するよう構成されている。例示のように、発電機804は、複数のコイル822、824と、不均衡な磁界を生成するよう構成された磁性構造体826と、吊り下げシステム828とを備えるリニア発電機である。
【0077】
例示のように、該複数のコイルはコイル枠830に巻かれた2つのコイル822、824である。例えば図1〜図12に例示したコイル等のコイルを使用してもよい。幾つかの実施形態は複数のコイルの代りに単一のコイルを使用してもよい。幾つかの実施形態は2を超える数のコイルを使用してもよい。例示のように、第1コイル822はコイル枠830に第1方向に巻かれた第1ワイヤ832からなる。該第1方向は矢印834によって示されている。第1コイル822は第1巻数nを有する。例示のように、該巻数nは72である。他の実施形態は任意の巻数nを使用してよい。例えば、典型的な実施形態の巻数nは数百である。第1ワイヤ832は第1半径836を有する。第2コイル824はコイル枠830に第2方向に巻かれた第2ワイヤ838からなる。該第2方向は矢印840によって示され、該第1方向と反対である。第2コイル824は巻数mを有する。例示のように、該巻数mは21である。他の実施形態は任意の巻数mを使用してよい。例えば、典型的な実施形態の巻数mは数百である。第2ワイヤ838は第2半径842を有する。例示のように、第2半径842は第1半径836より大きい。
【0078】
第1コイル822は第1リード844と第2リード846とを有する。第2コイル824は第1リード848と第2リード850とを有する。例示のように、第1コイル822の第1リード844は第2コイル824の第2リード850と結合され、第1コイル822の第2リード846と第2コイル824の第1リード848は制御モジュール808に結合されている。他の実施形態は追加のコイル又はコイル対と、異なるコイル構成を使用してよい。例えば、図1〜図15に例示したコイルを使用してもよい。
【0079】
磁性構造体826は、例えばネオジム‐鉄‐ボロン永久磁石等の1つ以上の希土類磁石、1つ以上のセラミック磁石、1つ以上のプラスチック磁石、1つ以上の電磁石、1つ以上の粉末磁石、又は1つ以上の他の磁石を備えてもよい。例示のように、磁性構造体826は、第1磁石854を第2磁石858から距離856隔てて保持するよう構成されたハウジング852を備える。例示のように、磁性構造体826は、磁性構造体826に関して不均衡な圧縮された磁界を生成するよう構成されている。例えば、図18A〜図22に関して説明した磁性構造体を使用してもよい。例示のように、第1磁石854は第2磁石858と異なる長さを有する。吊り下げシステム828はコイル822、824を通る磁性構造体826の運動を容易にする。使用できる吊り下げシステムの例は、2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、564号に詳細に記載されている。
【0080】
第1エネルギー蓄積装置806は発電機804によって生成された電気エネルギーを蓄えるよう構成されている。1つの実施形態では、第1エネルギー蓄積装置806は発電機804によって生成された電気エネルギーをほとんど又は全く調節なしで蓄えることができる。他の実施形態では、2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、564号に記載されているように、電気エネルギーは第1エネルギー蓄積装置806に蓄える前に調節されてもよい。第1エネルギー蓄積装置806は1つ以上のウルトラコンデンサーからなってもよい。図示を容易にするために、第1エネルギー蓄積装置806は1つの機能ブロックとして示されている。
【0081】
制御モジュール808はバッテリー800内のエネルギーの移送を制御する。制御モジュール808は通常、例示のように全ブリッジ整流器809である整流器を備える。例えば、制御モジュール808は発電機804、第1エネルギー蓄積装置806、第2エネルギー蓄積装置810、接触端子812、814等のバッテリー800の様々な構成要素間のエネルギーの移送を制御するよう構成されてもよい。制御システムの制御下におけるエネルギー移送の幾つかの例が2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、564号に記載されている。制御モジュール808は様々な方法、例えば統合された制御システム又は個別のサブシステム群として実現されてよい。制御モジュール808はディスクリート回路、1つ以上のマイクロプロセッサー、デジタル信号プロセッサー(DSP)、特定用途集積回路(ASIC)等として、又はメモリーに記憶されコントローラによって実行される命令列として、又はこれらの組合せとして実現されてよい。幾つかの実施形態では、第1エネルギー蓄積装置806は制御モジュール808に一体化されてもよい。
【0082】
第2エネルギー蓄積装置810は、制御モジュール808の制御下で第1エネルギー蓄積装置806から移送された電気エネルギーを蓄えるよう構成される。第2エネルギー蓄積装置810は、例えば1つ以上の従来のバッテリー、例えば鉛酸蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムポリマー電池又はリチウムイオン電池、ナトリウム/硫黄電池、又は任意の適切な充電式エネルギー蓄積装置であってもよい。
【0083】
接触端子812、814はバッテリー800へ及び/又はバッテリー800から電気エネルギーを移送するためのアクセスを提供する。接触端子812、814は任意の電気伝導性材料、例えば金属材料、例えば銅、銀又はスズが被覆された銅、アルミニウム、金等でできていてよい。接触端子812、814は制御モジュール808に結合されている。幾つかの実施形態では、接触端子812、814は制御モジュール808に直接結合されるのでなく、第2エネルギー蓄積装置810に結合されてもよい。例示のように、接触端子812、814は従来の単2電池の接触端子に類似した物理的構成を持つ。上述のように、他の構成を使用してもよい。接触端子812、814はバッテリー800を、ラジオ、携帯電話、測位システム等の外部装置に容易に設置及び取り外しできるように構成されている。接触端子812、814は磁気シールドを使用してもよい。
【0084】
バッテリー800の運動の結果としてエネルギーがバッテリー800に蓄えられる。例えば、磁性構造体826がコイル822、824に関して中立位置にあり、バッテリー800が下方に移動させられる場合、バッテリー800の下方移動に応答して磁性構造体826はコイル822、824に対して上へ移動する。磁性構造体826の相対的上方移動によって磁性構造体826が第1コイル822の上面の上方へ移動する時、コイル822、824に電流が発生する。
【0085】
幾つかの実施形態では、吊り下げシステム828は、予期されるエネルギー源から生成される電気エネルギーを増加させるよう調整されてよい。例えば、バッテリー800が、エネルギーが既知の速度で歩く又は走る個人によって供給される環境に頻繁にいる場合、吊り下げシステム828をその速度に同調させてよい。従って、バッテリーは、ジョギングする人が生成すると期待されるエネルギーの電気エネルギーへの変換をほぼ最大限にするよう構成されてもよい。別の例では、バッテリー800が自動車内において交通渋滞、或いは航空機又は地上車両の不規則な運動を頻繁に経験する場合、吊り下げシステム828をその環境のエネルギーの電気エネルギーへの変換を最大限にするよう調整してもよい。別の例では、バッテリー800が流体波、例えば水又は海の波、又は風に頻繁に曝される環境において使用される場合、吊り下げシステム828をその環境のエネルギーの電気エネルギーへの変換を最大限にするよう調整してもよい。別の例では、バッテリー800が振動、例えば動いている車両内における振動を頻繁に経験する場合、吊り下げシステム828をその振動から受けるエネルギーの電気エネルギーへの変換を最大限にするよう調整してもよい。別の例では、該吊り下げシステムが第1周波数の励振を経験すると予期される場合は、該吊り下げシステムは異なる周波数の磁性構造体のコイルシステムに対する相対運動を発生させるよう構成されてもよい。該吊り下げシステムは、例えば反発磁石の特徴、例えば形状及び/又は強さを変更するか、ばね等の反発デバイスの張力を調整するか、複数の機械反発デバイスを使用するか、動力伝達システムを使用するか、該磁性構造体(又は該コイルシステム)の移動経路の長さ又は形状を変更するか、又はこれらの組合せによって調整されてよい。他の吊り下げシステム、例えば発電機をバッテリー内で異なる方向に向ける吊り下げシステムを使用してもよい。吊り下げシステム828は、エネルギーの電気エネルギーへの最適変換を容易にするために発電機を方向付けるのにジンバルを備え、及び/又はジャイロスコープの原理を使用してもよい。バッテリー内の異なる方向を向いた複数の発電機を使用してもよいし、複数のバッテリー構成を使用してもよい。
【0086】
幾つかの実施形態では、他の発電機構成、例えば放射状、回転、ゼーベック、音響、熱、又は無線周波数の発電機を使用してもよい。幾つかの実施形態では、他の吊り下げシステム、例えば発電機804がケース802に対して動き、得られるエネルギーを最大限に利用する吊り下げシステムを使用してもよい。例えば、発電機804はバッテリーケース802内で回転し移動軸に自身を整列させるか、又は揃えるよう構成されてもよい。別の例では、吊り下げシステム828はコイル822、824が磁性構造体826に対して動くのを可能にするよう構成されてもよい。幾つかの実施形態では、円環状のコイルシステムを使用してもよい。
【0087】
図24は、ケース902、発電機904、第1エネルギー蓄積装置906、制御モジュール908、第2エネルギー蓄積装置910、及び接触端子912、914を備えるバッテリー900の別の実施形態の側断面図である。発電機904はコイルシステム916、磁性構造体918、及び吊り下げシステム920を備える。コイルシステム916は1つ以上のコイルを備える。コイルシステム916は、例えば上述したコイル又は2006年6月26日付で出願した同時係属米国特許出願第11/475、389号に記載されたコイルに類似した1つ以上のコイルを備えてよい。例えば、コイルシステム916は単一のコイル又は多コイルシステムを備えてもよい。別の例では、該コイルシステムは1つ以上のバイメタルコイルを備えてもよい。別の例では、該コイルシステムは第1方向に巻かれた第1コイルと、共通基準点に関して第1方向と反対の第2方向に巻かれた第2コイルとを備えてもよい。該磁性構造体は、例えば圧縮された磁界、該磁性構造体に関して不均衡な磁界、又はこれらの組合せを生成するよう構成された磁性構造体であってよい。バッテリー900は図23に示したバッテリー800と異なる構成を有するが、バッテリー900の動作は図23に示したバッテリー800の動作と同様である。接触端子912、914は任意の電気伝導性材料、例えば金属材料、例えば銅、銀又はスズが被覆された銅、アルミニウム、金等でできていてよい。幾つかの実施形態では、接触端子912、914はプラスチックコネクター等のコネクター内に収容されていてもよい。
【0088】
図25は、例えば図23、図24に例示した実施形態及び他の実施形態において使用するのに適した電気機械システム400の直径に沿った断面図である。図25は図示を容易にするために一様な倍率では描かれていない。システム400は、多コイルシステム402と、圧縮されかつ不均衡な磁界を生成するよう構成された磁性構造体404と、吊り下げシステム406とを備える。吊り下げシステム406は磁性構造体404がいずれの方向にも多コイルシステム402を完全に通過できるように構成されている。例示のように、システム400はリニア発電機として動作するよう容易に構成可能である。
【0089】
多コイルシステム402は円筒形コイル枠412に巻かれた第1コイル408と第2コイル410とを備える。例示のように、コイル枠412は吊り下げシステム406のキャリアガイド411と一体になっている。コイル枠412は直径414を有する。第1コイル408は、直径418を有し第1巻数nのワイヤ416からなる。このnはワイヤ416の1つの層の巻数に第1コイル408の層の数を掛けた値に等しい。第2コイル410は、直径422を有し第2巻数mのワイヤ420からなる。このmはワイヤ420の1つの層の巻数に第2コイル410の層の数を掛けた値に等しい。第1コイル408は第1方向(Y)に巻かれ、第2コイル410は共通基準点、例えば移動軸464に関して上から見て第1方向Yと反対の第2方向(Z)に巻かれている。
【0090】
磁性構造体404は、円筒形磁石ハウジング428内に収容された複数の永久磁石424、426を備える。本実施形態は2つの永久磁石424、426を磁性構造体404内で使用するが、システム400の他の実施形態は異なる数、例えば3つ又は4つ又は数百の永久磁石を使用してもよい。永久磁石424、426は例示のようにディスク型円筒形磁石であるが、他の形状であってもよい。例えば矩形(例えば正方形)、球形、又は楕円形磁石を使用してもよい。同様に、磁石の面は平らである必要はない。例えば凸面、凹面、放射面、円錐面、又は菱形面を使用してもよい。様々な形状と面の組合せを使用してもよい。幾つかの実施形態では、電磁石を使用してもよい。磁石ハウジング428は永久磁石424、426を互いに対して適正な位置に同じ極が互いに対向するよう距離430隔てて保持するよう構成されている。例示のように、N極が互いに対向しているが、幾つかの実施形態では、S極が互いに対向してもよい。第1磁石424は強さG1、直径431、及び長さ432を有し、第2磁石426は強さG2、直径433、及び長さ434を有する。システム400は全直径436と全長さ438とを有する。
【0091】
上述したように、磁性構造体404等の磁性構造体内の永久磁石の形状、位置、及び強さは、圧縮されかつ不均衡な磁界を生成することで、発電機400の効率を増加させることができる。システム400の部品の長さと直径の比もシステム400の効率に影響する可能性がある。例えば、第1磁石424の上面から第2磁石426の底面までの長さ440と、コイル枠412の直径414との比は、コイルシステム402を通る磁性構造体404の移動に応答してコイルシステム402に発生する電流の大きさに影響する可能性がある。
【0092】
キャリアガイド411の内面442と磁石ハウジング428の外面444は非同類材料でできているか、又は被覆されて、巻付枠412と磁石ハウジング428の間を結合するためのポテンシャルを下げる。例えば、キャリアガイド411は非粘着性被膜で被覆され、磁石ハウジング428はABSプラスチックでできていてもよい。好例の非同類材料は、それぞれ商標Teflon(登録商標)、Lexan(登録商標)のものが入手可能である。
【0093】
吊り下げシステム406は、コイル402に対して固定され磁性構造体404の移動軸464上の第1反発永久磁石460と第2反発永久磁石462とを備える。第1反発永久磁石460は、第1反発永久磁石460の1つの極が磁性構造体404内で最も近い永久磁石424の同じ極と対向するように配置されている。例示のように、第1反発永久磁石460のS極は磁性構造体404の第1永久磁石424のS極と対向する。同様に、第2反発永久磁石462は、第2反発永久磁石462の1つの極が磁性構造体404内で最も近い永久磁石426の同じ極と対向するように配置されている。例示のように、第2反発永久磁石462のS極は磁性構造体404の第2永久磁石426のS極と対向する。この配置は運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機400の効率を増加させ、磁性構造体404が吊り下げシステム406内で停止する可能性を低減する。
【0094】
また、吊り下げシステム406は第1ばね474、第2ばね476、第3ばね478、及び第4ばね480を備える。第1ばね474は第1反発磁石460と磁性構造体404の第1端456とに結合されている。第1ばね474は通常、負荷状態にある。第2ばね476は第2反発磁石462と磁性構造体404の第2端458とに結合されている。第2ばね476は通常、負荷状態にある。第1、第2ばね474、476は磁性構造体404を軸464に沿った所望の移動経路の中心に保持するのを助け、移動軸464に沿った磁性構造体404の移動によって伸縮された時、磁性構造体404に力を加える。第3ばね478は第1反発磁石460に結合され、磁性構造体404が第1反発磁石460に近づくとそれが加える押し縮める力に応答して反発力を磁性構造体404に加える。第4ばね480は第2反発磁石462に結合され、磁性構造体404が第2反発磁石462に近づくとそれが加える押し縮める力に応答して反発力を磁性構造体404に加える。ばね474、476、478、480は、特定の用途と予期される環境において発電機400の効率を増加させるよう調整されてよい。この調整は実験的に行われてもよい。幾つかの実施形態は、ばねを使用しなくても、又はより少ない数の又はより多くのばねを使用してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、ばね478、480は省略されてよい。永久磁石424、426の最適な強さ、サイズ、形状、及び位置、コイル枠のサイズ、ワイヤ416、420の巻数n、m、及びこのシステムの他の物理的特徴、例えばコイル枠412の直径414を決定するためにガウスメータ(不図示)を使用してもよい。
【0095】
例示のように、第1コイル408の第1リード482は第2コイル410の第2リード484に結合されている。負荷又はエネルギー源486は、第1コイル408の第2リード488と第2コイル410の第1リード490の間に結合されている。
【0096】
下記の表1は図25に例示したシステム400の実験用実施形態で使用したパラメータを示す。この実験用実施形態において、磁性構造体の第1磁石424は型式番号DCCの商業上入手可能な希土類磁石であり、第2磁石426は型式番号DC8の商業上入手可能な希土類磁石であり、第1反発磁石460は型式番号D61Gの商業上入手可能な希土類磁石であり、第2反発磁石462は型式番号D603の商業上入手可能な希土類磁石である。第1ワイヤ416は標準サイズ27銅ワイヤであり、第2ワイヤ420は標準サイズ21銅ワイヤである。システム400の実験用実施形態は標準単1電池に嵌合するのに十分小さかった。標準単1電池は約2.33インチの長さと約1.32インチの直径を有し、全体積は約3.19立方インチとなる。図25に例示したシステム400の他の実施形態が可能である。
【0097】
【表1】

表1 実験用実施形態のパラメータ
【0098】
下記の表2は、標準単1電池の寸法を持ったバッテリーの実施形態(図23のバッテリー800を参照)において使用される表1に従って構成された図25のシステム400の実施形態の実験結果を示す。システム400は10Hzの周波数の運動に曝され、試験期間5分の間に磁性構造体404がコイルシステム402を通って約3000往復した。この往復数は該システムが平均速度3.5マイル/時間で歩く個人の足に取付けられた場合における平均に対応する。励振カラムは運動を励起するのに使用した波形の種類を示す。スーパーコンデンサがコイルシステム402の出力に結合された(図23の第1エネルギー蓄積装置806を参照)。表2の負荷カラムは該スーパーコンデンサに並列に結合された抵抗を示す。電圧カラムは5分の励振期間後に該スーパーコンデンサにかかる電圧を示し、エネルギーカラムは5分の励振期間の結果として該スーパーコンデンサに蓄えられたエネルギーを示す。
【0099】
【表2】

表2 実験用実施形態の結果
【0100】
図26は不均衡な磁界を生成するよう構成された磁性構造体を使用する電気機械システム100の実施形態の側断面図である。システム100は、不均衡でかつ圧縮された磁界(図20を参照)を生成するよう構成された1つ以上の磁性構造体104を備える回転子102と、1つ以上のコイル108を備える固定子106とを備える。例示のように、システム100は2つの磁性構造体104と2つのコイル108とを備える。磁性構造体104は第1長さ112を有する第1磁石110と、第2長さ116を有する第2磁石114とを備え、第1磁石110と第2磁石114とは同じ極が互いに対向するよう隔てて保持され、不均衡でかつ圧縮された磁界を生成するよう構成されている。固定子106は、例えば上述したものに類似のコイルを備えてもよい。幾つかの実施形態では、回転子102が1つ以上のコイルを備え、固定子106が1つ以上の磁性構造体を備えてもよい。
【0101】
図27は、不均衡な磁性構造体100の別の実施形態を例示する。図27は必ずしも一様な倍率では描かれていない。磁性構造体100は第1略円筒形磁石102と第2略円筒形磁石104とを備える。他の磁石形状を使用してもよいし、追加の磁石を使用してもよい。例えば、磁石の形状を円環状のコイル枠(図28を参照)を通る移動を可能にするよう変更してもよい。第1磁石102は長さ112と直径120を有する。第2磁石104は長さ114と直径122を有する。第1磁石102は第2磁石104から第1距離124隔てて保持され、磁石102、104の同じ極が互いに対向する。例示の磁性構造体100は、第1磁石102の長さ112が第2磁石104の長さ114と異なる点で不均衡である。幾つかの実施形態では、第1磁石102の長さ112と第2磁石104の長さ114は同じであってもよい。例示のように、第1磁石102の直径120は第2磁石104の直径122と同じである。幾つかの実施形態では、第1、第2磁石102、104は異なる直径を有してもよい。
【0102】
第1磁石102は、第2磁石104のほぼ半円環状の窪み110に略対向し、第1、第2磁石102、104間にほぼ円環状の空洞106を形成するほぼ半円環状の窪み108を有する。ほぼ半円環状の窪みは、例えば真に半円環状の窪み、製造許容差を反映した半円環状の窪み、又は半楕円形窪み等の変形半円環状の窪みである。ほぼ円環状の空洞は、例えば真に円環状の空洞、製造許容差を反映した円環状の空洞、又は楕円形空洞等の変形円環状の空洞である。
【0103】
例示のように、ほぼ半円環状の窪み108、110は省略可能な略直線部118を有する。幾つかの実施形態では、略直線部118を設けなくてもよい。また、第1磁石102と第2磁石104はそれぞれ略半円環状の窪み108、110に隣接した省略可能な唇状部116を有する。唇状部116のサイズを距離124と一緒に考慮して選択してもよい。例えば、ほぼ円環状の空洞106の外径が第1磁石102の直径120とほぼ同じとなるように選択してもよい。
【0104】
図28は、コイルシステム100の別の実施形態を例示する。コイルシステム100は円環状のコイル枠102と、コイル枠102に巻かれた複数の巻線104とを備える。例示のように、コイルシステム100は単一のコイル106を有する。幾つかの実施形態は様々な仕方で結合された複数のコイルを使用してもよい。幾つかの実施形態は1つ以上のバイメタルコイルを使用してもよい。幾つかの実施形態は絶縁シート上の配線からなる1つ以上のコイルを使用してもよい。コイルシステム100は、ほぼ円形の経路に沿ったコイル枠102に対する移動を可能にするよう構成された省略可能な磁性構造体108を有する。他の磁性構造体を使用してもよい。例えば上述した磁性構造体を使用してもよい。磁性構造体とコイルは他の経路に沿った相対移動を可能にするよう構成されてもよい。例えば、磁性構造体はほぼ直線経路、例えばコイルの平面に垂直な軸(図25を参照)に沿って該コイルに対して移動するよう構成されてもよい。コイルシステム100は、コイルシステム100に対する磁性構造体の相対移動を容易にする吊り下げシステム及び機構(例えば反発磁石)を使用してもよい。磁性構造体108及びハウジング(図23のハウジング852を参照)の形状と、コイル枠102及び磁性構造体ハウジング(図23のハウジング852を参照)の材料はコイル枠102と磁性構造体ハウジングの間の摩擦及び接触点を低減するよう選択されてよい。
【0105】
コイル、磁性構造体、装置、発電機/モーター、バッテリー、制御モジュール、エネルギー蓄積装置、及びエネルギーを生成し蓄積する方法の特定の実施形態及び例を例示の目的のために説明したが、当業者によって理解されるであろうように本開示の思想と範囲から逸脱することなく様々な変更が可能である。
【0106】
上述した様々な実施形態を組合わせて別の実施形態とすることができる。これらに限定されないが米国特許出願第11/475、858号、第11/475、389号、第11/475、564号、第11/475、842号を含む、本明細書で参照され及び/又は出願データシートに記載された米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許文献の全てを本明細書に援用する。本発明の態様は必要であれば上記の特許、出願、及び公開のシステム、回路、及び着想を使用し、本発明の追加の実施形態を提供するよう変更することができる。
【0107】
上記詳細な説明を考慮すると本発明の様々な変更が可能である。添付の請求項において、使用される用語は本発明を本明細書及び請求項に開示された特定の実施形態に限定すると理解されるべきでない。従って、本発明は本開示によって限定されないが、その範囲は添付の請求項によって完全に決定されるであろう。
【符号の説明】
【0108】
400 電気機械システム
404、826 磁性構造体
408、822 第1コイル
410、824 第2コイル
424、854 第1磁石
426、858 第2磁石
428、852 ハウジング(支持構造体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の大きさの物理的特性と、第1極性の第1極と、該第1極性と反対の第2極性の第2極とを有する第1磁性要素と、
該第1の大きさと異なる第2の大きさの該物理的特性と、該第1極性の第1極と、該第2極性の第2極とを有する第2磁性要素と、
を備える磁性構造体と、
該第1磁性要素と該第2磁性要素とを周囲距離より近い距離隔て、該第1磁性要素の該第1極が該第2磁性要素の該第1極と概ね対向するように保持するよう構成された支持構造体と、
を備える電気機械システム。
【請求項2】
前記第1磁性要素は希土類磁石からなる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2磁性要素は希土類磁石からなる請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記物理的特性は長さであり、前記第1の大きさは前記第2の大きさより大きい請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記支持構造体は前記第1、第2磁性要素を、大きな勾配の磁界領域を含む不均衡な磁界を生成する位置に保持するよう構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記支持構造体は前記磁性構造体とコイルシステムの互いに対する移動を可能にするよう構成されている請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記磁性構造体が前記コイルシステムに対して移動する時、前記磁界領域の少なくとも一部が該コイルシステムを通過する請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
該システムは機械力を受け取り、該機械力の受け取りに応答して電気信号を生成するよう構成されている請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
該システムは電気信号を受け取り、該電気信号の受け取りに応答して機械力を生成するよう構成されている請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記コイルシステムは複数のコイルを備える請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数のコイルは軸の周りに第1方向に巻かれた第1コイルと、該軸の周りに該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを含む請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記コイルシステムは、直列並列構成で結合された複数のコイル対を備える請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のコイルのうち1つのコイル対の第1コイルは、第1方向に巻かれた第1ワイヤからなり、
該コイル対の第2コイルは、該第1方向と反対の第2方向に巻かれた第2ワイヤからなる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
機械動力伝達システムを更に備える請求項6に記載のシステム。
【請求項17】
前記機械動力伝達システムは前記磁性構造体と前記コイルシステムの間の相対直線移動を可能にするよう構成されている請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記機械動力伝達システムは前記磁性構造体と前記コイルシステムの間の相対回転運動を可能にするよう構成されている請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
該システムは前記コイルシステムに対する前記磁性構造体の相対円運動を可能にするよう構成されている請求項6に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1磁性要素の前記第1極はほぼ半円環状の面を有し、前記第2磁性要素の前記第1極はほぼ半円環状の面を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記2つのほぼ半円環状の面は、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するよう寸法が設定されている請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイルを備える請求項6に記載のシステム。
【請求項23】
第1磁性要素と第2磁性要素とを間隔を隔てて同じ極が互いにほぼ対向するよう配置することで、該第1、第2磁性要素に関して不均衡で、該第1、第2磁性要素に隣接する領域において圧縮された磁界を発生させることと、
コイルシステムと該磁界の間の相対移動を発生させることと
を含む電力を生成する方法。
【請求項24】
前記コイルシステムに発生する電流を整流することを更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
エネルギー蓄積システムにエネルギーを蓄えることを更に含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1、第2磁性要素はそれぞれ永久磁石からなる請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記相対移動を発生させることは、前記コイルシステムに対して前記永久磁石を移動させることである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、概ね直線経路に沿って該永久磁石を移動させることである請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、該永久磁石を回転させることである請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記不均衡な磁界の圧縮された磁界領域における勾配を最適化することを更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記コイルシステムは第1方向に巻かれた第1コイルと、該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを備える請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記コイルシステムに対して永久磁石を移動させることは、該永久磁石を概ね円形の経路に沿って移動させることである請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記第1磁性要素はほぼ半円環状の面を有し、前記第2磁性要素はほぼ半円環状の面を有する請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記2つのほぼ半円環状の面は、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するよう寸法が設定されている請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイルを備える請求項23に記載の方法。
【請求項38】
第1磁性要素と第2磁性要素とを間隔を隔てて同じ極が互いにほぼ対向するよう配置することで、該第1、第2磁性要素に関して不均衡で、該第1、第2磁性要素に隣接する領域において圧縮された磁界を発生させることと、
該第1、第2磁性要素の近傍にあるコイルシステムに電流を伝導することと
を含む機械力を生成する方法。
【請求項39】
前記電流は交流である請求項38に記載の方法。
【請求項40】
ケースと、
該ケース内に収容された電気機械システムであって、
コイルシステムと、
磁性構造体であって、
第1の大きさの物理的特性と、第1極性の第1極と、該第1極性と反対の第2極性の第2極とを有する第1磁性要素と、
該第1の大きさと異なる第2の大きさの該物理的特性と、該第1極性の第1極と、該第2極性の第2極とを有する第2磁性要素と
を備える磁性構造体と、
該第1磁性要素と該第2磁性要素とを間隔を隔て、該第1磁性要素の該第1極が該第2磁性要素の該第1極と概ね対向するよう配置して、該第1、第2磁性要素に関して不均衡な磁界を発生させるように構成された支持構造体と
を備える電気機械システムと、
該ケース内に収容されたエネルギー蓄積装置と
を備えるシステム。
【請求項41】
前記第1磁性要素は希土類磁石からなる請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記第2磁性要素は希土類磁石からなる請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記物理的特性は長さであり、前記第1の大きさは前記第2の大きさより大きい請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記不均衡な磁界は、該磁界が圧縮された領域を含む請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記支持構造体は前記磁性構造体と前記コイルシステムの互いに対する移動を可能にするよう構成されている請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記磁性構造体が前記コイルシステムに対して移動する時、前記領域が該コイルシステムを通過する請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記コイルシステムは複数のコイルを備える請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記複数のコイルは第1方向に巻かれた第1コイルと、該第1方向と異なる第2方向に巻かれた第2コイルとを含む請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1コイルは、第1の巻数を有し、前記第2コイルは、該第1の巻数と異なる第2の巻数を有する請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記第1コイルは、第1の半径を有する第1ワイヤからなり、前記第2コイルは、該第1の半径と異なる第2の半径を有する第2ワイヤからなる請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記コイルシステムは、直列並列構成で結合された複数のコイル対を備える請求項45に記載のシステム。
【請求項52】
前記複数のコイルのうち1つのコイル対の第1コイルは、第1方向に巻かれた第1ワイヤからなり、
該コイル対の第2コイルは、該第1方向と反対の第2方向に巻かれた第2ワイヤからなる請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記物理的特性は強さであり、前記第1の大きさは前記第2の大きさより大きい請求項42に記載のシステム。
【請求項54】
該システムは前記コイルシステムに対する前記磁性構造体の相対円運動を可能にするよう構成されている請求項45に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1磁性要素の前記第1極はほぼ半円環状の面を有し、前記第2磁性要素の前記第1極はほぼ半円環状の面を有する請求項40に記載のシステム。
【請求項56】
前記2つのほぼ半円環状の面は、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するよう寸法が設定されている請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記コイルシステムは、ほぼ円環状のコイルを備える請求項40に記載のシステム。
【請求項58】
磁界を生成する第1手段と、
磁界を生成する第2手段と、
磁界を生成する該第1と第2手段を互いに対して配置して、不均衡で該第1と第2手段に隣接する領域において圧縮された磁界を発生させる手段と、
電流を伝導する手段と、
該圧縮された磁界領域と電流を伝導する該手段の間の相対移動を可能にする手段と
を備える電気機械システム。
【請求項59】
磁界を生成する前記第1と第2手段はそれぞれ永久磁石からなる請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
電流を伝導する前記手段はコイル対を備え、該コイル対の第1コイルは、第1の外周長を有し第1の巻数第1方向に巻かれた第1ワイヤからなり、該コイル対の第2コイルは、該第1の外周長と異なる第2の外周長を有し第2の巻数第2方向に巻かれた第2ワイヤからなり、該第2の巻数は該第1の巻数と異なり、該第2方向は該第1方向と異なる請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記第1の巻数は前記第2の巻数より大きく、前記第1の外周長は前記第2の外周長より小さい請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
電流を伝導する前記手段は、電流を伝導する該手段の出力の電位差への前記第1コイルの寄与が、該電位差への前記第2コイルの寄与と同じ極性を有するよう該第1コイルを該第2コイルに結合する結合構成を更に備える請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
ほぼ半円環状の面を有する第1磁性要素と、
ほぼ半円環状の面を有する第2磁性要素と、
該第1磁性要素と該第2磁性要素とを隔て、該第1と第2磁性要素の間にほぼ円環状の空洞を形成するように保持するよう構成された支持構造体と
を備えるシステム。
【請求項64】
コイルシステムを更に備える請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記第1磁性要素は前記第2磁性要素とほぼ同一である請求項63に記載のシステム。
【請求項66】
前記第1磁性要素の長さは前記第2磁性要素の長さより長い請求項63に記載のシステム。
【請求項67】
前記第1磁性要素はほぼ円筒形の永久磁石からなる請求項63に記載のシステム。
【請求項68】
前記コイルシステムはほぼ円環状のコイルを備える請求項64に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2010−514388(P2010−514388A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518155(P2009−518155)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/014227
【国際公開番号】WO2008/002414
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(508374874)バテル エナジー アライアンス エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】