説明

移動体検出方法及び装置、並びに監視装置

【課題】3次元的に移動する移動体の検出を行う。
【解決手段】周期的に取得される画像から移動体領域を抽出し、テンプレートとして記憶する。テンプレートを記憶した後、続いて得られる画像を拡大・縮小して倍率の異なる複数の画像を作成し、多重化データとして記憶する。テンプレートと多重化データの各画像との間でパターンマッチングを行い、テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中でテンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出する。マッチング処理によって検出された画像の倍率と最大相関領域の位置から、移動体の3次元的な動きベクトルを算出する。この動きベクトルに基づいて、撮影方向及びズーム倍率の変更を行うことにより、移動体の追跡を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の動きを検出する移動体検出方法及び装置、並びに、その移動体検出装置を備えた監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視装置等において、周期的に取得される画像をパターンマッチングにより比較して移動体の移動方向及び移動量(動きベクトル)を検出し、移動体を追跡する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このパターンマッチング法は、具体的には、まず、画像から移動体を含む領域(追跡対象領域)を抽出し、テンプレートとして記憶した後、続いて得られる画像上で、テンプレートの位置を微小にずらしながら相関値を算出して、最も相関の大きい領域を求めることで動きベクトルを検出する方法である。
【0003】
このパターンマッチング法によれば、比較的簡単な構成で精度よく動きベクトルを検出することが可能であるが、ズーミングにより被写体を拡大・縮小した場合、画像間で追跡対象の移動体の大きさが変化するため、テンプレートと移動体の相関が低下し、動きベクトルの検出が不能となるといった問題がある。そこで、かかる問題を解決するために、抽出した追跡対象領域を複数の倍率に拡大・縮小して複数のテンプレートを作成しておき、ズーミングを行った際にズーム倍率に対応した大きさのテンプレートを選択して用いる方法が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−136219号公報
【特許文献2】特開2001−243476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載の従来の方法では、移動体が装置に対して近接・離間する方向に移動した場合には、移動体の大きさはズーム倍率とは無関係に変化するため、パターンマッチングが得られず、動きベクトルを検出することができない。つまり、3次元的に移動する移動体の追跡を行うことができないといった問題がある。3次元的に移動する移動体を撮影により捕らえながら追跡を行いたいということは、監視装置においては一般的な要求である。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、3次元的に移動する移動体の検出を可能とする移動体検出方法及び装置、並びに、その移動体検出装置を備えた監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の移動体検出方法は、周期的に取得される画像から移動体領域を抽出し、テンプレートとして記憶するテンプレート生成工程と、前記テンプレートを記憶した後、続いて得られる画像を拡大・縮小して倍率の異なる複数の画像を作成し、多重化データとして記憶する多重化データ生成工程と、前記テンプレートと前記多重化データの各画像との間でパターンマッチングを行い、前記テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で前記テンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出するマッチング処理工程と、前記マッチング処理工程によって検出された画像の倍率と前記最大相関領域の位置から、移動体の3次元的な動きベクトルを算出する動きベクトル算出工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
なお、マッチング処理時間を短縮するために、前記マッチング処理工程は、前記多重化データのうち、拡大・縮小のなされていない画像に対して前記テンプレートを走査することにより、最も相関が大きい領域を検出して、この領域を含むようにサーチ領域を設定し、前記多重化データの各画像に前記サーチ領域を割り当て、各サーチ領域に対して前記テンプレートを走査することにより、前記テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で前記テンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出することが好ましい。
【0008】
また、本発明の移動体検出装置は、周期的に取得される画像から移動体領域を抽出する移動体領域抽出手段と、前記移動体領域抽出手段によって抽出された移動体領域をテンプレートとして記憶するテンプレート記憶手段と、前記テンプレートを記憶した後、続いて得られる画像を拡大・縮小して倍率の異なる複数の画像を作成する多重化処理手段と、
前記多重化処理手段によって作成された複数の画像を多重化データとして記憶する多重化データ記憶手段と、前記テンプレートと前記多重化データの各画像との間でパターンマッチングを行い、前記テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で前記テンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出するマッチング処理手段と、前記マッチング処理手段によって検出された画像の倍率と前記最大相関領域の位置から、移動体の3次元的な動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
なお、マッチング処理時間を短縮するために、前記マッチング処理手段は、前記多重化データのうち、拡大・縮小のなされていない画像に対して前記テンプレートを走査することにより、最も相関が大きい領域を検出して、この領域を含むようにサーチ領域を設定し、前記多重化データの各画像に前記サーチ領域を割り当て、各サーチ領域に対して前記テンプレートを走査することにより、前記テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で前記テンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出することが好ましい。
【0010】
また、本発明の監視装置は、前記移動体検出装置と、ズーム倍率を変更するズーム手段及び撮影方向を変更する旋回手段を有するとともに、周期的に撮影を行い前記移動体検出装置に画像を入力する撮影手段と、前記動きベクトル算出手段によって算出された動きベクトルに基づき、移動体の動きを打ち消すように前記ズーム手段及び前記旋回手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
なお、自動焦点調整の動作時間を短縮するために、前記撮影手段は、前記動きベクトル算出手段によって算出された動きベクトルの光軸方向の成分に基づいて、フォーカスレンズの移動方向を決定し、画像のコントラストが最大となる位置に前記フォーカスレンズを移動させる自動焦点調整手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、テンプレートを作成した後、続いて得られる画像を拡大・縮小して倍率の異なる複数の画像からなる多重化データを作成し、テンプレートと多重化データの各画像との間でパターンマッチングを行い、最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で最も相関が大きい最大相関領域を検出することにより、移動体の3次元的な動きベクトルを検出し、3次元的に移動する移動体の追跡を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1において、本発明の第1実施形態に係わる監視装置10は、パン・チルト旋回動作を行うための旋回装置11を備え、周期的に撮影動作を行う撮影部12と、撮影部12により取得された画像から移動体を検出するとともに、移動体の3次元的な動きベクトルを検出し、この検出した動きベクトルを撮影部12に入力する移動体検出部13とからなる。
【0014】
図2において、撮影部12は、ズームレンズ20a及びフォーカスレンズ20bを含む光学系20と、ズームレンズ20aを光軸Lに沿って移動させ、ズーム倍率を変更するズームレンズ駆動部21と、フォーカスレンズ20bを光軸Lに沿って移動させ、焦点調節を行うフォーカスレンズ駆動部22と、光学系20を介して被写体光の撮像を行うCCDイメージセンサなどの撮像素子23と、撮像素子23を所定周期で動作させるタイミングジェネレータ(TG)24と、撮像素子23から出力された画像をデジタルデータ化するA/D変換器25と、A/D変換器25から出力された画像から高周波成分を抽出して積算することにより、画像のコントラストを表すAF(自動焦点調整)評価値を算出するAF演算部26と、各部の制御を統括的に行う撮影制御部27とによって構成されている。
【0015】
撮影制御部27は、AF演算部26によって取得されるAF評価値を監視しながらフォーカスレンズ駆動部22の制御を行い、フォーカスレンズ20bをAF評価値が最大となる位置(合焦位置)へ移動させることにより、ユーザの操作を介さず焦点調整を行う。
【0016】
A/D変換器25から出力された画像は、順次に移動体検出部13に入力され、移動体検出部13によって検出される移動体の動きベクトルのうちZ方向成分(光軸L方向に沿うベクトル成分)が撮影制御部27に入力される。撮影制御部27は、このZ方向成分が入力されると、ズームレンズ駆動部21を制御し、画像中の移動体の大きさの変動を打ち消すようにズーム倍率を変化させる。
【0017】
また、撮影制御部27は、移動体検出部13から入力される動きベクトルのZ方向成分をAF制御に利用する。つまり、従来のAF動作では、まず、フォーカスレンズ20bを光軸Lに沿って双方向に微動させ、AF演算部26により取得されるAF評価値が増加する方向を検出する必要があるが、撮影制御部27は、この方向を動きベクトルのZ方向成分を用いて決定することにより、合焦位置のサーチ時間を短縮する。なお、撮影制御部27及びAF演算部26は、自動焦点調整手段として機能している。
【0018】
図1に戻り、移動体検出部13は、撮影部12から入力された画像を順次に記憶する画像メモリ30と、画像メモリ30に入力された画像から移動体を含む領域(移動体領域)を抽出する移動体領域抽出部31と、移動体領域抽出部31が抽出した領域をテンプレートとして記憶するテンプレート記憶部32と、テンプレートの記憶後に続いて入力された画像を拡大・縮小して倍率の異なる複数の画像からなる多重化データを生成する多重化処理部33と、多重化処理部33により生成された多重化データを記憶する多重化データ記憶部34と、テンプレート記憶部32に記憶されたテンプレートと多重化データ記憶部34に記憶された多重化データとの間でパターンマッチングを行い、相関値を算出するマッチング処理部35と、マッチング処理部35の処理結果に基づき、移動体の3次元的な動きベクトルを算出する動きベクトル算出部36と、各部の制御を統括的に行う全体制御部37とによって構成されている。
【0019】
移動体領域抽出部31は、画像メモリ30に周期的に入力される画像間の差分を取り、輝度値の差が一定以上の画素領域を移動体として検出し、特定した移動体を含む領域をテンプレートとして、テンプレート記憶部32に入力する。図3において、移動体領域抽出部31によって抽出される移動体領域(テンプレート)Jを例示している。以降の説明のため、画像メモリ30に記憶される画像のサイズをM×N、テンプレートJの中心座標を(x,y)とする。
【0020】
多重化処理部33は、移動体領域抽出部31により移動体が検出された後、続いて得られる画像の縦横の長さを、例えば10%ずつ拡大・縮小して、図4に示すように、例えば9個の画像からなる多重化データを生成し、多重化データ記憶部34に入力する。なお、画像の拡大・縮小は、補間処理や間引き処理にて行う。
【0021】
マッチング処理部35は、テンプレートJと多重化データとのパターンマッチングを行い、テンプレートJと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中でテンプレートJと最も相関が大きい最大相関領域を求める。具体的には、テンプレートJを各画像内で微小距離ずつずらしながら各領域において、テンプレートJと画像との間で各画素の輝度値の差をとってその絶対値を加算し、この加算値が最小(相関が最大)となる領域を求める。
【0022】
図5において、多重化データに含まれる画像のうち、移動体の大きさがテンプレートJの大きさにほぼ一致し、最も大きな相関が得られた倍率(この例では、0.8倍)の画像を例示している。領域Rは、テンプレートJとの相関が最大の領域(最大相関領域)であり、その中心座標を(x,y)とする。この中心座標は、画像の倍率を考慮し、標準サイズ(M×N)の画像に合わせて規格化した座標である。
【0023】
動きベクトル算出部36は、図6に示すように、テンプレートJの中心座標(x,y)と、多重化データから取得した最大相関領域Rの中心座標(x,y)との差分から移動体の動きベクトルのXY方向成分(光軸Lに垂直な面内の成分)Vxyを算出する。また、動きベクトル算出部36は、最大相関領域Rの得られた画像の倍率から移動体の動きベクトルのZ方向成分(光軸L方向の成分)Vを求める。上記の例では、0.8倍に縮小した画像にて最大相関領域Rが得られているため、移動体は、撮影部12に近接する方向に移動していることがわかる。
【0024】
動きベクトル算出部36によって得られた動きベクトルのXY方向成分Vxy及びZ方向成分Vは、全体制御部37を介して、旋回装置11及び撮影部12にそれぞれ入力される。旋回装置11は、XY方向成分Vxyを打ち消すように撮影部12の撮影方向を旋回させ、撮影部12の撮影制御部27は、Z方向成分Vを打ち消すようにズーム倍率を変化させる。また、撮影制御部27は、Z方向成分Vに基づいてフォーカスレンズ20bを移動させるべき方向を決定し、AF制御を行う。
【0025】
また、全体制御部37は、動きベクトルのXY方向成分Vxy及びZ方向成分Vに基づいて、最大相関領域Rの位置及び倍率を変化させ、最大相関領域Rを新たなテンプレートJとしてテンプレート記憶部32に記憶させる。
【0026】
次に、以上のように構成された監視装置10の動作を説明する。監視装置10は、動作を開始すると、撮影部12により周期的に画像を取得し、取得した画像を順次に移動体検出部13へ送出する。移動体検出部13に入力された画像は、順次に画像メモリ30に記憶される。これと同時に、図7のフローチャートに示すステップS1〜S9が実行される。
【0027】
まず、移動体領域抽出部31により、周期的に画像メモリ30に記憶される画像間の差分演算が行われ、移動体の検出が行われる(ステップS1)。輝度値の差が一定以上の画素領域が検出されることにより移動体が検出されると、この移動体を含む領域(移動体領域)が抽出される(ステップS2)。抽出された移動体領域は、図3に示すように、テンプレートJとしてテンプレート記憶部32に記憶される(ステップS3)。この後、続いて得られる画像が、多重化処理部33により拡大・縮小され、図4に示すように、倍率の異なる複数の画像(多重化データ)に多重化される(ステップS4)。この多重化データは、多重化データ記憶部34に記憶される(ステップS5)。
【0028】
次いで、マッチング処理部35により、テンプレート記憶部32に記憶されたテンプレートJと、多重化データ記憶部34に記憶された多重化データの各画像との間でパターンマッチングが行われ、テンプレートJと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中でテンプレートJと最も相関が大きい最大相関領域Rが求められる(ステップS6)。ここで、所定以上の相関を呈する領域が検出されない場合には、上記のステップS1へ戻り、再度、移動体の検出が行われる。これは、移動体の速度が極端に速く、多重化データ中に移動体が撮影されなかった場合や、移動体の向きが変更され、移動体のパターンが極端に変化した場合などに生じる。
【0029】
マッチング処理部35により、所定以上の相関を呈する領域(つまり、上記の輝度差の加算値が所定値以下の領域)が検出されると、図5に示すように、テンプレートJ中の画像と大きさがほぼ一致し、最も相関が大きい最大相関領域Rが多重化データの画像中から特定される。次いで、動きベクトル算出部36により、テンプレートJと最大相関領域Rとの位置関係、及び、最大相関領域Rが得られた画像の倍率から、移動体の3次元的な移動ベクトル(XY方向成分Vxy及びZ方向成分V)が算出される(ステップS7)。
【0030】
次いで、全体制御部37により、移動ベクトルに基づいて、旋回装置11及び撮影部12が制御され、移動体の移動を打ち消す方向に、撮影方向及びズーム倍率が変更される(ステップS8)。そして、全体制御部37により、画像中から最大相関領域Rが抽出され、上記の移動ベクトルに基づいて、移動前の位置及び大きさとなるように補正が行われた後、この補正後の最大相関領域RによってテンプレートJが更新される(ステップS9)。更新されたテンプレートJは、テンプレート記憶部32に記憶される(ステップS3)。この後、上記の各ステップが繰り返し実行され、移動体の追跡が行われる。
【0031】
このように、監視装置10は、移動体が装置に対して近接・離間する方向に移動した場合においても確実に移動体を検出し、追跡を行うことができる。
【0032】
なお、上記第1実施形態では、マッチング処理部35によりテンプレートと多重化データとのパターンマッチングを行う際、多重化データの各画像内の全領域に対してテンプレートを走査することにより、最大相関領域の検出を行っているため、多重化データの画像数が多い場合には、処理時間の長大化が問題となる。そこで、以下の第2実施形態に示すようにパターンマッチングを実行することで、処理時間の短縮を図ることができる。
【0033】
本発明の第2実施形態は、マッチング処理部35のマッチング処理以外は、上記の第1実施形態と同一である。マッチング処理部35は、まず、多重化データに含まれる画像のうち、拡大・縮小のなされていない標準サイズ(M×N)の画像に対してテンプレートJを走査することにより、図8に示すように、テンプレートJと最も相関が大きい領域R’を検出し、この領域R’を含み、かつ領域R’より十分に大きいサーチ領域Wを設定する。そして、多重化データの各画像にサーチ領域Wを割り当て、各サーチ領域Wに対してテンプレートJを走査することにより、テンプレートJと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中でテンプレートJと最も相関が大きい最大相関領域Rを検出する。
【0034】
このように、第2実施形態では、多重化データの1つの画像から、テンプレートと相関が得られるおおよその領域R’を求めることによりサーチ領域Wを設定し、他の画像のパターンマッチングを、サーチ領域Wに限定して実行することにより、処理時間を短縮することができる。
【0035】
なお、上記実施形態では、追跡精度を高めるために、動きベクトルを検出した後、最大相関領域Rによりテンプレートの更新を行っているが、構成の簡素化を求めるのであれば、テンプレートを更新せず、移動体領域抽出部31により抽出されたものを継続して使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる監視装置の構成を示す図である。
【図2】撮影部の構成を示す図である。
【図3】テンプレートを抽出した画像を示す図である。
【図4】多重化データを示す図である。
【図5】最大相関領域が検出された画像を示す図である。
【図6】動きベクトルのXY方向成分を示す図である。
【図7】監視装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
【0037】
10 監視装置
11 旋回装置
12 撮影部
13 移動体検出部
20 光学系
20a ズームレンズ
20b フォーカスレンズ
21 ズームレンズ駆動部
22 フォーカスレンズ駆動部
23 撮像素子
26 AF演算部
27 撮影制御部
30 画像メモリ
31 移動体領域抽出部
32 テンプレート記憶部
33 多重化処理部
34 多重化データ記憶部
35 マッチング処理部
36 動きベクトル算出部
37 全体制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的に取得される画像から移動体領域を抽出し、テンプレートとして記憶するテンプレート生成工程と、
前記テンプレートを記憶した後、続いて得られる画像を拡大・縮小して倍率の異なる複数の画像を作成し、多重化データとして記憶する多重化データ生成工程と、
前記テンプレートと前記多重化データの各画像との間でパターンマッチングを行い、前記テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で前記テンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出するマッチング処理工程と、
前記マッチング処理工程によって検出された画像の倍率と前記最大相関領域の位置から、移動体の3次元的な動きベクトルを算出する動きベクトル算出工程と、
を備えたことを特徴とする移動体検出方法。
【請求項2】
前記マッチング処理工程は、前記多重化データのうち、拡大・縮小のなされていない画像に対して前記テンプレートを走査することにより、最も相関が大きい領域を検出して、この領域を含むようにサーチ領域を設定し、前記多重化データの各画像に前記サーチ領域を割り当て、各サーチ領域に対して前記テンプレートを走査することにより、前記テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で前記テンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出することを特徴とする請求項1記載の移動体検出方法。
【請求項3】
周期的に取得される画像から移動体領域を抽出する移動体領域抽出手段と、
前記移動体領域抽出手段によって抽出された移動体領域をテンプレートとして記憶するテンプレート記憶手段と、
前記テンプレートを記憶した後、続いて得られる画像を拡大・縮小して倍率の異なる複数の画像を作成する多重化処理手段と、
前記多重化処理手段によって作成された複数の画像を多重化データとして記憶する多重化データ記憶手段と、
前記テンプレートと前記多重化データの各画像との間でパターンマッチングを行い、前記テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で前記テンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出するマッチング処理手段と、
前記マッチング処理手段によって検出された画像の倍率と前記最大相関領域の位置から、移動体の3次元的な動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、
を備えたことを特徴とする移動体検出装置。
【請求項4】
前記マッチング処理手段は、前記多重化データのうち、拡大・縮小のなされていない画像に対して前記テンプレートを走査することにより、最も相関が大きい領域を検出して、この領域を含むようにサーチ領域を設定し、前記多重化データの各画像に前記サーチ領域を割り当て、各サーチ領域に対して前記テンプレートを走査することにより、前記テンプレートと最も相関が大きい画像の倍率、及びその画像中で前記テンプレートと最も相関が大きい最大相関領域を検出することを特徴とする請求項3記載の移動体検出装置。
【請求項5】
請求項3または4記載の移動体検出装置と、
ズーム倍率を変更するズーム手段及び撮影方向を変更する旋回手段を有するとともに、周期的に撮影を行い前記移動体検出装置に画像を入力する撮影手段と、
前記動きベクトル算出手段によって算出された動きベクトルに基づき、移動体の動きを打ち消すように前記ズーム手段及び前記旋回手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項6】
前記撮影手段は、前記動きベクトル算出手段によって算出された動きベクトルの光軸方向の成分に基づいて、フォーカスレンズの移動方向を決定し、画像のコントラストが最大となる位置に前記フォーカスレンズを移動させる自動焦点調整手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−287648(P2008−287648A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134130(P2007−134130)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】