説明

移動体通信端末

【課題】 画像を外部出力装置に出力して表示する際に、画像信号形成手段の画像信号の生成が間に合わなくなることによる出力画像の不具合を抑制することができる移動体通信端末を提供する。
【解決手段】 記憶手段に記憶されている画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段にかかる負荷の度合い(負荷レベル)と画像信号生成手段の画像信号生成能力(画像信号生成レベル)とを比較する。画像信号生成手段の画像信号生成能力が、出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段にかかる負荷の度合い以上のとき、画像信号生成手段で生成した画像信号を外部出力装置に送信する。一方、画像信号生成手段の画像信号生成能力が、出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段にかかる負荷の度合い未満のときは、画像信号生成手段で生成した画像信号を外部出力装置に出力しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示手段と、通信ネットワークを介した通信を行うための通信手段とを備えた携帯電話機等の移動体通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像表示機能を備えた移動体通信端末としての携帯電話機に外部出力端子を設け、この外部出力端子と外部モニタとを接続して、携帯電話機に表示される画像を外部モニタに表示させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−111802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話機の小さい画面に画像や映像等を表示する場合は、画像を表示する表示領域が小さいので、画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するための計算量が少なくて済む。よって、携帯電話機のCPU等の画像信号生成手段にかかる負荷は小さく、スムーズに映像やゲームキャラクターを動かすことができる。しかし、これらの画像や映像等を外部出力してテレビ装置などの大画面に画像を表示する場合は、画像を表示する表示領域が大きくなるため、その分画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するための計算量が増加する。その結果、携帯電話機のCPU等の画像信号生成手段にかかる負荷が増大して、画像信号生成手段の画像信号の生成が間に合わなくなってしまう。すると、映像やゲームキャラクターの動きがコマ送りのような動きに見える等、表示される画像に不具合を生じてしまうという問題があった。特に、外部出力する映像がCPU等の画像信号生成手段に大きな負荷がかかるゲームの3D動画などの場合に、上記不具合が顕著に現れてしまう。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、画像を外部出力装置に出力して表示する際に、画像信号形成手段の画像信号の生成が間に合わなくなることによる出力画像の不具合を抑制することができる移動体通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像を表示する表示手段と、通信ネットワークを介した通信を行うための通信手段とを備えた移動体通信端末において、画像データに基づいて出力用の画像信号を生成する画像信号生成手段と、画像データと該画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合いを示す情報と該画像信号生成手段の画像信号生成能力を示す情報とを記憶する記憶手段と、該画像信号を外部出力装置に送信する外部インターフェース手段と、該記憶手段に記憶されている該画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合いと該画像信号生成手段の画像信号生成能力とを比較する比較手段と、該画像信号生成手段の画像信号生成能力が該出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合い以上のとき、該画像信号生成手段で生成した画像信号を該外部出力装置に送信し、該画像信号生成手段の画像信号生成能力が該出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合い未満のときは、該画像信号生成手段で生成した画像信号を該外部出力装置に出力しないよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、画像を表示する表示手段と、通信ネットワークを介した通信を行うための通信手段とを備えた移動体通信端末において、画像データに基づいて出力用の画像信号を生成する画像信号生成手段と、画像データと該画像データに基づいて画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合いを示す情報と該画像信号生成手段の画像信号生成能力を示す情報とを記憶する記憶手段と、該画像信号を外部出力装置に送信する外部インターフェース手段と、該記憶手段に記憶されている該画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合いと画像信号生成手段の画像信号生成能力とを比較する比較手段と、該画像信号生成手段で出力用の画像信号を生成する際、該画像信号生成手段の画像信号生成能力が該出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合い以上のとき、外部出力が選択できる画面を表示し、該画面に基づき外部出力が選択されたときに、該画像信号生成手段で生成した出力用の画像信号を該外部出力装置に出力し、該画像信号生成手段の画像信号生成能力が該出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合い未満のときは、外部出力が選択できる画面を表示しないよう制御する制御手段とを備えたを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の移動体通信端末において、上記記憶手段には、上記画像データに基づいて生成する画像信号が外部出力可能であるか否かを示す出力可否情報が記憶されており、上記制御手段は、該画像信号を外部出力装置にする際、該出力可否情報が外部出力不可を示す情報である場合は該画像信号を外部出力装置に出力しないことを特徴とするものである。
【0007】
なお、上記「移動体通信端末」としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、TD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)方式の一つであるTD−SCDMA(MC:Multi Carrier)方式の携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、自動車電話機、固定電話機等の通話機能を有する電話機が挙げられる。また、この「移動体通信端末」としては、上記電話機のほか、通話機能を有するPDA(Personal Digital Assistance)等の通信端末も挙げられる。
また、上記「外部出力装置」は、移動体通信端末からの信号を受けることができる外部インターフェース手段、画像表示手段を備えた装置であり、例えば画像信号を受ける汎用の外部インターフェース部を備えたテレビ装置やディスプレイ装置が挙げられる。
また、上記移動体通信端末における制御やデータ処理は、その通信端末に設けられたコンピュータで所定のプログラムを実行することによって実現することもできる。このコンピュータで用いるプログラムの受け渡しは、デジタル情報としてプログラムを記録したFD,CD−ROM等の記録媒体を用いて行なってもいいし、コンピュータネットワーク等の通信ネットワークを用いて行なってもよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1乃至3の発明によれば、記憶手段に記憶されている画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段にかかる負荷の度合いと画像信号生成手段の画像信号生成能力とを比較する。そして、画像信号生成手段の画像信号生成能力が画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段にかかる負荷の度合い以上のときに、この画像データに基づいて生成された出力用の画像信号を外部出力装置に送信可能とする。一方、画像信号生成手段の画像信号生成能力が画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段にかかる負荷の度合い未満の場合は、この画像データに基づいて生成された出力用の画像信号を外部出力装置に送信しない。これにより、画像信号生成手段の画像信号生成能力が、画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段にかかる負荷の度合い以上の場合にのみ、画像データに基づいて生成した出力用の画像信号が外部出力装置に送信される。よって、画像を外部出力する際、画像信号生成手段の画像信号生成が間に合わなくなることによって外部出力装置に表示される画像がコマ送りのような動きに見えたりする等の不具合を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態に係る携帯電話機について説明する。
図1は、本実施形態に係る移動体通信端末としての携帯電話機20を用いた移動体通信システムの主要部を示す説明図である。この移動体通信システムにおいて、ユーザー1が使用する携帯電話機20は、電話機プラットフォーム(通信端末プラットフォーム)とは異なるアプリケーションプログラム実行環境が構築され、その実行環境上でアプリケーションプログラムを実行できるように構成されている。このアプリケーションプログラムとしては、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミングによって開発されたJAVA(登録商標)、C++等のプログラム言語で記述されたアプリケーションプログラムや、C言語やアセンブリ言語で記述されたアプリケーションプログラムなどが挙げられる。また、これらのアプリケーションプログラムの実行環境は、JAVA(登録商標)の仮想マシン(VM:Virtual Machine)やBREW(登録商標)等のミドルウェアによって構築される。このアプリケーションプログラムは、携帯電話機20にプレインストールされているものであってもいいし、通信ネットワークとしての携帯電話通信網を介してダウンロードサーバからダウンロードし携帯電話機20に保存して登録したものでもよい。
【0010】
携帯電話通信網10には、プログラム提供用サーバとしてのアプリケーションプログラムダウンロードサーバ(以下、「ダウンロードサーバ」という。)11が接続されている。また、携帯電話通信網10には、ダウンロードサーバ11のほか、Webサーバ12や、図示しない情報提供サーバ、位置登録サーバ、メールサーバ等も接続されている。なお、これらサーバは単一のサーバで構成してもよい。また、これらのサーバは、互いに異なる構成を有する専用の制御装置として構成してもいいし、汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、各サーバは、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
【0011】
上記ダウンロードサーバ11は、携帯電話機20からのダウンロード要求を受け付けると、その要求に係るアプリケーションプログラムを携帯電話機20に対して送信する。また、Webサーバ12は、携帯電話機20からの閲覧要求を受け付けると、その要求に係る閲覧画面であるWebページ画面を携帯電話機20に対して送信する。
ダウンロードサーバ11から提供されるアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムの開発元2から提供される。具体的には、例えば、アプリケーションプログラム開発元2側のパーソナルコンピュータ等から、専用回線や公衆回線を介してダウンロードサーバ11にアップロードして提供する。なお、開発したアプリケーションプログラムを記録した光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体を、アプリケーションプログラム開発元2からダウンロードサーバ11を管理・運営する通信事業者に送り、その記録媒体内のアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11で読み取るようにして、提供してもよい。このようにして提供されたアプリケーションプログラムは、携帯電話機20から携帯電話通信網10を介してダウンロード可能な状態でダウンロードサーバ11に登録される。
【0012】
上記位置登録サーバは、各携帯電話機20の位置している現在位置の情報すなわち各携帯電話機20が位置している位置登録管理エリアの位置情報を登録して管理するサーバである。この位置登録管理エリアは、各携帯電話機20と無線通信する基地局が管轄する一つのセルからなるエリアであっていいし、隣接する複数のセルを一つのグループとして管理されるエリアであってもよい。一つの位置登録管理エリアの典型的なサイズは数km〜数百mである。上記位置登録サーバに対する各携帯電話機20の位置登録は、電源ON時に、定期的に、及び携帯電話機20が位置するセルが変わるたびに行われる。
上記情報提供サーバは、各位置登録管理エリアの基地局を介して、所定の通信チャンネルによって地域情報、該当する位置登録管理エリアの位置情報(緯度、経度、住所)、コンテンツ情報等の各種情報を配信する。このように各種情報が送信されている通信チャンネルについて、携帯電話機20が所定のタイミングで受信動作を実行することにより、その通信チャンネルで送信されている情報を取得し情報記憶手段としての内部メモリーに保存することができる。各通信チャンネルに対する受信動作は、予め初期設定で設定されているタイミングや、利用者が設定したタイミングで実行することができる。この受信動作は定期的に実行してもいいし、不定期に実行してもよい。
上記メールサーバは、各携帯電話機20から送信されたメールのデータを次のメールサーバに転送したり、各携帯電話機20宛に送られてきたメールを受信して保存・管理し、各携帯電話機20からのメール取得要求に応じて受信メールのデータを各携帯電話機に送信したりする。
【0013】
図2は携帯電話機20の外観図であり、図3は、その携帯電話機20のハードウェア構成を示す概略構成図である。
この携帯電話機20は、携帯電話機の一例である、クラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス200、CPU201、RAM202やROM203等からなるデータ記憶手段、入力装置204、出力装置205及び携帯電話通信網用通信装置206を備えている。更に、携帯電話機20は、メモリーカードドライブ装置207、画像信号処理装置208、音信号処理装置209及び外部インターフェース手段としての外部インターフェース装置210を備えている。
【0014】
上記CPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや後述のプログラムの命令等のやり取りを行っている。上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、マイク26等から構成されている。上記出力装置205は、表示手段である液晶ディスプレイ(LCD)27、スピーカ28等から構成されている。
【0015】
上記携帯電話通信網用通信装置206は、無線通信用の高周波送受信回路、シンセサイザー等を用いて構成され、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上述したサーバ11等と通信するためのものである。この携帯電話通信網用通信装置206は、携帯電話機通信網10を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話機通信網10からゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部の通信ネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取り等を行ったりするためのものである。更に、この携帯電話通信網用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して、ダウンロードサーバ11が提供するゲーム等のアプリケーションプログラムをダウンロードしたり、Webサーバ12が提供する映像コンテンツをダウンロードしたり、現在位置の位置情報を含む配信情報を受信したりするときの通信手段としても用いられる。
【0016】
また、上記利用者1が操作可能な上述のテンキー21、通話開始キー22、終話キー23等で構成されているキー操作部を操作することにより、利用者は、携帯電話機20に対してURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、利用者はキー操作部を操作することにより、上記ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードして登録したり、登録したアプリケーションプログラムを選択して実行したりすることができる。また、利用者はキー操作部を操作することにより、携帯電話通信網10の情報提供サーバから受信した情報を表示することもできる。
【0017】
上記液晶ディスプレイ(LCD)27やスピーカ28等からなる出力装置等で構成されている出力部は、携帯電話通信網10を介して受信したWebページ画面を液晶ディスプレイ(LCD)27に表示したり、携帯電話通信網10から情報が着信した旨を利用者に報知したりするときに用いられる。具体的には、その情報を着信すると、出力部の液晶ディスプレイ(LCD)27に着信報知画像を表示したり、スピーカ28から着信音を出力させたりする。また、出力部は、上記ゲーム等のアプリケーションプログラムの実行中に、そのプログラム実行に関連した画像の表示や音の出力に用いたり、情報提供サーバから受信した情報を表示したりするときにも用いられる。
【0018】
上記メモリーカードドライブ装置207は、メモリーカード29を着脱可能にするための機構を有するとともに、メモリーカード29の電極端子に接触する端子を介してデータ送受信するインターフェース部を有している。
【0019】
上記画像信号処理装置208は、例えばアナログ回路とデジタル回路とが混在した単一のLSIで構成したり、複数のLSI等の回路部品を組み合わせて構成したりすることができる。この画像信号処理装置208はCPU201で制御され、画像データ(画像ファイル)に基づいて出力装置205のディスプレイ27等の画像表示に用いる画像信号を生成したり、複数の画像を重ねて表示するように複数の画像データから一つの画像信号を生成したりする。
【0020】
上記音信号処理装置209は音源、増幅器、A/D変換器、D/A変換器、ミキシング回路等で構成された装置である。この音信号処理装置209は、例えばアナログ回路とデジタル回路とが混在した単一のLSIで構成したり複数のLSI等の回路部品を組み合わせて構成したりすることができる。この音信号処理装置209はCPU201で制御され、入力装置204のマイク26から入力された音声信号をデジタルデータに変換したり、デジタルの楽曲データ(楽曲ファイル)に基づいてアナログの音信号を生成したり、二つのアナログの音信号を混合して一つの音信号を生成したりすることができる。
【0021】
上記外部インターフェース装置210は増幅器や出力コネクタ210a等で構成され、画像信号処理装置208で生成した画像信号(コンポジット・ビデオ信号)や、音信号処理装置209で生成した音信号(ステレオ用の左右2つのオーディオ信号)を出力する装置である。
【0022】
図4は、本発明の特徴部を抽出して示した携帯電話機20の機能ブロック図であり、図5は、その携帯電話機20におけるソフトウェア構造の説明図である。
この携帯電話機20は、アプリケーションプログラム実行管理手段(アプリケーションプログラム実行管理部)211、通信手段212、データ取得手段213、データ記憶手段214、音信号生成手段216、画像信号生成手段217及び外部インターフェース手段218を有している。これらの手段のうち、通信手段212、データ取得手段213、データ記憶手段214、音信号生成手段216、画像信号生成手段217及び外部インターフェース手段218は、携帯電話機のネイティブ側の電話機プラットフォーム220内に設けられている。また、携帯電話機20は、CPU等からなるハードウェア上で所定のプログラムを実行することにより、アプリケーションプログラム実行管理手段211、データ取得手段213、音信号生成手段216、画像信号生成手段217及び外部インターフェース手段218の各機能のすべて又は一部を実現している。
【0023】
上記アプリケーションプログラム実行管理手段211は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。このアプリケーションプログラム実行管理手段211は仮想マシンとも呼ばれ、図6のソフトウェア構造上において中央の「プログラム実行環境」に対応している。アプリケーションプログラム実行管理手段211は、オブジェクト指向プログラミングで開発されたアプリケーションプログラムに利用されるクラスライブラリ、実行環境管理ライブラリ、アプリケーション管理等のソフトウェアを提供し、アプリケーションプログラムの実行環境を管理する。
ここで、アプリケーションプログラムは、クラスライブラリAPI(アプリケーションインターフェース)を介して上記プログラム実行環境内にある関数等のクラスライブラリを呼び出して使用できるようになっている。この関数等のクラスライブラリの呼び出しの履歴は、アプリケーションプログラムの仮想的な実行環境(仮想マシン)が終了するまで保持される。
また、プログラム実行環境内の実行環境管理ライブラリは、電話機プラットフォームAPIを介して後述の電話機プラットフォーム内の電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用できるようになっている。
【0024】
上記通信手段212は上述の携帯電話通信網用通信装置206等で構成され、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上述のサーバ11等と通信する。
上記データ取得手段213は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。このデータ取得手段213は、利用者がキー操作部を操作することにより、通信手段212で通信可能な携帯電話通信網10やインターネット上のWebサーバから画像データ(映像データ)やゲームデータをダウンロードして取得し、RAM202やメモリーカード29に保存する。
上記データ記憶手段214は、RAM202やROM203等の内部メモリー、メモリーカード29等の外部記憶装置等で構成され、利用者がサーバ等から取得したゲーム等のアプリケーションプログラムを記憶する。
【0025】
上記音信号生成手段216は、上述の音信号処理装置209等で構成されている。この音信号生成手段216は、RAM202やメモリーカード29等のデータ記憶手段から読み出し音データに基づいて音信号を生成する。
【0026】
上記画像信号生成手段217は、上述の画像信号処理装置208等で構成されている。この画像信号生成手段217は、RAM202やメモリーカード29等のデータ記憶手段213から読み出した画像データに基づいて、画像信号を生成する。具体的には、画像信号生成手段217は、MPEG4形式、JPEG形式等で符号化された画像データから、コンポジット・ビデオ信号等の複合化された画像信号を生成している。
【0027】
上記外部インターフェース手段218は、外部インターフェース装置210等で構成されている。この外部インターフェース手段218は、音信号生成手段216で生成した音信号及び画像信号生成手段217で生成した画像信号を、通信ケーブル40を介して外部のテレビ装置30に送信する。
【0028】
また、本実施形態の携帯電話機20は図示しない制御手段としての主制御部を備えている。この主制御部は、アプリケーションプログラム実行管理手段211や他の各部との間で制御命令や各種データのやりとりを行い、これらと協働して制御を行う。特に、この主制御部は、次のような比較及び制御を行う手段として機能する。
すなわち、この主制御部は、データ記憶手段214に記憶されている画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合い(負荷レベル)と、画像信号生成手段217の画像信号生成能力(画像信号生成レベル)とを比較する。
また、上記主制御部は、上記比較の結果に基づいて、画像信号生成手段217の画像信号生成能力が、出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合いよりも高いか同程度のとき、画像信号生成手段217で生成した画像信号をテレビ装置30に送信するように制御する。また、主制御部は、画像信号生成手段217の画像信号生成能力が、出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合いよりも低いときは、画像信号生成手段217で生成した画像信号をテレビ装置30に出力しないよう制御する。
【0029】
なお、上記主制御部は、上記比較の結果に基づいて次のような制御を行うこともできる。すなわち、上記主制御部は、画像信号生成手段217で出力用の画像信号を生成する際、画像信号生成手段217の画像信号生成能力が、出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合いよりも高いか同程度のとき、外部出力が選択できる画面を表示し、その画面に基づき外部出力が選択されたときに、画像信号生成手段217で生成した出力用の画像信号をテレビ装置30に出力するように制御する。また、主制御部は、画像信号生成手段217の画像信号生成能力が、出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合いよりも低いときは、外部出力が選択できる画面を表示しないよう制御する。
【0030】
また、主制御部は、図5のソフトウェア構造上において最下部の「電話機プラットフォーム」にあり、上記電話通信等を制御するための制御用プログラムやユーザインターフェースを実行したり、電話機プラットフォームライブラリを提供したりする。この電話機プラットフォームは、上記プログラム実行環境内の実行環境管理ライブラリに対してイベントを送ることによりアプリケーションプログラムにおける各種処理を実行したり、アプリケーション管理APIを介して上記プログラム実行環境内のアプリケーション管理のソフトウェアを呼び出して使用したりできるようになっている。
【0031】
携帯電話機20を所定の手順に従って動作させる電話機プラットフォームを構築するための制御用プログラムは、RAM202やROM203に記憶されている。また、基本OS(オペレーティングシステム)のプログラムや、上記プログラム実行環境を構築するためのプログラム及びアプリケーションプログラムも、RAM202やROM203に記憶されている。そして、これらのプログラムは、必要に応じてCPU201やRAM202中の作業エリアに呼び出されて実行される。
【0032】
上記構成の携帯電話機20において、ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードするときは、利用者1は、キー操作部のキーを操作して、ダウンロードサーバ11にアクセスする。これにより、ダウンロード可能なアプリケーションプログラムを選択するためのダウンロード選択画面がディスプレイ27上に表示される。そして、そのダウンロード選択画面において、利用者が希望するアプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下すると、主制御部が携帯電話通信網用通信装置206を制御して、そのアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11からダウンロードする。
具体的に説明すると、本実施形態において、アプリケーションプログラムは、プロパティ情報であるJADファイル(テキストデータ)とプログラム本体であるJARファイル(バイナリデータ)とからなる。JADファイルには、アプリケーション名、アプリケーションのバージョン、アプリケーションのベンダー名、JARファイルが保存されているURLデータなどの基本データのほか、当該アプリケーションプログラムが認証済みのものか、当該アプリケーションプログラムがネットワークに接続した状態で使用されるものか、当該アプリケーションプログラムが常駐型のものであるかなどの設定データが含まれている。また、このJADファイルには、当該アプリケーションプログラムに関する関連情報を公開している公式WebページのURL(配信元アドレスデータ)も含まれている。そして、上記ダウンロード選択画面において利用者が希望するアプリケーションプログラムが選択されると、アプリケーションプログラムのうちJADファイルだけをダウンロードする。その後、主制御部210は、そのJADファイルの中から、JARファイルが保存されているURLデータを読み出し、そのURLにアクセスし、JARファイルをダウンロードする。このようにしてダウンロードされたJADファイル及びJARファイルからなるアプリケーションプログラムは、主制御部210により、RAM102に記憶される。
【0033】
このようにしてダウンロードしたアプリケーションプログラムを実行する場合、利用者1は、キー操作部のキーを操作して、実行するアプリケーションプログラムを選択するためのアプリケーション選択画面をディスプレイ27上に表示させる。そして、そのアプリケーション選択画面において、利用者が希望するアプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下すると、上記アプリケーションプログラム実行管理手段(アプリケーションプログラム管理部)211は、JARファイルを読み出してアプリケーションプログラムを起動する。このとき、必要に応じて、JADファイルの設定データを参照し、その設定データに従った処理動作を行う環境を設定する。また、アプリケーションプログラム実行中に特定の処理動作を行う際、その処理動作に関するJADファイルの設定データを参照し、そのアプリケーションプログラムに適した処理動作を行うようにする。アプリケーションプログラムとしては、キー操作部の各種キーを操作してカラオケ、ゲーム等を楽しむアプリケーションプログラムのほか、ディスプレイ27上に3次元動画からなる待ち受け画面を表示させたりする常駐型のアプリケーションプログラムなど、あらゆるアプリケーションプログラムが含まれる。
【0034】
次に、画像の外部出力について説明する。
本実施形態の携帯電話機は、図6に示すように、外部出力装置としての音出力機能付き画像表示装置である汎用のテレビ装置30と、通信ケーブル40で接続されている。通信ケーブル40は、図7に示すように、3本の信号線及び1本のアース線を有し、携帯電話機20の出力コネクタ210aに接続する端部側には、所定数のピン端子を有するコネクタ41が取り付けられている。また、通信ケーブル40のテレビ装置30に接続する端部側には汎用のピンプラグ、すなわちステレオオーディオ信号(L,R)用の2本のピンプラグ42(赤色)及びピンプラグ43(白色)と、コンポジット・ビデオ信号用の1本のピンプラグ44(黄色)が取り付けられている。コンポジット・ビデオ信号は、テレビ画面の輝度信号、色信号及び同期信号のすべてを含む汎用の信号である。利用者が、携帯電話機20を操作してゲーム等のアプリケーションプログラムを起動すると、テレビ装置30の画面31にゲーム画像等が表示されるとともに、テレビ装置30のスピーカ32からBGMが流れ始める。
【0035】
携帯電話機20のような小さい画面では、画像信号生成手段217にかかる負荷は小さく、スムーズに背景画像やキャラクターが動いていたが、外部出力してテレビ装置30などの大画面の場合、画像信号生成手段217にかかる負荷が増大してしまう。すると、画像信号生成手段217の画像信号の生成が間に合わず、背景画像やキャラクターの動きがコマ送りのような動きに見えたりする場合がある。特に、外部出力する映像が3D動画など画像信号生成手段217に大きな負荷がかかるアプリケーションプログラムを実行する場合に顕著に現れてしまう。そこで、本実施形態においては、画像信号生成手段217の画像信号生成能力に基づいて、携帯電話機20のランク分けを行う。また、アプリケーションプログラムを実行する際に表示する画像データに基づいて出力用画像信号を生成するときに画像生成手段にかかる負荷度合いから、アプリケーションプログラムのランク分けをしている。そして、携帯電話機20の出力用画像信号生成能力のランクと、アプリケーションプログラムの画像データの画像信号生成手段217への負荷度合いのランクとを比較する。この比較の結果、画像信号生成手段217の画像信号生成能力のランクがアプリケーションプログラムの画像データの画像信号生成手段217への負荷度合いのランク以上のときに、アプリケーションプログラム実行時に生成する出力用画像信号を外部出力できるようにしている。一方、上記画像信号生成能力のランクが上記負荷度合いのランク未満の場合は出力用画像信号を外部出力できないようにしている。
【0036】
携帯電話機20のランク分けは、画像生成手段217の画像信号生成能力に基づいて行っている。例えば、ベンチマークを行うための基準画像(映像)が用意されており、この基準画像(映像)の出力用の画像信号生成時間から、携帯電話機20のランク分けを行う。例えば、ベンチマークの結果1〜5秒の間で画像信号の生成が完了したら、画像信号生成レベルを3とし、5〜10秒だと、画像信号生成レベル2と言うように、画像信号生成レベルの数値が下がるほど、画像信号生成217の画像信号生成能力が落ちるようにしている。そして、各携帯電話機20は、このような画像信号生成レベルのデータをRAM202に記憶しておく。
【0037】
上記画像信号の生成処理を伴うアプリケーションプログラムのランク分けは、アプリケーションプログラムを実行する際に表示する画像の画像データを画像信号生成217で画像信号に生成するときに、画像信号生成217にかかる負荷度合いに基づいて行っている。例えば、アプリケーションプログラムが3Dのような画像を用いる場合は負荷レベルを3とし、2Dのような画像を用いる場合は負荷レベルを2とするなど、負荷レベルの数値が下がるほど、画像信号生成217への負荷度合いが減少するようにしている。また、アプリケーションプログラムの開発元2によっては、テレビ装置30などに外部出力されることで、映像がコピーされたりして、著作権上不利益をこうむる場合がある。そのような場合は、アプリケーション開発元2が提供するアプリケーションプログラムの負荷レベルを0に設定しておく。この負荷レベルが0の場合は、上記携帯電話機の画像信号生成レベルとの大小関係にかかわらず、外部出力を強制的にできないように制御する。これらのアプリケーションプログラムの負荷レベルは、アプリケーションプログラムのJADファイルに記載される。
【0038】
図8は、ゲーム等のアプリケーションプログラムによって表示される画像を外部出力するときの制御フローである。
まず、図9(a)に示すようなアプリケーション選択画面でアプリケーションプログラムを選択する(S1)。アプリケーションプログラムを選択したら、メモリー内に選択したアプリケーションプログラムが起動するのに必要な作業領域の空き容量があるかどうかをチェックする(S2)。メモリーに空き容量がない場合(S2のNO)は、起動に必要なメモリー容量が不足している旨を警告表示する(S3)。メモリーに空きがある場合(S2のYES)は、図9(b)に示すような環境設定メニューを表示する(S4)。図9(b)に示す環境設定メニューには、外部出力起動や、リモコンの設定、ネットワーク接続の設定等が表示され、このメニュー画面から、アプリケーションプログラムの使用環境を設定することができる。図9(b)の環境設定メニューから、外部出力起動が選択されたら(S5のYES)、アプリケーションプログラムの負荷レベルと、携帯電話機の画像信号生成レベルとを比較する(S7)。アプリケーションプログラムの負荷レベルが携帯電話機の画像信号生成レベル以上の場合(S7のYES)は、携帯電話機20がこのアプリケーションプログラムを外部出力できる能力を有していない旨を警告表示して(S8)外部出力の起動を停止する。一方、アプリケーションプログラムの負荷レベルが携帯電話機20の画像信号生成レベルより小さい場合(S7のNO)は、アプリケーションプログラムの負荷レベルが0であるかどうかをチェックする(S9)。アプリケーションプログラムの負荷レベルが0の場合(S9のYES)は、このアプリケーションプログラムが外部出力できない旨を警告表示して(S10)外部出力の起動を停止する。アプリケーションプログラムの負荷レベルが0でない場合(S9のNO)は、アプリケーションプログラムを起動および外部出力を起動する(S11)。このとき、ネット接続の有無、内部情報取得の有無、シリアル通信の有無、リモコン使用の有無、デバック機能の有無などをチェックする。アプリケーションプログラムが起動すると、通信ケーブル40を介してテレビ装置30にアプリケーションプログラムによって出力された音声や画像が表示される。そして、アプリケーションプログラムが終了したかどうかをチェック(S12)して、終了している場合(S12のYES)は、外部出力を終了(S13)してテレビ装置30との接続状態を解除し終了する。アプリケーションプログラムが終了していない場合(S12のNO)は、アプリケーションプログラムが一時停止しているかどうかチェックする(S14)。一時停止している場合(S14のYES)は、外部出力を一時停止(S15)して、テレビ装置30との通信状態を解除しアプリケーションプログラムが再開されたかどうかをチェックする(S16)。再開された場合(S16のYES)は、外部出力を再開して(S17)テレビ装置30との通信状態を復帰させる。
【0039】
ゲーム等のアプリケーションプログラムによって生成された画像データを外部出力するときの制御フローは、これに限らず、図10に示すような制御フローとしてもよい。
図10に示す制御フローでは、まず、上述同様に図9(a)に示すようなアプリケーションプログラム選択画面でアプリケーションを選択する(S20)。アプリケーションプログラムを選択したら、メモリー内に選択したアプリケーションプログラムが起動するのに必要な作業領域の空き容量があるかどうかをチェックする(S21)。次に、アプリケーションプログラムの負荷レベルと、携帯電話機の画像信号生成レベルを比較する(S23)。また、アプリケーションプログラム負荷レベルが0であるかどうかをチェックする(S24)。アプリケーションプログラムの負荷レベルが0である場合(S24のYES)や、アプリケーションプログラムの負荷レベルが携帯電話機の画像信号生成レベルより大きい場合(S23のYES)は、図9(c)に示すように、環境設定メニューに外部出力起動を表示しないようにする(S25)。一方、アプリケーションプログラムの負荷レベルが0でなく(S24のNO)、アプリケーションプログラムの負荷レベルが携帯電話機の画像信号生成レベルより小さい場合(S23のNO)は、図9(b)に示すように、環境設定メニューに外部出力起動を表示する(S26)。そして、利用者が図9(b)のメニュー画面から外部出力起動を選択(S27のYES)したら、アプリケーションプログラムの起動とともに外部出力を起動して(S29)、テレビ装置30に画像を表示する。外部出力を起動したら、上記同様、アプリケーションプログラムの起動状態を確認して、アプリケーションプログラムが一時停止状態であるなら(S32のYES)、外部出力を一時停止し(S33)、アプリケーションプログラムが再開したら(S34のYES)、外部出力もテレビ装置との通信を再開する(S35)。また、アプリケーションが終了していたら(S30のYES)、外部出力も終了する(S31)。
【0040】
本実施形態の外部出力の起動は、図9(b)に示すような環境設定メニューから行っているが、これに限られない。例えば、キー操作部に「外部出力起動キー」を設けて、利用者がこの「外部出力起動キー」を操作することで、外部出力を起動して、外部装置のテレビ装置に画像を表示するようにしても良い。
【0041】
また、本実施形態においては、ゲーム等のアプリケーションプログラムに負荷レベルのデータを保持しているが、これに限られない。例えば、画像データ(画像ファイル)それぞれに画像信号生成217への負荷度合いに基づいた負荷レベルを保持していても良い。この場合は、画像データ(画像ファイル)に保持されている負荷レベルと携帯電話機の画像信号生成レベルとを比較して、携帯電話機の画像信号生成レベルが負荷レベルより高い場合は、画像データ(画像ファイル)に基づいて生成された出力用の画像信号を外部装置に送信する。
【0042】
また、画像を表示するアプリケーションプログラムや画像データ(画像ファイル)に負荷レベルが保持されていない場合は、負荷レベルを1として取り扱うようにする。
【0043】
以上、本実施形態の携帯電話機によれば、外部出力装置としてのテレビ装置30に表示される画像の画像データから出力用画像信号を生成するときに、画像信号生成217にかかる負荷の度合いと、携帯電話機20の画像信号生成能力とを比較する。そして携帯電話機20の画像信号生成能力が、出力用画像信号を生成するときに画像信号生成217にかかる負荷の度合い以上の場合は、画像信号をテレビ装置30に送信可能にしている。一方、携帯電話機20の画像信号生成能力が、画像データから出力用画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合い未満の場合は、画像信号をテレビ装置30に送信しない。これにより、携帯電話機20の画像信号生成能力よりも画像信号生成217への負荷度合いが低い画像データから生成された画像信号のみがテレビ装置30に送信される。よって、携帯電話機20の画像信号生成手段217の画像信号生成が遅れることなくなり、テレビ装置30に表示される画像が、コマ送りのような画像となることがない。
【0044】
また、本実施形態の携帯電話機によれば、画像データに基づいて画像信号生成手段217で出力用の画像信号を生成する際、画像信号生成手段217の画像信号生成能力と、画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合いとを比較している。そして、画像信号生成手段217の画像信号生成能力が、画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合い以上のとき、外部出力が選択できる画面を表示する。この表示画面から、外部出力を選択すれば、コマ送りのような画像となることのない画像がテレビ装置30に必ず表示することができる。一方、画像信号生成手段217の画像信号生成能力が、画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに画像信号生成手段217にかかる負荷の度合い未満のときは、外部出力が選択できる画面を表示しない。これにより、携帯電話機20の画像信号生成手段217の処理レベルよりも画像生成処理の負荷レベルが高い画像が外部出力されることがない。
【0045】
また、本実施形態の携帯電話機によれば、画像信号をテレビ装置30に出力する際、データ記憶手段214に記憶されている、画像信号の外部出力可能であるか否かを示す外部出力可否情報を調べる。この外部出力可否情報が、画像信号の外部出力可能であるか否かを示す情報が外部出力「否」(負荷レベル「0」)である場合は、画像信号をテレビ装置30に出力しないようにしている。これにより、著作権を保護したい画像データの外部出力可能であるか否かを示す情報を画像出力「否」(負荷レベル「0」)としておけば、著作権を保護したい画像が携帯電話機から外部装置へ出力されることがない。よって、著作権を保護したい画像が外部出力されて違法にコピーされたりするのを防止することができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、携帯電話機から外部出力装置(テレビ装置30)へ画像信号を出力するための通信インターフェースとして、通信ケーブル40を介した有線の通信インターフェースを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、Bluetooth(登録商標)による通信や赤外線(IrDA)による通信等の無線通信インターフェースを用いてもよい。
また、上記実施形態では、携帯電話機から外部出力装置(テレビ装置30)へ送信する画像信号がコンポジット・ビデオ信号である場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記画像信号が画像PCM信号であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機を用いた移動体通信システムの主要部を示す説明図。
【図2】同携帯電話機の外観図。
【図3】同携帯電話機のハードウェア構成を示す概略構成図。
【図4】同携帯電話機の特徴部を抽出して示した機能ブロック図。
【図5】同携帯電話機におけるソフトウェア構造の説明図。
【図6】同携帯電話機と外部出力装置との接続状態を示す説明図。
【図7】同携帯電話機と外部出力装置とを接続する際に用いる通信ケーブルの説明図。
【図8】同携帯電話機で外部出力するときの制御フローの一例を示した図。
【図9】(a)〜(c)は、同携帯電話機に表示される画像の一例を示した図。
【図10】同携帯電話機で外部出力するときの制御フローの他の例を示した図。
【符号の説明】
【0048】
10 携帯電話通信網
11 ダウンロードサーバ
12 Webサーバ
20 携帯電話機
30 テレビ装置
40 通信ケーブル
211 アプリケーションプログラム実行管理手段
212 通信手段
213 データ取得手段
214 データ記憶手段
216 音信号生成手段
217 画像信号生成手段
218 外部インターフェース手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、通信ネットワークを介した通信を行うための通信手段とを備えた移動体通信端末において、
画像データに基づいて出力用の画像信号を生成する画像信号生成手段と、
画像データと該画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合いを示す情報と該画像信号生成手段の画像信号生成能力を示す情報とを記憶する記憶手段と、
該画像信号を外部出力装置に送信する外部インターフェース手段と、
該記憶手段に記憶されている該画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合いと該画像信号生成手段の画像信号生成能力とを比較する比較手段と、
該画像信号生成手段の画像信号生成能力が該出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合い以上のとき、該画像信号生成手段で生成した画像信号を該外部出力装置に送信し、該画像信号生成手段の画像信号生成能力が該出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合い未満のときは、該画像信号生成手段で生成した画像信号を該外部出力装置に出力しないよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項2】
画像を表示する表示手段と、通信ネットワークを介した通信を行うための通信手段とを備えた移動体通信端末において、
画像データに基づいて出力用の画像信号を生成する画像信号生成手段と、
画像データと該画像データに基づいて画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合いを示す情報と該画像信号生成手段の画像信号生成能力を示す情報とを記憶する記憶手段と、
該画像信号を外部出力装置に送信する外部インターフェース手段と、
該記憶手段に記憶されている該画像データに基づいて出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合いと画像信号生成手段の画像信号生成能力とを比較する比較手段と、
該画像信号生成手段で出力用の画像信号を生成する際、該画像信号生成手段の画像信号生成能力が該出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合い以上のとき、外部出力が選択できる画面を表示し、該画面に基づき外部出力が選択されたときに、該画像信号生成手段で生成した出力用の画像信号を該外部出力装置に出力し、該画像信号生成手段の画像信号生成能力が該出力用の画像信号を生成するときに該画像信号生成手段にかかる負荷の度合い未満のときは、外部出力が選択できる画面を表示しないよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項3】
請求項1または2の移動体通信端末において、
上記記憶手段には、上記画像データに基づいて生成する画像信号が外部出力可能であるか否かを示す出力可否情報が記憶されており、
上記制御手段は、該画像信号を外部出力装置にする際、該出力可否情報が外部出力不可を示す情報である場合は該画像信号を外部出力装置に出力しないことを特徴とする移動体通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−138912(P2006−138912A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326172(P2004−326172)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(501440684)ボーダフォン株式会社 (654)
【Fターム(参考)】