説明

移動無線端末装置

【課題】着信中や通話中に、バッテリ切れ、バッテリの脱落、あるいは通話の異常終了などの突発的な事態が生じた場合でも、着信履歴を保存することが可能な移動無線端末装置を提供する。
【解決手段】制御部100は、着信発生時に、不在着信履歴データを不在着信履歴記憶エリア60aに保存し、着信に応答すると、上記不在着信履歴データを削除して、代わりに着信履歴データを着信履歴記憶エリア60bに保存する。そして、制御部100は、通話が終了すると、通話履歴データを通話履歴記憶エリア60cに保存するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば着信履歴など、着信に伴って生じる履歴情報を記憶する機能を備えた移動無線端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)端末では、発信や着信に伴って、その履歴である発着信履歴を記憶する機能を備える。この機能によりユーザは、以前に、誰に(どこに)いつ発信したのか、あるいは誰から(どこから)いつ着信があったのか等を把握することができる。
【0003】
しかしながら、このような発着信履歴は、着信が終了した後や、通話が終了した後に、保存する処理が実行される。このため、着信中や通話中に、バッテリ切れ、バッテリの脱落、あるいは通話の異常終了が生じると、発着信履歴が保存されず、履歴として残らないという問題が生じる。
【0004】
これに対して従来は、バッテリ電圧が低減した場合に、バッテリ切れが生じる前に履歴の保存を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。しかしながらこの手法では、バッテリの脱落や、通話の異常終了などの突発的な事態の発生に対しては、効果が期待できないという問題があった。
【特許文献1】特開2001−268179公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の移動無線端末装置では、着信中や通話中に、バッテリ切れ、バッテリの脱落、あるいは通話の異常終了などが生じた場合に、着信履歴が保存されず、履歴として残らないという問題があった。
【0006】
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、着信中や通話中に、バッテリ切れ、バッテリの脱落、あるいは通話の異常終了などの突発的な事態が生じた場合でも、着信履歴を保存することが可能な移動無線端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、ネットワークに接続される無線基地局と通信する移動無線端末装置において、時刻を計時する計時手段と、無線基地局から着信信号を受信する受信手段と、この受信手段が受信した着信信号から発信元の識別情報を検出する発信元検出手段と、計時手段が計時する時刻に基づいて着信が発生した時刻を検出する着信時刻検出手段と、着信が発生した場合に、発信元検出手段が検出した識別情報と、着信時刻検出手段が検出した時刻とを、応答しなかった着信の履歴として記憶する不在着信履歴記憶手段と、着信に応答して通話が開始された場合に、発信元検出手段が検出した識別情報と、着信時刻検出手段が検出した時刻とを、応答した着信の履歴として記憶する着信履歴記憶手段とを具備して構成するようにした。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、着信中や通話中に、バッテリ切れ、バッテリの脱落、あるいは通話の異常終了などの突発的な事態が生じた場合でも、着信履歴を保存することが可能な移動無線端末装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わる移動無線端末装置の構成を示すものである。この移動無線端末装置は、アンテナ1と、通信部10と、音声処理部20と、表示部30と、操作部40と、報知部50と、記憶部60と、制御部100とを備えている。
【0010】
アンテナ1は、ネットワークに接続される無線基地局(図示しない)から送信される無線信号の受信や、当該移動無線端末装置からの上記無線基地局に宛てた無線信号の送信を行うものである。
【0011】
通信部10は、アンテナ1を通じて上記無線基地局と無線通信し、この無線基地局および上記ネットワークを通じて通信相手局と通信するものである。具体的には、通信部10は、アンテナ1が受信した無線信号をダウンコンバートして復調し、通信相手局から送信された符号化音声データを得て、これを制御部100を通じて音声処理部20に出力する。また通信部10は、制御部100を通じて音声処理部20から与えられる符号化音声データを用いてベースバンド信号を変調し、これをアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ1を通じて上記無線基地局に宛てて送信する。
【0012】
音声処理部20は、通信部10にて復調された符号化音声データを復号して音声信号を再生し、内蔵するスピーカ21から拡声出力する。これにより、通話相手局からの送話音声がユーザに伝達される。また音声処理部20は、内蔵するマイクロホン22から入力された音声信号を符号化して符号化音声データを生成し、これを制御部100を通じて通信部10に与える。
【0013】
表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)などを用いた表示装置であって、テキストや画像など種々の視覚的な情報をユーザに映示するものである。操作部40は、複数のキースイッチなどを備え、ユーザの要求を受け付けるものである。報知部50は、着信の発生を音によりユーザに報知するものである。
【0014】
記憶部60は、制御部100の制御プログラムや制御データ、電話番号、名称および顔写真などの画像データを対応づけた電話帳データを記憶するとともに、不在着信履歴を記憶する不在着信履歴記憶エリア60a、着信履歴を記憶する着信履歴記憶エリア60bおよび通話履歴を記憶する通話履歴記憶エリア60cを備える。
【0015】
制御部100は、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するものである。例えば、制御部100は、通信部10が無線基地局から着信信号を受信した場合に、表示部30および報知部50を制御して、着信の発生を報知するとともに、操作部40を通じたユーザの応答操作により、上記着信に応答する信号を通信部10に送信させ、音声通信リンクを確立する着信制御機能を備える。
【0016】
また制御部100は、操作部40を通じたユーザの発信要求に応じて、通信部10を制御して、ユーザが指定する電話番号への発信を行う発信制御機能や、この発信に伴って音声通信リンクを確立する通信制御機能を備える。
【0017】
さらに制御部100は、発着信に関わる履歴情報を記憶部60に記録する制御機能や、操作部40を通じたユーザの要求に応じて上記履歴情報を表示部30に表示する制御機能、当該移動無線端末装置の起動時に、上記履歴情報に基づいて発信準備を行う制御機能などを備える。この他に制御部100は、時刻を計時する機能を備える。
【0018】
次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、無線基地局との間に通信リンクを確立する手順や、音声通信を実現するための制御、電話帳データの登録や呼出、編集などの説明は省略し、着信時の履歴情報の記録制御に関係する動作を中心に説明する。
【0019】
図2は、着信時の動作を説明するフローチャートであって、この処理は制御部100によってなされる。このフローチャートに示す制御を実現するための制御プログラムは、記憶部60に記録される。この処理は、着信が発生すると開始される。
【0020】
着信が発生すると制御部100は、ステップ2aにおいて、無線基地局から通信部10が受信した着信信号に含まれる着信情報を取得する。そして制御部100は、この着信情報から発信元の電話番号を取得するとともに、現在の時刻を着信発生時刻として検出し、ステップ2bに移行する。
【0021】
ステップ2bにおいて制御部100は、報知部50を制御して着信音を拡声出力するとともに、記憶部60が記録する電話帳データから検索して、ステップ2aで取得した電話番号に対応づけられた名称と画像データを検出する。そして、制御部100は、表示部30を制御して、上記検出した名称と画像データを表示させ、ステップ2cに移行する。
【0022】
ステップ2cにおいて制御部100は、ステップ2aで検出した発信元の電話番号と着信発生時刻、およびステップ2bで検出した名称と画像データの識別情報を対応づけて、これを不在着信履歴データとして記憶部60の不在着信履歴記憶エリア60aに記録し、ステップ2dに移行する。
【0023】
なお、ここで記録される不在着信履歴データには、未完了フラグが付加されている。ここで付加される未完了フラグは、着信に応答することなく着信が終了すると、制御部100によって削除される。
【0024】
ステップ2dにおいて制御部100は、操作部40を通じてユーザから履歴情報の表示要求が生じたか否かを判定する。ここで、操作部40を通じてユーザから履歴情報の表示要求が生じた場合には、ステップ2eに移行し、一方、上記要求が生じていない場合には、ステップ2fに移行する。
【0025】
ステップ2eにおいて制御部100は、操作部40を通じたユーザからの要求に応じて、記憶部60から履歴情報を読み出して表示部30に表示し、ステップ2fに移行する。具体的には、操作部40を通じてユーザから不在着信履歴の表示要求がなされた場合には、不在着信履歴記憶エリア60aから不在着信履歴データを読み出して、これに基づいて電話帳データを参照し、不在着信のあった時刻、発信者の名称、これに対応する画像などを表示部30に一覧表示する。
【0026】
また操作部40を通じてユーザから着信履歴の表示要求がなされた場合には、着信履歴記憶エリア60bから着信履歴データを読み出して、これに基づいて電話帳データを参照し、応答した着信のあった時刻、発信者の名称、これに対応する画像などを表示部30に一覧表示する。
【0027】
あるいは操作部40を通じてユーザから通信履歴の表示要求がなされた場合には、通話履歴記憶エリア60cから通信履歴データを読み出して、これに基づいて電話帳データを参照し、通信した時刻と時間、発信者の名称、これに対応する画像などを表示部30に一覧表示する。
【0028】
ステップ2fにおいて制御部100は、操作部40を通じてユーザから着信に応答する要求が生じたか否かを判定する。ここで、操作部40を通じてユーザから着信に応答する要求が生じた場合には、ステップ2gに移行し、一方、上記要求が生じていない場合には、ステップ2dに移行する。
【0029】
ステップ2gにおいて制御部100は、ステップ2aで検出した発信元の電話番号と着信発生時刻、およびステップ2bで検出した名称と画像データの識別情報を対応づけて、これを着信履歴データとして記憶部60の着信履歴記憶エリア60bに記録する。なお、ここで記録される着信履歴データには、未完了フラグが付加されている。
【0030】
そして制御部100は、ステップ2cで不在着信履歴記憶エリア60aに記録した不在着信履歴データを削除し、ステップ2hに移行する。なお、ここでは、不在着信履歴データに付加されていた未完了フラグも、制御部100によって削除される。
【0031】
ステップ2hにおいて制御部100は、通信部10を制御して通信リンクを無線基地局との間に確立するとともに、この通信リンクを通じて通信相手局との間に音声通信リンクを確立し、音声処理部20を制御して音声通信を開始する。そして制御部100は、通話時間の計測を開始し、ステップ2iに移行する。
【0032】
ステップ2iにおいて制御部100は、操作部40を通じてユーザから履歴情報の表示要求が生じたか否かを判定する。ここで、操作部40を通じてユーザから履歴情報の表示要求が生じた場合には、ステップ2jに移行し、一方、上記要求が生じていない場合には、ステップ2kに移行する。
【0033】
ステップ2jにおいて制御部100は、操作部40を通じたユーザからの要求に応じて、記憶部60から履歴情報を読み出して表示部30に表示し、ステップ2kに移行する。具体的には、操作部40を通じてユーザから不在着信履歴の表示要求がなされた場合には、不在着信履歴記憶エリア60aから不在着信履歴データを読み出して、これに基づいて電話帳データを参照し、不在着信のあった時刻、発信者の名称、これに対応する画像などを表示部30に一覧表示する。
【0034】
また操作部40を通じてユーザから着信履歴の表示要求がなされた場合には、着信履歴記憶エリア60bから着信履歴データを読み出して、これに基づいて電話帳データを参照し、応答した着信のあった時刻、発信者の名称、これに対応する画像などを表示部30に一覧表示する。
【0035】
あるいは操作部40を通じてユーザから通信履歴の表示要求がなされた場合には、通話履歴記憶エリア60cから通信履歴データを読み出して、これに基づいて電話帳データを参照し、通信した時刻と時間、発信者の名称、これに対応する画像などを表示部30に一覧表示する。
【0036】
ステップ2kにおいて制御部100は、操作部40を通じてユーザから終話要求が生じたり、あるいは通信部10が切断信号を受信したか否かを判定する。ここで、操作部40を通じてユーザから着信に応答する要求が生じたり、あるいは通信部10が切断信号を受信した場合には、ステップ2lに移行する。一方、上記要求が生じず、かつ切断信号も受信しない場合には、ステップ2iに移行して、通話制御を継続する。
【0037】
ステップ2lにおいて制御部100は、通信部10および音声処理部20を制御して、音声通信を終了するとともに、ステップ2hで開始した通話時間の計測を終了し、着信履歴記憶エリア60bの着信履歴データに付加されていた未完了フラグを削除する。
【0038】
そして制御部100は、上記通話時間に基づいて通話料金を求めるとともに、ステップ2aで検出した発信元の電話番号と着信発生時刻、およびステップ2bで検出した名称と画像データの識別情報、上記通話時間および通話料金を対応づけて、これを通話履歴データとして記憶部60の通話履歴記憶エリア60cに記録し、当該処理を終了する。
【0039】
ここで図3を参照して、着信の発生から、着信に応答し、通話が終了するまでの各時点で、履歴情報を表示部30に表示させた場合の表示例について説明する。図3(a)は、不在着信履歴を表示させた場合の表示例を示し、図3(b)は、着信履歴を表示させた場合の表示例を示し、図3(c)は、通話履歴を表示させた場合の表示例を示す。
【0040】
なお、以下の説明では、説明を簡明にするために、不在着信履歴記憶エリア60a、着信履歴記憶エリア60bおよび通話履歴記憶エリア60cのいずれにも履歴情報が記憶されていない状態で着信が発生し、この着信に応答し、通話が終了する場合について説明する。
【0041】
不在着信履歴を表示させた場合、図3(a)に示すように、着信が発生する前(w)においては、履歴がないものとして表示される。その後、着信が発生すると(x)、上記ステップ2cの処理によって履歴情報は保存されるため、着信のあった日時、発信者の電話番号、これに対応する名称と画像が表示される。その後、着信に応答すると(y)、ステップ2gにおいて不在着信履歴が不在着信履歴記憶エリア60aから消去されるため、履歴がないものとして表示される。これは通話が終了した後に表示しても(z)、同じである。
【0042】
着信履歴を表示させた場合、図3(b)に示すように、着信が発生する前(w)および着信が発生した直後(x)においては、履歴がないものとして表示される。その後、着信に応答すると(y)、ステップ2gにおいて着信履歴が着信履歴記憶エリア60bに保存されるため、着信のあった日時、発信者の電話番号、これに対応する名称と画像が表示される。これは通話が終了した後に表示しても(z)、同じである。
【0043】
通話を表示させた場合、図3(c)に示すように、着信が発生する前(w)、着信が発生した直後(x)、着信に応答した後(y)においては、履歴がないものとして表示される。その後、通話が終了すると(z)、ステップ2lにおいて通話履歴が通話履歴記憶エリア60cに保存されるため、着信のあった日時、通話時間、通話料金、発信者の電話番号、これに対応する名称と画像が表示される。
【0044】
次に、不慮の障害の発生により、当該移動無線端末装置の電源を投入した場合や、再起動した場合の動作について説明する。図4は、起動時の動作を説明するフローチャートであって、この処理は制御部100によってなされる。このフローチャートに示す制御を実現するための制御プログラムは、記憶部60に記録される。この処理は、電源を投入した場合や、再起動した場合に開始される。
【0045】
電源が投入されたり、あるいは再起動されると、ステップ4aにおいて制御部100は、記憶部60から制御プログラムを読み込んで、各部を起動制御し、ステップ4bに移行する。
【0046】
ステップ4bにおいて制御部100は、記憶部60の不在着信履歴記憶エリア60aおよび着信履歴記憶エリア60bに記憶されるデータを参照し、未完了フラグが付加されたデータを検索し、ステップ4cに移行する。
【0047】
ステップ4cにおいて制御部100は、ステップ4bの検索の結果、未完了フラグが付加されたデータが検出されたか否かを判定する。ここで、未完了フラグが付加されたデータが検出された場合には、ステップ4dに移行し、一方、未完了フラグが付加されたデータが検出されない場合には、当該処理を終了し、着信待ち受け状態に移行する。
【0048】
ステップ4dにおいて制御部100は、ステップ4bで検出した、未完了フラグが付加されたデータに含まれる電話番号データを検出し、これに対応する名称を電話帳データから検出して上記電話番号とともに表示部30に表示して、ステップ4eに移行する。
【0049】
ステップ4eにおいて制御部100は、操作部40を通じてユーザから発信要求が生じたか否かを判定する。ここで、操作部40を通じてユーザから発信要求が生じた場合には、ステップ4fに移行する。一方、上記要求が生じていない場合には、再びステップ4fにて発信要求の発生を、解除要求が生じるまで待機する。
【0050】
ステップ4fにおいて制御部100は、通信部10を制御して、ステップ4dで検出した電話番号に対する発信を行い、ステップ4gに移行する。なお、上記発信に対する応答信号を通信部10が受信した場合には、音声通信リンクを確立するための制御を実施する。
ステップ4gにおいて制御部100は、ステップ4bで検出した未完了フラグを除去し、当該処理を終了する。
【0051】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、着信発生時に、不在着信履歴データを不在着信履歴記憶エリア60aに保存し、着信に応答すると、上記不在着信履歴データを削除して、代わりに着信履歴データを着信履歴記憶エリア60bに保存する。そして、通話が終了すると、通話履歴データを通話履歴記憶エリア60cに保存するようにしている。
【0052】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、着信の発生、着信への応答、通話の終了の各段階で履歴情報を保存するようにしているので、着信中や通話中に、バッテリ切れ、バッテリの脱落、あるいは通話の異常終了などの突発的な事態が生じた場合でも、着信履歴を保存することができる。
【0053】
また上記構成の移動無線端末装置では、履歴情報を保存する際に、未完了フラグを付加して保存するようにして、着信中や通話中に、バッテリ切れ、バッテリの脱落、あるいは通話の異常終了などの突発的な事態が生じた場合には、不在着信履歴データや着信履歴データに、未完了フラグが残るようにする。
【0054】
そして、電源投入時に未完了フラグが付加された履歴データが存在すると、未完了フラグが付加された電話番号への発信準備を行うようにしている。したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、突発的な事態が生じて着信や通話が終了した場合でも、ユーザは折り返しの発信をすぐに行うことができ、利便性が高い。
【0055】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0056】
その一例として例えば、上記実施の形態では、着信が発生すると、この着信をいったん不在着信履歴データとして保存し、その後、上記着信に対する応答があった場合に、上記不在着信履歴データを削除し、その代わりに着信履歴データとして保存するようにしている。
【0057】
このため、不在着信履歴記憶エリア60aが、例えばn個の不在着信履歴データを保存可能であったとする。いったん不在着信履歴データを記録した時点で、最も古いデータが削除されるが、その後、着信に対応する応答に伴って、最新の不在着信履歴データが削除されるので、この時点で、不在着信履歴データはn−1個となる。
【0058】
不在着信履歴データを常にn個記憶するようにするために、最も古いデータを待避させておく予備領域を記憶部60に設けておき、制御部100は、着信が発生した場合には、最も古いデータを上記予備領域に待避させた後に、最新の着信を不在着信履歴データとして保存する。
【0059】
その後、上記着信に対する応答があった場合に、制御部100は、上記最新の不在着信履歴データを削除し、その代わりに予備領域に待避させておいたデータを不在着信履歴データとして保存する。このような制御によれば、不在着信履歴データを常にn個記憶することができる。
【0060】
また上記実施の形態では、記憶部60に、着信履歴記憶エリア60bと通話履歴記憶エリア60cを設けることで、着信履歴と通話履歴を別々に管理するようにした。これに代わって例えば、通話履歴記憶エリア60cを設けずに、通話履歴を着信履歴記憶エリア60b上で管理するようにしてもよい。
【0061】
このような構成では、通話が終了した場合に、図2に示した処理のステップ2lにおいて、図5に示すように、当該着信履歴に、通話時間とこれに基づく通話料金を対応づけて記録する。なお、通話が終了した時点で、未完了フラグを削除する。このような処理によっても同様の効果を奏する。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明に係わる移動無線端末装置の一実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した移動無線端末装置の着信が発生した際の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】図1に示した移動無線端末装置において、履歴情報を表示させた場合の遷移を説明するための図。
【図4】当該移動無線端末装置の電源を投入した場合や、再起動した場合の動作について説明するためのフローチャート。
【図5】図1に示した移動無線端末装置において、履歴情報を表示させた場合の遷移を説明するための図。
【符号の説明】
【0063】
1…アンテナ、10…通信部、20…音声処理部、21…スピーカ、22…マイクロホン、30…表示部、40…操作部、50…報知部、60a…不在着信履歴記憶エリア、60b…着信履歴記憶エリア、60…記憶部、60c…通話履歴記憶エリア、100…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される無線基地局と通信する移動無線端末装置において、
時刻を計時する計時手段と、
前記無線基地局から着信信号を受信する受信手段と、
この受信手段が受信した着信信号から発信元の識別情報を検出する発信元検出手段と、
前記計時手段が計時する時刻に基づいて着信が発生した時刻を検出する着信時刻検出手段と、
着信が発生した場合に、前記発信元検出手段が検出した識別情報と、前記着信時刻検出手段が検出した時刻とを、応答しなかった着信の履歴として記憶する不在着信履歴記憶手段と、
前記着信に応答して通話が開始された場合に、前記発信元検出手段が検出した識別情報と、前記着信時刻検出手段が検出した時刻とを、応答した着信の履歴として記憶する着信履歴記憶手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。
【請求項2】
さらに、着信に応答して通話が開始された場合に、前記不在着信履歴記憶手段が記憶する履歴から、前記着信に対応する履歴を削除する履歴削除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動無線端末装置。
【請求項3】
ネットワークに接続される無線基地局と通信する移動無線端末装置において、
ユーザから要求を受け付ける受付手段と、
時刻を計時する計時手段と、
前記無線基地局から着信信号を受信する受信手段と、
この受信手段が受信した着信信号から発信元の識別情報を検出する発信元検出手段と、
前記計時手段が計時する時刻に基づいて着信が発生した時刻を検出する着信時刻検出手段と、
着信が発生した場合に、前記発信元検出手段が検出した識別情報と、前記着信時刻検出手段が検出した時刻と、識別フラグとを、応答しなかった着信の履歴として記憶する不在着信履歴記憶手段と、
前記着信に応答して通話が開始された場合に、前記不在着信履歴記憶手段が記憶する履歴から、前記着信に対応する履歴を削除する履歴削除手段と、
前記着信に応答して通話が開始された場合に、前記発信元検出手段が検出した識別情報と、前記着信時刻検出手段が検出した時刻と、識別フラグとを、応答した着信の履歴として記憶する着信履歴記憶手段と、
前記通話が終了した場合に、前記着信履歴記憶手段が記憶する履歴から識別フラグを削除するフラグ削除手段と、
当該移動無線端末装置が再び起動された場合に、不在着信履歴記憶手段が記憶する履歴が記憶する履歴および前記着信履歴記憶手段が記憶する履歴のうち、前記識別フラグが付加された発信元の識別情報を検出する発信先検出手段と、
前記受付手段を通じたユーザの要求に応じて、前記発信先検出手段が検出した識別情報を発信先として発信を行う発信手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。
【請求項4】
さらに、前記計時手段が計時する時刻に基づいて通話時間を検出する通話時間検出手段と、
前記通話が終了した場合に、前記発信元検出手段が検出した識別情報と、前記通話時間検出手段が検出した時間とを、通話の履歴として記憶する通話履歴記憶手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の移動無線端末装置。
【請求項5】
さらに、前記計時手段が計時する時刻に基づいて通話時間を検出する通話時間検出手段を備え、
前記着信履歴記憶手段は、前記通話が終了した場合に、前記発信元検出手段が検出した識別情報と、前記通話時間検出手段が検出した時間とを対応づけて、着信の履歴として記憶することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の移動無線端末装置。
【請求項6】
さらに、ユーザから要求を受け付ける受付手段と、
情報を表示する表示手段と、
この受付手段を通じて着信中にユーザから要求があった場合に、不在着信履歴記憶手段が記憶する履歴または着信履歴記憶手段が記憶する履歴を前記表示手段に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の移動無線端末装置。
【請求項7】
さらに、ユーザから要求を受け付ける受付手段と、
情報を表示する表示手段と、
この受付手段を通じて通話中にユーザから要求があった場合に、前記不在着信履歴記憶手段が記憶する履歴または前記着信履歴記憶手段が記憶する履歴を前記表示手段に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の移動無線端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−319892(P2006−319892A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142854(P2005−142854)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】