説明

移動通信システム、ネットワーク装置及び移動通信方法

【課題】
エンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、ダイレクトデータの送信を適切に開始することを可能とする移動通信システム、ネットワーク装置及び移動通信方法を提供する。
【解決手段】
第2通信システムは、第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1通信システム及び第2通信システムを含む移動通信システム、第2通信システムに設けられるネットワーク装置及び移動通信システムで用いられる移動通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムにおいて、移動通信端末(UE)が第1通信システム(第1RAT(Radio Access Technorolgy))から第2通信システム(第2RAT)への接続を行う手順として、Inter−RATハンドオーバが知られている。
【0003】
ここで、Inter−RATハンドオーバでは、第1通信システムから第2通信システムへの遷移が決定された場合に、第1通信システムが既に受信しているデータ(パケット)を第1通信システムから第2通信システムに転送する技術(Forwarding技術)が知られている。また、Inter−RATハンドオーバでは、第1通信システムから転送されるデータ(以下、フォワーディングデータ)及び第2通信システムがコアネットワークから直接的に受信するデータ(以下、ダイレクトデータ)の並べ替えを行う技術(Reordering技術)が知られている。
【0004】
なお、同一RAT内におけるハンドオーバ(Intra−RATハンドオーバ)において、遷移元の基地局から遷移先の基地局にデータを転送し、遷移先の基地局において、遷移元から転送されたデータを一定時間に亘ってバッファリングする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
ここで、Inter−RATハンドオーバでは、第1通信システムから転送されるフォワーディングデータが最後のデータであることを示すエンドマーカが利用される。第2通信システムは、第1通信システムからエンドマーカが転送された場合に、ダイレクトデータの送信を開始するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−236269
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、エンドマーカの転送経路においてエンドマーカが消失して、エンドマーカを第2通信システムが受信できない場合には、第2通信システムは、ダイレクトデータの送信を開始することができない。また、エンドマーカの転送経路においてエンドマーカが大幅に遅延する場合においても、ダイレクトデータの送信が遅れるため、スループットが低下する。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、エンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、ダイレクトデータの送信を適切に開始することを可能とする移動通信システム、ネットワーク装置及び移動通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴に係る移動通信システムは、第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成される。前記第2通信システムは、前記第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始する。
【0010】
第1の特徴において、前記第2通信システムは、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移の決定に応じて、前記エンドマーカ待ち受け期間をカウントするためのエンドマーカ待ち受けタイマを起動する。
【0011】
第1の特徴において、前記第2通信システムは、前記第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータの受信に応じて、前記エンドマーカ待ち受け期間をカウントするためのエンドマーカ待ち受けタイマを起動する。
【0012】
第1の特徴において、前記第2通信システムは、前記コアネットワーク装置から送信される最初のダイレクトデータの受信に応じて、前記ダイレクトデータの送信を待機するダイレクトデータ待機期間をカウントするためのダイレクトデータ遅延抑制タイマを起動する。前記第2通信システムは、前記エンドマーカ待ち受け期間が経過する前であっても、前記ダイレクトデータ待機期間が経過した場合に、前記ダイレクトデータの送信を開始する。
【0013】
第1の特徴において、前記第2通信システムは、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移の決定に応じて、前記第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータの受信を待ち合わせるフォワーディングデータ受信待ち合わせ期間をカウントするためのフォワーディングデータ待ち合わせタイマを起動する。前記第2通信システムは、前記フォワーディングデータ受信待ち合わせ期間内に前記第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータを受信しない場合に、前記ダイレクトデータの送信を開始する。
【0014】
第2の特徴に係るネットワーク装置は、第1通信システム及び第2通信システムを有する移動通信システムにおいて、前記第2通信システムに設けられる。移動通信システムは、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成される。ネットワーク装置は、前記第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始する。
【0015】
第3の特徴に係る移動通信方法は、第1通信システム及び第2通信システムを有する移動通信システムで用いられる。移動通信システムは、第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成される。移動通信方法は、前記第2通信システムが、前記第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始するステップを備える。
【0016】
第4の特徴に係る移動通信システムは、第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成される。前記第1通信システムは、前記コアネットワーク装置から送信される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記第2通信システムにダミーエンドマーカを送信する。
【0017】
第5の特徴に係るネットワーク装置は、第1通信システム及び第2通信システムを有する移動通信システムにおいて、第1通信システムに設けられる。移動通信システムは、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成される。前記ネットワーク装置は、前記コアネットワーク装置から送信される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記第2通信システムにダミーエンドマーカを送信するように構成された送信部を備える。
【0018】
第6の特徴に係る移動通信方法は、第1通信システム及び第2通信システムを有する移動通信システムで用いられる。移動通信システムは、第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成される。移動通信方法は、前記第1通信システムが、前記コアネットワーク装置から送信される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記第2通信システムにダミーエンドマーカを送信するステップを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、エンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、ダイレクトデータの送信を適切に開始することを可能とする移動通信システム、ネットワーク装置及び移動通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る移動通信システム100を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るネットワーク装置20を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る第1方法の適用例を示すシーケンス図である。
【図4】第1実施形態に係る第2方法の適用例を示すシーケンス図である。
【図5】第2実施形態に係る適用例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、本発明の実施形態に係る移動通信システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0022】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0023】
[実施形態の概要]
実施形態に係る移動通信システムは、第1通信システム及び第2通信システムを有しており、第1通信システムから第2通信システムへの遷移が決定された場合に、第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを第1通信システムから第2通信システムに転送するように構成される。
【0024】
第1に、第2通信システムは、第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始する。
【0025】
実施形態では、第2通信システムは、エンドマーカ待ち受け期間内において、第1通信システムからエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始する。従って、エンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、ダイレクトデータの送信を適切に開始することができる。
【0026】
第2に、第1通信システムは、コアネットワーク装置から送信される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、第2通信システムにダミーエンドマーカを送信する。従って、コアネットワーク装置と第1通信システムとの間においてエンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、ダイレクトデータの送信を適切に開始することができる。
【0027】
[第1実施形態]
(移動通信システムの構成)
以下において、第1実施形態に係る移動通信システムの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る移動通信システム100を示す図である。
【0028】
図1に示すように、移動通信システム100は、通信端末装置10(以下、UE10)と、コアネットワーク50とを含む。また、移動通信システム100は、第1通信システムと第2通信システムとを含む。
【0029】
第1通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)に対応する通信システムである。第1通信システムは、例えば、基地局210(以下、eNB210)と、MME230とを有する。なお、第1通信システムでは、第1RAT(Radio Access Technorolgy)が用いられる。
【0030】
第2通信システムは、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)に対応する通信システムである。第2通信システムは、基地局110(以下、NB110)と、RNC120と、SGSN130とを有する。なお、第2通信システムでは、第2RAT(Radio Access Technorolgy)が用いられる。
【0031】
UE10は、第1通信システム及び第2通信システムと通信を行うように構成された装置(User Equipment)である。例えば、UE10は、NB110と無線通信を行う機能を有するとともに、eNB210と無線通信を行う機能を有する。
【0032】
NB110は、セル111を有しており、セル111に存在するUE10と無線通信を行う装置(NodeB)である。
【0033】
RNC120は、NB110に接続されており、セル111に存在するUE10と無線接続(RRC Connection)を設定する装置(Radio Network Controller)である。
【0034】
SGSN130は、パケット交換ドメインにおいてパケット交換を行う装置(Serving GPRS Support Node)である。SGSN130は、コアネットワーク50に設けられる。図1では省略しているが、回線交換ドメインにおいて回線交換を行う装置(MSC;Mobile Switching Center)がコアネットワーク50に設けられていてもよい。
【0035】
eNB210は、セル211を有しており、セル211に存在するUE10と無線通信を行う装置(evolved NodeB)である。
【0036】
MME230は、eNB210と無線接続を設定しているUE10の移動性を管理する装置(Mobility Management Entity)である。MME230は、コアネットワーク50に設けられる。
【0037】
なお、セルは、UE10と無線通信を行う機能として理解すべきである。但し、セルは、セルと通信可能な範囲を示すサービスエリアと考えてもよい。セルは、セルで用いられる周波数、拡散コード又はタイムスロットなどによって識別される。
【0038】
ここで、コアネットワーク50は、SGW310と、PDN−GW320とを有する。
【0039】
SGW310は、第1通信システムと第2通信システムとの間のインタフェースとして機能する装置(Serving Gateway)である。PDN−GW320は、コアネットワーク50と外部ネットワーク(例えば、WiMAXなど)との間のインタフェースとして機能する装置(Packet Data Network Gateway)である。
【0040】
第1実施形態では、第1通信システムから第2通信システムへの遷移(Inter−RATハンドオーバ)について例示する。Inter−RATハンドオーバが決定された場合に、第1通信システムが既に受信しているデータ(パケット)が第1通信システムから第2通信システムに転送される(Forwarding技術)。また、第2通信システムは、第1通信システムから転送されるフォワーディングデータ及びコアネットワーク50から受信するダイレクトデータの並べ替えを行う(Reordering技術)。
【0041】
また、第1実施形態では、第2通信システムは、基本的には、第1通信システムから転送されるフォワーディングデータが最後のデータであることを示すエンドマーカが第1通信システムから転送された場合に、ダイレクトデータの送信を開始する。
【0042】
(ネットワーク装置の構成)
以下において、第1実施形態に係るネットワーク装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係るネットワーク装置20を示す図である。
【0043】
第1実施形態では、ネットワーク装置20は、第2通信システムに設けられる。例えば、ネットワーク装置20は、RNC120である。図2に示すように、ネットワーク装置20は、通信部21と、タイマ管理部22と、制御部23とを有する。
【0044】
通信部21は、他のネットワーク装置と通信を行う。例えば、通信部21は、第1通信システムに設けられるネットワーク装置(例えば、eNB210又はMME230)からフォワーディングデータを受信する。或いは、通信部21は、SGSN130を経由してフォワーディングデータを受信してもよい。或いは、通信部21は、コアネットワーク50に設けられるネットワーク装置(例えば、SGW310)を経由してフォワーディングデータを受信してもよい。また、通信部21は、コアネットワーク50に設けられるネットワーク装置(例えば、SGW310)からダイレクトデータを受信する。
【0045】
通信部21は、UE10と通信を行う。例えば、通信部21は、フォワーディングデータをUE10に送信する。また、通信部21は、ダイレクトデータをUE10に送信する。
【0046】
タイマ管理部22は、各種タイマを管理する。第1に、タイマ管理部22は、第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカを待ち受けるエンドマーカ待ち受け期間をカウントするためのエンドマーカ待ち受けタイマを管理する。第2に、タイマ管理部22は、ダイレクトデータの送信を待機するダイレクトデータ待機期間をカウントするためのダイレクトデータ遅延抑制タイマを管理する。第3に、タイマ管理部22は、第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータの受信を待ち合わせるフォワーディングデータ受信待ち合わせ期間をカウントするためのフォワーディングデータ待ち合わせタイマを管理する。
【0047】
制御部23は、ネットワーク装置20を制御する。例えば、制御部23は、第1通信システムから転送されるフォワーディングデータ及びコアネットワーク50から受信するダイレクトデータの並べ替えを行う(Reordering技術)。
【0048】
ここで、制御部23は、以下の方法で、フォワーディングデータ及びダイレクトデータを送信する。
【0049】
(1)第1方法
第1方法では、エンドマーカ待ち受けタイマ及びダイレクトデータ遅延抑制タイマが用いられる。第1に、制御部23は、第1通信システムから第2通信システムへの遷移の決定に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。詳細には、制御部23は、SGSN130から受信するメッセージ(例えば、“Relocation Request”)に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。
【0050】
第2に、制御部23は、コアネットワーク50(例えば、SGW310)から送信される最初のダイレクトデータの受信に応じて、ダイレクトデータ遅延抑制タイマを起動する。
【0051】
ここで、制御部23は、エンドマーカ待ち受けタイマによってカウントされるエンドマーカ待ち受け期間内にエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、ダイレクトデータの送信を開始する。
【0052】
また、制御部23は、エンドマーカ待ち受け期間が経過する前であっても、ダイレクトデータ遅延抑制タイマによってカウントされるダイレクトデータ待機期間が経過した場合に、ダイレクトデータの送信を開始する。
【0053】
なお、制御部23は、ダイレクトデータの送信が開始された後に受信するフォワーディングデータを廃棄してもよい。また、ダイレクトデータ遅延抑制タイマは省略されてもよい。
【0054】
さらに、制御部23は、エンドマーカ待ち受けタイマによってカウントされるエンドマーカ待ち受け期間内にエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、第1通信システムと第2通信システムとの間のデータ転送に用いる各種リソースの解放(パス解放、フォワーディングデータ廃棄に伴うバッファクリア、転送用プロセスのターミネート等)を行うように構成されていてもよい。
【0055】
(2)第2方法
第2方法では、フォワーディングデータ待ち合わせタイマ及びエンドマーカ待ち受けタイマが用いられる。第1に、制御部23は、第1通信システムから第2通信システムへの遷移の決定に応じて、フォワーディングデータ待ち合わせタイマを起動する。詳細には、制御部23は、SGSN130から受信するメッセージ(例えば、“Relocation Request”)に応じて、フォワーディングデータ待ち合わせタイマを起動する。
【0056】
第2に、制御部23は、第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータの受信に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。
【0057】
ここで、制御部23は、フォワーディングデータ待ち合わせタイマによってカウントされるフォワーディングデータ受信待ち合わせ期間内に、第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータを受信しない場合に、ダイレクトデータの送信を開始する。
【0058】
また、制御部23は、エンドマーカ待ち受けタイマによってカウントされるエンドマーカ待ち受け期間内にエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、ダイレクトデータの送信を開始する。
【0059】
なお、制御部23は、ダイレクトデータの送信が開始された後に受信するフォワーディングデータを廃棄してもよい。また、フォワーディングデータ待ち合わせタイマは省略されてもよい。
【0060】
さらに、制御部23は、フォワーディングデータ待ち合わせタイマによってカウントされるフォワーディングデータ受信待ち合わせ期間内に、第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータを受信しない場合に、第1通信システムと第2通信システムとの間のデータ転送に用いる各種リソースの解放(パス解放、フォワーディングデータ廃棄に伴うバッファクリア、転送用プロセスのターミネート等)を行うように構成されていてもよい。
【0061】
(第1方法の適用例)
以下において、第1実施形態に係る第1方法の適用例について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る第1方法の適用例を示すシーケンス図である。
【0062】
図3に示すように、ステップ10において、SGSN130は、第1通信システムから第2通信システムへの遷移の決定を通知するメッセージ(例えば、“Relocation Request”)をRNC120に送信する。
【0063】
ここで、RNC120は、メッセージ(例えば、“Relocation Request”)の受信に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。
【0064】
ステップ20において、コアネットワーク50(例えば、SGW310)は、ダイレクトデータをRNC120に送信する。なお、RNC120は、ダイレクトデータを直ちに送信せずに、ダイレクトデータの送信を留保する。
【0065】
ここで、RNC120は、コアネットワーク50(例えば、SGW310)から送信される最初のダイレクトデータの受信に応じて、ダイレクトデータ遅延抑制タイマを起動する。
【0066】
ステップ30において、第1通信システムは、フォワーディングデータをRNC120に送信する。なお、フォワーディングデータは、トンネリング技術によってeNB210から直接的にRNC120に転送されてもよい。或いは、フォワーディングデータは、eNB210からSGW310を経由して転送されてもよい。或いは、フォワーディングデータは、eNB210からSGSN130を経由して転送されてもよい。
【0067】
ステップ40において、RNC120は、フォワーディングデータをNB110に送信する。具体的には、RNC120は、ダイレクトデータよりも先にフォワーディングデータを送信する。
【0068】
ステップ50において、RNC120は、ダイレクトデータ遅延抑制タイマによってカウントされるダイレクトデータ待機期間が経過したため、ダイレクトデータの送信を開始する。すなわち、RNC120は、エンドマーカ待ち受け期間が経過する前であっても、ダイレクトデータ待機期間の経過に応じて、ダイレクトデータの送信を開始する。
【0069】
ステップ60において、第1通信システムは、フォワーディングデータをRNC120に送信する。但し、RNC120は、ダイレクトデータの送信を開始しているため、フォワーディングデータを送信せずに破棄する。
【0070】
ステップ70において、第1通信システムは、第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをRNC120に送信する。
【0071】
ステップ80において、RNC120は、フォワーディングデータの転送が完了したことを示すメッセージ(例えば、“Relocation Complete”)をSGSN130に送信する。
【0072】
ステップ90において、SGSN130は、フォワーディングデータの転送経路に用いるリソースの削除要求メッセージをRNC120に送信する。
【0073】
ステップ100において、RNC120は、削除要求メッセージに対する応答メッセージをSGSN130に送信する。
【0074】
(第2方法の適用例)
以下において、第1実施形態に係る第2方法の適用例について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る第2方法の適用例を示すシーケンス図である。
【0075】
図4に示すように、ステップ110において、SGSN130は、第1通信システムから第2通信システムへの遷移の決定を通知するメッセージ(Relocation Request)をRNC120に送信する。
【0076】
ここで、RNC120は、メッセージ(Relocation Request)の受信に応じて、フォワーディングデータ待ち合わせタイマを起動する。
【0077】
ステップ120において、コアネットワーク50(例えば、SGW310)は、ダイレクトデータをRNC120に送信する。なお、RNC120は、ダイレクトデータを直ちに送信せずに、ダイレクトデータの送信を留保する。
【0078】
ステップ130において、第1通信システムは、フォワーディングデータをRNC120に送信する。なお、フォワーディングデータは、トンネリング技術によってeNB210から直接的にRNC120に転送されてもよい。或いは、フォワーディングデータは、eNB210からSGW310を経由して転送されてもよい。或いは、フォワーディングデータは、eNB210からSGSN130を経由して転送されてもよい。
【0079】
ここで、RNC120は、フォワーディングデータ待ち合わせタイマによってカウントされるフォワーディングデータ受信待ち合わせ期間内に、第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータを受信するため、最初のフォワーディングデータの受信に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。
【0080】
ステップ140において、RNC120は、フォワーディングデータをNB110に送信する。具体的には、RNC120は、ダイレクトデータよりも先にフォワーディングデータを送信する。
【0081】
ステップ150において、コアネットワーク50(例えば、SGW310)は、ダイレクトデータをRNC120に送信する。なお、RNC120は、ダイレクトデータを直ちに送信せずに、ダイレクトデータの送信を留保する。
【0082】
ステップ160において、第1通信システムは、第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをRNC120に送信する。
【0083】
ステップ170において、RNC120は、フォワーディングデータの転送が完了したことを示すメッセージ(例えば、“Relocation Complete”)をSGSN130に送信する。
【0084】
ステップ180において、RNC120は、エンドマーカを受信したため、ダイレクトデータの送信を開始する。
【0085】
ステップ190において、SGSN130は、フォワーディングデータの転送経路に用いるリソースの削除要求メッセージをRNC120に送信する。
【0086】
ステップ200において、RNC120は、削除要求メッセージに対する応答メッセージをSGSN130に送信する。
【0087】
図4では、エンドマーカ待ち受け期間内にエンドマーカを受信するケースについて例示したが、エンドマーカ待ち受け期間内にエンドマーカを受信しない場合には、RNC120は、ダイレクトデータの送信を開始する。さらに、図示しないが、エンドマーカ待ち受け期間内にエンドマーカを受信しない場合には、各種リソースの解放を行ってもよい。
【0088】
また、図4では、フォワーディングデータ受信待ち合わせ期間内に最初のフォワーディングデータを受信するケースについて例示したが、フォワーディングデータ受信待ち合わせ期間内に最初のフォワーディングデータを受信しない場合には、RNC120は、ダイレクトデータの送信を開始する。
【0089】
(作用及び効果)
第1実施形態では、第2通信システム(以下、ネットワーク装置20)は、エンドマーカ待ち受け期間内において、第1通信システムからエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始する。従って、エンドマーカの転送経路においてエンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、ダイレクトデータの送信を適切に開始することができる。
【0090】
また、第1実施形態では、第2通信システム(以下、ネットワーク装置20)は、エンドマーカ待ち受け期間内において、第1通信システムからエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、各種リソースを解放する。従って、エンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、各種リソースを有効に利用することができる。
【0091】
具体的には、第1方法において、ネットワーク装置20は、エンドマーカ待ち受け期間が経過する前であっても、ダイレクトデータ遅延抑制タイマによってカウントされるダイレクトデータ待機期間が経過した場合に、ダイレクトデータの送信を開始する。言い換えると、エンドマーカ待ち受け期間内であっても、ダイレクトデータの遅延時間が長くなる場合に、ダイレクトデータの送信を開始する。これによって、ダイレクトデータの遅延が抑制される。また、各種リソースの解放を行うことで、無駄なリソースの維持を抑制することができる。
【0092】
第2方法において、ネットワーク装置20は、フォワーディングデータ待ち合わせタイマによってカウントされるフォワーディングデータ受信待ち合わせ期間内に、第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータを受信しない場合に、ダイレクトデータの送信を開始する。言い換えると、フォワーディングデータが第1通信システムから転送されない場合に、ダイレクトデータの遅延時間が長くなることを抑制することができる。また、各種リソースの解放を行うことで、無駄なリソースの維持を抑制することができる。
【0093】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について説明する。
【0094】
具体的には、第1実施形態では、第1通信システムから第2通信システムへの遷移において、第2通信システムの動作について主として説明した。これに対して、第2実施形態では、第1通信システムから第2通信システムへの遷移において、第1通信システムの動作について主として説明する。
【0095】
ここで、第2実施形態では、第1通信システムは、エンドマーカ待ち受け期間内においてエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、第2通信システムに対して、ダミーエンドマーカを送信する。
【0096】
なお、第2実施形態では、上述したネットワーク装置20は、第1通信システムに設けられる。例えば、ネットワーク装置20は、eNB210である。第2実施形態にネットワーク装置20の構成は、第1実施形態と同様である。但し、第2実施形態に係るネットワーク装置20(制御部23)は、エンドマーカ待ち受け期間内においてエンドマーカを受信することができない場合に、フォワーディングデータの送信を開始するのではなく、第2通信システムに対して、ダミーエンドマーカを送信する。
【0097】
具体的には、第1に、第1通信システムに設けられるネットワーク装置20の制御部23は、第1通信システムから第2通信システムへの遷移の決定に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。詳細には、制御部23は、SGSN130から受信するメッセージ(例えば、“Relocation Request”)に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。
【0098】
第2に、制御部23は、エンドマーカ待ち受けタイマによってカウントされるエンドマーカ待ち受け期間内にエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、ダミーエンドマーカを送信する。
【0099】
なお、制御部23は、ダイレクトデータの送信が開始された後に受信するフォワーディングデータを廃棄してもよい。また、ダイレクトデータ遅延抑制タイマは省略されてもよい。
【0100】
さらに、制御部23は、ダミーエンドマーカの送信後に、第1通信システムと第2通信システムとの間のデータ転送に用いる各種リソースの解放(パス解放、フォワーディングデータ廃棄に伴うバッファクリア、転送用プロセスのターミネート等)を行うように構成されていてもよい。
【0101】
なお、ダミーエンドマーカの構成は、エンドマーカと同様である。ダミーエンドマーカは、制御部23によって生成される。
【0102】
(適用例)
以下において、第2実施形態に係る適用例について、図面を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態に係る適用例を示すシーケンス図である。
【0103】
図5に示すように、ステップ210において、コアネットワーク50は、第1通信システムからのダイレクトデータをeNB210に送信する。
【0104】
ステップ220において、SGW310は、第1通信システムから第2通信システムへの遷移の決定を通知するメッセージ(例えば、“Relocation Request”)を送信する。
【0105】
ここで、eNB210は、メッセージ(例えば、“Relocation Request”)の受信に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。
【0106】
ステップ230において、eNB210は、コアネットワーク50から受信するデータ(第1通信システムからのダイレクトデータ)のうち、UE10からの送達確認が取れていないデータをフォワーディングデータとして第2通信システムに送信する。
【0107】
なお、フォワーディングデータは、トンネリング技術によってeNB210から直接的にRNC120に転送されてもよい。或いは、フォワーディングデータは、eNB210からSGW310を経由して転送されてもよい。或いは、フォワーディングデータは、eNB210からSGSN130を経由して転送されてもよい。
【0108】
ステップ240において、コアネットワーク50は、第1通信システムからのダイレクトデータをeNB210に送信する。
【0109】
ステップ250において、eNB210は、エンドマーカ待ち受けタイマによってカウントされるエンドマーカ待ち受け期間が経過していないため、コアネットワーク50から受信するデータのうち、UE10からの送達確認が取れていないデータをフォワーディングデータとして第2通信システムに送信する。
【0110】
ステップ260において、eNB210は、エンドマーカ待ち受け期間が経過したため、ダミーエンドマーカを第2通信システムに送信する。
【0111】
ステップ270において、第1通信システムは、UE10と第1通信システムとの間の通信に必要なリソースを解放する。eNB210は、フォワーディングデータの転送が完了したことを示すメッセージ(例えば、“Relocation Complete”)をSGW310に送信する。
【0112】
(作用及び効果)
第2実施形態では、第1通信システム(以下、ネットワーク装置20)は、エンドマーカ待ち受け期間内において、コアネットワーク50からエンドマーカを受信することができない場合に、エンドマーカの受信を待たずに、ダミーエンドマーカを第2通信システムに送信する。従って、エンドマーカの転送経路(コアネットワーク50と第1通信システムとの間の転送経路)においてエンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、ダイレクトデータの送信を適切に開始することができる。
【0113】
また、第1実施形態では、第2通信システム(以下、ネットワーク装置20)は、ダミーエンドマーカの送信後に、各種リソースを解放する。従って、エンドマーカの転送経路(コアネットワーク50と第1通信システムとの間の転送経路)においてエンドマーカの消失やエンドマーカの遅延が生じた場合であっても、各種リソースを有効に利用することができる。
【0114】
具体的には、ネットワーク装置20は、エンドマーカ待ち受け期間が満了した場合に、第2通信システムにダミーエンドマーカを送信することによって、第2通信システムにおいてダイレクトデータの送信が可能となる。また、各種リソースの解放を行うことで、無駄なリソースの維持を抑制することができる。
【0115】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0116】
上述した実施形態では、第1通信システムがLTEに対応する通信システムであり、第2通信システムがUMTSに対応する通信システムである。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、第1通信システムがUMTSに対応する通信システムであり、第2通信システムがLTEに対応する通信システムであってもよい。
【0117】
このようなケースでは、第2通信システムに設けられるネットワーク装置(例えば、eNB210)は、エンドマーカ待ち受けタイマ、ダイレクトデータ遅延抑制タイマ、フォワーディングデータ待ち合わせタイマを管理する。ネットワーク装置(例えば、eNB210)は、これらのタイマを用いて、ダイレクトデータの送信開始を制御する。なお、ネットワーク装置がeNB210である場合には、eNB210は、第1方法において、MME230から受信するメッセージ(例えば、“Handover Request”)に応じて、エンドマーカ待ち受けタイマを起動する。或いは、eNB210は、第1方法において、MME230から受信するメッセージ(例えば、“Handover Request”)に応じて、フォワーディングデータ待ち合わせタイマを起動する。
【0118】
また、第1通信システム及び第2通信システムは、UMTSやLTEに対応する通信システムに限定されるものではなく、他の通信システム(例えば、WiMAXに対応する通信システム)であってもよい。
【0119】
上述した実施形態では、Inter−RATハンドオーバの手順の詳細について省略したが、Inter−RATハンドオーバの手順は、既知の手順である(例えば、3GPP TS23.401 v9.0.0 Subclause 5.5.2 “Inter RAT handover”)。
【0120】
上述した実施形態では、ネットワーク装置20がRNC120であるケースを例示したが、実施形態は、これに限定されるものではない。ネットワーク装置20は、第2通信システムに設けられる装置であればよい。
【0121】
なお、上述したネットワーク装置20の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0122】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0123】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、ネットワーク装置20内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてネットワーク装置20内に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0124】
10…通信端末装置、20…ネットワーク装置、21…通信部、22…タイマ管理部、23…制御部、30…無線制御装置、50…コアネットワーク、100…移動通信システム、110…NB、111…セル、120…RNC、130…SGSN、210…eNB、211…セル、230…MME、310…SGW、320…PDN−GW

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成された移動通信システムであって、
前記第2通信システムは、前記第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始することを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
前記第2通信システムは、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移の決定に応じて、前記エンドマーカ待ち受け期間をカウントするためのエンドマーカ待ち受けタイマを起動することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記第2通信システムは、前記第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータの受信に応じて、前記エンドマーカ待ち受け期間をカウントするためのエンドマーカ待ち受けタイマを起動することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記第2通信システムは、前記コアネットワーク装置から送信される最初のダイレクトデータの受信に応じて、前記ダイレクトデータの送信を待機するダイレクトデータ待機期間をカウントするためのダイレクトデータ遅延抑制タイマを起動し、
前記第2通信システムは、前記エンドマーカ待ち受け期間が経過する前であっても、前記ダイレクトデータ待機期間が経過した場合に、前記ダイレクトデータの送信を開始することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記第2通信システムは、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移の決定に応じて、前記第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータの受信を待ち合わせるフォワーディングデータ受信待ち合わせ期間をカウントするためのフォワーディングデータ待ち合わせタイマを起動し、
前記第2通信システムは、前記フォワーディングデータ受信待ち合わせ期間内に前記第1通信システムから転送される最初のフォワーディングデータを受信しない場合に、前記ダイレクトデータの送信を開始することを特徴とする請求項3に記載の移動通信システム。
【請求項6】
第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成された移動通信システムにおいて、前記第2通信システムに設けられたネットワーク装置であって、
前記第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始するように構成された送信部を備えることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項7】
第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成された移動通信システムで用いられる移動通信方法であって、
前記第2通信システムが、前記第1通信システムから転送される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記コアネットワーク装置から受信するダイレクトデータの送信を開始するステップを備えることを特徴とする移動通信方法。
【請求項8】
第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成された移動通信システムであって、
前記第1通信システムは、前記コアネットワークから送信される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記第2通信システムにダミーエンドマーカを送信することを特徴とする移動通信システム。
【請求項9】
第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成された移動通信システムにおいて、前記第2通信システムに設けられたネットワーク装置であって、
前記コアネットワークから送信される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記第2通信システムにダミーエンドマーカを送信するように構成された送信部を備えることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項10】
第1通信システム及び第2通信システムを有しており、前記第1通信システムから前記第2通信システムへの遷移が決定された場合に、前記第1通信システムがコアネットワーク装置から既に受信しているフォワーディングデータを前記第1通信システムから前記第2通信システムに転送するように構成された移動通信システムで用いられる移動通信方法であって、
前記第1通信システムが、前記コアネットワークから送信される最後のフォワーディングデータを示すエンドマーカをエンドマーカ待ち受け期間内に受信することができない場合に、前記エンドマーカの受信を待たずに、前記第2通信システムにダミーエンドマーカを送信するステップを備えることを特徴とする移動通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−229027(P2011−229027A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98206(P2010−98206)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】