説明

積層セラミック電子部品

【課題】信頼性の高い高圧・高容量の積層セラミック電子部品を提供する。
【解決手段】セラミック本体10と、ギャップによって離隔して配置された導電パターンを含む第1の層と、当該第1の層とセラミック層を挟んで配置され上記導電パターンと重なる重なり部を有するフローティングパターンを含む第2の層と、を含み、上記第1の層の数と上記第2の層の数との和は100以上であり、上記セラミック本体の外部面には第1及び第2の外部電極が形成され、上記第1及び第2の外部電極21,22を連結して延びる長さ方向と上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向によって形成される平面において、上記セラミック本体の長さに対する上記フローティングパターンの長さの比は0.7〜0.9であり、上記フローティングパターンの長さに対する上記重なり部の長さの比は0.5〜0.95以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック電子部品に関し、より詳細には、高圧・高容量の積層セラミック電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子製品の小型化及び高容量化に伴い、積層セラミックキャパシタ(Multilayered ceramic capacitor)の小型化及び高容量化も求められている。
【0003】
これにより、積層セラミックキャパシタに用いられるセラミック誘電体層の薄層化も求められており、高容量を具現するために内部電極の積層数も増えている。
【0004】
しかしながら、このようなセラミック誘電体層の薄層化及び内部電極の積層数の増加によって絶縁破壊電圧が低下する問題が生じている。
【0005】
具体的には、積層セラミックキャパシタは、全体サイズが一定に決められているため、高容量を具現するために内部電極の積層数を増加させる場合、当該内部電極間の距離が減少し絶縁破壊電圧が低下して耐電圧特性が低下することがある。また、耐電圧を向上させるためにセラミック誘電体層の厚さを増加させる場合、内部電極の数が減少するため、高容量を具現することが困難となることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、信頼性の高い高圧・高容量の積層セラミックキャパシタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様による積層セラミック電子部品は、セラミック本体と、ギャップによって離隔して配置された導電パターンを含む第1の層と、上記第1の層とセラミック層を挟んで配置され、上記導電パターンと重なる少なくとも一つの重なり部を有するフローティングパターンを含む第2の層と、を含み、上記第1の層の数と上記第2の層の数との和は100以上であり、上記セラミック本体の外部面には第1及び第2の外部電極が形成され、上記第1及び第2の外部電極を連結して延びる長さ方向と上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向によって形成される平面において、上記セラミック本体の長さに対する上記フローティングパターンの長さの比は0.7〜0.9であり、上記フローティングパターンの長さに対する上記重なり部の長さの比は0.5〜0.95であることができる。
【0008】
上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記導電パターンと上記フローティングパターンが形成する領域の面積に対する上記フローティングパターンの面積の比は0.7〜0.9であり、上記フローティングパターンの面積に対する上記重なり部の面積の比は0.5〜0.95であることができる。
【0009】
上記導電パターンは、第1の外部電極と接続される第1の導電パターンと、第2の外部電極と接続される第2の導電パターンと、を含むことができる。
【0010】
上記第1の層は、上記第1の導電パターンと上記第2の導電パターンとの間に配置される少なくとも一つの第1のフローティングパターンをさらに含み、上記フローティングパターンは、上記第1のフローティングパターンと重なる重なり部を有する複数の第2のフローティングパターンを含み、上記フローティングパターンの長さは上記複数の第2のフローティングパターンの長さの和であり、上記重なり部の長さは上記導電パターンと重なる第2のフローティングパターンの重なり部の長さの和であることができる。
【0011】
上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記導電パターンと上記フローティングパターンが形成する領域の面積に対する上記第2のフローティングパターンの面積の和の比は0.7〜0.9であり、上記第2のフローティングパターンの面積の和に対する上記第2のフローティングパターンの重なり部の面積の和の比は0.5〜0.95であることができる。
【0012】
上記フローティングパターンは、第1の層のギャップによって離隔して配置された隣接する二つの導電パターンとそれぞれ重なることができる。
【0013】
上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記導電パターン及び上記フローティングパターンは、長方形であることができる。
【0014】
上記導電パターンの幅は、上記フローティングパターンの幅と同一であることができる。
【0015】
上記セラミック層の厚さは、10μm以上であることができる。
【0016】
上記平面は、セラミック本体の中心部にあることができる。
【0017】
本発明の第2の態様による積層セラミック電子部品は、セラミック本体と、ギャップによって離隔して配置された導電パターンを含む第1の層と、上記第1の層とセラミック層を挟んで配置され、上記導電パターンと重なる重なり部を有するフローティングパターンを含む第2の層と、を含み、上記第1の層の数と上記第2の層の数との和は100以上であり、上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記導電パターンと上記フローティングパターンが形成する領域の面積に対する上記フローティングパターンの面積の比は0.7〜0.9であり、上記フローティングパターンの面積に対する上記重なり部の面積の比は0.5〜0.95であることができる。
【0018】
上記導電パターンは、第1の外部電極と接続される第1の導電パターンと、第2の外部電極と接続される第2の導電パターンと、を含むことができる。
【0019】
上記第1の層は、上記第1の導電パターンと上記第2の導電パターンとの間に配置される少なくとも一つの第1のフローティングパターンをさらに含み、上記フローティングパターンは、上記第1のフローティングパターンと重なる重なり部を有する複数の第2のフローティングパターンを含み、上記フローティングパターンの面積は、上記複数の第2のフローティングパターンの面積の和であり、上記重なり部の面積は、上記導電パターンと重なる第2のフローティングパターンの重なり部の面積の和であることができる。
【0020】
上記フローティングパターンは、第1の層のギャップによって離隔して配置された隣接する二つの導電パターンとそれぞれ重なることができる。
【0021】
上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記導電パターン及び上記フローティングパターンは、長方形であることができる。
【0022】
上記導電パターンの幅は、上記フローティングパターンの幅と同一であることができる。
【0023】
上記セラミック層の厚さは、10μm以上であることができる。
【0024】
本発明の第3の態様による積層セラミック電子部品は、セラミック本体と、第1及び第2の外部電極にそれぞれ接続された第1及び第2の導電パターンと、当該第1及び第2の導電パターンの間に当該第1及び第2の導電パターンとギャップをおいて配置された第1のフローティングパターンと、を含む第1の層と、上記第1の層とセラミック層を挟んで配置され、上記第1及び第2の導電パターン並びに上記第1のフローティングパターンの一つと重なる重なり部を有する複数の第2のフローティングパターンを含む第2の層と、を含み、上記第1の層の数と上記第2の層の数との和は100以上であり、上記セラミック本体の外部面には第1及び第2の外部電極が形成され、上記第1及び第2の外部電極を連結して延びる長さ方向と上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向によって形成される平面において、上記セラミック本体の長さに対する上記第2のフローティングパターンの長さの和の比は0.7〜0.9であり、上記第2のフローティングパターンの長さの和に対する上記重なり部の長さの和の比は0.5〜0.95であることができる。
【0025】
上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記導電パターンと上記フローティングパターンが形成する領域の面積に対する上記第2のフローティングパターンの面積の和の比は0.7〜0.9であり、上記第2のフローティングパターンの面積の和に対する上記第2のフローティングパターンの重なり部の面積の和の比は0.5〜0.95であることができる。
【0026】
上記第2のフローティングパターンは、上記第1の層のギャップによって離隔して配置された隣接する二つの導電パターンとそれぞれ重なることができる。
【0027】
上記第2のフローティングパターンの数は、上記ギャップの数と同一であることができる。
【0028】
上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記第1及び第2の導電パターン並びに上記第1及び第2のフローティングパターンは、長方形であることができる。
【0029】
上記第1及び第2の導電パターン並びに第1及び第2のフローティングパターンの幅は、全て同一であることができる。
【0030】
上記平面は、上記セラミック本体の中心部にあることができる。
【0031】
上記セラミック層の厚さは、10μm以上であることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、高容量の積層セラミック電子部品にフローティング電極を適用することにより、高容量・高圧の積層セラミックキャパシタを具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の斜視図である。
【図2】図1のA−A’線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B’線に沿う平面図である。
【図4】図3の変形例を示す図である。
【図5】図3の変形例を示す図である。
【図6】図1のA−A’線に沿う断面図の他の例である。
【図7】図1のB−B’線に沿う断面図の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は、多様な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が後述する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当業界における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及びサイズ等は、より明確な説明のために誇張されることがある。なお、図面上において同一符号で表示される要素は、同一の要素である。
【0035】
図1は、本発明の第1の実施形態による積層セラミック電子部品の斜視図であり、図2は、図1のA−A’線に沿う断面図である。
【0036】
積層セラミック電子部品には一般的にキャパシタ、インダクター、圧電体素子、バリスタ又はサーミスター等があり、本実施形態ではキャパシタを例に挙げて説明するが、本発明がこれに制限されるものではない。
【0037】
図1及び図2を参照すると、本発明の第1の実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック本体10と、当該セラミック本体10の外部面に形成された外部電極21、22と、当該セラミック本体10の内部に形成された第1の層31、32及び第2の層41と、を含むことができる。
【0038】
本実施形態では、第2の層に一つのフローティングパターン41が形成された場合を例に挙げて説明する。
【0039】
本実施形態による積層セラミックキャパシタでは、第1及び第2の層を積み重ねる方向(T方向)を「積層方向」又は「厚さ方向」、第1及び第2の外部電極を連結して延びる方向(L方向)を「長さ方向」、上記積層方向及び上記長さ方向に垂直な方向(W方向)を「幅方向」とする。
【0040】
セラミック本体10は、複数のセラミック誘電体層(以下、セラミック層という)50を積層した後に焼結させたもので、隣接するセラミック層50の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0041】
セラミック層50は、誘電物質(dielectric material)で形成されたもので、キャパシタの静電容量を向上させる役割をする。セラミック層50に電場が印加されると、誘電体内に存在する電気双極子(electrical dipole)が電場に反応して整列されるため、外部から加えられた電場の値より大きい双極子モーメント(dipole moment)が誘導される。
【0042】
誘電率が大きい材料ほど電気双極子モーメントを誘導する能力に優れて静電容量の向上に有益である。誘電率は、材料に応じてその値が決められる物質定数である。
【0043】
セラミック本体10は、高い誘電率を有するセラミック材料、例えば、チタン酸バリウム系材料又はチタン酸ストロンチウム系材料等からなることができるが、これに制限されるものではない。
【0044】
セラミック本体10は、下記のような方法により製造されることができる。
【0045】
チタン酸バリウム等のセラミック粉末にバインダー等のその他の添加剤を入れボールミリング等を用いてセラミック粉末が均一に分散されたセラミックスラリーを製造し、ドクターブレード方法等を用いてキャリアフィルム上にセラミックスラリーを塗布し乾燥させてセラミックグリーンシートを製造することができる。
【0046】
セラミックスラリーに含まれたバインダーの量、セラミック粉末の焼結収縮率、加圧条件等の製造工程条件等を考慮してセラミックグリーンシートの厚さを適宜調節することにより、焼結されたチップのセラミック層50の厚さを適宜調節することができる。
【0047】
上記セラミック層50を積層し積層方向に適切な圧力を加えた後に積層体を焼結させることによりセラミック本体を製造することができる。
【0048】
第1及び第2の外部電極21、22は、対向する状態でセラミック本体10の外部面11、12に形成されることができる。第1及び第2の外部電極21、22には、それぞれ反対極性の電気が印加されることができる。
【0049】
第1及び第2の外部電極21、22は、銅等の導電性金属粉末を主成分としガラス成分及びその他の添加剤が混合されたペーストを用いてディッピング(dipping)方式により形成されることができる。第1及び第2の外部電極21、22の表面には、ソルダリング特性の向上のために錫メッキ層が形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
セラミック本体10の内部には、第1の層と第2の層とが交互に積層されて配置されることができる。
【0051】
図2を参照すると、第1の層は、セラミック本体10の内部に形成された導電パターン31、32を含み、当該導電パターン31、32は、ギャップGによって離隔して配置されることができる。上記導電パターン31、32は、二つの導電性領域で形成されることができる。即ち、一つの第1の層に二つの導電パターン31、32が形成されることができる。
【0052】
以下では、第1の層に形成された上記二つの導電性領域をそれぞれ「第1の内部電極31」及び「第2の内部電極32」とする。
【0053】
第1の内部電極31は、セラミック本体10の内部に形成され、当該セラミック本体10の外部面11に引き出されて第1の外部電極21と接続されることができる。
【0054】
第2の内部電極32は、第1の内部電極31と電気的に分離されるように当該第1の内部電極31と離隔して形成されることができる。
【0055】
また、第2の内部電極32は、セラミック本体10の外部面12に引き出されて第2の外部電極22に接続されることができる。
【0056】
第1及び第2の内部電極31、32は、積層方向から見ると、長方形であることができるが、これに制限されるものではない。
【0057】
第1及び第2の内部電極31、32には、第1及び第2の外部電極21、22を介してそれぞれ異なる極性の電気が印加されることができる。即ち、第1の内部電極31が+極に帯電され、第2の内部電極32が−極に帯電されることができ、その反対も可能である。
【0058】
第1及び第2の内部電極31、32の厚さは、0.7μm以下であることができるが、これに制限されるものではない。
【0059】
第1及び第2の内部電極31、32は、一般的に導電性金属、バインダー及び溶剤を含むペーストをセラミックグリーンシート上に印刷した後にこれを焼成することにより形成されることができる。
【0060】
導電性金属としては、ニッケル(Ni)又はニッケル合金等を用いることができる。内部電極用導電性ペーストは、セラミック共材、例えば、チタン酸バリウムをさらに含むことができる。チタン酸バリウムは、内部電極の焼結開始温度を上昇させて過度な粒成長を抑制することができる。バインダーとしては、ポリビニルブチラール、エチルセルロース等の高分子樹脂を用いることができる。溶剤としては、例えば、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等を用いることができるが、これに制限されるものではない。
【0061】
第2の層は、第1の層31、32とセラミック層50を挟んで配置されたフローティングパターン41を含むことができる。上記フローティングパターン41は、上記第1の層に形成された上記第1及び第2の内部電極31、32と重なる重なり部C1、C2を少なくとも一つ有することができる。
【0062】
以下では、フローティングパターン41を「フローティング電極41」とする。フローティング電極41は、第1及び第2の外部電極と電気的に分離されている。
【0063】
積層方向から見ると、フローティング電極41は、長方形であることができる。但し、製造工程を経ながら多少変形されることもある。
【0064】
フローティング電極41は、セラミック本体10の外部面に引き出されないように当該セラミック本体10の内部に形成され、第1及び第2の外部電極21、22と電気的に分離されている。
【0065】
フローティング電極41の幅は、第1の層に形成された導電パターン31、32の幅、即ち、第1及び第2の内部電極31、32の幅と同一であることができる。
【0066】
以下では、フローティング電極41を導入した理由に関して説明する。
【0067】
積層セラミックキャパシタは、セラミック本体の厚さ方向と長さ方向によって形成される平面において、内部電極とセラミック層とが交互に積層された活性層と、当該活性層の上下にセラミック層のみを積層して形成された上部及び下部カバー層と、からなることができる。
【0068】
積層セラミックキャパシタは、全体サイズが決められており上部及び下部カバー層の厚さも一定であるため、高容量を具現するために内部電極の積層数を増加させると、内部電極間の距離(セラミック層の厚さ)が減少し、これにより、絶縁破壊電圧が低下することがある。
【0069】
また、絶縁破壊電圧特性を向上させるために内部電極間の距離(セラミック層の厚さ)を増加させると、内部電極の積層数が減少することになるため、高容量を具現することが困難となることがある。
【0070】
上記のような問題点は、内部電極の積層数が100以上の場合に顕著に示される。即ち、内部電極の積層数が100未満の場合は、セラミック層の厚さが厚くなって絶縁破壊電圧が大きくなるため、問題がない。
【0071】
しかしながら、内部電極の積層数が100を超える場合は、セラミック層の厚さを十分に厚くすることができないため、絶縁破壊電圧が低下する問題が生じることがある。
【0072】
上述した二つの問題点を同時に解決するためにフローティング電極41を導入した。即ち、フローティング電極41によって第1及び第2の内部電極31、32に作用する電圧を減少させることができる。たとえ、セラミック層50が従来と同じ絶縁破壊電圧特性を有するとしても、フローティング電極41によって当該セラミック層50に作用する電圧が減少するため、製品全体としては絶縁破壊電圧が増加する効果、即ち、耐電圧特性が向上する効果を示すことができる。
【0073】
また、絶縁破壊に至らない範囲内では内部電極31、32の積層数を増加させることができる。
【0074】
フローティング電極41は、第1及び第2の内部電極31、32とセラミック層50を挟んで配置され、積層方向から見ると、第1及び第2の内部電極31、32とそれぞれ重なる第1及び第2の重なり部C1、C2を有することができる。
【0075】
フローティング電極41と第1及び第2の内部電極31、32は、セラミック層50を挟んで交互に配置されることができる。
【0076】
フローティング電極41は、第1の層に形成されたギャップGをカバーするように、第2の層のうち上記ギャップGに対応する部分に形成されることができる。
【0077】
積層方向から見ると、フローティング電極41は、第1及び第2の内部電極31、32の間のギャップGをカバーすると共に、第1の内部電極31と重なる第1の重なり部C1と第2の内部電極32と重なる第2の重なり部C2とを有することができる。
【0078】
フローティング電極41と第1及び第2の内部電極31、32とが重なる第1及び第2の重なり部C1、C2では、容量を具現することができる。
【0079】
これを等価回路の観点から見ると、二つのキャパシタが直列に連結されており、このようにキャパシタを直列に配置することにより、第1及び第2の内部電極31、32に作用する電圧を半分に減少させることができる。
【0080】
第1及び第2の外部電極21、22を連結して延びる長さ方向と第1の内部電極31及び第2の内部電極32を積層する積層方向によって形成される平面において、セラミック本体10の長さLに対するフローティング電極41の長さAの比(A/L)は0.7〜0.9であり、フローティング電極41の長さAに対する重なり部C1、C2の長さ(C=C1+C2)の比(C/A)は0.5〜0.95であることができる。
【0081】
フローティング電極41が複数の場合、フローティング電極41の長さAは、複数のフローティング電極41の長さの和であり、重なり部C1、C2が複数の場合、重なり部C1、C2の長さCは、第1の重なり部の長さC1と第2の重なり部の長さC2との和であることができる。
【0082】
A/Lが0.7未満の場合は、容量形成に寄与する第1及び第2の重なり部C1、C2の長さが減少して高容量を具現することが困難となり、A/Lが0.9を超える場合は、第1又は第2の外部電極21、22とフローティング電極41との距離が短くなりすぎて当該第1又は第2の外部電極21、22と当該フローティング電極41との間にフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0083】
C/Aが0.5未満の場合は、容量形成に寄与する第1及び第2の重なり部C1、C2の長さが減少して製品の容量が低下することがあり、C/Aが0.95を超える場合は、第1及び第2の内部電極31、32間の間隔が狭くなりすぎて当該第1及び第2の内部電極31、32の間のギャップGをセラミックで完全に充填することが困難となるため、この部分に空気が残存する可能性がある。この場合、空気はセラミックより絶縁破壊電圧が小さいため、第1及び第2の内部電極31、32の間の絶縁破壊電圧が減少し、ショート又はフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0084】
フローティング電極41は、積層方向から見ると、長方形であることができるが、これに制限されるものではない。
【0085】
図1には、セラミック本体10の長さ方向と厚さ方向によって形成される平面が当該セラミック本体10の中心Sにある場合が示されているが、これに制限されず、セラミック本体10の中心Sを基準として幅方向両側にそれぞれ当該セラミック本体10の幅の15%以内の区間にあることができる。ここで、セラミック本体10の中心Sを基準として幅方向両側にそれぞれ当該セラミック本体10の幅の15%以内の区間をセラミック本体10の中心部と定義する。
【0086】
上記平面が上記中心部にある際に第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41の長さの比は安定していることができる。
【0087】
図4及び図5には第1及び第2の内部電極31、32が長方形ではない場合が示されているが、これに制限されず多様に変形されることができる。上記平面がセラミック本体10の中心Sにあるか又はそれ以外の箇所にあるかに応じてフローティング電極41の長さAが変わることができる。
【0088】
フローティング電極41は、第1及び第2の内部電極31、32と同一の材料を用いて形成されることができる。即ち、内部電極用ペーストを用いて第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41を形成することができる。
【0089】
同一の材料を用いて第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41を形成することにより、フローティング電極用ペーストを別に準備する工程等を省略することができるため、コスト及び時間面で有利である。
【0090】
また、第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41とが重なる第1及び第2の重なり部C1、C2に電荷が蓄積されても、当該第1及び第2の内部電極31、32と当該フローティング電極41の材料が同一であることから電気的特性も同一になるため、積層セラミックキャパシタの電気的特性がより安定していることができる。
【0091】
第1の層の数と第2の層の数との和は、100以上であることができる。
【0092】
従来の高圧・高容量の積層セラミックキャパシタを具現する上での問題点は、内部電極の積層数が100以上の場合に顕著に示されることがある。即ち、内部電極の積層数が100未満の場合は、セラミック層が厚いため、高圧の積層セラミックキャパシタを具現するのに問題がなかった。しかしながら、内部電極の積層数が100を超える場合は、セラミック層の厚さを十分に大きくすることができないため、セラミック層の絶縁破壊電圧特性が低下する。したがって、このような二つの問題点を同時に解決するために、前述したようにフローティング電極を導入した。
【0093】
なお、従来の場合は内部電極のみが積層された構造で、内部電極31、32とフローティング電極41とが交互に積層された構造の本実施形態とは相違している。
【0094】
セラミック層50の厚さは、10μm以上でなければならない。
【0095】
第1及び第2の内部電極31、32の積層数とフローティング電極41の積層数との和が100以上の場合は、当該第1及び第2の内部電極31、32と当該フローティング電極41との間のセラミック層50の厚さが薄くなる。その場合であっても、セラミック層50の厚さは、10μm以上でなければならない。
【0096】
セラミック層50の厚さが10μm以下の場合は、第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41との距離が短くなりすぎて耐電圧特性が低下することがあるためである。
【0097】
セラミック層50の厚さは、第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41との距離の平均値で、下記のように測定されることができる。
【0098】
セラミック本体10の長さ方向と積層方向によって形成される平面において第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41とが重なる部分を10,000倍率の走査電子顕微鏡で撮影する。撮影された写真上の等間隔の30箇所で第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41との最短距離を測定してその平均値を求める。そして、このような測定を10個以上のセラミック層50に対して繰り返して行って求められた平均値をセラミック層50の厚さとする。
【0099】
積層方向から見ると、第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41は、長方形であり、その幅が同一であることができる。
【0100】
この場合、第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41の幅が同一であるため、当該第1及び第2の内部電極31、32並びに当該フローティング電極41の面積の比は長さの比と同一であることができる。但し、第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41の幅が同一であることは、本発明の一つの実施例に過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0101】
第1の層及び第2の層を積層する積層方向から見ると、第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41が形成する領域の面積(P)に対するフローティング電極41の面積(Q)の比(Q/P)は0.7〜0.9であり、フローティング電極41の面積(Q)に対する重なり部C1、C2の面積(R)の比(R/Q)は0.5〜0.95であることができる。
【0102】
第1の層及び第2の層を積層する積層方向から見ると、第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41が形成する領域の面積(P)とは、当該第1及び第2の内部電極31、32の面積と当該フローティング電極41の面積との和から、当該第1及び第2の内部電極31、32と当該フローティング電極41とが重なる第1及び第2の重なり部C1、C2の面積を引いたものをいう。
【0103】
フローティング電極41が複数の場合、当該フローティング電極41の面積(Q)は、複数のフローティング電極41の面積の和であり、重なり部が複数の場合、当該重なり部の面積(R)は、第1の重なり部C1の面積と第2の重なり部C2の面積との和であることができる。
【0104】
Q/Pが0.7未満の場合は、第1及び第2の重なり部C1、C2の長さが減少して高容量を具現することが困難となり、Q/Pの値が0.9を超える場合は、第1又は第2の外部電極21、22とフローティング電極41との距離が短くなりすぎて当該第1又は第2の外部電極21、22と当該フローティング電極41との間にフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0105】
R/Qが0.5未満の場合は、容量形成に寄与する第1及び第2の重なり部C1、C2の面積が減少して容量が低下することがあり、R/Qが0.95を超える場合は、第1及び第2の内部電極31、32間の間隔が狭くなりすぎて当該第1及び第2の内部電極31、32の間のギャップGをセラミックで完全に充填することが困難となるため、この部分に空気が残存する可能性がある。この場合、空気はセラミックより絶縁破壊電圧が小さいため、第1及び第2の内部電極31、32の間の絶縁破壊電圧が減少し、ショート又はフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0106】
以下、図2及び図3を参照して本発明の第2の実施形態に関して説明する。
【0107】
本実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック本体10と、ギャップGによって離隔して配置された導電パターン31、32を含む第1の層と、当該第1の層とセラミック層50を挟んで配置され上記導電パターン31、32と重なる重なり部C1、C2を有するフローティングパターン41を含む第2の層と、を含み、上記第1の層の数と上記第2の層の数との和は100以上であり、上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記導電パターン31、32と上記フローティングパターン41が形成する領域の面積(P)に対する上記フローティングパターン41の面積(Q)の比(Q/P)は0.7〜0.9であり、上記フローティングパターンの面積(Q)に対する上記重なり部C1、C2の面積(R)の比(R/Q)は0.5〜0.95であることができる。
【0108】
本実施形態では、第2の層に一つのフローティングパターンが形成された場合を例に挙げて説明する。
【0109】
上記導電パターンは、第1の外部電極21と接続される第1の導電パターン31と、第2の外部電極22と接続される第2の導電パターン32と、を含み、上記フローティングパターン41は、上記ギャップGをカバーするように第2の層のうち当該ギャップGに対応する位置に形成されることができる。
【0110】
以下では、第1の導電パターンを「第1の内部電極31」、第2の導電パターンを「第2の内部電極32」、フローティングパターンを「フローティング電極41」とする。
【0111】
上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向から見ると、上記第1の及び第2の内部電極31、32並びに上記フローティング電極41は長方形であり、上記第1及び第2の内部電極31、32の幅は上記フローティング電極41の幅と同一であることができる。
【0112】
また、上記セラミック層の厚さは10μm以上であり、上記平面はセラミック本体の中心部にあることができる。
【0113】
他にセラミック本体、内部電極、外部電極等に関する事項は、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0114】
但し、第1の層及び第2の層を積層する積層方向から見ると、第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41が形成する領域の面積(P)に対するフローティング電極41の面積(Q)の比(Q/P)は0.7〜0.9であり、フローティング電極41の面積(Q)に対する重なり部C1、C2の面積(R)の比(R/Q)は0.5〜0.95であることができる。
【0115】
Q/Pが0.7未満の場合は、第1及び第2の重なり部C1、C2の長さが減少して高容量を具現することが困難となり、Q/Pが0.9を超える場合は、第1又は第2の外部電極21、22とフローティング電極41との距離が短くなりすぎて当該第1又は第2の外部電極21、22と当該フローティング電極41との間にフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0116】
R/Qが0.5未満の場合は、容量形成に寄与する第1及び第2の重なり部C1、C2の面積が減少して容量が低下することがあり、R/Qが0.95を超える場合は、第1及び第2の内部電極31、32間の間隔が狭くなりすぎて当該第1及び第2の内部電極31、32の間のギャップGをセラミックで完全に充填することが困難となるため、この部分に空気が残存する可能性がある。この場合、空気はセラミックより絶縁破壊電圧が小さいため、第1及び第2の内部電極31、32の間の絶縁破壊電圧が減少し、ショート又はフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0117】
以下、図6及び図7を参照して本発明の第3の実施形態に関して説明する。
【0118】
図6は、図1のA−A’線に沿う断面図の他の例であり、図7は、図1のB−B’線に沿う断面図の他の例である。図7の(a)は第1の層を示し、図7の(b)は第2の層を示す。
【0119】
本実施形態は、第2の層に二つ以上のフローティングパターンが形成された場合である。即ち、本実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック本体10と、第1及び第2の導電パターン31、32と当該第1及び第2の導電パターン31、32の間に配置された第1のフローティングパターン33とを含む第1の層と、当該第1の層とセラミック層50を挟んで配置され上記第1及び第2の導電パターン31、32並びに上記第1のフローティングパターン33と重なる重なり部D1〜D4を有する第2のフローティングパターン42、43を含む第2の層と、を含み、上記第1の層の数と上記第2の層の数との和は100以上であり、上記セラミック本体10の外部面11、12には第1及び第2の外部電極21、22が形成され、上記第1及び第2の外部電極21、22を連結して延びる長さ方向(L方向)と上記第1の層及び上記第2の層を積層する積層方向(T方向)によって形成される平面において、上記セラミック本体10の長さLに対する上記第2のフローティングパターン42、43の長さ(A1+A2)の比は0.7〜0.9であり、上記第2のフローティングパターン42、43の長さ(A1+A2)に対する上記重なり部の長さ(D1+D2+D3+D4)の比は0.5〜0.95であることができる。
【0120】
本実施形態では、第2の層に形成されたフローティングパターン、即ち、第2のフローティング電極が二つの場合を例に挙げているが、本発明は、これに限定されず、第2の層に第2のフローティング電極が三つ以上形成された場合にも適用されることができる。
【0121】
第1の層は、第1及び第2の導電パターン31、32と、当該第1及び第2の導電パターンの間に配置されたフローティングパターン33と、を含むことができる。
【0122】
以下、第1の導電パターンを「第1の内部電極31」、第2の導電パターンを「第2の内部電極32」、第1の層に形成されたフローティングパターンを「第1のフローティング電極33」とする。
【0123】
第1の内部電極31は、第1の外部電極21に接続され、第2の内部電極32は、第2の外部電極22に接続されることができる。
【0124】
第1のフローティング電極33は、第1及び第2の内部電極31、32とギャップG1、G2をおいて配置されることができる。
【0125】
第2の層は、第1の層とセラミック層50を挟んで配置され、第1及び第2の内部電極31、32並びに第1のフローティングパターン33と重なる重なり部D1〜D4を有するフローティング電極42、43を含むことができる。
【0126】
以下では、第2の層に形成されたフローティングパターンを「第2のフローティング電極42、43」とする。
【0127】
本実施形態では、第2の層に形成された第2のフローティング電極42、43が二つの場合を例に挙げて説明しているが、これに限定されず、二つ以上であることができる。
【0128】
第2の層に形成された第2のフローティング電極42、43は、第2の層のうち上記ギャップG1、G2に対応する位置に形成されて当該ギャップG1、G2をカバーすることができる。
【0129】
第2のフローティング電極42、43は、上記ギャップG1、G2に対応する位置に形成されるため、当該第2のフローティング電極42、43の数は当該ギャップG1、G2の数と同一であることができる。
【0130】
第1の層において、第1のギャップG1は第1の内部電極31と第1のフローティング電極33との間に位置し、第2のギャップG2は第1のフローティング電極33と第2の内部電極32との間に位置するため、第2のフローティング電極42、43のうち第2−1のフローティング電極42は第1のギャップG1に対応する位置に形成され、第2−2のフローティング電極43は第2のギャップG2に対応する位置に形成されることができる。
【0131】
即ち、第2−1のフローティング電極42は、積層方向から見ると、第1の内部電極31と第1のフローティング電極33との間のギャップG1をカバーし、当該第1の内部電極31の一部及び当該第1のフローティング電極33の一部とそれぞれ重なる第1及び第2の重なり部D1、D2を有することができる。
【0132】
第2−2のフローティング電極43は、積層方向から見ると、第1のフローティング電極33と第2の内部電極32との間のギャップG2をカバーし、当該第1のフローティング電極33の一部及び当該第2の内部電極32の一部とそれぞれ重なる第3及び第4の重なり部D3、D4を有することができる。
【0133】
第1から第4の重なり部D1〜D4では、容量が形成されることができる。
【0134】
第2−1及び第2−2のフローティング電極42、43は、第2の層に離隔して配置されることができる。
【0135】
第2のフローティング電極42、43は、上記第1及び第2の外部電極21、22と電気的に分離されることができる。
【0136】
第1の層及び第2の層を積層する積層方向から見ると、第1及び第2の内部電極31、32並びに第1及び第2のフローティング電極33、42、43は、長方形であることができる。
【0137】
しかしながら、上記第1及び第2の内部電極31、32並びに上記第1及び第2のフローティング電極33、42、43は、圧着等の製造過程で多少変形されることもある。
【0138】
第1及び第2の内部電極31、32並びに第1及び第2のフローティング電極33、42、43の幅は、全て同一であることができる。
【0139】
セラミック本体10の外部面11、12には、第1及び第2の外部電極21、22が形成され、上記第1及び第2の外部電極21、22を連結して延びる長さ方向(L方向)と第1の層及び第2の層を積層する積層方向(T方向)によって形成される平面において、上記セラミック本体10の長さLに対する上記第2のフローティングパターン42、43の長さAの比(A/L)は0.7〜0.9であり、上記第2のフローティングパターン42、43の長さAに対する上記重なり部の長さDの比(D/A)は0.5〜0.95であることができる。
【0140】
ここで、第2のフローティング電極の長さAは、第2−1のフローティング電極の長さA1と第2−2のフローティング電極の長さA2との和であり、重なり部の長さDは、第1から第4の重なり部の長さの和(D1+D2+D3+D4)である。
【0141】
A/Lが0.7未満の場合は、第2−1及び第2−2のフローティング電極の長さが短くなるにつれ第1から第4の重なり部D1〜D4の長さDも短くなって高容量を具現することが困難となり、A/Lが0.9を超える場合は、第1又は第2の外部電極21、22と第2−1及び第2−2のフローティング電極42、43との距離が短くなりすぎて当該第1又は第2の外部電極21、22と当該第2−1及び第2−2のフローティング電極42、43との間にフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0142】
D/Aが0.5未満の場合は、容量形成に寄与する第1から第4の重なり部D1〜D4の長さが減少して容量が低下することがあり、D/Aが0.95を超える場合は、第1及び第2の内部電極31、32と第1のフローティング電極33との間隔が狭くなりすぎて当該第1及び第2の内部電極31、32と当該第1のフローティング電極33との間のギャップをセラミックで完全に充填することが困難となるため、この部分に空気が残存する可能性があり、これにより、当該第1及び第2の内部電極31、32の間の絶縁破壊電圧が減少し、ショート又はフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0143】
図1には、セラミック本体10の長さ方向と厚さ方向によって形成される平面が当該セラミック本体10の中心Sにある場合が示されているが、これに制限されず、セラミック本体10の中心Sを基準として幅方向両側にそれぞれ当該セラミック本体10の幅の15%以内の区間にあることができる。ここで、セラミック本体10の中心Sを基準として幅方向両側にそれぞれ当該セラミック本体10の幅の15%以内の区間をセラミック本体10の中心部と定義する。
【0144】
上記平面がセラミック本体10の中心S又は中心部にある際に第1及び第2の内部電極31、32並びに第1及び第2のフローティング電極33、42、43の長さの比は安定していることができる。
【0145】
図4及び図5には第1及び第2の内部電極31、32が長方形ではない場合が示されているが、これに制限されず多様に変形されることができる。上記平面がセラミック本体10の中心Sにあるか又はそれ以外の箇所にあるかに応じてフローティング電極41の長さAが変わることができる。
【0146】
本実施形態において、第1の層及び第2の層を積層する積層方向から見ると、第1及び第2の内部電極31、32と第1及び第2のフローティング電極33、42、43が形成する領域の面積(P)に対する第2のフローティング電極42、43の面積(Q)の比(Q/P)は0.7〜0.9であり、第2のフローティング電極42、43の面積(Q)に対する重なり部(D1+D2+D3+D4)の面積(R)の比(R/Q)は0.5〜0.95であることができる。
【0147】
第1及び第2の内部電極31、32と第1及び第2のフローティング電極33、42、43が形成する領域の面積(P)とは、当該第1及び第2の内部電極31、32の面積と当該第1及び第2のフローティング電極33、42、43の面積との和から重なり部(D1+D2+D3+D4)の面積を引いたものをいう。
【0148】
Q/Pが0.7未満の場合は、第1から第4の重なり部D1〜D4の面積が減少して高容量を具現することが困難となり、Q/Pが0.9を超える場合は、第1又は第2の外部電極21、22と第2のフローティング電極42、43との距離が短くなりすぎて当該第1又は第2の外部電極21、22と当該第2のフローティング電極42、43との間にフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0149】
R/Qが0.5未満の場合は、容量形成に寄与する第1から第4の重なり部D1〜D4の面積が減少して容量が低下することがあり、R/Qが0.95を超える場合は、第1及び第2の内部電極31、32間の間隔が狭くなりすぎて当該第1及び第2の内部電極31、32の間のギャップGをセラミックで完全に充填することが困難となるため、この部分に空気が残存する可能性がある。この場合、空気はセラミックより絶縁破壊電圧が小さいため、第1及び第2の内部電極31、32の間の絶縁破壊電圧が減少し、ショート又はフラッシュオーバーが発生する可能性がある。
【0150】
第1の層及び第2の層を積層する積層方向から見ると、第1及び第2の内部電極31、32並びに第1及び第2のフローティング電極33、42、43は、長方形であることができる。
【0151】
第1の層の数と第2の層の数との和は100以上であり、セラミック層50の厚さは10μm以上であることができる。
【0152】
他にセラミック本体10、第1及び第2の内部電極31、32、第1及び第2の外部電極21、22、セラミック層50の厚さ等に関する事項は、前述したと同様である。
【実施例】
【0153】
以下、実施例及び比較例を参照して本発明をより具体的に説明する。但し、本実施例は、発明の具体的な理解のためのもので、本発明の範囲がこれによって限定されるものではない。
【0154】
第2の層にフローティング電極41が一つ形成された積層セラミックキャパシタを下記のような方法により製作した(図2及び図3参照)。
【0155】
まず、チタン酸バリウムセラミック粉末にエタノールとバインダー等の添加剤を混合しボールミリングしてセラミック粉末が均一に分散されたセラミックスラリーを製造し、ドクターブレード方法を用いてキャリアフィルム上にセラミックスラリーを塗布し乾燥させて焼結後の厚さが20μmとなるように誘電体グリーンシートを製造した。
【0156】
平均粒子サイズが0.05〜0.2μmのニッケル粉末に溶媒、バインダー等の添加剤を加えボールミリングして導電性金属のニッケルが均一に分散された内部電極用ペーストを製造した。
【0157】
上記内部電極用ペーストを用いて誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷法により第1及び第2の内部電極31、32を印刷し、別個のグリーンシート上にフローティング電極41を印刷した。
【0158】
第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41を全て長方形に印刷し、第1及び第2の内部電極31、32の幅とフローティング電極41の幅を同一にした。
【0159】
第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41が形成されない誘電体グリーンシートを先に積層し、第1及び第2の内部電極31、32が形成された誘電体グリーンシートを積層し(第1の層)、フローティング電極41が形成された誘電体グリーンシートを積層し(第2の層)、第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41が形成されない誘電体グリーンシートを積層して積層体を製造した。
【0160】
上記過程を繰り返して行って第1の層の数と第2の層の数との和を100とした。
【0161】
積層体を85℃で1,000kgf/cmの圧力に等圧圧縮成形(isostatic pressing)した。
【0162】
圧着された積層体を切断してグリーンチップを製造し、切断されたグリーンチップを大気雰囲気下で230℃で60時間維持する脱バインダー工程を経た後、1200℃で還元雰囲気(Ni/NiO平衡酸素分圧より低い10−11〜10−10atm)下で焼成して焼成チップを製造した。焼成後の第1及び第2の内部電極とフローティング電極との距離、即ち、セラミック層50の厚さは平均20μmである。
【0163】
焼成チップの外部面を研磨した後に外部電極用導電性ペーストにディッピングしベーキングして第1及び第2の外部電極21、22を形成した。外部電極用導電性ペーストは、銅粉末にガラスフリット及びバインダー等を添加して製造された。
【0164】
電気メッキによって第1及び第2の外部電極21、22の表面にニッケルメッキ層及び錫メッキ層を形成した。
【0165】
セラミック本体の長さLを4,210μmと一定にし、フローティング電極41の長さA、フローティング電極41と第1及び第2の内部電極31、32とが重なる第1及び第2の重なり部の長さの和(C=C1+C2)を下記表1に示すように変化させた。
【0166】
以下では、上述した方法により製造された積層セラミックキャパシタの耐電圧特性及び内部欠陥の有無について説明する。
【0167】
耐電圧特性とは、製品が耐えられる電圧に関連する特性をいう。試験片に直流電圧を印加し、電圧を10V/secの速度で上昇させながら絶縁破壊が起こる瞬間の電圧を測定してこれを耐電圧値とした。
【0168】
表1には、フローティング電極41の長さA、フローティング電極41と第1及び第2の内部電極31、32とが重なる第1及び第2の重なり部の長さの和(C=C1+C2)を変化させた後の積層セラミックキャパシタの耐電圧値及び内部欠陥の有無を示した。
【0169】
また、第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41が形成する領域の面積(P)に対するフローティング電極41の面積(Q)の比(Q/P)並びにフローティング電極41の面積(Q)に対する第1及び第2の重なり部C1、C2の面積(R)の比(R/Q)による耐電圧値及び内部欠陥の有無を示した。
【0170】
【表1】

*:本発明の範囲を外れる。
【0171】
表1を参照すると、Lはセラミック本体10の長さ、Cは第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41とが重なる重なり部の長さ(C1+C2)、Aはフローティング電極41の長さである。セラミック本体の長さLは全て4,210μmである。
【0172】
セラミック本体10の長さLに対するフローティング電極41の長さAの比(A/L)を0.67から1.00まで変化させ、フローティング電極41の長さAに対する重なり部の長さ(C=C1+C2)の比(C/A)を0.89から0.93まで変化させた。
【0173】
比較例1及び2は、セラミック本体10の長さLに対するフローティング電極41の長さAの比(A/L)が0.67及び0.69であり、フローティング電極41の長さAに対する重なり部Cの長さの比(C/A)が0.89及び0.90である。比較例1及び2は、フローティング電極41の長さAが短くて容量形成に寄与する部分が少ない場合である。
【0174】
比較例1及び2の場合、全てアライメント不良が発生した。これは、フローティング電極41の長さAが短くて誘電体グリーンシートの圧着及び切断過程で当該フローティング電極41の流動が容易に起こったためである。
【0175】
比較例1及び2の場合、耐電圧値は2.10kV及び3.14kVと低い値を示している。これは、上記アライメント不良によって、フローティング電極41と第1又は第2の外部電極21、22との距離のうち一部が短くなりすぎて低電圧で絶縁破壊が発生したためである。
【0176】
実施例1から8は、セラミック本体10の長さLに対するフローティング電極41の長さAの比(A/L)が0.71から0.88であり、フローティング電極41の長さAに対する重なり部C1、C2の長さ(C=C1+C2)の比(C/A)が0.90〜0.92である。
【0177】
実施例1から8の場合、内部欠陥がなく、耐電圧値も4.67〜4.68kVと良好な結果を示している。
【0178】
比較例3及び4は、セラミック本体10の長さLに対するフローティング電極41の長さAの比(A/L)が0.90及び0.93であり、フローティング電極41の長さAに対する重なり部C1、C2の長さ(C=C1+C2)の比(C/A)が全て0.92である。
【0179】
比較例3及び4の場合、内部欠陥は全てないが、耐電圧値がそれぞれ2.19kV及び2.43kVと低い値を示している。これは、セラミック本体10の長さLに対するフローティング電極41の長さAの比(A/L)が大きいため、即ち、フローティング電極41の長さAが長いため、フローティング電極41の末端と第1又は第2の外部電極21、22との距離が短くなって低電圧で絶縁破壊が発生したためである。
【0180】
比較例5〜7は、セラミック本体10の長さLに対するフローティング電極41の長さAの比(A/L)が0.95〜1.00であり、フローティング電極41の長さAに対する重なり部Cの長さの比(C/A)が全て0.93である。
【0181】
比較例5の場合、ショート発生率が83%であり、ショートが発生しない製品は0.92kVの耐電圧値を示した。比較例6及び7の場合、ショートが100%発生した。これは、セラミック本体10の長さLとフローティング電極41の長さAが殆ど同一であることから、製造工程上の誤差によって第1及び第2の外部電極21、22とフローティング電極41とが短絡され、これにより、耐電圧値を測定することができないためである。
【0182】
以上のことから、本発明の範囲に該当する実施例1から8は優れた耐電圧特性を示すことを確認することができる。
【0183】
以下では、第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41の面積を中心に説明する。
【0184】
本実施例では、第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41は、長方形であり、その幅が全て同一であるため、当該第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41の面積は当該第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41の長さに比例する。
【0185】
即ち、本実施例では、第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41の面積の比が長さの比と同一である。
【0186】
したがって、第1及び第2の内部電極31、32並びにフローティング電極41の長さの比に関する前述した事項を面積に対しても同様に適用することができる。
【0187】
具体的には、実施例1から8は、第1及び第2の内部電極31、32とフローティング電極41が形成する領域の面積(P)に対するフローティング電極41の面積(Q)の比(Q/P)が0.71〜0.88であり、フローティング電極41の面積(Q)に対する重なり部Cの面積(R)の比(R/Q)が0.9〜0.92である。実施例1から8の場合、内部欠陥がなく、耐電圧値も4.67〜4.68kVと良好な結果を示している。
【0188】
上記比較例及び実施例に関する具体的な事項は、前述したと同様である。
【0189】
本発明は、上述した実施形態及び添付図面によって限定されることなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載の本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な形態の置換、変形及び変更が可能であることは、当技術分野における通常の知識を有する者に自明のことであり、これもまた特許請求の範囲に記載の技術的思想に属する。
【符号の説明】
【0190】
10 セラミック本体
21、22 第1及び第2の外部電極
31、32 第1及び第2の内部電極
33 第1のフローティング電極
42、43 第2のフローティング電極(第2−1及び第2−2のフローティング電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック本体と、
ギャップによって離隔して配置された導電パターンを含む第1の層と、
前記第1の層とセラミック層を挟んで配置され、前記導電パターンと重なる少なくとも一つの重なり部を有するフローティングパターンを含む第2の層と、
を含み、
前記第1の層の数と前記第2の層の数との和は100以上であり、
前記セラミック本体の外部面には第1及び第2の外部電極が形成され、前記第1及び第2の外部電極を連結して延びる長さ方向と前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向によって形成される平面において、前記セラミック本体の長さに対する前記フローティングパターンの長さの比は0.7〜0.9であり、前記フローティングパターンの長さに対する前記重なり部の長さの比は0.5〜0.95である、積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向から見ると、前記導電パターンと前記フローティングパターンが形成する領域の面積に対する前記フローティングパターンの面積の比は0.7〜0.9であり、前記フローティングパターンの面積に対する前記重なり部の面積の比は0.5〜0.95である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記導電パターンは、第1の外部電極と接続される第1の導電パターンと、第2の外部電極と接続される第2の導電パターンと、を含む、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記第1の層は、前記第1の導電パターンと前記第2の導電パターンとの間に配置される少なくとも一つの第1のフローティングパターンをさらに含み、
前記フローティングパターンは、前記第1のフローティングパターンと重なる重なり部を有する複数の第2のフローティングパターンを含み、
前記フローティングパターンの長さは、前記複数の第2のフローティングパターンの長さの和であり、前記重なり部の長さは、前記導電パターンと重なる第2のフローティングパターンの重なり部の長さの和である、請求項3に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向から見ると、前記導電パターンと前記フローティングパターンが形成する領域の面積に対する前記第2のフローティングパターンの面積の和の比は0.7〜0.9であり、前記第2のフローティングパターンの面積の和に対する前記第2のフローティングパターンの重なり部の面積の和の比は0.5〜0.95である、請求項4に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記フローティングパターンは、第1の層のギャップによって離隔して配置された隣接する二つの導電パターンとそれぞれ重なる、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向から見ると、前記導電パターン及び前記フローティングパターンは、長方形である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項8】
前記導電パターンの幅は、前記フローティングパターンの幅と同一である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記セラミック層の厚さは、10μm以上である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項10】
前記平面は、セラミック本体の中心部にある、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項11】
セラミック本体と、
ギャップによって離隔して配置された導電パターンを含む第1の層と、
前記第1の層とセラミック層を挟んで配置され、前記導電パターンと重なる重なり部を有するフローティングパターンを含む第2の層と、
を含み、
前記第1の層の数と前記第2の層の数との和は100以上であり、
前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向から見ると、前記導電パターンと前記フローティングパターンが形成する領域の面積に対する前記フローティングパターンの面積の比は0.7〜0.9であり、前記フローティングパターンの面積に対する前記重なり部の面積の比は0.5〜0.95である、積層セラミック電子部品。
【請求項12】
前記導電パターンは、第1の外部電極と接続される第1の導電パターンと、第2の外部電極と接続される第2の導電パターンと、を含む、請求項11に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項13】
前記第1の層は、前記第1の導電パターンと前記第2の導電パターンとの間に配置される少なくとも一つの第1のフローティングパターンをさらに含み、
前記フローティングパターンは、前記第1のフローティングパターンと重なる重なり部を有する複数の第2のフローティングパターンを含み、
前記フローティングパターンの面積は、前記複数の第2のフローティングパターンの面積の和であり、前記重なり部の面積は、前記導電パターンと重なる第2のフローティングパターンの重なり部の面積の和である、請求項12に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項14】
前記フローティングパターンは、第1の層のギャップによって離隔して配置された隣接する二つの導電パターンとそれぞれ重なる、請求項11に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項15】
前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向から見ると、前記導電パターン及び前記フローティングパターンは、長方形である、請求項11に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項16】
前記導電パターンの幅は、前記フローティングパターンの幅と同一である、請求項11に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項17】
前記セラミック層の厚さは、10μm以上である、請求項11に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項18】
セラミック本体と、
第1及び第2の外部電極にそれぞれ接続された第1及び第2の導電パターンと、当該第1及び第2の導電パターンの間に当該第1及び第2の導電パターンとギャップをおいて配置された第1のフローティングパターンと、を含む第1の層と、
前記第1の層とセラミック層を挟んで配置され、前記第1及び第2の導電パターン並びに前記第1のフローティングパターンの一つと重なる重なり部を有する複数の第2のフローティングパターンを含む第2の層と、
を含み、
前記第1の層の数と前記第2の層の数との和は100以上であり、
前記セラミック本体の外部面には第1及び第2の外部電極が形成され、前記第1及び第2の外部電極を連結して延びる長さ方向と前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向によって形成される平面において、前記セラミック本体の長さに対する前記第2のフローティングパターンの長さの和の比は0.7〜0.9であり、前記第2のフローティングパターンの長さの和に対する前記重なり部の長さの和の比は0.5〜0.95である、積層セラミック電子部品。
【請求項19】
前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向から見ると、前記導電パターンと前記フローティングパターンが形成する領域の面積に対する前記第2のフローティングパターンの面積の和の比は0.7〜0.9であり、前記第2のフローティングパターンの面積の和に対する前記第2のフローティングパターンの重なり部の面積の和の比は0.5〜0.95である、請求項18に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項20】
前記第2のフローティングパターンは、前記第1の層のギャップによって離隔して配置された隣接する二つの導電パターンとそれぞれ重なる、請求項18に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項21】
前記第2のフローティングパターンの数は、前記ギャップの数と同一である、請求項18に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項22】
前記第1の層及び前記第2の層を積層する積層方向から見ると、前記第1及び第2の導電パターン並びに前記第1及び第2のフローティングパターンは、長方形である、請求項18に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項23】
前記第1及び第2の導電パターン並びに第1及び第2のフローティングパターンの幅は、全て同一である、請求項18に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項24】
前記平面は、前記セラミック本体の中心部にある、請求項18に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項25】
前記セラミック層の厚さは、10μm以上である、請求項18に記載の積層セラミック電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−89947(P2013−89947A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−90775(P2012−90775)
【出願日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】