説明

積層体の界面密着性を改善するためのプロセス

【課題】積層膜の2つの隣接する層の密着性を向上させるための方法を提供する。
【解決手段】2つの隣接する層の少なくとも一方の少なくとも1つのポリマー成分の熱転移温度を超える温度で、前記隣接する層の少なくとも一方の少なくとも1つのポリマー成分が、前記他方の隣接する層に部分的に拡散するために十分な時間にわたって、前記積層膜をアニールすることを含む。前記積層膜から形成された本発明の封止膨張ブラダーは、継ぎ目においても積層体層の層分離あるいは剥離を起こすことなく、高い歪みに耐えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体材料、特に、ポリマーバリア材料を含む層に隣接する熱可塑性エラストマーを含む層を有する積層体を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層体バリア膜や、前記積層体バリア膜から形成された膨張型ブラダー(bladder)は、膨張またはクッション用として自動車用タイヤ、ボール、重機械のアキュムレータ、履物を含む様々な製品に使用されている。膜を形成するためには熱可塑性ポリマー材料を使用することが望ましいことが多い。これは、熱可塑性材料は新たな物品に再生利用・再成形でき、製造時の廃棄物を減らすとともに、物品の寿命後のリサイクルに寄与するためである。熱可塑性バリアフィルムは薄いためにある程度まで曲げることはできるが、バリア材料層のみを有する熱可塑性バリアフィルムは、多くの用途、特に膨張ブラダーが使用時に高い歪みにさらされる用途のために十分な弾性を通常は有していない。この問題を克服するために、バリア材料は弾性材料とブレンドされるか、弾性材料と層状に重ねられる。弾性材料(エラストマー)は、一部が顕著に変形した場合でも、変形力が取り除かれると、実質的に本来の形状とサイズを回復することができる。
【0003】
しかしながら、複合物あるいは積層体である公知のブラダー用バリアフィルムには、履物のブラダーや高い歪みにさらされる他のブラダーに使用される場合に、様々な問題が生じ得る。特に、そのようなブラダー積層体は層分離あるいは剥離を起こす可能性がある。そうした力が加圧されたブラダーに加わると、ブラダーの変形によって積層体層の界面にせん断力が生じる。変形の繰り返しは界面を疲労させ、層分離が発生する。構造物に継ぎ目がある場合には、剥離は特に深刻である。したがって、使用時に高い歪みにさらされる加圧されたブラダーを形成するために使用される積層体では、界面剥離密着強度は非常に重要な特性である。
【0004】
公知の多層ブラダーには、層間剥離の問題を解消するために十分に高い層間接着強度を達成するために、多層積層体を形成する際に、結合層(tie layer)あるいは接着剤を使用するものがある。しかしながら、このような結合層や接着剤の使用によって、製品製造時に産出された廃棄材料を再粉砕して有用な製品にリサイクルすることが困難となり、製造コストが上昇するとともに廃棄物の量も増える。また、接着剤の使用によって、積層体を形成するためのコストと複雑さも増加する。従来技術における上述した欠点やその他の欠点は、ルディー(Rudy)による米国特許第4,340,626号;第4,936,029号;第5,042,176号にさらに詳細に記述されており、これらの内容はこの参照によって開示に明確に含まれる。
【0005】
別のアプローチは、2つの異なる材料を反応させて、グラフト共重合体層を形成すること、あるいはグラフト共重合体を2つの異なる材料層の界面に形成することである。モロー(Moureaux)による米国特許第5,036,110号はグラフト共重合体組成物の例であり、この参照によって開示に含まれる。モローは、熱可塑性ポリウレタンとエチレン−ビニルアルコール共重合体のグラフト共重合体のフィルムを含む流体圧式アキュムレータ用の弾性膜を開示している。
【0006】
さらなる別のアプローチとして、接着性結合層を使用せずに、熱可塑性ポリウレタンなどの熱可塑性エラストマーの第1の層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのバリア材料を含む第2の層とを含む膜を設け、第1の層および第2の層の間で膜のセグメントにわたって水素結合が生じた積層膜が記載されている。このような柔軟材料の層と流体バリヤー材料の層とを有する積層体は、2000年7月4日に付与された米国特許第6,082,025号、2000年1月11日に付与された米国特許第6,013,340号、1999年9月14日に付与された米国特許第5.952,065号、1998年2月3日に付与された米国特許第5,713,141号に開示されており、それらの内容はこの参照によって開示に含まれる。これらの参照文献に開示された膜によって、柔軟で、「永久的に」膨張し、ガスが充填された履物用クッション部品が提供される。これらの膜は、技術の重要な改良を提供すると思われる。一方、本発明は特に、界面密着性におけるさらなる改善を提供する。
【特許文献1】米国特許第4,340,626号明細書
【特許文献2】米国特許第4,936,029号明細書
【特許文献3】米国特許第5,042,176号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、積層膜の2つの隣接する熱可塑性層間の界面密着性を向上させるための方法を提供する。本発明の方法は、1つの層の少なくとも1つのポリマー成分または2つの隣接する層のそれぞれの少なくとも1つのポリマー成分の熱転移温度を超える温度で、少なくとも前記1つの成分が隣接する層に境界を越えて部分的に拡散するために十分な時間にわたって積層膜を加熱することによって、前記積層膜をアニールする工程を少なくとも含む方法を提供する。「隣接する層に境界を越えて部分的に拡散する」とは、測定可能な量の前記成分が隣接する層に拡散したことを意味する。界面の境界を越える拡散は、膜層のピール強度の増加として間接的に測定することができる。ピール強度は、ASTM D−1876のT−ピール試験によって測定することができる(接着剤を使用しないため、状態調整は不要であるということを適宜認識して測定する)。好ましい実施の形態では、ピール強度は、本発明のプロセスなしで得られるピール強度よりも少なくとも100%、より好ましくは少なくとも500%増加してもよい。
【0008】
本発明の方法は、アニール工程の前に、溶融材料から積層体を形成する工程をさらに含んでもよく、加熱によって積層体を所定の形状に成形することをさらに含んでもよい。積層体を形成あるいは成形する工程とアニール工程との間に、本明細書中で「遅れ時間(lag time)」と称される、積層体が界面の境界を越えて顕著な拡散が起きる温度未満にある期間があってもよい。かわりに、アニール工程は、積層体を形成する工程の直後に行ってもよい。
【0009】
また、本発明は、少なくとも1つの層の少なくとも1つの成分が、隣接する層に部分的に拡散した積層体材料を提供する。特に、本発明の積層膜は、少なくとも約20ポンド/インチの界面密着強度を有していてもよい。隣接する層の一方としての熱可塑性エラストマー層は、本発明の積層膜に弾性を与え、隣接する層の他方としてのバリア層は、膜の一方の面から他方の面に流体が移動することを防ぐ。このような耐久性のあるエラストマー性のバリア膜は、膨張ブラダーを形成するために使用することができる。「耐久性のある」とは、前記膜が疲労破損に対する優れた抵抗力を有することを意味し、前記膜が屈曲および/または変形の繰り返しに耐えることができ、好ましくは広い温度範囲にわたって、複合バリア膜の層間に沿って剥離することなく前記膜が元通りになることを意味する。本発明の目的のためには、「膜」という用語は、好ましくは大気圧より高い圧力のガスを、別の流体(液体またはガス)あるいはより低い圧力のガスから分離するフリースタンディングフィルムを意味するために、好ましくは使用される。流体を分離すること以外の目的のために別の物品に積層あるいはペイントされたフィルムは、好ましくは本発明の膜の定義からは除外される。
【0010】
積層膜から形成された本発明の封止膨張ブラダーは、継ぎ目においても積層体層の層分離あるいは剥離を起こすことなく、高い歪みに耐えることができる。本発明は、本発明の積層体から形成された永久的に封止および膨張されたブラダーを含むエンクロージャと、そのようなエンクロージャとブラダーとを含む物品をさらに提供する。ブラダーは、窒素、空気、あるいはスーパーガスなどのガスで膨張させ、例えばスポーツ用ボールや履物を膨張させたり、クッション性を与えるものであってもよい。「スーパーガス」という用語は、SF、CF、C、Cなどの大きな分子のガスを意味し、ルディーら(Rudy et al)の米国特許第4,183,156号、ルディー(Rudy)の米国特許第4,287,250号、ルディー(Rudy)の米国特許第4,340,626号に記載されており、これらはこの参照によって開示に含まれる。バリア膜は、好ましくは、ブラダーが「永久に」膨張したままであることを可能にする、すなわち、ブラダーが組み込まれる物品の耐用寿命にわたって有用な内部圧力を維持することができる程度に十分に低いガス透過率を有する。異なるフィルム材料の相対的なパーミアンス、透過率、拡散性の一般に受け入れられた測定方法は、ASTM D−1434である。膜のガス透過率は、膜を通して拡散する、時間当たり、面積当たりのガスの量によって表される。
【0011】
ガス透過率は、cc(cm)/(m)(24時間)の単位で表すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、1つの層の少なくとも1つのポリマー成分または2つの隣接する層のそれぞれの少なくとも1つのポリマー成分の熱転移温度を超える温度に積層膜を加熱することによって、前記積層膜をアニールする工程を少なくとも含む方法を提供する。前記積層膜は、前記少なくとも1つの成分が隣接する層に境界を越えて部分的に拡散するために十分な時間にわたってアニールする。「熱転移温度」とは、それを越えるとポリマー成分が特性の著しい変化を示す温度転移領域の中間点を意味する。前記熱転移温度は、ガラス転移温度あるいは結晶融解温度であってもよい。このような熱転移はよく知られており、文献に記載されている。特定のポリマー成分の熱転移温度は参考文献から決定してもよく、示差走査熱量分析、示差熱分析、熱重量分析、動的粘弾性分析などの公知の方法のいずれかによって実測して決定してもよい。
【0013】
アニール工程の温度は、前記層のうち1つあるいは両方の層の少なくとも1つのポリマー成分の熱転移温度よりも、少なくとも約50℃高いことが好ましく、少なくとも約80℃高いことがより好ましい。温度をより高くすることによって最適な界面密着性を達成するために必要なアニール温度に維持する時間を短くすることができるが、積層膜の変形を避けるためには、温度を前記層の材料の流動温度よりも低くしなければならない。
【0014】
前記隣接する層の中に前記少なくとも1つの成分が部分的に拡散するために十分な時間にわたって、前記積層膜をアニール温度に保持する。界面の境界を越える拡散は走査型電子顕微鏡やその他の手段によって観察することができるが、拡散は、前記膜層のピール強度の上昇としても間接的に簡便に測定することができる。ピール強度は、ASTM D−1876のT−ピール試験によって測定することができる(接着剤を使用しないため、状態調整は不要であるということを適宜認識して測定する)。好ましい実施の形態では、ピール強度は、本発明のプロセスなしで得られるピール強度よりも少なくとも約100%、より好ましくは少なくとも約200%増加する。さらに好ましい実施の形態では、ピール強度は、アニール・プロセスなしで得られるであろうピール強度の少なくとも約5倍に増加する。
【0015】
積層膜は、少なくとも約1分間、好ましくは少なくとも約5分間、より好ましくは少なくとも約15分間、さらに好ましくは少なくとも約20分間アニール温度にさらされなければならない。非常に好ましい実施の形態では、積層膜は、少なくとも約30分間、特に好ましくは少なくとも約40分間アニール温度にさらされる。積層膜をアニール温度にさらす時間はさらに長くてもよいが、約2時間より長いと商業的に好ましくない。また、アニール温度にさらす時間が長くなると積層膜の変形が生じるほどアニール温度が高い場合には、アニール温度にさらす時間はそれに応じて短くしなければならない。積層膜は、通常は約1分間から約2時間、好ましくは約5分間から約90分間、さらに好ましくは約20分間から約1時間の範囲でアニール温度に保持してもよい。アニール工程において、望ましい結果または最大の層間密着性を達成するために必要な時間と温度は、簡単な試験によって決定することができ、各層の厚み、積層膜全体の厚み、各層の組成など当業者に明白な要因に依存する。通常、より厚い層、より厚い積層体、より高い分子量の成分には、より長い時間あるいはより高い温度が必要となる。熱転移温度を超えるより高い温度、より薄い層、より低い分子量の成分では、アニールに必要な時間は通常短くなる。
【0016】
前記少なくとも1つの成分が隣接する層に境界を越えて部分的に拡散するための初期条件として、積層膜の層を構成するポリマー融解物の表面張力は、界面での濡れおよび隣接する層の密着が得られるように十分に近い値でなければならない。好ましくは、積層膜の層を形成するために使用されるポリマーあるいはポリマーブレンドは、ポリマー融解物間の表面張力の差が約1.5dyne/cm以下、さらに好ましくは2つのポリマー融解物間の表面張力の差が約1.0dyne/cm以下となるように選択される。また、拡散する成分の溶解パラメータあるいは極性が、隣接する層を構成する材料の溶解パラメータあるいは極性と近いほど、前記成分は隣接する層に容易に拡散する。
【0017】
好ましい実施の形態では、積層膜は、隣接する層として、熱可塑性エラストマー層および熱可塑性ガスバリアポリマー層を含む。熱可塑性エラストマー層は、典型的には、ガラス転移温度を有する非晶質ポリマー成分を含み、熱可塑性ガスバリアポリマー層は、典型的には、結晶領域に関連する結晶性融解熱転移とともに、非晶質領域に関連するガラス転移温度を有する半結晶性ポリマー成分を含む。前記ポリマー成分、または隣接する層の中に拡散する成分は、ポリマー、ブロック共重合体のブロック単位、またはグラフト共重合体のグラフト・セグメントであってもよい。これらとしては、熱可塑性エラストマーの軟質セグメントあるいはバリア共重合体材料のセグメントなどがある。
【0018】
熱可塑性エラストマー層は、少なくとも1種の熱可塑性エラストマー材料を含む。通常、熱可塑性エラストマーは、エラストマー性を与える軟質あるいは柔軟セグメントと、室温で弾性挙動を保持しながらポリマーを熱可塑性材料として加工することを可能とする熱可逆的な物理橋かけとしての役割を果たす硬質あるいは剛性セグメントとを有する。例えば、ある種の熱可塑性エラストマーは、ポリエステルセグメントあるいはポリエーテルセグメントなどの、1つ以上の軟質あるいはゴム状ポリマーセグメントと、ポリウレタンセグメントあるいはポリウレアセグメントなどの、硬質あるいはガラス状ポリマーセグメントとを有する。スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体のようなA−B−Aブロック共重合体は類似の構造を有するが、重合方法に起因して、ポリマー鎖の中心は常に軟質あるいはゴム状ポリマーセグメント(例えば、ゴム状ポリブタジエン)であり、ポリマー鎖の両端はガラス状ポリマーセグメント(例えば、ポリスチレン)である。熱可塑性エラストマーの別の好適な種類は、ゴム状相がせん断ひずみの下で融解した熱可塑性相中で加硫された動的加硫物である。
【0019】
有用な熱可塑性エラストマーの具体例としては、限定されるわけではないが、例えば、炭素原子数が8以下のジオールと炭素原子数が8以下のジカルボン酸から得られるポリカプロラクトンジオール、ポリテトラヒドロフランジオール、ポリエステルジオールなどのポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールを使用して得られるポリウレタンなどの高分子ポリオールから調製されるポリウレタン系エラストマー;軟質ポリオレフィン;スチレン系熱可塑性エラストマー;ポリアミドエラストマー;ポリアミド−エーテルエラストマー;高分子エステル−エーテルエラストマー;軟質イオノマー;ポリプロピレン中の加硫EPDMなどの熱可塑性加硫物;軟質ポリ(塩化ビニル)の単独重合体および共重合体;軟質アクリル系ポリマー;これらの材料の組み合わせが挙げられる。市販品としては、限定されるわけではないが、例えば、ペバックス(PEBAX)(登録商標)としてエルフ アトケム(Elf Atochem)から市販されているポリアミド−エーテルエラストマー、ハイトレル(HYTREL)(登録商標)としてデュポン(DuPont)から市販されているエステル−エーテルエラストマー、アーニテル(ARNITEL)(登録商標)としてディーエスエム エンジニアリング(DSM Engineering)から市販されているエステル−エステルおよびエステル−エーテルエラストマー、サントプレン(SANTOPRENE)(登録商標)としてアドバンスト エラストマー システムズ(Advanced Elastomeric Systems)から市販されている熱可塑性加硫物、グリラミッド(GRILAMID)(登録商標)としてエンサー(Emser)から市販されているエラストマー性ポリアミド、ペレサン(PELLETHANE)(登録商標)としてミシガン州ミッドランドのダウ ケミカル(Dow Chemical)から市販されているエラストマー性ポリウレタン、ニュージャージー州マウントオリーブのバスフ(BASF)から市販されているエラストラン(ELASTOLLAN)(登録商標)ポリウレタン、バイエル(Bayer)から市販されているテキシン(TEXIN)(登録商標)およびデスモパン(DESMOPAN)(登録商標)ポリウレタン、モートン(Morton)から市販されているモーサン(MORTHANE)(登録商標)ポリウレタン、ビー エフ グッドリッチ(B.F.Goodrich)から市販されているエスタン(ESTANE)(商標)ポリウレタンが挙げられる。
【0020】
一実施形態における熱可塑性エラストマー層は、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオール、特にポリエステルポリオールを使用して調製されたポリウレタンエラストマーを含む。このようなポリウレタンエラストマーの調製は、2000年7月4日に付与された米国特許第6,082,025号、2000年1月11日に付与された米国特許第6,013,340号、1999年9月14日に付与された米国特許第5,952,065号、1998年2月3日に付与された米国特許第5,713,141号に記載されており、これらの内容はこの参照によって開示に含まれる。ポリウレタンエラストマーを合成するための好ましいポリエステルポリオールのガラス転移温度は、少なくとも約−100℃、好ましくは少なくとも約−50℃、さらに好ましくは少なくとも約−30℃、とりわけ好ましくは少なくとも約−20℃である。好ましいポリエステルポリオールのガラス転移温度は、約30℃以下、好ましくは約10℃以下、さらに好ましくは約−10℃以下である。特に、約−50℃から約−10℃の範囲のガラス転移温度を有するポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールの重量平均分子量は約500から約10,000の範囲であってもよいが、好ましくは少なくとも約650、より好ましくは少なくとも約1000であって、好ましくは約5000以下、より好ましくは約4000以下、さらに好ましくは約2000以下である。ポリエステルポリオールの調製は周知であり、上記の特許に適当な反応物質が記載されている。ポリエステルジオールの数平均分子量は、好ましくは少なくとも約300、より好ましくは少なくとも約500、さらに好ましくは少なくとも約750である。ポリエステルジオールの数平均分子量は、好ましくは約5000以下、より好ましくは約2000以下、さらに好ましくは約1500以下であってもよい。好ましい実施の形態では、ポリエステルジオールの数平均分子量は約300から約5000であり、より好ましくは約500から約2000、さらに好ましくは約750から約2000である。数平均分子量および重量平均分子量は、例えばASTM D−4274によって測定することができる。
【0021】
好ましいポリエステルポリオールとしては、限定されるわけではないが、例えば、好ましくは脂肪族の、炭素原子数が約36以下好ましくは炭素原子数が約2から約8の、1種以上のジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物と、炭素原子数が約2から約12好ましくは炭素原子数が約2から約8の、ジオール好ましくは脂肪族ジオールとの水酸基官能性(hydroxyl−functional)反応生成物、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトンおよび/またはヒドロキシカルボン酸の重合生成物が挙げられる。高分子ポリオールは好ましくはジオールである。少量(おそらくは5モル%以下)の単官能性、三官能性、およびより高次の官能性を有する材料が含まれることができる。好適なジオールの具体例としては、限定されるわけではないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2−エチルメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、ピナコール、これらの組み合わせ等が挙げられる。トリメチロールプロパンやグリセリンなどのより高次の官能性を有するポリオールを少量、好ましくはポリオールの約5重量%未満、より好ましくはポリオール反応物質の約2重量%未満の量で使用してもよい。特に好ましい実施の形態では、ポリエステルは直鎖状であり、すなわち、ジオールのみが使用される。
【0022】
好適なジカルボン酸とその無水物としては、限定されるわけではないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、ジグリコール酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、メサコン酸、コハク酸、メチルコハク酸、ムコン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ジメチルコハク酸、メチルグルタル酸、シクロペンタンジカルボン酸、ブチルマロン酸、ジエチルマロン酸、ジメチルグルタル酸、メチルアジピン酸、エチルメチルコハク酸、これらの無水物、これらの酸と無水物の組み合わせが挙げられる。好ましいジカルボン酸としては、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、これらの無水物、これらの酸と無水物の組み合わせが挙げられる。
【0023】
好ましい実施の形態では、ポリエステルは、ε−カプロラクトンとエチレングリコールなどの開始ジオールとの組み合わせの反応に基づくポリカプロラクトンポリエステル、エチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオールとアジピン酸、グルタル酸、コハク酸、それらの無水物、またはこれらの酸との組み合わせから調製されたポリエステルから選択されるポリエステルジオールである。
【0024】
ポリエステル変性ポリウレタンは、ポリエステルジオールと少なくとも1種のジイソシアネート、および必要に応じて1種以上の2つのイソシアネート反応性官能基を有する延長剤化合物(連鎖延長剤ともいう)との反応によって形成してもよい。ジイソシアネートは、芳香族、脂肪族、脂環族ジイソシアネートおよびそれらの組み合わせから選択することができる。代表的な有用なジイソシアネートとしては、限定されるわけではないが、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートの異性体、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(メチレン−ビス−シクロヘキシルイソシアネート)の異性体、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むジフェニルメタンジイソシアネートの異性体、2,2’−ビフェニレンジイソシアネート、2,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネートを含むビフェニレンジイソシアネートの異性体、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXDIおよびp−TMXDIを含む)の異性体、キシリレンジイソシアネート、これらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、ジイソシアネートはジフェニルメタンジイソシアネートまたはその異性体の混合物を含む。1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどの3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートも低いレベルで含まれていてもよいが、ジイソシアネートのみを使用するのが好ましい。
【0025】
好ましくは、ポリエステルジオールとジイソシアネートの反応混合物は、第一級アミン基、第二級アミン基、チオール基、ヒドロキシル基などの活性水素含有基から選択される、イソシアネート基との反応性を有する2個の基を有する1種以上の延長剤分子をさらに含む。連鎖延長剤の分子量は、約60から約400の範囲であることが好ましい。アルコールおよびアミンが好ましく使用される。有用な延長剤化合物の例としては、限定されるわけではないが、例えば、ジオール、ジチオール、ジアミン、またはアミノアルコール、アミノアルキルメルカプタン、ヒドロキシアルキルメルカプタンなどのヒドロキシル基、チオール基、および第一級または第二級アミン基の混合物を有する化合物が挙げられる。このような材料の具体例としては、限定されるわけではないが、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのより高次のポリエチレングリコール類似化合物;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのより高次のポリプロピレングリコール類似化合物;1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、(ビスフェノールA)、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ベンゼンジメタノール、ヒドロキノンとレゾルシノールのビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルなどのジヒドロキシアルキル化芳香族化合物;p−キシレン−α,α’−ジオール;p−キシレン−α,α’−ジオールのビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル;m−キシレン−α,α’−ジオールおよびそのようなジオールのビス(2−ヒドロキシエチル)およびアルキレンオキシド付加物;ジエチルトルエンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンなどのポリアルキルポリアミン、二官能性ポリオキシアルキレンアミン(バスフ(BASF)から市販、またはハンツマン(Huntsman)からジェファミン(JEFFAMINE)(登録商標)として市販)、メチレンジアニリンp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’−メチレニビス(2−クロロアニリン)、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、メチルプロパノールアミン、tert−ブチルアミノエタノールなどのアルカノールアミンおよびアルキルアルカノールアミン、これらの組み合わせが挙げられる。好ましい延長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、これらの組み合わせが挙げられる。二官能性延長剤に加えて、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリンなどの三官能性延長剤、および/またはブタノールまたはジメチルアミンなどの単官能性活性水素化合物が少量存在していてもよい。三官能性延長剤および/または単官能性化合物の使用量は、反応生成物および使用される活性水素含有基の総重量に基づいて5.0当量%以下であることが好ましい。
【0026】
ポリウレタンは、好ましくは、少なくとも約25重量%のポリエステルジオールを含む。好ましい実施の形態では、ポリウレタンは、少なくとも約35重量%のポリエステルセグメントを含み、約40重量%のポリエステルセグメントを含むことがさらに好ましい。ポリエステル変性ポリウレタンは、約80重量%以下、好ましくは約65重量%以下、さらに好ましくは約60重量%以下のポリエステルセグメントを含んでいてもよい。ポリエステル変性ポリウレタンは、約25から約80重量%、好ましくは約35から約65重量%、さらに好ましくは約35から約55重量%のポリエステルセグメントを含んでいてもよい。
【0027】
通常、ポリエステルジオールの当量と延長剤化合物の当量との比率はさまざまであり得る。ポリエステルジオールの当量と延長剤の当量との比率は、好ましくは約1:1から約1:12であり、さらに好ましくは約1:1から約1:8である。ポリイソシアネート(好ましくはすべてジイソシアネート)の当量と、ポリエステルジオールおよび延長剤の合計当量との比率は、ポリエステルジオールおよび延長剤の合計1当量に対して、イソシアネートが約0.96当量から約1.05当量となる範囲である。エラストマー性ポリウレタンを調製するには、より好ましくは、ポリエステルジオールおよび延長剤の合計1当量に対して、イソシアネートが約0.98当量から約1.04当量となる範囲であり、さらに好ましくは、ポリエステルジオールおよび延長剤の合計1当量に対して、イソシアネートが約1.001当量から約1.01当量となる範囲である。
【0028】
熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は、好ましくは少なくとも約60,000であり、さらに好ましくは少なくとも約100,000である。また、熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は、好ましくは約500,000以下であり、さらに好ましくは約300,000以下である。
【0029】
熱可塑性エラストマー層は、少量の改質剤および添加剤を含むことができる。改質剤および添加剤の例としては、限定されるわけではないが、例えば、可塑剤、フィラー、顔料、染料、光安定剤、加水分解安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、レオロジー改質剤、抗ブロック有機化合物、防カビ剤、抗菌剤(殺菌剤等を含む)、離型剤、モンタンエステルやビスアミドろうなどのワックス、加工助剤、これらの組み合わせが挙げられる。透明で実質的に無色の膜は、着色剤を使用しないことによって形成できる。透明の着色膜は、透明の着色剤を使用することによって形成できる。雲母やタルクなどの無機フィラーを、約40重量%以下の量で使用してもよい。
【0030】
加水分解安定剤の例としては、ニュージャージー州トレントンのライン ケミー(Rhein Chemie)から、スタバクソル(STABAXOL)P(商標)およびスタバクソル(STABAXOL)P100(商標)として市販されている、2つのカルボジイミド系加水分解安定剤が挙げられる。その他のカルボジイミド系またはポリカルボジイミド系加水分解安定剤や、エポキシ化大豆油系安定剤も有用である。使用される加水分解安定剤の合計量は、通常は組成物の合計量の5.0重量%未満である。
【0031】
最終製品の柔軟性および耐久性を向上させるとともに、樹脂形態から膜やシートへと材料を加工することを容易にするために、可塑剤を含むことができる。限定するわけではないが、例えば、ブチルベンジルフタレート系の可塑剤(例えばモンサント(Monsanto)からサンティサイザー(Santicizer)160(商標)として市販されている)が特に有用であることが分かっている。使用される可塑剤または可塑剤の混合物の種類に関わらず、可塑剤の合計量は、通常は組成物の合計量の20.0重量%未満であり、典型的には組成物の合計量の5重量%未満である。
【0032】
好ましい積層膜はまた、熱可塑性エラストマー層に隣接するポリマーバリア層を含む。バリア層は、少なくとも1種のポリマーバリア材料を含む。バリア層材料は、典型的には、気体分子がバリア層を通して外に出るのをより困難にする結晶領域あるいは球晶を形成する。好適なポリマーバリア材料の例としては、限定されるわけではないが、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体;塩化ビニリデン重合体;アクリロニトリル重合体;アクリロニトリルとアクリル酸メチルの共重合体;ポリエチレンテレフタレートなどの半結晶性ポリエステル;ポリアミド、特に半結晶性ナイロン;結晶性重合体;レゾルシノールと、N,N−ジメチルエチレンジアミン(DMDEA)、ジェファミン(JEFFAMINE)(登録商標)600、3−アミノ−n−プロパノール、および4−アミノ−n−ブタノールなどのアミンとに基づくエポキシ樹脂;ポリウレタンエンジニアリング熱可塑性材料、例えばダウ ケミカル(Dow Chemical)から市販されているイソプラスト(ISOPLAST)(登録商標);これらの材料の組み合わせが挙げられる。好ましくは、バリア層のポリマー成分はすべてバリア材料である。
【0033】
好ましいポリマーバリア材料は、エチレン−ビニルアルコールの共重合体である。好ましいエチレン−ビニルアルコールの共重合体は、約25モル%から約48モル%の平均エチレン含量を有する。ポリマーバリア材料は、少なくとも約20,000の重量平均分子量を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましく、約50,000以下の重量平均分子量を有することが好ましい。市販品としては、日本合成(Nippon Gohsei)のソラノール(SORANOL)およびクラレ(Kuraray)(大阪、日本)の子会社であるエバルカ(Evalca)(イリノイ州ライル)のエバール(EVAL)(登録商標)として入手できる。
【0034】
熱可塑性エラストマー層に隣接するバリア層は、エラストマー層について好適であるとして言及したものを含む改質剤および添加剤を少量含むことができる。好ましくは、バリア層のポリマー成分は、主としてあるいは基本的にすべてポリマーバリア材料である。
【0035】
隣接する積層間の境界を越える拡散のために必要とされる時間は、ポリマー成分の分子量によって影響を受ける。したがって、ポリマー成分の分子量と、熱アニールの時間とは相互に依存する。すなわち、より高い分子量は、より長い時間を必要とする。
【0036】
本発明の方法は、融解した材料から積層膜を形成する工程をさらに含んでもよい。本発明の方法においては、少なくとも1つの熱可塑性エラストマー層と、少なくとも1つの隣接するバリア層とが、好ましい積層体を形成するために使用される。好ましい実施の形態では、積層膜は、バリア材料組成物の内層の両面が熱可塑性エラストマー層に隣接するように形成される。バリア層と熱可塑性エラストマー層は、必要に応じて追加の層として交互に積層することができ、例えばエラストマー−バリア−エラストマー−バリア−エラストマーの層として5層の積層膜を構成することができる。他の材料の層も、特に最外層として含まれていてもよい。一実施形態では、5層構造は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む最内層と、最内層の両面に設けられ、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含む中間層と、積層膜の両面に設けられ、エチレン−ビニルアルコール共重合体と熱可塑性ポリウレタンエラストマーとのブレンドを含む外層とを含む。
【0037】
本発明のプロセスによって形成された積層膜は薄くても厚くてもよいが、積層膜は適切な壁強度を与えるために十分厚くなくてはならず、適切な柔軟性を与えるために十分薄くなくてはならない。ブロー成形においては、積層膜の厚みは約20ミルから約70ミルが典型的である。バリア層および隣接する熱可塑性エラストマー層のそれぞれの厚みは、少なくとも約0.4ミル、好ましくは少なくとも約0.5ミル、より好ましくは少なくとも0.6ミル、さらに好ましくは少なくとも約1ミルであることが望ましい。また、各層の厚みは、約3ミル以下、好ましくは約2.5ミル以下、より好ましくは約2ミル以下、さらに好ましくは約1.6ミル以下であることが望ましい。積層膜が2層以上のバリア層および/または2層以上の熱可塑性エラストマー層を有する場合には、各層が上記の厚みを有していてもよい。
【0038】
本発明の方法でアニールされた積層膜は平らであってもよく、あるいは別の形状に成形されてもよい。平らなフィルム積層体は、積層体の2層以上の層を共押出することによって形成することができる。
【0039】
本発明の方法は、アニール工程の前に、積層体を熱によって所定の形状に成形する工程をさらに含んでもよい。一実施形態では、アニール工程の前に、積層体はブロー成形プロセスによって所定の形状に成形される。通常、ブラダーは、層あるいは薄層を平らあるいはチューブ状の積層フィルムに共押出する第一の工程と、フィルムあるいはチューブを所望の最終形状にブロー成形することとによって形成することができる。例えば、液化エラストマー材料と液化重合体バリヤー材料を、パリソンとして共押出する。所望のブラダーの全体的な形状と構成を有する型をパリソンを受け入れる所定の位置に置き、パリソンを囲むように閉じる。パリソンは型の端部で切断される。型は、押出ダイから離れた位置に移動される。型よりも高い位置にあるパリソンの開口部分は、加圧空気または窒素などの他のガスが供給されるブローチューブに取り付けられる。加圧空気によって、パリソンは型の内部表面に対して押しつけられる。材料は型の内部で硬化し、好ましい形状および構成を有するブラダーが形成される。ブロー成形された積層体は、型から取り除く前に、約40°Fから約50°Fの型内で冷却され、硬化する。一方、新しい型を、最初の型から切り離されたパリソンの次のセクションを受け入れるための位置に移動させる。
【0040】
連続押出を使用するブロー成形の他に、成形工程は、往復スクリューシステム、ラムアキュムレータ・システム、またはアキュムレータヘッド・システムによる断続押出;コインジェクション延伸ブロー成形;押出あるいは共押出シート、ブロー成形フィルムチューブ、またはプロファイルを使用してもよい。その他の成形方法としては、射出成形、真空成形、転写成形、加圧成形、ヒートシール(熱融着)、鋳造、溶融鋳造、RF溶接などが挙げられる。
【0041】
次に、平らな積層体あるいは成形された積層体を、上述のようにアニールする。好ましい実施の形態では、積層体は約100℃以下、より好ましくは約140℃あるいは約150℃以下の温度でアニールされる。
【0042】
積層体は、押出および/または成形の直後、例えばブロー成形される場合には型から取り除かれた直後にアニールされてもよく、あるいは積層体が成形されてからバリア層または熱可塑性エラストマー層に顕著な弾性が発現する前までの間に時間をおいてもよい。この遅れ時間(lag time)は、使用される特定の材料、積層膜における層の厚み、積層体全体の厚みによって変化させてもよいが、典型的な遅れ時間は約60分以内、好ましくは約30分以内、より好ましくは約20分以内、さらに好ましくは約15分以内である。遅れ時間は、通常は約2時間を超えるべきではない。遅れ時間が約2時間より長い場合には、アニール工程時に弾性が発現することによって、積層膜の界面密着性の向上が妨げられることがある。好ましくは、遅れ時間は約1.5時間以内であり、より好ましくは約1時間以内である。
【0043】
また、本発明は、1つの層の成分が、隣接する層に部分的に拡散した積層体材料を提供する。好ましい実施の形態では、本発明の積層体材料は少なくとも約20ポンド/インチの界面密着強度を有する。
【0044】
アニール工程の後に、積層体はさらなる成形工程に供してもよい。例えば、アニールされた平らなフィルムを所望の形状に切断してもよい。平らなフィルムの2つの部分を端部で封止することによってブラダーを形成してもよい。
【0045】
さらに、本発明は、本発明の積層体を含むブラダー、特に膨張ブラダーと、そのようなブラダーを含む物品を提供する。ブラダーは、ガスによって膨張され、永久的に封止されていてもよい。重合体ガスバリヤー材料の層に隣接するアニールされた熱可塑性エラストマー層を有する本発明の積層膜は、柔軟性と、膨張用ガスなどのガスの望ましくない透過に対する抵抗性とを提供する。膨張ブラダーの耐久性のあるエラストマー膜は、多くの用途、特に膨張あるいはクッションのための用途に使用することができる。「耐久性のある」とは、膜が疲労破損に対する優れた抵抗力を持つことを意味し、膜が屈曲および/または変形の繰り返しに耐えることができ、好ましくは広い温度範囲にわたって、複合バリア膜の層間に沿って剥離することなく元通りになることを意味する。
【0046】
シート、実質的に閉じられた容器、クッション装置、アキュムレータ、または他の構造の形状などに関わらず、膜は、好ましくは少なくとも約2500psiのオーダーの引っ張り強さ、約350〜3000psiの100%引っ張り係数および/または少なくとも約250%から約700%の伸びを有する。
【0047】
特に、本発明は、スポーツ用ボールなどの膨張体や履物あるいは油圧アキュムレーターのクッションなどの、膨張およびクッション用の膨張型ブラダーを提供する。ブラダーは、少なくとも1層のエラストマー材料、好ましくはポリエステル変性ポリウレタン材料と、隣接するポリマーバリア材料の層とを含む膜を有する。本発明の膜は、劣化あるいは疲労破損することなく、使用時に繰り返し確実に大きな力を吸収することを可能とするエラストマー機械的特性を有する。これらの種類の用途では、膜が周期的な加重負荷において優れた安定性を有することが特に重要である。バリア膜は、膨張したままであることを可能とする低いガス透過率を有し、ブラダーを周期的に再膨張させたり、再加圧することなく、実質的に物品の予想寿命にわたってクッションあるいは膨張を提供する。したがって、ブラダーは永久的に封止してもよい。
【0048】
膨張型ブラダーは、特に限定されるわけではないが、広範囲の用途において膨張あるいはクッションを提供することができ、例えばフットボール、バスケットボール、サッカーボールなどのボールといった膨張体のためのブラダー;インナーチューブ;チューブあるいはボートなどの柔軟な浮揚装置;カテーテルバルーンなどの医療機器の部品;椅子やシートなどの家具の一部、自転車やサドルの一部、すね当てやヘルメットを含む保護用機器の一部;家具の支持部品、特に、腰の支持部品;人工補綴または整形外科器具の一部;自動車用タイヤの一部、特にタイヤの外層;インラインスケートまたはローラースケートの車輪の部品などの特定のレクリエーション装置の一部などの用途に使用することができる。アキュムレータ、特に油圧アキュムレータは、自動車のサスペンション・システム、自動車のブレーキ・システム、産業用の油圧アキュムレータ、あるいは2つの潜在的に異なる流体媒体間に差圧を有するその他の用途のために使用される。積層膜は、油圧アキュムレータを2つのチャンバーあるいはコンパートメントに分離し、一方には窒素などのガスを収容し、他方には液体を収容する。履物は、膨張型ブラダーの別の重要な用途である。
【0049】
履物、特に靴は、靴甲および靴底を含み、これらは通常、靴における2つの主要な構成要素である。靴甲の一般的な目的は、ぴったりと快適に足を囲むことである。理想的には、靴甲は魅力的で、非常に耐久性が高く、かつ快適な材料あるいは材料の組み合わせから作らなくてはならない。靴底は耐久性のある材料から作られる。靴底は、静止摩擦を与え、使用時に足を保護するように設計される。靴底は、典型的には、運動競技活動中に高いクッション性と衝撃吸収性を提供するという重要な機能を有し、発生する大きな力から、装着者の足、足首、および脚を保護する。ランニング中に発生する衝撃力は装着者の体重の2〜3倍になるが、バスケットボールなど他の運動競技活動中には、装着者の体重の6〜10倍の力が発生することがある。これらの機能を提供するために、靴底は、典型的には、クッション性を有する中底(midsole)または内底(insole)と、静止摩擦表面を有する外底とを含む。
【0050】
本発明のクッション性ブラダーは、靴の中底あるいは内底に有用である。適切な衝撃応答性を有する底構造のタイプの1つは、液体あるいは、好ましくはガス流体を含むブラダー要素を含む靴底または靴底のインサートである。ブラダー要素は、フォーム状の中底の形成時に所定の場所に包み込まれるか、フォーム状の中底の浅いキャビティに接合され、通常は別のフォーム状材料がその上に接合される。そのような弾性のある衝撃吸収性の材料あるいは構成部品は、一般に、足の裏の表面の直接下にある部分と定義される靴の内底部分に用いられる場合もある。
【0051】
履物やその他の用途に使用されるクッション部品では、膜は比較的長い期間にわたって拘束ガスを収容することができることが好ましい。非常に好ましい実施の形態では、例えば、膜は約2年間にわたって初期の膨張ガス圧力を約20%を超えて失ってはならない。言い換えると、初めに20.0〜22.0psiの定常圧力で膨張させた製品は、少なくとも約2年間は約16.0〜18.0psiの圧力を維持しなければならない。
【0052】
ブラダーまたはクッション装置は、空気、窒素などの空気の構成要素、あるいはスーパーガスによって膨張させてもよい。靴などの履物のクッション装置として使用される場合には、ブラダーは、好ましくは窒素によって、少なくとも約3psi、好ましくは少なくとも約5psiであって、約50psi以下の内部圧力に膨張させてもよい。ブラダーは、好ましくは約5から約35psi、より好ましくは約5から約30psi、さらに好ましくは約10から約30psi、とりわけ好ましくは約10から約25psiの内部圧力に膨張させる。履物以外の用途では、所望および好ましい圧力の範囲は劇的に変化する可能性があり、その特定分野の用途の熟練者によって決定することができるということは当業者にとって明白なことであろう。アキュムレータの圧力は、例えばおそらく1000psi以下の範囲に及ぶことができる。アキュムレータの圧力は、好ましくは約500psi以下である。アキュムレータ用途のための好ましい圧力範囲は約200psiから約1000psiであるが、アキュムレータの設計によっては約25psiという低い圧力も可能である。膨張後、膨張ポートは例えばRF溶接によって永久的に封止され、永久封止膨張ブラダーとしてもよい。
【0053】
ブラダーが永久的に膨張したままであるように、ガス透過率は十分に低くなければならない。好ましい実施の形態では、好ましくは空気または窒素ガスである膨張用ガスに対するブラダーの膜のガス透過率は、約15cm/(m・気圧・日)(cc/(m・気圧・日))未満でなければならず、好ましくは約6cm/(m・気圧・日)未満、特には約4cm/(m・気圧・日)未満、より好ましくは約2.5cm/(m・気圧・日)未満、さらに好ましくは約1.5cm/(m・気圧・日)未満、特に好ましくは約1cm/(m・気圧・日)未満である。異なるフィルム材料の相対的なパーミアンス、透過率、拡散性の一般に受け入れられた測定方法は、ASTM D−1434によって指定された手順に規定されている。窒素ガスは多くの実施形態のために好ましい拘束ガスであって、ASTM D−1434によってガス透過率を分析するための指標となるが、膜は異なる様々なガスおよび/または液体を含むことができる。
【0054】
本発明を、以下の実施例によってさらに説明する。ただし、以下の実施例は説明のみを目的とするものであって、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものではない。特に記載しない限り、部は重量部を意味する。
【実施例】
【0055】
エバール(EVAL)(登録商標)F101エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)(イリノイ州ライルのエバルカ(Evalca)から入手可能)の層と、前記一方の面が前記EVOHの層に隣接する、215℃で処理したペレサン(PELLETHANE)(登録商標)2355−80AEポリウレタン(ミシガン州ミッドランドのダウ(Dow)から入手可能)中の3重量%のF101のブレンドの層とを使用して、ブラダーをブロー成形した。実施例1では、ブラダーを型から取り除き、6分間の遅れ時間の後に140℃の対流オーブンで20分間加熱した。比較例Aではアニールしなかった。
【0056】
層間の界面密着性試験のために、各ブラダーから1インチ幅の試験片を切り取った。前記試験片は、かみそりの刃を使用してバリア層と交差するように切断した。バリア層は、パリソンの内側で空冷された内側界面と、パリソンの外部から型によって冷却された外側界面とからなる2つの界面を有していた。界面密着性の試験を行うために、ポリウレタン層の一つをバリア層から引き剥がし、引っ張り試験機のグリップがこのポリウレタン層と、バリア層と他方のポリウレタン層の両方を含む試験片の他の側とを別々につかむようにした。サンプルが引っ張りグリップに配置されると、クロスヘッドを2インチ/分で作動させた。静止したグリップに取り付けられた変換器によって、バリア界面から1インチ幅の試験片にわたって、分離されたポリウレタン層を均一に引っ張り続けるために必要な力を記録した。引き剥がし力の変化がなくなったときに試験を中止し、1インチ当たりの力を記録した。
【0057】
引き剥がし力は、ブラダーの内部界面および外部界面の両方について記録した。
【0058】
【表1】

【0059】
(実施例2)
実施例1にしたがって調整された、アニールされたブロー成形ブラダーから、部品の周りから過剰のフラッシュ(flash)をダイトリミング(die trimming)することによって、封止・膨張されたブラダーを形成する。ダイトリミングされた部品は膨張機に挿入する。成形されたブロー穴にフィットする針が自動的に挿入される。指定された圧力に達するまで、ブラダーに窒素ガスを充填する。次に、膨張チューブの周りのRFを閉じ、ポリマーが溶融し、経路が封止されるのに十分な時間にわたってRFエネルギーを与えることによって、ブラダーは、異なる圧力を有する複数のチャンバーを備えることになる。次に高い圧力が達成されるまで、さらに多くのガスをブラダーに加える。この時点で、別のRFダイのセットが別の膨張チューブの上に下降し、経路をRF封止する。ブラダー内のすべての圧力チャンバーが充填され、封止されるまで、この手順を繰り返す。
【0060】
(実施例3)
最初に膨張ブラダーの汚れを取り除き、乾かすことによって、実施例2の封止・膨張ブラダーから靴を作成する。次に、このブラダーにプライマーコートをスプレーし、乾燥する。上部と底部をペイントして着色し、空気乾燥させる。靴を組み立てるために、ブラダーと外底を型に挿入し、TPUのフォームを成形し、バッグの周りおよび外底の上方で硬化させる。前もって縫製された靴甲をこの中底/外底構造に圧力下で接着し、風胴で冷却する。
【0061】
好ましい実施の形態に言及しながら本発明を詳細に説明した。ただし、本発明の範囲内で変更および変形が可能であることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層膜の2つの隣接する層の密着性を向上させるための方法であって、
(a)第1の熱可塑性層と、前記第1の熱可塑性層に隣接する第2の熱可塑性層とを有する積層体を形成する工程と、
(b)前記層の少なくとも一方の層の少なくとも1つのポリマー成分の熱転移温度を超える温度で、前記少なくとも1つのポリマー成分が前記隣接する層に部分的に拡散するために十分な時間にわたって前記積層体をアニールする工程と、を含む、方法。
【請求項2】
アニール温度が、前記少なくとも1つのポリマー成分の熱転移温度よりも少なくとも約50℃高い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1および第2の層の少なくとも一方が半結晶性ポリマー成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の層は熱可塑性エラストマー層であり、前記第2の層は熱可塑性ポリマーバリア層である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記積層体が少なくとも約15分間アニールされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記積層体が少なくとも約30分間アニールされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記積層体が少なくとも約40分間アニールされる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記積層膜が、前記第1および第2の層のそれぞれの少なくとも1つの成分の熱転移温度よりも高い温度でアニールされる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記積層体が、前記層の少なくとも1つの層の前記少なくとも1つのポリマー成分の熱転移温度よりも少なくとも約80℃高い温度でアニールされる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アニール工程の前に、積層体がブロー成形によって所定の形状に成形される、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記アニール工程が、前記ブロー成形後約2時間以内に行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アニール工程が、前記ブロー成形後約1.5時間以内に行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記アニール工程が、前記ブロー成形後約1時間以内に行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記アニール工程が、前記ブロー成形後約30分間以内に行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記アニール工程が、前記ブロー成形後約15分間以内に行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記アニール工程が、少なくとも約100℃の温度で行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項17】
前記アニール工程が、約150℃以下の温度で行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項18】
請求項4に記載の方法によって形成された積層体であって、前記第1の層はポリエステルジオールから調製された熱可塑性ポリウレタンを含み、前記第2の層はエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む、積層体。
【請求項19】
さらに、前記第2の層に隣接し、ポリエステルジオールから調製された熱可塑性ポリウレタンを含む第3の層を含む、請求項18に記載の方法によって形成された積層体。
【請求項20】
請求項10に記載の方法によって形成された積層体であって、前記第1の層はポリエステルジオールから調製された熱可塑性ポリウレタンを含み、前記第2の層はエチレン−ビニルアルコール共重合体を含み、前記アニール工程後に、前記ブロー成形工程によって、封止されかつ膨張されたブラダーが得られる、積層体。
【請求項21】
請求項20にしたがって形成されたブラダーを含む、ボール。
【請求項22】
請求項20にしたがって形成されたブラダーを含む、靴。
【請求項23】
前記ポリウレタンは、少なくとも約50重量%の前記ポリエステルジオールを含む、請求項20に記載の積層体。
【請求項24】
前記ポリウレタンは、少なくとも約60重量%の前記ポリエステルジオールを含む、請求項20に記載の積層体。
【請求項25】
前記ポリエステルジオールは、少なくとも約2000の重量平均分子量を有する、請求項20に記載の積層体。
【請求項26】
前記第1および第2の層の少なくとも一方の少なくとも1つの前記ポリマー成分が、約−30℃から約20℃の範囲のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記熱可塑性エラストマー層が、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、およびポリカーボネートジオールを使用して調製されたポリウレタン、軟質ポリオレフィン、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリアミド−エーテルエラストマー、重合体エステル−エーテルエラストマー、軟質イオノマー、熱可塑性加硫物、ポリプロピレン中の加硫EPDM、軟質ポリ(塩化ビニル)単独重合体および共重合体、軟質アクリルポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項28】
前記熱可塑性ポリマーバリア層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン重合体、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリルとアクリル酸メチルの共重合体、半結晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、結晶性重合体、N,N−ジメチルエチレンジアミンとレゾルシノールに基づくエポキシ樹脂、ポリウレタンエンジニアリング熱可塑性物質、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項29】
前記積層体が、約6cm/(m・気圧・日)(約6cc/(m・気圧・日))未満のガス透過率を有する、請求項20に記載の積層体。

【公開番号】特開2008−247030(P2008−247030A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73145(P2008−73145)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【分割の表示】特願2002−539005(P2002−539005)の分割
【原出願日】平成13年11月1日(2001.11.1)
【出願人】(592228398)ナイキ・インコーポレーテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】Nike Inc
【Fターム(参考)】