説明

積層型チップキャパシタ、積層型チップキャパシタアセンブリ及びその製造方法

【課題】積層型チップキャパシタ、積層型チップキャパシタアセンブリ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の誘電体層が積層されて形成されたキャパシタ本体と、前記キャパシタ本体内で前記誘電体層を介して互いに異なる極性の内部電極が互いに対向するように交互に配置された複数の第1及び第2の内部電極と、前記キャパシタ本体の表面のうち互いに反対の両側面にそれぞれ同一数で形成された、m個(m≧3)の第1及び第2の外部電極とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層型チップキャパシタに関し、特に、ユーザが直接等価直列抵抗(ESR)を調節することができるデカップリング用積層型チップキャパシタを備えた回路基板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、積層型チップキャパシタ(MLCC)は、複数の誘電体層の間に異なる極性の内部電極が交互に積層された構造を有する。このようなMLCCは、小型化が可能であり、高容量が保障されて実装が容易であるという長所により、多様な電子装置の部品として広く使われる。
【0003】
特に、コンピューターなどの中央処理装置(CPU)のための電源供給装置は、低い電圧を提供する過程で、負荷電流の急激な変化による電圧ノイズが発生するという問題がある。よって、このような電圧ノイズを抑えるためのデカップリングキャパシタの用途として積層型チップキャパシタが電源供給装置に広く使われている。
【0004】
デカップリング用積層型チップキャパシタは、動作周波数が増加するにつれてさらに安定して電源を供給するために、調節可能なESR特性が求められる。
【0005】
積層型チップキャパシタのESR値が、求められるレベルを満たさない場合は、キャパシタのESLとマイクロプロセッサパッケージのプレーンキャパシタンス(plane capacitance)によって発生する並列共振周波数におけるインピーダンスピークが高くなり、キャパシタの直列共振周波数におけるインピーダンスは低くなりすぎるという問題がある。従って、ユーザが電力分配網の平坦な(flat)インピーダンス特性を具現できるように、デカップリング用積層型キャパシタのESR特性を容易に調節して提供することが好ましい。
【0006】
ESR調節において、外部電極及び内部電極に高い電気的な抵抗を有する材料を用いる方案が考慮される。しかし、高抵抗物質を外部電極に用いる場合に、ピンホールによる電流集中現象が引き起こされる局所的なヒートスポット(localized heat spot)が発生するという問題点がある。また、内部電極に高抵抗材料を用いる場合に、高容量化によるセラミック材料とのマッチングのために内部電極の材料も変更し続けなければならないという短所がある。
【0007】
他のESR改善方案として、特許文献1は、リンケージ電極(linkage electrode)をキャパシタ本体の外部に適用することによって、内部電極をリンケージ電極を通じて直列に連結するという方案がある。
【0008】
しかし、上述の方案は、全てキャパシタの製造者によって実行されるESR調節方案であるという短所がある。即ち、ユーザの要求及び適用製品によって所望の特定の等価直列抵抗を有するように電極構造を改善して設計及び製造される。このような問題は、上述した材料変更方案も同様である。
【0009】
従って、従来のESR調節方案は、キャパシタの製造者の立場からは、ユーザの要求と適用製品の条件によって様々なESR特性を満たす製品を個別的に製造しなければならないという困難があり、キャパシタのユーザの立場からは、必要なESR条件によって個別的に製品を選択しなければならないという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国登録特許6,765,781号(譲受人:TDK)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の問題点を解決するためのものであって、その目的は、使用条件によって求められる等価直列抵抗(ESR)特性をユーザが直接調節することができるという新しい構造を有する積層型チップキャパシタを提供することにある。
【0012】
本発明は、ユーザが実装段階で電源ラインと連結される外部電極の数と位置を選択することによって、所望のESR特性を具現することができる積層型キャパシタを備えた回路基板のようなMLCC用アセンブリの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の技術的課題を実現するために、本発明の一側面は、複数の誘電体層が積層されて形成されたキャパシタ本体と、上記キャパシタ本体内で上記誘電体層を介して互いに異なる極性の内部電極が互いに対向するように交互に配置された複数の第1及び第2の内部電極と、上記キャパシタ本体の表面のうち互いに反対の両側面にそれぞれ同一数で形成されたm個(m≧3)の第1及び第2の外部電極と、を含む積層型チップキャパシタを提供する。
【0014】
ここで、上記複数の第1及び第2の内部電極は、それぞれ、それと同一の極性を有しながら互いに反対の両側面に位置した2個の外部電極に連結され、該連結された外部電極の位置によって複数のグループに区分される。
【0015】
上記各グループの内部電極に連結された2個の外部電極のうち少なくとも一つは、それと同一の極性を有する他のグループの内部電極に連結された外部電極と異なり、同一の極性に属する全ての内部電極が互いに電気的に連結されるように一グループの内部電極は、他の少なくとも一グループの内部電極に連結された外部電極に連結される。
【0016】
上記第1及び第2の外部電極は、上記両側面のうち互いに対応する領域に互いに異なる極性の外部電極が位置し、同一の側面においては異なる極性の外部電極が隣接するように配列され、上記各グループの内部電極は、対向する両側面の間で最も隣接した2個の外部電極に連結されることを特徴とする積層型チップキャパシタである。
【0017】
特定の例においては、上記第1及び第2の外部電極は、それぞれ4個以上であることができる。
【0018】
好ましい実施形態において、上記第1の外部電極は、A1乃至D1と表示される4個の外部電極であり、上記第2の外部電極は、A2乃至D2と表示される4個の外部電極である。
【0019】
ここで、上記第1及び第2の外部電極が上記キャパシタ本体の両側面でそれぞれ一方向にA1−B2−C1−D2及びA2−B1−C2−D1の順に配列される時、上記第1の内部電極は、A1とB1の第1の外部電極に連結されたグループと、B1とC1の第1の外部電極に連結されたグループと、C1とD1の第1の外部電極に連結されたグループとに区分され、上記第2の内部電極は、A2とB2の第2の外部電極に連結されたグループと、B2とC2の第2の外部電極に連結されたグループと、C2とD2の第2の外部電極に連結されたグループとに区分される。
【0020】
本発明の他側面は、少なくとも一つの第1及び第2の電源ラインが設けられた印刷回路基板と、上記印刷回路基板上に実装され、第1項乃至第3項のいずれか1項による積層型チップキャパシタと、を含み、所望の等価直列抵抗(ESR)値を得るために、上記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極のうち選択された第1及び第2の外部電極は、上記第1及び第2の電源ラインにそれぞれ連結されることを特徴とする積層型チップキャパシタアセンブリを提供する。
【0021】
好ましくは、上記印刷回路基板は、上記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極にそれぞれ対応する位置に複数のマウンティングパッドを備え、上記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極は、それぞれ対応する位置にあるマウンティングパッドにボンディングされる。上記選択された上記第1及び第2の外部電極と連結されたマウンティングパッドには、上記第1または第2の電源ラインが連結される。
【0022】
所望の等価直列抵抗(ESR)値を得るために、上記マウンティングパッドのうち少なくとも一つは、上記第1または第2の電源ラインが連結されない。
【0023】
また、本発明の他側面は、上述した積層型チップキャパシタを提供するステップと、所望の等価直列抵抗(ESR)値を得るために上記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極のうち電源に連結される第1及び第2の外部電極を選択するステップと、上記選択された第1及び第2の外部電極のみが印刷回路基板に設けられた電源ラインに連結されるように、上記印刷回路基板に上記積層型チップキャパシタを実装するステップと、を含む積層型チップキャパシタアセンブリの製造方法を提供する。
【0024】
好ましくは、上記印刷回路基板は、上記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極にそれぞれ対応する位置に複数のマウンティングパッドを備え、上記印刷回路基板に上記積層型チップキャパシタを実装するステップは、全ての第1及び第2の外部電極をそれぞれ対応するマウンティングパッドにボンディングすることによって、上記積層型チップキャパシタを上記印刷回路基板に実装し、上記選択された第1及び第2の外部電極に対応するマウンティングパッドのみに上記電源ラインを連結させるステップであることができる。
【0025】
ESRを調節する側面において、上記電源に連結される第1及び第2の外部電極を選択するステップは、上記複数の第1及び第2の外部電極のうち少なくとも一つの外部電極を除いた第1及び第2の外部電極を選択するステップであることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、積層型キャパシタの実装時に外部の電源回路に連結される外部電極の選択によって、キャパシタのESR特性を多様に変更することができる。このように、製造業者側は、多様なESR特性を満たすことができる積層型キャパシタを単一チップで提供することができるだけでなく、ユーザは、外部電極と電源回路との選択的連結のみで所望のESR特性を容易に決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の好ましい実施形態による積層型チップキャパシタの斜視図である。
【図2】図1に示した積層型チップキャパシタに好ましく採用可能な第1及び第2の内部電極を示す平面図である。
【図3a】図1に示した積層型チップキャパシタが印刷回路基板に実装されたMLCCアセンブリを示す斜視図である。
【図3b】図1に示した積層型チップキャパシタが印刷回路基板に実装されたMLCCアセンブリを示す斜視図である。
【図3c】図1に示した積層型チップキャパシタが印刷回路基板に実装されたMLCCアセンブリを示す斜視図である。
【図3d】図1に示した積層型チップキャパシタが印刷回路基板に実装されたMLCCアセンブリを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例において、図3a乃至図3dに例示した連結形態によって変更される等価直列抵抗(ESR)成分を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施例において、図3a乃至図3dに例示した連結形態によって変更される等価直列インダクタンス(ESL)成分を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一般的に、積層型キャパシタの等価直列抵抗(ESR)は、1個の内部電極が有する抵抗(Relectrode)と、全体積層数(N)を利用して、下記のような式で表現することができる。
【0029】
【数1】

【0030】
上記式から分かるように、内部電極数が増加すると、当該積層型チップキャパシタのESRは減少する。従って、全体容量を維持しながらESRを調節するためには、容量に影響を及ぼす全体内部電極数を維持しながらESRに影響を及ぼす内部電極数を別途に調節する必要がある。
【0031】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0032】
図1は、本発明の好ましい実施形態による8端子積層型キャパシタ構造の一例を示す。
【0033】
図1に示すように、本実施形態による積層型チップキャパシタ100は、キャパシタ本体120と、そのキャパシタ本体120の表面にそれぞれ形成された第1及び第2の外部電極131〜138とを含む。
【0034】
上記キャパシタ本体120は、複数の誘電体層が積層されることによって形成される。図2に示すように、上記キャパシタ本体120内には、複数の第1及び第2の内部電極1010、1020、1030、1040、1050、1060が誘電体層1000によって互いに分離して配置されている。上記第1及び第2の内部電極1010〜1020は、一誘電体層1000を介して互いに異なる極性の内部電極が互いに対向するように交互に配置されることによって、キャパシタンスを形成することができる。
【0035】
本実施形態において、上記第1の外部電極131、133、135、137と上記第2の外部電極132、134、136、138とは、それぞれ4個ずつ提供される。上記キャパシタ本体120の一側面120aと、これと反対側の他側面120bとに、それぞれ互いに異なる極性の外部電極が交互に配置することができる。
【0036】
即ち、図1に示すように、上記第1及び第2の外部電極131〜138は、上記両側面120a、120bに対応する領域に互いに異なる極性の外部電極が位置し、同一の側面で異なる極性の外部電極が隣接するように配列することができる。
【0037】
図1、2に示すように、本実施形態に採用される第1及び第2の内部電極1010〜1060は、互いに反対側に位置する両側面120a、120bに位置しながら、同一の極性に属する2個の外部電極に連結され、それぞれ直接連結された外部電極の位置によって複数のグループに区分することができる。
【0038】
好ましくは、各グループの内部電極は、それと同一の極性を有しながら両側面の間で最も隣接するように位置した2個の外部電極に連結される。
【0039】
本実施形態のように、内部電極と外部電極との連結は、内部電極から引き出されたリードで実現することができ、この場合に、各内部電極1010〜1060は、それぞれ2個のリード1010aと1010b、1020aと1020b、1030aと1030b、1040aと1040b、1050aと1050b、1060aと1060bを有する。各内部電極が有する2個のリード(例えば、1010a、1010b)のうち一つのリード(例えば、1010a)は一側面120aに引き出され、残りの一つのリード(例えば、1010b)はその側面120aに対向する他側面120bに引き出される。
【0040】
図2に示すように、それぞれの内部電極1010〜1060において、一側面に引き出されたリードは、他側面に引き出されたリードに対して、1つ隣の外部電極の位置だけオフセットされている。例えば、第1の内部電極1010において、一側面に引き出されたリード1010aは、他側面に引き出されたリード1010bに対して、1つ左隣の外部電極の位置だけオフセットされる。
【0041】
このようにオフセットされた配置を有する2個のリードが、積層方向に沿ってジグザグに配置されることによって、同一の極性の内部電極は、直接連結された外部電極の位置が他のグループであったとしても、全体キャパシタ100 内で互いに電気的に連結されることができる。
【0042】
例えば、第1のグループである(+)極性の内部電極1010は、リード1010bに連結された外部電極137を通じて第3のグループである(+)極性の内部電極1050と電気的に連結され、第3のグループである(+)極性の内部電極1050は、リード1050aに連結された外部電極133を通じて第2のグループである(+)極性の内部電極1030と電気的に連結される。これにより、全ての(+)極性の内部電極、即ち、第1乃至第3のグループである内部電極1010、1030、1050は、上記積層型チップキャパシタ100内で互いに電気的に連結される。
【0043】
また、第1のグループである(−)極性の内部電極1020は、リード1020aに連結された第2の外部電極132を通じて第2のグループである(−)極性の内部電極1060と電気的に連結されると共に、リード1020bに連結された外部電極136を通じて第3のグループである(−)極性の内部電極1040と電気的に連結される。これにより、全ての(−)極性の内部電極、即ち、第1乃至第3のグループである内部電極1020、1040、1060は、上記積層型チップキャパシタ100内で互いに電気的に連結される。
【0044】
他側面から本実施形態に採用された外部電極と内部電極とは、下記のように説明することができる。
【0045】
図1に示すように、上記それぞれ4個の第1及び第2の外部電極131、133、135、137及び132、134、136、138は、A1乃至D1と、A2乃至D2と表示される。上記第1及び第2の外部電極131〜138が上記キャパシタ本体120の両側面120a、120bにおいて、それぞれ一方向(x方向)に沿ってA1−B2−C1−D2及びA2−B1−C2−D1の順に配列される。
【0046】
この場合、図2に示すように、上記第1の内部電極は、A1とB1の第1の外部電極に連結されたグループの内部電極1010と、B1とC1の第1の外部電極に連結されたグループの内部電極1030と、C1とD1の第1の外部電極に連結されたグループの内部電極1050とに区分される。
【0047】
また、上記第2の内部電極は、A2とB2の第2の外部電極に連結されたグループの内部電極1020と、B2とC2の第2の外部電極に連結されたグループの内部電極1040と、C2とD2の第2の外部電極に連結されたグループの内部電極1060とに区分される。
【0048】
このように、第1及び第2の内部電極1010〜1060は、図2のブロックで示すように、一つのセットとして順次に積層することができる。即ち、ブロックで示されたセットは、周期的に繰り返して積層される基本単位として理解してもよい。
【0049】
6個の内部電極1010〜1060は、積層方向に沿って適切な順に配置されることによって(一点鎖線の矢印参照)、ESRが調節可能な積層型チップキャパシタを形成することができる。
【0050】
本実施形態において、一グループの第1の内部電極1010から点線で示した順に6個の連続した内部電極1010、1020、1030、1040、1050、1060を一つのキャパシタとして積層する例が示されているが、基本単位(ブロック)の出発点は任意に決めることができる。
【0051】
例えば、一グループの第2の内部電極1020から始まって6個の連続した内部電極1020、1030、1040、1050、1060、1010を一つのブロックとして設定することもできる。
【0052】
如何なるグループの内部電極を出発点としてブロックを設定しても、一つのブロックが3個のグループの第1及び第2の内部電極が全て含まれた6個の内部電極1010〜1060として構成されれば、本発明の好ましい実施形態による層型チップキャパシタを提供することができる。
【0053】
このような構成によると、外部電極のうち電源と連結される外部電極の選択によって所望のESR特性を調節することができる。このようなESR特性の調節は、本発明による積層型チップキャパシタを印刷回路基板に実装する時に、外部電極と電源との連結を調整することによって、ユーザが任意に選択することができる。
【0054】
図3a乃至図3dは、それぞれ図1に示した積層型チップキャパシタが印刷回路基板に実装されたMLCCアセンブリを示す斜視図である。ここで、積層型チップキャパシタMLCCアセンブリとは、電子部品に採用される印刷回路基板と、その基板上に実装された積層型チップキャパシタとが組合された部品である。
【0055】
図3aを参照すると、図1に示した積層型チップキャパシタ100が搭載された印刷回路基板210を有するMLCCアセンブリ200が示されている。
【0056】
上記積層型チップキャパシタ100の第1及び第2の外部電極131〜138は、対応する領域に8個のマウンティングパッド231〜238が設けられる。上記8個のマウンティングパッド231〜238には、上記第1及び第2の外部電極131〜138がそれぞれハンダ付けで連結される。
【0057】
本実施形態において、電源ラインと外部電極との連結は、電源ラインとマウンティングパッドとが連結されるか否かによって決定される。即ち、積層型チップキャパシタ100の全ての外部電極をマウンティングパッドとハンダ付けで連結し、各マウンティングパッド231〜238に第1及び第2の電源ライン225、224を選択的に連結することによって、各外部電極のうち少なくとも一部のみを実質的な外部端子として活用する方案を使用することができる。
【0058】
このような連結方案によると、8個のマウンティングパッドとのハンダ付けによって、積層型チップキャパシタの安定した保持を図りつつ所望の外部電極のみを選択的に電源ラインに連結することができる。
【0059】
図3aに示すように、上記基板210の第1及び第2の電源ライン225、224が、8個のマウンティングパッド231〜238のそれぞれに連結される。従って、図4に示すように、上記第1及び第2の外部電極131〜138に連結された全てのグループの内部電極に当たる抵抗成分が並列に連結され、当該積層型チップキャパシタが具現可能な最も低いESR値を表すことができる。また、図5に示すように、最も低いESL値を有することができる。
【0060】
これと異なって、図3bに示すように、上記基板210の第1及び第2の電源ライン225、224は、それぞれ8個の第1及び第2のマウンティングパッド231〜238のうち、それぞれ一側に2個ずつの第1及び第2マウンティングパッド231、237及び232、238のみに連結される。
【0061】
この場合は、他の2個の第1及び第2の外部電極133、135及び134、136は電源ラインと直接連結されず、上記第1及び第2の外部電極131、137及び132、138が直接連結され、それに関連した第1及び第2の内部電極1010、1050及び1020、1060の抵抗成分のみが並列に連結される。
【0062】
従って、図3aに示したアセンブリよりも高いESR値とESLを表す(図4及び図5参照)。勿論、全ての内部電極は、互いに電気的に連結されるため、全体の電気容量値は、図3aに示した形態と同様に維持することができる。
【0063】
一方、図3cに示すように、上記基板210の第1及び第2の電源ライン225、224は、それぞれ1個の第1のマウンティングパッド231及び、2個の第2のマウンティングパッド232、238のみに連結される。従って、1個の第1の外部電極131及び2個の第2の外部電極132、138が直接連結され、それに関連した第1及び第2の内部電極1010、1050及び1020、1060の抵抗成分のみが並列に連結される。
【0064】
この場合に、全ての内部電極は互いに電気的に連結されるため、全体の電気容量値は、図3a及び図3bに示した形態と同様に維持することができる。従って、前述の実施形態によるアセンブリよりも高いESR値とESLを表す(図4及び図5参照)。
【0065】
図3dに示すように、上記基板210の第1及び第2の電源ライン225、224は、それぞれ8個の第1及び第2マウンティングパッド231〜238のうち、それぞれ一側に、1個ずつの第1及び第2のマウンティングパッド231及び238のみと連結される。
【0066】
この場合は、他の3個の第1及び第2の外部電極133、135、137と 132、134、136は電源ラインと直接連結されず、上記それぞれ1個の第1及び第2の外部電極131と138が直接連結され、それに関連した第1及び第2の内部電極1010と1060の抵抗成分のみが並列に連結される。
【0067】
従って、本積層型チップキャパシタから得られる最も高いESR値とESLを表すことができる(図4及び図5参照)。勿論、全ての内部電極は、互いに電気的に連結されるため、全体の電気容量値は、図3aに示した形態と同様に維持することができる。
【0068】
このように、本発明による積層型チップキャパシタは、電源と連結された外部電極を調整することによって、ユーザ所望のESR特性を任意に選択することができる。
【0069】
本発明は、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された請求範囲によって限定される。従って、請求範囲に記載の本発明の技術的思想を外れない範囲内において様々な形態の置換、変形及び変更が可能であることは当技術分野において通常の知識を有する者には自明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層が積層されて形成されたキャパシタ本体と、
前記キャパシタ本体内で前記誘電体層を介して互いに異なる極性の内部電極が互いに対向するように交互に配置された複数の第1及び第2の内部電極と、
前記キャパシタ本体の表面のうち互いに反対の両側面にそれぞれ同一数で形成されたm個(m≧3)の第1及び第2の外部電極と、を含み、
前記複数の第1及び第2の内部電極は、それぞれ同一の極性を有しながら互いに反対の両側面に位置した2個の外部電極に連結され、該連結された外部電極の位置によって複数のグループに区分され、
前記各グループの内部電極に連結された2個の外部電極のうち少なくとも一つは、それと同一の極性を有する他のグループの内部電極に連結された外部電極と異なり、同一の極性に属する全ての内部電極が互いに電気的に連結されるように一グループの内部電極は、他の少なくとも一グループの内部電極に連結された外部電極に連結され、
前記第1及び第2の外部電極は、前記両側面のうち互いに対応する領域に互いに異なる極性の外部電極が位置し、同一の側面においては異なる極性の外部電極が隣接するように配列され、
前記各グループの内部電極は、対向する両側面の間で最も隣接した2個の外部電極に連結されることを特徴とする積層型チップキャパシタ。
【請求項2】
前記第1及び第2の外部電極は、それぞれ4個以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項3】
前記第1の外部電極は、A1乃至D1と表示される4個の外部電極であり、前記第2の外部電極は、A2乃至D2と表示される4個の外部電極であって、
前記第1及び第2の外部電極が前記キャパシタ本体の両側面でそれぞれ一方向にA1−B2−C1−D2及びA2−B1−C2−D1の順に配列される時、
前記第1の内部電極は、A1とB1の第1の外部電極に連結されたグループと、B1とC1の第1の外部電極に連結されたグループと、C1とD1の第1の外部電極に連結されたグループとに区分され、前記第2の内部電極は、A2とB2の第2の外部電極に連結されたグループと、B2とC2の第2の外部電極に連結されたグループと、C2とD2の第2の外部電極に連結されたグループとに区分されることを特徴とする請求項2に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項4】
少なくとも一つの第1及び第2の電源ラインが設けられた印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に実装され、請求項1乃至3のいずれか1項による積層型チップキャパシタと、を含み、
所望の等価直列抵抗(ESR)値を得るために、前記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極のうち選択された第1及び第2の外部電極は、前記第1及び第2の電源ラインにそれぞれ連結されることを特徴とする積層型チップキャパシタアセンブリの製造方法。
【請求項5】
前記印刷回路基板は、前記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極にそれぞれ対応する位置に複数のマウンティングパッドを備え、
前記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極は、それぞれ対応する位置にあるマウンティングパッドにボンディングされ、
前記選択された前記第1及び第2の外部電極と連結されたマウンティングパッドには、前記第1または第2の電源ラインが連結されたことを特徴とする請求項4に記載の積層型チップキャパシタアセンブリの製造方法。
【請求項6】
前記マウンティングパッドのうち少なくとも一つは、前記第1または第2の電源ラインが連結されないことを特徴とする請求項4または5に記載の積層型チップキャパシタアセンブリ。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層型チップキャパシタを提供するステップと、
所望の等価直列抵抗(ESR)値を得るために前記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極のうち電源に連結される第1及び第2の外部電極を選択するステップと、
前記選択された第1及び第2の外部電極のみが印刷回路基板に設けられた電源ラインに連結されるように、前記印刷回路基板に前記積層型チップキャパシタを実装するステップと、を含む積層型チップキャパシタアセンブリの製造方法。
【請求項8】
前記印刷回路基板は、前記積層型チップキャパシタの第1及び第2の外部電極にそれぞれ対応する位置に複数のマウンティングパッドを備え、
前記印刷回路基板に前記積層型チップキャパシタを実装するステップは、
全ての第1及び第2の外部電極をそれぞれ対応するマウンティングパッドにボンディングすることによって、前記積層型チップキャパシタを前記印刷回路基板に実装し、前記選択された第1及び第2の外部電極に対応するマウンティングパッドのみに前記電源ラインを連結させるステップであることを特徴とする請求項7に記載の積層型チップキャパシタアセンブリの製造方法。
【請求項9】
前記電源に連結される第1及び第2の外部電極を選択するステップは、
前記複数の第1及び第2の外部電極のうち少なくとも一つの外部電極を除外した第1及び第2の外部電極を選択するステップであることを特徴とする請求項7または8に記載の積層型チップキャパシタアセンブリの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−219496(P2010−219496A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298040(P2009−298040)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】