説明

空気抜き取り真空容器の使用方法

【課題】小型容器にも応用でき、いくつかの空気抜き取り真空容器を一つの真空ボックス内に収めて用いることができる空気抜き取り真空容器の使用方法の提供。
【解決手段】空気抜き取り真空容器は、この蓋上部には下方向にへこんだ凹部を設け、その凹部底面には柱状のボタンを嵌挿する為の嵌合孔を設け、ボタン下方には蓋底面を押圧する制御縁を設け、嵌合孔外周には気孔を設け、ボタン外側に設けた膜体はその気孔を被せるものであり、ボタン中央に貫通孔を設けることにより、空気抜き取り時、真空キャップは圧力を受けて下方向にへこむ。真空ボックスであるが、その内部にはいくつかの小型の空気抜き取り容器を収めることができ、真空ボックスの空気が抜き取られると、真空ボックス内部に収めた小型の容器も同時に気流の動きを受けた膜体によって空気が抜き取られる故、容器内物品の保存期限を延長することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空容器の使用方法に関するものであり、更に詳細すると、特に、空気抜き取りと、圧力放出、及び真空状態顕示が一体となった空気抜き取り真空容器の使用方法を提案するものであり、これは小型容器にも応用でき、いくつかの空気抜き取り真空容器を一つの真空ボックス内に収めて用いることができる空気抜き取り真空容器の使用方法である。
【背景技術】
【0002】
従来品の真空保存缶の構造は、図1及び図2に示すとおりであり、主に、口が上向きに開いた缶1、その缶1上部に設けた蓋2を含み、その蓋2は中空の底体3及び底体3上方に嵌設された蓋上部4により構成され、引張桿6を貫入する為の底体3中央に設けた二つの空気抜き取り管5は、缶1と相互貫通しており、引張桿6を引っ張ると缶1内部の空気を抜き取って缶1内部を真空状態にできる構造であり、缶1内に収めた物品は空気と接触しない故、保存時間を延長でき、また、缶1内部の物品を取り出したい場合は、蓋上部4の放圧ボタン7を押し外の空気を缶1内に進入させると、蓋2を取外せるようになり、缶1内部の物品を取り出すことができ、また、缶1内部の真空状態が完全であるかを使用者が容易に判別できるように底体3には顕示ボタン8を設けるが、引張桿6によって缶1内部の空気を抜き取った時、缶1内が真空となり顕示ボタン8は圧力を受けて吸引され、蓋上部4の穴9内に沈み込む故、使用者は、缶1が真空状態になっているかどうかを判断できる。
【0003】
前述に見られる従来品の真空保存缶において、その缶1及び蓋2は適当な大きさがあってこそ、空気抜き取り管5、引張桿6、放圧ボタン7及び顕示ボタン8を十分な空間にて組み合わせることができる。しかしながら、実際において、多くの小さい缶(薬缶等)もまた、空気抜き取りによって缶内を真空状態にして物品の保存期限を延ばす必要性があるが、缶の体積が小さい為に、蓋にも同じように空気抜き取り、圧力放出、及び真空状態を示す部分を設けることは難しく、前記部分を小型の缶上に広く応用することは不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主目的は、空気抜き取り真空容器の使用方法を提案することにあり、空気抜き取り真空容器の蓋上部には下方向にへこんだ凹部を設け、その凹部底面には柱状のボタンを嵌挿する為の嵌合孔を設け、ボタン下方には蓋底面を押圧する制御縁を設け、嵌合孔外周には気孔を設け、ボタン外側に設けた膜体はその気孔を被せるものであり、また、膜体上方には更に真空キャップを増設可能であり、ボタン中央に貫通孔を設けることにより、空気抜き取り時、真空キャップは圧力を受けて下方向にへこみ、使用者に容器内が真空になったかどうかを知らせる。また、空気抜き取り筒を凹部上に被せて容器内の空気を抜き取ると、真空状態となる。空気抜き取りと圧力放出及び真空顕示が一体化された本発明は、小型容器にも応用可能である。真空ボックスであるが、その内部には前述したいくつかの小型の空気抜き取り容器を収めることができ、真空ボックスの空気が抜き取られると、真空ボックス内部に収めた小型の容器も同時に気流の動きを受けた膜体によって空気が抜き取られる故、容器内物品の保存期限を延長することができる。このように全体の動きにより、多くの小型容器の空気抜き取りが便利に行える。また、真空ボックスは電動空気抜き取りの真空ボックス、もしくは前述の容器を大型の真空ボックスとして製作することも可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、空気抜き取り真空容器の使用方法において、空気抜き取りが可能な真空ボックスを含み、少なくとも一つの、空気を抜き取って真空にする容器を真空ボックス内に収めることを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、各容器は、その開口に嵌設する蓋を含み、その蓋上部には嵌合孔を設け、嵌合孔外周には少なくとも一つの気孔を穿設、蓋底部には漏防止ストッパーを内設する周囲溝を設け、また、柱状のボタンは蓋の嵌合孔上に嵌挿、そのボタン下方に設けた制御縁は蓋底面を押圧しており、ボタン中段には外側に向けて広がった膜体を設け、その膜体は気孔を被せることを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、真空ボックスは、電動空気抜き取りの真空ボックスであり、その真空ボックスに設けた制御装置は更に、モーターを含んでおり、そのモーターは制御板の制御開閉を受け、真空ボックスの一面のパネルに設けたボタンは、回路によって制御板に連結しており、チューブの一端は真空ボックス内部に繋がり、もう一端はモーターに連結、チューブ上に設けたバルブは、空気の出入を制御するものであり、また、制御板に連結したセンサーは、真空ボックスが真空状態となったのを感知すると、モーター運転を停止させることを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法としている。
請求項4の発明は、請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、真空ボックス内に収めた容器は、小型の容器を中型の容器内に入れ、更に中型の容器を大型の容器内に入れて使用することを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法としている。
請求項5の発明は、請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、真空ボックス内には、上下重ね合わせたいくつかの小型の容器を収め、容器を、最下方及び最上方の小型の容器上部には蓋を嵌設、中間の小型の容器は調度、下方の小型容器の蓋を底部とすることを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法としている。
請求項6の発明は、請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、真空ボックス内に収められたいくつかの小型の容器は、大型の容器に収められて使用することを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以下のような特徴を持つ。
1.容器10の蓋20は空気抜き取り、圧力放出、及び真空を顕示する構造を一体として最小体積にすることができ、また、蓋20上面空間を占拠することを避けている故、大型の容器10上に応用できる他、小型の容器10a(薬缶等)にも応用できる。
2.本発明は、いくつかの小型容器10aを大型の真空ボックス50a、50b内に収めることも可能であり、容器10a内物品の保存期限を延ばすことができる。真空ボックス50a、50b内の空気を抜き取って真空を形成する場合、真空ボックス50a、50b内の各容器10、10a、10b、10cもまた空気を抜き取られて真空となり、操作が簡便、乾燥状態で保存する必要がある物品に応用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図3、4に示すとおり、本発明の空気抜き取り真空容器の使用方法において、その容器は、容器10本体及び容器10上部開口に嵌設した蓋20を含み、その蓋20上部には下向きにへこんだ凹部21を設け、その凹部21中央には内外に貫通する嵌合孔22を設け、その凹部21の嵌合孔22外周にはいくつかの気孔23を穿設、蓋20底部外側には周囲溝24を設け、漏防止ストッパー25は蓋20の周囲溝24内に嵌合する。
【0008】
柱状のボタン30は、上から下へ嵌合孔22上に嵌挿、そのボタン30底部にはボタン30直径より大きい制御縁31を設け、並びにボタン30中段には外側に広がった膜体32を設け、膜体32は蓋20の気孔23上を被せる幅を持ち、また、膜体32とボタン30の交差箇所には下向きの折縁33を凹設する。
【0009】
この組み合わせにより、ボタン30を強行プッシュして蓋20の嵌合孔22内に嵌入、ボタン30は、その底部の制御縁31が蓋20下方底面を押圧して制止することにより定位される。使用においては、蓋20は容器10開口を被冠し、空気抜き取り筒40を凹部21上に被せて空気を抜き取り、この時、膜体32が吸引されて上方向に持ち上がり、容器10内の空気は凹部21の各気孔23より放出する(図5参照)。容器10内が真空を表すと、蓋20底部の漏防止ストッパー25は漏れ防止効果を発揮し、ボタン30上の膜体32は圧力の影響を受けて各気孔23上方に密着、容器10内部は真空状態が保たれ、容器10内に収められた物品はその保存期限を延長することができる。
【0010】
図6に示すとおり、蓋20を開けて容器10内の物品を取り出す時は、手で下向きにボタン30を押すが、ボタン30と膜体32の下側のへこんだ交差箇所に折縁33がある為、容易に折り曲げて膜体32を上向きに持ち上げる効果を持ち、凹部21表面の気孔23を離脱、外の空気をスムーズに容器10内に進入させる故、蓋20を開くことが可能となる。
【0011】
図7に示すとおり、本発明の実施例(2)は、主に前述したボタン30の膜体32上に軟性材質の真空キャップ35を加設する。その真空キャップ35は、概ね、中空且つ下向きに開いた口のある帽子体であり、ボタン30の膜体32上方を被冠、且つ、真空キャップ35上部とボタン30上部には一定の空間を保有し、真空キャップ35上部には下向きにへこむ内設空間を持たせ、また、ボタン30中心には上下に貫通した貫通孔34を設ける。
【0012】
この構造により、容器10内部の空気を抜き取って真空になった時、軟性素材の真空キャップ35は、外界の圧力が容器10内部の圧力より大きくなって下向きに下がる故、真空キャップ35の上部は、下向きにへこんだ状態(図8参照)となり、使用者は目視で容器10内部が真空になったかどうかを便利に観察できる。
【0013】
図9に示すとおり、本発明の使用実施例(1)は、容器10から作られた大型の真空ボックス50aを含み、真空ボックス50a内部にはいくつかの小型の容器10a(薬缶)を収めており、真空ボックス50aの蓋20凹部21において、空気抜き取り筒40により空気を抜き取ると、真空ボックス50a内部は真空となり、真空ボックス50a内部の小型の容器10aも同時に周囲を気体の流動と減圧の影響を受けて、小型の容器10a内部の空気も同時に膜体32を動かして外側に流れ、空気が抜き取りされて真空となる。このように大型の真空ボックス50aの空気抜き取り動作により、同時に多くの小型容器10aも空気抜き取り動作が行われる故、便利な空気抜き取り方法となる。
【0014】
真空ボックス50a内部側面には二つの定位嵌合部51を内設、その二つの定位嵌合部51は、別の空気排出筒40aを収納する為のものである。その空気排出筒40aは小型の容器10aの空気抜き取りをする為のものである。
【0015】
図10、11に、本発明の使用実施例(2)を示す。真空ボックス50aは、電動空気抜き取りの真空ボックスとすることも可能であり、それは長方形の電動真空ボックス50bを含み、真空ボックス50bの一側面には制御装置を設けた構造で、その制御装置は更に、モーター511を含み、そのモーター511は真空ボックス50b内部側面に設けられ、且つ制御板512の制御開閉を受けており、真空ボックス50b前面パネルにはボタン513を設けるが、そのボタン513は回路を経て制御板512に連結されており、チューブ514は、その一端は真空ボックス50b内部に繋がり、もう一端はモーター511に連結しており、チューブ514上に設けたバルブ515は空気の出入を制御するものであり、また、制御板512はセンサー516に連結、ボタン513をON状態に操作すると、モーター511が起動して空気抜き取りを始め、真空ボックス50b内部には真空状態が形成され、且つセンサー516が感知すると、モーター511は運転を停止する。それとは反対に、ボタン513をオフ状態にすると、チューブ514内外は通気状態となり、外側の空気は真空ボックス50b内部に進入し、真空ボックス50b内部が圧力放出状態となる故、ボックスの扉を開いて内部の各容器10aを取り出すことができる。
【0016】
真空ボックス50b内に収めた各大小の容器10、容器10aは、図12に示すとおり、まず小型の容器10aを中型の容器10b内に入れ、更に中型の容器10bを大型の容器10内に入れて使用する。
【0017】
図13、14に示すとおり、いくつかの小型の容器10a、容器10cを上下重ね合わせる方式により真空ボックス50b内に入れ、最下方の容器10a上部には蓋20を嵌設、その蓋20は調度、容器10c底部となっており、最上方の容器10cにもまた蓋20を嵌設して、これをいくつか重ねて使用、真空ボックス50bが空気を抜き取る場合は、重ねた容器10a、容器10c内部もまた空気が抜き取られて真空となる。
【0018】
図15に示すとおり、大型の容器10内部には、いくつかの小型の容器10a(薬缶)を収め、更に大型の容器10を真空ボックス50b内に収めているが、この真空ボックス50b内部の空気を抜き取った場合は、前記真空ボックス50bに収めた小型の容器10a(もしくは中型の容器)及び大型の容器10はどちらも圧力を受けて内部に真空を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来品の真空保存缶の構造表示図である。
【図2】従来品の真空保存缶の構造表示図である。
【図3】本発明実施例(1)の立体分解図である。
【図4】本発明実施例(1)の組立断面図である。
【図5】本発明実施例(1)の動作図(1)である。
【図6】本発明実施例(1)の動作図(2)である。
【図7】本発明実施例(2)の組立断面図である。
【図8】本発明実施例(2)の真空状態表示図である。
【図9】本発明の大型容器に応用し小型の容器を収納した使用状態図である。
【図10】本発明の電動空気抜き取り真空ボックスに応用した使用表示図である。
【図11】本発明の電動空気抜き取り真空ボックスに応用した制御装置の表示図である。
【図12】本発明の電動空気抜き取り真空ボックスに応用し数個の容器を収納した状態図(1) である。
【図13】本発明の電動空気抜き取り真空ボックスに応用し数個の容器を収納した状態図(2)である。
【図14】本発明の図13の部分拡大図である。
【図15】本発明の電動空気抜き取り真空ボックスに応用し数個の容器を収納した状態図(3)である。
【符号の説明】
【0020】
1 缶
2 蓋
3 底体
4 蓋上部
5 空気抜き取り管
6 引張桿
7 放圧ボタン
8 顕示ボタン
9 穴
10 容器
10a 容器
10b 容器
10c 容器
20 蓋
21 凹部
22 嵌合孔
23 気孔
24 周囲溝
25 漏防止ストッパー
30 ボタン
31 制御縁
32 膜体
33 折縁
34 貫通孔
35 真空キャップ
40 空気抜き取り筒
40a 空気排出筒
50a 真空ボックス
50b 真空ボックス
511 モーター
512 制御板
513 ボタン
514 チューブ
515 バルブ
516 センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気抜き取り真空容器の使用方法において、空気抜き取りが可能な真空ボックスを含み、少なくとも一つの、空気を抜き取って真空にする容器を真空ボックス内に収めることを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法。
【請求項2】
請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、各容器は、その開口に嵌設する蓋を含み、その蓋上部には嵌合孔を設け、嵌合孔外周には少なくとも一つの気孔を穿設、蓋底部には漏防止ストッパーを内設する周囲溝を設け、また、柱状のボタンは蓋の嵌合孔上に嵌挿、そのボタン下方に設けた制御縁は蓋底面を押圧しており、ボタン中段には外側に向けて広がった膜体を設け、その膜体は気孔を被せることを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法。
【請求項3】
請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、真空ボックスは、電動空気抜き取りの真空ボックスであり、その真空ボックスに設けた制御装置は更に、モーターを含んでおり、そのモーターは制御板の制御開閉を受け、真空ボックスの一面のパネルに設けたボタンは、回路によって制御板に連結しており、チューブの一端は真空ボックス内部に繋がり、もう一端はモーターに連結、チューブ上に設けたバルブは、空気の出入を制御するものであり、また、制御板に連結したセンサーは、真空ボックスが真空状態となったのを感知するとき、モーター運転を停止させることを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法。
【請求項4】
請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、真空ボックス内に収めた容器は、小型の容器を中型の容器内に入れ、更に中型の容器を大型の容器内に入れて使用することを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法。
【請求項5】
請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、真空ボックス内には、上下重ね合わせたいくつかの小型の容器を収め、容器を、最下方及び最上方の小型の容器上部には蓋を嵌設、中間の小型の容器は調度、下方の小型容器の蓋を底部とすることを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法。
【請求項6】
請求項1記載の空気抜き取り真空容器の使用方法において、真空ボックス内に収められたいくつかの小型の容器は、大型の容器に収められて使用することを特徴とする空気抜き取り真空容器の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−320628(P2007−320628A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153926(P2006−153926)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(504177033)
【Fターム(参考)】