説明

空調システム

【課題】液体吸収剤を用いて空気の除湿または加湿を行う湿度調節装置を備えた空調システムにおいて、湿度調節装置からの液体吸収剤の流出を防ぐ。
【解決手段】空調システム(1)には、温度調節装置(10)と湿度調節装置(20)とが設けられる。湿度調節装置(20)には、吸収剤回路(23)が設けられる。吸収剤回路(23)では、二つの調湿用モジュール(40a,40b)の間を液体吸収剤が循環する。各調湿用モジュール(40a,40b)には、透湿膜が設けられる。透湿膜は、液体吸収剤は透過させずに水蒸気を透過させる。そして、各調湿用モジュール(40a,40b)では、液体吸収剤と空気が、透湿膜を介して水蒸気の授受を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却し又は加熱した空気を室内へ供給する温度調節装置と、除湿し又は加湿した空気を室内へ供給する湿度調節装置とを備えた空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷却し又は加熱した空気を室内へ供給する温度調節装置と、除湿し又は加湿した空気を室内へ供給する湿度調節装置とを備えた空調システムが知られている。例えば、特許文献1に開示された空調システムは、冷凍サイクルを行う温度調節装置と、液体吸収剤を用いて空気の除湿を行う湿度調節装置とを備えている。また、特許文献2には、液体吸収剤を用いて空気の除湿または加湿を行う湿度調節装置が開示されている。この特許文献2の調湿装置では、液体吸収剤は透過させずに水蒸気を透過させる透湿膜を利用して、空気の除湿や加湿を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−111644号公報
【特許文献2】特開平05−146627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の空調システムに設けられた湿度調節装置では、液体吸収剤が空気と直接に接触する。このため、空気を室内へ供給する際には、細かい液滴となって空気と共に流れる液体吸収剤を、空気から分離しなければならない。しかし、細かい液滴となった液体吸収剤を空気から完全に分離するのは困難である。液体吸収剤は、金属を腐食させる性質を有するものが多い。このため、液体吸収剤を含んだ空気が湿度調節装置から流出すると、湿度調節装置の下流に配置された金属部材が腐食するおそれがある。また、液体吸収剤を含んだ空気が室内へ流入すると、室内空気が汚染されてしまう。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体吸収剤を用いて空気の除湿または加湿を行う湿度調節装置を備えた空調システムにおいて、湿度調節装置からの液体吸収剤の流出を防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、冷却し又は加熱した空気を室内へ供給する温度調節装置(10)と、除湿し又は加湿した空気を室内へ供給する湿度調節装置(20)とを備えた空調システムを対象とする。そして、上記湿度調節装置(20)は、液体吸収剤は透過させずに水蒸気を透過させる透湿膜(62)を有し、上記液体吸収剤と空気が上記透湿膜(62)を介して水蒸気の授受を行う二つの調湿用モジュール(40)と、上記二つの調湿用モジュール(40)のうちの一方において液体吸収剤が空気から吸湿し、他方において液体吸収剤が空気へ放湿するように、上記二つの調湿用モジュール(40)の間で液体吸収剤を循環させる吸収剤回路(23)とを備えるものである。
【0007】
第1の発明の湿度調節装置(20)では、二つの調湿用モジュール(40)の間を液体吸収剤が循環する。一方の調湿用モジュール(40)において空気から吸湿した液体吸収剤は、他方の調湿用モジュール(40)へ送られて空気へ放湿し、その後に一方の調湿用モジュール(40)へ送り返される。各調湿用モジュール(40)では、液体吸収剤と空気が透湿膜(62)を介して水蒸気の授受を行う。つまり、液体吸収剤が空気から吸湿する調湿用モジュール(40)では、空気に含まれる水蒸気が透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。一方、液体吸収剤が空気へ放湿する調湿用モジュール(40)では、液体吸収剤に含まれる水が水蒸気となって透湿膜(62)を透過して空気に付与される。湿度調節装置(20)の調湿用モジュール(40)において、空気は液体吸収剤と直接には接触しない。従って、湿度調節装置(20)から送り出される空気に液体吸収剤が混入することはない。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記湿度調節装置(20)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行い、一方の上記調湿用モジュール(40)において空気から吸湿する液体吸収剤を冷媒によって冷却し、他方の上記調湿用モジュール(40)において空気へ放湿する液体吸収剤を冷媒によって加熱する調湿用冷媒回路(30)を備えるものである。
【0009】
第2の発明では、湿度調節装置(20)の調湿用冷媒回路(30)において冷凍サイクルが行われる。調湿用冷媒回路(30)を循環する冷媒は、調湿用モジュール(40)において空気から吸湿する液体吸収剤を冷却する。この発明では、調湿用モジュール(40)へ送られる液体吸収剤を予め冷媒で冷却してもよいし、調湿用モジュール(40)において吸湿している最中の液体吸収剤を冷媒で冷却してもよい。また、調湿用冷媒回路(30)を循環する冷媒は、調湿用モジュール(40)において空気へ放湿する液体吸収剤を加熱する。この発明では、調湿用モジュール(40)へ送られる液体吸収剤を予め冷媒で加熱してもよいし、調湿用モジュール(40)において放湿している最中の液体吸収剤を冷媒で加熱してもよい。
【0010】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記温度調節装置(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う温調用冷媒回路(13)を備え、該温調用冷媒回路(13)の冷媒によって冷却した空気を室内へ供給する冷房運転を少なくとも行う一方、上記温度調節装置(10)の冷房運転中において、上記湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)は、上記調湿用モジュール(40)において空気へ放湿する液体吸収剤を上記温調用冷媒回路(13)の冷媒によって加熱可能となっているものである。
【0011】
第3の発明では、温度調節装置(10)の温調用冷媒回路(13)において冷凍サイクルが行われる。冷房運転中において、温調用冷媒回路(13)を循環する冷媒は、空気から吸熱する。一方、湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)は、調湿用モジュール(40)において空気へ放湿する液体吸収剤を温調用冷媒回路(13)の冷媒によって加熱する動作を実行可能となっている。この動作中には、冷房運転中に温調用冷媒回路(13)の冷媒から放出された熱が、液体吸収剤に与えられる。
【0012】
第4の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記温度調節装置(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う温調用冷媒回路(13)を備え、該温調用冷媒回路(13)の冷媒によって加熱した空気を室内へ供給する暖房運転を少なくとも行う一方、上記温度調節装置(10)の暖房運転中において、上記湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)は、上記調湿用モジュール(40)において空気から吸湿する液体吸収剤を上記温調用冷媒回路(13)の冷媒によって冷却可能となっているものである。
【0013】
第4の発明では、温度調節装置(10)の温調用冷媒回路(13)において冷凍サイクルが行われる。暖房運転中において、温調用冷媒回路(13)を循環する冷媒は、空気へ放熱する。一方、湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)は、調湿用モジュール(40)において空気から吸湿する液体吸収剤を温調用冷媒回路(13)の冷媒によって冷却する動作を実行可能となっている。この動作中には、暖房運転中に温調用冷媒回路(13)を流れる冷媒が、液体吸収剤から吸熱する。
【0014】
第5の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記温度調節装置(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う温調用冷媒回路(13)を備え、該温調用冷媒回路(13)の冷媒によって冷却した空気を室内へ供給する冷房運転を少なくとも行い、上記湿度調節装置(20)は、上記二つの調湿用モジュール(40)のうちの一方において除湿した空気を室内へ供給し、他方において加湿した空気を室外へ排出する除湿運転を少なくとも行う一方、上記温調用冷媒回路(13)には、上記温度調節装置(10)の冷房運転中に蒸発器として機能し、除湿運転中の上記湿度調節装置(20)が除湿した空気を冷媒と熱交換させる利用側熱交換器(18)が設けられるものである。
【0015】
第5の発明では、温度調節装置(10)の温調用冷媒回路(13)に利用側熱交換器(18)が設けられる。温度調節装置(10)の冷房運転中には、室内へ供給される空気が利用側熱交換器(18)において冷却される。湿度調節装置(20)の除湿運転中には、室内へ供給される空気が調湿用モジュール(40)において除湿される。温度調節装置(10)が冷房運転を行い、湿度調節装置(20)が除湿運転を行う状態において、室内へ供給される空気は、調湿用モジュール(40)において除湿され、その後に利用側熱交換器(18)において冷却される。
【0016】
第6の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記温度調節装置(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う温調用冷媒回路(13)を備え、該温調用冷媒回路(13)の冷媒によって加熱した空気を室内へ供給する暖房運転を少なくとも行い、上記湿度調節装置(20)は、上記二つの調湿用モジュール(40)のうちの一方において除湿した空気を室外へ排出し、他方において加湿した空気を室内へ供給する加湿運転を少なくとも行う一方、上記温調用冷媒回路(13)には、上記温度調節装置(10)の暖房運転中に蒸発器として機能し、加湿運転中の上記湿度調節装置(20)が除湿した空気を冷媒と熱交換させる熱源側熱交換器(17)が設けられるものである。
【0017】
第6の発明では、温度調節装置(10)の温調用冷媒回路(13)に熱源側熱交換器(17)が設けられる。温度調節装置(10)の暖房運転中において、熱源側熱交換器(17)では、冷媒が室外へ排出される空気から吸熱する。湿度調節装置(20)の加湿運転中において、調湿用モジュール(40)では、液体吸収剤が室外へ排出される空気から吸湿する。温度調節装置(10)が暖房運転を行い、湿度調節装置(20)が加湿運転を行う状態において、室外へ排出される空気は、調湿用モジュール(40)において除湿され、その後に利用側熱交換器(18)において冷却される。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、空調システム(1)に設けられた湿度調節装置(20)において、液体吸収剤と空気が透湿膜(62)を介して水蒸気の授受を行う。従って、本発明によれば、湿度調節装置(20)から送り出される空気への液体吸収剤の混入を防ぐことができる。その結果、湿度調節装置(20)から空気と共に液体吸収剤が流出することに起因する問題、即ち、金属部材の腐食や室内空気の汚染等の問題を未然に防ぐことができる。
【0019】
上記第2の発明では、調湿用モジュール(40)において空気から吸湿する液体吸収剤が、調湿用冷媒回路(30)の冷媒によって冷却される。液体吸収剤が吸湿する際には、吸収熱が生じる。しかし、調湿用モジュール(40)において吸湿する液体吸収剤は、冷媒によって冷却されるため、比較的低温に保たれる。従って、この発明によれば、調湿用モジュール(40)における液体吸収剤の吸湿量を増大させることができる。
【0020】
また、上記第2の発明では、調湿用モジュール(40)において空気へ放湿する液体吸収剤が、調湿用冷媒回路(30)の冷媒によって加熱される。液体吸収剤が放湿する際には、液体吸収剤に含まれる水が周囲から吸熱して水蒸気となる。しかし、調湿用モジュール(40)において放湿する液体吸収剤は、冷媒によって加熱されるため、比較的高温に保たれる。従って、この発明によれば、調湿用モジュール(40)における液体吸収剤の放湿量を増大させることができる。
【0021】
上記第3の発明では、冷房運転中に温調用冷媒回路(13)の冷媒から放出された熱を、液体吸収剤を加熱するために利用することができる。このため、調湿用モジュール(40)において液体吸収剤から水蒸気を放出するために必要な熱の一部または全部を、冷房運転中の温度調節装置(10)から排出された熱によって賄うことができる。従って、この発明によれば、空調システム(1)の消費エネルギを削減することができる。
【0022】
上記第4の発明では、暖房運転中に温調用冷媒回路(13)を流れる冷媒を、液体吸収剤を冷却するために利用することができる。このため、調湿用モジュール(40)において吸湿する液体吸収剤を冷却するのに必要なエネルギを、削減することができる。従って、この発明によれば、空調システム(1)の消費エネルギを削減することができる。
【0023】
上記第5の発明の空調システム(1)では、温度調節装置(10)が冷房運転を行い、湿度調節装置(20)が除湿運転を行う場合がある。この場合において、室内へ供給される空気は、調湿用モジュール(40)において除湿され、その後に利用側熱交換器(18)において冷却される。つまり、利用側熱交換器(18)において冷却される空気は、既に除湿されており、その絶対湿度が低くなっている。従って、この発明によれば、蒸発器として機能する利用側熱交換器(18)において生じるドレン水の量を削減することができる。
【0024】
上記第6の発明では、温度調節装置(10)が暖房運転を行い、湿度調節装置(20)が加湿運転を行う場合がある。この場合において、室外へ排出される空気は、調湿用モジュール(40)において除湿され、その後に熱源側熱交換器(17)において冷却される。つまり、熱源側熱交換器(17)において冷却される空気は、既に除湿されており、その絶対湿度が低くなっている。従って、この発明によれば、蒸発器として機能する熱源側熱交換器(17)に付着する霜の量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、実施形態1の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図2】図2は、実施形態1の調湿用モジュールの概略構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、実施形態2の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図4】図4は、実施形態3の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図5】図5は、実施形態3の調湿用モジュールをその一部を省略して図示した概略斜視図である。
【図6】図6は、実施形態3の調湿用モジュールの水平断面を示す概略断面図である。
【図7】図7は、実施形態3の調湿用モジュールをその一部を省略して図示した概略斜視図である。
【図8】図8は、実施形態3の調湿用モジュールをその一部を省略して図示した概略の分解斜視図である。
【図9】図9は、実施形態3の調湿用モジュールに設けられた内側部材を示す図であって、(A)は概略斜視図であり、(B)はその水平断面を示す概略断面図である。
【図10】図10は、実施形態4の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図11】図11は、実施形態5の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図12】図12は、実施形態5の変形例の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図13】図13は、実施形態6の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図14】図14は、実施形態7の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図15】図15は、実施形態8の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【図16】図16は、その他の実施形態の空調システムの概略構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0027】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の空調システム(1)は、温度調節装置(10)と湿度調節装置(20)とを備えている。温度調節装置(10)と湿度調節装置(20)は、同じ室内空間の空気調和を行う。
【0029】
〈温度調節装置〉
温度調節装置(10)は、いわゆるセパレート型の空気調和機である。この温度調節装置(10)は、室外機(11)と室内機(12)とを備えている。室外機(11)は室外に設置され、室内機(12)は室内に設置される。
【0030】
温度調節装置(10)では、室外機(11)と室内機(12)を配管で接続することによって温調用冷媒回路(13)が形成されている。温調用冷媒回路(13)は、冷媒が充填された閉回路であって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
【0031】
温調用冷媒回路(13)には、圧縮機(14)と、四方切換弁(15)と、膨張弁(16)と、室外熱交換器(17)と、室内熱交換器(18)とが設けられている。温調用冷媒回路(13)において、圧縮機(14)は、その吐出側が四方切換弁(15)の第1のポートに接続され、その吸入側が四方切換弁(15)の第2のポートに接続されている。また、温調用冷媒回路(13)では、四方切換弁(15)の第3のポートから第4のポートへ向かって、室外熱交換器(17)と、膨張弁(16)と、室内熱交換器(18)とが順に配置されている。
【0032】
四方切換弁(15)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。熱源側熱交換器である室外熱交換器(17)は、冷媒を室外空気と熱交換させる。利用側熱交換器である室内熱交換器(18)は、冷媒を室内空気と熱交換させる。
【0033】
室外機(11)には、圧縮機(14)と、四方切換弁(15)と、膨張弁(16)と、室外熱交換器(17)とが収容されている。また、図示しないが、室外機(11)には、室外熱交換器(17)へ室外空気を供給する室外ファンが設けられている。室外機(11)は、吸い込んだ室外空気を室外熱交換器(17)へ供給し、室外熱交換器(17)を通過した空気を室外へ排出する。
【0034】
室内機(12)には、室内熱交換器(18)が収容されている。また、図示しないが、室内機(12)には、室内熱交換器(18)へ室内空気を供給する室内ファンが設けられている。室内機(12)は、吸い込んだ室内空気を室内熱交換器(18)へ供給し、室内熱交換器(18)を通過した空気を室内へ送り返す。
【0035】
〈湿度調節装置〉
湿度調節装置(20)には、給気通路(21)と排気通路(22)とが形成されている。給気通路(21)は、その入口端が室外空間に連通し、その出口端が室内空間に連通する。図示しないが、給気通路(21)には、室外空気を室内へ供給するための給気ファンが設けられている。排気通路(22)は、その入口端が室内空間に連通し、その出口端が室外空間に連通する。図示しないが、排気通路(22)には、室内空気を室外へ排出するための排気ファンが設けられている。給気通路(21)の出口端と排気通路(22)の入口端とは、温度調節装置(10)の室内機(12)が設置された室内空間に連通している。
【0036】
湿度調節装置(20)には、吸収剤回路(23)が設けられている。吸収剤回路(23)は、給気側モジュール(40a)と、加熱器(25)と、排気側モジュール(40b)と、ポンプ(24)とが接続された閉回路である。吸収剤回路(23)には、液体吸収剤として塩化リチウム水溶液が充填されている。加熱器(25)は、例えば電気ヒータによって構成され、液体吸収剤を加熱する。
【0037】
給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)は、何れも調湿用モジュール(40)によって構成されている。給気側モジュール(40a)は、給気通路(21)に配置されている。排気側モジュール(40b)は、排気通路(22)に配置されている。
【0038】
図2に示すように、調湿用モジュール(40)は、多数の透湿チューブ(80)を備えている。各透湿チューブ(80)は、真っ直ぐな円管状に形成された透湿膜(62)である。透湿膜(62)は、液体吸収剤を透過させずに水蒸気を透過させる膜である。この透湿膜(62)としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、四ふっ化エチレン樹脂)等のふっ素樹脂から成る疎水性多孔膜を用いることができる。また、調湿用モジュール(40)は、入口ヘッダ(81)と出口ヘッダ(82)を一つずつ備えている。入口ヘッダ(81)と出口ヘッダ(82)は、何れも扁平な中空の直方体状に形成されている。
【0039】
調湿用モジュール(40)において、入口ヘッダ(81)と出口ヘッダ(82)は、起立した状態で互いに向かい合っている。調湿用モジュール(40)では、入口ヘッダ(81)に各透湿チューブ(80)の一端が接続され、出口ヘッダ(82)に各透湿チューブ(80)の他端が接続されている。多数の透湿チューブ(80)は、それぞれの軸方向が概ね水平方向となり、それぞれの軸方向が互いに平行となる姿勢で設置されている。調湿用モジュール(40)では、多数の透湿チューブ(80)が上下左右に互いに所定の間隔をおいて規則的に配置されている。調湿用モジュール(40)における透湿チューブ(80)の配置は、いわゆる千鳥配列となっている。
【0040】
調湿用モジュール(40)において、各透湿チューブ(80)の内側の空間は、液体吸収剤が流れる吸収剤通路(41)となり、各透湿チューブ(80)の外側の空間は、空気が流れる空気通路(42)となっている。
【0041】
給気側モジュール(40a)を構成する調湿用モジュール(40)は、入口ヘッダ(81)がポンプ(24)の吐出口に接続され、出口ヘッダ(82)が加熱器(25)の入口に接続されている。一方、排気側モジュール(40b)を構成する調湿用モジュール(40)は、入口ヘッダ(81)が加熱器(25)の出口に接続され、出口ヘッダ(82)がポンプ(24)の吸入口に接続されている。
【0042】
−温度調節装置の運転動作−
温度調節装置(10)は、冷却した空気を室内へ供給する冷房運転と、加熱した空気を室内へ供給する暖房運転とを選択的に実行する。
【0043】
〈冷房運転〉
温度調節装置(10)の冷房運転について説明する。冷房運転時には、四方切換弁(15)が第1状態(図1に実線で示す状態)に設定され、膨張弁(16)の開度が適宜調節される。温調用冷媒回路(13)では、冷凍サイクルが行われ、室外熱交換器(17)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(18)が蒸発器として機能する。
【0044】
具体的に、圧縮機(14)から吐出された冷媒は、四方切換弁(15)を通過後に室外熱交換器(17)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(17)から流出した冷媒は、膨張弁(16)を通過する際に減圧された後に室内熱交換器(18)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(18)から流出した冷媒は、圧縮機(14)へ吸入されて圧縮され、その後に圧縮機(14)から吐出される。そして、室内機(12)は、吸い込んだ室内空気を室内熱交換器(18)で冷却した後に室内へ送り返す。
【0045】
〈暖房運転〉
温度調節装置(10)の暖房運転について説明する。暖房運転時には、四方切換弁(15)が第2状態(図1に破線で示す状態)に設定され、膨張弁(16)の開度が適宜調節される。温調用冷媒回路(13)では、冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器(18)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(17)が蒸発器として機能する。
【0046】
具体的に、圧縮機(14)から吐出された冷媒は、四方切換弁(15)を通過後に室内熱交換器(18)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(18)から流出した冷媒は、膨張弁(16)を通過する際に減圧された後に室外熱交換器(17)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(17)から流出した冷媒は、圧縮機(14)へ吸入されて圧縮され、その後に圧縮機(14)から吐出される。そして、室内機(12)は、吸い込んだ室内空気を室内熱交換器(18)で加熱した後に室内へ送り返す。
【0047】
−湿度調節装置の運転動作−
湿度調節装置(20)は、除湿運転だけを行う。湿度調節装置(20)は、通常、温度調節装置(10)が冷房運転を行っているときに除湿運転を行う。また、湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)の停止中に除湿運転を行うこともできる。
【0048】
除湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環する。除湿運転中の湿度調節装置(20)は、給気通路(21)へ吸い込んだ室外空気を給気側モジュール(40a)で除湿してから室内へ供給し、排気通路(22)へ吸い込んだ室内空気を排気側モジュール(40b)で加湿してから室外へ排出する。
【0049】
具体的に、ポンプ(24)から吐出された液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41)へ流入する。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)では、給気通路(21)へ吸い込まれた室外空気が流れている。そして、給気側モジュール(40a)では、室外空気に含まれる水蒸気の一部が、透湿チューブ(80)を構成する透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。つまり、給気側モジュール(40a)では、室外空気が除湿される。除湿された室外空気は、室内へ供給される。
【0050】
給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤が室外空気から吸湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が低下する。給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、加熱器(25)へ流入して加熱され、その後に排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41)へ流入する。排気側モジュール(40b)の空気通路(42)では、排気通路(22)へ吸い込まれた室内空気が流れている。そして、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となり、透湿チューブ(80)を構成する透湿膜(62)を透過して室内空気に付与される。つまり、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気に対して放湿する。液体吸収剤から放出された水蒸気は、室内空気と共に室外へ排出される。
【0051】
排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気へ放湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が上昇する。排気側モジュール(40b)から流出した高濃度の液体吸収剤は、ポンプ(24)へ吸い込まれ、その後に給気側モジュール(40a)へ向けて吐出される。
【0052】
−実施形態1の効果−
本実施形態の空調システム(1)において、湿度調節装置(20)の給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤と空気が透湿膜(62)を介して水蒸気の授受を行う。従って、本実施形態によれば、湿度調節装置(20)から送り出される空気への液体吸収剤の混入を防ぐことができる。その結果、湿度調節装置(20)から空気と共に液体吸収剤が流出することに起因する問題、即ち、金属部材の腐食や室内空気の汚染等の問題を未然に防ぐことができる。
【0053】
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の空調システム(1)は、実施形態1の空調システム(1)における湿度調節装置(20)の構成を変更したものである。つまり、本実施形態の温度調節装置(10)の構成と運転動作は、実施形態1の温度調節装置(10)と同じである。ここでは、本実施形態の湿度調節装置(20)について、実施形態1と異なる点を説明する。
【0054】
図3に示すように、本実施形態の湿度調節装置(20)は、加熱器(25)に代えて調湿用冷媒回路(30)が設けられている点で、実施形態1の湿度調節蔵置と相違する。調湿用冷媒回路(30)は、冷媒が充填された閉回路であって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
【0055】
調湿用冷媒回路(30)には、圧縮機(31)と、四方切換弁(32)と、膨張弁(33)と、第1熱交換器(34)と、第2熱交換器(35)とが設けられている。調湿用冷媒回路(30)において、圧縮機(31)は、その吐出側が四方切換弁(32)の第1のポートに接続され、その吸入側が四方切換弁(32)の第2のポートに接続されている。また、調湿用冷媒回路(30)では、四方切換弁(32)の第3のポートから第4のポートへ向かって、第1熱交換器(34)と、膨張弁(33)と、第2熱交換器(35)とが順に配置されている。
【0056】
四方切換弁(32)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図3に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図3に破線で示す状態)とに切り換わる。第1熱交換器(34)は、吸収剤回路(23)における給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)の間に配置され、冷媒を液体吸収剤と熱交換させる。第2熱交換器(35)は、吸収剤回路(23)におけるポンプ(24)と給気側モジュール(40a)の間に配置され、冷媒を液体吸収剤と熱交換させる。
【0057】
−湿度調節装置の運転動作−
湿度調節装置(20)は、除湿運転と加湿運転を選択的に実行する。湿度調節装置(20)は、通常、温度調節装置(10)が冷房運転を行っているときに除湿運転を行い、温度調節装置(10)が暖房運転を行っているときに加湿運転を行う。また、湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)の停止中に除湿運転や加湿運転を行うこともできる。
【0058】
〈除湿運転〉
除湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環し、調湿用冷媒回路(30)において冷凍サイクルが行われる。そして、除湿運転中の湿度調節装置(20)は、給気通路(21)へ吸い込んだ室外空気を給気側モジュール(40a)で除湿してから室内へ供給し、排気通路(22)へ吸い込んだ室内空気を排気側モジュール(40b)で加湿してから室外へ排出する。
【0059】
除湿運転中において、調湿用冷媒回路(30)では、四方切換弁(32)が第1状態(図3に実線で示す状態)に設定され、膨張弁(33)の開度が適宜調節される。圧縮機(31)から吐出された冷媒は、四方切換弁(32)を通過後に第1熱交換器(34)へ流入し、液体吸収剤へ放熱して凝縮する。つまり、第1熱交換器(34)では、液体吸収剤が加熱される。第1熱交換器(34)から流出した冷媒は、膨張弁(33)を通過する際に減圧されてから第2熱交換器(35)へ流入し、液体吸収剤から吸熱して蒸発する。つまり、第2熱交換器(35)では、液体吸収剤が冷却される。第2熱交換器(35)から流出した冷媒は、圧縮機(31)へ吸入されて圧縮され、その後に圧縮機(31)から吐出される。
【0060】
上述したように、除湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環する。具体的に、ポンプ(24)から吐出された液体吸収剤は、第2熱交換器(35)において冷却された後に給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41)へ流入する。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)では、給気通路(21)へ吸い込まれた室外空気が流れている。そして、給気側モジュール(40a)では、室外空気に含まれる水蒸気の一部が、透湿チューブ(80)を構成する透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。つまり、給気側モジュール(40a)では、室外空気が除湿される。除湿された室外空気は、室内へ供給される。
【0061】
給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤が室外空気から吸湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が低下する。給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、第1熱交換器(34)へ流入して加熱され、その後に排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41)へ流入する。排気側モジュール(40b)の空気通路(42)では、排気通路(22)へ吸い込まれた室内空気が流れている。そして、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となり、透湿チューブ(80)を構成する透湿膜(62)を透過して室内空気に付与される。つまり、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気に対して放湿する。液体吸収剤から放出された水蒸気は、室内空気と共に室外へ排出される。
【0062】
排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気へ放湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が上昇する。排気側モジュール(40b)から流出した高濃度の液体吸収剤は、ポンプ(24)へ吸い込まれ、その後に第2熱交換器(35)へ向けて吐出される。
【0063】
〈加湿運転〉
加湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環し、調湿用冷媒回路(30)において冷凍サイクルが行われる。そして、加湿運転中の湿度調節装置(20)は、給気通路(21)へ吸い込んだ室外空気を給気側モジュール(40a)で加湿してから室内へ供給し、排気通路(22)へ吸い込んだ室内空気を排気側モジュール(40b)で除湿してから室外へ排出する。
【0064】
加湿運転中において、調湿用冷媒回路(30)では、四方切換弁(32)が第2状態(図3に破線で示す状態)に設定され、膨張弁(33)の開度が適宜調節される。圧縮機(31)から吐出された冷媒は、四方切換弁(32)を通過後に第2熱交換器(35)へ流入し、液体吸収剤へ放熱して凝縮する。つまり、第2熱交換器(35)では、液体吸収剤が加熱される。第2熱交換器(35)から流出した冷媒は、膨張弁(33)を通過する際に減圧されてから第1熱交換器(34)へ流入し、液体吸収剤から吸熱して蒸発する。つまり、第1熱交換器(34)では、液体吸収剤が冷却される。第1熱交換器(34)から流出した冷媒は、圧縮機(31)へ吸入されて圧縮され、その後に圧縮機(31)から吐出される。
【0065】
上述したように、加湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環する。具体的に、ポンプ(24)から吐出された液体吸収剤は、第2熱交換器(35)において加熱された後に給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41)へ流入する。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)では、給気通路(21)へ吸い込まれた室外空気が流れている。そして、給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となり、透湿チューブ(80)を構成する透湿膜(62)を透過して室外空気に付与される。つまり、給気側モジュール(40a)では、室外空気が加湿される。加湿された室外空気は、室内へ供給される。
【0066】
給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤が室外空気へ放湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が上昇する。給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤は、第1熱交換器(34)へ流入して冷却され、その後に排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41)へ流入する。排気側モジュール(40b)の空気通路(42)では、排気通路(22)へ吸い込まれた室内空気が流れている。そして、排気側モジュール(40b)では、室内空気に含まれる水蒸気の一部が、透湿チューブ(80)を構成する透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。つまり、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気から吸湿する。液体吸収剤に水蒸気を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
【0067】
排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気から吸湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が低下する。排気側モジュール(40b)から流出した低濃度の液体吸収剤は、ポンプ(24)へ吸い込まれ、その後に第2熱交換器(35)へ向けて吐出される。
【0068】
−実施形態2の効果−
本実施形態の湿度調節装置(20)では、調湿用モジュール(40)において空気から吸湿する液体吸収剤が、調湿用冷媒回路(30)の冷媒によって冷却される。液体吸収剤が吸湿する際には、吸収熱が生じる。しかし、調湿用モジュール(40)において吸湿する液体吸収剤は、冷媒によって予め冷却されているため、比較的低温に保たれる。従って、本実施形態によれば、調湿用モジュール(40)における液体吸収剤の吸湿量を増大させることができる。
【0069】
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の空調システム(1)は、実施形態2の空調システム(1)における湿度調節装置(20)の構成を変更したものである。つまり、本実施形態の温度調節装置(10)の構成と運転動作は、実施形態2の温度調節装置(10)と同じである。ここでは、本実施形態の湿度調節装置(20)について、実施形態2と異なる点を説明する。
【0070】
図4に示すように、本実施形態の湿度調節装置(20)では、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)のそれぞれに伝熱部材(46a,46b)が設けられている。つまり、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)は、何れも伝熱部材(46)を備えた調湿用モジュール(40)によって構成されている。この調湿用モジュール(40)については、後述する。
【0071】
本実施形態の調湿用冷媒回路(30)は、第1熱交換器(34)及び第2熱交換器(35)に代えて給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46a,46b)が接続されている点で、実施形態2の調湿用冷媒回路(30)と相違する。本実施形態の調湿用冷媒回路(30)では、四方切換弁(32)の第3のポートから第4のポートへ向かって、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)と、膨張弁(33)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)とが順に配置されている。
【0072】
〈調湿用モジュール〉
本実施形態の給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)を構成する調湿用モジュール(40)について、図5〜図9を適宜参照しながら説明する。
【0073】
調湿用モジュール(40)は、一つの外側ケース(50)と、複数の内側部材(60)と、二つの伝熱部材(46)とを備えている。内側部材(60)及び伝熱部材(46)は、外側ケース(50)に収容されている。また、外側ケース(50)及び内側部材(60)は、空気が流れる空気通路(42)と液体吸収剤が流れる吸収剤通路(41)を仕切る仕切り部材(45)を構成している。
【0074】
図5に示すように、外側ケース(50)は、中空の直方体状に形成されており、底板(51)と、天板(52)と、一対の側板(53,54)と、一対の端板(55)とを備えている。なお、図5は、天板(52)と手前側の端板(55)とを省略した状態を示している。各側板(53,54)には、側板(53,54)を厚さ方向に貫通する通風孔(56)が複数形成されている。各通風孔(56)は、縦長の長方形状となっている。図6にも示すように、複数の通風孔(56)は、側板(53,54)の長手方向に一定の間隔で一列に配置されている。
【0075】
図7及び図9にも示すように、内側部材(60)は、両端が開口した中空の直方体状に形成されている。この内側部材(60)は、支持枠(61)と、透湿膜(62)とを備えている。支持枠(61)は、その下面と上面が板状に形成されている。つまり、支持枠(61)は、その下面と上面が閉塞されている。透湿膜(62)は、支持枠(61)の側面を覆うように設けられている。
【0076】
外側ケース(50)には、各側板(53,54)に形成された通風孔(56)と同数の内側部材(60)が収容されている。外側ケース(50)の内部において、内側部材(60)は、それぞれの側面を覆う透湿膜(62)が互いに向かい合う姿勢で、外側ケース(50)の長手方向に一列に配列されている。
【0077】
図6に示すように、内側部材(60)の端面の開口部(63)と、外側ケース(50)の側板(53,54)の通風孔(56)とは、形状と大きさが一致している。内側部材(60)は、開口部(63)が側板(53,54)の通風孔(56)と重なるように、外側ケース(50)に固定される。つまり、図6において、内側部材(60)の支持枠(61)の左端面は、左側に配置された側板(53)の内側面における通風孔(56)の周縁部に接合される。また、同図において、内側部材(60)の支持枠(61)の右端面は、右側に配置された側板(54)の内側面における通風孔(56)の周縁部に接合される。
【0078】
図6に示すように、内側部材(60)の内側の空間は、外側ケース(50)の通風孔(56)を介して外部と連通しており、空気が流れる空気通路(42)となっている。空気通路(42)では、給気通路(21)又は排気通路(22)を流れる空気が流通する。また、内側部材(60)の外側で且つ外側ケース(50)の内側の空間は、液体吸収剤が流れる吸収剤通路(41)となっている。吸収剤通路(41)では、吸収剤回路(23)を循環する液体吸収剤が流通する。従って、透湿膜(62)は、その表面が空気通路(42)を流れる空気と接触し、その裏面が吸収剤回路(23)を流れる液体吸収剤と接触する。
【0079】
図8に示すように、伝熱部材(46)は、複数本の伝熱管(70)と、一つの第1ヘッダ(71)と、一つの第2ヘッダ(72)とを備えている。
【0080】
各伝熱管(70)は、アルミニウム製の多穴扁平管である(図6を参照)。即ち、伝熱管(70)は、断面が扁平な長円状に形成され、その内部空間が複数の流路に仕切られている。各伝熱管(70)に形成された流路は、調湿用冷媒回路(30)の冷媒が流れる冷媒通路(43)となっている。伝熱部材(46)において、複数の伝熱管(70)は、それぞれの平坦面が互いに向かい合う姿勢で、互いに一定の間隔をおいて一列に配置されている。また、各伝熱管(70)は、それぞれの軸方向が上下方向となっている。
【0081】
第1ヘッダ(71)及び第2ヘッダ(72)のそれぞれは、両端が閉塞された円管状に形成されている。第1ヘッダ(71)は、一列に配置された各伝熱管(70)の上端に接合されている。第2ヘッダ(72)は、一列に配置された各伝熱管(70)の下端に接合されている。第1ヘッダ(71)及び第2ヘッダ(72)の内部空間は、伝熱管(70)内に形成された流路と連通しており、この伝熱管(70)内の流路と共に冷媒通路(43)を構成している。
【0082】
外側ケース(50)内において、二つの伝熱部材(46)は、その一方が第1の側板(53)寄りに配置され、他方が第2の側板(54)寄りに配置されている。また、各伝熱部材(46)の伝熱管(70)は、隣り合う内側部材(60)の間に一本ずつ配置されている。上述したように、隣り合う内側部材(60)の間の空間は、吸収剤通路(41)となっている。従って、伝熱部材(46)の伝熱管(70)は、吸収剤通路(41)に配置され、その表面が吸収剤通路(41)を流れる液体吸収剤と接触する。つまり、伝熱部材(46)の伝熱管(70)は、吸収剤通路(41)を流れる液体吸収剤に囲まれている。
【0083】
上述したように、調湿用モジュール(40)の各伝熱部材(46)は、調湿用冷媒回路(30)に接続される。調湿用モジュール(40)によって構成された給気側モジュール(40a)では、各伝熱部材(46)の第1ヘッダ(71)が四方切換弁(32)の第4のポートに接続され、各伝熱部材(46)の第2ヘッダ(72)が膨張弁(33)に接続される。一方、調湿用モジュール(40)によって構成された排気側モジュール(40b)では、各伝熱部材(46)の第1ヘッダ(71)が四方切換弁(32)の第3のポートに接続され、各伝熱部材(46)の第2ヘッダ(72)が膨張弁(33)に接続される。
【0084】
−湿度調節装置の運転動作−
本実施形態の湿度調節装置(20)は、実施形態2の湿度調節装置(20)と同様に、除湿運転と加湿運転を選択的に実行する。また、湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)の停止中に除湿運転や加湿運転を行うこともできる。
【0085】
〈除湿運転〉
除湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環し、調湿用冷媒回路(30)において冷凍サイクルが行われる。そして、除湿運転中の湿度調節装置(20)は、給気通路(21)へ吸い込んだ室外空気を給気側モジュール(40a)で除湿してから室内へ供給し、排気通路(22)へ吸い込んだ室内空気を排気側モジュール(40b)で加湿してから室外へ排出する。
【0086】
除湿運転中において、調湿用冷媒回路(30)では、四方切換弁(32)が第1状態(図4に実線で示す状態)に設定され、膨張弁(33)の開度が適宜調節される。圧縮機(31)から吐出された冷媒は、四方切換弁(32)を通過後に排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)へ流入し、液体吸収剤へ放熱して凝縮する。つまり、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤が加熱される。排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)から流出した冷媒は、膨張弁(33)を通過する際に減圧されてから給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)へ流入し、液体吸収剤から吸熱して蒸発する。つまり、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)を流れる液体吸収剤が冷却される。給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)から流出した冷媒は、圧縮機(31)へ吸入されて圧縮され、その後に圧縮機(31)から吐出される。
【0087】
上述したように、除湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環する。具体的に、ポンプ(24)から吐出された液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)へ流入する。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)では、給気通路(21)へ吸い込まれた室外空気が流れている。そして、給気側モジュール(40a)では、室外空気に含まれる水蒸気の一部が、透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。また、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)を流れる液体吸収剤が、伝熱部材(46a)を流れる冷媒によって冷却される。このように、給気側モジュール(40a)では、室外空気が除湿される。除湿された室外空気は、室内へ供給される。
【0088】
給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤が室外空気から吸湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が低下する。給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)へ流入する。排気側モジュール(40b)の空気通路(42)では、排気通路(22)へ吸い込まれた室内空気が流れている。そして、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となり、透湿膜(62)を透過して室内空気に付与される。また、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤が、伝熱部材(46b)を流れる冷媒によって加熱される。このように、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気に対して放湿する。液体吸収剤から放出された水蒸気は、室内空気と共に室外へ排出される。
【0089】
排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気へ放湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が上昇する。排気側モジュール(40b)から流出した高濃度の液体吸収剤は、ポンプ(24)へ吸い込まれ、その後に給気側モジュール(40a)へ向けて吐出される。
【0090】
〈加湿運転〉
加湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環し、調湿用冷媒回路(30)において冷凍サイクルが行われる。そして、加湿運転中の湿度調節装置(20)は、給気通路(21)へ吸い込んだ室外空気を給気側モジュール(40a)で加湿してから室内へ供給し、排気通路(22)へ吸い込んだ室内空気を排気側モジュール(40b)で除湿してから室外へ排出する。
【0091】
加湿運転中において、調湿用冷媒回路(30)では、四方切換弁(32)が第2状態(図4に破線で示す状態)に設定され、膨張弁(33)の開度が適宜調節される。圧縮機(31)から吐出された冷媒は、四方切換弁(32)を通過後に給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)へ流入し、液体吸収剤へ放熱して凝縮する。つまり、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)を流れる液体吸収剤が加熱される。給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)から流出した冷媒は、膨張弁(33)を通過する際に減圧されてから排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)へ流入し、液体吸収剤から吸熱して蒸発する。つまり、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤が冷却される。排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)から流出した冷媒は、圧縮機(31)へ吸入されて圧縮され、その後に圧縮機(31)から吐出される。
【0092】
上述したように、加湿運転中には、吸収剤回路(23)において液体吸収剤が循環する。具体的に、ポンプ(24)から吐出された液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)へ流入する。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)では、給気通路(21)へ吸い込まれた室外空気が流れている。そして、給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となり、透湿膜(62)を透過して室外空気に付与される。また、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)を流れる液体吸収剤が、伝熱部材(46a)を流れる冷媒によって加熱される。このように、給気側モジュール(40a)では、室外空気が加湿される。加湿された室外空気は、室内へ供給される。
【0093】
給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤が室外空気へ放湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が上昇する。給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)へ流入する。排気側モジュール(40b)の空気通路(42)では、排気通路(22)へ吸い込まれた室内空気が流れている。そして、排気側モジュール(40b)では、室内空気に含まれる水蒸気の一部が、透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。また、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤が、伝熱部材(46b)を流れる冷媒によって冷却される。このように、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気から吸湿する。液体吸収剤に水蒸気を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
【0094】
排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤が室内空気から吸湿し、その結果、液体吸収剤の濃度が低下する。排気側モジュール(40b)から流出した低濃度の液体吸収剤は、ポンプ(24)へ吸い込まれ、その後に給気側モジュール(40a)へ向けて吐出される。
【0095】
−実施形態3の効果−
本実施形態の湿度調節装置(20)では、給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)を構成する調湿用モジュール(40)に伝熱部材(46)が設けられている。そして、調湿用モジュール(40)では、吸収剤通路(41)を流れる液体吸収剤が、伝熱部材(46)を流れる冷媒によって冷却され又は加熱される。従って、本実施形態によれば、調湿用モジュール(40)において吸湿し又は放湿している最中の液体吸収剤を、冷媒によって冷却し又は加熱することができる。その結果、調湿用モジュール(40)の吸収剤通路(41)を流れる液体吸収剤の温度変化を抑えることができ、調湿用モジュール(40)における液体吸収剤の吸湿量と放湿量を増加させることができる。
【0096】
また、本実施形態の調湿用モジュール(40)では、吸収剤通路(41)に伝熱部材(46)が配置され、この伝熱部材(46)が熱媒体通路(43)を形成する。伝熱部材(46)は、吸収剤通路(41)に設置されて液体吸収剤に囲まれている。このため、熱媒体通路(43)を流れる高圧冷媒から放出される熱は、ほぼ全てが吸収剤通路(41)の液体吸収剤に付与される。また、熱媒体通路(43)を流れる低圧冷媒が吸収する熱は、ほぼ全てが吸収剤通路(41)の液体吸収剤から吸収した熱となる。
【0097】
従って、本実施形態によれば、液体吸収剤が空気と水分を授受する際における液体吸収剤の温度変化を抑えることができ、その結果、調湿用モジュール(40)の小型化を図ることができる。また、本実施形態によれば、高圧冷媒の温熱を無駄なく液体吸収剤の加熱に利用でき、低圧冷媒の冷熱を無駄なく液体吸収剤の冷却に利用できるため、調湿用モジュール(40)において液体吸収剤に吸湿させ又は放湿させるために必要なエネルギを削減できる。
【0098】
《発明の実施形態4》
本発明の実施形態4について説明する。本実施形態の空調システム(1)は、実施形態1の空調システム(1)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の空調システム(1)について、実施形態1と異なる点を説明する。
【0099】
図10に示すように、本実施形態の湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)には、加熱器(25)に代えて熱回収部(36)が設けられている。吸収剤回路(23)において、熱回収部(36)は、加熱器(25)と同様に給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)の間に配置されている。熱回収部(36)は、温度調節装置(10)の室外熱交換器(17)に設けられており、液体吸収剤を温調用冷媒回路(13)の冷媒と熱交換させる。
【0100】
本実施形態の空調システム(1)において、湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)が冷房運転を行っているときに除湿運転を行い、温度調節装置(10)が暖房運転を行っているときは停止する。
【0101】
温度調節装置(10)が冷房運転を行い、湿度調節装置(20)が除湿運転を行っている状態において、温調用冷媒回路(13)の圧縮機(14)から吐出されて室外熱交換器(17)へ流入した冷媒は、熱回収部(36)を流れる液体吸収剤だけ、又は熱回収部(36)を流れる液体吸収剤と室外空気の両方に対して放熱する。そして、湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)では、給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤が熱回収部(36)において加熱され、その後に排気側モジュール(40b)へ流入して室外へ排出される室内空気へ放湿する。
【0102】
このように、本実施形態の空調システム(1)では、冷房運転中の温度調節装置(10)から排出される熱を、湿度調節装置(20)の液体吸収剤を再生してその濃度を上昇させるために利用できる。従って、本実施形態によれば、除湿運転中の湿度調節装置(20)が消費するエネルギを削減でき、空調システム(1)の運転効率を向上させることができる。
【0103】
《発明の実施形態5》
本発明の実施形態5について説明する。本実施形態の空調システム(1)は、実施形態2の空調システム(1)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の空調システム(1)について、実施形態2と異なる点を説明する。
【0104】
図11に示すように、本実施形態の湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)には、第1流量調節弁(39a)と、第2流量調節弁(39b)と、熱回収配管(37)と、熱回収部(36)とが追加されている。第1流量調節弁(39a)は、吸収剤回路(23)における給気側モジュール(40a)と第1熱交換器(34)の間に配置されている。熱回収配管(37)は、一端が吸収剤回路(23)における給気側モジュール(40a)と第1流量調節弁(39a)の間に接続され、他端が吸収剤回路(23)における第1熱交換器(34)と排気側モジュール(40b)の間に接続されている。また、熱回収配管(37)には、その一端から他端へ向かって順に、第2流量調節弁(39b)と熱回収部(36)とが配置されている。
【0105】
各流量調節弁(39a,39b)は、開度可変の電動弁である。熱回収部(36)は、温度調節装置(10)の室外熱交換器(17)に設けられており、液体吸収剤を温調用冷媒回路(13)の冷媒と熱交換させる。
【0106】
−湿度調節装置の運転動作−
本実施形態の湿度調節装置(20)は、通常除湿運転と、熱回収除湿運転と、通常加湿運転と、熱回収加湿運転とを選択的に行う。湿度調節装置(20)の通常除湿運転と加湿運転は、温度調節装置(10)の運転中と停止中の何れにおいても実行可能である。一方、湿度調節装置(20)の熱回収除湿運転は、温度調節装置(10)の冷房運転中にだけ実行可能である。また、湿度調節装置(20)の熱回収加湿運転は、温度調節装置(10)の暖房運転中にだけ実行可能である。
【0107】
先ず、湿度調節装置(20)の通常除湿運転と通常加湿運転について説明する。通常除湿運転中または通常加湿運転中の湿度調節装置(20)では、第1流量調節弁(39a)が開状態となり、第2流量調節弁(39b)が閉状態となる。なお、第1流量調節弁(39a)は、全開状態となっていてもよいし、その開度が適宜調節されてもよい。通常除湿運転と通常加湿運転において、給気側モジュール(40a)から流出した液体吸収剤は、熱回収配管(37)へは流入せず、第1熱交換器(34)を通過してから排気側モジュール(40b)へ流入する。
【0108】
そして、通常除湿運転中の本実施形態の湿度調節装置(20)は、除湿運転中の実施形態2の湿度調節装置(20)と同じ動作を行い、除湿した室外空気を室内へ供給する。また、通常加湿運転中の本実施形態の湿度調節装置(20)は、加湿運転中の実施形態2の湿度調節装置(20)と同じ動作を行い、加湿した室外空気を室内へ供給する。
【0109】
次に、湿度調節装置(20)の熱回収除湿運転と熱回収加湿運転について説明する。熱回収除湿運転中または熱回収加湿運転中の湿度調節装置(20)では、第2流量調節弁(39b)が開状態となる。第2流量調節弁(39b)は、全開状態となっていてもよいし、その開度が適宜調節されてもよい。一方、第1流量調節弁(39a)は、閉状態になる場合と開状態になる場合とがある。
【0110】
熱回収除湿運転中または熱回収加湿運転中に第1流量調節弁(39a)が閉状態となっている場合、給気側モジュール(40a)から流出した液体吸収剤は、第1熱交換器(34)へは流入せず、熱回収部(36)を通過してから排気側モジュール(40b)へ流入する。この場合、調湿用冷媒回路(30)の圧縮機(31)は停止している。
【0111】
一方、熱回収除湿運転中または熱回収加湿運転中に第1流量調節弁(39a)が開状態となっている場合、給気側モジュール(40a)から流出した液体吸収剤は、その一部が第1熱交換器(34)を通過し、残りが熱回収部(36)を通過する。第1熱交換器(34)を通過した液体吸収剤と、熱回収部(36)を通過した液体吸収剤は、合流後に排気側モジュール(40b)へ流入する。この場合、調湿用冷媒回路(30)の圧縮機(31)は運転している。
【0112】
温度調節装置(10)が冷房運転を行い、湿度調節装置(20)が熱回収除湿運転を行っている状態において、温調用冷媒回路(13)の圧縮機(14)から吐出されて室外熱交換器(17)へ流入した冷媒は、熱回収部(36)を流れる液体吸収剤だけ、又は熱回収部(36)を流れる液体吸収剤と室外空気の両方に対して放熱する。そして、第1流量調節弁(39a)が閉状態の場合、給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、その全てが熱回収部(36)において加熱され、その後に排気側モジュール(40b)へ流入して室外空気へ放湿する。一方、第1流量調節弁(39a)が開状態の場合、給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、その一部が第1熱交換器(34)において加熱され、残りが熱回収部(36)において加熱される。第1熱交換器(34)と熱回収部(36)のそれぞれにおいて加熱された液体吸収剤は、合流した後に排気側モジュール(40b)へ流入して室外へ排出される室内空気へ放湿する。
【0113】
温度調節装置(10)が暖房運転を行い、湿度調節装置(20)が熱回収加湿運転を行っている状態において、温調用冷媒回路(13)の膨張弁(16)を通過する際に減圧されてから室外熱交換器(17)へ流入した冷媒は、熱回収部(36)を流れる液体吸収剤だけ、又は熱回収部(36)を流れる液体吸収剤と室外空気の両方から吸熱する。そして、第1流量調節弁(39a)が閉状態の場合、給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤は、その全てが熱回収部(36)において冷却され、その後に排気側モジュール(40b)へ流入して室外空気から吸湿する。一方、第1流量調節弁(39a)が開状態の場合、給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤は、その一部が第1熱交換器(34)において冷却され、残りが熱回収部(36)において冷却される。第1熱交換器(34)と熱回収部(36)のそれぞれにおいて冷却された液体吸収剤は、合流した後に排気側モジュール(40b)へ流入して室外へ排出される室内空気から吸湿する。
【0114】
このように、本実施形態の空調システム(1)では、冷房運転中の温度調節装置(10)から排出される熱を、湿度調節装置(20)の液体吸収剤を再生してその濃度を上昇させるために利用できる。また、暖房運転中に温調用冷媒回路(13)を流れる低圧冷媒の冷熱を、湿度調節装置(20)の液体吸収剤を冷却して液体吸収剤の吸湿量を増やすために利用できる。従って、本実施形態によれば、熱回収除湿運転中および熱回収加湿運転中の湿度調節装置(20)が消費するエネルギを削減でき、空調システム(1)の運転効率を向上させることができる。
【0115】
−実施形態5の変形例−
図12に示すように、本実施形態の湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)では、第1流量調節弁(39a)と、第2流量調節弁(39b)と、熱回収配管(37)が省略され、熱回収部(36)が給気側モジュール(40a)と第1熱交換器(34)の間に配置されていてもよい。つまり、本変形例の吸収剤回路(23)では、熱回収部(36)と第1熱交換器(34)が直列に配置されている。また、この吸収剤回路(23)では、熱回収部(36)が第1熱交換器(34)の上流側に配置されている。
【0116】
本変形例の湿度調節装置(20)は、除湿運転と加湿運転を選択的に実行する。
【0117】
本変形例の湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)が冷房運転を行っているときに除湿運転を行う。温調用冷媒回路(13)の圧縮機(14)から吐出されて室外熱交換器(17)へ流入した冷媒は、熱回収部(36)を流れる液体吸収剤だけ、又は熱回収部(36)を流れる液体吸収剤と室外空気の両方に対して放熱する。そして、湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)では、給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤が熱回収部(36)において加熱され、続いて第1熱交換器(34)において更に加熱され、その後に排気側モジュール(40b)へ流入して室外へ排出される室内空気へ放湿する。
【0118】
なお、本変形例の湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)の停止中に除湿運転を行うこともできる。この場合、給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、熱回収部(36)において加熱されることなく第1熱交換器(34)へ流入し、第1熱交換器(34)で加熱されてから排気側モジュール(40b)へ流入する。
【0119】
本変形例の湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)が暖房運転を行っているときに加湿運転を行う。温調用冷媒回路(13)において室外熱交換器(17)へ流入した冷媒は、熱回収部(36)を流れる液体吸収剤だけ、又は熱回収部(36)を流れる液体吸収剤と室外空気の両方から吸熱する。そして、湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)では、給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤が熱回収部(36)において冷却され、続いて第1熱交換器(34)において更に冷却され、その後に排気側モジュール(40b)へ流入して室外へ排出される室内空気から吸湿する。
【0120】
なお、本変形例の湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)の停止中に加湿運転を行うこともできる。この場合、給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤は、熱回収部(36)において冷却されることなく第1熱交換器(34)へ流入し、第1熱交換器(34)で冷却されてから排気側モジュール(40b)へ流入する。
【0121】
《発明の実施形態6》
本発明の実施形態6について説明する。本実施形態の空調システム(1)は、実施形態3の空調システム(1)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の空調システム(1)について、実施形態3と異なる点を説明する。
【0122】
図13に示すように、本実施形態の湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)には、三方弁(38)と、熱回収配管(37)と、熱回収部(36)とが追加されている。三方弁(38)は、吸収剤回路(23)における給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)の間に配置されている。この三方弁(38)は、第1のポートが給気側モジュール(40a)に接続され、第2のポートが排気側モジュール(40b)に接続されている。熱回収配管(37)は、一端が三方弁(38)の第3のポートに接続され、他端が吸収剤回路(23)における三方弁(38)と排気側モジュール(40b)の間に接続されている。熱回収部(36)は、熱回収配管(37)の途中に配置されている。
【0123】
三方弁(38)は、第1のポートが第2のポートと連通して第3のポートから遮断される第1状態と、第1のポートが第3のポートと連通して第2のポートから遮断される第2状態とに切り換わる。熱回収部(36)は、温度調節装置(10)の室外熱交換器(17)に設けられており、液体吸収剤を温調用冷媒回路(13)の冷媒と熱交換させる。
【0124】
−湿度調節装置の運転動作−
本実施形態の湿度調節装置(20)は、除湿運転と加湿運転を選択的に実行する。
【0125】
本実施形態の湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)が冷房運転を行っているときに除湿運転を行う。温調用冷媒回路(13)の圧縮機(14)から吐出されて室外熱交換器(17)へ流入した冷媒は、熱回収部(36)を流れる液体吸収剤だけ、又は熱回収部(36)を流れる液体吸収剤と室外空気の両方に対して放熱する。そして、湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)では、給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤が熱回収部(36)において加熱され、その後に排気側モジュール(40b)へ流入する。排気モジュールへ流入した液体吸収剤は、室外へ排出される室内空気へ放湿すると同時に、伝熱部材(46b)を流れる冷媒によって加熱される。
【0126】
なお、本実施形態の湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)の停止中に除湿運転を行うこともできる。この場合、給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、熱回収部(36)において加熱されることなく排気側モジュール(40b)へ流入する。
【0127】
本実施形態の湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)が暖房運転を行っているときに加湿運転を行う。温調用冷媒回路(13)において室外熱交換器(17)へ流入した冷媒は、熱回収部(36)を流れる液体吸収剤だけ、又は熱回収部(36)を流れる液体吸収剤と室外空気の両方から吸熱する。そして、湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)では、給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤が熱回収部(36)において冷却され、その後に排気側モジュール(40b)へ流入する。排気モジュールへ流入した液体吸収剤は、室外へ排出される室内空気から吸湿すると同時に、伝熱部材(46b)を流れる冷媒によって冷却される。
【0128】
なお、本実施形態の湿度調節装置(20)は、温度調節装置(10)の停止中に加湿運転を行うこともできる。この場合、給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤は、熱回収部(36)において冷却されることなく排気側モジュール(40b)へ流入する。
【0129】
《発明の実施形態7》
本発明の実施形態7について説明する。本実施形態の空調システム(1)は、実施形態3の空調システム(1)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の空調システム(1)について、実施形態3と異なる点を説明する。
【0130】
図14に示すように、本実施形態の温度調節装置(10)では、室内機(12)が省略され、室内熱交換器(18)が湿度調節装置(20)の給気通路(21)に配置されている。また、給気通路(21)において、室内熱交換器(18)は、給気側モジュール(40a)の下流側に配置されている。
【0131】
温度調節装置(10)が冷房運転を行い、湿度調節装置(20)が除湿運転を行っている状態において、給気通路(21)へ吸い込まれた室外空気は、給気側モジュール(40a)を通過する際に除湿され、その後に室内熱交換器(18)を通過する際に冷却される。従って、室内熱交換器(18)において冷却される空気は、給気側モジュール(40a)において既に除湿されて絶対湿度が低くなっている。このため、蒸発器として機能する室内熱交換器(18)では、生成するドレン水の量が少なくなり、また、場合によってはドレン水が全く生成しなくなる。
【0132】
一方、温度調節装置(10)が暖房運転を行い、湿度調節装置(20)が加湿運転を行っている状態において、給気通路(21)へ吸い込まれた室外空気は、給気側モジュール(40a)を通過する際に加湿され、その後に室内熱交換器(18)を通過する際に加熱される。
【0133】
《発明の実施形態8》
本発明の実施形態8について説明する。本実施形態の空調システム(1)は、実施形態3の空調システム(1)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の空調システム(1)について、実施形態3と異なる点を説明する。
【0134】
図15に示すように、本実施形態の温度調節装置(10)では、室外熱交換器(17)が湿度調節装置(20)の排気通路(22)に配置されている。また、排気通路(22)において、室外熱交換器(17)は、排気側モジュール(40b)の下流側に配置されている。
【0135】
温度調節装置(10)が冷房運転を行い、湿度調節装置(20)が除湿運転を行っている状態において、排気通路(22)へ吸い込まれた室内空気は、排気側モジュール(40b)を通過する際に加湿され、その後に室外熱交換器(17)を通過する際に加熱される。
【0136】
一方、温度調節装置(10)が暖房運転を行い、湿度調節装置(20)が加湿運転を行っている状態において、排気通路(22)へ吸い込まれた室内空気は、排気側モジュール(40b)を通過する際に水蒸気を奪われ、その後に室外熱交換器(17)を通過する際に熱を奪われる。従って、室外熱交換器(17)において冷却される空気は、排気側モジュール(40b)において既に除湿されて絶対湿度が低くなっている。このため、蒸発器として機能する室外熱交換器(17)では、そこに付着する霜の量が少なくなり、また、場合によっては霜が全く付着しなくなる。また、この状態において、室外熱交換器(17)では、温調用冷媒回路(13)の冷媒が、室外へ排出される室内空気から吸熱する。従って、室外へ排出される室内空気の温熱を回収して室内の暖房に利用することができる。
【0137】
《その他の実施形態》
実施形態1〜6の空調システム(1)では、湿度調節装置(20)が室外ユニット(26)と室内ユニット(27)を備えていてもよい。ここでは、本変形例を実施形態4の空調システム(1)に適用したものについて、図16を参照しながら説明する。
【0138】
本変形例の湿度調湿装置において、室外ユニット(26)は室外に配置されている。室外ユニット(26)には、排気側モジュール(40b)とポンプ(24)とが設けられている。また、図示しないが、室外ユニット(26)には、排気側モジュール(40b)へ室外空気を供給する室外ファンが設けられている。室外ユニット(26)は、吸い込んだ室外空気を排気側モジュール(40b)へ供給し、排気側モジュール(40b)を通過した室外空気を室外へ送り返す。
【0139】
また、本変形例の湿度調湿装置において、室内ユニット(27)は室内に配置されている。室内ユニット(27)には、給気側モジュール(40a)が設けられている。また、図示しないが、室内ユニット(27)には、給気側モジュール(40a)へ室内空気を供給する室内ファンが設けられている。室内ユニット(27)は、吸い込んだ室内空気を給気側モジュール(40a)へ供給し、給気側モジュール(40a)を通過した室内空気を室内へ送り返す。
【産業上の利用可能性】
【0140】
以上説明したように、本発明は、液体吸収剤を用いて空気の除湿または加湿を行う湿度調節装置を備えた空調システムについて有用である。
【符号の説明】
【0141】
1 空調システム
10 温度調節装置
13 温調用冷媒回路
17 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
18 室内熱交換器(利用側熱交換器)
20 湿度調節装置
23 吸収剤回路
30 調湿用冷媒回路
40 調湿用モジュール
62 透湿膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却し又は加熱した空気を室内へ供給する温度調節装置(10)と、除湿し又は加湿した空気を室内へ供給する湿度調節装置(20)とを備えた空調システムであって、
上記湿度調節装置(20)は、
液体吸収剤は透過させずに水蒸気を透過させる透湿膜(62)を有し、上記液体吸収剤と空気が上記透湿膜(62)を介して水蒸気の授受を行う二つの調湿用モジュール(40)と、
上記二つの調湿用モジュール(40)のうちの一方において液体吸収剤が空気から吸湿し、他方において液体吸収剤が空気へ放湿するように、上記二つの調湿用モジュール(40)の間で液体吸収剤を循環させる吸収剤回路(23)とを備えている
ことを特徴とする空調システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記湿度調節装置(20)は、
冷媒を循環させて冷凍サイクルを行い、一方の上記調湿用モジュール(40)において空気から吸湿する液体吸収剤を冷媒によって冷却し、他方の上記調湿用モジュール(40)において空気へ放湿する液体吸収剤を冷媒によって加熱する調湿用冷媒回路(30)を備えている
ことを特徴とする空調システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記温度調節装置(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う温調用冷媒回路(13)を備え、該温調用冷媒回路(13)の冷媒によって冷却した空気を室内へ供給する冷房運転を少なくとも行う一方、
上記温度調節装置(10)の冷房運転中において、上記湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)は、上記調湿用モジュール(40)において空気へ放湿する液体吸収剤を上記温調用冷媒回路(13)の冷媒によって加熱可能となっている
ことを特徴とする空調システム。
【請求項4】
請求項1又は2において、
上記温度調節装置(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う温調用冷媒回路(13)を備え、該温調用冷媒回路(13)の冷媒によって加熱した空気を室内へ供給する暖房運転を少なくとも行う一方、
上記温度調節装置(10)の暖房運転中において、上記湿度調節装置(20)の吸収剤回路(23)は、上記調湿用モジュール(40)において空気から吸湿する液体吸収剤を上記温調用冷媒回路(13)の冷媒によって冷却可能となっている
ことを特徴とする空調システム。
【請求項5】
請求項1又は2において、
上記温度調節装置(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う温調用冷媒回路(13)を備え、該温調用冷媒回路(13)の冷媒によって冷却した空気を室内へ供給する冷房運転を少なくとも行い、
上記湿度調節装置(20)は、上記二つの調湿用モジュール(40)のうちの一方において除湿した空気を室内へ供給し、他方において加湿した空気を室外へ排出する除湿運転を少なくとも行う一方、
上記温調用冷媒回路(13)には、上記温度調節装置(10)の冷房運転中に蒸発器として機能し、除湿運転中の上記湿度調節装置(20)が除湿した空気を冷媒と熱交換させる利用側熱交換器(18)が設けられている
ことを特徴とする空調システム。
【請求項6】
請求項1又は2において、
上記温度調節装置(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う温調用冷媒回路(13)を備え、該温調用冷媒回路(13)の冷媒によって加熱した空気を室内へ供給する暖房運転を少なくとも行い、
上記湿度調節装置(20)は、上記二つの調湿用モジュール(40)のうちの一方において除湿した空気を室外へ排出し、他方において加湿した空気を室内へ供給する加湿運転を少なくとも行う一方、
上記温調用冷媒回路(13)には、上記温度調節装置(10)の暖房運転中に蒸発器として機能し、加湿運転中の上記湿度調節装置(20)が除湿した空気を冷媒と熱交換させる熱源側熱交換器(17)が設けられている
ことを特徴とする空調システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−64549(P2013−64549A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203657(P2011−203657)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】