説明

窒素含有排水の処理装置および方法

【課題】窒素濃度が高い高濃度窒素含有排水と、窒素濃度が低い低濃度窒素含有排水とを、混合処理、または分離処理することによって、硝化脱窒処理を行なうとともに、硝化液循環ポンプを低動力化できる窒素含有排水の処理装置および方法を提供する。
【解決手段】前段硝化脱窒部20と後段硝化脱窒部30を直列に配する有機性排水処理系10を備え、固液分離槽をなす後段硝化脱窒部30の好気的処理槽33から前段硝化脱窒部20へ濃縮汚泥を返送する返送経路40を有し、前段硝化脱窒部20は、好気的処理槽23から嫌気的処理槽21へ槽内混合液を供給する第1の循環経路25を有し、後段硝化脱窒部30は、第1の窒素含有排水よりも供給水量が大きく、かつ窒素濃度が低い第2の窒素含有排水を嫌気的処理槽31に供給する第2の原水供給経路34と、好気的処理槽33から嫌気的処理槽31へ槽内混合液を供給する第2の循環経路35を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素含有排水の処理装置および方法に関し、循環ポンプの低動力化を図る技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、窒素を含む排水を硝化脱窒処理する方法として、例えば特許文献1に記載するものがある。これは、高濃度有機性廃水と低濃度有機性廃水とを生物処理する方法において、高濃度有機性廃水を酸発酵処理し、この発酵処理水と低濃度有機性廃水の一部とを混合してメタン発酵処理し、このメタン発酵処理水を残りの低濃度有機性廃水と混合して生物学的処理するものである。
【0003】
あるいは、特許文献2では、複数の嫌気性生物処理ゾーンと好気性生物処理ゾーンとを流れの方向に交互に配列し、処理対象の廃水は先頭を含む複数の嫌気性生物処理ゾーンにステップ供給して順次に下流ゾーンへ流通させる。廃水中の窒素化合物を生物処理した後に、処理後の流出液を固液分離装置に導いて汚泥を分離し、分離された汚泥を処理装置の先頭の嫌気性生物処理に返送する。
【0004】
また、窒素を含む排水を硝化脱窒処理する方法として、図5に示すように、排水1を嫌気槽2、好気槽3へこの順序で通過させ、好気槽3の槽内混合液を硝化液として嫌気槽2に循環経路4を通して循環させ、好気槽3の処理水を膜分離槽または沈殿池5において固液分離し、濃縮汚泥を返送汚泥として嫌気槽2に返送経路6を通して返送するものがある。この方法において、嫌気槽2では脱窒反応が起こり、好気槽3では硝化反応が起こり、排水が嫌気槽2および好気槽3を循環する間に硝化脱窒反応が進行する。
【0005】
この硝化脱窒反応の進行は、窒素負荷と循環量比で決定される。原水供給量に対する硝化液循環量の比、すなわち循環量比は次式で決定できる。
n=a(1+d+r)/(1−a)‥‥‥(1)式
ここで、n:循環量比
d:希釈水量比(下水の場合は通常0)
r:返送汚泥比(下水の場合は通常0.5)
a:窒素除去率
例えば、高濃度窒素含有排水(水量160m/d、NH−N 3000mg/L)と低濃度窒素含有排水(水量5000m/d、NH−N 150mg/L)を混合して処理する場合に、処理対象の混合排液は水量5160m/d、NH−N 238mg/Lとなる。この混合排液を目標値T−N 15mg/L、窒素除去率a=1−15/238≒0.937として処理する場合に、希釈水量比d=0、返送汚泥比r=0.5として窒素除去に必要な循環量比を(1)式で求めると、n=22.3となり、排水量5160m/dの22.3倍となる115068m/dの硝化液循環量が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許2520795号公報
【特許文献2】特開平11−244891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、硝化脱窒処理を正常に行なえる硝化液循環量の適性範囲は、窒素の除去率により決定され、硝化液循環量は高濃度窒素含有排水と低濃度窒素含有排水との混合後の窒素濃度に大きく依存する。このため、混合排液の窒素濃度が高くなれば循環量と放流水質との比である窒素除去率は増大し、脱窒・硝化反応を正常に起こす槽内環境を作り出すための硝化液循環量が増加し、その結果として、循環流を生み出すためのエネルギーがより多く必要となる。すなわち、処理水量が少量で窒素濃度が高い高濃度窒素含有排水と処理水量が多量で窒素濃度が低い低濃度窒素含有排水とを混合すると、窒素濃度が高い高濃度窒素含有排水の側から見て窒素濃度の負荷が低下するものの、処理水量が増加することになって硝化脱窒処理を適性に行なうのに必要な硝化液循環量が増加し、窒素濃度が低い低濃度窒素含有排水の側から見て処理水量の増加は僅かでも窒素濃度の負荷が増加することになって硝化脱窒処理を適性に行なうのに必要な硝化液循環量が増加する。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するものであり、窒素濃度が高い高濃度窒素含有排水と、この高濃度窒素含有排水の水量と比較して、その水量が多量で、窒素濃度が低い低濃度窒素含有排水とを硝化脱窒処理する際に、硝化液循環ポンプを低動力化できる窒素含有排水の処理装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の窒素含有排水の処理装置は、前段硝化脱窒部と後段硝化脱窒部とが直列に配置された有機性排水処理系を備え、有機性排水処理系は、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部のそれぞれにおいて上流側の嫌気的処理槽と下流側の好気的処理槽とが直列に配置され、後段硝化脱窒部または後段硝化脱窒部の下流側に固液分離槽が配置され、固液分離槽から前段硝化脱窒部へ濃縮汚泥を返送する返送経路を有し、前段硝化脱窒部は、第1の窒素含有排水を嫌気的処理槽に供給する第1の原水供給経路と、好気的処理槽から嫌気的処理槽へ槽内混合液を供給する第1の循環経路を有し、後段硝化脱窒部は、第1の窒素含有排水よりも供給水量が大きく、かつ第1の窒素含有排水よりも窒素濃度が低い第2の窒素含有排水を嫌気的処理槽に供給する第2の原水供給経路と、好気的処理槽から嫌気的処理槽へ槽内混合液を供給する第2の循環経路を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の窒素含有排水の処理装置において、後段硝化脱窒部の下流側に配置する固液分離槽は、沈殿槽または、膜分離装置を浸漬配置した膜分離槽であることを特徴とする。
本発明の窒素含有排水の処理装置において、後段硝化脱窒部に配置する固液分離槽は、膜分離装置を浸漬配置した好気的処理槽であることを特徴とする。
【0011】
本発明の窒素含有排水の処理装置において、返送経路は、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部の各嫌気的処理槽に濃縮汚泥を返送することを特徴とする。
本発明の窒素含有排水の処理装置において、第1の原水供給経路は、有機性排水処理系内に供給する第1の窒素含有排水として、有機性廃棄物または有機性排水をメタン発酵処理するメタン発酵槽の消化液を供給することを特徴とする。
【0012】
本発明の窒素含有排水処理方法は、前段硝化脱窒部と後段硝化脱窒部とが直列に配置され、前段硝化脱窒部と後段硝化脱窒部のそれぞれに、上流側の嫌気的処理槽と下流側の好気的処理槽とが直列に配置された有機性排水処理系において、第1の窒素含有排水を前段硝化脱窒部の嫌気的処理槽に供給し、第1の窒素含有排水の窒素濃度に対して低濃度の窒素濃度である第2の窒素含有排水を、第1の窒素含有排水よりも大流量で後段硝化脱窒部の嫌気的処理槽へ供給し、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部の各部内で好気的処理槽から嫌気的処理槽へ槽内混合液を供給し、後段硝化脱窒部に配置された固液分離槽または後段硝化脱窒部の下流側に配置された固液分離槽から前段硝化脱窒部へ濃縮汚泥を返送することを特徴とする。
【0013】
本発明の窒素含有排水の処理方法において、濃縮汚泥は、後段硝化脱窒部の下流側に配置された固液分離槽をなす沈殿槽または、後段硝化脱窒部の下流側に配置された固液分離槽をなす膜分離装置を浸漬配置した膜分離槽から前段硝化脱窒部の嫌気的処理槽へ返送することを特徴とする。
【0014】
本発明の窒素含有排水の処理方法において、濃縮汚泥は、後段硝化脱窒部に配置された固液分離槽をなす膜分離装置を浸漬配置した好気的処理槽から前段硝化脱窒部の嫌気的処理槽へ返送することを特徴とする。
【0015】
本発明の窒素含有排水の処理方法において、濃縮汚泥は、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部の各嫌気的処理槽に返送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明によれば、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部のそれぞれの硝化液循環量を各段での硝化脱窒処理に必要な量に個々に設定し、硝化液循環流を生み出すために必要なエネルギーを低減できる。
【0017】
また、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部において、それぞれの硝化液循環量に見合ったポンプを使用できるので、大型ポンプの使用を回避して容量のより小さい小型ポンプを使用することで設備コストを低減できる。
【0018】
後段硝化脱窒部に配置された固液分離槽または後段硝化脱窒部の下流側に配置された固液分離槽から前段硝化脱窒部へ濃縮汚泥を返送することで、窒素濃度が低濃度である第2の窒素含有排水を処理する後段硝化脱窒部で適度に飢餓状態となった汚泥が、高濃度に濃縮された状態で、高濃度の窒素濃度である第1の窒素含有排水を処理する前段硝化脱窒部へ流入するので、前段硝化脱窒部における汚泥活性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の硝化脱窒処理装置を示すブロック図
【図2】本発明の他の硝化脱窒処理装置を示すブロック図
【図3】本発明の他の硝化脱窒処理装置を示すブロック図
【図4】本発明の他の硝化脱窒処理装置を示すブロック図
【図5】従来の硝化脱窒処理装置を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、有機性排水処理系10は、前段硝化脱窒部20と後段硝化脱窒部30を直列に配している。
前段硝化脱窒部20は、上流側に位置する嫌気的処理槽としての第1槽の無酸素槽21および第2槽の嫌気槽22と、下流側に位置する好気的処理槽としての第3槽の好気槽23を直列に配しており、第1の窒素含有排水である高濃度窒素含有排水を無酸素槽21に供給する第1の原水供給経路24と、好気槽23から無酸素槽21へ槽内混合液を供給する第1の循環経路25を有している。嫌気槽22は攪拌装置221を有し、好気槽23は散気装置231を有し、第1の循環経路25は循環ポンプ251を有している。
【0021】
後段硝化脱窒部30は、上流側に位置する嫌気的処理槽としての第4槽の無酸素槽31および第5槽の嫌気槽32と、下流側に位置する好気的処理槽としての第6槽の好気槽33を直列に配しており、第2の窒素含有排水である低濃度窒素含有排水を無酸素槽31に供給する第2の原水供給経路34と、好気槽33から無酸素槽31へ槽内混合液を供給する第2の循環経路35を有している。嫌気槽32は攪拌装置321を有し、好気槽33は散気装置331および膜分離装置332を有して膜分離槽を兼ねるものであり、第2の循環経路35は循環ポンプ351を有している。
【0022】
有機性排水処理系10は固液分離槽、ここでは第6槽の好気槽33から第1槽の無酸素槽21へ濃縮汚泥を返送汚泥として返送する返送経路40を有しており、返送経路40は後段硝化脱窒部30の第4槽の無酸素槽31へも濃縮汚泥を返送する。
【0023】
前段硝化脱窒部20の第1の原水供給経路24から有機性排水処理系10に第1の窒素含有排水である高濃度窒素含有排水を供給し、後段硝化脱窒部30の第2の原水供給経路34から有機性排水処理系10に、第2の窒素含有排水として第1の窒素含有排水の窒素濃度に対して低濃度の窒素濃度を有する低濃度窒素含有排水を第1の窒素含有排水を供給する。
【0024】
ここで、第2の窒素含有排水はその発生量が第1の窒素含有排水の発生量よりも大きく、第2の窒素含有排水の供給量は第1の窒素含有排水の供給量よりも大きい。
本実施の形態において、第1の窒素含有排水である高濃度窒素含有排水は以下の処理を行なったものである。すなわち、生ごみ、畜産糞尿と畜場排水、し尿などの有機性廃棄物または有機性排水500を前処理装置501で処理し、その前処理した原液をメタン発酵槽502でメタン発酵処理し、その消化液を膜分離槽503で膜分離した膜透過液である。
【0025】
メタン発酵槽502で発生するバイオガス504はガス利用し、メタン発酵余剰汚泥505は液肥として利用する。
第1の窒素含有排水は、その窒素濃度がNH−N濃度で3000mg/Lであり、有機性排水処理系10に流入する処理対象水の全水量に対して3%の供給水量、ここでは160m/dの水量設定で供給する。前段硝化脱窒部20における硝化脱窒処理の目標T−Nは150mg/Lである。
【0026】
第2の窒素含有排水である低濃度窒素含有排水は、下水、生活排水などで、その窒素濃度がNH−N濃度で150mg/Lであり、有機性排水処理系10に流入する処理対象水の全水量に対して97%の供給水量、ここでは5000m/dの水量設定で供給する。後段硝化脱窒部30における硝化脱窒処理の目標T−Nは15mg/Lである。
【0027】
ここで、希釈水量比を0、返送汚泥比を0.5とし、上述した(1)式に基づいて前段硝化脱窒部20における循環比および硝化液循環量を求める。
除去率a=1−(150/3000)=0.95
循環比n=095×(1+0+0.5)/(1−0.95)=28.5
硝化液循環量=160m/d×28.5=4560m/d
同様にして、後段硝化脱窒部30における循環比および硝化液循環量を求める。ここで投入負荷量は、前段硝化脱窒部20から流入する被処理水(第1の窒素含有排水160m/dと返送汚泥80m/d)が実質的に増加するので、1.05として計算する。
【0028】
除去率a=1−(15/150)=0.9
循環比n=090(1.05+0+0.5)/(1−0.90)=13.95
硝化液循環量=5000m/d×13.95=69750m/d
よって、合計の硝化液循環量は74310m/dとなり、高濃度窒素含有排水である第1の窒素含有排水と低濃度窒素含有排水である第2の窒素含有排水を混合して処理する場合の115068m/dに較べて硝化液循環量を大幅に低減することができる。
【0029】
本実施の形態では、前段硝化脱窒部20および後段硝化脱窒部30に無酸素槽21、31を設けて、前段硝化脱窒部20の無酸素槽21に高濃度窒素含有排水および返送汚泥を供給し、後段硝化脱窒部30の無酸素槽31に低濃度窒素含有排水および返送汚泥を供給するので、脱窒性能を向上させることができる。また、嫌気槽22、32へ流入する溶存酸素や結合酸素の流入量を低減させることができるので、脱リンを促進できる。
【0030】
また、無酸素槽21、31の無酸素状態を維持して脱窒反応を継続的に行なうために、無酸素槽21、31の汚泥濃度、ORPをモニターして返送汚泥の汚泥量およびその割り振りを制御することも可能である。
【0031】
本発明は他の構成においても実現することができ、以下に他の実施の形態を示す。先の実施の形態と同様の構成要素には同符号を付してその説明を省略する。
図2に示すように、前段硝化脱窒部20および後段硝化脱窒部30において、嫌気槽22,32、無酸素槽21、31、好気槽23、33をこの順序で直列に配置し、前段硝化脱窒部20の嫌気槽22に高濃度窒素含有排水および返送汚泥を供給し、後段硝化脱窒部30の嫌気32に低濃度窒素含有排水および返送汚泥を供給し、好気槽23、33から無酸素槽21、31へ第1の循環経路25または第2の循環経路35を設けることも可能である。
【0032】
また、図3に示すように、前段硝化脱窒部20および後段硝化脱窒部30における無酸素槽21、31がなく、有機性排水処理系2の固液分離槽として、後段硝化脱窒部30の下流側に沈殿槽50を配置するものであり、沈殿槽50に代えて膜分離装置を浸漬配置した膜分離槽を配置することも可能である。さらに、図4に示すように、返送経路40によって返送汚泥を前段硝化脱窒部20にのみ供給することも可能である。
【符号の説明】
【0033】
10 有機性排水処理系
20 前段硝化脱窒部
30 後段硝化脱窒部
40 返送経路
21、31 無酸素槽
22、32 嫌気槽
23、33 好気槽
24、34 原水供給経路
25、35 循環経路
221、321 攪拌装置
231、331 散気装置
232、332 膜分離装置
251、351 循環ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段硝化脱窒部と後段硝化脱窒部とが直列に配置された有機性排水処理系を備え、
有機性排水処理系は、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部のそれぞれにおいて上流側の嫌気的処理槽と下流側の好気的処理槽とが直列に配置され、後段硝化脱窒部または後段硝化脱窒部の下流側に固液分離槽が配置され、固液分離槽から前段硝化脱窒部へ濃縮汚泥を返送する返送経路を有し、
前段硝化脱窒部は、第1の窒素含有排水を嫌気的処理槽に供給する第1の原水供給経路と、好気的処理槽から嫌気的処理槽へ槽内混合液を供給する第1の循環経路を有し、
後段硝化脱窒部は、第1の窒素含有排水よりも供給水量が大きく、かつ第1の窒素含有排水よりも窒素濃度が低い第2の窒素含有排水を嫌気的処理槽に供給する第2の原水供給経路と、好気的処理槽から嫌気的処理槽へ槽内混合液を供給する第2の循環経路を有することを特徴とする窒素含有排水処理装置。
【請求項2】
後段硝化脱窒部の下流側に配置する固液分離槽は、沈殿槽または、膜分離装置を浸漬配置した膜分離槽であることを特徴とする請求項1に記載の窒素含有排水処理装置。
【請求項3】
後段硝化脱窒部に配置する固液分離槽は、膜分離装置を浸漬配置した好気的処理槽であることを特徴とする請求項1に記載の窒素含有排水処理装置。
【請求項4】
返送経路は、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部の各嫌気的処理槽に濃縮汚泥を返送することを特徴とする請求項1に記載の窒素含有排水処理装置。
【請求項5】
第1の原水供給経路は、有機性排水処理系内に供給する第1の窒素含有排水として、有機性廃棄物または有機性排水をメタン発酵処理するメタン発酵槽の消化液を供給することを特徴とする請求項1に記載の窒素含有排水処理装置。
【請求項6】
前段硝化脱窒部と後段硝化脱窒部とが直列に配置され、前段硝化脱窒部と後段硝化脱窒部のそれぞれに、上流側の嫌気的処理槽と下流側の好気的処理槽とが直列に配置された有機性排水処理系において、
第1の窒素含有排水を前段硝化脱窒部の嫌気的処理槽に供給し、第1の窒素含有排水の窒素濃度に対して低濃度の窒素濃度である第2の窒素含有排水を、第1の窒素含有排水よりも大流量で後段硝化脱窒部の嫌気的処理槽へ供給し、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部の各部内で好気的処理槽から嫌気的処理槽へ槽内混合液を供給し、後段硝化脱窒部に配置された固液分離槽または後段硝化脱窒部の下流側に配置された固液分離槽から前段硝化脱窒部へ濃縮汚泥を返送することを特徴とする窒素含有排水処理方法。
【請求項7】
濃縮汚泥は、後段硝化脱窒部の下流側に配置された固液分離槽をなす沈殿槽または、後段硝化脱窒部の下流側に配置された固液分離槽をなす膜分離装置を浸漬配置した膜分離槽から前段硝化脱窒部の嫌気的処理槽へ返送することを特徴とする請求項6に記載の窒素含有排水処理方法。
【請求項8】
濃縮汚泥は、後段硝化脱窒部に配置された固液分離槽をなす膜分離装置を浸漬配置した好気的処理槽から前段硝化脱窒部の嫌気的処理槽へ返送することを特徴とする請求項6に記載の窒素含有排水処理方法。
【請求項9】
濃縮汚泥は、前段硝化脱窒部および後段硝化脱窒部の各嫌気的処理槽に返送することを特徴とする請求項6に記載の窒素含有排水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−187488(P2012−187488A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52263(P2011−52263)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】