説明

立体画像制作支援装置、立体画像制作支援方法および立体画像制作支援プログラム

【課題】いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を容易に制作することを可能にする立体画像制作支援装置、立体画像制作支援方法および立体画像制作支援プログラムを提供する。
【解決手段】スクリーン1の形状、視域Psの形状および視域Psとスクリーン1との相対的な位置関係を示す情報が入力部により取得される。取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域Psにおいて観察されるために立体画像を配置すべき領域が詳細配置領域Vとして演算処理部により作成される。作成された詳細配置領域Vを示すデータが演算処理部により生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像の制作を支援する立体画像制作支援装置、立体画像制作支援方法および立体画制作支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
立体画像を提示する種々の立体ディスプレイが開発されている(例えば特許文献1および2参照)。立体ディスプレイでは、一般に、スクリーンの前方または上方等の空間に立体画像が提示される。
【0003】
立体画像は、立体ディスプレイに専用の立体画像制作用ソフトウエアを用いて制作される。立体画像制作用ソフトウエアによって制作された立体画像を提示するための立体画像データが生成される。立体ディスプレイは、立体画像データに基づいて立体画像を空間に提示する。
【0004】
特許文献1および2に記載された立体ディスプレイは、錐体形状の光線制御子を有する。光線制御子は、その錐体形状の底部が基準面上に開口するように配置される。また、複数の走査型プロジェクタが、基準面の下方でかつ光線制御子の外側から複数の光線からなる光線群を光線制御子の外周面にそれぞれ照射するように光線制御子の周囲に配置される。光線制御子は、各走査型プロジェクタにより照射された各光線を周方向において拡散させずに透過させる。それにより、錐体形状の光線制御子の上方および内部に立体画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−32952号公報
【特許文献2】特開2011−48273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
立体画像の提示原理は、立体ディスプレイの構成により異なる。立体画像制作用ソフトウエアを用いて立体画像を制作する場合には、立体ディスプレイの構成および立体画像の提示原理を理解している必要がある。立体ディスプレイの構成および立体画像の提示原理を理解することなく、立体画像を制作した場合、立体ディスプレイにより提示される立体画像の立体視が不安定になり、正しい立体感を得ることができないことがある。また、そもそも制作した立体画像が立体ディスプレイ上に表示されないことがある。
【0007】
近年、種々の構成を有する立体ディスプレイが次々に開発されている。そのため、立体ディスプレイの専門技術者ではない立体画像制作者が、各立体ディスプレイの構成および立体画像の提示原理を理解することは困難である。立体画像を用いたコンテンツを制作するデザイナーまたはアニメータ等の制作者は、立体ディスプレイの専門技術者でない場合が多い。このような制作者にとって、次々に開発される種々の立体ディスプレイの構成および立体画像の提示原理に関する知識をマスターすることは、大きな負担になる。
【0008】
本発明の目的は、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を容易に制作することを可能にする立体画像制作支援装置、立体画像制作支援方法および立体画像制作支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)第1の発明に係る立体画像制作支援装置は、スクリーンを有する立体ディスプレイにより提示されるとともに予め定義された視域において観察可能な立体画像の制作を支援する立体画像制作支援装置であって、スクリーンの形状、視域の形状および視域とスクリーンとの相対的な位置関係を示す情報を取得する取得部と、取得部により取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために立体画像を配置すべき領域を第1の配置領域として作成する作成部と、作成部により作成された第1の配置領域を示すデータを生成する生成部とを備えたものである。
【0010】
この立体画像制作支援装置においては、スクリーンの形状、視域の形状および視域とスクリーンとの相対的な位置関係を示す情報が取得される。取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために立体画像を配置すべき領域が第1の配置領域として作成され、そして作成された第1の配置領域を示すデータが生成される。
【0011】
この場合、生成部により生成されるデータに基づいて、立体画像の制作者に第1の配置領域を認識させることが可能となる。これにより、立体画像の制作者は、立体画像の制作の際に、立体画像を第1の配置領域内に容易に配置することができる。その結果、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を容易に制作することができる。
【0012】
(2)作成部は、スクリーンおよび視域を仮想平面で切断し、仮想平面と視域との交点を特定するとともに、仮想平面とスクリーンとの交線を特定し、交線のうち交点から視認可能な範囲を視認可能線として特定し、交点から視認可能線の一端を通って直線状に延びる第1の線、交点から視認可能線の他端を通って直線状に延びる第2の線、ならびに第1および第2の線に交わる第3の線により囲まれる平面領域を作成し、視認可能線がスクリーンの範囲内で移動するとともに交点が視域の範囲内で移動するように平面領域を掃引し、掃引により平面領域が通過した立体領域を第1の配置領域として作成してもよい。
【0013】
この場合、平面領域の掃引により第1の配置領域を容易に作成することができる。このようにして作成された第1の配置領域内に立体画像が提示されると、観察者はその立体画像を視域上のあらゆる位置から視認可能となる。そのため、立体画像の制作者は、立体画像を第1の配置領域内に配置することにより、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を確実に制作することができる。
【0014】
(3)スクリーンは、上下方向の中心軸を取り囲む形状を有し、視域は中心軸を取り囲むように環状に定義され、作成部は、中心軸を含む仮想平面でスクリーンおよび視域を切断し、仮想平面と視域との交点として、中心軸に関して互いに反対側に位置する第1および第2の交点を特定し、仮想平面とスクリーンとの交線として、1または複数の交線を特定し、1または複数の交線のうち第1の交点から視認可能な範囲を第1の視認可能線として特定し、1または複数の交線のうち第2の交点から視認可能な範囲を第2の視認可能線として特定し、第1の交点から第1の視認可能線の一端を通って直線状に延びる第1の線、第1の交点を通って第1の視認可能線の他端を通って直線状に延びる第2の線、ならびに第1および第2の線に交わる第3の線により囲まれる第1の領域を作成するとともに、第2の交点から第2の視認可能線の一端を通って直線状に延びる第4の線、第2の交点から第2の視認可能線の他端を通って直線状に延びる第5の線、ならびに第4および第5の線に交わる第6の線により囲まれる第2の領域を作成し、第1および第2の領域の重複部分を平面領域として作成し、平面領域を中心軸を中心として回転させることにより平面領域を掃引し、掃引により平面領域が通過した立体領域を第1の配置領域として作成してもよい。
【0015】
この場合、第1および第2の領域の重複部分が平面領域として作成され、平面領域の掃引により第1の配置領域を容易に作成することができる。このようにして作成された第1の配置領域内に立体画像が提示されると、観察者はその立体画像を視域上のあらゆる位置から視認可能となる。そのため、立体画像の制作者は、立体画像を第1の配置領域内に配置することにより、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を確実に制作することができる。
【0016】
また、スクリーンが上下方向の中心軸を取り囲む形状を有し、視域が中心軸を取り囲むように環状に定義される。そのため、複数の観察者がスクリーンを取り囲んで立体画像を観察する場合でも、適切に提示される立体画像を確実に制作することができる。
【0017】
(4)作成部は、平面領域に内接する形状により囲まれた近似領域を作成し、平面領域の掃引により近似形状が通過した立体領域を第2の配置領域として作成し、生成部は、作成部により作成された第2の配置領域を示すデータを生成してもよい。
【0018】
この場合、第2の配置領域は、第1の配置領域内にあるので、立体画像の制作者は、立体画像の制作の際に、立体画像を第2の配置領域内に配置することにより、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を制作することができる。ここで、近似領域は、平面領域に内接する形状により囲まれているので、平面領域よりも単純な形状を有する。したがって、第2の配置領域は、第1の配置領域よりも単純な形状を有する。そのため、立体画像の制作者は、第2の配置領域をより容易に認識することができる。その結果、立体画像の制作者は、立体画像を第2の配置領域内により容易に配置することができる。
【0019】
(5)第2の発明に係る立体画像制作支援方法は、スクリーンを有する立体ディスプレイにより提示されるとともに予め定義された視域において観察可能な立体画像の制作を支援する立体画像制作支援方法であって、スクリーンの形状、視域の形状および視域とスクリーンとの相対的な位置関係を示す情報を取得するステップと、取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために立体画像を配置すべき領域を第1の配置領域として作成するステップと、作成された第1の配置領域を示すデータを生成するステップとを備えたものである。
【0020】
この立体画像制作支援方法においては、スクリーンの形状、視域の形状および視域とスクリーンとの相対的な位置関係を示す情報が取得される。取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために立体画像を配置すべき領域が第1の配置領域として作成される。作成された第1の配置領域を示すデータが生成される。
【0021】
この場合、生成部により生成されるデータに基づいて、立体画像の制作者に第1の配置領域を認識させることが可能となる。これにより、立体画像の制作者は、立体画像の制作の際に、立体画像を第1の配置領域内に容易に配置することができる。その結果、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を容易に制作することができる。
【0022】
(6)第3の発明に係る立体画像制作支援プログラムは、スクリーンを有する立体ディスプレイにより提示されるとともに予め定義された視域において観察可能な立体画像の制作を支援する立体画像制作支援処理をコンピュータにより実行可能なプログラムであって、スクリーンの形状、視域の形状および視域とスクリーンとの相対的な位置関係を示す情報を取得する処理と、取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために立体画像を配置すべき領域を第1の配置領域として作成する処理と、作成された第1の配置領域を示すデータを生成する処理とを、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
この立体画像制作支援プログラムによれば、スクリーンの形状、視域の形状および視域とスクリーンとの相対的な位置関係を示す情報が取得される。取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために立体画像を配置すべき領域が第1の配置領域として作成される。作成された第1の配置領域を示すデータが生成される。
【0024】
この場合、生成部により生成されるデータに基づいて、立体画像の制作者に第1の配置領域を認識させることが可能となる。これにより、立体画像の制作者は、立体画像の制作の際に、立体画像を第1の配置領域内に容易に配置することができる。その結果、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を容易に制作することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を容易に制作することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施の形態に係る立体画像制作支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の立体画像制作支援装置の全体の概略動作を示すフローチャートである。
【図3】平面型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を示すフローチャートである。
【図4】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第1の例を説明するための図である。
【図5】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第1の例を説明するための図である。
【図6】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第1の例を説明するための図である。
【図7】詳細配置領域および近似配置領域の表示の一例を示す図である。
【図8】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第2の例を説明するための図である。
【図9】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第2の例を説明するための図である。
【図10】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第2の例を説明するための図である。
【図11】立体ディスプレイの模式的断面図である。
【図12】図11の立体ディスプレイの模式的平面図である。
【図13】図11および図12の立体ディスプレイに用いられる光線制御子の斜視図である。
【図14】円錐型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を示すフローチャートである。
【図15】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第3の例を説明するための図である。
【図16】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第3の例を説明するための図である。
【図17】図11および図12の立体ディスプレイに用いられる光線制御子の斜視図である。
【図18】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第4の例を説明するための図である。
【図19】詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第4の例を説明するための図である。
【図20】近似配置領域の作成手順の他の例を示す図である。
【図21】円板型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(1)立体画像制作支援装置の全体構成
以下、本発明の一実施の形態に係る立体画像制作支援装置、立体画像制作支援方法および立体画像制作支援プログラムについて図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る立体画像制作支援装置は、立体ディスプレイにより提示される立体画像の制作を支援する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る立体画像制作支援装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、立体画制作支援装置100は、演算処理部110、記憶部120、入力部130および出力部140を含む。
【0029】
記憶部120は、例えばハードディスク等の記憶装置を含む。記憶部120には、立体画像制作支援処理を行う立体画像制作支援プログラムおよび後述する各種情報が記憶される。立体画像制作支援プログラムの詳細は後述する。記憶部120に、3次元モデラ等の外部の立体画像制作ソフトウエアが記憶されてもよい。この場合、立体画像制作支援プログラムが立体画像制作ソフトウエアに組み込まれてもよい。
【0030】
演算処理部110は、例えばCPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)およびRAM(ランダムアクセスメモリ)を含む。ROMにはシステムプログラムが記憶される。CPUは、記憶部120に記憶される立体画像制作支援プログラムをRAM上で実行することにより、立体画像制作支援処理を行う。
【0031】
入力部130は、例えばマウス等のポインティングデバイスおよびキーボードを含む。立体ディスプレイの製造者は、入力部130を用いて後述する情報を予め演算処理部110に入力する。
【0032】
出力部140は、データ出力回路および画像表示装置を含む。この出力部140は、後述する各種データをデータ出力回路から出力するとともに、各種データに基づく画像を画像表示装置に表示する。画像表示装置としては、例えば液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルが用いられる。
【0033】
出力部140は、各種データを例えば外部の立体画像制作装置に出力してもよく、CD(コンパクトディスク)またはDVD(デジタルバーサタイルディスク)等の記憶媒体に出力してもよい。あるいは、出力部140が有線通信または無線通信により各種データを外部の立体画像制作装置に送信してもよい。
【0034】
(2)立体画像制作支援装置の全体の概略動作
図2は、図1の立体画像制作支援装置の全体の概略動作を示すフローチャートである。本実施の形態では、水平視差のみを有する立体ディスプレイを対象とする。
【0035】
立体ディスプレイの製造者は、入力部130を用いてスクリーン情報を予め入力している。スクリーン情報とは、立体ディスプレイのスクリーンの形状および寸法に関する情報である。このスクリーン情報は、スクリーンの複数の部分の位置、特定の部分の形状および寸法等の種々のパラメータで表される。ここで、スクリーンとは、空間に立体画像を提示するための複数の光線を発生する面である。例えば、スクリーンの複数の部分の位置は実世界座標系で表されてもよい。演算処理部110は、入力されたスクリーン情報を取得する(ステップS1)。
【0036】
また、立体ディスプレイの製造者は、入力部130を用いて視域情報を予め入力している。視域情報とは、観察者の想定される視域、およびその視域と立体ディスプレイのスクリーンとの相対的な位置関係を示す情報である。ここで、視域とは、観察者の視点の集合である。例えば、視域が実世界座標系で表されてもよい。あるいは、視域が立体ディスプレイのスクリーンに対する相対的な座標で表されてもよい。演算処理部110は、入力された視域情報を取得する(ステップS2)。
【0037】
次に、演算処理部110は、取得したスクリーン情報および視域情報に基づいて詳細配置領域および近似配置領域を作成する(ステップS3)。ここで、詳細配置領域とは、立体画像の制作者が立体画像制作ソフトウエアまたは立体画像制作装置により立体画像を制作する際に立体画像を配置すべき領域である。詳細配置領域内に立体画像を配置することにより、立体ディスプレイにより立体画像が適切に提示される。それにより、観察者は、適切な立体感を得ることができ、立体画像をどの方向から見ても違和感なく立体視することができる。逆に、詳細配置領域から立体画像の一部または全てがはみ出るように立体画像が配置されると、立体ディスプレイにより立体画像が適切に提示されない。詳細配置領域の作成方法については、後述する。
【0038】
近似配置領域は、詳細配置領域内で詳細配置領域よりも単純な立体形状で表される領域である。近似配置領域の形状は、例えば、球または円柱であるが、これらに限定されない。立体画像の制作者が立体画像制作ソフトウエアまたは立体画像制作装置により立体画像を制作する際に、近似配置領域内に立体画像を配置した場合にも、立体ディスプレイにより立体画像が適切に提示される。
【0039】
その後、演算処理部110は、作成した詳細配置領域の形状および大きさを示す詳細配置領域データを生成するとともに、作成した近似配置領域の形状および大きさを示す近似配置領域データを生成する(ステップS4)。さらに、演算処理部110は、詳細配置領域データおよび近似配置領域データを出力部140に出力する(ステップS5)。それにより、詳細配置領域データに基づいて、画像表示装置に詳細配置領域を示す画像が表示される。また、近似配置領域データに基づいて、画像表示装置に近似配置領域を示す画像が表示される。例えば、記憶部120に立体画像制作用ソフトウエアが記憶されている場合には、立体画像の制作者は、立体画像制作用ソフトウエアを用いて制作する立体画像を画像表示装置に表示された詳細配置領域または近似配置領域の画像内に容易に配置することができる。
【0040】
立体画制作支援プログラムが立体画像制作ソフトウエアに組み込まれている場合には、演算処理部110により生成された詳細配置領域データおよび近似配置領域データが立体画像制作ソフトウエアに与えられる。それにより、立体画像制作ソフトウエアの表示機能を用いて詳細配置領域データに基づく詳細配置領域の画像および近似配置領域データに基づく近似配置領域の画像が画像表示装置に表示される。
【0041】
(3)詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第1の例
第1の例では、平面型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を説明する。図3は、平面型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を示すフローチャートである。図4、図5および図6は、詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第1の例を説明するための図である。以下、図3〜図6を用いて、図2のステップS3における詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を説明する。
【0042】
図4に示すスクリーン1は平面形状を有するとともに矩形の外形を有する。まず、図1の演算処理部110は、ディスプレイ情報に基づいてスクリーン1の形状および寸法を特定するとともに、視域情報に基づいて視域Psの位置および寸法ならびにスクリーン1との相対的な位置関係を特定する。本例では、視域Psは、スクリーン1の前方でスクリーン1の上辺および下辺と平行な一定長さの直線で表される。例えば、演算処理部110は、スクリーン1および視域Psを含む空間の予め定められた点を原点とする座標系において、スクリーン1の4つの頂点および視域Psの両端の座標を特定する。
【0043】
演算処理部110は、視域Psとスクリーン1とを切断する仮想的な平面(以下、仮想平面と呼ぶ)Plを想定する(ステップS11)。本例では、仮想平面Plは、スクリーン1の左右の辺に平行である。この場合、視域Psと仮想平面Plとの交点を視点Peと呼ぶ。また、スクリーン1と仮想平面Plとの交線のうち視点Peから視認可能な範囲を視認可能線1aと呼ぶ。
【0044】
次に、演算処理部110は、視点Peならびに視認可能線1aの上端および下端の位置を算出する(ステップS12)。その後、演算処理部110は、視点Peから視認可能線1aの上端を通って直線状に延びる線L1を特定する。また、演算処理部110は、視点Peから視認可能線1aの下端を通って直線状に延びる線L2を特定する。さらに、演算処理部110は、線L1,L2に交わる任意の線L3を設定する。線L3は直線である。これにより、演算処理部110は、3つの線L1〜L3により構成される三角形Trで囲まれる平面領域A1を作成する(ステップS13)。また、演算処理部110は、三角形Trに内接する内接円Ciで囲まれる近似領域A2を作成する(ステップS14)。本例においては、内接円Ciの中心が視認可能線1a上に配置されるように線L3が設定される。
【0045】
さらに、演算処理部110は、図5に示すように、視点Peを視域Psの一端と他端との間の全範囲で移動させるとともに、視認可能線1aをスクリーン1の左辺と右辺との間の全範囲で移動させることにより、平面領域A1および近似領域A2を視域Psおよびスクリーン1の範囲内で水平方向に掃引する(ステップS15)。
【0046】
最後に、演算処理部110は、図6に示すように、この掃引により平面領域A1が通過した立体領域(空間)を詳細配置領域Vとして特定し、近似領域A2が通過した立体領域(空間)を近似配置領域Vsとして特定する(ステップS16)。
【0047】
演算処理部110は、特定された詳細配置領域Vを示す詳細配置領域データおよび近似配置領域Vsを示す近似配置領域データを生成する。
【0048】
図6においては、詳細配置領域Vがドットパターンで示されている。また、視域Psの一端および他端にそれぞれ視点Peが示されている。詳細配置領域Vは略三角柱となる。また、近似配置領域Vsは略円柱となる。
【0049】
このようにして作成された詳細配置領域V内に立体画像が提示されると、観察者はその立体画像を視域Ps上のあらゆる位置から視認可能となる。そのため、立体画像の制作者は、後述するように、立体画像を詳細配置領域V内に配置することにより、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を確実に制作することができる。
【0050】
近似配置領域Vsは、内接円Ciの中心Pcおよび半径rvにより定まる。三角形Trの3つの角の二等分線の交点が内接円Ciの中心Pcとなる。また、三角形Trの面積を2倍し、三角形Trの周の長さで除算した値が半径rvである。このように、近似配置領域Vsは詳細配置領域Vよりも単純な形状を有する。立体画像の制作者は、内接円Ciの中心Pcおよび半径rvを認識することにより、近似配置領域Vsを容易に認識することができる。
【0051】
図7は、詳細配置領域および近似配置領域の表示の一例を示す図である。本例では、図1の記憶部120に本実施の形態に係る立体画制作支援プログラムとともに立体画像制作ソフトウエアが記憶され、立体画制作支援プログラムが立体画像制作ソフトウエアに組み込まれているものとする。
【0052】
図7に示すように、画像表示装置200の表示画面210には、4つの表示領域211,212,213,214が設けられる。
【0053】
表示領域211には、一方または他方の側面方向から見た立体画像300の制作空間が表示される。表示領域212には、正面方向または背面方向から見た立体画像300の制作空間が表示される。表示領域213には、上面方向または下面方向から見た立体画像300の制作空間が表示される。表示領域214には、任意の斜め方向から見た立体画像300の制作空間が表示される。
【0054】
表示領域211〜214には、立体画制作支援プログラムにより生成された詳細配置領域データおよび近似配置領域データに基づいて詳細配置領域Vおよび近似配置領域Vsの画像が表示される。これにより、立体画像の制作者は、詳細配置領域Vまたは近似配置領域Vs内に容易かつ確実に立体画像300を制作することができる。
【0055】
(4)詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第2の例
第2の例では、湾曲型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細について、第1の例と異なる点を説明する。図8、図9および図10は、詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第2の例を説明するための図である。湾曲型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を示すフローチャートは、図3のフローチャートと同様である。以下、図3および図8〜図10を用いて、図2のステップS3における詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を説明する。
【0056】
図8に示すスクリーン1は、所定の曲率で湾曲された湾曲形状を有するとともに矩形の外形を有する。まず、図1の演算処理部110は、ディスプレイ情報に基づいてスクリーン1の形状および寸法を特定するとともに、視域情報に基づいて視域Psの位置および寸法ならびにスクリーン1との相対的な位置関係を特定する。本例では、スクリーン1の上辺および下辺が湾曲している。例えば、演算処理部110は、スクリーン1の4つの頂点の座標ならびにスクリーン1の上辺および下辺の曲率を特定するとともに、視域Psの両端の座標を特定する。
【0057】
演算処理部110は、仮想平面Plを想定する(ステップS11)。次に、演算処理部110は、視点Peならびに視認可能線1aの上端および下端の位置を算出する(ステップS12)。その後、演算処理部110は、視点Peから視認可能線1aの上端を通って直線状に延びる線L1を特定する。また、演算処理部110は、視点Peから視認可能線1aの下端を通って直線状に延びる線L2を特定する。さらに、演算処理部110は、線L1,L2に交わる任意の線L3を設定する。線L3は直線である。これにより、演算処理部110は、3つの線L1〜L3により構成される三角形Trで囲まれる平面領域A1を作成する(ステップS13)。また、演算処理部110は、三角形Trに内接する内接円Ciで囲まれる近似領域A2を作成する(ステップS14)。本例においては、内接円Ciの中心が視認可能線1a上に配置されるように線L3が設定される。
【0058】
さらに、演算処理部110は、図9に示すように、視点Peを視域Psの一端と他端との間の全範囲で移動させるとともに、視認可能線1aをスクリーン1の左辺と右辺との間の全範囲で移動させることにより、平面領域A1および近似領域A2を視域Psおよびスクリーン1の範囲内で水平方向に掃引する(ステップS15)。
【0059】
最後に、演算処理部110は、図10に示すように、この掃引により平面領域A1が通過した立体領域(空間)を詳細配置領域Vとして特定し、近似領域A2が通過した立体領域(空間)を近似配置領域Vsとして特定する(ステップS16)。図10においては、詳細配置領域Vがドットパターンで示されている。詳細配置領域Vは湾曲した略三角柱となる。また、近似配置領域Vsは湾曲した略円柱となる。
【0060】
演算処理部110は、特定された詳細配置領域Vを示す詳細配置領域データおよび近似配置領域Vsを示す近似配置領域データを生成する。
【0061】
(5)詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第3の例
第3の例として、円錐型スクリーンを有する立体ディスプレイの構成を説明した後、円錐型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細について、第1の例と異なる点を説明する。
【0062】
図11は、立体ディスプレイの模式的断面図である。図12は図11の立体ディスプレイの模式的平面図である。図13は図11および図12の立体ディスプレイに用いられる光線制御子の斜視図である。
【0063】
図11に示すように、立体ディスプレイは、円錐形状の光線制御子RC、複数の走査型プロジェクタ2,・・・,2、制御装置3および記憶装置4により構成される。図11および図12の立体ディスプレイは、テーブル5に設けられる。テーブル5は、天板51および複数の脚52からなる。天板51は円形孔部を有する。
【0064】
図13に示すように、光線制御子RCは、上下方向の軸Zを中心として回転対称な円錐形状を有する。光線制御子RCの底部は開口している。光線制御子RCは、入射した光線が稜線方向Tにおいては拡散して透過しかつ軸Zを中心とする円周方向Rにおいては拡散せずに直進して透過するように形成されている。
【0065】
図11に示すように、光線制御子RCは、底部開口が上方を向くように天板51の円形孔部に嵌め込まれる。テーブル5の周囲にいる観察者10(図12参照)は、テーブル5の周囲を任意に移動してテーブル5の天板51の斜め上方から光線制御子RCの内周面を観察することができる。本例においては、光線制御子RCの内周面がスクリーン1である。また、視域Psは軸Zを中心とする円で表わされる。
【0066】
テーブル5の下方には、複数の走査型プロジェクタ2が光線制御子RCの軸Zを中心とする円周上に配置されている。複数の走査型プロジェクタ2は、光線制御子RCの斜め下方から光線制御子RCの外周面に光線を照射するように設けられる。
【0067】
各走査型プロジェクタ2は、光線を出射するとともにその光線を水平面内および垂直面内で偏向させることができる。それにより、各走査型プロジェクタ2は、光線で光線制御子RCの外周面を走査することができる。ここで、光線とは、拡散しない直線で表される光をいう。
【0068】
記憶装置4は、例えばハードディスクおよびメモリカード等からなる。記憶装置4には、立体画像300を提示するための立体形状データが記憶される。制御装置3は、例えばパーソナルコンピュータからなる。制御装置3は、記憶装置4に記憶される立体形状データに基づいて複数の走査型プロジェクタ2を制御する。それにより、光線制御子RCの上方に立体画像300が提示される。
【0069】
図14は、円錐型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を示すフローチャートである。図15および図16は、詳細配置領域Vおよび近似配置領域Vsの作成手順の第3の例を説明するための図である。以下、図14〜図16を用いて、図2のステップS3における詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を説明する。
【0070】
図15に示すように、図11のテーブル5の天板51と軸Zとの交点を原点Oと定める。まず、図1の演算処理部110は、ディスプレイ情報に基づいてスクリーン1の形状および寸法を特定するとともに、視域情報に基づいて視域Psの位置および寸法ならびにスクリーン1との相対的な位置関係を特定する。演算処理部110は、天板51の上面上におけるスクリーン1の開口の半径sr、原点Oからスクリーン1の頂点Sfまでの深さdc、視域Psの半径crおよび原点Oから視域Psまでの高さchを特定する。
【0071】
演算処理部110は、仮想平面Plを想定する(ステップS21)。本例では、仮想平面Plは、原点Oを通りかつ天板51に垂直である。この場合、仮想平面Plと視域Psとの交点として、軸Zに関して対称な位置に2つの視点Peが特定される。一方および他方の視点Peをそれぞれ視点Pe1,Pe2と呼ぶ。また、仮想平面Plとスクリーン1との交線として、軸Zに関して対称な位置に2つの交線が特定される。2つの交線のうち視点Pe1,Pe2からそれぞれ視認可能な範囲が視認可能線1aとして特定される。演算処理部110は、一方および他方の視認可能線1aをそれぞれ視認可能線1a1,1a2として特定する。
【0072】
さらに、天板51の上面上におけるスクリーン1の上端部であって、視点Pe1から最も遠い位置にある上端部を端部Smと呼び、視点Pe1から最も近い位置にある上端部を端部Snと呼ぶ。端部Smは視点Pe2から最も近い位置にある上端部であり、端部Snは視点Pe2から最も遠い位置にある上端部である。
【0073】
次に、演算処理部110は、視点Pe1,Pe2ならびに視認可能線1a1,1a2の上端および下端の位置を算出する(ステップS22)。ここで、視点Pe1からスクリーン1の上端である端部Smを視認することが可能である。そのため、端部Smが視認可能線1a1の上端となる。
【0074】
一方、スクリーン1の手前の部分で遮られることにより、視点Pe1からスクリーン1の下端である頂点Sfを視認することは不可能である場合がある。そのため、視点Pe1からスクリーン1の頂点Sfを視認できない場合には、視点Pe1および端部Snを通る直線が視認可能線1a1と交差する点Sgが視認可能線1a1の下端となる。一方、視点Pe1からスクリーン1の頂点Sfを視認できる場合には、頂点Sfが視認可能線1a1の下端となる。
【0075】
同様に、端部Snが視認可能線1a2の上端となる。視点Pe2からスクリーン1の頂点Sfを視認できない場合には、視点Pe2および端部Snを通る直線が視認可能線1a2と交差する点Shが視認可能線1a2の下端となる。一方、視点Pe2からスクリーン1の頂点Sfを視認できる場合には、頂点Sfが視認可能線1a2の下端となる。
【0076】
その後、演算処理部110は、視点Pe1から視認可能線1a1の上端を通って直線状に延びる線L1を特定する。また、演算処理部110は、視点Pe1から視認可能線1aの下端を通って直線状に延びる線L2を特定する。さらに、演算処理部110は、線L1,L2に交わる任意の線L3を設定する。同様に、演算処理部110は、視点Pe2から視認可能線1a2の上端を通って直線状に延びる線L4を特定する。また、演算処理部110は、視点Pe2から視認可能線1a2の下端を通って直線状に延びる線L5を特定する。さらに、演算処理部110は、線L4,L5に交わる任意の線L6を設定する。これにより、演算処理部110は、3つの線L1〜L3により構成される三角形Tr1で囲まれる第1の領域A11を作成するとともに、3つの線L4〜L6により構成される三角形Tr2で囲まれる第2の領域A12を作成する(ステップS23)。本例においては、視認可能線1a1上に重なるように線L3が設定され、視認可能線1a2上に重なるように線L6が設定される。
【0077】
また、第1および第2の領域A11,A12の重複部分を平面領域A1として作成する(ステップS24)。三角形Tr1,Tr2と軸Zとが交差する2つの点を点Nt,Nbとすると、点Nt,Nbおよび端部Sm,Snを頂点とする四角形Quで囲まれる領域が平面領域A1となる。
【0078】
また、演算処理部110は、平面領域A1を囲む四角形Quに内接する内接円Ciで囲まれる近似領域A2を作成する(ステップS25)。さらに、演算処理部110は、図16に示すように、軸Zを中心に視点Pe1,Pe2を180°回転させるとともに、軸Zを中心に視認可能線1a1,1a2を180°回転させることにより、平面領域A1および近似領域A2を視域Psおよびスクリーン1の範囲内で掃引する(ステップS26)。
【0079】
最後に、演算処理部110は、この掃引により平面領域A1が通過した立体領域(空間)を詳細配置領域Vとして特定し、近似領域A2が通過した立体領域(空間)を近似配置領域Vsとして特定する(ステップS27)。詳細配置領域Vは略双円錐となる。また、近似配置領域Vsは球となる。ここで、略双円錐は、上部外周面および下部外周面を有し、上部外周面は上端に頂点を有する円錐形状を有し、下部外周面は下端に頂点を有する円錐形状を有する。視点Pe1,Pe2から頂点Sfを視認できない場合、詳細配置領域Vの下部の円錐状の外周面はスクリーン1と一致しない。図16においては、詳細配置領域Vがドットパターンで示されている。
【0080】
演算処理部110は、特定された詳細配置領域Vを示す詳細配置領域データおよび近似配置領域Vsを示す近似配置領域データを生成する。
【0081】
点Ntは、視点Pe1,Pe2から観察可能な立体画像300の最大の高さの位置を示す。原点Oと点Ntとの間の距離dtは、dt=ch×sr/(cr+sr)により与えられる。
【0082】
点Nbは、視点Pe1,Pe2から観察可能な立体画像300の最大の深さの位置を示す。視点Pe1,Pe2から頂点Sfを視認できない場合、原点Oと点Ntとの間の距離dbは、db=ch×sr/(cr−sr)により与えられる。視点Pe1,Pe2から頂点Sfを視認できる場合、原点Oと点Ntとの間の距離dbは、db=dcにより与えられる。
【0083】
図15において、三角形Tr1の視点Pe1を頂点とする角(∠Nt,Pe1,Nb)の二等分線が軸Zと交差する点が円Ciの中心Pcとなる。点Ntと視点Pe1と間の距離をltとし、点Nbと視点Pe1と間の距離をlbとする。この場合、原点Oから中心Pcまでの距離doは、do=(lb×dt−lt×db)/(lt+lb)で与えられる。また、円Ciの半径rvは、rv=cr×(dt+db)/(lt+lb)で与えられる。
【0084】
このようにして作成された詳細配置領域V内に立体画像が提示されると、観察者はその立体画像を視域Ps上のあらゆる位置から視認可能となる。そのため、立体画像の制作者は、立体画像を詳細配置領域V内に配置することにより、いかなる原理に基づく立体ディスプレイにも適切に提示される立体画像を確実に制作することができる。
【0085】
また、近似配置領域Vsは、中心Pcおよび半径rvを指定することにより定まる。このように、近似配置領域Vsは詳細配置領域Vよりも単純な形状を有するため、立体画像の制作者は、近似配置領域Vsをより容易に認識することができる。そのため、適切な立体画像を容易に制作することができる。
【0086】
(6)詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の第4の例
第4の例として、円筒型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細について、第3の例と異なる点を説明する。図17は、図11および図12の立体ディスプレイに用いられる光線制御子の斜視図である。
【0087】
図17に示すように、光線制御子RCは、上下方向の軸Zを中心として回転対称な円筒形状を有する。光線制御子RCの上底部および下底部は開口している。光線制御子RCは、入射した光線が上下方向Hにおいては拡散して透過しかつ軸Zを中心とする円周方向Rにおいては拡散せずに直進して透過するように形成されている。
【0088】
光線制御子RCは、上底部開口が上方を向くように図11の天板51の円形孔部に嵌め込まれる。図12のテーブル5の周囲にいる観察者10は、テーブル5の周囲を任意に移動してテーブル5の天板51の斜め上方から光線制御子RCの内周面を観察することができる。本例においては、光線制御子RCの内周面がスクリーン1である。また、視域Psは軸Zを中心とする円で表わされる。
【0089】
図18および図19は、詳細配置領域Vおよび近似配置領域Vsの作成手順の第4の例を説明するための図である。円筒型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を示すフローチャートは、図14のフローチャートと同様である。以下、図14、図18および図19を用いて、図2のステップS3における詳細配置領域および近似配置領域の作成手順の詳細を説明する。
【0090】
図18に示すように、まず、図1の演算処理部110は、ディスプレイ情報に基づいてスクリーン1の形状および寸法を特定するとともに、視域情報に基づいて視域Psの位置および寸法ならびにスクリーン1との相対的な位置関係を特定する。
【0091】
演算処理部110は、仮想平面Plを想定する(ステップS21)。第3の例と同様に、仮想平面Plは、原点Oを通りかつ天板51に垂直である。この場合、仮想平面Plと視域Psとの交点として、軸Zに関して対称な位置に2つの視点Pe1,Pe2が特定される。また、仮想平面Plとスクリーン1との交線として、軸Zに関して対称な位置に2つの交線が特定される。2つの交線のうち視点Pe1,Pe2からそれぞれ視認可能な範囲が視認可能線1aとして特定される。演算処理部110は、一方および他方の視認可能線1aをそれぞれ視認可能線1a1,1a2として特定する。
【0092】
また、スクリーン1の下端部であって、視点Pe1から最も遠い位置にある下端部を端部Soと呼び、視点Pe1から最も近い位置にある下端部を端部Spと呼ぶ。端部Soは視点Pe2から最も近い位置にある下端部であり、端部Spは視点Pe2から最も遠い位置にある下端部である。
【0093】
次に、演算処理部110は、視点Pe1,Pe2ならびに視認可能線1a1,1a2の上端および下端の位置を算出する(ステップS22)。視点Pe1からスクリーン1の上端である端部Smを視認することが可能である。そのため、端部Smが視認可能線1a1の上端となる。
【0094】
一方、スクリーン1の手前の部分で遮られることにより、視点Pe1からスクリーン1の下端である端部Soを視認することは不可能である場合がある。そのため、視点Pe1からスクリーン1の端部Soを視認できない場合には、視点Pe1および端部Snを通る直線が視認可能線1a1と交差する点Sgが視認可能線1a1の下端となる。一方、視点Pe1からスクリーン1の端部Soを視認できる場合には、端部Soが視認可能線1a1の下端となる。
【0095】
同様に、端部Snが視認可能線1a2の上端となる。視点Pe2からスクリーン1の下端である端部Spを視認できない場合には、視点Pe2および端部Snを通る直線が視認可能線1a2と交差する点Shが視認可能線1a2の下端となる。一方、視点Pe2からスクリーン1の端部Spを視認できる場合には、端部Spが視認可能線1a2の下端となる。
【0096】
その後、演算処理部110は、視点Pe1から視認可能線1a1の上端を通って直線状に延びる線L1を特定する。また、演算処理部110は、視点Pe1から視認可能線1aの下端を通って直線状に延びる線L2を特定する。さらに、演算処理部110は、線L1,L2に交わる任意の線L3を設定する。同様に、演算処理部110は、視点Pe2から視認可能線1a2の上端を通って直線状に延びる線L4を特定する。また、演算処理部110は、視点Pe2から視認可能線1a2の下端を通って直線状に延びる線L5を特定する。さらに、演算処理部110は、線L4,L5に交わる任意の線L6を設定する。これにより、演算処理部110は、3つの線L1〜L3により構成される三角形Tr1で囲まれる第1の領域A11を作成するとともに、3つの線L4〜L6により構成される三角形Tr2で囲まれる第2の領域A12を作成する(ステップS23)。本例においては、視認可能線1a1上に重なるように線L3が設定され、視認可能線1a2上に重なるように線L6が設定される。
【0097】
また、第1および第2の領域A11,A12の重複部分を平面領域A1として作成する(ステップS24)。点Nt,Nbおよび端部Sm,Snを頂点とする四角形Quで囲まれる領域が平面領域A1となる。
【0098】
また、演算処理部110は、平面領域A1を囲む四角形Quに内接する内接円Ciで囲まれる近似領域A2を作成する(ステップS25)。さらに、演算処理部110は、図19に示すように、軸Zを中心に視点Pe1,Pe2を180°回転させるとともに、軸Zを中心に視認可能線1a1,1a2を180°回転させることにより、平面領域A1および近似領域A2を視域Psおよびスクリーン1の範囲内で掃引する(ステップS26)。
【0099】
最後に、演算処理部110は、この掃引により平面領域A1が通過した立体領域(空間)を詳細配置領域Vとして特定し、近似領域A2が通過した立体領域(空間)を近似配置領域Vsとして特定する(ステップS27)。詳細配置領域Vは略双円錐となる。図19においては、詳細配置領域Vがドットパターンで示されている。
【0100】
演算処理部110は、特定された詳細配置領域Vを示す詳細配置領域データおよび近似配置領域Vsを示す近似配置領域データを生成する。
【0101】
図18の例では、視点Pe1からスクリーン1の端部Soを視認できず、視点Pe2からスクリーン1の端部Spを視認できない。この場合、第3の例と同様に、原点Oと点Ntとの間の距離dbは、db=ch×sr/(cr−sr)により与えられる。一方、視点Pe1からスクリーン1の端部Soを視認でき、視点Pe2からスクリーン1の端部Spを視認できる場合、原点Oと点Ntとの間の距離dbは、db=(ch×sr−cr×dc)/(cr+sr)により与えられる。
【0102】
(7)近似配置領域の他の例
上記の近似配置領域Vsの作成手順の第1および第2の例においては、三角形Trに内接する内接円Ciで囲まれる近似領域A2が掃引されることにより近似配置領域Vsが作成されたが、これに限定されない。図20は、近似配置領域Vsの作成手順の他の例を示す図である。図20においては、スクリーン1により提示される立体画像の位置がスクリーン1の手前から距離xまでの範囲内に制限されている。この場合、近似配置領域Vsの作成手順の第1および第2の例に代えて、以下の例により近似配置領域Vsが作成される。
【0103】
視認可能線1aの手前から距離xの位置に視認可能線1aに平行な線分Lを想定する。ここで、線L1、線L2および線分Lに内接する内接円Ciで囲まれる領域を近似領域A2とする。本例においては、線分Lに平行でかつ内接円Ciに接するように線L3が設定される。
【0104】
近似領域A2を視域Psおよびスクリーン1の範囲内で水平方向に掃引することにより、近似領域A2が通過した立体領域を近似配置領域Vsとして特定する。この場合、図20に示すように、近似配置領域Vsは、略円柱となる。図20の近似配置領域Vs内に立体画像を配置することにより、スクリーン1から前方への飛び出し量が制限された立体画像を適切に提示することができる。
【0105】
同様に、視点Peから遠すぎる位置に立体画像が配置された場合、正しい立体感が得ることができない。そのため、スクリーン1により提示される立体画像の位置がスクリーン1の後方から所定の距離までの範囲内に制限されてもよい。
【0106】
(8)詳細配置領域および近似配置領域のさらに他の例
上記の近似配置領域Vsの作成手順の第3および第4の例によれば、円錐型または円筒型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域が作成されるが、これに限定されない。円錐型または円筒型スクリーンに代えて水平に配置される円板型スクリーンにおける詳細配置領域および近似配置領域が作成されてもよい。
【0107】
図21は、円板型スクリーンにおける詳細配置領域Vおよび近似配置領域Vsを説明するための図である。図21に示すように、円板状を有する光線制御子RCが天板51の円形孔部に嵌め込まれる。光線制御子RCの上方に立体画像が提示される。本例では、光線制御子RCの一面がスクリーン1である。スクリーン1と仮想平面Plとの交線が視認可能線1aである。スクリーン1の端部であって、視点Pe1から最も遠い位置にある端部が端部Smであり、視点Pe1から最も近い位置にあるが端部が端部Snである。
【0108】
この場合、視点Pe1から視認可能線1aの一端(端部Sm)を通って直線状に延びる線が線L1である。視点Pe1から視認可能線1aの他端(端部Sn)を通って直線状に延びる線が線L2である。後述する線L5と重なるように設定される線が線L3である。3つの線L1〜L3により構成される三角形Tr1で囲まれる領域が第1の領域A11である。
【0109】
視点Pe2から視認可能線1aの他端(端部Sn)を通って直線状に延びる線が線L4である。視点Pe2から視認可能線1aの一端(端部Sm)を通って直線状に延びる線が線L5である。上述の線L2と重なるように設定される線が線L6である。3つの線L4〜L6により構成される三角形Tr2で囲まれる領域が第2の領域A12である。
【0110】
視点Pe1および端部Snを通る直線が軸Zと交差する点を点Siとする。同様に、視点Pe2および端部Smを通る直線が軸Zと交差する点は点Siとなる。この場合、第1の領域A11と第2の領域A12との重複領域(点Nt,Siおよび端部Sm,Snを頂点とする四角形Quで囲まれる領域)が平面領域A1である。また、四角形Quに内接する内接円Ciで囲まれる領域が近似領域A2である。
【0111】
軸Zを中心に視点Pe1,Pe2を180°回転させるとともに、軸Zを中心に視認可能線1aを180°回転させることにより、平面領域A1および近似領域A2を視域Psおよびスクリーン1の範囲内で掃引する。この掃引により平面領域A1が通過した立体領域が詳細配置領域Vとなり、近似領域A2が通過した立体領域が近似配置領域Vsとなる。本例において、詳細配置領域Vは略双円錐となり、近似配置領域Vsは球となる。
【0112】
(9)他の実施の形態
上記実施の形態において、線L3は直線であるが、これに限定されない。線L3は、曲線であってもよく、折れ線であってもよい。
【0113】
(10)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0114】
スクリーン1がスクリーンの例であり、視域Psが視域の例であり、立体画像300が立体画像の例であり、立体画制作支援装置100が立体画像制作支援装置の例であり、入力部130が取得部の例であり、演算処理部110が作成部および生成部の例またはコンピュータの例である。
【0115】
仮想平面Plが仮想平面の例であり、視点Peが交点の例であり、視点Pe1が第1の交点の例であり、視点Pe2が第2の交点の例であり、軸Zが中心軸の例である。線L1が第1の線の例であり、線L2が第2の線の例であり、線L3が第3の線の例であり、線L4が第4の線の例であり、線L5が第5の線の例であり、線L6が第6の線の例である。平面領域A1が平面領域の例であり、第1の領域A11が第1の領域の例であり、第2の領域A12が第2の領域の例であり、詳細配置領域Vが第1の配置領域の例であり、近似領域A2が近似領域の例であり、近似配置領域Vsが第2の配置領域の例である。
【0116】
図4〜図6、図8〜図10および図20においては、視認可能線1aが視認可能線の例である。図15、図16、図18および図19においては、視認可能線1a1が第1の視認可能線の例であり、視認可能線1a2が第2の視認可能線の例である。図21においては、視認可能線1aが第1および第2の視認可能線の例である。
【0117】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、立体画像制作の支援装置、支援方法、ソフトウエアもしくはプログラムまたはそれらを備えた立体画像制作装置に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 スクリーン
1a,1a1,1a2 視認可能線
2 走査型プロジェクタ
3 制御装置
4 記憶装置
5 テーブル
10 観察者
51 天板
52 脚
100 立体画制作支援装置
110 演算処理部
120 記憶部
130 入力部
140 出力部
200 画像表示装置
210 表示装置
211〜214 表示領域
300 立体画像
A1 平面領域
A11 第1の領域
A12 第2の領域
A2 近似領域
ch 高さ
Ci 内接円
cr,sr 半径
db,do,dt,lb,lt,x 距離
dc 深さ
H 上下方向
L 線分
Nt,Nb,Sg,Sh 点
Pc 中心
Pe,Pe1,Pe2 視点
Pl 仮想平面
Ps 視域
Qu 四角形
R 円周方向
RC 光線制御子
rv 半径
Sf 頂点
Sm,Sn,So,Sp 端部
T 稜線方向
Tr,Tr1,Tr2 三角形
V 詳細配置領域
Vs 近似配置領域
Z 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンを有する立体ディスプレイにより提示されるとともに予め定義された視域において観察可能な立体画像の制作を支援する立体画像制作支援装置であって、
前記スクリーンの形状、前記視域の形状および前記視域と前記スクリーンとの相対的な位置関係を示す情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために前記立体画像を配置すべき領域を第1の配置領域として作成する作成部と、
前記作成部により作成された第1の配置領域を示すデータを生成する生成部とを備えたことを特徴とする立体画像制作支援装置。
【請求項2】
前記作成部は、
前記スクリーンおよび前記視域を仮想平面で切断し、前記仮想平面と前記視域との交点を特定するとともに、前記仮想平面と前記スクリーンとの交線を特定し、前記交線のうち前記交点から視認可能な範囲を視認可能線として特定し、前記交点から前記視認可能線の一端を通って直線状に延びる第1の線、前記交点から前記視認可能線の他端を通って直線状に延びる第2の線、ならびに前記第1および第2の線に交わる第3の線により囲まれる平面領域を作成し、前記視認可能線が前記スクリーンの範囲内で移動するとともに前記交点が前記視域の範囲内で移動するように前記平面領域を掃引し、掃引により前記平面領域が通過した立体領域を前記第1の配置領域として作成することを特徴とする請求項1記載の立体画像制作支援装置。
【請求項3】
前記スクリーンは、上下方向の中心軸を取り囲む形状を有し、前記視域は前記中心軸を取り囲むように環状に定義され、
前記作成部は、
前記中心軸を含む仮想平面で前記スクリーンおよび前記視域を切断し、前記仮想平面と前記視域との交点として、前記中心軸に関して互いに反対側に位置する第1および第2の交点を特定し、前記仮想平面と前記スクリーンとの交線として、1または複数の交線を特定し、前記1または複数の交線のうち前記第1の交点から視認可能な範囲を第1の視認可能線として特定し、前記1または複数の交線のうち前記第2の交点から視認可能な範囲を第2の視認可能線として特定し、前記第1の交点から前記第1の視認可能線の一端を通って直線状に延びる第1の線、前記第1の交点を通って前記第1の視認可能線の他端を通って直線状に延びる第2の線、ならびに前記第1および第2の線に交わる第3の線により囲まれる第1の領域を作成するとともに、前記第2の交点から前記第2の視認可能線の一端を通って直線状に延びる第4の線、前記第2の交点から前記第2の視認可能線の他端を通って直線状に延びる第5の線、ならびに前記第4および第5の線に交わる第6の線により囲まれる第2の領域を作成し、前記第1および第2の領域の重複部分を平面領域として作成し、前記平面領域を前記中心軸を中心として回転させることにより前記平面領域を掃引し、掃引により前記平面領域が通過した立体領域を前記第1の配置領域として作成することを特徴とする請求項1記載の立体画像制作支援装置。
【請求項4】
前記作成部は、
前記平面領域に内接する形状により囲まれた近似領域を作成し、前記平面領域の掃引により前記近似形状が通過した立体領域を第2の配置領域として作成し、
前記生成部は、前記作成部により作成された第2の配置領域を示すデータを生成することを特徴とする請求項2または3記載の立体画像制作支援装置。
【請求項5】
スクリーンを有する立体ディスプレイにより提示されるとともに予め定義された視域において観察可能な立体画像の制作を支援する立体画像制作支援方法であって、
前記スクリーンの形状、前記視域の形状および前記視域と前記スクリーンとの相対的な位置関係を示す情報を取得するステップと、
前記取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために前記立体画像を配置すべき領域を第1の配置領域として作成するステップと、
前記作成された第1の配置領域を示すデータを生成するステップとを備えたことを特徴とする立体画像制作支援方法。
【請求項6】
スクリーンを有する立体ディスプレイにより提示されるとともに予め定義された視域において観察可能な立体画像の制作を支援する立体画像制作支援処理をコンピュータにより実行可能なプログラムであって、
前記スクリーンの形状、前記視域の形状および前記視域と前記スクリーンとの相対的な位置関係を示す情報を取得する処理と、
前記取得された情報に基づいて、立体ディスプレイにより提示される立体画像が視域において観察されるために前記立体画像を配置すべき領域を第1の配置領域として作成する処理と、
前記作成された第1の配置領域を示すデータを生成する処理とを、
前記コンピュータに実行させることを特徴とする立体画像制作支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−21522(P2013−21522A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153497(P2011−153497)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】