説明

立体表示裝置

【課題】本発明は、コストを抑えると同時に、外観がシンプルでデザイン性を向上させた立体表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】シャッター装置4と組み合わせられる立体表示装置3aにおいて、表示モジュール31及び赤外線発射素子32を備え、表示モジュール31を可視領域V及び光学フィルムFを有するものとし、赤外線発射素子32を表示モジュール31内に設置させることにより、赤外線発射素子32が発した光線が、光学フィルムF及び可視領域Vを通過して、シャッター装置4によって受け入れられ、且つ、シャッター装置4の動作をコントロールするように構成することによって解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルにさまざまな画像を表示する表示装置、とくに立体表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代人の生活において、各種表示装置はなくてはならない存在となっている。現行の表示装置は、ますます高画質、高解析度が要求されると同時に、立体空間をバーチャルする立体表示技術面における発展が著しい。中でも、立体表示装置は、特に注目を集める分野の一つである。現行の立体表示方式は、基本的に、裸眼のまま立体感を与える方式と、シャッターメガネをかける方式の二つに分かれる。
【0003】
立体表示装置において、裸眼のまま立体感を与える方式では、大部分が、表示パネルの表示面の上にさらに遮蔽層を設置し、レンズの屈折を組み合わせることで、表示パネル上の左側の画素が出力した画面が使用者の左眼に転送されて、表示パネル上の右側の画素が出力した画面が使用者の右眼に転送されることにより、使用者の両眼がそれぞれ両眼の視差(binocular parallax)による異なる画像を受けて、立体画像を形成させる必要がある。
【0004】
他方、立体表示装置において、シャッターメガネ(shutter glasses)(俗に3Dメガネと呼ばれる)を組み合わせて立体感を表示する方式では、別に3Dメガネ同時発射装置が必要である。この方式の場合には、回路板及び回路板上に設置される赤外線発射素子を備えており、この赤外線発射素子が発する赤外線信号は、指向性を有するため、確実にシャッターメガネに転送することができるものである。
【0005】
図1A及び図1Bは、それぞれ従来の立体表示装置1を示した図である。3Dメガネ同時発射装置11上の赤外線発射素子111が、干渉されることなく、赤外線信号をシャッター装置2に転送するために、従来の方法の1つは、図1Aに示したとおり、3Dメガネ同時発射装置11は、立体表示装置1内に設置され、このうち、赤外線発射素子111は、立体表示装置1のケース12上にはめ込まれて、赤外線発射素子111は直接ケース12から露出している。他の方法は、図1Bに示したように、外付け方式によって3Dメガネ同時発射装置11を立体表示装置1の外に設置して、導線によって立体表示装置1に電気的に接続されることで、赤外線発射素子111が発射した3Dメガネコントロール信号を直接シャッター装置2に転送するものである。
【0006】
しかしながら、3Dメガネ同時発射装置11をケース12にはめ込む方式にしても、スクリーン外付け方式にしても、いずれも別に回路板によって赤外線発射素子111を設置する必要があるため、立体表示装置1のコストが高くなる。また、3Dメガネ同時発射装置11をケース12にはめ込む方式を採用した場合、立体表示装置1のケース12に孔を開ける必要があり、手間とコストがかかる上、立体表示装置1の全体的な美観をも損ねることになる。また、3Dメガネ同時発射装置11を外付けする方式を採用した場合も、立体表示装置1の外観のシンプルさに欠け、立体表示装置1の全体的なデザインに影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、コストを抑えると同時に、外観がシンプルでデザイン性を向上させることのできる立体表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の立体表示装置は、シャッター装置と組み合わせて成り、表示モジュール及び赤外線発射素子を備えている。表示モジュールは、可視領域及び光学フィルムを有し、赤外線発射素子は、表示モジュール内に設置されている。赤外線発射素子が発した光線は、光学フィルム及び可視領域を通過して、シャッター装置によって受け入れられ、且つ、シャッター装置の動作をコントロールする。
即ち、本発明の立体表示装置は、可視領域及び光学フィルムを有する表示モジュールと、前記表示モジュール内に設置される赤外線発射素子を備えて、前記赤外線発射素子が発した光線は、前記光学フィルム及び前記可視領域を通過して、前記シャッター装置によって受け入れられ、且つ、前記シャッター装置の動作をコントロールするよう構成されたことを特徴とするものである。
【0009】
その際に、本発明に係る立体表示装置の表示モジュールは、バックライトユニット及び表示パネルを備え、光学フィルム及び赤外線発射素子はいずれもバックライトユニットに設置されるものである。
【0010】
さらに、本発明において、赤外線発射素子は、バックライトユニットの側辺、角または内部領域の少なくとも1箇所に設置されるものである。
【0011】
さらに、本発明において、バックライトユニットは、少なくとも1個の光源を備え、光源は、冷陰極蛍光灯、発光ダイオード、または、その組み合わせを含むものである。
【0012】
さらに、本発明において、赤外線発射素子は、光源に隣接するものである。
【0013】
さらに、本発明において、赤外線発射素子は、光源と間隔をおいて設置されるものである。
【0014】
さらに、本発明において、表示モジュールは、自発光表示パネルを備え、赤外線発射素子は、自発光表示パネルに設置されるものである。
【0015】
さらに、本発明において、バックライトユニットは、駆動制御回路板を備えて、駆動制御回路板は、立体眼鏡制御信号を発生させて、赤外線発射素子に送ることで、赤外線発射素子の発光をコントロールするものである。
【0016】
さらに、本発明において、赤外線発射素子は、駆動制御回路板に電気的に接続されるものである。
【0017】
さらに、本発明において、シャッター装置は、赤外線受信機を備え、赤外線受信機は、赤外線発射素子が発した光線を受けて、シャッター装置をコントロールするものである。
【0018】
さらに、本発明において、シャッター装置は、ヘッドフォン型シャッター装置またはシャッターメガネである。
【0019】
さらに、本発明において、シャッター装置は、同期制御ユニット、左眼シャッターユニット及び右眼シャッターユニットを備え、同期制御ユニットは、左眼シャッターユニット及び右眼シャッターユニットに電気的に接続されるものである。
【0020】
さらに、本発明において、同期制御ユニットは、赤外線発射素子と同期することで、左眼シャッターユニット及び右眼シャッターユニットのON/OFFをコントロールするものである。
【0021】
そして、本発明において、表示モジュールは、左眼画像及び右眼画像を交互に出力するものである。
【発明の効果】
【0022】
上記の如く、本発明の立体表示装置は、表示モジュール及び赤外線発射素子を備え、この赤外線発射素子は、表示モジュール内に設置されている。したがって、赤外線発射素子から発した光線は、光学フィルム及び可視領域を通過して、シャッター装置により受け入れられ、且つ、シャッター装置の動作をコントロールする。したがって、従来の技術に比べて、別の回路によって赤外線発射素子を設置する必要がなく、赤外線発射素子もケースにはめ込んだり、外付け方式で設置したりする必要もないため、本発明の立体表示装置は、コストを低く抑えることができる上に、立体表示装置の外観がシンプルで全体的なデザインもすっきりとして美観を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】従来公知の立体表示装置を示した図である。
【図1B】従来公知の立体表示装置の他の例を示した図である。
【図2A】本発明に係る立体表示装置の一実施例を示した一部分解斜視図である。
【図2B】本発明に係る立体表示装置の他の実施例を示した一部分解斜視図である。
【図2C】本発明に係る立体表示装置のさらに他の実施例を示した一部分解斜視図である。
【図2D】本発明に係る立体表示装置のさらに他の実施例を示した一部分解斜視図である。
【図2E】本発明に係る立体表示装置のさらに他の実施例を示した一部分解斜視図である。
【図2F】本発明に係る立体表示装置のさらに他の実施例を示した一部分解斜視図である。
【図2G】本発明に係る立体表示装置のさらに他の実施例を示した一部分解斜視図である。
【図3】本発明に係る立体表示装置の機能を示したブロック図である。
【図4】本発明に係る立体表示装置のシャッター装置の部分の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の立体表示装置について説明する。
【実施例1】
【0025】
図2Aは、本発明の好適な実施例における立体表示装置3aの態様を示した一部分解斜視図である。立体表示装置3aはシャッター装置4と組み合わせられている。シャッター装置4のシャッターユニットは、実質上は、人の目と立体表示装置3aの間に位置する。つまり、シャッターユニットは、人の目と立体表示装置3aの光の経路上に位置し、使用者は、シャッター装置4を介して立体表示装置3aを観賞する。立体表示装置3aは、表示モジュール31及び赤外線発射素子32を備えている。立体表示装置3aは、例えば、家庭用の表示装置(例えば、テレビ、デジタルフォトフレームまたはモニター)、映画館用の表示装置または電子機器の表示スクリーン等である。また、シャッター装置4は、例えば、シャッターメガネであったり、その他の交互に使用者の左右の眼を遮蔽する装置であったりしてもよい。左右の眼を遮蔽する装置は、例えば、アクティブ式の回転またはモービルの素子を有するシャッター装置である。ここでは、シャッター装置4は、シャッターメガネの場合を例としているが、当然、その他のヘッドフォン式シャッター装置でも可能で、シャッターメガネに限るものではない。
【0026】
表示モジュール31は、可視領域V(viewable area)及び光学フィルムFを有する。表示モジュール31の可視領域Vは、実際に外ケースから露出して、画像画面を表示することが可能な領域を指す。本実施例において、表示モジュール31は、非自発的発光の液晶表示モジュールの場合を例とし、表示モジュール31はさらに、バックライトユニット311a及び表示パネル312を備えている。可視領域Vは、表示パネル312上の外のケースが遮蔽しない領域を指し、光線が可視領域Vから観賞者に至る。光学フィルムFは、バックライトユニット311aの上に設置され、且つ、表示パネル312に隣接する。このうち、光学フィルムFは、拡散板F1及び拡散フィルムF2を備えることで、バックライトユニット311aが射出する光線を均一化する。当然、その他の実施態様において、光学フィルムFの数量もまた二枚より多い場合も可能である。例えば、導光板、プリズムレンズ、拡散板、拡散フィルム、増光フィルムまたはその組み合わせである。
【0027】
図2Aにおいては、表示モジュール31は、直下式(direct type)バックライトユニット311aの場合を例としている。バックライトユニット311aは、少なくとも1個の光源Sを含む。光源Sは、例えば、冷陰極蛍光灯、発光ダイオード、または、その組み合わせである。また、本実施例では、バックライトユニット311aが複数の光源Sを有し、前記光源Sは、アレイ配列型の発光ダイオードである。このうち、バックライトユニット311aはさらに、駆動制御回路板(図示されていない)を備えている。前記光源Sは、駆動制御回路板に電気的に接続されることで、前記光源Sの明滅をコントロールする。
【0028】
赤外線発射素子32は、表示モジュール31内に設置されている。ここでは、赤外線発射素子32の数量は、四個の場合を例とし、且つ、バックライトユニット311aに設置されて、光源Sに隣接している。赤外線発射素子32は、赤外線発光ダイオード(infrared LED)の場合を例とする。赤外線発射素子32は、例えば、バックライトユニット311aの側辺、角または内部領域に設置され、その設置位置及び数量は、バックライトユニット311a全体の発光の均一性及び品質に影響しないことを原則としている。光源Sと同様に、赤外線発射素子32もまた図示してない駆動制御回路板に電気的に接続されて、駆動制御回路板はさらに、赤外線発射素子32の明滅をコントロールするマイクロプロセッサを有している。
【0029】
駆動制御回路板上のマイクロプロセッサが、立体メガネコントロール信号を発生させて 赤外線発射素子32に送ることにより、赤外線発射素子32の明滅をコントロールする。光源S及び赤外線発射素子32を駆動する回路板は同一の回路板であるため、赤外線発射素子32を駆動するための回路を、別に他の回路板上に設置する必要がないため、立体表示装置3aのコストを抑えることが可能である。
【0030】
赤外線発射素子32が発した光線は、光学フィルムF及び可視領域Vを通過して、シャッター装置4により取り入れられ、且つ、シャッター装置4の動作をコントロールする。また、シャッター装置4は、赤外線受信機(図示されない)を備える。この赤外線受信機は、赤外線発射素子32が発する赤外光を受信する。
【0031】
図2Aの実施例において、バックライトユニット311aは、複数の発光ダイオード(複数の光源S)を有し、前記発光ダイオード及び赤外線発射素子32は、二次元のアレイ配列を形成し、基板B上に設置される。しかしながら、その他の実施態様において、前記発光ダイオード及び赤外線発射素子32は、その他の配列方式を有することも可能である。例えば、一次元アレイまたは不規則配列である。
【実施例2】
【0032】
図2Bは本発明に係る立体表示装置の他の実施例を示す。図2Bに示したように、赤外線発射素子32とバックライトユニット311bの光源Sは、表面粘着により製造されたライトバー(light bar)形式でも可能である。さらに、複数のライトバーの組み合わせを基板B上に設置して、バックライトユニット311bに赤外線発射素子32の組み合わせた態様も可能である。
【実施例3】
【0033】
図2Cは、他の実施例の立体表示装置3cを示した一部分解斜視図である。図2Cにおいて、バックライトユニット311cの発光ダイオードの配列方式は図2Aのバックライトユニット311aと同一である。立体表示装置3cの赤外線発射素子32はやはり四個であるが、赤外線発射素子32は、バックライトユニット311cの四つの角に設置されるのではなく、バックライトユニット311cの内部領域に設置される。且つ、四個の赤外線発射素子32の配列は、図示する如く矩形を形成する四点に配置することが可能である。この場合、赤外線発射素子32の設置位置及び数量は、バックライトユニット311c全体の発光の均一性及び品質に影響しないことを原則とする。また、図2Cの赤外線発射素子32の設置位置及び数量は例を挙げたに過ぎず、使用者のニーズに合わせてバックライトユニットの内部領域の異なる位置及び異なる数量でも可能である。
【実施例4】
【0034】
図2Dは、さらに他の実施例の立体表示装置3dを示した一部分解斜視図である。図2Dにおいて、バックライトユニット311dの発光ダイオードの配列方式は図2Aのバックライトユニット311aと同一である。立体表示装置3dの赤外線発射素子32はやはり四個であるが、赤外線発射素子32は、バックライトユニット11dの四つの角に設置されるのではなく、バックライトユニット311dの内部領域に設置される。且つ、四個の赤外線発射素子32の配列は、図示する如く矩形を形成する四点に配置することが可能である。この場合、赤外線発射素子32の設置位置及び数量は、バックライトユニット311d全体の発光の均一性及び品質に影響しないことを原則とする。また、図2Dの赤外線発射素子32の設置位置及び数量は例を挙げたに過ぎず、使用者のニーズに合わせてバックライトユニットの内部領域の異なる位置及び異なる数量でも可能である。
【実施例5】
【0035】
また、図2Eは、他の実施例の立体表示装置3eを示した一部分解斜視図である。この場合、立体表示装置3eと組み合わせるシャッター装置は図示していない。
【0036】
本実施例5において、表示モジュール31は、エッジライト式(edge-light type)のバックライトユニット311eの場合を例としている。赤外線発射素子32の設置位置及び数量は、バックライトユニット311eの発光の均一性及び品質に影響しないことを原則とする。本実施例5の赤外線発射素子32の数は2個で、それぞれ前記光源Sの両端に設置される場合を例としている。また、本実施例5の光学フィルムFは、拡散板F1、増光フィルムF4及び導光板F3を備えている。このうち、赤外線発射素子32が発する光線は、導光板F3の入光側INから入光し、導光板F3、拡散板F1及び増光フィルムF4の作用により、赤外線発射素子32が発した光線が均一にシャッター装置(図示されていない)に送られて、シャッター装置によって受け入れられることで、シャッター装置の動作をコントロールする。
【実施例6】
【0037】
図2Fは、また他の実施例の立体表示装置3fを示した一部分解斜視図である。この場合、立体表示装置3fと組み合わせられるシャッター装置は図示されていない。
【0038】
本実施例6の立体表示装置3fが実施例5の立体表示装置3eと異なる点は、立体表示装置3eが導光板F3の片側から入光するのに対し、立体表示装置3fは両側から入光する点である。さらに、赤外線発射素子32の設置位置及び数は、バックライトユニット311f全体の発光の均一性及び品質に影響しないことを原則とする。本実施例の赤外線発射素子32の数量は4個で、それぞれ光源Sの両端に設置される場合を例としている。
【実施例7】
【0039】
また、図2Gはさらなる他の実施例の立体表示装置3gを示した一部分解斜視図である。この場合、立体表示装置3gと組み合わせられるシャッター装置は図示されていない。
【0040】
本実施例が実施例5の立体表示装置3gが立体表示装置3eと異なる点は、立体表示装置3gが複数の赤外線発射素子32を備える点で、その設置位置及び数は、バックライトユニット311g全体の発光均一性及び品質に影響しないことを原則とし、光源Sと間隔をおいて設置されている(光源Sを間に挟んで複数の赤外線発射素子32が設置される)点である。本実施例の赤外線発射素子32の数量は、4個の場合を例とする。このうち、2個の赤外線発射素子32の間隔は、所定の数量の光源S、または、所定の数量ではない光源Sである。例えば、図2Gに示したように、立体表示装置3g中の2個の赤外線発射素子32の間の光源Sの数量は、それぞれ4個、7個及び5個であって、その数は一定ではない。
【0041】
その他の実施例において、表示モジュール31が自発光表示パネル(図示されていない)を備える場合、それはバックライトユニットを有さないため、赤外線発射素子32は、自発光表示パネル上に設置される。自発光表示パネルは例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode, OLED)表示パネルであり、赤外線発射素子32が発する光線は同様にその光学フィルム及び可視領域を通過して、シャッター装置4により受信され、且つ、シャッター装置4の動作をコントロールする。
【0042】
次に、図3は、本発明に係る立体表示装置3の機能を示したブロック図である。この図3では光学フィルムFを表示していない。
【0043】
表示モジュール31は、交互に(alternatively)左眼画像IL及び右眼画像IRを出力する。この場合、左眼画像IL及び右眼画像IRは、表示モジュール31の周波数が60Hz以上、または、60Hzの倍数である時出現するため、肉眼では気づかない。表示モジュール31が交互に左眼画像IL及び右眼画像IRを出力するという意味は、表示モジュール31が、時間軸上において左眼画像ILと右眼画像IRをすばやく切り換えて出力するということである。つまり、左眼画像IL、右眼画像IR、左眼画像IL、右眼画像IR…の順序で出力されるということである。さらに、左眼画像IL及び右眼画像IRが交互に出力されるということは、左眼画像ILと右眼画像IRは部分的に重なるか、二つの画像がうまく交替するか、または、二つの画像間に時間的間隔があるかを意味するが、ここではそれを制限しない。さらに、左眼画像ILは、右眼画像IRとは同一ではなく、且つ、両眼の視差を有することで、人の目がすばやく交替する左眼画像ILと右眼画像IRを観賞すると、視覚の残像を経て立体画像を形成する。
【0044】
図3において、バックライトユニット(図示されていない)はさらに、駆動制御回路板Cを備える。駆動制御回路板Cは、立体眼鏡制御信号Dを発生させて赤外線発射素子32に送ることにより、赤外線発射素子32の明滅をコントロールする。このうち、駆動制御回路板Cは、バックライトユニット及び赤外線発射素子32の駆動回路板を駆動するため、立体表示装置3のコストを下げることが可能である。
【0045】
また、シャッター装置4は、同期制御ユニット41、左眼シャッターユニット42及び右眼シャッターユニット43を備え、同期制御ユニット41は、左眼シャッターユニット42及び右眼シャッターユニット43に電気的に接続される。このうち、同期制御ユニット41は、赤外線発射素子32が発した光線を受信して、赤外線発射素子32と同期化することで、左眼シャッターユニット42及び右眼シャッターユニット43のON/OFFをコントロールする。ここで、同期制御ユニット41は、赤外線発射素子32が発した光線に基づき、使用者に交互に左眼シャッターユニット42により左眼画像ILを見せ、右眼シャッターユニット43により右眼画像IRを見せるように動作する。
【0046】
この場合、赤外線発射素子32が発した光線は、シャッター装置4の左眼シャッターユニット42をONにし、右眼シャッターユニット43をOFFにするようコントロールするか、または、左眼シャッターユニット42をOFFにし、右眼シャッターユニット43をONにするようコントロールする。当然、赤外線発射素子32が発する光線は、左眼シャッターユニット42及び右眼シャッターユニット43を同時にONまたはOFFにするようコントロールすることも可能である。
【0047】
図3及び図4を同時に参照しながら説明する。このうち、図4は、シャッター装置4の部分分解図である。ここでは、シャッター装置4は、シャッターメガネの場合を例とする。図4において、液晶素子421、431及び偏光素子422、423、432、433は、実際の数量比を示したものではなく、メガネフレームやメガネの枠等の構造のニーズに応じて設計が異なる。ここでは、表示を省略しており、実際の応用時には状況に応じた構造を有するものである。
【0048】
左眼シャッターユニット42及び右眼シャッターユニット43は、それぞれ液晶素子421、431及び偏光素子422、423、432、433を有する。このうち、液晶素子421、431は、例えば、液晶層を二個の基板の間に挟むように設置される。液晶素子421、431は、ねじれネマティック(Twisted Nematic, TN)型液晶、STN(Super Twisted Nematic)型液晶、DSTN(Double layer Super Twisted Nematic)型液晶、コレステリック(Cholesteric)型液晶またはブルー相(Blue Phase)液晶を有する。液晶素子421、431は、それぞれ前記偏光素子422、423及び432、433の間に設置される。前記偏光素子422、423及び432、433は、それぞれ偏光軸方向に垂直な偏光フィルムの組であり、同期制御ユニット41の制御により、左眼シャッターユニット42及び右眼シャッターユニット43に効果的に遮光効果を発生させる。当然、光遮蔽効果を増加させるために、二個以上の偏光素子を使用することも可能である。
【0049】
したがって、液晶素子421、431が電圧の制御を受けて偏光方向を転換して、偏光方向を変更させるという特性により、二つの偏光素子422、423及び432、433は、遮光及び透光の効果を発生させる。これにより、左眼シャッターユニット42は、赤外線発射素子32が発した光線に基づき、遮光、透光、遮光、透光、…の状態を繰り返し、同時に、右眼シャッターユニット43は左眼シャッターユニット42と逆に、透光、遮光、透光、遮光、…の状態を繰り返す。使用者は、交互に左眼シャッターユニット42により左眼画像IL(左眼シャッターユニット42が透光状態の時、右眼シャッターユニット43は遮光状態)を見て、右眼シャッターユニット43により右眼画像IR(左眼シャッターユニット42が遮光状態の時、右眼シャッターユニット43は透光状態)を見る。このように、使用者の両眼は、それぞれ両眼の視差を有する左眼画像IL及び右眼画像IRを受信して、脳の中に立体画像を形成させる。
【0050】
このように、本発明の立体表示装置は、表示モジュール及び赤外線発射素子を備え、赤外線発射素子は、表示モジュール内に設置される。このうち、赤外線発射素子が発した光線は、光学フィルム及び可視領域を通過して、シャッター装置により受け入れられ、且つ、シャッター装置の動作をコントロールする。したがって、従来の技術に比べて、別の回路によって赤外線発射素子を設置する必要がなく、赤外線発射素子もケースにはめ込んだり、外付け方式で設置したりする必要もないため、本発明の立体表示装置は、コストを低く抑えることができる上に、立体表示装置の外観がシンプルで全体的なデザインもすっきりとして美観を保つことができる。
【0051】
以上、本発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は以上の如く構成したので、従来公知のものに較べ、コストを抑えると同時に、外観がシンプルでデザイン性のを向上させた立体表示装置として、好適に用いられるものである。
【符号の説明】
【0053】
1、3、3a〜3g 立体表示装置
11 3Dメガネ同時発射装置
111 赤外線発射素子
12 ケース
2、4 シャッター装置
31 表示モジュール
311a〜311g バックライトユニット
312 表示パネル
32 赤外線発射素子
41 同期制御ユニット
42 左眼シャッターユニット
421 液晶素子
422、423 偏光素子
43 右眼シャッターユニット
431 液晶素子
432、433 偏光素子
B 基板
C 駆動制御回路板
D 立体眼鏡制御信号
F 光学フィルム
F1 拡散板
F2 拡散フィルム
F3 導光板
F4 増光フィルム
IN 入光側
IL 左眼画像
IR 右眼画像
S 光源
V 可視領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッター装置と組み合わせられる立体表示装置であって、
可視領域及び光学フィルムを有する表示モジュールと、
前記表示モジュール内に設置される赤外線発射素子を備え、
前記赤外線発射素子が発した光線が、前記光学フィルム及び前記可視領域を通過して、前記シャッター装置によって受け入れられ、且つ、前記シャッター装置の動作をコントロールするよう構成されていることを特徴とする、立体表示装置。
【請求項2】
前記表示モジュールは、バックライトユニット及び表示パネルを備え、前記光学フィルム及び前記赤外線発射素子は、いずれも前記バックライトユニットに設置されることを特徴とする、請求項1に記載の立体表示装置。
【請求項3】
前記赤外線発射素子は、前記バックライトユニットの側辺、角または内部領域の少なくとも1箇所に設置されることを特徴とする、請求項2に記載の立体表示装置。
【請求項4】
前記バックライトユニットは、少なくとも1個の光源を備え、前記光源は、冷陰極蛍光灯、発光ダイオード、または、その組み合わせを含むことを特徴とする、請求項2に記載の立体表示装置。
【請求項5】
前記赤外線発射素子は、前記光源に隣接することを特徴とする、請求項4に記載の立体表示装置。
【請求項6】
前記赤外線発射素子は、前記光源と間隔をおいて設置されることを特徴とする、請求項4に記載の立体表示装置。
【請求項7】
前記表示モジュールは、自発光表示パネルを備え、前記赤外線発射素子は、前記自発光表示パネルに設置されることを特徴とする、請求項1に記載の立体表示装置。
【請求項8】
前記バックライトユニットは、駆動制御回路板を備え、前記駆動制御回路板は、立体眼鏡制御信号を発生させてその信号を、前記赤外線発射素子に送ることで、前記赤外線発射素子の発光をコントロールすることを特徴とする請求項2に記載の立体表示装置。
【請求項9】
前記赤外線発射素子は、前記駆動制御回路板に電気的に接続されることを特徴とする、請求項8に記載の立体表示装置。
【請求項10】
前記シャッター装置は、赤外線受信機を備え、前記赤外線受信機は、前記赤外線発射素子が発した光線を受けて、前記シャッター装置をコントロールすることを特徴とする、請求項1に記載の立体表示装置。
【請求項11】
前記シャッター装置は、ヘッドフォン型シャッター装置またはシャッターメガネであることを特徴とする、請求項1に記載の立体表示装置。
【請求項12】
前記シャッター装置は、同期制御ユニット、左眼シャッターユニット及び右眼シャッターユニットを備えて、前記同期制御ユニットは、前記左眼シャッターユニット及び前記右眼シャッターユニットに電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の立体表示装置。
【請求項13】
前記同期制御ユニットは、前記赤外線発射素子と同期することで、前記左眼シャッターユニット及び前記右眼シャッターユニットのON/OFFをコントロールすることを特徴とする、請求項12に記載の立体表示装置。
【請求項14】
前記表示モジュールは、左眼画像及び右眼画像を交互に出力することを特徴とする、請求項1に記載の立体表示装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−3572(P2013−3572A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−81252(P2012−81252)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(512084547)群康科技(深▲せん▼)有限公司 (2)
【出願人】(510134581)奇美電子股▲ふん▼有限公司 (28)
【氏名又は名称原語表記】Chimei Innolux Corporation
【住所又は居所原語表記】No.160 Kesyue Rd.,Chu−Nan Site,Hsinchu Science Park,Chu−Nan 350,Miao−Li County,Taiwan,
【Fターム(参考)】