立軸ポンプ
【課題】排水効率を低下させることなく、簡単な構成で水中渦や空気吸込渦の発生を大幅に抑制する。
【解決手段】揚水管11と、この揚水管11内で延びて下端側に羽根車19が固定された主軸15とを備えた立軸ポンプにおいて、揚水管11の下端側の羽根車19の下側に設けられた筒状の外側ラッパ部24と、外側ラッパ部24の内側に設けられ、外側ラッパ部24と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部26cが外側ラッパ部24の下端開口部24cより下側に位置する筒状の内側ラッパ部26と、内側ラッパ部26の内側に設けられ、内側ラッパ部26の下端開口部26cから下向きに突出する3以上の渦流防止リブ31とを備える構成とする。
【解決手段】揚水管11と、この揚水管11内で延びて下端側に羽根車19が固定された主軸15とを備えた立軸ポンプにおいて、揚水管11の下端側の羽根車19の下側に設けられた筒状の外側ラッパ部24と、外側ラッパ部24の内側に設けられ、外側ラッパ部24と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部26cが外側ラッパ部24の下端開口部24cより下側に位置する筒状の内側ラッパ部26と、内側ラッパ部26の内側に設けられ、内側ラッパ部26の下端開口部26cから下向きに突出する3以上の渦流防止リブ31とを備える構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立軸ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポンプ設備に設置する主ポンプは、設置条件に適した形式で始動性、信頼性、保守性に優れ、水位変動や流量変動に対応する運転性能を有するものとすることが、非特許文献1に規定されている。そして、この規定を実現するための1つの手段として、10m3/s以下の吐出し量のポンプについても、吸水槽のセミクローズ化または渦流防止板付オープン形吸水槽を適宜採用することが記載されている。
【0003】
そして、特許文献1には、吸水槽内の水を揚水する際に、空気吸込渦や水中渦の発生を防止することを目的としたポンプ渦防止装置が記載されている。このポンプ渦防止装置は、吸込口を有する下端のラッパ部の外周部に略同心状の副流路形成体を配設し、ラッパ部の外周面と副流路形成体との間に副流路を形成している。これにより、水面側から吸込口へ向かう流れを、主流と副流路に沿って流れる副流に分流し、空気吸込渦の原因となる局部的な下向きの強い流れが生じないようにしている。また、吸込口の下方に山形に突出する吸込コーンを配置し、この吸込コーンによって水中渦の発生を防止している。
【0004】
また、特許文献2には、吸込口を有するラッパ部の内部に、略円錐筒状をなす内側ラッパ部を配設し、これらの間に流路を形成した立軸ポンプが記載されている。そして、内側ラッパ部は、放射状に突出させたリブによって外側ラッパ部の内側に連結されている。
【0005】
これらの特許文献1,2では、吸水槽に施工する渦流防止用の板(+字バッフル)やコーンの代わりに、ポンプケーシング下端の副流路形成体や吸込コーンまたは内側ラッパ部によって、空気吸込渦や水中渦の発生を抑制できる。よって、吸水槽に大掛かりな施工を施すことなく、新規構築機場および既設機場のいずれでも適用可能であり、安価に非特許文献1に記載の規定を厳守できる。しかしながら、これらの渦流防止対策には、渦の発生抑制の点で未だ改良の余地がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】監修 国土交通省総合政策局建設施工企画課「揚排水ポンプ設備技術基準(案)同解説 揚排水ポンプ設備設計指針(案)同解説」,編集兼発行所 社団法人 河川ポンプ施設技術協会,平成13年2月発行,4頁
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4117699号公報
【特許文献2】特許第3735602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、排水効率を低下させることなく、簡単な構成で水中渦や空気吸込渦の発生を大幅に抑制できる立軸ポンプを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の立軸ポンプは、揚水管と、この揚水管内で延びて下端側に羽根車が固定された主軸とを備えた立軸ポンプにおいて、前記揚水管の下端側の前記羽根車の下側に設けられた筒状の外側ラッパ部と、前記外側ラッパ部の内側に設けられ、前記外側ラッパ部と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部が前記外側ラッパ部の下端開口部より下側に位置する筒状の内側ラッパ部と、前記内側ラッパ部の内側に設けられ、前記内側ラッパ部の下端開口部から下向きに突出する3以上の渦流防止リブとを備える構成としている。
【0010】
この立軸ポンプは、内側ラッパ部の内側に、放射状に突出するとともに下端開口部から下向きに突出する3以上の渦流防止リブを連結しているため、簡単な構成で水中渦の発生を抑制できる。そして、渦流防止リブは、大掛かりな施工を要する+字バッフルやコーンと比較すると、大幅にコストダウンを図ることができる。また、内側ラッパ部および渦流防止リブは、揚水管の下端の外側ラッパ部の内側に配設するものであるため、新規構築機場に設置する立軸ポンプは勿論、既設機場の立軸ポンプであっても確実に配設できる。しかも、揚水管の軸線に沿って容易に位置決めできるため、吸水槽に+字バッフルやコーンを施工する場合と比較すると、設置精度に関する作業性も大幅に向上できる。また、この立軸ポンプは、外側ラッパ部内の流路が、内側ラッパ部によって区画される。その結果、渦流防止リブとの相乗効果により、水中渦や空気吸込渦の発生を確実に抑制でき、吸込性能を向上できる。
【0011】
この立軸ポンプでは、前記内側ラッパ部の内側に、前記内側ラッパ部と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部が前記内側ラッパ部の前記下端開口部より下側に位置する筒状の軸心部を設け、この軸心部の外面から前記渦流防止リブを突設して前記内側ラッパ部の内側に連結することが好ましい。
また、前記内側ラッパ部に径方向外向きに突出する3以上の連結リブを設け、この連結リブを前記外側ラッパ部の内側に連結することが好ましい。この場合、前記連結リブを、前記外側ラッパ部の下端開口部より下方に突出させることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の立軸ポンプでは、外側ラッパ部の内側に、放射状に突出するとともに下端開口部から下向きに突出する3以上の渦流防止リブを連結しているため、簡単な構成で水中渦の発生を抑制できる。そして、渦流防止リブは、吸水槽に+字バッフルやコーンを施工する場合と比較すると、大掛かりな施工を必要としないため、大幅にコストダウンを図ることができる。また、渦流防止リブは、新規構築機場に設置する立軸ポンプは勿論、既設機場の立軸ポンプであっても確実に配設できる。さらに、外側ラッパ部の内部に、軸心ラッパ部や内側ラッパ部を設けることにより、渦流防止リブとの相乗効果で水中渦や空気吸込渦の発生を大幅に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態の立軸ポンプを示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】図2の一部を破断した斜視図である。
【図4】図3の分解斜視図である。
【図5】第2実施形態の立軸ポンプの要部拡大断面図である。
【図6】図5の一部を破断した斜視図である。
【図7】図6の分解斜視図である。
【図8】第3実施形態の立軸ポンプの要部拡大断面図である。
【図9】図8の一部を破断した斜視図である。
【図10】図9の分解斜視図である。
【図11】第4実施形態の立軸ポンプの要部拡大断面図である。
【図12】図11の一部を破断した斜視図である。
【図13】図12の分解斜視図である。
【図14】第5実施形態の立軸ポンプを示す断面図である。
【図15】従来の立軸ポンプと本発明の立軸ポンプの性能を比較した図表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1乃至図4は、本発明に係る第1実施形態の立軸ポンプを示す。この立軸ポンプは、吸水槽1に溜められた水を下流側の吐出水槽などへ排水するものである。本実施形態の立軸ポンプは、ポンプケーシング10の外側ラッパ部24の内側に、渦流防止リブ31、軸心ラッパ部30および内側ラッパ部26を配設することにより、運転時の水中渦や空気吸込渦の発生を大幅に抑制するものである。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の立軸ポンプは、外周部をバレルケーシング2で覆うことにより内部に吸水槽1を形成したバレルポンプである。バレルケーシング2には、水を流入させるための流入口3が設けられ、この流入口3が上流側の宅内下水設備などに接続されている。この流入口3から流入された水は、バレルケーシング2内の吸水槽1に一時的に溜められ、立軸ポンプによって揚水されて下流側へ吐出される。
【0017】
ポンプケーシング10は、鉛直方向に延びる直管状の揚水管11を備えている。この揚水管11には、上端に水流を鉛直方向から水平方向へ変える吐出エルボ12が連結されている。この吐出エルボ12は、下端に揚水管11およびバレルケーシング2が液密に連結され、上端の吐出口13が吐出水槽側への配管(図示せず)に液密に連結されている。また、揚水管11には、下端にベーンケーシング14が連結され、このベーンケーシング14の下端に後述するベルマウス21が連結されている。
【0018】
ポンプケーシング10には、揚水管11内を鉛直方向に貫通して延びるように主軸15が配設されている。この主軸15は、下端側がベーンケーシング14内に位置する第1軸受16によって回転自在に支持され、上端側が吐出エルボ12に位置する第2軸受18によって回転自在に支持されている。第1軸受16は、ベーンケーシング14に連結されたホルダ17に配設されている。第2軸受18は、吐出エルボ12の貫通部内に配設されている。これら軸受16,18は、カットレス軸受、セラミック軸受などのすべり軸受からなる。
【0019】
主軸15は、第1軸受16を貫通して下方に突出され、その下端に水を汲み上げるための羽根車19が固定されている。また、主軸15は、第2軸受18および吐出エルボ12の外側部に設けた基台20を貫通し、その上端に図示しない原動機が連結される。そして、原動機の駆動により、主軸15を介して羽根車19を回転させ、吸水槽1内の水を汲み上げる。
【0020】
ベーンケーシング14の下端に連結されたベルマウス21は、図2、図3および図4に示すように、上端にベーンケーシング14に固定するためのフランジ部22を備えている。このフランジ部22には、周方向に所定間隔をもってボルト挿通孔23が設けられている。また、ベルマウス21は、フランジ部22から下向きに漸次縮径した上部の下側に、外側ラッパ部24が設けられている。この外側ラッパ部24の内側には、連結リブ28を一体成形した内側ラッパ部26と、渦流防止リブ31を一体成形した軸心ラッパ部30とが配設されている。
【0021】
外側ラッパ部24は、ベルマウス21の上下方向の略中央部から下端に向けて漸次拡径する略円錐筒状のものである。具体的には、外側ラッパ部24は、上側の円筒部24aと、この円筒部24aの下端から下向きに拡径する円錐筒部24bとを有する。この外側ラッパ部24は、羽根車19の下側に位置し、その下端開口部24cが吸水槽1の底であるバレルケーシング2の底面から所定間隔をもって上方に位置する。また、外側ラッパ部24には、内側ラッパ部26を連結するための連結孔25が、周方向に等間隔(等角度)で4箇所設けられている。
【0022】
内側ラッパ部26は、FRPなどの樹脂からなり、外側ラッパ部24の内側に所定間隔をあけて配設される略円錐筒状のものである。具体的には、内側ラッパ部26は、上側の円筒部26aと、この円筒部26aの下端から下向きに拡径する円錐筒部26bとを有する。この内側ラッパ部26は、下端開口部26cが外側ラッパ部24の下端開口部24cより下側に位置する。また、この内側ラッパ部26は、最も直径が大きい下端外周部が、外側ラッパ部24の下端外周部より小径に形成されている。さらに、内側ラッパ部26には、軸心ラッパ部30を連結するための連結孔27が、周方向に等間隔で4箇所設けられている。
【0023】
内側ラッパ部26の外面部には、外側ラッパ部24に連結するための連結リブ28が周方向に等間隔で4箇所、径方向外方へ放射状に延びるように設けられている。これら連結リブ28は、連結孔27に対して等間隔(45度)で周方向に位相するように設けられている。連結リブ28の上端面は、外側ラッパ部24の内面に沿う円弧状に形成され、その外端部近傍に連結孔25と一致するボルト穴29が設けられている。また、連結リブ28は、内側ラッパ部26の下端外周部近傍より突設されている。これにより、各連結リブ28は、外側ラッパ部24の下端開口部24cより下方に突出するように構成されている。
【0024】
軸心ラッパ部30は、FRPなどの樹脂からなり、外側ラッパ部24および内側ラッパ部26の軸線に沿って延びるように配設される軸心部である。この軸心ラッパ部30は、下端に向けて徐々に拡径するように、径方向外向きに張り出した略円錐筒状をなす。具体的には、軸心ラッパ部30は、上側の円筒部30aと、この円筒部30aの下端から下向きに拡径する円錐筒部30bとを有する。軸心ラッパ部30の下端開口部30cは、内側ラッパ部26の下端開口部26cより下側に位置するとともに、バレルケーシング2の底面から所定間隔をもって上方に位置するように配設される。また、軸心ラッパ部30の下端開口部30cは、内側ラッパ部26の下端開口部26cの直径より小径に形成されている。
【0025】
軸心ラッパ部30の外面部には、水中渦の発生を抑制するとともに内側ラッパ部26に連結するための渦流防止リブ31が設けられている。この渦流防止リブ31は、周方向に等間隔で4箇所、径方向外方へ放射状に延びるように設けられている。渦流防止リブ31の上端面は、内側ラッパ部26の内面に沿う円弧状に形成され、その外端部近傍には、連結孔27と一致するボルト孔32が設けられている。また、渦流防止リブ31は、軸心ラッパ部30の下端外周部から外向きに突設されている。これにより、各渦流防止リブ31は、内側ラッパ部26の下端開口部26cより下方に突出するように構成されている。また、渦流防止リブ31の上端は、外側ラッパ部24内に位置するように構成されている。
【0026】
本実施形態では、外側ラッパ部24は、その下端外径Do1を基準として、上端内径Do2を0.575Do1に設定している。また、内側ラッパ部26は、下端外径Di1を0.950Do1に設定し、上端外径Di2を0.475Do1に設定している。さらに、軸心ラッパ部30は、下端外径Da1を0.500Do1に設定し、上端外径Da2を0.100Do1に設定している。一方、外側ラッパ部24の下端から軸心ラッパ部30の渦流防止リブ31の下端までの突出寸法L1は0.440Do1に設定し、内側ラッパ部26の下端から軸心ラッパ部30の渦流防止リブ31の下端までの突出寸法L2は0.310Do1以上に設定している。ここで、渦流防止リブ31の突出寸法L2は、0.310Do1未満にすると、渦発生流量が低下、即ち低流量で水中渦が発生するようになる。その結果、ポンプ効率の低下に繋がるためである。
【0027】
これら内側ラッパ部26および軸心ラッパ部30を、外側ラッパ部24を有するポンプケーシング10に組み付ける場合、まず、内側ラッパ部26に軸心ラッパ部30を組み付ける。この際、軸心ラッパ部30を内側ラッパ部26の下端開口部26cから内側に配置し、連結孔27に渦流防止リブ31のボルト孔32を一致させ、ボルトによって締め付けて連結する。その後、軸心ラッパ部30を連結した内側ラッパ部26を外側ラッパ部24に組み付ける。この際、内側ラッパ部26を外側ラッパ部24の下端開口部24cから内側に配置し、連結孔25に連結リブ28のボルト孔を一致させ、ボルトによって締め付けて連結する。
【0028】
そして、これらを組み付けた立軸ポンプは、外側ラッパ部24の内側に、放射状に突出するとともに下端開口部24cから下向きに突出する渦流防止リブ31を有する。そのため、吸水槽1に施工する+字バッフルやコーンの代わりに、揚水の流れを整流することにより、確実に水中渦の発生を抑制できる。そして、渦流防止リブ31は、大掛かりな施工を要する+字バッフルやコーンと比較すると、極めて簡単な構成であるため、大幅にコストダウンを図ることができる。
【0029】
また、渦流防止リブ31は、揚水管11の下端の外側ラッパ部24の内側に配設するものであるため、揚水管11の軸線に沿って容易に位置決めできる。よって、吸水槽1に+字バッフルやコーンを施工する場合と比較すると、設置精度に関する作業性も大幅に向上できる。しかも、本実施形態の渦流防止リブ31は、新規構築機場に設置する立軸ポンプに限られず、既設機場の立軸ポンプであっても、ベルマウス21の外側ラッパ部24に連結孔25を設けるだけで、確実に配設できる。
【0030】
さらに、立軸ポンプは、外側ラッパ部24内の流路が、軸心ラッパ部30および内側ラッパ部26によって区画される。そして、エアロック運転時には区画された流路を介して内部に空気が流入するが、エアロック運転への移行前後の水位域では流路が水で閉鎖されるので、空気の流入を防止できる。その結果、空気吸込渦の発生を確実に抑制した先行待機運転を実現できる。また、渦流防止リブ31との相乗効果により、吸込性能を向上できる。即ち、第1実施形態の三重ラッパ型の立軸ポンプは、外側ラッパ部24内の複数のラッパ部26,30により、外側ラッパ部24内での径方向の水流を防止するとともに、放射状に延びるとともに下方へ突出するリブ28,31により周方向の水流を防止できるため、大幅に水中渦の発生を防止できる。
【0031】
(第2実施形態)
図5乃至図7は、第2実施形態の立軸ポンプの吸込部構造を示す。この第2実施形態では、ベルマウス21の外側ラッパ部24の内側に、内側ラッパ部26を配設することなく、渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30だけを配設する構成とした点で、第1実施形態と相違している。この第2実施形態の軸心ラッパ部30の渦流防止リブ31は、その上端面を外側ラッパ部24の内面に沿う円弧状に形成し、その外端部近傍に連結孔25と一致するボルト孔32を設けている。
【0032】
この第2実施形態では、外側ラッパ部24の下端外径Do1を基準として、上端内径Do2を0.575Do1に設定している。また、軸心ラッパ部30は、下端外径Da1を0.500Do1に設定し、上端外径Da2を0.100Do1に設定している。一方、外側ラッパ部24の下端から軸心ラッパ部30の渦流防止リブ31の下端までの突出寸法L1は0.310Do1に設定している。即ち、本発明では、渦流防止リブ31は、下端に位置するラッパ部24,26の下端からの突出寸法L2,L1が、0.310Do1以上になるように設定している。このように構成した第2実施形態の立軸ポンプは、第1実施形態と比較して渦発生流量は低下するが、略同様の作用および効果を得ることができる。
【0033】
(第3実施形態)
図8乃至図10は、第3実施形態の立軸ポンプの吸込部構造を示す。この第3実施形態では、第2実施形態と同様に内側ラッパ部26を配設しない構成とし、かつ、円錐筒状の軸心ラッパ部30の代わりに円筒形状とした軸心円筒部33を配設した点で、第2実施形態と相違している。このように構成した第3実施形態の立軸ポンプは、第2実施形態と比較して渦発生流量は低下するが、略同様の作用および効果を得ることができる。
【0034】
(第4実施形態)
図11乃至図13は、第4実施形態の立軸ポンプの吸込部構造を示す。この第4実施形態では、第2および第3実施形態と同様に内側ラッパ部26を配設しない構成とし、かつ、軸心ラッパ部30も形成することなく、渦流防止リブ31だけを配設する構成とした点で、各実施形態と相違している。このように構成した第4実施形態の立軸ポンプは、各実施形態と比較して空気吸込渦の発生を確実に防止することはできないが、水中渦の発生は確実に防止できる。
【0035】
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態の立軸ポンプを示す。この立軸ポンプは、吸水槽1の上方に設けた据付床4に吐出エルボ12の下端を固定し、揚水管11から下部を垂下させて設置するものである。そして、立軸ポンプのポンプケーシング10には、第1実施形態と同様に、下端に連結リブ28を有する内側ラッパ部26と渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30とが配設されている。
【0036】
また、第5実施形態の立軸ポンプには、通常運転が長期にわたって実行されない場合など、吸水槽1内の水を排水するためではなく、性能維持などの目的で運転する管理運転時に、吸水槽1を清掃する清掃機構34が搭載されている。この清掃機構34は、吐出エルボ12の左右対称の位置に接続された横配管35A,35Bを備えている。この横配管35A,35Bには、直管状の縦配管36A,36Bが接続されている。これら縦配管36A,36Bは、ポンプケーシング10の外側に間隔を開けて配置され、主軸15と平行に鉛直方向下向きに延びている。縦配管36A,36Bには、横配管35A,35Bの付近に開閉弁37A,37Bが介設されている。また、縦配管36A,36Bの下端には、ポンプケーシング10の外側に間隔を隔てて取り囲むように環状配管38が接続されている。環状配管38には、複数個のノズル39が周方向に等間隔で設けられている。これらノズル39は、吸水槽1の底部に向けて全て下向きに配置されている。なお、このノズル39の配設位置は、ポンプケーシング10の外側に限られず、外側ラッパ部24の外側、軸心ラッパ部30の外側や下方など、希望に応じて変更が可能である。
【0037】
この第5実施形態の立軸ポンプの通常運転時には、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。また、管理運転時には、立軸ポンプを起動し、開閉弁37A,37Bを開弁させる。これにより、ベルマウス21のラッパ部24,26,30の下端開口部24c,26c,30cから吸い込まれた吸水槽1内の水がポンプケーシング10から横配管35A,35Bおよび縦配管36A,36Bを経て環状配管38へ圧送される。環状配管38へ圧送された水は、ノズル39から吸水槽1内に噴出され、吸水槽1の底部に堆積していたし渣、砂などの異物が、吹き上げられて吸水槽1内の水中に浮遊する。そして、異物が十分に浮遊した状態とした後に立軸ポンプの通常運転を行うことにより、異物を水と共に下流側へ圧送し、効果的に吸水槽1内を清掃できる。
【0038】
本願発明者らは、本発明の効果を確認するために、水中渦が発生し易いバレルケーシング2を用いて実験を行った。この実験で用いた立軸ポンプの吸込部構造を図15に示す。従来品1は、外側ラッパ部24だけを有する一般的な立軸ポンプである。従来品2は、外側ラッパ部24の内部に、その下端開口部24cから突出しないように平面視+字形状のリブを設けた立軸ポンプである。従来品3は、外側ラッパ部24の内部に、連結リブ28を有する内側ラッパ部26を配設した特許文献2と同様の立軸ポンプである。本発明品1は、外側ラッパ部24の内部に、連結リブ28を有する内側ラッパ部26と渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30を配設した第1実施形態の立軸ポンプである。本発明品2は、外側ラッパ部24の内部に、渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30だけを配設した第2実施形態の立軸ポンプである。
【0039】
これらの立軸ポンプを、第1から第4実施形態に示す+字バッフルやコーンは設けていないバレルケーシング2内に設置して比速度Nsを700で動作させ、渦発生流量Q/QBEP(%)、効率(%)、吸込比速度Sを測定した。なお、バレルケーシング2内に配設した立軸ポンプは、一般的に内部流速が速く、水中渦が発生し易いという特徴を有する。
【0040】
各立軸ポンプの渦発生流量Q/QBEPをバレルケーシング2の底に設けた透視窓から目視で測定した結果、従来品1が43%、従来品2が61%、従来品3が74%、本発明品1が141%本発明品2が128%で水中渦が発生した。この結果から、本発明品1,2の立軸ポンプは、従来品1〜3の立軸ポンプと比較して大幅に水中渦の発生を抑制できることを確認できた。特に、外側ラッパ部24の内側に内側ラッパ部26だけを配設した従来品3(特許文献2)の立軸ポンプと、外側ラッパ部24の内側に軸心ラッパ部30だけを配設した本発明品2(第2実施形態)の立軸ポンプとを比較すると、同様の二重ラッパ型であるにも拘わらず、渦発生ポンプ流量を50%増加できる。これは、外側ラッパ部24から大きく突出させた渦流防止リブ31が大きな効果をもたらしているといえる。
【0041】
また、各立軸ポンプの排水に関する効率は、従来品1がη%、従来品2がη−0.3%、従来品3がη−0.4%、本発明品1がη−0.5%、本発明品2がη−0.4%であった。即ち、効率は、従来品1最もよく、本発明品1が最も悪い結果となっている。これは、外側ラッパ部24内の流路を、内側ラッパ部26、連結リブ28、軸心ラッパ部30および渦流防止リブ31で塞いでいるためと考えられる。しかし、その差は0.4%であり、極めて微少である。よって、本発明品1,2は、排水効率を殆ど低下させることなく、水中渦の発生を大幅に抑制できるといえる。
【0042】
さらに、吸込比速度Sminは、従来品2の過大流量域(140%)QBEPが最も小さい。そのため、この従来品2の吸込比速度Sminとの比率で比較すると、各立軸ポンプによる吸込比速度比S/Sminは、最高効率(100%)QBEPでは、従来品1が1.483で、従来品2が1.482で、従来品3が1.544で、本発明品1が1.500で、本発明品2が1.498であった。また、過大流量域(140%)QBEPでは、従来品1が1.046で、従来品2が1.000で、従来品3が1.203で、本発明品1が1.123で、本発明品2が1.154であった。この結果から、本発明品1,2は従来品1,2と比較すると、吸込比速度比S/Sminを改善できる。但し、吸込性能を改良した従来品3と比較すると、吸込比速度比S/Sminが僅かに劣る。
【0043】
以上の結果から、本発明品1,2の立軸ポンプは、従来品の立軸ポンプと比較すると、排水効率を殆ど低下させることなく、水中渦の発生を大幅に抑制できるといえる。そして、水中渦は、ポンプの振動に直結するものであるため、その発生を大幅に抑制できる本発明の立軸ポンプは、運転時の振動を低減できる。また、従来品2の実験結果から明らかなように、外側ラッパ部24内だけに+字リブを設けただけでは、水中渦の発生を大幅に抑制することはできない。そのため、渦流防止リブ31は、外側ラッパ部24の内側に、外方へ放射状に突出するとともに、下端開口部24cから下向きに突出するように設ける必要がある。
【0044】
なお、本発明の立軸ポンプは、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0045】
例えば、第1実施形態に示す三重ラッパ型の立軸ポンプの軸心ラッパ部30の代わりに、第3実施形態に示す軸心円筒部33を配設する構成としてもよい。また、これら軸心ラッパ部30および軸心円筒部33からなる軸心部は、中空構造のものに限定されず、中実構造のものとしてもよい。さらに、前記各実施形態では、渦流防止リブ31を平面視+字形状をなすように4枚設けたが、3枚以上であれば、その数は希望に応じて変更が可能である。
【0046】
そして、第1実施形態では、内側ラッパ部26および軸心ラッパ部30をそれぞれFRPなどの樹脂により別体で形成したが、これらを一体成形してもよい。また、その形成材料は樹脂に限られず、鋳鉄によって形成してもよい。勿論、第2実施形態の渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30、第3実施形態の渦流防止リブ31を有する軸心円筒部33、第4実施形態の渦流防止リブ31も、鋳鉄によって形成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…吸水槽
2…バレルケーシング
3…流入口
10…ポンプケーシング
11…揚水管
12…吐出エルボ
14…ベーンケーシング
15…主軸
19…羽根車
21…ベルマウス
24…外側ラッパ部
24c…下端開口部
26…内側ラッパ部
26c…下端開口部
28…連結リブ
30…軸心ラッパ部(軸心部)
30c…下端開口部
31…渦流防止リブ
33…軸心円筒部(軸心部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、立軸ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポンプ設備に設置する主ポンプは、設置条件に適した形式で始動性、信頼性、保守性に優れ、水位変動や流量変動に対応する運転性能を有するものとすることが、非特許文献1に規定されている。そして、この規定を実現するための1つの手段として、10m3/s以下の吐出し量のポンプについても、吸水槽のセミクローズ化または渦流防止板付オープン形吸水槽を適宜採用することが記載されている。
【0003】
そして、特許文献1には、吸水槽内の水を揚水する際に、空気吸込渦や水中渦の発生を防止することを目的としたポンプ渦防止装置が記載されている。このポンプ渦防止装置は、吸込口を有する下端のラッパ部の外周部に略同心状の副流路形成体を配設し、ラッパ部の外周面と副流路形成体との間に副流路を形成している。これにより、水面側から吸込口へ向かう流れを、主流と副流路に沿って流れる副流に分流し、空気吸込渦の原因となる局部的な下向きの強い流れが生じないようにしている。また、吸込口の下方に山形に突出する吸込コーンを配置し、この吸込コーンによって水中渦の発生を防止している。
【0004】
また、特許文献2には、吸込口を有するラッパ部の内部に、略円錐筒状をなす内側ラッパ部を配設し、これらの間に流路を形成した立軸ポンプが記載されている。そして、内側ラッパ部は、放射状に突出させたリブによって外側ラッパ部の内側に連結されている。
【0005】
これらの特許文献1,2では、吸水槽に施工する渦流防止用の板(+字バッフル)やコーンの代わりに、ポンプケーシング下端の副流路形成体や吸込コーンまたは内側ラッパ部によって、空気吸込渦や水中渦の発生を抑制できる。よって、吸水槽に大掛かりな施工を施すことなく、新規構築機場および既設機場のいずれでも適用可能であり、安価に非特許文献1に記載の規定を厳守できる。しかしながら、これらの渦流防止対策には、渦の発生抑制の点で未だ改良の余地がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】監修 国土交通省総合政策局建設施工企画課「揚排水ポンプ設備技術基準(案)同解説 揚排水ポンプ設備設計指針(案)同解説」,編集兼発行所 社団法人 河川ポンプ施設技術協会,平成13年2月発行,4頁
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4117699号公報
【特許文献2】特許第3735602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、排水効率を低下させることなく、簡単な構成で水中渦や空気吸込渦の発生を大幅に抑制できる立軸ポンプを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の立軸ポンプは、揚水管と、この揚水管内で延びて下端側に羽根車が固定された主軸とを備えた立軸ポンプにおいて、前記揚水管の下端側の前記羽根車の下側に設けられた筒状の外側ラッパ部と、前記外側ラッパ部の内側に設けられ、前記外側ラッパ部と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部が前記外側ラッパ部の下端開口部より下側に位置する筒状の内側ラッパ部と、前記内側ラッパ部の内側に設けられ、前記内側ラッパ部の下端開口部から下向きに突出する3以上の渦流防止リブとを備える構成としている。
【0010】
この立軸ポンプは、内側ラッパ部の内側に、放射状に突出するとともに下端開口部から下向きに突出する3以上の渦流防止リブを連結しているため、簡単な構成で水中渦の発生を抑制できる。そして、渦流防止リブは、大掛かりな施工を要する+字バッフルやコーンと比較すると、大幅にコストダウンを図ることができる。また、内側ラッパ部および渦流防止リブは、揚水管の下端の外側ラッパ部の内側に配設するものであるため、新規構築機場に設置する立軸ポンプは勿論、既設機場の立軸ポンプであっても確実に配設できる。しかも、揚水管の軸線に沿って容易に位置決めできるため、吸水槽に+字バッフルやコーンを施工する場合と比較すると、設置精度に関する作業性も大幅に向上できる。また、この立軸ポンプは、外側ラッパ部内の流路が、内側ラッパ部によって区画される。その結果、渦流防止リブとの相乗効果により、水中渦や空気吸込渦の発生を確実に抑制でき、吸込性能を向上できる。
【0011】
この立軸ポンプでは、前記内側ラッパ部の内側に、前記内側ラッパ部と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部が前記内側ラッパ部の前記下端開口部より下側に位置する筒状の軸心部を設け、この軸心部の外面から前記渦流防止リブを突設して前記内側ラッパ部の内側に連結することが好ましい。
また、前記内側ラッパ部に径方向外向きに突出する3以上の連結リブを設け、この連結リブを前記外側ラッパ部の内側に連結することが好ましい。この場合、前記連結リブを、前記外側ラッパ部の下端開口部より下方に突出させることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の立軸ポンプでは、外側ラッパ部の内側に、放射状に突出するとともに下端開口部から下向きに突出する3以上の渦流防止リブを連結しているため、簡単な構成で水中渦の発生を抑制できる。そして、渦流防止リブは、吸水槽に+字バッフルやコーンを施工する場合と比較すると、大掛かりな施工を必要としないため、大幅にコストダウンを図ることができる。また、渦流防止リブは、新規構築機場に設置する立軸ポンプは勿論、既設機場の立軸ポンプであっても確実に配設できる。さらに、外側ラッパ部の内部に、軸心ラッパ部や内側ラッパ部を設けることにより、渦流防止リブとの相乗効果で水中渦や空気吸込渦の発生を大幅に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態の立軸ポンプを示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】図2の一部を破断した斜視図である。
【図4】図3の分解斜視図である。
【図5】第2実施形態の立軸ポンプの要部拡大断面図である。
【図6】図5の一部を破断した斜視図である。
【図7】図6の分解斜視図である。
【図8】第3実施形態の立軸ポンプの要部拡大断面図である。
【図9】図8の一部を破断した斜視図である。
【図10】図9の分解斜視図である。
【図11】第4実施形態の立軸ポンプの要部拡大断面図である。
【図12】図11の一部を破断した斜視図である。
【図13】図12の分解斜視図である。
【図14】第5実施形態の立軸ポンプを示す断面図である。
【図15】従来の立軸ポンプと本発明の立軸ポンプの性能を比較した図表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1乃至図4は、本発明に係る第1実施形態の立軸ポンプを示す。この立軸ポンプは、吸水槽1に溜められた水を下流側の吐出水槽などへ排水するものである。本実施形態の立軸ポンプは、ポンプケーシング10の外側ラッパ部24の内側に、渦流防止リブ31、軸心ラッパ部30および内側ラッパ部26を配設することにより、運転時の水中渦や空気吸込渦の発生を大幅に抑制するものである。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の立軸ポンプは、外周部をバレルケーシング2で覆うことにより内部に吸水槽1を形成したバレルポンプである。バレルケーシング2には、水を流入させるための流入口3が設けられ、この流入口3が上流側の宅内下水設備などに接続されている。この流入口3から流入された水は、バレルケーシング2内の吸水槽1に一時的に溜められ、立軸ポンプによって揚水されて下流側へ吐出される。
【0017】
ポンプケーシング10は、鉛直方向に延びる直管状の揚水管11を備えている。この揚水管11には、上端に水流を鉛直方向から水平方向へ変える吐出エルボ12が連結されている。この吐出エルボ12は、下端に揚水管11およびバレルケーシング2が液密に連結され、上端の吐出口13が吐出水槽側への配管(図示せず)に液密に連結されている。また、揚水管11には、下端にベーンケーシング14が連結され、このベーンケーシング14の下端に後述するベルマウス21が連結されている。
【0018】
ポンプケーシング10には、揚水管11内を鉛直方向に貫通して延びるように主軸15が配設されている。この主軸15は、下端側がベーンケーシング14内に位置する第1軸受16によって回転自在に支持され、上端側が吐出エルボ12に位置する第2軸受18によって回転自在に支持されている。第1軸受16は、ベーンケーシング14に連結されたホルダ17に配設されている。第2軸受18は、吐出エルボ12の貫通部内に配設されている。これら軸受16,18は、カットレス軸受、セラミック軸受などのすべり軸受からなる。
【0019】
主軸15は、第1軸受16を貫通して下方に突出され、その下端に水を汲み上げるための羽根車19が固定されている。また、主軸15は、第2軸受18および吐出エルボ12の外側部に設けた基台20を貫通し、その上端に図示しない原動機が連結される。そして、原動機の駆動により、主軸15を介して羽根車19を回転させ、吸水槽1内の水を汲み上げる。
【0020】
ベーンケーシング14の下端に連結されたベルマウス21は、図2、図3および図4に示すように、上端にベーンケーシング14に固定するためのフランジ部22を備えている。このフランジ部22には、周方向に所定間隔をもってボルト挿通孔23が設けられている。また、ベルマウス21は、フランジ部22から下向きに漸次縮径した上部の下側に、外側ラッパ部24が設けられている。この外側ラッパ部24の内側には、連結リブ28を一体成形した内側ラッパ部26と、渦流防止リブ31を一体成形した軸心ラッパ部30とが配設されている。
【0021】
外側ラッパ部24は、ベルマウス21の上下方向の略中央部から下端に向けて漸次拡径する略円錐筒状のものである。具体的には、外側ラッパ部24は、上側の円筒部24aと、この円筒部24aの下端から下向きに拡径する円錐筒部24bとを有する。この外側ラッパ部24は、羽根車19の下側に位置し、その下端開口部24cが吸水槽1の底であるバレルケーシング2の底面から所定間隔をもって上方に位置する。また、外側ラッパ部24には、内側ラッパ部26を連結するための連結孔25が、周方向に等間隔(等角度)で4箇所設けられている。
【0022】
内側ラッパ部26は、FRPなどの樹脂からなり、外側ラッパ部24の内側に所定間隔をあけて配設される略円錐筒状のものである。具体的には、内側ラッパ部26は、上側の円筒部26aと、この円筒部26aの下端から下向きに拡径する円錐筒部26bとを有する。この内側ラッパ部26は、下端開口部26cが外側ラッパ部24の下端開口部24cより下側に位置する。また、この内側ラッパ部26は、最も直径が大きい下端外周部が、外側ラッパ部24の下端外周部より小径に形成されている。さらに、内側ラッパ部26には、軸心ラッパ部30を連結するための連結孔27が、周方向に等間隔で4箇所設けられている。
【0023】
内側ラッパ部26の外面部には、外側ラッパ部24に連結するための連結リブ28が周方向に等間隔で4箇所、径方向外方へ放射状に延びるように設けられている。これら連結リブ28は、連結孔27に対して等間隔(45度)で周方向に位相するように設けられている。連結リブ28の上端面は、外側ラッパ部24の内面に沿う円弧状に形成され、その外端部近傍に連結孔25と一致するボルト穴29が設けられている。また、連結リブ28は、内側ラッパ部26の下端外周部近傍より突設されている。これにより、各連結リブ28は、外側ラッパ部24の下端開口部24cより下方に突出するように構成されている。
【0024】
軸心ラッパ部30は、FRPなどの樹脂からなり、外側ラッパ部24および内側ラッパ部26の軸線に沿って延びるように配設される軸心部である。この軸心ラッパ部30は、下端に向けて徐々に拡径するように、径方向外向きに張り出した略円錐筒状をなす。具体的には、軸心ラッパ部30は、上側の円筒部30aと、この円筒部30aの下端から下向きに拡径する円錐筒部30bとを有する。軸心ラッパ部30の下端開口部30cは、内側ラッパ部26の下端開口部26cより下側に位置するとともに、バレルケーシング2の底面から所定間隔をもって上方に位置するように配設される。また、軸心ラッパ部30の下端開口部30cは、内側ラッパ部26の下端開口部26cの直径より小径に形成されている。
【0025】
軸心ラッパ部30の外面部には、水中渦の発生を抑制するとともに内側ラッパ部26に連結するための渦流防止リブ31が設けられている。この渦流防止リブ31は、周方向に等間隔で4箇所、径方向外方へ放射状に延びるように設けられている。渦流防止リブ31の上端面は、内側ラッパ部26の内面に沿う円弧状に形成され、その外端部近傍には、連結孔27と一致するボルト孔32が設けられている。また、渦流防止リブ31は、軸心ラッパ部30の下端外周部から外向きに突設されている。これにより、各渦流防止リブ31は、内側ラッパ部26の下端開口部26cより下方に突出するように構成されている。また、渦流防止リブ31の上端は、外側ラッパ部24内に位置するように構成されている。
【0026】
本実施形態では、外側ラッパ部24は、その下端外径Do1を基準として、上端内径Do2を0.575Do1に設定している。また、内側ラッパ部26は、下端外径Di1を0.950Do1に設定し、上端外径Di2を0.475Do1に設定している。さらに、軸心ラッパ部30は、下端外径Da1を0.500Do1に設定し、上端外径Da2を0.100Do1に設定している。一方、外側ラッパ部24の下端から軸心ラッパ部30の渦流防止リブ31の下端までの突出寸法L1は0.440Do1に設定し、内側ラッパ部26の下端から軸心ラッパ部30の渦流防止リブ31の下端までの突出寸法L2は0.310Do1以上に設定している。ここで、渦流防止リブ31の突出寸法L2は、0.310Do1未満にすると、渦発生流量が低下、即ち低流量で水中渦が発生するようになる。その結果、ポンプ効率の低下に繋がるためである。
【0027】
これら内側ラッパ部26および軸心ラッパ部30を、外側ラッパ部24を有するポンプケーシング10に組み付ける場合、まず、内側ラッパ部26に軸心ラッパ部30を組み付ける。この際、軸心ラッパ部30を内側ラッパ部26の下端開口部26cから内側に配置し、連結孔27に渦流防止リブ31のボルト孔32を一致させ、ボルトによって締め付けて連結する。その後、軸心ラッパ部30を連結した内側ラッパ部26を外側ラッパ部24に組み付ける。この際、内側ラッパ部26を外側ラッパ部24の下端開口部24cから内側に配置し、連結孔25に連結リブ28のボルト孔を一致させ、ボルトによって締め付けて連結する。
【0028】
そして、これらを組み付けた立軸ポンプは、外側ラッパ部24の内側に、放射状に突出するとともに下端開口部24cから下向きに突出する渦流防止リブ31を有する。そのため、吸水槽1に施工する+字バッフルやコーンの代わりに、揚水の流れを整流することにより、確実に水中渦の発生を抑制できる。そして、渦流防止リブ31は、大掛かりな施工を要する+字バッフルやコーンと比較すると、極めて簡単な構成であるため、大幅にコストダウンを図ることができる。
【0029】
また、渦流防止リブ31は、揚水管11の下端の外側ラッパ部24の内側に配設するものであるため、揚水管11の軸線に沿って容易に位置決めできる。よって、吸水槽1に+字バッフルやコーンを施工する場合と比較すると、設置精度に関する作業性も大幅に向上できる。しかも、本実施形態の渦流防止リブ31は、新規構築機場に設置する立軸ポンプに限られず、既設機場の立軸ポンプであっても、ベルマウス21の外側ラッパ部24に連結孔25を設けるだけで、確実に配設できる。
【0030】
さらに、立軸ポンプは、外側ラッパ部24内の流路が、軸心ラッパ部30および内側ラッパ部26によって区画される。そして、エアロック運転時には区画された流路を介して内部に空気が流入するが、エアロック運転への移行前後の水位域では流路が水で閉鎖されるので、空気の流入を防止できる。その結果、空気吸込渦の発生を確実に抑制した先行待機運転を実現できる。また、渦流防止リブ31との相乗効果により、吸込性能を向上できる。即ち、第1実施形態の三重ラッパ型の立軸ポンプは、外側ラッパ部24内の複数のラッパ部26,30により、外側ラッパ部24内での径方向の水流を防止するとともに、放射状に延びるとともに下方へ突出するリブ28,31により周方向の水流を防止できるため、大幅に水中渦の発生を防止できる。
【0031】
(第2実施形態)
図5乃至図7は、第2実施形態の立軸ポンプの吸込部構造を示す。この第2実施形態では、ベルマウス21の外側ラッパ部24の内側に、内側ラッパ部26を配設することなく、渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30だけを配設する構成とした点で、第1実施形態と相違している。この第2実施形態の軸心ラッパ部30の渦流防止リブ31は、その上端面を外側ラッパ部24の内面に沿う円弧状に形成し、その外端部近傍に連結孔25と一致するボルト孔32を設けている。
【0032】
この第2実施形態では、外側ラッパ部24の下端外径Do1を基準として、上端内径Do2を0.575Do1に設定している。また、軸心ラッパ部30は、下端外径Da1を0.500Do1に設定し、上端外径Da2を0.100Do1に設定している。一方、外側ラッパ部24の下端から軸心ラッパ部30の渦流防止リブ31の下端までの突出寸法L1は0.310Do1に設定している。即ち、本発明では、渦流防止リブ31は、下端に位置するラッパ部24,26の下端からの突出寸法L2,L1が、0.310Do1以上になるように設定している。このように構成した第2実施形態の立軸ポンプは、第1実施形態と比較して渦発生流量は低下するが、略同様の作用および効果を得ることができる。
【0033】
(第3実施形態)
図8乃至図10は、第3実施形態の立軸ポンプの吸込部構造を示す。この第3実施形態では、第2実施形態と同様に内側ラッパ部26を配設しない構成とし、かつ、円錐筒状の軸心ラッパ部30の代わりに円筒形状とした軸心円筒部33を配設した点で、第2実施形態と相違している。このように構成した第3実施形態の立軸ポンプは、第2実施形態と比較して渦発生流量は低下するが、略同様の作用および効果を得ることができる。
【0034】
(第4実施形態)
図11乃至図13は、第4実施形態の立軸ポンプの吸込部構造を示す。この第4実施形態では、第2および第3実施形態と同様に内側ラッパ部26を配設しない構成とし、かつ、軸心ラッパ部30も形成することなく、渦流防止リブ31だけを配設する構成とした点で、各実施形態と相違している。このように構成した第4実施形態の立軸ポンプは、各実施形態と比較して空気吸込渦の発生を確実に防止することはできないが、水中渦の発生は確実に防止できる。
【0035】
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態の立軸ポンプを示す。この立軸ポンプは、吸水槽1の上方に設けた据付床4に吐出エルボ12の下端を固定し、揚水管11から下部を垂下させて設置するものである。そして、立軸ポンプのポンプケーシング10には、第1実施形態と同様に、下端に連結リブ28を有する内側ラッパ部26と渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30とが配設されている。
【0036】
また、第5実施形態の立軸ポンプには、通常運転が長期にわたって実行されない場合など、吸水槽1内の水を排水するためではなく、性能維持などの目的で運転する管理運転時に、吸水槽1を清掃する清掃機構34が搭載されている。この清掃機構34は、吐出エルボ12の左右対称の位置に接続された横配管35A,35Bを備えている。この横配管35A,35Bには、直管状の縦配管36A,36Bが接続されている。これら縦配管36A,36Bは、ポンプケーシング10の外側に間隔を開けて配置され、主軸15と平行に鉛直方向下向きに延びている。縦配管36A,36Bには、横配管35A,35Bの付近に開閉弁37A,37Bが介設されている。また、縦配管36A,36Bの下端には、ポンプケーシング10の外側に間隔を隔てて取り囲むように環状配管38が接続されている。環状配管38には、複数個のノズル39が周方向に等間隔で設けられている。これらノズル39は、吸水槽1の底部に向けて全て下向きに配置されている。なお、このノズル39の配設位置は、ポンプケーシング10の外側に限られず、外側ラッパ部24の外側、軸心ラッパ部30の外側や下方など、希望に応じて変更が可能である。
【0037】
この第5実施形態の立軸ポンプの通常運転時には、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。また、管理運転時には、立軸ポンプを起動し、開閉弁37A,37Bを開弁させる。これにより、ベルマウス21のラッパ部24,26,30の下端開口部24c,26c,30cから吸い込まれた吸水槽1内の水がポンプケーシング10から横配管35A,35Bおよび縦配管36A,36Bを経て環状配管38へ圧送される。環状配管38へ圧送された水は、ノズル39から吸水槽1内に噴出され、吸水槽1の底部に堆積していたし渣、砂などの異物が、吹き上げられて吸水槽1内の水中に浮遊する。そして、異物が十分に浮遊した状態とした後に立軸ポンプの通常運転を行うことにより、異物を水と共に下流側へ圧送し、効果的に吸水槽1内を清掃できる。
【0038】
本願発明者らは、本発明の効果を確認するために、水中渦が発生し易いバレルケーシング2を用いて実験を行った。この実験で用いた立軸ポンプの吸込部構造を図15に示す。従来品1は、外側ラッパ部24だけを有する一般的な立軸ポンプである。従来品2は、外側ラッパ部24の内部に、その下端開口部24cから突出しないように平面視+字形状のリブを設けた立軸ポンプである。従来品3は、外側ラッパ部24の内部に、連結リブ28を有する内側ラッパ部26を配設した特許文献2と同様の立軸ポンプである。本発明品1は、外側ラッパ部24の内部に、連結リブ28を有する内側ラッパ部26と渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30を配設した第1実施形態の立軸ポンプである。本発明品2は、外側ラッパ部24の内部に、渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30だけを配設した第2実施形態の立軸ポンプである。
【0039】
これらの立軸ポンプを、第1から第4実施形態に示す+字バッフルやコーンは設けていないバレルケーシング2内に設置して比速度Nsを700で動作させ、渦発生流量Q/QBEP(%)、効率(%)、吸込比速度Sを測定した。なお、バレルケーシング2内に配設した立軸ポンプは、一般的に内部流速が速く、水中渦が発生し易いという特徴を有する。
【0040】
各立軸ポンプの渦発生流量Q/QBEPをバレルケーシング2の底に設けた透視窓から目視で測定した結果、従来品1が43%、従来品2が61%、従来品3が74%、本発明品1が141%本発明品2が128%で水中渦が発生した。この結果から、本発明品1,2の立軸ポンプは、従来品1〜3の立軸ポンプと比較して大幅に水中渦の発生を抑制できることを確認できた。特に、外側ラッパ部24の内側に内側ラッパ部26だけを配設した従来品3(特許文献2)の立軸ポンプと、外側ラッパ部24の内側に軸心ラッパ部30だけを配設した本発明品2(第2実施形態)の立軸ポンプとを比較すると、同様の二重ラッパ型であるにも拘わらず、渦発生ポンプ流量を50%増加できる。これは、外側ラッパ部24から大きく突出させた渦流防止リブ31が大きな効果をもたらしているといえる。
【0041】
また、各立軸ポンプの排水に関する効率は、従来品1がη%、従来品2がη−0.3%、従来品3がη−0.4%、本発明品1がη−0.5%、本発明品2がη−0.4%であった。即ち、効率は、従来品1最もよく、本発明品1が最も悪い結果となっている。これは、外側ラッパ部24内の流路を、内側ラッパ部26、連結リブ28、軸心ラッパ部30および渦流防止リブ31で塞いでいるためと考えられる。しかし、その差は0.4%であり、極めて微少である。よって、本発明品1,2は、排水効率を殆ど低下させることなく、水中渦の発生を大幅に抑制できるといえる。
【0042】
さらに、吸込比速度Sminは、従来品2の過大流量域(140%)QBEPが最も小さい。そのため、この従来品2の吸込比速度Sminとの比率で比較すると、各立軸ポンプによる吸込比速度比S/Sminは、最高効率(100%)QBEPでは、従来品1が1.483で、従来品2が1.482で、従来品3が1.544で、本発明品1が1.500で、本発明品2が1.498であった。また、過大流量域(140%)QBEPでは、従来品1が1.046で、従来品2が1.000で、従来品3が1.203で、本発明品1が1.123で、本発明品2が1.154であった。この結果から、本発明品1,2は従来品1,2と比較すると、吸込比速度比S/Sminを改善できる。但し、吸込性能を改良した従来品3と比較すると、吸込比速度比S/Sminが僅かに劣る。
【0043】
以上の結果から、本発明品1,2の立軸ポンプは、従来品の立軸ポンプと比較すると、排水効率を殆ど低下させることなく、水中渦の発生を大幅に抑制できるといえる。そして、水中渦は、ポンプの振動に直結するものであるため、その発生を大幅に抑制できる本発明の立軸ポンプは、運転時の振動を低減できる。また、従来品2の実験結果から明らかなように、外側ラッパ部24内だけに+字リブを設けただけでは、水中渦の発生を大幅に抑制することはできない。そのため、渦流防止リブ31は、外側ラッパ部24の内側に、外方へ放射状に突出するとともに、下端開口部24cから下向きに突出するように設ける必要がある。
【0044】
なお、本発明の立軸ポンプは、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0045】
例えば、第1実施形態に示す三重ラッパ型の立軸ポンプの軸心ラッパ部30の代わりに、第3実施形態に示す軸心円筒部33を配設する構成としてもよい。また、これら軸心ラッパ部30および軸心円筒部33からなる軸心部は、中空構造のものに限定されず、中実構造のものとしてもよい。さらに、前記各実施形態では、渦流防止リブ31を平面視+字形状をなすように4枚設けたが、3枚以上であれば、その数は希望に応じて変更が可能である。
【0046】
そして、第1実施形態では、内側ラッパ部26および軸心ラッパ部30をそれぞれFRPなどの樹脂により別体で形成したが、これらを一体成形してもよい。また、その形成材料は樹脂に限られず、鋳鉄によって形成してもよい。勿論、第2実施形態の渦流防止リブ31を有する軸心ラッパ部30、第3実施形態の渦流防止リブ31を有する軸心円筒部33、第4実施形態の渦流防止リブ31も、鋳鉄によって形成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…吸水槽
2…バレルケーシング
3…流入口
10…ポンプケーシング
11…揚水管
12…吐出エルボ
14…ベーンケーシング
15…主軸
19…羽根車
21…ベルマウス
24…外側ラッパ部
24c…下端開口部
26…内側ラッパ部
26c…下端開口部
28…連結リブ
30…軸心ラッパ部(軸心部)
30c…下端開口部
31…渦流防止リブ
33…軸心円筒部(軸心部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揚水管と、この揚水管内で延びて下端側に羽根車が固定された主軸とを備えた立軸ポンプにおいて、
前記揚水管の下端側の前記羽根車の下側に設けられた筒状の外側ラッパ部と、
前記外側ラッパ部の内側に設けられ、前記外側ラッパ部と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部が前記外側ラッパ部の下端開口部より下側に位置する筒状の内側ラッパ部と、
前記内側ラッパ部の内側に設けられ、前記内側ラッパ部の下端開口部から下向きに突出する3以上の渦流防止リブと
を備えることを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項2】
前記内側ラッパ部の内側に、前記内側ラッパ部と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部が前記内側ラッパ部の前記下端開口部より下側に位置する筒状の軸心部を設け、この軸心部の外面から前記渦流防止リブを突設して前記内側ラッパ部の内側に連結したことを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプ。
【請求項3】
前記内側ラッパ部に径方向外向きに突出する3以上の連結リブを設け、この連結リブを前記外側ラッパ部の内側に連結したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立軸ポンプ。
【請求項4】
前記連結リブを、前記外側ラッパ部の下端開口部より下方に突出させたことを特徴とする請求項3に記載の立軸ポンプ。
【請求項1】
揚水管と、この揚水管内で延びて下端側に羽根車が固定された主軸とを備えた立軸ポンプにおいて、
前記揚水管の下端側の前記羽根車の下側に設けられた筒状の外側ラッパ部と、
前記外側ラッパ部の内側に設けられ、前記外側ラッパ部と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部が前記外側ラッパ部の下端開口部より下側に位置する筒状の内側ラッパ部と、
前記内側ラッパ部の内側に設けられ、前記内側ラッパ部の下端開口部から下向きに突出する3以上の渦流防止リブと
を備えることを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項2】
前記内側ラッパ部の内側に、前記内側ラッパ部と所定間隔をあけて下向きに延び、その下端開口部が前記内側ラッパ部の前記下端開口部より下側に位置する筒状の軸心部を設け、この軸心部の外面から前記渦流防止リブを突設して前記内側ラッパ部の内側に連結したことを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプ。
【請求項3】
前記内側ラッパ部に径方向外向きに突出する3以上の連結リブを設け、この連結リブを前記外側ラッパ部の内側に連結したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立軸ポンプ。
【請求項4】
前記連結リブを、前記外側ラッパ部の下端開口部より下方に突出させたことを特徴とする請求項3に記載の立軸ポンプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−83273(P2013−83273A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−25528(P2013−25528)
【出願日】平成25年2月13日(2013.2.13)
【分割の表示】特願2010−270159(P2010−270159)の分割
【原出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000152170)株式会社酉島製作所 (89)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月13日(2013.2.13)
【分割の表示】特願2010−270159(P2010−270159)の分割
【原出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000152170)株式会社酉島製作所 (89)
【Fターム(参考)】
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