説明

端子曲げ加工装置および半導体装置

【課題】表面を傷つけることなく、外部導出端子を90°折り曲げる。
【解決手段】半導体装置10に相対的に固定された側板100c1,100c2に対して押し下げ部材100dを下向きに移動させ、押し下げ部材100dの押し下げ面100d1aによって支持部材100b1の当接部100b1b3,100b1c3を押し下げ、姿勢を維持したまま、支持部材100b1および押し当て部材100a1を側板100c1,100c2のガイド溝100c1a,100c2aに平行に斜め下向きに移動させ、押し当て部材100a1の側面100a1bを、鉛直方向上向きに延びている外部導出端子10b1に当接させ、次いで、外部導出端子10b1が折れ曲がり始めると、押し当て部材100a1の橋絡面100a1cを外部導出端子10b1に当接させ、次いで、押し当て部材100a1の下面100a1aが外部導出端子10b1に当接する時に、外部導出端子10b1の折り曲げ角度が90°になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の樹脂部から鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子であって、ねじ穴を有する外部導出端子を折り曲げる端子曲げ加工装置、および、それによる端子曲げ加工が行われる半導体装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、外部導出端子の表面を傷つけることなく、外部導出端子を90°折り曲げることができる端子曲げ加工装置、および、それによる端子曲げ加工が行われる半導体装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、半導体装置の樹脂部(蓋体)から鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子であって、ねじ穴を有する外部導出端子を折り曲げる端子曲げ加工装置が知られている。この種の端子曲げ加工装置の例としては、例えば特許文献1(特開平11−150224号公報)の図1〜図3に記載されたもの、および、特許文献1の図5に記載されたものがある。
【0004】
特許文献1の図1〜図3に記載された端子曲げ加工装置では、アームを回動させると共に、アームの先端部を外部導出端子に当接させることにより、外部導出端子が折り曲げられる。
【0005】
ところで、特許文献1の図1〜図3に記載された端子曲げ加工装置では、アームの回動中心がアームの先端部および樹脂部(蓋体)よりも上側に配置されているため、外部導出端子を90°折り曲げることができない。詳細には、特許文献1の図1〜図3に記載された端子曲げ加工装置では、外部導出端子が0°から45°まで折り曲げられ、次いで、特許文献1の図1〜図3に記載された端子曲げ加工装置とは別個に設けられた特許文献1の図7に記載された端子曲げ加工装置によって、外部導出端子が45°から90°まで折り曲げられる。
【0006】
つまり、特許文献1の図1〜図3に記載された端子曲げ加工装置のみによっては、外部導出端子を90°折り曲げることができない。
【0007】
更に、特許文献1の図1〜図3に記載された端子曲げ加工装置のような従来の端子曲げ加工装置では、アームが金属によって形成されているため、アームの先端部に当接する外部導出端子の表面が、傷ついてしまうおそれがある。
【0008】
また、特許文献1の図5に記載された端子曲げ加工装置では、当接面(凹入面)を有する折り曲げ加工金型を下向きに移動させると共に、水平面に対して45°の角度をなす当接面(凹入面)を外部導出端子の先端部分に当接させることにより、外部導出端子が折り曲げられる。
【0009】
ところで、特許文献1の図5に記載された端子曲げ加工装置では、水平面に対して45°の角度をなす当接面(凹入面)によって外部導出端子が折り曲げられるため、外部導出端子を90°折り曲げることができない。詳細には、特許文献1の図5に記載された端子曲げ加工装置では、外部導出端子が0°から45°まで折り曲げられ、次いで、特許文献1の図5に記載された端子曲げ加工装置とは別個に設けられた特許文献1の図7に記載された端子曲げ加工装置によって、外部導出端子が45°から90°まで折り曲げられる。
【0010】
つまり、特許文献1の図5に記載された端子曲げ加工装置のみによっては、外部導出端子を90°折り曲げることができない。
【0011】
更に、特許文献1の図5に記載された端子曲げ加工装置では、折り曲げ加工金型の当接面(凹入面)が金属によって形成されているため、折り曲げ加工金型の当接面(凹入面)に当接する外部導出端子の表面が、傷ついてしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−150224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記問題点に鑑み、本発明は、外部導出端子の表面を傷つけることなく、外部導出端子を90°折り曲げることができる端子曲げ加工装置およびそれによる端子曲げ加工が行われる半導体装置を提供することを目的とする。
【0014】
詳細には、本発明は、ねじ穴の中心位置で外部導出端子が折れ曲がるおそれを抑制しつつ、外部導出端子の表面を傷つけることなく、外部導出端子を90°折り曲げることができる端子曲げ加工装置およびそれによる端子曲げ加工が行われる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)であって、ねじ穴(10b1a)を有する外部導出端子(10b1)を90°折り曲げる端子曲げ加工装置(100)において、
水平面内に位置する下面(100a1a)と、下面(100a1a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)に対向する側面(100a1b)と、下面(100a1a)と側面(100a1b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a1c)とを有する押し当て部材(100a1)を設け、
樹脂材料によって押し当て部材(100a1)を形成し、
押し当て部材(100a1)を支持部材(100b1)によって支持し、
板状の外部導出端子(10b1)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)とを支持部材(100b1)に設け、
第1側板(100c1)と第2側板(100c2)とを支持部材(100b1)の両側に配置し、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状のガイド溝(100c1a)を第1側板(100c1)に形成すると共に、支持部材(100b1)の第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と第1側板(100c1)のガイド溝(100c1a)とを係合させ、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状のガイド溝(100c2a)を第1側板(100c1)のガイド溝(100c1a)と平行に第2側板(100c2)に形成すると共に、支持部材(100b1)の第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)と第2側板(100c2)のガイド溝(100c2a)とを係合させ、
上下方向に移動可能な押し下げ部材(100d)を設け、
支持部材(100b1)に設けられた当接部(100b1b3,100b1c3)を押し下げるための押し下げ面(100d1a)を押し下げ部材(100d)に形成し、
外部導出端子(10b1)の折り曲げ時には、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられ、その結果、押し下げ部材(100d)の押し下げ面(100d1a)によって支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられ、それにより、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに移動せしめられ、その結果、押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)に当接すると共に、押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が、外部導出端子(10b1)のねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)よりも下側に位置し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、それにより、外部導出端子(10b1)が折れ曲がり始め、その結果、押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が外部導出端子(10b1)に当接しなくなると共に、押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が外部導出端子(10b1)に当接し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、
その結果、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になることを特徴とする端子曲げ加工装置(100)が提供される。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、押し下げ面(100d1a)に隣接する鉛直面(100d1b)を押し下げ部材(100d)に形成し、
押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が、押し下げ部材(100d)の押し下げ面(100d1a)に当接しなくなると共に、押し下げ部材(100d)の鉛直面(100d1b)に当接し、
その結果、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接した後に押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられても、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)を移動させる力が、押し下げ部材(100d)から支持部材(100b1)に加わらず、その結果、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が、板状の外部導出端子(10b1)に当接した時の状態で板状の外部導出端子(10b1)に対して固定されることを特徴とする請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)が提供される。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、外部導出端子(10b1)のうちの、先端部分(10b1b)とねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)との間の少なくとも一部分が押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)に当接するように、鋭角(θ1)を設定したことを特徴とする請求項2に記載の端子曲げ加工装置(100)が提供される。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)であって、ねじ穴(10b1a)を有する第1外部導出端子(10b1)を90°折り曲げると同時に、樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)であって、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対して平行であり、かつ、第1オフセット距離(OD1)だけ第1外部導出端子(10b1)をオフセットさせた位置に配置されており、かつ、ねじ穴(10b2a)を有する第2外部導出端子(10b2)を、第1外部導出端子(10b1)と同一の向きに90°折り曲げる端子曲げ加工装置(100)において、
水平面内に位置する下面(100a1a)と、下面(100a1a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対向する側面(100a1b)と、下面(100a1a)と側面(100a1b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a1c)とを有する第1押し当て部材(100a1)を設け、
樹脂材料によって第1押し当て部材(100a1)を形成し、
水平面内に位置する下面(100a2a)と、下面(100a2a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)に対向する側面(100a2b)と、下面(100a2a)と側面(100a2b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a2c)とを有する第2押し当て部材(100a2)を設け、
樹脂材料によって第1押し当て部材(100a1)と同一形状に第2押し当て部材(100a2)を形成し、
第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)を第1支持部材(100b1)によって支持し、
第1オフセット距離(OD1)だけ第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)をオフセットさせた位置に、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)を配置し、
第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)と同一の水平面内に第2押し当て部材(100a2)の下面(100a2a)を配置し、
板状の第1外部導出端子(10b1)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)とを第1支持部材(100b1)に設け、
第1側板(100c1)と第2側板(100c2)とを第1支持部材(100b1)の両側に配置し、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第1ガイド溝(100c1a)を第1側板(100c1)に形成すると共に、第1支持部材(100b1)の第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と第1側板(100c1)の第1ガイド溝(100c1a)とを係合させ、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第1ガイド溝(100c2a)を第1側板(100c1)の第1ガイド溝(100c1a)と平行に第2側板(100c2)に形成すると共に、第1支持部材(100b1)の第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)と第2側板(100c2)の第1ガイド溝(100c2a)とを係合させ、
上下方向に移動可能な押し下げ部材(100d)を設け、
第1支持部材(100b1)に設けられた当接部(100b1b3,100b1c3)を押し下げるための第1押し下げ面(100d1a)を押し下げ部材(100d)に形成し、
第1外部導出端子(10b1)および第2外部導出端子(10b2)の折り曲げ時には、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられ、その結果、押し下げ部材(100d)の第1押し下げ面(100d1a)によって第1支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられ、それにより、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに移動せしめられ、その結果、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると共に、第1押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が、第1外部導出端子(10b1)のねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)よりも下側に位置し、かつ、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)に当接すると共に、第2押し当て部材(100a2)の橋絡面(100a2c)が、第2外部導出端子(10b2)のねじ穴(10b2a)の端子先端側端部(10b2a1)よりも下側に位置し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、それにより、第1外部導出端子(10b1)および第2外部導出端子(10b2)が折れ曲がり始め、その結果、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が第1外部導出端子(10b1)に当接しなくなると共に、第1押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が第1外部導出端子(10b1)に当接し、かつ、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)が第2外部導出端子(10b2)に当接しなくなると共に、第2押し当て部材(100a2)の橋絡面(100a2c)が第2外部導出端子(10b2)に当接し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、
その結果、第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると同時に、第2押し当て部材(100a2)の下面(100a2a)が板状の第2外部導出端子(10b2)に当接し、その時に、第1外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になると共に、第2外部導出端子(10b2)の折り曲げ角度が90°になることを特徴とする端子曲げ加工装置(100)が提供される。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)を90°折り曲げると同時に、樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)であって、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対して平行であり、かつ、第2オフセット距離(OD2)だけ第1外部導出端子(10b1)をオフセットさせた位置に配置されており、かつ、ねじ穴(10b3a)を有する第3外部導出端子(10b3)を、第1外部導出端子(10b1)とは逆向きに90°折り曲げる請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)において、
水平面内に位置する下面(100a3a)と、下面(100a3a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)に対向する側面(100a3b)と、下面(100a3a)と側面(100a3b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a3c)とを有する第3押し当て部材(100a3)を設け、
第1押し当て部材(100a1)と鏡像関係を有するように樹脂材料によって第3押し当て部材(100a3)を形成し、
第3押し当て部材(100a3)を第1支持部材(100b1)とは異なる第2支持部材(100b2)によって支持し、
第1外部導出端子(10b1)、第2外部導出端子(10b2)および第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ開始前に第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)と第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)との間隔(SP)が第2オフセット距離(OD2)より大きくなるように、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)に対向させて第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)を配置し、
第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)と同一の水平面内に第3押し当て部材(100a3)の下面(100a3a)を配置し、
板状の第3外部導出端子(10b3)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b2b1,100b2b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b2c1,100b2c2)とを第2支持部材(100b2)に設け、
第1側板(100c1)と第2側板(100c2)との間に第2支持部材(100b2)を配置し、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第2ガイド溝(100c1b)を、第1ガイド溝(100c1a)と鏡像関係を有するように第1側板(100c1)に形成すると共に、第2支持部材(100b2)の第1ガイド凸部(100b2b1,100b2b2)と第1側板(100c1)の第2ガイド溝(100c1b)とを係合させ、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第2ガイド溝(100c2b)を、第1ガイド溝(100c2a)と鏡像関係を有するように、第1側板(100c1)の第2ガイド溝(100c1b)と平行に第2側板(100c2)に形成すると共に、第2支持部材(100b2)の第2ガイド凸部(100b2c1,100b2c2)と第2側板(100c2)の第2ガイド溝(100c2b)とを係合させ、
第2支持部材(100b2)に設けられた当接部(100b2b3,100b2c3)を押し下げるための第2押し下げ面(100d2a)を押し下げ部材(100d)に形成し、
第1外部導出端子(10b1)、第2外部導出端子(10b2)および第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ時には、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられ、その結果、押し下げ部材(100d)の第1押し下げ面(100d1a)によって第1支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられると共に、第2押し下げ面(100d2a)によって第2支持部材(100b2)の当接部(100b2b3,100b2c3)が押し下げられ、それにより、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに移動せしめられ、その結果、第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)に当接すると共に、第3押し当て部材(100a3)の橋絡面(100a3c)が、第3外部導出端子(10b3)のねじ穴(10b3a)の端子先端側端部(10b3a1)よりも下側に位置し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、それにより、第3外部導出端子(10b3)が折れ曲がり始め、その結果、第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)が第3外部導出端子(10b3)に当接しなくなると共に、第3押し当て部材(100a3)の橋絡面(100a3c)が第3外部導出端子(10b3)に当接し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、
その結果、第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると同時に、第3押し当て部材(100a3)の下面(100a3a)が板状の第3外部導出端子(10b3)に当接し、その時に、第1外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になると共に、第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ角度が90°になることを特徴とする端子曲げ加工装置(100)が提供される。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の端子曲げ加工装置(100)によって端子曲げ加工が行われる半導体装置(10)において、
外部導出端子(10b1)に概略半円状の切り欠き部(10b1e)を形成し、
概略半円状の切り欠き部(10b1e)の端子根元側端部(10b1e1)が樹脂部(10a)の上面(10a1)と一致するように、概略半円状の切り欠き部(10b1e)を配置したことを特徴とする半導体装置(10)が提供される。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)であって、ねじ穴(10b1a)を有する外部導出端子(10b1)が90°折り曲げられる。
【0022】
詳細には、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、水平面内に位置する下面(100a1a)と、下面(100a1a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)に対向する側面(100a1b)と、下面(100a1a)と側面(100a1b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a1c)とを有する押し当て部材(100a1)が設けられている。また、樹脂材料によって押し当て部材(100a1)が形成されている。更に、押し当て部材(100a1)が支持部材(100b1)によって支持されている。
【0023】
また、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、板状の外部導出端子(10b1)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)とが、支持部材(100b1)に設けられている。更に、第1側板(100c1)と第2側板(100c2)とが支持部材(100b1)の両側に配置されている。また、水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状のガイド溝(100c1a)が第1側板(100c1)に形成されると共に、支持部材(100b1)の第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と第1側板(100c1)のガイド溝(100c1a)とが係合せしめられている。
【0024】
更に、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状のガイド溝(100c2a)が第1側板(100c1)のガイド溝(100c1a)と平行に第2側板(100c2)に形成されると共に、支持部材(100b1)の第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)と第2側板(100c2)のガイド溝(100c2a)とが係合せしめられている。また、上下方向に移動可能な押し下げ部材(100d)が設けられている。更に、支持部材(100b1)に設けられた当接部(100b1b3,100b1c3)を押し下げるための押し下げ面(100d1a)が、押し下げ部材(100d)に形成されている。
【0025】
詳細には、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、外部導出端子(10b1)の折り曲げ時に、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられ、その結果、押し下げ部材(100d)の押し下げ面(100d1a)によって支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられる。それにより、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、回転することなく姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに移動せしめられる。その結果、押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)に当接すると共に、押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が、外部導出端子(10b1)のねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)よりも下側に位置する。
【0026】
次いで、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられ、その結果、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、回転することなく姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられる。それにより、外部導出端子(10b1)が折れ曲がり始め、その結果、押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が外部導出端子(10b1)に当接しなくなると共に、押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が外部導出端子(10b1)に当接する。
【0027】
次いで、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられ、その結果、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、回転することなく姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられる。
【0028】
その結果、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になる。
【0029】
換言すれば、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、特許文献1の図7に記載された端子曲げ加工装置を用いる必要なく、押し下げ部材(100d)を下向きに移動させることのみによって、外部導出端子(10b1)を90°折り曲げることができる。
【0030】
また、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、外部導出端子(10b1)に当接する押し当て部材(100a1)が、樹脂材料によって形成されている。そのため、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、外部導出端子(10b1)の表面を傷つけることなく、外部導出端子(10b1)を90°折り曲げることができる。
【0031】
更に、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)では、外部導出端子(10b1)が折れ曲がり始める時に、押し当て部材(100a1)が外部導出端子(10b1)の先端部分(10b1b)に当接するのではなく、押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が、外部導出端子(10b1)のうちの、ねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)よりも下側(端子根元側)の部分に当接する。
【0032】
そのため、請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、ねじ穴(10b1a)の中心位置(10b1c)で外部導出端子(10b1)が折れ曲がるおそれを抑制しつつ、外部導出端子(10b1)を90°折り曲げることができる。
【0033】
請求項2に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し下げ面(100d1a)に隣接する鉛直面(100d1b)が押し下げ部材(100d)に形成されている。
【0034】
詳細には、請求項2に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が、押し下げ部材(100d)の押し下げ面(100d1a)に当接しなくなると共に、押し下げ部材(100d)の鉛直面(100d1b)に当接する。その結果、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接した後に押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられても、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)を移動させる力が、押し下げ部材(100d)から支持部材(100b1)に加わらず、その結果、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が、板状の外部導出端子(10b1)に当接した時の状態で板状の外部導出端子(10b1)に対して固定される。
【0035】
つまり、請求項2に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接した後に押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられる場合であっても、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)から板状の外部導出端子(10b1)に過剰な力が加わらない。
【0036】
そのため、請求項2に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接した瞬間に押し下げ部材(100d)の下向きの動きが停止するように押し下げ部材(100d)の下向きの動きを高精度に制御する必要性を排除することができる。
【0037】
換言すれば、請求項2に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、押し下げ部材(100d)の下向きの動きを高精度に制御する必要なく、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)から板状の外部導出端子(10b1)に過剰な力が加わらないように、外部導出端子(10b1)を正確に90°折り曲げることができる。
【0038】
請求項3に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、外部導出端子(10b1)のうちの、先端部分(10b1b)とねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)との間の少なくとも一部分が押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)に当接するように、鋭角(θ1)が設定されている。
【0039】
そのため、請求項3に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、外部導出端子(10b1)のうちの、先端部分(10b1b)とねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)との間の部分が押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)に当接しない場合よりも、折り曲げ後の外部導出端子(10b1)の先端部分(10b1b)の位置精度を向上させることができる。
【0040】
換言すれば、請求項3に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、外部導出端子(10b1)のうちの、先端部分(10b1b)とねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)との間の部分が押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)に当接しない場合よりも、折り曲げ後の外部導出端子(10b1)のスプリングバックを抑制することができる。
【0041】
請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)であって、ねじ穴(10b1a)を有する第1外部導出端子(10b1)が90°折り曲げられると同時に、樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)であって、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対して平行であり、かつ、第1オフセット距離(OD1)だけ第1外部導出端子(10b1)をオフセットさせた位置に配置されており、かつ、ねじ穴(10b2a)を有する第2外部導出端子(10b2)が、第1外部導出端子(10b1)と同一の向きに90°折り曲げられる。
【0042】
詳細には、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、水平面内に位置する下面(100a1a)と、下面(100a1a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対向する側面(100a1b)と、下面(100a1a)と側面(100a1b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a1c)とを有する第1押し当て部材(100a1)が設けられている。また、樹脂材料によって第1押し当て部材(100a1)が形成されている。
【0043】
更に、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、水平面内に位置する下面(100a2a)と、下面(100a2a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)に対向する側面(100a2b)と、下面(100a2a)と側面(100a2b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a2c)とを有する第2押し当て部材(100a2)が設けられている。また、樹脂材料によって第1押し当て部材(100a1)と同一形状に第2押し当て部材(100a2)が形成されている。
【0044】
また、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が第1支持部材(100b1)によって支持されている。更に、第1オフセット距離(OD1)だけ第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)をオフセットさせた位置に、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)が配置されている。また、第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)と同一の水平面内に第2押し当て部材(100a2)の下面(100a2a)が配置されている。
【0045】
更に、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、板状の第1外部導出端子(10b1)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)とが第1支持部材(100b1)に設けられている。また、第1側板(100c1)と第2側板(100c2)とが第1支持部材(100b1)の両側に配置されている。更に、水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第1ガイド溝(100c1a)が第1側板(100c1)に形成されると共に、第1支持部材(100b1)の第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と第1側板(100c1)の第1ガイド溝(100c1a)とが係合せしめられている。
【0046】
また、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第1ガイド溝(100c2a)が、第1側板(100c1)の第1ガイド溝(100c1a)と平行に第2側板(100c2)に形成されると共に、第1支持部材(100b1)の第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)と第2側板(100c2)の第1ガイド溝(100c2a)とが係合せしめられている。更に、上下方向に移動可能な押し下げ部材(100d)が設けられている。また、第1支持部材(100b1)に設けられた当接部(100b1b3,100b1c3)を押し下げるための第1押し下げ面(100d1a)が、押し下げ部材(100d)に形成されている。
【0047】
詳細には、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1外部導出端子(10b1)および第2外部導出端子(10b2)の折り曲げ時に、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられる。その結果、押し下げ部材(100d)の第1押し下げ面(100d1a)によって第1支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられ、それにより、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに移動せしめられる。その結果、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると共に、第1押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が、第1外部導出端子(10b1)のねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)よりも下側に位置し、かつ、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)に当接すると共に、第2押し当て部材(100a2)の橋絡面(100a2c)が、第2外部導出端子(10b2)のねじ穴(10b2a)の端子先端側端部(10b2a1)よりも下側に位置する。
【0048】
次いで、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられる。その結果、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、それにより、第1外部導出端子(10b1)および第2外部導出端子(10b2)が折れ曲がり始める。その結果、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が第1外部導出端子(10b1)に当接しなくなると共に、第1押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が第1外部導出端子(10b1)に当接し、かつ、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)が第2外部導出端子(10b2)に当接しなくなると共に、第2押し当て部材(100a2)の橋絡面(100a2c)が第2外部導出端子(10b2)に当接する。
【0049】
次いで、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられる。その結果、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられる。
【0050】
その結果、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると同時に、第2押し当て部材(100a2)の下面(100a2a)が板状の第2外部導出端子(10b2)に当接し、その時に、第1外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になると共に、第2外部導出端子(10b2)の折り曲げ角度が90°になる。
【0051】
換言すれば、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、特許文献1の図7に記載された端子曲げ加工装置を用いる必要なく、押し下げ部材(100d)を下向きに移動させることのみによって、第1外部導出端子(10b1)を90°折り曲げることができる。
【0052】
また、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1外部導出端子(10b1)に当接する第1押し当て部材(100a1)が、樹脂材料によって形成されている。そのため、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、第1外部導出端子(10b1)の表面を傷つけることなく、第1外部導出端子(10b1)を90°折り曲げることができる。
【0053】
更に、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1外部導出端子(10b1)が折れ曲がり始める時に、第1押し当て部材(100a1)が第1外部導出端子(10b1)の先端部分(10b1b)に当接するのではなく、第1押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が、第1外部導出端子(10b1)のうちの、ねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)よりも下側(端子根元側)の部分に当接する。
【0054】
そのため、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、ねじ穴(10b1a)の中心位置(10b1c)で第1外部導出端子(10b1)が折れ曲がるおそれを抑制しつつ、第1外部導出端子(10b1)を90°折り曲げることができる。
【0055】
更に、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、斜め下向きに直線的に移動せしめられる。そのため、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、特許文献1の図1〜図3に記載された端子曲げ加工装置のように2つの押し当て部材(アーム)が異なる回転軸を中心に回動せしめられる場合よりも、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)を互いに近接させて配置することができる。
【0056】
つまり、請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、互いに近接して配置された第1外部導出端子(10b1)および第2外部導出端子(10b2)を、同一の向きに同時に90°折り曲げることができる。
【0057】
請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)では、半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)が90°折り曲げられると同時に、樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)であって、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対して平行であり、かつ、第2オフセット距離(OD2)だけ第1外部導出端子(10b1)をオフセットさせた位置に配置されており、かつ、ねじ穴(10b3a)を有する第3外部導出端子(10b3)が、第1外部導出端子(10b1)とは逆向きに90°折り曲げられる。
【0058】
詳細には、請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)では、水平面内に位置する下面(100a3a)と、下面(100a3a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)に対向する側面(100a3b)と、下面(100a3a)と側面(100a3b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a3c)とを有する第3押し当て部材(100a3)が設けられている。また、第1押し当て部材(100a1)と鏡像関係を有するように、樹脂材料によって第3押し当て部材(100a3)が形成されている。更に、第3押し当て部材(100a3)が第1支持部材(100b1)とは異なる第2支持部材(100b2)によって支持されている。
【0059】
また、請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1外部導出端子(10b1)、第2外部導出端子(10b2)および第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ開始前に第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)と第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)との間隔(SP)が第2オフセット距離(OD2)より大きくなるように、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)に対向して第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)が配置されている。更に、第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)と同一の水平面内に第3押し当て部材(100a3)の下面(100a3a)が配置されている。また、板状の第3外部導出端子(10b3)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b2b1,100b2b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b2c1,100b2c2)とが、第2支持部材(100b2)に設けられている。
【0060】
更に、請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1側板(100c1)と第2側板(100c2)との間に第2支持部材(100b2)が配置されている。また、水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第2ガイド溝(100c1b)が、第1ガイド溝(100c1a)と鏡像関係を有するように第1側板(100c1)に形成されると共に、第2支持部材(100b2)の第1ガイド凸部(100b2b1,100b2b2)と第1側板(100c1)の第2ガイド溝(100c1b)とが係合せしめられている。また、水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第2ガイド溝(100c2b)が、第1ガイド溝(100c2a)と鏡像関係を有するように、第1側板(100c1)の第2ガイド溝(100c1b)と平行に第2側板(100c2)に形成されると共に、第2支持部材(100b2)の第2ガイド凸部(100b2c1,100b2c2)と第2側板(100c2)の第2ガイド溝(100c2b)とが係合せしめられている。更に、第2支持部材(100b2)に設けられた当接部(100b2b3,100b2c3)を押し下げるための第2押し下げ面(100d2a)が押し下げ部材(100d)に形成されている。
【0061】
詳細には、請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1外部導出端子(10b1)、第2外部導出端子(10b2)および第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ時に、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられる。その結果、押し下げ部材(100d)の第1押し下げ面(100d1a)によって第1支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられると共に、第2押し下げ面(100d2a)によって第2支持部材(100b2)の当接部(100b2b3,100b2c3)が押し下げられ、それにより、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに移動せしめられる。その結果、第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)に当接すると共に、第3押し当て部材(100a3)の橋絡面(100a3c)が、第3外部導出端子(10b3)のねじ穴(10b3a)の端子先端側端部(10b3a1)よりも下側に位置する。
【0062】
次いで、請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられる。その結果、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、それにより、第3外部導出端子(10b3)が折れ曲がり始める。その結果、第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)が第3外部導出端子(10b3)に当接しなくなると共に、第3押し当て部材(100a3)の橋絡面(100a3c)が第3外部導出端子(10b3)に当接する。
【0063】
次いで、請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)では、押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられる。その結果、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられる。
【0064】
その結果、請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)では、第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると同時に、第3押し当て部材(100a3)の下面(100a3a)が板状の第3外部導出端子(10b3)に当接し、その時に、第1外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になると共に、第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ角度が90°になる。
【0065】
換言すれば、請求項5に記載の端子曲げ加工装置(100)によれば、第1外部導出端子(10b1)を90°折り曲げると同時に、第3外部導出端子(10b3)を第1外部導出端子(10b1)とは逆向きに90°折り曲げることができる。
【0066】
請求項6に記載の半導体装置(10)では、外部導出端子(10b1)に概略半円状の切り欠き部(10b1e)が形成されている。更に、概略半円状の切り欠き部(10b1e)の端子根元側端部(10b1e1)が樹脂部(10a)の上面(10a1)と一致するように、概略半円状の切り欠き部(10b1e)が配置されている。
【0067】
そのため、請求項6に記載の半導体装置(10)によれば、概略半円状の切り欠き部(10b1e)の円弧の中心位置(10b1e2)が樹脂部(10a)の上面(10a1)と一致するように概略半円状の切り欠き部(10b1e)が配置されている場合よりも、板厚が厚い外部導出端子(10b1)の折り曲げ後のスプリングバックを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の主要部を示した部分断面正面図である。
【図2】図1に示す押し当て部材100a1,100a2,100a3の部品図である。
【図3】図1に示す支持部材100b1の部品図である。
【図4】図1に示す支持部材100b2の部品図である。
【図5】支持部材100b1,100b2の前側に配置される前側板100c1の部品図である。
【図6】図1に示す後側板100c2の部品図である。
【図7】図1に示す押し下げ部材100dの部品図である。
【図8】図1に示す半導体装置10の詳細図である。
【図9】第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の作動状態を示した図である。
【図10】図9に示す状態における押し当て部材100a1,100a2,100a3および半導体装置10の拡大図である。
【図11】第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の作動状態を示した図である。
【図12】図11に示す状態における押し当て部材100a1,100a2,100a3および半導体装置10の拡大図である。
【図13】外部導出端子10b1,10b2,10b3の折り曲げ角度が45°になった状態における押し当て部材100a1,100a2,100a3および半導体装置10の拡大図である。
【図14】第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の作動状態を示した図である。
【図15】図14に示す状態における押し当て部材100a1,100a2,100a3および半導体装置10の拡大図である。
【図16】比較例の端子曲げ加工装置によって外部導出端子10b1,10b2,10b3が90°折り曲げられた状態を示した図である。
【図17】第1の実施形態の端子曲げ加工装置100に適用される下冶具200の搬送装置300の概略的な平面図である。
【図18】第1の実施形態の端子曲げ加工装置100による端子曲げ加工が行われる半導体装置10の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、本発明の端子曲げ加工装置の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の主要部を示した部分断面正面図である。詳細には、図1は第1の実施形態の端子曲げ加工装置100が半導体装置10から離間せしめられている第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の待機状態を示した図である。図2は図1に示す押し当て部材100a1,100a2,100a3の部品図である。詳細には、図2(A)は押し当て部材100a1の平面図、図2(B)は押し当て部材100a1の右側面図、図2(C)は押し当て部材100a1の正面図である。図2(D)は押し当て部材100a2の平面図、図2(E)は押し当て部材100a2の右側面図、図2(F)は押し当て部材100a2の正面図である。図2(G)は押し当て部材100a3の左側面図、図2(H)は押し当て部材100a3の平面図、図2(I)は押し当て部材100a3の正面図である。
【0070】
図3は図1に示す支持部材100b1の部品図である。詳細には、図3(A)は支持部材100b1の平面図、図3(B)は支持部材100b1の左側面図、図3(C)は支持部材100b1の正面図である。図4は図1に示す支持部材100b2の部品図である。詳細には、図4(A)は支持部材100b2の平面図、図4(B)は支持部材100b2の左側面図、図4(C)は支持部材100b2の正面図である。図5は支持部材100b1,100b2の前側に配置される前側板100c1の部品図である。詳細には、図5(A)は前側板100c1の平面図、図5(B)は前側板100c1の正面図である。図6は図1に示す後側板100c2の部品図である。詳細には、図6(A)は後側板100c2の平面図、図6(B)は後側板100c2の正面図である。
【0071】
図7は図1に示す押し下げ部材100dの部品図である。詳細には、図7(A)は押し下げ部材100dの平面図、図7(B)は押し下げ部材100dの正面図である。図8は図1に示す半導体装置10の詳細図である。詳細には、図8(A)は半導体装置10の部分断面正面図である。図8(B)は図8(A)に示す外部導出端子10b1の主要部の右側面図(外部導出端子10b1の主要部を図8(A)の右側から見た図)である。図8(C)は図8(A)に示す外部導出端子10b2の主要部の右側面図(外部導出端子10b2の主要部を図8(A)の右側から見た図)である。図8(D)は図8(A)に示す外部導出端子10b3の主要部の左側面図(外部導出端子10b3の主要部を図8(A)の左側から見た図)である。
【0072】
図9は第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の作動状態を示した図である。詳細には、図9は押し下げ部材100dの押し下げ面100d1a(図7参照)による支持部材100b1の当接部100b1b3,100b1c3(図3参照)の押し下げ、および、押し下げ部材100dの押し下げ面100d2a(図7参照)による支持部材100b2の当接部100b2b3,100b2c3(図4参照)の押し下げの開始前における第1の実施形態の端子曲げ加工装置100および半導体装置10を示した図である。図10は図9に示す状態における押し当て部材100a1,100a2,100a3および半導体装置10の拡大図である。
【0073】
図11は第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の作動状態を示した図である。詳細には、図11は押し下げ部材100dの押し下げ面100d1a,100d2a(図7参照)によって支持部材100b1の当接部100b1b3,100b1c3(図3参照)および支持部材100b2の当接部100b2b3,100b2c3(図4参照)が押し下げられ、それにより、押し当て部材100a1の左側面100a1b(図2参照)が外部導出端子10b1(図8参照)に当接し、押し当て部材100a2の左側面100a2b(図2参照)が外部導出端子10b2(図8参照)に当接し、かつ、押し当て部材100a3の右側面100a3b(図2参照)が外部導出端子10b3(図8参照)に当接した状態における第1の実施形態の端子曲げ加工装置100および半導体装置10を示した図である。図12は図11に示す状態における押し当て部材100a1,100a2,100a3および半導体装置10の拡大図である。
【0074】
図13は外部導出端子10b1,10b2,10b3の折り曲げ角度が45°になった状態における押し当て部材100a1,100a2,100a3および半導体装置10の拡大図である。図14は第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の作動状態を示した図である。詳細には、図14は押し下げ部材100dの押し下げ面100d1a,100d2a(図7参照)によって支持部材100b1の当接部100b1b3,100b1c3(図3参照)および支持部材100b2の当接部100b2b3,100b2c3(図4参照)が更に押し下げられ、それにより、押し当て部材100a1の下面100a1a(図2参照)が外部導出端子10b1(図8参照)に当接し、押し当て部材100a2の下面100a2a(図2参照)が外部導出端子10b2(図8参照)に当接し、かつ、押し当て部材100a3の下面100a3a(図2参照)が外部導出端子10b3(図8参照)に当接し、外部導出端子10b1,10b2,10b3の折り曲げ角度が90°になった状態における第1の実施形態の端子曲げ加工装置100および半導体装置10を示した図である。図15は図14に示す状態における押し当て部材100a1,100a2,100a3および半導体装置10の拡大図である。
【0075】
第1の実施形態の端子曲げ加工装置100による端子曲げ加工が行われる半導体装置10では、例えば、図8(A)および図8(B)に示すように、半導体装置10の樹脂部10aの上面10a1から鉛直方向上向き(図8(A)および図8(B)の上向き)に延びている板状の外部導出端子10b1にねじ穴10b1aが形成されている。更に、図8(A)および図8(C)に示すように、半導体装置10の樹脂部10aの上面10a1から鉛直方向上向き(図8(A)および図8(C)の上向き)に延びている板状の外部導出端子10b2が、オフセット距離OD1(図8(A)参照)だけ外部導出端子10b1をオフセットさせた位置に配置されている。また、外部導出端子10b2にねじ穴10b2aが形成されている。更に、図8(A)および図8(D)に示すように、半導体装置10の樹脂部10aの上面10a1から鉛直方向上向き(図8(A)および図8(D)の上向き)に延びている板状の外部導出端子10b3が、オフセット距離OD2(図8(A)参照)だけ外部導出端子10b1をオフセットさせた位置に配置されている。また、外部導出端子10b3にねじ穴10b3aが形成されている。
【0076】
第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図1、図2(A)、図2(B)および図2(C)に示すように、水平面内に位置する下面100a1a(図2参照)と、下面100a1a(図2参照)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子10b1(図1参照)に対向する左側面100a1b(図2参照)と、下面100a1a(図2参照)と左側面100a1b(図2参照)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面100a1c(図2参照)と、右側面100a1dと、上面100a1eとを有する押し当て部材100a1が設けられている。詳細には、例えば半径0.5mmの4分の1円弧を前後方向(図1および図2(C)の前後方向、図2(A)および図2(B)の上下方向)にスイープする(押し出す)ことにより得られる面によって、橋絡面100a1c(図2参照)が構成されている。また、例えばPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)材などのような樹脂材料によって、押し当て部材100a1が形成されている。
【0077】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図1、図2(D)、図2(E)および図2(F)に示すように、水平面内に位置する下面100a2a(図2参照)と、下面100a2a(図2参照)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子10b2(図1参照)に対向する左側面100a2b(図2参照)と、下面100a2a(図2参照)と左側面100a2b(図2参照)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面100a2c(図2参照)と、右側面100a2dと、上面100a2eとを有する押し当て部材100a2が設けられている。詳細には、例えば半径0.5mmの4分の1円弧を前後方向(図1および図2(F)の前後方向、図2(D)および図2(E)の上下方向)にスイープする(押し出す)ことにより得られる面によって、橋絡面100a2c(図2参照)が構成されている。また、例えばPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)材などのような樹脂材料によって、押し当て部材100a1と同一形状に押し当て部材100a2が形成されている。
【0078】
更に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図1、図2(G)、図2(H)および図2(I)に示すように、水平面内に位置する下面100a3a(図2参照)と、下面100a3a(図2参照)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子10b3(図1参照)に対向する右側面100a3b(図2参照)と、下面100a3a(図2参照)と右側面100a3b(図2参照)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面100a3c(図2参照)と、左側面100a3dと、上面100a3eとを有する押し当て部材100a3が設けられている。詳細には、例えば半径0.5mmの4分の1円弧を前後方向(図1および図2(I)の前後方向、図2(G)および図2(H)の上下方向)にスイープする(押し出す)ことにより得られる面によって、橋絡面100a3c(図2参照)が構成されている。また、例えばPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)材などのような樹脂材料によって、押し当て部材100a1と鏡像関係を有するように押し当て部材100a3が形成されている。
【0079】
第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し当て部材100a1,100a2,100a3として、同一形状の部材が用いられているが、第2の実施形態の端子曲げ加工装置100では、代わりに、押し当て部材100a1,100a2,100a3の形状を互いに異ならせることも可能である。
【0080】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図1に示すように、押し当て部材100a1,100a2(図2参照)が支持部材100b1(図3参照)によって支持されている。詳細には、例えばねじ止めなどによって押し当て部材100a1,100a2(図2参照)が支持部材100b1(図3参照)の下面100b1a(図3参照)に固定されている。
【0081】
詳細には、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図10に示すように、オフセット距離OD1(図8および図10参照)だけ押し当て部材100a1の左側面100a1bをオフセットさせた位置に、押し当て部材100a2の左側面100a2bが配置されている。また、押し当て部材100a1の下面100a1aと同一の水平面内に押し当て部材100a2の下面100a2aが配置されている。
【0082】
更に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図1に示すように、押し当て部材100a3(図2参照)が、支持部材100b1(図3参照)とは異なる支持部材100b2(図4参照)によって支持されている。詳細には、例えばねじ止めなどによって押し当て部材100a3(図2参照)が支持部材100b2(図4参照)の下面100b2a(図4参照)に固定されている。
【0083】
詳細には、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図10に示すように、外部導出端子10b1,10b2,10b3の折り曲げ開始前の段階(図1に示す状態、あるいは、図9および図10に示す状態)で押し当て部材100a1の左側面100a1bと押し当て部材100a3の右側面100a3bとの間隔SPがオフセット距離OD2(図8参照)より大きくなるように、押し当て部材100a1の左側面100a1bに対向して押し当て部材100a3の右側面100a3bが配置されている。更に、押し当て部材100a1の下面100a1aと同一の水平面内に押し当て部材100a3の下面100a3aが配置されている。
【0084】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図3に示すように、例えばローラーベアリングなどのようなガイド凸部100b1b1,100b1b2が支持部材100b1の前側面100b1bに設けられている。詳細には、ガイド凸部100b1b1,100b1b2が、板状の外部導出端子10b1,10b2(図1参照)に平行に前向き(図3(A)の下向き)に延ばされている。更に、例えばローラーベアリングなどのようなガイド凸部100b1c1,100b1c2が支持部材100b1の後側面100b1cに設けられている。詳細には、ガイド凸部100b1c1,100b1c2が、板状の外部導出端子10b1,10b2(図1参照)に平行に後向き(図3(A)の上向き)に延ばされている。また、例えばローラーベアリングなどのような当接部100b1b3,100b1c3が支持部材100b1に設けられている。
【0085】
更に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図4に示すように、例えばローラーベアリングなどのようなガイド凸部100b2b1,100b2b2が支持部材100b2の前側面100b2bに設けられている。詳細には、ガイド凸部100b2b1,100b2b2が、板状の外部導出端子10b3(図1参照)に平行に前向き(図4(A)の下向き)に延ばされている。また、例えばローラーベアリングなどのようなガイド凸部100b2c1,100b2c2が支持部材100b2の後側面100b2cに設けられている。詳細には、ガイド凸部100b2c1,100b2c2が、板状の外部導出端子10b3(図1参照)に平行に後向き(図4(A)の上向き)に延ばされている。更に、例えばローラーベアリングなどのような当接部100b2b3,100b2c3が支持部材100b2に設けられている。
【0086】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、前側板100c1(図5参照)と後側板100c2(図1および図6参照)とが支持部材100b1(図1および図3参照)の前後に配置されている。更に、前側板100c1(図5参照)と後側板100c2(図1および図6参照)との間に支持部材100b2(図1および図4参照)が配置されている。
【0087】
更に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図5に示すように、水平面と鋭角θ1をなして延びている直線状のガイド溝100c1aが前側板100c1に形成されている。また、支持部材100b1(図1および図3参照)のガイド凸部100b1b1,100b1b2(図3参照)と前側板100c1のガイド溝100c1aとが係合せしめられている。
【0088】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図6に示すように、水平面と鋭角θ1をなして延びている直線状のガイド溝100c2aが、前側板100c1(図5参照)のガイド溝100c1a(図5参照)と平行に後側板100c2に形成されている。更に、支持部材100b1(図3参照)のガイド凸部100b1c1,100b1c2(図3参照)と後側板100c2のガイド溝100c2aとが係合せしめられている。
【0089】
更に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図5に示すように、水平面と鋭角θ1をなして延びている直線状のガイド溝100c1bが、ガイド溝100c1aと鏡像関係を有するように(左右対称になるように)前側板100c1に形成されている。また、支持部材100b2(図4参照)のガイド凸部100b2b1,100b2b2(図4参照)と前側板100c1のガイド溝100c1bとが係合せしめられている。
【0090】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図6に示すように、水平面と鋭角θ1をなして延びている直線状のガイド溝100c2bが、ガイド溝100c2aと鏡像関係を有するように(左右対称になるように)、前側板100c1(図5参照)のガイド溝100c1b(図5参照)と平行に後側板100c2に形成されている。更に、支持部材100b2(図4参照)のガイド凸部100b2c1,100b2c2(図4参照)と後側板100c2のガイド溝100c2bとが係合せしめられている。
【0091】
第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、前側板100c1および後側板100c2として、同一形状の部材が用いられているが、第3の実施形態の端子曲げ加工装置100では、代わりに、前側板100c1および後側板100c2の形状を互いに異ならせることも可能である。
【0092】
更に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図1および図7に示すように、上下方向に移動可能な押し下げ部材100dが設けられている。詳細には、例えば公知のロボシリンダによって、押し下げ部材100dの上下方向の動作が制御されている。また、支持部材100b1(図3参照)の当接部100b1b3,100b1c3(図3参照)を押し下げるための押し下げ面100d1aが、押し下げ部材100dに形成されている。更に、支持部材100b2(図4参照)の当接部100b2b3,100b2c3(図4参照)を押し下げるための押し下げ面100d2aが押し下げ部材100dに形成されている。
【0093】
詳細には、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し下げ部材100d(図7参照)による支持部材100b1(図3参照)および支持部材100b2(図4参照)の押し下げが開始される前に、図9に示すように、前側板100c1(図5参照)および後側板100c2が半導体装置10に相対的に固定される。詳細には、半導体装置10を支持している下冶具200に対し、前側板100c1(図5参照)および後側板100c2が突き当てられる。
【0094】
次いで、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図11に示すように、前側板100c1(図5参照)および後側板100c2に対して押し下げ部材100dが下向きに移動せしめられる。その結果、押し下げ部材100dの押し下げ面100d1a(図7参照)によって支持部材100b1の当接部100b1b3,100b1c3(図3参照)が押し下げられ、それにより、支持部材100b1および押し当て部材100a1,100a2が、姿勢を維持したまま、前側板100c1(図5参照)の直線状のガイド溝100c1a(図5参照)および後側板100c2の直線状のガイド溝100c2a(図6参照)に平行に斜め下向き(図11の左下向き)に移動せしめられる。
【0095】
その結果、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図12に示すように、押し当て部材100a1の左側面100a1bが、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子10b1に当接すると共に、押し当て部材100a1の橋絡面100a1c(図2(C)参照)が、外部導出端子10b1のねじ穴10b1a(図8(A)および図8(B)参照)の端子先端側端部10b1a1(図8(B)参照)よりも下側(図8(A)および図8(B)の下側)に位置する。更に、押し当て部材100a2の左側面100a2bが、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子10b2に当接すると共に、押し当て部材100a2の橋絡面100a2c(図2(F)参照)が、外部導出端子10b2のねじ穴10b2a(図8(A)および図8(C)参照)の端子先端側端部10b2a1(図8(C)参照)よりも下側(図8(A)および図8(C)の下側)に位置する。
【0096】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図11に示すように、前側板100c1(図5参照)および後側板100c2に対して押し下げ部材100dが下向きに移動せしめられると、押し下げ部材100dの押し下げ面100d2a(図7参照)によって支持部材100b2の当接部100b2b3,100b2c3(図4参照)が押し下げられ、それにより、支持部材100b2および押し当て部材100a3が、姿勢を維持したまま、前側板100c1(図5参照)の直線状のガイド溝100c1b(図5参照)および後側板100c2の直線状のガイド溝100c2b(図6参照)に平行に斜め下向き(図11の右下向き)に移動せしめられる。
【0097】
その結果、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図12に示すように、押し当て部材100a3の右側面100a3bが、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子10b3に当接すると共に、押し当て部材100a3の橋絡面100a3c(図2(I)参照)が、外部導出端子10b3のねじ穴10b3a(図8(A)および図8(D)参照)の端子先端側端部10b3a1(図8(D)参照)よりも下側(図8(A)および図8(D)の下側)に位置する。
【0098】
次いで、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し下げ部材100d(図7および図11参照)が図11に示す状態から更に下向きに移動せしめられる。その結果、支持部材100b1(図11参照)および押し当て部材100a1,100a2(図11参照)が、姿勢を維持したまま、前側板100c1(図5参照)の直線状のガイド溝100c1a(図5参照)および後側板100c2(図11参照)の直線状のガイド溝100c2a(図6参照)に平行に斜め下向き(図11の左下向き)に更に移動せしめられ、それにより、外部導出端子10b1,10b2(図12参照)が折れ曲がり始める。その結果、図13に示すように、押し当て部材100a1の左側面100a1bが外部導出端子10b1に当接しなくなると共に、押し当て部材100a1の橋絡面100a1c(図2(C)参照)が外部導出端子10b1に当接し、かつ、押し当て部材100a2の左側面100a2bが外部導出端子10b2に当接しなくなると共に、押し当て部材100a2の橋絡面100a2c(図2(F)参照)が外部導出端子10b2に当接する。
【0099】
同様に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し下げ部材100d(図7および図11参照)が図11に示す状態から更に下向きに移動せしめられると、支持部材100b2(図11参照)および押し当て部材100a3(図11参照)が、姿勢を維持したまま、前側板100c1(図5参照)の直線状のガイド溝100c1b(図5参照)および後側板100c2(図11参照)の直線状のガイド溝100c2b(図6参照)に平行に斜め下向き(図11の右下向き)に更に移動せしめられ、それにより、外部導出端子10b3(図12参照)が折れ曲がり始める。その結果、図13に示すように、押し当て部材100a3の右側面100a3bが外部導出端子10b3に当接しなくなると共に、押し当て部材100a3の橋絡面100a3c(図2(I)参照)が外部導出端子10b3に当接する。
【0100】
次いで、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し下げ部材100d(図7および図11参照)が下向きに更に移動せしめられる。その結果、支持部材100b1(図11参照)および押し当て部材100a1,100a2(図11参照)が、姿勢を維持したまま、前側板100c1(図5参照)の直線状のガイド溝100c1a(図5参照)および後側板100c2(図11参照)の直線状のガイド溝100c2a(図6参照)に平行に斜め下向き(図11の左下向き)に更に移動せしめられる。
【0101】
その結果、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図14および図15に示すように、押し当て部材100a1の下面100a1a(図15参照)が板状の外部導出端子10b1(図15参照)に当接すると同時に、押し当て部材100a2の下面100a2a(図15参照)が板状の外部導出端子10b2(図15参照)に当接し、その時に、外部導出端子10b1(図15参照)の折り曲げ角度が90°になると共に、外部導出端子10b2(図15参照)の折り曲げ角度が90°になる。
【0102】
同様に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し下げ部材100d(図7および図11参照)が下向きに更に移動せしめられると、支持部材100b2(図11参照)および押し当て部材100a3(図11参照)が、姿勢を維持したまま、前側板100c1(図5参照)の直線状のガイド溝100c1b(図5参照)および後側板100c2(図11参照)の直線状のガイド溝100c2b(図6参照)に平行に斜め下向き(図11の右下向き)に更に移動せしめられる。
【0103】
その結果、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図14および図15に示すように、押し当て部材100a1の下面100a1a(図15参照)が板状の外部導出端子10b1(図15参照)に当接すると同時に、押し当て部材100a3の下面100a3a(図15参照)が板状の外部導出端子10b3(図15参照)に当接し、その時に、外部導出端子10b1(図15参照)の折り曲げ角度が90°になると共に、外部導出端子10b3(図15参照)の折り曲げ角度が90°になる。
【0104】
つまり、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図14および図15に示すように、外部導出端子10b1(図15参照)が90°折り曲げられると同時に、外部導出端子10b2(図15参照)が、外部導出端子10b1(図15参照)と同一の向きに90°折り曲げられる。更に、それと同時に、外部導出端子10b3(図15参照)が、外部導出端子10b1(図15参照)とは逆向きに90°折り曲げられる。
【0105】
換言すれば、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、特許文献1の図7に記載された端子曲げ加工装置を用いる必要なく、押し下げ部材100d(図7および図14参照)を下向きに移動させることのみによって、外部導出端子10b1,10b2,10b3(図15参照)を90°折り曲げることができる。
【0106】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、外部導出端子10b1(図15参照)に当接する押し当て部材100a1(図14および図15参照)、外部導出端子10b2(図15参照)に当接する押し当て部材100a2(図14および図15参照)、および、外部導出端子10b3(図15参照)に当接する押し当て部材100a3(図14および図15参照)が、樹脂材料によって形成されている。そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、外部導出端子10b1,10b2,10b3(図15参照)の表面を傷つけることなく、外部導出端子10b1,10b2,10b3(図15参照)を90°折り曲げることができる。
【0107】
更に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、外部導出端子10b1(図13参照)が折れ曲がり始める時に、押し当て部材100a1(図13参照)が外部導出端子10b1(図13参照)の先端部分10b1b(図8(B)参照)に当接するのではなく、図13に示すように、押し当て部材100a1(図13参照)の橋絡面100a1c(図2(C)参照)が、外部導出端子10b1(図13参照)のうちの、ねじ穴10b1a(図8(B)参照)の端子先端側端部10b1a1(図8(B)参照)よりも下側(端子根元側)(図8(B)の下側)の部分に当接する。そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、ねじ穴10b1a(図8(B)参照)の中心位置10b1c(図8(B)参照)で外部導出端子10b1(図8(B)および図13参照)が折れ曲がるおそれを抑制しつつ、外部導出端子10b1(図13参照)を90°折り曲げることができる。
【0108】
同様に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、外部導出端子10b2(図13参照)が折れ曲がり始める時に、押し当て部材100a2(図13参照)が外部導出端子10b2(図13参照)の先端部分10b2b(図8(C)参照)に当接するのではなく、図13に示すように、押し当て部材100a2(図13参照)の橋絡面100a2c(図2(F)参照)が、外部導出端子10b2(図13参照)のうちの、ねじ穴10b2a(図8(C)参照)の端子先端側端部10b2a1(図8(C)参照)よりも下側(端子根元側)(図8(C)の下側)の部分に当接する。そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、ねじ穴10b2a(図8(C)参照)の中心位置10b2c(図8(C)参照)で外部導出端子10b2(図8(C)および図13参照)が折れ曲がるおそれを抑制しつつ、外部導出端子10b2(図13参照)を90°折り曲げることができる。
【0109】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、外部導出端子10b3(図13参照)が折れ曲がり始める時に、押し当て部材100a3(図13参照)が外部導出端子10b3(図13参照)の先端部分10b3b(図8(D)参照)に当接するのではなく、図13に示すように、押し当て部材100a3(図13参照)の橋絡面100a3c(図2(I)参照)が、外部導出端子10b3(図13参照)のうちの、ねじ穴10b3a(図8(D)参照)の端子先端側端部10b3a1(図8(D)参照)よりも下側(端子根元側)(図8(D)の下側)の部分に当接する。そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、ねじ穴10b3a(図8(D)参照)の中心位置10b3c(図8(C)参照)で外部導出端子10b3(図8(D)および図13参照)が折れ曲がるおそれを抑制しつつ、外部導出端子10b3(図13参照)を90°折り曲げることができる。
【0110】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図10、図12、図13および図15に示すように、押し当て部材100a1および押し当て部材100a2が、姿勢を維持したまま、斜め下向き(図10、図12、図13および図15の左下向き)に直線的に移動せしめられる。そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、特許文献1の図1〜図3に記載された端子曲げ加工装置のように2つの押し当て部材(アーム)が異なる回転軸を中心に回動せしめられる場合よりも、押し当て部材100a1および押し当て部材100a2を互いに近接させて配置することができる。つまり、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、図10、図12、図13および図15に示すように、互いに近接して配置された外部導出端子10b1および外部導出端子10b2を、同一の向きに同時に90°折り曲げることができる。
【0111】
更に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図7に示すように、押し下げ面100d1aに隣接する鉛直面100d1bが押し下げ部材100dに形成されている。詳細には、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)が板状の外部導出端子10b1(図15参照)に当接すると共に、押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)が板状の外部導出端子10b2(図15参照)に当接する時に、支持部材100b1(図3参照)の当接部100b1b3,100b1c3(図3参照)が、押し下げ部材100d(図7参照)の押し下げ面100d1a(図7参照)に当接しなくなると共に、押し下げ部材100d(図7参照)の鉛直面100d1b(図7参照)に当接する。その結果、押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)が板状の外部導出端子10b1(図15参照)に当接すると共に押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)が板状の外部導出端子10b2(図15参照)に当接した後に押し下げ部材100d(図7参照)が下向きに更に移動せしめられても、前側板100c1(図5参照)の直線状のガイド溝100c1a(図5参照)および後側板100c2(図6参照)の直線状のガイド溝100c2a(図6参照)に平行に斜め下向き(図3(C)および図15の左下向き)に支持部材100b1(図3参照)および押し当て部材100a1,100a2(図15参照)を移動させる力が、押し下げ部材100d(図7参照)から支持部材100b1(図3参照)に加わらず、その結果、押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)が、板状の外部導出端子10b1(図15参照)に当接した時の状態で板状の外部導出端子10b1(図15参照)に対して固定されると共に、押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)が、板状の外部導出端子10b2(図15参照)に当接した時の状態で板状の外部導出端子10b2(図15参照)に対して固定される。
【0112】
つまり、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)が板状の外部導出端子10b1(図15参照)に当接すると共に押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)が板状の外部導出端子10b2(図15参照)に当接した後に押し下げ部材100d(図7参照)が下向きに更に移動せしめられる場合であっても、押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)から板状の外部導出端子10b1(図15参照)に過剰な力が加わらず、押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)から板状の外部導出端子10b2(図15参照)に過剰な力が加わらない。
【0113】
そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)が板状の外部導出端子10b1(図15参照)に当接した瞬間または押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)が板状の外部導出端子10b2(図15参照)に当接した瞬間に押し下げ部材100d(図7参照)の下向きの動きが停止するように押し下げ部材100d(図7参照)の下向きの動きを高精度に制御する必要性を排除することができる。
【0114】
換言すれば、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、押し下げ部材100d(図7参照)の下向きの動きを高精度に制御する必要なく、押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)から板状の外部導出端子10b1(図15参照)に過剰な力が加わらないように、かつ、押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)から板状の外部導出端子10b2(図15参照)に過剰な力が加わらないように、外部導出端子10b1,10b2(図15参照)を正確に90°折り曲げることができる。
【0115】
同様に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、図7に示すように、押し下げ面100d2aに隣接する鉛直面100d2bが押し下げ部材100dに形成されている。詳細には、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)が板状の外部導出端子10b3(図15参照)に当接する時に、支持部材100b2(図4参照)の当接部100b2b3,100b2c3(図4参照)が、押し下げ部材100d(図7参照)の押し下げ面100d2a(図7参照)に当接しなくなると共に、押し下げ部材100d(図7参照)の鉛直面100d2b(図7参照)に当接する。その結果、押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)が板状の外部導出端子10b3(図15参照)に当接した後に押し下げ部材100d(図7参照)が下向きに更に移動せしめられても、前側板100c1(図5参照)の直線状のガイド溝100c1b(図5参照)および後側板100c2(図6参照)の直線状のガイド溝100c2b(図6参照)に平行に斜め下向き(図4(C)および図15の右下向き)に支持部材100b2(図4参照)および押し当て部材100a3(図15参照)を移動させる力が、押し下げ部材100d(図7参照)から支持部材100b2(図4参照)に加わらず、その結果、押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)が、板状の外部導出端子10b3(図15参照)に当接した時の状態で板状の外部導出端子10b3(図15参照)に対して固定される。
【0116】
つまり、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)が板状の外部導出端子10b3(図15参照)に当接した後に押し下げ部材100d(図7参照)が下向きに更に移動せしめられる場合であっても、押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)から板状の外部導出端子10b3(図15参照)に過剰な力が加わらない。
【0117】
そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)が板状の外部導出端子10b3(図15参照)に当接した瞬間に押し下げ部材100d(図7参照)の下向きの動きが停止するように押し下げ部材100d(図7参照)の下向きの動きを高精度に制御する必要性を排除することができる。
【0118】
換言すれば、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、押し下げ部材100d(図7参照)の下向きの動きを高精度に制御する必要なく、押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)から板状の外部導出端子10b3(図15参照)に過剰な力が加わらないように、外部導出端子10b3(図15参照)を正確に90°折り曲げることができる。
【0119】
詳細には、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、支持部材100b1(図3参照)の当接部100b1b3,100b1c3(図3参照)が押し下げ部材100d(図7参照)の鉛直面100d1b(図7参照)に当接し、かつ、支持部材100b2(図4参照)の当接部100b2b3,100b2c3(図4参照)が押し下げ部材100d(図7参照)の鉛直面100d2b(図7参照)に当接した後であって、押し下げ部材100d(図7参照)の水平面100d3(図7参照)が支持部材100b1(図3参照)または支持部材100b2(図4参照)に当接する前(つまり、図14に示す状態になる前)に、押し下げ部材100d(図7参照)の下向きの動きが、例えばロボシリンダによって停止される。
【0120】
図16は比較例の端子曲げ加工装置によって外部導出端子10b1,10b2,10b3が90°折り曲げられた状態を示した図である。第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、鋭角θ1(図5および図6参照)が例えば30°に設定されているが、比較例の端子曲げ加工装置では、鋭角θ1(図5および図6参照)が、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100の鋭角θ1(図5および図6参照)よりも大きい値に設定されている。その結果、比較例の端子曲げ加工装置では、図16に示すように、押し当て部材100a1(図16参照)の下面100a1a(図16参照)が板状の外部導出端子10b1(図16参照)に当接する時に、外部導出端子10b1(図16参照)のうちの、先端部分10b1b(図8(B)参照)とねじ穴10b1a(図8(B)参照)の端子先端側端部10b1a1(図8(B)参照)との間の部分が押し当て部材100a1(図16参照)の下面100a1a(図16参照)に当接しない。同様に、押し当て部材100a2(図16参照)の下面100a2a(図16参照)が板状の外部導出端子10b2(図16参照)に当接する時に、外部導出端子10b2(図16参照)のうちの、先端部分10b2b(図8(C)参照)とねじ穴10b2a(図8(C)参照)の端子先端側端部10b2a1(図8(C)参照)との間の部分が押し当て部材100a2(図16参照)の下面100a2a(図16参照)に当接しない。そのため、比較例の端子曲げ加工装置では、折り曲げ後の外部導出端子10b1(図16参照)の先端部分10b1b(図8(B)参照)および外部導出端子10b2(図16参照)の先端部分10b2b(図8(C)参照)の位置精度が低くなり、折り曲げ後に外部導出端子10b1,10b2(図16参照)のスプリングバックが発生するおそれがある。
【0121】
同様に、比較例の端子曲げ加工装置では、図16に示すように、押し当て部材100a3(図16参照)の下面100a3a(図16参照)が板状の外部導出端子10b3(図16参照)に当接する時に、外部導出端子10b3(図16参照)のうちの、先端部分10b3b(図8(D)参照)とねじ穴10b3a(図8(D)参照)の端子先端側端部10b3a1(図8(D)参照)との間の部分が押し当て部材100a3(図16参照)の下面100a3a(図16参照)に当接しない。そのため、比較例の端子曲げ加工装置では、折り曲げ後の外部導出端子10b3(図16参照)の先端部分10b3b(図8(D)参照)の位置精度が低くなり、折り曲げ後に外部導出端子10b3(図16参照)のスプリングバックが発生するおそれがある。
【0122】
この問題点に鑑み、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)が板状の外部導出端子10b1(図15参照)に当接する時に、外部導出端子10b1(図15参照)のうちの、先端部分10b1b(図8(B)参照)とねじ穴10b1a(図8(B)参照)の端子先端側端部10b1a1(図8(B)参照)との間の少なくとも一部分が押し当て部材100a1(図15参照)の下面100a1a(図15参照)に当接し、かつ、押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)が板状の外部導出端子10b2(図15参照)に当接する時に、外部導出端子10b2(図15参照)のうちの、先端部分10b2b(図8(C)参照)とねじ穴10b2a(図8(C)参照)の端子先端側端部10b2a1(図8(C)参照)との間の少なくとも一部分が押し当て部材100a2(図15参照)の下面100a2a(図15参照)に当接するように、鋭角θ1(図5および図6参照)が設定されている。
【0123】
そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、押し当て部材100a1(図16参照)の下面100a1a(図16参照)が板状の外部導出端子10b1(図16参照)に当接する時に、外部導出端子10b1(図16参照)のうちの、先端部分10b1b(図8(B)参照)とねじ穴10b1a(図8(B)参照)の端子先端側端部10b1a1(図8(B)参照)との間の部分が押し当て部材100a1(図16参照)の下面100a1a(図16参照)に当接せず、押し当て部材100a2(図16参照)の下面100a2a(図16参照)が板状の外部導出端子10b2(図16参照)に当接する時に、外部導出端子10b2(図16参照)のうちの、先端部分10b2b(図8(C)参照)とねじ穴10b2a(図8(C)参照)の端子先端側端部10b2a1(図8(C)参照)との間の部分が押し当て部材100a2(図16参照)の下面100a2a(図16参照)に当接しない比較例の端子曲げ加工装置よりも、折り曲げ後の外部導出端子10b1(図15参照)の先端部分10b1b(図8(B)参照)および外部導出端子10b2(図15参照)の先端部分10b2b(図8(C)参照)の位置精度を向上させることができ、折り曲げ後の外部導出端子10b1,10b2(図15参照)のスプリングバックを抑制することができる。
【0124】
同様に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)が板状の外部導出端子10b3(図15参照)に当接する時に、外部導出端子10b3(図15参照)のうちの、先端部分10b3b(図8(D)参照)とねじ穴10b3a(図8(D)参照)の端子先端側端部10b3a1(図8(D)参照)との間の少なくとも一部分が押し当て部材100a3(図15参照)の下面100a3a(図15参照)に当接するように、鋭角θ1(図5および図6参照)が設定されている。
【0125】
そのため、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によれば、押し当て部材100a3(図16参照)の下面100a3a(図16参照)が板状の外部導出端子10b3(図16参照)に当接する時に、外部導出端子10b3(図16参照)のうちの、先端部分10b3b(図8(D)参照)とねじ穴10b3a(図8(D)参照)の端子先端側端部10b3a1(図8(D)参照)との間の部分が押し当て部材100a3(図16参照)の下面100a3a(図16参照)に当接しない比較例の端子曲げ加工装置よりも、折り曲げ後の外部導出端子10b3(図15参照)の先端部分10b3b(図8(D)参照)の位置精度を向上させることができ、折り曲げ後の外部導出端子10b3(図15参照)のスプリングバックを抑制することができる。
【0126】
図17は第1の実施形態の端子曲げ加工装置100に適用される下冶具200(図1参照)の搬送装置300の概略的な平面図である。図17に示す搬送装置300では、位置P1に配置された下冶具200(図1参照)を位置P2に搬送するための搬送部材300aが設けられている。また、搬送部材300aが例えばエアシリンダによって駆動される。更に、位置P2に配置された下冶具200(図1参照)を位置P3あるいは位置P4に搬送するための搬送部材300bが設けられている。また、搬送部材300bが例えばエアシリンダによって駆動される。下冶具200が位置P3に配置されている時に、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100による端子曲げ加工が行われる。更に、位置P4に配置された下冶具200(図1参照)を位置P5に搬送するための搬送部材300cが設けられている。また、搬送部材300cが例えばエアシリンダによって駆動される。更に、位置P5に配置された下冶具200(図1参照)を位置P6に搬送するための搬送部材300dが設けられている。また、搬送部材300dが例えばエアシリンダによって駆動される。
【0127】
図1〜図15に示す例では、例えば特許文献1に記載された半導体装置のような、外囲ケース(絶縁ケース)と蓋体とを有するモジュールタイプの半導体装置10の端子曲げ加工が第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によって行われるが、代わりに、例えばトランスファー成形などによって外部導出端子および半導体素子が樹脂封止されたパッケージタイプの半導体装置(図示せず)の端子曲げ加工を第1の実施形態の端子曲げ加工装置100によって行うことも可能である。
【0128】
また、第1の実施形態の端子曲げ加工装置100では、3個の押し当て部材100a1,100a2,100a3(図1参照)が設けられているが、第4の実施形態の端子曲げ加工装置100では、代わりに、3個以外の任意の数の押し当て部材を設けることも可能である。
【0129】
図18は第1の実施形態の端子曲げ加工装置100による端子曲げ加工が行われる半導体装置10の変形例を示した図である。詳細には、図18(A)は変形例の半導体装置10の部分断面正面図である。図18(B)は図18(A)に示す外部導出端子10b1の主要部の右側面図(外部導出端子10b1の主要部を図18(A)の右側から見た図)である。図18(C)は図18(A)に示す外部導出端子10b2の主要部の右側面図(外部導出端子10b2の主要部を図18(A)の右側から見た図)である。図18(D)は図18(A)に示す外部導出端子10b3の主要部の左側面図(外部導出端子10b3の主要部を図18(A)の左側から見た図)である。
【0130】
変形例の半導体装置10では、図18(B)に示すように、外部導出端子10b1に概略半円状の切り欠き部10b1eが形成されている。更に、概略半円状の切り欠き部10b1eの端子根元側(図18(B)の下側)端部10b1e1が樹脂部10aの上面10a1と一致するように、概略半円状の切り欠き部10b1eが配置されている。そのため、変形例の半導体装置10によれば、概略半円状の切り欠き部10b1eの円弧の中心位置10b1e2が樹脂部10aの上面10a1と一致するように概略半円状の切り欠き部10b1eが配置されている場合よりも、板厚が厚い外部導出端子10b1の折り曲げ後のスプリングバックを抑制することができる。
【0131】
同様に、変形例の半導体装置10では、図18(C)に示すように、外部導出端子10b2に概略半円状の切り欠き部10b2eが形成されている。更に、概略半円状の切り欠き部10b2eの端子根元側(図18(C)の下側)端部10b2e1が樹脂部10aの上面10a1と一致するように、概略半円状の切り欠き部10b2eが配置されている。そのため、変形例の半導体装置10によれば、概略半円状の切り欠き部10b2eの円弧の中心位置10b2e2が樹脂部10aの上面10a1と一致するように概略半円状の切り欠き部10b2eが配置されている場合よりも、板厚が厚い外部導出端子10b2の折り曲げ後のスプリングバックを抑制することができる。
【0132】
また、変形例の半導体装置10では、図18(D)に示すように、外部導出端子10b3に概略半円状の切り欠き部10b3eが形成されている。更に、概略半円状の切り欠き部10b3eの端子根元側(図18(D)の下側)端部10b3e1が樹脂部10aの上面10a1と一致するように、概略半円状の切り欠き部10b3eが配置されている。そのため、変形例の半導体装置10によれば、概略半円状の切り欠き部10b3eの円弧の中心位置10b3e2が樹脂部10aの上面10a1と一致するように概略半円状の切り欠き部10b3eが配置されている場合よりも、板厚が厚い外部導出端子10b3の折り曲げ後のスプリングバックを抑制することができる。
【0133】
第5の実施形態では、上述した第1から第4の実施形態および各例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0134】
10 半導体装置
10a 樹脂部
10b1,10b2,10b3 外部導出端子
10b1a,10b2a,10b3a ねじ穴
10b1a1,10b2a1,10b3a1 端子先端側端部
100 端子曲げ加工装置
100a1,100a2,100a3 押し当て部材
100a1a,100a2a,100a3a 下面
100a1b,100a2b,100a3b 側面
100a1c,100a2c,100a3c 橋絡面
100b1,100b2 支持部材
100b1b1,100b1b2 ガイド凸部
100b1c1,100b1c2 ガイド凸部
100b1b3,100b1c3 当接部
100b2b1,100b2b2 ガイド凸部
100b2c1,100b2c2 ガイド凸部
100b2b3,100b2c3 当接部
100c1,100c2 側板
100c1a,100c1b ガイド溝
100c2a,100c2b ガイド溝
100d 押し下げ部材
100d1a,100d2a 押し下げ面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)であって、ねじ穴(10b1a)を有する外部導出端子(10b1)を90°折り曲げる端子曲げ加工装置(100)において、
水平面内に位置する下面(100a1a)と、下面(100a1a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)に対向する側面(100a1b)と、下面(100a1a)と側面(100a1b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a1c)とを有する押し当て部材(100a1)を設け、
樹脂材料によって押し当て部材(100a1)を形成し、
押し当て部材(100a1)を支持部材(100b1)によって支持し、
板状の外部導出端子(10b1)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)とを支持部材(100b1)に設け、
第1側板(100c1)と第2側板(100c2)とを支持部材(100b1)の両側に配置し、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状のガイド溝(100c1a)を第1側板(100c1)に形成すると共に、支持部材(100b1)の第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と第1側板(100c1)のガイド溝(100c1a)とを係合させ、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状のガイド溝(100c2a)を第1側板(100c1)のガイド溝(100c1a)と平行に第2側板(100c2)に形成すると共に、支持部材(100b1)の第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)と第2側板(100c2)のガイド溝(100c2a)とを係合させ、
上下方向に移動可能な押し下げ部材(100d)を設け、
支持部材(100b1)に設けられた当接部(100b1b3,100b1c3)を押し下げるための押し下げ面(100d1a)を押し下げ部材(100d)に形成し、
外部導出端子(10b1)の折り曲げ時には、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられ、その結果、押し下げ部材(100d)の押し下げ面(100d1a)によって支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられ、それにより、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに移動せしめられ、その結果、押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の外部導出端子(10b1)に当接すると共に、押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が、外部導出端子(10b1)のねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)よりも下側に位置し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、それにより、外部導出端子(10b1)が折れ曲がり始め、その結果、押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が外部導出端子(10b1)に当接しなくなると共に、押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が外部導出端子(10b1)に当接し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、
その結果、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になることを特徴とする端子曲げ加工装置(100)。
【請求項2】
押し下げ面(100d1a)に隣接する鉛直面(100d1b)を押し下げ部材(100d)に形成し、
押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が、押し下げ部材(100d)の押し下げ面(100d1a)に当接しなくなると共に、押し下げ部材(100d)の鉛直面(100d1b)に当接し、
その結果、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接した後に押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられても、第1側板(100c1)の直線状のガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状のガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに支持部材(100b1)および押し当て部材(100a1)を移動させる力が、押し下げ部材(100d)から支持部材(100b1)に加わらず、その結果、押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が、板状の外部導出端子(10b1)に当接した時の状態で板状の外部導出端子(10b1)に対して固定されることを特徴とする請求項1に記載の端子曲げ加工装置(100)。
【請求項3】
押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の外部導出端子(10b1)に当接する時に、外部導出端子(10b1)のうちの、先端部分(10b1b)とねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)との間の少なくとも一部分が押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)に当接するように、鋭角(θ1)を設定したことを特徴とする請求項2に記載の端子曲げ加工装置(100)。
【請求項4】
半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)であって、ねじ穴(10b1a)を有する第1外部導出端子(10b1)を90°折り曲げると同時に、樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)であって、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対して平行であり、かつ、第1オフセット距離(OD1)だけ第1外部導出端子(10b1)をオフセットさせた位置に配置されており、かつ、ねじ穴(10b2a)を有する第2外部導出端子(10b2)を、第1外部導出端子(10b1)と同一の向きに90°折り曲げる端子曲げ加工装置(100)において、
水平面内に位置する下面(100a1a)と、下面(100a1a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対向する側面(100a1b)と、下面(100a1a)と側面(100a1b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a1c)とを有する第1押し当て部材(100a1)を設け、
樹脂材料によって第1押し当て部材(100a1)を形成し、
水平面内に位置する下面(100a2a)と、下面(100a2a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)に対向する側面(100a2b)と、下面(100a2a)と側面(100a2b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a2c)とを有する第2押し当て部材(100a2)を設け、
樹脂材料によって第1押し当て部材(100a1)と同一形状に第2押し当て部材(100a2)を形成し、
第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)を第1支持部材(100b1)によって支持し、
第1オフセット距離(OD1)だけ第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)をオフセットさせた位置に、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)を配置し、
第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)と同一の水平面内に第2押し当て部材(100a2)の下面(100a2a)を配置し、
板状の第1外部導出端子(10b1)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)とを第1支持部材(100b1)に設け、
第1側板(100c1)と第2側板(100c2)とを第1支持部材(100b1)の両側に配置し、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第1ガイド溝(100c1a)を第1側板(100c1)に形成すると共に、第1支持部材(100b1)の第1ガイド凸部(100b1b1,100b1b2)と第1側板(100c1)の第1ガイド溝(100c1a)とを係合させ、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第1ガイド溝(100c2a)を第1側板(100c1)の第1ガイド溝(100c1a)と平行に第2側板(100c2)に形成すると共に、第1支持部材(100b1)の第2ガイド凸部(100b1c1,100b1c2)と第2側板(100c2)の第1ガイド溝(100c2a)とを係合させ、
上下方向に移動可能な押し下げ部材(100d)を設け、
第1支持部材(100b1)に設けられた当接部(100b1b3,100b1c3)を押し下げるための第1押し下げ面(100d1a)を押し下げ部材(100d)に形成し、
第1外部導出端子(10b1)および第2外部導出端子(10b2)の折り曲げ時には、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられ、その結果、押し下げ部材(100d)の第1押し下げ面(100d1a)によって第1支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられ、それにより、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに移動せしめられ、その結果、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると共に、第1押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が、第1外部導出端子(10b1)のねじ穴(10b1a)の端子先端側端部(10b1a1)よりも下側に位置し、かつ、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第2外部導出端子(10b2)に当接すると共に、第2押し当て部材(100a2)の橋絡面(100a2c)が、第2外部導出端子(10b2)のねじ穴(10b2a)の端子先端側端部(10b2a1)よりも下側に位置し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、それにより、第1外部導出端子(10b1)および第2外部導出端子(10b2)が折れ曲がり始め、その結果、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)が第1外部導出端子(10b1)に当接しなくなると共に、第1押し当て部材(100a1)の橋絡面(100a1c)が第1外部導出端子(10b1)に当接し、かつ、第2押し当て部材(100a2)の側面(100a2b)が第2外部導出端子(10b2)に当接しなくなると共に、第2押し当て部材(100a2)の橋絡面(100a2c)が第2外部導出端子(10b2)に当接し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、第1支持部材(100b1)、第1押し当て部材(100a1)および第2押し当て部材(100a2)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第1ガイド溝(100c1a)および第2側板(100c2)の直線状の第1ガイド溝(100c2a)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、
その結果、第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると同時に、第2押し当て部材(100a2)の下面(100a2a)が板状の第2外部導出端子(10b2)に当接し、その時に、第1外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になると共に、第2外部導出端子(10b2)の折り曲げ角度が90°になることを特徴とする端子曲げ加工装置(100)。
【請求項5】
半導体装置(10)の樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)を90°折り曲げると同時に、樹脂部(10a)から鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)であって、鉛直方向上向きに延びている板状の第1外部導出端子(10b1)に対して平行であり、かつ、第2オフセット距離(OD2)だけ第1外部導出端子(10b1)をオフセットさせた位置に配置されており、かつ、ねじ穴(10b3a)を有する第3外部導出端子(10b3)を、第1外部導出端子(10b1)とは逆向きに90°折り曲げる請求項4に記載の端子曲げ加工装置(100)において、
水平面内に位置する下面(100a3a)と、下面(100a3a)に対して直交し、かつ、鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)に対向する側面(100a3b)と、下面(100a3a)と側面(100a3b)とを橋絡し、かつ、円筒面の一部分によって構成されている橋絡面(100a3c)とを有する第3押し当て部材(100a3)を設け、
第1押し当て部材(100a1)と鏡像関係を有するように樹脂材料によって第3押し当て部材(100a3)を形成し、
第3押し当て部材(100a3)を第1支持部材(100b1)とは異なる第2支持部材(100b2)によって支持し、
第1外部導出端子(10b1)、第2外部導出端子(10b2)および第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ開始前に第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)と第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)との間隔(SP)が第2オフセット距離(OD2)より大きくなるように、第1押し当て部材(100a1)の側面(100a1b)に対向させて第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)を配置し、
第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)と同一の水平面内に第3押し当て部材(100a3)の下面(100a3a)を配置し、
板状の第3外部導出端子(10b3)に平行な第1の向きに水平に延びている第1ガイド凸部(100b2b1,100b2b2)と、第1の向きとは逆向きに水平に延びている第2ガイド凸部(100b2c1,100b2c2)とを第2支持部材(100b2)に設け、
第1側板(100c1)と第2側板(100c2)との間に第2支持部材(100b2)を配置し、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第2ガイド溝(100c1b)を、第1ガイド溝(100c1a)と鏡像関係を有するように第1側板(100c1)に形成すると共に、第2支持部材(100b2)の第1ガイド凸部(100b2b1,100b2b2)と第1側板(100c1)の第2ガイド溝(100c1b)とを係合させ、
水平面と鋭角(θ1)をなして延びている直線状の第2ガイド溝(100c2b)を、第1ガイド溝(100c2a)と鏡像関係を有するように、第1側板(100c1)の第2ガイド溝(100c1b)と平行に第2側板(100c2)に形成すると共に、第2支持部材(100b2)の第2ガイド凸部(100b2c1,100b2c2)と第2側板(100c2)の第2ガイド溝(100c2b)とを係合させ、
第2支持部材(100b2)に設けられた当接部(100b2b3,100b2c3)を押し下げるための第2押し下げ面(100d2a)を押し下げ部材(100d)に形成し、
第1外部導出端子(10b1)、第2外部導出端子(10b2)および第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ時には、半導体装置(10)に相対的に固定された第1側板(100c1)および第2側板(100c2)に対して押し下げ部材(100d)が下向きに移動せしめられ、その結果、押し下げ部材(100d)の第1押し下げ面(100d1a)によって第1支持部材(100b1)の当接部(100b1b3,100b1c3)が押し下げられると共に、第2押し下げ面(100d2a)によって第2支持部材(100b2)の当接部(100b2b3,100b2c3)が押し下げられ、それにより、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに移動せしめられ、その結果、第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)が、鉛直方向上向きに延びている板状の第3外部導出端子(10b3)に当接すると共に、第3押し当て部材(100a3)の橋絡面(100a3c)が、第3外部導出端子(10b3)のねじ穴(10b3a)の端子先端側端部(10b3a1)よりも下側に位置し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、それにより、第3外部導出端子(10b3)が折れ曲がり始め、その結果、第3押し当て部材(100a3)の側面(100a3b)が第3外部導出端子(10b3)に当接しなくなると共に、第3押し当て部材(100a3)の橋絡面(100a3c)が第3外部導出端子(10b3)に当接し、次いで、
押し下げ部材(100d)が下向きに更に移動せしめられると、第2支持部材(100b2)および第3押し当て部材(100a3)が、姿勢を維持したまま、第1側板(100c1)の直線状の第2ガイド溝(100c1b)および第2側板(100c2)の直線状の第2ガイド溝(100c2b)に平行に斜め下向きに更に移動せしめられ、
その結果、第1押し当て部材(100a1)の下面(100a1a)が板状の第1外部導出端子(10b1)に当接すると同時に、第3押し当て部材(100a3)の下面(100a3a)が板状の第3外部導出端子(10b3)に当接し、その時に、第1外部導出端子(10b1)の折り曲げ角度が90°になると共に、第3外部導出端子(10b3)の折り曲げ角度が90°になることを特徴とする端子曲げ加工装置(100)。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の端子曲げ加工装置(100)によって端子曲げ加工が行われる半導体装置(10)において、
外部導出端子(10b1)に概略半円状の切り欠き部(10b1e)を形成し、
概略半円状の切り欠き部(10b1e)の端子根元側端部(10b1e1)が樹脂部(10a)の上面(10a1)と一致するように、概略半円状の切り欠き部(10b1e)を配置したことを特徴とする半導体装置(10)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2013−86161(P2013−86161A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231231(P2011−231231)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000227928)日本インター株式会社 (67)
【Fターム(参考)】