端末位置特定方法及びそのシステム
測定可能な基地局やGPS衛星の数の総計が2局しかない環境においても、高精度に端末の位置を特定する技術を提供する。端末21における基地局22からの信号の受信時刻と、基地局23からの信号の受信時刻との差分から双曲線11を求め、基地局22と端末21との間の往復伝搬時間から円12を求め、双曲線11と円12の交点を算出し、候補点13と候補点14とを求める。端末21はセクタ27に位置しているので、セクタ27の範囲内に存在する候補点13を端末27の位置として特定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動無線通信分野に関し、移動通信網における移動局の地理的位置を決定する際に使用される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関する現時点での技術水準をより十分に説明する目的で、本願で引用され或いは特定される特許、特許出願、特許公報、科学論文等の全てを、ここに、参照することでそれらの全ての説明を組入れる。
【0003】
近年、携帯電話端末の位置を特定する方法として多数の方法が報告されており、複数の標準化団体においても、携帯電話端末の位置を特定するためのいくつかの測位方式が標準化されている。
【0004】
測位方式の一例としてはGPS衛星からの信号を利用するGPS測位方式が挙げられる。
【0005】
この方式は、標準化を行っている団体の一つであり、W−CDMA方式の標準を定めている3rd General Partnership Project(以下、3GPPと記す)やcdmaOne/2000方式の標準を定めている3rd General Partnership Project2(以下、3GPP2と記す)において、標準化されている測位方式である。
【0006】
図1は、GPS測位方式の原理を示す図である。
【0007】
図1において、端末5007は3つのGPS衛星5001〜5003の各々からの信号の受信時刻を測定し、受信した信号に含まれている送信時刻と測定した受信時刻との差分から算出されるGPS衛星5001〜5003の各々と端末5007との距離をもとに円5004〜5006を求め、これら3つの円の交点を端末5007の位置とする測位方式である。なお、端末5007とGPS衛星5001〜5003との時刻同期のためにもう一つのGPS衛星が必要となる場合がある。
【0008】
また、GPS衛星からの信号ではなく、基地局からの信号を利用する測位方式も考案されている。基地局からの信号を利用する測位方式の一例としては、Observed Time Difference Of Arriaval測位(以下、OTDOA測位と記す)が挙げられる。この方式は3GPPにおいて標準化されている測位方式である。
【0009】
図2は、OTDOA測位の原理を示す図である。
【0010】
図2において、端末5106は、3つの基地局5101〜5103の各々からの信号の受信時刻を測定し、各々の基地局からの信号の受信時刻の差分を算出される各々の基地局と端末5106との間の距離の差分をもとに、双曲線5104、5105を求め、これら2つの双曲線の好転を端末5106の位置とする測位方式である。なお、端末5106で測定される受信時刻の差分は、基地局からの信号の送信タイミングが同期していない場合には、送信タイミング差によって補正される。
【0011】
また、基地局からの信号を利用する測位方式の別の例としては、Advanced Forward Link Triangulation測位(以下、AFLT測位と記す)が挙げられる。この方式は3GPP2において標準化されている測位方式である。
【0012】
図3は、AFLT測位の原理を示す図である。
【0013】
端末5207は、3つの基地局5201〜5207の各々からの信号の受信時刻を測定し、受信した信号に含まれている送信時刻と測定した受信時刻との差分から算出される基地局5201〜5207の各々と端末5007との距離をもとに円5204〜5206を求め、これら3つの円の交点を端末5207の位置とする測位方式である。
【0014】
また、GPS衛星からの信号と基地局からの信号の双方を利用する測位方式も考案されている。
【0015】
図4は、GPS衛星からの信号と基地局からの信号の双方を利用する測位方式の原理を示す図である。
【0016】
図4において、端末5307は2つのGPS衛星5301、5302の各々からの信号の受信時刻を測定し、受信した信号に含まれている送信時刻と測定した受信時刻との差分から算出されるGPS衛星5301、5302の各々と端末5307との距離をもとに円5304、5305を求める。また、基地局5303からの信号の受信時刻を測定し、受信した信号に含まれている送信時刻と測定した受信時刻との差分から算出される基地局5303の各々と端末5307との距離をもとに円5306を求める。これら3つの円の交点を端末5007の位置とする測位方式である。なお、端末5307とGPS衛星5301、5302との時刻同期のためにもう一つのGPS衛星が必要となる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上述した従来の測位方式では、三つ以上の基地局あるいは三つ以上のGPS衛星からの信号を必要とするが、測定可能な基地局やGPS衛星の数の総計が2局しかない環境では二次曲線の交点が2つ出てしまうために端末の位置を絞り込むことができず、高精度に端末の位置を特定することはできないという課題があった。
【0018】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、測定可能な基地局や、GPS衛星の数の総計が2局しかない環境においても、高精度に端末の位置を特定することができる端末位置特定方法及びそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記本発明の課題を解決する第1の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
二つの該無線局の少なくとも一方の該無線局の通信範囲を特定し、二つの該候補点のうち該通信範囲に含まれている該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0020】
上記本発明の課題を解決する第2の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末からの信号が第一の無線局において受信される際の信号の到来方向を特定し、二つの該候補点の各々と該第一の無線局とを結ぶ直線の方向と該到来方向とを比較し、該到来方向と該直線の方向とが一致する該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0021】
上記本発明の課題を解決する第3の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該二つの無線局の各々から信号を受信する際の信号の到来方向を到来角として特定し、該候補点と該二つの無線局の一方とを結ぶ直線と該候補点と前記二つの無線局の他方とを結ぶ直線とのなす角を候補点角として該候補点ごとに算出し、該到来角の差分と該候補点角の各々とを比較して、該到来角の差分と一致する該候補点角を有する該候補点を該端無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する。
【0022】
上記本発明の課題を解決する第4の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して、二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該電界強度を測定し、この電界強度と、該装置あるいは該基地局、該端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の電界強度と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた受信電界強度情報とを比較して、該電界強度に近い値に関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、特定された該測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと、
を有する。
【0023】
上記本発明の課題を解決する第5の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定するステップと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該伝搬状況を測定し、この伝搬状況と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の伝搬状況と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた伝搬状況情報とを比較して、該無線端末が測定した伝搬状況に近い伝搬状況を有している該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0024】
上記本発明の課題を解決する第6の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が地磁気を測定する機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該地磁気を測定し、この地磁気と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された地磁気と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた地磁気情報とを比較して、該地磁気に近い地磁気の値と関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0025】
上記本発明の課題を解決する第7の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
二つの該候補点の一方の地理的位置が、該無線端末が存在し得ない位置である場合には、他方の該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する。
【0026】
上記本発明の課題を解決する第8の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が高度を測定する機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
前記二つの無線局と前記端末の間の無線信号の伝搬時間を利用した二つの曲線を描きその二つの曲線の交点二つを該端末の地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が測定した該高度と、該装置あるいは該無線局あるいは該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲である地点の高度情報と地理的位置とが関連付けられた高度情報のうち、該候補点の該高度情報とを比較して、該測定した高度に近い該高度情報を保持している候補点を該無線端末の位置として特定するステップとを有する。
【0027】
上記本発明の課題を解決する第9の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該候補点の各々と、該装置あるいは該基地局、該無線端末のいずれかが過去に該無線端末の位置を特定した際の位置が保持された測位履歴情報とを比較し、該測位履歴情報に保持されている該無線端末の位置に近い該候補点を該無線端末の位置として特定するステップとを有する。
【0028】
上記本発明の課題を解決する第10の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である第一の無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末と同一の該無線局との間で通信を行い、地理的位置が判明している第二の無線端末の該地理的位置と該候補点とを比較し、該第二の無線端末の該地理的位置に近い該候補点を該第一の無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0029】
上記本発明の課題を解決する第11の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が撮像機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末は該撮像機能を使用して周囲の建造物の外観を撮影し、この撮影された該外観と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されていおり、該無線局の通信エリア内の建物の外観情報とを比較し、撮影された該外観と該外観情報が一致する候補点を該無線端末の位置として特定するステップとを有することを特徴とする。
【0030】
上記本発明の課題を解決する第12の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持された該無線局の通信範囲内の建物の配置情報に基づいて、建物による遮蔽の影響を推定し、該候補点の一方では少なくとも一つの該無線局からの信号を受信し得ない場合には、他方の候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する。
【0031】
上記本発明の課題を解決する第13の発明は、上記第1から第12のいずれかの発明において、二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする。
【0032】
ここで、二つの候補点を求めるステップとは、二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップ並びに二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定するステップとを含むものである。
【0033】
上記本発明の課題を解決する第14の発明は、上記第1から第13のいずれかの発明において、二つの候補点を求めるステップにおいて、二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする。
【0034】
上記本発明の課題を解決する第15の発明は、上記第1から第14のいずれかの発明において、少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である。
【0035】
上記本発明の課題を解決する第16の発明は、上記第1から第15のいずれかの発明において、前記移動通信網において、前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である。
【0036】
上記本発明の課題を解決する第17の発明は、上記第1から第16のいずれかの発明において、前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、前記無線局がGPS衛星である。
【0037】
上記本発明の課題を解決する第18の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
二つの該無線局の少なくとも一方の該無線局の通信範囲を特定し、前記二つの該候補点のうち該通信範囲に含まれている該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0038】
上記本発明の課題を解決する第19の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末からの信号が第一の無線局において受信される際の信号の到来方向を特定し、前記二つの該候補点の各々と該第一の無線局とを結ぶ直線の方向と該到来方向とを比較し、該到来方向と該直線の方向とが一致する該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0039】
上記本発明の課題を解決する第20の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の各々から信号を受信する際の信号の到来方向を到来角として特定し、該候補点と該二つの無線局の一方とを結ぶ直線と該候補点と前記二つの無線局の他方とを結ぶ直線とのなす角を候補点角として該候補点ごとに算出し、該到来角の差分と該候補点角の各々とを比較して、該到来角の差分と一致する該候補点角を有する該候補点を該端無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する。
【0040】
上記本発明の課題を解決する第21の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の電界強度と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた受信電界強度情報が記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して、二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該電界強度を測定し、この電界強度と、前記記憶されている受信電界強度情報とを比較して、該電界強度に近い値に関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、特定された該測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0041】
上記本発明の課題を解決する第22の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定する第一の機能ブロックと、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の伝搬状況と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた伝搬状況情報が記憶された記憶機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該伝搬状況を測定し、この伝搬状況と前記伝搬状況情報とを比較して、該無線端末が測定した伝搬状況に近い伝搬状況を有している該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0042】
上記本発明の課題を解決する第23の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
地磁気を測定する第一の機能ブロックを有する無線端末と、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第二の機能ブロックと、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された地磁気と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた地磁気情報を記憶した記憶機能ブロックと、
無線端末が測定した地磁気と、前記地磁気情報とを比較して、該地磁気に近い地磁気の値と関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第三の機能ブロックとを有する。
【0043】
上記本発明の課題を解決する第24の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
二つの該候補点の一方の地理的位置が、該無線端末が存在し得ない位置である場合には、他方の該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0044】
上記本発明の課題を解決する第25の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
高度を測定する第一の機能ブロックを有する無線端末と、
該無線局の通信範囲である地点の高度情報と、地理的位置とが関連付けられた高度情報が記憶されている記憶機能ブロックと、
前記二つの無線局と前記端末の間の無線信号の伝搬時間を利用した二つの曲線を描きその二つの曲線の交点二つを該端末の地理的位置の二つの候補点として算出する第二の機能ブロックと、
該無線端末が測定した該高度と、前記高度情報のうちの該候補点の該高度情報とを比較して、該測定した高度に近い該高度情報を保持している候補点を該無線端末の位置として特定する第三の機能ブロックとを有する。
【0045】
上記本発明の課題を解決する第26の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該装置あるいは該基地局、該無線端末のいずれかが過去に該無線端末の位置を特定した際の位置が保持された測位履歴情報が記憶されている記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該候補点の各々と前記測位履歴情報とを比較し、前記測位履歴情報に保持されている該無線端末の位置に近い該候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0046】
上記本発明の課題を解決する第27の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である第一の無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末と同一の該無線局との間で通信を行い、地理的位置が判明している第二の無線端末の該地理的位置と該候補点とを比較し、該第二の無線端末の該地理的位置に近い該候補点を該第一の無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0047】
上記本発明の課題を解決する第28の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
撮像手段を有する無線端末と、
該無線局の通信エリア内の建物の外観情報と、その地理的位置とが関連付けられて記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末の撮像手段によって撮影された建造物の外観と、前記外観情報のうち該候補点に関連付けられている外観情報とを比較し、前記撮影された外観と前記外観情報とが一致する候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0048】
上記本発明の課題を解決する第29の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該無線局の通信範囲内の建物の配置情報が記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
前記配置情報に基づいて建物の遮蔽の影響を推測し、該候補点の一方では少なくとも一つの該無線局からの信号を受信し得ない場合には、他方の候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する。
【0049】
上記本発明の課題を解決する第30の発明は、前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する。
【0050】
ここで、二つの候補点を算出する機能ブロックとは、二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する機能ブロック並びに二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定する機能ブロックを含む。
【0051】
上記本発明の課題を解決する第31の発明は、前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する。
【0052】
上記本発明の課題を解決する第32の発明は、少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、二つの前記無線局が該基地局である。
【0053】
上記本発明の課題を解決する第33の発明は、前記移動通信網において、前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である。
【0054】
上記本発明の課題を解決する第34の発明は、前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、前記無線局がGPS衛星である。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、測定可能な基地局やGPS衛星の数の総計が2局しかない環境においても、高精度に端末の位置を特定することができると言う優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下に本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
【0057】
端末における基地局からの信号の受信時刻と、基地局からの信号の受信時刻との差分から双曲線を求め、基地局と端末との間の往復伝搬時間から円を求める。双曲線と円の交点を算出し、二つの候補点を求める。端末はセクタに位置しているので、セクタの範囲内に存在する候補点を端末の位置として特定する。
【0058】
以下、具体的な実施例について説明する。
【実施例1】
【0059】
本発明の実施例1について、図面を参照しながら説明する。
【0060】
図6は、移動通信網の概略を示す図面である。
【0061】
移動通信網は、端末21、基地局22、基地局23、固定網24、RNC25で構成される。通信を行う際には、端末21は基地局22あるいは基地局23との間に確立される無線リンクを介してRNC25との間にコネクションを確立する。
【0062】
基地局22、基地局23は固定網24に接続され、RNC25によって制御されている。また、基地局22、23は複数の通信エリア(以下、セクタと記す)を形成しており、例えば、基地局22はセクタ26、27、28、基地局23はセクタ29、210、211を形成しており、各々のセクタはスクランブリング・コードによって区別されている。さらに基地局22、23は各々の有するセクタに対して、あらかじめ決められた信号を各々のセクタごとに与えられているスクランブリング・コードでスクランブルした信号をパイロット信号として連続的に送信している。
【0063】
図7は、端末21とRNC25との間でコネクションを確立するまでの処理の流れを示す図面である。
【0064】
端末21とRNC25との間にコネクションを確立する場合、端末21はRNC25に対してコネクションを確立するために必要な情報を要求する(ステップ71)。このときに、端末21の端末ID(本実施例の場合、”0901234567”)と、端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号(本実施例の場合、“178”)がRNC25に通知される。
【0065】
端末21からの要求を受けたRNC25は、要求と同時に通知された端末IDと端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号を関連付けて、端末情報30を生成する(ステップ72)。
【0066】
図8は、RNC25が生成する端末情報30を示す図面である。
【0067】
端末情報30は、コネクションを確立している端末に固有の端末ID31a〜31nと、端末が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号32aとが関連付けられて保持されおり、端末21がRNC25との間にコネクションを確立する際に生成される。
【0068】
端末情報の生成が完了したRNC25は、セクタ27を形成している基地局22に対して端末21との間に無線リンクを確立するように要求する(ステップ73)。
【0069】
無線リンクの確立を要求された基地局22は、新しい無線リンクのためにリソースの確保と各種パラメータの設定を行う(ステップ74)。なお、基地局22で行われる処理の詳細は本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0070】
リソースの確保と各種パラメータの設定が完了した基地局22は、RNC25に対して無線リンクの確立を通知する(ステップ75)。
【0071】
無線リンクが確立されたことを確認したRNC25は、端末21に対してコネクションの確立に必要な情報を通知する(ステップ76)。なお、コネクションの確立に必要な情報の詳細については本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0072】
RNC25からコネクションの確立に必要な情報を受信した端末21は、受信した情報を元にコネクションを確立する(ステップ77)。なお、コネクションの確立時に端末21で行われる処理の詳細は本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0073】
コネクションの確立が完了したら、端末21はRNC25に対して確立したコネクションの情報を通知する(ステップ78)。
【0074】
なお、本実施例ではRNC25に対して端末21からコネクションの確立に必要な情報を要求されたときに、端末情報30が生成されるとしたが、本手順は一つの例であり、端末情報30の生成は端末21からコネクション確立完了の通知があった場合でもよい。
【0075】
図9は、端末21からコネクション確立完了の通知があった場合に端末情報30が生成される場合の処理の流れを示す図である。
【0076】
また、本実施例では、端末情報30は端末IDごとに端末が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号を関連付けているが、スクランブリング・コード番号ごとに端末IDを整理する方法も考えられる。
【0077】
図10は、スクランブリング・コード番号ごとに端末IDを整理した場合の端末情報30−1を示す図面である。
【0078】
基地局22、23の地理的な位置および各々の基地局が形成しているセクタについての情報は、各々の基地局が設置された際に生成され、RNC25が基地局情報40として保持している。
【0079】
図11は、RNC25が保持している基地局情報40の一例を示す図である。
【0080】
基地局の情報は、基地局に固有の基地局ID41a〜41nに以下の情報を関連付けて保持されている。
【0081】
(1)緯度42a
(2)経度43a
(3)スクランブリング・コード44a_1〜44a_X
(4)セクタの中心方向45a_1〜45a_X
緯度42aおよび経度43aは、基地局ID41aの基地局の地理的な位置を示す。
【0082】
スクランブリング・コード44a_1〜44a_Xは、基地局ID41aの基地局が形成している各々のセクタが使用しているスクランブリング・コード番号を示す。セクタの中心方向45a_1〜45a_Xは、基地局ID41aの基地局が形成しているセクタの中心方向の真北に対する角度を示す。
【0083】
なお、図11に示した基地局情報40は、一つの例であり、セクタごとに情報を持つことも考えられる。
【0084】
図12はセクタごとに情報を持つ場合の基地局情報40−2を示す図面である。
【0085】
緯度3502a〜n、経度3503a〜nは、セクタを形成しているアンテナの位置を示す。
【0086】
また、本実施例ではセクタの向きをセクタの中心方向で表現しているが、セクタの開始角度を用いて、セクタの向きを表現することも可能である。
【0087】
図13は、RNC25の構成図を示す図面である。なお、構成図には本実施例に関わる構成のみが記されている。
【0088】
基地局I/F部501は、RNC25と接続される複数の基地局とのインタフェースである。NBAPメッセージ処理部502はRNC25と基地局との間でやり取りされるメッセージの処理を行う機能を有しており、コネクション制御部504および測位シーケンス制御部の制御に従って、基地局に対してメッセージを送信し、基地局からのメッセージの受信をコネクション制御部504および測位シーケンス制御部に通知する。RRCメッセージ処理部503は、コネクション制御部504および測位シーケンス制御部505の制御に従って端末に対してメッセージを送信し、端末からのメッセージの受信をコネクション制御部504および測位シーケンス制御部に通知する。コネクション制御部504は、端末とRNC25との間で確立されるコネクションの制御を行う機能を有しており、NBAPメッセージ処理部502を介して基地局との間で通信を行い、RRCメッセージ処理部503を介して端末と通信を行う。また、コネクションを確立した際には端末情報30を生成し、生成した端末情報30をデータベース507に保存する。
【0089】
測位シーケンス制御部505は、端末の位置を特定する際の手順を制御する機能を有し、NBAPメッセージ処理部502を介して基地局との間で通信を行い、RRCメッセージ処理部503を介して端末と通信を行う。また、端末および基地局から受信した測定結果を演算処理部506に通知する機能を有している。さらに、端末や基地局に対して測定に必要な情報(以下、補助情報と記す)を生成するためにデータベース507を参照する。
【0090】
演算処理部506は、測位シーケンス制御部から通知された端末および基地局での測定結果を元に端末の位置を特定するための演算処理を行う。なお、端末の位置を特定する際に端末情報30や基地局情報40を参照する必要がある場合には、データベース507を参照する。
【0091】
データベース507は、コネクション制御部から通知される端末情報30や外部I/F508を介して通知される基地局情報40等を保持し、測位シーケンス制御部505やコネクション制御部504、演算処理部506からの要求に応じて、保持している端末情報30や基地局情報40を通知する。外部I/F部508は、固定網24以外からデータベース507に情報を蓄積する際に使用されるインタフェースである。
【0092】
以下、本実施例における端末位置の特定の原理について図面を参照しながら説明する。
【0093】
なお、RNC25のデータベース507には、端末情報として図8に示した形式の情報が、基地局情報として基地局22と基地局23についての情報が図11に示した形式の情報が格納されているとする。
【0094】
図5は、本実施例における端末21の位置を特定する原理を示す図面である。なお、端末21とRNC25との間には基地局22を介してコネクションが確立しているとし、RNC25は、データベース507に端末21の端末情報30と基地局22、23の基地局情報40を保持している。
【0095】
端末21では基地局22,23が送信しているパイロット信号の受信時刻の測定を行い、測定された基地局22,23が送信しているパイロット信号の受信時刻の差分から算出される距離の差分を求め、算出された距離の差分から求められる双曲線11と、端末21との間で無線リンクが確立している基地局22と端末21との間の往復伝搬時間から算出される基地局22−端末21間との間の距離を半径とする円12を求める。その後、双曲線11と円12との二つの交点を候補点13、14とし、候補点の各々と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角の角度15,16を算出する。
【0096】
続いて、端末情報30を参照して端末21の位置しているセクタの情報を取得し、基地局情報40を参照して端末の位置しているセクタ27の中心方向を取得する。その後、セクタの中心方向と算出された角度15、16とを比較し、セクタの中心方向に近い角度を持つ角度15を有する候補点13を端末21の位置として特定する。
【0097】
なお、基地局情報40に格納されているセクタ27の向きを示す情報がセクタ27の開始角度であった場合には、角度15、16とセクタ27の開始角度を比較して、セクタ27の開始角度より大きな角度を有する候補点を端末21の位置として特定する。
【0098】
図14は、RNC25が保持している端末21の端末情報を示す図である。
【0099】
また、図15は、RNC25が保持している基地局22、23の基地局情報60を示す図である。
【0100】
以下、端末21の位置が特定されるまでの手順の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0101】
図16は、端末21の位置が決定されるまでの手順の一例を示す図面である。
【0102】
端末21の位置を決定する場合、RNC25が端末21に対して、位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求するメッセージを送信する(ステップ81)。具体的には、端末21において基地局が各々異なるセクタ27および29、1002の各々に送信されているパイロット信号の受信時刻の差分の測定を要求する。この時、端末21に対しては基準とするセクタのスクランブリング・コード番号と基準以外の測定対象とすべきセクタが使用しているスクランブリング・コード番号とを補助情報として通知する。
【0103】
補助情報として通知される情報が通知されるセクタは以下のように選択される。
【0104】
(1)基準とするセクタ端末が無線リンクを確立しているセクタ
本実施例の場合、セクタ27である。
【0105】
(2)基準としないセクタ
端末が無線リンクを確立しているセクタに隣接し通信範囲が重なっていて、基準とするセクタとは異なる基地局が形成しているセクタである。本実施例の場合は、セクタ29とセクタ1001である。
【0106】
本実施例の場合、基準とするセクタのスクランブリング・コード番号としてセクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号と、基準以外の測定対象とすべきセクタが使用しているスクランブリング・コード番号として、セクタ29が使用しているスクランブリング・コード番号およびセクタ1002が使用しているスクランブリング・コード番号が通知される。
【0107】
また、RNC25は基地局22に対して位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求するメッセージを送信する(ステップ82)。具体的には、端末21と基地局22との間の往復伝搬時間の測定を要求する。この時、基地局22に対しては測定対象とすべき端末21の端末IDが通知される。
【0108】
測定要求を受けた端末21での処理(ステップ83)の詳細について以下に記す。
【0109】
測定要求を受けた端末21では、RNC25から指定されたセクタ(本実施例の場合はセクタ27、29、1002)の各々から受信したパイロット信号の受信時刻を測定する。なお、本実施例では端末21はセクタ1002からのパイロット信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。セクタ1002からの信号を受信できない理由としては、端末21と基地局1001との距離や建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。
【0110】
受信時刻の測定が完了したら、通知された補助情報で基準とするように指定されたセクタ27からの受信時刻を基準としたときの受信時刻の差分を算出する。
【0111】
受信時刻の算出が完了したら、算出結果をRNC25に送信する(ステップ85)。なお、本実施例ではセクタ1002からのパイロット信号は受信できていないと仮定しているため、受信時刻の差分は一つしか報告されない。
【0112】
測定要求を受けた基地局22ではRNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定し(ステップ84)、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ86)。
【0113】
ステップ89では、RNC25が端末21の位置を特定する。以下、端末21の位置の特定方法について図面を参照しながら説明する。
【0114】
端末21および基地局22での測定結果を受信したRNC25では、演算処理部506が測定結果を用いて端末21の位置を特定する。
【0115】
図17は、RNC25の演算処理部506における処理の流れを示す図面である。
【0116】
演算処理部506は、端末21が報告した測定結果の内容を確認する(F1,F3)。具体的には、測定された受信時刻の差分の数を確認する。二つ以上であった場合、三つ以上の基地局からの信号を受信していることになるので、OTDOA測位用演算処理を行う(F2)。受信時刻の差分が一つも報告されていない場合は、測位失敗と認識する(F12)。
【0117】
端末21から報告された受信時刻の差分が一つであった場合、データベース507に保持されている基地局情報30を参照して、受信時刻の差分を測定することができたセクタ27およびセクタ29が属する基地局22、23の基地局情報30のうち緯度62a、経度63a、緯度62b、経度63bを取得する(F4)。
【0118】
端末21から報告された受信時刻の差分を、送信時刻の差分で補正する(F5)。補正量の測定方法についてはいくつかの方法が考えられるが、本実施例では説明を省略する。
【0119】
基地局22、23の位置を特定したら、測定結果である受信時刻の差分から基地局22−端末21間との距離と基地局23−端末21間との距離の差分を求め、算出した距離の差分を用いて、基地局22、23を焦点とする双曲線11を算出する(F6)。
【0120】
続いて、基地局22から報告された往復伝搬時間から端末21−基地局22間の距離を求め、算出された距離を半径とし、F4で取得した基地局22の地理的な位置を示す緯度62a、経度63aの地点を中心とする円12を算出する(F7)。
【0121】
このようにして算出された双曲線11と円12との交点13、14を求めることによって、端末21の位置の候補点13、14の二点を求め(F8)、算出された二つの候補点と基地局22の位置とを結ぶ直線と真北とのなす角である角度15、角度16を求める(F9)。本実施例では角度15が280度、角度16が200度であったとする。
【0122】
候補点および角度の算出が完了したら、データベース507に保持されている基地局情報30を参照して、スクランブリング・コード番号52を使用しているセクタの中心方向65b(この場合、”305”)を取得する(F10)。
【0123】
端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向65bと角度15、角度16とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向305度に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される(F11)。
【0124】
次に、実施例1の他の態様1について図面を参照して説明する。
【0125】
実施例1で説明した端末21の位置特定の手順は一例であり、他の手順も考えられる。
【0126】
図18は、実施例2における端末21の位置が決定されるまでの手順を示す図である。
【0127】
端末21の位置を決定する場合、RNC25が端末21に対して、位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求するメッセージを送信する(ステップ81)。この時、測定に必要な情報を補助情報として通知する。なお、通知される補助情報は実施例1の場合と同一であるため、説明を省略する。
【0128】
測定要求を受けた端末21では、要求された測定を行い、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、端末21での測定の詳細は本実施例の場合と同一であるため、説明を省略する。
【0129】
端末21からの測定結果を受けたRNC25は報告された測定結果を確認する。具体的には、測定に成功した受信時刻の差分の数を確認する。測定に成功した受信時刻の差分の数が2であった場合、ステップ89を実行する。この場合、ステップ89ではOTDOA測位用の演算処理が実行される。
【0130】
測定に成功した受信時刻の差分の数が0であった場合、端末21の位置の特定に失敗したと認識し、処理を終了する。
【0131】
測定に成功した受信時刻の差分の数が1であった場合、図18の811で示されているステップを実行し、その後ステップ89を実行する。
【0132】
図19は、この場合のステップ89におけるRNC25の演算処理部506における処理の流れを示す図面である。
【0133】
なお、図19におけるF4〜F11での処理は本実施例で説明した処理と処理と同一であり、ここでは説明を省略する。
【0134】
更に、実施例1の他の態様2について説明する。
【0135】
上述した実施例では、RNC25の演算処理部506における処理の流れの説明は、基地局情報40には、セクタの中心方向が格納されているとして説明を行ったが、セクタの開始角度が格納されている場合にはF11での処理が変更される。
【0136】
基地局情報40にセクタの開始角度が格納されている場合、F11では取得した開始角度と角度15、角度16とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0137】
更に、実施例1の他の態様3について説明する。
【0138】
上述した実施例では、候補点の一方を端末21の位置として特定する場合には、基地局情報40に格納されているセクタの中心方向あるいは開始角度を参照するとしたが、端末21に通知した補助情報を用いて端末21の角度を特定することもできる。
【0139】
そこで、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照して、測定に失敗した基地局1001の緯度・経度を取得し、基準とする基地局として指定した基地局22の位置と測定に失敗したセクタを有する基地局1001の位置とを結ぶ直線が真北となす角を算出し、基準とする基地局として指定されたセクタのセクタ方向とする。
【0140】
算出されたセクタの中心方向と角度15、角度16とを比較し、セクタの中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方が算出されたセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【実施例2】
【0141】
本発明の実施例2について、図面を参照しながら説明する。
【0142】
上述した実施例1では、RNC25が演算処理を行って、端末21の位置を決定する場合について説明したが、端末21が位置を決定するための演算処理を行うことも考えられる。そこで、実施例5では端末21が位置を決定するための演算処理を行う例を説明する。
【0143】
図20は、演算処理を行う機能を有している端末21の構成を示す構成図である。なお、図面には本実施例の説明に必要な構成のみが示されている。
【0144】
無線信号受信部2401は基地局から送信される信号を受信する機能を有し、無線信号送信部は基地局に対して無線信号を送信する機能を有している。
【0145】
RRCメッセージ処理部2403は、無線信号受信部2401を介して受信したRNCからのメッセージを処理し、動作制御部2405にメッセージの受信を通知する。また、動作制御部2405に指示に従ってメッセージを生成し、無線信号送信部2402を介してRNCにメッセージを送信する。
【0146】
測定部2404は、動作制御部2405の指示に従って基地局からのパイロット信号の受信時刻を測定し、測定結果を制御部に通知する。
【0147】
動作制御部2405は、RRCメッセージ処理部からメッセージの受信を通知すると、メッセージに含まれている補助情報をメモリ2407に保持し、要求された測定を実行するために測定部2404の制御を行う。また、演算処理部2406に対して測定部2404が測定した受信時刻を通知する。
【0148】
演算処理部2406は、動作制御部2405から通知された測定結果と、メモリ2407に保持された補助情報とから自身の位置を特定するための演算処理を行う。
【0149】
以下、端末21の位置が特定されるまでの処理の手順について図面を参照しながら説明する。
【0150】
図21は、端末21が位置を決定するための演算処理を行う場合の処理の流れの一例を示す図である。
【0151】
RNC25は基地局22に対して、端末21の位置を決定するために必要な測定を要求する(ステップ91)。なお、本ステップは第一の実施例におけるステップ82と同一である。
【0152】
RNC25からの要求を受けた基地局22では、RNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定(ステップ92)し、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ93)。なお、ステップ91は第一の実施例のステップ84と、ステップ92は第一の実施例のステップ86と同一である。
【0153】
基地局22からの測定結果を受信したRNC25は、端末21に対して測定および演算処理を行うために必要な補助情報の生成を行う(ステップ94)。生成される補助情報について以下に説明する。
【0154】
RNC25が生成する補助情報には、以下の情報が含まれている−基準とするセクタが使用しているスクランブリング・コード番号端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。本実施例の場合、端末21とRNC25との間に確立されているコネクションは基地局22との間に確立している無線リンクを使用し、端末21はセクタ27内に位置しているので、セクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号を設定する。
【0155】
(1)基準する基地局と端末との間の往復伝搬時間
本実施例の場合は、基地局22−端末21間の往復伝搬遅延時間が設定される。
【0156】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
本実施例の場合は、基地局23の緯度・経度および基地局1001の緯度・経度が設定される。
【0157】
(3)基準としないセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
本実施例の場合は、セクタ29およびセクタ1002が使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。
【0158】
(4)基準としないセクタを形成している基地局の緯度・経度と基準とする基地局の緯度・経度との差分
本実施例の場合は基地局23、1001の緯度・経度と基地局22の緯度・経度との差分が設定される。
【0159】
(5)基準とするセクタと基準としないセクタとの間の送信タイミング差
本実施例の場合は、セクタ27の送信タイミングを基準とした場合のセクタ29およびセクタ1002の送信タイミングが通知される。
【0160】
補助情報の生成が完了したら、端末21に対して測位の要求を行う(ステップ95)。この時、ステップ95で生成した補助情報を同時に通知する。
【0161】
RNC25からの測位の要求を受けた端末21は、同時に送信された補助情報を参照して測定を行う(ステップ96)。本実施例の場合、セクタ27から受信するパイロット信号の受信時刻と、セクタ29から受信するパイロット信号の受信時刻との差分を測定する。本実施例では端末21はセクタ1002からのパイロット信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。セクタ1002からの信号を受信できない理由としては、端末21と基地局1001との距離や建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。また、通知された補助情報をメモリ2407に保存する。
【0162】
ステップ98では、端末21が自身の位置の特定するための処理を行う。以下、処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0163】
図22は、端末21の演算部2406で実行される処理の流れを示す図面である。
【0164】
演算処理部2406は、測定結果の内容を確認する(F2501,F2503)。具体的には、測定された受信時刻の差分の数を確認する。二つであった場合、三つの基地局からの信号を受信していることになるので、OTDOA測位用演算処理を行う(F2502)。受信時刻の差分が一つも報告されていない場合は、測位失敗と認識する(F2512)。
【0165】
測定された受信時刻の差分が一つであった場合、補助情報として通知されメモリ2407に保持されている基地局22、23の位置を示す緯度・経度、緯度・経度を取得する(F2504)。また、送信時刻の差分についての情報と、基地局22−端末21間の往復伝搬時間の情報も取得する。
【0166】
測定された受信時刻の差分を、F2504で取得された送信時刻の差分で補正する(F2505)。
【0167】
基地局22、23の位置を特定したら、測定結果から基地局22−端末21間との距離と基地局23−端末21間との距離の差分を求め、算出した距離の差分と用いて、基地局22、23を焦点とする双曲線11を算出する(F2505)。
【0168】
続いて、F2504で取得した往復伝搬時間から端末21−基地局22間の距離を求め、算出された距離を半径とし、基地局22を中心とする円12を算出する(F2507)。
【0169】
このようにして算出された双曲線11と円12との交点13、14を求めることによって、端末21の位置の候補点13、14の二点を求め(F2508)、算出された二つの候補点と基地局22の位置とを結ぶ直線と真北とのなす角である角度15、角度16を求める(F2509)。
【0170】
以下に、F2511での処理の詳細を記す。
【0171】
角度の算出が終わったら、メモリ2407を参照して、測定に失敗した基地局1001の緯度・経度を取得し、基準とする基地局として指定された基地局22の位置と測定に失敗したセクタを有する基地局1001の位置とを結ぶ直線が真北となす角を算出し、基準とする基地局として指定されたセクタのセクタ方向とする。本実施例の場合は、セクタ27の中心方向は300度と算出されたとする。
【0172】
算出されたセクタの中心方向と角度15、角度16とを比較し、セクタの中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向300度に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0173】
最後に端末21は特定した自身の位置の情報をRNC25に報告する(ステップ99)。
【0174】
次に、実施例2の他の態様1について図面を参照して説明する。
【0175】
端末21の位置の特定手順としては、他の手順も考えられる。
【0176】
図23は、端末21の位置が決定されるまでの手順の別の例を示す図面である。
【0177】
端末21の位置を特定する場合、端末21に対して測位の要求を行う(ステップ95)。この時、測位に必要な補助情報を同時に通知する。以下に、補助情報に含まれている情報の詳細を記す。
【0178】
(1)基準とするセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。本実施例の場合、端末21とRNC25との間に確立されているコネクションは基地局22との間に確立している無線リンクを使用し、端末21はセクタ27内に位置しているので、セクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号を設定する。
【0179】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
本実施例の場合は、基地局23の緯度・経度および基地局1001の緯度・経度が設定される。
【0180】
(3)基準としないセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
本実施例の場合は、セクタ29およびセクタ1002が使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。
【0181】
(4)基準としないセクタを形成している基地局の緯度・経度と基準とする基地局の緯度・経度との差分
本実施例の場合は基地局23、1001の緯度・経度と基地局22の緯度・経度との差分が設定される。
【0182】
(5)基準とするセクタと基準としないセクタとの間の送信タイミング差
本実施例の場合は、セクタ27の送信タイミングを基準とした場合のセクタ29およびセクタ1002の送信タイミングが通知される。
【0183】
RNC25からの測位の要求を受けた端末21は、同時に送信された補助情報を参照して測定を行う(ステップ96)。本実施例の場合、セクタ27から受信するパイロット信号の受信時刻と、セクタ29から受信するパイロット信号の受信時刻との差分を測定する。本実施例では端末21はセクタ1002からのパイロット信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。セクタ1002からの信号を受信できない理由としては、端末21と基地局1001との距離や建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。また、通知された補助情報をメモリ2407に保存する。
【0184】
測定が完了したら、測定結果の確認を行う(ステップ910)。具体的には、測定できた受信時刻の差分の数を確認する。測定された差分の数が二つである場合には、図中913で示した処理を行わずにステップ98の処理を行う。測定された差分が一つもない場合はステップ911、98の処理を行わずにステップ99を実行する。なお、この時測位結果としては”測位失敗”が報告される。
【0185】
測定された差分が一つであった場合、図中913で示した処理を実行する。以下に、911での処理を説明する。
【0186】
端末21は、RNC25に対して自身の位置を特定するために必要な補助情報を通知する(ステップ911)。具体的には、無線リンクが確立している基地局22と端末21との間の往復伝搬時間を要求する。
【0187】
端末21からの要求を受けたRNC25は、基地局22に対して測定要求を送信する(ステップ91)。
【0188】
RNC25からの要求を受けた基地局22では、RNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定(ステップ92)し、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ93)。なお、ステップ91は第一の実施例のステップ84と、ステップ92は第一の実施例のステップ86と同一である。
【0189】
基地局22からの測定結果を受信したRNC25は、端末21に対して基地局22から報告された往復伝搬時間を補助情報として通知する(ステップ912)。
【0190】
ステップ98では、端末21が自身の位置の候補点を算出するための処理を行う。以下、本変形例における処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0191】
図24は、端末21の演算部2406で実行される処理の流れを示す図面である。
【0192】
なお、図24におけるF2504〜F2511での処理は第二の実施例で説明を行った処理と同一であり、ここでは説明を省略する。
【0193】
続いて、実施例2の他の態様2について図面を参照して説明する。
【0194】
端末21の演算処理部2406における処理の流れの説明は、補助情報として通知されている三つの基地局の位置関係から各々のセクタの方向を算出して端末21の位置を特定するとしてきたが、補助情報としてセクタの中心方向が通知される場合も考えられる。
【0195】
この場合、ステップ95において通知される補助情報には、以下の情報が含まれている。
【0196】
(1)基準とするセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。本実施例の場合、端末21とRNC25との間に確立されているコネクションは基地局22との間に確立している無線リンクを使用し、端末21はセクタ27内に位置しているので、セクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号を設定する。
【0197】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
本実施例の場合は、基地局23の緯度・経度および基地局1001の緯度・経度が設定される。
【0198】
(3)基準とするセクタの中心方向
本実施例の場合は、セクタ27の中心方向が設定される。
【0199】
(4)基準としないセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
本実施例の場合は、セクタ29およびセクタ1002が使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。
【0200】
(5)基準としないセクタを形成している基地局の緯度・経度と基準とする基地局の緯度・経度との差分
本実施例の場合は基地局23、1001の緯度・経度と基地局22の緯度・経度との差分が設定される。
【0201】
(6)基準としないセクタの中心方向
本実施例の場合は、セクタ29、1002の中心方向が設定される。
【0202】
(7)基準とするセクタと基準としないセクタとの間の送信タイミング差
本実施例の場合は、セクタ27の送信タイミングを基準とした場合のセクタ29およびセクタ1002の送信タイミングが通知される。
【0203】
補助情報としてセクタの中心方向が通知されていた場合には、F2511での処理は以下のようになる。
【0204】
候補点および角度の算出が完了したら、メモリ2407に保持されている基地局情報を参照して、スクランブリング・コード番号52を使用しているセクタの中心方向65b(この場合、”305”)を取得する(F10)。
【0205】
端末21の位置しているセクタ27の中心方向としてメモリ2407に保持されている取得した中心方向と角度15、角度16とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0206】
また、セクタの開始角度が通知される場合も考えられる。この場合におけるF2511での処理を以下に記す。
【0207】
F2511ではメモリ2407から取得した開始角度と角度15、角度16とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0208】
更に、実施例2の他の態様3について図面を参照して説明する。
【0209】
上述した実施例2及び他の態様1、2では基地局23、1001の位置は、基地局22との差分として端末21に通知されたが、他の実施の一例として、差分ではなく、絶対的な緯度・経度として通知されても良い。
【実施例3】
【0210】
本発明の実施例3について、図面を参照しながら説明する。
【0211】
上述した実施例1及び実施例2では、RNC25あるいは端末21が、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出する方法について説明したが、基地局22を中心とする円(円12)と基地局23を中心とする円との交点を求めることで、二つの候補点を求めることも考えられる。
【0212】
図25は、本実施例における端末21の位置決定の原理を示す図面である。
【0213】
本実施例では、端末21−基地局22間の往復伝搬時間から算出される基地局22を中心とする円12と端末21−基地局23間の往復伝搬時間から算出される基地局23を中心とする円11との交点を求めることによって、端末21の二つの候補点13、14を算出する。
【0214】
図26は、本実施例における端末21の位置決定の手順の一例を示す図面である。
【0215】
なお、この手順では、端末21とRNC22の間にはコネクションが確立しており、基地局22と端末21との間には無線リンクが確立しているとしている。
【0216】
端末21の位置を特定しようとするRNC25は、まず基地局23に対して端末21との間に無線リンクを確立するように要求する(ステップ1201)。この際、無線リンクの確立に必要なパラメータをRNC25は基地局23に対して通知するが、本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0217】
無線リンクの確立を要求された基地局23は、新しい無線リンクのためにリソースの確保と各種パラメータの設定を行う(ステップ1202)。なお、基地局23で行われる処理の詳細は本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0218】
リソースの確保と各種パラメータの設定が完了した基地局23は、RNC25に対して無線リンクの確立を通知する(ステップ1203)。
【0219】
無線リンクの確立を確認したRNC25は、端末21に対して信号を受信するセクタを追加するように要求する(ステップ1204)。この時、新たに信号を受信するセクタが使用しているスクランブリング・コード番号を通知する。なお、端末21では受信するセクタの一覧表(以下、アクティブ・セットと記す)を保持しており、本ステップでは、アクティブ・セットに指定するスクランブリング・コード番号を追加するように要求する。本実施例の場合は基地局23のセクタ29が使用しているスクランブリング・コード番号である”143”が指定される。
【0220】
アクティブ・セットへスクランブリング・コード番号の追加要求を受信した端末21は、自身が保持しているアクティブ・セットに要求に含まれていたスクランブリング・コード番号を追加し、指定されたセクタからの信号の受信を開始する(ステップ1205)。その後、アクティブ・セットに対するスクランブリング・コード番号の追加が完了したことをRNC25に対して通知する(ステップ1206)。
【0221】
アクティブ・セットへの追加の完了を通知されたRNC25は、基地局22、23に対して端末21との間の信号の往復伝搬時間を測定するように要求する(ステップ1207,1208)。この時、測定対象である端末21の端末IDを通知する。
【0222】
測定要求を受信した基地局22,23は、要求に含まれていた端末21の端末IDを参照して、往復伝搬時間の測定を行う(ステップ1209,1210)。測定が完了したら、測定結果をRNC25に対して通知する(ステップ1211,1212)。
【0223】
以下、ステップ1213での処理について図面を参照しながら説明する。
【0224】
図27は、RNC25の演算処理部506における処理の流れを示す図面である。
【0225】
RNC25の演算処理部506は、データベース507に保持されている基地局22,23の位置に関する情報を取得する(F2601)。
【0226】
その後、基地局22、23から報告された往復伝搬時間より端末21−基地局22間の距離および端末21−基地局23間の距離を算出し、基地局22を中心とし端末21−基地局22間距離を半径とする円12と、基地局23を中心とし端末21−基地局23間距離を半径とする円1101を算出する(F2602)。
【0227】
続いて、算出された円12と円1101との交点を算出し、端末21の位置の候補である候補点13,14を算出する(F2603)。
【0228】
候補点が算出されたら、F2601で取得した基地局22,23の位置に関する情報を用いて角度15,16を算出する(F9)。その後、データベース507に保持されている基地局情報40を参照し(F10)、二つの候補点の一方を端末21の位置を特定する(F11)。なお、F9〜11に関しては、上述した実施例における処理と同一であり、説明は省略する。
【0229】
端末21の位置を特定したRNC25は、通信には不要な無線リンクを削除するために、端末21に対してアクティブ・セットから、不要なスクランブリング・コードを削除するように要求する(ステップ1214)。
【0230】
アクティブ・セットからスクランブリング・コード番号を削除するように要求された端末21では、指定されたスクランブリング・コード番号をアクティブ・セットから削除する(ステップ1215)。削除が完了したら、削除が完了したことをRNC25に対して通知する(ステップ1216)。
【0231】
アクティブ・セットからの削除が完了したことを通知されたRNC25は基地局23に対して、無線リンクを切断するように要求する(ステップ1218)。
【0232】
無線リンクの切断を要求された基地局23は、確保していたリソースの解放や各種パラメータの再設定を行い(ステップ1218)、処理が完了したら、処理の完了をRNC25に対して通知する(ステップ1219)。
【0233】
次に、実施例3の他の態様について図面を参照して説明する。
【0234】
上述した実施例では、位置を特定するための演算処理をRNC25が行う場合について説明したが、演算処理を端末が行ってもよい。そこで、以下に、図面を参照しながら説明する。
【0235】
図28は、端末21が位置を特定するための演算処理を行う場合の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【0236】
ステップ1201〜1212までは実施例3として説明した内容と同じであり、本変形例の説明では詳細の説明を省略する。
【0237】
端末21のアクティブ・セットに指定したスクランブリング・コード番号が追加されたことを確認したRNC25は、端末21に対して測位を要求する(ステップ1301)。この時、演算処理に必要な補助情報を同時に通知する。通知される情報の詳細について、以下に記す。
【0238】
ステップ1301で送信される測位要求には、以下の補助情報が付加されている。
【0239】
(1)基準とするセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。本実施例の場合、端末21と端末21はセクタ27内に位置しているので、セクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号を設定する。
【0240】
(2)基準するセクタを形成している基地局と端末との間の往復伝搬時間
本実施例の場合は、基地局22−端末21間の往復伝搬遅延時間が設定される。
【0241】
(3)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
本実施例の場合は、基地局22の緯度・経度が設定される。
【0242】
(4)基準としないセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
本実施例の場合は基地局23のセクタ29が使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。
【0243】
(5)基準としないセクタを形成している基地局の緯度・経度と基準とする基地局の緯度・経度との差分
本実施例の場合は基地局23の緯度・経度と基地局22の緯度・経度の差分が指定される。
【0244】
(6)基準としないセクタを形成している基地局と端末との間の往復先般遅延時間。
【0245】
本実施例の場合は、基地局23−端末21間の往復伝搬遅延時間が設定される。
【0246】
(7)端末21が位置しているセクタの中心方向
本実施例の場合は、端末21の位置しているセクタ27の中心方向が設定される。
【0247】
以下、ステップ1302における処理について図面を参照しながら説明する。
【0248】
図29は、ステップ1302における端末21の演算処理部2406での処理の流れを示す図面である。
【0249】
端末21の演算処理部2406はメモリ2407を参照し、基地局22,23の位置および端末21との間の往復伝搬時間を取得する(F3601)。
【0250】
端末21の演算処理部2406は、F3601で取得した端末21との間の往復伝搬時間から、端末21−基地局22間の距離および端末21−基地局23間の距離を算出し、F3601で取得した基地局22,23の位置を中心とする円12、1101を求める(F3602)。
【0251】
端末21の演算処理部2406は、F3602で算出した二つの円の交点を算出し、候補点13,14を求める(F3603)。
【0252】
候補点13、14が算出されたら、角度15、16を算出し(F2509)、メモリ2407を参照して(F2510)、端末の位置を特定する(F2511)。なお、各々の処理は第二の実施例で説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【実施例4】
【0253】
本発明の実施例4について、図面を参照しながら説明する。
【0254】
上述した実施例1、実施例2及び実施例3では、二つの基地局からの信号を利用して二つの候補点を算出する方法について説明したが、一つのGPS衛星からの信号と一つの基地局からの信号とを利用して二つの候補点を算出する方法が考えられる。なお、GPS衛星からの信号を利用する場合には、端末とGPS衛星の時刻は同期している必要があり、同期のためにはさらにもう一つのGPS衛星からの信号を受信できなければならない場合もある。
【0255】
図30は、本実施例における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【0256】
端末21にはGPS衛星1401からの信号を受信するGPS受信機が搭載されていて、端末21はGPS衛星からの信号を受信した時刻を特定することが可能であり、GPS衛星1401が信号を送信した送信時刻と端末21が信号を受信した受信時刻の差分とから、GPS衛星1401と端末21との間の距離を算出することができ、算出された距離からGPS衛星1401を中心とする円1402を求めることができる。
【0257】
また、基地局22と端末21との間でやり取りされる信号の往復伝搬時間から、基地局22と端末21との間の距離を算出することができ、算出された距離から、基地局22を中心とする円1403を求めることができる。
【0258】
上記のように算出された円1402と円1403との二つの交点を求めることにより、端末21の位置の候補点1404,1405を求めることができる。
【0259】
さらに端末21はセクタ27の範囲内に位置していることが分かるので、候補点1404を端末21の位置であると特定することができる。
【0260】
図31は、本実施例における端末21の構成を示す図面である。なお、本実施例の説明に関連する部分のみが示されている。
【0261】
無線信号受信部2401、無線信号送信部2402、RRCメッセージ処理部2403、メモリ2407については上述した実施例で説明を行ったブロックと同一であり、説明を省略する。
【0262】
GPS信号受信部2701はGPS衛星からの信号を受信する機能を有しており、測定部2702から指示されたGPS衛星からの信号を受信し、受信信号を測定部2702に通知する。
【0263】
測定部2702は動作制御部2703からの要求に従って、GPS信号受信部2701が受信した信号の受信時刻および送信時刻の測定あるいは無線信号受信部2401が受信した信号の受信時刻の差分の測定を行い、GPS信号受信部から報告された測定結果を動作制御部2703に通知する。
【0264】
動作制御部2703はRRCメッセージ処理部2403から、受信を通知されたメッセージにGPS衛星からの信号の測定要求が含まれていた場合には、測定部2702に対してGPS衛星からの信号の受信時刻および送信時刻の測定あるいは基地局からの信号の受信時刻の測定を要求し、測定部2702から通知された測定結果をRRCメッセージ処理部2403に通知する。
【0265】
以下、本実施例における端末21の位置を特定する手順について、図16を参照しながら説明する。
【0266】
なお、端末21は基地局22との間に確立された無線リンクを用いて、RNC25との間にコネクションを確立しているものとする。また、RNC25は端末情報と基地局情報を保持しており、基地局情報の形式は図11に示す形式であるとする。加えて複数のGPS衛星の軌道情報を有している。
【0267】
RNC25は端末21に対して、測定を要求する(ステップ81)。ただし、第一の実施例とは異なり、GPS衛星1401、1408、1409からの信号を測定するように要求する。また、この際に補助情報として通知されるのは測定対象とするGPS衛星の軌道情報である。
【0268】
また、RNC25は基地局22に対して、端末21との間の往復伝搬時間を測定するように要求する(ステップ82)。本ステップでの処理は第一の実施例と同一であるので説明を省略する。
【0269】
測定要求を受信した端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。ただし、実施例1とは異なり、補助情報として通知されたGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を用いてGPS衛星1401、1408、1409からの信号に含まれている送信時刻と、端末21での受信時刻を測定する。本実施例では端末21はGPS衛星1401からの信号のみが受信可能であり、GPS衛星1408、1409からの信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。GPS衛星1408、1409からの信号を受信できない理由としては、建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。
【0270】
測定が完了したら、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。ただし、実施例1とは異なり、測定結果として報告されるのはGPS衛星1401からの信号に含まれている送信時刻と、端末21での受信時刻である。GPS衛星1408、1409については測定失敗が報告される。
【0271】
測定要求を受信した基地局22は、端末21との間の往復伝搬時間を測定し(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。なお、各々のステップでの処理は上述した実施例の中で説明した処理と同一であり、説明を省略する。
【0272】
端末21および基地局22から測定結果の報告を受けたRNC25は端末21の位置の特定を行う(ステップ83)。以下に、本ステップでの処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0273】
図32は、本実施例におけるRNC25の演算処理部506での処理の流れを示す図である。
【0274】
RNC25の演算処理部506は、端末21から報告されたGPS衛星からの信号の測定結果の確認を行う(F2801、2803、2805)。端末21で測定できたGPS衛星の数が3つ以上である場合、GPS測位用の演算処理を行う(F2802)。GPS衛星の数が2つである場合には、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理を行う(F2805)。GPS衛星の数が1つであった場合、F2806以降の処理を行う。GPS衛星の数が0であった場合には、測位失敗と認識して処理を終了する(F12)。
【0275】
本実施例の場合、端末21が測定できたGPS衛星の数は1つであり、F2806以降の処理について説明する。なお、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理(F2805)については、後述いる実施例において説明するため、本実施例においては説明を省略する。
【0276】
F2806において、RNC25の演算処理部506はデータベース507を参照して、基地局22の位置を示す緯度・経度、およびGPS衛星1401の軌道情報を取得する。
【0277】
続いて、F2806で取得されたGPS衛星の軌道情報と端末21から報告された測定結果から円1402を求め(F2807)、F2806で取得された基地局22の位置と基地局22から報告された往復伝搬時間を用いて円12を求める(F7)。なお、F7での処理は第一の実施例で説明した処理と同一である。
【0278】
F2808では、円1402と円12との交点を算出し、候補点1404と1405を求める。その後、各々の候補点と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角度1406、1407を求める(F2809)。
【0279】
F2810では、データベース507に保持されている基地局情報40を参照して、端末21が位置しているセクタ27の中心方向65bを取得する。
【0280】
F2811では、最後に端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向65bと角度1406、角度1407とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度1406の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点1404であると特定される。
【0281】
次に、実施例4の他の態様1について図面を参照して説明する。
【0282】
本実施例では、実施例1での処理手順を参照しながら処理の説明を行ったが、実施例1の他の態様1における処理手順でも実現可能である。
【0283】
以下、実施例1の他の態様1の手順を示す図18を参照しながら説明する。
【0284】
端末21の位置を決定する場合、RNC25が端末21に対して、位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求する(ステップ81)。ただし、本変形例では、GPS衛星1401、1408、1409からの信号を測定するように要求する。また、この際に補助情報として通知されるのは測定対象とするGPS衛星の軌道情報である。
【0285】
測定要求を受けた端末21では、要求された測定を行い、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、本ステップにおける処理は、本実施例で説明した処理と同一であり、説明を省略する。
【0286】
端末21からの測定結果を受けたRNC25は報告された測定結果を確認する(ステップ810)。具体的には、測定に成功したGPS衛星の数を確認する。測定に成功した受信時刻の差分の数が3であった場合、ステップ89を実行する。なお、この場合、ステップ89では通常のGPS測位用の演算処理が実行される。
【0287】
測定に成功したGPS衛星の数が0であった場合、端末21の位置の特定に失敗したと認識し、処理を完了する。
【0288】
測定に成功したGPS衛星の数が2あるいは1であった場合、図18の811で示されているステップを実行し、その後ステップ89を実行する。
【0289】
図33は、この場合のステップ89におけるRNC25の演算処理部506における処理の流れを示す図面である。
【0290】
基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25の演算処理部506は、ステップ810で端末21から受信した測定結果を再度確認する(F2901)。端末21が測定したGPS衛星の数が2つであった場合には、F2804以降の処理を行う。1つであった場合には、F2806以降の処理を行う。なお、以降の各々の処理は第四の実施例における処理と同一であるため、説明は省略する。
【0291】
続いて、実施例4の他の態様2について図面を参照して説明する。
【0292】
本実施例及び他の態様1では、RNC25が保持している基地局情報の形式は図11であるとして説明を行ったが、セクタの向きの情報はセクタの開始角度として保持されていても良い。
【0293】
セクタの向きの情報がセクタの開始角度として保持されている場合、図32、図33におけるF2811での処理を以下に記す。
【0294】
基地局情報にセクタの開始角度が格納されている場合、F2811では取得した開始角度と角度1406、角度1407とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点1404であると特定される。
【0295】
更に、実施例4の他の態様3について図面を参照して説明する。
【0296】
本実施例では、RNC25が端末21の位置を特定するための演算処理を行うとしたが、端末21が演算処理を行う方法も考えられる。
【0297】
以下、端末21が演算処理を行う場合の処理の流れについて図21を参照しながら説明する。
【0298】
RNC25は基地局22に対して測定要求を行い(ステップ91)、測定要求を受けた基地局22は端末21との間の往復伝搬時間を測定し(ステップ92)、測定結果をRNC25に報告する(ステップ93)。各々のステップにおける処理は実施例2と同じであり、本変形例の説明では省略する。
【0299】
基地局22から測定結果の報告を受けたRNC25は、端末21に対して通知する補助情報を生成する(ステップ94)。ただし、実施例2と異なり、以下に示す情報が補助情報に含まれる。
【0300】
(1)測定対象であるGPS衛星の軌道情報
本実施例の場合、GPS衛星1401、1408、1409の軌道情報が設定される。
【0301】
(2)基準するセクタを形成している基地局と端末との間の往復伝搬時間
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0302】
(3)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0303】
(4)端末21が位置しているセクタの中心方向
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0304】
補助情報の生成が完了したら、RNC25は端末21に対して測位要求を送信する(ステップ95)。この時、上述した情報を含め補助情報を同時に通知する。
【0305】
測位要求を受信した端末21は、補助情報に含まれているGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を参照して、GPS衛星から信号の測定を行う(ステップ96)。本ステップは、実施例4のステップ83と同一であり、説明は省略する。
【0306】
測定が完了したら、端末21は候補点を算出するための処理を行う(ステップ98)。以下、本実施例における処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0307】
図34は、本実施例における端末21の演算処理部2407での処理の流れを示す図である。
【0308】
端末21の演算処理部2406は、GPS衛星からの信号の測定結果の確認を行う(F3001、3003、3004)。端末21で測定できたGPS衛星の数が3つ以上である場合、GPS測位用の演算処理を行う(F3002)。GPS衛星の数が2つである場合には、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理を行う(F3011)。GPS衛星の数が1つであった場合、F3004以降の処理を行う。GPS衛星の数が0であった場合には、測位失敗と認識して処理を終了する(F2512)。
【0309】
本実施例の場合、端末21が測定できたGPS衛星の数は1つであり、F3004以降の処理について説明する。なお、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理(F3011)については、実施例5の他の態様として説明するため、本実施例においては説明を省略する。
【0310】
F3005において、端末21の演算処理部2406メモリ2407を参照して、基地局22の位置を示す緯度・経度、およびGPS衛星1401の軌道情報を取得する。
【0311】
続いて、F3005で取得されたGPS衛星の軌道情報と端末21から報告された測定結果から円1402を求め(F3006)、F3005で取得された基地局22の位置と基地局22から報告された往復伝搬時間を用いて円12を求める(F2507)。なお、F2507での処理は第二の実施例で説明した処理と同一である。
【0312】
F3008では、円1402と円12との交点を算出し、候補点1404と1405を求める。その後、各々の候補点と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角度1406、1407を求める(F3009)。
【0313】
F3010では、補助情報として通知されメモリ2407に保持されている基地局情報を参照して、端末21が位置しているセクタ27の中心方向を取得する。
【0314】
F2511では、端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向と角度1406、角度1407とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度1406の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点1404であると特定される。
【0315】
更に、実施例4の他の態様4について説明する。
【0316】
上述した他の態様3では、実施例2での処理手順を参照しながら処理の説明を行ったが、実施例2の他の態様1における処理手順でも実現可能である。
【0317】
以下、実施例2の他の態様1の手順を示す図23を参照しながら説明する。
【0318】
RNC25は端末21に対して測位要求を送信する(ステップ95)。この時、以下の情報を補助情報として同時に通知する。
【0319】
(1)測定対象であるGPS衛星の軌道情報
本実施例の場合、GPS衛星1401、1408、1409の軌道情報が設定される。
【0320】
測位要求を受信した端末21は、補助情報に含まれているGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を参照して、GPS衛星から信号の測定を行う(ステップ96)。本ステップは、第四の実施例のステップ83と同一であり、説明は省略する。
【0321】
測定が完了したら、端末21は測定結果の確認を行う。測定に成功したGPS衛星の数が3つである場合、図中913で示されている処理を実行せずに、ステップ98、99の処理を実行する。ただし、ステップ98ではGPS測位用の演算処理が行われる。また、測定に成功したGPS衛星の数が0であった場合、ステップ99の処理を実行する。ただし、測位結果として”測位失敗”を通知する。
【0322】
測定に成功したGPS衛星の数が1あるいは2であった場合、図中913の処理が実行される。以下に、913で実行される処理の説明を記す。
【0323】
端末21は、RNC25に対して自身の位置を特定するのに必要な補助情報の通知を要求する(ステップ911)。具体的には、基地局22の位置と基地局22−端末21間の往復伝搬遅延時間を要求する。
【0324】
端末21からの要求を受けたRNC25は、補助情報を生成するための測定を基地局22に要求し(ステップ91)、測定要求を受けた基地局22は端末21との間の往復伝搬時間を測定し(ステップ92)、測定結果をRNC25に報告する(ステップ93)。各々のステップにおける処理は実施例2と同じであり、本変形例の説明では省略する。
【0325】
補助情報の生成が完了したら、RNC25は以下の情報を含む補助情報を端末21に通知する。
【0326】
(1)基準するセクタを形成している基地局と端末との間の往復伝搬時間
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0327】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
実施例3の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0328】
(3)端末21が位置しているセクタの中心方向
実施例3の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0329】
補助情報を受けた、端末21は候補点を算出するための処理を行う(ステップ98)。以下、本実施例における処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0330】
図35は、本実施例における端末21の演算処理部2407での処理の流れを示す図である。
【0331】
なお、各々の処理は他の態様3と同一であり、説明を省略する。
【0332】
更に、実施例4の他の態様5について説明する。
【0333】
他の態様3、4では、RNC25から補助情報として通知されるセクタの向きの情報はセクタの中心方向であるとしたが、セクタの向きの情報はセクタの開始角度として通知されていても良い。
【0334】
セクタの向きの情報がセクタの開始角度として保持されている場合、図34、図35におけるF2511での処理を以下に記す。
【0335】
基地局情報にセクタの開始角度が格納されている場合、F2511では取得した開始角度と角度1406、角度1407とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点1404であると特定される。
【実施例5】
【0336】
本発明における実施例5について、図面を参照しながら説明する。
【0337】
上述した実施例においては2つの基地局からの信号を用いて二つの候補点を求める方法と一つのGPS衛星と一つの基地局からの信号を用いて二つの候補点を求める方法について説明したが、実施例4の説明で触れたように二つのGPS衛星からの信号を用いて二つの候補点を求める方法も考えられる。
【0338】
図36は、本実施例における端末21の位置を特定する原理を示す図面である。
【0339】
端末21にはGPS衛星1401からの信号を受信するGPS受信機が搭載されていて、端末21はGPS衛星からの信号を受信した時刻を特定することが可能であり、GPS衛星1401、1408が信号を送信した送信時刻と端末21が信号を受信した受信時刻の差分とから、GPS衛星1401と端末21との間の距離を算出することができ、算出された距離からGPS衛星1401を中心とする円1402、3201を求めることができる。
【0340】
算出された円1402と円3201との二つの交点を求めることにより、端末21の位置の候補点3202,3203を求める。
【0341】
さらに端末21はセクタ27の範囲内に位置していることが分かるので、候補点3202を端末21の位置であると特定する。
【0342】
以下、本実施例における端末21の位置を特定する手順について、図41を参照しながら説明する。
【0343】
なお、端末21は基地局22との間に確立された無線リンクを用いて、RNC25との間にコネクションを確立しているものとする。また、RNC25は端末情報と基地局情報を保持しており、基地局情報の形式は図15に示す形式であるとする。加えて複数のGPS衛星の軌道情報を有している。
【0344】
RNC25は端末21に対して、測定を要求する(ステップ81)。ただし、実施例1とは異なり、GPS衛星1401、1408、1409からの信号を測定するように要求する。また、この際に補助情報として通知されるのは測定対象とするGPS衛星の軌道情報である。
【0345】
測定要求を受信した端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。ただし、実施例1とは異なり、補助情報として通知されたGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を用いてGPS衛星1401、1408、1409からの信号に含まれている送信時刻と、端末21での受信時刻を測定する。本実施例では端末21はGPS衛星1401、1408からの信号のみが受信可能であり、、GPS衛星1409からの信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。GPS衛星1409からの信号を受信できない理由としては、建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。
【0346】
測定が完了したら、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。ただし、実施例1とは異なり、測定結果として報告されるのはGPS衛星1401、1408からの信号に含まれている送信時刻と、端末21での受信時刻である。GPS衛星1409については測定失敗が報告される。
【0347】
端末21から測定結果の報告を受けたRNC25は端末21の位置の特定を行う(ステップ89)。以下に、本ステップでの処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0348】
図32は、本実施例におけるRNC25の演算処理部506での処理の流れを示す図である。
【0349】
RNC25の演算処理部506は、端末21から報告されたGPS衛星からの信号の測定結果の確認を行う(F2801、2803、2805)。端末21で測定できたGPS衛星の数が3つ以上である場合、GPS測位用の演算処理を行う(F2802)。GPS衛星の数が2つである場合には、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理を行う(F2805)。GPS衛星の数が1つであった場合、F2806以降の処理を行う。GPS衛星の数が0であった場合には、測位失敗と認識して処理を終了する(F12)。
【0350】
本実施例の場合、端末21が測定できたGPS衛星の数は2つであり、F2805の処理について説明する。なお、1つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理(F2806以降)については、実施例4として説明したため、本実施例においては説明を省略する。
【0351】
図38はF2805での処理の流れの詳細を示す図面である。
【0352】
RNC25の演算処理部506はデータベース507を参照して、GPS衛星1401、1408の軌道情報を取得する(F3701)。
【0353】
続いて、F3701で取得されたGPS衛星1401の軌道情報と端末21から報告された測定結果から円1402を求め(F3702)、F3701で取得されたGPS衛星1408の軌道情報と端末21から報告された測定結果から円3201を求める。
【0354】
F3704では、円1402と円3201との交点を算出し、候補点3202と3203を求める。その後、各々の候補点と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角度3204、3205を求める(F3705)。
【0355】
F3706では、データベース507に保持されている基地局情報40を参照して、端末21が位置しているセクタ27の中心方向65bを取得する。
【0356】
F3708では、端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向65bと角度3204、角度3205とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度3204の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0357】
次に、実施例5における他の態様1について説明する。
【0358】
本実施例では、RNC25が保持している基地局情報40の形式は図11であるとして説明を行ったが、セクタの向きの情報はセクタの開始角度として保持されていても良い。
【0359】
セクタの向きの情報がセクタの開始角度として保持されている場合、図38におけるF3708での処理を以下に記す。
【0360】
基地局情報にセクタの開始角度が格納されている場合、F3708では取得した開始角度と角度3204、角度3205とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度3204はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0361】
続いて、実施例5における他の態様2について説明する。
【0362】
本実施例および他の態様1では、RNC25が端末21の位置を特定するための演算処理を行うとしたが、端末21が演算処理を行う方法も考えられる。
【0363】
以下、端末21が演算処理を行う場合の処理の流れについて図39を参照しながら説明する。
【0364】
RNC25は端末21に対して測位要求を送信する(ステップ95)。
【0365】
この時、以下の情報を含む補助情報を同時に通知する。
【0366】
(1)測定対象であるGPS衛星の軌道情報
本実施例の場合、GPS衛星1401、1408、1409の軌道情報が設定される。
【0367】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0368】
(3)端末21が位置しているセクタの中心方向
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0369】
測位要求を受信した端末21は、補助情報に含まれているGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を参照して、GPS衛星から信号の測定を行う(ステップ96)。本ステップは、実施例5のステップ83と同一であり、説明は省略する。
【0370】
測定が完了したら、端末21は自身の位置を特定するための処理を行う(ステップ98)。以下、本変形例における処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0371】
図34は、本他の態様における端末21の演算処理部2407での処理の流れを示す図である。
【0372】
端末21の演算処理部2406は、GPS衛星からの信号の測定結果の確認を行う(F3001、3003、3004)。端末21で測定できたGPS衛星の数が3つ以上である場合、GPS測位用の演算処理を行う(F3002)。GPS衛星の数が2つである場合には、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理を行う(F3011)。GPS衛星の数が1つであった場合、F3004以降の処理を行う。GPS衛星の数が0であった場合には、測位失敗と認識して処理を終了する(F2512)。
【0373】
本実施例の場合、端末21が測定できたGPS衛星の数は2つであり、F3011の処理について説明する。なお、1つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理(F3005以降)については、実施例4の他の態様と同一であるため、本実施例においては説明を省略する。
【0374】
図40はF3011での処理の流れの詳細を示す図面である。
【0375】
端末21の演算処理部2406はメモリ2407を参照して、GPS衛星1401、1408の軌道情報を取得する(F3801)。
【0376】
続いて、F3801で取得されたGPS衛星1401の軌道情報と測定結果から円1402を求め(F3802)、F3801で取得されたGPS衛星1408の軌道情報と測定結果から円3201を求める。
【0377】
F3804では、円1402と円3201との交点を算出し、候補点3202と3203を求める。その後、各々の候補点と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角度3204、3205を求める(F3805)。
【0378】
F3806では、補助情報として通知され、メモリ2407に保持されているセクタの中心方向の情報を参照して、端末21が位置しているセクタ27の中心方向を取得する。
【0379】
F3808では、端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向と角度3204、角度3205とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度3204の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0380】
更に、実施例5における他の態様3について説明する。
【0381】
上述の他の態様2では、RNC25から通知されるセクタの向きの情報は、セクタの中心方向であるとして説明を行ったが、セクタの向きの情報はセクタの開始角度として通知されることが考えられる。
【0382】
セクタの向きの情報がセクタの開始角度として保持されている場合、図40におけるF3808での処理を以下に記す。
【0383】
メモリ2407にセクタの開始角度が格納されている場合、F3808では取得した開始角度と角度3204、角度3205とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度3204はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0384】
更に、実施例5における他の様態4について説明する。
【0385】
本実施例および他の態様1から3では、算出された端末21の二つの候補点から、端末が位置しているセクタの情報を用いて候補点の一方を端末21の位置として特定しているが、基地局22と端末21との間の距離を用いて端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0386】
以下、本他の態様における端末21の位置を特定する手順について、図41を参照しながら説明する。なお、端末21は基地局22との間に確立された無線リンクを用いて、RNC25との間にコネクションを確立しているものとする。また、RNC25は複数のGPS衛星の軌道情報を有している。
【0387】
まず、RNC25は端末21に対して、測定を要求する(ステップ81)。測定要求を受信した端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。測定が完了したら、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、ステップ81、83、85の詳細については本実施例と同様であるため、説明は省略する。
【0388】
端末21から測定結果を報告されたRNC25では、測定結果の確認を行う(ステップ5401)。具体的には、端末21で測定に成功したGPS衛星の数を確認する。端末21で測定されたGPS衛星の数が3つ以上であった場合は、GPS測位用の演算処理を行って処理を完了する。端末21で測定されたGPS衛星の数が1つであった場合の処理については、実施例4として説明したため、本実施例では説明を省略する。端末21で測定されたGPS衛星の数が0であった場合、測位失敗と認識して処理を終了する。端末21で測定されたGPS衛星の数が2つであった場合、図41の5406で示されるステップを実行する。
【0389】
端末21で測定されたGPS衛星の数が2つであった場合、RNC25は基地局22に対して、端末21との間の往復伝搬時間を測定するように要求する(ステップ5402)。具体的には、端末21と基地局22との間の往復伝搬時間の測定を要求する。この時、基地局22に対しては測定対象とすべき端末21の端末IDが通知される。
【0390】
測定要求を受けた基地局22ではRNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定し(ステップ5403)、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ5404)。
【0391】
基地局22から測定結果を報告されたRNC25は、演算処理部506を用いて端末21の位置を特定するための演算処理(ステップ5405)を行い、処理を終了する。
【0392】
図55は、ステップ5405において、RNC25の演算処理部506において実行される処理の流れの詳細を示す図面である。
【0393】
RNC25の演算処理部506は、端末21から報告されたGPS衛星1401,1408からの信号の測定結果を用いて、円1402、3201を算出する(F5501、5502)。
【0394】
続いて、算出された円の交点を算出し、候補点3202と3203を求める(F5503)。その後、データベース507に保持している基地局情報40を参照して、基地局22の位置に関する情報を取得する(F5504)。
【0395】
F5503で算出した二つの候補点3202、3203と、F5504で取得した基地局22の位置に関する情報とから、二つの候補点3202、3203と基地局22との間の距離を各々算出する(F5505)。
【0396】
基地局22において測定された端末21との間の往復伝搬時間を用いて、端末21と基地局22との間の距離を算出する(F5506)。
【0397】
F5505で算出された二つの候補点と基地局22との距離と、F5506で算出された端末21と基地局22との間の距離とを比較して、端末21−基地局22間距離に近い値を持つ候補点を端末の位置とする。本他の態様においては、候補点3202の方がF5506で算出された距離に近い値を持つので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0398】
以上で、実施例5における他の様態4の説明を終わる。
【0399】
次に、実施例5における他の様態5について説明する。
【0400】
上記の他の様態4においては、端末21の位置を算出する演算処理をRNC25が実行するとしたが、端末21が実行する方法も考えられる。
【0401】
以下、他の態様5における端末21の位置を特定する手順について、図43を参照しながら説明する。なお、端末21は基地局22との間に確立された無線リンクを用いて、RNC25との間にコネクションを確立しているものとする。また、RNC25は複数のGPS衛星の軌道情報を有している。
【0402】
まず、RNC25は端末21に対して、測位を要求する(ステップ95)。測位要求を受信した端末21は、要求された測定を行う(ステップ96)。なお、ステップ95、96については本実施例の他の態様2と同様であるため、説明を省略する。
【0403】
測定が完了したら、端末21は測定結果の確認を行う(ステップ5601)。具体的には、端末21で測定に成功したGPS衛星の数を確認する。端末21で測定されたGPS衛星の数が3つ以上であった場合は、GPS測位用の演算処理を行って処理を完了する。端末21で測定されたGPS衛星の数が1つであった場合の処理については、実施例4として説明したため、本実施例では説明を省略する。端末21で測定されたGPS衛星の数が0であった場合、測位失敗と認識して処理を終了する。端末21で測定されたGPS衛星の数が2つであった場合、図43の5605で示されるステップを実行する。
【0404】
端末21で測定されたGPS衛星の数が2つであった場合、端末21はRNC25に対して演算に必要な補助情報を要求する(ステップ5602)。具体的には端末21と基地局22との間の往復伝搬時間の情報を要求する。
【0405】
端末21からの要求を受けたRNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ5402)、RNC25からの測定要求を受信した基地局22は要求された測定を行い(ステップ5403)、測定が完了したら測定結果をRNC25に報告する(ステップ5404)。なお、ステップ5402から5404の詳細については本実施例の他の態様4と同様であるため、説明は省略する。
【0406】
基地局22からの測定結果を受信したRNC25は、測定結果を補助情報として端末21に通知する(ステップ5603)。具体的には、端末21と基地局22との間の往復伝播時間を補助情報として通知する。
【0407】
RNC25からの補助情報を受信した端末21は、補助情報をメモリ2407に格納し、ステップ96での測定結果と補助情報とを合わせて自身の位置を算出する(ステップ5604)。
【0408】
位置算出のための演算処理が完了したら、測位結果を報告して処理を終了する(ステップ99)。
【0409】
図57は、ステップ5604における端末21の演算処理部2406での処理の流れを示す図である。
【0410】
端末21の演算処理部2406は、メモリ2407を参照してGPS衛星1401、1408の軌道情報を取得し(F5701)、ステップ96での測定結果と合わせて円1402と円3201を算出する(F5702、F5703)。
【0411】
続いて、算出された円の交点を算出し、候補点3202と3203を求める(F5704)。その後、メモリ2407を参照して、基地局22の位置に関する情報を取得し、候補点3202、3203と基地局22との間の距離を各々算出する(F5706)。
【0412】
さらにメモリ2407を参照し、補助情報として通知された基地局22と端末21との間の往復伝搬時間を参照し(F5707)、端末21と基地局22との間の距離を算出する(F5708)。
【0413】
F5706で算出された2つの候補点と基地局22との距離と、F5708で算出された端末21と基地局22との間の距離とを比較して、端末21と基地局22との間の距離に近い値を持つ候補点を端末の位置とする。本他の態様においては、候補点3202の方がF5706で算出された距離に近い値を持つので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0414】
以上で、実施例5における他の態様5の説明を終了する。
【実施例6】
【0415】
本発明の実施例6について、図面を参照しながら説明する。
【0416】
実施例1から実施例5では、端末21の位置と特定する際に端末21が位置しているセクタの情報を用いているが、基地局22が端末21からの信号が到来した方向を測定することで端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0417】
図45は、本実施例における端末21の位置特定の原理を示す図面である。なお、端末21と基地局22との間には無線リンクが測定されている。
【0418】
本実施例では実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出する。なお、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよい。
【0419】
また、本実施例では基地局情報は図11に示した形式で保存されているとする。なお、セクタの向きを示す情報はセクタの開始角度で表現されていてもよい。
【0420】
二つの候補点から端末21の位置を特定するために、本実施例では端末21からの信号が到来した方向の真北からの角度(以下、到来角と記す)を利用する。到来角を測定する具体的な方法としては、基地局22の受信アンテナにアダプティブ・アレイ・アンテナを用いて、端末21からの信号を受信した際のアンテナ指向方向を利用する方法等が考えられる。
【0421】
到来角が測定できたら、角度15,16と測定された到来角を比較し、到来角と一致する角度を持つ候補点13を端末21と特定する。
【0422】
以下、本実施例における位置特定の手順の一例について、図12を参照しながら説明する。
【0423】
RNC25は端末21に対して測定要求を行い(ステップ81)、測定要求を受信した端末21は要求された測定を行い(ステップ83)、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、各々のステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明は省略する。
【0424】
RNC25は基地局22に対しても測定の要求を行う(ステップ82)。この時、実施例1とは異なり、要求する測定は端末21と基地局22との間の往復伝搬時間の測定と、端末21からの信号の到来角の測定であり、測定要求と共に測定に必要な端末IDを通知する。
【0425】
測定要求を受けた基地局22は要求された測定を行う(ステップ84)。本実施例では、実施例1とは異なり端末21との間の往復伝搬時間の測定に加えて、端末21からの到来角の測定を行う。
【0426】
測定が完了した後、基地局22はRNC25に対して測定結果を報告する(ステップ86)。本実施例では、実施例1とは異なり端末21との間の往復伝搬時間の測定結果に加えて、端末21からの到来角の測定の測定結果を報告する。
【0427】
端末21および基地局22からの測定結果を受信したRNC25は、端末の位置を特定するための処理を行う(ステップ89)。以下、本実施例におけるステップ89の処理について図面を参照しながら説明する。
【0428】
図46は本実施例におけるRNC25の演算処理部506での処理の流れを示す。
【0429】
なお、F11以外の各々の処理は第一の実施例において説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0430】
本実施例におけるF11での処理について、以下に記す。
【0431】
F11では、F9で算出した角度15、16と測定した端末21の到来角とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向305度に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0432】
なお、本実施例では図16の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【0433】
次に、実施例6の他の態様1について説明する。
【0434】
本実施例では、RNC25が端末21の位置を算出するための演算処理を行う例を説明したが、実施例2と同様に端末21が演算処理を行ってもよい。
【0435】
以下、図17を参照しながら本実施例における他の態様1における処理の手順の一例について説明する。
【0436】
RNC25が基地局22に送信する測定要求91には、端末21と基地局22との往復伝搬時間に加えて端末21からの信号の到来角の測定の要求が含まれ、測定84では、基地局22との往復伝搬時間に加えて、端末21からの信号の到来角の測定が行われ、測定結果報告93には、測定された往復伝搬時間に加えて到来角の測定結果が含まれる。
【0437】
また、測位要求94と同時に通知される補助情報には、基地局22で測定された「端末21からの信号の到来角」の情報が追加される。
【0438】
以下、位置特定98での処理について図面を参照しながら説明する。
【0439】
図39は、本変形例における端末21の演算処理部2406での処理の流れを示す図である。
【0440】
なお、F2511以外の各々の処理は第一の実施例において説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0441】
本他の態様1におけるF2511での処理について、以下に記す。
【0442】
F2511では、F2509で算出した角度15、16と補助情報として通知された端末21の到来角とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向305度に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0443】
なお、本実施例では図21の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図23の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例7】
【0444】
本発明の実施例7について図面を参照しながら説明する。
【0445】
実施例6では、基地局22で測定された端末21からの信号の到来角を利用して、算出された二つの端末21の候補点の一方を端末21の位置として特定する方法について説明したが、基地局22、23からの信号の到来角を端末21が測定することによって算出された候補点の一方を端末21の位置として特定する方法が考えられる。
【0446】
図48は、本実施例における端末21の位置特定方法の原理を示す図面である。なお、端末21と基地局22との間には無線リンクが測定されている。
【0447】
本実施例では実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出する。なお、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで候補点を算出してもよい。
【0448】
二つの候補点から端末21の位置を特定するために、本実施例では基地局22および基地局23からの信号の到来角の差分を利用する。到来角を測定する具体的な方法としては、端末21の受信アンテナにアダプティブ・アレイ・アンテナを用いて、端末21からの信号を受信した際のアンテナ指向方向を利用する方法等が考えられる。
【0449】
到来角が測定できたら、基地局22、23の位置および候補点13、14の位置とから算出される基地局22、23と候補点を結んだ直線と真北とのなす角の差分である角度1901、1902の各々と、端末21で測定された到来角の差分とを比較し、到来角の差分と一致する角1901を持つ候補点13を端末21と特定する。
【0450】
以下、位置特定の手順を示した図16を参照し、本実施例における位置特定の手順を説明する。
【0451】
端末21の位置を決定する場合、RNC25が端末21に対して、位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求する(ステップ81)。本実施例の場合、端末21において基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の受信時刻の差分の測定に加えて、基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の到来角の測定を要求する。
【0452】
基地局22に対しても位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求する(ステップ82)。なお、本ステップでの処理は実施例1で説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0453】
測定要求を受けた端末21では、RNC25から指定された基地局(本実施例の場合は基地局22、23)の各々から受信したパイロット信号の受信時刻を測定し、測定された受信時刻の差分を算出する。加えて、基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の到来角の測定を行う(ステップ83)。測定が完了したら、算出結果をRNC25に送信する(ステップ85)。また、測定要求を受けた基地局22ではRNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定(ステップ84)し、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ86)。
【0454】
ステップ89では、RNC25が端末21の位置の候補点を算出する。以下、端末の位置の特定方法について図面を参照しながら説明する。
【0455】
図49は、RNC25の演算処理部506での処理の流れを示した図面である。
【0456】
なお、F4101およびF11以外の各々の処理は第一の実施例において説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0457】
本実施例におけるF4101およびF11での処理について、以下に記す。
【0458】
F4101では、候補点13と基地局22とを結ぶ直線に対して、候補点13と基地局23とを結ぶ直線がなす角の角度1901を算出する。候補点14に対しても同様の処理を行い、角度1902を算出する。
【0459】
F11では、端末21から報告された到来角を基地局22からの到来角を基準としたときの、基地局23の到来角との差分を算出し、角度1901,1902と比較し、到来角の差分と大きさが一致する角度1901を有する候補点13を端末21の位置として特定する。
【0460】
なお、本実施例では図16の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【0461】
次に、実施例7における他の態様1について説明する。
【0462】
本実施例では、端末21の位置を特定するための演算処理をRNC25が行うとしたが、演算処理を端末21が行ってもよい。
【0463】
以下、図21を参照しながら本変形例における処理の手順の一例について説明する。
【0464】
本変形例の場合、RNC25が端末21に送信する測位要求95には、端末21において基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の受信時刻の差分の測定に加えて、基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の到来角の測定を要求する。
【0465】
また、測位要求95と同時に通知される補助情報からは、「端末21が位置しているセクタの中心方向」の情報が削除される。
【0466】
以下、位置特定98での処理について、図面を参照しながら説明する。
【0467】
図50は、端末21の演算処理部2406での処理の流れを示した図面である。
【0468】
なお、F4201、F2511以外の各々の処理は第二の実施例において説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0469】
F4201では、F2504で取得した基地局22,23の位置の情報と、候補点13と基地局22とを結ぶ直線に対して、候補点13と基地局23とを結ぶ直線がなす核の角度1901を算出する。候補点14に対しても同様の処理を行い、角度1902を算出する。
【0470】
F2511では、測定された到来角を基地局22からの信号の到来角を基準としたときの、基地局23からの信号の到来角の差分を算出し、角度1901,1902と比較し、到来角の差分と大きさが一致する角度1901を有する候補点13を端末21の位置として特定する。
【0471】
なお、本実施例では図21の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図23の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例8】
【0472】
本発明の実施例8について、図面を参照しながら説明する。
【0473】
実施例1から実施例7では、端末21が位置しているセクタ27の情報や基地局および端末で受信される信号の到来角を用いて、算出された端末21の二つの候補点の一方を端末21の位置として特定しているが、端末が受信する信号の電界強度を利用する方法が考えられる。
【0474】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0475】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0476】
以下、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する際の手順について、図16を参照しながら説明する。
【0477】
なお、本実施例の場合には基地局22が設置された際に、基地局22が形成するセクタの複数の地点において、基地局22から受信するパイロット信号の受信電界強度の測定を行う。測定結果は測定を行った地点の座標と共にRNC25データベース507に保持されているとする。
【0478】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、受信電界強度の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0479】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0480】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0481】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、基地局22,23、1001から受信するパイロット信号の受信電界強度の測定とを行う。
【0482】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、基地局22,23から受信するパイロット信号の受信電界強度を報告する。
【0483】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。
【0484】
以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0485】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0486】
F4301では、データベース507を参照し、受信電界強度と測定を行った地点の座標を取得する。なお、取得されるのはF8において算出された候補点13、14の各々の位置に最も近い地点で測定された受信電界強度である。
【0487】
F11では、端末21から報告された受信電界強度とF4301で取得された受信電界強度を比較し、端末21で測定された受信電界強度に近い地点を特定する。その後、特定された地点と算出された候補点13,14の位置を比較し、特定された測定された地点に近い位置の候補点を端末21の位置として特定する。
【0488】
次に、実施例8における他の態様1について説明する。
【0489】
本実施例では、端末21で受信される基地局22からのパイロット信号の受信電界強度を元に、二つの候補点の一方を端末21の位置として特定したが、受信電界強度ではなく、パイロット信号の伝搬状況を使用して端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0490】
以下、本変形例について、図16を参照しながら詳細に説明する。
【0491】
なお本変形例では、基地局22設置時に基地局22が形成するセクタ内の複数の地点において、基地局22からのパイロット信号の伝搬状況を測定する。具体的には、各々の測定点における遅延プロファイルを測定する。測定された遅延プロファイルは、測定を行った地点の位置と関連付けられてRNC25のデータベース507に格納されるているとする。
【0492】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、遅延プロファイルの測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0493】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0494】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0495】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、基地局22,23、1001から受信するパイロット信号の受信電界強度の測定とを行う。
【0496】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、基地局22,23から受信するパイロット信号の遅延プロファイルを報告する。
【0497】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。
【0498】
以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0499】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0500】
F4301ではデータベース507は参照して、遅延プロファイルと測定を行った地点の座標を取得する。なお、取得されるのはF8において算出された候補点13、14の各々の位置に最も近い地点で測定された遅延プロファイルである。
【0501】
F11では、端末21から報告された遅延プロファイルとF4301で取得された遅延プロファイルを比較し、端末21で測定された遅延プロファイルと近いプロファイルが測定された地点を特定する。具体的には、測定されているピークの数およびピーク間の時間差が近い地点を特定する。その後、特定された地点と算出された候補点13,14の位置を比較し、特定された地点に近い位置の候補点を端末21の位置として特定する。
【0502】
続いて、実施例8における他の態様2について説明する。
【0503】
本実施例および他の態様1では、端末21で受信される基地局22からのパイロット信号の受信電界強度や伝搬状況を元に、二つの候補点の一方を端末21の位置として特定したが、受信電界強度や伝搬状況ではなく、端末21が測定している地磁気の情報を用いて端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0504】
以下、本態様について、図16を参照しながら詳細に説明する。なお、本態様の場合、端末21は地磁気を測定する機能を有しているものとする。
【0505】
なお、基地局22が形成するセクタ内の複数の地点において、地磁気を測定する。測定された地磁気は、測定を行った地点の位置と関連付けられてRNC25のデータベース507に格納されているとする。
【0506】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、地磁気の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0507】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0508】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0509】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、地磁気の測定を行う。
【0510】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分と、測定した地磁気を報告する。
【0511】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。
【0512】
以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0513】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0514】
F4301ではデータベース507は参照して、地磁気と測定を行った地点の座標を取得する。なお、取得されるのはF8において算出された候補点13、14の各々の位置に最も近い地点で測定された地磁気である。
【0515】
F11では、端末21から報告された地磁気とF4301で取得された地磁気を比較し、端末21で測定された地磁気と近い値が測定された地点を特定する。その後、特定された地点と算出された候補点13,14の位置を比較し、特定された地点に近い位置の候補点を端末21の位置として特定する。
【0516】
なお、本実施例および態様1、2では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例9】
【0517】
本発明の実施例9について、詳細に説明する。
【0518】
実施例1から実施例8では、端末21が位置しているセクタ27の情報や基地局および端末で受信される信号の到来角、受信電界強度を用いて、算出された端末21の二つの候補点の一方を端末21の位置として特定しているが、算出された候補点から、地形情報を用いて端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0519】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0520】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0521】
なお、RNC25のデータベース508には、地形情報が格納されているとする。
【0522】
図52は、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する方法の原理を示す図面である。
【0523】
双曲線と円あるいは円と円の交点として算出された二つの候補点13、14の各々における地形情報を参照する。
【0524】
図52に示したように候補点14の位置の地形情報が河川3401である場合、端末21が存在し得ない地点であると判断して、候補点13を端末21の位置として特定する。
【0525】
本実施例における位置を特定する際の手順について図16を参照しながら説明する。
【0526】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0527】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0528】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0529】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を行う。
【0530】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を報告する。
【0531】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。
【0532】
以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0533】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0534】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、算出した候補点13,14の位置の地形情報を取得する。
【0535】
F11では、取得された候補点13、14の地形情報を比較し、一方の候補点に端末21が存在し得ない場合には候補点から除外する。本実施例の場合、候補点14は河川3401の中に位置している。このことから候補点14の位置には端末21を存在しえず、候補点13の位置を端末21の位置として特定する。
【0536】
次に、実施例9における他の態様1を説明する。
【0537】
本実施例では、算出された候補点の地形情報を利用することで、端末21が存在し得ない位置を除外し、端末21の位置を特定していたが、候補点の高度情報を使用することで端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0538】
以下、実施例9の他の態様について説明する。
【0539】
なお、RNC25のデータベース507には、基地局が形成するセクタ内の複数の地点の高度情報が格納されているとする。また、端末21は自身の位置の高度を測定する機能を有しているものとする。
【0540】
以下、本変形例における端末21の位置特定の手順について図16を参照しながら説明する。
【0541】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定および高度の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0542】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0543】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0544】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定および自身の位置の高度の測定を行う。
【0545】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定結果および高度の測定結果を報告する。
【0546】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0547】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0548】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、算出した候補点13,14の位置の高度を取得する。
【0549】
F11では、取得された候補点13、14の高度と端末21から報告された高度とを比較し、近い値を有している候補点を端末21の位置として特定する。
【0550】
なお、本実施例および他の態様1では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例10】
【0551】
本発明の実施例10について図面を参照しながら説明する。
【0552】
実施例1から実施例9では、セクタ情報や到来角、受信電界強度、地図情報を用いて二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する方法について説明したが、過去の測位結果を利用して、端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0553】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0554】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0555】
なお、RNC25のデータベース507には、端末21の測位結果が測位を行った時刻に関連付けられて保存されているとする。
【0556】
以下、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する際の手順について、図16を参照しながら説明する。
【0557】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0558】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0559】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0560】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を行う。
【0561】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を報告する。
【0562】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0563】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0564】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、保持されている端末21の測位結果のうち、最新の測位結果を取得する。
【0565】
F11では、候補点13、14とF4301で取得した測位結果との間の距離を算出し、距離が短い方を端末21の位置として特定する。
【0566】
なお、本実施例および変形例1では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例11】
【0567】
本発明の実施例11について、以下に説明する。
【0568】
実施例1から実施例10では、セクタ情報や到来角、受信電界強度、地形情報、過去の測位結果を用いて二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する方法について説明したが、候補点の周辺の建物情報を利用して端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0569】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0570】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0571】
なお、RNC25のデータベース507には、基地局が形成するセクタ内の建物情報が保存されているとし、端末21は建物情報を測定するための撮像機能を有しているとする。
【0572】
以下、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する際の手順について、図16を参照しながら説明する。
【0573】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定および建物情報の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0574】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0575】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0576】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を行う。加えて建物情報の測定を行う。具体的には、撮像機能を使用して周囲の建物の外観を撮影する。
【0577】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定結果および撮像機能を使用して撮影した周囲の建物の外観を報告する。
【0578】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0579】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0580】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、候補点13、14周辺の建物情報を取得する。
【0581】
F11では、端末21から報告された周囲の建物の外観とF4301で取得した候補点周辺の建物情報とを比較し、端末21から報告された建物の外観と一致する建物情報を有している候補点を端末21の位置として特定する。
【0582】
なお、本実施例および以下の他の態様では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【0583】
次に、実施例11における他の態様について説明する。
【0584】
本実施例では、建物情報を用いて端末21の位置を特定する方法について説明したが、二つの候補点を実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで算出する場合および実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで算出する場合には、GPS衛星の軌道情報を利用する方法も考えられる。
【0585】
以下、本実施例における端末21の位置を特定する手順について、図16を参照しながら説明する。
【0586】
なお、RNC25は端末情報および基地局情報、複数のGPS衛星の軌道情報、建物情報をデータベース507に保持しているとする。
【0587】
RNC25は端末21に対して測定を要求し(ステップ81)、測定要求を受信した端末21は要求された測定を行い(ステップ83)、測定が完了したら、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、各ステップに処理は実施例4の場合の処理と同一であり、説明は省略する。
【0588】
また、RNC25は基地局22に対して、端末21との間の往復伝搬時間を測定するように要求し(ステップ82)、測定要求を受信した基地局22は、端末21との間の往復伝搬時間を測定し(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。なお、各々のステップでの処理は第一の実施例の中で説明した処理と同一であり、説明を省略する。
【0589】
端末21および基地局22から測定結果の報告を受けたRNC25は端末21の位置の特定を行う(ステップ83)。以下に、本ステップでの処理の詳細について図53を参照しながら説明する。
【0590】
なお、RNC25の演算処理部506での処理は、F2801〜F2808まで実施例4と同じであり、説明を省略する。
【0591】
本実施例におけるF2810では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、端末21が測定に成功したGPS衛星1401の軌道情報と候補点13、14の周辺の建物情報を取得する。
【0592】
F11では、GPS衛星1401の軌道情報と候補点13、14の周辺の建物情報から、建物等の遮蔽によりGPS衛星1401からの信号が受信し得ない候補点を候補から除き、残った候補点を端末21の位置として特定する。
【0593】
なお、本実施例および他の態様では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例12】
【0594】
本発明の実施例12について、以下に説明する。
【0595】
実施例1から実施例11では、セクタ情報や到来角、受信電界強度、地形情報、過去の測位結果、建物情報を用いて二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する方法について説明したが、端末21の周辺に存在する位置が特定された端末の情報を利用することで位置を特定する方法が考えられる。
【0596】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0597】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0598】
以下、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する際の手順について、図16を参照しながら説明する。
【0599】
なお、本実施例においてRNC25は端末情報および基地局情報に加えて、セクタ27に位置している端末のうち、詳細な位置が判明している端末の位置情報をデータベース507に保持しているとする。
【0600】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0601】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0602】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0603】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を行う。
【0604】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定結果を報告する。
【0605】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0606】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0607】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、セクタ27内に存在している端末21以外の端末の位置情報を取得する。
【0608】
F11では、F4301で取得した端末21以外の端末の位置情報と候補点13、14との位置とを比較し、セクタ27に存在している端末21以外の端末の位置に近い候補点を端末21の位置として特定する。
【0609】
なお、本実施例および変形例1では図16の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例13】
【0610】
本発明の実施例13について、図面を参照しながら説明する。
【0611】
実施例1から実施例12では、端末21が自身の位置を特定する演算処理を行わない場合には、RNC25が演算処理を行うとしたが、RNC25とは別の演算処理装置が演算を行っても良い。
【0612】
図54は、本実施例における移動通信網の構成を示した図面である。
【0613】
本実施例の場合、固定網24に接続された測位演算処理装置4601が端末21の位置を特定するための演算を行う。
【0614】
図55は、測位演算処理装置4601の構成を示す図面である。
【0615】
RNC I/F4701は、複数のRNCと測位演算処理装置4601とを接続するインタフェースである。
【0616】
メッセージ処理部4702は、RNCからのメッセージの受信を動作制御部4703に通知し、動作制御部4703からの要求に応じて、RNCに対してメッセージを送信する。
【0617】
動作制御部4703は、メッセージ処理部4702から受信を通知されたメッセージに応じて演算処理部4704に演算処理を要求し、演算処理部4704から報告される演算結果を含むメッセージの送信をメッセージ処理部4702に要求する。また、必要に応じてデータベース4705を参照して必要な情報を取得し、取得された情報を含むメッセージの送信をメッセージ処理部4702に要求する。
【0618】
演算処理部4704は、動作制御部4703の要求に応じて端末の位置を特定するための演算処理を行い、処理結果を動作制御部4703に報告する。また、データベース4705を参照して演算処理に必要な情報を取得する。
【0619】
データベース4705は、演算処理や測定に必要な情報を保持している。また、外部I/F4706を介して外部からの情報の入力や参照が可能である。
【0620】
図56は、本実施例におけるRNC25の構成を示す図面である。なお、本実施例の説明と関係のない部分については図に示していない。
【0621】
また、基地局I/F部501、NBAPメッセージ処理部502、RRCメッセージ処理部503については実施例1で説明したものと同一であり、説明を省略する。
【0622】
演算装置I/F4801は、測位演算処理装置4601とRNC25とを接続するインタフェースである。
【0623】
メッセージ処理部4802は、測位演算処理装置4601からのメッセージの通知を測位シーケンス制御部4803に通知し、測位制御部4802およびコネクション制御部4804からの要求に応じて、測位演算処理装置4601に対してメッセージを送信する。
【0624】
測位シーケンス制御部4802は、端末や基地局に対して測定を要求するためのメッセージの送信をRRCメッセージ処理部503やNBAPメッセージ処理部502に要求し、RRCメッセージ処理部503やNBAPメッセージ処理部502から受信を通知されたメッセージに応じて、メッセージ処理部4802に、メッセージの送信を要求する。
【0625】
コネクション制御部4804は、端末との間のコネクションを確立するためのメッセージの送信をRRCメッセージ処理部503やNBAPメッセージ処理部502に要求し、RRCメッセージ処理部503やNBAPメッセージ処理部502から受信を通知されたメッセージに応じて、メッセージ処理部4802に、メッセージの送信を要求する。
【0626】
以下、測位演算処理装置4601を使用する場合の端末の位置特定の手順について、実施例1を踏まえながら説明する。
【0627】
図57は、端末21とRNC25との間のコネクションが確立し、その後に実行される端末21の位置特定の手順を示す図面である。
【0628】
なお、ステップ71〜78、ステップ81〜86の各々のステップにおける処理は実施例1における処理と同一であり、説明を省略する。
【0629】
また、測位演算処理装置4601のデータベース4705には、基地局を設置した際に生成した基地局情報が格納されているとする。
【0630】
端末21からコネクションの確立要求を受信したRNC25は、測位演算処理装置4601に対して端末情報を通知する(ステップ4901)。RNC25からの通知を受けた測位演算処理装置4601は、受信した端末情報を元に端末情報を生成し、生成した端末情報をデータベース4705に格納する(ステップ4902)。
【0631】
端末21の位置を特定する場合、RNC25は測位演算処理装置4601に対して測定に必要な補助情報を通知するように要求する(ステップ4903)。要求を受けた測位演算処理装置4601は、データベース4705を参照し、補助情報を生成してRNC25に通知する(ステップ4904)。
【0632】
端末21および基地局22からの測定結果を受けたRNC25は、測位演算処理装置4601に対して演算処理を要求する(ステップ4905)。なお、この時には端末21および基地局22からの測定結果を同時に通知する。
【0633】
RNC25からの演算処理要求を受信した測位演算処理装置4601では、通知された測定結果とデータベース4705に格納されている基地局情報とを用いて端末21の位置を特定する(ステップ4906)。
【0634】
測位演算処理装置4601は特定した端末21の位置をRNC25に対して報告する(ステップ4907)。
【0635】
なお、本実施例の説明では実施例1を踏まえて説明を行ったが、上述した他の態様においても同様の手順が実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0636】
本発明は、移動無線通信分野に関し、移動通信網における移動局の地理的位置を決定する際に使用される方法に関するものであれば、あらゆるものに適用することが可能であり、その利用の可能性において何ら限定するものではない。
【0637】
幾つかの好適な実施の形態及び実施例に関連付けして本発明を説明したが、これら実施の形態及び実施例は単に実例を挙げて発明を説明するためのものであって、限定することを意味するものではないことが理解できる。本明細書を読んだ後であれば、当業者にとって等価な構成要素や技術による数多くの変更および置換が容易であることが明白であるが、このような変更および置換は、添付の請求項の真の範囲及び精神に該当するものであることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0638】
【図1】図1はGPS測位の原理を示す図面である。
【図2】図2はOTDOA測位の原理を示す図面である。
【図3】図3はAFLT測位の原理を示す図面である。
【図4】図4はGPS衛星からの信号と基地局からの信号の双方を利用する測位方式の原理を示す図面である。
【図5】図5は実施例1における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図6】図6は実施例1における移動通信網を示す図面である。
【図7】図7は実施例1における端末21とRNC25との間のコネクションの確立手順を示す図面である。
【図8】図8は実施例1におけるRNC25が保持している端末情報30の一例を示す図面である。
【図9】図9は実施例1における端末21とRNC25との間のコネクションの確立手順を示す図面である。
【図10】図10は実施例1におけるRNC25が保持している端末情報30の一例を示す図面である。
【図11】図11は実施例1におけるRNC25が保持している基地局情報40の一例を示す図面である。
【図12】図12は実施例1におけるRNC25が保持している基地局情報40の一例を示す図面である。
【図13】図13は実施例1におけるRNC25の構成を示す図面である。
【図14】図14は実施例1においてRNC25のデータベース507によって保持されている端末21の端末情報を示す図面である。
【図15】図15は実施例1においてRNC25のデータベース507によって保持されている基地局22,23の基地局情報を示す図面である。
【図16】図6は実施例1における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図17】図17は実施例1におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図18】図18は実施例1の他の態様1における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図19】図19は実施例1の他の態様1におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図20】図20は実施例2における端末21の構成を示す図面である。
【図21】図21は実施例2における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図22】図22は実施例2におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図23】図23は実施例2の他の態様1における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図24】図24は実施例2の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図25】図25は実施例3における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図26】図26は実施例3における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図27】図27は実施例3におけるステップ1213での処理の流れを示す図面である。
【図28】図28は実施例3の他の態様1における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図29】図29は実施例3の他の態様1におけるステップ1302での処理の流れを示す図面である。
【図30】図30は実施例4における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図31】図31は実施例4における端末21の構成を示した図面である。
【図32】図32は実施例4におけるステップ89での処理の流れを示した図面である。
【図33】図33は実施例4の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示した図面である。
【図34】図34は実施例4の他の態様3におけるステップ89での処理の流れを示した図面である。
【図35】図35は実施例4の他の態様3におけるステップ98での処理の流れを示した図面である。
【図36】図36は実施例5における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図37】図37は実施例5における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図38】図38は実施例5におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図39】図39は実施例5の他の態様1における位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図40】図40は実施例5の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図41】図41は実施例5の他の態様4におけるの端末21の位置を特定する手順を示す図面である。
【図42】図42はステップ5405において、RNC25の演算処理部506において実行される処理の流れの詳細を示す図面である。
【図43】図43は実施例5の他の態様5における端末21の位置を特定する手順を示す図面である。
【図44】図44はステップ5604における端末21の演算処理部2406での処理の流れを示す図である。
【図45】図45は実施例6における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図46】図46は実施例6におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図47】図47は実施例6の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図48】図48は実施例7における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図49】図49は実施例7におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図50】図50は実施例7の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図51】図51は実施例8におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図52】図52は実施例9における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図53】図53は実施例11の他の態様におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図54】図54は実施例13における移動通信網を示す図面である。
【図55】図55は実施例13における測位演算処理装置4601の構成を示す図面である。
【図56】図56は実施例13におけるRNC25の構成を示す図面である。
【図57】図57は実施例13における端末21とRNC25との間のコネクションの確立および端末21の位置特定の手順を示す図面である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動無線通信分野に関し、移動通信網における移動局の地理的位置を決定する際に使用される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関する現時点での技術水準をより十分に説明する目的で、本願で引用され或いは特定される特許、特許出願、特許公報、科学論文等の全てを、ここに、参照することでそれらの全ての説明を組入れる。
【0003】
近年、携帯電話端末の位置を特定する方法として多数の方法が報告されており、複数の標準化団体においても、携帯電話端末の位置を特定するためのいくつかの測位方式が標準化されている。
【0004】
測位方式の一例としてはGPS衛星からの信号を利用するGPS測位方式が挙げられる。
【0005】
この方式は、標準化を行っている団体の一つであり、W−CDMA方式の標準を定めている3rd General Partnership Project(以下、3GPPと記す)やcdmaOne/2000方式の標準を定めている3rd General Partnership Project2(以下、3GPP2と記す)において、標準化されている測位方式である。
【0006】
図1は、GPS測位方式の原理を示す図である。
【0007】
図1において、端末5007は3つのGPS衛星5001〜5003の各々からの信号の受信時刻を測定し、受信した信号に含まれている送信時刻と測定した受信時刻との差分から算出されるGPS衛星5001〜5003の各々と端末5007との距離をもとに円5004〜5006を求め、これら3つの円の交点を端末5007の位置とする測位方式である。なお、端末5007とGPS衛星5001〜5003との時刻同期のためにもう一つのGPS衛星が必要となる場合がある。
【0008】
また、GPS衛星からの信号ではなく、基地局からの信号を利用する測位方式も考案されている。基地局からの信号を利用する測位方式の一例としては、Observed Time Difference Of Arriaval測位(以下、OTDOA測位と記す)が挙げられる。この方式は3GPPにおいて標準化されている測位方式である。
【0009】
図2は、OTDOA測位の原理を示す図である。
【0010】
図2において、端末5106は、3つの基地局5101〜5103の各々からの信号の受信時刻を測定し、各々の基地局からの信号の受信時刻の差分を算出される各々の基地局と端末5106との間の距離の差分をもとに、双曲線5104、5105を求め、これら2つの双曲線の好転を端末5106の位置とする測位方式である。なお、端末5106で測定される受信時刻の差分は、基地局からの信号の送信タイミングが同期していない場合には、送信タイミング差によって補正される。
【0011】
また、基地局からの信号を利用する測位方式の別の例としては、Advanced Forward Link Triangulation測位(以下、AFLT測位と記す)が挙げられる。この方式は3GPP2において標準化されている測位方式である。
【0012】
図3は、AFLT測位の原理を示す図である。
【0013】
端末5207は、3つの基地局5201〜5207の各々からの信号の受信時刻を測定し、受信した信号に含まれている送信時刻と測定した受信時刻との差分から算出される基地局5201〜5207の各々と端末5007との距離をもとに円5204〜5206を求め、これら3つの円の交点を端末5207の位置とする測位方式である。
【0014】
また、GPS衛星からの信号と基地局からの信号の双方を利用する測位方式も考案されている。
【0015】
図4は、GPS衛星からの信号と基地局からの信号の双方を利用する測位方式の原理を示す図である。
【0016】
図4において、端末5307は2つのGPS衛星5301、5302の各々からの信号の受信時刻を測定し、受信した信号に含まれている送信時刻と測定した受信時刻との差分から算出されるGPS衛星5301、5302の各々と端末5307との距離をもとに円5304、5305を求める。また、基地局5303からの信号の受信時刻を測定し、受信した信号に含まれている送信時刻と測定した受信時刻との差分から算出される基地局5303の各々と端末5307との距離をもとに円5306を求める。これら3つの円の交点を端末5007の位置とする測位方式である。なお、端末5307とGPS衛星5301、5302との時刻同期のためにもう一つのGPS衛星が必要となる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上述した従来の測位方式では、三つ以上の基地局あるいは三つ以上のGPS衛星からの信号を必要とするが、測定可能な基地局やGPS衛星の数の総計が2局しかない環境では二次曲線の交点が2つ出てしまうために端末の位置を絞り込むことができず、高精度に端末の位置を特定することはできないという課題があった。
【0018】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、測定可能な基地局や、GPS衛星の数の総計が2局しかない環境においても、高精度に端末の位置を特定することができる端末位置特定方法及びそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記本発明の課題を解決する第1の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
二つの該無線局の少なくとも一方の該無線局の通信範囲を特定し、二つの該候補点のうち該通信範囲に含まれている該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0020】
上記本発明の課題を解決する第2の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末からの信号が第一の無線局において受信される際の信号の到来方向を特定し、二つの該候補点の各々と該第一の無線局とを結ぶ直線の方向と該到来方向とを比較し、該到来方向と該直線の方向とが一致する該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0021】
上記本発明の課題を解決する第3の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該二つの無線局の各々から信号を受信する際の信号の到来方向を到来角として特定し、該候補点と該二つの無線局の一方とを結ぶ直線と該候補点と前記二つの無線局の他方とを結ぶ直線とのなす角を候補点角として該候補点ごとに算出し、該到来角の差分と該候補点角の各々とを比較して、該到来角の差分と一致する該候補点角を有する該候補点を該端無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する。
【0022】
上記本発明の課題を解決する第4の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して、二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該電界強度を測定し、この電界強度と、該装置あるいは該基地局、該端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の電界強度と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた受信電界強度情報とを比較して、該電界強度に近い値に関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、特定された該測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと、
を有する。
【0023】
上記本発明の課題を解決する第5の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定するステップと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該伝搬状況を測定し、この伝搬状況と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の伝搬状況と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた伝搬状況情報とを比較して、該無線端末が測定した伝搬状況に近い伝搬状況を有している該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0024】
上記本発明の課題を解決する第6の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が地磁気を測定する機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該地磁気を測定し、この地磁気と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された地磁気と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた地磁気情報とを比較して、該地磁気に近い地磁気の値と関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0025】
上記本発明の課題を解決する第7の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
二つの該候補点の一方の地理的位置が、該無線端末が存在し得ない位置である場合には、他方の該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する。
【0026】
上記本発明の課題を解決する第8の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が高度を測定する機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
前記二つの無線局と前記端末の間の無線信号の伝搬時間を利用した二つの曲線を描きその二つの曲線の交点二つを該端末の地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が測定した該高度と、該装置あるいは該無線局あるいは該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲である地点の高度情報と地理的位置とが関連付けられた高度情報のうち、該候補点の該高度情報とを比較して、該測定した高度に近い該高度情報を保持している候補点を該無線端末の位置として特定するステップとを有する。
【0027】
上記本発明の課題を解決する第9の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該候補点の各々と、該装置あるいは該基地局、該無線端末のいずれかが過去に該無線端末の位置を特定した際の位置が保持された測位履歴情報とを比較し、該測位履歴情報に保持されている該無線端末の位置に近い該候補点を該無線端末の位置として特定するステップとを有する。
【0028】
上記本発明の課題を解決する第10の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である第一の無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末と同一の該無線局との間で通信を行い、地理的位置が判明している第二の無線端末の該地理的位置と該候補点とを比較し、該第二の無線端末の該地理的位置に近い該候補点を該第一の無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する。
【0029】
上記本発明の課題を解決する第11の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が撮像機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末は該撮像機能を使用して周囲の建造物の外観を撮影し、この撮影された該外観と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されていおり、該無線局の通信エリア内の建物の外観情報とを比較し、撮影された該外観と該外観情報が一致する候補点を該無線端末の位置として特定するステップとを有することを特徴とする。
【0030】
上記本発明の課題を解決する第12の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持された該無線局の通信範囲内の建物の配置情報に基づいて、建物による遮蔽の影響を推定し、該候補点の一方では少なくとも一つの該無線局からの信号を受信し得ない場合には、他方の候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する。
【0031】
上記本発明の課題を解決する第13の発明は、上記第1から第12のいずれかの発明において、二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする。
【0032】
ここで、二つの候補点を求めるステップとは、二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップ並びに二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定するステップとを含むものである。
【0033】
上記本発明の課題を解決する第14の発明は、上記第1から第13のいずれかの発明において、二つの候補点を求めるステップにおいて、二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする。
【0034】
上記本発明の課題を解決する第15の発明は、上記第1から第14のいずれかの発明において、少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である。
【0035】
上記本発明の課題を解決する第16の発明は、上記第1から第15のいずれかの発明において、前記移動通信網において、前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である。
【0036】
上記本発明の課題を解決する第17の発明は、上記第1から第16のいずれかの発明において、前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、前記無線局がGPS衛星である。
【0037】
上記本発明の課題を解決する第18の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
二つの該無線局の少なくとも一方の該無線局の通信範囲を特定し、前記二つの該候補点のうち該通信範囲に含まれている該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0038】
上記本発明の課題を解決する第19の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末からの信号が第一の無線局において受信される際の信号の到来方向を特定し、前記二つの該候補点の各々と該第一の無線局とを結ぶ直線の方向と該到来方向とを比較し、該到来方向と該直線の方向とが一致する該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0039】
上記本発明の課題を解決する第20の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の各々から信号を受信する際の信号の到来方向を到来角として特定し、該候補点と該二つの無線局の一方とを結ぶ直線と該候補点と前記二つの無線局の他方とを結ぶ直線とのなす角を候補点角として該候補点ごとに算出し、該到来角の差分と該候補点角の各々とを比較して、該到来角の差分と一致する該候補点角を有する該候補点を該端無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する。
【0040】
上記本発明の課題を解決する第21の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の電界強度と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた受信電界強度情報が記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して、二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該電界強度を測定し、この電界強度と、前記記憶されている受信電界強度情報とを比較して、該電界強度に近い値に関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、特定された該測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0041】
上記本発明の課題を解決する第22の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定する第一の機能ブロックと、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の伝搬状況と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた伝搬状況情報が記憶された記憶機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該伝搬状況を測定し、この伝搬状況と前記伝搬状況情報とを比較して、該無線端末が測定した伝搬状況に近い伝搬状況を有している該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0042】
上記本発明の課題を解決する第23の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
地磁気を測定する第一の機能ブロックを有する無線端末と、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第二の機能ブロックと、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された地磁気と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた地磁気情報を記憶した記憶機能ブロックと、
無線端末が測定した地磁気と、前記地磁気情報とを比較して、該地磁気に近い地磁気の値と関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第三の機能ブロックとを有する。
【0043】
上記本発明の課題を解決する第24の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
二つの該候補点の一方の地理的位置が、該無線端末が存在し得ない位置である場合には、他方の該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0044】
上記本発明の課題を解決する第25の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
高度を測定する第一の機能ブロックを有する無線端末と、
該無線局の通信範囲である地点の高度情報と、地理的位置とが関連付けられた高度情報が記憶されている記憶機能ブロックと、
前記二つの無線局と前記端末の間の無線信号の伝搬時間を利用した二つの曲線を描きその二つの曲線の交点二つを該端末の地理的位置の二つの候補点として算出する第二の機能ブロックと、
該無線端末が測定した該高度と、前記高度情報のうちの該候補点の該高度情報とを比較して、該測定した高度に近い該高度情報を保持している候補点を該無線端末の位置として特定する第三の機能ブロックとを有する。
【0045】
上記本発明の課題を解決する第26の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該装置あるいは該基地局、該無線端末のいずれかが過去に該無線端末の位置を特定した際の位置が保持された測位履歴情報が記憶されている記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該候補点の各々と前記測位履歴情報とを比較し、前記測位履歴情報に保持されている該無線端末の位置に近い該候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0046】
上記本発明の課題を解決する第27の発明は、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である第一の無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末と同一の該無線局との間で通信を行い、地理的位置が判明している第二の無線端末の該地理的位置と該候補点とを比較し、該第二の無線端末の該地理的位置に近い該候補点を該第一の無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0047】
上記本発明の課題を解決する第28の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
撮像手段を有する無線端末と、
該無線局の通信エリア内の建物の外観情報と、その地理的位置とが関連付けられて記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末の撮像手段によって撮影された建造物の外観と、前記外観情報のうち該候補点に関連付けられている外観情報とを比較し、前記撮影された外観と前記外観情報とが一致する候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックとを有する。
【0048】
上記本発明の課題を解決する第29の発明は、無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該無線局の通信範囲内の建物の配置情報が記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
前記配置情報に基づいて建物の遮蔽の影響を推測し、該候補点の一方では少なくとも一つの該無線局からの信号を受信し得ない場合には、他方の候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する。
【0049】
上記本発明の課題を解決する第30の発明は、前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する。
【0050】
ここで、二つの候補点を算出する機能ブロックとは、二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する機能ブロック並びに二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定する機能ブロックを含む。
【0051】
上記本発明の課題を解決する第31の発明は、前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する。
【0052】
上記本発明の課題を解決する第32の発明は、少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、二つの前記無線局が該基地局である。
【0053】
上記本発明の課題を解決する第33の発明は、前記移動通信網において、前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である。
【0054】
上記本発明の課題を解決する第34の発明は、前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、前記無線局がGPS衛星である。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、測定可能な基地局やGPS衛星の数の総計が2局しかない環境においても、高精度に端末の位置を特定することができると言う優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下に本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
【0057】
端末における基地局からの信号の受信時刻と、基地局からの信号の受信時刻との差分から双曲線を求め、基地局と端末との間の往復伝搬時間から円を求める。双曲線と円の交点を算出し、二つの候補点を求める。端末はセクタに位置しているので、セクタの範囲内に存在する候補点を端末の位置として特定する。
【0058】
以下、具体的な実施例について説明する。
【実施例1】
【0059】
本発明の実施例1について、図面を参照しながら説明する。
【0060】
図6は、移動通信網の概略を示す図面である。
【0061】
移動通信網は、端末21、基地局22、基地局23、固定網24、RNC25で構成される。通信を行う際には、端末21は基地局22あるいは基地局23との間に確立される無線リンクを介してRNC25との間にコネクションを確立する。
【0062】
基地局22、基地局23は固定網24に接続され、RNC25によって制御されている。また、基地局22、23は複数の通信エリア(以下、セクタと記す)を形成しており、例えば、基地局22はセクタ26、27、28、基地局23はセクタ29、210、211を形成しており、各々のセクタはスクランブリング・コードによって区別されている。さらに基地局22、23は各々の有するセクタに対して、あらかじめ決められた信号を各々のセクタごとに与えられているスクランブリング・コードでスクランブルした信号をパイロット信号として連続的に送信している。
【0063】
図7は、端末21とRNC25との間でコネクションを確立するまでの処理の流れを示す図面である。
【0064】
端末21とRNC25との間にコネクションを確立する場合、端末21はRNC25に対してコネクションを確立するために必要な情報を要求する(ステップ71)。このときに、端末21の端末ID(本実施例の場合、”0901234567”)と、端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号(本実施例の場合、“178”)がRNC25に通知される。
【0065】
端末21からの要求を受けたRNC25は、要求と同時に通知された端末IDと端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号を関連付けて、端末情報30を生成する(ステップ72)。
【0066】
図8は、RNC25が生成する端末情報30を示す図面である。
【0067】
端末情報30は、コネクションを確立している端末に固有の端末ID31a〜31nと、端末が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号32aとが関連付けられて保持されおり、端末21がRNC25との間にコネクションを確立する際に生成される。
【0068】
端末情報の生成が完了したRNC25は、セクタ27を形成している基地局22に対して端末21との間に無線リンクを確立するように要求する(ステップ73)。
【0069】
無線リンクの確立を要求された基地局22は、新しい無線リンクのためにリソースの確保と各種パラメータの設定を行う(ステップ74)。なお、基地局22で行われる処理の詳細は本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0070】
リソースの確保と各種パラメータの設定が完了した基地局22は、RNC25に対して無線リンクの確立を通知する(ステップ75)。
【0071】
無線リンクが確立されたことを確認したRNC25は、端末21に対してコネクションの確立に必要な情報を通知する(ステップ76)。なお、コネクションの確立に必要な情報の詳細については本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0072】
RNC25からコネクションの確立に必要な情報を受信した端末21は、受信した情報を元にコネクションを確立する(ステップ77)。なお、コネクションの確立時に端末21で行われる処理の詳細は本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0073】
コネクションの確立が完了したら、端末21はRNC25に対して確立したコネクションの情報を通知する(ステップ78)。
【0074】
なお、本実施例ではRNC25に対して端末21からコネクションの確立に必要な情報を要求されたときに、端末情報30が生成されるとしたが、本手順は一つの例であり、端末情報30の生成は端末21からコネクション確立完了の通知があった場合でもよい。
【0075】
図9は、端末21からコネクション確立完了の通知があった場合に端末情報30が生成される場合の処理の流れを示す図である。
【0076】
また、本実施例では、端末情報30は端末IDごとに端末が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号を関連付けているが、スクランブリング・コード番号ごとに端末IDを整理する方法も考えられる。
【0077】
図10は、スクランブリング・コード番号ごとに端末IDを整理した場合の端末情報30−1を示す図面である。
【0078】
基地局22、23の地理的な位置および各々の基地局が形成しているセクタについての情報は、各々の基地局が設置された際に生成され、RNC25が基地局情報40として保持している。
【0079】
図11は、RNC25が保持している基地局情報40の一例を示す図である。
【0080】
基地局の情報は、基地局に固有の基地局ID41a〜41nに以下の情報を関連付けて保持されている。
【0081】
(1)緯度42a
(2)経度43a
(3)スクランブリング・コード44a_1〜44a_X
(4)セクタの中心方向45a_1〜45a_X
緯度42aおよび経度43aは、基地局ID41aの基地局の地理的な位置を示す。
【0082】
スクランブリング・コード44a_1〜44a_Xは、基地局ID41aの基地局が形成している各々のセクタが使用しているスクランブリング・コード番号を示す。セクタの中心方向45a_1〜45a_Xは、基地局ID41aの基地局が形成しているセクタの中心方向の真北に対する角度を示す。
【0083】
なお、図11に示した基地局情報40は、一つの例であり、セクタごとに情報を持つことも考えられる。
【0084】
図12はセクタごとに情報を持つ場合の基地局情報40−2を示す図面である。
【0085】
緯度3502a〜n、経度3503a〜nは、セクタを形成しているアンテナの位置を示す。
【0086】
また、本実施例ではセクタの向きをセクタの中心方向で表現しているが、セクタの開始角度を用いて、セクタの向きを表現することも可能である。
【0087】
図13は、RNC25の構成図を示す図面である。なお、構成図には本実施例に関わる構成のみが記されている。
【0088】
基地局I/F部501は、RNC25と接続される複数の基地局とのインタフェースである。NBAPメッセージ処理部502はRNC25と基地局との間でやり取りされるメッセージの処理を行う機能を有しており、コネクション制御部504および測位シーケンス制御部の制御に従って、基地局に対してメッセージを送信し、基地局からのメッセージの受信をコネクション制御部504および測位シーケンス制御部に通知する。RRCメッセージ処理部503は、コネクション制御部504および測位シーケンス制御部505の制御に従って端末に対してメッセージを送信し、端末からのメッセージの受信をコネクション制御部504および測位シーケンス制御部に通知する。コネクション制御部504は、端末とRNC25との間で確立されるコネクションの制御を行う機能を有しており、NBAPメッセージ処理部502を介して基地局との間で通信を行い、RRCメッセージ処理部503を介して端末と通信を行う。また、コネクションを確立した際には端末情報30を生成し、生成した端末情報30をデータベース507に保存する。
【0089】
測位シーケンス制御部505は、端末の位置を特定する際の手順を制御する機能を有し、NBAPメッセージ処理部502を介して基地局との間で通信を行い、RRCメッセージ処理部503を介して端末と通信を行う。また、端末および基地局から受信した測定結果を演算処理部506に通知する機能を有している。さらに、端末や基地局に対して測定に必要な情報(以下、補助情報と記す)を生成するためにデータベース507を参照する。
【0090】
演算処理部506は、測位シーケンス制御部から通知された端末および基地局での測定結果を元に端末の位置を特定するための演算処理を行う。なお、端末の位置を特定する際に端末情報30や基地局情報40を参照する必要がある場合には、データベース507を参照する。
【0091】
データベース507は、コネクション制御部から通知される端末情報30や外部I/F508を介して通知される基地局情報40等を保持し、測位シーケンス制御部505やコネクション制御部504、演算処理部506からの要求に応じて、保持している端末情報30や基地局情報40を通知する。外部I/F部508は、固定網24以外からデータベース507に情報を蓄積する際に使用されるインタフェースである。
【0092】
以下、本実施例における端末位置の特定の原理について図面を参照しながら説明する。
【0093】
なお、RNC25のデータベース507には、端末情報として図8に示した形式の情報が、基地局情報として基地局22と基地局23についての情報が図11に示した形式の情報が格納されているとする。
【0094】
図5は、本実施例における端末21の位置を特定する原理を示す図面である。なお、端末21とRNC25との間には基地局22を介してコネクションが確立しているとし、RNC25は、データベース507に端末21の端末情報30と基地局22、23の基地局情報40を保持している。
【0095】
端末21では基地局22,23が送信しているパイロット信号の受信時刻の測定を行い、測定された基地局22,23が送信しているパイロット信号の受信時刻の差分から算出される距離の差分を求め、算出された距離の差分から求められる双曲線11と、端末21との間で無線リンクが確立している基地局22と端末21との間の往復伝搬時間から算出される基地局22−端末21間との間の距離を半径とする円12を求める。その後、双曲線11と円12との二つの交点を候補点13、14とし、候補点の各々と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角の角度15,16を算出する。
【0096】
続いて、端末情報30を参照して端末21の位置しているセクタの情報を取得し、基地局情報40を参照して端末の位置しているセクタ27の中心方向を取得する。その後、セクタの中心方向と算出された角度15、16とを比較し、セクタの中心方向に近い角度を持つ角度15を有する候補点13を端末21の位置として特定する。
【0097】
なお、基地局情報40に格納されているセクタ27の向きを示す情報がセクタ27の開始角度であった場合には、角度15、16とセクタ27の開始角度を比較して、セクタ27の開始角度より大きな角度を有する候補点を端末21の位置として特定する。
【0098】
図14は、RNC25が保持している端末21の端末情報を示す図である。
【0099】
また、図15は、RNC25が保持している基地局22、23の基地局情報60を示す図である。
【0100】
以下、端末21の位置が特定されるまでの手順の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0101】
図16は、端末21の位置が決定されるまでの手順の一例を示す図面である。
【0102】
端末21の位置を決定する場合、RNC25が端末21に対して、位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求するメッセージを送信する(ステップ81)。具体的には、端末21において基地局が各々異なるセクタ27および29、1002の各々に送信されているパイロット信号の受信時刻の差分の測定を要求する。この時、端末21に対しては基準とするセクタのスクランブリング・コード番号と基準以外の測定対象とすべきセクタが使用しているスクランブリング・コード番号とを補助情報として通知する。
【0103】
補助情報として通知される情報が通知されるセクタは以下のように選択される。
【0104】
(1)基準とするセクタ端末が無線リンクを確立しているセクタ
本実施例の場合、セクタ27である。
【0105】
(2)基準としないセクタ
端末が無線リンクを確立しているセクタに隣接し通信範囲が重なっていて、基準とするセクタとは異なる基地局が形成しているセクタである。本実施例の場合は、セクタ29とセクタ1001である。
【0106】
本実施例の場合、基準とするセクタのスクランブリング・コード番号としてセクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号と、基準以外の測定対象とすべきセクタが使用しているスクランブリング・コード番号として、セクタ29が使用しているスクランブリング・コード番号およびセクタ1002が使用しているスクランブリング・コード番号が通知される。
【0107】
また、RNC25は基地局22に対して位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求するメッセージを送信する(ステップ82)。具体的には、端末21と基地局22との間の往復伝搬時間の測定を要求する。この時、基地局22に対しては測定対象とすべき端末21の端末IDが通知される。
【0108】
測定要求を受けた端末21での処理(ステップ83)の詳細について以下に記す。
【0109】
測定要求を受けた端末21では、RNC25から指定されたセクタ(本実施例の場合はセクタ27、29、1002)の各々から受信したパイロット信号の受信時刻を測定する。なお、本実施例では端末21はセクタ1002からのパイロット信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。セクタ1002からの信号を受信できない理由としては、端末21と基地局1001との距離や建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。
【0110】
受信時刻の測定が完了したら、通知された補助情報で基準とするように指定されたセクタ27からの受信時刻を基準としたときの受信時刻の差分を算出する。
【0111】
受信時刻の算出が完了したら、算出結果をRNC25に送信する(ステップ85)。なお、本実施例ではセクタ1002からのパイロット信号は受信できていないと仮定しているため、受信時刻の差分は一つしか報告されない。
【0112】
測定要求を受けた基地局22ではRNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定し(ステップ84)、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ86)。
【0113】
ステップ89では、RNC25が端末21の位置を特定する。以下、端末21の位置の特定方法について図面を参照しながら説明する。
【0114】
端末21および基地局22での測定結果を受信したRNC25では、演算処理部506が測定結果を用いて端末21の位置を特定する。
【0115】
図17は、RNC25の演算処理部506における処理の流れを示す図面である。
【0116】
演算処理部506は、端末21が報告した測定結果の内容を確認する(F1,F3)。具体的には、測定された受信時刻の差分の数を確認する。二つ以上であった場合、三つ以上の基地局からの信号を受信していることになるので、OTDOA測位用演算処理を行う(F2)。受信時刻の差分が一つも報告されていない場合は、測位失敗と認識する(F12)。
【0117】
端末21から報告された受信時刻の差分が一つであった場合、データベース507に保持されている基地局情報30を参照して、受信時刻の差分を測定することができたセクタ27およびセクタ29が属する基地局22、23の基地局情報30のうち緯度62a、経度63a、緯度62b、経度63bを取得する(F4)。
【0118】
端末21から報告された受信時刻の差分を、送信時刻の差分で補正する(F5)。補正量の測定方法についてはいくつかの方法が考えられるが、本実施例では説明を省略する。
【0119】
基地局22、23の位置を特定したら、測定結果である受信時刻の差分から基地局22−端末21間との距離と基地局23−端末21間との距離の差分を求め、算出した距離の差分を用いて、基地局22、23を焦点とする双曲線11を算出する(F6)。
【0120】
続いて、基地局22から報告された往復伝搬時間から端末21−基地局22間の距離を求め、算出された距離を半径とし、F4で取得した基地局22の地理的な位置を示す緯度62a、経度63aの地点を中心とする円12を算出する(F7)。
【0121】
このようにして算出された双曲線11と円12との交点13、14を求めることによって、端末21の位置の候補点13、14の二点を求め(F8)、算出された二つの候補点と基地局22の位置とを結ぶ直線と真北とのなす角である角度15、角度16を求める(F9)。本実施例では角度15が280度、角度16が200度であったとする。
【0122】
候補点および角度の算出が完了したら、データベース507に保持されている基地局情報30を参照して、スクランブリング・コード番号52を使用しているセクタの中心方向65b(この場合、”305”)を取得する(F10)。
【0123】
端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向65bと角度15、角度16とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向305度に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される(F11)。
【0124】
次に、実施例1の他の態様1について図面を参照して説明する。
【0125】
実施例1で説明した端末21の位置特定の手順は一例であり、他の手順も考えられる。
【0126】
図18は、実施例2における端末21の位置が決定されるまでの手順を示す図である。
【0127】
端末21の位置を決定する場合、RNC25が端末21に対して、位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求するメッセージを送信する(ステップ81)。この時、測定に必要な情報を補助情報として通知する。なお、通知される補助情報は実施例1の場合と同一であるため、説明を省略する。
【0128】
測定要求を受けた端末21では、要求された測定を行い、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、端末21での測定の詳細は本実施例の場合と同一であるため、説明を省略する。
【0129】
端末21からの測定結果を受けたRNC25は報告された測定結果を確認する。具体的には、測定に成功した受信時刻の差分の数を確認する。測定に成功した受信時刻の差分の数が2であった場合、ステップ89を実行する。この場合、ステップ89ではOTDOA測位用の演算処理が実行される。
【0130】
測定に成功した受信時刻の差分の数が0であった場合、端末21の位置の特定に失敗したと認識し、処理を終了する。
【0131】
測定に成功した受信時刻の差分の数が1であった場合、図18の811で示されているステップを実行し、その後ステップ89を実行する。
【0132】
図19は、この場合のステップ89におけるRNC25の演算処理部506における処理の流れを示す図面である。
【0133】
なお、図19におけるF4〜F11での処理は本実施例で説明した処理と処理と同一であり、ここでは説明を省略する。
【0134】
更に、実施例1の他の態様2について説明する。
【0135】
上述した実施例では、RNC25の演算処理部506における処理の流れの説明は、基地局情報40には、セクタの中心方向が格納されているとして説明を行ったが、セクタの開始角度が格納されている場合にはF11での処理が変更される。
【0136】
基地局情報40にセクタの開始角度が格納されている場合、F11では取得した開始角度と角度15、角度16とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0137】
更に、実施例1の他の態様3について説明する。
【0138】
上述した実施例では、候補点の一方を端末21の位置として特定する場合には、基地局情報40に格納されているセクタの中心方向あるいは開始角度を参照するとしたが、端末21に通知した補助情報を用いて端末21の角度を特定することもできる。
【0139】
そこで、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照して、測定に失敗した基地局1001の緯度・経度を取得し、基準とする基地局として指定した基地局22の位置と測定に失敗したセクタを有する基地局1001の位置とを結ぶ直線が真北となす角を算出し、基準とする基地局として指定されたセクタのセクタ方向とする。
【0140】
算出されたセクタの中心方向と角度15、角度16とを比較し、セクタの中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方が算出されたセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【実施例2】
【0141】
本発明の実施例2について、図面を参照しながら説明する。
【0142】
上述した実施例1では、RNC25が演算処理を行って、端末21の位置を決定する場合について説明したが、端末21が位置を決定するための演算処理を行うことも考えられる。そこで、実施例5では端末21が位置を決定するための演算処理を行う例を説明する。
【0143】
図20は、演算処理を行う機能を有している端末21の構成を示す構成図である。なお、図面には本実施例の説明に必要な構成のみが示されている。
【0144】
無線信号受信部2401は基地局から送信される信号を受信する機能を有し、無線信号送信部は基地局に対して無線信号を送信する機能を有している。
【0145】
RRCメッセージ処理部2403は、無線信号受信部2401を介して受信したRNCからのメッセージを処理し、動作制御部2405にメッセージの受信を通知する。また、動作制御部2405に指示に従ってメッセージを生成し、無線信号送信部2402を介してRNCにメッセージを送信する。
【0146】
測定部2404は、動作制御部2405の指示に従って基地局からのパイロット信号の受信時刻を測定し、測定結果を制御部に通知する。
【0147】
動作制御部2405は、RRCメッセージ処理部からメッセージの受信を通知すると、メッセージに含まれている補助情報をメモリ2407に保持し、要求された測定を実行するために測定部2404の制御を行う。また、演算処理部2406に対して測定部2404が測定した受信時刻を通知する。
【0148】
演算処理部2406は、動作制御部2405から通知された測定結果と、メモリ2407に保持された補助情報とから自身の位置を特定するための演算処理を行う。
【0149】
以下、端末21の位置が特定されるまでの処理の手順について図面を参照しながら説明する。
【0150】
図21は、端末21が位置を決定するための演算処理を行う場合の処理の流れの一例を示す図である。
【0151】
RNC25は基地局22に対して、端末21の位置を決定するために必要な測定を要求する(ステップ91)。なお、本ステップは第一の実施例におけるステップ82と同一である。
【0152】
RNC25からの要求を受けた基地局22では、RNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定(ステップ92)し、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ93)。なお、ステップ91は第一の実施例のステップ84と、ステップ92は第一の実施例のステップ86と同一である。
【0153】
基地局22からの測定結果を受信したRNC25は、端末21に対して測定および演算処理を行うために必要な補助情報の生成を行う(ステップ94)。生成される補助情報について以下に説明する。
【0154】
RNC25が生成する補助情報には、以下の情報が含まれている−基準とするセクタが使用しているスクランブリング・コード番号端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。本実施例の場合、端末21とRNC25との間に確立されているコネクションは基地局22との間に確立している無線リンクを使用し、端末21はセクタ27内に位置しているので、セクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号を設定する。
【0155】
(1)基準する基地局と端末との間の往復伝搬時間
本実施例の場合は、基地局22−端末21間の往復伝搬遅延時間が設定される。
【0156】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
本実施例の場合は、基地局23の緯度・経度および基地局1001の緯度・経度が設定される。
【0157】
(3)基準としないセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
本実施例の場合は、セクタ29およびセクタ1002が使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。
【0158】
(4)基準としないセクタを形成している基地局の緯度・経度と基準とする基地局の緯度・経度との差分
本実施例の場合は基地局23、1001の緯度・経度と基地局22の緯度・経度との差分が設定される。
【0159】
(5)基準とするセクタと基準としないセクタとの間の送信タイミング差
本実施例の場合は、セクタ27の送信タイミングを基準とした場合のセクタ29およびセクタ1002の送信タイミングが通知される。
【0160】
補助情報の生成が完了したら、端末21に対して測位の要求を行う(ステップ95)。この時、ステップ95で生成した補助情報を同時に通知する。
【0161】
RNC25からの測位の要求を受けた端末21は、同時に送信された補助情報を参照して測定を行う(ステップ96)。本実施例の場合、セクタ27から受信するパイロット信号の受信時刻と、セクタ29から受信するパイロット信号の受信時刻との差分を測定する。本実施例では端末21はセクタ1002からのパイロット信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。セクタ1002からの信号を受信できない理由としては、端末21と基地局1001との距離や建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。また、通知された補助情報をメモリ2407に保存する。
【0162】
ステップ98では、端末21が自身の位置の特定するための処理を行う。以下、処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0163】
図22は、端末21の演算部2406で実行される処理の流れを示す図面である。
【0164】
演算処理部2406は、測定結果の内容を確認する(F2501,F2503)。具体的には、測定された受信時刻の差分の数を確認する。二つであった場合、三つの基地局からの信号を受信していることになるので、OTDOA測位用演算処理を行う(F2502)。受信時刻の差分が一つも報告されていない場合は、測位失敗と認識する(F2512)。
【0165】
測定された受信時刻の差分が一つであった場合、補助情報として通知されメモリ2407に保持されている基地局22、23の位置を示す緯度・経度、緯度・経度を取得する(F2504)。また、送信時刻の差分についての情報と、基地局22−端末21間の往復伝搬時間の情報も取得する。
【0166】
測定された受信時刻の差分を、F2504で取得された送信時刻の差分で補正する(F2505)。
【0167】
基地局22、23の位置を特定したら、測定結果から基地局22−端末21間との距離と基地局23−端末21間との距離の差分を求め、算出した距離の差分と用いて、基地局22、23を焦点とする双曲線11を算出する(F2505)。
【0168】
続いて、F2504で取得した往復伝搬時間から端末21−基地局22間の距離を求め、算出された距離を半径とし、基地局22を中心とする円12を算出する(F2507)。
【0169】
このようにして算出された双曲線11と円12との交点13、14を求めることによって、端末21の位置の候補点13、14の二点を求め(F2508)、算出された二つの候補点と基地局22の位置とを結ぶ直線と真北とのなす角である角度15、角度16を求める(F2509)。
【0170】
以下に、F2511での処理の詳細を記す。
【0171】
角度の算出が終わったら、メモリ2407を参照して、測定に失敗した基地局1001の緯度・経度を取得し、基準とする基地局として指定された基地局22の位置と測定に失敗したセクタを有する基地局1001の位置とを結ぶ直線が真北となす角を算出し、基準とする基地局として指定されたセクタのセクタ方向とする。本実施例の場合は、セクタ27の中心方向は300度と算出されたとする。
【0172】
算出されたセクタの中心方向と角度15、角度16とを比較し、セクタの中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向300度に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0173】
最後に端末21は特定した自身の位置の情報をRNC25に報告する(ステップ99)。
【0174】
次に、実施例2の他の態様1について図面を参照して説明する。
【0175】
端末21の位置の特定手順としては、他の手順も考えられる。
【0176】
図23は、端末21の位置が決定されるまでの手順の別の例を示す図面である。
【0177】
端末21の位置を特定する場合、端末21に対して測位の要求を行う(ステップ95)。この時、測位に必要な補助情報を同時に通知する。以下に、補助情報に含まれている情報の詳細を記す。
【0178】
(1)基準とするセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。本実施例の場合、端末21とRNC25との間に確立されているコネクションは基地局22との間に確立している無線リンクを使用し、端末21はセクタ27内に位置しているので、セクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号を設定する。
【0179】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
本実施例の場合は、基地局23の緯度・経度および基地局1001の緯度・経度が設定される。
【0180】
(3)基準としないセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
本実施例の場合は、セクタ29およびセクタ1002が使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。
【0181】
(4)基準としないセクタを形成している基地局の緯度・経度と基準とする基地局の緯度・経度との差分
本実施例の場合は基地局23、1001の緯度・経度と基地局22の緯度・経度との差分が設定される。
【0182】
(5)基準とするセクタと基準としないセクタとの間の送信タイミング差
本実施例の場合は、セクタ27の送信タイミングを基準とした場合のセクタ29およびセクタ1002の送信タイミングが通知される。
【0183】
RNC25からの測位の要求を受けた端末21は、同時に送信された補助情報を参照して測定を行う(ステップ96)。本実施例の場合、セクタ27から受信するパイロット信号の受信時刻と、セクタ29から受信するパイロット信号の受信時刻との差分を測定する。本実施例では端末21はセクタ1002からのパイロット信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。セクタ1002からの信号を受信できない理由としては、端末21と基地局1001との距離や建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。また、通知された補助情報をメモリ2407に保存する。
【0184】
測定が完了したら、測定結果の確認を行う(ステップ910)。具体的には、測定できた受信時刻の差分の数を確認する。測定された差分の数が二つである場合には、図中913で示した処理を行わずにステップ98の処理を行う。測定された差分が一つもない場合はステップ911、98の処理を行わずにステップ99を実行する。なお、この時測位結果としては”測位失敗”が報告される。
【0185】
測定された差分が一つであった場合、図中913で示した処理を実行する。以下に、911での処理を説明する。
【0186】
端末21は、RNC25に対して自身の位置を特定するために必要な補助情報を通知する(ステップ911)。具体的には、無線リンクが確立している基地局22と端末21との間の往復伝搬時間を要求する。
【0187】
端末21からの要求を受けたRNC25は、基地局22に対して測定要求を送信する(ステップ91)。
【0188】
RNC25からの要求を受けた基地局22では、RNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定(ステップ92)し、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ93)。なお、ステップ91は第一の実施例のステップ84と、ステップ92は第一の実施例のステップ86と同一である。
【0189】
基地局22からの測定結果を受信したRNC25は、端末21に対して基地局22から報告された往復伝搬時間を補助情報として通知する(ステップ912)。
【0190】
ステップ98では、端末21が自身の位置の候補点を算出するための処理を行う。以下、本変形例における処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0191】
図24は、端末21の演算部2406で実行される処理の流れを示す図面である。
【0192】
なお、図24におけるF2504〜F2511での処理は第二の実施例で説明を行った処理と同一であり、ここでは説明を省略する。
【0193】
続いて、実施例2の他の態様2について図面を参照して説明する。
【0194】
端末21の演算処理部2406における処理の流れの説明は、補助情報として通知されている三つの基地局の位置関係から各々のセクタの方向を算出して端末21の位置を特定するとしてきたが、補助情報としてセクタの中心方向が通知される場合も考えられる。
【0195】
この場合、ステップ95において通知される補助情報には、以下の情報が含まれている。
【0196】
(1)基準とするセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。本実施例の場合、端末21とRNC25との間に確立されているコネクションは基地局22との間に確立している無線リンクを使用し、端末21はセクタ27内に位置しているので、セクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号を設定する。
【0197】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
本実施例の場合は、基地局23の緯度・経度および基地局1001の緯度・経度が設定される。
【0198】
(3)基準とするセクタの中心方向
本実施例の場合は、セクタ27の中心方向が設定される。
【0199】
(4)基準としないセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
本実施例の場合は、セクタ29およびセクタ1002が使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。
【0200】
(5)基準としないセクタを形成している基地局の緯度・経度と基準とする基地局の緯度・経度との差分
本実施例の場合は基地局23、1001の緯度・経度と基地局22の緯度・経度との差分が設定される。
【0201】
(6)基準としないセクタの中心方向
本実施例の場合は、セクタ29、1002の中心方向が設定される。
【0202】
(7)基準とするセクタと基準としないセクタとの間の送信タイミング差
本実施例の場合は、セクタ27の送信タイミングを基準とした場合のセクタ29およびセクタ1002の送信タイミングが通知される。
【0203】
補助情報としてセクタの中心方向が通知されていた場合には、F2511での処理は以下のようになる。
【0204】
候補点および角度の算出が完了したら、メモリ2407に保持されている基地局情報を参照して、スクランブリング・コード番号52を使用しているセクタの中心方向65b(この場合、”305”)を取得する(F10)。
【0205】
端末21の位置しているセクタ27の中心方向としてメモリ2407に保持されている取得した中心方向と角度15、角度16とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0206】
また、セクタの開始角度が通知される場合も考えられる。この場合におけるF2511での処理を以下に記す。
【0207】
F2511ではメモリ2407から取得した開始角度と角度15、角度16とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0208】
更に、実施例2の他の態様3について図面を参照して説明する。
【0209】
上述した実施例2及び他の態様1、2では基地局23、1001の位置は、基地局22との差分として端末21に通知されたが、他の実施の一例として、差分ではなく、絶対的な緯度・経度として通知されても良い。
【実施例3】
【0210】
本発明の実施例3について、図面を参照しながら説明する。
【0211】
上述した実施例1及び実施例2では、RNC25あるいは端末21が、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出する方法について説明したが、基地局22を中心とする円(円12)と基地局23を中心とする円との交点を求めることで、二つの候補点を求めることも考えられる。
【0212】
図25は、本実施例における端末21の位置決定の原理を示す図面である。
【0213】
本実施例では、端末21−基地局22間の往復伝搬時間から算出される基地局22を中心とする円12と端末21−基地局23間の往復伝搬時間から算出される基地局23を中心とする円11との交点を求めることによって、端末21の二つの候補点13、14を算出する。
【0214】
図26は、本実施例における端末21の位置決定の手順の一例を示す図面である。
【0215】
なお、この手順では、端末21とRNC22の間にはコネクションが確立しており、基地局22と端末21との間には無線リンクが確立しているとしている。
【0216】
端末21の位置を特定しようとするRNC25は、まず基地局23に対して端末21との間に無線リンクを確立するように要求する(ステップ1201)。この際、無線リンクの確立に必要なパラメータをRNC25は基地局23に対して通知するが、本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0217】
無線リンクの確立を要求された基地局23は、新しい無線リンクのためにリソースの確保と各種パラメータの設定を行う(ステップ1202)。なお、基地局23で行われる処理の詳細は本実施例の説明とは直接の関係がないため、詳細な説明は省略する。
【0218】
リソースの確保と各種パラメータの設定が完了した基地局23は、RNC25に対して無線リンクの確立を通知する(ステップ1203)。
【0219】
無線リンクの確立を確認したRNC25は、端末21に対して信号を受信するセクタを追加するように要求する(ステップ1204)。この時、新たに信号を受信するセクタが使用しているスクランブリング・コード番号を通知する。なお、端末21では受信するセクタの一覧表(以下、アクティブ・セットと記す)を保持しており、本ステップでは、アクティブ・セットに指定するスクランブリング・コード番号を追加するように要求する。本実施例の場合は基地局23のセクタ29が使用しているスクランブリング・コード番号である”143”が指定される。
【0220】
アクティブ・セットへスクランブリング・コード番号の追加要求を受信した端末21は、自身が保持しているアクティブ・セットに要求に含まれていたスクランブリング・コード番号を追加し、指定されたセクタからの信号の受信を開始する(ステップ1205)。その後、アクティブ・セットに対するスクランブリング・コード番号の追加が完了したことをRNC25に対して通知する(ステップ1206)。
【0221】
アクティブ・セットへの追加の完了を通知されたRNC25は、基地局22、23に対して端末21との間の信号の往復伝搬時間を測定するように要求する(ステップ1207,1208)。この時、測定対象である端末21の端末IDを通知する。
【0222】
測定要求を受信した基地局22,23は、要求に含まれていた端末21の端末IDを参照して、往復伝搬時間の測定を行う(ステップ1209,1210)。測定が完了したら、測定結果をRNC25に対して通知する(ステップ1211,1212)。
【0223】
以下、ステップ1213での処理について図面を参照しながら説明する。
【0224】
図27は、RNC25の演算処理部506における処理の流れを示す図面である。
【0225】
RNC25の演算処理部506は、データベース507に保持されている基地局22,23の位置に関する情報を取得する(F2601)。
【0226】
その後、基地局22、23から報告された往復伝搬時間より端末21−基地局22間の距離および端末21−基地局23間の距離を算出し、基地局22を中心とし端末21−基地局22間距離を半径とする円12と、基地局23を中心とし端末21−基地局23間距離を半径とする円1101を算出する(F2602)。
【0227】
続いて、算出された円12と円1101との交点を算出し、端末21の位置の候補である候補点13,14を算出する(F2603)。
【0228】
候補点が算出されたら、F2601で取得した基地局22,23の位置に関する情報を用いて角度15,16を算出する(F9)。その後、データベース507に保持されている基地局情報40を参照し(F10)、二つの候補点の一方を端末21の位置を特定する(F11)。なお、F9〜11に関しては、上述した実施例における処理と同一であり、説明は省略する。
【0229】
端末21の位置を特定したRNC25は、通信には不要な無線リンクを削除するために、端末21に対してアクティブ・セットから、不要なスクランブリング・コードを削除するように要求する(ステップ1214)。
【0230】
アクティブ・セットからスクランブリング・コード番号を削除するように要求された端末21では、指定されたスクランブリング・コード番号をアクティブ・セットから削除する(ステップ1215)。削除が完了したら、削除が完了したことをRNC25に対して通知する(ステップ1216)。
【0231】
アクティブ・セットからの削除が完了したことを通知されたRNC25は基地局23に対して、無線リンクを切断するように要求する(ステップ1218)。
【0232】
無線リンクの切断を要求された基地局23は、確保していたリソースの解放や各種パラメータの再設定を行い(ステップ1218)、処理が完了したら、処理の完了をRNC25に対して通知する(ステップ1219)。
【0233】
次に、実施例3の他の態様について図面を参照して説明する。
【0234】
上述した実施例では、位置を特定するための演算処理をRNC25が行う場合について説明したが、演算処理を端末が行ってもよい。そこで、以下に、図面を参照しながら説明する。
【0235】
図28は、端末21が位置を特定するための演算処理を行う場合の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【0236】
ステップ1201〜1212までは実施例3として説明した内容と同じであり、本変形例の説明では詳細の説明を省略する。
【0237】
端末21のアクティブ・セットに指定したスクランブリング・コード番号が追加されたことを確認したRNC25は、端末21に対して測位を要求する(ステップ1301)。この時、演算処理に必要な補助情報を同時に通知する。通知される情報の詳細について、以下に記す。
【0238】
ステップ1301で送信される測位要求には、以下の補助情報が付加されている。
【0239】
(1)基準とするセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
端末21が位置しているセクタが使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。本実施例の場合、端末21と端末21はセクタ27内に位置しているので、セクタ27が使用しているスクランブリング・コード番号を設定する。
【0240】
(2)基準するセクタを形成している基地局と端末との間の往復伝搬時間
本実施例の場合は、基地局22−端末21間の往復伝搬遅延時間が設定される。
【0241】
(3)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
本実施例の場合は、基地局22の緯度・経度が設定される。
【0242】
(4)基準としないセクタが使用しているスクランブリング・コード番号
本実施例の場合は基地局23のセクタ29が使用しているスクランブリング・コード番号が設定される。
【0243】
(5)基準としないセクタを形成している基地局の緯度・経度と基準とする基地局の緯度・経度との差分
本実施例の場合は基地局23の緯度・経度と基地局22の緯度・経度の差分が指定される。
【0244】
(6)基準としないセクタを形成している基地局と端末との間の往復先般遅延時間。
【0245】
本実施例の場合は、基地局23−端末21間の往復伝搬遅延時間が設定される。
【0246】
(7)端末21が位置しているセクタの中心方向
本実施例の場合は、端末21の位置しているセクタ27の中心方向が設定される。
【0247】
以下、ステップ1302における処理について図面を参照しながら説明する。
【0248】
図29は、ステップ1302における端末21の演算処理部2406での処理の流れを示す図面である。
【0249】
端末21の演算処理部2406はメモリ2407を参照し、基地局22,23の位置および端末21との間の往復伝搬時間を取得する(F3601)。
【0250】
端末21の演算処理部2406は、F3601で取得した端末21との間の往復伝搬時間から、端末21−基地局22間の距離および端末21−基地局23間の距離を算出し、F3601で取得した基地局22,23の位置を中心とする円12、1101を求める(F3602)。
【0251】
端末21の演算処理部2406は、F3602で算出した二つの円の交点を算出し、候補点13,14を求める(F3603)。
【0252】
候補点13、14が算出されたら、角度15、16を算出し(F2509)、メモリ2407を参照して(F2510)、端末の位置を特定する(F2511)。なお、各々の処理は第二の実施例で説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【実施例4】
【0253】
本発明の実施例4について、図面を参照しながら説明する。
【0254】
上述した実施例1、実施例2及び実施例3では、二つの基地局からの信号を利用して二つの候補点を算出する方法について説明したが、一つのGPS衛星からの信号と一つの基地局からの信号とを利用して二つの候補点を算出する方法が考えられる。なお、GPS衛星からの信号を利用する場合には、端末とGPS衛星の時刻は同期している必要があり、同期のためにはさらにもう一つのGPS衛星からの信号を受信できなければならない場合もある。
【0255】
図30は、本実施例における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【0256】
端末21にはGPS衛星1401からの信号を受信するGPS受信機が搭載されていて、端末21はGPS衛星からの信号を受信した時刻を特定することが可能であり、GPS衛星1401が信号を送信した送信時刻と端末21が信号を受信した受信時刻の差分とから、GPS衛星1401と端末21との間の距離を算出することができ、算出された距離からGPS衛星1401を中心とする円1402を求めることができる。
【0257】
また、基地局22と端末21との間でやり取りされる信号の往復伝搬時間から、基地局22と端末21との間の距離を算出することができ、算出された距離から、基地局22を中心とする円1403を求めることができる。
【0258】
上記のように算出された円1402と円1403との二つの交点を求めることにより、端末21の位置の候補点1404,1405を求めることができる。
【0259】
さらに端末21はセクタ27の範囲内に位置していることが分かるので、候補点1404を端末21の位置であると特定することができる。
【0260】
図31は、本実施例における端末21の構成を示す図面である。なお、本実施例の説明に関連する部分のみが示されている。
【0261】
無線信号受信部2401、無線信号送信部2402、RRCメッセージ処理部2403、メモリ2407については上述した実施例で説明を行ったブロックと同一であり、説明を省略する。
【0262】
GPS信号受信部2701はGPS衛星からの信号を受信する機能を有しており、測定部2702から指示されたGPS衛星からの信号を受信し、受信信号を測定部2702に通知する。
【0263】
測定部2702は動作制御部2703からの要求に従って、GPS信号受信部2701が受信した信号の受信時刻および送信時刻の測定あるいは無線信号受信部2401が受信した信号の受信時刻の差分の測定を行い、GPS信号受信部から報告された測定結果を動作制御部2703に通知する。
【0264】
動作制御部2703はRRCメッセージ処理部2403から、受信を通知されたメッセージにGPS衛星からの信号の測定要求が含まれていた場合には、測定部2702に対してGPS衛星からの信号の受信時刻および送信時刻の測定あるいは基地局からの信号の受信時刻の測定を要求し、測定部2702から通知された測定結果をRRCメッセージ処理部2403に通知する。
【0265】
以下、本実施例における端末21の位置を特定する手順について、図16を参照しながら説明する。
【0266】
なお、端末21は基地局22との間に確立された無線リンクを用いて、RNC25との間にコネクションを確立しているものとする。また、RNC25は端末情報と基地局情報を保持しており、基地局情報の形式は図11に示す形式であるとする。加えて複数のGPS衛星の軌道情報を有している。
【0267】
RNC25は端末21に対して、測定を要求する(ステップ81)。ただし、第一の実施例とは異なり、GPS衛星1401、1408、1409からの信号を測定するように要求する。また、この際に補助情報として通知されるのは測定対象とするGPS衛星の軌道情報である。
【0268】
また、RNC25は基地局22に対して、端末21との間の往復伝搬時間を測定するように要求する(ステップ82)。本ステップでの処理は第一の実施例と同一であるので説明を省略する。
【0269】
測定要求を受信した端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。ただし、実施例1とは異なり、補助情報として通知されたGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を用いてGPS衛星1401、1408、1409からの信号に含まれている送信時刻と、端末21での受信時刻を測定する。本実施例では端末21はGPS衛星1401からの信号のみが受信可能であり、GPS衛星1408、1409からの信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。GPS衛星1408、1409からの信号を受信できない理由としては、建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。
【0270】
測定が完了したら、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。ただし、実施例1とは異なり、測定結果として報告されるのはGPS衛星1401からの信号に含まれている送信時刻と、端末21での受信時刻である。GPS衛星1408、1409については測定失敗が報告される。
【0271】
測定要求を受信した基地局22は、端末21との間の往復伝搬時間を測定し(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。なお、各々のステップでの処理は上述した実施例の中で説明した処理と同一であり、説明を省略する。
【0272】
端末21および基地局22から測定結果の報告を受けたRNC25は端末21の位置の特定を行う(ステップ83)。以下に、本ステップでの処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0273】
図32は、本実施例におけるRNC25の演算処理部506での処理の流れを示す図である。
【0274】
RNC25の演算処理部506は、端末21から報告されたGPS衛星からの信号の測定結果の確認を行う(F2801、2803、2805)。端末21で測定できたGPS衛星の数が3つ以上である場合、GPS測位用の演算処理を行う(F2802)。GPS衛星の数が2つである場合には、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理を行う(F2805)。GPS衛星の数が1つであった場合、F2806以降の処理を行う。GPS衛星の数が0であった場合には、測位失敗と認識して処理を終了する(F12)。
【0275】
本実施例の場合、端末21が測定できたGPS衛星の数は1つであり、F2806以降の処理について説明する。なお、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理(F2805)については、後述いる実施例において説明するため、本実施例においては説明を省略する。
【0276】
F2806において、RNC25の演算処理部506はデータベース507を参照して、基地局22の位置を示す緯度・経度、およびGPS衛星1401の軌道情報を取得する。
【0277】
続いて、F2806で取得されたGPS衛星の軌道情報と端末21から報告された測定結果から円1402を求め(F2807)、F2806で取得された基地局22の位置と基地局22から報告された往復伝搬時間を用いて円12を求める(F7)。なお、F7での処理は第一の実施例で説明した処理と同一である。
【0278】
F2808では、円1402と円12との交点を算出し、候補点1404と1405を求める。その後、各々の候補点と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角度1406、1407を求める(F2809)。
【0279】
F2810では、データベース507に保持されている基地局情報40を参照して、端末21が位置しているセクタ27の中心方向65bを取得する。
【0280】
F2811では、最後に端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向65bと角度1406、角度1407とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度1406の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点1404であると特定される。
【0281】
次に、実施例4の他の態様1について図面を参照して説明する。
【0282】
本実施例では、実施例1での処理手順を参照しながら処理の説明を行ったが、実施例1の他の態様1における処理手順でも実現可能である。
【0283】
以下、実施例1の他の態様1の手順を示す図18を参照しながら説明する。
【0284】
端末21の位置を決定する場合、RNC25が端末21に対して、位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求する(ステップ81)。ただし、本変形例では、GPS衛星1401、1408、1409からの信号を測定するように要求する。また、この際に補助情報として通知されるのは測定対象とするGPS衛星の軌道情報である。
【0285】
測定要求を受けた端末21では、要求された測定を行い、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、本ステップにおける処理は、本実施例で説明した処理と同一であり、説明を省略する。
【0286】
端末21からの測定結果を受けたRNC25は報告された測定結果を確認する(ステップ810)。具体的には、測定に成功したGPS衛星の数を確認する。測定に成功した受信時刻の差分の数が3であった場合、ステップ89を実行する。なお、この場合、ステップ89では通常のGPS測位用の演算処理が実行される。
【0287】
測定に成功したGPS衛星の数が0であった場合、端末21の位置の特定に失敗したと認識し、処理を完了する。
【0288】
測定に成功したGPS衛星の数が2あるいは1であった場合、図18の811で示されているステップを実行し、その後ステップ89を実行する。
【0289】
図33は、この場合のステップ89におけるRNC25の演算処理部506における処理の流れを示す図面である。
【0290】
基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25の演算処理部506は、ステップ810で端末21から受信した測定結果を再度確認する(F2901)。端末21が測定したGPS衛星の数が2つであった場合には、F2804以降の処理を行う。1つであった場合には、F2806以降の処理を行う。なお、以降の各々の処理は第四の実施例における処理と同一であるため、説明は省略する。
【0291】
続いて、実施例4の他の態様2について図面を参照して説明する。
【0292】
本実施例及び他の態様1では、RNC25が保持している基地局情報の形式は図11であるとして説明を行ったが、セクタの向きの情報はセクタの開始角度として保持されていても良い。
【0293】
セクタの向きの情報がセクタの開始角度として保持されている場合、図32、図33におけるF2811での処理を以下に記す。
【0294】
基地局情報にセクタの開始角度が格納されている場合、F2811では取得した開始角度と角度1406、角度1407とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点1404であると特定される。
【0295】
更に、実施例4の他の態様3について図面を参照して説明する。
【0296】
本実施例では、RNC25が端末21の位置を特定するための演算処理を行うとしたが、端末21が演算処理を行う方法も考えられる。
【0297】
以下、端末21が演算処理を行う場合の処理の流れについて図21を参照しながら説明する。
【0298】
RNC25は基地局22に対して測定要求を行い(ステップ91)、測定要求を受けた基地局22は端末21との間の往復伝搬時間を測定し(ステップ92)、測定結果をRNC25に報告する(ステップ93)。各々のステップにおける処理は実施例2と同じであり、本変形例の説明では省略する。
【0299】
基地局22から測定結果の報告を受けたRNC25は、端末21に対して通知する補助情報を生成する(ステップ94)。ただし、実施例2と異なり、以下に示す情報が補助情報に含まれる。
【0300】
(1)測定対象であるGPS衛星の軌道情報
本実施例の場合、GPS衛星1401、1408、1409の軌道情報が設定される。
【0301】
(2)基準するセクタを形成している基地局と端末との間の往復伝搬時間
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0302】
(3)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0303】
(4)端末21が位置しているセクタの中心方向
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0304】
補助情報の生成が完了したら、RNC25は端末21に対して測位要求を送信する(ステップ95)。この時、上述した情報を含め補助情報を同時に通知する。
【0305】
測位要求を受信した端末21は、補助情報に含まれているGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を参照して、GPS衛星から信号の測定を行う(ステップ96)。本ステップは、実施例4のステップ83と同一であり、説明は省略する。
【0306】
測定が完了したら、端末21は候補点を算出するための処理を行う(ステップ98)。以下、本実施例における処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0307】
図34は、本実施例における端末21の演算処理部2407での処理の流れを示す図である。
【0308】
端末21の演算処理部2406は、GPS衛星からの信号の測定結果の確認を行う(F3001、3003、3004)。端末21で測定できたGPS衛星の数が3つ以上である場合、GPS測位用の演算処理を行う(F3002)。GPS衛星の数が2つである場合には、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理を行う(F3011)。GPS衛星の数が1つであった場合、F3004以降の処理を行う。GPS衛星の数が0であった場合には、測位失敗と認識して処理を終了する(F2512)。
【0309】
本実施例の場合、端末21が測定できたGPS衛星の数は1つであり、F3004以降の処理について説明する。なお、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理(F3011)については、実施例5の他の態様として説明するため、本実施例においては説明を省略する。
【0310】
F3005において、端末21の演算処理部2406メモリ2407を参照して、基地局22の位置を示す緯度・経度、およびGPS衛星1401の軌道情報を取得する。
【0311】
続いて、F3005で取得されたGPS衛星の軌道情報と端末21から報告された測定結果から円1402を求め(F3006)、F3005で取得された基地局22の位置と基地局22から報告された往復伝搬時間を用いて円12を求める(F2507)。なお、F2507での処理は第二の実施例で説明した処理と同一である。
【0312】
F3008では、円1402と円12との交点を算出し、候補点1404と1405を求める。その後、各々の候補点と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角度1406、1407を求める(F3009)。
【0313】
F3010では、補助情報として通知されメモリ2407に保持されている基地局情報を参照して、端末21が位置しているセクタ27の中心方向を取得する。
【0314】
F2511では、端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向と角度1406、角度1407とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度1406の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点1404であると特定される。
【0315】
更に、実施例4の他の態様4について説明する。
【0316】
上述した他の態様3では、実施例2での処理手順を参照しながら処理の説明を行ったが、実施例2の他の態様1における処理手順でも実現可能である。
【0317】
以下、実施例2の他の態様1の手順を示す図23を参照しながら説明する。
【0318】
RNC25は端末21に対して測位要求を送信する(ステップ95)。この時、以下の情報を補助情報として同時に通知する。
【0319】
(1)測定対象であるGPS衛星の軌道情報
本実施例の場合、GPS衛星1401、1408、1409の軌道情報が設定される。
【0320】
測位要求を受信した端末21は、補助情報に含まれているGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を参照して、GPS衛星から信号の測定を行う(ステップ96)。本ステップは、第四の実施例のステップ83と同一であり、説明は省略する。
【0321】
測定が完了したら、端末21は測定結果の確認を行う。測定に成功したGPS衛星の数が3つである場合、図中913で示されている処理を実行せずに、ステップ98、99の処理を実行する。ただし、ステップ98ではGPS測位用の演算処理が行われる。また、測定に成功したGPS衛星の数が0であった場合、ステップ99の処理を実行する。ただし、測位結果として”測位失敗”を通知する。
【0322】
測定に成功したGPS衛星の数が1あるいは2であった場合、図中913の処理が実行される。以下に、913で実行される処理の説明を記す。
【0323】
端末21は、RNC25に対して自身の位置を特定するのに必要な補助情報の通知を要求する(ステップ911)。具体的には、基地局22の位置と基地局22−端末21間の往復伝搬遅延時間を要求する。
【0324】
端末21からの要求を受けたRNC25は、補助情報を生成するための測定を基地局22に要求し(ステップ91)、測定要求を受けた基地局22は端末21との間の往復伝搬時間を測定し(ステップ92)、測定結果をRNC25に報告する(ステップ93)。各々のステップにおける処理は実施例2と同じであり、本変形例の説明では省略する。
【0325】
補助情報の生成が完了したら、RNC25は以下の情報を含む補助情報を端末21に通知する。
【0326】
(1)基準するセクタを形成している基地局と端末との間の往復伝搬時間
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0327】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
実施例3の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0328】
(3)端末21が位置しているセクタの中心方向
実施例3の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0329】
補助情報を受けた、端末21は候補点を算出するための処理を行う(ステップ98)。以下、本実施例における処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0330】
図35は、本実施例における端末21の演算処理部2407での処理の流れを示す図である。
【0331】
なお、各々の処理は他の態様3と同一であり、説明を省略する。
【0332】
更に、実施例4の他の態様5について説明する。
【0333】
他の態様3、4では、RNC25から補助情報として通知されるセクタの向きの情報はセクタの中心方向であるとしたが、セクタの向きの情報はセクタの開始角度として通知されていても良い。
【0334】
セクタの向きの情報がセクタの開始角度として保持されている場合、図34、図35におけるF2511での処理を以下に記す。
【0335】
基地局情報にセクタの開始角度が格納されている場合、F2511では取得した開始角度と角度1406、角度1407とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点1404であると特定される。
【実施例5】
【0336】
本発明における実施例5について、図面を参照しながら説明する。
【0337】
上述した実施例においては2つの基地局からの信号を用いて二つの候補点を求める方法と一つのGPS衛星と一つの基地局からの信号を用いて二つの候補点を求める方法について説明したが、実施例4の説明で触れたように二つのGPS衛星からの信号を用いて二つの候補点を求める方法も考えられる。
【0338】
図36は、本実施例における端末21の位置を特定する原理を示す図面である。
【0339】
端末21にはGPS衛星1401からの信号を受信するGPS受信機が搭載されていて、端末21はGPS衛星からの信号を受信した時刻を特定することが可能であり、GPS衛星1401、1408が信号を送信した送信時刻と端末21が信号を受信した受信時刻の差分とから、GPS衛星1401と端末21との間の距離を算出することができ、算出された距離からGPS衛星1401を中心とする円1402、3201を求めることができる。
【0340】
算出された円1402と円3201との二つの交点を求めることにより、端末21の位置の候補点3202,3203を求める。
【0341】
さらに端末21はセクタ27の範囲内に位置していることが分かるので、候補点3202を端末21の位置であると特定する。
【0342】
以下、本実施例における端末21の位置を特定する手順について、図41を参照しながら説明する。
【0343】
なお、端末21は基地局22との間に確立された無線リンクを用いて、RNC25との間にコネクションを確立しているものとする。また、RNC25は端末情報と基地局情報を保持しており、基地局情報の形式は図15に示す形式であるとする。加えて複数のGPS衛星の軌道情報を有している。
【0344】
RNC25は端末21に対して、測定を要求する(ステップ81)。ただし、実施例1とは異なり、GPS衛星1401、1408、1409からの信号を測定するように要求する。また、この際に補助情報として通知されるのは測定対象とするGPS衛星の軌道情報である。
【0345】
測定要求を受信した端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。ただし、実施例1とは異なり、補助情報として通知されたGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を用いてGPS衛星1401、1408、1409からの信号に含まれている送信時刻と、端末21での受信時刻を測定する。本実施例では端末21はGPS衛星1401、1408からの信号のみが受信可能であり、、GPS衛星1409からの信号をなんらかの理由で受信できないと仮定する。GPS衛星1409からの信号を受信できない理由としては、建物などの遮蔽物の影響などが考えられる。
【0346】
測定が完了したら、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。ただし、実施例1とは異なり、測定結果として報告されるのはGPS衛星1401、1408からの信号に含まれている送信時刻と、端末21での受信時刻である。GPS衛星1409については測定失敗が報告される。
【0347】
端末21から測定結果の報告を受けたRNC25は端末21の位置の特定を行う(ステップ89)。以下に、本ステップでの処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0348】
図32は、本実施例におけるRNC25の演算処理部506での処理の流れを示す図である。
【0349】
RNC25の演算処理部506は、端末21から報告されたGPS衛星からの信号の測定結果の確認を行う(F2801、2803、2805)。端末21で測定できたGPS衛星の数が3つ以上である場合、GPS測位用の演算処理を行う(F2802)。GPS衛星の数が2つである場合には、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理を行う(F2805)。GPS衛星の数が1つであった場合、F2806以降の処理を行う。GPS衛星の数が0であった場合には、測位失敗と認識して処理を終了する(F12)。
【0350】
本実施例の場合、端末21が測定できたGPS衛星の数は2つであり、F2805の処理について説明する。なお、1つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理(F2806以降)については、実施例4として説明したため、本実施例においては説明を省略する。
【0351】
図38はF2805での処理の流れの詳細を示す図面である。
【0352】
RNC25の演算処理部506はデータベース507を参照して、GPS衛星1401、1408の軌道情報を取得する(F3701)。
【0353】
続いて、F3701で取得されたGPS衛星1401の軌道情報と端末21から報告された測定結果から円1402を求め(F3702)、F3701で取得されたGPS衛星1408の軌道情報と端末21から報告された測定結果から円3201を求める。
【0354】
F3704では、円1402と円3201との交点を算出し、候補点3202と3203を求める。その後、各々の候補点と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角度3204、3205を求める(F3705)。
【0355】
F3706では、データベース507に保持されている基地局情報40を参照して、端末21が位置しているセクタ27の中心方向65bを取得する。
【0356】
F3708では、端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向65bと角度3204、角度3205とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度3204の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0357】
次に、実施例5における他の態様1について説明する。
【0358】
本実施例では、RNC25が保持している基地局情報40の形式は図11であるとして説明を行ったが、セクタの向きの情報はセクタの開始角度として保持されていても良い。
【0359】
セクタの向きの情報がセクタの開始角度として保持されている場合、図38におけるF3708での処理を以下に記す。
【0360】
基地局情報にセクタの開始角度が格納されている場合、F3708では取得した開始角度と角度3204、角度3205とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度3204はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0361】
続いて、実施例5における他の態様2について説明する。
【0362】
本実施例および他の態様1では、RNC25が端末21の位置を特定するための演算処理を行うとしたが、端末21が演算処理を行う方法も考えられる。
【0363】
以下、端末21が演算処理を行う場合の処理の流れについて図39を参照しながら説明する。
【0364】
RNC25は端末21に対して測位要求を送信する(ステップ95)。
【0365】
この時、以下の情報を含む補助情報を同時に通知する。
【0366】
(1)測定対象であるGPS衛星の軌道情報
本実施例の場合、GPS衛星1401、1408、1409の軌道情報が設定される。
【0367】
(2)基準とするセクタを形成している基地局の緯度および経度
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0368】
(3)端末21が位置しているセクタの中心方向
実施例3の他の態様に記載されているものと同一であり、説明は省略する。
【0369】
測位要求を受信した端末21は、補助情報に含まれているGPS衛星1401、1408、1409の軌道情報を参照して、GPS衛星から信号の測定を行う(ステップ96)。本ステップは、実施例5のステップ83と同一であり、説明は省略する。
【0370】
測定が完了したら、端末21は自身の位置を特定するための処理を行う(ステップ98)。以下、本変形例における処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0371】
図34は、本他の態様における端末21の演算処理部2407での処理の流れを示す図である。
【0372】
端末21の演算処理部2406は、GPS衛星からの信号の測定結果の確認を行う(F3001、3003、3004)。端末21で測定できたGPS衛星の数が3つ以上である場合、GPS測位用の演算処理を行う(F3002)。GPS衛星の数が2つである場合には、2つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理を行う(F3011)。GPS衛星の数が1つであった場合、F3004以降の処理を行う。GPS衛星の数が0であった場合には、測位失敗と認識して処理を終了する(F2512)。
【0373】
本実施例の場合、端末21が測定できたGPS衛星の数は2つであり、F3011の処理について説明する。なお、1つのGPS衛星を用いる測位用の演算処理(F3005以降)については、実施例4の他の態様と同一であるため、本実施例においては説明を省略する。
【0374】
図40はF3011での処理の流れの詳細を示す図面である。
【0375】
端末21の演算処理部2406はメモリ2407を参照して、GPS衛星1401、1408の軌道情報を取得する(F3801)。
【0376】
続いて、F3801で取得されたGPS衛星1401の軌道情報と測定結果から円1402を求め(F3802)、F3801で取得されたGPS衛星1408の軌道情報と測定結果から円3201を求める。
【0377】
F3804では、円1402と円3201との交点を算出し、候補点3202と3203を求める。その後、各々の候補点と基地局22とを結ぶ直線が真北となす角度3204、3205を求める(F3805)。
【0378】
F3806では、補助情報として通知され、メモリ2407に保持されているセクタの中心方向の情報を参照して、端末21が位置しているセクタ27の中心方向を取得する。
【0379】
F3808では、端末21の位置しているセクタ27の中心方向として取得した中心方向と角度3204、角度3205とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度3204の方がセクタ27の中心方向に近いので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0380】
更に、実施例5における他の態様3について説明する。
【0381】
上述の他の態様2では、RNC25から通知されるセクタの向きの情報は、セクタの中心方向であるとして説明を行ったが、セクタの向きの情報はセクタの開始角度として通知されることが考えられる。
【0382】
セクタの向きの情報がセクタの開始角度として保持されている場合、図40におけるF3808での処理を以下に記す。
【0383】
メモリ2407にセクタの開始角度が格納されている場合、F3808では取得した開始角度と角度3204、角度3205とを比較し、開始角度よりも大きな角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度3204はセクタ27の開始角度よりも大きな角度を有しているので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0384】
更に、実施例5における他の様態4について説明する。
【0385】
本実施例および他の態様1から3では、算出された端末21の二つの候補点から、端末が位置しているセクタの情報を用いて候補点の一方を端末21の位置として特定しているが、基地局22と端末21との間の距離を用いて端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0386】
以下、本他の態様における端末21の位置を特定する手順について、図41を参照しながら説明する。なお、端末21は基地局22との間に確立された無線リンクを用いて、RNC25との間にコネクションを確立しているものとする。また、RNC25は複数のGPS衛星の軌道情報を有している。
【0387】
まず、RNC25は端末21に対して、測定を要求する(ステップ81)。測定要求を受信した端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。測定が完了したら、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、ステップ81、83、85の詳細については本実施例と同様であるため、説明は省略する。
【0388】
端末21から測定結果を報告されたRNC25では、測定結果の確認を行う(ステップ5401)。具体的には、端末21で測定に成功したGPS衛星の数を確認する。端末21で測定されたGPS衛星の数が3つ以上であった場合は、GPS測位用の演算処理を行って処理を完了する。端末21で測定されたGPS衛星の数が1つであった場合の処理については、実施例4として説明したため、本実施例では説明を省略する。端末21で測定されたGPS衛星の数が0であった場合、測位失敗と認識して処理を終了する。端末21で測定されたGPS衛星の数が2つであった場合、図41の5406で示されるステップを実行する。
【0389】
端末21で測定されたGPS衛星の数が2つであった場合、RNC25は基地局22に対して、端末21との間の往復伝搬時間を測定するように要求する(ステップ5402)。具体的には、端末21と基地局22との間の往復伝搬時間の測定を要求する。この時、基地局22に対しては測定対象とすべき端末21の端末IDが通知される。
【0390】
測定要求を受けた基地局22ではRNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定し(ステップ5403)、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ5404)。
【0391】
基地局22から測定結果を報告されたRNC25は、演算処理部506を用いて端末21の位置を特定するための演算処理(ステップ5405)を行い、処理を終了する。
【0392】
図55は、ステップ5405において、RNC25の演算処理部506において実行される処理の流れの詳細を示す図面である。
【0393】
RNC25の演算処理部506は、端末21から報告されたGPS衛星1401,1408からの信号の測定結果を用いて、円1402、3201を算出する(F5501、5502)。
【0394】
続いて、算出された円の交点を算出し、候補点3202と3203を求める(F5503)。その後、データベース507に保持している基地局情報40を参照して、基地局22の位置に関する情報を取得する(F5504)。
【0395】
F5503で算出した二つの候補点3202、3203と、F5504で取得した基地局22の位置に関する情報とから、二つの候補点3202、3203と基地局22との間の距離を各々算出する(F5505)。
【0396】
基地局22において測定された端末21との間の往復伝搬時間を用いて、端末21と基地局22との間の距離を算出する(F5506)。
【0397】
F5505で算出された二つの候補点と基地局22との距離と、F5506で算出された端末21と基地局22との間の距離とを比較して、端末21−基地局22間距離に近い値を持つ候補点を端末の位置とする。本他の態様においては、候補点3202の方がF5506で算出された距離に近い値を持つので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0398】
以上で、実施例5における他の様態4の説明を終わる。
【0399】
次に、実施例5における他の様態5について説明する。
【0400】
上記の他の様態4においては、端末21の位置を算出する演算処理をRNC25が実行するとしたが、端末21が実行する方法も考えられる。
【0401】
以下、他の態様5における端末21の位置を特定する手順について、図43を参照しながら説明する。なお、端末21は基地局22との間に確立された無線リンクを用いて、RNC25との間にコネクションを確立しているものとする。また、RNC25は複数のGPS衛星の軌道情報を有している。
【0402】
まず、RNC25は端末21に対して、測位を要求する(ステップ95)。測位要求を受信した端末21は、要求された測定を行う(ステップ96)。なお、ステップ95、96については本実施例の他の態様2と同様であるため、説明を省略する。
【0403】
測定が完了したら、端末21は測定結果の確認を行う(ステップ5601)。具体的には、端末21で測定に成功したGPS衛星の数を確認する。端末21で測定されたGPS衛星の数が3つ以上であった場合は、GPS測位用の演算処理を行って処理を完了する。端末21で測定されたGPS衛星の数が1つであった場合の処理については、実施例4として説明したため、本実施例では説明を省略する。端末21で測定されたGPS衛星の数が0であった場合、測位失敗と認識して処理を終了する。端末21で測定されたGPS衛星の数が2つであった場合、図43の5605で示されるステップを実行する。
【0404】
端末21で測定されたGPS衛星の数が2つであった場合、端末21はRNC25に対して演算に必要な補助情報を要求する(ステップ5602)。具体的には端末21と基地局22との間の往復伝搬時間の情報を要求する。
【0405】
端末21からの要求を受けたRNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ5402)、RNC25からの測定要求を受信した基地局22は要求された測定を行い(ステップ5403)、測定が完了したら測定結果をRNC25に報告する(ステップ5404)。なお、ステップ5402から5404の詳細については本実施例の他の態様4と同様であるため、説明は省略する。
【0406】
基地局22からの測定結果を受信したRNC25は、測定結果を補助情報として端末21に通知する(ステップ5603)。具体的には、端末21と基地局22との間の往復伝播時間を補助情報として通知する。
【0407】
RNC25からの補助情報を受信した端末21は、補助情報をメモリ2407に格納し、ステップ96での測定結果と補助情報とを合わせて自身の位置を算出する(ステップ5604)。
【0408】
位置算出のための演算処理が完了したら、測位結果を報告して処理を終了する(ステップ99)。
【0409】
図57は、ステップ5604における端末21の演算処理部2406での処理の流れを示す図である。
【0410】
端末21の演算処理部2406は、メモリ2407を参照してGPS衛星1401、1408の軌道情報を取得し(F5701)、ステップ96での測定結果と合わせて円1402と円3201を算出する(F5702、F5703)。
【0411】
続いて、算出された円の交点を算出し、候補点3202と3203を求める(F5704)。その後、メモリ2407を参照して、基地局22の位置に関する情報を取得し、候補点3202、3203と基地局22との間の距離を各々算出する(F5706)。
【0412】
さらにメモリ2407を参照し、補助情報として通知された基地局22と端末21との間の往復伝搬時間を参照し(F5707)、端末21と基地局22との間の距離を算出する(F5708)。
【0413】
F5706で算出された2つの候補点と基地局22との距離と、F5708で算出された端末21と基地局22との間の距離とを比較して、端末21と基地局22との間の距離に近い値を持つ候補点を端末の位置とする。本他の態様においては、候補点3202の方がF5706で算出された距離に近い値を持つので、端末21の位置は候補点3202であると特定される。
【0414】
以上で、実施例5における他の態様5の説明を終了する。
【実施例6】
【0415】
本発明の実施例6について、図面を参照しながら説明する。
【0416】
実施例1から実施例5では、端末21の位置と特定する際に端末21が位置しているセクタの情報を用いているが、基地局22が端末21からの信号が到来した方向を測定することで端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0417】
図45は、本実施例における端末21の位置特定の原理を示す図面である。なお、端末21と基地局22との間には無線リンクが測定されている。
【0418】
本実施例では実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出する。なお、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよい。
【0419】
また、本実施例では基地局情報は図11に示した形式で保存されているとする。なお、セクタの向きを示す情報はセクタの開始角度で表現されていてもよい。
【0420】
二つの候補点から端末21の位置を特定するために、本実施例では端末21からの信号が到来した方向の真北からの角度(以下、到来角と記す)を利用する。到来角を測定する具体的な方法としては、基地局22の受信アンテナにアダプティブ・アレイ・アンテナを用いて、端末21からの信号を受信した際のアンテナ指向方向を利用する方法等が考えられる。
【0421】
到来角が測定できたら、角度15,16と測定された到来角を比較し、到来角と一致する角度を持つ候補点13を端末21と特定する。
【0422】
以下、本実施例における位置特定の手順の一例について、図12を参照しながら説明する。
【0423】
RNC25は端末21に対して測定要求を行い(ステップ81)、測定要求を受信した端末21は要求された測定を行い(ステップ83)、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、各々のステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明は省略する。
【0424】
RNC25は基地局22に対しても測定の要求を行う(ステップ82)。この時、実施例1とは異なり、要求する測定は端末21と基地局22との間の往復伝搬時間の測定と、端末21からの信号の到来角の測定であり、測定要求と共に測定に必要な端末IDを通知する。
【0425】
測定要求を受けた基地局22は要求された測定を行う(ステップ84)。本実施例では、実施例1とは異なり端末21との間の往復伝搬時間の測定に加えて、端末21からの到来角の測定を行う。
【0426】
測定が完了した後、基地局22はRNC25に対して測定結果を報告する(ステップ86)。本実施例では、実施例1とは異なり端末21との間の往復伝搬時間の測定結果に加えて、端末21からの到来角の測定の測定結果を報告する。
【0427】
端末21および基地局22からの測定結果を受信したRNC25は、端末の位置を特定するための処理を行う(ステップ89)。以下、本実施例におけるステップ89の処理について図面を参照しながら説明する。
【0428】
図46は本実施例におけるRNC25の演算処理部506での処理の流れを示す。
【0429】
なお、F11以外の各々の処理は第一の実施例において説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0430】
本実施例におけるF11での処理について、以下に記す。
【0431】
F11では、F9で算出した角度15、16と測定した端末21の到来角とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向305度に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0432】
なお、本実施例では図16の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【0433】
次に、実施例6の他の態様1について説明する。
【0434】
本実施例では、RNC25が端末21の位置を算出するための演算処理を行う例を説明したが、実施例2と同様に端末21が演算処理を行ってもよい。
【0435】
以下、図17を参照しながら本実施例における他の態様1における処理の手順の一例について説明する。
【0436】
RNC25が基地局22に送信する測定要求91には、端末21と基地局22との往復伝搬時間に加えて端末21からの信号の到来角の測定の要求が含まれ、測定84では、基地局22との往復伝搬時間に加えて、端末21からの信号の到来角の測定が行われ、測定結果報告93には、測定された往復伝搬時間に加えて到来角の測定結果が含まれる。
【0437】
また、測位要求94と同時に通知される補助情報には、基地局22で測定された「端末21からの信号の到来角」の情報が追加される。
【0438】
以下、位置特定98での処理について図面を参照しながら説明する。
【0439】
図39は、本変形例における端末21の演算処理部2406での処理の流れを示す図である。
【0440】
なお、F2511以外の各々の処理は第一の実施例において説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0441】
本他の態様1におけるF2511での処理について、以下に記す。
【0442】
F2511では、F2509で算出した角度15、16と補助情報として通知された端末21の到来角とを比較し、セクタ27の中心方向を示す角度に近い角度を有する候補点の位置を端末21の位置とする。本実施例では、角度15の方がセクタ27の中心方向305度に近いので、端末21の位置は候補点13であると特定される。
【0443】
なお、本実施例では図21の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図23の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例7】
【0444】
本発明の実施例7について図面を参照しながら説明する。
【0445】
実施例6では、基地局22で測定された端末21からの信号の到来角を利用して、算出された二つの端末21の候補点の一方を端末21の位置として特定する方法について説明したが、基地局22、23からの信号の到来角を端末21が測定することによって算出された候補点の一方を端末21の位置として特定する方法が考えられる。
【0446】
図48は、本実施例における端末21の位置特定方法の原理を示す図面である。なお、端末21と基地局22との間には無線リンクが測定されている。
【0447】
本実施例では実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出する。なお、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで候補点を算出してもよい。
【0448】
二つの候補点から端末21の位置を特定するために、本実施例では基地局22および基地局23からの信号の到来角の差分を利用する。到来角を測定する具体的な方法としては、端末21の受信アンテナにアダプティブ・アレイ・アンテナを用いて、端末21からの信号を受信した際のアンテナ指向方向を利用する方法等が考えられる。
【0449】
到来角が測定できたら、基地局22、23の位置および候補点13、14の位置とから算出される基地局22、23と候補点を結んだ直線と真北とのなす角の差分である角度1901、1902の各々と、端末21で測定された到来角の差分とを比較し、到来角の差分と一致する角1901を持つ候補点13を端末21と特定する。
【0450】
以下、位置特定の手順を示した図16を参照し、本実施例における位置特定の手順を説明する。
【0451】
端末21の位置を決定する場合、RNC25が端末21に対して、位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求する(ステップ81)。本実施例の場合、端末21において基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の受信時刻の差分の測定に加えて、基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の到来角の測定を要求する。
【0452】
基地局22に対しても位置決定に必要な情報を収集するための測定を要求する(ステップ82)。なお、本ステップでの処理は実施例1で説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0453】
測定要求を受けた端末21では、RNC25から指定された基地局(本実施例の場合は基地局22、23)の各々から受信したパイロット信号の受信時刻を測定し、測定された受信時刻の差分を算出する。加えて、基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の到来角の測定を行う(ステップ83)。測定が完了したら、算出結果をRNC25に送信する(ステップ85)。また、測定要求を受けた基地局22ではRNC25から指定された端末(本実施例の場合は端末21)に対して信号を送信し、端末からの応答を受信した受信時刻と信号を送信した時刻の差分から、端末21−基地局22間の信号の往復伝搬時間を測定(ステップ84)し、測定された往復伝搬時間をRNC25に送信する(ステップ86)。
【0454】
ステップ89では、RNC25が端末21の位置の候補点を算出する。以下、端末の位置の特定方法について図面を参照しながら説明する。
【0455】
図49は、RNC25の演算処理部506での処理の流れを示した図面である。
【0456】
なお、F4101およびF11以外の各々の処理は第一の実施例において説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0457】
本実施例におけるF4101およびF11での処理について、以下に記す。
【0458】
F4101では、候補点13と基地局22とを結ぶ直線に対して、候補点13と基地局23とを結ぶ直線がなす角の角度1901を算出する。候補点14に対しても同様の処理を行い、角度1902を算出する。
【0459】
F11では、端末21から報告された到来角を基地局22からの到来角を基準としたときの、基地局23の到来角との差分を算出し、角度1901,1902と比較し、到来角の差分と大きさが一致する角度1901を有する候補点13を端末21の位置として特定する。
【0460】
なお、本実施例では図16の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【0461】
次に、実施例7における他の態様1について説明する。
【0462】
本実施例では、端末21の位置を特定するための演算処理をRNC25が行うとしたが、演算処理を端末21が行ってもよい。
【0463】
以下、図21を参照しながら本変形例における処理の手順の一例について説明する。
【0464】
本変形例の場合、RNC25が端末21に送信する測位要求95には、端末21において基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の受信時刻の差分の測定に加えて、基地局22および23の各々が送信しているパイロット信号の到来角の測定を要求する。
【0465】
また、測位要求95と同時に通知される補助情報からは、「端末21が位置しているセクタの中心方向」の情報が削除される。
【0466】
以下、位置特定98での処理について、図面を参照しながら説明する。
【0467】
図50は、端末21の演算処理部2406での処理の流れを示した図面である。
【0468】
なお、F4201、F2511以外の各々の処理は第二の実施例において説明した処理と同一であり、説明は省略する。
【0469】
F4201では、F2504で取得した基地局22,23の位置の情報と、候補点13と基地局22とを結ぶ直線に対して、候補点13と基地局23とを結ぶ直線がなす核の角度1901を算出する。候補点14に対しても同様の処理を行い、角度1902を算出する。
【0470】
F2511では、測定された到来角を基地局22からの信号の到来角を基準としたときの、基地局23からの信号の到来角の差分を算出し、角度1901,1902と比較し、到来角の差分と大きさが一致する角度1901を有する候補点13を端末21の位置として特定する。
【0471】
なお、本実施例では図21の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図23の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例8】
【0472】
本発明の実施例8について、図面を参照しながら説明する。
【0473】
実施例1から実施例7では、端末21が位置しているセクタ27の情報や基地局および端末で受信される信号の到来角を用いて、算出された端末21の二つの候補点の一方を端末21の位置として特定しているが、端末が受信する信号の電界強度を利用する方法が考えられる。
【0474】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0475】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0476】
以下、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する際の手順について、図16を参照しながら説明する。
【0477】
なお、本実施例の場合には基地局22が設置された際に、基地局22が形成するセクタの複数の地点において、基地局22から受信するパイロット信号の受信電界強度の測定を行う。測定結果は測定を行った地点の座標と共にRNC25データベース507に保持されているとする。
【0478】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、受信電界強度の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0479】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0480】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0481】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、基地局22,23、1001から受信するパイロット信号の受信電界強度の測定とを行う。
【0482】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、基地局22,23から受信するパイロット信号の受信電界強度を報告する。
【0483】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。
【0484】
以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0485】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0486】
F4301では、データベース507を参照し、受信電界強度と測定を行った地点の座標を取得する。なお、取得されるのはF8において算出された候補点13、14の各々の位置に最も近い地点で測定された受信電界強度である。
【0487】
F11では、端末21から報告された受信電界強度とF4301で取得された受信電界強度を比較し、端末21で測定された受信電界強度に近い地点を特定する。その後、特定された地点と算出された候補点13,14の位置を比較し、特定された測定された地点に近い位置の候補点を端末21の位置として特定する。
【0488】
次に、実施例8における他の態様1について説明する。
【0489】
本実施例では、端末21で受信される基地局22からのパイロット信号の受信電界強度を元に、二つの候補点の一方を端末21の位置として特定したが、受信電界強度ではなく、パイロット信号の伝搬状況を使用して端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0490】
以下、本変形例について、図16を参照しながら詳細に説明する。
【0491】
なお本変形例では、基地局22設置時に基地局22が形成するセクタ内の複数の地点において、基地局22からのパイロット信号の伝搬状況を測定する。具体的には、各々の測定点における遅延プロファイルを測定する。測定された遅延プロファイルは、測定を行った地点の位置と関連付けられてRNC25のデータベース507に格納されるているとする。
【0492】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、遅延プロファイルの測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0493】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0494】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0495】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、基地局22,23、1001から受信するパイロット信号の受信電界強度の測定とを行う。
【0496】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、基地局22,23から受信するパイロット信号の遅延プロファイルを報告する。
【0497】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。
【0498】
以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0499】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0500】
F4301ではデータベース507は参照して、遅延プロファイルと測定を行った地点の座標を取得する。なお、取得されるのはF8において算出された候補点13、14の各々の位置に最も近い地点で測定された遅延プロファイルである。
【0501】
F11では、端末21から報告された遅延プロファイルとF4301で取得された遅延プロファイルを比較し、端末21で測定された遅延プロファイルと近いプロファイルが測定された地点を特定する。具体的には、測定されているピークの数およびピーク間の時間差が近い地点を特定する。その後、特定された地点と算出された候補点13,14の位置を比較し、特定された地点に近い位置の候補点を端末21の位置として特定する。
【0502】
続いて、実施例8における他の態様2について説明する。
【0503】
本実施例および他の態様1では、端末21で受信される基地局22からのパイロット信号の受信電界強度や伝搬状況を元に、二つの候補点の一方を端末21の位置として特定したが、受信電界強度や伝搬状況ではなく、端末21が測定している地磁気の情報を用いて端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0504】
以下、本態様について、図16を参照しながら詳細に説明する。なお、本態様の場合、端末21は地磁気を測定する機能を有しているものとする。
【0505】
なお、基地局22が形成するセクタ内の複数の地点において、地磁気を測定する。測定された地磁気は、測定を行った地点の位置と関連付けられてRNC25のデータベース507に格納されているとする。
【0506】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、地磁気の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0507】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0508】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0509】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定と、地磁気の測定を行う。
【0510】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分と、測定した地磁気を報告する。
【0511】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。
【0512】
以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0513】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0514】
F4301ではデータベース507は参照して、地磁気と測定を行った地点の座標を取得する。なお、取得されるのはF8において算出された候補点13、14の各々の位置に最も近い地点で測定された地磁気である。
【0515】
F11では、端末21から報告された地磁気とF4301で取得された地磁気を比較し、端末21で測定された地磁気と近い値が測定された地点を特定する。その後、特定された地点と算出された候補点13,14の位置を比較し、特定された地点に近い位置の候補点を端末21の位置として特定する。
【0516】
なお、本実施例および態様1、2では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例9】
【0517】
本発明の実施例9について、詳細に説明する。
【0518】
実施例1から実施例8では、端末21が位置しているセクタ27の情報や基地局および端末で受信される信号の到来角、受信電界強度を用いて、算出された端末21の二つの候補点の一方を端末21の位置として特定しているが、算出された候補点から、地形情報を用いて端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0519】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0520】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0521】
なお、RNC25のデータベース508には、地形情報が格納されているとする。
【0522】
図52は、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する方法の原理を示す図面である。
【0523】
双曲線と円あるいは円と円の交点として算出された二つの候補点13、14の各々における地形情報を参照する。
【0524】
図52に示したように候補点14の位置の地形情報が河川3401である場合、端末21が存在し得ない地点であると判断して、候補点13を端末21の位置として特定する。
【0525】
本実施例における位置を特定する際の手順について図16を参照しながら説明する。
【0526】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0527】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0528】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0529】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を行う。
【0530】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を報告する。
【0531】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。
【0532】
以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0533】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0534】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、算出した候補点13,14の位置の地形情報を取得する。
【0535】
F11では、取得された候補点13、14の地形情報を比較し、一方の候補点に端末21が存在し得ない場合には候補点から除外する。本実施例の場合、候補点14は河川3401の中に位置している。このことから候補点14の位置には端末21を存在しえず、候補点13の位置を端末21の位置として特定する。
【0536】
次に、実施例9における他の態様1を説明する。
【0537】
本実施例では、算出された候補点の地形情報を利用することで、端末21が存在し得ない位置を除外し、端末21の位置を特定していたが、候補点の高度情報を使用することで端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0538】
以下、実施例9の他の態様について説明する。
【0539】
なお、RNC25のデータベース507には、基地局が形成するセクタ内の複数の地点の高度情報が格納されているとする。また、端末21は自身の位置の高度を測定する機能を有しているものとする。
【0540】
以下、本変形例における端末21の位置特定の手順について図16を参照しながら説明する。
【0541】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定および高度の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0542】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0543】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0544】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定および自身の位置の高度の測定を行う。
【0545】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定結果および高度の測定結果を報告する。
【0546】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0547】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0548】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、算出した候補点13,14の位置の高度を取得する。
【0549】
F11では、取得された候補点13、14の高度と端末21から報告された高度とを比較し、近い値を有している候補点を端末21の位置として特定する。
【0550】
なお、本実施例および他の態様1では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例10】
【0551】
本発明の実施例10について図面を参照しながら説明する。
【0552】
実施例1から実施例9では、セクタ情報や到来角、受信電界強度、地図情報を用いて二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する方法について説明したが、過去の測位結果を利用して、端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0553】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0554】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0555】
なお、RNC25のデータベース507には、端末21の測位結果が測位を行った時刻に関連付けられて保存されているとする。
【0556】
以下、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する際の手順について、図16を参照しながら説明する。
【0557】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0558】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0559】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0560】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を行う。
【0561】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を報告する。
【0562】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0563】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0564】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、保持されている端末21の測位結果のうち、最新の測位結果を取得する。
【0565】
F11では、候補点13、14とF4301で取得した測位結果との間の距離を算出し、距離が短い方を端末21の位置として特定する。
【0566】
なお、本実施例および変形例1では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例11】
【0567】
本発明の実施例11について、以下に説明する。
【0568】
実施例1から実施例10では、セクタ情報や到来角、受信電界強度、地形情報、過去の測位結果を用いて二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する方法について説明したが、候補点の周辺の建物情報を利用して端末21の位置を特定する方法も考えられる。
【0569】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0570】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0571】
なお、RNC25のデータベース507には、基地局が形成するセクタ内の建物情報が保存されているとし、端末21は建物情報を測定するための撮像機能を有しているとする。
【0572】
以下、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する際の手順について、図16を参照しながら説明する。
【0573】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定および建物情報の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0574】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0575】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0576】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を行う。加えて建物情報の測定を行う。具体的には、撮像機能を使用して周囲の建物の外観を撮影する。
【0577】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定結果および撮像機能を使用して撮影した周囲の建物の外観を報告する。
【0578】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0579】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0580】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、候補点13、14周辺の建物情報を取得する。
【0581】
F11では、端末21から報告された周囲の建物の外観とF4301で取得した候補点周辺の建物情報とを比較し、端末21から報告された建物の外観と一致する建物情報を有している候補点を端末21の位置として特定する。
【0582】
なお、本実施例および以下の他の態様では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【0583】
次に、実施例11における他の態様について説明する。
【0584】
本実施例では、建物情報を用いて端末21の位置を特定する方法について説明したが、二つの候補点を実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで算出する場合および実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで算出する場合には、GPS衛星の軌道情報を利用する方法も考えられる。
【0585】
以下、本実施例における端末21の位置を特定する手順について、図16を参照しながら説明する。
【0586】
なお、RNC25は端末情報および基地局情報、複数のGPS衛星の軌道情報、建物情報をデータベース507に保持しているとする。
【0587】
RNC25は端末21に対して測定を要求し(ステップ81)、測定要求を受信した端末21は要求された測定を行い(ステップ83)、測定が完了したら、測定結果をRNC25に報告する(ステップ85)。なお、各ステップに処理は実施例4の場合の処理と同一であり、説明は省略する。
【0588】
また、RNC25は基地局22に対して、端末21との間の往復伝搬時間を測定するように要求し(ステップ82)、測定要求を受信した基地局22は、端末21との間の往復伝搬時間を測定し(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。なお、各々のステップでの処理は第一の実施例の中で説明した処理と同一であり、説明を省略する。
【0589】
端末21および基地局22から測定結果の報告を受けたRNC25は端末21の位置の特定を行う(ステップ83)。以下に、本ステップでの処理の詳細について図53を参照しながら説明する。
【0590】
なお、RNC25の演算処理部506での処理は、F2801〜F2808まで実施例4と同じであり、説明を省略する。
【0591】
本実施例におけるF2810では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、端末21が測定に成功したGPS衛星1401の軌道情報と候補点13、14の周辺の建物情報を取得する。
【0592】
F11では、GPS衛星1401の軌道情報と候補点13、14の周辺の建物情報から、建物等の遮蔽によりGPS衛星1401からの信号が受信し得ない候補点を候補から除き、残った候補点を端末21の位置として特定する。
【0593】
なお、本実施例および他の態様では図16の手順を例に説明を行ったが、実施例1と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例12】
【0594】
本発明の実施例12について、以下に説明する。
【0595】
実施例1から実施例11では、セクタ情報や到来角、受信電界強度、地形情報、過去の測位結果、建物情報を用いて二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する方法について説明したが、端末21の周辺に存在する位置が特定された端末の情報を利用することで位置を特定する方法が考えられる。
【0596】
本実施例の場合、実施例1および2と同様に、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を算出してもよいし、実施例3と同様に円12と円1101との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例4と同様に円1402と円1403との交点を求めることで、候補点を算出してもよいし、実施例5と同様に円1402と円3201の交点を求めることで候補点を算出しても良いが、本実施例の説明では、双曲線11と円12の交点を求めることで候補点13、14を求める場合について説明する。
【0597】
また、端末21の位置を特定するための演算処理はRNC25で実行してもよいし、端末21で実行してもよいが、本実施例の説明ではRNC25が端末21の位置を特定する場合の処理について説明する。
【0598】
以下、本実施例における二つの候補点の一方を端末21の位置として特定する際の手順について、図16を参照しながら説明する。
【0599】
なお、本実施例においてRNC25は端末情報および基地局情報に加えて、セクタ27に位置している端末のうち、詳細な位置が判明している端末の位置情報をデータベース507に保持しているとする。
【0600】
端末21の位置を特定する場合、まずRNC25は端末21に対して測定要求を送信する(ステップ81)。具体的には端末21に対して、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を要求する。この時、測定に必要な補助情報を通知するが、本実施例における補助情報と実施例1における補助情報とは同一であり、説明を省略する。
【0601】
また、RNC25は基地局22に対して測定要求を送信し(ステップ82)、要求を受けた基地局22は測定を行い(ステップ84)、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ86)。
【0602】
なお、各ステップにおける処理は実施例1における処理と同一であるため、説明を省略する。
【0603】
測定要求を受けた端末21は、要求された測定を行う(ステップ83)。具体的には、基地局22,23、1001からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定を行う。
【0604】
測定が完了した端末21は、測定結果をRNC25に対して報告する(ステップ85)。具体的には、基地局22,23からのパイロット信号の受信時刻の差分の測定結果を報告する。
【0605】
端末21および基地局22からの測定結果の報告を受けたRNC25は、位置特定のための演算処理を行う(ステップ89)。以下、図51を参照しながら、RNC25の演算処理部506での処理について説明する。
【0606】
RNC25の演算処理部506での処理は、F1〜F8まで実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0607】
本実施例におけるF4301では、RNC25の演算処理部506は、データベース507を参照し、セクタ27内に存在している端末21以外の端末の位置情報を取得する。
【0608】
F11では、F4301で取得した端末21以外の端末の位置情報と候補点13、14との位置とを比較し、セクタ27に存在している端末21以外の端末の位置に近い候補点を端末21の位置として特定する。
【0609】
なお、本実施例および変形例1では図16の手順を例に説明を行ったが、第一の実施例と同様に図17の手順を用いても端末21の位置を特定することは可能である。
【実施例13】
【0610】
本発明の実施例13について、図面を参照しながら説明する。
【0611】
実施例1から実施例12では、端末21が自身の位置を特定する演算処理を行わない場合には、RNC25が演算処理を行うとしたが、RNC25とは別の演算処理装置が演算を行っても良い。
【0612】
図54は、本実施例における移動通信網の構成を示した図面である。
【0613】
本実施例の場合、固定網24に接続された測位演算処理装置4601が端末21の位置を特定するための演算を行う。
【0614】
図55は、測位演算処理装置4601の構成を示す図面である。
【0615】
RNC I/F4701は、複数のRNCと測位演算処理装置4601とを接続するインタフェースである。
【0616】
メッセージ処理部4702は、RNCからのメッセージの受信を動作制御部4703に通知し、動作制御部4703からの要求に応じて、RNCに対してメッセージを送信する。
【0617】
動作制御部4703は、メッセージ処理部4702から受信を通知されたメッセージに応じて演算処理部4704に演算処理を要求し、演算処理部4704から報告される演算結果を含むメッセージの送信をメッセージ処理部4702に要求する。また、必要に応じてデータベース4705を参照して必要な情報を取得し、取得された情報を含むメッセージの送信をメッセージ処理部4702に要求する。
【0618】
演算処理部4704は、動作制御部4703の要求に応じて端末の位置を特定するための演算処理を行い、処理結果を動作制御部4703に報告する。また、データベース4705を参照して演算処理に必要な情報を取得する。
【0619】
データベース4705は、演算処理や測定に必要な情報を保持している。また、外部I/F4706を介して外部からの情報の入力や参照が可能である。
【0620】
図56は、本実施例におけるRNC25の構成を示す図面である。なお、本実施例の説明と関係のない部分については図に示していない。
【0621】
また、基地局I/F部501、NBAPメッセージ処理部502、RRCメッセージ処理部503については実施例1で説明したものと同一であり、説明を省略する。
【0622】
演算装置I/F4801は、測位演算処理装置4601とRNC25とを接続するインタフェースである。
【0623】
メッセージ処理部4802は、測位演算処理装置4601からのメッセージの通知を測位シーケンス制御部4803に通知し、測位制御部4802およびコネクション制御部4804からの要求に応じて、測位演算処理装置4601に対してメッセージを送信する。
【0624】
測位シーケンス制御部4802は、端末や基地局に対して測定を要求するためのメッセージの送信をRRCメッセージ処理部503やNBAPメッセージ処理部502に要求し、RRCメッセージ処理部503やNBAPメッセージ処理部502から受信を通知されたメッセージに応じて、メッセージ処理部4802に、メッセージの送信を要求する。
【0625】
コネクション制御部4804は、端末との間のコネクションを確立するためのメッセージの送信をRRCメッセージ処理部503やNBAPメッセージ処理部502に要求し、RRCメッセージ処理部503やNBAPメッセージ処理部502から受信を通知されたメッセージに応じて、メッセージ処理部4802に、メッセージの送信を要求する。
【0626】
以下、測位演算処理装置4601を使用する場合の端末の位置特定の手順について、実施例1を踏まえながら説明する。
【0627】
図57は、端末21とRNC25との間のコネクションが確立し、その後に実行される端末21の位置特定の手順を示す図面である。
【0628】
なお、ステップ71〜78、ステップ81〜86の各々のステップにおける処理は実施例1における処理と同一であり、説明を省略する。
【0629】
また、測位演算処理装置4601のデータベース4705には、基地局を設置した際に生成した基地局情報が格納されているとする。
【0630】
端末21からコネクションの確立要求を受信したRNC25は、測位演算処理装置4601に対して端末情報を通知する(ステップ4901)。RNC25からの通知を受けた測位演算処理装置4601は、受信した端末情報を元に端末情報を生成し、生成した端末情報をデータベース4705に格納する(ステップ4902)。
【0631】
端末21の位置を特定する場合、RNC25は測位演算処理装置4601に対して測定に必要な補助情報を通知するように要求する(ステップ4903)。要求を受けた測位演算処理装置4601は、データベース4705を参照し、補助情報を生成してRNC25に通知する(ステップ4904)。
【0632】
端末21および基地局22からの測定結果を受けたRNC25は、測位演算処理装置4601に対して演算処理を要求する(ステップ4905)。なお、この時には端末21および基地局22からの測定結果を同時に通知する。
【0633】
RNC25からの演算処理要求を受信した測位演算処理装置4601では、通知された測定結果とデータベース4705に格納されている基地局情報とを用いて端末21の位置を特定する(ステップ4906)。
【0634】
測位演算処理装置4601は特定した端末21の位置をRNC25に対して報告する(ステップ4907)。
【0635】
なお、本実施例の説明では実施例1を踏まえて説明を行ったが、上述した他の態様においても同様の手順が実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0636】
本発明は、移動無線通信分野に関し、移動通信網における移動局の地理的位置を決定する際に使用される方法に関するものであれば、あらゆるものに適用することが可能であり、その利用の可能性において何ら限定するものではない。
【0637】
幾つかの好適な実施の形態及び実施例に関連付けして本発明を説明したが、これら実施の形態及び実施例は単に実例を挙げて発明を説明するためのものであって、限定することを意味するものではないことが理解できる。本明細書を読んだ後であれば、当業者にとって等価な構成要素や技術による数多くの変更および置換が容易であることが明白であるが、このような変更および置換は、添付の請求項の真の範囲及び精神に該当するものであることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0638】
【図1】図1はGPS測位の原理を示す図面である。
【図2】図2はOTDOA測位の原理を示す図面である。
【図3】図3はAFLT測位の原理を示す図面である。
【図4】図4はGPS衛星からの信号と基地局からの信号の双方を利用する測位方式の原理を示す図面である。
【図5】図5は実施例1における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図6】図6は実施例1における移動通信網を示す図面である。
【図7】図7は実施例1における端末21とRNC25との間のコネクションの確立手順を示す図面である。
【図8】図8は実施例1におけるRNC25が保持している端末情報30の一例を示す図面である。
【図9】図9は実施例1における端末21とRNC25との間のコネクションの確立手順を示す図面である。
【図10】図10は実施例1におけるRNC25が保持している端末情報30の一例を示す図面である。
【図11】図11は実施例1におけるRNC25が保持している基地局情報40の一例を示す図面である。
【図12】図12は実施例1におけるRNC25が保持している基地局情報40の一例を示す図面である。
【図13】図13は実施例1におけるRNC25の構成を示す図面である。
【図14】図14は実施例1においてRNC25のデータベース507によって保持されている端末21の端末情報を示す図面である。
【図15】図15は実施例1においてRNC25のデータベース507によって保持されている基地局22,23の基地局情報を示す図面である。
【図16】図6は実施例1における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図17】図17は実施例1におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図18】図18は実施例1の他の態様1における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図19】図19は実施例1の他の態様1におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図20】図20は実施例2における端末21の構成を示す図面である。
【図21】図21は実施例2における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図22】図22は実施例2におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図23】図23は実施例2の他の態様1における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図24】図24は実施例2の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図25】図25は実施例3における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図26】図26は実施例3における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図27】図27は実施例3におけるステップ1213での処理の流れを示す図面である。
【図28】図28は実施例3の他の態様1における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図29】図29は実施例3の他の態様1におけるステップ1302での処理の流れを示す図面である。
【図30】図30は実施例4における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図31】図31は実施例4における端末21の構成を示した図面である。
【図32】図32は実施例4におけるステップ89での処理の流れを示した図面である。
【図33】図33は実施例4の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示した図面である。
【図34】図34は実施例4の他の態様3におけるステップ89での処理の流れを示した図面である。
【図35】図35は実施例4の他の態様3におけるステップ98での処理の流れを示した図面である。
【図36】図36は実施例5における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図37】図37は実施例5における端末21の位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図38】図38は実施例5におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図39】図39は実施例5の他の態様1における位置特定の手順の一例を示す図面である。
【図40】図40は実施例5の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図41】図41は実施例5の他の態様4におけるの端末21の位置を特定する手順を示す図面である。
【図42】図42はステップ5405において、RNC25の演算処理部506において実行される処理の流れの詳細を示す図面である。
【図43】図43は実施例5の他の態様5における端末21の位置を特定する手順を示す図面である。
【図44】図44はステップ5604における端末21の演算処理部2406での処理の流れを示す図である。
【図45】図45は実施例6における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図46】図46は実施例6におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図47】図47は実施例6の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図48】図48は実施例7における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図49】図49は実施例7におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図50】図50は実施例7の他の態様1におけるステップ98での処理の流れを示す図面である。
【図51】図51は実施例8におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図52】図52は実施例9における端末21の位置特定の原理を示す図面である。
【図53】図53は実施例11の他の態様におけるステップ89での処理の流れを示す図面である。
【図54】図54は実施例13における移動通信網を示す図面である。
【図55】図55は実施例13における測位演算処理装置4601の構成を示す図面である。
【図56】図56は実施例13におけるRNC25の構成を示す図面である。
【図57】図57は実施例13における端末21とRNC25との間のコネクションの確立および端末21の位置特定の手順を示す図面である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
二つの該無線局の少なくとも一方の該無線局の通信範囲を特定し、二つの該候補点のうち該通信範囲に含まれている該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項2】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項3】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項4】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項5】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項6】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項7】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末からの信号が第一の無線局において受信される際の信号の到来方向を特定し、二つの該候補点の各々と該第一の無線局とを結ぶ直線の方向と該到来方向とを比較し、該到来方向と該直線の方向とが一致する該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項8】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項9】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項10】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項11】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項12】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項13】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該二つの無線局の各々から信号を受信する際の信号の到来方向を到来角として特定し、該候補点と該二つの無線局の一方とを結ぶ直線と該候補点と前記二つの無線局の他方とを結ぶ直線とのなす角を候補点角として該候補点ごとに算出し、該到来角の差分と該候補点角の各々とを比較して、該到来角の差分と一致する該候補点角を有する該候補点を該端無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する端末位置特定方法。
【請求項14】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項13に記載の端末位置特定方法。
【請求項15】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項13に記載の端末位置特定方法。
【請求項16】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項13に記載の端末位置特定方法。
【請求項17】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項16に記載の端末位置特定方法。
【請求項18】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項13に記載の端末位置特定方法。
【請求項19】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して、二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該電界強度を測定し、この電界強度と、該装置あるいは該基地局、該端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の電界強度と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた受信電界強度情報とを比較して、該電界強度に近い値に関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、特定された該測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと、
を有する端末位置特定方法。
【請求項20】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項21】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項22】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項23】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項24】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項25】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定するステップと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該伝搬状況を測定し、この伝搬状況と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の伝搬状況と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた伝搬状況情報とを比較して、該無線端末が測定した伝搬状況に近い伝搬状況を有している該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する端末位置特定方法。
【請求項26】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項27】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項28】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項29】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項30】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項31】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が地磁気を測定する機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該地磁気を測定し、この地磁気と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された地磁気と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた地磁気情報とを比較して、該地磁気に近い地磁気の値と関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項32】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項33】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項34】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項35】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項36】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項37】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
二つの該候補点の一方の地理的位置が、該無線端末が存在し得ない位置である場合には、他方の該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項38】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項39】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項40】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項41】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項42】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項43】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が高度を測定する機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
前記二つの無線局と前記端末の間の無線信号の伝搬時間を利用した二つの曲線を描きその二つの曲線の交点二つを該端末の地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が測定した該高度と、該装置あるいは該無線局あるいは該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲である地点の高度情報と地理的位置とが関連付けられた高度情報のうち、該候補点の該高度情報とを比較して、該測定した高度に近い該高度情報を保持している候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項44】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項45】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項46】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項47】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項48】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項49】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該候補点の各々と、該装置あるいは該基地局、該無線端末のいずれかが過去に該無線端末の位置を特定した際の位置が保持された測位履歴情報とを比較し、該測位履歴情報に保持されている該無線端末の位置に近い該候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する端末位置推定方法。
【請求項50】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項51】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項52】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項53】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項54】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項55】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である第一の無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末と同一の該無線局との間で通信を行い、地理的位置が判明している第二の無線端末の該地理的位置と該候補点とを比較し、該第二の無線端末の該地理的位置に近い該候補点を該第一の無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項56】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項57】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項58】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項59】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項60】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項61】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が撮像機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末は該撮像機能を使用して周囲の建造物の外観を撮影し、この撮影された該外観と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されていおり、該無線局の通信エリア内の建物の外観情報とを比較し、撮影された該外観と該外観情報が一致する候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項62】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項63】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項64】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項65】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項66】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項67】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持された該無線局の通信範囲内の建物の配置情報に基づいて、建物による遮蔽の影響を推定し、該候補点の一方では少なくとも一つの該無線局からの信号を受信し得ない場合には、他方の候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項68】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項69】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項70】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項71】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項72】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項73】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
二つの該無線局の少なくとも一方の該無線局の通信範囲を特定し、前記二つの該候補点のうち該通信範囲に含まれている該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項74】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項75】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項76】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項77】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項78】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項79】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末からの信号が第一の無線局において受信される際の信号の到来方向を特定し、前記二つの該候補点の各々と該第一の無線局とを結ぶ直線の方向と該到来方向とを比較し、該到来方向と該直線の方向とが一致する該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項80】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項81】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項82】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項83】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項84】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項85】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の各々から信号を受信する際の信号の到来方向を到来角として特定し、該候補点と該二つの無線局の一方とを結ぶ直線と該候補点と前記二つの無線局の他方とを結ぶ直線とのなす角を候補点角として該候補点ごとに算出し、該到来角の差分と該候補点角の各々とを比較して、該到来角の差分と一致する該候補点角を有する該候補点を該端無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項86】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項87】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項88】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項89】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項90】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項91】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の電界強度と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた受信電界強度情報が記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して、二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該電界強度を測定し、この電界強度と、前記記憶されている受信電界強度情報とを比較して、該電界強度に近い値に関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、特定された該測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項92】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項93】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項94】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項95】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項96】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項97】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定する第一の機能ブロックと、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の伝搬状況と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた伝搬状況情報が記憶された記憶機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該伝搬状況を測定し、この伝搬状況と前記伝搬状況情報とを比較して、該無線端末が測定した伝搬状況に近い伝搬状況を有している該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項98】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項99】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項100】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項101】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項102】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項103】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
地磁気を測定する第一の機能ブロックを有する無線端末と、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第二の機能ブロックと、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された地磁気と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた地磁気情報を記憶した記憶機能ブロックと、
無線端末が測定した地磁気と、前記地磁気情報とを比較して、該地磁気に近い地磁気の値と関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第三の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項104】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一のサンと、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項105】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項106】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項107】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項108】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項109】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
二つの該候補点の一方の地理的位置が、該無線端末が存在し得ない位置である場合には、他方の該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項110】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項111】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項112】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項113】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項114】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項115】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
高度を測定する第一の機能ブロックを有する無線端末と、
該無線局の通信範囲である地点の高度情報と、地理的位置とが関連付けられた高度情報が記憶されている記憶機能ブロックと、
前記二つの無線局と前記端末の間の無線信号の伝搬時間を利用した二つの曲線を描きその二つの曲線の交点二つを該端末の地理的位置の二つの候補点として算出する第二の機能ブロックと、
該無線端末が測定した該高度と、前記高度情報のうちの該候補点の該高度情報とを比較して、該測定した高度に近い該高度情報を保持している候補点を該無線端末の位置として特定する第三の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項116】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項117】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項118】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項119】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項120】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項121】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該装置あるいは該基地局、該無線端末のいずれかが過去に該無線端末の位置を特定した際の位置が保持された測位履歴情報が記憶されている記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該候補点の各々と前記測位履歴情報とを比較し、前記測位履歴情報に保持されている該無線端末の位置に近い該候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置推定システム。
【請求項122】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項123】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項124】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項125】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項126】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項127】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である第一の無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末と同一の該無線局との間で通信を行い、地理的位置が判明している第二の無線端末の該地理的位置と該候補点とを比較し、該第二の無線端末の該地理的位置に近い該候補点を該第一の無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項128】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項129】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項130】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項131】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項132】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項133】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
撮像手段を有する無線端末と、
該無線局の通信エリア内の建物の外観情報と、その地理的位置とが関連付けられて記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末の撮像手段によって撮影された建造物の外観と、前記外観情報のうち該候補点に関連付けられている外観情報とを比較し、前記撮影された外観と前記外観情報とが一致する候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項134】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項135】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項136】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項137】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項138】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項139】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該無線局の通信範囲内の建物の配置情報が記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
前記配置情報に基づいて建物の遮蔽の影響を推測し、該候補点の一方では少なくとも一つの該無線局からの信号を受信し得ない場合には、他方の候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項140】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項141】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項142】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項143】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項144】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項1】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
二つの該無線局の少なくとも一方の該無線局の通信範囲を特定し、二つの該候補点のうち該通信範囲に含まれている該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項2】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項3】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項4】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項5】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項6】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項1に記載の端末位置特定方法。
【請求項7】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末からの信号が第一の無線局において受信される際の信号の到来方向を特定し、二つの該候補点の各々と該第一の無線局とを結ぶ直線の方向と該到来方向とを比較し、該到来方向と該直線の方向とが一致する該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項8】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項9】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項10】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項11】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項12】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項7に記載の端末位置特定方法。
【請求項13】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該二つの無線局の各々から信号を受信する際の信号の到来方向を到来角として特定し、該候補点と該二つの無線局の一方とを結ぶ直線と該候補点と前記二つの無線局の他方とを結ぶ直線とのなす角を候補点角として該候補点ごとに算出し、該到来角の差分と該候補点角の各々とを比較して、該到来角の差分と一致する該候補点角を有する該候補点を該端無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する端末位置特定方法。
【請求項14】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項13に記載の端末位置特定方法。
【請求項15】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項13に記載の端末位置特定方法。
【請求項16】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項13に記載の端末位置特定方法。
【請求項17】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項16に記載の端末位置特定方法。
【請求項18】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項13に記載の端末位置特定方法。
【請求項19】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して、二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該電界強度を測定し、この電界強度と、該装置あるいは該基地局、該端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の電界強度と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた受信電界強度情報とを比較して、該電界強度に近い値に関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、特定された該測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと、
を有する端末位置特定方法。
【請求項20】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項21】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項22】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項23】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項24】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項19に記載の端末位置特定方法。
【請求項25】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定するステップと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該伝搬状況を測定し、この伝搬状況と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の伝搬状況と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた伝搬状況情報とを比較して、該無線端末が測定した伝搬状況に近い伝搬状況を有している該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップとを有する端末位置特定方法。
【請求項26】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項27】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項28】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項29】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項30】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項25に記載の端末位置特定方法。
【請求項31】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が地磁気を測定する機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が該地磁気を測定し、この地磁気と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された地磁気と該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた地磁気情報とを比較して、該地磁気に近い地磁気の値と関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項32】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項33】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項34】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項35】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項36】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項31に記載の端末位置特定方法。
【請求項37】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
二つの該候補点の一方の地理的位置が、該無線端末が存在し得ない位置である場合には、他方の該候補点を該無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項38】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項39】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項40】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項41】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項42】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項37に記載の端末位置特定方法。
【請求項43】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が高度を測定する機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
前記二つの無線局と前記端末の間の無線信号の伝搬時間を利用した二つの曲線を描きその二つの曲線の交点二つを該端末の地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末が測定した該高度と、該装置あるいは該無線局あるいは該無線端末のいずれかに保持されており、該無線局の通信範囲である地点の高度情報と地理的位置とが関連付けられた高度情報のうち、該候補点の該高度情報とを比較して、該測定した高度に近い該高度情報を保持している候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項44】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項45】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項46】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項47】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項48】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項43に記載の端末位置特定方法。
【請求項49】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該候補点の各々と、該装置あるいは該基地局、該無線端末のいずれかが過去に該無線端末の位置を特定した際の位置が保持された測位履歴情報とを比較し、該測位履歴情報に保持されている該無線端末の位置に近い該候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する端末位置推定方法。
【請求項50】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項51】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項52】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項53】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項54】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項49に記載の端末位置特定方法。
【請求項55】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である第一の無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末と同一の該無線局との間で通信を行い、地理的位置が判明している第二の無線端末の該地理的位置と該候補点とを比較し、該第二の無線端末の該地理的位置に近い該候補点を該第一の無線端末の地理的位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項56】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項57】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項58】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項59】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項60】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項55に記載の端末位置特定方法。
【請求項61】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、該無線端末が撮像機能を有し、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該無線端末は該撮像機能を使用して周囲の建造物の外観を撮影し、この撮影された該外観と、該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持されていおり、該無線局の通信エリア内の建物の外観情報とを比較し、撮影された該外観と該外観情報が一致する候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項62】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項63】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項64】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項65】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項66】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項61に記載の端末位置特定方法。
【請求項67】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定方法であって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点とするステップと、
該装置あるいは該無線局、該無線端末のいずれかに保持された該無線局の通信範囲内の建物の配置情報に基づいて、建物による遮蔽の影響を推定し、該候補点の一方では少なくとも一つの該無線局からの信号を受信し得ない場合には、他方の候補点を該無線端末の位置として特定するステップと
を有する端末位置特定方法。
【請求項68】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点とする請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項69】
二つの候補点を求めるステップにおいて、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点とする請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項70】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項71】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項72】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能を有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項67に記載の端末位置特定方法。
【請求項73】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
二つの該無線局の少なくとも一方の該無線局の通信範囲を特定し、前記二つの該候補点のうち該通信範囲に含まれている該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項74】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項75】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項76】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項77】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項78】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項73に記載の端末位置特定システム。
【請求項79】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末からの信号が第一の無線局において受信される際の信号の到来方向を特定し、前記二つの該候補点の各々と該第一の無線局とを結ぶ直線の方向と該到来方向とを比較し、該到来方向と該直線の方向とが一致する該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項80】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項81】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項82】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項83】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項84】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項79に記載の端末位置特定システム。
【請求項85】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の各々から信号を受信する際の信号の到来方向を到来角として特定し、該候補点と該二つの無線局の一方とを結ぶ直線と該候補点と前記二つの無線局の他方とを結ぶ直線とのなす角を候補点角として該候補点ごとに算出し、該到来角の差分と該候補点角の各々とを比較して、該到来角の差分と一致する該候補点角を有する該候補点を該端無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項86】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項87】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項88】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項89】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項90】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項85に記載の端末位置特定システム。
【請求項91】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と、該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の電界強度と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた受信電界強度情報が記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して、二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該電界強度を測定し、この電界強度と、前記記憶されている受信電界強度情報とを比較して、該電界強度に近い値に関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、特定された該測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項92】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項93】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項94】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項95】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項96】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項91に記載の端末位置特定システム。
【請求項97】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点と推定する第一の機能ブロックと、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された該無線局からの信号の伝搬状況と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた伝搬状況情報が記憶された記憶機能ブロックと、
該無線端末が該二つの無線局の一方から受信した信号の該伝搬状況を測定し、この伝搬状況と前記伝搬状況情報とを比較して、該無線端末が測定した伝搬状況に近い伝搬状況を有している該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項98】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項99】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項100】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項101】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項102】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項97に記載の端末位置特定システム。
【請求項103】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
地磁気を測定する第一の機能ブロックを有する無線端末と、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第二の機能ブロックと、
該無線局の通信範囲内における複数の測定地点において測定された地磁気と、該測定地点の該地理的位置とが関連付けられた地磁気情報を記憶した記憶機能ブロックと、
無線端末が測定した地磁気と、前記地磁気情報とを比較して、該地磁気に近い地磁気の値と関連付けられている該測定点の地理的位置を特定し、該特定された測定点の地理的位置に近い該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第三の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項104】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一のサンと、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項105】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項106】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項107】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項108】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項103に記載の端末位置特定システム。
【請求項109】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
二つの該候補点の一方の地理的位置が、該無線端末が存在し得ない位置である場合には、他方の該候補点を該無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項110】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項111】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項112】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項113】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項114】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項109に記載の端末位置特定システム。
【請求項115】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
高度を測定する第一の機能ブロックを有する無線端末と、
該無線局の通信範囲である地点の高度情報と、地理的位置とが関連付けられた高度情報が記憶されている記憶機能ブロックと、
前記二つの無線局と前記端末の間の無線信号の伝搬時間を利用した二つの曲線を描きその二つの曲線の交点二つを該端末の地理的位置の二つの候補点として算出する第二の機能ブロックと、
該無線端末が測定した該高度と、前記高度情報のうちの該候補点の該高度情報とを比較して、該測定した高度に近い該高度情報を保持している候補点を該無線端末の位置として特定する第三の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項116】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項117】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項118】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項119】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項120】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項115に記載の端末位置特定システム。
【請求項121】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該装置あるいは該基地局、該無線端末のいずれかが過去に該無線端末の位置を特定した際の位置が保持された測位履歴情報が記憶されている記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該候補点の各々と前記測位履歴情報とを比較し、前記測位履歴情報に保持されている該無線端末の位置に近い該候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置推定システム。
【請求項122】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項123】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項124】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項125】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項126】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項121に記載の端末位置特定システム。
【請求項127】
地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である第一の無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末と同一の該無線局との間で通信を行い、地理的位置が判明している第二の無線端末の該地理的位置と該候補点とを比較し、該第二の無線端末の該地理的位置に近い該候補点を該第一の無線端末の地理的位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項128】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項129】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項130】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項131】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項132】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項127に記載の端末位置特定システム。
【請求項133】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
撮像手段を有する無線端末と、
該無線局の通信エリア内の建物の外観情報と、その地理的位置とが関連付けられて記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
該無線端末の撮像手段によって撮影された建造物の外観と、前記外観情報のうち該候補点に関連付けられている外観情報とを比較し、前記撮影された外観と前記外観情報とが一致する候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項134】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項135】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項136】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項137】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項138】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項133に記載の端末位置特定システム。
【請求項139】
無線端末と、無線局と、該無線局の少なくとも一つが接続されている固定網と該固定網に接続されるその他必要な装置とで構成される移動通信網において、地理的位置が既知であり該地理的位置が異なる二つの無線局と該地理的位置が未知である無線端末との信号の送受信により、該無線端末の該地理的位置を特定する端末位置特定システムであって、
該無線局の通信範囲内の建物の配置情報が記憶された記憶機能ブロックと、
二つの該無線局と該第一の無線端末との間の無線信号の伝搬時間を利用して二つの曲線を描き、二つの該曲線の交点二つを該無線端末の該地理的位置の二つの候補点として算出する第一の機能ブロックと、
前記配置情報に基づいて建物の遮蔽の影響を推測し、該候補点の一方では少なくとも一つの該無線局からの信号を受信し得ない場合には、他方の候補点を該無線端末の位置として特定する第二の機能ブロックと
を有する端末位置特定システム。
【請求項140】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
前記無線局と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、
第一の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第一の距離を求め、該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、第二の前記無線局と前記無線端末との間の該伝搬時間から第二の距離を求め、該第二の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第二の距離とする第二の円との二つの交点を二つの前記候補点として算出する請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項141】
前記二つの候補点を算出する機能ブロックは、
二つの前記無線局の一方と前記無線端末との間の無線信号の伝搬時間を測定することが可能であり、前記無線端末と二つの前記無線局との間の無線信号の伝搬時間差を測定することが可能であるときに、該伝搬時間から第一の距離を求め、該伝搬時間を測定した該第一の前記無線局の地理的位置を中心とし、半径を該第一の距離とする第一の円と、該伝搬時間差から算出された第一の距離差を求め、二つの前記無線局からの距離差が該第一の距離差となる双曲線との二つの交点を前記無線端末の二つの前記候補点として算出する特徴とする請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項142】
少なくとも一つの前記無線端末と、少なくとも二つの基地局とから構成され、一つの該基地局は複数の通信範囲を形成し、該通信範囲内に存在する前記無線端末と該基地局とが無線通信を行う移動通信網において、
二つの前記無線局が該基地局である請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項143】
前記移動通信網において、
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する手段を有し、
前記無線局の一方が前記基地局であり、他方が該GPS衛星である請求項139に記載の端末位置特定システム。
【請求項144】
前記無線端末がGPS衛星からの信号を受信する機能ブロックを有し、
前記無線局がGPS衛星である請求項139に記載の端末位置特定システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
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【図18】
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【図23】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
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【図37】
【図38】
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【図41】
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【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【国際公開番号】WO2005/012939
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512536(P2005−512536)
【国際出願番号】PCT/JP2004/010972
【国際出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【国際出願番号】PCT/JP2004/010972
【国際出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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