説明

端末装置

【課題】制御回路を安定して駆動すること。
【解決手段】端末装置10は、ICカード30を挿入する開口を有するポケット121cを備えるホルダ12cと、ホルダ12cに対し折り畳み部12aを挟んで配置されICカード30から情報を読み取る制御回路100が配置されるホルダ12bとを備え、折り畳み部12aにより折り畳み可能なケース12と、折り畳み部12aが折り畳まれたときに、ホルダ12bとホルダ12cとを固定するスナップ11a、11b、13a、13bを有し、固定により制御回路100を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医療、流通等の分野において、患者や顧客の情報を管理する管理システムが知られている。
このシステムでは、例えば、患者のID等を保存したICカードをカードケースに挿入し、カードケースに備え付けられた制御回路からサーバ装置にICカードの情報を送信することにより、患者に情報(待ち人数や、診療場所)等を通知すること等が行われている。
【0003】
制御回路とサーバ装置間での通信には電力が必要であるが、ICカードが挿入されたときに制御回路に電力が供給される機構が知られている。
例えば、ICカードをカードケースに挿入することにより、そのICカードで電力供給用のスイッチを押下させ、スイッチが押下されているときに制御回路に電力を供給する方法が知られている。これにより、ICカードが挿入されていないときには制御回路に電力が供給されないので、装置の無駄な電力の消費を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−250942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電源スイッチをONし続けるためには、ICカードを所定の位置に支持しておく必要がある。このため、ケースにある程度の精度を有する支持機構を設ける必要がある。
【0006】
また、振動等により、ICカードの位置がずれると、電源スイッチとの接触が外れ、制御回路への電力の供給が停止するという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、制御回路を安定して駆動することができる端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、開示の端末装置が提供される。この端末装置は、ケースと、制御回路と、駆動部とを有している。
ケースは、ICカードを挿入する開口を有するカード収納部を備える第1のホルダと、第1のホルダに対し折り畳み部を挟んで配置されICカードから情報を読み取る制御回路が配置される第2のホルダとを備え、折り畳み部により折り畳み可能となっている。
【0008】
駆動部は、折り畳み部が折り畳まれたときに、第1のホルダと第2のホルダとを固定する固定部を有し、固定部の固定により制御回路を駆動させる。
【発明の効果】
【0009】
開示の端末装置によれば、制御回路を安定して駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態の端末装置の概要を示す図である。
【図2】端末装置の構造を示す図である。
【図3】制御回路のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】制御回路の機能を示すブロック図である。
【図5】制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図6】制御回路を起動するときの動作を示す図である。
【図7】制御回路を起動するときの動作を示す図である。
【図8】端末装置の変形例を示す図である。
【図9】端末装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態の端末装置の概要を示す図である。なお、図1は、端末装置10が有する各構成要素の機能を説明する図である。各構成要素の位置関係は、後述する。
【0012】
端末装置10は、装置本体11と、ケース12とを有している。
装置本体11は、ケース12内に配置されている。
装置本体11は、制御回路100と電子ペーパー(表示手段)104aとを有している。
【0013】
制御回路100は、ICカード30がケース12の後述する所定の箇所に配置された状態で電源が供給されると、ICカード30に予め記憶されている情報を読み取り、サーバ装置20に送信する機能を有している。
【0014】
また、制御回路100は、サーバ装置20から情報を受信すると、その情報を、電子ペーパー104aに表示する機能を有している。
電子ペーパー104aは、制御回路100に電気的に接続されている。この電子ペーパー104aは、書き換え時のみ電力を消費するデバイスであり、青色、緑色、赤色の液晶層を有している。各液晶層の前後の透明電極に電圧をかけ、液晶分子の向きを変えることで反射状態を切替えることができる。
【0015】
ケース12は、少なくとも電子ペーパー104aに対応する部位が透明な材料(例えば、透明な樹脂)で構成され、ケース12内に配置された状態で、外部から電子ペーパー104aに表示された情報が視認可能になっている。
【0016】
ケース12の構成材料としては特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、紙類、布、革あるいはこれらを複合した材料等が挙げられる。
【0017】
図2は、端末装置の構造を示す図である。
装置本体11は、制御回路100と、電子ペーパー104aに加え、導電性を有する押しホック等のスナップ(第2の係合部材)11a、11bと、電源11cと、アンテナ11dとを有している。なお、図2では、電子ペーパー104aは、装置本体11の紙面奥側に制御回路100と一体的に配置されている。
【0018】
スナップ11aは、電源11cに電気的に接続されている。スナップ11bは、制御回路100に電気的に接続されている。
スナップ11a、11bは、それぞれ、後述するスナップ13a、13bと係合するための凹部111a、111bを有している。
【0019】
電源11cは、一端側が、スナップ11aに電気的に接続されている。他端側が制御回路100に電気的に接続されている。電源11cは、例えば、リチウムイオン電池等を有しており、スナップ11a、11b間が短絡することで、制御回路100に駆動電圧を供給する。
【0020】
アンテナ11dは、制御回路100に電気的に接続されている。このアンテナ11dは、制御回路100から出力された情報をサーバ装置20に送信する機能を有している。また、サーバ装置20から出力された情報を受信する機能を有している。
【0021】
制御回路100は、装置本体11を制御する機能を有している。
制御回路100は、電源11cから駆動電圧が供給されると、ICカード30に記憶されている情報を取得し、取得した情報を、アンテナ11dを介してサーバ装置20に送信する。また、アンテナ11dを介してサーバ装置20から情報を受信すると、表示が必要な情報を電子ペーパー104aに表示させる。
【0022】
ケース12は、中央部に可撓性を有する折り畳み部12aを有している。折り畳み部12aには、折り目121aが設けられており、この折り目121aを介してケース12が折り畳めるようになっている。
【0023】
ケース12は、折り目121aを介して一方に、装置本体11を保持するホルダ(第2のホルダ)12bを有し、他方に、ICカード30を保持するホルダ(第1のホルダ)12cを有している。また、ホルダ12cの上部には、導電部13が設けられている。
【0024】
なお、本実施の形態では、ケース12の折り畳み部12aが可撓性を有するものとしたが、これに限らず、ホルダ12bとホルダ12cとが開閉可能に連結された折り畳み型のケースであればよく、例えば、蝶番等により折り畳めるようになっていてもよい。
【0025】
ホルダ12bは、有底のポケット(収納部)121bを有している。装置本体11は、ケース12に対し着脱可能になっており、装置本体11が挿入口122bから図2に示す挿入方向に従ってポケット121bに挿入されることで、装置本体11がポケット121bにより保持される。
【0026】
ポケット121bのスナップ11a、11bに対応する部位には、開口(図示せず)が設けられている。スナップ11a、11bは、この開口から一部が露出している。
なお、挿入口122bには、装置本体11の取り出しを防止する機構(ファスナー等)が設けられていてもよい。なお、図2では、装置本体11がポケット121b内に保持されている状態を示している。また、図2では、装置本体11を覆うホルダ12bの表面の部材の図示を省略している。
【0027】
ホルダ12cは、無線通信が可能なICカード30を挿入する有底のポケット(カード収納部)121cを有している。ICカード30が挿入口122cから図2に示す挿入方向に従ってポケット121cに(好ましくは底部123cまで)挿入されることで、ICカード30がポケット121c内に保持される。なお、図2では、ICカード30がポケット121c内に保持されている状態を示している。また、図2では、ICカード30を覆うホルダ12cの部材の図示を省略している。
【0028】
ポケット121cに挿入されるICカード30は、アンテナ31と制御部32とメモリ33とを有している。
制御部32は、制御回路100から電力の供給を受けて動作する。具体的には、制御回路100から電力が供給されると、メモリ33に記憶されている情報を、アンテナ31を介して制御回路100に送信する。
【0029】
導電部13は、導電性を有するスナップ(第1の係合部材)13a、13bと、これらスナップ13a、13bを電気的に接続する導線13cとを有している。
スナップ13a、13bは、それぞれ、スナップ11a、11bと係合するための凸部131a、131bを有している。これらスナップ11a、11b、13a、13bが固定部の主要部を形成している。また、導電部13、スナップ11a、11b、電源11cが駆動部の主要部を形成している。
【0030】
スナップ13aは、利用者が、折り目121aを介してケース12を折り畳んだときに、スナップ11aに対応する箇所に位置するようになっている。また、スナップ13bは、利用者が、折り目121aを介してケース12を折り畳んだときに、スナップ11bに対応する箇所に位置するようになっている。
【0031】
なお、図示していないが、端末装置10は、ケース12に孔部が設けられ、その孔部に紐等を通すことにより利用者の首から掛けられるようになっていてもよい。また、端末装置10は、例えば、ネームプレートのように、ピン等により利用者の服に固定できるようになっていてもよい。
【0032】
次に、制御回路100が有する機能を説明する。
図3は、制御回路のハードウェア構成例を示す図である。
制御回路100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、グラフィック処理装置104、バイブレータ105、スピーカ106、および、通信インタフェース107が接続されている。
【0033】
RAM102には、CPU101に実行させるアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。ROM103には、アプリケーションプログラム等が格納される。また、ROM103内には、プログラムファイルが格納される。
【0034】
グラフィック処理装置104には、電子ペーパー104aが接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像を電子ペーパー104a上に表示させる。
【0035】
バイブレータ105は、CPU101からの命令に従って、振動する。
スピーカ106は、CPU101からの命令に従って、例えば、音声を出力する。
通信インタフェース107は、ネットワーク40に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク40を介して、サーバ装置20との間でデータの送受信を行う。
【0036】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、バイブレータ105およびスピーカ106は、省略されていてもよい。このようなハードウェア構成の制御回路100内には、以下のような機能が設けられる。
【0037】
図4は、制御回路の機能を示すブロック図である。
制御回路100は、ネットワーク40を介してサーバ装置20に接続されている。
制御回路100は、サーバ装置20からサービスデータ150aやユーザインタフェースプログラム150b(以下、「UIプログラム」と記載する)をダウンロードし、電子ペーパー104aへUI画面を表示する機能を有している。
【0038】
電源11cは、スナップ11aとスナップ13aが係合し、スナップ11bとスナップ13bが係合することによって導線が導通状態になると、制御回路100に対して電力を供給する。
【0039】
制御回路100は、管理部110と記憶媒体読込部120と表示制御部130と通信部140と記憶部150とを備えている。
管理部110は、記憶部150に記憶されているプログラムを読み込んで実行したり、制御回路100が有する各種デバイスの制御を行ったりする。
【0040】
記憶媒体読込部120は、制御回路100に挿入されたICカード30から識別情報を読み込み、読み込んだ識別情報を管理部110に渡す。
なお、記憶媒体読込部120は、非接触型の読み取りによってICカード30から識別情報を読み込むが、接触型の読み取りを行うように構成してもよい。また、ICカード30をRFIDタグとした場合には、この記憶媒体読込部120はRF−RW(リーダライタ)を有していてもよい。
【0041】
表示制御部130は、管理部110が実行するUIプログラム150bの指示によって電子ペーパー104aにユーザインタフェース画面を表示させる。
通信部140は、管理部110上で動作するUIプログラム150bあるいはオペレーションプログラム150cの指示に基づき、サーバ装置20との間で無線通信を行う。
【0042】
記憶部150は、不揮発性メモリを有し、サーバ装置20から受け取ったサービスデータ150aおよびUIプログラム150bや、予め記憶されたオペレーションプログラム150cおよびデバイスドライバ150dを記憶する。
【0043】
サービスデータ150aは、UIプログラム150bを介して電子ペーパー104aに表示されるデータであり、サーバ装置20のサービスデータDB(データベース)24からダウンロードされる。
【0044】
UIプログラム150bは、電子ペーパー104aにUI画面を表示させる処理を行うプログラムであり、管理部110に読み込まれたオペレーションプログラム150c上で動作する。そして、このUIプログラム150bは、サーバ装置20のUIプログラムDB(データベース)23からダウンロードされる。
【0045】
オペレーションプログラム150cは、管理部110に読み込まれて制御回路100が有する各機能を制御する処理を行うプログラムである。
デバイスドライバ150dは、制御回路100が有する各種デバイスとオペレーションプログラム150cとの間で行われるデータ変換を行うプログラムである。なお、オペレーションプログラム150cおよびデバイスドライバ150dは、制御回路100の製造時やメンテナンス時に記憶部150に記憶される。
【0046】
なお、本実施の形態では、記憶部150が不揮発性メモリを有する場合について示したが、制御回路100の電源がONである間だけ必要となるサービスデータ150aおよびUIプログラム150bを揮発性メモリに格納し、オペレーションプログラム150cおよびデバイスドライバ150dを不揮発性メモリに格納するように構成してもよい。
【0047】
サーバ装置20は、制御回路100から受け取った識別情報に対応するサービスデータあるいはUIプログラムを、それぞれ、サービスデータDB24あるいはUIプログラムDB23を検索することによって抽出し、抽出したサービスデータあるいはUIプログラムを制御回路100に対して応答する装置である。
【0048】
サーバ装置20は、UIプログラムDB23およびサービスデータDB24に接続されている。なお、UIプログラムDB23およびサービスデータDB24をサーバ装置20が有していてもよい。
【0049】
サーバ装置20は、検索部21と、通信部22とを有している。
検索部21は、通信部22を介して制御回路100から受け取った識別情報に基づき、この識別情報に対応するサービスデータあるいはUIプログラムを、サービスデータDB24あるいはUIプログラムDB23から検索する。
【0050】
通信部22は、制御回路100から識別情報、終了通知などのメッセージ等を受信するとともに、検索部21が検索したサービスデータあるいはUIプログラムを制御回路100に対して送信する。
【0051】
次に、制御回路100の動作を説明する。
図5は、制御回路の動作を示すフローチャートである。
[ステップS1]
制御回路100は、電源ON(駆動電圧)を検出したか否かを判断する。電源ONを検出していない場合(ステップS1のNo)、ステップS1に遷移する。電源ONを検出した場合(ステップS1のYes)、ステップS2に遷移する。
【0052】
[ステップS2]
制御回路100は、アンテナ11dを通じてICカード30に記憶されている情報を読み取る。その後、ステップS3に遷移する。
【0053】
[ステップS3]
制御回路100は、ICカード30に記憶されている情報を取得できたか否かを判断する。取得できなかった場合(ステップS3のNo)、ステップS4に遷移する。
取得できた場合(ステップS3のYes)、ステップS5に遷移する。
【0054】
[ステップS4]
制御回路100は、ICカード30が未挿入であることを電子ペーパー104aに表示させる。その後、ステップS2に遷移する。
【0055】
[ステップS5]
制御回路100は、取得した情報をサーバ装置20に送信する。その後、ステップS6に遷移する。
【0056】
[ステップS6]
制御回路100は、サーバ装置20からの情報を待機し、サーバ装置20との間で必要な情報を送受信する。その後、ステップS7に遷移する。
【0057】
[ステップS7]
制御回路100は、電源OFFを検出したか否かを判断する。電源OFFを検出した場合(ステップS7のYes)、処理を終了する。電源OFFを検出していない場合(ステップS7のNo)、ステップS6に遷移する。
【0058】
以上で制御回路100の動作の説明を終了する。
次に、端末装置10を病院の患者の診察の管理に用いる場合を例にとって説明する。
例えば、利用者が病院の窓口に診察券を提示すると、窓口では、この利用者に対して端末装置10を貸し出すという利用形態をとる。
【0059】
なお、ICカード30は、表面に患者名、患者ID等が印刷され、診察券としての役割をも有するようになっていてもよい。この場合、利用者が病院の窓口にICカード30を提示する。
【0060】
図6および図7は、制御回路を起動するときの動作を示す図である。
端末装置10を貸与された利用者は、ICカード30をポケット121cに挿入する。
そして、利用者は、折り畳み部12aを折り畳んでホルダ12bとホルダ12cとを対向させる。このとき、電子ペーパー104aの表示面は折り畳まれたケース12の外側から視認可能となる。なお、図6および図7では、表示面を点線の矢印で示している。
【0061】
なお、図6に示すように、端末装置10は、ケース12が折り畳まれたときに、挿入口122b、122cが、折り畳まれた内側に配置されるのが好ましい。これにより、例えば、利用者が前かがみになったとき等に、ICカード30が誤って離脱することを抑制することができる。
【0062】
そして、利用者は、スナップ13aの凸部131aをスナップ11aの凹部111aに係合させて閉じる。また、図7に示すように、スナップ13bの凸部131bをスナップ11bの凹部111bに係合させて閉じる。この動作によって、電源11c、制御回路100、スナップ11b、スナップ13b、導線13c、スナップ13a、スナップ11a、電源11cの導電路が導通し、制御回路100に電力が供給される。これにより、制御回路100が起動する。
【0063】
つづいて、制御回路100は、ICカード30から利用者のIDを読み込み、サーバ装置20から利用者IDに対応するサービスデータ150aおよびUIプログラム150bを取得する。
【0064】
そして、制御回路100は、UIプログラム150bを動作させることによって、利用者に対応するメッセージを電子ペーパー104aに表示させる。このメッセージとしては、例えば、診察までの待ち人数、行き先案内、利用者の診察室等への呼び出し等が挙げられる。
【0065】
一方、制御回路100の利用を終えた利用者が、スナップ11aとスナップ13aの係合およびスナップ11bとスナップ13bの係合を開放すると、制御回路100への電源の供給が停止される。
【0066】
利用者が診療を終えた場合には、端末装置10からICカード30を抜き取ったうえで端末装置10を窓口へ返却する。
ところで、ICカード30がポケット121bに挿入されない状態で、スナップ13aとスナップ11aおよびスナップ13bとスナップ11bが閉じられた場合は、導電路が導通し、制御回路100に電力が供給される。これにより、制御回路100が起動する。
【0067】
この場合、制御回路100は、ICカード30に記憶された情報を取得できないため、電子ペーパー104aにICカード30が未挿入である旨を表示する。
また、バイブレータ105を用いて振動にてICカード30が未挿入である旨を報知するようにしてもよい。スピーカ106を用いて音声にてICカード30が未挿入である旨を報知するようにしてもよい。
【0068】
以上述べたように、端末装置10によれば、ICカード30をポケットに挿入して、スナップを閉じるという簡易な動作を行うだけで、制御回路100に電源を供給することができる。また、ポケット121b内でICカード30の位置がずれても電源のON/OFFには影響がない。これにより、電源11cが誤動作により供給されなくなるという現象を抑制し、回路を安定して駆動することができる。この結果、システムの信頼性を高めることができる。
【0069】
また、ポケット121b内でICカード30の位置がずれても電源のON/OFFには影響がないので、ICカード30の保持機構を簡易なものとすることができる。
また、電源のON/OFFをスナップの係合・離脱動作によって行うため、制御回路100は、利用者の意志により電源がON/OFFされたか否かを容易に判断することができる。
【0070】
また、本実施の形態では、係合部材としてスナップ11a、11b、13a、13bを用いたが、制御回路100の終端を導通させるものであれば特に限定されず、例えば、ピンや、ネジ止め、ファスナー、磁石の吸着、フック、その他各種係合手段、嵌合手段等、いかなる構成のものでもよい。以下、変形例として磁石の吸着を用いた場合を説明する。
【0071】
<変形例>
次に、端末装置の変形例について説明する。
図8および図9は、端末装置の変形例を示す図である。
【0072】
図8に示す端末装置10aは、固定部の構成が異なり、それ以外は端末装置10と同様である。
装置本体111は、スナップ11a、11bの代わりに、導電性を有する電極(被吸着体)11e、11fを有している。
【0073】
また、端末装置10aの導電部13は、スナップ13a、13bの代わりに、導電性を有する円柱状の導電材13d、13eを有している。さらに、導電材13dの紙面奥側には、円柱状の磁石13fが配置されている。また、導電材13eの紙面奥側には、円柱状の磁石13gが配置されている。
【0074】
この磁石13f、13gの表面積は、導電材13d、13eと同じか、または、導電材13d、13eよりも小さい。
導電材13dは、利用者が、折り目121aを介してケース12を折り畳んだときに、電極11eに対応する箇所に位置するようになっている。また、導電材13eは、利用者が、折り目121aを介してケース12を折り畳んだときに、電極11fに対応する箇所に位置するようになっている。
【0075】
磁石13fの磁力によって電極11eが磁石13fに引きつけられることにより、電極11eが導電材13dに電気的に接続される。また、磁石13gの磁力により、電極11fが磁石13gに引きつけられることにより、電極11fが導電材13eに電気的に接続される。結果、電源11c、制御回路100、電極11f、導電材13e、導線13c、導電材13d、電極11e、電源11cの導電路が導通し、制御回路100に電力が供給される。これにより、制御回路100が起動する。
【0076】
この変形例の端末装置10aによれば、端末装置10と同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態では、制御回路100は、ICカード30に接触せずにデータ読み取りを行うようにしたが、これに限らず、接点を有するICカードを用い、制御回路100が、かかる接点を介してデータ読み取りを行うこととしてもよい。また、ICカード30がRFID(Radio Frequency Identification)タグを有しており、制御回路100が、RFIDタグのリーダ/ライタRF-RW)を有しており、RFIDタグに記憶された情報を読み出し、または、RFIDタグに情報を書き込むようにしてもよい。
【0077】
また、本実施の形態では、表示手段として電子ペーパー104aを用いたが、これに限らず、他の表示手段、例えば、タッチパネル付きの液晶ディスプレイを用いるようにしてもよい。
【0078】
液晶ディスプレイを使用する場合、表示制御部130からの指示に基づき、メッセージや操作ボタンを含むユーザインタフェース画面を表示するとともに、利用者によって操作ボタンが操作された場合には、かかる操作情報を表示制御部130に対して通知する処理を行うようにしてもよい。
【0079】
また、本発明は、固定部の固定により制御回路100を駆動させるものであればよく、本実施の形態のように固定部自体が導電性を有し、短絡により制御回路100を駆動させるものに限定されない。
【0080】
以上、本発明の端末装置を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0081】
また、本発明は、前述した実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
10、10a 端末装置
11、111 装置本体
11a、11b、13a、13b スナップ
11c 電源
11d、31 アンテナ
11e、11f 電極
111a、111b 凹部
12 ケース
12a 折り畳み部
12b、12c ホルダ
121a 折り目
121b、121c ポケット
122b、122c 挿入口
123c 底部
13 導電部
13c 導線
13d、13e 導電材
13f、13g 磁石
131a、131b 凸部
20 サーバ装置
21 検索部
22 通信部
30 ICカード
32 制御部
33 メモリ
100 制御回路
104a 電子ペーパー
110 管理部
120 記憶媒体読込部
130 表示制御部
140 通信部
150 記憶部
150a サービスデータ
150b UIプログラム
150c オペレーションプログラム
150d デバイスドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードを挿入する開口を有するカード収納部を備える第1のホルダと、前記第1のホルダに対し折り畳み部を挟んで配置され前記ICカードから情報を読み取る制御回路が配置される第2のホルダとを備え、前記折り畳み部により折り畳み可能なケースと、
前記折り畳み部が折り畳まれたときに、前記第1のホルダと前記第2のホルダとを固定する固定部を有し、前記固定部の固定により前記制御回路を駆動させる駆動部と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記第1のホルダに設けられ導電性を有する第1の係合部材と、前記制御回路の終端に接続され、導電性を有し前記第1の係合部材と係合する第2の係合部材とを有しており、
前記駆動部は、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との係合により前記終端が短絡すると、前記制御回路を駆動させることを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記固定部は、前記第1のホルダに設けられた被吸着体と、前記制御回路の終端に接続され、前記被吸着体を磁気的に吸着する吸着部とを有しており、
前記駆動部は、前記吸着部の吸着により前記終端が短絡すると、前記制御回路を駆動させることを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御回路に電気的に接続され、前記折り畳み部が折り畳まれた状態で外部から視認可能な表示手段をさらに有し、
前記制御回路は、駆動開始時に、前記ICカードが前記カード収納部に挿入されているか否かを示す情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の端末装置。
【請求項5】
前記制御回路は、駆動開始時に、前記ICカードが前記カード収納部に挿入されていない場合に報知する報知手段を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−113131(P2011−113131A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266486(P2009−266486)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】