端末連携利用システム、その装置及びプログラム
【課題】自身の携帯端末を持ち歩くのみで、複雑な操作や設定を行うことなく、移動先の据え置き端末において同様なサービスやコンテンツの利用を、そのリソースを有効活用した上で可能とすること。
【解決手段】携帯端末100に、据え置き端末用プログラム格納部102と、携帯端末用プログラム格納部103と、プログラム切替部106と、操作端末として携帯端末を用いるか据え置き端末を用いるかを決定し、プログラム切替部106を制御するとともに据え置き端末の環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する入出力切替部107と、据え置き端末から環境情報を取得する端末環境情報取得部113と、取得した据え置き端末の環境情報を入出力切替部107に通知する端末環境情報通知部114とを設けることにより、据え置き端末の環境に適したプログラムや表示データによるサービスやコンテンツの利用が可能となる。
【解決手段】携帯端末100に、据え置き端末用プログラム格納部102と、携帯端末用プログラム格納部103と、プログラム切替部106と、操作端末として携帯端末を用いるか据え置き端末を用いるかを決定し、プログラム切替部106を制御するとともに据え置き端末の環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する入出力切替部107と、据え置き端末から環境情報を取得する端末環境情報取得部113と、取得した据え置き端末の環境情報を入出力切替部107に通知する端末環境情報通知部114とを設けることにより、据え置き端末の環境に適したプログラムや表示データによるサービスやコンテンツの利用が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末と据え置き端末とを連携させて利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に携帯電話等の移動通信端末(以下、携帯端末と称す。)は、Webの閲覧、メールの送受信などのサービスの利用や、画像、動画や音楽の再生又は記録などのコンテンツの利用が可能である。しかし、携帯性重視のために表示画面が小さく、また、入力を行うための操作キーが小さく、その数も少ないという欠点がある。
【0003】
一方、PC(パーソナルコンピュータ)やTVなどを始めとする据え置き端末は、表示画面も大きく、また、操作キーの大きさや数も充実しているが、移動先(ネットカフェ、会社や自宅)で利用できる据え置き端末の場合、端末毎にその環境(ハードウェア構成や使用可能なプログラムの種類、接続されている通信回線の種類(通信速度)など)が異なるため、どの移動先でも同様なサービスやコンテンツの利用ができるという保証はない。
【0004】
このような携帯端末と据え置き端末の両者の欠点を補い、利用者の利便性や操作性の向上を図る技術がいくつか提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、携帯電話と接続したPCから携帯電話内のプログラムを遠隔起動し、当該プログラムによりコンテンツを表示データに変換した後、PCに送信することにより、PC側にコンテンツを表示データに変換するプログラムがなくても、PCの表示装置にコンテンツを表示できる技術が提案されている。
【特許文献1】特開2006−148625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の技術では、利用者は自身の携帯端末を持ち歩くのみで、移動先に設置された据え置き端末において同様なサービスやコンテンツの利用が可能となり、携帯端末や据え置き端末をそれぞれ単独で用いる場合に比べれば利用者の利便性や操作性を向上させることができるものの、据え置き端末のリソース(資源)を活用し切れていないという問題があった。
【0007】
例えば、据え置き端末の表示画面の大きさやOS及びそのバージョンなどに適したプログラムや表示データによるサービスやコンテンツの利用ができない、また、最適なNW接続手段の選択(PC経由か携帯電話経由か)や、据え置き端末が接続された固定回線の情報(地域情報、収容位置など)が活用できていない、また、据え置き端末の表示画面の大きさや通信速度などに適したサーバ上のコンテンツが利用できない、などが挙げられる。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、利用者は自身の携帯端末を持ち歩くのみで、複雑な操作や設定を行うことなく、移動先の据え置き端末において同様なサービスやコンテンツの利用を、そのリソースを有効活用した上で可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、ユーザに携帯・所持されるとともに移動網に接続された携帯端末と、ユーザの移動先に設置されるとともに固定網に接続された据え置き端末と、これらを直接、通信可能に接続する近距離通信回線とを少なくとも備え、携帯端末もしくは据え置き端末によるサービスやコンテンツの利用を、携帯端末と据え置き端末との間で近距離通信回線を介して送受信される情報に基づいて制御する端末連携利用システムであって、携帯端末は、据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を要求し、取得する端末環境情報取得部と、据え置き端末の端末環境情報に適したプログラムを格納する据え置き端末用プログラム格納部と、携帯端末単体でサービスやコンテンツを利用する際に使用するプログラムを格納する携帯端末用プログラム格納部と、据え置き端末用プログラム格納部または携帯端末用プログラム格納部のいずれに格納されたプログラムを実行するかを切り替えるプログラム切替部と、操作端末として携帯端末を用いるか据え置き端末を用いるかを決定してプログラム切替部を制御するとともに、据え置き端末の端末環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する入出力切替部と、取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知する端末環境情報通知部とを有し、据え置き端末は、端末環境情報を格納する端末情報格納部と、携帯端末からの要求に応じて端末情報格納部から端末環境情報を読み出し、携帯端末に通知する制御部とを有することを特徴とする。
【0010】
このような構成とすることで、据え置き端末の環境に適したプログラムや表示データによるサービスやコンテンツの利用が可能となる。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明では、前記に加え、移動網上に配置され、携帯端末の位置情報を提供する位置情報決定部を有する位置情報サーバと、固定網上に配置され、据え置き端末が接続している回線情報を提供する回線情報決定部を有する回線識別サーバとを備え、携帯端末は、前記に加え、携帯端末経由のNW接続である移動網と据え置き端末経由のNW接続である固定網とのNWの切り替えを行うNW切替部と、携帯端末の位置情報を位置情報サーバから取得するとともに、据え置き端末が接続された回線情報を回線識別サーバから取得する位置情報取得部とを有することを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることで、最適なNW接続手段の選択や、据え置き端末が接続された固定回線の情報の活用が可能となる。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明では、前記に加え、携帯端末及び据え置き端末と移動網もしくは固定網を介して通信可能であって、携帯端末より通知された操作端末の端末環境情報を格納するユーザ操作端末情報格納部と、前記端末環境情報に基づいて提供するコンテンツを選択し、これを携帯端末に送信する制御部とを有するアプリケーションサーバを備え、携帯端末は、取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知するとともに、据え置き端末の端末環境情報に適したサービスやコンテンツを利用するためにアプリケーションサーバに通知する端末環境情報通知部を有することを特徴とする。
【0014】
このような構成とすることで、据え置き端末の環境に適したサーバ上のサービスやコンテンツの利用が可能となる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明では、携帯端末は、前記に加え、据え置き端末にデータの経路選択機能を担わせるためのドライバ及び当該ドライバを据え置き端末に自動導入させるためのプログラムを格納するNWドライバ格納部を有することを特徴とする。また、据え置き端末のOSなど環境情報の変化に伴い、データ表示やキー入力操作を実現する上で据え置き端末側に必要となるプログラムを追加する機能も前記プログラムに含まれるようにしても良い。
【0016】
このような構成とすることで、携帯端末と据え置き端末とを接続した際に、ユーザは複雑な操作や設定をせずとも必要な設定を自動的に行えるようにできる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明では、据え置き端末は、複数の端末環境情報をそれぞれ固有のIDとともに格納する端末情報格納部と、動的な端末環境情報を取得する端末情報取得部と、携帯端末からの要求に応じて、その時点の環境情報に対応する環境情報ID、またはその時点の環境情報IDに対応する端末環境情報を端末情報格納部から読み出して、もしくは端末情報取得部を用いて取得した動的な端末環境情報を、携帯端末に通知する制御部とを有し、携帯端末は、前記に加え、端末環境情報取得部により据え置き端末から取得した端末環境情報を環境情報IDとともに蓄積する端末環境情報蓄積部を有するとともに、据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を、環境情報IDのみ、またはIDを含めた端末環境情報全体、もしくは動的な端末環境情報のいずれかを切り替えて要求し、取得する端末環境情報取得部を有することを特徴とする。
【0018】
このような構成とすることで、携帯端末と接続した据え置き端末の環境がそれ以前に接続した時と同じであれば、環境情報IDをやりとりするのみで良く、環境情報の取得やそれに伴う処理が不要となるとともに、実効的な通信速度などの動的な端末環境情報を取得できるため、要求時点の環境に対して最適化されたサービスやコンテンツを利用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の端末連携利用システムによれば、携帯端末と据え置き端末を組み合わせて利用する際に、最適なNW接続手段(移動網経由か固定網経由)の選択をし、なおかつ端末環境情報やNW情報をもとに利用できるサービスを適宜変化させることができる。さらに、上記のことを実現する際にユーザは複雑な操作や設定をする必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る端末連携利用システムについて、図面を参照して説明する。
【0021】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムの構成を示すもので、本端末連携利用システムは、ユーザに携帯・所持される携帯端末100と、ユーザの移動先に設置される据え置き端末200と、携帯端末100及び据え置き端末200を直接、通信可能に接続する近距離通信回線300と、携帯端末100を収容(接続)する移動網400と、据え置き端末200を収容(接続)する固定網500と、携帯端末100及び据え置き端末200と移動網400もしくは固定網500を介して接続可能なネットワーク(図示せず)上に配置されたアプリケーションサーバ600と、移動網400上に配置された位置情報サーバ700と、固定網500上に配置された回線識別サーバ800とを備えて構成されている。
【0022】
なお、近距離通信回線300とは、USBケーブル、Bluetooth(登録商標)、WirelessUSB、赤外線等の、端末同士を直接、通信可能に接続する通信手段のことであり、どの手段を用いても構わない。また、図1では据え置き端末を1台のみ示しているが、ユーザの移動先が複数であれば、各移動先に設置された複数の据え置き端末が対象となることはいうまでもない。
【0023】
図2は本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末100の構成を示すもので、携帯端末100は、データ格納部101、据え置き端末用(PC用)プログラム格納部102、携帯端末用(携帯用)プログラム格納部103、実行部104、ネットワーク(NW)切替部105、プログラム切替部106、入出力切替部107、移動網接続インタフェース108、PAN(Personal Area Network)インタフェース109、NWドライバ格納部110、入力部111、表示部112、端末環境情報取得部113、端末環境情報通知部114及び位置情報取得部115を含んで構成されている。
【0024】
データ格納部101は、移動網400から直接もしくは固定網500から据え置き端末200を経由して転送されてきたデータを格納する。PC用プログラム格納部102は、据え置き端末200経由でサービスやコンテンツを利用する際に使用する、据え置き端末の端末環境情報に適したプログラムを格納する。携帯用プログラム格納部103は、携帯端末単体でサービスやコンテンツを利用する際に使用するプログラムを格納する。実行部104は、データ格納部101に格納されたデータを用いて、PC用プログラム格納部102もしくは携帯用プログラム格納部103に格納されたプログラムを実行する。
【0025】
NW切替部105は、移動網接続インタフェース108を介して移動網400に接続するか、PANインタフェース109を介して据え置き端末200経由で固定網500に接続するかの切替を行う。プログラム切替部106は、PC用プログラム格納部102もしくは携帯用プログラム格納部103のいずれに格納されたプログラムを実行部104で実行するかを切り替える。入出力切替部107は、操作端末として携帯端末100を用いるか据え置き端末200を用いるかを決定してプログラム切替部106を制御するとともに、据え置き端末の端末環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する。
【0026】
移動網接続インタフェース108は、移動網400に接続するためのインタフェースである。PANインタフェース109は、前述した近距離通信回線300を介して据え置き端末200と通信するためのインタフェースである。NWドライバ格納部110は、固定網500及び据え置き端末200経由でデータ通信を行う場合において、据え置き端末200にデータの経路選択機能を担わせるためのドライバ及び当該ドライバを据え置き端末200に自動導入させるためのプログラムを格納する。
【0027】
入力部111はユーザからの入力を受け付ける操作キー等である。表示部112は情報をユーザに出力(提示)するディスプレイ等である。
【0028】
端末環境情報取得部113は、据え置き端末200にその環境に関する情報である端末環境情報を要求し、取得する。端末環境情報通知部114は、端末環境情報取得部113で取得した端末環境情報を、据え置き端末200の端末環境に適したデータを作成する(データ加工に用いるパラメータを決定する)ために入出力切替部107に通知するとともに、据え置き端末200の端末環境情報に適したコンテンツを利用するために(要求に応じて)アプリケーションサーバ600に通知する。位置情報取得部115は、携帯端末100の位置情報を位置情報サーバ700から、NW切替部105及び移動網インタフェース108を介して移動網400経由で取得するとともに、据え置き端末200が接続された回線情報を回線識別サーバ800から、NW切替部105及びPANインタフェース109を介して据え置き端末200及び固定網500経由で取得する。
【0029】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る据え置き端末200の構成を示すもので、据え置き端末200は、同図(a)に示すようにドライバ導入部201、主記憶部202、端末情報格納部203、PANインタフェース204、LANインタフェース205、制御部206、入力部207及び表示部208を含んで構成され、また、同図(b)に示すようにドライバ導入部201は、経路情報保持部209及び経路制御部210を含んで構成されている。
【0030】
ドライバ導入部201は、携帯端末100において当該据え置き端末200を介し、固定網500経由でサービスやコンテンツを利用する際に当該据え置き端末200にデータの経路選択機能を担わせるためのもので、経路情報保持部209は経路情報(経路表)を保持し、また、経路制御部210は導入されたドライバにより経路情報の設定を行い、これを経路情報保持部209に対して保持させるとともに、該設定・保持させた経路情報に従って伝送データの経路制御を行う。
【0031】
主記憶部202は、各種のプログラムや伝送データなどを一時的に記憶する。端末情報格納部203は、当該据え置き端末200のハードウェア構成、OSやそのバージョン、通信速度などからなる端末環境情報を格納する。
【0032】
PANインタフェース204は、前述した近距離通信回線300を介して携帯端末100と通信するためのインタフェースである。LANインタフェース205は、据え置き端末200が設置された場所に設けられたLAN(図示せず)を介して固定網500に接続するためのインタフェースである。制御部206は、携帯端末100からの要求に応じて端末情報格納部203から端末環境情報を読み出し、携帯端末100に通知するとともに、ドライバ導入部201への前述したドライバの導入を行う。
【0033】
入力部207はユーザからの入力を受け付けるキーボードやマウス等である。表示部208は情報をユーザに出力(提示)するディスプレイ等である。
【0034】
図4は本発明の第1の実施の形態に係るアプリケーションサーバ600、位置情報サーバ700及び回線識別サーバ800の構成を示すもので、アプリケーションサーバ600は、同図(a)に示すようにコンテンツ格納部601、ユーザ操作端末情報格納部602、制御部603及びNWインタフェース604を含んで構成され、また、位置情報サーバ700は、同図(b)に示すように位置情報格納部701、位置情報決定部702及びNWインタフェース703を含んで構成され、また、回線識別サーバ800は、同図(c)に示すように回線情報格納部801、回線情報決定部802及びNWインタフェース803を含んで構成されている。
【0035】
コンテンツ格納部601は、ユーザに提供する各種のサービスやコンテンツ(のデータ)を格納する。ユーザ操作端末情報格納部602は、携帯端末100より通知された操作端末の端末環境情報を格納する。制御部603は、前記端末環境情報に基づいて提供するサービスやコンテンツ(のデータ)を選択し、これを携帯端末100に送信する。
【0036】
位置情報格納部701は、携帯端末100が位置する位置情報を格納する。位置情報決定部702は、要求に応じて携帯端末の位置情報を提供する。
【0037】
回線情報格納部801は、据え置き端末200が接続している回線情報を格納する。回線情報決定部802は、要求に応じて据え置き端末200が接続している回線情報を提供する。
【0038】
NWインタフェース604、703及び803は、アプリケーションサーバ600、位置情報サーバ700及び回線識別サーバ800がそれぞれ、アプリケーションサーバ600を収容するNW(図示せず)、移動網400及び固定網500と接続するためのインタフェースである。
【0039】
図5は本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける携帯端末100と据え置き端末とが直接接続された時の動作の流れを示すもので、以下、図1乃至図4に示すシステム及び各装置のブロック図とともに、本端末連携利用システムの動作を説明する。
【0040】
まず、携帯端末100と据え置き端末200とが近距離通信回線300を介して直接接続される(ステップS101)と、携帯端末100の入出力切替部107にて実際にデータのやり取りが可能であるかが判定され、利用者が操作している端末を決定する(ステップS102)。操作端末が携帯端末100であると決定された場合は、ステップS117へと遷移する。一方、操作端末が据え置き端末200であると決定されると、端末環境情報取得部113は据え置き端末200に対しその端末環境情報、ここではOSやバージョン情報をPANインタフェース109を介して要求する(ステップS103)。据え置き端末200では、前記要求を受信すると、制御部206により端末情報格納部203からハードウェア構成、OSやそのバージョンなどに関する情報を読み出し、これをPANインタフェース204を介して携帯端末100に通知する(ステップS104)。通知された端末環境情報は携帯端末100の端末環境情報取得部113に操作端末のOS/バージョン情報として保存される(ステップS105)。
【0041】
据え置き端末200に接続された固定網500経由でサービスやコンテンツを利用する場合、固定網500からの受信データは携帯端末100に送信し、携帯端末100からの送信データは固定網500に送信するように、据え置き端末200はデータの経路選択機能を担うものとする。このため、経路選択機能を備えるために必要となる経路表やドライバが据え置き端末200に導入されている必要がある。そこで、携帯端末100の入出力切替部107は据え置き端末200に適切なドライバが導入されているかを確認要求し(ステップS106)、据え置き端末200の制御部206はドライバ導入部201にドライバが導入済みかを確認する(ステップS107)。ドライバが既に導入されている場合は、ステップS111に遷移し、ドライバが未導入の場合は、PANインタフェース204を介して携帯端末100にドライバを要求する(ステップS108)。
【0042】
携帯端末100では、入出力切替部107によりNWドライバ格納部110に格納されているドライバの中から、ステップS104,S105にて確認した据え置き端末200の環境に適したドライバを読み出して送り返し(ステップS109)、据え置き端末200ではドライバ導入部201へのドライバ導入が行われる(ステップS110)。
【0043】
ドライバ導入部201の経路制御部210は、導入済みもしくはステップS110にて導入したドライバにて経路設定を行うため、携帯端末100に対し、そのIPアドレスなどの情報をPANインタフェース204を介して要求し(ステップS111)、携帯端末100から返信された(ステップS112)情報を基に、経路情報保持部209にて経路情報の設定を行った(ステップS113)後、設定の結果を携帯端末100に通知する(ステップS114)。
【0044】
携帯端末100の端末環境情報取得部113は、ステップS114にて経路設定の完了通知を受けると、操作端末である据え置き端末200の表示画面の大きさや固定網経由での通信速度など、利用状況の確認要求を行う(ステップS115)。一方、要求を受けた据え置き端末200の制御部206は、表示部208や経路制御部210から必要な情報を収集し、携帯端末100に操作端末の利用状況として通知する(ステップS116)。
【0045】
また、携帯端末100では、取得した端末環境情報を、端末環境情報通知部114により入出力切替部107へ通知し、表示データの加工に用いるパラメータを決定する(ステップS117)。これは、据え置き端末に適した状態に表示データを加工するもので、例えば携帯端末用の低解像度の表示データを、据え置き端末の高解像度の表示装置用に変換することが出来る。
【0046】
さらに、入出力切替部107にて表示装置を決定する(ステップS118)ことで、操作端末が携帯端末100の場合はステップS122へ遷移し、表示部112に表示される。操作端末が据え置き端末200の場合には、ステップS117のパラメータをもとに表示データの加工(ステップS119)を行い、表示に適したデータを表示信号として据え置き端末200に送信する(ステップS120)。制御部206では、受信したデータが表示信号であると判定し、表示部208に受け渡し、表示される(ステップS121)。
【0047】
図6は本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける具体的なサービスを利用する際の動作の流れを示すもので、以下、図1乃至図4に示すシステム及び各装置のブロック図とともに、本端末連携利用システムの動作を説明する。
【0048】
ここでいう具体的なサービスとは、特定業者により家庭内の監視作業を行う位置限定サービス(遠隔監視システム)を指す。この場合、特定業者の監視員が適切な場所として事業所からアクセスしているかを確認するものであり、事業所以外からのアクセスなど、不正がされないようにするためのものである。
【0049】
なお、携帯端末100と据え置き端末200とは近距離通信回線300を介して既に接続されており、据え置き端末200を介して固定網500経由でネットワーク上のサービスを利用するものとする。
【0050】
また、ここでシーケンス図には示さないが、アプリケーションサーバ600へのデータ送信の際には、携帯端末100から近距離通信回線300を介して据え置き端末200に送信されたデータが、経路制御部210にてアプリケーションサーバ600へと経路決定されている。逆にアプリケーションサーバ600から据え置き端末200が受信したデータは携帯端末100へと経路決定されている。
【0051】
また同様に、回線識別サーバ800へのデータ送信の際には、携帯端末100から近距離通信回線300を介して据え置き端末200に送信されたデータが、経路制御部210にて回線識別サーバ800へと経路決定されている。逆に回線識別サーバ800から据え置き端末200が受信したデータは携帯端末100へと経路決定されている。
【0052】
まず、利用者が据え置き端末200の入力部207より携帯端末100内のブラウザ起動要求を行う(ステップS201)。要求を受信したプログラム切替部106は、実行部104を介してPC用プログラム格納部102内のブラウザを起動する(ステップS202)。また、入出力切替部107において表示装置を据え置き端末200の表示部208と決定し(ステップS203)、前述したステップS117にて決定したパラメータに従い、表示データを加工し(ステップS204)、これをPANインタフェース109を介して近距離通信回線300経由で据え置き端末200に送信する(ステップS205)。据え置き端末200の制御部206では表示データと判断し、表示部208にて表示を行う(ステップS206)。
【0053】
次に、業者の監視員が据え置き端末200の入力部207より監視先のURLを入力する(ステップS207)と、携帯端末100内のブラウザより目的のサーバ、ここではアプリケーションサーバ600へとアクセス要求が送信される(ステップS208)。アクセス要求を受けたアプリケーションサーバ600はアクセスに必要なデータを携帯端末100へ送信し(ステップS209)、携帯端末100ではこのデータをもとに、実行部104のプログラムにて位置情報の要否を判定する(ステップS210)。もし、位置情報が必要とされない場合は、ステップS225へ遷移する。
【0054】
位置情報が必要な場合、位置情報取得部115はNW切替部105にてNWを切り替え、移動網接続インタフェース108を介して移動網400経由で位置情報サーバ700に位置情報の要求を行う(ステップS211)。位置情報サーバ700では、携帯端末100の位置を判定し(ステップS212)、位置情報として携帯端末100に通知する(ステップS213)。さらに、位置情報取得部115は、据え置き端末200が接続されている固定網の設置位置を確認するために、固定網500経由で回線識別サーバ800に位置情報の要求を行う(ステップS214)。要求を受けた回線識別サーバ800では、接続中の固定網の位置を判定し(ステップS215)、位置情報として携帯端末100に通知する(ステップS216)。
【0055】
実行部104は移動網400及び固定網500の両者から得られた位置情報をもとにアプリケーションサーバ600に位置照合の要求を行い(ステップS217)、アプリケーションサーバ600にて両方の位置が同じ場所でないと判定された場合(ステップS218)、位置照合結果を携帯端末100に通知する(ステップS219)。さらに、入出力切替部107において表示装置を据え置き端末200の表示部208と決定し(ステップS220)、前述したステップS117にて決定したパラメータに従い、表示データを加工し(ステップS221)、これをPANインタフェース109を介して近距離通信回線300経由で据え置き端末200に送信する(ステップS222)。据え置き端末200の制御部206では表示データと判断し、表示部208にて表示を行う(ステップS223)。一方、ステップS219にて位置の照合結果が一致と判断された場合、実行部104では、位置照合の結果を受信した(ステップS224)後、サービス要求をアプリケーションサーバ600に送信する(ステップS225)。
【0056】
さらに、アプリケーションサーバ600からの端末利用状況の要求(ステップS226)に応じて、端末環境情報通知部114は、据え置き端末200の表示部208の解像度やLANインタフェース経由の通信速度をアプリケーションサーバ600に送信する(ステップS227)。アプリケーションサーバ600では、受信した端末利用状況の情報に応じて最適なアプリケーション(コンテンツ)を決定し(ステップS228)、提供する(ステップS229)。携帯端末100では入出力切替部107により、据え置き端末200用に表示データを加工して送信し(ステップS230,S231,S222)、据え置き端末200では受信したデータを表示部208にて表示する(ステップS233)。
【0057】
ここで、最適なアプリケーションについて、携帯端末100を単体で利用する場合と据え置き端末200と組み合わせて使う場合とで比較してみる。携帯端末100を単体で操作し、サービスを利用する場合では、携帯端末100の表示部112は据え置き端末200の表示部208と比較して小さく、移動網接続インタフェース108を経由してのデータ通信速度は固定網経由と比較して低速であると考えられる。そのため、携帯端末100の単体利用時には、解像度が荒く、ビットレートの低い動画が再生されるのに対して、据え置き端末200と組み合わせて使う場合には、より高解像度でビットレートの高い高品質の動画サービスが受けられる。
【0058】
<第2の実施の形態>
PCのような据え置き端末の場合、同じ据え置き端末であってもその時々で環境が変更される可能性がある。例えばノートPCを無線LAN接続で使う場合と、同じノートPCに大型ディスプレイをつなぎ、有線LAN接続で使う場合とでは、画面の大きさと通信速度が異なる。さらに、環境の中には実効的な通信速度のように、据え置き端末自体以外の要因で時々刻々変化し、これによってサービスやコンテンツの利用に影響するものもある。例えば、NWインタフェースの通信速度としては100Mbpsであったとしても、実効値が5Mbpsであれば10Mbpsを必要とする動画再生はできないことになる。
【0059】
そこで、以下、同一の据え置き端末に対して複数の環境情報を扱うことができるとともに、第1の実施の形態で述べたような端末自体のハードウェア構成や設定によって決定される端末環境情報(以下、静的な端末環境情報と呼ぶ。)とともに、主として端末以外の要因によって時々刻々変化するような端末環境情報(以下、動的な端末環境情報と呼ぶ。)を扱うことができる本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムについて図面を参照して説明する。
【0060】
なお、第2の実施の形態に係る端末連携利用システムの構成や手順のうち、第1の実施の形態に係る端末連携利用システムと同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。第2の実施の形態に係る端末連携利用システムのシステム構成は、図1に示される第1の実施の形態の場合と同一である。
【0061】
図7は本発明の第2の実施の形態に係る据え置き端末200の構成を示すものである。ここで、端末情報格納部203は、前述したようにその時々で異なる当該据え置き端末200の複数の端末環境情報(静的な端末環境情報)を、図8に示すようにそれぞれ固有の環境情報ID(1000,1001,…)とともに格納する。また、端末情報取得部211は、要求に応じて動的な端末環境情報、例えば実効的な通信速度を取得する。また、制御部206は、携帯端末100からの要求が後述するように環境情報IDのみであれば(例えば主記憶部202に記憶した)その時点の端末環境情報に対応する環境情報IDを、また、要求が端末環境情報であればその時点の環境情報IDに対応する端末環境情報を端末情報格納部203から読み出して該環境情報IDを含めて、さらにまた、要求が動的な端末環境情報であれば端末情報取得部211を用いて取得した動的な端末環境情報を、携帯端末100に通知するとともに、ドライバ導入部201への前述したドライバの導入を行う。なお、上記以外の構成は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0062】
図9は本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末100の構成を示すものである。ここで、端末環境情報蓄積部116は、図10(a)に示すように、端末環境情報取得部113により据え置き端末200から取得した端末環境情報を上記環境情報IDとともに蓄積する。なお、図10(b)に示すように、携帯側では、据え置き端末200自体のIDと環境情報IDとをセットにして管理・蓄積するようにしても良い。また、端末環境情報取得部113は、据え置き端末200に端末環境情報を要求する際、環境情報IDのみ、またはIDを含めた端末環境情報全体(静的な端末環境情報)、もしくは動的な端末環境情報のいずれかを切り替えて要求するものとする。なお、上記以外の構成は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0063】
図11は本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける携帯端末100と据え置き端末とが直接接続された時の動作の流れを示すもので、以下、図1、図9、図7及び図4に示すシステム及び各装置のブロック図とともに、本端末連携利用システムの動作を説明する。
【0064】
まず、携帯端末100と据え置き端末200とが近距離通信回線300を介して直接接続され(ステップS101)、操作端末が据え置き端末200であると決定される(ステップS102)と、端末環境情報取得部113は据え置き端末200に対しその環境情報IDをPANインタフェース109を介して要求する(ステップS131)。据え置き端末200では、前記要求を受信すると、制御部206によりその時点の環境情報IDをPANインタフェース204を介して携帯端末100に通知する(ステップS132)。
【0065】
携帯端末100では、通知された端末情報IDが端末環境情報蓄積部116に登録済みのIDかどうかを確認する(ステップS133)。前記IDが端末環境情報蓄積部116に登録済み、つまり過去に利用した履歴として残っていれば、ステップS103〜S116の処理、即ち据え置き端末200に対する環境情報取得、ドライバのインストール、経路設定などの処理が省略可能となってSステップ117へ遷移し、処理の高速化が実現される。
【0066】
一方、前記IDが端末環境情報蓄積部116に登録されていなければ、ステップS103以下の処理が第1の実施の形態の場合と同様に実行される。但し、ステップS103ではステップS132で通知されたIDをキーとして対応する端末環境情報を要求するようにしても良く、また、ステップS105では端末環境情報取得部113により取得された端末環境情報をそのIDを含めて端末環境情報蓄積部116に登録するものとする。なお、その後の処理は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0067】
図12は本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける具体的なサービスを利用する際の動作の流れを示すもので、以下、図1、図9、図7及び図4に示すシステム及び各装置のブロック図とともに、本端末連携利用システムの動作を説明する。
【0068】
なお、携帯端末100と据え置き端末200とは近距離通信回線300を介して既に接続され、据え置き端末200の静的な端末環境情報取得(ステップS131、S103、S111、S115)が終了し、さらに携帯端末100ではブラウザが起動され、据え置き端末200及び固定網500経由でアプリケーションサーバ600の動画サイトにログインしている(ステップS301)ものとする。
【0069】
利用者が据え置き端末200の入力部207よりコンテンツ指定キーを入力する(ステップS302)と、携帯端末100の端末環境情報取得部113は据え置き端末200に対し動的な端末環境情報を要求する(ステップS303)。据え置き端末200では、前記要求を受信すると、制御部206により端末情報取得部211を用いてその時点の実効的な通信速度を取得させ、図13に示すように、これをその時点における通信速度以外の端末環境情報とともに携帯端末100に通知する(ステップS304)。通知された動的な端末環境情報は、携帯端末100の端末環境情報取得部113に操作端末の端末環境情報として保存される。
【0070】
その後、携帯端末100の実行部104は、前記入力された指定キーを含むコンテンツ要求をアプリケーションサーバ600に送信する(ステップS305)。また、アプリケーションサーバ600からの端末情報の要求(ステップS306)に応じて、端末環境情報通知部114は、端末環境情報取得部113から現時点での据え置き端末200の表示部208の解像度やLANインタフェース経由の通信速度を読み出し(ステップS307)、アプリケーションサーバ600に送信する(ステップS308)。
【0071】
アプリケーションサーバ600では、受信した端末情報に応じてコンテンツを最適化し(ステップS309)、送信する(ステップS310)。携帯端末100では、実行部104を介してPC用プログラム格納部102内の動画再生プログラムを起動し(ステップS311)、受信したコンテンツを再生する(ステップS312)。さらに、入出力切替部107にて表示装置を決定する(ステップS313)ことで、操作端末が携帯端末100の場合はステップS317へ遷移し、表示部112に表示される。操作端末が据え置き端末200の場合には、前述したステップS117にて決定したパラメータに従い表示データを加工し(ステップS314)、表示に適したデータを表示信号として据え置き端末200に送信する(ステップS315)。制御部206では、受信したデータが表示信号であると判定し、表示部208に受け渡し、表示される(ステップS316)。
【0072】
このように、第2の実施の形態によれば、携帯端末100と接続した据え置き端末200の環境がそれ以前に接続した時と同じであれば、環境情報IDをやりとりするのみで良く、端末環境情報の取得やそれに伴う処理が不要となるとともに、アプリケーションサーバ600に実効的な通信速度などの動的な端末環境情報を提供できるため、要求時点の環境に対して最適化されたサービスやコンテンツを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムのブロック構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末のブロック構成図
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る据え置き端末のブロック構成図
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るアプリケーションサーバ、位置情報サーバ及び回線識別サーバのブロック構成図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける携帯端末と据え置き端末とが直接接続された時の動作の流れを示すシーケンス図
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける具体的なサービスを利用する際の動作の流れを示すシーケンス図
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る据え置き端末のブロック構成図
【図8】図7中の端末情報格納部に格納される端末環境情報の一例を示す説明図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末のブロック構成図
【図10】図9中の端末環境情報蓄積部に登録される端末環境情報の一例を示す説明図
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける携帯端末と据え置き端末とが直接接続された時の動作の流れを示すシーケンス図
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける具体的なサービスを利用する際の動作の流れを示すシーケンス図
【図13】動的な端末環境情報の一例を示す説明図
【符号の説明】
【0074】
100:携帯端末、101:データ格納部、102:据え置き端末用(PC用)プログラム格納部、103:携帯端末用(携帯用)プログラム格納部、104:実行部、105:ネットワーク(NW)切替部、106:プログラム切替部、107:入出力切替部、108:移動網接続インタフェース、109:PANインタフェース、110:NWドライバ格納部、111:入力部、112:表示部、113:端末環境情報取得部、114:端末環境情報通知部、115:位置情報取得部、116:端末環境情報蓄積部、200:据え置き端末、201:ドライバ導入部、202:主記憶部、203:端末情報格納部、204:PANインタフェース、205:LANインタフェース、206:制御部、207:入力部、208:表示部、209:経路情報保持部、210:経路制御部、211:端末情報取得部、300:近距離通信回線、400:移動網、500:固定網、600:アプリケーションサーバ、601:コンテンツ格納部、602:ユーザ操作端末情報格納部、603:制御部、604,703,803:NWインタフェース、700:位置情報サーバ、701:位置情報格納部、702:位置情報決定部、800:回線識別サーバ、801:回線情報格納部、802:回線情報決定部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末と据え置き端末とを連携させて利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に携帯電話等の移動通信端末(以下、携帯端末と称す。)は、Webの閲覧、メールの送受信などのサービスの利用や、画像、動画や音楽の再生又は記録などのコンテンツの利用が可能である。しかし、携帯性重視のために表示画面が小さく、また、入力を行うための操作キーが小さく、その数も少ないという欠点がある。
【0003】
一方、PC(パーソナルコンピュータ)やTVなどを始めとする据え置き端末は、表示画面も大きく、また、操作キーの大きさや数も充実しているが、移動先(ネットカフェ、会社や自宅)で利用できる据え置き端末の場合、端末毎にその環境(ハードウェア構成や使用可能なプログラムの種類、接続されている通信回線の種類(通信速度)など)が異なるため、どの移動先でも同様なサービスやコンテンツの利用ができるという保証はない。
【0004】
このような携帯端末と据え置き端末の両者の欠点を補い、利用者の利便性や操作性の向上を図る技術がいくつか提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、携帯電話と接続したPCから携帯電話内のプログラムを遠隔起動し、当該プログラムによりコンテンツを表示データに変換した後、PCに送信することにより、PC側にコンテンツを表示データに変換するプログラムがなくても、PCの表示装置にコンテンツを表示できる技術が提案されている。
【特許文献1】特開2006−148625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の技術では、利用者は自身の携帯端末を持ち歩くのみで、移動先に設置された据え置き端末において同様なサービスやコンテンツの利用が可能となり、携帯端末や据え置き端末をそれぞれ単独で用いる場合に比べれば利用者の利便性や操作性を向上させることができるものの、据え置き端末のリソース(資源)を活用し切れていないという問題があった。
【0007】
例えば、据え置き端末の表示画面の大きさやOS及びそのバージョンなどに適したプログラムや表示データによるサービスやコンテンツの利用ができない、また、最適なNW接続手段の選択(PC経由か携帯電話経由か)や、据え置き端末が接続された固定回線の情報(地域情報、収容位置など)が活用できていない、また、据え置き端末の表示画面の大きさや通信速度などに適したサーバ上のコンテンツが利用できない、などが挙げられる。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、利用者は自身の携帯端末を持ち歩くのみで、複雑な操作や設定を行うことなく、移動先の据え置き端末において同様なサービスやコンテンツの利用を、そのリソースを有効活用した上で可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、ユーザに携帯・所持されるとともに移動網に接続された携帯端末と、ユーザの移動先に設置されるとともに固定網に接続された据え置き端末と、これらを直接、通信可能に接続する近距離通信回線とを少なくとも備え、携帯端末もしくは据え置き端末によるサービスやコンテンツの利用を、携帯端末と据え置き端末との間で近距離通信回線を介して送受信される情報に基づいて制御する端末連携利用システムであって、携帯端末は、据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を要求し、取得する端末環境情報取得部と、据え置き端末の端末環境情報に適したプログラムを格納する据え置き端末用プログラム格納部と、携帯端末単体でサービスやコンテンツを利用する際に使用するプログラムを格納する携帯端末用プログラム格納部と、据え置き端末用プログラム格納部または携帯端末用プログラム格納部のいずれに格納されたプログラムを実行するかを切り替えるプログラム切替部と、操作端末として携帯端末を用いるか据え置き端末を用いるかを決定してプログラム切替部を制御するとともに、据え置き端末の端末環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する入出力切替部と、取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知する端末環境情報通知部とを有し、据え置き端末は、端末環境情報を格納する端末情報格納部と、携帯端末からの要求に応じて端末情報格納部から端末環境情報を読み出し、携帯端末に通知する制御部とを有することを特徴とする。
【0010】
このような構成とすることで、据え置き端末の環境に適したプログラムや表示データによるサービスやコンテンツの利用が可能となる。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明では、前記に加え、移動網上に配置され、携帯端末の位置情報を提供する位置情報決定部を有する位置情報サーバと、固定網上に配置され、据え置き端末が接続している回線情報を提供する回線情報決定部を有する回線識別サーバとを備え、携帯端末は、前記に加え、携帯端末経由のNW接続である移動網と据え置き端末経由のNW接続である固定網とのNWの切り替えを行うNW切替部と、携帯端末の位置情報を位置情報サーバから取得するとともに、据え置き端末が接続された回線情報を回線識別サーバから取得する位置情報取得部とを有することを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることで、最適なNW接続手段の選択や、据え置き端末が接続された固定回線の情報の活用が可能となる。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明では、前記に加え、携帯端末及び据え置き端末と移動網もしくは固定網を介して通信可能であって、携帯端末より通知された操作端末の端末環境情報を格納するユーザ操作端末情報格納部と、前記端末環境情報に基づいて提供するコンテンツを選択し、これを携帯端末に送信する制御部とを有するアプリケーションサーバを備え、携帯端末は、取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知するとともに、据え置き端末の端末環境情報に適したサービスやコンテンツを利用するためにアプリケーションサーバに通知する端末環境情報通知部を有することを特徴とする。
【0014】
このような構成とすることで、据え置き端末の環境に適したサーバ上のサービスやコンテンツの利用が可能となる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明では、携帯端末は、前記に加え、据え置き端末にデータの経路選択機能を担わせるためのドライバ及び当該ドライバを据え置き端末に自動導入させるためのプログラムを格納するNWドライバ格納部を有することを特徴とする。また、据え置き端末のOSなど環境情報の変化に伴い、データ表示やキー入力操作を実現する上で据え置き端末側に必要となるプログラムを追加する機能も前記プログラムに含まれるようにしても良い。
【0016】
このような構成とすることで、携帯端末と据え置き端末とを接続した際に、ユーザは複雑な操作や設定をせずとも必要な設定を自動的に行えるようにできる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明では、据え置き端末は、複数の端末環境情報をそれぞれ固有のIDとともに格納する端末情報格納部と、動的な端末環境情報を取得する端末情報取得部と、携帯端末からの要求に応じて、その時点の環境情報に対応する環境情報ID、またはその時点の環境情報IDに対応する端末環境情報を端末情報格納部から読み出して、もしくは端末情報取得部を用いて取得した動的な端末環境情報を、携帯端末に通知する制御部とを有し、携帯端末は、前記に加え、端末環境情報取得部により据え置き端末から取得した端末環境情報を環境情報IDとともに蓄積する端末環境情報蓄積部を有するとともに、据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を、環境情報IDのみ、またはIDを含めた端末環境情報全体、もしくは動的な端末環境情報のいずれかを切り替えて要求し、取得する端末環境情報取得部を有することを特徴とする。
【0018】
このような構成とすることで、携帯端末と接続した据え置き端末の環境がそれ以前に接続した時と同じであれば、環境情報IDをやりとりするのみで良く、環境情報の取得やそれに伴う処理が不要となるとともに、実効的な通信速度などの動的な端末環境情報を取得できるため、要求時点の環境に対して最適化されたサービスやコンテンツを利用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の端末連携利用システムによれば、携帯端末と据え置き端末を組み合わせて利用する際に、最適なNW接続手段(移動網経由か固定網経由)の選択をし、なおかつ端末環境情報やNW情報をもとに利用できるサービスを適宜変化させることができる。さらに、上記のことを実現する際にユーザは複雑な操作や設定をする必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る端末連携利用システムについて、図面を参照して説明する。
【0021】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムの構成を示すもので、本端末連携利用システムは、ユーザに携帯・所持される携帯端末100と、ユーザの移動先に設置される据え置き端末200と、携帯端末100及び据え置き端末200を直接、通信可能に接続する近距離通信回線300と、携帯端末100を収容(接続)する移動網400と、据え置き端末200を収容(接続)する固定網500と、携帯端末100及び据え置き端末200と移動網400もしくは固定網500を介して接続可能なネットワーク(図示せず)上に配置されたアプリケーションサーバ600と、移動網400上に配置された位置情報サーバ700と、固定網500上に配置された回線識別サーバ800とを備えて構成されている。
【0022】
なお、近距離通信回線300とは、USBケーブル、Bluetooth(登録商標)、WirelessUSB、赤外線等の、端末同士を直接、通信可能に接続する通信手段のことであり、どの手段を用いても構わない。また、図1では据え置き端末を1台のみ示しているが、ユーザの移動先が複数であれば、各移動先に設置された複数の据え置き端末が対象となることはいうまでもない。
【0023】
図2は本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末100の構成を示すもので、携帯端末100は、データ格納部101、据え置き端末用(PC用)プログラム格納部102、携帯端末用(携帯用)プログラム格納部103、実行部104、ネットワーク(NW)切替部105、プログラム切替部106、入出力切替部107、移動網接続インタフェース108、PAN(Personal Area Network)インタフェース109、NWドライバ格納部110、入力部111、表示部112、端末環境情報取得部113、端末環境情報通知部114及び位置情報取得部115を含んで構成されている。
【0024】
データ格納部101は、移動網400から直接もしくは固定網500から据え置き端末200を経由して転送されてきたデータを格納する。PC用プログラム格納部102は、据え置き端末200経由でサービスやコンテンツを利用する際に使用する、据え置き端末の端末環境情報に適したプログラムを格納する。携帯用プログラム格納部103は、携帯端末単体でサービスやコンテンツを利用する際に使用するプログラムを格納する。実行部104は、データ格納部101に格納されたデータを用いて、PC用プログラム格納部102もしくは携帯用プログラム格納部103に格納されたプログラムを実行する。
【0025】
NW切替部105は、移動網接続インタフェース108を介して移動網400に接続するか、PANインタフェース109を介して据え置き端末200経由で固定網500に接続するかの切替を行う。プログラム切替部106は、PC用プログラム格納部102もしくは携帯用プログラム格納部103のいずれに格納されたプログラムを実行部104で実行するかを切り替える。入出力切替部107は、操作端末として携帯端末100を用いるか据え置き端末200を用いるかを決定してプログラム切替部106を制御するとともに、据え置き端末の端末環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する。
【0026】
移動網接続インタフェース108は、移動網400に接続するためのインタフェースである。PANインタフェース109は、前述した近距離通信回線300を介して据え置き端末200と通信するためのインタフェースである。NWドライバ格納部110は、固定網500及び据え置き端末200経由でデータ通信を行う場合において、据え置き端末200にデータの経路選択機能を担わせるためのドライバ及び当該ドライバを据え置き端末200に自動導入させるためのプログラムを格納する。
【0027】
入力部111はユーザからの入力を受け付ける操作キー等である。表示部112は情報をユーザに出力(提示)するディスプレイ等である。
【0028】
端末環境情報取得部113は、据え置き端末200にその環境に関する情報である端末環境情報を要求し、取得する。端末環境情報通知部114は、端末環境情報取得部113で取得した端末環境情報を、据え置き端末200の端末環境に適したデータを作成する(データ加工に用いるパラメータを決定する)ために入出力切替部107に通知するとともに、据え置き端末200の端末環境情報に適したコンテンツを利用するために(要求に応じて)アプリケーションサーバ600に通知する。位置情報取得部115は、携帯端末100の位置情報を位置情報サーバ700から、NW切替部105及び移動網インタフェース108を介して移動網400経由で取得するとともに、据え置き端末200が接続された回線情報を回線識別サーバ800から、NW切替部105及びPANインタフェース109を介して据え置き端末200及び固定網500経由で取得する。
【0029】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る据え置き端末200の構成を示すもので、据え置き端末200は、同図(a)に示すようにドライバ導入部201、主記憶部202、端末情報格納部203、PANインタフェース204、LANインタフェース205、制御部206、入力部207及び表示部208を含んで構成され、また、同図(b)に示すようにドライバ導入部201は、経路情報保持部209及び経路制御部210を含んで構成されている。
【0030】
ドライバ導入部201は、携帯端末100において当該据え置き端末200を介し、固定網500経由でサービスやコンテンツを利用する際に当該据え置き端末200にデータの経路選択機能を担わせるためのもので、経路情報保持部209は経路情報(経路表)を保持し、また、経路制御部210は導入されたドライバにより経路情報の設定を行い、これを経路情報保持部209に対して保持させるとともに、該設定・保持させた経路情報に従って伝送データの経路制御を行う。
【0031】
主記憶部202は、各種のプログラムや伝送データなどを一時的に記憶する。端末情報格納部203は、当該据え置き端末200のハードウェア構成、OSやそのバージョン、通信速度などからなる端末環境情報を格納する。
【0032】
PANインタフェース204は、前述した近距離通信回線300を介して携帯端末100と通信するためのインタフェースである。LANインタフェース205は、据え置き端末200が設置された場所に設けられたLAN(図示せず)を介して固定網500に接続するためのインタフェースである。制御部206は、携帯端末100からの要求に応じて端末情報格納部203から端末環境情報を読み出し、携帯端末100に通知するとともに、ドライバ導入部201への前述したドライバの導入を行う。
【0033】
入力部207はユーザからの入力を受け付けるキーボードやマウス等である。表示部208は情報をユーザに出力(提示)するディスプレイ等である。
【0034】
図4は本発明の第1の実施の形態に係るアプリケーションサーバ600、位置情報サーバ700及び回線識別サーバ800の構成を示すもので、アプリケーションサーバ600は、同図(a)に示すようにコンテンツ格納部601、ユーザ操作端末情報格納部602、制御部603及びNWインタフェース604を含んで構成され、また、位置情報サーバ700は、同図(b)に示すように位置情報格納部701、位置情報決定部702及びNWインタフェース703を含んで構成され、また、回線識別サーバ800は、同図(c)に示すように回線情報格納部801、回線情報決定部802及びNWインタフェース803を含んで構成されている。
【0035】
コンテンツ格納部601は、ユーザに提供する各種のサービスやコンテンツ(のデータ)を格納する。ユーザ操作端末情報格納部602は、携帯端末100より通知された操作端末の端末環境情報を格納する。制御部603は、前記端末環境情報に基づいて提供するサービスやコンテンツ(のデータ)を選択し、これを携帯端末100に送信する。
【0036】
位置情報格納部701は、携帯端末100が位置する位置情報を格納する。位置情報決定部702は、要求に応じて携帯端末の位置情報を提供する。
【0037】
回線情報格納部801は、据え置き端末200が接続している回線情報を格納する。回線情報決定部802は、要求に応じて据え置き端末200が接続している回線情報を提供する。
【0038】
NWインタフェース604、703及び803は、アプリケーションサーバ600、位置情報サーバ700及び回線識別サーバ800がそれぞれ、アプリケーションサーバ600を収容するNW(図示せず)、移動網400及び固定網500と接続するためのインタフェースである。
【0039】
図5は本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける携帯端末100と据え置き端末とが直接接続された時の動作の流れを示すもので、以下、図1乃至図4に示すシステム及び各装置のブロック図とともに、本端末連携利用システムの動作を説明する。
【0040】
まず、携帯端末100と据え置き端末200とが近距離通信回線300を介して直接接続される(ステップS101)と、携帯端末100の入出力切替部107にて実際にデータのやり取りが可能であるかが判定され、利用者が操作している端末を決定する(ステップS102)。操作端末が携帯端末100であると決定された場合は、ステップS117へと遷移する。一方、操作端末が据え置き端末200であると決定されると、端末環境情報取得部113は据え置き端末200に対しその端末環境情報、ここではOSやバージョン情報をPANインタフェース109を介して要求する(ステップS103)。据え置き端末200では、前記要求を受信すると、制御部206により端末情報格納部203からハードウェア構成、OSやそのバージョンなどに関する情報を読み出し、これをPANインタフェース204を介して携帯端末100に通知する(ステップS104)。通知された端末環境情報は携帯端末100の端末環境情報取得部113に操作端末のOS/バージョン情報として保存される(ステップS105)。
【0041】
据え置き端末200に接続された固定網500経由でサービスやコンテンツを利用する場合、固定網500からの受信データは携帯端末100に送信し、携帯端末100からの送信データは固定網500に送信するように、据え置き端末200はデータの経路選択機能を担うものとする。このため、経路選択機能を備えるために必要となる経路表やドライバが据え置き端末200に導入されている必要がある。そこで、携帯端末100の入出力切替部107は据え置き端末200に適切なドライバが導入されているかを確認要求し(ステップS106)、据え置き端末200の制御部206はドライバ導入部201にドライバが導入済みかを確認する(ステップS107)。ドライバが既に導入されている場合は、ステップS111に遷移し、ドライバが未導入の場合は、PANインタフェース204を介して携帯端末100にドライバを要求する(ステップS108)。
【0042】
携帯端末100では、入出力切替部107によりNWドライバ格納部110に格納されているドライバの中から、ステップS104,S105にて確認した据え置き端末200の環境に適したドライバを読み出して送り返し(ステップS109)、据え置き端末200ではドライバ導入部201へのドライバ導入が行われる(ステップS110)。
【0043】
ドライバ導入部201の経路制御部210は、導入済みもしくはステップS110にて導入したドライバにて経路設定を行うため、携帯端末100に対し、そのIPアドレスなどの情報をPANインタフェース204を介して要求し(ステップS111)、携帯端末100から返信された(ステップS112)情報を基に、経路情報保持部209にて経路情報の設定を行った(ステップS113)後、設定の結果を携帯端末100に通知する(ステップS114)。
【0044】
携帯端末100の端末環境情報取得部113は、ステップS114にて経路設定の完了通知を受けると、操作端末である据え置き端末200の表示画面の大きさや固定網経由での通信速度など、利用状況の確認要求を行う(ステップS115)。一方、要求を受けた据え置き端末200の制御部206は、表示部208や経路制御部210から必要な情報を収集し、携帯端末100に操作端末の利用状況として通知する(ステップS116)。
【0045】
また、携帯端末100では、取得した端末環境情報を、端末環境情報通知部114により入出力切替部107へ通知し、表示データの加工に用いるパラメータを決定する(ステップS117)。これは、据え置き端末に適した状態に表示データを加工するもので、例えば携帯端末用の低解像度の表示データを、据え置き端末の高解像度の表示装置用に変換することが出来る。
【0046】
さらに、入出力切替部107にて表示装置を決定する(ステップS118)ことで、操作端末が携帯端末100の場合はステップS122へ遷移し、表示部112に表示される。操作端末が据え置き端末200の場合には、ステップS117のパラメータをもとに表示データの加工(ステップS119)を行い、表示に適したデータを表示信号として据え置き端末200に送信する(ステップS120)。制御部206では、受信したデータが表示信号であると判定し、表示部208に受け渡し、表示される(ステップS121)。
【0047】
図6は本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける具体的なサービスを利用する際の動作の流れを示すもので、以下、図1乃至図4に示すシステム及び各装置のブロック図とともに、本端末連携利用システムの動作を説明する。
【0048】
ここでいう具体的なサービスとは、特定業者により家庭内の監視作業を行う位置限定サービス(遠隔監視システム)を指す。この場合、特定業者の監視員が適切な場所として事業所からアクセスしているかを確認するものであり、事業所以外からのアクセスなど、不正がされないようにするためのものである。
【0049】
なお、携帯端末100と据え置き端末200とは近距離通信回線300を介して既に接続されており、据え置き端末200を介して固定網500経由でネットワーク上のサービスを利用するものとする。
【0050】
また、ここでシーケンス図には示さないが、アプリケーションサーバ600へのデータ送信の際には、携帯端末100から近距離通信回線300を介して据え置き端末200に送信されたデータが、経路制御部210にてアプリケーションサーバ600へと経路決定されている。逆にアプリケーションサーバ600から据え置き端末200が受信したデータは携帯端末100へと経路決定されている。
【0051】
また同様に、回線識別サーバ800へのデータ送信の際には、携帯端末100から近距離通信回線300を介して据え置き端末200に送信されたデータが、経路制御部210にて回線識別サーバ800へと経路決定されている。逆に回線識別サーバ800から据え置き端末200が受信したデータは携帯端末100へと経路決定されている。
【0052】
まず、利用者が据え置き端末200の入力部207より携帯端末100内のブラウザ起動要求を行う(ステップS201)。要求を受信したプログラム切替部106は、実行部104を介してPC用プログラム格納部102内のブラウザを起動する(ステップS202)。また、入出力切替部107において表示装置を据え置き端末200の表示部208と決定し(ステップS203)、前述したステップS117にて決定したパラメータに従い、表示データを加工し(ステップS204)、これをPANインタフェース109を介して近距離通信回線300経由で据え置き端末200に送信する(ステップS205)。据え置き端末200の制御部206では表示データと判断し、表示部208にて表示を行う(ステップS206)。
【0053】
次に、業者の監視員が据え置き端末200の入力部207より監視先のURLを入力する(ステップS207)と、携帯端末100内のブラウザより目的のサーバ、ここではアプリケーションサーバ600へとアクセス要求が送信される(ステップS208)。アクセス要求を受けたアプリケーションサーバ600はアクセスに必要なデータを携帯端末100へ送信し(ステップS209)、携帯端末100ではこのデータをもとに、実行部104のプログラムにて位置情報の要否を判定する(ステップS210)。もし、位置情報が必要とされない場合は、ステップS225へ遷移する。
【0054】
位置情報が必要な場合、位置情報取得部115はNW切替部105にてNWを切り替え、移動網接続インタフェース108を介して移動網400経由で位置情報サーバ700に位置情報の要求を行う(ステップS211)。位置情報サーバ700では、携帯端末100の位置を判定し(ステップS212)、位置情報として携帯端末100に通知する(ステップS213)。さらに、位置情報取得部115は、据え置き端末200が接続されている固定網の設置位置を確認するために、固定網500経由で回線識別サーバ800に位置情報の要求を行う(ステップS214)。要求を受けた回線識別サーバ800では、接続中の固定網の位置を判定し(ステップS215)、位置情報として携帯端末100に通知する(ステップS216)。
【0055】
実行部104は移動網400及び固定網500の両者から得られた位置情報をもとにアプリケーションサーバ600に位置照合の要求を行い(ステップS217)、アプリケーションサーバ600にて両方の位置が同じ場所でないと判定された場合(ステップS218)、位置照合結果を携帯端末100に通知する(ステップS219)。さらに、入出力切替部107において表示装置を据え置き端末200の表示部208と決定し(ステップS220)、前述したステップS117にて決定したパラメータに従い、表示データを加工し(ステップS221)、これをPANインタフェース109を介して近距離通信回線300経由で据え置き端末200に送信する(ステップS222)。据え置き端末200の制御部206では表示データと判断し、表示部208にて表示を行う(ステップS223)。一方、ステップS219にて位置の照合結果が一致と判断された場合、実行部104では、位置照合の結果を受信した(ステップS224)後、サービス要求をアプリケーションサーバ600に送信する(ステップS225)。
【0056】
さらに、アプリケーションサーバ600からの端末利用状況の要求(ステップS226)に応じて、端末環境情報通知部114は、据え置き端末200の表示部208の解像度やLANインタフェース経由の通信速度をアプリケーションサーバ600に送信する(ステップS227)。アプリケーションサーバ600では、受信した端末利用状況の情報に応じて最適なアプリケーション(コンテンツ)を決定し(ステップS228)、提供する(ステップS229)。携帯端末100では入出力切替部107により、据え置き端末200用に表示データを加工して送信し(ステップS230,S231,S222)、据え置き端末200では受信したデータを表示部208にて表示する(ステップS233)。
【0057】
ここで、最適なアプリケーションについて、携帯端末100を単体で利用する場合と据え置き端末200と組み合わせて使う場合とで比較してみる。携帯端末100を単体で操作し、サービスを利用する場合では、携帯端末100の表示部112は据え置き端末200の表示部208と比較して小さく、移動網接続インタフェース108を経由してのデータ通信速度は固定網経由と比較して低速であると考えられる。そのため、携帯端末100の単体利用時には、解像度が荒く、ビットレートの低い動画が再生されるのに対して、据え置き端末200と組み合わせて使う場合には、より高解像度でビットレートの高い高品質の動画サービスが受けられる。
【0058】
<第2の実施の形態>
PCのような据え置き端末の場合、同じ据え置き端末であってもその時々で環境が変更される可能性がある。例えばノートPCを無線LAN接続で使う場合と、同じノートPCに大型ディスプレイをつなぎ、有線LAN接続で使う場合とでは、画面の大きさと通信速度が異なる。さらに、環境の中には実効的な通信速度のように、据え置き端末自体以外の要因で時々刻々変化し、これによってサービスやコンテンツの利用に影響するものもある。例えば、NWインタフェースの通信速度としては100Mbpsであったとしても、実効値が5Mbpsであれば10Mbpsを必要とする動画再生はできないことになる。
【0059】
そこで、以下、同一の据え置き端末に対して複数の環境情報を扱うことができるとともに、第1の実施の形態で述べたような端末自体のハードウェア構成や設定によって決定される端末環境情報(以下、静的な端末環境情報と呼ぶ。)とともに、主として端末以外の要因によって時々刻々変化するような端末環境情報(以下、動的な端末環境情報と呼ぶ。)を扱うことができる本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムについて図面を参照して説明する。
【0060】
なお、第2の実施の形態に係る端末連携利用システムの構成や手順のうち、第1の実施の形態に係る端末連携利用システムと同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。第2の実施の形態に係る端末連携利用システムのシステム構成は、図1に示される第1の実施の形態の場合と同一である。
【0061】
図7は本発明の第2の実施の形態に係る据え置き端末200の構成を示すものである。ここで、端末情報格納部203は、前述したようにその時々で異なる当該据え置き端末200の複数の端末環境情報(静的な端末環境情報)を、図8に示すようにそれぞれ固有の環境情報ID(1000,1001,…)とともに格納する。また、端末情報取得部211は、要求に応じて動的な端末環境情報、例えば実効的な通信速度を取得する。また、制御部206は、携帯端末100からの要求が後述するように環境情報IDのみであれば(例えば主記憶部202に記憶した)その時点の端末環境情報に対応する環境情報IDを、また、要求が端末環境情報であればその時点の環境情報IDに対応する端末環境情報を端末情報格納部203から読み出して該環境情報IDを含めて、さらにまた、要求が動的な端末環境情報であれば端末情報取得部211を用いて取得した動的な端末環境情報を、携帯端末100に通知するとともに、ドライバ導入部201への前述したドライバの導入を行う。なお、上記以外の構成は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0062】
図9は本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末100の構成を示すものである。ここで、端末環境情報蓄積部116は、図10(a)に示すように、端末環境情報取得部113により据え置き端末200から取得した端末環境情報を上記環境情報IDとともに蓄積する。なお、図10(b)に示すように、携帯側では、据え置き端末200自体のIDと環境情報IDとをセットにして管理・蓄積するようにしても良い。また、端末環境情報取得部113は、据え置き端末200に端末環境情報を要求する際、環境情報IDのみ、またはIDを含めた端末環境情報全体(静的な端末環境情報)、もしくは動的な端末環境情報のいずれかを切り替えて要求するものとする。なお、上記以外の構成は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0063】
図11は本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける携帯端末100と据え置き端末とが直接接続された時の動作の流れを示すもので、以下、図1、図9、図7及び図4に示すシステム及び各装置のブロック図とともに、本端末連携利用システムの動作を説明する。
【0064】
まず、携帯端末100と据え置き端末200とが近距離通信回線300を介して直接接続され(ステップS101)、操作端末が据え置き端末200であると決定される(ステップS102)と、端末環境情報取得部113は据え置き端末200に対しその環境情報IDをPANインタフェース109を介して要求する(ステップS131)。据え置き端末200では、前記要求を受信すると、制御部206によりその時点の環境情報IDをPANインタフェース204を介して携帯端末100に通知する(ステップS132)。
【0065】
携帯端末100では、通知された端末情報IDが端末環境情報蓄積部116に登録済みのIDかどうかを確認する(ステップS133)。前記IDが端末環境情報蓄積部116に登録済み、つまり過去に利用した履歴として残っていれば、ステップS103〜S116の処理、即ち据え置き端末200に対する環境情報取得、ドライバのインストール、経路設定などの処理が省略可能となってSステップ117へ遷移し、処理の高速化が実現される。
【0066】
一方、前記IDが端末環境情報蓄積部116に登録されていなければ、ステップS103以下の処理が第1の実施の形態の場合と同様に実行される。但し、ステップS103ではステップS132で通知されたIDをキーとして対応する端末環境情報を要求するようにしても良く、また、ステップS105では端末環境情報取得部113により取得された端末環境情報をそのIDを含めて端末環境情報蓄積部116に登録するものとする。なお、その後の処理は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0067】
図12は本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける具体的なサービスを利用する際の動作の流れを示すもので、以下、図1、図9、図7及び図4に示すシステム及び各装置のブロック図とともに、本端末連携利用システムの動作を説明する。
【0068】
なお、携帯端末100と据え置き端末200とは近距離通信回線300を介して既に接続され、据え置き端末200の静的な端末環境情報取得(ステップS131、S103、S111、S115)が終了し、さらに携帯端末100ではブラウザが起動され、据え置き端末200及び固定網500経由でアプリケーションサーバ600の動画サイトにログインしている(ステップS301)ものとする。
【0069】
利用者が据え置き端末200の入力部207よりコンテンツ指定キーを入力する(ステップS302)と、携帯端末100の端末環境情報取得部113は据え置き端末200に対し動的な端末環境情報を要求する(ステップS303)。据え置き端末200では、前記要求を受信すると、制御部206により端末情報取得部211を用いてその時点の実効的な通信速度を取得させ、図13に示すように、これをその時点における通信速度以外の端末環境情報とともに携帯端末100に通知する(ステップS304)。通知された動的な端末環境情報は、携帯端末100の端末環境情報取得部113に操作端末の端末環境情報として保存される。
【0070】
その後、携帯端末100の実行部104は、前記入力された指定キーを含むコンテンツ要求をアプリケーションサーバ600に送信する(ステップS305)。また、アプリケーションサーバ600からの端末情報の要求(ステップS306)に応じて、端末環境情報通知部114は、端末環境情報取得部113から現時点での据え置き端末200の表示部208の解像度やLANインタフェース経由の通信速度を読み出し(ステップS307)、アプリケーションサーバ600に送信する(ステップS308)。
【0071】
アプリケーションサーバ600では、受信した端末情報に応じてコンテンツを最適化し(ステップS309)、送信する(ステップS310)。携帯端末100では、実行部104を介してPC用プログラム格納部102内の動画再生プログラムを起動し(ステップS311)、受信したコンテンツを再生する(ステップS312)。さらに、入出力切替部107にて表示装置を決定する(ステップS313)ことで、操作端末が携帯端末100の場合はステップS317へ遷移し、表示部112に表示される。操作端末が据え置き端末200の場合には、前述したステップS117にて決定したパラメータに従い表示データを加工し(ステップS314)、表示に適したデータを表示信号として据え置き端末200に送信する(ステップS315)。制御部206では、受信したデータが表示信号であると判定し、表示部208に受け渡し、表示される(ステップS316)。
【0072】
このように、第2の実施の形態によれば、携帯端末100と接続した据え置き端末200の環境がそれ以前に接続した時と同じであれば、環境情報IDをやりとりするのみで良く、端末環境情報の取得やそれに伴う処理が不要となるとともに、アプリケーションサーバ600に実効的な通信速度などの動的な端末環境情報を提供できるため、要求時点の環境に対して最適化されたサービスやコンテンツを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムのブロック構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末のブロック構成図
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る据え置き端末のブロック構成図
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るアプリケーションサーバ、位置情報サーバ及び回線識別サーバのブロック構成図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける携帯端末と据え置き端末とが直接接続された時の動作の流れを示すシーケンス図
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける具体的なサービスを利用する際の動作の流れを示すシーケンス図
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る据え置き端末のブロック構成図
【図8】図7中の端末情報格納部に格納される端末環境情報の一例を示す説明図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末のブロック構成図
【図10】図9中の端末環境情報蓄積部に登録される端末環境情報の一例を示す説明図
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける携帯端末と据え置き端末とが直接接続された時の動作の流れを示すシーケンス図
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る端末連携利用システムにおける具体的なサービスを利用する際の動作の流れを示すシーケンス図
【図13】動的な端末環境情報の一例を示す説明図
【符号の説明】
【0074】
100:携帯端末、101:データ格納部、102:据え置き端末用(PC用)プログラム格納部、103:携帯端末用(携帯用)プログラム格納部、104:実行部、105:ネットワーク(NW)切替部、106:プログラム切替部、107:入出力切替部、108:移動網接続インタフェース、109:PANインタフェース、110:NWドライバ格納部、111:入力部、112:表示部、113:端末環境情報取得部、114:端末環境情報通知部、115:位置情報取得部、116:端末環境情報蓄積部、200:据え置き端末、201:ドライバ導入部、202:主記憶部、203:端末情報格納部、204:PANインタフェース、205:LANインタフェース、206:制御部、207:入力部、208:表示部、209:経路情報保持部、210:経路制御部、211:端末情報取得部、300:近距離通信回線、400:移動網、500:固定網、600:アプリケーションサーバ、601:コンテンツ格納部、602:ユーザ操作端末情報格納部、603:制御部、604,703,803:NWインタフェース、700:位置情報サーバ、701:位置情報格納部、702:位置情報決定部、800:回線識別サーバ、801:回線情報格納部、802:回線情報決定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携帯・所持されるとともに移動網に接続された携帯端末と、ユーザの移動先に設置されるとともに固定網に接続された据え置き端末と、これらを直接、通信可能に接続する近距離通信回線とを少なくとも備え、携帯端末もしくは据え置き端末によるサービスやコンテンツの利用を、携帯端末と据え置き端末との間で近距離通信回線を介して送受信される情報に基づいて制御する端末連携利用システムであって、
携帯端末は、
据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を要求し、取得する端末環境情報取得部と、
据え置き端末の端末環境情報に適したプログラムを格納する据え置き端末用プログラム格納部と、
携帯端末単体でサービスやコンテンツを利用する際に使用するプログラムを格納する携帯端末用プログラム格納部と、
据え置き端末用プログラム格納部または携帯端末用プログラム格納部のいずれに格納されたプログラムを実行するかを切り替えるプログラム切替部と、
操作端末として携帯端末を用いるか据え置き端末を用いるかを決定してプログラム切替部を制御するとともに、据え置き端末の端末環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する入出力切替部と、
取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知する端末環境情報通知部とを有し、
据え置き端末は、
端末環境情報を格納する端末情報格納部と、
携帯端末からの要求に応じて端末情報格納部から端末環境情報を読み出し、携帯端末に通知する制御部とを有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項2】
請求項1記載の端末連携利用システムにおいて、
前記に加え、移動網上に配置され、携帯端末の位置情報を提供する位置情報決定部を有する位置情報サーバと、固定網上に配置され、据え置き端末が接続している回線情報を提供する回線情報決定部を有する回線識別サーバとを備え、
携帯端末は、前記に加え、
携帯端末経由のNW接続である移動網と据え置き端末経由のNW接続である固定網とのNWの切り替えを行うNW切替部と、
携帯端末の位置情報を位置情報サーバから取得するとともに、据え置き端末が接続された回線情報を回線識別サーバから取得する位置情報取得部とを有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の端末連携利用システムにおいて、
前記に加え、携帯端末及び据え置き端末と移動網もしくは固定網を介して通信可能であって、携帯端末より通知された操作端末の端末環境情報を格納するユーザ操作端末情報格納部と、前記端末環境情報に基づいて提供するコンテンツを選択し、これを携帯端末に送信する制御部とを有するアプリケーションサーバを備え、
携帯端末は、
取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知するとともに、据え置き端末の端末環境情報に適したサービスやコンテンツを利用するためにアプリケーションサーバに通知する端末環境情報通知部を有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか記載の端末連携利用システムにおいて、
携帯端末は、前記に加え、
据え置き端末にデータの経路選択機能を担わせるためのドライバ及び当該ドライバを据え置き端末に自動導入させるためのプログラムを格納するNWドライバ格納部を有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか記載の端末連携利用システムにおいて、
据え置き端末は、
複数の端末環境情報をそれぞれ固有のIDとともに格納する端末情報格納部と、
動的な端末環境情報を取得する端末情報取得部と、
携帯端末からの要求に応じて、その時点の環境情報に対応する環境情報ID、またはその時点の環境情報IDに対応する端末環境情報を端末情報格納部から読み出して、もしくは端末情報取得部を用いて取得した動的な端末環境情報を、携帯端末に通知する制御部とを有し、
携帯端末は、前記に加え、
端末環境情報取得部により据え置き端末から取得した端末環境情報を環境情報IDとともに蓄積する端末環境情報蓄積部を有するとともに、
据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を、環境情報IDのみ、またはIDを含めた端末環境情報全体、もしくは動的な端末環境情報のいずれかを切り替えて要求し、取得する端末環境情報取得部を有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項6】
ユーザに携帯・所持されるとともに移動網に接続された携帯端末であって、ユーザの移動先に設置されるとともに固定網に接続された据え置き端末と近距離通信回線を介して直接、通信可能に接続され、該近距離通信回線を介して送受信される情報に基づいて当該携帯端末単体もしくは据え置き端末経由でサービスやコンテンツを利用可能な携帯端末において、
据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を要求し、取得する端末環境情報取得部と、
据え置き端末の端末環境情報に適したプログラムを格納する据え置き端末用プログラム格納部と、
携帯端末単体でサービスやコンテンツを利用する際に使用するプログラムを格納する携帯端末用プログラム格納部と、
据え置き端末用プログラム格納部または携帯端末用プログラム格納部のいずれに格納されたプログラムを実行するかを切り替えるプログラム切替部と、
操作端末として携帯端末を用いるか据え置き端末を用いるかを決定してプログラム切替部を制御するとともに、据え置き端末の端末環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する入出力切替部と、
取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知する端末環境情報通知部とを有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
請求項6記載の携帯端末において、前記に加え、
携帯端末経由のNW接続である移動網と据え置き端末経由のNW接続である固定網とのNWの切り替えを行うNW切替部と、
移動網上に配置され、携帯端末の位置情報を提供する位置情報決定部を有する位置情報サーバから携帯端末の位置情報を取得するとともに、固定網上に配置され、据え置き端末が接続している回線情報を提供する回線情報決定部を有する回線識別サーバから据え置き端末が接続された回線情報を取得する位置情報取得部とを有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
請求項6または7記載の携帯端末において、
取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知するとともに、据え置き端末の端末環境情報に適したサービスやコンテンツを利用するために、携帯端末及び据え置き端末と移動網もしくは固定網を介して通信可能であって、携帯端末より通知された操作端末の端末環境情報を格納するユーザ操作端末情報格納部と、前記端末環境情報に基づいて提供するコンテンツを選択し、これを携帯端末に送信する制御部とを有するアプリケーションサーバに通知する端末環境情報通知部を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項9】
請求項6乃至8いずれか記載の携帯端末において、前記に加え、
据え置き端末にデータの経路選択機能を担わせるためのドライバ及び当該ドライバを据え置き端末に自動導入させるためのプログラムを格納するNWドライバ格納部を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
請求項6乃至9いずれか記載の携帯端末において、前記に加え、
端末環境情報取得部により据え置き端末から取得した端末環境情報を環境情報IDとともに蓄積する端末環境情報蓄積部を有するとともに、
据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を、環境情報IDのみ、またはIDを含めた端末環境情報全体、もしくは動的な端末環境情報のいずれかを切り替えて要求し、取得する端末環境情報取得部を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項11】
ユーザの移動先に設置されるとともに固定網に接続された据え置き端末であって、ユーザに携帯・所持されるとともに移動網に接続された携帯端末と近距離通信回線を介して直接、通信可能に接続され、該近距離通信回線を介して送受信される情報に基づいて携帯端末単体もしくは当該据え置き端末との組み合わせによりサービスやコンテンツを利用可能な据え置き端末において、
端末環境情報を格納する端末情報格納部と、
携帯端末からの要求に応じて端末情報格納部から端末環境情報を読み出し、携帯端末に通知する制御部とを有する
ことを特徴とする据え置き端末。
【請求項12】
請求項11記載の据え置き端末において、
複数の端末環境情報をそれぞれ固有のIDとともに格納する端末情報格納部と、
動的な端末環境情報を取得する端末情報取得部と、
携帯端末からの要求に応じて、その時点の環境情報に対応する環境情報ID、またはその時点の環境情報IDに対応する端末環境情報を端末情報格納部から読み出して、もしくは端末情報取得部を用いて取得した動的な端末環境情報を、携帯端末に通知する制御部とを有する
ことを特徴とする据え置き端末。
【請求項13】
コンピュータを、請求項6乃至12いずれか記載の装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
ユーザに携帯・所持されるとともに移動網に接続された携帯端末と、ユーザの移動先に設置されるとともに固定網に接続された据え置き端末と、これらを直接、通信可能に接続する近距離通信回線とを少なくとも備え、携帯端末もしくは据え置き端末によるサービスやコンテンツの利用を、携帯端末と据え置き端末との間で近距離通信回線を介して送受信される情報に基づいて制御する端末連携利用システムであって、
携帯端末は、
据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を要求し、取得する端末環境情報取得部と、
据え置き端末の端末環境情報に適したプログラムを格納する据え置き端末用プログラム格納部と、
携帯端末単体でサービスやコンテンツを利用する際に使用するプログラムを格納する携帯端末用プログラム格納部と、
据え置き端末用プログラム格納部または携帯端末用プログラム格納部のいずれに格納されたプログラムを実行するかを切り替えるプログラム切替部と、
操作端末として携帯端末を用いるか据え置き端末を用いるかを決定してプログラム切替部を制御するとともに、据え置き端末の端末環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する入出力切替部と、
取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知する端末環境情報通知部とを有し、
据え置き端末は、
端末環境情報を格納する端末情報格納部と、
携帯端末からの要求に応じて端末情報格納部から端末環境情報を読み出し、携帯端末に通知する制御部とを有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項2】
請求項1記載の端末連携利用システムにおいて、
前記に加え、移動網上に配置され、携帯端末の位置情報を提供する位置情報決定部を有する位置情報サーバと、固定網上に配置され、据え置き端末が接続している回線情報を提供する回線情報決定部を有する回線識別サーバとを備え、
携帯端末は、前記に加え、
携帯端末経由のNW接続である移動網と据え置き端末経由のNW接続である固定網とのNWの切り替えを行うNW切替部と、
携帯端末の位置情報を位置情報サーバから取得するとともに、据え置き端末が接続された回線情報を回線識別サーバから取得する位置情報取得部とを有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の端末連携利用システムにおいて、
前記に加え、携帯端末及び据え置き端末と移動網もしくは固定網を介して通信可能であって、携帯端末より通知された操作端末の端末環境情報を格納するユーザ操作端末情報格納部と、前記端末環境情報に基づいて提供するコンテンツを選択し、これを携帯端末に送信する制御部とを有するアプリケーションサーバを備え、
携帯端末は、
取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知するとともに、据え置き端末の端末環境情報に適したサービスやコンテンツを利用するためにアプリケーションサーバに通知する端末環境情報通知部を有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか記載の端末連携利用システムにおいて、
携帯端末は、前記に加え、
据え置き端末にデータの経路選択機能を担わせるためのドライバ及び当該ドライバを据え置き端末に自動導入させるためのプログラムを格納するNWドライバ格納部を有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか記載の端末連携利用システムにおいて、
据え置き端末は、
複数の端末環境情報をそれぞれ固有のIDとともに格納する端末情報格納部と、
動的な端末環境情報を取得する端末情報取得部と、
携帯端末からの要求に応じて、その時点の環境情報に対応する環境情報ID、またはその時点の環境情報IDに対応する端末環境情報を端末情報格納部から読み出して、もしくは端末情報取得部を用いて取得した動的な端末環境情報を、携帯端末に通知する制御部とを有し、
携帯端末は、前記に加え、
端末環境情報取得部により据え置き端末から取得した端末環境情報を環境情報IDとともに蓄積する端末環境情報蓄積部を有するとともに、
据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を、環境情報IDのみ、またはIDを含めた端末環境情報全体、もしくは動的な端末環境情報のいずれかを切り替えて要求し、取得する端末環境情報取得部を有する
ことを特徴とする端末連携利用システム。
【請求項6】
ユーザに携帯・所持されるとともに移動網に接続された携帯端末であって、ユーザの移動先に設置されるとともに固定網に接続された据え置き端末と近距離通信回線を介して直接、通信可能に接続され、該近距離通信回線を介して送受信される情報に基づいて当該携帯端末単体もしくは据え置き端末経由でサービスやコンテンツを利用可能な携帯端末において、
据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を要求し、取得する端末環境情報取得部と、
据え置き端末の端末環境情報に適したプログラムを格納する据え置き端末用プログラム格納部と、
携帯端末単体でサービスやコンテンツを利用する際に使用するプログラムを格納する携帯端末用プログラム格納部と、
据え置き端末用プログラム格納部または携帯端末用プログラム格納部のいずれに格納されたプログラムを実行するかを切り替えるプログラム切替部と、
操作端末として携帯端末を用いるか据え置き端末を用いるかを決定してプログラム切替部を制御するとともに、据え置き端末の端末環境情報に応じて表示データの加工に用いるパラメータを決定する入出力切替部と、
取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知する端末環境情報通知部とを有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
請求項6記載の携帯端末において、前記に加え、
携帯端末経由のNW接続である移動網と据え置き端末経由のNW接続である固定網とのNWの切り替えを行うNW切替部と、
移動網上に配置され、携帯端末の位置情報を提供する位置情報決定部を有する位置情報サーバから携帯端末の位置情報を取得するとともに、固定網上に配置され、据え置き端末が接続している回線情報を提供する回線情報決定部を有する回線識別サーバから据え置き端末が接続された回線情報を取得する位置情報取得部とを有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
請求項6または7記載の携帯端末において、
取得した据え置き端末の端末環境情報を、該据え置き端末の端末環境に適したデータを作成するために入出力切替部に通知するとともに、据え置き端末の端末環境情報に適したサービスやコンテンツを利用するために、携帯端末及び据え置き端末と移動網もしくは固定網を介して通信可能であって、携帯端末より通知された操作端末の端末環境情報を格納するユーザ操作端末情報格納部と、前記端末環境情報に基づいて提供するコンテンツを選択し、これを携帯端末に送信する制御部とを有するアプリケーションサーバに通知する端末環境情報通知部を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項9】
請求項6乃至8いずれか記載の携帯端末において、前記に加え、
据え置き端末にデータの経路選択機能を担わせるためのドライバ及び当該ドライバを据え置き端末に自動導入させるためのプログラムを格納するNWドライバ格納部を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
請求項6乃至9いずれか記載の携帯端末において、前記に加え、
端末環境情報取得部により据え置き端末から取得した端末環境情報を環境情報IDとともに蓄積する端末環境情報蓄積部を有するとともに、
据え置き端末にその環境に関する情報である端末環境情報を、環境情報IDのみ、またはIDを含めた端末環境情報全体、もしくは動的な端末環境情報のいずれかを切り替えて要求し、取得する端末環境情報取得部を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項11】
ユーザの移動先に設置されるとともに固定網に接続された据え置き端末であって、ユーザに携帯・所持されるとともに移動網に接続された携帯端末と近距離通信回線を介して直接、通信可能に接続され、該近距離通信回線を介して送受信される情報に基づいて携帯端末単体もしくは当該据え置き端末との組み合わせによりサービスやコンテンツを利用可能な据え置き端末において、
端末環境情報を格納する端末情報格納部と、
携帯端末からの要求に応じて端末情報格納部から端末環境情報を読み出し、携帯端末に通知する制御部とを有する
ことを特徴とする据え置き端末。
【請求項12】
請求項11記載の据え置き端末において、
複数の端末環境情報をそれぞれ固有のIDとともに格納する端末情報格納部と、
動的な端末環境情報を取得する端末情報取得部と、
携帯端末からの要求に応じて、その時点の環境情報に対応する環境情報ID、またはその時点の環境情報IDに対応する端末環境情報を端末情報格納部から読み出して、もしくは端末情報取得部を用いて取得した動的な端末環境情報を、携帯端末に通知する制御部とを有する
ことを特徴とする据え置き端末。
【請求項13】
コンピュータを、請求項6乃至12いずれか記載の装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−278293(P2008−278293A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120721(P2007−120721)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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