説明

端面処理装置、ハニカム成形体の端面処理方法及びハニカム構造体の製造方法

【課題】 ハニカム成形体の切断時に切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を完全に除去することが可能な端面処理装置を提供すること。
【解決手段】 切断処理されたセラミック成形体の切断面を処理する端面処理装置であって、エアー吹出口と、付着物除去部材とを備え、切断時に切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を、付着物除去部材及び上記エアー吹出口からのエアーにより除去するように構成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端面処理装置、ハニカム成形体の端面処理方法及びハニカム構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化するフィルタとして多孔質セラミックからなるハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが種々提案されている。
【0003】
図5は、このようなハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図6(a)は、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図6(b)は、そのB−B線断面図である。
【0004】
ハニカム構造体130では、図5に示すようなハニカム焼成体140がシール材層(接着剤層)131を介して複数個結束されてセラミックブロック133を構成し、さらに、このセラミックブロック133の外周にシール材層(コート層)132が形成されている。
また、ハニカム焼成体140は、図6に示すように、長手方向に多数のセル141が並設され、セル141同士を隔てるセル壁143がフィルタとして機能するようになっている。
【0005】
すなわち、ハニカム焼成体140に形成されたセル141は、図6(b)に示すように、排ガスの入口側又は出口側の端部のいずれかが封口材層142により目封じされ、一のセル141に流入した排ガスは、必ずセル141を隔てるセル壁143を通過した後、他のセル141から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁143を通過する際、パティキュレートがセル壁143部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
【0006】
従来、このようなハニカム構造体130を製造する際には、まず、原料粉末であるセラミック粉末とバインダとを混合し、さらに分散媒液等を添加、混合して湿潤混合物を調製する。
そして、この湿潤混合物をダイスにより連続的に押出成形し、押出された成形体を所定の長さに切断することにより、角柱形状のハニカム成形体を作製する。
【0007】
次に、得られたハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機や熱風乾燥機を利用して乾燥させ、乾燥後のハニカム成形体を、もう一度正確な長さに切断した後、所定のセルに目封じを施し、セルのいずれかの端部が封口材層により封止された状態のハニカム成形体を作製する。
この後、このハニカム成形体の脱脂処理を行い、続いて脱脂後のハニカム成形体を焼成用治具に載置して焼成処理を行い、ハニカム焼成体を製造する。
【0008】
この後、ハニカム焼成体の側面に空隙保持材を設置した後、シール材ペーストを塗布し、ハニカム焼成体同士を空隙保持材を介した間隔で接着させるとともに、シール材層(接着剤層)を介してハニカム焼成体が多数結束した状態のハニカム焼成体の集合体を作製する。
次に、得られたハニカム焼成体の集合体に、切削機等を用いて円柱、楕円柱等の所定の形状に切削加工を施してセラミックブロックを形成し、最後に、セラミックブロックの外周にシール材ペーストを塗布してシール材層(コート層)を形成することにより、ハニカム構造体の製造を終了する。
【0009】
上記製造工程において、乾燥後の切断の際、カッター等を用いて切断すると、切断部分には、いわゆるバリと言われる切断部分より周囲に伸びる一種の毛羽(ケバ)が発生してしまうことがある。
また、切断部分やその近傍に切断時に発生した粉末が付着してしまうため、これらを除去する必要がある。
【0010】
このようなハニカム成形体を切断した後に発生するバリ等を除去する方法として、特許文献1には、ハニカム成形体の貫通孔(セル)よりエアーを吹き出させると同時に、切断部のブラッシングを行うことが記載されている。
【0011】
【特許文献1】特開2000−043024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載のバリ等の除去装置では、ブラッシングを行う面と反対側の面からブロワー等でエアーを吹き込み、セルよりエアーを吹き出させるため、エアーを狭いセルの内部を通過させると勢いが衰え、完全にセルの内部に付着した粉末を除去するのが困難な場合があった。
また、ブラッシングを行う面と反対側の面からブロワー等でエアーを吹き込んだ場合、一旦除去されたバリ等が、再度ブラシに付着することがあり、その後、このブラシを使用してバリ等の除去を行っても、逆にブラシに付着していたバリ等がハニカム成形体の端面に付着することがあった。
【0013】
また、ハニカム成形体の両端に付着したバリ等の除去を両端で同時に行った場合、バリを除去していない端部に、単にエアーのみを当てることになり、バリの大きな破片が貫通孔の内部に入り込む可能性等がある。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ハニカム成形体の切断時に切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を完全に除去することが可能な端面処理装置、該端面処理装置を用いたハニカム成形体の端面処理方法、該処理方法を利用したハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
即ち、本発明の端面処理装置は、切断処理されたセラミック成形体の切断面を処理する端面処理装置であって、
エアー吹出口と、付着物除去部材とを備え、
切断時に切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を、上記付着物除去部材及び上記エアー吹出口からのエアーにより除去するように構成されたことを特徴とする。
【0016】
上記端面処理装置において、上記付着物除去部材は、ブラシ付きローラであることが望ましく、上記エアー吹出口及び上記付着物除去部材は、上記セラミック成形体の同一端部側に配設されていることが望ましく、上記切断面の処理を上記セラミック成形体の両端面で同時に行うことが望ましい。
【0017】
本発明のハニカム成形体の端面処理方法は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、その端面に切断処理が施された柱状のハニカム成形体の切断面を端面処理装置を用いて処理するハニカム成形体の端面処理方法であって、
上記端面処理装置は、エアー吹出口と付着物除去部材とを備えており、
上記付着物除去部材を、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら上記切断面に接触させるとともに、上記エアー吹出口からエアーを吹き出すことにより、上記切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を除去することを特徴とする。
【0018】
上記ハニカム成形体の端面処理方法では、上記付着物除去部材としてブラシ付きローラを用い、このブラシ付きローラを回転させながら上記切断面に接触させることが望ましく、上記エアー吹出口及び上記付着物除去部材は、上記ハニカム成形体の同一端部側に配設されていることが望ましく、上記ハニカム成形体の切断面の処理を上記ハニカム成形体の両端面で同時に行うことが望ましい。
【0019】
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形して、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製し、このハニカム成形体の両端を切断した後、切断面を端面処理装置を用いて処理する端面処理工程を行い、さらに上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記端面処理装置は、エアー吹出口と付着物除去部材とを備えており、
上記付着物除去部材を、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら上記切断面に接触させるとともに、上記エアー吹出口からエアーを吹き出すことにより、上記切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を除去することを特徴とする。
【0020】
上記ハニカム構造体の製造方法では、上記付着物除去部材としてブラシ付きローラを用い、このブラシ付きローラを回転させながら上記切断面に接触させることが望ましく、上記エアー吹出口及び上記付着物除去部材は、上記ハニカム成形体の同一端部側に配設されていることが望ましく、上記ハニカム成形体の切断面の処理を上記ハニカム成形体の両端面で同時に行うことが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の端面処理装置によれば、上記エアー吹出口と上記付着物除去部材とを使用してハニカム成形体の切断時に切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を除去しているので、上記バリや上記粉末を完全に除去することができる。
【0022】
また、本発明のハニカム成形体の端面処理方法によれば、付着物除去部材を、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら上記切断面に接触させるとともに、上記エアー吹出口からエアーを吹き出すので、切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を完全に除去することができる。
【0023】
さらに、本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、付着物除去部材を、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら上記切断面に接触させるとともに、上記エアー吹出口からエアーを吹き出すので、切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を完全に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の端面処理装置は、切断処理されたセラミック成形体の切断面を処理する端面処理装置であって、
エアー吹出口と、付着物除去部材とを備え、
切断時に切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を、上記付着物除去部材及び上記エアー吹出口からのエアーにより除去するように構成されたことを特徴とする。
【0025】
上記端面処理装置は、切断処理されたセラミック成形体の切断面を処理する装置であって、エアー吹出口と付着物除去部材とを備えている。
【0026】
本発明で切断処理の対象となる上記セラミック成形体は、セラミック粉末と有機バインダとを主成分とするものである。
上記セラミック粉末の材料は特に限定されるものではなく、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等が挙げられる。
【0027】
なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等も挙げられ、例えば、炭化ケイ素に金属ケイ素を配合したものも好適に用いられる。
この場合には、炭化ケイ素粉末と金属ケイ素粉末とを用いて、セラミック成形体を作製する。
【0028】
上記有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。
上記セラミック成形体には、可塑剤や潤滑剤が含まれていてもよい。
【0029】
また、セラミック成形体を作製する際には、通常、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等からなる分散媒液を使用するが、これらの分散媒液がセラミック成形体中に残留していてもよい。
【0030】
上記セラミック成形体の形状は特に限定されるものではなく、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体であってもよく、内部が全てセラミック成形体を構成する材料で充填された成形体であってもよく、内部に種々の形状の空洞や貫通孔が形成されたものであってもよい。
【0031】
本発明の端面処理装置が対象とするセラミック成形体は、切断処理されたセラミック成形体であるが、切断処理の方法は限定されるものではなく、例えば、ディスク状のカッターのような切断工具により切断処理されていてもよく、他の切断装置で切断処理されていてもよい。
なお、切削工具のようなもので切削されて、端面が平坦化されたものも、「切断処理された」とみなされるものとする。
【0032】
「バリ」とは、切断処理に起因して、切断処理面の端部から延びている残渣、ケバ等をいい、切断に起因して飛散し、セラミック成形体に付着した粉末とともに、除去する必要がある。
本発明では、エアー吹出口と付着物除去部材とを備えた端面処理装置によりこれらを除去する。
【0033】
エアー吹出口とは、エアーを吹き出させ、セラミック成形体の切断面に吹き出させたエアーを当てるための樹脂製、金属製、セラミック製等からなる筒状体の吹出口をいう。
従って、具体的には、本発明の端面処理装置は、上記筒状体と該筒状体からエアーを吹き出させるための圧縮ポンプ、扇風機、ボンベ等のエアー吹出手段とを備えている。
エアー吹出口から吹き出すエアーの速度は、1〜10m/secが望ましい。
【0034】
本発明の端面処理装置は、さらには、付着物除去部材を備えている。
上記付着物除去部材としては特に限定されるものではないが、例えば、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら上記切断面に接触させることにより、バリ等を除去することが可能な部材をいう。
上記付着物除去部材としては、例えば、ブラシ、布、スポンジ、バフ、砥石、シート状物等が挙げられる。
【0035】
上記ブラシの種類は限定されるものではなく、種々のブラシを使用することができるが、その例としては、チャンネル直線ブラシ、チャンネルロール型ブラシ、ホイール型ブラシ、カップ型ブラシ、コイル型ブラシ、ネジリ(ツイスト)型ブラシ、ベベル型ブラシ、筆型ブラシ等が挙げられる。
これらは、通常の形態のブラシであってもよく、軸付きのブラシであってもよい。
【0036】
上記ブラシの材質は特に限定されるものではないが、ナイロン繊維、アラミド繊維、アクリル繊維等の高分子を使用したもの、ステンレス線、真鍮線、ラッピング線等の金属線等が挙げられるが、バリ等の除去の対象となるセラミック成形体は、比較的柔らかいので、ブラシ自体も柔らかく、セラミック成形体が傷つきにくい、樹脂製のもの等が望ましい。
【0037】
上記付着物除去部材は、モータ等を用いてブラシを回転させ、付着物を除去するブラシ付きローラであることが望ましい。
上記ブラシ付きローラを用いる場合、その回転数は、50〜200min−1が好ましい。
また、ブラシを往復運動させて付着物を除去する場合、その往復運動の頻度は、30〜120min−1が好ましい。
【0038】
布を付着物除去部材として用いる場合、例えば、複数の矩形状又は細長い布を一端(1辺)で固定部材に固定するか、厚手の柔らかな布の片面を固定部材に固定し、他端又は他の面をセラミック成形体に接触させながら、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で上記固定部材を駆動させることより、バリや付着物を除去する。
【0039】
スポンジを付着物除去部材として用いる場合にも、例えば、柔らかい厚手のスポンジの片面を固定部材に固定し、他の面をセラミック成形体に接触させながら、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で上記固定部材を駆動させることより、バリや付着物を除去する。
【0040】
上記バフの種類は限定されるものではなく、種々のバフを使用することができるが、例えば、ディスク型バフ、フラップ型バフ、渦巻き型バフ等の砥粒含有バフ、ポリプロピレン不繊布等の無砥粒バフ等が挙げられる。
上記砥粒含有バフに用いられる砥粒としては、例えば、アルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド等が挙げられる。
バフを付着物除去部材として用いる場合には、例えば、上記バフをセラミック成形体に接触させながら、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させることより、バリや付着物を除去する。
【0041】
上記砥石の種類は限定されるものではなく、種々の砥石を使用することができるが、その例としては、レジノイド砥石(樹脂系)、マグネシア砥石(セメント系)、ダイヤモンド砥石、ラバーコントロール砥石、エポキシコントロール砥石等が挙げられる。
砥石を付着物除去部材として用いる場合には、例えば、上記砥石をセラミック成形体に接触させながら、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させることにより、バリや付着物を除去する。
【0042】
上記シート状物を付着物除去部材として使用する場合には、例えば、シート状物として、粒度が#A60〜A240のシート研磨材を含んだものを使用し、このシート状物をセラミック成形体に接触させながら、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させることにより、バリや付着物を除去する。
上記シート状物としては、例えば、ウレタンスポンジ、ナイロン不繊布、アクリル(スポンジ)等にアルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド等の砥粒を付着させたもの等が挙げられる。
【0043】
上記付着物除去部材には、除去したバリを移動させる(吸い込む)ための集塵装置が設けられていることが望ましい。上記集塵装置は、セラミック成形体と接触する部分を除いた他の部分を覆うカバーと、該カバーから延びる筒状体と、該筒状体を介してエアーを吸い込むための真空ポンプ、扇風機、吸引装置等のエアー吸い込み手段とを備えている。
【0044】
エアー吹出口及び付着物除去部材の配置方法は特に限定されるものではなく、例えば、エアー吹出口をセラミック成形体の一の端部側に配置し、付着物除去部材をセラミック成形体の他の端部側に配置してもよいが、エアー吹出口及び付着物除去部材がセラミック成形体の同一端部側に配設されていることが望ましい。
【0045】
また、セラミック成形体は、2箇所で切断処理され、従って、上記セラミック成形体の両端面が切断面であることが望ましい。平坦な切断面を有する正確な長さのセラミック成形体を得ることができるからである。
【0046】
また、このような切断面を有するセラミック成形体は、上記切断面の処理をセラミック成形体の両端面で同時に行うことが望ましい。効率的に切断面を処理することができるからである。
【0047】
次に、本発明のハニカム成形体の端面処理方法について説明する。
本発明のハニカム成形体の端面処理方法は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、その端面に切断処理が施された柱状のハニカム成形体の切断面を端面処理装置を用いて処理するハニカム成形体の端面処理方法であって、
上記端面処理装置は、エアー吹出口と付着物除去部材とを備えており、
上記付着物除去部材を、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら上記切断面に接触させるとともに、上記エアー吹出口からエアーを吹き出すことにより、上記切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を除去することを特徴とする。
【0048】
本発明のハニカム成形体の端面処理方法では、端面処理の対象となるものは、ハニカム成形体であり、このハニカム成形体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体であり、セラミック成形体の一種である。
【0049】
図1(a)は、両端面に切断処理が施されたハニカム成形体10を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、そのA−A線断面図である。
図1(a)に示すように、このハニカム成形体10は、断面視正方形の多数のセル11がセル壁12を隔てて長手方向に並設された四角柱形状のハニカム成形体であり、両端面に切断処理が施されており、両端面14a、14bが切断面となっている。
【0050】
このように、両端面14a、14bが切断されているため、切断面にバリ13が残っており、また、図1に図示はしていないが、切断面及びその近傍に切断時に飛散した粉末が付着している。
このようなバリ13と付着粉末を除去するために、端面処理装置を用いて端面処理を行う。
【0051】
端面処理の対象となるハニカム成形体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、その端面に切断処理が施された柱状のハニカム成形体であれば、特に限定されるものではなく、断面の輪郭形状としては、例えば、正方形、長方形、円、楕円、長円等が挙げられる。
また、セルの断面形状も特に限定されるものではなく、例えば、正方形、長方形、円、楕円、長円等が挙げられる。
【0052】
なお、ハニカム成形体を構成する材料は、上述したセラミック成形体と同様であり、セラミック粉末と有機バインダとを主成分とするものである。
また、ハニカム成形体には、セラミック成形体と同様に、可塑剤や潤滑剤が含まれていてもよく、分散媒液がハニカム成形体中に残留していてもよい。
これらについては、本発明の端面処理装置の項で説明したので、ここでは省略する。
【0053】
また、本発明のハニカム成形体の端面処理方法で使用する端面処理装置は、上述した本発明の端面処理装置と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0054】
図2は、ハニカム成形体の端面処理方法に用いられる成形体切断処理装置を模式的に示す縦断面図であり、図3は、上記成形体切断処理装置を模式的に示す水平断面図である。
以下では、付着物除去部材として、ブラシ付きローラを用いた場合について説明する。
【0055】
この成形体切断処理装置20は、把持機構を有するハンド22、25及び自由な角度に屈曲が可能なように構成された屈曲部23、26を備えた2台のロボットアーム21、24と、多数の成形体着設部31を備えた回転体30と、回転体30の両側に配置され、モータ36と切断ディスク37とを備えた切断装置35と、エアー吹出口を備えたエアーホース38及びエアー吹出手段(図示せず)からなるエアー吹出装置と、付着物除去部材として用いられるブラシ付きローラ39a及び排気ホース39bからなる付着物除去装置39とを備えている。
また、エアー吹出装置と付着物除去装置39とは、図3に示すように、ハニカム成形体10が通過する領域の両側にそれぞれ2組ずつ、合計4組設けられている。
なお、ロボットアームを構成するハンドは、把持機構を有するものに限定されず、把持機構に代えて、吸引機構を有するものであってもよいし、把持機構と吸引機構の両方を備えたものであってもよい。
また、本明細書において、ロボットアームとは、モータ等を有する能動関節を備え、さらに必要に応じて、モータ等を有さない非能動関節を備えるアームのことをいう。
【0056】
この成形体切断処理装置20では、ベルトコンベア28により運搬されてきたハニカム成形体10を、ロボットアーム21の把持機構を有するハンド22で持ち上げ、移動させて、回転体30の成形体着設部31に回転体30の回転軸と平行になるように載置する。
成形体着設部31は、ハニカム成形体10を固定したり、固定を解除したりするための可動の固定部材(図示せず)を備えている。
そこで、ロボットアーム21は、固定部材(図示せず)を操作し、ハニカム成形体10を成形体着設部31に固定する。
この間、回転体30は、回転を停止している。
【0057】
次に、回転体30は、回転を開始し、所定の角度回転する。また、切断ディスク37は常時回転している。そして、回転体30の回転により、ハニカム成形体10が切断ディスク37の位置まで運ばれると、2個の切断ディスク37の間隔は、所定の間隔に設定されているので、ハニカム成形体10は、長手方向が所定の長さとなるように両端部付近で切断される。
この際、切断により発生した粉末がハニカム成形体10の端部やセル内部に付着し、バリが発生する(図1参照)。
なお、切断ディスク37は、必ずしも常時回転している必要はなく、例えば、成形体着設部31が2台の切断装置35に最も近づいた位置になると回転するように制御されていてもよい。
【0058】
この切断の後、成形体着設部31が所定の位置まで回転すると、他のロボットアーム24が固定部材を操作し、成形体着設部31に固定されたハニカム成形体10の固定が解除される。
そして、ロボットアーム24のハンド25は、ハニカム成形体10を持ち上げ、ベルトコンベア33に設置された成形体固定装置40の載置部47a、47b(図4参照)にハニカム成形体10を載置し、ハンド43で把持する。
【0059】
図4(a)は、成形体固定装置40を示す一部分解斜視図であり、図4(b)は、間隔調整部材の下方に設けられた回転部材を示す斜視図である。
この成形体固定装置40は、図2、図3に示したベルトコンベア33に設けられており、ベルトコンベア33の移動に伴って移動する。
また、この成形体固定装置40は、ハニカム成形体10を把持するための4個(2組)のハンド43と、ハンド43を支持する支持板42と、支持板42同士の間に設けられた2個のバネ部材44と、ハンド43の間隔を調整するために設けられた略菱形状の間隔調整部材45と、支持板42と間隔調整部材45との間に介在し、間隔調整部材45が回転することにより押し広げられたり、間隔が狭くなったりする当接部材41と、間隔調整部材45を回転させるために間隔調整部材45の下方に設けられた回転部材46とからなる。
なお、間隔調整部材45の上には、ハニカム成形体を載置するために平板からなる載置部47(47a、47b)が設けられている。
左側のハンド43及び支持板42は、所定の位置より左側に描かれているが、実際には、当接部材41の一端が支持板42に結合しており、載置部47は、当接部材41よりわずかに上に設けられている。
【0060】
間隔調整部材45は、角部が面取りされた菱形の形状であるため、対角同士を結ぶ2つの直線を描いた際に、その長さが異なる。
この長さの違いを利用して、2組のハンド43の間隔を調整する。
2組のハンド43は、2枚の支持板42に支持されており、これらを結合するように、2個のバネ部材44が設けられて、2枚の支持板42が内側に向けて付勢されるとともに、2枚の支持板42の間に、2個の当接部材41と間隔調整部材45とが設けられている。
【0061】
間隔調整部材45は、上述のように、その方向により長さが異なるため、間隔調整部材45の方向を変えることにより、2個の当接部材41の間隔を変えることができ、これにより、平板上に載置されたハニカム成形体10を把持した状態としたり、ハニカム成形体10の把持が解除された状態とすることができる。
【0062】
上記したように、ロボットアーム24のハンド25がハニカム成形体10を持ち上げ、ベルトコンベア33に設置された成形体固定装置40の載置部47にハニカム成形体10を載置した後、ベルトコンベア33が前進すると、ベルトコンベア33の下部に固定された切替部材34に回転部材46が当たり、回転部材46が所定の角度回転することにより、間隔調整部材45の方向が変わり、2個の当接部材41の間隔が狭くなり、ハニカム成形体10がハンド43により把持された状態となる。
【0063】
この後、ベルトコンベア33が前進し、下記するように、エアー吹出装置と付着物除去装置39による端面の処理が行われる。この後、ベルトコンベア33の端部近くになると、もう一度、ベルトコンベア33の下部に設けられた切替部材34に回転部材46が当たり、回転部材46が所定の角度回転することにより、間隔調整部材45の方向が変わる。
これにより、2個の当接部材41の間隔が広くなり、ハニカム成形体10が単に載置部に載置され、ハンド43により把持されていない状態となるので、ロボットアーム等を用いることにより、次工程のベルトコンベア29に移し変えることができる。
図4では、2個の当接部材41の間隔が狭い状態を示している。
【0064】
次に、エアー吹出装置と付着物除去装置39による端面の処理について説明する。
ハンド43により把持されたハニカム成形体10がベルトコンベア33上を前進していくと、ハニカム成形体10の端部がベルトコンベア34の両側に設けられたブラシ付きローラ39aと接触する。このとき、ブラシ付きローラ39aは、回転しているので、切断により形成されたバリは、このブラシ付きローラ39aにより除去され、除去されたバリ等は、排気ホース39bにより系外に排出される。
【0065】
この後、エアー吹出装置を構成するエアーホース38からエアーが吹き出され、ハニカム成形体10に付着した粉末が完全に除去される。特に、本発明の有利な実施形態においては、エアーは、ハニカム成形体10のセルの内部に吹き込まれることが望ましい。
【0066】
なお、図3に示すように、両側にエアー吹出口を備えたエアーホース38はベルトコンベアの進行方向に対して異なる位置に設けられており、エアーの方向が重ならないように、ハニカム成形体10にエアーが吹き込まれる。
従って、ハニカム成形体10の両端面は、異なるタイミングで回転中のブラシ付きローラ39aに接触した後、エアーホース38からのエアーが端面に当たり、また、エアーがハニカム成形体10のセルの内部に吹き込まれる。
従って、ハニカム成形体10の両端面、側面及びセル内部に付着した粉末は、完全に吹き飛ばされ、除去される。なお、エアーは、図示しない別の吸引装置により吸引され、系外に排出されるので、ハニカム成形体10等に再付着することはない。
【0067】
上述した成形体切断処理装置20において、エアー吹出装置や付着物除去装置39は、必ずしもハニカム成形体10の両側に2組設けられている必要はなく、片方の端面を処理した後、ハニカム成形体10を回転させる等して、ハニカム成形体10の両端面を処理してもよいが、効率的に処理できる点から、ハニカム成形体10の両側に2組のエアー吹出装置及び付着物除去装置39が設けられていることが望ましい。
【0068】
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形して、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製し、このハニカム成形体の両端を切断した後、切断面を端面処理装置を用いて処理する端面処理工程を行い、さらに上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記端面処理装置は、エアー吹出口と付着物除去部材とを備えており、
上記付着物除去部材を、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら上記切断面に接触させるとともに、上記エアー吹出口からエアーを吹き出すことにより、上記切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を除去することを特徴とする。
【0069】
上述のように、本発明のハニカム構造体の製造方法では、セラミック原料を含む混合物を成形して、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製し、このハニカム成形体の両端を切断した後、切断面を端面処理装置を用いて処理する端面処理工程を行い、さらに上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を製造し、複数のハニカム焼成体を接着材層を介して接着し、所定の形状に加工し、外周にシール材層を設けることによりハニカム構造体を製造する。
【0070】
本発明のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム成形体の両端を切断した後、切断面を端面処理装置を用いて切断する。端面処理装置としては特に限定されるものではないが、上述した本発明の端面処理装置を用いることができる。また、端面処理方法についても特に限定されるものではないが、上述した本発明の端面処理方法を用いることができる。
従って、ここでは、上記端面処理工程については、ごく簡単に説明し、上記端面処理工程以外の工程について、説明することとする。
【0071】
また、ここでは、無機粉末として炭化ケイ素粉末を使用し、炭化ケイ素からなるハニカム構造体を製造する場合を例に、ハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明の製造方法で製造するハニカム構造体の材料は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、端面処理装置の項で説明した種類のセラミックを使用することができる。
なお、ハニカム構造体の材料は、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素や、炭化ケイ素と金属ケイ素との複合体が特に好ましい。また、上記ハニカム構造体の材料は、ケイ素含有炭化ケイ素(Si−SiC)も特に好ましい。これらが好ましいのは、耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。
【0072】
(1)本発明のハニカム構造体の製造方法では、まず、平均粒径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダ(有機粉末)とを乾式混合して混合粉末を調製する。
【0073】
上記炭化ケイ素粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程で収縮の少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合せたものが好ましい。
ハニカム焼成体の気孔径等を調節するためには、焼成温度を調節する方法が効果的であるが、無機粉末の粒径を調節することによっても、一定の範囲で気孔径を調節することができる。
【0074】
上記有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。
上記バインダの配合量は、通常、無機粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
【0075】
(2)次に、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記(1)の工程で調製した混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
【0076】
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
また、上記潤滑剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
【0077】
また、上記湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、上記分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
【0078】
さらに、上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
【0079】
(3)上記湿潤混合物は、調製後、搬送機で押出成形機に搬送し、押出成形により多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体とする。
次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、上述したように、乾燥後のハニカム成形体の両端部付近を切断した後、上述のように、上記ハニカム成形体の両切断面を端面処理装置を用いて処理する端面処理工程を行う。
次いで、必要に応じて、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
【0080】
上記封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、上記湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
【0081】
上記封止材ペーストの充填は、必要に応じて行えばよく、上記封止材ペーストを充填した場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体をセラミックフィルタとして好適に使用することができ、上記封止材ペーストを充填しなかった場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体を触媒担持体として好適に使用することができる。
【0082】
(4)次に、上記封止材ペーストが充填されたハニカム成形体10を、所定の条件で脱脂(例えば、200〜600℃)、焼成(例えば、1400〜2300℃)することにより、全体が一の焼成体から構成され、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体(図6参照)を製造することができる。
【0083】
上記ハニカム成形体の脱脂及び焼成の条件は、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件を適用することができる。
【0084】
(5)次に、ハニカム焼成体の側面に、必要に応じて、スペーサとなる空隙保持材を接着するとともに、シール材層(接着剤層)となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返し、所定の大きさのハニカム焼成体の集合体を作製する。
なお、本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記空隙保持材を介して必要個数のハニカム焼成体を組み上げた後、ハニカム焼成体同士の空隙に一括してシール材ペーストを充填してもよい。
【0085】
上記シール材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等が挙げられる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
【0086】
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
【0087】
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバ等を挙げることができる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
【0088】
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
【0089】
さらに、上記シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。
これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
【0090】
(6)次に、このハニカム焼成体の集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層(接着剤層)とする。
次に、ダイヤモンドカッター等を用い、ハニカム焼成体がシール材層を介して複数個接着されたハニカム焼成体の集合体に切削加工を施し、円柱形状のセラミックブロックを作製する。
なお、この製造方法で製造する上記セラミックブロックの形状は、円柱形状に限定されず、楕円柱形状等、その他の柱状であってもよい。
【0091】
そして、ハニカムブロックの外周に上記シール材ペーストを用いてシール材層(コート層)を形成する。
このような工程を経ることにより、ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着された円柱形状のセラミックブロックの外周部にシール材層(コート層)が設けられたハニカム構造体(図5参照)を製造することができる。
【0092】
また、本発明のハニカム構造体の製造方法では、この後、必要に応じて、ハニカム構造体に触媒を担持させてもよい。
上記触媒の担持は、集合体を作製する前のハニカム焼成体に行ってもよい。
触媒を担持させる場合には、ハニカム構造体又はハニカム焼成体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に助触媒、及び、白金等の触媒を付与することが望ましい。
【0093】
上記ハニカム構造体又は上記ハニカム焼成体の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体又はハニカム焼成体に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体又はハニカム焼成体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に助触媒を付与する方法としては、例えば、Ce(NO等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体又はハニカム焼成体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
【0094】
上記アルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)等をハニカム構造体又はハニカム焼成体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
また、予め、アルミナ粒子に触媒を付与して、触媒が付与されたアルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体又はハニカム焼成体に含浸させて加熱する方法で触媒を付与してもよい。
【0095】
また、ここまで説明したハニカム構造体の製造方法は、複数のハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して結束された構成を有するハニカム構造体(以下、集合型ハニカム構造体ともいう)であるが、本発明の製造方法により製造するハニカム構造体は、円柱形状のセラミックブロックが1つのハニカム焼成体から構成されているハニカム構造体(以下、一体型ハニカム構造体ともいう)であってもよい。
【0096】
このような一体型ハニカム構造体を製造する場合は、押出成形により成形するハニカム成形体の大きさが、集合型ハニカム構造体を製造する場合に比べて大きい以外は、集合型ハニカム構造体を製造する場合と同様の方法を用いて、ハニカム成形体を作製する。
ここで、原料粉末を混合する方法等は、上記集合型ハニカム構造体を製造する方法と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0097】
次に、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させる。
次いで、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
その後、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、脱脂、焼成、付着物除去処理を行うことによりセラミックブロックを製造し、必要に応じて、シール材層(コート層)の形成を行うことにより、一体型ハニカム構造体を製造することができる。
上記付着物除去処理を行うことにより、シール材層を良好に形成することができる。
また、上記一体型ハニカム構造体にも、上述した方法で触媒を担持させてもよい。
【0098】
なお、上述したような製造方法により、ハニカム構造体を製造する場合において、上記集合型ハニカム構造体を製造する場合、その材料の主成分は、炭化ケイ素や、金属ケイ素及び炭化ケイ素であることが望ましく、一体型ハニカム構造体を製造する場合には、コージェライトやチタン酸アルミニウムであることが望ましい。
【実施例】
【0099】
以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0100】
(実施例1)
(1)平均粒径10μmのα型炭化ケイ素粉末250kgと、平均粒径0.5μmのα型炭化ケイ素粉末100kgと、有機バインダ(メチルセルロース)と20kgとを混合し、混合粉末を調製した。
次に、別途、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)12kgと、可塑剤(グリセリン)5.6kgと、水64kgとを混合して液体混合物を調製し、この液体混合物と混合粉末とを湿式混合機を用いて混合し、湿潤混合物を調製した。
次に、この湿潤混合物を用いた押出成形、及び、これにつづく切断を行い、ハニカム成形体を作製した。
【0101】
(2)次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機を用いて乾燥させ、上記ハニカム成形体と同様の組成のペーストを所定のセルに充填した後、再び乾燥機を用いて乾燥させた。
【0102】
(3)次に、図2、図3に示した成形体切断処理装置20を用い、ハニカム成形体10の切断を行い、その長手方向の長さが301mmのハニカム成形体10を作製した。
【0103】
(4)そして、上記切断処理により、バリが発生するとともに、粉末がハニカム成形体に付着したので、図2、図3に示したエアーホース38とブラシ付きローラ39aを含む付着物除去装置39とを用い、ハニカム成形体10に形成されたバリ及びハニカム成形体10に付着した粉末を除去した。
【0104】
(5)次に、ハニカム成形体10の封口処理を行い、図6に示したような市松模様に封口剤ペーストを充填してセルのいずれかの端部が封口材層により封止された状態のハニカム成形体を作製した。
【0105】
(6)次に、N雰囲気中、300℃でハニカム成形体10の脱脂処理を行い、続いて、常圧のアルゴン雰囲気下、2200℃、3時間、焼成を行うことにより、その大きさが34mm×34mm×300mmで、セルの数が45個/cm、セル壁の厚さが0.25mmの炭化ケイ素焼成体からなるハニカム焼成体140(図6参照)を作製した。
【0106】
(7)次に、平均繊維長20μmのアルミナファイバ30重量%、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性のシール材ペーストを調製した。
なお、このシール材ペーストの粘度は、室温で30Pa・sであった。
【0107】
(8)次に、上記シール材ペーストをハニカム焼成体140の側面に塗布し、複数のハニカム焼成体140をシール材ペーストを介して結束させ、乾燥させることにより、ハニカム焼成体140が多数集合したハニカム焼成体の集合体を作製した。
【0108】
(9)次に、上記ハニカム焼成体の集合体を、ダイヤモンドカッターを用いて直径142mmの円柱状に切削し、円柱状のセラミックブロック133を作製した。
【0109】
(10)次に、無機繊維としてアルミナシリケートからなるセラミックファイバ(ショット含有率:3%、繊維長:5〜100μm)23.3重量%、無機粒子として平均粒径0.3μmの炭化珪素粉末30.2重量%、無機バインダとしてシリカゾル(ゾル中のSiOの含有率:30重量%)7重量%、有機バインダとしてカルボキシメチルセルロース0.5重量%及び水39重量%を混合、混練してシール材ペーストを調製した。
【0110】
(11)次に、上記シール材ペーストを用いて、セラミックブロック133の外周部にシール材ペースト層を形成した。
そして、このシール材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にシール材層(コート層)が形成された直径143.8mm×長さ300mmの円柱状のハニカム構造体130を製造した。
【0111】
(実施例2)
実施例1の(4)の工程において、付着物除去部材としてブラシ付きローラを用いる代わりに、細長い布を一端(1辺)で固定部材に固定した部材を用い、これを回転させることによりバリ等を除去した以外は実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
【0112】
(実施例3)
実施例1の(4)の工程において、付着物除去部材としてブラシ付きローラを用いる代わりに、ウレタンスポンジを固定部材に固定した部材を用い、これを回転させることによりバリ等を除去した以外は実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
【0113】
(実施例4)
(1)平均粒径50μmのα型炭化ケイ素粉末80kgと、平均粒径4.0μmのケイ素粉末20kgと、有機バインダ(メチルセルロース)と11kgとを混合し、混合粉末を調製した。
次に、別途、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)3.3kgと、可塑剤(グリセリン)1.5kgと、適量の水とを混合して液体混合物を調製し、この液体混合物と混合粉末とを湿式混合機を用いて混合し、湿潤混合物を調製した。
なお、ここで、α型炭化ケイ素粉末としては、800℃で3時間の酸化処理を施したものを用いた。
次に、この湿潤混合物を用いた押出成形、及びこれにつづく切断を行い、ハニカム成形体を作製した。
【0114】
(2)次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機を用いて乾燥させ、上記ハニカム成形体と同様の組成のペーストを所定のセルに充填した後、再び乾燥機を用いて乾燥させた。
【0115】
(3)次に、図2、図3に示した成形体切断処理装置20を用い、ハニカム成形体10の切断を行い、その長手方向の長さが301mmのハニカム成形体10を作製した。
【0116】
(4)そして、上記切断処理により、バリが発生するとともに、粉末がハニカム成形体に付着したので、図2、図3に示したエアーホース38とブラシ付きローラ39aを含む付着物除去装置39とを用い、ハニカム成形体10に形成されたバリ及びハニカム成形体10に付着した粉末を除去した。
【0117】
(5)次に、ハニカム成形体10の封口処理を行い、図6に示したような市松模様に封口剤ペーストを充填してセルのいずれかの端部が封口材層により封止された状態のハニカム成形体を作製した。
【0118】
(6)次に、N雰囲気中、300℃でハニカム成形体10の脱脂処理を行い、続いて、常圧のアルゴン雰囲気下、2200℃、3時間、焼成を行うことにより、図6に示したような形状で、その大きさが34mm×34mm×300mm、セルの数が45個/cm、セル壁の厚さが0.25mmのケイ素含有炭化ケイ素(Si−SiC)からなるハニカム焼成体140を作製した。
【0119】
(7)次に、平均繊維長20μmのアルミナファイバ30重量%、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性のシール材ペーストを調製した。
なお、このシール材ペーストの粘度は、室温で30Pa・sであった。
【0120】
(8)次に、上記シール材ペーストをハニカム焼成体140の側面に塗布し、複数のハニカム焼成体140をシール材ペーストを介して結束させ、乾燥させることにより、ハニカム焼成体140が多数集合したハニカム焼成体の集合体を作製した。
【0121】
(9)次に、上記ハニカム焼成体の集合体を、ダイヤモンドカッターを用いて直径142mmの円柱状に切削し、円柱状のセラミックブロック133を作製した。
【0122】
(10)次に、無機繊維としてアルミナシリケートからなるセラミックファイバ(ショット含有率:3%、繊維長:5〜100μm)23.3重量%、無機粒子として平均粒径0.3μmの炭化珪素粉末30.2重量%、無機バインダとしてシリカゾル(ゾル中のSiOの含有率:30重量%)7重量%、有機バインダとしてカルボキシメチルセルロース0.5重量%及び水39重量%を混合、混練してシール材ペーストを調製した。
【0123】
(11)次に、上記シール材ペーストを用いて、セラミックブロック133の外周部にシール材ペースト層を形成した。
そして、このシール材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にシール材層(コート層)が形成された直径143.8mm×長さ300mmの円柱状のハニカム構造体130を製造した。
【0124】
(実施例5)
実施例4の(4)の工程において、付着物除去部材としてブラシ付きローラを用いる代わりに、細長い布を一端(1辺)で固定部材に固定した部材を用い、これを回転させることによりバリ等を除去した以外は実施例4と同様にしてハニカム構造体を製造した。
【0125】
(実施例6)
実施例4の(4)の工程において、付着物除去部材としてブラシ付きローラを用いる代わりに、ウレタンスポンジを固定部材に固定した部材を用い、これを回転させることによりバリ等を除去した以外は実施例4と同様にしてハニカム構造体を製造した。
【0126】
(比較例1)
実施例1の(4)の工程、即ち、バリ及び付着物を除去する工程を行わなかった以外は実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造しようとしたが、ハニカム成形体の封口工程でバリが邪魔して封口剤ペーストをハニカム成形体10のセルの端部に充填することができなかった。
【0127】
(比較例2)
実施例1の(4)の工程で、エアーホース38からエアーを吹き出させず、ブラシ付きローラ39aを含む付着物除去装置39のみを用いてバリを除去する工程を行った以外は実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
【0128】
(参考例1)
実施例1の(4)のバリ及び付着物を除去する工程で、ハニカム成形体10の片方の切断面側にブラシ付きローラを設けて、片方の切断面側と接触させ、残りの切断面の側にエアーホース38を設けてエアーを当てたほかは、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
【0129】
実施例1〜6、比較例2及び参考例1で製造したハニカム焼成体を構成するセルの端部の充填材層が完全に封口されているか否かを判断するために、ハニカム構造体の端面の外側から光を当て、セルの内部に光が漏れてくるか否かを光センサーにより観察した。
【0130】
その結果、実施例1〜6で製造したハニカム構造体では、光の漏れは全くなく、充填材により完全に充填されていたのに対し、比較例2や参考例1に係るハニカム構造体では、幾つかのセルにおいて、光がセルの内部に漏れてきており、充填材によるセル端部の充填が完全でない部分が存在することがわかった。
【0131】
これは、(4)の工程において、バリ又はセルの内部に付着した粉末の除去が完全に行われていなかったため、セルの内部にバリ又は粉末が付着し、セルの内部に凹凸が形成されてしまい、充填材による充填が不充分になったためと推定される。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】(a)は、両端面に切断処理が施されたハニカム成形体10を模式的に示す斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。
【図2】ハニカム成形体の端面処理方法に用いられる成形体切断処理装置を模式的に示す縦断面図である。
【図3】ハニカム成形体の端面処理方法に用いられる成形体切断処理装置を模式的に示す水平断面図である。
【図4】(a)は、成形体固定装置を示す一部分解斜視図であり、(b)は、間隔調整部材の下方に設けられた回転部材を示す斜視図である。
【図5】ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。
【図6】(a)は、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、(b)は、そのB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0133】
10 ハニカム成形体
11 セル
12 セル壁
13 バリ
14(14a、14b) 端面
20 成形体切断処理装置
21、24 ロボットアーム
22、25 ハンド
23、26 屈曲部
30 回転体
31 成形体着設部
33 ベルトコンベア
34 切替部材
35 切断装置
36 モータ
37 切断ディスク
38 エアーホース
39 付着物除去装置
39a ブラシ付きローラ
39b 排気ホース
40 成形体固定装置
41 当接部材
42 支持板
43 ハンド
44 バネ部材
45 間隔調整部材
46 回転部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断処理されたセラミック成形体の切断面を処理する端面処理装置であって、
エアー吹出口と、付着物除去部材とを備え、
切断時に切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を、前記付着物除去部材及び前記エアー吹出口からのエアーにより除去するように構成された端面処理装置。
【請求項2】
前記付着物除去部材は、ブラシ付きローラである請求項1に記載の端面処理装置。
【請求項3】
前記エアー吹出口及び前記付着物除去部材は、前記セラミック成形体の同一端部側に配設されている請求項1又は2に記載の端面処理装置。
【請求項4】
前記切断面の処理を前記セラミック成形体の両端面で同時に行う請求項1〜3のいずれかに記載の端面処理装置。
【請求項5】
多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、その端面に切断処理が施された柱状のハニカム成形体の切断面を端面処理装置を用いて処理するハニカム成形体の端面処理方法であって、
前記端面処理装置は、エアー吹出口と付着物除去部材とを備えており、
前記付着物除去部材を、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら前記切断面に接触させるとともに、前記エアー吹出口からエアーを吹き出すことにより、前記切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を除去することを特徴とするハニカム成形体の端面処理方法。
【請求項6】
前記付着物除去部材としてブラシ付きローラを用い、このブラシ付きローラを回転させながら前記切断面に接触させる請求項5に記載のハニカム成形体の端面処理方法。
【請求項7】
前記エアー吹出口及び前記付着物除去部材は、前記ハニカム成形体の同一端部側に配設されている請求項5又は6に記載のハニカム成形体の端面処理方法。
【請求項8】
前記ハニカム成形体の切断面の処理を前記ハニカム成形体の両端面で同時に行う請求項5〜7のいずれかに記載のハニカム成形体の端面処理方法。
【請求項9】
セラミック原料を成形して、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製し、このハニカム成形体の両端を切断した後、切断面を端面処理装置を用いて処理する端面処理工程を行い、さらに前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
前記端面処理装置は、エアー吹出口と付着物除去部材とを備えており、
前記付着物除去部材を、振動、回転及び移動のうちの少なくとも1つの態様で駆動させながら前記切断面に接触させるとともに、前記エアー吹出口からエアーを吹き出すことにより、前記切断面に残ったバリ並びに切断面及びその近傍に付着した粉末を除去することを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
【請求項10】
前記付着物除去部材としてブラシ付きローラを用い、このブラシ付きローラを回転させながら前記切断面に接触させる請求項9に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項11】
前記エアー吹出口及び前記付着物除去部材は、前記ハニカム成形体の同一端部側に配設されている請求項9又は10に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項12】
前記ハニカム成形体の切断面の処理を前記ハニカム成形体の両端面で同時に行う請求項9〜11のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−12914(P2008−12914A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142053(P2007−142053)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】