説明

等時性送信を使った適応型ネットワーク技術のためのシステムおよび方法

【課題】適応型ネットワーク技術に関し、等時性(アイソクロナス)送信を利用して、独立したネットワークノード間で情報を通信するよう動作可能な方法および機器を提供する。
【解決手段】それぞれ送信機、受信機、または送受信機として構成された複数のノード12を含むネットワーク10。前記ノードのうち少なくとも1つは、1若しくはそれ以上の他のノードで受信される反復等時性信号を無線送信するよう構成されている。前記反復等時性送信の等時性位相および/または等時性周波数は信号干渉を軽減するため可変調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この本出願(非仮出願)は、2006年3月3日付けで出願された「METHOD AND SYSTEM FOR ADAPTIVE NETWORK TECHNIQUE USING ISOCHRONOUS TRANSMISSION」(等時性(アイソクロナス)送信を使った適応型ネットワーク技術のための方法およびシステム)と題する米国仮特許出願第60/778,695号に基づく利益を主張するものであり、この参照によりその全体は本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明の一実施形態は適応型ネットワーク技術に関する。より具体的には、本発明の種々の実施形態により、等時性(アイソクロナス)送信を利用して、独立したネットワークノード間で情報を通信するよう動作可能な方法および機器が提供される。
【背景技術】
【0003】
無線通信法を使用することにより種々の別個の装置の情報交換が可能となる。例えば、無線装置にBluetooth仕様またはZigbee(IEEE 802.15.4)仕様を使用して短距離の情報送受信が可能である。残念ながら、Bluetooth、Zigbee、その他の無線仕様およびプロトコルを使用するよう構成された無線装置は、当該各種仕様およびプロトコルが複雑であり要件が多いため、電力消費が納得行くものでなく、比較的複雑で高価なマイクロコントローラを必要とすることが多い。その結果、これらのプロトコルを使った電池式の装置は通常、電池の寿命が非常に短く、費用効果も低い。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、適応型ネットワークの技術分野において、上記の問題を解決し、多大な進展をもたらすものである。より具体的には、本発明の種々の実施形態により、等時性(アイソクロナス)送信を利用して、ネットワークノード間で情報を通信するよう動作可能な方法および機器が提供される。
【0005】
本発明は、種々の実施形態において、それぞれ送信機、受信機、または送受信機として構成された複数のノードを含むネットワークを提供する。前記ノードのうち少なくとも1つは、1若しくはそれ以上の他のノードで受信される反復等時性信号を無線送信するよう構成される。前記反復等時性送信の等時性位相および/または等時性周波数を可変調整することにより信号干渉を軽減することが可能である。前記反復等時性信号を受信するノードは、位相および周波数などの当該反復等時性信号の伝送特性を特定し、特定された特性に従って信号を受信することにより低電力動作が可能となる。
【0006】
言うまでもなく、以上の全般的な説明および以下の詳細な説明は単に例示および説明を目的としたものであり、特許請求の範囲に記載された本発明を必ずしも制限するものではない。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面では、本発明の実施形態を例示しており、これらの実施形態に関する全般的な説明と併せて本発明の原理を説明している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、本発明の種々の一実施形態について、添付の図面を参照し詳述する。
【図1】図1は、本発明の種々の好適な実施形態に従って構成された複数のネットワークノードを例示したブロック図である。
【図2】図2は、図1に例示したノードの1つの構成要素の一部を示したブロック図である。
【図3】図3は、図1のノードで使用できる例示的なメッセージ形式のブロック図である。
【図4】図4は、図1のノードの1つによる反復等時性信号の例示的な送信を示したタイミングチャートである。
【図5】図5は、図1のノードの2つにより使用される例示的なバースト通信を示したタイミングチャートである。
【図6】図6は、図1のノードの2つにより使用される別の例示的なバースト通信を示したタイミングチャートである。
【図7】図7は、バースト通信に伴う例示的なバースト転送データエラーのタイミングチャートである。
【図8】図8は、バースト通信に伴う例示的なバースト転送要求エラーのタイミングチャートである。
【図9】図9は、図1のノードの1若しくはそれ以上で使用されるよう動作可能な例示的チャネル探索技術を示したタイミングチャートである。 以上の図面は、本明細書で開示および説明する特定の実施形態だけに本発明を限定するものではない。これらの図面は必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに種々の本発明の実施形態を明確に例示することを重視したものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の種々の実施形態に関する以下の詳細な説明では、本発明を実施できる具体的な実施形態を例示した添付の図面を参照している。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるよう、本発明の態様を十分詳しく説明することを目的としたものである。本発明の要旨を変更しない範囲で、他の実施形態も変更形態も可能である。したがって、以下の説明は限定的に解釈すべきものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲および当該特許請求の範囲が包含する均等物の全範囲のみにより定義される。
【0009】
本発明の種々の一実施形態では、複数のネットワークノード12を含んだ無線ネットワーク10を提供する。1若しくはそれ以上の前記ノード12は、1若しくはそれ以上の他のノード12で受信される反復等時性信号を無線送信するよう構成できる。この反復等時性送信の等時性位相および/または等時性周波数を可変調整することにより信号干渉の軽減が可能となる。
【0010】
図2に示すように、種々の実施形態では、各ノード12に、送受信機14と、前記送受信機14に連結された処理システム16と、前記送受信機14および/または前記処理システム16に連結されたクロッキングシステム18と、前記送受信機14および/または前記処理システム16に連結された入出力インターフェイス20とを含めることができる。前記送受信機14と、前記処理システム16と、前記クロッキングシステム18と、前記インターフェイス20とは、共通のハウジング内または別個に配置した2若しくはそれ以上のハウジング内に設けてよい。
【0011】
前記送受信機14には、送信された信号を前記処理システム16で使用するため受信するよう動作可能ないかなる要素または要素の組み合わせも含めることができる。種々の実施形態では、この送受信機14に、望ましい周波数に対応した信号を当該送受信機14が受信できるようにするアンテナおよびそれに伴う信号処理回路が含まれる。この送受信機14は、特定の送信周波数に対応して調整できるよう動作可能にできる。例えば、前記処理システム16は、この送受信機14を制御し、望ましい周波数を有した送信信号を受信することができる。
【0012】
一部の実施形態では、この送受信機14を容易に起動し、また作動停止させることができるよう、当該送受信機14に電力制御回路を含めることもできる。例えば、前記処理システム16は、前記送受信機14に起動信号を提供してこれを起動し、また当該送受信機14に作動停止信号を提供してこれをするよう動作可能である。起動時、この送受信機14は、送信された信号を受信するよう動作可能である。作動停止時、この送受信機14は、全機能より少ない機能を提供し、一般に、送信されてくる信号を受信できなくなる。その結果、当該送受信機14を容易に起動および作動停止できることで、信号を受信する必要がない場合はノード電力の節約が可能になる。
【0013】
以下でより詳しく説明するとおり、一部の実施形態において、前記送受信機14は、付加的または二者択一的に、信号を送信するよう動作可能であってよい。このように、各前記ノード12およびそれに対応した送受信機14は、信号を受信するよう動作可能な受信機、信号を送信するよう動作可能な送信機、または信号を送受信するよう動作可能な送受信機として構成することができる。この送受信機14には、必ずしも一体型ユニットを形成しないよう、別個の受信要素および送信要素を含めることができる。一部の実施形態において、この送受信機14は、電力を節約するため受信機能と送信機能との間で動的に切り替えを行うよう構成することができる。例えば、前記処理システム16は、種々の制御信号を前記送受信機14に提供して、1若しくはそれ以上の前記ノード12のニーズに基づき受信機能および送信機能を有効および無効にする。
【0014】
前記送受信機14は、複数の受信要素を含むなどにより、1より多くの信号を同時に受信するよう構成することもできる。また、この送受信機14は、複数の送信要素を含むなどにより、1より多くの信号を同時に送信するよう構成することもできる。さらに、この送受信機14は、前記処理システム16から提供された種々の制御信号に基づき、複数の信号を同時に送受信することも可能である。
【0015】
前記処理システム16は、前記送受信機14に連結されており、一般に、前記送受信機14の機能を制御し当該送受信機14で取得された信号を処理するよう動作可能である。この処理システム16には、上記の機能その他本明細書で説明する種々の機能等を実施するよう動作可能な種々のアナログ構成要素およびデジタル構成要素を含めることができる。一部の実施形態では、この処理システム16に、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム可能な論理装置、デジタル論理装置、アナログ論理装置、パーソナルコンピュータ、サーバー、携帯型コンピュータ装置、およびこれらの組み合わせなどのコンピュータ要素を含めることができる。前記ノード12が低電力装置として構成された実施形態では、この処理システム16を、低電力のプログラム可能な論理装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどとして構成することが可能である。
【0016】
この処理システム16は、メモリ22を含んでも、またはメモリ22に連結するよう動作可能であってもよい。このメモリ22には、任意のコンピュータ可読メモリ、または前記処理システム16で使用するデータを格納するよう動作可能なコンピュータ可読メモリの組み合わせを含めることができる。例えば、このメモリ22は、等時性信号情報、等時性の周波数および位相情報、送受信された信号に対応する情報、およびこれらの組み合わせなどを格納するよう動作可能であってよい。
【0017】
前記処理システム16は、前記送受信機14および本明細書で説明する他の要素と別個のものであってよい。ただし一部の実施形態では、この処理システム16を前記送受信機14に一体化してもよい。例えば、単一の集積回路は、前記送受信機14および前記処理システム16の双方を具現化したものである。さらに、前記送受信機14および前記処理システム16の機能を複数の集積回路間や別個のデジタル・アナログ構成要素間など、複数の要素にわたり分散してもよい。前記処理システム16を付加的または二者択一的に前記クロッキングシステム18または前記インターフェイス20と一体化して、各ノード12における物理的サイズを小型化することができる。
【0018】
前記クロッキングシステム18は、前記送受信機14および/または前記処理システム16に連結してクロック信号を提供するよう動作可能である。一部の実施形態において、前記クロッキングシステム18は、種々の信号受信および処理機能に使用するための同様または同一のクロック信号を、前記送受信機14および前記処理システム16双方に提供する。ただし、他の実施形態では、前記クロッキングシステム18は、前記送受信機14および前記処理システム16に異なるクロック信号を提供するよう動作可能であってよい。例えば、このクロッキングシステム18は、第1のレートを有する第1のクロック信号を前記処理システム16に提供し、前記第1のレートより大きい第2のレートを有する第2のクロック信号を前記送受信機14に提供することができる。このクロッキングシステム18は、それぞれ異なるレートを有した複数の異なるクロック信号を、前記処理システム16および前記送受信機14の諸部分に提供するよう動作可能であってもよい。このような構成では、各ノード12の諸部分が高周波信号の受信および/または送信などに必要とされる高周波数で動作できる一方、前記処理システム16など各ノード12の他の諸部分は、より低周波数で動作して電力を節約することができる。
【0019】
一部の実施形態では、前記クロッキングシステム18に、等時性送信周期のタイミングを合わせる独立したクロックを含めることができる。例えば以下でより詳しく説明するように、前記送受信機14、他のクロック、および前記ノード12の他の部分は、前記ノード12が信号を送信または受信する必要がない場合に電力を節約するため作動停止させることができる。前記独立したクロックは、利用される1若しくはそれ以上の等時性送信周期に基づき、前記送受信機14および/または前記処理システム16の少なくとも一部を起動するよう動作可能な低電力の要素であってよい。これにより、前記ノード12が信号を送信または受信していない場合は、当該ノード12が適切なタイミングを確実に維持するよう、前記独立したクロックだけがアクティブになる。
【0020】
前記クロッキングシステム18は、前記処理システム16および前記送受信機14と別個のものであってよい。ただし、一部の実施形態では、第1のクロックソースが前記処理システム16に関連付けられ若しくは一体化され、第2のクロックソースが前記送受信機14に関連付けられ若しくは一体化された場合などに、前記クロッキングシステム18を、前記送受信機14および前記処理システム16の双方と一体化してもよい。
【0021】
前記クロッキングシステム18は、1若しくはそれ以上のクロック信号を生成するよう動作可能な任意の要素または要素の組み合わせを有してよい。当該クロッキングシステム18には、複数のクロック要素およびシステムを含めることができる。種々の実施形態では、このクロッキングシステム18に、1若しくはそれ以上のクロック信号を種々のノード要素に提供するデジタル制御発振器(digitally controlled oscillator:DCO)が含まれる。ただし、当該クロッキングシステム18は、付加的または二者択一的に、従来のクロック回路、水晶クロック要素、物理クロック要素、これらの組み合わせなど他のクロック生成要素を含んでもよい。
【0022】
前記インターフェイス20は、各ノード12が種々の外部要素にアクセスできるようにする。例えば、前記メモリ22が前記処理システム16と一体化されていない実施形態の場合、前記インターフェイス20は、前記処理システム16および/または前記送受信機14が前記メモリ22にアクセスしてデータを取得および保存できるようにする。例えば、このインターフェイス20には、フラッシュメモリカードまたは他の一般的なメモリ要素に連結するよう動作可能なメモリカードインターフェイスを含めることができる。前記メモリ22が別個のコンピュータ装置に関連付けられている実施形態の場合、このインターフェイス20は、前記処理システムが前記コンピュータ装置およびそれに関連付けられたメモリ22にアクセスできるようにする。
【0023】
前記インターフェイス20は、前記送受信機14の受信能力および送信能力とは別個の有線接続および/または無線接続を提供することができる。そのため、一部の実施形態では、このインターフェイス20により、RS232インターフェース、SPIインターフェース、I2Cインターフェース、パラレルインターフェース、Ethernet(登録商標)インターフェースなどの有線ネットワークインターフェース、USBインターフェース、携帯電話インターフェース、RFIDインターフェース、短距離無線インターフェース、これらの組み合わせなどのシリアルインターフェイスが提供される。このため、前記インターフェイス20により、前記処理システム16は、外部のコンピュータ、メモリ、およびネットワークの装置およびシステムと容易に通信して、構成および通信の目的で情報を送信し読み出せるようになる。
【0024】
動作時は、前記種々のノード12を利用して本ネットワーク10を構成してよい。例えば、1若しくはそれ以上の前記ノード12は信号を送信するよう構成でき、1若しくはそれ以上の前記ノード12は信号を受信するよう構成でき、および/または1若しくはそれ以上の前記ノード12は信号を受信および送信するよう構成できる。各ノード12は、受信および送信された信号とそれに関連付けられた任意の情報とを、種々のコンピュータ装置、メモリ、および/またはその各々のインターフェイス20を利用する他のシステムおよび装置に提供することができる。
【0025】
種々の実施形態では、反復等時性信号を送信するよう、第1のノード12aを構成できる。この第1のノード12aは、1若しくはそれ以上の等時性位相および等時性周波数に従って反復等時性信号を送信するよう動作可能であってよい。本明細書における「等時性信号」とは、グローバル同期装置またはマスター同期装置に依存しない等時性(アイソクロナス)送信周期を伴った信号をいう。本明細書における「等時性位相」とは、同じノードで同様な等時性周波数を伴う複数の等時性送受信の相対的な位置づけをいう。本明細書における「等時性周波数」とは、反復等時性信号が送信されるレート(率)をいい、送信される信号自体の周波数のことではない。
【0026】
例えば、前記第1のノード12aが等時性周波数8Hzの第1の反復等時性信号を送信する場合、送信される信号の搬送周波数は2.4GHz範囲ということも可能である。また、前記第1のノード12aは、8Hzの等時性周波数を有する第2の等時性信号を送信することが可能であり、この場合前記第2の等時性送信は前記第1の等時性送信の50ms後に繰り返し開始され、これによって50msの等時性位相差が生じる。
【0027】
前記第1のノード12aが送信する前記反復等時性信号は、前記ネットワーク10に関連付けられた他の装置またはノード12の構成に関係なく、任意の等時性送信周期、等時性位相、等時性周波数、および/または他のタイミング特性または同期特性を有してよい。例示的な反復等時性信号およびそれに対応した等時性送信周期を図4に例示する。この図では、各「マスター1 Tx」は前記反復等時性信号の送信を示している。
【0028】
一部の実施形態において、前記第1のノード12aに対応する前記処理システム16は、前記反復等時性信号の等時性位相および/または等時性周波数など、当該反復等時性信号の伝送特性を可変調整するよう動作可能である。このように、利用される等時性位相および等時性周波数は必ずしも静的な値ではなく、干渉の抑制やノードの相互運用性向上など任意の望ましい作用をもたらすよう、前記第1のノード12aにより任意量だけ変更される。
【0029】
前記第1のノード12aに関連付けられた前記処理システム16または前記メモリ22には、等時性位相および等時性周波数のリストまたはデータベースを含めることができ、当該処理システム16は、前記反復等時性信号の送信に利用する等時性位相および等時性周波数を選択することができる。また利用者は、前記インターフェイス20を利用して、入力を行うか前記メモリ22に情報を格納するかなどにより、利用する等時性位相または等時性周波数を選択することができる。以下でより詳しく説明するように、一部の実施形態において、前記第1のノード12aは、初期にデフォルトの等時性周波数および/または等時性位相を使用して、当該周波数および/または位相を必要に応じ修正することができる。また、前記処理システム16は、信号の送信に使用する前記反復等時性信号の等時性位相および/または等時性周波数をランダムに選択できる。
【0030】
種々の実施形態において、前記第1のノード12aに対応する前記処理システム16は、種々のデータ送信要件に基づき、前記等時性周波数および/または前記等時性位相を可変調整することができる。例えば、前記等時性送信周期は、最大メッセージ待ち時間に対応して調整できる。この等時性送信周期は、付加的または二者択一的に、平均データ帯域幅に対する1メッセージあたりのデータの比に対応して調整可能である。このように、前記処理システム16は、前記ネットワーク10および/または当該ネットワーク10経由で送信されるデータの特定の構成に対応して、前記反復等時性信号の等時性位相および/または等時性周波数を動的に変更することができる。一部の実施形態では、前記等時性送信周期を最大限に伸ばして電力消費をさらに削減する。
【0031】
一部の実施形態において、前記処理システム16は、前記等時性周波数を変更して、送信された信号の高速取得および電力節約を促進できる。そのため、高速の等時性周波数を使用すると他のノード12がすばやく送信信号を特定できるようになり、前記他のノード12のうちの少なくとも1つで信号が取得されるとより低速の等時性周波数を利用することができる。
【0032】
送信される反復等時性信号は、いかなるデータまたは情報も表すことができる。そのため、一部の実施形態において、この送信される反復等時性信号は、TCP/IPおよび/またはUSBなどの従来のメッセージ用プロトコルおよび形式を使って、他のノード12へ情報を中継できる。ただし、前記ネットワーク10および前記ノード12は、付加的または二者択一的に、図3に例示した例示的なメッセージ形式24を利用することもできる。このメッセージ形式24には、ネットワークアドレスフィールド26と、装置アドレスフィールド28と、データ制御フィールド30と、データペイロードフィールド32と、チェックサムフィールド34とを含めることができる。
【0033】
前記ネットワークアドレスフィールド26は、前記ネットワーク10など特定のネットワークに送信を関連付けられるようにする。例えば、複数の前記ノード12が複数のネットワークを形成する実施形態でこのネットワークアドレスフィールド26を使うと、前記第1のノード12aは、どのネットワークが特定の送信信号を利用すべきか示すことができる。さらに、一部の実施形態において、前記第1のノード12aは、任意の情報を送信する前に、前記ネットワークアドレスフィールド26に関連付けられたネットワークアドレスを他のノードが確認または認証するよう要求する。
【0034】
前記ノード12は、付加的または二者択一的に、前記インターフェイス20を介して提供された1若しくはそれ以上のキーに対応するネットワークアドレスを有した信号を受信および/または利用するようなっている場合もある。例えば、受信ノードは、等時性信号の前記ネットワークアドレスフィールド26内に保持されたデータを、前記メモリ22内に保持されたキーと比較し、このキーが前記ネットワークアドレスフィールド26内の前記データに一致した場合のみ、前記等時性信号へのアクセスを利用し若しくはこれを提供する。前記インターフェイス20を介して提供された前記キーおよび/または前記ネットワークアドレスフィールド26内に保持された前記データは、前記ネットワーク10をさらに安全にするため暗号化される。
【0035】
同様に、前記装置アドレスフィールド28は、どの単一または複数の装置が特定の送信された信号を利用すべきかを、前記第1のノード12aが示せるようにする。一部の実施形態では、製造業者の識別番号、装置タイプ、装置番号、装置バージョン、これらの組み合わせなど、異なる装置アドレス指定カテゴリーを表すサブフィールドに、前記装置アドレスフィールド28を分割することができる。前記データ制御フィールド30は、メッセージ制御およびハンドシェイクなどの無線瞬時制御機能に利用できる。
【0036】
前記データペイロードフィールド32は、それに関連付けられた受信側のノードおよび装置で使用されるデータおよび情報を格納するため利用できる。このデータペイロードフィールド32に対応し前記第1のノード12aから送信されるデータは、任意の装置およびシステムで使用可能な任意のデータまたは情報に対応したものであってよい。一部の実施形態において、このデータペイロードフィールド32は、前記メモリ22内に格納された情報または前記インターフェイス20を介して取得された情報により自動的にシードされる。例えば、前記第1のノード12aは、前記メモリ22内に保持されたアラーム(警報)データを起動時に自動送信する窓アラーム(警報)センサとして構成することができる。
【0037】
前記チェックサムフィールド34は、送信された信号を有するデータの完全性を、任意の受信ノードでチェックできるようにする。例えば、このチェックサムフィールド34では、巡回冗長検査(cyclical redundancy check:CRC)を使って、送信された信号に対応するデータが破損していないか確認できる。
【0038】
一部の実施形態では、反復等時性信号を含む信号を、前記第1のノード12aが付加的に受信するようなっている場合もある。例えば、前記第1のノード12aは、他のノード12から送信された信号をいつでも受信するようにできる。ただし一部の実施形態では、前記第1のノード12aに利用される前記送受信機14が、保護ウィンドウ36中にのみ信号を受信するよう前記処理システム16により構成される。
【0039】
これにより、図4に示すように、前記第1のノード12aは、送信ウィンドウ38中のみ信号を送信し、保護ウィンドウ36中にのみ信号を受信するようにできる。このような構成では、前記第1のノード12aは、定期的にのみ送信または受信を行うことにより電力を節約することができる。さらに、以下でより詳しく説明するとおり、前記保護ウィンドウ36は、適切で干渉しあわない反復等時性信号の形成に使用される情報を、他のノード12が前記第1のノード12aに送信できるようにする。例えば、前記第1のノード12aは、前記保護ウィンドウ36中、他の送信中ノードに対しリスニングを行い、干渉信号が検出された場合、前記反復等時性信号の等時性周波数および/または等時性位相を可変調整する。
【0040】
干渉信号の検出を容易にするため、前記保護ウィンドウ36は、前記送信ウィンドウ38に近い時間(時刻)に位置付けられる。例えば図4に示したように、前記保護ウィンドウ36を前記送信ウィンドウ38の後にすると、前記第1のノード12aは、前記送信ウィンドウ38中に送信された信号と干渉する可能性が高い送信信号を検出することができる。前記保護ウィンドウ36は、付加的または二者択一的に、前記送信ウィンドウ38の前にしてもよく、または他のいかなる時間(時刻)にしてもよい。以下でより詳しく説明するように、前記第1のノード12aは、前記保護ウィンドウ36中に受信された信号に基づき、送信する反復等時性信号の等時性位相および/または等時性周波数を可変調整することができる。
【0041】
また、前記第1のノード12aは、前記保護ウィンドウ36中に他のノード12から確認信号を受信して、送信された情報が正しく受信されたことを確認できる。一部の実施形態において、前記第1のノード12aに伴う前記処理システム16は、前記保護ウィンドウ36中に受信された信号を処理して、それらの受信信号について干渉信号である可能性があるか、または適切な応答送信であるかを決定するよう動作可能であってよい。前記保護ウィンドウ36中に受信された信号が干渉を生じるおそれがある場合、前記処理システム16は、前記反復等時性信号の等時性周波数および/または等時性位相を独立に修正することができる。
【0042】
また他のノード12も、前記保護ウィンドウ36中、前記第1のノード12aに要求を送信して、他の信号との干渉を防ぐため、当該第1のノード12aが前記反復等時性信号の等時性周波数および/または等時性位相を変更するよう要求することができる。例えば、後述する第2のノードなど前記他のノード12の1つが、前記第1のノード12aからの信号および別のノード12からの信号を同時に受信しようとしている場合、1若しくはそれ以上の前記ノード12は、前記保護ウィンドウ36中、前記第1のノード12aで使用されている等時性周波数および/または等時性位相を変更するよう要求することにより、前記第1のノード12aに信号干渉を防ぐよう要求を送信することができる。これにより、前記第1のノード12aは、他の干渉信号を認識していない場合または干渉信号を直接検出するようなっていない場合でも、前記反復等時性信号の等時性周波数および/または等時性位相を変更するよう他のノード12から要求を受信して、信号干渉を抑えることが可能である。
【0043】
前記第1のノード12aは、複数の反復等時性信号を送信することにより、複数の等時性チャネルを確立するよう動作可能であってよい。例えば、第1の等時性チャネルは、第1のノードセット12で使用する第1のデータタイプに対応して確立でき、第2の等時性チャネルは、第2のノードセット12で使用する第2のデータタイプに対応して確立できる。前記第1のノード12aは、各等時性チャネルに対応した信号に対し、各チャネルの送信ウィンドウ38が重複しないよう、当該等時性送信の周期、周波数、および/または位相を適切に定義することにより、任意数の等時性チャネルに対応した信号を送信できる。また、種々のチャネルの等時性送信の周期、周波数、および/または位相は、前記第1のノード12aに関連付けられた前記保護ウィンドウ36など他のいかなる装置の送受信ウィンドウともコンフリクトを生じないよう、前記ノード12a側で定義できる。
【0044】
さらに、前記第1のノード12aは、各等時性チャネルに関連付けられた前記反復等時性信号の電力レベルを調整して、電力消費を管理および制御し空間的な干渉を軽減することができる。さらに、前記第1のノード12aから送信データを受信するノード12は、受信された電力レベルの変化を監視することにより、前記第1のノード12aとの距離を決定できる。また、前記第1のノード12aは、送信される信号の等時性位相および等時性周波数を修正する代わりに若しくはそれに加え、送信される反復等時性信号について、振幅、変調、持続時間、これらの組み合わせなど他の特性を変更することができる。
【0045】
また、前記第1のノード12aは、複数の搬送周波数で信号を送信して、信号干渉を軽減し、前記ネットワーク10で利用できる全体的な帯域幅を拡げるようにできる。一部の実施形態において、この第1のノード12aは、1若しくはそれ以上の前記等時性チャネルで搬送周波数ホッピング方式を使って、電波干渉がある場合でもより良好なシステム信頼性を実現できる。前記第1のノード12aを含む前記ノード12は、いかなる搬送周波数も利用するよう構成できるが、本発明の種々の一実施形態では2.4GHz ISM帯域を使用することができる。
【0046】
複数の等時性チャネルと、その各々に関連付けられた等時性送信周期とが前記ネットワーク10に含まれる実施形態の場合、前記第1のノード12aなど種々の送信ノード12に対応する前記処理システム16は、任意の2つの同位相送信間の最大干渉期間が、許容範囲内のメッセージ損失の点から見て妥当な最大期間を超えないよう、各等時性送信を生成し、それに関連付けて異なる等時性周波数を有することができる。
【0047】
干渉を避けるよう等時性送信の周期、周波数、および位相を可変選択すると、上記のとおりさらにチャネル間の干渉を防ぐことができ、前記ネットワーク10に関連付けられたすべての等時性信号が、相対的なクロック誤差により次第にドリフトして同相になり、当該ネットワークチャネルのうち最速のクロックソースにそれぞれ個別に同期するようにできる。このような機能により、当該ネットワーク10で無線アクティビティのない期間を最大限にとることができ、新しいチャネルを前記ネットワーク10に確立する上で有益となる。
【0048】
上記と対照的に、等時性送信の周期、周波数、および/または位相がランダムに選択される実施形態の場合、前記ネットワーク10に関連付けられた種々のクロックソースは、位相がドリフトして次第に離れていき、まばらなチャネルトポロジーを生じて、同期による干渉シナリオを回避できる。例えば、同じ等時性特性を有する信号を2つのノードが送信する場合、その等時性送信の周期、周波数、および/または位相をランダムに調整すると、それら2つのノードが同期したままになるのを防ぐことができる。そのため、前記反復等時性信号に関連付けられた特性を可変調整すると、まばらなまたは密集したチャネル間隔トポロジーを作成し、独立したチャネルがドリフトして重複することによる干渉を防ぐことができる。
【0049】
種々の実施形態では、前記ネットワーク10に、前記第1のノード12aなどから送信される、1若しくはそれ以上の送信された反復等時性信号を受信するよう動作可能な第2のノード12bを含めることができる。この第2のノード12bに対応する前記送受信機14は、連続的にすべてのブロードキャスト信号を受信でき、この信号は、前記インターフェイス20を介して前記メモリ22内に格納し若しくは当該第2のノード12bに関連付けられた装置およびコンピュータ要素で使用することができる。
【0050】
ただし種々の実施形態では、電力を節約するため、特定された等時性送信周期に従って反復等時性信号を受信することにより絶えず連続的に信号を受信する必要がなくなるよう、前記第2のノード12bを構成することができる。例えば、前記第2のノード12bは、前記第1のノード12aから送信された第1の等時性反復信号を受信し、その第1の等時性反復信号で利用されている等時性送信周期、等時性位相、および/または等時性周波数を特定し、特定された伝送特性に基づいて引き続き前記第1の等時性反復信号を受信することができる。このように、前記第2のノード12bは、反復等時性信号に関連付けられた1若しくはそれ以上の伝送特性を特定することにより、送信信号の受信を連続的に試行する必要がなくなる。
【0051】
一部の実施形態において、前記第2のノード12bは、まず等時性送信の受信を有効にするため、前記第1のノード12aなど他のノードから送信が行われていないか探索を行う。この第2のノード12bは、アクセス可能なすべての送信を自動的に探索でき、または受信された等時性送信に対応した情報および/または前記インターフェイス20を介して取得された情報などの入力を受信した時点でのみ送信を探索するようなっている。一部の実施形態において、前記第2のノード12bは、特定のノードまたは等時性チャネルが検知状態(discovery state)であることを示す信号を最初に受信した場合のみ、他のノードからの送信を取得することができる。
【0052】
また、前記第2のノード12aは、上記の検知状態のほか、前記メッセージ形式24に対応した情報を利用するなど種々の探索基準に基づいて、検出された等時性信号を取得するかどうか選択することもできる。例えば、前記第2のノード12aは、信号を検出すると、前記メッセージ形式24で表された情報に基づいて、その信号が望ましい装置、装置タイプ、または他の識別特性により送信されたことを特定した場合にのみ、前記信号を取得する。例えば、前記第2のノード12aは、特定タイプの心拍数センサ、任意の心拍数センサ、または特定の心拍数センサに対応した信号のみ取得するよう選択できる。
【0053】
前記第2のノード12bは、第1の等時性送信が特定されるまで、連続して信号を探索するよう構成することができる。ただし図9に示すように、種々の実施形態では、電力を節約するため前記第2のノード12bが選択的に送信信号を探索する場合もある。例えば、前記第2のノード12bに関連付けられた前記処理システム16は、この第2のノード12bに関連付けられた前記送受信機14を定期または不定期に作動停止および起動させて送信信号の取得を試みることができる。
【0054】
前記第2のノード12bが2つ以上の信号を受信および/または送信し、あるいは2つ以上の等時性チャネルに参加するよう動作可能である実施形態の場合、当該第2のノード12bは、確立された通信チャネルと干渉が生じないよう、信号を受信または送信していない期間中に別の送信を探索するようにできる。例えば、前記第2のノード12bに対応した前記処理システム16は、前記第2のノード12bによる他信号の受信および/または送信と干渉することなく信号を探索するため、前記送受信機14を選択的に起動および作動停止させることができる。
【0055】
一部の実施形態において、前記第2のノード12bに対応した前記処理システム16は、等時性的かつ選択的に前記送受信機14を起動および作動停止させることで、前記第2のノード12bの平均的引き込み電流を軽減し、干渉を生じることなく当該第2のノード12bによる他の等時性信号の受信および/または送信を可能にする。デューティサイクルは、望ましい信号またはチャネルに期待される等時性送信周期に対して最適な周期を伴った複数の探索ウィンドウ40を有してよい。上記のとおり、前記探索ウィンドウ40は、前記第2のノード12bによる他信号の受信および/または送信と干渉しないよう時間配置できる。
【0056】
送信されてきた反復等時性信号の少なくとも一部を特定および受信した後、前記第2のノード12bに対応した前記処理システム16は、受信された反復等時性信号に対応した等時性送信の周期、周波数、位相などの伝送特性を特定するよう動作可能になる。一部の実施形態において、この処理システム16は、受信された等時性信号により表された情報を利用して伝送特性を特定することができる。例えば、前記メッセージ形式24の種々の部分は、前記処理システム16が、受信された等時性信号の少なくとも一部を処理すればその信号に対応した等時性送信周期を特定できるよう、等時性送信周期に対応させることが可能である。ただし、他の実施形態において、この処理システム16は、特定の信号で表されたデータまたは情報と関係なく伝送特性を特定するよう動作可能である。
【0057】
一部の実施形態において、等時性送信周期その他の伝送特性は、前記メモリ22内に格納され若しくは前記インターフェイス20を介してアクセス可能な情報などから、伝送特性に関する過去の知識を前記第2のノード12bが有せるよう、デフォルト値に対応させることができる。そのような実施形態において、前記処理システム16は、前記インターフェイス20を介して前記メモリ22または他の装置およびシステムにアクセスすることにより、等時性送信の周期、位相、周波数、または他の伝送特性を特定できる。
【0058】
前記第2のノード12bに関連付けられた前記処理システム16は、期待される時間と実際の信号受信時間との差を決定することにより、受信された等時性信号の等時性周波数、等時性位相、または他の伝送特性の誤差を特定するよう動作可能にもできる。図4に示したように、前記処理システム16は、期待される受信時間と実際の受信時間との時間差を測定し、その時間差を使って等時性送信の周期、位相、周波数、または他の伝送特性を特定できる。このように、期待される送信周期またはデフォルト送信周期を、測定された時間差または他の差異と比較することにより、前記処理システム16は反復等時性信号に対応した1若しくはそれ以上の伝送特性を特定するよう動作可能になる。
【0059】
前記第2のノード12bに関連付けられた前記処理システム16は、送信されてきた反復等時性信号の受信時間の差を決定することにより、等時性送信周期または他の伝送特性を特定するよう動作可能にもできる。例えば、前記処理システム16は、反復等時性信号の第1の部分が受信された時間を特定し、同じ反復等時性信号の第2の部分が受信された時間を特定したのち、特定された各時間に基づいて等時性送信の周期、位相、および/または周波数を計算することができる。これにより、送信周期に関する先験情報が利用できない場合でも、前記処理システム16は1若しくはそれ以上の伝送特性を特定することができる。
【0060】
この処理システム16は、上記の方法を任意に組み合わせて、受信された信号の等時性送信周期または他の伝送特性を特定することができる。この処理システム16では、付加的または二者択一的に他の任意の特性特定方法を使って等時性送信周期および他の伝送特性を取得することも可能である。例えば、当該処理システム16は、特定された伝送特性に基づいて計算を行い、反復等時性信号に対応した等時性送信の周期、位相、および/または周波数を特定することができる。
【0061】
受信された反復等時性信号に対応する等時性送信周期または他の伝送特性が特定された時点で、前記第2のノード12bは、特定された伝送特性に基づいて、前記反復等時性信号の少なくとも一部を引き続き受信するよう動作可能になる。種々の実施形態において、前記第2のノード12bに関連付けられた前記処理システム16は、特定された1若しくはそれ以上の伝送特性に対応した起動ウィンドウ42を定義して、ノード電力を節約し、当該第2のノード12bが複数の信号を受信および/または送信できるようにするよう動作可能である。
【0062】
図4に示すように、前記起動ウィンドウ42は、前記第2のノード12bが送信信号を適切に受信できるよう、少なくとも前記送信ウィンドウ38と同じだけの長さを有する。種々の実施形態において、この起動ウィンドウ42の長さは前記送信ウィンドウ38より長くしてあり、計算ミス、クロック誤差、これらの組み合わせなどにより、特定された等時性送信周期が間違っている場合でも、信号の受信が可能になる。上述のとおり、前記処理システム16は、特定されたこれらの誤差を利用して、信号が前記起動ウィンドウ42の中央向きに受信されるよう、送信されてきた信号の等時性位相および/または等時性周波数を修正することができる。等時性周波数および/または等時性位相が前記第1のノード12aに修正されるに伴い、前記第2のノード12bは前記起動ウィンドウ42を修正し、修正された等時性周波数および/または等時性位相に対応するよう動作可能となる。
【0063】
一部の実施形態では、経時的なクロックドリフトの結果送信ノードと受信ノードとの間に生じる誤差など、等時性送信周期について考えられる誤差に合わせて補正を行うため、前記起動ウィンドウ42にクロック許容誤差などの許容誤差が含まれる。ただし、前記起動ウィンドウ42の持続時間は、送信信号の受信に適した任意の長さであってよい。図9に示すように、前記起動ウィンドウ42を前記探索ウィンドウ40と組み合わせて利用することにより、前記第2のノード12bは、二者択一的に信号を探索および受信できるようになる。
【0064】
一部の実施形態において、前記処理システム16は、干渉を起こさず他の信号の送信および/または受信を可能にするため、前記起動ウィンドウ42の長さを変更できる。例えば、前記第2のノード12bが多数の信号を受信中の場合は、前記起動ウィンドウ42を動的に短縮することができる。例えば、前記第2のノード12bが少数の信号を受信中の場合は、前記起動ウィンドウ42を動的に拡張することができる。一部の実施形態において、前記処理システム16は、期待される受信時間および実際の受信時間の差と、許容誤差とを利用して、前記起動ウィンドウ42の長さを決定できる。また、この処理システム16は、前記起動ウィンドウ42の長さを定義または修正する際、許容範囲内のメッセージ損失を考慮することもできる。例えば、この処理システム16は、最悪の場合に期待される1メッセージあたりのドリフトに、許容範囲内のメッセージ損失数を乗算して、前記起動ウィンドウ42の長さを定義する。
【0065】
種々の実施形態において、前記第2のノード12bに対応した前記処理システム16は、前記送受信機14を作動停止および起動させてノード電力を節約することができる。例えば、前記処理システム16は、前記起動ウィンドウ42の開始時に前記送受信機14を起動し、前記起動ウィンドウ42の終了時に前記送受信機14を作動停止させることが可能である。このように、前記第2のノード12bは、等時性送信の周期、周波数、位相、および/または他の伝送特性を特定することにより、信号受信が不要なときに前記送受信機14を作動停止させて電力を節約することができる。
【0066】
前記第2のノード12bは、特定された等時性送信の周期、位相、周波数、または他の伝送特性に従って、いかなる数の信号も受信できる。さらに、伝送特性が前記第1のノード12aまたは他の送信ノード12により変更された場合、前記第2のノード12bは、変更された伝送特性を自動的に特定し、変更後の伝送特性に基づいて引き続き信号を受信することができる。
【0067】
前記第2のノード12bは、さらに電力を節約するため、等時性チャネルに対応した送信をサブサンプリングするよう構成することができる。このように、前記第2のノード12bは、反復等時性信号の全体を受信する代わり、その反復等時性信号の一部だけを受信するよう選択できる。例えば、前記第2のノード12bに対応した前記送受信機14は、前記反復等時性信号を2周期おきに(3周期ごとに1周期分だけ)受信するよう作動させることができる。このような機能により、前記第2のノード12bは、受信される反復等時性信号の諸部分を平均してよい場合など、信号全体を受信しなくてもよい場合にエネルギー消費を節約できるようになる。さらに、このような機能を使うと、高速等時性送信周期で信号を送信できるようになるため前記第2のノード12bでの信号取得を高速化できる一方、前記第2のノード12bでより低レートでデータを受信できるようになるため電力を節約できる。
【0068】
一部の実施形態において、前記第2のノード12bは、反復等時性信号を受信するほか、反復等時性信号を送信するよう動作可能であってよい。種々の実施形態において、前記第2のノード12bは、上記の前記第1のノード12aと実質的に同様な態様で、信号を送信するよう動作可能である。そのため、一部の実施形態において、この第2のノード12bは、等時性送信周期に対応した送信ウィンドウ中に信号を送信することができる。信号干渉を防ぎノード電力を最小限に抑えるよう、この送信ウィンドウと、上記の起動ウィンドウ42および探索ウィンドウ40との間には、時差が設けられる。前記第2のノード12bは、前記第1のノード12aに確認信号を送信して信号が受信されたことを示すよう構成することもできる。前記第1のノード12aは、前記確認信号を受信できなかった場合、欠落した信号を自動的に再送信する。上記のとおり、前記第2のノード12bは、また、前記第1のノード12aにに要求を送信し、等時性周波数または等時性位相など当該第1のノード12aの伝送特性を求め、これらを修正して信号とチャネルとのコンフリクトおよび干渉を防ぐ。
【0069】
種々の実施形態では、前記第1のノード12aおよび前記第2のノード12bを中継送信用に構成することができる。例えば、前記第1のノード12aが反復等時性信号を送信し、前記第2のノード12bは、前記反復等時性信号の少なくとも一部を受信しその反復等時性信号の少なくとも一部を送信するようにできる。前記第1のノード12aは、前記第2のノード12bから受信された信号を再送信するよう構成することもできる。これにより、種々の前記ノード12は、受信された任意の信号を繰り返して前記ネットワーク10の範囲を拡張するよう動作可能なリピータ(中継器)として構成することができる。
【0070】
種々の実施形態では、図5および図8に示したように、前記第1のノード12aおよび前記第2のノード12bをバースト送信用に構成することができる。例えば図5に示すように、前記第1のノード12aは、第1の反復等時性信号に加え若しくはその代わりに、第2の反復等時性信号を送信する。前記第2の等時性信号は、前記第1の等時性信号より短い等時性周期を有することが好ましい。これにより、前記第2の等時性信号は、前記第1の等時性信号より高レートでデータを転送できる。前記第2のノード12bは、前記第1のノード12aがバースト送信を行っていることを検出すると、バースト送信を確実かつ適切に受信できるよう、自らの起動ウィンドウ42サイズを能動的に調整する。例えば、前記第2のノード12aは、自らの起動ウィンドウ42およびそれに関連付けられた許容誤差を能動的に短縮し、より高レートのバースト送信に対応する。
【0071】
前記ノード12aおよび12bは、それぞれの保護ウィンドウおよび/または起動ウィンドウ42を利用して、情報が正しくバースト送信されているか確認することもできる。例えば図5に示したように、前記第1のノード12aが「バーストデータ1」を送信すると、前記第2のノード12bは、確認応答「バーストデータ1A」を送信する。図7に示すようにエラーが検出されると、前記第2のノード12bが確認応答を送信せず、これにより前記第1のノード12aは前記第2のノード12bで受信されるよう当該等時性信号を再送信し、または当該バースト送信および/または当該チャネルをリセットする。このバースト送信に関連付けられたデータレートは、前記第1のノード12aおよび前記第2の12b間で、バースト送信の前または間に、双方向通信でネゴシエート可能である。
【0072】
さらに一部の実施形態において、前記第1のノード12aおよび前記第2のノード12bは、付加的または二者択一的に、バースト送信のため各々のメモリ22およびインターフェイス20にアクセスするよう構成可能である。そのような実施形態において、前記第1のノード12aはデータの半分をブロードキャストし、前記第2のノードはそれと組み合わせて前記データの残りの半分をブロードキャストすることにより、前記ノード12aおよび12bの各等時性送信周期を修正することなくデータ伝送レートを効果的に倍増させることができる。
【0073】
変更可能な等時性送信周期および他の伝送特性をバーストチャネルおよび非バーストチャネルに使用できることにより、上記バースト送信は、上記非バースト通信法に加えて使用することができる。そのため、一部の実施形態において、前記第1のノード12aまたは他の送信ユニットは、各等時性周期ごとに任意タイプの送信を行い任意選択で受信も行うよう動作可能であってよく、前記第2のノード12bまたは他の受信ユニットは、各等時性周期ごとに任意タイプの受信または送信を行うことができる。
【0074】
上述したとおり、前記第2のノード12bは、情報を受信した時点でその受信情報を再送信できる。この第2のノード12bは、付加的または二者択一的に、受信情報を前記メモリ22内に保持し、または前記インターフェイス20を介して他の装置およびシステムに受信情報を提供する。さらに、前記第2のノード12bに関連付けられた前記処理システム16は、前記メモリ22内への格納前、または前記インターフェイス20を介した他の装置およびシステムとの接続前に、情報を処理することができる。
【0075】
図1に示したように、前記ネットワーク10には、任意数のノード12を含めることができ、その各々は、送信機、受信機、または送受信機として構成されている。このように、当該ネットワーク10には、前記第1のノード12aと同様な態様で構成され、前記第2のノード12bと同様な態様で構成され、または本明細書で説明する他の任意態様で構成されたノード12を含めることができる。このネットワーク10内では、送信信号の等時性送信周期または他の伝送特性を変更する前記ノード12の能力に起因した干渉を生じることなく、等時性送信チャネルをいくつか確立することができる。このネットワーク10には、利用される伝送特性の動的な性質に起因した干渉をいかなる既存ノード12とも生じないよう、送信ノードおよび受信ノード12を追加することができる。当該ネットワーク10を有する各前記ノード12は、互いに独立して送信ノードの送信を追跡し、利用された等時性伝送特性を特定して最低限の電力で適切に信号を受信することができる。
【0076】
等時性送信の周期、位相、周波数、および他の伝送特性を変更する能力により、前記ネットワーク10内の異なるノード12では、送信を行う個々のノード12の要件に基づいて非常に異なる伝送特性が利用される可能性がある。例えば、心拍数センサは、1秒あたり1回データを送信して必要最低限のデータ待ち時間を維持するが、その心拍数センサに関連付けられた温度センサは、より緩慢なデータ待ち時間(レイテンシ)要件を満たすよう5秒に1回しか送信を行わない場合もある。
【0077】
同じ等時性周期中に2つ以上のノード12が別のノード12への送信を試みる実施形態では、前記送信を行うそれらのノード12が協動して、干渉しあう信号を送信しないようにすることが可能である。一部の実施形態において、各送信ノード12は、別のノード12との通信を試みる前に、信号のコンフリクトが生じる確率を下げるため、無作為数だけの等時性周期だけ待機する。受信側のノード12は、付加的または二者択一的に、固定された一意のサブサンプリング期間を各送信ノード12用に設けて、信号干渉を防ぐことができる。前記サブサンプリング期間は、前記メモリ22内で定義され、前記インターフェイス20を介して定義され、または1若しくはそれ以上の送信ノード12により決定される静的な値であってよい。
【0078】
信号干渉は、前記メッセージ形式24を利用して各受信ノード12に一意のアドレスを割り当てることによっても低減できる。このノードアドレスを使用すると、等時性送信または等時性送信周期に対し異なる時間的オフセットを生成することができる。このノードアドレスは、事前定義された静的な値であっても、前記送信ノード12により割り当てられる動的な値であってもよい。受信ノード12は、意図された受信側としてメッセージを処理するとともに、前記メッセージ形式24で定義された時間に、またはオフセットをつけて、前記送信ノード12へ確認応答を送信することができる。これにより、一部の実施形態において、送信ノードに関連付けられた前記保護ウィンドウ36は、受信ユニットの数に依存した動的な増減が可能になる。一部の実施形態において、この保護ウィンドウ36は、一定数の受信ユニットから確認応答を受信するよう動作可能な静的長さを有してよい。
【0079】
付加的または二者択一的に、アドレス指定を利用して受信ノードの送信ノードへの応答方法を制御することができる。例えば、前記第1のノード12aが、前記メッセージ形式24で示した第1の装置アドレスを有する反復等時性信号を送信する。すると、前記第2のノード12bは、その反復等時性信号を受信し、前記第1の装置アドレスを処理して自らのアドレスに対応しているか確認する。前記メッセージ形式24で特定された装置アドレスが前記第2のノード12bのアドレスに対応していた場合、当該第2のノード12bは、前記第1のノード12aに対する全タイプの通信方法を有効にする。その結果、前記第1の装置アドレス、あるいは他のアドレスまたは識別子に関連付けられていないノード12は、前記保護ウィンドウ36中に応答しないため、長い保護ウィンドウ36を利用する必要がなくなる。
【0080】
上記のとおり、前記第1のノード12aなどの送信ノードは、他のノード12からブロードキャストされた信号を受信するよう構成することができる。一部の実施形態において、前記送信ノードは、上記のとおり、第1の反復等時性信号を送信し、また第2の反復等時性信号を受信するよう動作可能であってよい。送信ノードに関連付けられた前記処理システム16は、前記第2の反復等時性信号の等時性周波数を推定し、これに基づいて前記第1の反復等時性信号の等時性周波数を調整できる。このような構成により、前記第1の反復等時性信号と第2の反復等時性信号との干渉は、回避または制限できるようになる。前記処理システム16は、本発明が単なる2信号間の干渉低減に限定されないよう、受信された複数の反復等時性信号の等時性周波数を推定するよう構成することができる。
【0081】
前記処理システム16は、前記第1のノード12aおよび/または前記第2のノード12bについて上述した方法のいずれかを利用し、前記第2の反復等時性信号の等時性周波数を推定できる。このように、当該処理システム16は、例えば前記第2の反復等時性信号を経時的に追跡し、その等時性周波数を各種測定に基づいて推定することができる。
【0082】
これにより、上記のとおり、当該処理システム16は、期待される時間と実際の時間との差を決定してクロック誤差を特定したのち、特定されたクロック誤差に基づいて前記第2の反復等時性信号の等時性周波数を推定できるようになる。また、この処理システム16は、前記第2の反復信号のわずか1周期分を利用するだけで前記第2の反復信号の等時性周波数を推定することもでき、その場合は、前記第2の反復信号を長時間にわたり追跡する必要も、前記第2の反復信号により表された情報およびデータにアクセスする必要もなくなる。
【0083】
前記処理システム16は、前記受信ノード12が引き続き前記第1の反復等時性信号を追跡および受信できるようにするため、複数の送受信機送信にわたり、前記第1の反復等時性信号の等時性周波数を調整できる。これにより、いかなる所与の期間についても、前記第1の反復等時性信号の等時性周波数の瞬時変化が、前記受信ノード12で利用される前記起動ウィンドウ42の許容誤差内に限定され、前記第1の反復等時性信号が確実に継続して受信されるようにすることができる。
【0084】
前記第1の反復等時性信号の等時性周波数に対し前記処理システム16が加える調整は変更が可能で、静的な値または事前定義された値に限定されない。そのため、前記処理システム16は、送信信号の等時性周波数を任意量だけ調整することにより、前記起動ウィンドウ42の許容誤差で画成された境界内にとどまりつつ干渉を制限することができる。
【0085】
また、前記処理システム16は、前記第2の反復等時性信号または他の等時性信号および非等時性信号など、受信した信号の1若しくはそれ以上の伝送特性に基づき、前記第1の反復等時性信号など、送信する反復等時性信号の等時性位相を可変調整するようにできる。前記処理システム16によるこの等時性位相調整は、上記の前記周波数調整に加え若しくはその代わりに行うことができる。
【0086】
送信される反復等時性信号の等時性位相を調整するため前記処理システム16に利用される伝送特性は、信号に対応付けられたいかなる特性であってもよいが、その信号で表されたデータまたは情報である必要は必ずしもない。したがって、例えば前記処理システム16は、周波数、位相、電力、振幅、持続時間、変調、これらの組み合わせなどの伝送特性を特定および利用できる。前記処理システム16は、送信する反復等時性信号の等時性位相を調整して他信号との干渉を回避することにより、望ましい疎または密なネットワークチャネルトポロジーを形成し、および/またはより適切または使用可能な等時性位相を受信ノードが要求できるようにする。
【0087】
上記の等時性周波数調整と同様な態様で、前記処理システム16は、送信されてくる反復等時性信号を受信ノード12が引き続き追跡および受信できるようにするため、複数の送受信機送信にわたり、送信する反復等時性信号の等時性位相を調整することができる。いかなる所与の期間についても、送信される前記第1の反復等時性信号の等時性位相の変化は、受信ノード12で利用される前記起動ウィンドウ42の許容誤差内に限定されるため、送信される反復等時性信号は確実に継続して受信されるようにできる。
【0088】
送信される反復等時性信号の等時性位相に対し前記処理システム16が加える調整は変更が可能で、静的な値または事前定義された値に限定されない。そのため、前記処理システム16は、送信信号の等時性位相を任意量だけ調整することにより、前記起動ウィンドウ42で画成された境界内にとどまりつつ干渉を制限することができる。ただし、前記処理システム16で使用する干渉回避法には、等時性送信の等時性周波数、等時性位相、または等時性周波数および等時性位相双方に対する静的な補正、測定値に基づく補正、または無作為な補正を含めることができる。
【0089】
種々の前記ノード12および前記ネットワーク10は、いかなる環境で使用しても低電力ネットワーク通信を実現できる。一部の実施形態では、心拍数モニター装置、自転車、速度センサ、モーションセンサ、歩数計、加速度計などに種々のノード12を連結して、腕時計、携帯電話、携帯情報端末(PDA)コンピュータ装置、これらの組み合わせなどの装置にリアルタイムデータを送信することが可能である。また、前記ノード12はホームオートメーションネットワーク(家電製品ネットワーク)でも利用でき、アラーム(警報)センサ、温度センサ、照明スイッチ、電源ソケットなどを、遠隔制御装置(リモコン)またはコンピュータ装置などの中央位置から制御および監視することが可能になる。前記ノード12をさらに利用すると、高周波識別装置(radio−frequency identification device:RFID)を装備した倉庫内などの中央位置にデータを再送信できるため、距離や環境の条件により倉庫から全品目までの無線通信を前記中央位置から実現できない場合に活用できる。前記ノード12を使用すると、RFID情報または他の任意のデータを無線ノード間でホッピングさせて前記中央位置へ戻すようにもできる。
【0090】
前記ノード12を任意の装置およびシステムと連結することにより、任意タイプのネットワークまたはネットワークの組み合わせを形成することができる。例えば、前記ノード12は、コンピュータ;マウスやキーボードなどのコンピュータ周辺機器;ビデオモニター、マイク、スピーカー、カメラなどのテレビ会議用機器;家庭用電化製品を含む任意の装置およびシステムの遠隔制御装置;ジョイスティックやインタラクティブリモコンなどのテレビゲーム機器;警報機、侵入者検出器、個人用警報機、電子モーションセンサーを含む防犯システム;コントローラ、サーモスタット、電熱線を含む電気暖房システム;キーパッドなどの無線装置;子供監視システム;火災および煙用の検出器および警報機;個人用トランスポンダ;ガレージドアオープナー(開閉器)およびこれらの組み合わせなどと併用できる。
【0091】
本発明の一実施形態およびそれに伴う多くの利点は、上記の説明により理解され、また本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その重要な全利点を犠牲にすることなく、本発明の一実施形態の構成要素の形態と構造と構成とから種々の変形形態が可能であることが明確に理解されるものと考えられる。本明細書で説明した形態は、単にその説明を目的とした実施形態であり、以下の特許請求の範囲は、そのような変更を包含するよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークノードであって、
反復等時性信号を無線送信し、且つ信号を受信するよう動作可能な送受信機と、
前記送受信機に連結され、前記受信信号の伝送特性に基づいて前記反復等時性信号の等時性位相を可変調整するよう動作可能な処理システムと
を有する無線ネットワークノード。
【請求項2】
請求項1記載のノードにおいて、前記伝送特性は、等時性周波数、等時性位相、電力、振幅、持続時間、変調、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるものである。
【請求項3】
請求項1記載のノードにおいて、前記処理システムにより行われる調整は、さらに、
前記反復等時性信号の等時性周波数を調整する工程を含むものである。
【請求項4】
請求項1記載のノードにおいて、前記処理システムは、前記反復等時性信号の等時性位相をランダムに調整するよう動作可能である。
【請求項5】
請求項1記載のノードにおいて、前記処理システムは、複数の送受信機送信にわたって前記反復等時性信号の等時性位相を調整するよう動作可能である。
【請求項6】
請求項1記載のノードにおいて、前記送受信機は、送信ウィンドウ中に前記反復等時性信号を送信し、且つ保護ウィンドウ中にのみ前記受信信号を受信するよう動作可能であり、前記保護ウィンドウは前記送信ウィンドウに時間的に近接しているものである。
【請求項7】
ネットワーク通信を送信するための方法であって、
反復等時性信号を無線送信する工程と、
信号を受信する工程と、
前記受信信号の伝送特性に基づいて前記反復等時性信号の等時性位相を可変調整する工程と
を有する方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記伝送特性は、等時性周波数、等時性位相、電力、振幅、持続時間、変調、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるものである。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、この方法は、さらに、
前記反復等時性信号の等時性周波数を調整する工程を含むものである。
【請求項10】
請求項7記載の方法において、前記反復等時性信号の等時性位相はランダムに調整されるものである。
【請求項11】
請求項7記載の方法において、前記反復等時性信号の等時性位相は複数の送信にわたって調整されるものである。
【請求項12】
請求項7記載の方法において、前記反復等時性信号は送信ウィンドウ中に送信され、且つ前記受信信号は保護ウィンドウ中にのみ受信され、前記保護ウィンドウは前記送信ウィンドウに時間的に近接しているものである。
【請求項13】
無線ネットワークノードであって、
第1の反復等時性信号を無線送信し、且つ第2の反復等時性信号を受信するよう動作可能な送受信機と、
前記送受信機に連結された処理システムであって、前記第2の反復等時性信号の等時性周波数を推定し、当該第2の反復等時性信号の等時性周波数に基づいて前記第1の反復等時性信号の等時性周波数を調整するよう動作可能である、前記処理システムと
を有する無線ネットワークノード。
【請求項14】
請求項13記載のノードにおいて、前記処理システムは、前記第1の反復等時性信号の等時性周波数を調整することにより、前記第2の反復等時性信号との干渉を制限するよう動作可能である。
【請求項15】
請求項13記載のノードにおいて、前記処理システムは、複数の送受信機送信にわたって前記第1の反復等時性信号の等時性周波数を調整するよう動作可能である。
【請求項16】
請求項13記載のノードにおいて、前記送受信機は、送信ウィンドウ中に前記第1の反復等時性信号を送信し、且つ保護ウィンドウ中にのみ前記第2の反復等時性信号を受信するよう動作可能であり、前記保護ウィンドウは前記送信ウィンドウに時間的に近接しているものである。
【請求項17】
無線ネットワークであって、
第1の無線ネットワークノードであって、
反復等時性信号を無線送信し、且つ信号を受信するよう動作可能な送受信機と、
前記送受信機に連結され、前記受信信号の伝送特性に基づいて前記反復等時性信号の等時性位相を可変調整するよう動作可能な第1の処理システムと
を含むものである、前記第1の無線ネットワークノードと、
第2の無線ネットワークノードであって、
前記反復等時性信号を無線受信するよう動作可能な受信機と、
前記受信機に連結され、起動ウィンドウを定義し、且つ当該起動ウィンドウ中に前記受信機を制御して前記反復等時性信号を受信するよう動作可能な第2の処理システムと
を含むものである、前記第2の無線ネットワークノードと
を有する無線ネットワーク。
【請求項18】
請求項17記載のネットワークにおいて、前記第2の処理システムは、前記起動ウィンドウの開始時に前記受信機を起動し、前記起動ウィンドウの終了時に前記受信機を作動停止させるよう動作可能である。
【請求項19】
請求項17記載のネットワークにおいて、前記第2の処理システムは、前記反復等時性信号の伝送特性を特定し、当該特定された伝送特性に基づいて前記起動ウィンドウを定義するようさらに動作可能である。
【請求項20】
請求項19記載のネットワークにおいて、前記反復等時性信号の伝送特性は、等時性周波数、等時性位相、電力、振幅、持続時間、変調、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるものである。
【請求項21】
請求項19記載のネットワークにおいて、前記第2の処理システムは、前記反復等時性信号の前記特定された伝送特性の変化を検出することにより、前記起動ウィンドウを調整するようさらに動作可能である。
【請求項22】
請求項17記載のネットワークにおいて、前記送受信機は、送信ウィンドウ中に前記反復等時性信号を送信し、且つ保護ウィンドウ中にのみ前記受信信号を受信するよう動作可能であり、前記保護ウィンドウは前記送信ウィンドウに時間的に近接しているものである。
【請求項23】
請求項17記載のネットワークにおいて、前記受信機は、前記第1の無線ネットワークノードの前記送受信機で受信される信号を送信するようさらに動作可能である。
【請求項24】
請求項23記載のネットワークにおいて、前記第1のネットワークノードは、前記第2のネットワークノードにより送信された少なくとも1つの信号を利用して前記反復等時性信号の等時性位相を可変調整するよう動作可能である。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−205649(P2011−205649A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−91922(P2011−91922)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【分割の表示】特願2008−545248(P2008−545248)の分割
【原出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(509045656)ガーミン スウィッツァランド ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】