筋かい接合部材
【課題】変形を抑制するための強度を必要に応じて確保でき、大きな力が加わった時にも壊れにくい靭性を有し、且つ優れた復元力を有する筋かい接合部材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる筋かい接合部材は、構造材と略平行に配置された材軸応力伝達部1と、当該材軸応力伝達部1に固着、あるいは、スライド接合された部材を備え、当該部材に筋かい、あるいは、ブレースが接合可能となるように形成されている。さらに、当該材軸応力伝達部1が構造材に、ガイド部4を介してスライド可能に取り付け、あるいは、固定されている。また、より好ましいのは、当該材軸応力伝達部1に少なくとも一以上の弾性部材6を備え、材軸応力伝達部1の摺動を阻害するように構成されている。
【解決手段】本発明にかかる筋かい接合部材は、構造材と略平行に配置された材軸応力伝達部1と、当該材軸応力伝達部1に固着、あるいは、スライド接合された部材を備え、当該部材に筋かい、あるいは、ブレースが接合可能となるように形成されている。さらに、当該材軸応力伝達部1が構造材に、ガイド部4を介してスライド可能に取り付け、あるいは、固定されている。また、より好ましいのは、当該材軸応力伝達部1に少なくとも一以上の弾性部材6を備え、材軸応力伝達部1の摺動を阻害するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物、工作物等、構造材によって構成される構造物に設ける筋かい、あるいはブレース等を構造材の直交差部分に留め付ける筋かい接合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の耐震工法としては、柱等垂直材と梁等横架材で囲まれた構面に、筋かい、あるいはブレース等、斜材を設置して強度を高める工法が公知である。
また、当該斜材を留め付ける部材としては、筋かいプレート、筋かいボックス等、Zマーク表示金物が公知である。
また、耐震性能を高めるため、地震エネルギーを吸収するブレース工法として下記特許文献に示すような工法が提案されている。
【特許文献1】特開2002−161595号公報
【特許文献2】特開2004−052307号公報
【特許文献3】特開2005−098098号公報
【特許文献4】特開2005−264472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
筋かいプレート、筋かいボックス等、上記従来の接合金物は、基本的に靭性の小さい剛接合の考え方に基づく技術であるため、変形時の復元力を持たない釘、ねじ等で固着される。そのため、大地震等、大きな力が加わった場合には、釘、ねじ等の留め付け部材に力がかかり、変形あるいは破断する恐れがある。また、木材を使用した筋かいの場合、圧縮側におおきな力が作用した場合には、構面の変形により筋かいが直交差部分の横架材を押し上げて構造物が崩壊してしまう恐れがある。すなわち、筋かいを設ける耐震工法においては、当該筋かいを留め付ける部材の性能が、耐震性能を確保するための重要な要素であることは公知の事実である。
【0004】
本発明は、上記従来の筋かい工法の欠点を解消するためになされたものであり、地震による水平力が加わった場合、地震エネルギーを吸収すると同時に、構面全体の変形を抑制する筋かい接合部材を提供することを目的とする。さらには、構面全体の変形を抑制するための強度を必要に応じて確保でき、大きな力が加わった時にも壊れにくい靭性を有し、且つ優れた復元力を有する筋かい接合部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(1)建築物、工作物等、構造物において、梁、土台あるいは、柱等の構造材によって形成された略四角形の構面に設置される筋かいあるいはブレース等、斜材を構造材直交差部分に留め付ける部材であって、
垂直、または、水平に位置する前記構造材と略平行になるように配置され、前記斜材を留め付けることが可能な接合部材2が固着された材軸応力伝達部1を備え、
当該材軸応力伝達部1を、所定の位置で当該構造材と、略平行に摺動自在になるように取り付け、且つ当該構造材に固定可能となるように形成したガイド部4を当該材軸応力伝達部1に一以上備えたことを特徴とする筋かい接合部材。
【0006】
(2)建築物、工作物等、構造物において、梁、土台あるいは、柱等の構造材によって形成された略四角形の構面に設置される筋かいあるいはブレース等、斜材を構造材直交差部分に留め付ける部材であって、
垂直、または、水平に位置する前記構造材と略平行になるように配置された材軸応力伝達部1と、前記斜材を留め付けることが可能で、且つ、当該材軸応力伝達部1に摺動自在に装着できるガイド5aを有するスライド接合部材5を備え、
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aを当該材軸応力伝達部1に摺動自在に装着し、
当該材軸応力伝達部1を、所定の位置で当該構造材と、略平行に摺動自在になるように取り付け、且つ当該構造材に固定可能となるように形成したガイド部4を当該材軸応力伝達部1に一以上備えたことを特徴とする筋かい接合部材。
【0007】
(3)前記材軸応力伝達部1が棒状体で形成されたことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の筋かい接合部材。
【0008】
(4)前記材軸応力伝達部1の一部を所定の形状に成形、あるいは略円形に捲回することで、材軸応力伝達部1自体が伸縮可能となる緩衝湾曲部10を設けたことを特徴とする上記(1)ないし(3)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0009】
(5)前記構造材に取り付けられた材軸応力伝達部1の構造材直交差側の端部を、対置する構造材または基礎に固定された所定の固着部材に接合可能なように構成されたことを特徴とする上記(1)ないし(4)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0010】
(6)前記材軸応力伝達部1の一部を、当該材軸応力伝達部1が設置された前記構造材に固着可能となるように構成されたことを特徴とする上記(1)ないし(5)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0011】
(7)前記材軸応力伝達部1が当該材軸応力伝達部1が取り付けられている構造材に対して所定の角度を有するように構成されたことを特徴とする上記(1)ないし(6)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0012】
(8)前記ガイド部4に、前記材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を備え、当該ガイド部4に当該材軸応力伝達部1を挿着することで、材軸応力伝達部1が摺動自在となるようにガイド部4が形成されたことを特徴とする上記(1)ないし(7)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0013】
(9)前記スライド接合部材5を構成するガイド5aに、前記材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を備え、且つ、当該材軸応力伝達部1に当該ガイド5aを嵌着することで、スライド接合部材5が材軸応力伝達部1に摺動自在に装着されたことを特徴とする上記(2)ないし(8)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0014】
(10)前記材軸応力伝達部1の所定の位置に取り付けられ、材軸応力伝達部1が摺動した時、前記ガイド部4、または、スライド接合部材5と接触することで材軸応力伝達部1の摺動が阻害されるように形成されたストッパ部材3を少なくとも一以上備えたことを特徴とする上記(1)ないし(9)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0015】
(11)前記ストッパ部材3の外端が、前記ガイド部4、または、スライド接合部材5の通孔の縁よりも外方に位置するように形成することで、ガイド部4、または、スライド接合部材5と接触可能となり、材軸応力伝達部1の摺動が阻害されるように形成されたことを特徴とする上記(10)に記載の筋かい接合部材。
【0016】
(12)前記材軸応力伝達部1の一部または全てが雄ねじ部材で形成されたことを特徴とする上記(1)ないし(11)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0017】
(13)前記ストッパ部材3の少なくとも一以上が雌ねじ部材で形成されたことを特徴とする上記(10)ないし(12)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0018】
(14)前記スライド接合部材5の両端に雌ねじ部材を設置し、スライド接合部材5を材軸応力伝達部1に固定することでスライド接合部材5に前記接合部材2としての機能を持たせたことを特徴とする上記(1)ないし(13)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0019】
(15)前記スライド接合部材5を構成するガイド5aの通孔の内面に雄ねじを形成し、前記雄ねじ部材で形成された材軸応力伝達部1にスライド接合部材5を螺着してスライド接合部材5を材軸応力伝達部1に固着することでスライド接合部材5に前記接合部材2としての機能を持たせたことを特徴とする上記(12)ないし(14)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0020】
(16)前記材軸応力伝達部1の所定の位置に装着し、前記ガイド部4、または、ストッパ部材3、または、スライド接合部材5、または、接合部材2の端部と接触可能となるように形成された弾性部材6を一以上備えたことを特徴とする上記(1)ないし(15)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0021】
(17)前記材軸応力伝達部1の所定の位置に装着し、前記ガイド部4、または、ストッパ部材3、または、スライド接合部材5、または、接合部材2の端部に一端を固着した弾性部材6を一以上備えたことを特徴とする上記(1)ないし(16)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0022】
(18)前記ストッパ部材3とガイド部4との間に、上記(16)に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が当該ストッパ部材3、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(10)ないし(17)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0023】
(19)前記接合部材2とガイド部4との間に、上記(16)に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が接合部材2、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(1)または、上記(3)ないし(18)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0024】
(20)前記スライド接合部材5とガイド部4との間に、上記(16)に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6がスライド接合部材5、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(2)ないし(19)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0025】
(21)前記ストッパ部材3とガイド部4との間に、上記(17)に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部をストッパ部材3の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(10)ないし(20)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0026】
(22)前記接合部材2とガイド部4との間に、上記(17)に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部を接合部材2の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(1)または、上記(3)ないし(21)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0027】
(23)前記スライド接合部材5とガイド部4との間に、上記(17)に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部をスライド接合部材5の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、スライド接合部材5がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(2)ないし(22)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0028】
(24)前記ガイド部4とガイド部4との間に、上記(16)または(17)に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする上記(10)ないし(23)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0029】
(25)前記ガイド部4と前記接合部材2との間に、上記(16)または(17)に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする上記(10)ないし(24)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0030】
(26)前記ガイド部4と前記スライド接合部材5との間に、上記(16)または(17)に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする上記(10)ないし(25)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0031】
(27)前記弾性部材6がコイルばねであることを特徴とする上記(16)ないし(26)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0032】
(28)前記ガイド部4を少なくとも一以上固着することで、ガイド部4と一体となるように形成された台座部7を備えたことを特徴とする上記(1)ないし(27)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0033】
(29)前記台座部7の一部または全体を板状の部材で形成したことを特徴とする上記(28)に記載の筋かい接合部材。
【0034】
(30)前記台座部7が、前記材軸応力伝達部1と略平行な辺に沿って、当該台座部7と略直角に延伸した脇台座部9を台座部7の片辺、または、両辺に備えたことを特徴とする上記(28)または(29)に記載の筋かい接合部材。
【0035】
(31)前記台座部7の構造材直交差側の端部に、棒状部材が挿通可能となる通孔を有する引寄せ部材8を備えたことを特徴とする上記(28)ないし(30)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0036】
(32)前記台座部7を、構造材の直交差する部分近傍まで延伸し、構造材の直交差部分近傍にて略直角に折り曲げ、あるいは、接合した台座部7を対置する構造材に沿って延伸することで、対置する構造材にも同時に台座部7を留め付け可能としたことを特徴とする上記(28)ないし(31)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0037】
(33)前記台座部7、または、脇台座部9、または、台座部7と脇台座部9の所定の位置に締結具を挿通するための一以上の締結孔が設けられたことを特徴とする上記(28)ないし(32)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0038】
(34)前記ガイド部4を形成する通孔の一端もしくは両端に、外方に向かう末広がり部を設けたことを特徴とする上記(8)ないし(33)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0039】
(35)前記スライド接合部材5を構成するガイド5aの通孔の一端もしくは両端に、外方に向かう末広がり部を設けたことを特徴とする上記(9)ないし(34)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0040】
(36)前記ガイド部4を形成する通孔において、当該ガイド部4が取り付けられている構造材の材面に対して垂直な方向の内径が、構造材の材面に対して平行な方向の内径よりも大きくなるようにガイド部4の通孔が形成されたことを特徴とする上記(8)ないし(35)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0041】
(37)前記ガイド部4の、一端もしくは両端が凹形状に形成されたことを特徴とする上記(36)に記載の筋かい接合部材。
【0042】
(38)前記ガイド部4が、当該ガイド部4に挿着された材軸応力伝達部1に対して、所定の角度を有するように傾斜して形成されていることを特徴とする上記(36)または(37)に記載の筋かい接合部材。
【0043】
(39)前記接合部材2、または前記スライド接合部材5が板状部材で形成され、且つ、当該板状部材に斜材を留め付ける締結具を挿通するための一以上の締結孔が設けられたことを特徴とする上記(1)ないし(38)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0044】
(40)前記接合部材2、または前記スライド接合部材5が、前記材軸応力伝達部1の軸心を中心に回動するのを防止する機能を備えたことを特徴とする上記(1)ないし(39)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【発明の効果】
【0045】
本発明は、建築物あるいは工作物を構成する構面に筋かい、あるいはブレースを接合するための部材であって、当該部材を変形可能な構成とすることで、地震等のエネルギーを吸収することが可能な制震構造が得られる。
【0046】
さらには、構造材と略平行な棒状部材(材軸応力伝達部)に配置した弾性部材が変形することでさらに大きなエネルギーを吸収できるとともに、当該弾性部材の弾発力により筋かい接合部材の変形を抑制し、且つ良好な復元力を得ることができる。
【0047】
さらには、構造材と略平行な棒状部材に配置した弾性部材の数は、必要に応じて増減できるので、強度の大きな筋かい接合部材、あるいは強度の小さな筋かい接合部材等、強度を変えた筋かい接合部材が製造上の大きな変更をすることなく簡単に製造できる。
【0048】
さらには、本発明にかかる筋かい接合部材によって筋かいを接合すれば、弾性部材が緩衝材(縮退、または、伸張することでエネルギーを吸収)として機能するので、構造材に当該筋かい接合部材を固定する締結具にかかる力は小さくなり、締結具の先行破壊を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施例に基づいて説明するが、本実施例は本発明の実施形態の代表的実施例であり、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【実施例】
【0050】
(実施例1)図1は本発明の実施例1にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
実施例1は、棒状体で形成された材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を有する二つのガイド部4にスライド可能に挿着されている。当該材軸応力伝達部1には、筋かい等、斜材を留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた接合部材2が固着されている。また、ガイド部4の端部から所定の距離を有する材軸応力伝達部1の両端には、雌ねじ部材で形成されたストッパ部材3を取り付けている。また、ガイド部4は、構造材に留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた台座部7に固着されている。
【0051】
(実施例2)図2は本発明の実施例2にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
実施例2は、棒状体で形成された材軸応力伝達部1がガイド部4に挿着され、両端に設けられた固着用部材(ナット)によりガイド部4に固定されている。当該材軸応力伝達部1には、材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を有するガイド5a(筒体)を備えたスライド接合部材5が、摺動自在に装着されている。なお、スライド接合部材5には、筋かい等、斜材を留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔が設けられている。また、ガイド部4は、構造材に留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた台座部7に固着されている。
【0052】
(実施例3)図3は本発明の実施例3にかかる筋かい接合部材の斜視図である。本実施例においては筋かい接合部材を、構造材によって形成された構造材直交差部分に留め付け、木製筋かいを留め付けた状態を示している。(以下、他の実施例においても同様とする)本実施例3にかかる筋かい接合部材は、実施例1の筋かい接合部材を構成するストッパ部材3とガイド部4との間、および、接合部材2とガイド部4との間にコイルばねで形成された弾性部材6が設けられている。なお、接合部材2は実施例2で明示されたスライド接合部材5の両端に雌ねじ部材(ナット)を設置することで材軸応力伝達部1に固着し、接合部材としての機能を持たせている。また、二つのガイド部4は、構造材に留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた板状部材で形成された台座部7に固着されている。なお、筋かいは木ねじにより接合部材2に留め付けている。
【0053】
(実施例4)図4は本発明の実施例4にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例4にかかる筋かい接合部材は、実施例2の筋かい接合部材を構成するスライド接合部材5(ガイド5a)とガイド部4との間にコイルばねで形成された弾性部材6が設けられている。また、二つのガイド部4は、構造材に留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた板状部材で形成された台座部7に固定されている。なお、筋かいはボルトにより、スライド接合部材5に回動自在にピン接合されている。筋かいはこのようにピン接合としてもよい。
【0054】
(実施例5)図5a、図5bに示す実施例5は、本発明の実施例4にかかる筋かい接合部材を構造材によって構成された構面に設置した場合の変形状態を説明するための側面図である。本説明図においては、わかりやすくするため、筋かい接合部材を簡略化して表現している。(以下他の説明図においても同様とする)
実施例5は、実施例4にかかる筋かい接合部材を、構造材上部直交差部分に2箇所留め付け、木製筋かいをたすき掛けに設置した状態を示している。図5bは、実施例5の構面に水平力が加わって構面全体が変形した状態の側面図である。なお、図中大矢印は地震力等水平力を示し、黒塗り小矢印は縮退したコイルばねの復元力によって生じる応力の方向を示している。また、白抜き矢印は本筋かい接合部材と筋かいとの接合部の移動(変形)方向を示している。破線は、変形前の構面の形状を示している。(以下他の説明図においても同様とする)
【0055】
本発明にかかる筋かい接合部材は、実施例5に示すように台座部7を木ねじ等、締結具によって垂直構造材に留め付けるのが望ましい。
構面に地震等による右向きの水平力が加わった場合には、図5bに示すように構面全体が変形する。このとき、左上方筋かい接合部は上方に移動するので材軸応力伝達部1に装着されたスライド接合部材5も上方にスライド移動し、ガイド部4との間に設けられた弾性部材6(コイルばね)端部がスライド接合部材5、およびガイド部4の端部に接触し、弾性部材6を縮退させる。また、右上方筋かい接合部は下方に移動し、スライド接合部材5の下側に設置された弾性部材6を縮退させる。
【0056】
このように本発明にかかる筋かい接合部材によって筋かいを接合すれば、構面全体が変形することで地震エネルギーを吸収し、さらに弾性部材6が変形(縮む)することで地震エネルギーを吸収する。地震力がなくなれば、縮退した弾性部材6の復元力によって構面全体が元の形状に戻ることは言うまでもない。
また、筋かい接合部材を留め付ける木ねじ、コーチボルト等、締結具にかかる力は主に構造材の材軸と平行なせん断力で、その力も弾性部材6が緩衝材となるので軽減される。
【0057】
このように、本発明にかかる筋かい接合部材を使用すれば、従来、筋かいをプレート等を介して直接構造材に留め付ける方法、すなわち略剛接合に近い形で接合した場合に比べ、変形によって地震エネルギーを吸収するので、より耐震性能の優れたものとすることができる。なお、筋かいに替えて鉄筋等ブレース材を使用しても良いのは言うまでもない。
【0058】
(実施例6)本発明にかかる筋かい接合部材を筋かいの両端に設置しても良い。
図6aに示す実施例6は、本発明の実施例3にかかる筋かい接合部材を筋かいの両端に設置した場合の側面図であり、図6bは変形状態を説明するための側面図である。
本発明にかかる筋かい接合部材は、このように横架材(土台)に取り付けても良い。
【0059】
構面に地震等による左向きの水平力(引張り側)が加わった場合には、図6bに示すように構面全体が変形する。このとき、左上方筋かい接合部は下方に移動するので接合部材2も下方に移動する。接合部材2の移動にともない、接合部材2を固着した材軸応力伝達部1も下方に移動する。材軸応力伝達部1の移動により、材軸応力伝達部1に設けられたストッパ部材3とガイド部4との間、および、接合部材2とガイド部4との間に設けられた弾性部材6(コイルばね)は縮退する。
筋かい下方に設けられた筋かい接合部材も同様に材軸応力伝達部1が左方に移動することで、材軸応力伝達部1に設けられたストッパ部材3とガイド部4との間、および、接合部材2とガイド部4との間に設けられた弾性部材6(コイルばね)を縮退させる。
【0060】
本実施例の場合も実施例5と同様に、構面全体の変形、および弾性部材6の変形により地震エネルギーを吸収する。また、筋かい両端に筋かい接合部材を設けた本実施例の場合は、両端の筋かい接合部材でより多くの地震エネルギーを吸収するので、耐震性能をより優れたものとすることができる。
【0061】
(実施例7)図7aは本発明の実施例7にかかる筋かい接合部材の斜視図、図7bは本実施例7にかかる筋かい接合部材の部品の構成を示した斜視図である。
実施例7は、実施例3と略同様の構成を有する筋かい接合部材であるが、当該材軸応力伝達部1を下方に延伸し、弾性部材6を増設することで筋かい接合部材の強度をさらに大きくしたものである。
【0062】
本実施例においては、材軸応力伝達部1が上方あるいは下方にスライドしたとき、計3個の弾性部材6が縮退する。すなわち、実施例3の2個の1.5倍となり、略1.5倍の強度を持たせることができる。このように必要に応じて簡単に強度を大きくすることができるのも本発明にかかる筋かい接合部材の特徴でもある。無論、さらに弾性部材6を増設することで、強度をさらに大きくすることも可能であることは言うまでもない。
【0063】
また、本実施例ではガイド部4とガイド部4との間に位置する一の弾性部材6と他の弾性部材6との間にストッパ部材3(雌ねじ部材)を二つ備えていることを特徴とする。
このような構成とすれば、図7(a)に示すように、本筋かい接合部材を構造材に設置したあと、ストッパ部材3をスパナ等で回転して上下させることで、コイルばねから成る弾性部材6を縮退させ、ばね力を強くするなど微調整が可能となる。さらには、ストッパ部材3を上下させることで、材軸応力伝達部1本体が構造材の材軸に沿って上下することとなり、接合部材2が上下する。そのため構造材(この場合は垂直材)が他の構造材(横架材)と成す角度(略90度)が変わる。すなわち、建築物等の建て入れに際して、ストッパ部材3を回転させるだけで、建て入れ精度の微調整が可能になる。
【0064】
図8a〜図8cはガイド部4の側面詳細図、平断面詳細図、縦断面詳細図である。実施例1、3、6、7においては材軸応力伝達部1が摺動自在となるようにガイド部4に通孔を設けているが、当該通孔の形状は図8cに示すように、両端が内部よりも広く、すなわち、末広がりとなるように形成されているのが好ましい。このようにすることで、材軸応力伝達部1がガイド部4の通孔端部で引っ掛かることなくスムースにスライドすることが可能となる。
【0065】
図9a〜図9cは接合部材2の側面詳細図、平断面詳細図、縦断面詳細図である。接合部材2は、このようにスライド接合部材の両端に固着用部材(この場合はナット)を配して材軸応力伝達部1に固着しても良い。この場合は、スライド接合部材と固着用部材(ナット)の両方が接合部材2の機能を有することになる。
【0066】
図10a〜図10cはスライド接合部材5の側面詳細図、平断面詳細図、縦断面詳細図である。実施例2、4、5においてはスライド接合部材5を構成するガイド5aが摺動自在となるように筒体で形成されているが、当該通孔の形状は図10cに示すように、両端が内部よりも広く、すなわち、末広がりとなるように形成されているのが好ましい。このようにすることで、スライド接合部材5がガイド5aの通孔端部で引っ掛かることなくスムースにスライドすることが可能となる。
【0067】
図11a〜図11cはガイド部4の側面詳細図、平断面詳細図、縦断面詳細図であり、図11dは材軸応力伝達部1が構造体に取り付けられた状態の縦断面詳細図、図11eは外力(地震力)が加わった時の変形形態を示す縦断面詳細図である。
本実施例においては材軸応力伝達部1が摺動自在となるようにガイド部4に通孔を設けているが、図11cに示したように、当該ガイド部4が取り付けられている台座部7、すなわち構造材の材面に対して垂直な方向の内径が、台座部7、すなわち構造材の材面に対して平行な方向の内径よりも大きくなるようにガイド部4の通孔が形成されている。ガイド部4はこのような形状であっても良い。
【0068】
このような形状とすれば、変形初期の段階では材軸応力伝達部1はガイド部4の通孔内で略水平にスライドするので、図11eに示すように材軸応力伝達部1の変形(傾斜)は生じず、弾性体の変形のみ生じる。すなわち、締結具には構造材材軸方向のせん断力のみが生じ、引抜き力は殆んど生じない。さらに外力が大きくなって構造材が変形(さらに傾斜)した場合には、ガイド部4の通孔内端と接触することで材軸応力伝達部1が変形(傾斜)し、その場合には締結具の引抜き抵抗とせん断抵抗とで構造材との接合部分の崩壊を防ぐのである。
【0069】
図12a〜図12cは前記図11で示したガイド部4の変形例である。形状は前記ガイド部4と略同様であるが、当該ガイド部4の端部が凹形状に形成されている。このようにすれば、外力が加わらない場合には、上下の弾性体の弾発力によって凹形状の最底部に材軸応力伝達部1が位置するようになる。すなわち、平常時は常に材軸応力伝達部1がガイド部4の略中央に保持されることになる。
【0070】
図13a〜図13cも前記図11で示したガイド部4の変形例である。形状は前記ガイド部4と略同様であるが、当該ガイド部4が当該ガイド部4に挿着された材軸応力伝達部1に対して、所定の角度を有するように傾斜して形成されている。このようにすれば、外力が加わらない場合には、上下の弾性体の弾発力によって材軸応力伝達部1がガイド部4の略中央に位置するようになる。すなわち、平常時は常に材軸応力伝達部1がガイド部4の略中央に保持されることになる。
【0071】
(実施例8)図14は本発明の実施例8にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
実施例8は、実施例3にかかる筋かい接合部材を垂直構造材に設置し、当該筋かい接合部材を構成する材軸応力伝達部1の端部(構造材直交差側の端部)を、対置する構造材(基礎)に固定された所定の固着部材(本実施例ではアンカーボルト)に接合したものである。
【0072】
このような構成とすることで、地震力等による変形時の構造材(この場合は柱)の引抜きを防止できる。また、当該材軸応力伝達部1には弾性部材6が配置されているので、例えば地震等で垂直な方向に外力が加わった場合でも、当該弾性部材6の縮退により外力を吸収し、ねじ等、部材を緊結する締結具の先行破壊を防止できる。
【0073】
なお、本実施例では材軸応力伝達部1とアンカーボルトとの接合は金具を介して接合されているが、材軸応力伝達部1が確実に接合されれば接合部の形態はどのような形態であっても良い。また、接合方法もピン接合であっても良い。さらには、アンカーボルトと材軸応力伝達部1とが一体の部材で形成されても良い。また、本実施例では例としてアンカーボルトが例示されているが、梁,柱等を緊結するボルト等と接合しても良いことは言うまでもない。
【0074】
(実施例9)図15は本発明の実施例9にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
実施例9は、実施例8と略同様の形態を有し、且つ垂直構造材に配置された材軸応力伝達部1の端部(構造材直交差側の端部)を、対置した構造材に固定された留め付け部材に接合したものである。機能およびその効果は実施例8と略同様であるが、より簡易に構造材に設置することができるので、例えば改修時における耐震補強等に有効である。
なお、本実施例では台座部と一体になったプレートにピン接合されているが、剛接合であってもよく、またその形態は本実施例に限定されるものではなく、材軸応力伝達部1が確実に接合されれば接合部はどのような形態であっても良いことは言うまでも無い。
【0075】
(実施例10)図16aは本発明の実施例10にかかる筋かい接合部材の斜視図、図16bは当該筋かい接合部材を構成するスライド接合部材5の平断面詳細図である。
本実施例は、筋かい接合部材を構成するスライド接合部材5が材軸応力伝達部1を軸に回動することを防止する機能を備えたものである。
本実施例では、図16bに示すようにスライド接合部材5を構成するガイド5aに台座部7と略直角となる回転防止用部材(プレート)を両端2箇所に取り付けている。
このようにすれば、当該筋かいに圧縮側の力(図16aにおいて右方へ向かう力)がかかった場合でも、スライド接合部材5が回転することなく確実に材軸応力伝達部1に力を伝達することができる。
【0076】
なお、回動を防止する機能を付加する形態は、実施例10の形態に限定されることは無く、種々の形態が可能であり、接合部材2、あるいは、スライド接合部材5の回動を防止し、材軸応力伝達部1に筋かいに生じる力が確実に伝達されればどのような形態であってもよい。
【0077】
(実施例11)図17aは本発明の実施例11にかかる筋かい接合部材の斜視図、図17bは当該筋かい接合部材を構成するガイド部4の平断面詳細図である。
本実施例も、接合部材2の回動を防止する機能を備えたものである。
本実施例では、筋かい接合部材を構成するガイド部4に材軸応力伝達部1に平行な溝を設け、当該溝に沿って接合部材2がスライド可能となるように形成したものである。
このようにすれば、接合部材2は構造材と平行にスライド可能となり、且つ、接合部材2が回動することなく確実に材軸応力伝達部1に力を伝達することができる。
【0078】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、部材の組合せ、形状、その他種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【0079】
たとえば、台座部の形態も、実施例1〜11の実施形態に限定されることはない。ねじ、コーチボルト、さらには溶接等で構造材に確実に固着可能な形態であれば、どんな形状であってもよい。また、実施例1〜11においては板状部材で台座部が形成されているが、板状部材に限定されることはない。たとえば、リブを設ける(図示せず)等、剛性を確保して外力が締結部材に分散するようにしてもよい。
【0080】
(実施例12)図18は本発明の実施例12にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、台座部7を構造材の直交差する部分近傍まで延伸し、構造材の直交差部分近傍にて略直角に折り曲げ、対置する構造材に沿って延伸することで、対置する構造材にも同時に台座部を留め付け可能としたものである。
このようにすることで、仕口の補強も可能となり、より強固な筋かい接合部材とすることができる。
【0081】
(実施例13)図19は本発明の実施例13にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、水平、垂直な構造材に取り付けた台座部7同士を、構造材が直交差する近傍において、回動自在にピン接合している。
このように、台座部同士を接合してもよい。このようにすれば、台座部7に無理な応力が生じることは無く、台座部を留める締結具の先行破壊を防止できる。
【0082】
(実施例14)図20は本発明の実施例14にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、材軸応力伝達部1と略平行な辺に沿って台座部7と略直角に延伸した脇台座部9を備えている。このような構成とすれば、構造材の側面にも締結具にて固着できるため、台座部を留めつける締結具にかかる引抜き抵抗力、およびせん断抵抗力を補強することができる。
【0083】
(実施例15)図21は本発明の実施例15にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、台座部7の端部に、土台、基礎に固定された棒状部材(アンカーボルト)が挿通可能となる通孔を有する引寄せ部材8を備えている。
本実施例15にかかる筋かい接合部材は、筋かいの変形と内部に設けられた弾性部材6の変形とで地震力を吸収する。しかしながら、図面上、左方から力がかかった場合、すなわち本筋かい接合部材に上向きの力がかかった場合には、垂直な構造材に上方に向かう大きな引抜き力が生じる。
【0084】
本実施例15にかかる筋かい接合部材においては、図示のごとく引寄せ部材8を設け、アンカーボルトで土台、基礎等に繋ぐことで、垂直な構造材の引き抜きを防止できる。さらには、本実施例のように引寄せ部材8と台座部7とを一体的に形成すれば、上方に向かう力とアンカーボルトの引抜き抵抗力(下方に向かう力)とが釣り合う。そのため、台座部7を固定している締結具にかかる力の内、筋かい接合部材に起因するせん断力は略零(ゼロ)となり、よって締結具をより簡易なものとすることが可能になる。
【0085】
なお、引寄せ部材は本実施例の形態に限定されるものではない。アンカーボルト等、土台、基礎等に定着可能な部材、あるいは、羽子板ボルト等、構造材に定着可能な部材を留め着け可能で、且つ、所定の強度を有するように形成されていればどのような形態でも良い。
【0086】
たとえば、接合部材2、あるいは、スライド接合部材5の形態も、実施例1〜15の実施形態に限定されることはない。実施例1〜15において、接合部材2と材軸応力伝達部1との接合部、あるいは、スライド接合部材5の材軸応力伝達部1への装着部が1箇所のみで構成されているが、このような形態に限定されるものではない。
【0087】
(実施例16)図22は本発明の実施例16にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、二つのガイド5aを備えたスライド接合部材5が、材軸応力伝達部1に2箇所でスライド可能に装着されている。
このような構成とすれば、筋かいから伝達される力は2箇所に分散され、1箇所の力が略半分となるので、材軸応力伝達部1にかかる力は小さくなり、材軸応力伝達部1の太さを小さくできるなどのメリットが生じる。無論、ガイド5aは2以上、さらに多くてもよいのは言うまでもない。
【0088】
(実施例17)図23は本発明の実施例17にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、接合部材2が材軸応力伝達部1に2箇所で接合されている。その効果は前記実施例16と略同様である。
また、本実施例では接合部材2に、筋かいがボルトと木ねじとで接合されている。締結孔の数、形状はこのような構成であってもよい。
【0089】
たとえば、材軸応力伝達部1の形態も、実施例1〜17の実施形態に限定されることはない。実施例1〜17において材軸応力伝達部1は直軸の部材で構成されているが、このような形態に限定されるものではない。
【0090】
(実施例18)図24は本発明の実施例18にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、材軸応力伝達部1の一部を曲折することで、斜め応力伝達部2自体が伸縮可能となる緩衝湾曲部10を設けている。このような構成とすれば、材軸応力伝達部1に設置された弾性部材6が最大限縮退しても、緩衝湾曲部10の変形により、筋かい接合部材全体がさらに変形し、地震力を吸収することが可能となる。無論、その形態は図示の形状に限定されることはなく、たとえば、略円形に捲回することでコイルばね形状としてもよい。(図示せず)
【0091】
たとえば、実施例1〜18において材軸応力伝達部が構造材と略平行になるように形成されているが、このような構成に限定されるものではない。
(実施例19)図25は本発明の実施例19にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例のように、材軸応力伝達部1が構造材に対して所定の角度を有するように構成されてもよい。特に本実施例の如く材軸応力伝達部1と筋かいとの成す角度が大きくなるように形成すれば、筋かいから材軸応力伝達部1への力の流れがよりスムースになる。
【0092】
また、ガイド部の形態も、実施例1〜19の実施の形態に限定されることはない。材軸応力伝達部を所定の位置に保持し、且つスライド可能となる機能を備えていれば、どのような形態であってもよい。
【0093】
また、ストッパ部材の形態も、実施例1〜19の実施の形態に限定されることはない。材軸応力伝達部の所定の位置に形成あるいは固着され、材軸応力伝達部がスライドしたときに、弾性部材と接触することで弾性部材を縮退(固着した場合は、縮退あるいは伸張)させるように形成されていればよい。
【0094】
また、スライド接合部材の形態も、実施例1〜19の実施の形態に限定されることはない。材軸応力伝達部の所定の位置に摺動自在に取付られるように形成されていればよい。実施例においては、通孔を備え、材軸応力伝達部に嵌着することで摺動可能なように形成されているが、例えば、材軸応力伝達部に通孔を形成し、スライド部材を挿着することで摺動自在に取り付けても良い。すなわち、材軸応力伝達部の所定の位置に摺動自在に接合できるように構成されていればよい。
【0095】
また、弾性部材の形状、数、取付形態は、実施例3〜19の実施形態に限定されることはない。実施例3〜19において、コイルばねを使用しているが、たとえば板ばねを使用してもよい。(図示せず)また、粘弾性材を使用してもよい。その他、数、取付形態も実施例3〜19の実施形態に限定されることはなく、材軸応力伝達部の摺動を、その弾発力で阻害、および、変形を復元する機能が備わっていればよい。
【0096】
また、引寄せ部材の形態も、実施例1〜19の実施の形態に限定されることはない。当該台座部に取り付け、あるいは一体に形成され、対置する構造材(基礎を含む)に固着されたボルト等、接合部材を固着できるように形成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図2】第2の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図3】第3の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図4】第4の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図5a】第5の実施例にかかる筋かい接合部材の構造原理を説明するための側面図である。
【図5b】第5の実施例にかかる筋かい接合部材の構造原理を説明するための側面図である。
【図6a】第6の実施例にかかる筋かい接合部材の構造原理を説明するための側面図である。
【図6b】第6の実施例にかかる筋かい接合部材の構造原理を説明するための側面図である。
【図7a】第7の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図7b】第7の実施例にかかる筋かい接合部材を構成する部品の構成図である。
【図8a】ガイド部4の側面詳細図である。
【図8b】ガイド部4の平断面詳細図である。
【図8c】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図9a】接合部材2の側面詳細図である。
【図9b】接合部材2の平断面詳細図である。
【図9c】接合部材2の縦断面詳細図である。
【図10a】スライド接合部材5の側面詳細図である。
【図10b】スライド接合部材5の平断面詳細図である。
【図10c】スライド接合部材5の縦断面詳細図である。
【図11a】ガイド部4の側面詳細図である。
【図11b】ガイド部4の平断面詳細図である。
【図11c】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図11d】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図11e】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図12a】ガイド部4の側面詳細図である。
【図12b】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図12c】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図13a】ガイド部4の側面詳細図である。
【図13b】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図13c】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図14】第8の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図15】第9の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図16a】第10の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図16b】第10の実施例にかかる筋かい接合部材のスライド接合部材5の平断面詳細図である。
【図17a】第11の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図17b】第11の実施例にかかる筋かい接合部材のガイド部4の平断面詳細図である。
【図18】第12の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図19】第13の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図20】第14の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図21】第15の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図22】第16の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図23】第17の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図24】第18の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図25】第19の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【符号の説明】
【0098】
1 材軸応力伝達部
2 接合部材
3 ストッパ部材
4 ガイド部
5 スライド接合部材
5a ガイド
6 弾性部材
7 台座部
8 引寄せ部材
9 脇台座部
10 緩衝湾曲部
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物、工作物等、構造材によって構成される構造物に設ける筋かい、あるいはブレース等を構造材の直交差部分に留め付ける筋かい接合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の耐震工法としては、柱等垂直材と梁等横架材で囲まれた構面に、筋かい、あるいはブレース等、斜材を設置して強度を高める工法が公知である。
また、当該斜材を留め付ける部材としては、筋かいプレート、筋かいボックス等、Zマーク表示金物が公知である。
また、耐震性能を高めるため、地震エネルギーを吸収するブレース工法として下記特許文献に示すような工法が提案されている。
【特許文献1】特開2002−161595号公報
【特許文献2】特開2004−052307号公報
【特許文献3】特開2005−098098号公報
【特許文献4】特開2005−264472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
筋かいプレート、筋かいボックス等、上記従来の接合金物は、基本的に靭性の小さい剛接合の考え方に基づく技術であるため、変形時の復元力を持たない釘、ねじ等で固着される。そのため、大地震等、大きな力が加わった場合には、釘、ねじ等の留め付け部材に力がかかり、変形あるいは破断する恐れがある。また、木材を使用した筋かいの場合、圧縮側におおきな力が作用した場合には、構面の変形により筋かいが直交差部分の横架材を押し上げて構造物が崩壊してしまう恐れがある。すなわち、筋かいを設ける耐震工法においては、当該筋かいを留め付ける部材の性能が、耐震性能を確保するための重要な要素であることは公知の事実である。
【0004】
本発明は、上記従来の筋かい工法の欠点を解消するためになされたものであり、地震による水平力が加わった場合、地震エネルギーを吸収すると同時に、構面全体の変形を抑制する筋かい接合部材を提供することを目的とする。さらには、構面全体の変形を抑制するための強度を必要に応じて確保でき、大きな力が加わった時にも壊れにくい靭性を有し、且つ優れた復元力を有する筋かい接合部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(1)建築物、工作物等、構造物において、梁、土台あるいは、柱等の構造材によって形成された略四角形の構面に設置される筋かいあるいはブレース等、斜材を構造材直交差部分に留め付ける部材であって、
垂直、または、水平に位置する前記構造材と略平行になるように配置され、前記斜材を留め付けることが可能な接合部材2が固着された材軸応力伝達部1を備え、
当該材軸応力伝達部1を、所定の位置で当該構造材と、略平行に摺動自在になるように取り付け、且つ当該構造材に固定可能となるように形成したガイド部4を当該材軸応力伝達部1に一以上備えたことを特徴とする筋かい接合部材。
【0006】
(2)建築物、工作物等、構造物において、梁、土台あるいは、柱等の構造材によって形成された略四角形の構面に設置される筋かいあるいはブレース等、斜材を構造材直交差部分に留め付ける部材であって、
垂直、または、水平に位置する前記構造材と略平行になるように配置された材軸応力伝達部1と、前記斜材を留め付けることが可能で、且つ、当該材軸応力伝達部1に摺動自在に装着できるガイド5aを有するスライド接合部材5を備え、
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aを当該材軸応力伝達部1に摺動自在に装着し、
当該材軸応力伝達部1を、所定の位置で当該構造材と、略平行に摺動自在になるように取り付け、且つ当該構造材に固定可能となるように形成したガイド部4を当該材軸応力伝達部1に一以上備えたことを特徴とする筋かい接合部材。
【0007】
(3)前記材軸応力伝達部1が棒状体で形成されたことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の筋かい接合部材。
【0008】
(4)前記材軸応力伝達部1の一部を所定の形状に成形、あるいは略円形に捲回することで、材軸応力伝達部1自体が伸縮可能となる緩衝湾曲部10を設けたことを特徴とする上記(1)ないし(3)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0009】
(5)前記構造材に取り付けられた材軸応力伝達部1の構造材直交差側の端部を、対置する構造材または基礎に固定された所定の固着部材に接合可能なように構成されたことを特徴とする上記(1)ないし(4)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0010】
(6)前記材軸応力伝達部1の一部を、当該材軸応力伝達部1が設置された前記構造材に固着可能となるように構成されたことを特徴とする上記(1)ないし(5)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0011】
(7)前記材軸応力伝達部1が当該材軸応力伝達部1が取り付けられている構造材に対して所定の角度を有するように構成されたことを特徴とする上記(1)ないし(6)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0012】
(8)前記ガイド部4に、前記材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を備え、当該ガイド部4に当該材軸応力伝達部1を挿着することで、材軸応力伝達部1が摺動自在となるようにガイド部4が形成されたことを特徴とする上記(1)ないし(7)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0013】
(9)前記スライド接合部材5を構成するガイド5aに、前記材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を備え、且つ、当該材軸応力伝達部1に当該ガイド5aを嵌着することで、スライド接合部材5が材軸応力伝達部1に摺動自在に装着されたことを特徴とする上記(2)ないし(8)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0014】
(10)前記材軸応力伝達部1の所定の位置に取り付けられ、材軸応力伝達部1が摺動した時、前記ガイド部4、または、スライド接合部材5と接触することで材軸応力伝達部1の摺動が阻害されるように形成されたストッパ部材3を少なくとも一以上備えたことを特徴とする上記(1)ないし(9)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0015】
(11)前記ストッパ部材3の外端が、前記ガイド部4、または、スライド接合部材5の通孔の縁よりも外方に位置するように形成することで、ガイド部4、または、スライド接合部材5と接触可能となり、材軸応力伝達部1の摺動が阻害されるように形成されたことを特徴とする上記(10)に記載の筋かい接合部材。
【0016】
(12)前記材軸応力伝達部1の一部または全てが雄ねじ部材で形成されたことを特徴とする上記(1)ないし(11)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0017】
(13)前記ストッパ部材3の少なくとも一以上が雌ねじ部材で形成されたことを特徴とする上記(10)ないし(12)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0018】
(14)前記スライド接合部材5の両端に雌ねじ部材を設置し、スライド接合部材5を材軸応力伝達部1に固定することでスライド接合部材5に前記接合部材2としての機能を持たせたことを特徴とする上記(1)ないし(13)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0019】
(15)前記スライド接合部材5を構成するガイド5aの通孔の内面に雄ねじを形成し、前記雄ねじ部材で形成された材軸応力伝達部1にスライド接合部材5を螺着してスライド接合部材5を材軸応力伝達部1に固着することでスライド接合部材5に前記接合部材2としての機能を持たせたことを特徴とする上記(12)ないし(14)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0020】
(16)前記材軸応力伝達部1の所定の位置に装着し、前記ガイド部4、または、ストッパ部材3、または、スライド接合部材5、または、接合部材2の端部と接触可能となるように形成された弾性部材6を一以上備えたことを特徴とする上記(1)ないし(15)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0021】
(17)前記材軸応力伝達部1の所定の位置に装着し、前記ガイド部4、または、ストッパ部材3、または、スライド接合部材5、または、接合部材2の端部に一端を固着した弾性部材6を一以上備えたことを特徴とする上記(1)ないし(16)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0022】
(18)前記ストッパ部材3とガイド部4との間に、上記(16)に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が当該ストッパ部材3、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(10)ないし(17)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0023】
(19)前記接合部材2とガイド部4との間に、上記(16)に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が接合部材2、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(1)または、上記(3)ないし(18)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0024】
(20)前記スライド接合部材5とガイド部4との間に、上記(16)に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6がスライド接合部材5、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(2)ないし(19)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0025】
(21)前記ストッパ部材3とガイド部4との間に、上記(17)に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部をストッパ部材3の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(10)ないし(20)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0026】
(22)前記接合部材2とガイド部4との間に、上記(17)に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部を接合部材2の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(1)または、上記(3)ないし(21)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0027】
(23)前記スライド接合部材5とガイド部4との間に、上記(17)に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部をスライド接合部材5の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、スライド接合部材5がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする上記(2)ないし(22)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0028】
(24)前記ガイド部4とガイド部4との間に、上記(16)または(17)に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする上記(10)ないし(23)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0029】
(25)前記ガイド部4と前記接合部材2との間に、上記(16)または(17)に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする上記(10)ないし(24)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0030】
(26)前記ガイド部4と前記スライド接合部材5との間に、上記(16)または(17)に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする上記(10)ないし(25)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0031】
(27)前記弾性部材6がコイルばねであることを特徴とする上記(16)ないし(26)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0032】
(28)前記ガイド部4を少なくとも一以上固着することで、ガイド部4と一体となるように形成された台座部7を備えたことを特徴とする上記(1)ないし(27)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0033】
(29)前記台座部7の一部または全体を板状の部材で形成したことを特徴とする上記(28)に記載の筋かい接合部材。
【0034】
(30)前記台座部7が、前記材軸応力伝達部1と略平行な辺に沿って、当該台座部7と略直角に延伸した脇台座部9を台座部7の片辺、または、両辺に備えたことを特徴とする上記(28)または(29)に記載の筋かい接合部材。
【0035】
(31)前記台座部7の構造材直交差側の端部に、棒状部材が挿通可能となる通孔を有する引寄せ部材8を備えたことを特徴とする上記(28)ないし(30)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0036】
(32)前記台座部7を、構造材の直交差する部分近傍まで延伸し、構造材の直交差部分近傍にて略直角に折り曲げ、あるいは、接合した台座部7を対置する構造材に沿って延伸することで、対置する構造材にも同時に台座部7を留め付け可能としたことを特徴とする上記(28)ないし(31)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0037】
(33)前記台座部7、または、脇台座部9、または、台座部7と脇台座部9の所定の位置に締結具を挿通するための一以上の締結孔が設けられたことを特徴とする上記(28)ないし(32)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0038】
(34)前記ガイド部4を形成する通孔の一端もしくは両端に、外方に向かう末広がり部を設けたことを特徴とする上記(8)ないし(33)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0039】
(35)前記スライド接合部材5を構成するガイド5aの通孔の一端もしくは両端に、外方に向かう末広がり部を設けたことを特徴とする上記(9)ないし(34)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0040】
(36)前記ガイド部4を形成する通孔において、当該ガイド部4が取り付けられている構造材の材面に対して垂直な方向の内径が、構造材の材面に対して平行な方向の内径よりも大きくなるようにガイド部4の通孔が形成されたことを特徴とする上記(8)ないし(35)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0041】
(37)前記ガイド部4の、一端もしくは両端が凹形状に形成されたことを特徴とする上記(36)に記載の筋かい接合部材。
【0042】
(38)前記ガイド部4が、当該ガイド部4に挿着された材軸応力伝達部1に対して、所定の角度を有するように傾斜して形成されていることを特徴とする上記(36)または(37)に記載の筋かい接合部材。
【0043】
(39)前記接合部材2、または前記スライド接合部材5が板状部材で形成され、且つ、当該板状部材に斜材を留め付ける締結具を挿通するための一以上の締結孔が設けられたことを特徴とする上記(1)ないし(38)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【0044】
(40)前記接合部材2、または前記スライド接合部材5が、前記材軸応力伝達部1の軸心を中心に回動するのを防止する機能を備えたことを特徴とする上記(1)ないし(39)の何れかに記載の筋かい接合部材。
【発明の効果】
【0045】
本発明は、建築物あるいは工作物を構成する構面に筋かい、あるいはブレースを接合するための部材であって、当該部材を変形可能な構成とすることで、地震等のエネルギーを吸収することが可能な制震構造が得られる。
【0046】
さらには、構造材と略平行な棒状部材(材軸応力伝達部)に配置した弾性部材が変形することでさらに大きなエネルギーを吸収できるとともに、当該弾性部材の弾発力により筋かい接合部材の変形を抑制し、且つ良好な復元力を得ることができる。
【0047】
さらには、構造材と略平行な棒状部材に配置した弾性部材の数は、必要に応じて増減できるので、強度の大きな筋かい接合部材、あるいは強度の小さな筋かい接合部材等、強度を変えた筋かい接合部材が製造上の大きな変更をすることなく簡単に製造できる。
【0048】
さらには、本発明にかかる筋かい接合部材によって筋かいを接合すれば、弾性部材が緩衝材(縮退、または、伸張することでエネルギーを吸収)として機能するので、構造材に当該筋かい接合部材を固定する締結具にかかる力は小さくなり、締結具の先行破壊を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施例に基づいて説明するが、本実施例は本発明の実施形態の代表的実施例であり、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【実施例】
【0050】
(実施例1)図1は本発明の実施例1にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
実施例1は、棒状体で形成された材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を有する二つのガイド部4にスライド可能に挿着されている。当該材軸応力伝達部1には、筋かい等、斜材を留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた接合部材2が固着されている。また、ガイド部4の端部から所定の距離を有する材軸応力伝達部1の両端には、雌ねじ部材で形成されたストッパ部材3を取り付けている。また、ガイド部4は、構造材に留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた台座部7に固着されている。
【0051】
(実施例2)図2は本発明の実施例2にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
実施例2は、棒状体で形成された材軸応力伝達部1がガイド部4に挿着され、両端に設けられた固着用部材(ナット)によりガイド部4に固定されている。当該材軸応力伝達部1には、材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を有するガイド5a(筒体)を備えたスライド接合部材5が、摺動自在に装着されている。なお、スライド接合部材5には、筋かい等、斜材を留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔が設けられている。また、ガイド部4は、構造材に留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた台座部7に固着されている。
【0052】
(実施例3)図3は本発明の実施例3にかかる筋かい接合部材の斜視図である。本実施例においては筋かい接合部材を、構造材によって形成された構造材直交差部分に留め付け、木製筋かいを留め付けた状態を示している。(以下、他の実施例においても同様とする)本実施例3にかかる筋かい接合部材は、実施例1の筋かい接合部材を構成するストッパ部材3とガイド部4との間、および、接合部材2とガイド部4との間にコイルばねで形成された弾性部材6が設けられている。なお、接合部材2は実施例2で明示されたスライド接合部材5の両端に雌ねじ部材(ナット)を設置することで材軸応力伝達部1に固着し、接合部材としての機能を持たせている。また、二つのガイド部4は、構造材に留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた板状部材で形成された台座部7に固着されている。なお、筋かいは木ねじにより接合部材2に留め付けている。
【0053】
(実施例4)図4は本発明の実施例4にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例4にかかる筋かい接合部材は、実施例2の筋かい接合部材を構成するスライド接合部材5(ガイド5a)とガイド部4との間にコイルばねで形成された弾性部材6が設けられている。また、二つのガイド部4は、構造材に留め付けるための締結具が挿通可能な締結孔を備えた板状部材で形成された台座部7に固定されている。なお、筋かいはボルトにより、スライド接合部材5に回動自在にピン接合されている。筋かいはこのようにピン接合としてもよい。
【0054】
(実施例5)図5a、図5bに示す実施例5は、本発明の実施例4にかかる筋かい接合部材を構造材によって構成された構面に設置した場合の変形状態を説明するための側面図である。本説明図においては、わかりやすくするため、筋かい接合部材を簡略化して表現している。(以下他の説明図においても同様とする)
実施例5は、実施例4にかかる筋かい接合部材を、構造材上部直交差部分に2箇所留め付け、木製筋かいをたすき掛けに設置した状態を示している。図5bは、実施例5の構面に水平力が加わって構面全体が変形した状態の側面図である。なお、図中大矢印は地震力等水平力を示し、黒塗り小矢印は縮退したコイルばねの復元力によって生じる応力の方向を示している。また、白抜き矢印は本筋かい接合部材と筋かいとの接合部の移動(変形)方向を示している。破線は、変形前の構面の形状を示している。(以下他の説明図においても同様とする)
【0055】
本発明にかかる筋かい接合部材は、実施例5に示すように台座部7を木ねじ等、締結具によって垂直構造材に留め付けるのが望ましい。
構面に地震等による右向きの水平力が加わった場合には、図5bに示すように構面全体が変形する。このとき、左上方筋かい接合部は上方に移動するので材軸応力伝達部1に装着されたスライド接合部材5も上方にスライド移動し、ガイド部4との間に設けられた弾性部材6(コイルばね)端部がスライド接合部材5、およびガイド部4の端部に接触し、弾性部材6を縮退させる。また、右上方筋かい接合部は下方に移動し、スライド接合部材5の下側に設置された弾性部材6を縮退させる。
【0056】
このように本発明にかかる筋かい接合部材によって筋かいを接合すれば、構面全体が変形することで地震エネルギーを吸収し、さらに弾性部材6が変形(縮む)することで地震エネルギーを吸収する。地震力がなくなれば、縮退した弾性部材6の復元力によって構面全体が元の形状に戻ることは言うまでもない。
また、筋かい接合部材を留め付ける木ねじ、コーチボルト等、締結具にかかる力は主に構造材の材軸と平行なせん断力で、その力も弾性部材6が緩衝材となるので軽減される。
【0057】
このように、本発明にかかる筋かい接合部材を使用すれば、従来、筋かいをプレート等を介して直接構造材に留め付ける方法、すなわち略剛接合に近い形で接合した場合に比べ、変形によって地震エネルギーを吸収するので、より耐震性能の優れたものとすることができる。なお、筋かいに替えて鉄筋等ブレース材を使用しても良いのは言うまでもない。
【0058】
(実施例6)本発明にかかる筋かい接合部材を筋かいの両端に設置しても良い。
図6aに示す実施例6は、本発明の実施例3にかかる筋かい接合部材を筋かいの両端に設置した場合の側面図であり、図6bは変形状態を説明するための側面図である。
本発明にかかる筋かい接合部材は、このように横架材(土台)に取り付けても良い。
【0059】
構面に地震等による左向きの水平力(引張り側)が加わった場合には、図6bに示すように構面全体が変形する。このとき、左上方筋かい接合部は下方に移動するので接合部材2も下方に移動する。接合部材2の移動にともない、接合部材2を固着した材軸応力伝達部1も下方に移動する。材軸応力伝達部1の移動により、材軸応力伝達部1に設けられたストッパ部材3とガイド部4との間、および、接合部材2とガイド部4との間に設けられた弾性部材6(コイルばね)は縮退する。
筋かい下方に設けられた筋かい接合部材も同様に材軸応力伝達部1が左方に移動することで、材軸応力伝達部1に設けられたストッパ部材3とガイド部4との間、および、接合部材2とガイド部4との間に設けられた弾性部材6(コイルばね)を縮退させる。
【0060】
本実施例の場合も実施例5と同様に、構面全体の変形、および弾性部材6の変形により地震エネルギーを吸収する。また、筋かい両端に筋かい接合部材を設けた本実施例の場合は、両端の筋かい接合部材でより多くの地震エネルギーを吸収するので、耐震性能をより優れたものとすることができる。
【0061】
(実施例7)図7aは本発明の実施例7にかかる筋かい接合部材の斜視図、図7bは本実施例7にかかる筋かい接合部材の部品の構成を示した斜視図である。
実施例7は、実施例3と略同様の構成を有する筋かい接合部材であるが、当該材軸応力伝達部1を下方に延伸し、弾性部材6を増設することで筋かい接合部材の強度をさらに大きくしたものである。
【0062】
本実施例においては、材軸応力伝達部1が上方あるいは下方にスライドしたとき、計3個の弾性部材6が縮退する。すなわち、実施例3の2個の1.5倍となり、略1.5倍の強度を持たせることができる。このように必要に応じて簡単に強度を大きくすることができるのも本発明にかかる筋かい接合部材の特徴でもある。無論、さらに弾性部材6を増設することで、強度をさらに大きくすることも可能であることは言うまでもない。
【0063】
また、本実施例ではガイド部4とガイド部4との間に位置する一の弾性部材6と他の弾性部材6との間にストッパ部材3(雌ねじ部材)を二つ備えていることを特徴とする。
このような構成とすれば、図7(a)に示すように、本筋かい接合部材を構造材に設置したあと、ストッパ部材3をスパナ等で回転して上下させることで、コイルばねから成る弾性部材6を縮退させ、ばね力を強くするなど微調整が可能となる。さらには、ストッパ部材3を上下させることで、材軸応力伝達部1本体が構造材の材軸に沿って上下することとなり、接合部材2が上下する。そのため構造材(この場合は垂直材)が他の構造材(横架材)と成す角度(略90度)が変わる。すなわち、建築物等の建て入れに際して、ストッパ部材3を回転させるだけで、建て入れ精度の微調整が可能になる。
【0064】
図8a〜図8cはガイド部4の側面詳細図、平断面詳細図、縦断面詳細図である。実施例1、3、6、7においては材軸応力伝達部1が摺動自在となるようにガイド部4に通孔を設けているが、当該通孔の形状は図8cに示すように、両端が内部よりも広く、すなわち、末広がりとなるように形成されているのが好ましい。このようにすることで、材軸応力伝達部1がガイド部4の通孔端部で引っ掛かることなくスムースにスライドすることが可能となる。
【0065】
図9a〜図9cは接合部材2の側面詳細図、平断面詳細図、縦断面詳細図である。接合部材2は、このようにスライド接合部材の両端に固着用部材(この場合はナット)を配して材軸応力伝達部1に固着しても良い。この場合は、スライド接合部材と固着用部材(ナット)の両方が接合部材2の機能を有することになる。
【0066】
図10a〜図10cはスライド接合部材5の側面詳細図、平断面詳細図、縦断面詳細図である。実施例2、4、5においてはスライド接合部材5を構成するガイド5aが摺動自在となるように筒体で形成されているが、当該通孔の形状は図10cに示すように、両端が内部よりも広く、すなわち、末広がりとなるように形成されているのが好ましい。このようにすることで、スライド接合部材5がガイド5aの通孔端部で引っ掛かることなくスムースにスライドすることが可能となる。
【0067】
図11a〜図11cはガイド部4の側面詳細図、平断面詳細図、縦断面詳細図であり、図11dは材軸応力伝達部1が構造体に取り付けられた状態の縦断面詳細図、図11eは外力(地震力)が加わった時の変形形態を示す縦断面詳細図である。
本実施例においては材軸応力伝達部1が摺動自在となるようにガイド部4に通孔を設けているが、図11cに示したように、当該ガイド部4が取り付けられている台座部7、すなわち構造材の材面に対して垂直な方向の内径が、台座部7、すなわち構造材の材面に対して平行な方向の内径よりも大きくなるようにガイド部4の通孔が形成されている。ガイド部4はこのような形状であっても良い。
【0068】
このような形状とすれば、変形初期の段階では材軸応力伝達部1はガイド部4の通孔内で略水平にスライドするので、図11eに示すように材軸応力伝達部1の変形(傾斜)は生じず、弾性体の変形のみ生じる。すなわち、締結具には構造材材軸方向のせん断力のみが生じ、引抜き力は殆んど生じない。さらに外力が大きくなって構造材が変形(さらに傾斜)した場合には、ガイド部4の通孔内端と接触することで材軸応力伝達部1が変形(傾斜)し、その場合には締結具の引抜き抵抗とせん断抵抗とで構造材との接合部分の崩壊を防ぐのである。
【0069】
図12a〜図12cは前記図11で示したガイド部4の変形例である。形状は前記ガイド部4と略同様であるが、当該ガイド部4の端部が凹形状に形成されている。このようにすれば、外力が加わらない場合には、上下の弾性体の弾発力によって凹形状の最底部に材軸応力伝達部1が位置するようになる。すなわち、平常時は常に材軸応力伝達部1がガイド部4の略中央に保持されることになる。
【0070】
図13a〜図13cも前記図11で示したガイド部4の変形例である。形状は前記ガイド部4と略同様であるが、当該ガイド部4が当該ガイド部4に挿着された材軸応力伝達部1に対して、所定の角度を有するように傾斜して形成されている。このようにすれば、外力が加わらない場合には、上下の弾性体の弾発力によって材軸応力伝達部1がガイド部4の略中央に位置するようになる。すなわち、平常時は常に材軸応力伝達部1がガイド部4の略中央に保持されることになる。
【0071】
(実施例8)図14は本発明の実施例8にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
実施例8は、実施例3にかかる筋かい接合部材を垂直構造材に設置し、当該筋かい接合部材を構成する材軸応力伝達部1の端部(構造材直交差側の端部)を、対置する構造材(基礎)に固定された所定の固着部材(本実施例ではアンカーボルト)に接合したものである。
【0072】
このような構成とすることで、地震力等による変形時の構造材(この場合は柱)の引抜きを防止できる。また、当該材軸応力伝達部1には弾性部材6が配置されているので、例えば地震等で垂直な方向に外力が加わった場合でも、当該弾性部材6の縮退により外力を吸収し、ねじ等、部材を緊結する締結具の先行破壊を防止できる。
【0073】
なお、本実施例では材軸応力伝達部1とアンカーボルトとの接合は金具を介して接合されているが、材軸応力伝達部1が確実に接合されれば接合部の形態はどのような形態であっても良い。また、接合方法もピン接合であっても良い。さらには、アンカーボルトと材軸応力伝達部1とが一体の部材で形成されても良い。また、本実施例では例としてアンカーボルトが例示されているが、梁,柱等を緊結するボルト等と接合しても良いことは言うまでもない。
【0074】
(実施例9)図15は本発明の実施例9にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
実施例9は、実施例8と略同様の形態を有し、且つ垂直構造材に配置された材軸応力伝達部1の端部(構造材直交差側の端部)を、対置した構造材に固定された留め付け部材に接合したものである。機能およびその効果は実施例8と略同様であるが、より簡易に構造材に設置することができるので、例えば改修時における耐震補強等に有効である。
なお、本実施例では台座部と一体になったプレートにピン接合されているが、剛接合であってもよく、またその形態は本実施例に限定されるものではなく、材軸応力伝達部1が確実に接合されれば接合部はどのような形態であっても良いことは言うまでも無い。
【0075】
(実施例10)図16aは本発明の実施例10にかかる筋かい接合部材の斜視図、図16bは当該筋かい接合部材を構成するスライド接合部材5の平断面詳細図である。
本実施例は、筋かい接合部材を構成するスライド接合部材5が材軸応力伝達部1を軸に回動することを防止する機能を備えたものである。
本実施例では、図16bに示すようにスライド接合部材5を構成するガイド5aに台座部7と略直角となる回転防止用部材(プレート)を両端2箇所に取り付けている。
このようにすれば、当該筋かいに圧縮側の力(図16aにおいて右方へ向かう力)がかかった場合でも、スライド接合部材5が回転することなく確実に材軸応力伝達部1に力を伝達することができる。
【0076】
なお、回動を防止する機能を付加する形態は、実施例10の形態に限定されることは無く、種々の形態が可能であり、接合部材2、あるいは、スライド接合部材5の回動を防止し、材軸応力伝達部1に筋かいに生じる力が確実に伝達されればどのような形態であってもよい。
【0077】
(実施例11)図17aは本発明の実施例11にかかる筋かい接合部材の斜視図、図17bは当該筋かい接合部材を構成するガイド部4の平断面詳細図である。
本実施例も、接合部材2の回動を防止する機能を備えたものである。
本実施例では、筋かい接合部材を構成するガイド部4に材軸応力伝達部1に平行な溝を設け、当該溝に沿って接合部材2がスライド可能となるように形成したものである。
このようにすれば、接合部材2は構造材と平行にスライド可能となり、且つ、接合部材2が回動することなく確実に材軸応力伝達部1に力を伝達することができる。
【0078】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、部材の組合せ、形状、その他種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【0079】
たとえば、台座部の形態も、実施例1〜11の実施形態に限定されることはない。ねじ、コーチボルト、さらには溶接等で構造材に確実に固着可能な形態であれば、どんな形状であってもよい。また、実施例1〜11においては板状部材で台座部が形成されているが、板状部材に限定されることはない。たとえば、リブを設ける(図示せず)等、剛性を確保して外力が締結部材に分散するようにしてもよい。
【0080】
(実施例12)図18は本発明の実施例12にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、台座部7を構造材の直交差する部分近傍まで延伸し、構造材の直交差部分近傍にて略直角に折り曲げ、対置する構造材に沿って延伸することで、対置する構造材にも同時に台座部を留め付け可能としたものである。
このようにすることで、仕口の補強も可能となり、より強固な筋かい接合部材とすることができる。
【0081】
(実施例13)図19は本発明の実施例13にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、水平、垂直な構造材に取り付けた台座部7同士を、構造材が直交差する近傍において、回動自在にピン接合している。
このように、台座部同士を接合してもよい。このようにすれば、台座部7に無理な応力が生じることは無く、台座部を留める締結具の先行破壊を防止できる。
【0082】
(実施例14)図20は本発明の実施例14にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、材軸応力伝達部1と略平行な辺に沿って台座部7と略直角に延伸した脇台座部9を備えている。このような構成とすれば、構造材の側面にも締結具にて固着できるため、台座部を留めつける締結具にかかる引抜き抵抗力、およびせん断抵抗力を補強することができる。
【0083】
(実施例15)図21は本発明の実施例15にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、台座部7の端部に、土台、基礎に固定された棒状部材(アンカーボルト)が挿通可能となる通孔を有する引寄せ部材8を備えている。
本実施例15にかかる筋かい接合部材は、筋かいの変形と内部に設けられた弾性部材6の変形とで地震力を吸収する。しかしながら、図面上、左方から力がかかった場合、すなわち本筋かい接合部材に上向きの力がかかった場合には、垂直な構造材に上方に向かう大きな引抜き力が生じる。
【0084】
本実施例15にかかる筋かい接合部材においては、図示のごとく引寄せ部材8を設け、アンカーボルトで土台、基礎等に繋ぐことで、垂直な構造材の引き抜きを防止できる。さらには、本実施例のように引寄せ部材8と台座部7とを一体的に形成すれば、上方に向かう力とアンカーボルトの引抜き抵抗力(下方に向かう力)とが釣り合う。そのため、台座部7を固定している締結具にかかる力の内、筋かい接合部材に起因するせん断力は略零(ゼロ)となり、よって締結具をより簡易なものとすることが可能になる。
【0085】
なお、引寄せ部材は本実施例の形態に限定されるものではない。アンカーボルト等、土台、基礎等に定着可能な部材、あるいは、羽子板ボルト等、構造材に定着可能な部材を留め着け可能で、且つ、所定の強度を有するように形成されていればどのような形態でも良い。
【0086】
たとえば、接合部材2、あるいは、スライド接合部材5の形態も、実施例1〜15の実施形態に限定されることはない。実施例1〜15において、接合部材2と材軸応力伝達部1との接合部、あるいは、スライド接合部材5の材軸応力伝達部1への装着部が1箇所のみで構成されているが、このような形態に限定されるものではない。
【0087】
(実施例16)図22は本発明の実施例16にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、二つのガイド5aを備えたスライド接合部材5が、材軸応力伝達部1に2箇所でスライド可能に装着されている。
このような構成とすれば、筋かいから伝達される力は2箇所に分散され、1箇所の力が略半分となるので、材軸応力伝達部1にかかる力は小さくなり、材軸応力伝達部1の太さを小さくできるなどのメリットが生じる。無論、ガイド5aは2以上、さらに多くてもよいのは言うまでもない。
【0088】
(実施例17)図23は本発明の実施例17にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、接合部材2が材軸応力伝達部1に2箇所で接合されている。その効果は前記実施例16と略同様である。
また、本実施例では接合部材2に、筋かいがボルトと木ねじとで接合されている。締結孔の数、形状はこのような構成であってもよい。
【0089】
たとえば、材軸応力伝達部1の形態も、実施例1〜17の実施形態に限定されることはない。実施例1〜17において材軸応力伝達部1は直軸の部材で構成されているが、このような形態に限定されるものではない。
【0090】
(実施例18)図24は本発明の実施例18にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例では、材軸応力伝達部1の一部を曲折することで、斜め応力伝達部2自体が伸縮可能となる緩衝湾曲部10を設けている。このような構成とすれば、材軸応力伝達部1に設置された弾性部材6が最大限縮退しても、緩衝湾曲部10の変形により、筋かい接合部材全体がさらに変形し、地震力を吸収することが可能となる。無論、その形態は図示の形状に限定されることはなく、たとえば、略円形に捲回することでコイルばね形状としてもよい。(図示せず)
【0091】
たとえば、実施例1〜18において材軸応力伝達部が構造材と略平行になるように形成されているが、このような構成に限定されるものではない。
(実施例19)図25は本発明の実施例19にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
本実施例のように、材軸応力伝達部1が構造材に対して所定の角度を有するように構成されてもよい。特に本実施例の如く材軸応力伝達部1と筋かいとの成す角度が大きくなるように形成すれば、筋かいから材軸応力伝達部1への力の流れがよりスムースになる。
【0092】
また、ガイド部の形態も、実施例1〜19の実施の形態に限定されることはない。材軸応力伝達部を所定の位置に保持し、且つスライド可能となる機能を備えていれば、どのような形態であってもよい。
【0093】
また、ストッパ部材の形態も、実施例1〜19の実施の形態に限定されることはない。材軸応力伝達部の所定の位置に形成あるいは固着され、材軸応力伝達部がスライドしたときに、弾性部材と接触することで弾性部材を縮退(固着した場合は、縮退あるいは伸張)させるように形成されていればよい。
【0094】
また、スライド接合部材の形態も、実施例1〜19の実施の形態に限定されることはない。材軸応力伝達部の所定の位置に摺動自在に取付られるように形成されていればよい。実施例においては、通孔を備え、材軸応力伝達部に嵌着することで摺動可能なように形成されているが、例えば、材軸応力伝達部に通孔を形成し、スライド部材を挿着することで摺動自在に取り付けても良い。すなわち、材軸応力伝達部の所定の位置に摺動自在に接合できるように構成されていればよい。
【0095】
また、弾性部材の形状、数、取付形態は、実施例3〜19の実施形態に限定されることはない。実施例3〜19において、コイルばねを使用しているが、たとえば板ばねを使用してもよい。(図示せず)また、粘弾性材を使用してもよい。その他、数、取付形態も実施例3〜19の実施形態に限定されることはなく、材軸応力伝達部の摺動を、その弾発力で阻害、および、変形を復元する機能が備わっていればよい。
【0096】
また、引寄せ部材の形態も、実施例1〜19の実施の形態に限定されることはない。当該台座部に取り付け、あるいは一体に形成され、対置する構造材(基礎を含む)に固着されたボルト等、接合部材を固着できるように形成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図2】第2の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図3】第3の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図4】第4の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図5a】第5の実施例にかかる筋かい接合部材の構造原理を説明するための側面図である。
【図5b】第5の実施例にかかる筋かい接合部材の構造原理を説明するための側面図である。
【図6a】第6の実施例にかかる筋かい接合部材の構造原理を説明するための側面図である。
【図6b】第6の実施例にかかる筋かい接合部材の構造原理を説明するための側面図である。
【図7a】第7の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図7b】第7の実施例にかかる筋かい接合部材を構成する部品の構成図である。
【図8a】ガイド部4の側面詳細図である。
【図8b】ガイド部4の平断面詳細図である。
【図8c】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図9a】接合部材2の側面詳細図である。
【図9b】接合部材2の平断面詳細図である。
【図9c】接合部材2の縦断面詳細図である。
【図10a】スライド接合部材5の側面詳細図である。
【図10b】スライド接合部材5の平断面詳細図である。
【図10c】スライド接合部材5の縦断面詳細図である。
【図11a】ガイド部4の側面詳細図である。
【図11b】ガイド部4の平断面詳細図である。
【図11c】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図11d】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図11e】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図12a】ガイド部4の側面詳細図である。
【図12b】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図12c】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図13a】ガイド部4の側面詳細図である。
【図13b】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図13c】ガイド部4の縦断面詳細図である。
【図14】第8の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図15】第9の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図16a】第10の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図16b】第10の実施例にかかる筋かい接合部材のスライド接合部材5の平断面詳細図である。
【図17a】第11の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図17b】第11の実施例にかかる筋かい接合部材のガイド部4の平断面詳細図である。
【図18】第12の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図19】第13の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図20】第14の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図21】第15の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図22】第16の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図23】第17の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図24】第18の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【図25】第19の実施例にかかる筋かい接合部材の斜視図である。
【符号の説明】
【0098】
1 材軸応力伝達部
2 接合部材
3 ストッパ部材
4 ガイド部
5 スライド接合部材
5a ガイド
6 弾性部材
7 台座部
8 引寄せ部材
9 脇台座部
10 緩衝湾曲部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物、工作物等、構造物において、梁、土台あるいは、柱等の構造材によって形成された略四角形の構面に設置される筋かい、あるいはブレース等、斜材を構造材直交差部分に留め付ける部材であって、
垂直、または、水平に位置する前記構造材と略平行になるように配置され、前記斜材を留め付けることが可能な接合部材2が固着された材軸応力伝達部1を備え、
当該材軸応力伝達部1を、所定の位置で当該構造材と、略平行に摺動自在になるように取り付け、且つ当該構造材に固定可能となるように形成したガイド部4を当該材軸応力伝達部1に一以上備えたことを特徴とする筋かい接合部材。
【請求項2】
建築物、工作物等、構造物において、梁、土台あるいは、柱等の構造材によって形成された略四角形の構面に設置される筋かいあるいはブレース等、斜材を構造材直交差部分に留め付ける部材であって、
垂直、または、水平に位置する前記構造材と略平行になるように配置された材軸応力伝達部1と、前記斜材を留め付けることが可能で、且つ、当該材軸応力伝達部1に摺動自在に装着できるガイド5aを有するスライド接合部材5を備え、
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aを当該材軸応力伝達部1に摺動自在に装着し、
当該材軸応力伝達部1を、所定の位置で当該構造材と、略平行に摺動自在になるように取り付け、且つ当該構造材に固定可能となるように形成したガイド部4を当該材軸応力伝達部1に一以上備えたことを特徴とする筋かい接合部材。
【請求項3】
前記材軸応力伝達部1が棒状体で形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の筋かい接合部材。
【請求項4】
前記材軸応力伝達部1の一部を所定の形状に成形、あるいは略円形に捲回することで、材軸応力伝達部1自体が伸縮可能となる緩衝湾曲部10を設けたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項5】
前記構造材に取り付けられた材軸応力伝達部1の構造材直交差側の端部を、対置する構造材または基礎に固定された所定の固着部材に接合可能なように構成されたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項6】
前記材軸応力伝達部1の一部を、当該材軸応力伝達部1が設置された前記構造材に固着可能となるように構成されたことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項7】
前記材軸応力伝達部1が当該材軸応力伝達部1が取り付けられている構造材に対して所定の角度を有するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項8】
前記ガイド部4に、前記材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を備え、当該ガイド部4に当該材軸応力伝達部1を挿着することで、材軸応力伝達部1が摺動自在となるようにガイド部4が形成されたことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項9】
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aに、前記材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を備え、且つ、当該材軸応力伝達部1に当該ガイド5aを嵌着することで、スライド接合部材5が材軸応力伝達部1に摺動自在に装着されたことを特徴とする請求項2ないし8の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項10】
前記材軸応力伝達部1の所定の位置に取り付けられ、材軸応力伝達部1が摺動した時、前記ガイド部4、または、スライド接合部材5と接触することで材軸応力伝達部1の摺動が阻害されるように形成されたストッパ部材3を少なくとも一以上備えたことを特徴とする請求項1ないし9の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項11】
前記ストッパ部材3の外端が、前記ガイド部4、または、スライド接合部材5の通孔の縁よりも外方に位置するように形成することで、ガイド部4、または、スライド接合部材5と接触可能となり、材軸応力伝達部1の摺動が阻害されるように形成されたことを特徴とする請求項10に記載の筋かい接合部材。
【請求項12】
前記材軸応力伝達部1の一部または全てが雄ねじ部材で形成されたことを特徴とする請求項1ないし11の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項13】
前記ストッパ部材3の少なくとも一以上が雌ねじ部材で形成されたことを特徴とする請求項10ないし12の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項14】
前記スライド接合部材5の両端に雌ねじ部材を設置し、スライド接合部材5を材軸応力伝達部1に固定することでスライド接合部材5に前記接合部材2としての機能を持たせたことを特徴とする請求項1ないし13の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項15】
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aの通孔の内面に雌ねじを形成し、前記雄ねじ部材で形成された材軸応力伝達部1にスライド接合部材5を螺着してスライド接合部材5を材軸応力伝達部1に固着することでスライド接合部材5に前記接合部材2としての機能を持たせたことを特徴とする請求項12ないし14に記載の筋かい接合部材。
【請求項16】
前記材軸応力伝達部1の所定の位置に装着し、前記ガイド部4、または、ストッパ部材3、または、スライド接合部材5、または、接合部材2の端部と接触可能となるように形成された弾性部材6を一以上備えたことを特徴とする請求項1ないし15の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項17】
前記材軸応力伝達部1の所定の位置に装着し、前記ガイド部4、または、ストッパ部材3、または、スライド接合部材5、または、接合部材2の端部に一端を固着した弾性部材6を一以上備えたことを特徴とする請求項1ないし16の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項18】
前記ストッパ部材3とガイド部4との間に、請求項16に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が当該ストッパ部材3、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項10ないし17に記載の筋かい接合部材。
【請求項19】
前記接合部材2とガイド部4との間に、請求項16に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が接合部材2、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項1または、請求項3ないし18の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項20】
前記スライド接合部材5とガイド部4との間に、請求項16に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6がスライド接合部材5、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項2ないし19の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項21】
前記ストッパ部材3とガイド部4との間に、請求項17に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部をストッパ部材3の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項10ないし20の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項22】
前記接合部材2とガイド部4との間に、請求項17に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部を接合部材2の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項1または、請求項3ないし21の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項23】
前記スライド接合部材5とガイド部4との間に、請求項17に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部をスライド接合部材5の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、スライド接合部材5がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項2ないし22の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項24】
前記ガイド部4とガイド部4との間に、請求項16または17に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする請求項10ないし23の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項25】
前記ガイド部4と前記接合部材2との間に、請求項16または17に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする請求項10ないし24の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項26】
前記ガイド部4と前記スライド接合部材5との間に、請求項16または17に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする請求項10ないし25の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項27】
前記弾性部材6がコイルばねであることを特徴とする請求項16ないし26の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項28】
前記ガイド部4を少なくとも一以上固着することで、ガイド部4と一体となるように形成された台座部7を備えたことを特徴とする請求項1ないし27の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項29】
前記台座部7の一部または全体を板状の部材で形成したことを特徴とする請求項28に記載の筋かい接合部材。
【請求項30】
前記台座部7が、前記材軸応力伝達部1と略平行な辺に沿って、当該台座部7と略直角に延伸した脇台座部9を台座部7の片辺、または、両辺に備えたことを特徴とする請求項28または29に記載の筋かい接合部材。
【請求項31】
前記台座部7の構造材直交差側の端部に、棒状部材が挿通可能となる通孔を有する引寄せ部材8を備えたことを特徴とする請求項28ないし30の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項32】
前記台座部7を、構造材の直交差する部分近傍まで延伸し、構造材の直交差部分近傍にて略直角に折り曲げ、あるいは、接合した台座部7を対置する構造材に沿って延伸することで、対置する構造材にも同時に台座部7を留め付け可能としたことを特徴とする請求項28ないし31の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項33】
前記台座部7、または、脇台座部9、または、台座部7と脇台座部9の所定の位置に締結具を挿通するための一以上の締結孔が設けられたことを特徴とする請求項28ないし32の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項34】
前記ガイド部4を形成する通孔の一端もしくは両端に、外方に向かう末広がり部を設けたことを特徴とする請求項8ないし33の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項35】
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aの通孔の一端もしくは両端に、外方に向かう末広がり部を設けたことを特徴とする請求項9ないし34の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項36】
前記ガイド部4を形成する通孔において、当該ガイド部4が取り付けられている構造材の材面に対して垂直な方向の内径が、構造材の材面に対して平行な方向の内径よりも大きくなるようにガイド部4の通孔が形成されたことを特徴とする請求項8ないし35の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項37】
前記ガイド部4の、一端もしくは両端が凹形状に形成されたことを特徴とする請求項36に記載の筋かい接合部材。
【請求項38】
前記ガイド部4が、当該ガイド部4に挿着された材軸応力伝達部1に対して、所定の角度を有するように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項36または37に記載の筋かい接合部材。
【請求項39】
前記接合部材2、または前記スライド接合部材5が板状部材で形成され、且つ、当該板状部材に斜材を留め付ける締結具を挿通するための一以上の締結孔が設けられたことを特徴とする請求項1ないし38の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項40】
前記接合部材2、または前記スライド接合部材5が、前記材軸応力伝達部1の軸心を中心に回動するのを防止する機能を備えたことを特徴とする請求項1ないし39の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項1】
建築物、工作物等、構造物において、梁、土台あるいは、柱等の構造材によって形成された略四角形の構面に設置される筋かい、あるいはブレース等、斜材を構造材直交差部分に留め付ける部材であって、
垂直、または、水平に位置する前記構造材と略平行になるように配置され、前記斜材を留め付けることが可能な接合部材2が固着された材軸応力伝達部1を備え、
当該材軸応力伝達部1を、所定の位置で当該構造材と、略平行に摺動自在になるように取り付け、且つ当該構造材に固定可能となるように形成したガイド部4を当該材軸応力伝達部1に一以上備えたことを特徴とする筋かい接合部材。
【請求項2】
建築物、工作物等、構造物において、梁、土台あるいは、柱等の構造材によって形成された略四角形の構面に設置される筋かいあるいはブレース等、斜材を構造材直交差部分に留め付ける部材であって、
垂直、または、水平に位置する前記構造材と略平行になるように配置された材軸応力伝達部1と、前記斜材を留め付けることが可能で、且つ、当該材軸応力伝達部1に摺動自在に装着できるガイド5aを有するスライド接合部材5を備え、
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aを当該材軸応力伝達部1に摺動自在に装着し、
当該材軸応力伝達部1を、所定の位置で当該構造材と、略平行に摺動自在になるように取り付け、且つ当該構造材に固定可能となるように形成したガイド部4を当該材軸応力伝達部1に一以上備えたことを特徴とする筋かい接合部材。
【請求項3】
前記材軸応力伝達部1が棒状体で形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の筋かい接合部材。
【請求項4】
前記材軸応力伝達部1の一部を所定の形状に成形、あるいは略円形に捲回することで、材軸応力伝達部1自体が伸縮可能となる緩衝湾曲部10を設けたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項5】
前記構造材に取り付けられた材軸応力伝達部1の構造材直交差側の端部を、対置する構造材または基礎に固定された所定の固着部材に接合可能なように構成されたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項6】
前記材軸応力伝達部1の一部を、当該材軸応力伝達部1が設置された前記構造材に固着可能となるように構成されたことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項7】
前記材軸応力伝達部1が当該材軸応力伝達部1が取り付けられている構造材に対して所定の角度を有するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項8】
前記ガイド部4に、前記材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を備え、当該ガイド部4に当該材軸応力伝達部1を挿着することで、材軸応力伝達部1が摺動自在となるようにガイド部4が形成されたことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項9】
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aに、前記材軸応力伝達部1が挿通可能な通孔を備え、且つ、当該材軸応力伝達部1に当該ガイド5aを嵌着することで、スライド接合部材5が材軸応力伝達部1に摺動自在に装着されたことを特徴とする請求項2ないし8の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項10】
前記材軸応力伝達部1の所定の位置に取り付けられ、材軸応力伝達部1が摺動した時、前記ガイド部4、または、スライド接合部材5と接触することで材軸応力伝達部1の摺動が阻害されるように形成されたストッパ部材3を少なくとも一以上備えたことを特徴とする請求項1ないし9の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項11】
前記ストッパ部材3の外端が、前記ガイド部4、または、スライド接合部材5の通孔の縁よりも外方に位置するように形成することで、ガイド部4、または、スライド接合部材5と接触可能となり、材軸応力伝達部1の摺動が阻害されるように形成されたことを特徴とする請求項10に記載の筋かい接合部材。
【請求項12】
前記材軸応力伝達部1の一部または全てが雄ねじ部材で形成されたことを特徴とする請求項1ないし11の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項13】
前記ストッパ部材3の少なくとも一以上が雌ねじ部材で形成されたことを特徴とする請求項10ないし12の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項14】
前記スライド接合部材5の両端に雌ねじ部材を設置し、スライド接合部材5を材軸応力伝達部1に固定することでスライド接合部材5に前記接合部材2としての機能を持たせたことを特徴とする請求項1ないし13の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項15】
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aの通孔の内面に雌ねじを形成し、前記雄ねじ部材で形成された材軸応力伝達部1にスライド接合部材5を螺着してスライド接合部材5を材軸応力伝達部1に固着することでスライド接合部材5に前記接合部材2としての機能を持たせたことを特徴とする請求項12ないし14に記載の筋かい接合部材。
【請求項16】
前記材軸応力伝達部1の所定の位置に装着し、前記ガイド部4、または、ストッパ部材3、または、スライド接合部材5、または、接合部材2の端部と接触可能となるように形成された弾性部材6を一以上備えたことを特徴とする請求項1ないし15の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項17】
前記材軸応力伝達部1の所定の位置に装着し、前記ガイド部4、または、ストッパ部材3、または、スライド接合部材5、または、接合部材2の端部に一端を固着した弾性部材6を一以上備えたことを特徴とする請求項1ないし16の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項18】
前記ストッパ部材3とガイド部4との間に、請求項16に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が当該ストッパ部材3、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項10ないし17に記載の筋かい接合部材。
【請求項19】
前記接合部材2とガイド部4との間に、請求項16に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が接合部材2、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項1または、請求項3ないし18の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項20】
前記スライド接合部材5とガイド部4との間に、請求項16に記載の弾性部材6を一以上備えることで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6がスライド接合部材5、および、ガイド部4と接触し、縮退することで圧縮ばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項2ないし19の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項21】
前記ストッパ部材3とガイド部4との間に、請求項17に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部をストッパ部材3の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項10ないし20の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項22】
前記接合部材2とガイド部4との間に、請求項17に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部を接合部材2の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、材軸応力伝達部1がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項1または、請求項3ないし21の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項23】
前記スライド接合部材5とガイド部4との間に、請求項17に記載の弾性部材6を備え、当該弾性部材6の両端部をスライド接合部材5の端部、および、ガイド部4の端部にそれぞれ固着することで、スライド接合部材5がスライド移動した時に、当該弾性部材6が縮退、あるいは伸張し、圧縮ばね、あるいは引きばねとして機能するように構成したことを特徴とする請求項2ないし22の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項24】
前記ガイド部4とガイド部4との間に、請求項16または17に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする請求項10ないし23の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項25】
前記ガイド部4と前記接合部材2との間に、請求項16または17に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする請求項10ないし24の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項26】
前記ガイド部4と前記スライド接合部材5との間に、請求項16または17に記載の弾性部材6を二以上設け、当該弾性部材6と弾性部材6との間に前記ストッパ部材3を二以上設けたことを特徴とする請求項10ないし25の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項27】
前記弾性部材6がコイルばねであることを特徴とする請求項16ないし26の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項28】
前記ガイド部4を少なくとも一以上固着することで、ガイド部4と一体となるように形成された台座部7を備えたことを特徴とする請求項1ないし27の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項29】
前記台座部7の一部または全体を板状の部材で形成したことを特徴とする請求項28に記載の筋かい接合部材。
【請求項30】
前記台座部7が、前記材軸応力伝達部1と略平行な辺に沿って、当該台座部7と略直角に延伸した脇台座部9を台座部7の片辺、または、両辺に備えたことを特徴とする請求項28または29に記載の筋かい接合部材。
【請求項31】
前記台座部7の構造材直交差側の端部に、棒状部材が挿通可能となる通孔を有する引寄せ部材8を備えたことを特徴とする請求項28ないし30の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項32】
前記台座部7を、構造材の直交差する部分近傍まで延伸し、構造材の直交差部分近傍にて略直角に折り曲げ、あるいは、接合した台座部7を対置する構造材に沿って延伸することで、対置する構造材にも同時に台座部7を留め付け可能としたことを特徴とする請求項28ないし31の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項33】
前記台座部7、または、脇台座部9、または、台座部7と脇台座部9の所定の位置に締結具を挿通するための一以上の締結孔が設けられたことを特徴とする請求項28ないし32の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項34】
前記ガイド部4を形成する通孔の一端もしくは両端に、外方に向かう末広がり部を設けたことを特徴とする請求項8ないし33の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項35】
前記スライド接合部材5を構成するガイド5aの通孔の一端もしくは両端に、外方に向かう末広がり部を設けたことを特徴とする請求項9ないし34の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項36】
前記ガイド部4を形成する通孔において、当該ガイド部4が取り付けられている構造材の材面に対して垂直な方向の内径が、構造材の材面に対して平行な方向の内径よりも大きくなるようにガイド部4の通孔が形成されたことを特徴とする請求項8ないし35の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項37】
前記ガイド部4の、一端もしくは両端が凹形状に形成されたことを特徴とする請求項36に記載の筋かい接合部材。
【請求項38】
前記ガイド部4が、当該ガイド部4に挿着された材軸応力伝達部1に対して、所定の角度を有するように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項36または37に記載の筋かい接合部材。
【請求項39】
前記接合部材2、または前記スライド接合部材5が板状部材で形成され、且つ、当該板状部材に斜材を留め付ける締結具を挿通するための一以上の締結孔が設けられたことを特徴とする請求項1ないし38の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【請求項40】
前記接合部材2、または前記スライド接合部材5が、前記材軸応力伝達部1の軸心を中心に回動するのを防止する機能を備えたことを特徴とする請求項1ないし39の何れか一項に記載の筋かい接合部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図11e】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図11e】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2008−19692(P2008−19692A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218933(P2006−218933)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(500481640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(500481640)
【Fターム(参考)】
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