筒状成形品の射出成形金型
【課題】アンダーカットを有する成形品を変形なく取り出せる射出成形金型を提供することを目的とする。
【解決手段】内側面の始端に形成されるアンダーカット形状部(4)よりも奥端のキャビティ壁(1a)を構成する第1スライドコア(1)と、アンダーカット形状部(4)を形成する凹部(2b)を有し内側面の始端のキャビティ壁(2a)を構成する第2スライドコア(2)とを設け、第1スライドコアと(1)第2スライドコア(2)が成形品から離型する際に時間をずらせて動作することにより、離型抵抗の分散と離型時の保持を行う。
【解決手段】内側面の始端に形成されるアンダーカット形状部(4)よりも奥端のキャビティ壁(1a)を構成する第1スライドコア(1)と、アンダーカット形状部(4)を形成する凹部(2b)を有し内側面の始端のキャビティ壁(2a)を構成する第2スライドコア(2)とを設け、第1スライドコアと(1)第2スライドコア(2)が成形品から離型する際に時間をずらせて動作することにより、離型抵抗の分散と離型時の保持を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂成形品用の金型に関するものであり、より詳細には、デジタルスチルカメラにおけるズーム駆動を有するレンズ保持部の射出成形品のように内側面にアンダーカット形状部を有した筒状成形品を得る射出成形金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内側面にアンダーカット形状部を有した筒状の成形品を得るためには、図11のように、金型は成形品の軸と垂直方向に動作する内側スライド部品を有し、成形品の内側面を軸方向の上部から下部まで1つの部品で保持させており、金型の突き出し動作と連動し、内側スライド部品が筒形状中心へ移動することによって、成形品内側にあるアンダーカット形状部を金型から回避させ、成形品を金型から取り出している。
【0003】
図11は特許文献1に記載された従来の金型装置を示す。
この図11は成形品21を得るための金型構造の概略であり、金型が閉まった状態を示している。金型開閉動作により、第2カム部品22が第2スライドコア23を成形品21の軸と垂直方向に筒形状中心へと移動することによって、成形品21から第2スライドコア23が抜け、金型から取り出す方向にアンダーカットが無くなり、成形品21の金型からの取り出しが可能となる。24はセンターポスト、25は第1スライドコア、26は第1スライドコア25を駆動する第1カム部品、27はアンギュラピンで、天面金型28を図11において上方に移動させた後に、成形品21の外形を形成する金型本体29をこのアンギュラピン27によって成形品21から引き離す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−12248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、成形品からスライドコアを動作させて、アンダーカット形状部を離型させる際に、第2スライドコア23の表面に樹脂が張り付くことにより発生する離型抵抗から、無理矢理に剥がすことになる。
【0006】
また、成形品21の内側面に高精度で微小な表面粗さである面を持たせた場合には、第2スライドコア23と成形品21の間の隙間が極めて少なくなることにより、スライドコアと成形品の間が金型からの取り出し前に真空状態に近い状態になるため、より張り付き力が強く、離型抵抗を増加させてしまい、成形品の変形を増大させてしまう。成形品21の内側面を軸方向の上部から下部まで1つの第2スライドコア23で保持させた場合には、成形品21の内側面を軸方向の上部から下部までに隙間がなく、空気が入り込む箇所が無いため、より真空状態を起因とする成形品21の変形が悪化する。
【0007】
特に、成形品21がレンズ保持部などである場合は、その円筒度の精度が重要であり、同軸度の精度が悪いとレンズの光軸がずれる不具合が発生するため、上記のような離型時の変形の改善が必要である。
【0008】
本発明は、アンダーカットを有する成形品を、変形なく容易に金型から取り出せる射出成形金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の筒状成形品の射出成形金型は、内側面にアンダーカット形状部を有する筒状の成形品を成形する射出成形金型において、前記成形品の外形を形成する金型本体と、キャビティ壁が前記金型本体の内側に配置され前記成形品の奥端の内側面を形成する第1スライドコアと、キャビティ壁が前記金型本体の内側に配置され前記成形品の始端の内側面を形成する第2スライドコアとを設け、第1スライドコアを前記成形品から離型するタイミングと第2スライドコアを前記成形品から離型するタイミングを異ならせたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の筒状成形品の射出成形金型は、内側面にアンダーカット形状部を有する筒状の成形品を成形する射出成形金型において、前記内側面の始端に形成される前記アンダーカット形状部よりも奥端のキャビティ壁を構成する第1スライドコアと、前記アンダーカット形状部を形成する凹部を有し前記内側面の始端のキャビティ壁を構成する第2スライドコアとを設け、第1スライドコアが前記成形品を保持したまま、第2スライドコアを前記成形品から離型させ、第2スライドコアが前記成形品から離型後に第1スライドコアを前記成形品から離型させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筒状の成形品の内側面を第1スライドコアと第2スライドコアに分割し、かつ、第1スライドコアと第2スライドコアが成形品から離型するタイミングが異なるため、離型時にかかる離型抵抗を分離することができ、離型時に生じる成形品の変形を抑制することができるため、成形品の真円度、円筒度の向上が望める。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における金型の断面図
【図2】同実施の形態の第2スライドコアの移動が完了した状態の断面図
【図3】(a)第1スライドコアの移動が完了した状態の断面図と(b)成形品取り出し状態の断面図
【図4】筒状の成形品の斜視図
【図5】筒状の成形品の断面図
【図6】本発明の実施の形態2における金型の断面図
【図7】本発明の実施の形態3における金型の断面図
【図8】本発明の実施の形態4における金型の断面図
【図9】同実施の形態の(a)第2スライドコアの移動が完了した状態の断面図と(b)第1,第2スライドコアの間の第3スライドコアが更に移動が完了した状態の断面図および(c)成形品取り出し状態の断面図
【図10】本発明の実施の形態5における金型の断面図
【図11】従来技術の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施の形態を、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図5は実施の形態1を示す。
【0014】
図1は本発明の実施の形態1の射出成形金型を示し、図4は成形しようとする成形品3の斜視図、図5はその断面図である。
成形品3は、底の一部に開口3aを有し、内側面の始端に4個所のアンダーカット形状部4を有している。成形品3を成形するキャビティは、成形品3の外形を形成する金型本体10と、成形品3の奥端の内側面を形成する第1スライドコア1のキャビティ壁1aと、成形品3の始端の内側面を形成する第2スライドコア2のキャビティ壁2aとで構成されている。キャビティ壁2aには、アンダーカット形状部4を形成する凹部2bが形成されている。
【0015】
4つの各第2スライドコア2は、第1スライドコア1の凹部1bに配置されており、第2スライドコア2は突き出し動作時に第2カム5により、図2に示すようにセンターピン11に近付くように駆動される。第1スライドコア1は突き出し動作時に第1カム6により、図3(a)に示すようにセンターピン11に近付くように駆動される。
【0016】
金型からの成形品3の取り出し工程を詳しく説明する。
図2は成形品3の成形途中の状態であり、第2スライドコア2がアンダーカット形状部4から抜けた状態を示している。
【0017】
図1のようにキャビティに樹脂注入した後に、第2カム5の角度面により第2スライドコア2だけがセンターピン11に近付くように駆動される。この際の第2カム5の押し出しストローク:S7、アンダーカット形状部4の高さ:S8、金型から成形品3を取り出すための取り出し余裕量:αとした場合、
S7 > S8 + α
であって、第2スライドコア2とアンダーカット形状部4の間に隙間を生じさせる。
【0018】
なお、この第2スライドコア2の移動時には、第1スライドコア1は、図1のように第1カム6と接地しておらず、動作せずに待機している。第1スライドコア1が待機している状態では、図2に示すように第1スライドコア1のキャビティ壁1aが成形品3の内側面の奥端を保持しているため、第2スライドコア2の離型抵抗を第1スライドコア1で支えている状態になる。
【0019】
このため、第2スライドコア2が離型させる部分は成形品3の内側面の始端である下部先端であり、離型時のモーメントによる変形が最も懸念される箇所ではあるが、第1スライドコア1の保持により、変形が少ないまま離型することができ、成形品3を金型から取り出した後の真円度・円筒度を良好に保つことができる。
【0020】
このようにして第2スライドコア2を離型した後、前述のように、今度は第1カム6の角度面によって第1スライドコア1が図3(a)に示すようにセンターピン11に近付くように駆動される。第1スライドコア1の押し出しストローク:S9は、
S9 > S8 + α
である。そして、この後に、図3(b)に示すように金型から成形品3が取り出される。
【0021】
特に、小径で、高さの高い筒状で、内側面にアンダーカットを有する成形品を製造する場合に利用可能である。
(実施の形態2)
図6は実施の形態2を示す。
【0022】
この実施の形態2では、実施の形態1のように第1スライドコア1と第2スライドコア2は互いに異なるタイミングで動作させて、成形品3を金型から取り出した後の真円度・円筒度を良好に保つとともに、第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分に気体突き出し回路12が形成されている。その他は実施の形態1と同じである。
【0023】
具体的には、第1スライドコア1と第2スライドコア2は互いに異なるタイミング動作するため、相対的に摺動する関係にある。そのため、第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分の隙間はゼロではなく、注入樹脂が入り込んでバリが出ない程度、この実施の場合は3〜5μm程度の隙間を有している。
【0024】
この隙間は気体が入り込むには十分であるため、気体突き出し回路12を形成し、第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分からエアー、不活性ガスなどの気体を送り込むように構成されている。
【0025】
このように、第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分から気体を送り込むことによって、第2スライドコア2の動作時に成形品3から第2スライドコア2の離型を補助する役割を果たし、より容易に成形品3が第2スライドコア2に密着しているのを外すことができるため、成形品3の変形を抑制し、成形品3を金型から取り出した後の真円度・円筒度を更に良好に保つことができる。
【0026】
また、気体突き出し回路12から第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分を経て気体を、成形を毎回行う毎に吹き付けるため、溶融樹脂を固化させる際に第1スライドコア1と第2スライドコア2が授受した熱の放熱を促進することができ、第1スライドコア1と第2スライドコア2の蓄熱を回避することができる。
【0027】
よって、蓄熱により発生する熱収縮のバラツキによる成形品3の成形収縮バラツキが抑えられ、成形品3が均一に成形収縮することで、真円度、円筒度の向上と、成形毎の寸法バラツキを抑制することができる。
【0028】
(実施の形態3)
図7は実施の形態3の金型が成形途中の状態を示している。
センターピン11の内側に冷媒が供給される冷却回路13が形成されている点が、実施の形態1とは異なっている。
【0029】
第1,第2スライドコア1,2は成形を毎回行う毎に、注入樹脂と接触し、溶融樹脂を固化させる際に熱を授受するため、温度が上昇して、成形品3の成形収縮バラツキが発生する。
【0030】
第1,第2スライドコア1,2は温度を制御するための冷却回路を要するが、部品が微小であり、また複雑に入り組んだ中の部品への冷却回路の形成は非常に難しい。
そこで、この実施の形態3では、スライドコアとの接地部品である、センターピン11に冷却回路13を形成し、前記キャビティへの樹脂注入が終わった直後から冷却回路13に水などの冷媒を通して、次の樹脂成形までの期間中に冷却回路13によって、接地面からの熱伝導で第1,第2スライドコア1,2の冷却を行っている。更なる冷却効率の向上を目指して、図7に示すように第1スライドコア1をセンターピン11に接触するまで移動させ、第2スライドコア2の内周面が第1スライドコア1の外周面に接触するまで移動させることが好ましい。
【0031】
接地面からの伝熱で第1,第2スライドコア1,2の冷却を行うことによって、成形中の第1,第2スライドコア1,2の温度変化と温度上昇を抑制し、熱収縮のバラツキによる成形品3の成形収縮バラツキを抑えることで、成形品3が均一に成形収縮し、真円度、円筒度の向上と、成形毎の寸法バラツキを抑制することができる。
【0032】
なお、第1,第2スライドコア1,2には熱伝導率の良い金属材料を選定することで冷却効果をより高めることができる。通常の金型入れ駒に使用する、冷間ダイス鋼はSKD11であり、その熱伝導率は22.2w/mKであるのに対して、第1,第2スライドコア1,2の材料としてベリリウム−銅合金などを使用することが好ましい。ベリリウム−銅合金の熱伝導率は90.0w/mKと熱伝導に優れ、より高い効果を期待できる。
【0033】
この実施の形態3では、第1,第2スライドコア1,2の両方を冷却する場合を説明したが、第1,第2スライドコア1,2の少なくとも一方を冷却することによっても、成形品3の熱収縮のバラツキを低減できる。
【0034】
(実施の形態4)
図8と図9は実施の形態4を示す。
実施の形態1では第1,第2スライドコア1,2の2つのスライドコアを設け、第1,第2スライドコア1,2の離型のタイミングをずらせるように構成した。この実施の形態4では、スライドコアの分割数を3つに増加させた場合を示している。具体的には、実施の形態1の第1スライドコア1を二つに分割して成形品から離型する際に時間をずらせて動作する場合を示している。
【0035】
図8は樹脂注入の直後の状態を示している。内径面を保持するためのスライドコアが、第1スライドコア1と第2スライドコア2、および第1スライドコア1と第2スライドコア2の間に位置して金型本体10とでキャビティの一部を形成する中央スライドコア14とに分割されている。第2スライドコア2は、中央スライドコア14の凹部14bに配置されており、中央スライドコア14は、第1スライドコア1の凹部1bに配置されている。
【0036】
離型時には、先ず図9(a)に示すように第2スライドコア2だけがセンターピン11に近付くように駆動される。次ぎに、図9(b)に示すように中央スライドコア14がセンターピン11に近付くように駆動される。最後に、図9(c)に示すように第1スライドコア1がセンターピン11に近付くように駆動されて、成形品3から金型を外す。その他は実施の形態1と同じである。
【0037】
このようにスライドコアを3分割し、離型のタイミングをずらせるように構成することによって、実施の形態1の2分割の場合に比べて、離型抵抗による成形品の変形をさらに抑制することができる。成形品の大きさによっては4分割にするなど、分割数を増加させることで更なる効果が期待できる。
【0038】
上記の各実施の形態は、ほんの一例を示しただけで、本発明による金型を応用すれば内面にアンダーカットを有した、多様な成形品の成形を可能にする。例えば、実施の形態1で示した成形品下部にアンダーカットを有する他に、成形品上部の内周面で底面に近い部分にアンダーカットを有する場合にも応用可能である。この場合は、底面に近い方のスライドコア(第1スライドコア)を離型してから、次ぎに第2スライドコアを離型する。
【0039】
実施の形態4では、実施の形態1における第1スライドコアを2つに分割した場合を説明したが、実施の形態1における第1,2スライドコア1,2の内の少なくとも一方を複数に分割して成形品から離型する際に時間をずらせて動作させることによっても良好な成形品3を得ることができる。
【0040】
(実施の形態5)
図10は実施の形態5を示す。
上記の各実施の形態では、成形品の内周面の一部にアンダーカットを有する場合を例に挙げて説明したが、この実施の形態5では成形品3の内周面の全部または略全部にアンダーカット4が形成されている場合を示している。この場合、成形品3の奥端の内側面を形成する第1スライドコア1のキャビティ壁1aと、成形品3の始端の内側面を形成する第2スライドコア2のキャビティ壁2aには、アンダーカット形状部4を形成する多数の凹部1c,2bが形成されている。
【0041】
この場合に、第1カム6の角度面によって第1スライドコア1がセンターピン11に近付くように駆動されるタイミングと、第2カム5の角度面によって第2スライドコア2がセンターピン11に近付くように駆動されるタイミングは、下記のいずれかになるように構成されている。その他は実施の形態1〜実施の形態4と同じである。
【0042】
(1) 第1スライドコア1が成形品3を保持したまま、第2スライドコア2を成形品3から離型させ、第2スライドコア2が成形品3から離型後に第1スライドコア1を成形品3から離型させる。
【0043】
(2) 第2スライドコア2が成形品3を保持したまま、第1スライドコア1を成形品3から離型させ、第1スライドコア1が成形品3から離型後に第2スライドコア2を成形品3から離型させる。
【0044】
このように第1スライドコア1または第2スライドコア2の一方のスライドコアによって、成形品3の一部分を保持している状態で、他方のスライドコアを成形品3から離型させるので、変形が少ないまま離型することができ、成形品3を金型から取り出した後の真円度・筒度を良好に保つことができる。
【0045】
なお、上記の各実施の形態では成形品3が、底の一部に開口3aを有する形状であったが、底を有しない筒形あるいは底に開口を有しない筒形であっても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は内径面にアンダーカットを有する成形品を必要とする各種の製品の高精度化に寄与する。
【符号の説明】
【0047】
1 第1スライドコア
1a 第1スライドコアのキャビティ壁
1b 第1スライドコアの凹部
1c アンダーカット形状部を形成する凹部
2 第2スライドコア
2a 第2スライドコアのキャビティ壁
2b アンダーカット形状部を形成する凹部
3 成形品
4 アンダーカット形状部
5 第2スライドコア用カム
6 第1スライドコア用カム
7 第2スライドコア押し出しストローク
8 アンダーカット形状部高さ
9 第1スライドコア押し出しストローク
10 金型本体
11 センターピン
12 気体突き出し回路
13 冷却回路
14 中央スライドコア
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂成形品用の金型に関するものであり、より詳細には、デジタルスチルカメラにおけるズーム駆動を有するレンズ保持部の射出成形品のように内側面にアンダーカット形状部を有した筒状成形品を得る射出成形金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内側面にアンダーカット形状部を有した筒状の成形品を得るためには、図11のように、金型は成形品の軸と垂直方向に動作する内側スライド部品を有し、成形品の内側面を軸方向の上部から下部まで1つの部品で保持させており、金型の突き出し動作と連動し、内側スライド部品が筒形状中心へ移動することによって、成形品内側にあるアンダーカット形状部を金型から回避させ、成形品を金型から取り出している。
【0003】
図11は特許文献1に記載された従来の金型装置を示す。
この図11は成形品21を得るための金型構造の概略であり、金型が閉まった状態を示している。金型開閉動作により、第2カム部品22が第2スライドコア23を成形品21の軸と垂直方向に筒形状中心へと移動することによって、成形品21から第2スライドコア23が抜け、金型から取り出す方向にアンダーカットが無くなり、成形品21の金型からの取り出しが可能となる。24はセンターポスト、25は第1スライドコア、26は第1スライドコア25を駆動する第1カム部品、27はアンギュラピンで、天面金型28を図11において上方に移動させた後に、成形品21の外形を形成する金型本体29をこのアンギュラピン27によって成形品21から引き離す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−12248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、成形品からスライドコアを動作させて、アンダーカット形状部を離型させる際に、第2スライドコア23の表面に樹脂が張り付くことにより発生する離型抵抗から、無理矢理に剥がすことになる。
【0006】
また、成形品21の内側面に高精度で微小な表面粗さである面を持たせた場合には、第2スライドコア23と成形品21の間の隙間が極めて少なくなることにより、スライドコアと成形品の間が金型からの取り出し前に真空状態に近い状態になるため、より張り付き力が強く、離型抵抗を増加させてしまい、成形品の変形を増大させてしまう。成形品21の内側面を軸方向の上部から下部まで1つの第2スライドコア23で保持させた場合には、成形品21の内側面を軸方向の上部から下部までに隙間がなく、空気が入り込む箇所が無いため、より真空状態を起因とする成形品21の変形が悪化する。
【0007】
特に、成形品21がレンズ保持部などである場合は、その円筒度の精度が重要であり、同軸度の精度が悪いとレンズの光軸がずれる不具合が発生するため、上記のような離型時の変形の改善が必要である。
【0008】
本発明は、アンダーカットを有する成形品を、変形なく容易に金型から取り出せる射出成形金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の筒状成形品の射出成形金型は、内側面にアンダーカット形状部を有する筒状の成形品を成形する射出成形金型において、前記成形品の外形を形成する金型本体と、キャビティ壁が前記金型本体の内側に配置され前記成形品の奥端の内側面を形成する第1スライドコアと、キャビティ壁が前記金型本体の内側に配置され前記成形品の始端の内側面を形成する第2スライドコアとを設け、第1スライドコアを前記成形品から離型するタイミングと第2スライドコアを前記成形品から離型するタイミングを異ならせたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の筒状成形品の射出成形金型は、内側面にアンダーカット形状部を有する筒状の成形品を成形する射出成形金型において、前記内側面の始端に形成される前記アンダーカット形状部よりも奥端のキャビティ壁を構成する第1スライドコアと、前記アンダーカット形状部を形成する凹部を有し前記内側面の始端のキャビティ壁を構成する第2スライドコアとを設け、第1スライドコアが前記成形品を保持したまま、第2スライドコアを前記成形品から離型させ、第2スライドコアが前記成形品から離型後に第1スライドコアを前記成形品から離型させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筒状の成形品の内側面を第1スライドコアと第2スライドコアに分割し、かつ、第1スライドコアと第2スライドコアが成形品から離型するタイミングが異なるため、離型時にかかる離型抵抗を分離することができ、離型時に生じる成形品の変形を抑制することができるため、成形品の真円度、円筒度の向上が望める。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における金型の断面図
【図2】同実施の形態の第2スライドコアの移動が完了した状態の断面図
【図3】(a)第1スライドコアの移動が完了した状態の断面図と(b)成形品取り出し状態の断面図
【図4】筒状の成形品の斜視図
【図5】筒状の成形品の断面図
【図6】本発明の実施の形態2における金型の断面図
【図7】本発明の実施の形態3における金型の断面図
【図8】本発明の実施の形態4における金型の断面図
【図9】同実施の形態の(a)第2スライドコアの移動が完了した状態の断面図と(b)第1,第2スライドコアの間の第3スライドコアが更に移動が完了した状態の断面図および(c)成形品取り出し状態の断面図
【図10】本発明の実施の形態5における金型の断面図
【図11】従来技術の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施の形態を、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図5は実施の形態1を示す。
【0014】
図1は本発明の実施の形態1の射出成形金型を示し、図4は成形しようとする成形品3の斜視図、図5はその断面図である。
成形品3は、底の一部に開口3aを有し、内側面の始端に4個所のアンダーカット形状部4を有している。成形品3を成形するキャビティは、成形品3の外形を形成する金型本体10と、成形品3の奥端の内側面を形成する第1スライドコア1のキャビティ壁1aと、成形品3の始端の内側面を形成する第2スライドコア2のキャビティ壁2aとで構成されている。キャビティ壁2aには、アンダーカット形状部4を形成する凹部2bが形成されている。
【0015】
4つの各第2スライドコア2は、第1スライドコア1の凹部1bに配置されており、第2スライドコア2は突き出し動作時に第2カム5により、図2に示すようにセンターピン11に近付くように駆動される。第1スライドコア1は突き出し動作時に第1カム6により、図3(a)に示すようにセンターピン11に近付くように駆動される。
【0016】
金型からの成形品3の取り出し工程を詳しく説明する。
図2は成形品3の成形途中の状態であり、第2スライドコア2がアンダーカット形状部4から抜けた状態を示している。
【0017】
図1のようにキャビティに樹脂注入した後に、第2カム5の角度面により第2スライドコア2だけがセンターピン11に近付くように駆動される。この際の第2カム5の押し出しストローク:S7、アンダーカット形状部4の高さ:S8、金型から成形品3を取り出すための取り出し余裕量:αとした場合、
S7 > S8 + α
であって、第2スライドコア2とアンダーカット形状部4の間に隙間を生じさせる。
【0018】
なお、この第2スライドコア2の移動時には、第1スライドコア1は、図1のように第1カム6と接地しておらず、動作せずに待機している。第1スライドコア1が待機している状態では、図2に示すように第1スライドコア1のキャビティ壁1aが成形品3の内側面の奥端を保持しているため、第2スライドコア2の離型抵抗を第1スライドコア1で支えている状態になる。
【0019】
このため、第2スライドコア2が離型させる部分は成形品3の内側面の始端である下部先端であり、離型時のモーメントによる変形が最も懸念される箇所ではあるが、第1スライドコア1の保持により、変形が少ないまま離型することができ、成形品3を金型から取り出した後の真円度・円筒度を良好に保つことができる。
【0020】
このようにして第2スライドコア2を離型した後、前述のように、今度は第1カム6の角度面によって第1スライドコア1が図3(a)に示すようにセンターピン11に近付くように駆動される。第1スライドコア1の押し出しストローク:S9は、
S9 > S8 + α
である。そして、この後に、図3(b)に示すように金型から成形品3が取り出される。
【0021】
特に、小径で、高さの高い筒状で、内側面にアンダーカットを有する成形品を製造する場合に利用可能である。
(実施の形態2)
図6は実施の形態2を示す。
【0022】
この実施の形態2では、実施の形態1のように第1スライドコア1と第2スライドコア2は互いに異なるタイミングで動作させて、成形品3を金型から取り出した後の真円度・円筒度を良好に保つとともに、第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分に気体突き出し回路12が形成されている。その他は実施の形態1と同じである。
【0023】
具体的には、第1スライドコア1と第2スライドコア2は互いに異なるタイミング動作するため、相対的に摺動する関係にある。そのため、第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分の隙間はゼロではなく、注入樹脂が入り込んでバリが出ない程度、この実施の場合は3〜5μm程度の隙間を有している。
【0024】
この隙間は気体が入り込むには十分であるため、気体突き出し回路12を形成し、第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分からエアー、不活性ガスなどの気体を送り込むように構成されている。
【0025】
このように、第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分から気体を送り込むことによって、第2スライドコア2の動作時に成形品3から第2スライドコア2の離型を補助する役割を果たし、より容易に成形品3が第2スライドコア2に密着しているのを外すことができるため、成形品3の変形を抑制し、成形品3を金型から取り出した後の真円度・円筒度を更に良好に保つことができる。
【0026】
また、気体突き出し回路12から第1スライドコア1と第2スライドコア2の境界部分を経て気体を、成形を毎回行う毎に吹き付けるため、溶融樹脂を固化させる際に第1スライドコア1と第2スライドコア2が授受した熱の放熱を促進することができ、第1スライドコア1と第2スライドコア2の蓄熱を回避することができる。
【0027】
よって、蓄熱により発生する熱収縮のバラツキによる成形品3の成形収縮バラツキが抑えられ、成形品3が均一に成形収縮することで、真円度、円筒度の向上と、成形毎の寸法バラツキを抑制することができる。
【0028】
(実施の形態3)
図7は実施の形態3の金型が成形途中の状態を示している。
センターピン11の内側に冷媒が供給される冷却回路13が形成されている点が、実施の形態1とは異なっている。
【0029】
第1,第2スライドコア1,2は成形を毎回行う毎に、注入樹脂と接触し、溶融樹脂を固化させる際に熱を授受するため、温度が上昇して、成形品3の成形収縮バラツキが発生する。
【0030】
第1,第2スライドコア1,2は温度を制御するための冷却回路を要するが、部品が微小であり、また複雑に入り組んだ中の部品への冷却回路の形成は非常に難しい。
そこで、この実施の形態3では、スライドコアとの接地部品である、センターピン11に冷却回路13を形成し、前記キャビティへの樹脂注入が終わった直後から冷却回路13に水などの冷媒を通して、次の樹脂成形までの期間中に冷却回路13によって、接地面からの熱伝導で第1,第2スライドコア1,2の冷却を行っている。更なる冷却効率の向上を目指して、図7に示すように第1スライドコア1をセンターピン11に接触するまで移動させ、第2スライドコア2の内周面が第1スライドコア1の外周面に接触するまで移動させることが好ましい。
【0031】
接地面からの伝熱で第1,第2スライドコア1,2の冷却を行うことによって、成形中の第1,第2スライドコア1,2の温度変化と温度上昇を抑制し、熱収縮のバラツキによる成形品3の成形収縮バラツキを抑えることで、成形品3が均一に成形収縮し、真円度、円筒度の向上と、成形毎の寸法バラツキを抑制することができる。
【0032】
なお、第1,第2スライドコア1,2には熱伝導率の良い金属材料を選定することで冷却効果をより高めることができる。通常の金型入れ駒に使用する、冷間ダイス鋼はSKD11であり、その熱伝導率は22.2w/mKであるのに対して、第1,第2スライドコア1,2の材料としてベリリウム−銅合金などを使用することが好ましい。ベリリウム−銅合金の熱伝導率は90.0w/mKと熱伝導に優れ、より高い効果を期待できる。
【0033】
この実施の形態3では、第1,第2スライドコア1,2の両方を冷却する場合を説明したが、第1,第2スライドコア1,2の少なくとも一方を冷却することによっても、成形品3の熱収縮のバラツキを低減できる。
【0034】
(実施の形態4)
図8と図9は実施の形態4を示す。
実施の形態1では第1,第2スライドコア1,2の2つのスライドコアを設け、第1,第2スライドコア1,2の離型のタイミングをずらせるように構成した。この実施の形態4では、スライドコアの分割数を3つに増加させた場合を示している。具体的には、実施の形態1の第1スライドコア1を二つに分割して成形品から離型する際に時間をずらせて動作する場合を示している。
【0035】
図8は樹脂注入の直後の状態を示している。内径面を保持するためのスライドコアが、第1スライドコア1と第2スライドコア2、および第1スライドコア1と第2スライドコア2の間に位置して金型本体10とでキャビティの一部を形成する中央スライドコア14とに分割されている。第2スライドコア2は、中央スライドコア14の凹部14bに配置されており、中央スライドコア14は、第1スライドコア1の凹部1bに配置されている。
【0036】
離型時には、先ず図9(a)に示すように第2スライドコア2だけがセンターピン11に近付くように駆動される。次ぎに、図9(b)に示すように中央スライドコア14がセンターピン11に近付くように駆動される。最後に、図9(c)に示すように第1スライドコア1がセンターピン11に近付くように駆動されて、成形品3から金型を外す。その他は実施の形態1と同じである。
【0037】
このようにスライドコアを3分割し、離型のタイミングをずらせるように構成することによって、実施の形態1の2分割の場合に比べて、離型抵抗による成形品の変形をさらに抑制することができる。成形品の大きさによっては4分割にするなど、分割数を増加させることで更なる効果が期待できる。
【0038】
上記の各実施の形態は、ほんの一例を示しただけで、本発明による金型を応用すれば内面にアンダーカットを有した、多様な成形品の成形を可能にする。例えば、実施の形態1で示した成形品下部にアンダーカットを有する他に、成形品上部の内周面で底面に近い部分にアンダーカットを有する場合にも応用可能である。この場合は、底面に近い方のスライドコア(第1スライドコア)を離型してから、次ぎに第2スライドコアを離型する。
【0039】
実施の形態4では、実施の形態1における第1スライドコアを2つに分割した場合を説明したが、実施の形態1における第1,2スライドコア1,2の内の少なくとも一方を複数に分割して成形品から離型する際に時間をずらせて動作させることによっても良好な成形品3を得ることができる。
【0040】
(実施の形態5)
図10は実施の形態5を示す。
上記の各実施の形態では、成形品の内周面の一部にアンダーカットを有する場合を例に挙げて説明したが、この実施の形態5では成形品3の内周面の全部または略全部にアンダーカット4が形成されている場合を示している。この場合、成形品3の奥端の内側面を形成する第1スライドコア1のキャビティ壁1aと、成形品3の始端の内側面を形成する第2スライドコア2のキャビティ壁2aには、アンダーカット形状部4を形成する多数の凹部1c,2bが形成されている。
【0041】
この場合に、第1カム6の角度面によって第1スライドコア1がセンターピン11に近付くように駆動されるタイミングと、第2カム5の角度面によって第2スライドコア2がセンターピン11に近付くように駆動されるタイミングは、下記のいずれかになるように構成されている。その他は実施の形態1〜実施の形態4と同じである。
【0042】
(1) 第1スライドコア1が成形品3を保持したまま、第2スライドコア2を成形品3から離型させ、第2スライドコア2が成形品3から離型後に第1スライドコア1を成形品3から離型させる。
【0043】
(2) 第2スライドコア2が成形品3を保持したまま、第1スライドコア1を成形品3から離型させ、第1スライドコア1が成形品3から離型後に第2スライドコア2を成形品3から離型させる。
【0044】
このように第1スライドコア1または第2スライドコア2の一方のスライドコアによって、成形品3の一部分を保持している状態で、他方のスライドコアを成形品3から離型させるので、変形が少ないまま離型することができ、成形品3を金型から取り出した後の真円度・筒度を良好に保つことができる。
【0045】
なお、上記の各実施の形態では成形品3が、底の一部に開口3aを有する形状であったが、底を有しない筒形あるいは底に開口を有しない筒形であっても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は内径面にアンダーカットを有する成形品を必要とする各種の製品の高精度化に寄与する。
【符号の説明】
【0047】
1 第1スライドコア
1a 第1スライドコアのキャビティ壁
1b 第1スライドコアの凹部
1c アンダーカット形状部を形成する凹部
2 第2スライドコア
2a 第2スライドコアのキャビティ壁
2b アンダーカット形状部を形成する凹部
3 成形品
4 アンダーカット形状部
5 第2スライドコア用カム
6 第1スライドコア用カム
7 第2スライドコア押し出しストローク
8 アンダーカット形状部高さ
9 第1スライドコア押し出しストローク
10 金型本体
11 センターピン
12 気体突き出し回路
13 冷却回路
14 中央スライドコア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面にアンダーカット形状部を有する筒状の成形品を成形する射出成形金型において、
前記成形品の外形を形成する金型本体と、
キャビティ壁が前記金型本体の内側に配置され前記成形品の奥端の内側面を形成する第1スライドコアと、
キャビティ壁が前記金型本体の内側に配置され前記成形品の始端の内側面を形成する第2スライドコアと
を設け、第1スライドコアを前記成形品から離型するタイミングと第2スライドコアを前記成形品から離型するタイミングを異ならせた
筒状成形品の射出成形金型。
【請求項2】
内側面にアンダーカット形状部を有する筒状の成形品を成形する射出成形金型において、
前記内側面の始端に形成される前記アンダーカット形状部よりも奥端のキャビティ壁を構成する第1スライドコアと、
前記アンダーカット形状部を形成する凹部を有し前記内側面の始端のキャビティ壁を構成する第2スライドコアと
を設け、第1スライドコアが前記成形品を保持したまま、第2スライドコアを前記成形品から離型させ、第2スライドコアが前記成形品から離型後に第1スライドコアを前記成形品から離型させる
筒状成形品の射出成形金型。
【請求項3】
内側面のスライドコアの第1スライドコアと第2スライドコアの境界線部分の微小な隙間から気体を注入し、前記成形品からのスライドコアの離型を補助する気体突き出し回路を有する
請求項1または請求項2に記載の筒状成形品の射出成形金型。
【請求項4】
第1スライドコアと第2スライドコアの内の少なくとも一方を伝熱冷却する冷却回路を有する
請求項1または請求項2に記載の筒状成形品の射出成形金型。
【請求項5】
第1スライドコアと第2スライドコアの内の少なくとも一方を複数に分割するとともに、前記成形品から離型するタイミングを異ならせた
請求項1または請求項2に記載の筒状成形品の射出成形金型。
【請求項1】
内側面にアンダーカット形状部を有する筒状の成形品を成形する射出成形金型において、
前記成形品の外形を形成する金型本体と、
キャビティ壁が前記金型本体の内側に配置され前記成形品の奥端の内側面を形成する第1スライドコアと、
キャビティ壁が前記金型本体の内側に配置され前記成形品の始端の内側面を形成する第2スライドコアと
を設け、第1スライドコアを前記成形品から離型するタイミングと第2スライドコアを前記成形品から離型するタイミングを異ならせた
筒状成形品の射出成形金型。
【請求項2】
内側面にアンダーカット形状部を有する筒状の成形品を成形する射出成形金型において、
前記内側面の始端に形成される前記アンダーカット形状部よりも奥端のキャビティ壁を構成する第1スライドコアと、
前記アンダーカット形状部を形成する凹部を有し前記内側面の始端のキャビティ壁を構成する第2スライドコアと
を設け、第1スライドコアが前記成形品を保持したまま、第2スライドコアを前記成形品から離型させ、第2スライドコアが前記成形品から離型後に第1スライドコアを前記成形品から離型させる
筒状成形品の射出成形金型。
【請求項3】
内側面のスライドコアの第1スライドコアと第2スライドコアの境界線部分の微小な隙間から気体を注入し、前記成形品からのスライドコアの離型を補助する気体突き出し回路を有する
請求項1または請求項2に記載の筒状成形品の射出成形金型。
【請求項4】
第1スライドコアと第2スライドコアの内の少なくとも一方を伝熱冷却する冷却回路を有する
請求項1または請求項2に記載の筒状成形品の射出成形金型。
【請求項5】
第1スライドコアと第2スライドコアの内の少なくとも一方を複数に分割するとともに、前記成形品から離型するタイミングを異ならせた
請求項1または請求項2に記載の筒状成形品の射出成形金型。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−240315(P2012−240315A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112945(P2011−112945)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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