説明

管理情報配信システム

【課題】 カードリーダ等の読み取り手段から直接インターネットに接続して保護者等のユーザ端末に暗号化したメールを送信することができる管理情報配信システムの提供を目的とする。
【解決手段】 PC等の端末装置を介することなく、リーダ11を直接インターネットに接続できるように、DHCP機能等を有するネットワーク通信部112をリーダに設け、児童・生徒が所持するICカード21の識別情報をリーダ11に読み取らせ、読み取り情報に基づいてメールを作成するメール作成部113をリーダ11に設け、このメールを暗号化部114で暗号化して保護者が所持する携帯電話等のユーザ端末31に送信できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカード等の記録媒体から読み取って作成した所定の管理情報を、メール等で携帯電話やパソコン等のユーザ端末に配信する管理情報配信システムに関し、特に、幼稚園,保育所,学校,塾に登下校する園児,児童,生徒等やセミナー及びイベント等に出席する出席者等の安全,出欠状況又は参加状況等を確認するための管理情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、幼児や児童、生徒(以下、児童等と記載する)を対象とした誘拐,誘拐未遂事件等が多発し、社会問題となっている。そのため、児童等の登下校時に、学校職員や保護者が通学路を見回ったり、地方自治体が、児童等が通学路に面した家へ駆け込める体制を整えたりする対策が講じられている。
また、セキュリティ関連企業や家電業界においては、児童等を対象として、ICカードやICタグ等の記憶媒体を利用した安全管理システムを構築し、児童が学校や塾に登校したり学校や塾から下校する際に、保護者に自動的に知らせる技術が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。
さらに、セミナーやイベント等の参加する参加者の出欠席状況等をを管理する情報管理システムも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2003−23666号公報
【特許文献2】特開2002−261969号公報
【特許文献3】特開平9−69215合公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、個人情報保護の観点から、保護者に送信されるメール等の情報は暗号化するのが好ましいが、上記文献に記載の技術においてメール等の暗号化を行うには、別途パソコン(PC)等の装置が必要となる。また、ほとんどの人が所有するに至っている携帯電話にメール等で情報の配信を行うには、カードリーダ等のリーダをインターネットに接続する必要があるが、リーダで読み取った情報をPC等で処理して所定のメールを作成し、PCの通信機能を利用してメール送信を行っているのが現状である。
そのため、安全管理システムの構築には多額のコストと、PC設置のためのスペースが必要になるという問題がある。
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、必要なメッセージを状況に応じて作成することができ、カードリーダ等のリーダから直接インターネット等の通信回線に接続できるようにするとともに、保護者等のユーザ端末に暗号化したメールを送信することができる管理情報配信システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の発明者は、PC等の端末装置を介することなく、リーダを直接インターネット等の通信回線に接続できるようにし、児童・生徒が所持するICカード等の記録媒体の識別情報を前記リーダに読み取らせ、読み取り情報に基づく特定のメッセージを保護者が所持する携帯電話等の端末装置に送信できるように構成した。
【0006】
具体的に、リーダの構成は、請求項1に記載するように、特定の識別情報を記憶した記録媒体と、この記録媒体と通信して前記記録媒体から前記識別情報を読み出し、通信回線を介して所定のメッセージを送信するリーダと、このリーダから送信された前記メッセージを前記通信回線を介して受信するユーザ端末とを有する管理情報配信システムであって、前記リーダは、前記記録媒体との間で通信を行う第一の通信手段と、ネットワークを介して所定の端末又はサーバとの間で通信が可能な第二の通信手段と、管理対象者の個々に割り振られた識別情報を予め記憶する識別情報記憶部と、第一の通信手段によって読み取られた前記識別情報と前記識別情報記憶部に記憶された識別情報とを照合し、一致する前記識別情報が存在するか否かを判断する判断部と、この判断部が一致すると判断した場合に、前記識別情報にかかる前記ICカードとの通信履歴を、前記識別情報と関連付けて記憶する通信履歴記憶部と、送信すべきメッセージの内容の原文を記憶するメッセージ記憶部と、前記識別情報と関連付けて送信先のアドレスを記憶した送信先アドレス記憶部と、前記ICカードから前記識別情報を読み取ったときに、読み取った識別情報に関する過去の通信履歴を前記通信履歴記憶部から読み出し、この通信履歴から送信すべきメールの内容を決定し、前記メッセージ記憶部から読み出したメッセージの原文を利用して所定のメールを作成するメール作成部と、作成された前記メールを暗号化する暗号化部と、暗号化された前記メールを前記送信先アドレス記憶部から読み出した所定のアドレスに送信する送信部とを有する構成としてある。
前記記録媒体としては、接触式のものであってもよいが、請求項2に記載するように、非接触で前記リーダと通信を行い、前記識別情報を前記リーダに送信する機能を有するICカードやICタグとするとよい。
また、請求項3に記載するように、前記リーダが通信ネットワーク内に複数設置されている場合において、一の前記リーダと通信を行った前記記録媒体の前記識別情報が、前記一のリーダの識別情報記憶手段に記憶された前記識別情報と一致しない場合に、一致する前記識別情報を有する他の前記リーダを探索して、この結果に基づいて案内メッセージを送信又は出力するように構成してもよい。
さらに、請求項4に記載するように、前記通信履歴と前記識別情報とを定期的に照合し、所定の時間帯に所定の識別情報に関して通信履歴が存在しない場合に、メール送信その他の報知を行うアラーム手段をさらに設けてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、PC等の端末装置やサーバを介さずに、リーダから直接ユーザ端末にメッセージを送信することができ、管理情報配信システムの設置コストを大幅に削減することができる。
また、複数のリーダを通信回線で接続し、直接データの送受信を行うようにすることで、例えば、児童等が別の学校に間違って登校したような場合でも、保護者や本人にただちに間違いを案内し、本来の学校に当該児童等を安全に誘導することが可能である。
さらに、管理端末装置又は管理サーバで児童等の登下校の状況を把握し、間違えた場合には、その児童を目的の学校まで送迎するように手配することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明を、小学校における児童の登下校を管理する管理情報配信システムに適用した場合について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかり、本発明の管理情報配信システムの全体構成を説明するブロック図である。
【0009】
図1に示すように、この実施形態の管理情報配信システム1は、児童ごとに割り当てられた特定の識別情報を記憶する記憶媒体としてのICカード21,22,23,・・・と、こののICカード21,22,23,・・・から前記識別情報を読み出してメールの作成・送信等を行うカードリーダ11,12,13・・・と、保護者が所持する携帯電話やパソコン等のユーザ端末31,32,33・・・と、カードリーダ11,12,13・・・とユーザ端末31,32,33・・・とを通信可能に接続するインターネット4とから構成されている。
【0010】
カードリーダ11,12,13・・・は、例えば、同一市内の学校ごとに設置され、玄関や校門等、児童等が登下校時に必ず通る箇所に設置されている。児童等は、登校の際及び下校の際に、所持するICカード21,22,23・・・をカードリーダ11,12,13・・・に接近させて、ICカード21,22,23・・・内の識別情報を読み取らせる。
【0011】
なお、本発明に用いることができる識別情報は、個々の児童を識別することのできる情報であれば特に限定されない。例えば、児童等の氏名の他、児童等の自宅住所、電話番号、保護者の氏名も識別情報に含まれる。しかし、このような個人の特定に関わる識別情報を、児童等が携行するICカード21,22,23・・・に記憶させるのは、個人情報保護の観点から好ましくない。そのため、この実施形態では、例えば、数桁の数字から構成され、児童の個々に割り当てられた管理番号を識別情報として使用する。
【0012】
カードリーダ11,12,13・・・は、パソコン等の端末装置を介することなく、直接インターネット4に接続して、保護者が所持するユーザ端末31,32,33・・・に対し、児童等が登校したこと又は下校したことをメールで配信する。この際、カードリーダ11,12,13・・・は、メールを暗号化して、ユーザ端末31,32,33・・・に送信する。
【0013】
図2は、カードリーダ11,12,13・・・の具体的な構成を説明するブロック図である。
なお、カードリーダ11,12,13・・・の構成は同じであるので、一つのカードリーダ11のみについて説明し、他のものについての説明は省略する。
カードリーダ11は、ICカード21との間で通信を行ってICカード21のメモリから児童個々の識別情報を読み出して受信する第一の通信手段としてのカード通信部111と、インターネット4との接続を行う第二の通信手段としてのネットワーク通信部112と、ユーザ端末31,32,33・・・宛へのメールを作成するメール作成部113と、予め設定された児童の個々の識別情報を記憶する識別情報記憶部115と、ICカード21との間で行った通信の履歴を記憶する通信履歴記憶部116と、メール文や警告文等のメッセージの原文を記憶するメッセージ記憶部117と、ICカード21に電源を供給する電源供給部118と、警告の内容や挨拶、案内等を音声で出力するのスピーカ等の音声出力部119と、これらとの間で入出力管理を行うCPU110とを有している。
【0014】
カード通信部111は、ICカード21から送信された識別情報を受信して、CPU110に送信する機能を有する。
ネットワーク通信部112は、カードリーダ11をインターネット4に接続可能にするためのもので、インターネットサービスプロバイダ(ISP)のサーバがカードリーダ11にアクセスすると、このネットワーク通信部112が、DHCPで割り当てられた動的グローバルIPアドレスをISPのサーバに対して通知する。
【0015】
各記憶部115,116,117は、CPU110が、ICカード21から読み取った識別情報に基づいて登校か下校かを判断し、状況に応じた適切なメールを保護者等のユーザ端末31,32,33に送信できるようにするためのものである。以下、各記憶部115,116,117に記憶されている記憶内容の一例を、図3を参照しながら説明する。
【0016】
識別情報記憶部115には、図3(a)に示すように、管理対象となる児童の個々に割り当てられた管理番号(識別情報)と、保護者の所持するユーザ端末31,32,33・・・のメールアドレス(送信先)と、児童の氏名とが、識別情報管理テーブルとして記憶されている。また、図示はしないが、上記の情報の他に、児童個々の学年やクラス、保護者が希望する場合は二つ目以降のメールアドレスを含ませてもよい。
【0017】
図3(a)の識別情報管理テーブルに記憶された各種情報のうち、「管理番号」は、カード通信部111で読み取られたICカード21内の識別情報(管理番号)との照合に用いられ、「氏名」及び「送信先」は、メール作成部113におけるメールの作成に用いられる。
【0018】
通信履歴記憶部116には、図3(b)に示すように、各識別情報ごとに、ICカード21との通信記録が、時刻とともに履歴管理テーブルとして記憶される。
例えば、管理番号10301の児童は、8時18分と16時20分にICカード21の読み取りを行っている。また、管理番号10304の児童は、間違えて他の学校に登校してしまい(表中、他のリーダが読み取ったデータをzzzで示している)、8時40分に正規の学校に登校してICカード21の読み取りを行った後、16時30分にもICカード21の読み取りを行っている。
【0019】
図3(b)に示すような履歴管理テーブルに記憶された通信履歴に基づいて、CPU110が「登校」か「下校」かを判断するとともに、メール作成部113がメールを作成する際に、履歴内の時間が参照される。
なお、この実施形態では、通信履歴を午前と午後とに分け、一日の通信履歴を正午を境に二つに分けるようにしている。このようにすることで、例えば午前中にICカード21との通信履歴が一度も無ければ、その旨を保護者のユーザ端末31,32,33に連絡できるようになる。
【0020】
メッセージ記憶部117は、メール作成のための各種メッセージの原文が記憶されたメッセージテーブル(図3(c))と、音声出力部119から出力する音声メッセージが記憶された音声出力テーブル(図3(d))とを有している。
メール作成部113でメールの作成を行う際には、メッセージテーブルに記憶されたメッセージ文の原文が使用される。
例えば、管理番号10301の児童が登校したときには、メッセージテーブルの中の原文1を抽出し、図3(a)の識別情報管理テーブルの児童名と図3(b)の履歴管理テーブルの時刻とから、「甲野乙男君が8時18分に登校しました」とのメッセージを作成する。
【0021】
また、音声出力部119から音声出力を行う際には、音声出力テーブルに記憶された音声メッセージが使用される。例えば、登校時にICカード21をカードリーダ11に接近させると、音声出力テーブルの中の1の「おはようございます」が音声出力され、下校時には同2の「さようなら」が音声出力される。
【0022】
この実施形態においてCPU110は、予めインストールされたI−TRON(登録商標)やWindows(登録商標)等のOSを実行する。メール作成部113でのメールの作成や暗号化部114におけるSSL等の暗号化は、予めインストールされたアプリケーションソフトによって行われるが、これらアプリケーションソフトは、前記OS上で起動・実行されるものである。
【0023】
また、CPU110には、ICカード21から読み取った識別情報を一時的に記憶するメモリ110aが設けられている。このメモリ110aには、ICカード21から読み取った識別情報が予め設定された時間、例えば5分程度記憶され、ICカード21から識別情報がカード通信部111で読み取られたときに、まず、このメモリ110aに記憶された識別情報との照合を行うようにしている。そして、メモリ110aに記憶された識別情報とICカード21から読み取った識別情報とが一致する場合に、CPUは以後の処理を中断する。
【0024】
このようなメモリ110aを設けた理由は以下のとおりである。
子供の悪戯や勘違いにより、短時間にカードリーダ11によるICカード21の識別情報の読み取り動作が繰り返し行われた場合において、通信履歴記憶部116に全ての通信履歴が蓄積されると、誤ったメッセージがユーザ端末31,32,33・・・に送信されることになる。
【0025】
例えば、登校直後にある児童が、悪戯で何度もICカード21の識別情報をカードリーダ11に読み取らせると、「登校しました」というメッセージと「下校しました」というメッセージが、短時間の間に交互に保護者のもとに送られることになる。
そこで、このような不都合を回避するために、上記のようなメモリ110aを設けて、短時間に繰り返し同一のICカード21の識別情報の読み取りが行われた場合は、二回目以降の読み取りに基づく処理を実行しないようにしている。
【0026】
次に、図4のフローチャートを参照しながら、上記構成の管理情報配信システムの作用を説明する。
カードリーダ11に電源を投入すると(スタート)、ネットワーク通信部112が、DHCPで割り当てられた動的グローバルIPアドレスをISPのサーバに通知する。これにより、カードリーダ11がインターネット4に接続され、ユーザ端末31,32,33に対するメールの配信が可能になる。
児童が登校し、ICカード21をカードリーダ110に近づけると、カード通信部111によってICカード21内の識別情報が読み取られる(ステップS1)。
【0027】
CPU110は、識別情報記憶部115内の識別情報管理テーブルを参照して(ステップS2)、ICカード21から読み取られた識別情報と一致する識別情報が存在するか否かを検索する(ステップS3)。
識別情報管理テーブルに一致する識別情報があれば、次に通信履歴記憶部116の履歴管理テーブルを参照して、当該識別情報に関する過去の通信履歴を検索し、登校に該当するのか下校に該当するのかを判断する。
この実施形態では、一日における識別情報管理テーブルの先頭の適正な読み取り履歴をもって「登校」と判断し、二回目の適正な読み取りをもって「下校」と判断する。なお、上記したように、五分程度の短時間で複数回の読み取り動作が繰り返し行われた場合は、CPU110は、勘違い又は悪戯と判断して、当該時間内での履歴管理テーブルの更新を禁止する。
【0028】
また、ステップS3で一致すると判断したときは、識別情報記憶部115の識別情報管理テーブルから、児童の氏名、送信先のメールアドレスを読み出し、メール作成部113に送る(ステップS5)。
次いで、メール作成部113では、CPU110から送られた「登校」「下校」の別及び児童の氏名、送信先メールアドレス及び時間と、メッセージ記憶部117のメッセージテーブルの中の該当するメッセージ原文とから、所定のメッセージを有するメールを作成する。(ステップS6)。
先にも説明したように、管理番号10301の児童「甲野乙男」が8時18分に登校してICカード21の識別情報をカードリーダ11に読み取らせた場合には、「甲野乙男君が8時18分に登校しました」とのメッセージが作成され、保護者のメールアドレス「abc@efg.jp」を宛先とするメールが作成される。
【0029】
このメールは、暗号化部114でSSL等により暗号化された後(ステップS7)、ネットワーク通信部112から保護者のユーザ端末(例えばユーザ端末31)に送信される(ステップS8)。
なお、このとき、リーダ11に設けた音声出力部119から、音声によって「おはようございます」等の音声を出力することも可能である。
メールを受信した保護者のユーザ端末31のディスプレイには、図5に示すように、「甲野乙男君が8時18分に登校しました」とのメッセージが表示される。
【0030】
ステップS3で、ICカード21から読み取られた識別情報と識別情報記憶部115に記憶された識別情報とが一致しないと判断されたときは、その旨を音声出力等でICカード21の所有者である児童に報知することが可能である。
この実施形態では、インターネット4を介して接続された他のリーダ12,13・・・に、ICカード21から読み取った識別情報を送信して、一致する識別情報が存在するか否かを問いあわせる(ステップS9)。
【0031】
一致する識別情報が存在するカードリーダ(例えばカードリーダ12)が見つかった場合は、当該識別情報を有するカードリーダ12が、図4のステップS3以下の処理を実行する。この際、メール作成部113は、当該児童の識別情報を読み取ったカードリーダ11が設置された学校名を指定して、メッセージテーブルから該当する原文(例えばメッセージテーブルの中のNO3の原文)を読み出し、これに児童名と学校名を挿入して、「○○○○君が×××小学校に登校したようです。△△△小学校に誘導してください」とのメッセージを作成する(ステップS12)。そして、このメールを暗号化して(ステップS14)、保護者のユーザ端末31に送信する(ステップS15)。
【0032】
なお、間違った学校に登校してしまった児童に対しては、カードリーダ11から、音声により「ここは×××小学校です。あなたの学校は△△△小学校です」というように案内をすることが可能である(ステップS13)。新入生のような低学年の児童の場合には、例えば、当該小学校の教職員が管理するPC等に対して、該当児童を送迎するように指示メールを送信し、当該児童にはその場で待つようにカードリーダ11から音声出力することも可能である
【0033】
また、ステップS9で他のリーダ12,13・・・に対して識別情報の照合を行った結果、一致する識別情報が発見できなかったときは、アラームを出力する(ステップS11)。この場合、該当児童に識別情報が存在しないことを、音声等で案内することも可能である。
【0034】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、保護者のメールアドレスや児童の氏名等の個人情報はリーダ側に記憶されているものとして説明したが、ICカード等のメモリに、識別情報の一部として含ませるようにしてもよい。
また、上記の説明で記憶媒体は、非接触式のICカードを例に挙げて説明したが、記憶媒体との間で簡単に情報の授受ができるのであれば、接触式であってもよく、その形態もICカードに限らず、ICタグや携帯電話、バーコード、マトリックスコードであってもよい。
さらに、通信回線としてインターネットを例に挙げて説明したが、通信回線はユーザ端末との通信が可能であればこれに限らず、LANや電話回線であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、幼稚園や小学校,中学校,高校,塾等における児童等の登下校管理に限らず、出欠席管理にも適用が可能である。また、各種セミナーやイベントにおける参加状況や入退室状況等の管理にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態にかかり、本発明の管理情報配信システムの全体構成を説明するブロック図である。
【図2】カードリーダの具体的な構成を説明するブロック図である。
【図3】各記憶部に記憶されている記憶内容の一例を示す図である。
【図4】この実施形態における管理情報配信システムの作用を説明するフローチャートである。
【図5】保護者の所持するユーザ端末の画面に表示されたメッセージの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 管理情報配信システム
11,12,13 カードリーダ
21,22,23 ICカード
31,32,33 ユーザ端末
4 インターネット(通信回線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の識別情報を記憶した記録媒体と、この記録媒体と通信して前記記録媒体から前記識別情報を読み出し、通信回線を介して所定のメッセージを送信するリーダと、このリーダから送信された前記メッセージを前記通信回線を介して受信するユーザ端末とを有する管理情報配信システムであって、
前記リーダは、
前記記録媒体との間で通信を行う第一の通信手段と、
前記通信回線を介して所定の端末又はサーバとの間で通信が可能な第二の通信手段と、
管理対象者の個々に割り振られた識別情報を予め記憶する識別情報記憶部と、
第一の通信手段によって読み取られた前記識別情報と前記識別情報記憶部に記憶された識別情報とを照合し、一致する前記識別情報が存在するか否かを判断する判断部と、
この判断部が一致すると判断した場合に、前記識別情報にかかる前記記録媒体との通信履歴を、前記識別情報と関連付けて記憶する通信履歴記憶部と、
送信すべきメッセージの内容の原文を記憶するメッセージ記憶部と、
前記識別情報と関連付けて送信先のアドレスを記憶した送信先アドレス記憶部と、
前記記録媒体から前記識別情報を読み取ったときに、読み取った識別情報に関する過去の通信履歴を前記通信履歴記憶部から読み出し、この通信履歴から送信すべきメールの内容を決定し、前記メッセージ記憶部から読み出したメッセージの原文を利用して所定のメールを作成するメール作成部と、
作成された前記メールを暗号化する暗号化部と、
暗号化された前記メールを前記送信先アドレス記憶部から読み出した所定のアドレスに送信する送信部と、
を有することを特徴とする管理情報配信システム。
【請求項2】
前記記録媒体が、非接触で前記リーダと通信を行い、前記識別情報を前記リーダに送信する機能を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の管理情報配信システム。
【請求項3】
前記リーダが通信ネットワーク内に複数設置されている場合において、一の前記リーダと通信を行った前記記録媒体の前記識別情報が、前記一のリーダの識別情報記憶手段に記憶された前記識別情報と一致しない場合に、一致する前記識別情報を有する他の前記リーダを探索して、この結果に基づいて案内メッセージを送信又は出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の管理情報配信システム。
【請求項4】
前記通信履歴と前記識別情報とを定期的に照合し、所定の時間帯に所定の識別情報に関して通信履歴が存在しない場合に、メール送信その他の報知を行うアラーム手段をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の管理情報配信システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−317108(P2007−317108A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148503(P2006−148503)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(597157439)株式会社アートテクノロジー (5)
【Fターム(参考)】