説明

管理装置、制御装置、通信システム、制御方法及びプログラム

【課題】既存3G網との相互接続を考慮しながら、その既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、IMS網において実現することが可能な通信システムを提供する。
【解決手段】HSSは、発信側のUEと着信側のUEとの間の情報通信経路を確立するための確立要求(Cx-LIR)を受け付けた際に、着信側のUEがIMS網に在圏し、且つ、着信側のUEが通信傍受対象端末に該当する場合は、MGW及び既存3G網を経由して発信側のUEと着信側のUEとの間の情報通信経路を確立するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IMS(IP Multimedia Subsystem)網の通信傍受に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信エリアの品質向上を図るべく、フェムトセル用基地局を導入した通信システムの開発が進められている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
フェムトセル用基地局は、半径数十メートル程度の狭い通信エリアをカバーする小型無線基地局であり、家庭やオフィス等の室内に設置し、室内の通信エリアをカバーすることを目的としている。これにより、既存のマクロセル用基地局がカバーできない通信エリアの通信品質を改善することを可能にしている。また、マクロセル用基地局のインフラ整備にコストをかけずに通信エリアをカバーすることを可能にしている。なお、フェムトセル用基地局を導入した通信システムは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の規定に基づくIMS網で構築されており、IMS網の通信技術については、例えば、非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2009−504049号公報
【特許文献2】特表2009−504051号公報
【特許文献3】特開2008−270899号公報
【特許文献4】特開2009−88959号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 23.228 V9.0.0 (2009-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の3G(Macro)網では、通信傍受機能が提供されている。
【0007】
しかし、現状のIMS網では、既存の3G網で提供されている通信傍受機能を提供することができない。これは、現状のIMS網内で閉じた通信の場合は、IMS端末同士の音声通話(RTPストリーム)は端末間で直接接続され、何らかの中継装置を経由しない形態が標準的であり、IMS標準ノードにおいて傍受対象の音声を抽出する手段が定義されていない為である。
【0008】
このため、IMS網で構築されたフェムトセル用基地局を導入した通信システムにおいても、既存の3G網で提供されている通信傍受機能と同様な通信傍受機能を実現することができないのが現状である。
【0009】
このようなことから、既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、IMS網において実現する必要がある。
【0010】
なお、本発明よりも先に出願された技術文献として、SIPによる通信が行われている場合でも通信傍受を可能にした技術について開示された文献がある(例えば、特許文献3、4参照)。
【0011】
特許文献3では、SIPサーバ30は、通信傍受の開始要求を通信傍受装置50から受け付けた場合に、通信傍受装置50を介してデータを送受信するための切替要求を携帯電話機10,20に送信する。携帯電話機10,20は、切替要求を受け付けた場合に、音声データの中継局となる送信先を通信傍受装置50に変更し、通信傍受装置50経由で音声データを送信する。これにより、通信傍受装置50は、携帯電話機10,20間で送受信される音声データを転送中継しながら、音声データを傍受することを可能にしている。
【0012】
特許文献4では、サーバ5は、INVITEメッセージを受け付けた場合に、そのINVITEメッセージを送信した端末1-3が傍受指定端末に該当する場合は、そのINVITEメッセージを暗号終端装置71に送信し、暗号終端装置71→72を経由してINVITEメッセージを相手端末1-4に送信する。そして、傍受指定端末1-3と暗号終端装置71との間で暗号通信を確立し、端末1-4と暗号終端装置72との間で暗号通信を確立し、暗号終端装置71と暗号終端装置72との間で暗号化されていない信号を傍受可能にしている。
【0013】
しかし、上記特許文献3の発明は、切替要求を受け付けた携帯電話機10,20が音声データの中継局となる送信先を通信傍受装置50に変更し、通信傍受装置50経由で音声データを送信することで通信傍受を可能にしている。このため、特許文献3の発明は、末端の携帯電話機10,20で切替処理を行う必要があり、端末の処理能力に新たな負荷を与えることになる。また、通信傍受が行われていることを末端の携帯電話機10,20で把握することができてしまう虞がある。
【0014】
また、上記特許文献4の発明は、端末の端末1-3,1-4に新たな機能を実装することなく(切替処理などを行うことなく)、通信傍受を可能にしている。しかし、特許文献4の発明は、その特許文献4に開示されているシステムが単独で構築された場合を前提とした発明となっており、その特許文献4に開示されたシステム構成と、他の既設システム構成(例えば、既存の3G網)と、の相互接続等については何ら考慮されていない。また、特許文献4の発明は、既設モバイルシステム(例えば、既存3G網)に存在するHLRなどで管理している通信傍受対象端末の在圏情報を基に通信経路を制御する点についても何ら考慮されていない。
【0015】
このため、上記特許文献1〜4は、既存3G網との相互接続を考慮しながら、その既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、IMS網において実現する点については何ら記載も示唆もされていない。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、既存3G網との相互接続を考慮しながら、その既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、IMS網において実現することが可能な管理装置、制御装置、通信システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0018】
<管理装置>
本発明にかかる管理装置は、
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の情報を管理する管理装置であって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0019】
<制御装置>
本発明にかかる制御装置は、
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の通信を制御する制御装置であって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記発信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0020】
<通信システム>
本発明にかかる通信システムは、
通信端末と、IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の情報を管理する管理装置と、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置と、を少なくとも有して構成する通信システムであって、
前記管理装置は、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、前記中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0021】
本発明にかかる通信システムは、
通信端末と、IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の通信を制御する制御装置と、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置と、を少なくとも有して構成する通信システムであって、
前記制御装置は、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記発信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、前記中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0022】
<制御方法>
本発明にかかる制御方法は、
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の情報を管理する管理装置で行う制御方法であって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御工程を有することを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる制御方法は、
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の通信を制御する制御装置で行う制御方法であって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記発信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御工程を有することを特徴とする。
【0024】
<プログラム>
本発明にかかるプログラムは、
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の情報を管理する管理装置に実行させるプログラムであって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0025】
本発明にかかるプログラムは、
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の通信を制御する制御装置に実行させるプログラムであって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記発信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、既存の3G網との相互接続を考慮しながら、その既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、IMS網において実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態の通信システムのシステム構成例を示す図である。
【図2】Femto IMS網内のUE間で行うCS(Circuit Switching)発信シーケンスを示す図である(通信傍受対象端末なしの場合)。
【図3】Femto IMS網内のUE間で行うCS発信シーケンスを示す図である(発側UEが通信傍受対象端末の場合)。
【図4】Femto IMS網内のUE間で行うCS発信シーケンスを示す図である(着側UEが通信傍受対象端末の場合)。
【図5】Femto IMS網内のUEと既存3G網内のUEとの間で行うCS発信シーケンスを示す図である(通信傍受対象端末なしの場合)。
【図6】Femto IMS網内のUEと既存3G網内のUEとの間で行うCS発信シーケンスを示す図である(発側UEが通信傍受対象端末の場合)。
【図7】Femto IMS網内のUEと既存3G網内のUEとの間で行うCS発信シーケンスを示す図である(発側UEが通信傍受対象端末の場合)。
【図8】本実施形態の通信システムのシステム構成例の他の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<通信システムのシステム構成例>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の通信システムのシステム構成例について説明する。
【0029】
本実施形態の通信システムは、既存3G網(Macro網)と、Femto IMS(IP Multimedia subsystem)網と、を有して構成する。
【0030】
既存3G網(Macro網)は、公知の3G網である。既存3G網(Macro網)は、UE(User Equipment)と、Node-Bと、RNC(Radio Network Controller)と、MSC(Mobile Services Switching Centre)と、VLR(Visitor Location Register)と、3G傍受端末と、HLR/AuC(Home Location Register/Authentication Centre)と、を有して構成する。
【0031】
既存3G網(Macro網)を構成するUE、Node-B、RNC、MSC、VLR、HLR/AuCは、3GPPに準拠した処理を行う装置であるため、具体的な処理動作については割愛する。既存3G網(通信システム)に利用されている技術については、例えば3GPP TS 23.002 V9.10(2009-09)等に開示されている。また、3G傍受端末は、既存3G網内を経由する音声、画像等の音声通信を傍受する端末であり、3G傍受端末のIPアドレス、Port番号等の情報をMSCに登録することで、MSCで通信傍受した音声通信を傍受することができる。
【0032】
Femto IMS網は、FAP(Femto Access Point)と、PDG(Packet Data Gateway)と、CSCF(Call Session Control Function)と、HSS(Home Subscriber Server)と、VLR(Visitor Location Register)と、MGCF(Media Gateway Control Function)と、MGW(Media GateWay)と、IMS傍受端末と、を有して構成する。
【0033】
FAPは、半径数十メートル程度の狭い通信エリアをカバーする小型無線基地局である。
【0034】
PDGは、PDGは、SIPメッセージ等を中継する装置である。
【0035】
CSCFは、IMS網において中心的なノードとなる制御装置であり、SIP(Session Initiation Protocol)を用いたセッション制御、管理、認証、ルーティング等の機能を行う。CSCFは、SIP、Diameterのプロトコルを用いた通信を行う。例えば、MGCFと通信する場合には、SIPを用いた通信を行う。また、HSSと通信する場合には、Diameterを用いた通信を行う。
【0036】
HSSは、IMSで使用するUEの加入者情報を管理する装置である。また、HSSは、MAP、Diameterのプロトコルを用いた通信を行う。例えば、HLR/AuCと通信する場合には、MAPを用いた通信を行う。また、CSCF、MGCFと通信する場合には、Diameterを用いた通信を行う。
【0037】
VLRは、UEの加入者情報を格納する装置である。HSSは、UEの加入者情報をHLR/AuCから取得し、その取得したUEの加入者情報をVLRに格納して管理する。
【0038】
MGCFは、MGWの通信をMEGACO(MEdia GAteway COntrol)等のプロトコルにより制御する。MGCFは、SIP及びISUP(ISdn User Part)のプロトコルを用いた通信を行う。例えば、CSCFと通信する場合には、SIPを用いた通信を行い、MSCと通信する場合には、ISUPを用いた通信を行う。
【0039】
MGWは、Femto IMS網のMGCFと既存3G網(Macro網)のMSCとの間で送受信する情報を中継する中継装置である。また、MGWは、Femto IMS網内の音声通信を傍受する。
【0040】
MGWは、MGWに指定されたモニタ条件を基に、音声通信を傍受する。モニタ条件としては、UEの発着信番号、チャネル番号、IMS傍受端末の情報(IPアドレス、ポート番号)等が挙げられる。なお、モニタ条件は、事前登録だけでなく、通信開始後に登録することも可能である。MGWは、モニタ条件(UEの発着信番号、チャネル番号)に該当した場合は、そのモニタ条件に該当した音声通信を傍受し、その傍受した音声通信を、モニタ条件(IMS傍受端末の情報)に該当するIMS傍受端末に通知する。
【0041】
IMS傍受端末は、Femto IMS網内を経由する音声、画像等の音声通信を傍受する端末である。IMS傍受端末は、IMS傍受端末のIPアドレス、Port番号等の情報をMGWに登録することで、MGWで通信傍受した音声通信を傍受することができる。
【0042】
<通信システムにおける処理動作例>
次に、本実施形態の通信システムにおける処理動作例について説明する。なお、以下の処理動作例は、通信傍受機能に関する処理動作について説明する。
【0043】
<Femto IMS網内のUE間で行うCS(Circuit Switching)発信シーケンス(通信傍受対象端末なしの場合)>
まず、図2を参照しながら、Femto IMS網内のUE間で行うCS発信時の処理動作例について説明する。図2は、発側のUEと着側のUEとが通信傍受対象端末に該当しない通常時の処理動作を示す。
【0044】
発側のUEは、SETUPを発側のFAPに送信し(ステップA1)、発側のFAPは、INVITEを発側のCSCFに送信する(ステップA2)。
【0045】
発側のCSCFは、INVITEを受信した場合に、発側のCSCFに登録されている加入者プロファイルを基に、INVITEが通信傍受対象端末からの発信に該当しない場合は、Cx-LIR(Location-Info-Request)をHSSに送信する(ステップA3)。
【0046】
HSSは、Cx-LIRを受信した場合に、VLRで管理する加入者情報を基に、着側のUEが通信傍受対象端末に該当せず、且つ、着側のUEがFemto IMS網内に在圏する場合は、SRI(Send Routeing Information) invocationをHLR/AuCに送信する(ステップA4)。
【0047】
HLR/AuCは、SRI invocationを受信した場合に、PRN(Provide Roaming Number) invocationをHSSに送信する(ステップA5)。
【0048】
HSSは、PRN invocationを受信した場合に、PRN ackをHLR/AuCに送信する(ステップA6)。
【0049】
HLR/AuCは、PRN ackを受信した場合に、SRI ackをHSSに送信する(ステップA7)。これにより、HSSは、着側のUEの在圏位置をHLR/AuCに問い合わせ、着側のUEの在圏位置をHLR/AuCから取得することになる(ステップA4〜A7)。
【0050】
HSSは、SRI ackを受信した場合に、Cx-LIA(Location-Info-Answer)を発側のCSCFに送信する(ステップA8)。
【0051】
発側のCSCFは、Cx-LIAを受信した場合に、その受信したCx-LIAの情報を基に、着側のUEの在圏位置等を特定し、着側のCSCFにINVITEを送信する(ステップA9)。
【0052】
着側のCSCFは、INVITEを受信した場合に、INVITEを着側のFAPに送信し(ステップA10)、着側のFAPは、INVITEを受信した場合に、SETUPを着側のUEに送信する(ステップA11)。
【0053】
これにより、発側のUEと、着側のUEと、の間で音声通信を行うことになる(ステップA12)。
【0054】
なお、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信は、発側のUE、発側のFAP、PDG、着側のFAP、着側のUEを経由して行うことになる。このため、発側のUEと着側のUEと間の音声通信は、Femto IMS網内で閉じて行うことになる。なお、UEとFAPとの間の通信は3Gの通信を行い、FAP間の通信はRTP(Real Time Protocol)の通信を行うことになる。また、上記の図2のシーケンスは、音声通信がMGWを経由しないため、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信を傍受することができない。
【0055】
<Femto IMS網内のUE間で行うCS発信シーケンス(発側UEが通信傍受対象端末の場合)>
次に、図3を参照しながら、Femto IMS網存圏の発側UEが通信傍受対象端末に該当する場合の処理動作例について説明する。
【0056】
なお、図3に示すシーケンスは、CS発信側のUE(発側UE)を通信傍受対象端末に指定するための『傍受指示』がHSSとMGWとで行われているものとする。
【0057】
MGWは、『傍受指示』が行われると、発側UEを通信傍受対象端末として管理することになる。
【0058】
HSSは、『傍受指示』が行われると、発側UEを通信傍受対象端末として管理すると共に、発側UEが通信傍受対象端末に該当する旨の情報を『加入者プロファイル』として、発側UEの通信を制御するCSCF(発側CSCF)に登録する。具体的には、HSSは、『傍受指示』されたUEの情報(指定呼登録番号)を、UEの位置登録時、または、UEの加入者データ変更時に『加入者プロファイル』として該当するCSCFに登録する。なお、『傍受指示』が行われるタイミングは、特に限定せず、外部からの指示により行う。
【0059】
本実施形態では、上記『傍受指示』が行われたことを前提として、図3に示すシーケンスの処理動作について説明する。
【0060】
発側のUEは、SETUPを発側のFAPに送信し(ステップB1)、発側のFAPは、INVITEを発側のCSCFに送信する(ステップB2)。
【0061】
発側のCSCFは、INVITEを受信した場合に、発側のCSCFに登録されている加入者プロファイルを基に、INVITEが通信傍受対象端末からの発信に該当する場合は、着番にPrefixを付与し、MGCFにINVITEをルーティングする(ステップB3)。
【0062】
MGCFは、INVITEを受信した場合に、Add-requestをMGWに送信する(ステップB4)。
【0063】
MGWは、Add-requestを受信した場合に、Add-replyをMGCFに送信する(ステップB5)。
【0064】
MGCFは、Add-replyを受信した場合に、IAM(Initial Address Message)をMSCに送信する(ステップB6)。
【0065】
MSCは、IAMを受信した場合に、SRI invocationをHLR/AuCに送信する(ステップB7)。
【0066】
HLR/AuCは、SRI invocationを受信した場合に、PRN invocationをHSSに送信する(ステップB8)。
【0067】
HSSは、PRN invocationを受信した場合に、PRN ackをHLR/AuCに送信する(ステップB9)。
【0068】
HLR/AuCは、PRN ackを受信した場合に、SRI ackをMSCに送信する(ステップB10)。
【0069】
MSCは、SRI ackを受信した場合に、IAMをMGCFに送信する(ステップB11)。この場合、MSCは、IMRN(IP Multimedia Routing Number)を含めたIAMをMGCFに送信する。
【0070】
MGCFは、IAMを受信した場合に、Add-requestをMGWに送信する(ステップB12)。
【0071】
MGWは、Add-requestを受信した場合に、Add-replyをMGCFに送信する(ステップB13)。
【0072】
MGCFは、Add-replyを受信した場合に、INVITEをCSCFに送信する(ステップB14)。
【0073】
CSCFは、INVITEを受信した場合に、Cx-LIRをHSSに送信する(ステップB15)。
【0074】
HSSは、Cx-LIRを受信した場合に、Cx-LIAをCSCFに送信する(ステップB16)。
【0075】
CSCFは、Cx-LIAを受信した場合に、INVITEを着側のCSCFに送信する(ステップB17)。
【0076】
着側のCSCFは、INVITEを受信した場合に、INVITEを着側のFAPに送信する(ステップB18)。
【0077】
着側のFAPは、INVITEを受信した場合に、SETUPを着側のUEに送信する(ステップB19)。
【0078】
これにより、発側のUEと、着側のUEと、の間で音声通信を行うことになる(ステップB20)。
【0079】
なお、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信は、発側のUE、発側のFAP、MGW、MSC、MGW、着側のFAP、着側のUEを経由して行うことになる。このため、発側のUEと着側のUEと間の音声通信は、Femto IMS網と、既存3G網と、の間で相互接続し、Femto IMS網と既存3G網とを経由して行うことになる。なお、UEとFAPとの間の通信は3Gの通信を行い、FAPとMGWとの間の通信はRTP(Real Time Protocol)の通信を行い、MGWとMSCとの間の通信はTDM(Time Division Multiple)の通信を行うことになる。また、上記の図3のシーケンスは、発側のUEが通信傍受対象端末に該当する場合は、発側のCSCFが着番にPrefixを付与し、MGCFにINVITEをルーティングさせ、音声通信がMGWを経由するように制御している。このため、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信を傍受することができる。
【0080】
<Femto IMS網内のUE間で行うCS発信シーケンス(着側UEが通信傍受対象端末の場合)>
次に、図4を参照しながら、Femto IMS網存圏の着側UEが通信傍受対象端末に該当する場合の処理動作例について説明する。
【0081】
なお、図4に示すシーケンスは、CS着信側のUE(着側UE)を通信傍受対象端末に指定するための『傍受指示』がHSSとMGWとに行われているものとする。
【0082】
MGWは、『傍受指示』が行われると、着側UEを通信傍受対象端末として管理することになる。
【0083】
HSSは、『傍受指示』が行われると、着側UEを通信傍受対象端末として管理すると共に、着側UEが通信傍受対象端末に該当する旨の情報を『加入者プロファイル』として、着側UEの通信を制御するCSCF(着側CSCF)に登録することになる。
【0084】
本実施形態では、上記『傍受指示』が行われたことを前提として図4に示すシーケンスの処理動作について説明する。
【0085】
発側のUEは、SETUPを発側のFAPに送信し(ステップC1)、発側のFAPは、INVITEを発側のCSCFに送信する(ステップC2)。
【0086】
発側のCSCFは、INVITEを受信した場合に、発側のCSCFに登録されている加入者プロファイルを基に、INVITEが通信傍受対象端末からの発信に該当しない場合は、Cx-LIRをHSSに送信する(ステップC3)。
【0087】
HSSは、Cx-LIRを受信した場合に、VLRで管理する加入者情報を基に、着側のUEが通信傍受対象端末に該当し、且つ、着側のUEがFemto IMS網内に在圏する場合は、SRI invocationをHLR/AuCに送信せず、DIAMETER_ERROR_USER_UNKNOWN(5001)を発側のCSCFに送信する(ステップC4)。
【0088】
発側のCSCFは、5001を受信した場合に、INVITEをMGCFに送信する(ステップC5)。
【0089】
MGCFは、INVITEを受信した場合に、Add-requestをMGWに送信する(ステップC6)。
【0090】
MGWは、Add-requestを受信した場合に、Add-replyをMGCFに送信する(ステップC7)。
【0091】
MGCFは、Add-replyを受信した場合に、IAMをMSCに送信する(ステップC8)。
【0092】
MSCは、IAMを受信した場合に、SRI invocationをHLR/AuCに送信する(ステップC9)。なお、ステップC10〜ステップC21の処理動作は、図3のステップB8〜ステップB19と同様な処理を行うことになる。
【0093】
これにより、発側のUEと、着側のUEと、の間で音声通信を行うことになる(ステップC22)。
【0094】
なお、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信は、発側のUE、発側のFAP、MGW、MSC、MGW、着側のFAP、着側のUEを経由して行うことになる。このため、発側のUEと着側のUEと間の音声通信は、Femto IMS網と、既存3G網と、の間で相互接続し、Femto IMS網と既存3G網とを経由して行うことになる。なお、UEとFAPとの間の通信は3Gの通信を行い、FAPとMGWとの間の通信はRTPの通信を行い、MGWとMSCとの間の通信はTDM(Time Division Multiple)の通信を行うことになる。また、上記の図4のシーケンスは、着側のUEが通信傍受対象端末に該当する場合は、HSSが5001を発側のCSCFに返信し、既存3G網にルーティングさせ、音声通信がMGWを経由するように制御している。このため、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信を傍受することができる。
【0095】
<Femto IMS網内のUEと既存3G網内のUEとの間で行うCS発信シーケンス(通信傍受対象端末なしの場合)>
次に、図5を参照しながら、Femto IMS網内のUEと既存3G網内のUEとの間で行うCS発信時の処理動作例について説明する。図5は、発側のUEと着側のUEとが通信傍受対象端末に該当しない通常時の処理動作を示す。
【0096】
発側のUEは、SETUPを発側のFAPに送信し(ステップD1)、発側のFAPは、INVITEを発側のCSCFに送信する(ステップD2)。
【0097】
発側のCSCFは、INVITEを受信した場合に、発側のCSCFに登録されている加入者プロファイルを基に、INVITEが通信傍受対象端末からの発信に該当しない場合は、Cx-LIRをHSSに送信する(ステップD3)。
【0098】
HSSは、Cx-LIRを受信した場合に、VLRで管理する加入者情報を基に、着側のUEが通信傍受対象端末に該当せず、且つ、着側のUEが既存3G網内に在圏する場合は、Cx-LIAを発側のCSCFに送信する(ステップD4)。
【0099】
発側のCSCFは、Cx-LIAを受信した場合に、MGCFにINVITEを送信する(ステップD5)。
【0100】
MGCFは、INVITEを受信した場合に、Add-requestをMGWに送信する(ステップD6)。
【0101】
MGWは、Add-requestを受信した場合に、Add-replyをMGCFに送信する(ステップD7)。
【0102】
MGCFは、Add-replyを受信した場合に、IAM(Initial Address Message)をMSCに送信する(ステップD8)。
【0103】
MSCは、IAMを受信した場合に、MAP-SRIをHLR/AuCに送信する(ステップD9)。
【0104】
HLR/AuCは、MAP-SRIを受信した場合に、MAP-SRI ackをMSCに送信する(ステップD10)。
【0105】
MSCは、MAP-SRI ackを受信した場合に、SETUPを既存3G網側の着側のUEに送信する(ステップD11)。
【0106】
また、MSCは、ACM(Address Complete Message)、CPG(Call Progress Message)、ANM(Answer Message)をMGCFに送信する(ステップD12〜D14)。
【0107】
これにより、発呼側のUEと、着呼側のUEと、の間で音声通信を行うことになる(ステップD15)。
【0108】
なお、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信は、発側のUE、発側のFAP、MGW、MSC、着側のUEを経由して行うことになる。このため、発側のUEと着側のUEと間の音声通信は、Femto IMS網と、既存3G網と、の間で相互接続し、Femto IMS網と既存3G網とを経由して行うことになる。なお、発側UEとFAPとの間の通信は3Gの通信を行い、FAPとMGWとの間の通信はRTPの通信を行い、MGWとMSCとの間の通信はTDM(Time Division Multiple)の通信を行い、MSCと着側UEとの間の通信は3Gの通信を行うことになる。また、上記の図5のシーケンスは、音声通信がMGWを経由するため、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信を傍受することができる。
【0109】
<Femto IMS網内のUEと既存3G網内のUEとの間で行うCS発信シーケンス(発側UEが通信傍受対象端末の場合)>
次に、図6を参照しながら、Femto IMS網存圏の発側UEが通信傍受対象端末に該当する場合の処理動作例について説明する。
【0110】
なお、図6に示すシーケンスは、CS発信側のUE(発側UE)を通信傍受対象端末に指定するための『傍受指示』がHSSとMGWとに行われているものとする。
【0111】
MGWは、『傍受指示』が行われると、発側UEを通信傍受対象端末として管理することになる。
【0112】
HSSは、『傍受指示』が行われると、発側UEを通信傍受対象端末として管理すると共に、発側UEが通信傍受対象端末に該当する旨の情報を『加入者プロファイル』として、発側UEの通信を制御するCSCF(発側CSCF)に登録する。具体的には、HSSは、コマンド投入されたUEの情報(指定呼登録番号)を、UEの位置登録時、または、UEの加入者データ変更時に『加入者プロファイル』として該当するCSCFに登録する。
【0113】
本実施形態では、上記『傍受指示』が行われたことを前提として図6に示すシーケンスの処理動作について説明する。
【0114】
ステップE1〜ステップE6までの処理は、図3に示すステップB1〜ステップB6と同様な処理を行う。
【0115】
MSCは、IAMを受信した場合に、MAP-SRIをHLR/AuCに送信する(ステップE7)。
【0116】
HLR/AuCは、MAP-SRIを受信した場合に、MAP-SRI ackをMSCに送信する(ステップE8)。
【0117】
MSCは、MAP-SRI ackを受信した場合に、SETUPを既存3G網側の着側のUEに送信する(ステップE9)。
【0118】
また、MSCは、ACM(Address Complete Message)、CPG(Call Progress Message)、ANM(Answer Message)をMGCFに送信する(ステップE10〜E12)。
【0119】
これにより、発呼側のUEと、着呼側のUEと、の間で音声通信を行うことになる(ステップE13)。
【0120】
なお、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信は、発側のUE、発側のFAP、MGW、MSC、着側のUEを経由して行うことになる。このため、発側のUEと着側のUEと間の音声通信は、Femto IMS網と、既存3G網と、の間で相互接続し、Femto IMS網と既存3G網とを経由して行うことになる。なお、発側UEとFAPとの間の通信は3Gの通信を行い、FAPとMGWとの間の通信はRTPの通信を行い、MGWとMSCとの間の通信はTDM(Time Division Multiple)の通信を行い、MSCと着側UEとの間の通信は3Gの通信を行うことになる。また、上記の図6のシーケンスは、音声通信がMGWを経由するため、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信を傍受することができる。
【0121】
<Femto IMS網内のUEと既存3G網内のUEとの間で行うCS発信シーケンス(着側UEが通信傍受対象端末の場合)>
次に、図7を参照しながら、既存3G網存圏の着側UEが通信傍受対象端末に該当する場合の処理動作例について説明する。
【0122】
図7に示すシーケンスは、図5に示すシーケンスと同様な処理を行うことになる(ステップF1〜F14)。これにより、発側のUEと、着側のUEと、の間で音声通信を行うことになる(ステップF15)。
【0123】
なお、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信は、発側のUE、発側のFAP、MGW、MSC、着側のUEを経由して行うことになる。このため、発側のUEと着側のUEと間の音声通信は、Femto IMS網と、既存3G網と、の間で相互接続し、Femto IMS網と既存3G網とを経由して行うことになる。なお、発側UEとFAPとの間の通信は3Gの通信を行い、FAPとMGWとの間の通信はRTPの通信を行い、MGWとMSCとの間の通信はTDM(Time Division Multiple)の通信を行い、MSCと着側UEとの間の通信は3Gの通信を行うことになる。また、上記の図7のシーケンスは、音声通信がMGWを経由するため、発側のUEと着側のUEとの間の音声通信を傍受することができる。
【0124】
<本実施形態の通信システムの作用・効果>
このように、本実施形態の通信システムは、FAP配下に在圏するUEの情報を管理するHSSは、発信側のUEと着信側のUEとの間の情報通信経路を確立するための確立要求(Cx-LIR)を受け付けた際に、着信側のUEがFemto IMS網内に在圏し、且つ、着信側のUEが通信傍受対象端末に該当する場合は、MGW及び既存3G網を経由して発信側のUEと着信側のUEとの間の情報通信経路を確立するように制御する(図4参照)。また、HSSは、着信側のUEがFemto IMS網内に在圏せず、且つ、着信側のUEが通信傍受対象端末に該当する場合は、MGW及び既存3G網を経由して発信側のUEと着信側のUEとの間の情報通信経路を確立するように制御する(図7参照)。
【0125】
これにより、本実施形態のHSSは、着信側のUEが通信傍受対象端末に該当する場合は、その着信側のUEがFemto IMS網内に在圏しているか、または、既存3G網内に在圏しているかに拘わらず、MGW及び既存3G網を経由して発信側のUEと着信側のUEとの間の情報通信経路を確立するように制御するため、Femto IMS網と既存3G網との相互接続を考慮しながら、その既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、FAPを導入したFemto IMS網において実現することができる。
【0126】
また、FAP配下に在圏するUEの通信を制御するCSCFは、発信側のUEと着信側のUEとの間の情報通信経路を確立するための確立要求(INVITE)を受け付けた際に、発信側のUEが通信傍受対象端末に該当する場合は、MGW及び既存3G網を経由して発信側のUEと着信側のUEとの間の情報通信経路を確立するように制御する。これにより、本実施形態のCSCFは、既存3G網との相互接続を考慮しながら、その既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、FAPを導入したFemto IMS網において実現することができる。
【0127】
また、本実施形態の通信システムは、UE、FAP等の末端の装置に何ら改良を加えることなく、Femto IMS網内での通信傍受機能を実現することができる。また、UEや、FAP等の末端の装置での処理に何ら負担を与えることなく、Femto IMS網内での通信傍受機能を実現することができる。
【0128】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0129】
第1の実施形態では、図1に示すFemto IMS網と既存3G網との相互接続を考慮しながら、その既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、FAPを導入したFemto IMS網において実現することにした。しかし、図8に示すIMS網と既存3G網との通信システムにおいても、第1の実施形態と同様に、IMS網と既存3G網との相互接続を考慮しながら、その既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、IMS網において実現することができる。
【0130】
例えば、図8に示すUEが3G網とWLAN網とで通信可能なデュアル型のUEと仮定する。この場合、UEは、3G網に在圏している場合は、3G電波を掴みNode-Bを介して3G網のコアネットワークに接続する。また、AP(Access Point)配下のWLAN網に在圏している場合は、WLAN電波を掴みPDGを介してIMS網のコアネットワークに接続する。また、図8に示すIMS端末(固定SIP電話タイプ)の場合は、固定SIP電話タイプのIMS端末利用時に、PDGを介してIMS網のコアネットワークに接続する。この図8に示すシステム構成においても、第1の実施形態と同様な処理動作を行うことで、既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、IMS網において実現することができる。
【0131】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0132】
例えば、本実施形態における通信システムは、3GPPのVersionには依存せずに処理を行うことが可能である。
【0133】
また、本実施形態における通信システムは、IMS網と3G網との間で相互に通信を行うシステムであれば特に限定せず、本実施形態で行った処理動作をそのIMS網において行うことで、既存3G網で提供している通信傍受機能と同様な通信傍受機能を、IMS網において実現することができる。
【0134】
また、上述した本実施形態における通信システムを構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0135】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0136】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0137】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0138】
また、本実施形態における通信システムは、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に処理を実行するのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に処理を実行するように構築することも可能である。
【0139】
また、本実施形態における通信システムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各構成の装置が同一筐体内に存在する構成にしたりするように構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明は、IMS網と3G網との間で相互に通信を行うサービスに適用可能である。
【符号の説明】
【0141】
UE User Equipment
RNC Radio Network Controller
MSC Mobile Services Switching Centre
VLR Visitor Location Register
HLR/AuC Home Location Register/AUthentication Centre
FAP Femto Access Point(フェムトセル用基地局)
PDG Packet Data Gateway
CSCF Call Session Control Function(制御装置)
HSS Home Subscriber Server(管理装置)
MGCF Media Gateway Control Function(制御装置)
MGW Media GateWay(中継装置)
AP Access Point

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の情報を管理する管理装置であって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御手段を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記発信側の通信端末の通信を制御する発信側制御装置から前記確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏しない旨の応答を前記発信側制御装置に通知し、前記確立要求を前記中継装置及び前記3G網を経由させて前記管理装置に通知させるように制御することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記着信側の通信端末の在圏位置を前記3G網内のHLR(Home Location Register)に問い合わせることなく、前記応答を前記発信側制御装置に通知することを特徴とする請求項2記載の管理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当しない場合は、前記中継装置及び前記3G網を経由せずに前記情報通信経路を確立するように制御することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏せず、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、前記中継装置及び前記3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記通信傍受対象端末の情報を管理する管理手段と、
前記通信傍受対象端末の情報を加入者プロファイル情報として、前記通信傍受対象端末の通信を制御する制御装置に登録する登録手段と、を有し、
前記登録手段は、
前記通信傍受対象端末がIMS網に在圏した際に行われる位置登録時に、前記通信傍受対象端末の情報を含む加入者プロファイル情報を、前記制御装置に登録することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記登録手段は、
前記通信傍受対象端末の情報が更新された際に、更新後の前記通信傍受対象端末の情報を含む加入者プロファイル情報を、前記制御装置に登録することを特徴とする請求項6記載の管理装置。
【請求項8】
前記登録手段は、
新規パラメータを追記して前記通信傍受対象端末の情報を加入者プロファイル情報として、前記制御装置に登録することを特徴とする請求項6または7記載の管理装置。
【請求項9】
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の通信を制御する制御装置であって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記発信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御手段を有することを特徴とする制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記着信側の通信端末の情報にprefixを付与した確立要求を、前記中継装置の通信を制御する制御装置にルーティングし、前記中継装置及び前記3G網を経由して前記情報通信経路を確立するように制御することを特徴とする請求項9記載の制御装置。
【請求項11】
通信端末と、IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の情報を管理する管理装置と、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置と、を少なくとも有して構成する通信システムであって、
前記管理装置は、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、前記中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御手段を有することを特徴とする通信システム。
【請求項12】
通信端末と、IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の通信を制御する制御装置と、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置と、を少なくとも有して構成する通信システムであって、
前記制御装置は、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記発信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、前記中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御手段を有することを特徴とする通信システム。
【請求項13】
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の情報を管理する管理装置で行う制御方法であって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御工程を有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の通信を制御する制御装置で行う制御方法であって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記発信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御工程を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の情報を管理する管理装置に実行させるプログラムであって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記着信側の通信端末がIMS網に在圏し、且つ、前記着信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御処理を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
IMS(IP Multimedia Subsystem)網に在圏する通信端末の通信を制御する制御装置に実行させるプログラムであって、
発信側の通信端末と着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するための確立要求を受け付けた際に、前記発信側の通信端末が通信傍受対象端末に該当する場合は、IMS網と3G網と間の通信を中継する中継機能及び通信傍受機能を配備した中継装置及び3G網を経由して前記発信側の通信端末と前記着信側の通信端末との間の情報通信経路を確立するように制御する制御処理を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−114468(P2011−114468A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267494(P2009−267494)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】