説明

箱体の積み重ね装置

【課題】ストック部で箱体が山積みされる前段階で不良箱体を製造ラインから取り除くことができるようにした箱体の積み重ね装置を提供することである。
【解決手段】ブランクS2 を搬送しつつ両端のパネルの折曲げと接着とを行なって扁平な箱体を形成するフォルダグルア10の下流側に、そのフォルダグルア10から搬出される箱体S3 を設定数積み重ねて下流側に搬送するストック部30を設ける。フォルダグルア10とストック部30の間に不良箱体除去装置20を設ける。制御部25に入力される不良信号に基づき不良箱体除去装置20を作動させて不良箱体S3 を製造ラインから取り除くようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、折曲げ用の罫線および接合代が形成された段ボールシートから扁平な箱体を形成して山積み状態に積み重ねるようにした箱体の積み重ね装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2本の平行な横罫線が入れられた矩形の段ボールシートから段ボール箱形成用の扁平な箱体を形成する製造ラインにおいては、例えば、特許文献1に記載されているように、プリンタスロッタによって前記段ボールシートに印刷を施すと共に、前記横罫線に直角に縦罫線を罫入れし、かつスロットを設けて段ボール箱形成用のブランクを形成し、そのブランクをフォルダグルアに供給し、そのフォルダグルアによりブランクを搬送させつつ、ブランクの両端のパネルを隣接するパネル間に形成された縦罫線に沿ってほぼ180°折曲げて一方のパネルの端部と他方のパネルの端縁に形成された接合代の重なり部を、その接合代に塗布された接着剤により接着して扁平な箱体を形成するようにしている。
【0003】
また、フォルダグルアから排出される扁平な箱体をそのフォルダグルアの下流側に設けられたストック部に落下させて積み重ねと整形を行なうと共に、ストック部の下端から一つずつ連続してカウンタエジェクタの位置まで搬送し、そのカウンタエジェクタによって計数しつつ箱体を下から順次山積みし、設定数の箱体が山積みされたとき、その山積み箱体を下流側に設けられた結束部に搬送して紐で結束するようにしている。
【0004】
上記のような扁平な箱体の製造ラインにおいては、プリンタスロッタにおいて箱形成用ブランクを形成する際に、段ボールシートが傾きをもって送られることによる送りミスを生じる場合があり、その送りミスを原因として印刷を行なう際に印刷ミスおよびスロットを形成する際に打抜きミスが生じる。
【0005】
これらのミスが生じたブランクによって形成される扁平な箱体は不良品であるため、その不良品は搬送ライン上から取り除く必要がある。
【0006】
また、フォルダグルアによって扁平な箱体を形成する際にもブランクに送りミスが生じる場合があり、その送りミスによってブランクを精度よく折曲げることができず、折曲げミスが生じる。また、ブランクの接合代に接着剤を塗布する際に、塗布量に過不足が生じる場合があり、接着剤の塗布量が少ない場合に、接合代とパネルの接着が不充分であって剥れが生じ、一方、多い場合には接着剤が周囲にはみ出して、接合代の周辺部を汚し、あるいは扁平な箱体をホッパ内で積み重ねた際に、重なり合う箱体に接着するおそれがある。
【0007】
したがって、これらのミスが生じた場合、箱体としては不良品となるため、その不良品を搬送ラインから取り除く必要がある。
【0008】
ここで、印刷ミス等が生じたブランクや折曲げ不良あるいは接着不良が生じた箱体を箱体の製造過程で作業者が見つけ出すことはきわめて困難であり、不良箱体を確実に排除することはできない。
【0009】
そこで、特許文献1に記載された発明においては、プリンタスロッタおよびフォルダグルアのシート移送路に、シートの送りミスを検出する検出センサ、印刷ずれを検出する検出センサ、打抜き不良を検出する検出センサ等の各種の検出センサを設け、これらの各検出センサが不良シートや不良箱体を検出したとき、不良箱体の払出しプッシャを作動させて不良箱体を製造ラインから取り除くようにしている。
【0010】
この場合、特許文献1ではカウンタエジェクタから排出される山積み箱体の排出部に払出しプッシャを設け、その払出しプッシャによって不良箱体が混入する山積み箱体の全部を製造ラインから取り除くようにしているため、不良箱体と共に複数の良品箱体も取り出されることになり、これらの良品箱体は所定数として製造ライン上に戻す必要が生じるため、後処理に手間がかかる問題がある。また、山積みされた状態の中から不良箱体を見つけ出して取り除く作業も非常に手間がかかる。
【0011】
そのような問題点を解決するため、特許文献2に記載された箱体の積み重ね装置においては、ストック部の下流側上方に不良箱体除去装置を設け、フォルダグルアの搬出端から不良箱体が搬出されるとき、その不良箱体を不良箱体除去装置で受け取って下流側に取り除くようにしている。
【0012】
また、特許文献1に記載された箱体の積み重ね装置においては、ストック部の下方から一つずつ搬出される箱体を次工程のカウンタエジェクタによって下方から積み上げて山積みし、その山積みが継続された状態で払出しプッシャを移動させて山積みの上部の設定数の箱体を結束部に押し出す構成であるため、払出しプッシャによって押し出される箱体の数に過不足が生じる場合があり、正確な数の箱体を結束部に確実に搬送することができないという不都合があった。
【0013】
また、手提げ孔等の孔が箱体の下部に存在する場合に、箱体を下方から積み上げていく際に、あるいはプッシャによって設定数の箱体を押し出す際に、箱体に引っ掛りが生じて箱体を破損させたり、正常な押し出しができない場合があった。
【0014】
さらに、ストック部と結束部との間にカウンタエジェクタがあるため、装置が大型化するという不都合もあった。
【0015】
これらの不都合は、特許文献2による装置の場合も同様である。すなわち、これらの不都合は、箱体を山積み、整形するストック部と、このストック部から搬出される箱体を所定数の積み重ねとして搬出するカウンタエジェクタとを個別に有する装置に特有である。
【0016】
上記のような不都合を解消するため、特許文献3に記載された箱体の積み重ね装置においては、フォルダグルアの下流側に設けられたストック部において、フォルダグルアから搬出される箱体を順次整形し、積み重ねて山積みし、その山積みされた箱体が設定数に達する毎に、その設定数の箱体を下流側に設けられた結束部に向けて搬送して、特許文献1に記載されたカウンタエジェクタを省略した構成としている。
【0017】
ここで、上記ストック部においては、フロントガイドとバックガイド間に箱体の収容部を設け、フォルダグルアの搬出端から上記収容部に搬出される箱体を積み重ね手段により積み重ね、設定数の箱体が山積みされたとき、その設定数の箱体を搬出コンベヤ上に送り出して下流側に搬送するようにしている。
【特許文献1】特開平9−165124号公報
【特許文献2】特開2004−26391号公報
【特許文献3】特開2004−217390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、カウンタエジェクタの設置を不要とすることができるようにした特許文献3に記載の箱体の積み重ね装置においては、不良箱体の取り除きについて何も記載されていない。
【0019】
また、特許文献3に記載された箱体の積み重ね装置においては、箱体を設定数積み重ねる積み重ね手段の一部がフロントガイドの下流側に位置するよう設けられているため、上記フロントガイドの下流側に特許文献2に記載されているような不良箱体除去装置を設置し得るようなスペースはなく、不良箱体の除去に際して、特許文献2に記載の不良箱体除去装置を採用することはできない。
【0020】
このため、不良箱体を除去しようとすれば、ストック部から設定数の山積み箱体が排出される排出部に特許文献1で記載されているのと同様の払出しプッシャを設けて、山積み状態の良品の箱体と不良箱体との全部を良品箱体の搬送ラインから取り除く必要が生じ、特許文献1における前記した不都合と同様の不都合が生じる。
【0021】
この発明の課題は、ストック部において設定数の箱体を山積み、整形することができると共に、山積み、整形される箱体に不良箱体が混入されることのないようにした、カウンタエジェクタを別のステーションとして必要としない箱体の積み重ね装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の課題を解決するために、この発明においては、箱体形成用ブランクを一方向に搬送させつつそのブランクの両端のパネルの折曲げと、一方のパネルの端縁に設けられた接合代と他方のパネルの端部の重なり部の接着とを行なって扁平な箱体を形成するフォルダグルアと、そのフォルダグルアの下流側に設けられたストック部とを有し、前記ストック部が、フロントガイドとバックガイド間に形成された収容部において前記フォルダグルアから順次搬出される箱体を設定数山積み状態に積み重ねる積み重ね手段と、積み重ねられた設定数の山積み箱体を下流側に搬送する排出手段とを備え、前記積み重ね手段の一部がフロントガイドの下流側に位置するよう設けられた箱体の積み重ね装置において、前記フォルダグルアの搬出端とストック部との間で不良箱体を良品箱体の搬送ラインから除去する不良箱体除去装置と、その不良箱体除去装置を制御する制御部とを設け、前記制御部に入力される不良検出信号に基づいて不良箱体が箱体搬送ラインから除去されるよう不良箱体除去装置を作動させるようにした構成を採用したのである。
【発明の効果】
【0023】
上記のように、フォルダグルアの搬出端とストック部との間に不良箱体除去装置を設け、その不良箱体除去装置を制御する制御部に入力される不良検出信号に基づき、不良箱体が不良箱体除去装置に送り込まれたときに製造ラインから除去されるよう不良箱体除去装置を作動させるようにしたので、不良箱体がストック部で山積みされるのを防止することができると共に、ストック部において設定数の良品箱体のみを積み重ねることができる。
【0024】
このため、山積みされた設定数の箱体から不良箱体を取り除く等の作業を不要とすることができる。
【0025】
また、ストック部において設定数の良品箱体を積み重ねて下流側に搬送することができるため、カウンタエジェクタを別のステーションとして必要とせず、箱体の積み重ね装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る箱体の積み重ね装置を採用した箱体製造ラインを示し、プリンタスロッタ1の下流側にはフォルダグルア10が設けられ、そのフォルダグルア10の下流側に不良箱体除去装置20と、ストック部30とが順に設けられている。
【0027】
プリンタスロッタ1には図3(I)に示す段ボールシートS1 が供給される。段ボールシートS1 は2本の平行な横罫線a1 、a2 を有し、その段ボールシートS1 がプリンタスロッタ1に供給されると、プリンタスロッタ1は段ボールシートS1 に適宜の印刷を施すと共に、前記横罫線a1 、a2 に直角に第1縦罫線b1 乃至第4縦罫線b4 を罫入れし、かつスロットを形成して、図3(II)に示す段ボール箱形成用のブランクS2 を形成する。
【0028】
ここで、ブランクS2 は、第1縦罫線b1 乃至第4縦罫線b4 によって区分された4枚のパネルP1 乃至P4 を有し、一端のパネルP4 の端縁には接合代P5 が形成されている。このブランクS2 は、フォルダグルア10に供給される。
【0029】
フォルダグルア10は上部搬送ベルト11と、その上部搬送ベルト11の下方に設けられた下部搬送ベルト12を有し、その上部搬送ベルト11と下部搬送ベルト12とでブランクS2 を下流側に搬送し、その搬送路の両側に設けられた折曲げバー13との接触によって図3(II)に示すブランクS2 の両端の第1パネルP1 および第4パネルP4 を下向きにほぼ90°折曲げると共に各折曲げバー13の下流側に設けられたパネル折曲げベルト14により既にほぼ90°折曲げられている第1パネルP1 および第4パネルP4 をさらに90°折曲げて、接合代P5 と第1パネルP1 の重なり部を上記接合代P5 に塗布された接着剤により接着して扁平な箱体S3 を形成するようになっている。
【0030】
図3(III)はフォルダグルア10によって形成された扁平な箱体S3 を示す。この箱体S3 は不良箱体除去装置20に送り込まれる。
【0031】
図2に示すように、不良箱体除去装置20は、上部ベルト21と、その上部ベルト21の下部に設けられた、払出しベルト22およびその払出しベルト22の下流側に設けられた送り出しベルト23とを有し、上記払出しベルト22は搬入端部を中心として搬出端部が上下動する方向に揺動自在とされ、上記搬出端部に接続されたシリンダ24によって揺動されるようになっている。
【0032】
ここで、シリンダ24は制御部25によって制御される。制御部25は、フォルダグルア10の搬出端部に設けられた不良箱体検出用の検出センサPH1 から入力される不良信号に基づいてシリンダ24を作動させ、箱体S3 が山積みされるまでに不良箱体S3 を払出しベルト22で下方へ除去するようにしている。この検出センサPH1 は、プリンタスロッタ1のシート搬送路並びにフォルダグルア10のシート搬送路に設けられた各種の不良検査装置26が、印刷ミスやスロット形成ミスが生じた不良のブランクS2 、あるいはブランクS2 の折曲げ不良あるいは接着不良が生じた不良箱体S3 を検出したときからその不良箱体S3 が検出センサPH1 の直前位置に至るまでの時間の経過後に検出動作を開始し、その検出センサPH1 が不良箱体S3 を検出すると、その不良検出信号を制御部25に出力するようになっている。
【0033】
なお、不良検査装置26が不良ブランクS2 あるいは不良箱体S3 を検出したとき、その不良ブランクS2 や不良箱体S3 にマークをつけ、検出センサPH1 がそのマークを検出したとき、制御部25に不良検出信号を出力してもよい。
【0034】
ストック部30は、排出コンベヤとしての箱体搬送ベルト31と、その箱体搬送ベルト31の搬入端部上に設けられたフロントガイド32と、そのフロントガイド32との間に箱体S3 を山積み状態に収容可能な収容部33を形成するバックガイド34と、前記フロントガイド32とバックガイド34間の収容部33において箱体S3 を設定数積み重ねて箱体搬送ベルト31上に送る積み重ね手段Xとを有し、上記積み重ね手段Xはフロントガイド32の下流側から収容部33に対して進退可能とされ、かつ昇降可能とされた仮受けテーブル35と、その仮受けテーブル35の下方に設けられた昇降可能な昇降テーブル36とから成っており、その一部がフロントガイド32の下流側に位置するよう設けてある。
【0035】
なお、フロントガイド32とバックガイド34との間隔は、送られてくる箱体S3 の搬送方向の寸法とほぼ同一とされて、パネルP1 と接合代P5 とが完全に接着されていない状態で送られて来る箱体S3 を整形するようになっている。
【0036】
ここで、仮受けテーブル35は、図4に示すように、フロントガイド32の下流側に配置される位置(イ)が待機位置とされ、その待機位置(イ)から上流側へ前進し、図5に示すように、その先端部が収容部33に臨む位置(ロ)が前進停止位置とされ、その前進停止位置(ロ)から下降し、図4の鎖線で示す位置(ハ)が下限位置とされ、その下降位置(ハ)から図4の鎖線で示す位置(ニ)まで下流側へ後退し、その後退停止位置(ニ)から上昇して待機位置(イ)に戻されるようになっている。
【0037】
一方、昇降テーブル36は図4に示す位置(ホ)が上限位置とされ、その上限位置(ホ)から下降し、図5に示すように、箱体搬送ベルト31の搬送面より下方に下がった位置が下限位置(ヘ)とされている。
【0038】
積み重ね手段Xの仮受けテーブル35および昇降テーブル36の上記のような作動を行なうための機構がフロントガイド32の下流側で箱体搬送ベルト31の上方に設けられている。
【0039】
ストック部30および積み重ね手段Xのこのような構成は、カウンタエジェクタを別のステーションとして必要としない、特許文献3に開示されている従来の箱体の積み重ね装置と同様である。
【0040】
仮受けテーブル35および昇降テーブル36のそれぞれは制御部25によって制御される。一方、制御部25は、カウンタ27から入力される信号に基づいて仮受けテーブル35および昇降テーブル36を制御する。また、カウンタ27は不良箱体除去装置20の搬出端部に設けられたセンサPH2 から入力される信号に基づいて制御部25に信号を出力するようになっている。
【0041】
ここで、センサPH2 は箱体S3 の通過を検出するようになっており、そのセンサPH2 が箱体S3 の通過を検出する毎にカウンタ27に検出信号が出力される。カウンタ27はセンサPH2 から入力される信号によって箱体S3 を計数し、その計数値と予め入力された設定値とが一致したとき、制御部25に信号を出力するようになっている。
【0042】
制御部25はカウンタ27から入力される信号に基づいて仮受けテーブル35と昇降テーブル36を以下に示す第1動作乃至第4動作を繰り返し行なわせて箱体搬送ベルト31上に設定枚数の山積み箱体S3 を整形して、供給するようにしている。
【0043】
第1動作:昇降テーブル36が図4に示す上限位置(ホ)で停止する状態で不良箱体除去装置20から搬出される良品の箱体S3 を受け取り、上記箱体S3 が昇降テーブル36で受け取られる毎にその昇降テーブル36を下降させる。
【0044】
第2動作:昇降テーブル36上に設定数の良品箱体S3 が積み重ねられたとき、図4の待機位置(イ)で停止する仮受けテーブル35を図5の実線で示す前進停止位置(ロ)まで移動させ、その仮受けテーブル35によって不良箱体除去装置20から搬出される後続の良品の箱体S3 を仮受けテーブル35で支持すると共に、昇降テーブル36を箱体搬送ベルト31の搬送面より下方の下限位置(ヘ)まで下降させて箱体搬送ベルト31との間で山積みされた設定数の箱体S3 の受け渡しを行なう。
【0045】
第3動作:箱体搬送ベルト31によって設定数の良品箱体S3 が下流側に搬送されると、昇降テーブル36を図4の実線で示す上限位置(ホ)まで上昇させ、下限位置(ハ)まで下降する仮受けテーブル35との間で複数の山積み箱体S3 の受け渡しを行ない、その昇降テーブル36で不良箱体除去装置20から排出される良品の箱体S3 の支持を継続する。
【0046】
第4動作:下限位置(ハ)まで下降した仮受けテーブル35を図4の鎖線で示す後退位置(ニ)まで後退させ、その停止後、上昇させて待機位置(イ)まで上昇させて待機させる。
【0047】
実施の形態で示す箱体の積み重ね装置は上記の構造から成り、プリンタスロッタ1から搬出されるブランクS2 はフォルダグルア10に供給される。
【0048】
上記ブランクS2 は上部搬送ベルト11と下部搬送ベルト12とで上下から挾持される状態で下流側に搬送され、その搬送中において、折曲げバー13との接触によって両端のパネルP1 、P4 が下向きに徐々に折曲げられて最終的にはほぼ90°折曲げられると共に、次に、パネル折曲げベルト14によりさらに90°折曲げられ、接合代P5 と第1パネルP1 の端部の重なり部が、接合代P5 に予め塗布された接着剤により接着されて扁平な箱体S3 が形成される。
【0049】
フォルダグルア10により形成された扁平な箱体S3 はそのフォルダグルア10の搬出端から不良箱体除去装置20に送り込まれ、不良箱体S3 は良品箱体S3 と一緒に山積みされる前に、この不良箱体除去装置20で下方へ除去される。
【0050】
不良箱体除去装置20に送り込まれる箱体S3 が良品箱体S3 の場合、その良品箱体S3 は上部ベルト21とその下側に設けられた払出しベルト22および送り出しベルト23で上下から挾持されて下流側に搬送され、ストック部30に送り込まれる。
【0051】
この段階での箱体S3 の第1パネルP1 と接合代P5 の端部の接着は完全ではない。
【0052】
ストック部30に送り込まれた良品の箱体S3 はフロントガイド32に対する当接により収容部33内を落下して昇降テーブル36で支持される。この際、箱体S3 の接着はまだ不完全であるために、フロントガイド32およびバックガイド34によって矩形状に整形される。
【0053】
昇降テーブル36上に設定数の良品箱体S3 が山積みされると、仮受けテーブル35が図5に示す前進停止位置(ロ)まで移動して不良箱体除去装置20から搬出される箱体S3 を受け取って箱体S3 の積み重ねを継続すると共に、昇降テーブル36は図5の下限位置(ヘ)まで下降し、その昇降テーブル36と箱体搬送ベルト31との間で設定数の良品箱体S3 の受け渡しを行なう。
【0054】
箱体搬送ベルト31によって支持された設定数の山積み良品箱体S3 は、その箱体搬送ベルト31により下流側の図示省略した結束部に搬送されて結束される。
【0055】
箱体搬送ベルト31によって設定数の山積み良品箱体S3 が下流側に搬送されて昇降テーブル36上から排除されると、昇降テーブル36は図4に示す上限位置(ホ)まで上昇して、仮受けテーブル35との間で山積み箱体S3 の受渡しを行ない、その山積み箱体S3 が昇降テーブル36で支持されると、仮受けテーブル35は図4の鎖線で示す位置(ニ)まで後退し、その後退停止後上昇して同図の実線で示す待機位置(イ)まで上昇する。
【0056】
以後、上記の動作が繰り返し行なわれ、箱体搬送ベルト31上に設定数の山積み良品箱体S3 が順次供給される。
【0057】
上記のような箱体S3 の製造および積み重ねにおいて、プリンタスロッタ1によってブランクS2 が形成される場合に、印刷ずれや抜きずれが生じて不良のブランクS2 が形成される場合がある。また、フォルダグルア10によってブランクS2 が箱体S3 に形成される場合に、ブランクS2 の折曲げ不良や接着不良によって不良の箱体S3 が形成されることがある。図2に示す不良検査装置26が不良のブランクS2 あるいは不良の箱体S3 を検出すると、その不良検査装置26は制御部25に不良信号を出力する。制御部25は入力される不良信号に基づき、その不良箱体S3 が検出センサPH1 の直前位置に至るまでの時間の経過後に上記検出センサPH1 に検出動作を開始させる。
【0058】
不良箱体S3 が検出センサPH1 の位置まで搬送され、その検出センサPH1 が不良箱体S3 を検出すると、その検出センサPH1 から制御部25に不良信号が出力される。制御部25は検出センサPH1 から入力される不良信号に基づいて作動信号をシリンダ24へ出力し、この作動信号によってシリンダ24を作動させて払出しベルト22の搬出端を引き下げる。その引き下げにより、払出しベルト22は搬出端に向けて下り勾配をもって傾斜する状態に保持され、フォルダグルア10の搬出端から排出される不良な箱体S3 は、良品箱体S3 と一緒に山積みされる前に払出しベルト22により搬送されて搬送ラインから取り除かれる。
【0059】
不良箱体S3 に続く次の箱体S3 が良品の箱体S3 の場合、制御部25はシリンダ24を作動させて払出しベルト22の搬出端を上昇させ、払出しベルト22を良品の箱体S3 がストック部30に向けて送り込まれる状態に保持する。
【0060】
このように、検出センサPH1 が不良箱体S3 を検出したとき、払出しベルト22を搬出端に向けて下り勾配をもって傾斜させるようにしたので、ストック部30で良品の箱体S3 と一緒に山積みされる前にこの不良箱体S3 を良品の箱体S3 の搬送ラインより自動的に取り除くことができる。
【0061】
このため、不良箱体S3 がストック部30に送り込まれて山積みされることはなく、山積みされた箱体S3 の中から不良な箱体S3 を取り除くという後処理作業を不要とすることができる。
【0062】
なお、積み重ね手段Xは、上記実施形態に限定されるものではなく、その一部がフロントガイド32の下流側に位置するよう設けられ、良品箱体S3 を設定枚数積み重ねることができるような構成のものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明に係る箱体の積み重ね装置を採用した箱体製造ラインの概略図
【図2】図1の不良箱体除去装置を拡大して示す正面図
【図3】(I)は段ボールシートを示す斜視図、(II)はその段ボールシートによって形成されたブランクを示す斜視図、(III)は上記ブランクから形成された箱体を示す斜視図
【図4】ストック部によって箱体を山積みしている状態の正面図
【図5】ストック部によって山積みされた箱体の払出し状態を示す正面図
【符号の説明】
【0064】
2 ブランク
3 箱体
10 フォルダグルア
20 不良箱体除去装置
25 制御部
30 ストック部
31 箱体搬送ベルト(排出コンベヤ)
32 フロントガイド
33 収容部
34 バックガイド
35 仮受けテーブル
36 昇降テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体形成用ブランクを一方向に搬送させつつそのブランクの両端のパネルの折曲げと、一方のパネルの端縁に設けられた接合代と他方のパネルの端部の重なり部の接着とを行なって扁平な箱体を形成するフォルダグルアと、そのフォルダグルアの下流側に設けられたストック部とを有し、前記ストック部が、フロントガイドとバックガイド間に形成された収容部において前記フォルダグルアから順次搬出される箱体を設定数山積み状態に積み重ねる積み重ね手段と、積み重ねられた設定数の山積み箱体を下流側に搬送する排出手段とを備え、前記積み重ね手段の一部がフロントガイドの下流側に位置するよう設けられた箱体の積み重ね装置において、前記フォルダグルアの搬出端とストック部との間で不良箱体を良品箱体の搬送ラインから除去する不良箱体除去装置と、その不良箱体除去装置を制御する制御部とを設け、前記制御部に入力される不良検出信号に基づいて不良箱体が箱体搬送ラインから除去されるよう不良箱体除去装置を作動させるようにしたことを特徴とする箱体の積み重ね装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−69034(P2006−69034A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255251(P2004−255251)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】