説明

粉体切出し装置の制御方法

【課題】粉体切出し量の変動幅が減少し、反応器に粉体状原料を安定して定量的に切出すことができる粉体切出し装置の制御方法を提供する。
【解決手段】切出しスクリュ−コンベア1及び計量スクリューコンベア2と、その内部に粉体切出し量演算式6、PID制御機器7及び手動操作機器8を含む分散型制御システムとで構成される粉体切出し装置の制御方法であって、スクリューコンベアを下記の(1)及び(2)の要件に基づいて運転することにより、PID制御機器7からの出力に対し、予め定められた演算式に重量測定装置3から得られる充填重量を入力して求められる量に粉体の切出し量を制御する。(1)計量スクリューコンベアは全速運転とする。(2)切出しスクリュ−コンベアは、計量スクリューコンベアの充填重量変化量見合いによる分散型制御システムを用いたPID制御により変速運転とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体切出し装置の制御方法に関し、さらに詳しくは、粉体状原料を反応器に定量供給する、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる切出し装置の運転において、粉体切出し量の変動幅が減少し反応器に粉体状原料を安定して定量的に切出すことができ、特に粉体状原料が一度に流れ出すフラッシング現象が発生した際にも、計量スクリューコンベヤが排出不能となり切出しスクリューコンベアの出口で粉体が詰まることによる過電流停止を引き起こすことなく、粉体状原料を切出すことができる粉体切出し装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、反応器に粉体状原料を定量切出して供給する方法として、粉体状原料をホッパーに貯蔵し、それに設置した定量切出し装置によって該粉体状原料を切出し、反応器に供給する方法が用いられる。ここで、前記定量切出し装置としては、ホッパーから原料を切出すための切出しスクリューコンベアと、その下流に設置される、切出しスクリューコンベアからの切出し量を測定するための計量スクリューコンベアとからなる切出し装置が用いられる。この定量切り出し装置は、送り速度(スクリューの回転数)と切出し量とが一定の比例関係にあることを利用し、所望の切出し量に合うように送り速度を設定するものである。
【0003】
例えば、スクリューフィーダを用いてサイロから粉粒体の定量切り出しを行なう装置では、サイロの下流に設けた、サイロ切り出しを行なうための可変速の第1スクリューフィーダ(切出しスクリューコンベア)と、該第1スクリューフィーダの下流に設けた、切り出し量測定用の可変速の第2スクリューフィーダ(計量スクリューコンベア)と、該第2スクリューフィーダの回転数を検出する回転数検出手段と、前記第2スクリューフィーダ内の粉粒体の充填量を測定する充填量測定手段と、前記回転数検出手段の出力と充填量測定手段の出力に基づき、平均切出し量を算出する手段と、該算出した平均切出し量と目標値との偏差を算出する手段と、該算出した平均切出し量の偏差を無くすように第2スクリューフィーダの回転数を増減する手段と、前記充填量測定手段の出力と目標値との偏差を算出する手段と、該算出した充填量の偏差を無くすように第1スクリューフィーダの回転数を増減する手段を備え、さらに前記第1スクリューフィーダの回転数を増減する手段が、前記算出した充填量の偏差に基づき、第1スクリューフィーダと第2スクリューフィーダの回転数の比率を算出する手段と、該算出した比率と前記第2スクリューフィーダに指令した回転数とから第1スクリューフィーダに指令すべき回転数を算出する手段とを備えているスクリューフィーダ式定量切出し装置、及び、充填量測定手段を備えた可変速の計測スクリューフィーダと、前記充填量測定手段により検出した充填量を目標値に近づけるべく、計測スクリューフィーダに供給する粉粒体量を増減させる粉粒体供給手段とを備え、前記充填量測定手段は、計測スクリューフィーダの入口近辺に設けた支点と、出口近辺に設けた荷重検出手段を備えているスクリューフィーダ式定量切出し装置(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
【0004】
この切出し装置の切出し量の制御方法としては、上記計量スクリューコンベアの充填重量及び回転数を回転数検出手段と充填量測定手段により検出し、それらの出力から、平均切出し量を算出する手段(切出し量演算器)により切出し量を演算し、この切出し量を入力とするPID制御の出力を、切出しスクリューコンベア及び計量スクリューコンベアの両方のインバーターに出力し、これらが動作する周波数を計量スクリューコンベアの充填率を一定にさせるために同期させる制御方法であった。
【0005】
しかしながら、上記のように計量スクリューコンベヤの充填率を一定にさせる制御方法では、粉体状原料が一度に流れ出す、所謂フラッシング現象が発生した際には、制御不能となり、そのため、計量スクリューコンベヤが排出不能の状態となり切出しスクリューコンベアの出口で粉体が詰まり、そのため過電流停止を引き起こすという問題点があった。
すなわち、この原因としては、上記切出し量演算器では、計量スクリューコンベアの充填率が一定であることを前提にして定数を設定し、その定数と計量スクリューコンベアの回転数と単位長さ当りの充填重量により、粉体切出し量を演算している。したがって、過電流停止を防ぐために、計量スクリューコンベアを全速運転としたときには、正確な粉体切出し量を得ることができないという問題が発生する。
加えて、反応器に粉体状原料を切出し供給する際、該粉体状原料の切出し量が脈動した場合や該粉体状原料のフラッシング現象が発生した場合には、該粉体状原料の反応器への供給量の変動が大きくなるため、反応器内での反応が不安定となる。そのため、反応器内で目的とする反応を十分に進行させることができないため、原料処理量を著しく低下させるといった問題が生じる。
【0006】
以上の状況から、上記切出しスクリュ−コンベアと計量スクリューコンベアからなる、粉体状原料を反応器に定量供給する切出し装置の運転において、従来の、計量スクリューコンベヤの充填率を一定にさせるため、切出しスクリューコンベア及び計量スクリューコンベアの送り速度を同期させる制御方法に代えて、粉体状原料のフラッシング現象に対処することができる新たな制御方法が求められている。
【0007】
【特許文献1】特開平6−199424号公報(第1頁、第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、粉体状原料を反応器に定量供給する、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる切出し装置の運転において、粉体切出し量の変動幅が減少し、反応器に粉体状原料を安定して定量的に切出すことができ、特に粉体状原料が一度に流れ出すフラッシング現象が発生した際にも、計量スクリューコンベヤが排出不能となり切出しスクリューコンベアの出口で粉体が詰まることによる過電流停止を引き起こすことなく、粉体状原料を切出すことができる粉体切出し装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するために、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアとからなる粉体切出し装置の制御方法について、鋭意研究を重ねた結果、従来の、計量スクリューコンベヤの充填率を一定にさせるため切出しスクリューコンベア及び計量スクリューコンベアの送り速度を同期させる制御方法に代えて、特定の分散型制御システムを用いて、前記計量スクリューコンベアと前記切出しスクリュ−コンベアを、特定の要件に基づいて運転することにより、粉体の切出し量を、前記PID制御機器からの出力に対し予め定められた演算式に、前記重量測定装置から得られる充填重量を入力して求められる粉体切出量に制御したところ、粉体切出し量の変動幅が減少し、反応器に粉体状原料を安定して定量的に切出すことができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる2段階のスクリューコンベアと、その内部に粉体切出し量演算式、PID制御機器及び手動操作機器を含む分散型制御システムとで構成される粉体切出し装置の制御方法であって、
前記計量スクリューコンベアと前記切出しスクリュ−コンベアを、下記の(1)及び(2)の要件に基づいて運転することにより、粉体の切出し量を、前記PID制御機器からの出力に対し予め定められた演算式に、前記重量測定装置から得られる充填重量を入力して求められる粉体切出し量に制御することを特徴とする粉体切出し装置の制御方法が提供される。
(1)前記計量スクリューコンベアは、前記手動操作機器から該計量スクリューコンベアのインバーターに100%出力を出し、全速運転とする。
(2)前記切出しスクリュ−コンベアは、前記計量スクリューコンベアの充填重量変化量見合いによる前記分散型制御システムを用いたPID制御により、該切出しスクリュ−コンベアのインバーターに出力を出し、変速運転とする。
【0011】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、さらに、前記演算式の充填重量変化量にしきい値を定めることにより、粉体状原料のフラッシング現象の発生及び停止を早期に検出することを特徴とする粉体切出し装置の制御方法が提供される。
【0012】
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記フラッシング現象の発生に際し、前記切出しスクリュ−コンベアの出力を下げることを特徴とする粉体切出し装置の制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の粉体切出し装置の制御方法は、粉体状原料を反応器に定量供給する、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる切出し装置の運転において、粉体切出し量の変動幅が減少し、反応器に粉体状原料を安定して定量的に切出すことができ、特に、粉体状原料が一度に流れ出すフラッシング現象が発生した際、計量スクリューコンベヤが排出不能となり切出しスクリューコンベアの出口で粉体が詰まることによる過電流停止を引き起こすことなく、粉体状原料を切出すことができるので、その工業的価値は極めて大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の粉体切出し装置の制御方法を詳細に説明する。
本発明の粉体切出し装置の制御方法は、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる2段階のスクリューコンベアと、その内部に粉体切出し量演算式、PID制御機器及び手動操作機器を含む分散型制御システムとで構成される粉体切出し装置の制御方法であって、前記計量スクリューコンベアと前記切出しスクリュ−コンベアを、下記の(1)及び(2)の要件に基づいて運転することにより、粉体の切出し量を、前記PID制御機器からの出力に対し予め定められた演算式に、前記重量測定装置から得られる充填重量を入力して求められる粉体切出量に制御することを特徴とする。
(1)前記計量スクリューコンベアは、前記手動操作機器から該計量スクリューコンベアのインバーターに100%出力を出し、全速運転とする。
(2)前記切出しスクリュ−コンベアは、前記計量スクリューコンベアの充填重量変化量見合いによる前記分散型制御システムを用いたPID制御により、該切出しスクリュ−コンベアのインバーターに出力を出し、変速運転とする。
【0015】
ここで、「充填重量」とは、軽量スクリューコンベヤ内に充填された粉体の重量を、「充填重量変化量」とは、軽量スクリューコンベヤ内に充填された粉体の重量の単位時間当たりの変化量を、意味する。
また、上記分散型制御システムを用いたPID制御としては、具体的に、予め定められた演算式に基づき、設定値に対する差分、偏差等を算出し、出力することを行なう。
【0016】
本発明は、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる切出し装置において、前記計量スクリューコンベアを全速運転とし、一方前記切出しスクリュ−コンベアを、前記分散型制御システムを用いたPID制御により変速運転とすること、及び粉体の切出し量を演算する手段として、PID制御機器からの出力に対し予め定められた演算式に、前記重量測定装置から得られる充填重量を入力して粉体切出し量を演算する手段を用いることが重要である。すなわち、粉体の切出し量を制御対象としている。これによって、粉体切出し量の変動幅が減少し、反応器に粉体状原料を安定して定量的に切出すことができる。
これに対して、従来の制御方法では、前述したとおり、計量スクリューコンベヤの充填率を一定にさせるため切出しスクリューコンベア及び計量スクリューコンベアの送り速度を同期させる制御方法が採用され、この際、粉体の切出し量を演算する手段として、設定された定数を用い、計量スクリューコンベアの回転数と単位長さ当りの充填重量によって粉体切出し量を演算する手段が用いられていた。すなわち、粉体の切出し量と充填量の両方を制御対象としている。
すなわち、本発明と従来の制御方法では、制御対象とする項目、及び粉体の切出し量を演算する手段において異なる。
【0017】
上記粉体切出し装置の制御方法において、さらに、上記演算式の充填重量変化量にしきい値を定めることを行なえば、粉体状原料のフラッシング現象の発生及び停止を早期に検出するができる。
すなわち、上記演算式の計量スクリューコンベアの充填重量変化量にしきい値を定め、一定時間内において充填重量変化量が設定値以上になった場合は、フラッシング現象が発生したものとして検出するようにする。なお、フラッシング現象を検出した場合は、切出しスクリュ−コンベアの出力を、自動で設定値以下の適切な値に下げることにより、フラッシング現象を抑制することができる。また、一定時間内での充填重量変化量がしきい値以下となった場合は、フラッシング現象が停止したと判断し、切出しスクリュ−コンベアの出力を元の設定値に戻す。このような制御方法により、粉体切出し量の変動をさらに低減させることができる。
【0018】
上記PID制御機器からの出力に対し予め定められた粉体切出し量演算式としては、PID制御出力に応じて、計量スクリューコンベアの充填重量及び粉体の実績切出し量とを元にして、近似式を作成したものである。この近似式を用いて演算を行なえば、上記(1)の要件に基づいて計量スクリューコンベアを全速運転としたときにおいても、正確な粉体切出し量を得ることができる。本発明の方法では、この粉体切出し量演算式を使って、粉体切出し量を求める。
【0019】
図1は、本発明の方法で用いる粉体切出し量演算式を導出する際の一例を示す、近似直線(y=ax+b)を示す図である。ここで、PID制御出力に応じて、x軸に計量スクリューコンベアの充填重量及びy軸に粉体の実績切出し量のデータをプロットして、近似直線(y=ax+b)のパラメータa、bを求める。このようにしてPID制御出力に対し予め定められた粉体切出し量演算式により、計量スクリューコンベアの充填重量(x)での粉体切出し量(y)を求めることができる。この粉体切出し量演算式を本発明の分散型制御システム内に設ける。
【0020】
上記方法に用いる粉体切出し装置としては、少なくとも、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる2段階のスクリューコンベアと、その内部に粉体切り出し量演算式、PID制御機器及び手動操作機器を含む分散型制御システムとで構成される。
【実施例】
【0021】
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例によってなんら限定されるものではない。なお、図2に、実施例及び比較例で用いた粉体切出し装置を示す。ここで、実施例で用いた粉体切出し量制御のための分散制御システム内部のループ構成と、比較例で用いた従来型の制御の構成を同時に示している。
図2において、本発明の方法で用いる際には、粉体切出し装置は、切出しスクリュ−コンベア用のインバーター10により駆動される切出しスクリュ−コンベア1、及び重量測定装置3を備え、計量スクリューコンベア用のインバーター9により駆動される計量スクリューコンベア2と、その内部に粉体切出し量演算式6、PID制御機器7及び手動操作機器8を含む分散型制御システムとで構成される。
また、従来の方法で用いる際には、粉体切出し装置は、切出しスクリュ−コンベア用のインバーター10により駆動される切出しスクリュ−コンベア1、及び重量測定装置3を備え、計量スクリューコンベア用のインバーター9により駆動される計量スクリューコンベア2と、計量スクリューコンベア2に備えた回転数検出器4と平均切出し量を算出する切出し量演算器5とで構成される。
【0022】
(実施例1)
図2に示す粉体切出し装置を用いて、本発明の切出し量の制御方法で運転を行なった。
ここで、粉体切出し量の制御方法としては、計量スクリューコンベア2は、分散制御システム内部の手動操作機器8からインバーター9に100%出力を出し、常に全速運転とした。ここで、計量スクリューコンベア2に設置された重量測定装置3により計量スクリューコンベア2の充填重量を検知した。この充填重量を、分散制御システム内部の粉体切出し量演算式6を用いて粉体切出し量に変換し、PID制御計器7の入力とした。この入力とPID制御計器7にて設定した粉体切出し量とから、PID制御にて切出しスクリュ−コンベア1のインバーター10の周波数を変化させて、粉体切出し量を自動的に制御した。
このとき、粉体切出し量(トン/時)の変動状態を測定した。結果を図3に示す。なお、横軸のデータ採取日時が06/10、08:00以後のデータが本発明の制御方法を用いた自動制御の結果を示す。
【0023】
(比較例1)
図2に示す粉体切出し装置を用いて、従来の切出し量の制御方法で運転を行なった。
ここで、切出し量の制御方法としては、計量スクリューコンベア2の充填重量及び回転数を、それぞれ重量測定装置3及び回転数検出器4で検出し、それらの出力から、平均切出し量を算出する切出し量演算器5により切出し量を演算し、この切出し量を入力とするPID制御の出力を、切出しスクリューコンベア1のインバーター10及び計量スクリューコンベア2のインバーター9に出力し、これらが動作する周波数を計量スクリューコンベア2の充填率を一定にさせるために同期させる制御方法を用いた。
このとき、粉体切出し量(トン/時)の変動状態を測定した。結果を図3に示す。なお、横軸のデータ採取日時が06/10、08:00以前のデータが従来の制御方法を用いた手動制御の結果を示す。
【0024】
図3より、実施例1では、本発明の制御方法に従って行われたので、比較例1に比べて粉体切出し量の変動幅が減少していることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
以上より明らかなように、本発明の粉体切出し装置の制御方法は、反応器に定量的に粉体状原料を供給するために用いる、インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる切出し装置の制御方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の方法で用いる粉体切出し量演算式を導出する際の一例を示す、近似直線(y=ax+b)を示す図である。
【図2】実施例及び比較例で用いた粉体切出し装置を表す図である。
【図3】実施例1と比較例1の粉体切出し量(トン/時)の変動状態を表す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 切出しスクリューコンベア
2 計量スクリューコンベア
3 重量測定装置
4 回転数検出器
5 切出量演算器
6 粉体切出し量演算式
7 PID制御計器
8 手動操作計器
9 計量スクリューコンベア用インバーター
10 切出しスクリューコンベア用インバーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバーター駆動による切出しスクリュ−コンベア、及び重量測定装置により充填重量を連続的に測定できる機能を備えたインバーター駆動の計量スクリューコンベアからなる2段階のスクリューコンベアと、その内部に粉体切出し量演算式、PID制御機器及び手動操作機器を含む分散型制御システムとで構成される粉体切出し装置の制御方法であって、
前記計量スクリューコンベアと前記切出しスクリュ−コンベアを、下記の(1)及び(2)の要件に基づいて運転することにより、粉体の切出し量を、前記PID制御機器からの出力に対し予め定められた演算式に、前記重量測定装置から得られる充填重量を入力して求められる粉体切出し量に制御することを特徴とする粉体切出し装置の制御方法。
(1)前記計量スクリューコンベアは、前記手動操作機器から該計量スクリューコンベアのインバーターに100%出力を出し、全速運転とする。
(2)前記切出しスクリュ−コンベアは、前記計量スクリューコンベアの充填重量変化量見合いによる前記分散型制御システムを用いたPID制御により、該切出しスクリュ−コンベアのインバーターに出力を出し、変速運転とする。
【請求項2】
さらに、前記演算式の充填重量変化量にしきい値を定めることにより、粉体状原料のフラッシング現象の発生及び停止を早期に検出することを特徴とする請求項1に記載の粉体切出し装置の制御方法。
【請求項3】
前記フラッシング現象の発生に際し、前記切出しスクリュ−コンベアの出力を下げることを特徴とする請求項2に記載の粉体切出し装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−274799(P2009−274799A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126653(P2008−126653)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)
【Fターム(参考)】