説明

粉砕プラスチックの選別装置及び選別方法

【課題】プラスチック原料の性質、大きさ及び嵩高性の違いに影響されることなく効率的に正確に大量の粉砕プラスチックを選別できる粉砕プラスチックの選別装置及び選別方法を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために本発明の粉砕プラスチックの選別装置1は、原料Aに吸引風Cを作用させる吸気ブロワ13を備え、吸引される軽量プラスチック片Dと、吸引されない重量プラスチック片Eとに大別する風力選別装置3と、軽量プラスチック片Dを一定量貯溜し得る計量ドラム23と、計量ドラム23の底面に設けられる開閉自在のダンパ25とを備える定量供給装置5と、定量供給装置5と連通した状態で設けられ、低融点の軽量プラスチック片Dを溶融後、造粒させる造粒装置7と、造粒されたものと造粒されなかったものに軽量プラスチック片Dを分類する傾斜した振動エアテーブルの振動を利用した比重差選別装置11とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異なる種類のプラスチック片が粉砕され、混在している環境下で、該粉砕プラスチックを同一種類ごとのプラスチックに選別する粉砕プラスチックの選別装置及び選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、飲料用のボトル容器として「ペットボトル」と称されているポリエチレンテレフタレート(以下PETという)を原料とするプラスチック容器が広く普及し、使用済みのゴミ処理が問題になっている。
ペットボトルはボトル本体がPET、キャップが主にポリプロピレン(以下PPという)で一部がポリエチレン、ラベルが主にポリスチレン(以下PSという)で、一部がPETであり、主に上記の3種類のプラスチック材料によって構成されている。
ペットボトルの一部はボトル容器の状態でボトル本体とキャップとラベルとに分離・回収され、個別の再生プラスチック原料として再利用に供されている。
【0003】
しかし、実際にはペットボトルはボトル容器のまま廃棄され、粉砕機にかけられて、上記3種類のプラスチックが混在したプラスチック片に加工された粉砕プラスチックとして存在するものが多数に上っている。
そしてこのような粉砕プラスチックから個別の再生プラスチック原料を取り出すには風を当てて舞い上がるものと舞い上がらないものとに分離する送風を利用した選別手法、水に浮かべて水面に浮くものと水中に沈むものとに分離する湿式による選別手法、比重差を利用した選別手法等をそれぞれ独立して、あるいは適宜組み合わせることによってプラスチック片の選別が行われている。
また最近ではプラスチック原料の融点差を利用した選別手法も一部、取り入れられている。
【0004】
一方、ペットボトルを構成する上記3種類のプラスチック材料は、静電気を帯び易く、くっ付き易いという性質を有している。また使用済みのペットボトルは含水率が高く、ラベルはフィルム状であるため湿気の影響で吸着し易いという性質を有している。
また粉砕プラスチックには粉砕レベルの粗い大きめのものと粉砕レベルの細かい小さめのものとが混在し、ペットボトルに含まれる上記3種類のプラスチック材料の含有量に差があるため嵩高性の違いも生じていた。
従ってこのような粉砕プラスチックの性質等もあって上記3種類の選別手法を組み合わせても粉砕プラスチックから個別の再生プラスチック原料を取り出すことは容易でなく、再生に利用できるレベルまで分離できなかった粉砕プラスチックの残渣物も大量に上り、これらは焼却され熱源として利用される以外に活用の場はなく、その他、埋め立て廃棄されているのが現状であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の粉砕プラスチックの選別手法によると次のような問題があった。
まず、送風を利用した選別手法は、プラスチック片の状態では差が出にくいという問題を有していた。また、粉砕プラスチックを水に浮かべて分離する湿式による選別手法は、粉砕プラスチックの大きさが通常8〜12mm程度の時に適用でき、更に粉砕プラスチックが小さくなると差が出にくいという問題を有していた。
また、比重差を利用した選別手法は静電気を帯び易く、湿気によって吸着し易いというPET、PP、PSの性質からこれらが混在した粉砕プラスチックから個別の再生プラスチック原料を取り出すことは容易ではなかった。
【0006】
一方、プラスチック原料の融点差を利用した選別手法は乾式で行われるため、上述した湿気による吸着の問題は存在しないが、完全なバッチ式となるため処理能力の点で問題があり、更にPET、PP、PSの含有量の差による嵩高性の違いに影響され易く、造粒にばら付きが生じ易いという問題を有していた。
また、造粒されたものと造粒されなかったものの大きさにばら付きがあるため、これらを正確に分離することが困難であるという問題も有していた。
【0007】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、大量の粉砕プラスチックの選別をプラスチック原料の性質、大きさ及び嵩高性の違いに影響されることなく効率的に正確に実行することができる粉砕プラスチックの選別装置及び選別方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による粉砕プラスチックの選別装置は、異なる種類のプラスチック片が粉砕された状態で混在しているものを原料とし、該原料を同一種類ごとのプラスチックに選別して個別の再生プラスチック原料として取り出せるようにする粉砕プラスチックの選別装置において、上記原料に吸引風を作用させる吸気ブロワを備え、吸引される軽量プラスチック片と、吸引されない重量プラスチック片とに大別する風力選別装置と、上記軽量プラスチック片を一定量貯溜し得る計量ドラムと、該計量ドラムの底面に設けられる開閉自在のダンパとを備える定量供給装置と、上記定量供給装置と連通した状態で設けられ、供給された軽量プラスチック片を加熱しながら撹拌し、低融点の軽量プラスチック片の溶融温度付近で急冷することによって低融点の軽量プラスチック片のみを溶融・造粒させる造粒装置と、造粒された低融点の軽量プラスチック片と、造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片とを傾斜姿勢で設けられる振動エアテーブルの振動を利用して分類する比重差選別装置と、を具備していることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2による粉砕プラスチックの選別装置は、請求項1記載の粉砕プラスチックの選別装置において、上記粉砕プラスチックの選別装置には、上記造粒された低融点の軽量プラスチック片と造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片を大きさごとに分類する振動ふるい選別装置が備えられていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項3による粉砕プラスチックの選別装置は、請求項1または2記載の粉砕プラスチックの選別装置において、上記計量ドラムには、ダンパの開閉動作を実行する開閉駆動手段と、上記開閉駆動手段によりダンパが開状態になってからの時間を計測し所定の時間経過後ダンパを閉状態とするタイマと、造粒装置内に投入された軽量プラスチック片のレベルを設定する下限レベルスイッチと、が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項4による粉砕プラスチックの選別装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の粉砕プラスチックの選別装置において、上記計量ドラムにはダンパの回動支点付近に堆積した軽量プラスチック片を吹き飛ばして除去するエア噴射手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項5による粉砕プラスチックの選別装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の粉砕プラスチックの選別装置において、上記異なる種類のプラスチック片は、高融点のポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンと、低融点のポリスチレンを材料とするプラスチック片であり、ポリスチレンの溶融温度を105℃〜120℃に設定することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項6による粉砕プラスチックの選別方法は、異なる種類のプラスチック片が粉砕された状態で混在しているものを原料とし、該原料を同一種類ごとのプラスチックに選別して個別の再生プラスチック原料として取り出せるようにする粉砕プラスチックの選別方法において、上記原料に吸引風を作用させることによって吸引される軽量プラスチック片と、吸引されない重量プラスチック片とに大別する風力選別工程と、上記軽量プラスチック片を一定量ずつ供給し、供給された軽量プラスチック片を加熱しながら撹拌し、低融点の軽量プラスチック片の溶融温度付近で急冷することによって低融点の軽量プラスチック片のみを溶融・造粒させる定量供給・造粒工程と、造粒された低融点の軽量プラスチック片と、造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片とを傾斜姿勢で設けられる振動エアテーブルの振動を利用して分類する比重差選別工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項7による粉砕プラスチックの選別方法は、請求項6記載の粉砕プラスチックの選別方法において、上記定量供給・造粒工程と比重差選別工程との間には、上記造粒された低融点の軽量プラスチック片と造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片を振動ふるいを利用して大きさごとに分類する振動ふるい選別工程が備えられていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項8による粉砕プラスチックの選別方法は、請求項6または7記載の粉砕プラスチックの選別方法において、上記定量供給・造粒工程では、造粒装置内に投入された軽量プラスチック片のレベルを検知後、軽量プラスチック片の撹拌を開始し、上記所定の温度に加熱されたところで水を注入して急冷し、造粒を実行するようにし、この間造粒装置への軽量プラスチック片の供給を継続し、造粒実行後の造粒装置内の軽量プラスチック片を排出後、造粒装置への軽量プラスチック片の供給を再開するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項9による粉砕プラスチックの選別方法は、請求項6〜8のいずれかに記載の粉砕プラスチックの選別方法において、上記異なる種類のプラスチック片は、高融点のポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンと、低融点のポリスチレンを材料とするプラスチック片であり、ポリスチレンの溶融温度を105℃〜120℃に設定することを特徴とするものである。
【0017】
そして上記手段によって以下のような作用が得られる。まず、異なる種類のプラスチック片が混在している原料に対して吸引風を作用させることによって吸引される軽量プラスチック片と、吸引されない重量プラスチック片とに大別する。尚、原料中に混在しているプラスチック片がPET、PP、PSである場合には、軽量プラスチック片にはPSが多く含まれ、PS中にPETが多少含まれた状態になっている。一方、重量プラスチック片にはPETとPPが多く含まれ、これらの中にPSが多少含まれた状態になっている。
【0018】
次に上記軽量プラスチック片を定量供給装置に投入し、一定量の軽量プラスチック片を造粒装置に供給する。定量供給装置に投入された軽量プラスチック片が造粒装置の所定のレベルに達すると、造粒装置の撹拌羽根が回転を開始するようになり、供給された軽量プラスチック片の加熱、撹拌を実行する。一定量の軽量プラスチック片の造粒装置への供給は、まず、ダンパを開き、下限レベルスイッチが反応するとタイマが作動し、タイマのタイムアップと同時にダンパの回動支点付近に堆積した軽量プラスチック片に対してエアを噴射して吹き飛ばし、その後、ダンパを閉じて造粒装置へ所定量の軽量プラスチック片を供給する。撹拌による摩擦熱で加温槽内の温度が上がり、加温槽内の軽量プラスチック片が低融点の軽量プラスチック片の溶融温度付近まで加熱されたところで加温槽内に水を注入して急冷する。上記操作によって低融点の軽量プラスチック片のみが溶融して造粒されるようになる。尚、軽量プラスチック片中にPSが多く含まれ、PS中にPETが多少含まれている状態である時には、PETよりも融点の低いPSのみが造粒される。
【0019】
上記造粒実行後の軽量プラスチック片は加温槽から排出され、次工程に供給される。また同時にダンパが開いて加温槽内に次の軽量プラスチック片が供給されるようになる。
したがって、計量ドラム内には軽量プラスチック片が常に連続供給されているので、計量ドラム内には少量の軽量プラスチック片が一時的に貯溜されている状態で、多量の蓄積によるブリッジを防止し、ほぼ連続的に順次造粒装置に一定量の軽量プラスチック片が供給され、低融点の軽量プラスチック片の造粒と軽量プラスチック片の排出とを繰り返すようになっている。
【0020】
次に造粒された低融点の軽量プラスチック片と、造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片とを比重差選別装置に供給して、傾斜姿勢で設けられる振動エアテーブルの振動を利用して上記造粒された軽量プラスチック片と、造粒されなかった軽量プラスチック片とに分類する。尚、振動エアテーブル内に供給された上記2種類の軽量プラスチック片は比重の重い造粒された低融点の軽量プラスチック片が坂を登るように上方へ移動し、比重の軽い造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片が坂を滑るように下方へ移動する。
【0021】
また上記比重差選別を行う前に造粒実行後の軽量プラスチック片を振動ふるい選別装置にかけることも可能である。この場合には、振動ふるい選別装置に設けられているふるいによって大きさごとに軽量プラスチック片が分類されるようになる。
したがって、大きさが揃った軽量プラスチック片を上記比重差選別装置に供給できるようになり、比重差選別装置の選別の精度が向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の粉砕プラスチックの選別装置によると、原料に対して最初に吸引風を作用させることによって軽量プラスチック片と重量プラスチック片に大別でき、このうち軽量プラスチック片を使用して以降の選別を行うようにしたから、以降に行う造粒及び比重差による選別の精度が向上する。
また、軽量プラスチック片は定量供給装置によって一定量ずつ造粒装置に供給され、計量ドラム内の軽量プラスチック片の量を少量に保った状態で造粒を効率良く実行できるようにしたから、選別し得る軽量プラスチック片の処理量を格段に増大させることができる。
【0023】
また、比重差選別に先立って造粒実行後の軽量プラスチック片を振動ふるい選別装置にかけた場合には、大きさごとに軽量プラスチック片が分類されるようになるから比重差選別装置における選別の精度を向上させることができる。
特に、大量のベットボトルの粉砕プラスチックの選別をプラスチック原料であるPET、PP、PSのそれぞれの性質、大きさ及び嵩高性の違いに影響されることなく効率的に正確に実行できるようになる。
また、本発明の粉砕プラスチックの選別方法によっても、同様の効果が奏され、大量の粉砕プラスチックの選別をプラスチック原料の性質、大きさ及び嵩高性の違いに影響されることなく効率的に正確に実行できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図示の実施の形態を例にとって、本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明の粉砕プラスチックの選別装置における全体構成を示す正面図、図2は同上、平面図、図3は風力選別装置を示す正面図、図4は同上、平面図、図5は同上、側面図、図6は定量供給装置を示す正面図、図7は同上、側面図、図8は同上、開閉駆動手段周辺を拡大して示す正面図、図9は造粒装置を示す側面図、図10は振動ふるい選別装置と比重差選別装置の配置態様を示す平面図、図11は振動ふるい選別装置を示す正面図、図12は同上、側面図、図13は比重差選別装置を示す側面図、図14は風力選別装置から造粒装置に至る配管経路を示す説明図、図15は振動ふるい選別装置から比重差選別装置に至る配管経路と、選別されたプラスチック片の分類経路を併せ示す説明図である。図16は本発明の粉砕プラスチックの選別方法によって選別された粉砕プラスチックの選別の様子を模式的に示す説明図である。図17は粉砕プラスチックの選別装置の作動順序を示すフローチャートである。
【0025】
本発明の粉砕プラスチックの選別装置1は、異なる種類のプラスチック片が粉砕された状態で混在しているものを原料Aとし、該原料Aを同一種類ごとのプラスチックに選別して個別の再生プラスチック原料Bとして取り出せるようにする。
尚、以下の説明では上記異なる種類のプラスチック片としてペットボトルを構成しているPET、PP、PSの3種類のプラスチック片を例にとって説明する。また原料Aとしては図16に示すように図示しない粉砕機等によって粉砕された粗めの原料A1、細かな原料A2、あるいは他の選別装置等によって選別できなかった残渣物が含まれる。
【0026】
本実施の形態による粉砕プラスチックの選別装置1は、風力選別装置3と、定量供給装置5と、造粒装置7と、振動ふるい選別装置9と、比重差選別装置11と、を備えることによって構成されている。
風力選別装置3は原料Aに対して吸引風Cを作用させる吸気ブロワ13と、吸引された軽量プラスチック片Dが通る搬送部15と、吸引されず自重によって落下する重量プラスチック片Eが通る排出部17とを備えている。また排出部17の側面には吸込み口19が設けられており、搬送部15と吸気ブロワ13は中継ダクト21によって接続されている。また中継ダクト21と搬送部15との間には図示しないプレダスターサイクロンが設けられていて、吸引された軽量プラスチック片Dの中継ダクト21側への進入を防止している。
【0027】
そして本実施の形態では軽量プラスチック片DとしてPSが多く含まれ、PS中にPETが多少混在したプラスチック片が取り出される。また、重量プラスチック片EとしてPET、PPが多く含まれ、これらの中にPSが多少混在したプラスチック片が取り出される。
尚、重量プラスチック片EについてはほとんどがPETであり、PPとPSは僅かに含まれているだけであるから、そのままPETの再生プラスチック原料Bとして再利用されるか、更に選別し、よりPETの純度を高めた再生プラスチック原料Bとして再利用される。
一方、軽量プラスチック片Dは、次に述べる定量供給装置5に連続投入される。
【0028】
定量供給装置5は、投入される軽量プラスチック片Dを一定量貯溜し得る計量ドラム23と、該計量ドラム23の底面に設けられる開閉自在のダンパ25とを備えている。
計量ドラム23は上面がサイクロン24と接続された閉塞面で構成され下面が開放された円筒状の部材で、計量ドラム23の下部の周胴部には計量ドラム23内から造粒装置7における加温槽45内に投入された軽量プラスチック片Dのレベルを設定する下限レベルスイッチ27が設けられている。
また、計量ドラム23の上部の周胴部には計量ドラム23内に投入された軽量プラスチック片Dの上限レベルを設定する上限レベルスイッチ29が設けられている。
【0029】
下限レベルスイッチ27と上限レベルスイッチ29は先端に回転羽根が付いたトルク式のレベルセンサによって構成されており、軽量プラスチック片Dが上方から落下して流れている状態で回り続ける状態でOFF状態、軽量プラスチック片Dが溜まって回転羽根に負荷がかかった状態でON状態になるように設定されている。
尚、下限レベルの位置は計量ドラム23の下端付近に設定されており、下限レベルまで軽量プラスチック片Dが溜まると、約30kgの重量になり、その後、タイマにより所定時間(200〜240秒で任意に設定可能)に約10kg追加されて、合計約40kgの重量となる。また、上限レベルまで軽量プラスチック片Dが溜まると、軽量プラスチック片Dが計量ドラム23内に詰まりブリッジが生ずるので、これを超えない範囲を保って造粒装置7への連続的に定量供給が実行されるようになっている。
【0030】
また、計量ドラム23の正面側の周胴部にはダンパ25の開閉動作を実行する開閉駆動手段31が設けられている。開閉駆動手段31は下向きに取り付けられているエアシリンダ33と、エアシリンダ33から出没するシリンダロッド35と、シリンダロッド35の直線運動をダンパ25の回転運動に変換するリンク機構37とを備えることによって構成されている。
尚、リンク機構37はシリンダロッド35の先端部に固定状態で取り付けられている固定リンク39と、一端が回転自在に上記固定リンク39に接続され、下方に向けて延びている第1可動リンク41と、一端が上記第1可動リンク41の他端に回転自在に接続され、他端がダンパ25の回動支点Oに接続されてダンパ25とともに回動する第2可動リンク43とによって構成されている。
【0031】
計量ドラム23には、この他、上記下限レベルスイッチ27が反応してからの時間を計測する図示しないタイマT1と、次に述べる造粒装置7における加温槽45内に急冷用の水Wを供給する水供給タンク47と、水Wの注入口となるノズル49とが設けられている。
また、水Wを供給することによって発生した蒸気Sを外部に排出するための蒸気排気装置51が接続されている。
また、ダンパ25は半円板形状をした2枚の翼片によって構成されており、水平に開いた状態で計量ドラム23の底面を閉塞し、下方に折り畳まれた状態で計量ドラム23の底面を拡開するようになっている。
【0032】
また、計量ドラム23には上記ダンパ25の回動支点O付近に堆積した軽量プラスチック片Dを吹き飛ばして除去するエア噴射手段115が設けられている。エア噴射手段115は計量ドラム23の一方の側面側の周胴部に設置されているエアタンク117と、エアタンク117から供給された圧縮空気を2方向に分配すると共に、圧縮空気の供給と供給の停止を抑制する電磁弁119と、電磁弁119を介してエアタンク117から供給された圧縮空気を計量ドラム23内に導く導入パイプ121と、該導入パイプ121に対して下方を指向するように一例として4個設けられているノズル123とを備えることによって構成されている。
【0033】
造粒装置7は、上記計量ドラム23と連通するように計量ドラム23の下方に設けられる加温槽45と、該加温槽45内の軽量プラスチック片Dを撹拌する撹拌羽根53と、該撹拌羽根53を回転させるための回転駆動機構55と、造粒実行後の軽量プラスチック片Dを排出するための排出口57と、該排出口57を開閉するシャッター板59とシャッター板59を動作させる動作手段61とを備えている。また上記水供給タンク47、ノズル49及び蒸気排気装置51も造粒装置7を構成する構成部材の一部になっている。
【0034】
加温槽45は二槽構造になっており、これらの間に形成されている空間には常時、100℃〜120℃に温められたオイルが循環するようになっている。
また、該加温槽45には温度センサ113が取り付けられている。また、上記温度センサ113が反応してからの時間を計測する図示しないタイマT2が設けられている。
また、上記排出口57を開閉するシャッター板59を動作させる動作手段61には、上記動作手段61が開動作してからの時間を計測する図示しないタイマT3が設けられている。
撹拌羽根53は平面方向と鉛直方向に幾分湾曲し、180°位相を異ならせて配置されている2枚の羽根を有しており、同様の構成の撹拌羽根53が90°位相を異ならせて上下2枚設けられている。またこれら2枚の撹拌羽根53は加温槽45の底面を貫く、回転軸63の上部に取り付けられている。
また、回転駆動機構55は駆動モータ65と、駆動モータ65の出力軸と、上記回転軸63との間に設けられる駆動伝達機構67とによって構成されている。
【0035】
振動ふるい選別装置9は、機枠69の上部に設けられるホッパー71と、傾斜姿勢で設けられる振動トラフ73と、振動トラフ73内において、上下二段に設けられている2枚のふるい75、77と、上記振動トラフ73を振動させるための起振装置79と、上記2枚のふるい75、77によってふるい分けされる粒径ないし大きさの違う3種類の軽量プラスチック片Dを袋体81に収容、ないし次に述べる比重差選別装置11に供給するための3種類の排出シュート83、85、87を備えることによって構成されている。
【0036】
尚、ふるい75、77は矩形平板状のパンチングメタルによって一例として形成されており、上段に配置されるふるい75は粗目用で直径4〜5mm例えば4.5mmの図示しない穴が多数形成されている。一方、下段に配置されるふるい77は細目用で直径1〜3mm例えば2.9mmの図示しない穴が多数形成されている。勿論、ふるい75、77は矩形平板状のパンチングメタルに代えて網(メッシュ)状のものを使用しても良い。
これに伴い、上段に配置されている粗目用の排出シュート83には、粒径ないし大きさが4.5mmより大きな軽量プラスチック片Dが供給され、中段に配置されている中目用の排出シュート85には、粒径ないし大きさが2.9mmより大きく4.5mm以下の軽量プラスチック片Dが供給され、下段に配置されている細目用の排出シュート87には、粒径ないし大きさが2.9mm以下の軽量プラスチック片Dが供給されるようになっている。
【0037】
比重差選別装置11は、機枠89の上部に設けられるホッパー91と、傾斜姿勢で設けられる振動エアテーブル93と、振動エアテーブル93を振動させるための起振装置95と、振動エアテーブル93の下方に配置される風胴97と、風胴97内に設けられる図示しないファンを駆動するためのファンモータ99と、上記振動エアテーブル93の下流端に接続され、比重の小さな高融点の造粒されなかった軽量プラスチック片Dを排出するための低比重用の排出シュート101と、上記振動エアテーブル93の上流端に接続され、比重の大きな低融点の造粒された軽量プラスチック片Dを排出するための高比重用の排出シュート103とを備えることによって構成されている。
【0038】
尚、上記振動エアテーブル93の底部には軽量プラスチック片Dは通過できないが、上記風胴97から上方に吹き上げられる送風Fが通過できる図示しない通気構造が設けられている。また、ホッパー91の前段には、振動ふるい選別装置9の中目用の排出シュート85から排出される軽量プラスチック片Dを投入する定量供給フィーダー88が設けられ、振動ふるい選別で多少量の変化が生じた軽量プラスチック片Dを定量供給することで、比重差選別を安定させている。
また、上記振動エアテーブル93の上面はフード105によって覆われており、該フード105には上記ホッパー91と、集塵ダクト107と、点検用の点検窓109とが設けられている。集塵ダクト107は集塵機108と接続され、フード105内のエアを吸引して排出し、残留物は袋体81に収容される。
【0039】
次に、このようにして構成される本発明の粉砕プラスチックの選別装置1を使用することによって実行される本発明の粉砕プラスチックの選別方法について説明する。
尚、以下の説明でも上記粉砕プラスチックの選別装置1と同様、異なる種類のプラスチック片として主としてペットボトルを構成しているPET、PP、PSの3種類のプラスチック片を例にとって説明する。また選別対象となる原料Aとしては図16に示すように図示しない粉砕機等によって粉砕された粗めの原料A1、細かな原料A2、あるいは他の選別装置等によって選別できなかった残渣物が含まれる。
【0040】
本実施の形態による粉砕プラスチックの選別方法は(1)風力選別工程と、(2)定量供給・造粒工程と、(3)振動ふるい選別工程と、(4)比重差選別工程と、を順次実行することによって構成されている。
(1)風力選別工程(図3〜5、14、16参照)
風力選別工程は原料Aに対して吸引風Cを作用させることによって吸引される軽量プラスチック片Dと、吸引されない重量プラスチック片Eとに大別する工程である。
本工程では上述した風力選別装置3が使用される。風力選別装置3内に投入された原料Aは吸気ブロワ13を駆動することによって形成される吸引風Cの作用によって比重の軽いPSが多く含まれている軽量プラスチック片Dは吸引され、搬送部15を通って次工程の定量供給・造粒工程に供給される。
一方、比重の重いPETが多く含まれている重量プラスチック片Eは自重により下方に落下し、排出部17を通って外部に排出される。
【0041】
(2)定量供給・造粒工程(図6〜9、14、16参照)
定量供給・造粒工程は上記風力選別工程によって大別されたPSが多く含まれている軽量プラスチック片Dを一定量ずつ供給し、供給された軽量プラスチック片Dを所定の温度に加熱しながら撹拌し、その後急冷することによって低融点の軽量プラスチック片Dを溶融後、造粒させる工程である。
本工程では上述した定量供給装置5と造粒装置7とが使用され、その作用を図17のフローチャートに示す。まず、スタートして、ダンパ25を開状態とする。前工程から空気圧送により供給された軽量プラスチック片Dは計量ドラム23内に連続投入され、ダンパ25が開状態の計量ドラム23の開放された下面を通って下方に位置する造粒装置7の加温槽45内に供給される。
【0042】
軽量プラスチック片Dの供給が進み、軽量プラスチック片Dが計量ドラム23の下限レベルに達すると、下限レベルスイッチ27が反応し、回転駆動機構55が駆動を開始し、回転軸63の上部に取り付けられている2枚の撹拌羽根53、53が回転するようになる。
尚、加温槽45内の軽量プラスチック片Dは加温槽45からの熱と撹拌羽根53を回転させることによって発生する摩擦熱によって約114℃になるまで加熱される。
また下限レベルスイッチ27が反応すると同時にタイマT1が作動するようになり、約200秒(前述のように200〜240秒で任意に設定可能)後、エアシリンダ33のシリンダロッド35を伸張させてダンパ25を閉じ、加温槽45への軽量プラスチック片Dの供給を一時停止する。加温槽45内の軽量プラスチック片Dの投入量は約40kgに設定される。尚、ダンパ25が閉状態になっても、軽量プラスチック片Dは上限レベルスイッチ29が反応するまで連続して投入されている。
【0043】
また、タイマT1のタイムアップと同時に、エアタンク117から圧縮空気が電磁弁119及び導入パイプ121を通ってノズル123に供給され、ダンパ25の回動支点O付近に堆積している軽量プラスチック片Dに向けてエア噴射される。これに伴ってダンパ25の回動支点O付近に堆積していた軽量プラスチック片Dは吹き飛ばされて下方に落下し、ダンパ25は回動支点O付近での軽量プラスチック片Dの挟み込みが防止された状態で閉動作に移行するようになっている。
【0044】
そして加温槽45内の温度が上がり、温度センサ113によって加温槽45内の軽量プラスチック片Dが約114℃に加熱されたことが確認されると加温槽45内に一例として5〜10リットルの水を注入し、加温槽45内の温度を急冷する。上記操作によって低融点のPSが溶融されて半ゲル化され、急冷されることによって固化して造粒されるようになる。
また同時に図示しないタイマT2がオン状態となり、所定時間経過後、タイマT2がオフ状態となった時、造粒実行後の軽量プラスチック片Dは動作手段61を所定の方向に動作させてシャッター板59を開状態にすることによって排出口57から外部に排出され、垂直コンベヤ111によって上方に搬送されて次工程の振動ふるい選別工程に導かれる。
【0045】
またシャッター板59を開状態とすると同時に、図示しないタイマT3がオン状態となり、所定時間経過後、タイマT3がオフ状態となった時、動作手段61を逆方向に動作させてシャッター板59を閉状態とする。通常は、この閉状態を検出してダンパ25に開の信号を出力し、加温槽45内に次の軽量プラスチック片Dが供給されるようになる。
したがって、計量ドラム23内には上記造粒工程中も連続供給された少量の軽量プラスチック片Dが一時的に貯溜されている状態で、一度に多量の軽量プラスチック片Dが蓄積されることによって生じるブリッジが防止され、ほぼ連続的に順次加温槽45内に一定量の軽量プラスチック片Dが供給され、低融点の軽量プラスチック片Dの造粒と軽量プラスチック片Dの排出とを繰り返すようになっている。
尚、計量ドラム23内の軽量プラスチック片Dの量が不用意に増加し、上限レベルに達すると、上限レベルスイッチ29がON状態になり、計量ドラム23内への軽量プラスチック片Dの投入を停止するようになっている。
【0046】
(3)振動ふるい選別工程(図10〜12、15、16参照)
振動ふるい選別工程は上記定量供給・造粒工程によって造粒された低融点の軽量プラスチック片DであるPSと、造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片DであるPETとを振動ふるいを利用して大きさごとに分類する工程である。
本工程では上述した振動ふるい選別装置9が使用される。すなわち、垂直コンベヤ111によって上方に搬送された軽量プラスチック片Dはホッパー71内に投入され、起振装置79によって振動する振動トラフ73内に供給される。
【0047】
振動トラフ73内に供給された軽量プラスチック片Dは粗目用のふるい75と細目用のふるい77とによってふるい分けされ、一例として4.5mmを超える粒径ないし大きさの軽量プラスチック片Dは粗目用の排出シュート83を通って袋体81内に一時、貯溜される。
また、一例として2.9mmを超え、4.5mm以下の粒径ないし大きさの軽量プラスチック片Dは中目用の排出シュート85を通って次工程の比重差選別工程に直接、供給される。そして2.9mm以下の粒径ないし大きさの軽量プラスチック片Dは細目用の排出シュート87を通って別の袋体81内に貯溜される。また、選別を行わないもの(原料になり得ないもの)は別途粗目用の排出シュート83と同じ袋体81内に貯溜される。
【0048】
(4)比重差選別工程(図13、15、16参照)
比重差選別工程は、造粒された低融点の軽量プラスチック片Dと、造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片Dとを傾斜姿勢で設けられる振動エアテーブル93の振動を利用して分類する工程である。
本工程では上述した比重差選別装置11が使用される。中目用の排出シュート85を通って排出された2.9mmを超え、4.5mm以下の粒径ないし大きさの軽量プラスチック片Dは定量供給フィーダー88を通過し、比重差選別装置11におけるホッパー91内に定量供給される。
そしてホッパー91内に投入された上記軽量プラスチック片Dは下方の振動エアテーブル93内に落下し、風胴97からの送風Fによって幾分浮き上げられ、更に起振装置95からの振動によって以下のように移動する。
【0049】
すなわち、振動エアテーブル93内に供給された上記2種類の軽量プラスチック片Dは比重の重い造粒された低融点のPSが坂を登るように上方へ移動し、比重の軽い造粒されなかった高融点のPETが坂を滑るように下方に移動する。
そしてPSは高比重用の排出シュート103を通って袋体81内に収容され、PETは低比重用の排出シュート101を通って別の袋体81内に収容される。
また、中目用の排出シュート85から取り出された軽量プラスチック片Dは比重差選別終了後、上記振動ふるい選別工程によって袋体81内に一時貯溜されていた粗目用の排出シュート83から取り出された軽量プラスチック片Dを比重差選別装置11のホッパー91内に投入し、同様の手順によって比重差選別を実行してPSとPETに選別する。
【0050】
以上、本実施の形態によると、次のような効果を奏することができる。
本実施の形態に係る粉砕プラスチックの選別装置1によると、原料Aに対して最初に吸引風Cを作用させることによって軽量プラスチック片Dと重量プラスチック片Eに大別でき、このうち軽量プラスチック片Dを使用して以降の選別を行うようにしたから、以降に行う造粒、振動ふるい及び比重差による選別の精度が向上する。
また、軽量プラスチック片Dは定量供給装置5によって一定量ずつ造粒装置7に供給され、計量ドラム23内の軽量プラスチック片Dの量を少量に保った状態で造粒を効率良く実行できるようにしたから、計量ドラム23内で大量の軽量プラスチック片Dが蓄積された結果生じるブリッジを防止することができ、その結果、選別し得る軽量プラスチック片Dの処理量を格段に増大させることができる。
【0051】
また、比重差選別に先立って造粒実行後の軽量プラスチック片Dを振動ふるい選別装置9にかけたことにより、大きさごとに軽量プラスチック片Dが分類されるようになり、比重差選別装置11における選別の精度が向上する。
特に、本発明の粉砕プラスチックの選別装置1によると、大量のペットボトルの粉砕プラスチックの選別をプラスチック原料であるPET、PP、PSのそれぞれの性質、大きさ及び嵩高性の違いに影響されることなく効率的に正確に実行できるようになる。
また、本実施の形態に係る粉砕プラスチックの選別方法によっても同様の効果が奏され、大量の粉砕プラスチックの選別をプラスチック原料であるPET、PP、PSのそれぞれの性質、大きさ及び嵩高性の違いに影響されることなく効率的に正確に実行できるようになる。
【0052】
なお、本発明の粉砕プラスチックの選別装置1と粉砕プラスチックの選別方法は上記の実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での設計変更が可能である。例えば、原料Aの大きさにばら付きがなく、形状が揃っている場合には振動ふるい選別装置9ないし振動ふるい選別工程を省略することが可能である。
また、振動ふるい選別装置9ないし振動ふるい選別工程においてふるい分けされた大きさの違う軽量プラスチック片Dの一部を袋体81に収容するのではなく、一旦、図示しないストックタンク等に一時貯溜しておいて、順次連続的に比重差選別装置11ないし比重差選別工程に供給するようにすることも可能である。
この他、計量ドラム23の下限レベルと上限レベルを設定するセンサは上述したトルク式のセンサに限らず、種々のタイプのセンサが適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、異なる種類のプラスチック片が粉砕され、混在している環境下で、該粉砕プラスチックを同一種類ごとのプラスチックに選別する粉砕プラスチックの選別装置の製造、使用分野等で利用でき、特にペットボトルを対象にした選別、リサイクルの分野で利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態を示す図で、粉砕プラスチックの選別装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す図で、粉砕プラスチックの選別装置の全体構成を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す図で、風力選別装置を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態を示す図で、風力選別装置を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態を示す図で、風力選別装置を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態を示す図で、定量供給装置を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態を示す図で、定量供給装置を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態を示す図で、定量供給装置における回転駆動手段周辺を拡大して示す正面図である。
【図9】本発明の実施の形態を示す図で、造粒装置を示す側面図である。
【図10】本発明の実施の形態を示す図で、振動ふるい選別装置と比重差選別装置の配置態様を示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態を示す図で、振動ふるい選別装置を示す正面図である。
【図12】本発明の実施の形態を示す図で、振動ふるい選別装置を示す側面図である。
【図13】本発明の実施の形態を示す図で、比重差選別装置を示す側面図である。
【図14】本発明の実施の形態を示す図で、風力選別装置から造粒装置に至る配管経路を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態を示す図で、振動ふるい選別装置から比重差選別装置に至る配管経路と選別されたプラスチック片の分類経路を併せ示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態を示す図で、粉砕プラスチックの選別の様子を模式的に示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態を示す図で、粉砕プラスチックの選別装置の作動順序を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 粉砕プラスチックの選別装置
3 風力選別装置
5 定量供給装置
7 造粒装置
9 振動ふるい選別装置
11 比重差選別装置
13 吸気ブロワ
15 搬送部
17 排出部
19 吸込み口
21 中継ダクト
23 計量ドラム
25 ダンパ
27 下限レベルスイッチ
29 上限レベルスイッチ
31 開閉駆動手段
33 エアシリンダ
35 シリンダロッド
37 リンク機構
39 固定リンク
41 第1可動リンク
43 第2可動リンク
45 加温槽
47 水供給タンク
49 ノズル
51 蒸気排気装置
53 撹拌羽根
55 回転駆動機構
57 排出口
59 シャッター板
61 動作手段
63 回転軸
65 駆動モータ
67 駆動伝達機構
69 機枠
71 ホッパー
73 振動トラフ
75 ふるい(粗目用)
77 ふるい(細目用)
79 起振装置
81 袋体
83 排出シュート(粗目用)
85 排出シュート(中目用)
87 排出シュート(細目用)
89 機枠
91 ホッパー
93 振動エアテーブル
95 起振装置
97 風胴
99 ファンモータ
101 排出シュート(低比重用)
103 排出シュート(高比重用)
105 フード
107 集塵ダクト
109 点検窓
111 垂直コンベヤ
113 温度センサ
115 エア噴射手段
117 エアタンク
119 電磁弁
121 導入パイプ
123 ノズル
A 原料
A1 粗めの原料
A2 細かな原料
B 再生プラスチック原料
C 吸引風
D 軽量プラスチック片
E 重量プラスチック片
F 送風
O 回動支点
W 水
S 蒸気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる種類のプラスチック片が粉砕された状態で混在しているものを原料とし、該原料を同一種類ごとのプラスチックに選別して個別の再生プラスチック原料として取り出せるようにする粉砕プラスチックの選別装置において、
上記原料に吸引風を作用させる吸気ブロワを備え、吸引される軽量プラスチック片と、吸引されない重量プラスチック片とに大別する風力選別装置と、
上記軽量プラスチック片を一定量貯溜し得る計量ドラムと、該計量ドラムの底面に設けられる開閉自在のダンパとを備える定量供給装置と、
上記定量供給装置と連通した状態で設けられ、供給された軽量プラスチック片を加熱しながら撹拌し、低融点の軽量プラスチック片の溶融温度付近で急冷することによって低融点の軽量プラスチック片のみを溶融・造粒させる造粒装置と、
造粒された低融点の軽量プラスチック片と、造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片とを傾斜姿勢で設けられる振動エアテーブルの振動を利用して分類する比重差選別装置と、
を具備していることを特徴とする粉砕プラスチックの選別装置。
【請求項2】
上記粉砕プラスチックの選別装置には、上記造粒された低融点の軽量プラスチック片と造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片を大きさごとに分類する振動ふるい選別装置が備えられていることを特徴とする請求項1記載の粉砕プラスチックの選別装置。
【請求項3】
上記計量ドラムには、ダンパの開閉動作を実行する開閉駆動手段と、上記開閉駆動手段によりダンパが開状態になってからの時間を計測し所定の時間経過後ダンパを閉状態とするタイマと、造粒装置内に投入された軽量プラスチック片のレベルを設定する下限レベルスイッチと、が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の粉砕プラスチックの選別装置。
【請求項4】
上記計量ドラムにはダンパの回動支点付近に堆積した軽量プラスチック片を吹き飛ばして除去するエア噴射手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉砕プラスチックの選別装置。
【請求項5】
上記異なる種類のプラスチック片は、高融点のポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンと、低融点のポリスチレンを材料とするプラスチック片であり、ポリスチレンの溶融温度を105℃〜120℃に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粉砕プラスチックの選別装置。
【請求項6】
異なる種類のプラスチック片が粉砕された状態で混在しているものを原料とし、該原料を同一種類ごとのプラスチックに選別して個別の再生プラスチック原料として取り出せるようにする粉砕プラスチックの選別方法において、
上記原料に吸引風を作用させることによって吸引される軽量プラスチック片と、吸引されない重量プラスチック片とに大別する風力選別工程と、
上記軽量プラスチック片を一定量ずつ供給し、供給された軽量プラスチック片を加熱しながら撹拌し、低融点の軽量プラスチック片の溶融温度付近で急冷することによって低融点の軽量プラスチック片のみを溶融・造粒させる定量供給・造粒工程と、
造粒された低融点の軽量プラスチック片と、造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片とを傾斜姿勢で設けられる振動エアテーブルの振動を利用して分類する比重差選別工程と、を備えていることを特徴とする粉砕プラスチックの選別方法。
【請求項7】
上記定量供給・造粒工程と比重差選別工程との間には、上記造粒された低融点の軽量プラスチック片と造粒されなかった高融点の軽量プラスチック片を振動ふるいを利用して大きさごとに分類する振動ふるい選別工程が備えられていることを特徴とする請求項6記載の粉砕プラスチックの選別方法。
【請求項8】
上記定量供給・造粒工程では、造粒装置内に投入された軽量プラスチック片のレベルを検知後、軽量プラスチック片の撹拌を開始し、上記所定の温度に加熱されたところで水を注入して急冷し、造粒を実行するようにし、この間造粒装置への軽量プラスチック片の供給を継続し、造粒実行後の造粒装置内の軽量プラスチック片を排出後、造粒装置への軽量プラスチック片の供給を再開するようにしたことを特徴とする請求項6または7記載の粉砕プラスチックの選別方法。
【請求項9】
上記異なる種類のプラスチック片は、高融点のポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンと、低融点のポリスチレンを材料とするプラスチック片であり、ポリスチレンの溶融温度を105℃〜120℃に設定することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の粉砕プラスチックの選別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−284789(P2008−284789A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132267(P2007−132267)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(507162603)株式会社リサイクル・ワン (1)
【Fターム(参考)】