説明

粉砕装置および粉砕方法

【課題】一対のローラで樹脂組成物を粉砕したときに、その粉砕された樹脂組成物が各ローラの外周面に付着して残留するのを確実に防止することができる粉砕装置および粉砕方法を提供すること。
【解決手段】粉砕装置1は、並べて設置されたローラ4a、4bを有し、ローラ4aとローラ4bの間で硬質の樹脂組成物であるシート材Q1を押し潰して粉砕する粉砕機構2と、粉砕されているシート材Q1およびその粉砕で成形された粉体Q2を冷却する冷却手段3とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉砕装置および粉砕方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂製の封止材により半導体チップ(半導体素子)を被覆(封止)してなる半導体パッケージが知られている。半導体パッケージの封止材は、樹脂組成物を、例えば、トランスファー成形等により成形したものである。この樹脂組成物を製造する過程では、複数の材料を混練して硬化し、その硬化した混練物を粉砕機で粉砕することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の粉砕機は、前記混練物が投入されるハウジング(容器)と、ハウジング内に回転可能に支持され、前記混練物を粉砕する回転刃と、粉砕物の粒度を調整するスクリーンとを備えている。このような構成の粉砕機で前記混練物を粉砕すると、当該粉砕物は、粉砕されている最中に、例えば回転刃との摩擦等により加熱されてしまい、再度粘性を帯びることとなる。このため、粉砕された混練物が回転刃に付着して残ってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−189705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、一対のローラで樹脂組成物を粉砕したときに、その粉砕された樹脂組成物が各ローラの外周面に付着して残留するのを確実に防止することができる粉砕装置および粉砕方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記(1)〜(17)の本発明により達成される。
(1) 並べて設置された一対のローラを有し、該一対のローラの間で硬質の樹脂組成物を押し潰して粉砕する粉砕機構と、
前記粉砕されている樹脂組成物を冷却する冷却手段とを備えることを特徴とする粉砕装置。
【0007】
(2) 前記各ローラは、それぞれ、中空部を有する円筒状をなすものであり、
前記冷却手段は、前記各ローラの中空部にそれぞれ冷媒を供給するよう構成されている上記(1)に記載の粉砕装置。
【0008】
(3) 前記冷媒は、前記各ローラの中空部をその長手方向に沿って流れるものであり、
前記冷却手段は、前記各ローラの中空部にそれぞれ挿入され、前記冷媒の流れを促進する促進部材を有する上記(2)に記載の粉砕装置。
【0009】
(4) 前記冷媒の温度は、15℃以下である上記(2)または(3)に記載の粉砕装置。
【0010】
(5) 前記冷却手段は、前記樹脂組成物が粉砕されている間、該樹脂組成物を前記一対のローラごと格納し、冷気が供給されるチャンバを有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0011】
(6) 前記チャンバには、前記冷気が供給され、前記一対のローラを介して互いに対向配置された少なくとも2つの供給口が設けられている上記(5)に記載の粉砕装置。
【0012】
(7) 前記冷気の温度は、15℃以下である上記(5)または(6)に記載の冷却装置。
【0013】
(8) 前記各ローラは、それぞれ、その少なくとも外周面がセラミックスで構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0014】
(9) 前記各ローラは、それぞれ、円柱状または円筒状をなし、金属材料で構成された芯部と、該芯部の外周部に設けられ、前記セラミックスで構成された外層とを有する上記(8)に記載の粉砕装置。
【0015】
(10) 前記粉砕機構は、前記一対のローラ同士の軸間距離が可変に構成されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0016】
(11) 前記一対のローラのうちの一方のローラは、その軸に対し直交する方向に移動するのが規制されており、他方のローラは、その軸に対し直交する方向に移動するのが可能であり、
前記粉砕機構は、前記他方のローラを前記一方のローラに向かって付勢する付勢部と、
該付勢部の付勢力に抗して前記他方のローラの前記一方のローラへの移動限界を規制する規制部とを有する上記(10)に記載の粉砕装置。
【0017】
(12) 前記各ローラは、それぞれ、その外径が長手方向に沿って異なる外径変化部を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0018】
(13) 前記外径変化部は、その外径が前記ローラの長手方向の中央部から端部に向かって漸増した部分である上記(12)に記載の粉砕装置。
【0019】
(14) 前記外径変化部は、その外径が前記ローラの長手方向の中央部から端部に向かって漸減した部分である上記(12)に記載の粉砕装置。
【0020】
(15) 当該粉砕装置で粉砕される直前の前記樹脂組成物は、シート状に成形されたものである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0021】
(16) 前記樹脂組成物は、ICパッケージの外装部を構成するモールド部となるものである上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の粉砕装置。
【0022】
(17) 並べて設置された一対のローラ間で硬質の樹脂組成物を押し潰して粉砕しつつ、冷却することを特徴とする粉砕方法。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、樹脂組成物が冷却されて、例えば各ローラの外周面との間の摩擦等で熱を帯びるのを防止することができる。例えば樹脂組成物が混練物を冷却固化したものである場合、当該樹脂組成物は、前記摩擦で再度粘性を帯びそうになるが、冷却されるため粘性が抑制される。これにより、ローラ間で粉砕された樹脂組成物が、当該各ローラの外周面に付着して残留するのを確実に防止することができる。
【0024】
また、各ローラの少なくとも外周面がセラミックスで構成されている場合には、樹脂組成物を粉砕する過程で、樹脂組成物と各ローラの外周面との間で摩擦が生じ、外周面が磨耗して一部が削れたとしても、その削れたものは、当然にセラミックスである。これに対し、例えば各ローラの外周面が金属材料で構成されている場合には、樹脂組成物を粉砕する過程で、前述したような磨耗により、当該外周面から金属粉末が生じ、その金属粉末が混入した粉体が得られてしまう。しかしながら、本発明では、このような金属粉末が粉体に混入するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】樹脂組成物の製造工程を示す図である。
【図2】本発明の粉砕装置の断面図である。
【図3】図2に示す粉砕装置のローラの部分縦断面図である。
【図4】本発明の粉砕装置の第2実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の粉砕装置(第3実施形態)のローラの平面図(部分断面図)である。
【図6】本発明の粉砕装置(第4実施形態)のローラの平面図(部分断面図)である。
【図7】樹脂組成物を用いたICパッケージの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の粉砕装置および粉砕方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図1は、樹脂組成物の製造工程を示す図、図2は、本発明の粉砕装置の断面図、図3は、図2に示す粉砕装置のローラの部分縦断面図、図7は、樹脂組成物を用いたICパッケージの部分断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図2、図7中(図4についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図3中の左側を「左」、右側を「右」と言う。
【0028】
図2に示す本発明の粉砕装置1は、最終的に成形体となる樹脂組成物を製造する際の粉砕工程で使用される装置である。この粉砕装置1の説明に先立って、まずは、原材料から樹脂組成物を製造するまでの製造工程の全体を説明する。
【0029】
まず、樹脂組成物の原材料である各材料を用意する。
原材料は、樹脂と、硬化剤と、充填材(微粒子)とを有し、さらに必要に応じて、硬化促進剤と、カップリング剤等を有している。樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。
【0030】
エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型、ビフェニール型、ジシクロペンタジエン型、トリフェノールメタン型、多芳香族環型等が挙げられる。
【0031】
硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック型、フェノールアラルキル型、トリフェノールメタン型、多芳香族環型等が挙げられる。
【0032】
充填材としては、例えば、溶融シリカ(破砕状、球状)、結晶シリカ、アルミナ等が挙げられる。
【0033】
硬化促進剤としては、例えば、リン化合物、アミン化合物等が挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、シラン化合物等が挙げられる。
【0034】
なお、原材料は、前記材料のうち所定の材料が省略されていてもよく、また、前記以外の材料を含んでいてもよい。他の材料としては、例えば、着色剤、離型剤、低応力剤、難燃剤等が挙げられる。
【0035】
難燃剤としては、例えば、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、ノンハロ・ノンアンチモン系等が挙げられる。ノンハロ・ノンアンチモン系の難燃剤としては、例えば、有機燐、金属水和物、窒素含有樹脂等が挙げられる。
【0036】
(微粉砕)
図1に示すように、原材料のうちの所定の材料については、まず、連続式回転ボールミル等の粉砕装置により、所定の粒度分布となるように粉砕(微粉砕)する。この粉砕する原材料としては、例えば、樹脂、硬化剤、促進剤等の充填材以外の原材料であるが、充填材の一部を加えることもできる。
【0037】
(表面処理)
原材料のうちの所定の材料、例えば、充填材の全部または一部(残部)については、表面処理を施すことができる。この表面処理としては、例えば、充填材の表面にカップリング剤等を付着させる。なお、前記微粉砕と表面処理とは、同時に行ってもよく、また、いずれか一方を先に行ってもよい。
【0038】
(混合)
次に、混合装置により、前記各材料を完全に混合する。この混合装置としては、例えば、回転羽根を有する高速混合機等を用いることができる。
【0039】
(混練)
次に、混練装置により、前記混合された材料を混練する。この混練装置としては、例えば、1軸型混練押出機、2軸型混練押出機等の押出混練機やミキシングロール等のロール式混練機を用いることができる。
【0040】
(脱気)
次に、前記混練された材料である混練物(樹脂組成物)に対し脱気を行う。この脱気は、例えば混練装置の前記混練された材料を排出する排出口に接続された真空ポンプによって行うことができる。
【0041】
(シート化)
次に、前記脱気された塊状の混練物を、成形装置でシート状に成形し、シート状の材料(以下「シート材Q1」と言う)を得る。この成形装置としては、例えば、一対のローラを有し、これらのローラ間で混練物を加圧してシート状に成形する装置を用いることができる。
【0042】
(冷却)
次に、冷却装置により、シート材Q1を冷却する。これにより、シート材Q1は、硬質のものとなり、次工程で当該シート材Q1の粉砕を容易かつ確実に行うことができる。なお、この冷却装置としては、例えば、シート材Q1に冷気を吹き付けるよう構成された装置を用いることができる。
【0043】
(粉砕)
次に、粉砕装置1により、シート材Q1を所定の粒度分布となるように粉砕し、粉末状の材料(以下「粉体Q2」と言う)を得る。この粉砕装置1については、後述する。
【0044】
(タブレット化)
次に、成形体製造装置(打錠装置)により、多量の粉体Q2を圧縮成形し、成形体である樹脂組成物を得ることができる。
【0045】
図7に示すように、この樹脂組成物は、例えば、半導体チップ(ICチップ)901の被覆(封止)に用いられ、半導体パッケージ(ICパッケージ)900の外装部を構成するモールド部902となるものである。このモールド部902により、半導体チップ901を絶縁することができる。なお、樹脂組成物で半導体チップ901を被覆するには、樹脂組成物を、例えばトランスファー成形等により成形し、封止材として半導体チップ901を被覆する方法が挙げられる。図7に示す構成の半導体パッケージ900は、複数のリードフレーム903がモールド部902から突出しており、各リードフレーム903がそれぞれ、例えば金等のような導電性を有する金属材料で構成されたワイヤ904を介して、半導体チップ901と電気的に接続されたものとなっている。
【0046】
なお、前記タブレット化の工程を省略し、粉体Q2を、成形体である樹脂組成物としてもよい。この場合は、例えば、圧縮成形、射出成形等により、封止材を成形することができる。
【0047】
次に、粉砕装置1について説明する。
図2に示す粉砕装置1は、本発明の粉砕方法を実行する、すなわち、シート材Q1を押し潰して粉砕しつつ、冷却する装置である。
【0048】
粉砕装置1は、シート材Q1を粉砕する粉砕機構2と、粉砕機構2で粉砕されているシート材Q1(粉体Q2)を冷却する冷却手段(冷却機構)3とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0049】
粉砕機構2は、水平方向に平行に並べて設置されたローラ4a、4bを有している。粉砕装置1では、ローラ4aとローラ4bとの間でシート材Q1を押し潰して粉砕することができる。このように粉砕機構2は、ローラ4aとローラ4bとの間でシート材Q1を粉砕するものとなっており、例えばマスコロイダと異なる構成のものである。なお、粉砕機構2では、シート材Q1を粉砕して成形せれた粉体Q2の粒度分布は、粒径が0.2mm以下のものが20%以上、0.2〜2.4mmのものが50〜80%、2.4mm以上のものが10%以下となる。また、粉砕されるシート材Q1の厚さは、5mm以下であるのが好ましく、0.5〜3mmであるのがより好ましい。これにより、シート材Q1は、粉砕し易く、冷却し易いものとなる。また、粉砕能力を上げるために複数回本粉砕装置による粉砕を行ってもよい。
【0050】
ローラ4aとローラ4bとの構成は、ほぼ同一であるため、以下、ローラ4aについて代表的に説明する。
【0051】
図2、図3に示すように、ローラ4aは、円筒状をなす、すなわち、中空の芯部41と、芯部41の外周面(外周部)411に設けられた外層42とを有している。
【0052】
芯部41の両端部には、それぞれ、その外径が縮径した縮径部412が形成されている(図3参照)。そして、各縮径部412は、それぞれ、軸受け43に挿入されている。また、ローラ4aの一方の端部側には、モータ(図示せず)が接続されている。これにより、ローラ4aは、回転することができる。なお、ローラ4aとは別のモータがローラ4bの一方の端部側にも接続され、ローラ4aとローラ4bとで回転速度を異なるものとしてもよい。
【0053】
なお、芯部41の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼等のような各種金属材料が挙げられる。
【0054】
芯部41の外周面411の縮径部412が形成された部分を除く領域には、外層42が設けられている。外層42は、その外周面421がシート材Q1を押し潰して粉体Q2とするものである。
【0055】
この外層42は、セラミックスで構成されている。セラミックスとしては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、イットリア、リン酸カルシウム等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン、窒化ボロン等の窒化物セラミックス、タングステンカーバイト等の炭化物系セラミックス、あるいは、これらのうちの2以上を任意に組合せた複合セラミックスが挙げられる。この中でも特に、酸化物系セラミックスを含むものであるのが好ましく、アルミナであるのがより好ましい。
【0056】
外層42がこのようなセラミックスで構成されていることにより、シート材Q1を押し潰す際に、シート材Q1と外層42の外周面421との間で摩擦が生じ、外周面421が磨耗して一部が削れたとしても、その削れたものは、当然にセラミックスである。これに対し、例えばローラ4aの外周面が金属製である場合には、シート材Q1を押し潰す際に、前述したような磨耗により、当該外周面から金属粉末が生じ、その金属粉末が混入した粉体Q2が得られてしまう。しかしながら、粉砕装置1では、このような金属粉末が粉体Q2に混入するのを確実に防止することができ、また、前記削れたセラミックスが粉体Q2に混入しても、その粉体Q2は、半導体パッケージ900のモールド部902に使用するのに十分耐え得るものである。また、軸受け43と各縮径部412の表面もセラミックまたは樹脂等で非金属化されていてもよい。
【0057】
特許文献1(特開平11−189705号公報)に記載の粉砕機は、混練物が投入される容器と、混練物を粉砕する回転刃と、粉砕物の粒度を調整するスクリーンとを備えており、これら容器、回転刃およびスクリーンは、例えば、磁性材料であるマルテンサイト系のSUS材等で構成されている。これらの構成部材、とりわけスクリーンは、構造上非金属化することが難しく、かつ、被粉砕物による磨耗の激しい部位である。このため、特許文献1では、金属異物の混入を避けるため、除鉄装置を用いて粉砕後の粉末状の樹脂組成物から磁性粉を除去する工程が必要となっている。これに対し、本発明の粉砕装置1では、特許文献1に記載の粉砕機のような衝撃式粉砕機に必須の構成部材であるスクリーンを用いる必要がないため、粉砕工程にて発生する金属異物の混入をより確実に防ぐことができる。
【0058】
なお、外層42を構成するセラミックス(非金属)を用いた場合、500gfの荷重でのビッカース硬度Hv(JIS Z 2244に規定)は、特に限定されるものではないが、例えば、1300以上であるのが好ましく、1500〜1700であるのがより好ましい。これにより、例えば、外層42が破損するのを確実に防止することができる。
【0059】
図2に示すように、粉砕機構2は、ローラ4a側およびローラ4b側にそれぞれ配置されたスクレーパ44aおよび44bを有している。スクレーパ44aは、ローラ4aの外周面421に粉体Q2が付着して残留した場合、ローラ4aの外周面421に当接して、前記残留した粉体Q2を削ぎ取ることができる。これと同様に、スクレーパ44bも、ローラ4bの外周面421に粉体Q2が付着して残留した場合、ローラ4bの外周面421に当接して、前記残留した粉体Q2を削ぎ取ることができる。
【0060】
図2に示すように、冷却手段3は、液状の冷媒R1を用いて粉体Q2(シート材Q1)を冷却する第1の冷却機構5と、冷気R2を用いて粉体Q2(シート材Q1)を冷却する第2の冷却機構6とを備えている。
【0061】
第1の冷却機構5は、ローラ4a、4bの芯部41の中空部413にそれぞれ冷媒R1を供給する供給源(図示せず)を有している。この供給源としては、例えば、冷媒R1を貯留するタンクと、タンクとローラ4a、4bの芯部41の中空部413とを接続する接続管と、冷媒R1を送液するポンプとで構成することができる。これにより、冷媒R1は、ローラ4a、4bの中空部413をそれぞれ、その左端側から右端側に向かって、すなわち、その長手方向に沿って通過することができる(図3参照)。
【0062】
ところで、前述したように、ローラ4aは、芯部41が金属材料で構成され、外層42がセラミックスで構成されている。金属材料は、セラミックスよりも熱伝導性が高い材料である。これにより、ローラ4aでは、外層42を介して伝わるシート材Q1や粉体Q2の熱を外層42で一旦吸熱して、芯部41を介してその熱をさらに冷媒R1で吸熱することができ、よって、シート材Q1や粉体Q2を確実に冷却することができる。そして、この冷却により、粉体Q2が、例えばローラ4aの外周面421との間の摩擦等で熱を帯びる、または、シート材Q1の状態からの熱を帯びたままとなるのを防止することができる。これにより、粉体Q2の粘性が抑制され、よって、当該粉体Q2がローラ4aの外層42に付着して残留するのを確実に防止することができる。
【0063】
また、ローラ4aの外層42とローラ4bの外層42とは、0.5〜3mmのクリアランスを設けることが好ましく、1〜2mmのクリアランスを設けることがより好ましい。これにより、シート材Q1を粉砕して成形された粉体Q2の粒度分布を所望の範囲とすることができる。また、外層42を構成するセラミックスは、金属材料よりも熱膨張係数が低い材料である。熱膨張係数が低いセラミックスを用いるとともに、クリアランスを上記範囲に設定することにより、ローラ4aの外層42とローラ4bの外層42とが熱膨張して各ロール外径が拡径して接触し破損するのを防止することができ、また上記クリアランスを容易に維持することができる。
【0064】
また、第1の冷却機構5は、ローラ4aの中空部413に挿入された促進部材51aと、ローラ4bの中空部413に挿入された促進部材51bとを有している。促進部材51aと促進部材51bとの構成は、同一であるため、以下、促進部材51aについて代表的に説明する。
【0065】
図3に示すように、促進部材51aは、円柱状をなす本体部52と、本体部52の外周部に突出形成された突部53とを有している。
【0066】
本体部52は、その左端部に、ローラ4aの中空部413に冷媒R1が流入する流入流路54が形成され、右端部に、中空部413を通過した冷媒R1が流出する流出流路55が形成されている。流出流路54および流出流路55は、それぞれ、本体部52を貫通する貫通孔で構成されている。
【0067】
流入流路54は、本体部52の外周部に開口する複数の開口部541を有している。各開口部541を介して、流入流路54と中空部413とが連通する。これにより、冷媒R1が流入流路54からローラ4aの中空部413に流入する。なお、各開口部541は、それぞれ、本体部52の外周部の周方向に沿って等間隔に配置されているのが好ましい。
【0068】
流出流路55は、本体部52の外周部に開口する複数の開口部551を有している。各開口部551を介して、流出流路55と中空部413とが連通する。これにより、冷媒R1が中空部413から流出流路55に流出する。なお、各開口部551は、それぞれ、本体部52の外周部の周方向に沿って等間隔に配置されているのが好ましい。
【0069】
突部53は、流入流路54の開口部541と流出流路55の開口部551との間に配置されている。この突部53は、本体部52の軸を中心とする螺旋状に形成されている。
【0070】
また、促進部材51aは、その左端部側または右端部側がモータ(図示せず)に接続されている。そして、このモータが駆動すると、促進部材51aを含むローラ4a全体がその軸回りに回転することができる。この回転により、冷媒R1は、螺旋状をなす突部53によって滞留すること無く右側へ向かって押圧されることとなり、ローラ4aの中空部413中を迅速かつ確実に通過することができるため、効率的に冷却効果を発揮することができる(図3参照)。このように促進部材51aは、冷媒R1を液圧によって螺旋状に満遍なく通過させて冷却の偏りを無くすことで、冷却効率を促進するものとなっている。これにより、冷媒R1で効率よく、すなわち、迅速に吸熱することができる。
【0071】
なお、促進部材51aの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼等のような各種金属材料や、ポリアミド等のような各種樹脂材料を用いることができる。
【0072】
冷媒R1の温度は、特に限定されず、例えば、15℃以下であるのが好ましく、−5〜5℃であるのがより好ましい。シート材Q1のローラ4aとローラ4bとの間を通過する直前の温度が例えば10℃以下であった場合、このような数値範囲とすることにより、シート材Q1を過不足なく冷却して粉砕することができ、ローラ4a、4bの外周面421にそれぞれ付着することなしに、その冷却されたままの状態の粉体Q2を得ることができる。これにより、前記粉体Q2のローラ4a(ローラ4bについても同様)の外層42への残留を確実に防止することができる。
【0073】
また、冷媒R1としては、特に限定されないが、例えば、水、油、無機系ブライン液、有機系ブライン液等が挙げられる
図2に示すように、第2の冷却機構6は、チャンバ61と、チャンバ61内に冷気R2を供給する供給源(図示せず)とを有している。
【0074】
チャンバ61は、シート材Q1が粉砕されている間、このシート材Q1と粉体Q2とをローラ4a、4bごと格納することができるものである。このチャンバ61は、本体部62と、本体部62の上部に設けられた導入口63と、本体部62の下部に設けられた排出口64とを有している。
【0075】
本体部62は、ローラ4a、4bを配置可能な程度の大きさの箱状をなす部分である。本体部62の側壁621には、前記供給源からの冷気R2が供給される2つの供給口622a、622bが設けられている。供給口622a、622bを介して供給された冷気R2により、チャンバ61が満たされ、よって、冷却雰囲気を維持することができる。そして、この冷気R2による冷却と、冷媒R1による冷却とが相まって、前記粉体Q2のローラ4aおよび4bの外層42への残留をさらに確実に防止することができる。
【0076】
また、供給口622aと供給口622bとは、水平方向かつローラ4a、4bと直交する方向に、ローラ4a、4bを介して互いに対向する位置に複数配置されている。このような配置により、供給口622a、622bからそれぞれ冷気R2(冷風)をシート材Q1とローラ4a、4bの外周面421に向けて迅速に直接吹き付けることができる。シート材Q1に冷気R2(冷風)を直接吹き付けて冷却することにより、シート材Q1は、粉砕されている間冷気R2に触れることとなり、よって、冷却されたまま、粉体Q2に成形される。そして、この冷却された粉体Q2は、ローラ4a、4bの外層42に付着して残留することが防止されたものである。また、同時に、ローラ4a、4bの外周面421に冷気R2(冷風)を直接吹き付けて冷却することにより、外層42(セラミック)の熱伝導性が芯部41(金属)より低いことに起因する第1の冷却機構5からの冷却が不充分となるのを補うことができる。
【0077】
また、供給口622aと供給口622bの配置と数は上記に限られるものではなく、シート材Q1のみに向けて冷気R2(冷風)を吹き付ける配置であっても、ローラ4a、4bの外周面421のみに向けて冷気R2(冷風)を吹き付ける配置であっても、特定の対象物に向けることなく、チャンバ61内に冷気R2(冷風)を導入する配置であっても、チャンバ61内に冷気R2を供給できる配置であればよい。これらいずれの配置であっても、ローラ4a、4bの外周面421に付着することなく冷却されたままの状態の粉体Q2を得るための効果を向上させることができる。
【0078】
導入口63は、シート材Q1が導入される部分である。この導入口63は、筒状をなしている。
【0079】
また、排出口64は、粉体Q2が排出される部分である。この排出口64も、導入口63と同様に、筒状をなしている。
【0080】
また、チャンバ61は、図2に示す構成では、複数の板部材を適宜組み合わせて構成されたものである。なお、各板部材は、それぞれ、断熱材で覆われているかまたは断熱材が埋設されているのが好ましい。
【0081】
また、粉砕されるシート材Q1および粉砕後の粉体Q2が接触する可能性がある、導入口63、排出口64およびチャンバ61の内壁の少なくとも表面は、非金属、例えばセラミックや樹脂等で構成されていることが好ましい。これらの内壁の少なくとも表面が非金属で構成されることにより、内壁が磨耗して一部が削れ、粉体Q2に混入したとしても、その粉体Q2は、半導体パッケージ900のモールド部902に使用するのに十分耐え得るものである。
【0082】
冷気R2を供給する供給源としては、冷気R2を送り出すポンプと、ポンプと本体部62の供給口622a、622bとを接続する接続管とで構成することができる。
【0083】
冷気R2の温度は、特に限定されず、例えば、15℃以下であるのが好ましく、−5〜5℃であるのがより好ましい。冷気R2の湿度は、特に限定されず、例えば、40%以下であるのが好ましく、0〜20%であるのがより好ましい。このような数値範囲により、露点より低い条件下でシート材Q1や粉体Q2を冷却することができ、よって、これらに結露が生じるのを防止することができる。
【0084】
冷気R2としては、特に限定されず、例えば、空気や二酸化炭素、または、窒素のような不活性ガス等が挙げられるが、安全面から空気が好ましい。
【0085】
<第2実施形態>
図4は、本発明の粉砕装置の第2実施形態を示す断面図である。
【0086】
以下、この図を参照して本発明の粉砕装置および粉砕方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、粉砕機構の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0087】
図4に示す粉砕機構2Aは、ローラ4aとローラ4bとの軸間距離Pが可変に構成されている。以下、これについて説明する。
【0088】
ローラ4aは、その軸に対し直交する方向、すなわち、水平方向(図4中の左右方向)に移動することができる。一方、ローラ4bは、その軸に対し直交する方向に移動するのが規制されている。
【0089】
また、粉砕機構2Aは、ローラ4aをローラ4bに向かって付勢するコイルバネ(付勢部)47と、ローラ4aのローラ4bへの移動限界を規制するアーム(規制部)48とを有している。
【0090】
コイルバネ47は、一端471がローラ4aを回転可能に支持する軸受け43を収納するハウジング49に当接しており、他端472がアーム48に設けられた固定部材482に当接して、圧縮状態となっている。これにより、ローラ4aをローラ4bに向かって押圧することができ、ローラ4aとローラ4bとの間でシート材Q1を押し潰すことができる。
【0091】
アーム48は、その長手方向に沿って移動可能に、チャンバ61の側壁621に支持されている。このアーム48は、その一端部481が「L」字状に屈曲しており、ハウジング49のコイルバネ47の他端472が当接している部分と反対側の部分に当接している。前述したようにローラ4aがコイルバネ47に付勢されているが、アーム48の一端部481は、コイルバネ47の付勢力に抗して、ローラ4aのローラ4bへの移動限界を規制することができる。これにより、軸間距離Pを変更して、その変更状態を維持することができる。また、固定部材482をスライドさせることでコイルバネ47の圧力を変更することもできる。なお、アーム48、チャンバ61により構成されるクリアランス調整手段と、ハウジング49、コイルバネ47、固定部材482により構成される圧力調整手段とは、異なるローラに(例えば、クリアランス調整手段がローラ4a側に、圧力調整手段がローラ4b側に)設置されていてもよい。この場合、クリアランス調整後は、クリアランス調整手段が設置された側のローラが前後に移動しないようにするため、たとえば、上記アーム48はその一端部481の形状を「U」字状、逆「U」字状又は「口」の字状とすることができる。
【0092】
このような構成の粉砕機構2Aにより、シート材Q1から粉体Q2を成形する際、当該シート材Q1を所望の圧力で粉砕して、粉体Q2の粒径を調整することができる。
【0093】
また、粉砕機構2Aは、冷媒R1の温度を検出して、その検出結果に基づいて、軸間距離Pを変更するよう構成されていてもよい。
【0094】
<第3実施形態>
図5は、本発明の粉砕装置(第3実施形態)のローラの平面図(部分断面図)である。なお、図5中(図6ついても同様)では、ローラの長手方向を短縮し、ローラの径方向を誇張して模式的に図示しており、長手方向と径方向の比率は実際とは異なる。
【0095】
以下、この図を参照して本発明の粉砕装置および粉砕方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0096】
本実施形態は、粉砕機構の各ローラの形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0097】
図5に示す粉砕機構2Bでは、ローラ4a、4bは、それぞれ、外層42に、その外径が長手方向に沿って異なる、すなわち、外径がローラ長手方向の中央部423から各縮径部412側(端部)に向かって漸増した外径変化部45が形成されている。
【0098】
このような構成の粉砕機構2Bでは、シート材Q1を粉砕する際、当該シート材Q1は、ローラ4a、4bの中央部423側に集まり、その集まった部分で粉砕される。このように、シート材Q1は、ローラ4a、4bからはみ出すのが防止され、確実に粉砕される。
【0099】
<第4実施形態>
図6は、本発明の粉砕装置(第4実施形態)のローラの平面図(部分断面図)である。
【0100】
以下、この図を参照して本発明の粉砕装置および粉砕方法の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0101】
本実施形態は、粉砕機構の各ローラの形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0102】
図6に示す粉砕機構2Cでは、ローラ4a、4bは、それぞれ、外層42に、その外径が長手方向に沿って異なる、すなわち、外径がローラ長手方向の中央部423からら各縮径部412側(端部)に向かって漸減した外径変化部46が形成されている。
【0103】
このような構成の粉砕機構2Cでは、シート材Q1に対する圧力は、中央部423付近で最も高く、中央部423から離間するほど低くなる。これにより、シート材Q1を粉砕して成形された粉体Q2は、その粒度分布の構成が前記第1実施形態での粒度分布の構成よりも広いものとなる。このように粒度分布の構成を変更したい場合、例えば、微粉の量を減らし、粗粉の量を増やしたい場合等には、粉砕機構2Cが有効である。
【0104】
以上、本発明の粉砕装置および粉砕方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、粉砕装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0105】
また、本発明の粉砕装置および粉砕方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0106】
また、本発明の粉砕装置の粉砕機構の各ローラは、それぞれ、芯部と外層とを有し、当該外層がセラミックスで構成されたものとなっているが、これに限定されず、ローラ全体がセラミックスで構成されたものとなっていてもよい。
【0107】
また、本発明の粉砕装置の粉砕機構の各ローラは、それぞれ、芯部が円筒状をなすものであるが、これに限定されず、例えば、芯部が円柱状をなすもの、すなわち、芯部が中実体のものであってもよい。
【0108】
また、本発明の粉砕装置の粉砕機構の各ローラは、それぞれ、その外周面に微小な凹凸が形成されていてもよい。これにより、粉体が各ローラの外周面に付着するのを防止することができる。
【0109】
また、本発明の粉砕装置の冷却手段のチャンバ内には、冷気を循環させる循環ファンが設置されてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 粉砕装置
2、2A、2B、2C 粉砕機構
3 冷却手段(冷却機構)
4a、4b ローラ
41 芯部
411 外周面(外周部)
412 縮径部
413 中空部
42 外層
421 外周面
423 中央部
43 軸受け
44a、44b スクレーパ
45、46 外径変化部
47 コイルバネ(付勢部)
471 一端
472 他端
48 アーム(規制部)
481 一端部
482 固定部材
49 ハウジング
5 第1の冷却機構
51a、51b 促進部材
52 本体部
53 突部
54 流入流路
541 開口部
55 流出流路
551 開口部
6 第2の冷却機構
61 チャンバ
62 本体部
621 側壁
622a、622b 供給口
63 導入口
64 排出口
900 半導体パッケージ(ICパッケージ)
901 半導体チップ(ICチップ)
902 モールド部
903 リードフレーム
904 ワイヤ
P 軸間距離
Q1 シート材
Q2 粉体
R1 冷媒
R2 冷気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並べて設置された一対のローラを有し、該一対のローラの間で硬質の樹脂組成物を押し潰して粉砕する粉砕機構と、
前記粉砕されている樹脂組成物を冷却する冷却手段とを備えることを特徴とする粉砕装置。
【請求項2】
前記各ローラは、それぞれ、中空部を有する円筒状をなすものであり、
前記冷却手段は、前記各ローラの中空部にそれぞれ冷媒を供給するよう構成されている請求項1に記載の粉砕装置。
【請求項3】
前記冷媒は、前記各ローラの中空部をその長手方向に沿って流れるものであり、
前記冷却手段は、前記各ローラの中空部にそれぞれ挿入され、前記冷媒の流れを促進する促進部材を有する請求項2に記載の粉砕装置。
【請求項4】
前記冷媒の温度は、15℃以下である請求項2または3に記載の粉砕装置。
【請求項5】
前記冷却手段は、前記樹脂組成物が粉砕されている間、該樹脂組成物を前記一対のローラごと格納し、冷気が供給されるチャンバを有する請求項1ないし4のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項6】
前記チャンバには、前記冷気が供給され、前記一対のローラを介して互いに対向配置された少なくとも2つの供給口が設けられている請求項5に記載の粉砕装置。
【請求項7】
前記冷気の温度は、15℃以下である請求項5または6に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記各ローラは、それぞれ、その少なくとも外周面がセラミックスで構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項9】
前記各ローラは、それぞれ、円柱状または円筒状をなし、金属材料で構成された芯部と、該芯部の外周部に設けられ、前記セラミックスで構成された外層とを有する請求項8に記載の粉砕装置。
【請求項10】
前記粉砕機構は、前記一対のローラ同士の軸間距離が可変に構成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項11】
前記一対のローラのうちの一方のローラは、その軸に対し直交する方向に移動するのが規制されており、他方のローラは、その軸に対し直交する方向に移動するのが可能であり、
前記粉砕機構は、前記他方のローラを前記一方のローラに向かって付勢する付勢部と、
該付勢部の付勢力に抗して前記他方のローラの前記一方のローラへの移動限界を規制する規制部とを有する請求項10に記載の粉砕装置。
【請求項12】
前記各ローラは、それぞれ、その外径が長手方向に沿って異なる外径変化部を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項13】
前記外径変化部は、その外径が前記ローラの長手方向の中央部から端部に向かって漸増した部分である請求項12に記載の粉砕装置。
【請求項14】
前記外径変化部は、その外径が前記ローラの長手方向の中央部から端部に向かって漸減した部分である請求項12に記載の粉砕装置。
【請求項15】
当該粉砕装置で粉砕される直前の前記樹脂組成物は、シート状に成形されたものである請求項1ないし14のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項16】
前記樹脂組成物は、ICパッケージの外装部を構成するモールド部となるものである請求項1ないし15のいずれかに記載の粉砕装置。
【請求項17】
並べて設置された一対のローラ間で硬質の樹脂組成物を押し潰して粉砕しつつ、冷却することを特徴とする粉砕方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−201273(P2011−201273A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73419(P2010−73419)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】