説明

粉粒体投入装置及び粉粒体のブリッジ防止方法

【課題】スポンジブラスト媒体のような固結し易い粉粒体であっても、ブリッジ現象の発生を防止して粉粒体を貯留部から投入部に円滑に供給することができる粉粒体投入装置及び粉粒体のブリッジ防止方法を提供する。
【解決手段】貯留タンクと投射タンクとを連結する連結管34内に傾斜板36、38を傾動自在に配置し、モータ100、102によって傾動させるとともに、コントローラ104によって上方傾動時の速度をゆっくりと、下方傾動時には、傾斜板36、38の先端の下降加速度が1Gを超える速度に制御した。傾斜板36、38は、その最下位置においてブラスト媒体40に力を与えることができるので、連結管34内でのブラスト媒体40の固結を防止できる。したがって、この投入装置26によれば、連結管34内でのブリッジの発生を防止できるので、貯留タンク28から投射タンクにブラスト媒体40を円滑に供給できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉粒体投入装置及び粉粒体のブリッジ防止方法に係り、特に研削材が多孔質弾性体内に固着されたスポンジ片状のブラスト媒体(粉粒体)を、貯留部から投入部に投入する粉粒体投入装置及び粉粒体のブリッジ防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装壁面を再塗装する際にその事前工事として、壁面の塗膜を研削し、塗装面を粗面化して素地調整するブラスト作業が行われるが、最近では、サンドブラスト工法に代わり、研削材が多孔質弾性体内に固着されたスポンジ片状のブラスト媒体を使用した工法、いわゆるスポンジブラスト工法が作業環境改善の観点から注目されてきている。
【0003】
このスポンジブラスト工法によれば、ノズルから高速エアで噴射したスポンジブラスト媒体が塗装面に衝突するとブラスト媒体が偏平になり、混入した研削材が塗装面に直接高速で衝突するので、サンドブラスト工法と同様に、塗膜を研削し除去することができる。また、発生した粉塵がスポンジに取り込まれるので、作業環境が改善するという利点がある。
【0004】
ところで、スポンジブラスト媒体は、スポンジ自体に粘着性があって流動性が悪いため、多数のスポンジブラスト媒体が固結して塊状となる特性を有している。このため、貯留タンク(貯留部)に貯留されたスポンジブラスト媒体を、スポンジブラスト装置の投射タンク(投入部)に投入する際に、貯留タンクと投射タンクとを連結する連結管内で、スポンジブラスト媒体が固結してブリッジ現象が生じ、スポンジブラスト媒体を投射タンクに円滑に投入できないという問題が生じる。
【0005】
特許文献1には、ホッパ内に多数枚の振動板を配置し、この振動板を振動させることによりホッパ内の粉体に振動を与えてブリッジ現象の発生を防止した粉体供給装置が開示されている。
【特許文献1】特開平9−253476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、振動板を使用した特許文献1の粉体供給装置を、スポンジブラスト媒体を使用する粉粒体投入装置に適用すると、その振動によってスポンジブラスト媒体が締め固められるので、スポンジブラスト媒体にとっては逆効果になるという欠点があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スポンジブラスト媒体のような固結し易い粉粒体であっても、ブリッジ現象の発生を防止して粉粒体を貯留部から投入部に円滑に供給することができる粉粒体投入装置及び粉粒体のブリッジ防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、粉粒体が貯留される貯留部と、前記貯留部に貯留された粉粒体が該粉粒体の自重によって落下することにより投入される投入部と、前記貯留部と前記投入部とを連結するとともに、落下する前記粉粒体が通過する連結管と、前記連結管内に傾動自在に設けられるとともに、該連結管を通過する前記粉粒体に接触する傾斜板と、前記傾斜板を上方及び下方に傾動させる駆動部と、前記駆動部を制御して前記傾斜板の下方傾動時の速度を上方傾動時の速度よりも高速に制御するとともに、傾斜板先端の下降加速度が1Gを超える速度に制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、貯留部と投入部とを連結する連結管内の所定位置に、貯留部に貯留された粉粒体の質量が集中的に作用して粉粒体が固結する現象が生じることに着目し、この固結位置の上方に傾斜板を傾動自在に配置して、傾斜板を駆動部によって傾動させるとともに、制御部によって下方傾動時の速度を上方傾動時の速度よりも高速に制御している。すなわち、傾斜板をゆっくりと上方傾動させた後に、傾斜板先端の下降加速度が1G(重力加速度)を超える速度(好ましくは2G程度)で下方傾動させる。これにより、傾斜板は、竹筒からなる「鹿威し」の如く作用して勢いよく下方に傾動し、その最下位置において傾斜板から粉粒体に力が与えられるので、粉粒体の固結を防止でき、また、固結しがちであっても粉粒体が締め固まるのを防止できる。よって、結果的にブリッジの発生を防止できるので、貯留部から投入部に粉粒体を円滑に供給できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記連結管には、複数の前記傾斜板が鉛直方向に所定の間隔をもって設けられ、該複数の傾斜板は、各々の前記駆動部と前記制御部とによって同期して連動されることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、傾斜板を複数配置することにより、傾斜板の下側に空間ができ、これによって、傾斜板に沿って滑落する粉粒体の高さ方向の厚みが小さくなるので、すなわち、傾斜板に沿って滑落する粉粒体の質量を小さくできるので、固結を防止でき、ブリッジの発生も防止できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記連結管には、前記傾斜板に対向して第1のエア供給ノズルが設けられるとともに、該連結管と前記投入部とを接続する水平開口面に対向して第2のエア供給ノズルが設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、傾斜板に沿って滑落している粉粒体に、第1のエア供給ノズルから高圧エアを噴射すると、粉粒体がエア攪拌されて投入部に投入される。これにより、粉粒体はバラバラに分離されて投入されるので、固結を確実に防止でき、ブリッジの発生も確実に防止できる。また、第1のエア供給ノズルからのエアを、傾斜板の上表面を拭うように供給することにより、粉粒体が傾斜板に付着するのを防止できる。一方、第2のエア供給ノズルから、連結管と投入部とを接続する水平開口面に高圧エアを供給することにより、エジェクタ効果により水平開口面付近に付着した粉粒体を、投入部に誘引することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記第1のエア供給ノズルは、前記連結管に角度調整自在に設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、固結し易い粉粒体の場合は、水平線に対する角度を大きくし、固結し難い粉粒体の場合は、水平線に対する角度を小さくする。
【0016】
請求項5に記載の粉粒体のブリッジ防止方法の発明は、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の粉粒体投入装置を使用したことを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4に記載の粉粒体投入装置によって粉粒体のブリッジ現象を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る粉粒体投入装置及び粉粒体のブリッジ防止方法によれば、貯留部と投入部とを連結する連結管内に傾斜板を傾動自在に配置し、傾斜板を駆動部によって傾動させるとともに、制御部によって下方傾動時の速度を上方傾動時の速度よりも高速に制御するとともに、傾斜板先端の下降加速度が1Gを超える速度に制御したので、粉粒体の固結を防止でき、また、固結したものであってもほぐすことができる。よって、結果的にブリッジの発生を防止できるので、貯留部から投入部に粉粒体を円滑に供給できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下添付図面に従って、本発明に係る粉粒体投入装置及び粉粒体のブリッジ防止方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0020】
図1は、実施の形態の粉粒体投入装置が適用されたスポンジブラスト装置10の全体構成図である。
【0021】
このスポンジブラスト装置10は、スポンジ片状のブラスト媒体を噴射するノズル12、ノズル12から噴射されたブラスト媒体を吸引回収する自走回収装置14、自走回収装置14によって吸引回収されたブラスト媒体を再利用可能なブラスト媒体と再利用不可能なブラスト媒体とに選別する固気分離槽16、自走回収装置14に固気分離槽16を介して吸引力を与えるブロア18、ブロア18の吸引力によって固気分離槽16から排気された排気空気中の塵埃を除去するバグフィルタ20、固気分離槽16によって選別された再利用可能なブラスト媒体をサイクロン22にエア搬送するブロア24、及びサイクロン22によって固気分離されたブラスト媒体を噴射のためにノズル12側へ投入する投入装置(粉粒体投入装置)26等から構成される。
【0022】
投入装置26は、サイクロン22からのブラスト媒体が一時貯留される貯留タンク(貯留部)28、貯留タンク28に貯留されたブラスト媒体が投入される二槽の投射タンク(投入部)30、32、及び貯留タンク28と投射タンク30、32とを連結する連結管34から構成される。また、連結管34内には傾斜板36、38が上下に傾動自在に配置されている。この投入装置26については後述する。
【0023】
まず、スポンジブラスト装置10を用いたスポンジブラスト工法について説明する。
【0024】
この工法で使用するブラスト媒体は、用途に応じて異なる材質(スチールグリット、アルミナ、スターライト、ユリア樹脂等)の研削材をスポンジ片に固着させたものであり、このブラスト媒体40を高圧エアによって加工対象物42の塗膜に噴射し、塗膜を研削するとともに塗装面を粗面化して素地調整を行う。
【0025】
このスポンジブラスト工法によれば、ブラスト媒体40が塗膜に衝突すると、ブラスト媒体40が偏平になり、固着させた研削材が塗膜に直接高速で衝突する。これにより、サンドブラスト工法と同様に、塗膜を研削することができる。また、通常では空中に漂うことになる粉塵がスポンジ片の中に取り込まれてそのまま落下するので、粉塵飛散も防止することができる。また、反発力もスポンジ片によって吸収されるため、ブラスト媒体40の跳ね返りは極めて少ない。
【0026】
固気分離槽16は、自走回収装置14の吸引ホース44に連結された吸引部46、吸引部46と槽本体48とを接続するとともに鉛直方向に設けられた鉛直上昇管50、鉛直上昇管50の上部出口に対向配置されたウレタン製プレート52、ウレタン製プレート52に衝突して速度が低下したブラスト媒体40が落下し、再利用可能なブラスト媒体と再利用不可能なブラスト媒体とを振動して選別する篩54、篩54によって選別された再利用可能なブラスト媒体40の取出装置56、及び再利用不可能なブラスト媒体40の取出装置58等から構成される。
【0027】
吸引ホース44を介して吸引された使用後のブラスト媒体40は、固気分離槽16の入口である吸引部46に導入され、ブラスト媒体40と供に吸引された比較的大型の塵が、吸引部46に内蔵された不図示のメッシュによって分離される。そして、前記メッシュを通過したブラスト媒体40は、ブロア18の吸引力によって鉛直上昇管50を上昇することにより速度が落とされ、鉛直上昇管50の出口から上方に噴射される。これにより、ブラスト媒体40は、ウレタン製プレート52に衝突して速度が更に低下し、槽本体48の体積の大きい固気分離室60に供給される。ここでブラスト媒体40は終速度以下となり自由落下し、固気分離室60に設置された篩54に落下する。
【0028】
篩54は、ブラスト媒体40の種類、ブロア18の吸引力等の諸条件に応じてその傾斜角度が最適な角度に設定される。また、篩54の下面の略中央部には、加圧エア式のバイブレータ62が取り付けられ、バイブレータ62によって篩54全体が加振されている。したがって、篩54に落下したブラスト媒体40のうち再利用不可能なブラスト媒体40は、振動する篩54によって篩54を通過し、篩54の下方に形成されたホッパ状貯留部64に落下して貯められる。そして、取出装置58を構成する、ホッパ状貯留部64に連結されたロータリーフィーダ66が駆動されることにより、廃棄容器68に排出される。
【0029】
一方、篩54に落下したブラスト媒体40のうち再利用可能なブラスト媒体40は、篩54を通過することなく、振動する篩54に沿って降下し、槽本体48の後段に設けたホッパ状貯留部70に滑落して貯められる。
【0030】
ホッパ状貯留部70に貯められたブラスト媒体40は、自己の湿気により塊状となるため、このままの状態では投入装置26に供給することができない。そこで、実施の形態では、取出装置56を構成する、ほぐし装置72に落下させ、ここで細かくほぐすようにしている。ほぐし装置72によって、バラバラにほぐされたブラスト媒体40は、ダブルダンパ74を介して正圧供給管76に供給され、この正圧供給管76に連結されたブロア24の圧縮空気によって、サイクロン22に向けてエア搬送される。
【0031】
また、ほぐし装置72から落下したブラスト媒体40のうち、一部のブラスト媒体40は、バルブ78が開放されることにより、粒度測定機80に送り込まれ、ここで粒度が測定され、ブラスト媒体40の寿命が推定される。
【0032】
一方、図1に示すように、ブロア18の吸引力によって固気分離槽16から排気された排気空気は、ダクト82を介してバグフィルタ20に導入される。ここで廃棄空気は、バグフィルタ20のフィルタ84、84を通過することにより、排気空気中に含まれるブラスト媒体の粉塵、その他の塵埃等が除去されて大気に放出される。
【0033】
ところで、正圧供給管76にエア搬送されたブラスト媒体40は、投入装置26の上流側に設置されたサイクロン22に投入され、ここでエアと分離される。
【0034】
エアと分離されたブラスト媒体40は、サイクロン22の下部ホッパに設けられたダブルダンパ86、88を介して貯留タンク28に貯められる。
【0035】
二槽の投射タンク30、32には、二槽の投射タンク30、32のうち一つの投射タンク30(32)にブラスト媒体40が投入されるようにサイクロン22からのブラスト媒体40を案内する切替弁90、92、二槽の投射タンク30、32を交互に切り替えてその投射タンク30(32)に貯留されたブラスト媒体40を、ノズル12に連続供給するブロア94等から構成されている。
【0036】
実施の形態の投入装置26は、図2に示すように貯留タンク28、2槽の投射タンク30、32、連結管34、2枚の傾斜板36、38、傾動用モータ(図3参照:駆動部)100、102、及びモータコントローラ(図3参照:制御部)104等によって構成されている。
【0037】
貯留タンク28に貯留されたブラスト媒体40は、ブラスト媒体40の自重によって落下し、切替弁90、92のうち開放されている切替弁90又は92の投射タンク30又は32に投入される。
【0038】
連結管34は、貯留タンク28と投射タンク30、32とを鉛直方向に連結するとともに、貯留タンク28から落下するブラスト媒体40が通過する。
【0039】
傾斜板36、38は、連結管34内に高さをずらして対向配置されるとともに、ヒンジ106、106を介して傾動自在に設けられる。この傾斜板36、38は、傾動されることにより連結管34を通過するブラスト媒体40に接触する。
【0040】
図3に示す傾動用モータ100、102は、その出力軸がヒンジ106の回動軸に動力伝達可能に連結されている。これらのモータ100、102が、モータコントローラ104によって、所定のタイミングで正逆の回転が切り替え制御されることにより、傾斜板36、38は図2の実線で示した下向きの傾斜位置と二点鎖線で示した上向きの傾斜位置との範囲で連動して傾動される。また、傾斜板36、38は、モータコントローラ104によって上方傾動時の速度がゆっくりとした速度に、そして、下方傾動時の速度が、上方傾動時の速度よりも高速に制御されるとともに、傾斜板36、38の先端の下降加速度が1G(好ましくは2G程度)を超える速度に制御されている。
【0041】
次に、このように構成された粉粒体投入装置26の作用について説明する。
【0042】
まず、本発明は、図5の模式図に示すように、貯留タンク28と投射タンク30、32とを連結する連結管34内の所定位置(積層高さhの位置)において、貯留タンク28に貯留されたブラスト媒体40の質量が集中的に作用してブラスト媒体40が固結することに着目し、この固結位置の上方に図2の如く傾斜板36、38を傾動自在に配置し、傾斜板36、38をモータ100、102によって傾動させ、コントローラ104によって下方傾動時の速度を上方傾動時の速度よりも高速に制御するとともに、傾斜板36、38の先端の下降加速度が2Gの速度に制御する。
【0043】
すなわち、傾斜板36、38をゆっくりと上方傾動させた後に、傾斜板36、38の先端の下降加速度が約2Gの速度で急激に下方傾動させる。これにより、傾斜板36、38は、竹筒からなる「鹿威し」の如く作用して勢いよく下方に傾動し、その最下位置において傾斜板36、38からブラスト媒体40に力が与えられる。この動作によって、固結位置におけるブラスト媒体40の固結を防止でき、また、上方側で固結しがちであっても傾斜板36、38の上記傾動動作によってブラスト媒体40が締め固まるのを防止できる。したがって、この投入装置26によれば、連結管34内でのブリッジの発生を防止できるので、貯留タンク28から投射タンク30、32にブラスト媒体40を円滑に供給できる。
【0044】
また、図3の如く傾斜板36、38を二枚上下に間隔をもって配置することにより、傾斜板36、38の下側に空間108、108が形成される。これによって、傾斜板38に沿って滑落するブラスト媒体40の高さ方向の厚みhが図4の如く小さくなるので、すなわち、傾斜板38に沿って滑落するブラスト媒体40の質量を小さくできるので、固結を防止でき、ブリッジの発生も防止できる。
【0045】
図5は、投入装置126の他の実施の形態を示す断面図である。この投入装置126は、傾斜板36、38に対向してエア供給ノズル(第1のエア供給ノズル)128、130が連結管34に設けられるとともに、連結管34と投射タンク30、32とを接続する水平開口面132、134に対向してエア供給ノズル(第2のエア供給ノズル)136、138が設けられている。
【0046】
この投入装置126によれば、傾斜板36、38に沿って滑落しているブラスト媒体に、エア供給ノズル128、130から高圧エアを噴射すると、ブラスト媒体がエア攪拌されて投射タンク30、32に投入される。これにより、ブラスト媒体はバラバラに分離されて投入されるので、固結を確実に防止でき、ブリッジの発生も確実に防止できる。
【0047】
また、エア供給ノズル128、130からのエアを、傾斜板36、38の上表面を拭うように供給することにより、ブラスト媒体が傾斜板36、38に付着し、ブリッジの原因となることを防止できる。
【0048】
一方、エア供給ノズル136、138から、連結管34と投射タンク30、32とを接続する水平開口面132、134に高圧エアを供給することにより、エジェクタ効果により水平開口面132、134付近に付着したブラスト媒体を投射タンク30、32に誘引することができる。
【0049】
また、これらのエア供給ノズル128、130、136、138は、連結管に球面軸受140を介して夫々取り付けられ、噴射角度が調整自在となっている。これにより、固結し易いブラスト媒体の場合は、水平線に対する角度を約40°にし、固結し難いブラスト媒体の場合は、水平線に対する角度を0°に近づける。
【0050】
更にまた、実施の形態の投入装置26、126をスポンジブラスト装置10に搭載することにより、連結管34において発生していたブラスト媒体40のブリッジ現象を確実に防止することができる。
【0051】
なお、実施の形態では、傾斜板36、38を二枚設けた例について説明したが、一枚でもよく、3枚以上であってもよい。
【0052】
また、粉粒体はスポンジブラスト媒体に限定されるものではなく、サンドブラスト媒体、及びその他の粉粒体に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施の形態のスポンジブラスト装置の全体構成図
【図2】図1のスポンジブラスト装置に適用された投入装置の縦断面図
【図3】ブリッジ現象を防止することができるメカニズムを説明するために用いた投入装置の要部模式図
【図4】ブリッジ現象が発生するメカニズムを説明するために用いた投入装置の模式図
【図5】エア供給ノズルが取り付けられた投入装置の別実施例を示した縦断面図
【符号の説明】
【0054】
10…スポンジブラスト装置、12…ノズル、14…自走回収装置、16…固気分離槽、18…ブロア、20…バグフィルタ、22…サイクロン、24…ブロア、26…投入装置、28…貯留タンク、30、32…投射タンク、34…連結管、36、38…傾斜板、40…ブラスト媒体、90、92…切替弁、100、102…傾動用モータ、104…モータコントローラ、108…空間、126…投入装置、128、130…エア供給ノズル、132、134…水平開口面、136、138…エア供給ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体が貯留される貯留部と、
前記貯留部に貯留された粉粒体が該粉粒体の自重によって落下することにより投入される投入部と、
前記貯留部と前記投入部とを連結するとともに、落下する前記粉粒体が通過する連結管と、
前記連結管内に傾動自在に設けられるとともに、該連結管を通過する前記粉粒体に接触する傾斜板と、
前記傾斜板を上方及び下方に傾動させる駆動部と、
前記駆動部を制御して前記傾斜板の下方傾動時の速度を上方傾動時の速度よりも高速に制御するとともに、傾斜板先端の下降加速度が1Gを超える速度に制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする粉粒体投入装置。
【請求項2】
前記連結管には、複数の前記傾斜板が鉛直方向に所定の間隔をもって設けられ、該複数の傾斜板は、各々の前記駆動部と前記制御部とによって同期して連動されることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体投入装置。
【請求項3】
前記連結管には、前記傾斜板に対向して第1のエア供給ノズルが設けられるとともに、該連結管と前記投入部とを接続する水平開口面に対向して第2のエア供給ノズルが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体投入装置。
【請求項4】
前記第1のエア供給ノズルは、前記連結管に角度調整自在に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の粉粒体投入装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の粉粒体投入装置を使用した粉粒体のブリッジ防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−63106(P2008−63106A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244246(P2006−244246)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】