説明

粒子ポンプの方法およびデバイス

加圧型反応器内へのおよび加圧型反応器からのバイオマス供給原料など粒子状物質の移送のための方法およびデバイスが提供される。改良されたスルースデバイスは、L字型スルースチャンバーを有し、これは水平なローディングチャンバーに連絡している上部の垂直構成部分と、垂直反応器の入口または排出口に連絡している下部の構成部分とを有する。ピストン弁は、スルースチャンバーの垂直構成部分を横切りかつ垂直反応器の入口または出口を横切る軸方向の移動により、スルースの入口または出口を密閉する。反応器積み出しのための他の方法と比べて、これらのデバイスは、蒸気の消費が少なく、積み出される前処理されたバイオマスのフルフラール含有量を有意に低下させる。これらのデバイスを用いる、バイオマス供給の任意の複合プラグ/スルース法は、大気圧と反応器圧力の中間のスルース圧力でバイオマス積み込みを可能にし、それによって「ポンプサイクル」時間が低減し、かつバイオマス処理能力が増大する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は概して、加圧型反応器内へのおよび加圧型反応器からの粒子状物質の移送のためのデバイスおよび方法に関し、具体的には加圧型水熱反応器内にまたは加圧型水熱反応器からバイオマス原料を供給するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
リグノセルロース系バイオマスからのバイオエタノールおよび他の有用な製品の商業生産は、1時間あたり約10から50メートルトン乾燥物質の高い供給原料処理レベルを必要とする。酵素加水分解前の供給原料の水熱前処理に頼るバイオマス変換システムでは、処理加工の規模は、粒子状物質を加圧型前処理反応器内に供給することができる速度により限定されうる。
【0003】
加圧型反応器内にバイオマスを「供給する」ためのシステムは概して、プラグ供給機およびスルース(sluice)供給機の2つの主要なカテゴリーのうちどちらかに分類される。プラグ供給機は、パルプ製紙業界で周知である。これらは、気体を通さない圧力シールすなわち「プラグ」を形成するように、スクリュー、ピストンおよびピストン-スクリューの組み合わせなどのローディングデバイスを用いて十分な実効密度に粒子状物質を圧縮する。次いで、このプラグは、連続的に形成され、高い圧力に対抗して反応器内に積み込まれる。プラグ供給機は、4から10バールの圧力に対抗して効率的に積み込まれることが報告されている。さまざまな異なるプラグ供給方式が報告されている。いくつかのスクリュー-プラグ供給機は、いくぶん低いバイオマスプラグ実効密度での積み込みを可能にする、非常に長い供給スクリューに依存する。より高い実効密度に依存するシステムは多くの場合、高密度プラグをばらばらにするために加圧型反応器側に破砕デバイスを利用する。例えば、US 3,841,465;US 4,186,658;US 4,274,786;US 5,996,770;WO2003/050450;WO2004/105927;WO2009/005441(特許文献1〜7)を参照。
【0004】
スルース供給機は、その少なくとも1つが常に閉じられたままである、圧力ロックのシステムに依存する。粒子状物質は、開いている入口弁を通ってスルースチャンバー内に積み込まれる。次いで、入口弁が閉じられ、物質は開いた排出弁を通って高圧反応器内に積み出される。さまざまなスルース供給機システムも報告されている。例えば、US 5,095,825;SE 456,645;SE 500,516;WO1993/010893;WO1993/000282;WO2003/013714(特許文献8〜13)を参照。
【0005】
個々のスルース供給機は概して、プラグ供給機に比べて低い能力を有するが高いレベルの運転安全性を提供する。バイオマスは、常に不均一の物質である。したがって、高度に圧縮されたプラグでさえ、それによって加圧蒸気の爆発的放出を潜在的に生じさせる可能性がある溝を含む可能性がある。スルース供給機は、常に反応器圧力に対して機械的な弁密閉をもたらし、爆発的放出の危険性を大幅に低減する。
【0006】
高密度プラグ供給機は概して、大容量へと容易に拡大できるという点においてスルース供給機より有利であると考えられている。しかしながら、プラグ供給機は、複数の注目すべき不利点も有する。プラグ供給機は、>10バールの圧力では効果的に運転できることが示されていない。それらは典型的には、職業上の危険をある程度最小化するために、非常に高いレベルの供給原料圧縮で運転される。バイオマスは典型的には、反応器圧力に対して密封するために名目上必要とされるものよりかなり高いレベルに加圧される。結果として、プラグ供給機は、プラグと供給装置の間に非常に大きな摩擦力を生じる。これは、エネルギー効率を低減させ、特に麦わら、稲わらおよびトウモロコシ茎葉などの砂またはケイ酸の高い含有量を有する供給原料により、高レベルの機械的消耗も生じさせる。プラグ供給機の「プラグスクリュー」または他のローディングデバイスの修繕は、1〜3ヶ月の短い間隔で必要となる可能性がある日常保守である。これは、生産非効率性ならびに高い維持費を生じさせる。プラグ供給機はまた、追加の工程ならびにエネルギー必要量および運転費の増大を生じさせる、微粉化および大規模な洗浄に供給原料を供することも典型的には必要とする。
【0007】
プラグ供給機のこれらの不利点は、全体が参照により本明細書に組み入れられる、WO2003/013714(特許文献13)に記載のシングルスルースチャンバー供給機システムを用いる1時間あたり1メートルトン乾燥物質量の試験生産規模では、回避するのに成功している。このシステムを用いると、バイオマスは、>15バールの圧力に対して効率的に積み込むことができる。供給原料は、大規模な微粉化または洗浄なしに加工され、最初に予め決められた部分に分割され、次いでその軸がスルースチャンバーの軸と実質的に一直線にある、ピストンスクリューまたは同様のデバイスの手段により水平スルースチャンバー内に強制的に積み込まれる。
【0008】
発明者らは、このスルースシステムを運転安全性および効率性の向上を伴うより大容量へと規模拡大することができる、さまざまな手段を発見している。
【0009】
さらに、発明者らは、スルースシステムが前処理されたバイオマスを加圧型反応器から取り出すための改良された手段を提供することを発見している。プラグ供給機は、それ自体は、前処理されたバイオマスを取り出すための手段を提供しない。以前は、前処理されたバイオマスは典型的に、全体が参照により本明細書に組み入れられる、WO2009/147512(特許文献14)に記載されているような「蒸気爆砕」システムまたは「ハイドロサイクロン」システムを用いて取り出されていた。ハイドロサイクロンシステムは以前には、前処理されたバイオマスの取り出しに関連する比較的保存的な蒸気損失のために有利であると見なされていた。粒子ポンプ排出口を用いて前処理されたバイオマスを取り出すことにより、蒸気爆砕システムおよびハイドロサイクロンシステムの性能と比較して顕著な改善を得ることができる。具体的には、ハイドロサイクロンシステムと比べると、反応器から放出される前処理されたバイオマス中の発酵阻害剤フルフラールの濃度が、50%を超えて低減されうる。蒸気爆砕システムと比べると、放出される前処理されたバイオマス中のフルフラール含有量と前処理されたバイオマスの取り出しに関連する蒸気損失との両方が低減されうる。
【0010】
これらおよび他の改良は、本明細書において詳細に記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】US 3,841,465
【特許文献2】US 4,186,658
【特許文献3】US 4,274,786
【特許文献4】US 5,996,770
【特許文献5】WO2003/050450
【特許文献6】WO2004/105927
【特許文献7】WO2009/005441
【特許文献8】US 5,095,825
【特許文献9】SE 456,645
【特許文献10】SE 500,516
【特許文献11】WO1993/010893
【特許文献12】WO1993/000282
【特許文献13】WO2003/013714
【特許文献14】WO2009/147512
【発明の概要】
【0012】
概要
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】好ましい態様の略図を示す。
【図2】油圧シリンダーにより駆動される好ましい態様の側面図を示す。
【図3】図2に示す好ましい態様の断面図を示す。
【図4】電気駆動装置により駆動される好ましい態様の側面図を示す。
【図5】図4に示す態様の断面図を示す。
【図6】加圧型反応器から前処理されたバイオマスを取り出すための好ましい態様の適合を示す。
【図7A】図2に示す態様の複合プラグ/スルース運転モードの略図を示す。
【図7B】図2に示す態様の複合プラグ/スルース運転モードの略図を示す。
【図7C】図2に示す態様の複合プラグ/スルース運転モードの略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい態様の詳細な説明
WO2003/013714のシングルスルースチャンバー供給機システムは、その中でピストンスクリューアンローディングデバイスがスルースチャンバーの軸と実質的に一直線にある、水平スルースチャンバーを提供する。このシステムを用いる場合、スルース入口および排出口用の圧力ロックとしてはギロチン型弁が一般的には好ましい。
【0015】
発明者らは、ローディングデバイスの軸をスルースチャンバーの軸に対してある角度をなして、好ましくは直角に並べることにより、ピストン弁がスルース入口で用いられうることを発見した。ピストン弁は、ギロチン型弁より目詰まりおよび機械的摩耗が起こりにくく、大きなサイズへと容易に拡張可能であるという利点がある。
【0016】
ローディングデバイスの軸は、それを通ってバイオマスが重力により落下する垂直なスルースチャンバーの使用によりスルースチャンバーの軸に対してある角度をなして並べることができる。「ブリッジング」の危険性は、特に大規模な微粉化に供されていない非流動供給原料または比較的高度に乾燥した乾燥物質供給原料を用いる、垂直なスルースチャンバー内で増大する。従って、垂直なスルースチャンバーは以前には、バイオマス原料をスルース供給するのに望ましくないと考えられていた。発明者らは、「ブリッジング」はL字型のスルースチャンバーの使用により効果的に回避されうることを発見した。これは、上部の垂直構成部分と、さらに強制的積み出しに適合させたアンローディングデバイスがそれを通って軸方向に移動可能である下部のアンローディングセグメントとの両方を有する。アンローディングデバイスの軸を反応器入り口の軸に対してある角度をなして、好ましくは直角に並べることにより、スルース排出口用の圧力ロックとしてピストン弁を用いることも可能である。
【0017】
強制積み出し用の追加のデバイスを取り付けた水平アンローディングセグメントを有するスルースチャンバーの導入は、突然の圧力変化に対して驚くべき抵抗力を与える。これは、運転安全性を向上させ、スルースチャンバーからの突然の圧力解放を放散する安全排気筒が、微少な圧力変化に耐性を有するよう構築されることのみを必要とする。
【0018】
スルースチャンバーおよび反応器入口のそれぞれとある角度で、好ましくは直角に並べられたローディングデバイスとアンローディングデバイス両方の使用は、バイオマス供給の複合プラグ/スルース方法を可能にする。いくつかの態様において、ローディングチャンバーのローディングデバイスによるバイオマスの圧縮とスルースチャンバー内のアンローディングセグメント内のアンローディングデバイスによるバイオマスの圧縮は、比較的低密度のプラグを作り出す。これらのプラグは、大気圧と反応器圧力の中間の圧力に対して効果的に密封できる。プラグの部分的密封は、スルースチャンバー内の圧力を大気圧と十分に平衡化することなくバイオマスを積み込んでもよく、かつスルースチャンバー内の圧力を反応器圧力と十分に平衡化することなくバイオマスを積み出してもよい、複合プラグ/スルース運転モードを可能にする。この複合運転モードは、スルースデバイスの「ポンプサイクル」時間を低減させ、その結果、その処理能力を向上させる。サイクル時間は、減圧中にスルースチャンバー内に冷却水ミストを取り入れることによりさらに低減されうる。
【0019】
驚くべきことに、重要な運転上の利点は、供給するのではなく、加圧型水熱反応器から前処理されたバイオマスを取り出すためのスルースチャンバー供給デバイス、すなわち「粒子ポンプ」を用いても得ることができる。とりわけ、積み出し後に前処理したバイオマスに残留している、熱水前処理の副産物として産生される発酵阻害剤フルフラールの濃度が、有意に減少する。等量のバイオマスを等しい条件下で前処理するがスルースシステムを用いて取り出した場合、ハイドロサイクロンシステムと比較して、不溶性繊維画分中で得られるフルフラールレベルは、典型的には少なくとも50%まで低減する。当技術分野において周知のように、熱水前処理の副産物として産生されるフルフラールの濃度は、解毒工程を典型的に必要とするような、効果的な第2世代発酵工程に対する重大な障害を引き起こす。
【0020】
理論に縛られることは望まないが、粒子ポンプ排出口のこの驚くべき利点は、加圧型水熱反応器内でのフルフラール/水相平衡の微妙な違いによると考えられる。水熱前処理で典型的に達成される比較的薄いフルフラールの濃度、35%乾燥物質で<0.5 mol%、かつ水熱前処理反応器の高い温度と圧力の状況、典型的には約160から230℃かつ約10から20バール圧では、フルフラールは、液相に対して少なくとも約4:1で主に気相中に存在すると予想される(例えばR. Curtis and H. Hatt, "Equilibria in furfural-water systems under increased pressure and the influence of added salts upon the mutual solubilities of furfural and water," Australian Journal of Scientific Research Series A: Physical Sciences (1948) 1: 213参照。)。粒子ポンプ排出口を用いる、取り出しサイクルの間、排出口スルースチャンバーの低圧力への平衡化は、取り出し前にフルフラール含有量の大部分を効果的に取り除く、制御された条件下での前処理されたバイオマスからの気相の通気に関連する。
【0021】
Skarbak, Denmarkの発明者らの研究室における2つの実験的前処理反応器には、それぞれ100および1000 kg/時バイオマスの処理能力を有し、WO 2009/147512に記載されているようなハイドロサイクロンバイオマス排出口(1000 kg/時)、またはWO2003/013714に記載のシングルチャンバースルース供給機システムとほぼ同等の簡単なシングルチャンバー水平スルースチャンバー排出口(100 kg/時)が代替的に取り付けられた。両システムを、14バール圧、190℃で約3.88の厳しさ(severity)と同等の条件下で麦わらを前処理するために用いた。両システムを用いて積み出された前処理された麦わらは、繊維および液体画分にプレス加工された。続いてプレス加工された繊維画分を同等の条件で運転される同じベルトプレス洗浄装置を用いて洗浄した。
【0022】
粒子ポンプ排出口を用いて積み出された前処理された麦わらからの洗浄した繊維画分を、前処理システムが定常状態で稼働した後に、3回異なる日にサンプリングした。ハイドロサイクロン排出口を用いて積み出された前処理された麦わらからの洗浄した繊維画分を、前処理システムが定常状態で稼働した後に、6回異なる日にサンプリングした。粒子ポンプで積み出されたバイオマスは、ハイドロサイクロンで積み出されたバイオマスのフルフラールレベル、1.65 +/-0.24 g/kgと比べて、有意に低いフルフラールレベル、0.79 +/-0.04 g/kgを有した、t,p < .005。ハイドロサイクロンで積み出されたバイオマスからの最初にプレス加工された繊維画分中のフルフラール含有量の直接測定は行われなかったが、これらの値は、このシステムを用いて得られるプレス加工したフルフラール/洗浄したフルフラール比率の平均を適用することにより直接洗浄した繊維の値から容易に推定することができる。粒子ポンプ排出口を用いて得られるプレス加工した繊維画分中のフルフラール含有量は、ハイドロサイクロン排出口を用いて得られる計算上のプレス加工された繊維画分のフルフラール含有量より有意に低く、4.61 +/-0.58 g/kgに比べて1 .59 +/-0.14 g/kgであった、t, p < .003。
【0023】
粒子ポンプ排出口は、明らかに積み出し(減圧)サイクルの間の制御された蒸気抜きの単純な効果として、前処理されたバイオマスから得られる不溶性繊維画分のフルフラール含有量を有意に、少なくとも50%減少させる。粒子ポンプ排出口がフルフラール含有量のさらに大幅な減少を達成するように最適化される可能性があることは、当業者であれば容易に理解することができる。本明細書において報告された実験で用いられた簡単なシングルチャンバー、水平スルースチャンバーシステムは、14バールから2バールへの減圧が約1分のサイクルで行われ、かつ温度が190℃から約100℃に低下される場合に、少なくとも50%のフルフラール含有量の低減を達成できた。バイオマスは、約2バール、約100℃で排出された。フルフラール含有量のより大幅な削減は、バイオマスを2バールで排出口チャンバー内に単純に排出することにより達成することができ、排出口チャンバーでは、全体が参照により本明細書に組み入れられるUS4912237に記載されているように、圧力が大気中より低いレベルまで、好ましくは50から200トルの間にさらに低減され、かつ好ましくは140℃を超える温度である。日常の実験を通じて、当業者は、粒子ポンプ排出口を用いるバイオマス排出を最適なフルフラール低減を達成する条件に容易に最適化することができる。
【0024】
前処理されたバイオマスを取り出す粒子ポンプ方法は、蒸気消費量を低減するという点において、蒸気爆砕方法に対していかなる場合でも有利である。粒子ポンプ排出口を取り付けた発明者らの水熱反応器による「蒸解処理蒸気」消費量は平均して、前処理されたバイオマス原料1000 kg当たりおよそ160 kg/蒸気であった。これに対して、同等の前処理厳しさで運転されるが蒸気爆砕排出口を取り付けた同様の反応器は典型的には、前処理されたバイオマス原料1000 kg当たり約230〜350 kg/蒸気のより高い「蒸解処理蒸気」消費量を報告する。
【0025】
粒子ポンプ排出口はまた、反応器から取り出された前処理したバイオマス中のフルフラール含量の低減に関しても蒸気爆砕と比べて有利である。やはり、理論に縛られることは望まないが、粒子ポンプ排出口により反応器から取り出された前処理したバイオマスも、フルフラール/水相平衡の微妙な違いのために、蒸気爆砕排出口により取り出された物質と比べてフルフラール含有量が低下していると考えられる。蒸気爆砕では、前処理されたバイオマスは、液相の水に有利に働き、かつ典型的に経験される低濃度のフルフラールでは気相のフルフラールに有利である、高圧力反応器条件から突然解放される。大気圧では、高温のバイオマスにおいて気相の水が有利となり、有効な全般的前処理効果の一因となる、セルロース鎖を破壊する高温のバイオマス内の水の爆発的蒸発をもたらす。しかしながら、蒸気爆発したバイオマスを100℃より低い、または少なくとも97.9℃より低い温度まで冷却するにつれて、フルラールは、バイオマス内に濃縮されると考えられる。例えば、G. H. Mains, Chem. Met. Eng. (1922) 26:779参照。したがって、粒子ポンプ排出口によって積み出された前処理されたバイオマスにおいて本明細書で報告されたフルフラールレベルより、はるかに高いフルフラールレベルが、同等の厳しさで処理されかつ同等の圧力で取り出された蒸気爆発したバイオマスにおいて、報告されている。例えば、L. Hongquiang and C. Hongzhang, "Detoxification of steam-exploded corn straw produced by an industrial-scale reactor," Process Biochemistry (2008) 43:1447参照
【0026】
いくつかの態様において、本発明は、以下を含む、加圧型反応器内へのまたは加圧型反応器からの粒子状物質の移送のための装置を提供する:
(a). ローディングチャンバー、
(b). ローディングチャンバー内に位置するローディングデバイス、
(c). ローディングチャンバーと連絡する上部の垂直構成部分を有しかつ垂直反応器の入口または排出口と連絡する下部の構成部分を有する、L字型スルースチャンバー、
(d). スルースチャンバーの垂直構成部分を横切って軸方向に移動でき、かつローディングチャンバーからスルースチャンバーの垂直構成部分への開口部を密閉するよう適合される、スルース入口ピストン弁、
(e). スルースチャンバーの下部の構成部分内で軸方向に移動できる、アンローディングデバイス、および
(f). 垂直反応器の入口または排出口を横切って軸方向に移動でき、かつスルースチャンバーの下部の構成部分から反応器の入口または排出口内への開口部を密閉するよう適合される、スルース排出口ピストン弁。
【0027】
ローディングチャンバーは、バイオマス原料がそれを通って導入される可能性がある、少なくとも1つの開口部を有し、かつL字型スルースチャンバーの垂直構成部分と連絡して並べられる(すなわち垂直構成部分への開口部を有する)。いくつかの態様において、その中でバイオマス原料がスルースチャンバー内に強制的積み込まれる前に圧縮され、分割されまたは他の方法で調整されうる、格納容器が、ローディングチャンバーにより提供される。好ましい態様において、ローディングチャンバーはほぼ水平であり、かつスルースチャンバーの垂直構成部分との連絡はほぼ直角である。他の態様において、ローディングチャンバーは、上方または下方に傾斜してもよく、約70〜120度の角度でスルースチャンバーの垂直構成部分と整列する。いくつかの態様において、ローディングチャンバーは、スルース入口弁が閉じている間に、バイオマス原料を圧縮しかつ圧縮されたバイオマスをスルースチャンバー内に強制的に積み込む、軸方向に移動可能なローディングデバイスを装備する。他の態様において、ローディングチャンバーは単に、その中でローディングデバイスがバイオマスをスルースチャンバー内に強制的に積み込むように動作する容器であってもよい。
【0028】
適当なローディングデバイスは、スクリューコンベヤー、ピストンスクリュー、またはピストンを含んでもよい。いくつかの態様において、積み込みの間にバイオマス原料を圧縮することは有利である。よって、いくつかの態様において、ローディングデバイスは、約200〜400 kg/m3の範囲内でのバイオマス原料の圧縮を提供することができる。好ましい態様において、ローディングデバイスは、ピストンスクリューである。さらに好ましい態様において、デバイスは、時計回りの方向か反時計回りの方向いずれかに回転することができる。ピストンスクリューを回転させるモーターに対する機械抵抗は容易に較正され、バイオマス圧縮の正確な測定を提供することができる。いくつかの態様において、ローディングチャンバーのバイオマス積み込みは典型的には、最初に閉じられたスルース入口弁に対してバイオマスを圧縮する工程、次いでローディングデバイスの軸方向移動により圧縮されたバイオマスをスルースチャンバー内に積み込む工程により行われる。他の態様において、積み込みの間のバイオマスの圧縮が望まれない場合、ローディングデバイスは、開いたスルース入口弁を通って直接スルースチャンバー内にバイオマスを強制的に積み込み、バイオマスの圧縮はほとんど達せられない。いくつかの態様において、特にバイオマスの圧縮が望ましい場合、ローディングデバイスは、ローディングチャンバー内で軸方向に移動可能である。他の態様において、特にバイオマスの圧縮が望まれない場合、ローディングデバイスは、その中でバイオマスが収集されローディングデバイスにより強制的に積み込まれる容器を効果的に提供しているにすぎない、比較的小さなローディングチャンバー内に固定されてもよい。
【0029】
スルースチャンバーは、L字型である。本明細書で用いられる用語「L字型」は、上部の垂直構成部分と下部の構成部分との両方を有するデバイスを指す。本明細書で用いられる用語「垂直」は、重力の方向、+/-10%に並んでいることを意味する。好ましい態様において、下部の構成部分はほぼ水平であり、かつ上部の構成部分と下部の構成部分との間の連絡はほぼ直角である。他の態様において、下部の構成部分は、上方または下方に傾斜してもよく、約70〜120度の角度でスルースチャンバーの垂直構成部分に整列する。好ましい態様において、スルースチャンバーの垂直構成部分は、バイオマスブリッジングの危険性をさらに低減するように、ローディングチャンバーの内径より大きな内径を有する。用語「L字型」が用いられているが、当業者は、垂直構成部分または下部の構成部分のいずれかが一方より長くてもよく、または両方が同じ長さであってもよいことを容易に理解する。
【0030】
いくつかの態様において、スルースチャンバーは、冷却水ミストを注入するための手段を備えることができる。概して、反応器圧力の加圧は、ローディング圧力の減圧より比較的急速である。よって、スルースチャンバー減圧の速度を向上させることは、結果としてスルースチャンバーの積み込み、加圧、積み出しおよび減圧のサイクル時間を低減させるため、有利である。冷却水ミストは、加圧蒸気の圧縮を促進することにより減圧の速度を向上させると考えられる。
【0031】
スルースチャンバーの下部の構成部分、すなわちアンローディングセグメントは、垂直反応器の入口または排出口と連結して並べられる。好ましい態様において、アンローディングセグメントはほぼ水平であり、垂直反応器入口または排出口との連絡はほぼ直角である。アンローディングセグメントは、スルース排出弁が閉じている間にバイオマス原料を任意で圧縮し、垂直反応器入口内にまたは反応器排出口からバイオマスを強制的に積み込む、軸方向に移動可能なアンローディングデバイスを備えている。あるいは、アンローディングデバイスは、積み出しの過程でバイオマスの圧縮を成し遂げることなく、開いたスルース排出口バルブを直接通じてバイオマスを強制的に積み出してもよい。
【0032】
ローディングデバイスと同様に、適当なアンローディングデバイスは、スクリューコンベヤー、ピストンスクリューまたはピストンを含んでもよく、好ましい態様において、時計回りの方向または反時計回りの方向いずれかに回転される。
【0033】
ローディングチャンバーとスルースチャンバーの上部の垂直構成部分の間およびスルースチャンバーの下部の構成部分と垂直反応器の入口または排出口の間の角度のついた接続は、圧力ロックとしてピストン弁の使用が可能である。ピストン弁は、目詰まりおよび機械的摩耗を比較的おこしにくく、ローディングデバイスの軸がスルースチャンバーの軸と一直線である場合に好まれるギロチン型弁などの他の弁システムより容易に規模が拡大できる。ピストン弁は、スルースチャンバーの垂直構成部分および垂直反応器の入口または排出口を横切って軸方向に移動可能であり、スルースの入口および排出口を密閉するように適合される。
【0034】
好ましい態様において、スルース入口ピストン弁とスルース排出口ピストン弁の両方とも回転弁体を含む。閉じる過程での円盤形の弁の回転は、さもなければ蓄積されうるバイオマスを、スルースの入口および排出口の弁座から取り除く。好ましい態様において、スルースの入口および排出口のピストン弁は、それぞれローディングデバイスおよびアンローディングデバイスの移動に実質的に合わせて移動する。いくつかの態様においてスルース入口および/またはスルース排出口の弁は、圧縮されたバイオマスを崩壊させるためのブレードまたは他の手段を取り付けてもよい。バイオマスの均一な加熱を妨げかつ不十分な前処理をもたらす、圧縮したバイオマス「凝集塊」の反応器内への侵入が、崩壊手段により回避できる。
【0035】
いくつかの態様において、ローディングデバイス、アンローディングデバイスおよびピストン弁は、油圧シリンダーにより作動してもよい。これらは、信頼性が高く、容易に規模拡大できる。しかしながら、これらは、認可された弁および制御プログラムならびに機械的構成部分の定期検査を必要とする。したがって、いくつかの態様において、電気駆動作動装置が用いられてもよく、概して改善されたエネルギー効率ならびにより単純かつよりコスト最適化された設計を有する。電動作動装置はまた、モーターに電力が供給されている場合にのみこれらが作動できるという点で自動ロック式であり、油圧シリンダーと比べて安全性の改善をもたらす。
【0036】
いくつかの態様において、垂直反応器入口は、反応器内に積み込まれたバイオマスの均一な加熱を促進するための破砕手段または他の手段を含んでもよい。
【0037】
図1は、任意で複合プラグ/スルースバイオマス供給モードで作動することのできる、1つの好ましい態様の略図を提供する。デバイスは、回転可能でありかつローディングチャンバー(1)内で軸方向に移動可能であるローディングデバイス、ピストンスクリュー(2)を装備した水平ローディングチャンバー(1)を有する。ローディングチャンバー(1)と直角に連絡する上部の垂直構成部分(3a)、およびさらに回転可能でありかつアンローディングセグメント(3b)内で軸方向に移動可能であるアンローディングデバイス、ピストンスクリュー(4)を装備した下部の水平構成部分すなわちアンローディングセグメント(3b)の両方を有する、L字型スルースチャンバー(3)が提供される。ローディングチャンバーは、スルース入口ピストン弁(5a)により、開放または密閉されることができ、スルース入口ピストン弁は、スルースチャンバーの垂直構成部分を横切って軸方向に移動可能であり、ローディングチャンバーからスルースチャンバーへの開口部を密閉するように適合され、かつローディングピストンスクリューの移動に合わせて開閉する。スルースチャンバーのアンローディングセグメント(3b)は、垂直反応器入口(6)と直角に連絡する。アンローディングセグメントは、スルース排出口ピストン弁(5b)により開放または密閉されることができ、スルース排出口ピストン弁は、垂直反応器入口(6)を横切って軸方向に移動可能であり、スルースチャンバーの下部の水平構成部分から反応器入口への開口部を密閉するよう適合され、かつアンローディングピストンスクリューの移動に合わせて開閉する。反応器は、積み込まれた供給原料を、反応器を通って、前処理された物質が出てくる排出口へと運ぶ、フィーディングスクリュー(7)を装備する。バイオマス原料は、予め定義された量に予め分割され、シュートまたはホッパー(9)を介して少なくとも1つの開口部(8)を通ってローディングチャンバーに供給される。示された好ましい粒子ポンプの態様は、ローディングチャンバー(1)内への強制積み込みを待っている供給原料の蓄積のレベルを検出するバイオマスレベルセンサー(10a)、およびアンローディングセグメント(3b)を通る強制積み出しを待っている供給原料の蓄積のレベルを検出するレベルセンサー(10b)をさらに装備する。デバイスは、圧力調節の過程で溶液を再利用処理するためにスルースチャンバーから加圧蒸気を放出するかまたは新たに蒸気を取り入れる弁(11)、および圧力調整の過程でスルースチャンバー内に加圧型反応器蒸気を取り入れる弁(12)をさらに装備する。デバイスは、安全排気筒(13)、およびローディング圧力への減圧を促進するためにスルースチャンバー内に冷却ミストを注入する冷却水ミストインジェクター(14)をさらに装備する。
【0038】
図2は、デバイスの好ましい態様の側面図を提供する。この図では、ローディングチャンバー(1)、それを通ってバイオマスが供給されるローディングチャンバーへの開口部(8)、ローディングデバイス(2)、および入口ピストン弁(5a)が、デバイスの上部部分において認めることができる。アンローディングデバイス(4)、排出口ピストン弁(5b)および反応器入口(6)が、デバイスの下部部分において認めることができる。示されているようなデバイスの上部部分および下部部分は、任意の方向に配置される。あるいは、上部部分および下部部分は、平行に、または空間制限または他の要件に適合する任意の角度で配置されうる。
【0039】
図3は、図2に示す態様の断面図を提供する。この態様は、15バールに加圧された反応器内に少なくとも1時間あたり4メートルトン乾燥物質の処理を持続するように適合される。ローディングチャンバー(1)は、長さ約2メートルの円筒形であり、約0.7 メートルの内径を有し、かつローディングピストンスクリューの移動を誘導する溝が取り付けられている。ローディングピストンスクリュー(2)は、約0.7メートルの長さのスクリュー構成部分を含み、ローディングチャンバー内で軸方向に移動するように適合される。L字型スルースチャンバーのアンローディングセグメント(3b)は同様に、約0.7メートルの内径を有する、円筒形である。L字型スルースチャンバーの垂直構成部分(3a)は同様に円筒形だが、約1メートルのより大きな内径を有する。バイオマス開口部(8)、スルース入口ピストン弁(5a)、アンローディングピストンスクリュー(4)、反応器入口(6)、およびスルース排出口ピストン弁(5b)もまた示される。
【0040】
図4は、概して複合プラグ/スルースバイオマス供給モードに適合されていない1つの代替的態様の側面図を提供する。この態様において、ローディングチャンバー(1)は本質的には、バイオマス供給シュートへの開口部(8)を有する単なる容器であり、その容器の中でローディングデバイス(2)が作動する。ローディングデバイス(2)、スルース入口ピストン弁(5A)、アンローディングピストンスクリュー(4)およびスルース排出口ピストン弁(5B)は、電動作動装置により駆動される。
【0041】
図5は、図4に示す態様の断面図を提供する。この態様は、15バールに加圧された反応器内に少なくとも1時間あたり10メートルトン乾燥物質の処理を持続するように適合される。ローディングチャンバー(1)は、ローディングデバイス(2)の格納容器にすぎない。ローディングデバイス(2)は、直径約0.45 mの2つの固定されたスクリューコンベヤーを含み、積み込みの過程でバイオマスはほとんど圧縮されない。スルースチャンバー(3A)の垂直構成部分は、約1.8 mの長さであり、約2.8 mの長さであるスルースチャンバーのアンローディングセグメント(3B)より短い。スルースチャンバーの両方の構成部分は、直径約1.0 mを有する。バイオマスが加圧型反応器内に供給される好ましい作動モードにおいて、デバイスは、開いたスルース入口弁を通ってはっきり認められるほどの圧縮なしにバイオマスを積み込む。スルース入口弁が閉じられ、スルースチャンバーはほぼ反応器圧力と等しく加圧される。次いで、スルース排出弁が開かれ、アンローディングデバイス(2)のスクリュー動作および軸方向の移動によりバイオマスが強制的に積み出される。
【0042】
いくつかの態様において、本発明は、以下を含む、加圧型水熱反応器から前処理されたバイオマスを取り出すための装置を提供する:
−スルースチャンバーローディングデバイス
−スルースチャンバー
−閉じている時に反応器圧力に対して開口部を密閉するように適合されたスルースチャンバー入口弁
−閉じている時に大気圧または排出口圧力に対して開口部を密閉するように適合され、かつ前処理されたバイオマスの非爆発性の放出に適合されたスルースチャンバー排出弁
−スルースチャンバーアンローディングデバイス、および
−前処理されたバイオマスの非爆発性の放出に適合されたバイオマス排出口。
【0043】
本明細書で用いられるスルースチャンバーは、もう一方の圧力区域からの気密分離を維持しながら、2つの圧力区域の一方に対して交互に開くことのできるチャンバーである。非爆発性の放出は、放出前にバイオマスが反応器圧力と比べて実質的に減圧されるような放出を指す。本明細書で用いられる大気圧は、大気圧を約0.3バール上回るまでのレベルを含む。排出口圧力は、反応器圧力より低いが大気圧を多少上回るか下回る圧力を指し、その圧力で前処理されたバイオマスが加圧型反応器から取り出される。スルースチャンバー排出弁は、スルースチャンバーの断面積とほぼ同じまたはそれより大きい断面積を有することにより、前処理されたバイオマスの非爆発性放出に適合されうる。バイオマス排出口は、チャネルもしくはチャンバー、またはチャネル、運搬手段およびチャンバーの組み合わせを指し、それによって前処理されたバイオマスが加圧型反応器から取り出される。バイオマス排出口は、弁自体とほぼ同じかまたはそれより大きい切断面の孔を有するスルースチャンバー排出弁への開口部を有することにより、非爆発性放出に適合されうる。いくつかの態様において、取り出しデバイスは、種々の温度条件および圧力条件をもたらすように適合された排出口チャンバーが取り付けられてもよい。排出口チャンバーで圧力条件を制御することにより、加圧型反応器から取り出された前処理バイオマスは、更なる加工処理の前に、前処理されたバイオマス中の発酵阻害物質または他の構成成分の含有量をさらに低減することを目的とする物理化学的操作に供することができる。例えば、いくつかの態様において、取り出しデバイスは、排出口チャンバーを装備してもよく、これはさらなる加工処理の前に、約140℃を超える温度で好ましくは約50から200トルの範囲内の大気中より低い圧力をもたらし、前処理されたバイオマスからフルフラールをさらに取り除く。
【0044】
好ましい態様において、デバイスは、スルースチャンバー内で前処理されたバイオマスが反応器から取り出される前に実質的に低いフルフラール含有量を有する環境を経験するように、スルースチャンバーの減圧の間に蒸気を放出するように適合される。好ましくは、反応器蒸気を放出しそれにより蒸気爆砕と比べて比較的ゆるやかな工程でスルースチャンバーを減圧するように調節することができる通気弁が、デバイスに装備される。好ましい態様において、反応器圧力、典型的には10〜20バールから中間レベルの圧力、例えば3バールに至るまで、および中間レベルの圧力から排出口圧力に至るまで蒸気を通気する、独立した通気弁システムを、デバイスに装備することができる。独立した通気システムが2、3、4またはそれ以上の段階、例えば15バールから10バールへ、10から8へ、8から5へ、5から3へ、および3から1へ、を含む可能性があることは容易に理解されるだろう。次いで、独立したシステムのそれぞれで通気された蒸気は、乾燥システム、蒸発システム、バイオマス予熱、および他の工程などの異なる生産工程に再利用されうる。1つの好ましい態様において、デバイスは、2つの通気弁システムを有し、一方は15バールから3バールに通気し、2番目は3バールから大気圧に通気する。
【0045】
本明細書に記載の移送装置の任意の態様は、スルースチャンバーならびにスルースチャンバーの入口弁および排出弁の適切な適合および方向付け、ならびに前処理されたバイオマスの非爆発性放出のための反応器排出口の適合により、適当な取り出しデバイスを提供しうる。適当なローディングデバイスおよびアンローディングデバイスは以前に記載されている。スルースチャンバーは、L字型の態様に限定される必要はなく、任意の適当な構成で配置されてもよい。スルースチャンバーの入口ピストン弁および排出口ピストン弁は、ピストン弁に限定される必要はなく、任意の適当な構成で配置されてもよい。WO2003/013714に記載のスルースデバイスの任意の態様は、スルースチャンバーならびにスルースチャンバーの入口弁および排出弁の適切な適合および方向付け、ならびに前処理されたバイオマスの非爆発性放出に適合されたバイオマス排出口の導入により、適当な取り出しデバイスを提供しうる。
【0046】
図6は、本発明による取り出しデバイスとして使用するための図5に示す態様の適合を示す。スルースチャンバーローディングデバイス(17)、スルースチャンバー(18)、スルースチャンバー入口弁(19)、反応器圧力への開口部(20)、スルースチャンバー排出弁(21)、大気圧または排出口圧力への開口部(22)、スルースチャンバーアンローディングデバイス(23)、および前処理されたバイオマスの非爆発性放出に適合したバイオマス排出口(24)を示す。
【0047】
いくつかの態様において、本発明は、以下を含む、加圧型水熱反応器から前処理されたバイオマスを取り出すための方法を提供する:
−閉じている時に大気圧または排出口圧力に対して開口部を密閉するように適合された排出弁が閉じている間に、閉じている時に反応器圧力に対して開口部を密閉するように適合された開いた入口弁を通って加圧型反応器からスルースチャンバー内に処理されたバイオマスを積み込む工程
−入口弁を閉じる工程
−反応器圧力から大気圧または排出口圧力にスルースチャンバーを減圧する工程
−排出弁を開く工程
−大気圧または排出口圧力で前処理されたバイオマスを積み出す工程
−排出弁を閉じる工程、および
−更なる取り出しサイクルのために入口弁を開く前に反応器圧力にスルースチャンバーを再加圧する工程。
【0048】
好ましい態様は、反応器からの取り出しの前に、スルースチャンバー内の前処理されたバイオマスが実質的に低いフルフラール含有量を有する環境を経験するようなスルースチャンバーの減圧により特徴付けられる。好ましい態様において、積み出されたバイオマスの不溶性繊維含有量のうちフルフラール含有量は、反応器内のフルラール含有量の50%未満である。いくつかの態様において、減圧は、反応器圧力、典型的には10〜20バールから中間レベルの圧力、例えば3バールに至るまで、および中間レベルの圧力から排出口圧力に至るまで蒸気を通気する独立した通気弁システムの手段により達成される。1つの好ましい態様において、減圧は、一方が15バールから3バールに通気し、2番目が3バールから大気圧に通気する、2つの通気弁システムを用いて達成される。好ましい態様において、減圧の過程で通気される蒸気は、再利用され、乾燥システム、蒸発システム、またはバイオマス予熱などのさらなる生産工程で用いられる。いくつかの態様において、バイオマス排出口チャンバーにおける圧力および温度のさらなる調整に、積み出されたバイオマスを供することにより、工程はさらに特徴付けられる。好ましい態様において、積み出されたバイオマスは、約50トルと200トルの間、または約200トルと700トルの間の圧力および少なくとも140℃の温度の条件に供される。好ましい態様において、スルースチャンバー内の圧力は、約40秒かけて約15バールから約0.3バールに減圧される。
【0049】
いくつかの態様において、本発明は、以下を含む、加圧型反応器内にバイオマス原料を積み込むための方法を提供する:
(a). スルース入口弁が閉じている間に、L字型スルースチャンバーの上部の垂直セグメントに連絡するローディングチャンバー内にバイオマスを強制的に積み込み、バイオマスの圧縮を達成する工程、
(b). 実質的に大気圧であるかまたは大気圧と反応器圧力との中間であるローディング圧力にスルースチャンバー圧力を調整する工程、
(c). スルース入口弁を開く工程、
(d). ローディング圧力でスルースチャンバー内に多量のバイオマスを強制的に積み込み工程、
(e). スルース入口弁を閉じる工程、
(f). 実質的に反応器圧力であるかまたは大気圧と反応器圧力の中間の圧力であるアンローディング圧力にスルースチャンバー圧力を調整する工程、
(g). スルース排出弁が閉じている間に、スルースチャンバーの上部の垂直セグメントから、垂直反応器入口と連絡するスルースチャンバーの下部のセグメント内にバイオマスを強制的に積み出し、任意でバイオマスの圧縮を達成する工程、
(h). スルース排出弁を開く工程、および
(i). スルースチャンバーがアンローディング圧力と平衡化している間に、垂直反応器入口内にバイオマスを強制的に積み出す工程。
【0050】
いくつかの運転モードにおいて、ある量がローディングチャンバーに残っている一方で、ある程度の量の圧縮されたバイオマスを入口弁開口の各サイクルでスルースチャンバー内に積み込むことができる。この残存物質は、部分的「プラグ」を形成し、約200〜400 kg/m3の範囲内で圧縮されかつ少なくとも約0.1 m3の体積を有する場合に、約3バールの圧力差まで入口弁開口の1サイクルの期間、圧力シールを維持することができる。
【0051】
用語「入口弁開口の1サイクル」は、入口弁開口、スルースチャンバー内への一部のバイオマスの強制積み込み、および入口弁閉鎖に必要とされる時間を指す。図2に示す態様において、1サイクルの入口弁開口は典型的には約10から16秒の間である。1サイクルの入口弁開口で積み込まれうるバイオマスの量は、約75から150 kg乾燥物資である。より大量のバイオマスを処理することのできる他の態様が、容易に考えられうる。
【0052】
部分的圧力シールの提供において、部分的「プラグ」は、複合プラグ/スルース運転モードを可能にする。このようなモードではスルースチャンバーは反応器圧力と大気圧の中間であるローディング圧力で積み込むことができるため、これは有利である。大気圧まで十分に減圧されない圧力でスルースチャンバーに積み込んでもよいため、これはポンプサイクル時間を低減する。15バール反応器圧力で稼働する、図2に示す態様において、15バールから0.3バールの異なる圧力に減圧するために必要とされる時間のうち約30%が典型的には、3から0.3バールに減圧するのに必要とされる。よって、3バールの圧力差で積み込むことは、サイクル時間を有意に低減させる。したがって、ポンプサイクル時間の低減は、デバイスの処理能力を増大させる。
【0053】
用語「ポンプサイクル」は、入口弁開口、バイオマスの強制的な積み込み、入口弁の閉鎖、ローディングチャンバー再積み込み、アンローディングセグメント積み込み、アンローディング圧力へのスルース加圧、排出弁の開口、バイオマス強制的積み出し、排出弁閉鎖、およびローディング圧力へのスルース減圧の全般的な工程を指す。いくつかの働きが、ポンプサイクル時間を最適化するように並行して配置されうる。
【0054】
複合プラグ/スルース運転モードにおいて、各サイクルの入口弁開口の間に、新たなバイオマスは、ローディングチャンバー内で前回のサイクルから残ったままにされている部分的「プラグ」の後ろに積み込まれる。
【0055】
同様の部分的「プラグ」は、排出弁開口の各サイクルでスルースチャンバーのアンローディングセグメント中に残ったままにしておいてもよい。この物質は、約200〜400 kg/m3の範囲内に圧縮されかつ少なくとも約0.1 m3の体積を有する場合に、反応器圧力とスルースアンローディング圧力間で約3バールの圧力差まで排出弁開口の1サイクルの間、圧力シールを維持することができる、部分的「プラグ」を同様に形成する。15バール反応器圧力で作動する、図2に示す態様において、0.3バールから15バールの異なる圧力にスルースチャンバーを加圧するのに必要とされる時間の約50%が典型的には、12バールから15バールに加圧するのに必要とされる。よって、3バールの圧力差(例えば12バール)で積み出すことは、サイクル時間を有意に低下させ、デバイスの処理能力を増大させる。
【0056】
本発明のデバイスはまた、ローディングチャンバーとアンローディングセグメントが入口弁および排出弁開口の各サイクルで完全に空になる標準的なスルース運転モードにおいても、効果的かつ効率的に用いられうる。しかしながら、これらのモードにおいて、スルースチャンバーは概して、実質的に大気圧である、約0.3バール以下だけ大気圧を上回るローディング圧力、および実質的に反応器圧力である、約0.3バール以下の圧力差であるアンローディング圧力に調整される。
【0057】
本発明のデバイスは、任意の圧力、例えば5から40バールおよびそれよりも高い圧力を有する反応器に対して積み込むために用いられうる。複合プラグ/スルース運転モードにおいて、適当な中間ローディング圧力は典型的には、約0.3から3バール大気圧を上回る範囲内であり、一方で適切なアンローディング圧力は典型的には、約3から0.3バール圧力差の範囲内である。
【0058】
図7A、7Bおよび7Cは、複合プラグ/スルース運転モードの略図を示す。図7Aに示すように、複合プラグ/スルース運転モードのポンプサイクルの最初に、部分的プラグ(16a、16b)が、ローディングチャンバー(1)内とスルースチャンバーのアンローディングセグメント(3B)内の両方に残っている。スルース入口弁(5A)とスルース排出弁(5B)の両方が閉じている間に、部分的プラグ(16b)の後ろのローディングチャンバー内にローディングデバイス(2)のスクリュー動作により、バイオマス(15)を強制的に積み込む。
【0059】
図7Bに示すように、ローディングサイクルでは、スルース入口弁(5A)は開き、スルース排出弁(5B)は閉じ、スルースチャンバー(3A、3B)中の圧力は約3バール大気圧を上回るローディング圧力に調整される。積み込まれたバイオマスそれ自体と組み合わせた、ローディングサイクルの前からローディングチャンバーに残っている部分的プラグにより、短期間の密閉がもたらされる。バイオマス(15)は、ローディングデバイス(2)のピストン移動によりスルースチャンバーの垂直構成部分(3A)内に強制的に積み込まれ、アンローディングデバイス(4)のスクリュー動作により前のアンローディングサイクルから残っている部分的プラグ(16a)の後ろのスルースチャンバーのアンローディングセグメント(3B)内に、さらに圧縮される。部分的プラグ(16b)は、次のローディングサイクル用にローディングチャンバー内に残ったままにする。
【0060】
図7Cに示すように、アンローディングサイクルでは、スルース排出弁(5B)が開き、スルース入口弁(5A)が閉じ、スルースチャンバー(3A、3B)内の圧力は反応器圧力より約3バール低いアンローディング圧力に調整されている。積み出されるバイオマスそれ自体と組み合わせた、前のアンローディングサイクルから残っている部分的プラグにより、短期間の密閉がもたらされる。バイオマス(15)は、アンローディングデバイス(4)のピストン移動により反応器入口(6)内に強制的に積み出される。部分的プラグ(16a)は、次のアンローディングサイクルのためにアンローディングセグメント(3B)に残ったままとする。並行して、バイオマス(15)は、前のローディングサイクルから残ったままとされた部分的プラグ(16b)の後ろのローディングチャンバー(1)内にローディングデバイス(2)のスクリュー動作により強制的に積み込まれる。
【0061】
好ましい態様の記載は、単に代表的なものであり、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を限定することを意図しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、粒子状物質を加圧型反応器内に積み込むための装置:
(a). ローディングチャンバー、
(b). ローディングチャンバー内に位置するローディングデバイス、
(c). ローディングチャンバーと連絡する上部の垂直構成部分を有しかつ垂直反応器の入口または排出口と連絡する下部の構成部分を有する、L字型スルース(sluice)チャンバー、
(d). スルースチャンバーの垂直構成部分を横切って軸方向に移動可能であり、かつローディングチャンバーからスルースチャンバーの垂直構成部分への開口部を密閉するように適合された、スルース入口ピストン弁、
(e). スルースチャンバーの水平構成部分内で軸方向に移動可能である、アンローディングデバイス、および
(f). 垂直反応器の入口または排出口を横切って軸方向に移動可能であり、かつスルースチャンバーの下部の構成部分から反応器の入口または排出口内への開口部を密閉するように適合された、スルース排出口ピストン弁。
【請求項2】
ローディングデバイスが、スクリューコンベヤーまたはピストンスクリューである、請求項1記載の装置。
【請求項3】
アンローディングデバイスが、スクリューコンベヤーまたはピストンスクリューである、請求項1記載の装置。
【請求項4】
ピストン弁が回転可能な(rotable)弁体をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
ローディングチャンバーが、
その中でローディングデバイスがスルースチャンバー内にバイオマスを強制的に積み込むように動作しかつローディングデバイスのための格納容器に過ぎない、容器である、
請求項1記載の装置。
【請求項6】
安全排気筒をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項7】
スルースチャンバー中のバイオマスの蓄積を検出するように適合されたバイオマスレベルセンサーをさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項8】
冷却水ミストをスルースチャンバー内に取り入れるための手段をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項9】
反応器入口が、反応器内で積み込まれたバイオマスの均一な加熱を促進するための粉砕手段または他の手段をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項10】
以下を含む、バイオマス原料を加圧型反応器内に積み込むための方法:
(a). 実質的に大気圧であるかまたは大気圧と反応器圧力の中間であるローディング圧力にスルースチャンバー圧力を調整する工程、
(b). スルース入口弁を開く工程、
(c). L字型スルースチャンバーの上部の垂直セグメントと連絡するローディングチャンバーからスルースチャンバー内にローディング圧力で大量のバイオマスを強制的に積み込む工程、
(d). スルース入口弁を閉じる工程、
(e). 実質的に反応器圧力であるかまたは大気圧と反応器圧力の中間の圧力であるアンローディング圧力にスルースチャンバー圧力を調整する工程、
(f). スルースチャンバーの上部の垂直セグメントから垂直反応器入口と連絡するスルースチャンバーの下部のセグメント内にバイオマスを強制的に積み出し、任意でスルース排出弁が閉じられている間にバイオマスの圧縮を達成する、工程、
(g). スルース排出弁を開く工程、および
(h). スルースチャンバーがアンローディング圧力と平衡化している間に、垂直反応器入口内にバイオマスを強制的に積み出す工程。
【請求項11】
入口弁開口の1サイクルの間にローディング圧力に対して有効な密閉をもたらすのに十分である圧縮されたバイオマスの量を、ローディングチャンバー内に残す工程をさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
排出弁開口の1サイクルの間にアンローディング圧力に対して有効な密閉をもたらすのに十分である圧縮されたバイオマスの量を、スルースチャンバーの下部のセグメント内に残す工程をさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
反応器圧力が大気圧を約15バール上回り、かつローディング圧力が大気圧を約3バール上回る、請求項10記載の方法。
【請求項14】
反応器圧力が大気圧を約15バール上回り、かつアンローディング圧力が大気圧を約12バール上回る、請求項10記載の方法。
【請求項15】
ローディング圧力が、約0.3から約3バールの範囲内で大気圧を上回る、請求項10記載の方法。
【請求項16】
アンローディング圧力が、約0.3から約3バールの範囲内で反応器圧力と異なる圧力である、請求項10記載の方法。
【請求項17】
以下を含む、加圧型水熱反応器から前処理されたバイオマスを取り出すための装置:
(a). スルースチャンバーローディングデバイス、
(b). スルースチャンバー、
(c). 閉じている時に反応器圧力に対して開口部を密閉するように適合された、スルースチャンバー入口弁、
(d). 閉じている時に大気圧または排出口圧力に対して開口部を密閉するように適合され、かつ前処理されたバイオマスの非爆発性放出に適合された、スルースチャンバー排出弁、
(e). スルースチャンバーアンローディングデバイス、および
(f). 前処理されたバイオマスの非爆発性放出に適合された、バイオマス排出口。
【請求項18】
反応器圧力から中間レベルの圧力に至るまでおよび中間レベルの圧力から排出口圧力に至るまで蒸気を通気する、独立した通気弁システムをさらに含む、請求項17記載の装置。
【請求項19】
様々な温度条件および圧力条件を提供するように適合されている排出口チャンバーをさらに含む、請求項17記載の装置。
【請求項20】
少なくとも140℃の温度および約700トル未満の大気中より低い圧力を提供するように適合される、排出口チャンバーをさらに含む、請求項17記載の装置。
【請求項21】
以下を含む、加圧型水熱反応器から前処理されたバイオマスを取り出すための方法:
(a). 反応器蒸気を放出するように制御することができかつそれにより蒸気爆砕と比べて比較的ゆるやかなプロセスでスルースチャンバーを減圧する通気弁を装備し、かつスルースチャンバーローディングデバイスおよびスルースチャンバーアンローディングデバイスをさらに含む、スルースチャンバー
を含む反応器アンローディングデバイスを提供する工程、
(b). 閉じている時に大気圧または排出口圧力に対して開口部を密閉するように適合される排出弁が閉じている間に、該反応器アンローディングデバイスを用いて、閉じている時に反応器圧力に対して開口部を密閉するように適合される開いた入口弁を通って、加圧型反応器からスルースチャンバーに前処理されたバイオマスを積み込む工程、
(c). 入口弁を閉じる工程、
(d). 大気圧または排出口圧力までスルースチャンバーを減圧する工程、
(e). 排出弁を開く工程、
(f). 大気圧または排出口圧力で前処理されたバイオマスを積み出す工程、
(g). 排出弁を閉じる工程、および
(h). さらなる取り出しサイクルのために入口弁を開く前に、スルースチャンバーを再加圧する工程。
【請求項22】
積み出されたバイオマスの不溶性繊維画分のフルフラール含有量が、反応器内のフルフラール含有量の約50%未満である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
減圧が、反応器圧力から中間レベルの圧力に至るまでおよび中間レベルの圧力から排出口圧力に至るまで蒸気を通気する独立した通気弁システムの手段により達成される、請求項21記載の方法。
【請求項24】
減圧の間に通気される蒸気が再利用されて、乾燥システム、蒸発システムまたはバイオマス予熱などのさらなる生産工程で用いられる、請求項21記載の方法。
【請求項25】
バイオマスをローディングチャンバー内に強制的に積み込み、スルース入口弁が閉じている間にバイオマスの圧縮を達成する工程をさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項26】
バイオマスが、開いたスルース入口弁によりはっきり認められるほどの圧縮なしに積み込まれる、請求項10記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate


【公表番号】特表2013−503092(P2013−503092A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526175(P2012−526175)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053864
【国際公開番号】WO2011/024145
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(512046958)
【Fターム(参考)】