説明

粒子濃度測定装置

【課題】検査光の液中通過距離をより簡易な構成で変更することのできる内燃機関用の粒子濃度測定装置を提供する。
【解決手段】この粒子濃度測定装置は、内燃機関に貯留された液体に向けて検査光を照射する発光部120と、液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部130と、検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有してその照射方向に対し交差する方向に移動することで検査光の液中通過距離を変更する変更部140とを備える。そして、液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された透過光量に基づいて液体中の粒子濃度を測定する。この変更部140の移動は、その変更部140に伝達される機関振動によって行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体に混入した粒子の濃度を測定する粒子濃度測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば機関の潤滑油に混入した煤の濃度等といった液体中の粒子濃度を、その液体の光透過特性、具体的には同液体を透過する透過光の光量に基づいて測定する装置が知られている。この装置では、発光部から液体に向けて検査光を照射し、同液体を透過する透過光の光量が受光部で測定される。発光部から照射された検査光の一部は、液体に混入した粒子によって吸収・散乱されるため、受光部で測定される透過光量は液中粒子の量に応じたものとなる。従って、その透過光量に基づいて粒子濃度を測定することができる。
【0003】
ここで、発光部や受光部に汚れが付着したり、温度変化等に起因する発光部の発光量変化や受光部の出力変化等が生じたりすると、測定される光量が変化するため、粒子濃度の測定精度が低下してしまう。
【0004】
そこで、例えば特許文献1に記載の装置では、検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有し、検査光の照射方向に対して交差する方向に移動することで、発光部からの検査光が液体中を通過する距離である液中通過距離を変更する変更部を備えるようにしている。そして、その液中通過距離を変更したときの光透過特性の差に基づいて液体中の粒子濃度を測定することにより、発光部や受光部に対する汚れの付着、あるいは発光部の発光量変化や受光部の出力変化等によって生じる上記測定精度の低下を抑えるようにしている。
【特許文献1】特開平3−59445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の装置では、上記変更部を移動させるために専用の駆動機構を設けるようにしており、その分、装置の構造が複雑化したり、装置が大型化したりしてしまう。
【0006】
この発明はこうした事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、検査光の液中通過距離をより簡易な構成で変更することのできる内燃機関用の粒子濃度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関に貯留された液体に向けて検査光を照射する発光部と、前記液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部と、前記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有して前記照射方向に対し交差する方向に移動することで前記検査光の液中通過距離を変更する変更部とを備え、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量に基づき、前記液体中の粒子濃度を測定する内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記変更部に伝達される機関振動によって前記変更部の移動が行われることをその要旨とする。
【0008】
同構成によれば、液中通過距離を変更する変更部の移動が機関振動によって行われる。従って、液中通過距離を変更する変更部を移動させるために専用の駆動機構を設ける必要がなく、検査光の液中通過距離をより簡易な構成で変更することができるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記変更部の共振周波数が、内燃機関から発生する振動周波数と一致するように前記変更部は構成されていることをその要旨とする。
【0010】
同構成によれば、上記変更部が機関振動によって共振するようになるため、同変更部の移動量を大きくすることができるようになり、これにより検査光の液中通過距離を確実に変更することができるようになる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記共振周波数として、機関のクランキング時における前記振動周波数が設定されていることをその要旨とする。
【0012】
機関から発生する振動の大きさは、機関運転状態によって種々変化し、特に機関のクランキング時、すなわち内燃機関が始動装置によって始動されるときには、他の運転状態のときと比較して、機関から発生する振動が大きくなる。この点、同構成によれば、そうしたクランキング時に機関から発生する振動によって変更部が共振するようになるため、変更部の移動量をさらに大きくすることができるようになる。
【0013】
また、機関のアイドル時も、他の運転状態のときと比較して、機関から発生する振動は大きくなる傾向がある。そこで、請求項4に記載の発明によるように、前記共振周波数として、機関のアイドル時における前記振動周波数が設定されている、といった構成を採用するようにしても、上記変更部の移動量をさらに大きくすることができるようになる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記変更部は前記液体が貯留された貯留部内に設けられており、前記変更部には、前記液体の比重よりも低比重の材質で形成されたフロートが設けられていることをその要旨とする。
【0015】
同構成によれば、貯留部に貯留された液体の量が増減することにより、上記フロートが移動し、このフロートの移動によって変更部も移動される。従って、同構成によれば、機関振動のみならず、液量の変化によっても検査光の液中通過距離を変更することができるようになる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、内燃機関に貯留されて機関の稼働中には流動される液体に向けて検査光を照射する発光部と、前記液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部と、前記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有して前記照射方向に対し交差する方向に移動することで前記検査光の液中通過距離を変更する変更部とを備え、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量に基づき、前記液体中の粒子濃度を測定する内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記変更部は前記液体の流勢による動圧が作用する受圧部を有し、同受圧部に前記動圧が作用することにより前記変更部の移動が行われることをその要旨とする。
【0017】
同構成によれば、機関の稼働中に流動される液体の動圧を利用して変更部の移動が行われる。従って、同構成によっても、液中通過距離を変更する変更部を移動させるために専用の駆動機構を設ける必要がなく、検査光の液中通過距離をより簡易な構成で変更することができるようになる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記変更部は回転体で構成されており、同変更部の外周には突起が設けられていることをその要旨とする。
【0019】
同構成によれば、変更部の外周に設けられた突起に流動中の液体が衝突することによって同変更部は回転し、これにより液中通過距離が変更される。このように、同構成によれば、液体の動圧を利用して変更部を確実に移動させることができるようになる。なお、同構成においては、上記突起が上記受圧部を構成する。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記受圧部は、前記変更部の移動方向における端部に設けられていることをその要旨とする。
【0021】
同構成によれば、変更部の端部に設けられた受圧部に液体の動圧が作用することで、同変更部は移動するようになる。従って、同構成によっても、液体の動圧を利用して変更部を確実に移動させることができるようになる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、内燃機関に貯留された液体に向けて検査光を照射する発光部と、前記液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部と、前記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有して前記照射方向に対し交差する方向に移動することで前記検査光の液中通過距離を変更する変更部とを備え、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量に基づき、前記液体中の粒子濃度を測定する内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記変更部は前記液体の静圧が作用する受圧部を有し、同受圧部に前記静圧が作用することにより前記変更部の移動が行われることをその要旨とする。
【0023】
同構成によれば、内燃機関に貯留された液体の静圧を利用して変更部の移動が行われる。従って、同構成によっても、液中通過距離を変更する変更部を移動させるために専用の駆動機構を設ける必要がなく、検査光の液中通過距離をより簡易な構成で変更することができるようになる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記液体の流路途中にあって圧力差の生じる部位の上流側の流路内に前記変更部の移動方向における一端部が設けられており、前記圧力差の生じる部位の下流側の流路内に前記変更部の移動方向における他端部が設けられていることをその要旨とする。
【0025】
同構成によれば、変更部の移動方向における一端部と他端部とにそれぞれ液体の静圧が作用し、それら静圧の圧力差によって変更部が移動するようになる。従って、同構成によれば、静圧の圧力差を利用して変更部を確実に移動させることができるようになる。なお、同構成においては、変更部の移動方向における一端部及び他端部がそれぞれ上記受圧部を構成する。
【0026】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記流路の途中には前記液体中の異物を捕集するフィルタが設けられており、同フィルタの上流側の流路内に前記変更部の前記一端部が設けられており、同フィルタの下流側の流路内に前記変更部の前記他端部が設けられていることをその要旨とする。
【0027】
液体の流路の途中に同液体中の異物を捕集するフィルタが設けられている場合には、そのフィルタにて圧力損失が発生することにより、同フィルタの上流側の流路内と下流側の流路内とでは圧力差が生じる。従って、同構成によるように、そうしたフィルタの上流側の流路内に上記変更部の一端部を設け、同フィルタの下流側の流路内に上記変更部の他端部を設けることにより、変更部の両端部に異なる静圧を作用させることができるようになる。
【0028】
請求項12に記載の発明は、内燃機関に貯留された液体に向けて検査光を照射する発光部と、前記液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部と、前記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有して前記照射方向に対し交差する方向に移動することで前記検査光の液中通過距離を変更する変更部とを備え、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量に基づき、前記液体中の粒子濃度を測定する内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記変更部が機関可動部に設けられていることをその要旨とする。
【0029】
同構成によれば、機関可動部が動作することによって、液中通過距離を変更する変更部の移動が行われる。従って、同構成によっても、液中通過距離を変更する変更部を移動させるために専用の駆動機構を設ける必要がなく、検査光の液中通過距離をより簡易な構成で変更することができるようになる。
【0030】
上記変更部を機関可動部に設ける場合には、請求項13に記載の発明によるように、前記機関可動部は前記液体の送液ポンプのドライブロータであり、同ドライブロータの歯幅が互いに異なって形成されている、といった構成や、請求項14に記載の発明によるように、前記機関可動部は前記液体の送液ポンプのドライブロータであり、同ドライブロータの回転軸方向における歯面には凹部が形成されている、といった構成を採用することができる。
【0031】
また、液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された透過光量に基づき、液体中の粒子濃度を測定する態様としては、請求項15に記載の発明によるように、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量の比に基づいて前記液体中の粒子濃度を測定する、といった構成や、請求項16に記載の発明によるように、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量の比と前記液中通過距離の比とで求められる透過率に基づいて前記液体中の粒子濃度を測定する、といった構成、或いは請求項17に記載の発明によるように、前記液中通過距離が変化したときの前記透過光量の変化度合に基づいて前記液体中の粒子濃度を測定する、といった構成を採用することができる。
【0032】
請求項18に記載の発明は、請求項1〜17のいずれか1項に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記液中通過距離が一定のときの前記透過光量に基づいて前記液体中の粒子濃度を測定するとともに、前記液中通過距離が変化したときにはその変化直前の前記透過光量と変化直後の前記透過光量とに基づいて前記液体中の粒子濃度を測定し、その測定結果に基づき、前記液中通過距離が一定のときの前記透過光量に基づいて測定される前記液体中の粒子濃度を補正することをその要旨とする。
【0033】
同構成によれば、液中通過距離が一定のときには、透過光量に基づいて液体中の粒子濃度が測定される。また、液中通過距離が変化したときにはその変化直前の透過光量と変化直後の透過光量とに基づいて液体中の粒子濃度が測定されることにより、液中通過距離が一定のときに測定された粒子濃度よりもさらに精度の高い粒子濃度が測定される。そして、この精度よく測定された粒子濃度に基づき、液中通過距離が一定のときに測定された粒子濃度が補正されることにより、液中通過距離が一定のときに測定された粒子濃度の精度も高くなる。従って、同構成によれば、仮に上記変更部が長期間にわたって移動せず、液中通過距離が一定となっている場合であっても、液体中の粒子濃度を精度よく測定することができるようになる。
【0034】
請求項19に記載の発明は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置において、前記液体は内燃機関の潤滑油であることをその要旨とする。
同構成によれば、内燃機関の潤滑油中に含まれる粒子濃度を測定することができ、これにより同潤滑油の汚濁度合を測定することができるようになる。そして、そうした汚濁度合を簡易な構成で精度よく測定することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(第1実施形態)
以下、この発明にかかる粒子濃度測定装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図4を併せ参照して説明する。
【0036】
図1に、本実施形態における粒子濃度測定装置の構成を示す。この粒子濃度測定装置は、内燃機関の潤滑油を検査対象液とし、その潤滑油の透過光量に基づいて当該潤滑油に混入した粒子(例えば煤等)の濃度を測定することで同潤滑油の汚濁度合を検知するようにしている。
【0037】
この図1に示すように、この粒子濃度測定装置は、検出機構100や演算部60等で構成されている。
検出機構100は潤滑油の透過光量を測定する機構であって、内燃機関のオイルパン10内にステー20を介して取り付けられており、同検出機構100全体は潤滑油中に浸されている。この検出機構100は大きく分けて、ホルダ110、発光部120、受光部130、及び変更部140等で構成されている。
【0038】
図2に、図1のA−A断面を示す。この図2に示すように、ホルダ110の中央部には、潤滑油が流通する貫通孔111が形成されている。そしてこの貫通孔111の形成方向が潤滑油の液面に対して平行になるように、ホルダ110はステー20に固定されている。そして、ホルダ110内には、発光部120及び受光部130が、貫通孔111の形成方向に対して交差する方向に互いに対向して配設されている。
【0039】
発光部120は検査光を潤滑油に向けて照射する部分であり、検査光を発光する発光素子121と、その発光素子の発光面側においてホルダ110に固定された第1光透過部122とで構成されている。その発光素子121は、所定の電圧が印加されることにより、一定光量の光を発する素子であり、本実施形態ではLED(発光ダイオード)が用いられている。また、第1光透過部122によって発光素子121への潤滑油の付着が抑えられている。
【0040】
受光部130は発光部120から発せられた検査光が潤滑油を透過した後の光量、すなわち潤滑油を透過した透過光の光量である透過光量OUTを測定する部分であり、受光素子131と、その受光素子の受光面側においてホルダ110に固定された第2光透過部132とで構成されている。その受光素子131は潤滑油を透過した上記検査光、すなわち透過光の光量を検出する素子であり、本実施形態ではフォトダイオードが用いられている。この受光素子131は、その受光量が増大するほど出力が大きくなるため、透過光量に応じた出力を得ることができる。そして受光素子131の出力は上記演算部60に入力される。また、第2光透過部132によって受光素子への潤滑油の付着が抑えられている。なお、第1光透過部122及び第2光透過部132は、光の減衰率が小さい材質、例えば石英ガラス等の光透過性材料で形成されている。
【0041】
上記ホルダ110の貫通孔111には、上記変更部140が配設されている。この変更部140の外周面は、貫通孔111の内周面に対して離間されており、同変更部140の外周面と貫通孔111の内周面との間には所定の間隙が形成されている。これにより、同変更部140は、貫通孔111の形成方向に、すなわち検査光の照射方向に対し交差する方向に移動可能になっている。また、同変更部140は、光の減衰率が小さい材質、例えば石英ガラス等の光透過性材料で形成されており、上記検査光の照射方向における厚さの異なる部位が形成されている。より具体的には、この変更部140には、厚さt1の厚肉部141と、この厚さt1よりも薄い厚さt2の薄肉部142とが形成されている。そして変更部140の両端には、貫通孔111から変更部140が抜け出ることを防止するためのフランジ143が設けられている。さらに、この変更部140の共振周波数が、内燃機関から発生する振動周波数と一致するように、より具体的には、機関のクランキング時における振動周波数と一致するように、同変更部140は形成されている。
【0042】
こうして構成される検出機構100では、機関振動がステー20を介して同検出機構100に伝達され、その伝達された振動によって変更部140は往復移動される。また、機関振動によって潤滑油が振動されると、同潤滑油の振動によっても変更部140は往復移動される。そしてこうした変更部140の移動により、同変更部140の外周面と貫通孔111の内周面との間の間隙の距離が変更され、これにより検査光が潤滑油中を通過する距離である液中通過距離Lが変更される。
【0043】
すなわち、検査光の照射方向における貫通孔111の寸法をDとする。そして、図3に示すように、変更部140が移動して、検査光が厚肉部141を透過するようになったときの液中通過距離を第1液中通過距離L1とすると、「L1=D−t1」となる。
【0044】
また、図4に示すように、変更部140が移動して、検査光が薄肉部142を透過するようになったときの液中通過距離Lを第2液中通過距離L2とすると、「L2=D−t2」となる。そして、「t1>t2」となっているため、第1液中通過距離L1(=「D−t1」)は、第2液中通過距離L2(=「D−t2」)よりも短くなる。すなわち、検査光が厚肉部141を透過するときの液中通過距離Lは、検査光が薄肉部142を透過するときの液中通過距離Lよりも短くなる。このように液中通過距離Lが変更されると、潤滑油を透過する検査光の実質的な光路長が変化し、同液中通過距離Lが短くなるほど、受光部130で測定される透過光量OUTは大きくなる。本実施形態では、液中通過距離Lが、短い状態と長い状態とに変更されるため、受光部130で測定される透過光量OUTは、矩形波状に変化する。
【0045】
上記演算部60は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。この演算部60には、受光部130からの出力信号が入力され、その出力信号が演算処理されることにより潤滑油の粒子濃度Cが算出される。
【0046】
次に、演算部60によって行われる潤滑油の粒子濃度Cの算出について説明する。
まず、発光部120の発光量を発光量IN1とし、第1液中通過距離L1において受光部130で測定された透過光量を透過光量OUT1とすると、第1液中通過距離L1における光の透過率α1は次式(1)で表される。
【0047】

α1=(OUT1/IN1)×100 …(1)

そして、第1液中通過距離L1よりも距離の長い第2液中通過距離L2(L2>L1)において、受光部130で測定された透過光量を透過光量OUT2とすると、第2液中通過距離L2における光の透過率α2は次式(2)で表される。なお、第1液中通過距離L1で透過光量OUT1を測定した後、引き続き第2液中通過距離L2で透過光量OUT2を測定すれば、受光部130の環境温度がほぼ同一の状態で透過光量OUT1及び透過光量OUT2の測定を行うことができる。従って、この場合には、透過光量OUT1及び透過光量OUT2が測定されるときの発光量IN1もほぼ同一となる。
【0048】

α2=(OUT2/IN1)×100 …(2)

そして、上記式(1)及び式(2)から次式(3)が得られる。
【0049】

α2/α1=OUT2/OUT1(=R) …(3)

この式(3)から分かるように、透過光量OUT2と透過光量OUT1との比から、透過率α1と透過率α2との比(以下、式(3)から得られる値を透過比Rという)が求められる。
【0050】
ここで、実際の粒子濃度が高くなるほど透過光量OUT1及び透過光量OUT2は減少するが、第2液中通過距離L2は第1液中通過距離L1よりも距離が長くなっているため、透過光量OUT2は、この距離差に含まれる粒子量に相当する分だけ透過光量OUT1よりも多く減衰される。そのため、式(1)から求められる透過率α1の低下率と比較して、式(2)から求められる透過率α2の低下率はより大きくなる。従って、この低下率の差違及び式(3)から分かるように、実際の粒子濃度が高くなるほど透過比Rは小さくなる。そこで、この透過比Rに基づいて潤滑油の粒子濃度Cが算出される。
【0051】
なお、同透過比Rは透過光量OUT1及び透過光量OUT2から算出することができるため、発光量IN1の変化の影響を受けてその値が変化することがない。例えば発光量IN1が光量Yだけ低下した場合の透過光量OUT1及び透過光量OUT2は、それぞれ次式(4)、及び式(5)で表すことができる。
【0052】

OUT1={α1×(IN1−Y)}/100 …(4)
OUT2={α2×(IN1−Y)}/100 …(5)

そして、式(4)及び式(5)を上記式(3)に代入すると次式(6)が得られる。
【0053】

OUT2/OUT1=α2/α1(=透過比R) …(6)

これら式(4)〜式(6)に示されるように、発光量IN1が変化してもその変化分は透過光量OUT1及び透過光量OUT2に同様に反映されるため、同変化分は透過光量OUT1及び透過光量OUT2の比が算出される際に除外される。すなわち透過比Rは発光量IN1の変化の影響を受けることがない。
【0054】
また、透過光量OUT1及び透過光量OUT2は、受光部130の環境温度がほぼ同一となっている状態で測定される。そのため、環境温度によって変化する受光部130の出力特性が透過光量OUT1及び透過光量OUT2に与える影響はほぼ同じになる。そして、上記透過比Rは、透過光量OUT1と透過光量OUT2との比であり、その透過比Rの算出によって、透過光量OUT1及び透過光量OUT2に対する受光部130の出力特性の変化分は除去される。例えば、受光部130の環境温度が変化することで、その出力がD%変化する場合には、透過光量OUT1は「(1−D/100)×OUT1」で表すことができ、透過光量OUT2は「(1−D/100)×OUT2」で表すことができる。そしてこれらを上記式(3)に代入すると、温度変化に起因する変化分である「(1−D/100)」は消去され、その結果、透過比Rは「OUT2/OUT1」にて算出される。このように、透過比Rは、受光部130の出力特性が温度によって変化してもその影響を受けない値であるため、受光部130の出力特性が変化しても粒子濃度を正確に測定することができる。
【0055】
ちなみに、透過比Rを用いて粒子濃度Cを算出することで、発光部120の発光量が変化してもそうした変化の影響を受けることなく粒子濃度Cは精度よく測定される。そのため、発光部120への汚れの付着(本実施形態では、第1光透過部122への汚れの付着)や、発光部120の経時劣化等によって発光量IN1が変化する場合であっても、それらの影響を抑えつつ、粒子濃度Cを精度よく測定することができる。
【0056】
また、透過比Rを用いて粒子濃度Cを算出することで、受光部130の出力特性が変化しても、その影響を受けることなく粒子濃度Cは精度よく測定される。そのため、受光部130への汚れの付着(本実施形態では、第2光透過部132への汚れの付着)や、受光部130の経時劣化等によって、測定される透過光量OUT1や透過光量OUT2が変化する場合であっても、それらの影響を抑えつつ、粒子濃度Cを精度よく測定することができる。
【0057】
こうした原理に基づき、演算部60では、次のようにして粒子濃度Cが算出される。すなわち、変更部140が移動することにより、第1液中通過距離L1での透過光量OUT1と、第2液中通過距離L2での透過光量OUT2とがそれぞれ測定されると、上記式(3)に基づいて透過比Rが算出される。そして、上記ROM内に記憶された粒子濃度算出マップに基づいて粒子濃度Cが求められる。その粒子濃度算出マップは、透過比Rに対応する粒子濃度Cが種々設定されており、透過比Rの値が小さくなるほど、同マップから求められる粒子濃度Cの値は大きくされる。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)液中通過距離Lを変更する変更部140を、機関振動を利用して移動させるようにしている。従って、変更部140を移動させるために専用の駆動機構を設ける必要がなく、検査光の液中通過距離Lをより簡易な構成で変更することができるようになる。
【0059】
(2)変更部140の共振周波数が、内燃機関から発生する振動周波数と一致するように当該変更部140を構成するようにしている。そのため、変更部140が機関振動によって共振するようになり、同変更部140の移動量を大きくすることができる。従って、検査光の液中通過距離Lを確実に変更することができるようになる。
【0060】
(3)機関から発生する振動の大きさは、機関運転状態によって種々変化し、特に機関のクランキング時、すなわち内燃機関が始動装置によって始動されるときには、他の運転状態のときと比較して、機関から発生する振動が大きくなる。そこで、変更部140の共振周波数として、機関のクランキング時における振動周波数を設定するようにしている。そのため、そうしたクランキング時に機関から発生する振動によって変更部140は大きく共振するようになり、同変更部140の移動量をさらに大きくすることができるようになる。
【0061】
(4)液中通過距離Lが異なる状態でそれぞれ測定された透過光量OUT1及び透過光量OUT2について、それらの比である透過比Rを算出し、同透過比Rに基づいて粒子濃度Cを算出するようにしている。そのため、発光部120や受光部130に対する汚れの付着、あるいは発光部120の発光量変化や受光部130の出力変化等によって生じる粒子濃度Cの測定精度の低下を抑えることができるようになる。
【0062】
(5)内燃機関の潤滑油を検査対象液としている。そのため同潤滑油中に含まれる粒子濃度を測定することができる。ここで、潤滑油中に含まれる粒子濃度が高くなるほど、潤滑油の汚濁度合も高くなっている。従って、潤滑油中の粒子濃度Cを測定することにより、同潤滑油の汚濁度合も測定することができる。そして、そうした汚濁度合を、上述したように簡易な構成で精度よく測定することができるようになる。
【0063】
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・機関のクランキング時のみならず、機関のアイドル時にも、他の運転状態のときと比較して、機関から発生する振動は大きくなる傾向がある。そこで、変更部140の共振周波数として、機関のアイドル時における振動周波数を設定するようにしても、上記実施形態と同様に、変更部140の移動量をさらに大きくすることができるようになる。
【0064】
・また、変更部140の共振周波数と内燃機関から発生する振動周波数とを必ずしも一致させる必要はない。この場合でも、機関振動によって変更部140はある程度移動することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる粒子濃度測定装置を具体化した第2実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。
【0065】
本実施形態では、第1実施形態で説明した変更部にフロートを設けるようにしており、この点以外は基本的に第1実施形態と同様である。そこで、以下では、第1実施形態との相違点を中心に、本実施形態にかかる粒子濃度測定装置を説明する。なお、図5及び図6において、第1実施形態で説明した部材と実質的に同一の部材には、同じ符号を付している。
【0066】
図5に、本実施形態における粒子濃度測定装置の検出機構200について、その断面構造を示す。
検出機構200は潤滑油の透過光量を測定する機構であって、内燃機関のオイルパン10内にステー20を介して取り付けられており、同検出機構200全体は、通常、潤滑油中に浸されるようになっている。この検出機構200は、大きく分けて、ホルダ110、発光部120、受光部130、及び変更部240等で構成されている。
【0067】
このホルダ110の中央部には、潤滑油が流通する貫通孔111が形成されている。そしてこの貫通孔111の形成方向が潤滑油の液面に対して垂直になるように、ホルダ110はステー20に固定されている。そして、ホルダ110内には、発光部120及び受光部130が、貫通孔111の形成方向に対して交差する方向に互いに対向して配設されている。
【0068】
上記ホルダ110の貫通孔111には、変更部240が配設されている。この変更部240の外周面は、貫通孔111の内周面に対して離間されており、同変更部240の外周面と貫通孔111の内周面との間には所定の間隙が形成されている。これにより、同変更部240は、貫通孔111の形成方向に、すなわち検査光の照射方向に対し交差する方向に移動可能になっている。また、同変更部240は、光の減衰率が小さい材質、例えば石英ガラス等の光透過性材料で形成されており、上記検査光の照射方向における厚さの異なる部位が形成されている。より具体的には、この変更部240には、厚さt1の厚肉部141と、この厚さt1よりも薄い厚さt2の薄肉部142とが形成されている。
【0069】
そして、変更部240にあって厚肉部141の端部には、潤滑油の比重よりも低比重の材質で形成されたフロート241が設けられている。このフロート241には、互いに離間した位置でピン13が緩挿されている。このピン13の一端はホルダ110に固定されており、他端にはフランジ部13aが設けられている。このピン13によって、フロート241の過度な傾きが規制され、フランジ部13aによってフロート241の抜け止めがなされている。
【0070】
こうして構成される本実施形態の検出機構200では、図5に示すように、潤滑油の液面がフロート241よりも上にある場合、フロート241が上方に付勢されることにより、変更部240も上方に付勢される。この場合には、検査光が薄肉部142を透過することにより、上記第2液中通過距離L2での透過光量OUT2が測定される。
【0071】
他方、機関稼働に伴ってオイルパン10内の潤滑油が機関各部に供給されたり、潤滑油が消費されてその量自体が減少したりすることにより、図6に示すごとく、潤滑油の液面がフロート241よりも下がった場合には、フロート241は下方に移動する。そして、このフロート241の下方への移動によって変更部240も下方に移動する。この場合には、検査光が厚肉部141を透過することにより、上記第1液中通過距離L1での透過光量OUT1が測定される。そして、それら測定された透過光量OUT1及び透過光量OUT2に基づき、上記式(3)から透過比Rが算出され、その透過比Rに基づいて粒子濃度Cが求められる。
【0072】
ちなみに、機関停止に伴って機関各部に供給されていた潤滑油がオイルパン10内に戻ってきたり、潤滑油の補充が行われてその量自体が増加したりした場合には、先の図5に示したように、潤滑油の液面がフロート241よりも上になるため、再び、上記第2液中通過距離L2での透過光量OUT2を測定することも可能である。
【0073】
このように本実施形態では、オイルパン10に貯留された潤滑油の量が増減することにより、上記フロート241が移動し、このフロート241の移動によって変更部240も移動することで検査光の液中通過距離Lが変更される。
【0074】
なお、本実施形態の検出機構200でも、機関振動がステー20を介して同検出機構200に伝達され、その伝達された振動によって変更部240は往復移動される。また、機関振動によって潤滑油が振動されると、同潤滑油の振動によっても変更部240は往復移動される。従って、潤滑油の液面が変化しない場合でも、検査光の液中通過距離Lは変更可能である。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態に比して、さらに次のような効果を得ることができる。
(6)変更部240に、潤滑油の比重よりも低比重の材質で形成されたフロート241を設けるようにしている。そのため、機関振動のみならず、オイルパン10内の液量の変化によっても検査光の液中通過距離Lを変更することができるようになる。
【0076】
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・潤滑油の粒子濃度が高くなるほど、受光部130にて測定される透過光量OUTは減少する。従って、簡易的には、透過比Rではなく、透過光量OUTそのものに基づいて粒子濃度Cを算出することも可能である。
【0077】
そこで、例えば先の図5に示した状態、即ち液中通過距離Lが上記第2液中通過距離L2に維持されており、液中通過距離Lが一定になっている状態や、先の図6に示した状態、即ち液中通過距離Lが上記第1液中通過距離L1に維持されており、液中通過距離Lが一定になっている状態で測定された透過光量OUTに基づき、粒子濃度Cを算出する。
【0078】
そして、フロート241の移動により、液中通過距離Lが変化したときには、その変化直前に測定された透過光量OUTと変化直後に測定された透過光量OUTとに基づいて上記透過比Rを算出し、同透過比Rに基づいて粒子濃度Cを算出する。
【0079】
そして、透過比Rに基づいて算出された粒子濃度Cと、透過光量OUTに基づいて算出された粒子濃度Cとの差を算出し、その差を補正値Eとして設定する。こうして補正値Eが設定された後、液中通過距離Lが一定であって透過光量OUTに基づき粒子濃度Cが算出されるときには、その算出される粒子濃度Cを設定された補正値Eで補正する補正処理を行うようにしてもよい。
【0080】
この場合には、液中通過距離Lが変化したときには、その変化直前の透過光量OUTと変化直後の透過光量OUTとに基づいて、より詳細には透過比Rに基づいて粒子濃度Cが算出されることにより、液中通過距離Lが一定のときに算出された粒子濃度Cよりもさらに精度の高い粒子濃度Cが測定される。そして、この精度よく測定された粒子濃度Cに基づき、液中通過距離Lが一定のときに算出される粒子濃度Cは補正されることにより、液中通過距離Lが一定のときに算出される粒子濃度Cの精度が高くなる。従って、この変形例によれば、仮に上記変更部240が長期間にわたって移動せず、液中通過距離Lが一定となっている場合であっても、粒子濃度Cを精度よく測定することができるようになる。
(第3実施形態)
次に、本発明にかかる粒子濃度測定装置を具体化した第3実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。
【0081】
第1実施形態では、検査光の液中通過距離を変更する変更部を、機関振動を利用して移動させるようにした。一方、本実施形態では、機関の稼働中に流動される潤滑油の動圧を利用してそうした変更部の移動を行わせるようにしており、検出機構の構造の一部が異なっている。
【0082】
そこで、以下では、第1実施形態における検出機構との相違点を中心に、本実施形態にかかる粒子濃度測定装置の検出機構を説明する。なお、図7及び図8において、第1実施形態で説明した部材と実質的に同一の部材には、同じ符号を付している。
【0083】
図7に、本実施形態における粒子濃度測定装置の検出機構300について、その断面構造を示し、図8に図7のB−B断面を示す。
この検出機構300も、内燃機関のオイルパン10内にステー20を介して取り付けられており、同検出機構300全体は潤滑油中に浸されている。この検出機構300は大きく分けて、ホルダ310、発光部120、受光部130、及び変更部340等で構成されている。
【0084】
図7及び図8に示すように、ホルダ310の中央部には、潤滑油で満たされる円弧状の穴311が形成されている。そして、ホルダ310内には、発光部120及び受光部130が、穴311の形成方向に対して交差する方向に互いに対向して配設されている。
【0085】
上記ホルダ310の穴311には、検査光の液中通過距離Lを変更する変更部340が配設されている。この変更部340は、円盤状に形成された回転体で構成されており、その中止部に設けられた軸343は、穴311の壁面に回転可能に支持されている。また、この軸343の配設方向は、発光部120から発光される検査光の照射方向に対して平行にされている。これにより、変更部340は、検査光の照射方向に対し交差する方向に回転移動される。そして同変更部340にあって回転軸方向における側面は、発光部120や受光部130に対向されている。
【0086】
この変更部340の回転軸方向における側面は、穴311の内周面に対して離間されており、同変更部340の外周面と穴311の内周面との間には所定の間隙が形成されている。また、同変更部340は、光の減衰率が小さい材質、例えば石英ガラス等の光透過性材料で形成されており、上記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有している。より具体的には、この変更部340には、その回転軸心を中心にして90°毎に、厚さt1の厚肉部341と、この厚さt1よりも薄い厚さt2の薄肉部342とが交互に形成されている。さらに、変更部340の直径方向の外周面には複数の突起344が設けられている。
【0087】
こうして構成される本実施形態の検出機構300では、次のようにして液中通過距離Lが変更される。
すなわち、内燃機関が稼働されると、オイルパン10内に貯留された潤滑油を機関各部に供給するために、同オイルパン10内の潤滑油は吸い出される。また、吸い出された潤滑油は機関各部に供給された後、再びオイルパン10内に戻される。従って、オイルパン10内の潤滑油は、機関の稼働中において流動されている。こうした流動中の潤滑油が上記突起344に衝突すると、そうした潤滑油の流勢による動圧によって変更部340は回転される。
【0088】
このようにして変更部340が回転されると、検査光は、厚肉部341と薄肉部342とを交互に透過するようになり、これにより液中通過距離Lは、上記第1液中通過距離L1や第2液中通過距離L2に変更される。
【0089】
そして、こうした液中通過距離Lの変更により、受光部130で測定される透過光量OUTは矩形状に変化し、第1液中通過距離L1にて測定された第1透過光量OUT1と第2液中通過距離L2にて測定された第2透過光量OUT2とに基づき、上記式(3)から透過比Rが算出され、その透過比Rに基づいて粒子濃度Cが求められる。
【0090】
なお、本実施形態では、上記突起344が、上記受圧部を構成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態による上記(4)、(5)の効果に加え、次のような効果を得ることができる。
【0091】
(7)液中通過距離Lを変更する変更部340を、機関の稼働中に流動される潤滑油の動圧を利用して移動させるようにしている。従って、変更部340を移動させるために専用の駆動機構を設ける必要がなく、検査光の液中通過距離Lをより簡易な構成で変更することができるようになる。
【0092】
(8)変更部340を回転体にて構成するようにしており、潤滑油の流勢による動圧が作用する受圧部として機能する突起344を同変更部340の外周に設けるようにしている。そのため、潤滑油の動圧を利用して変更部340を確実に移動させることができるようになる。
【0093】
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・厚肉部341と薄肉部342とを90°毎に設けることにより、変更部340にあって厚肉部341並びに薄肉部342を2つずつ設けるようにしたが、そうした配設数は適宜変更することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明にかかる粒子濃度測定装置を具体化した第4実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。
【0094】
上記第3実施形態では、潤滑油の動圧を利用した変更部の移動が同変更部の回転運動によって行われるようにしたが、本実施形態では、第1実施形態や第2実施形態と同様に、直線運動によって行われるようにしており、第1実施形態で説明した検出機構とは、一部の構造が異なっている。
【0095】
そこで、以下では、第1実施形態における検出機構との相違点を中心に、本実施形態にかかる粒子濃度測定装置の検出機構を説明する。なお、図9及び図10において、第1実施形態で説明した部材と実質的に同一の部材には、同じ符号を付している。
【0096】
図9に、本実施形態における粒子濃度測定装置の検出機構400について、その断面構造を示す。
この検出機構400も、内燃機関のオイルパン10内にステー20を介して取り付けられており、同検出機構400全体は、潤滑油中に浸されている。この検出機構400は、大きく分けて、ホルダ410、発光部120、受光部130、及び変更部440等で構成されている。
【0097】
このホルダ410の中央部には、潤滑油が流通する貫通孔411が形成されている。そして、ホルダ410内には、発光部120及び受光部130が、貫通孔411の形成方向に対して交差する方向に互いに対向して配設されている。
【0098】
上記ホルダ410の貫通孔411には、変更部440が配設されている。この変更部440の外周面は、貫通孔411の内周面に対して離間されており、同変更部440の外周面と貫通孔411の内周面との間には所定の間隙が形成されている。これにより、同変更部440は、貫通孔411の形成方向に、すなわち検査光の照射方向に対し交差する方向に移動可能になっている。また、同変更部440は、光の減衰率が小さい材質、例えば石英ガラス等の光透過性材料で形成されており、上記検査光の照射方向における厚さの異なる部位が形成されている。より具体的には、この変更部440には、厚さt1の厚肉部441と、この厚さt1よりも薄い厚さt2の薄肉部442とが形成されている。
【0099】
そして、変更部440にあって厚肉部441の端部には、フランジ443が設けられている。このフランジ443とホルダ410との間には、スプリング450が設けられており、このスプリング450によって、変更部440は、貫通孔411から離脱される方向に付勢されている。
【0100】
こうして構成される本実施形態の検出機構400では、潤滑油が流動されていない場合、先の図9に示すごとく、フランジ443には潤滑油の動圧が作用しない。そのため、変更部440は、スプリング450の付勢力によって貫通孔411から離脱する方向に移動している。この場合には、検査光が薄肉部442を透過することにより、上記第2液中通過距離L2での透過光量OUT2が測定される。
【0101】
他方、機関稼働に伴って潤滑油が流動されている場合には、図10に示すように、フランジ443に対して潤滑油の動圧が作用する。この受圧部として機能するフランジ443への動圧の作用により、変更部440は、スプリング450の付勢力に抗して貫通孔411内に移動する。この場合には、検査光が厚肉部441を透過することにより、上記第1液中通過距離L1での透過光量OUT1が測定される。
【0102】
そして、このようにして測定された透過光量OUT1及び透過光量OUT2に基づき、上記式(3)から透過比Rが算出され、その透過比Rに基づいて粒子濃度Cが求められる。
【0103】
以上説明したように、本実施形態では、変更部440の移動方向における端部に、潤滑油の流勢による動圧が作用する受圧部として機能するフランジ443を設けるようにしている。従って、本実施形態によっても、潤滑油の動圧を利用して変更部440を確実に移動させることができるようになり、第3実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0104】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・変更部440にあって薄肉部442の端部に、フランジ443を設けるようにしてもよい。この場合にも、機関の稼働中に流動される潤滑油の動圧を利用して変更部440を移動させることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明にかかる粒子濃度測定装置を具体化した第5実施形態について、図11及び図12を参照して説明する。
【0105】
上記第4実施形態では、変更部440の端部にフランジ443を設けるようにしたが、本実施形態では、他の構造によって潤滑油の動圧を変更部に作用させるようにしており、第1実施形態で説明した検出機構とは、一部の構造が異なっている。
【0106】
そこで、以下では、第1実施形態における検出機構との相違点を中心に、本実施形態にかかる粒子濃度測定装置の検出機構を説明する。なお、図11及び図12において、第1実施形態で説明した部材と実質的に同一の部材には、同じ符号を付している。
【0107】
図11に、本実施形態における粒子濃度測定装置の検出機構500について、その断面構造を示す。
この検出機構500も、内燃機関のオイルパン10内にステー20を介して取り付けられており、同検出機構500全体は、潤滑油中に浸されている。この検出機構500は、大きく分けて、ホルダ510、発光部120、受光部130、及び変更部540等で構成されている。
【0108】
このホルダ510の中央部には、潤滑油で満たされる有底の穴511が形成されている。そして、ホルダ510内には、発光部120及び受光部130が、穴511の形成方向に対して交差する方向に互いに対向して配設されている。
【0109】
上記穴511には、変更部540が配設されている。この変更部540の外周面は、穴511の内周面に対して離間されており、同変更部540の外周面と穴511の内周面との間には所定の間隙が形成されている。これにより、同変更部540は、穴511の形成方向に、すなわち検査光の照射方向に対し交差する方向に移動可能になっている。また、同変更部540は、光の減衰率が小さい材質、例えば石英ガラス等の光透過性材料で形成されており、上記検査光の照射方向における厚さの異なる部位が形成されている。より具体的には、この変更部540には、厚さt1の厚肉部541と、この厚さt1よりも薄い厚さt2の薄肉部542とが形成されている。
【0110】
そして、変更部540にあって厚肉部541の端部と穴511の底との間には、スプリング550が設けられており、このスプリング550によって、変更部540は、穴511から離脱される方向に付勢されている。
【0111】
また、変更部540にあって薄肉部542の端部には、傾斜面で構成された受圧部543が形成されており、この受圧部543は、穴511から突出されている。
こうして構成される本実施形態の検出機構500では、潤滑油が流動されていない場合、先の図11に示すごとく、受圧部543には潤滑油の動圧が作用しない。そのため、変更部540は、スプリング550の付勢力によって穴511から離脱する方向に移動している。この場合には、検査光が厚肉部441を透過することにより、上記第1液中通過距離L1での透過光量OUT1が測定される。
【0112】
他方、機関稼働に伴って潤滑油が流動されている場合には、図12に示すように、受圧部543に対して潤滑油の動圧が作用する。このようにして受圧部543に動圧が作用すると、受圧部543の傾斜角に応じた分力が変更部540の移動方向に作用し、これにより同変更部540は、スプリング550の付勢力に抗して穴511内に移動する。この場合には、検査光が薄肉部442を透過することにより、上記第2液中通過距離L2での透過光量OUT2が測定される。
【0113】
そして、このようにして測定された透過光量OUT1及び透過光量OUT2に基づき、上記式(3)から透過比Rが算出され、その透過比Rに基づいて粒子濃度Cが求められる。
【0114】
以上説明したように、本実施形態では、変更部440の移動方向における端部に、傾斜面で構成された受圧部543を設けるようにしている。従って、本実施形態によっても、潤滑油の動圧を利用して変更部540を確実に移動させることができるようになり、第4実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0115】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・変更部540にあって厚肉部541の端部に、傾斜面で構成された受圧部を形成し、この受圧部を、穴511から突出させる。そして、変更部540にあって薄肉部542の端部と穴511の底との間に、スプリング550が設けるようにしてもよい。この場合にも、機関の稼働中に流動される潤滑油の動圧を利用して変更部540を移動させることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明にかかる粒子濃度測定装置を具体化した第6実施形態について、図13〜図15を参照して説明する。
【0116】
上記第3〜第5実施形態では、液中通過距離を変更する変更部に潤滑油の動圧を作用させることにより、同変更部の移動が行われるようにしたが、本実施形態では、潤滑油の静圧を作用させることによって、そうした変更部の移動を行わせるようにしており、第1実施形態に対して、検出機構の一部の構造と、同検出機構の配設位置とが異なっている。
【0117】
そこで、以下では、そうした相違点を中心に、本実施形態にかかる粒子濃度測定装置を説明する。なお、図13〜図15において、第1実施形態で説明した部材と実質的に同一の部材には、同じ符号を付している。
【0118】
まずはじめに、本実施形態における粒子濃度測定装置が設けられる内燃機関の潤滑油流路について、図13を併せ参照して説明する。
この図13に示すように、オイルパン10内の潤滑油は、機関稼働に伴い駆動されるオイルポンプ30によって、異物を捕集するフィルタ40に送油される。そして、フィルタ40で異物が除去された後、メインホール50に供給され、このメインホール50に供給された潤滑油は、分岐流路を介してシリンダブロック潤滑系やシリンダヘッド潤滑系、あるいはその他の潤滑系にそれぞれ供給され、その後、オイルパン10内に戻される。
【0119】
図14に、本実施形態における粒子濃度測定装置の検出機構600について、その断面構造を示す。
上記検出機構600は、上記フィルタ40の入口に接続された上流側流路41と同フィルタ40の出口に接続された下流側流路42との間に取り付けられている。この検出機構600は、大きく分けて、ホルダ610、発光部120、受光部130、及び変更部640等で構成されている。
【0120】
このホルダ610の中央部には、潤滑油が流通する貫通孔611が形成されている。また、この貫通孔611に潤滑油を流入させるための孔43が、上流側流路41及び下流側流路42を形成する壁面にそれぞれ設けられている。そして、各孔43と貫通孔611との接続部は、潤滑油の漏れを抑えるために適宜のシール処理がなされている。
【0121】
そして、ホルダ610内には、発光部120及び受光部130が、貫通孔611の形成方向に対して交差する方向に互いに対向して配設されている。
上記ホルダ610の貫通孔611には、液中通過距離Lを変更する変更部640が配設されている。この変更部640の外周面は、貫通孔611の内周面に対して離間されており、同変更部640の外周面と貫通孔611の内周面との間には所定の間隙が形成されている。これにより、同変更部640は、貫通孔611の形成方向に、すなわち検査光の照射方向に対し交差する方向に移動可能になっている。また、同変更部640は、光の減衰率が小さい材質、例えば石英ガラス等の光透過性材料で形成されており、上記検査光の照射方向における厚さの異なる部位が形成されている。より具体的には、この変更部640には、厚さt1の厚肉部641と、この厚さt1よりも薄い厚さt2の薄肉部642とが形成されている。
【0122】
そして、変更部640にあって厚肉部641の端部は、上述した上流側流路41の内部に突出されており、同端部には第1フランジ643が設けられている。この第1フランジ643とホルダ610との間には、スプリング650が設けられており、このスプリング650によって、変更部640は、上流側流路41の内部に向けて付勢されている。
【0123】
また、変更部640にあって薄肉部642の端部は、上述した下流側流路42の内部に突出されており、同端部には第2フランジ644が設けられている。
こうして構成される本実施形態の検出機構600では、内燃機関の停止時など、オイルポンプ30が駆動されていないときには、上流側流路41内の潤滑油の静圧と下流側流路42内の潤滑油の静圧とがほぼ同一になっており、それら各流路間において圧力差は生じていない。この場合には、先の図14に示すごとく、変更部640は、スプリング650の付勢力によって上流側流路41の内部方向に向けて移動している。この場合には、検査光が薄肉部542を透過することにより、上記第2液中通過距離L2での透過光量OUT2が測定される。
【0124】
一方、内燃機関の稼働に伴いオイルポンプ30が駆動されると、フィルタ40にて圧力損失が発生するため、上流側流路41内の潤滑油の静圧は、下流側流路42内の潤滑油の静圧よりも高くなる。従って、上記第1フランジ643に作用する静圧は、第2フランジ644に作用する静圧よりも高くなり、それら各フランジに作用する静圧の圧力差によって変更部640は移動する。より詳細には、図15に示すように、変更部640は、スプリング650の付勢力に抗して下流側流路42の内部方向に向けて移動する。この場合には、検査光が厚肉部441を透過することにより、上記第1液中通過距離L1での透過光量OUT1が測定される。
【0125】
そして、このようにして測定された透過光量OUT1及び透過光量OUT2に基づき、上記式(3)から透過比Rが算出され、その透過比Rに基づいて粒子濃度Cが求められる。
【0126】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態による上記(4)、(5)の効果に加え、次のような効果を得ることができる。
(9)液中通過距離Lを変更する変更部640の両端部に、潤滑油の静圧が作用する受圧部として機能する第1フランジ643及び第2フランジ644をそれぞれ設けるようにしており、同変更部640の移動が、潤滑油の静圧を利用して行われるようになる。従って、変更部640を移動させるために専用の駆動機構を設ける必要がなく、検査光の液中通過距離Lをより簡易な構成で変更することができるようになる。
【0127】
(10)潤滑油の流路途中にあって圧力差の生じる上流側流路41内に変更部640の移動方向における一端部(第1フランジ643)を設け、同圧力差の生じる下流側流路42の流路内に変更部640の移動方向における他端部(第2フランジ644)を設けるようにしている。従って、静圧の圧力差を利用して変更部640を確実に移動させることができるようになる。
【0128】
(11)フィルタ40の上流側流路41内に変更部640の一端部(第1フランジ643)を設け、フィルタ40の下流側流路42内に変更部640の他端部(第2フランジ644)を設けるようにしている。従って、変更部640の両端部に異なる静圧を確実に作用させることができるようになる。
【0129】
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・フィルタ40の上流側流路41内と下流側流路42内との圧力差を利用して変更部640を移動させるようにしたが、この他の部位の圧力差を利用するようにしてもよい。例えば、
(a)オイルポンプ30の上流側(図13に示すA点)と下流側(図13に示すB点)との圧力差。
【0130】
(b)メインホール50の上流側(図13に示すC点)とシリンダブロック潤滑系の上流側(図13に示すD点)との圧力差。
(c)メインホール50の上流側(図13に示すC点)とシリンダヘッド潤滑系の上流側(図13に示すE点)との圧力差。
【0131】
(d)メインホール50の上流側(図13に示すC点)とその他の潤滑系の上流側(図13に示すF点)との圧力差。
などを利用するようにしてもよい。
(第7実施形態)
次に、本発明にかかる粒子濃度測定装置を具体化した第7実施形態について、図16〜図18を参照して説明する。
【0132】
本実施形態では、液中通過距離Lを変更する変更部を機関可動部に設けることにより、その機関可動部の駆動に伴って液中通過距離Lが変更されるようにしており、第1実施形態に対して、検出機構の構造と同検出機構の配設位置とが異なっている。
【0133】
そこで、以下では、そうした相違点を中心に、本実施形態にかかる粒子濃度測定装置を説明する。なお、図16〜図18において、第1実施形態で説明した部材と実質的に同一の部材には、同じ符号を付している。
【0134】
まずはじめに、本実施形態における上記機関可動部について説明する。本実施形態では、上記機関可動部として、潤滑油の送液ポンプであるオイルポンプ30のドライブロータを利用するようにしている。
【0135】
図16に、オイルポンプ30の構造を示す。この図16に示すように、オイルポンプ30は、内接式ギヤポンプであって、内燃機関の側面に設けられたタイミングチェーンカバー70の内側に内蔵されている。このオイルポンプ30内には、クランクシャフトが接続されるドライブロータ31と、同ドライブロータ31の一部に噛み合うドリブンロータ32とが配設されており、クランクシャフトの回転によってドライブロータ31が回転されることにより、オイルパン内の潤滑油がフィルタに送油される。
【0136】
図17(a)に、ドライブロータ31の平面図を示し、図17(b)に、ドライブロータ31の断面図を示す。この図17(a)に示すように、ドライブロータ31は歯車形状をなしている。そして、図17(b)に示すように、ドライブロータ31の回転軸方向における歯面33にあってその一部には凹部34が形成されている。なお、本実施形態では、図17の(a)に示すように、凹部34が形成された歯35と同凹部34が形成されていない歯36とが交互に設けられているが、全ての歯の歯面に凹部34を設けたり、1つの歯の歯面のみに凹部34を設けたりするようにしてもよい。
【0137】
図18に、オイルポンプ30の回転軸方向における断面図を示す。この図18に示すように、タイミングチェーンカバー70にあって上記凹部34に対向する部位には、光の減衰率が小さい材質、例えば石英ガラス等の光透過性材料で形成された光透過部621が設けられている。
【0138】
また、タイミングチェーンカバー70の外側には、潤滑油の透過光量を測定する検出機構700が設けられている。この検出機構700は大きく分けて、ホルダ710や、同ホルダ710内に設けられる発光部720及び受光部730等で構成されている。
【0139】
上記発光部720は、上述したような発光素子121で構成されており、上記歯面33に向けて検査光を照射することができるように、上記ホルダ710内に設けられている。
また、ホルダ710内にあって、上記検査光の光路上にはビームスプリッタ711が設けられており、発光部720から発生された検査光は、ビームスプリッタ711、上記光透過部621、及び潤滑油を通過して歯面33で反射される。
【0140】
歯面33で反射された検査光は、再び潤滑油及び光透過部621を透過して、ビームスプリッタ711でその光路が変更される。そして、ビームスプリッタ711で変更された光路方向に上記受光部730が設けられており、同受光部730にて透過光量OUTが測定される。なお、この受光部730は、上述した受光素子131で構成されている。
【0141】
こうして構成される本実施形態の検出機構700では、次のようにして液中通過距離Lが変更される。
まず、オイルポンプ30が駆動されている最中、ドライブロータ31は検査光の照射方向に対して交差する方向に回転移動する。また、ドライブロータ31の歯面33の一部には上記凹部34が形成されており、これにより同ドライブロータ31には、検査光の照射方向における厚さが異なる部位(凹部34が形成された部位と同凹部34が形成されていない部位)が形成されている。このような構造を有するドライブロータ31が回転しているときには、検査光は、上記凹部34で反射されたり、凹部34が形成されていない歯面33で反射されたりする。
【0142】
ここで、歯面33とタイミングチェーンカバー70の内面71との間の隙間の距離をCL、凹部34の深さをDsとする。また、凹部34が形成されていない歯面33で検査光が反射されるときの液中通過距離Lを第1液中通過距離L1、凹部34で検査光が反射されるときの液中通過距離Lを第2液中通過距離L2とすると、第1液中通過距離L1は「L1=CL×2」となり、第2液中通過距離L2は、「L2=(CL+DS)×2」となる。従って、凹部34で検査光が反射されるときの第2液中通過距離L2は、凹部34が形成されていない歯面33で検査光が反射されるときの第1液中通過距離L1よりも長くなる。
【0143】
このようにドライブロータ31の回転に伴って検査光の反射部位が変化することにより、液中通過距離Lは変更される。そして、本実施形態では、検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有してその照射方向に対し交差する方向に移動することで検査光の液中通過距離Lを変更する変更部が、歯面33において凹部34の形成された部位と同凹部34が形成されていない部位とで構成されている。
【0144】
そして、液中通過距離Lの変更により、受光部730で測定される透過光量OUTは変化し、第1液中通過距離L1にて測定された第1透過光量OUT1と第2液中通過距離L2にて測定された第2透過光量OUT2とに基づき、上記式(3)から透過比Rが算出され、その透過比Rに基づいて粒子濃度Cが求められる。
【0145】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態による上記(4)、(5)の効果に加え、次のような効果を得ることができる。
(12)検査光の液中通過距離Lを変更する変更部を機関可動部であるドライブロータ31に設けるようにしている。より詳細には、ドライブロータ31の回転軸方向における歯面33の一部に上記変更部として機能する凹部34を形成するようにしている。そのため、ドライブロータ31が動作することによって、液中通過距離Lを変更する変更部の移動が行われる。従って、本実施形態によっても、液中通過距離Lを変更する変更部を移動させるために専用の駆動機構を設ける必要がなく、検査光の液中通過距離Lをより簡易な構成で変更することができるようになる。
【0146】
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・ドライブロータの歯幅(ドライブロータの回転軸方向における歯の厚さ)を互いに異ならせるようにしてもよい。この変形例の一例を図19及び図20に示す。図19(a)には、この変形例におけるドライブロータ81の平面図を示し、図19(b)には、ドライブロータ81の断面図を示す。同図19(a)に示すように、このドライブロータ81も歯車形状をなしている。そして、ドライブロータ81の回転軸方向における歯面に段部82が形成されており、他の歯86(以下、厚歯86という)に比して歯幅が短くされている薄歯85が、図19(b)に示すように交互に設けられている。なお、この変形例では、薄歯85と厚歯86とが交互に設けられているが、1つの歯のみを薄歯85にしたり、1つの歯のみを厚歯86にしたりしてもよい。また、薄歯85と厚歯86の個数を適宜変更してもよい。
【0147】
そして、図20に示すように、タイミングチェーンカバー70の内面71と段部82とが対向するようにドライブロータ81を取り付ける。こうして構成されるドライブロータ81が回転すると、検査光は、薄歯85の歯面で反射されたり、厚歯86の歯面で反射されたりする。従って、この変形例によっても、ドライブロータ81が回転することにより液中通過距離Lが変更される。
【0148】
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・タイミングチェーンカバー70の内側に内蔵されたオイルポンプ30に対して、本発明を適用した場合について説明したが、オイルポンプが単体で構成されている場合にも、本発明は同様に適用することができる。この場合には、上述したような光透過部621をオイルポンプのケース部に設けるようにすればよい。
【0149】
・歯面で反射された検査光の光路方向をビームスプリッタ711で変更するようにしたが、図21に示すように、発光部720と受光部730とを並設し、ビームスプリッタ711を省略して、歯面で反射された検査光を直接受光部730で受けるようにしてもよい。
【0150】
また、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第1透過光量OUT1及び第2透過光量OUT2に基づき、上記式(3)にて透過比Rを算出し、その透過比Rに基づいて粒子濃度Cを求めるようにしたが、他の方法で粒子濃度Cを測定するようにしてもよい。例えば、液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された透過光量の比と液中通過距離の比とで求められる透過率に基づいて粒子濃度を測定するようにしてもよい。この場合の粒子濃度Cの算出態様についてその一例を、次に説明する。
【0151】
まず、発光部の発光量を発光量IN1とし、第1液中通過距離L1において受光部で測定される透過光量を透過光量OUT1とし、第1液中通過距離L1における光の透過率を透過率αとすると、第1液中通過距離L1における透過光量OUT1は次式(7)で表すことができる。
【0152】

OUT1=IN1×(α/100) …(7)

そして、第1液中通過距離L1に対してn倍の距離が設定された第2液中通過距離L2(L2=n×L1)において、受光部で検出される透過光量を透過光量OUT2とすると、第2液中通過距離L2における透過光量OUT2は次式(8)で表すことができる。なお、第1液中通過距離L1で透過光量OUT1を検出した後、引き続き第2液中通過距離L2で透過光量OUT2を検出すれば、発光部の環境温度がほぼ同一の状態で透過光量OUT1及び透過光量OUT2の検出は行われることになる。そのため、この場合にも透過光量OUT1及び透過光量OUT2が検出されるときの発光量IN1もほぼ同一であると考えることができる。
【0153】

OUT2=IN1×(α/100)n …(9)

そして、上記式(7)及び式(8)から次式(9)が得られる。
【0154】

(α/100)n−1=OUT2/OUT1 …(10)

そして式(10)から次式(11)が得られる。
【0155】

α=(OUT2/OUT1)1/n−1×100 …(11)

この式(11)から分かるように、第1液中通過距離L1と第2液中通過距離L2との比を1:nにした場合、この液中通過距離の比及び透過光量OUT2と透過光量OUT1との比を用いて透過率αを求めることができる。そして、検査対象液の粒子濃度が高くなるほど同検査対象液の透過率は増大するといったように、粒子濃度と透過率とは相関関係にあるため、透過率を求めることで粒子濃度Cを求めることができる。
【0156】
ここで、この変形例でも、第1実施形態と同様に、透過光量OUT1及び透過光量OUT2を用いて粒子濃度Cと相関関係にある値、すなわち透過率αを求めることができる。従って、式(11)から求められる透過率αも発光量IN1の変化の影響を受けることがない。
【0157】
また、透過光量OUT1及び透過光量OUT2は、受光部の環境温度がほぼ同一となっている状態で測定される。そのため、環境温度によって変化する受光部の出力特性が透過光量OUT1及び透過光量OUT2に与える影響はほぼ同じになる。そして、上記式(11)では、透過光量OUT1と透過光量OUT2との比(OUT2/OUT1)が求められるため、透過光量OUT1及び透過光量OUT2に対する受光部の出力特性の変化分は除去される。すなわち、この変形例でも、受光部の出力特性が変化しても粒子濃度Cを正確に測定することができる。
【0158】
このように、この変形例でも、発光部の発光量の変化、あるいは受光部の出力特性の変化が生じても、そうした変化の影響を受けることなく粒子濃度Cを精度よく測定することができる。
【0159】
なお、この変形例でも、発光部の発光量が変化してもそうした変化の影響を受けることなく粒子濃度Cを精度よく測定することができる。そのため、発光部への汚れの付着や、発光部の経時劣化等によって発光量IN1が変化する場合であっても、それらの影響を抑えつつ、粒子濃度Cを精度よく測定することができる。また、受光部の出力特性が変化しても、その影響を受けることなく粒子濃度Cを精度よく測定することができるため、受光部への汚れの付着や、受光部の経時劣化等によって、測定される透過光量OUT1や透過光量OUT2が変化する場合であっても、それらの影響を抑えつつ、粒子濃度Cを精度よく測定することができる。
【0160】
・液中通過距離が変化したときの透過光量の変化度合、例えば変化率は粒子濃度と相関があり、粒子濃度が高くなるほどそうした変化度合は大きくなる傾向がある。そこで、液中通過距離が変化したときの透過光量の変化度合に基づいて粒子濃度を測定するようにしてもよい。
【0161】
・液中通過距離Lを2段階で変更するようにしたが、3段階以上に変更されるようにしてもよい。この場合には、例えば次のような態様で粒子濃度を測定することもできる。まず、A、B、及びCといった液中通過距離でそれぞれ透過光量を測定する。そして、A及びBの液中通過距離でそれぞれ測定された透過光量に基づいて透過比Rを算出し、同透過比から粒子濃度C1を求める。また、同様に、B及びCの液中通過距離でそれぞれ測定された透過光量に基づいて透過比Rを算出し、同透過比から粒子濃度C2を求める。そして、粒子濃度C1及び粒子濃度C2の平均値を最終的な粒子濃度Cとするようにしてもよい。
【0162】
また、液中通過距離Lが階段状ではなく、連続的に変更されるようにしてもよい。
・第2実施形態の変形例で説明したような補正処理を、他の実施形態で行うようにしてもよい。
【0163】
・第1実施形態〜第6実施形態では、変更部を光透過性材料で形成し、同変更部を透過した検査光の光量を受光部で測定するようにした。この他、変更部を光不透過性材料で形成してその変更部で検査光を反射させ、その反射された検査光の光量を受光部で測定するようにしてもよい。
【0164】
・変更部の表面にブラシなどの清掃部材を設けて、上記第1及び第2光透過部に付着した汚れを除去するようにしてもよい。また、ホルダに設けられた上記貫通孔や孔等の壁面にブラシなどの清掃部材を設けて、上記変更部に付着した汚れを除去するようにしてもよい。
【0165】
・上記各実施形態では、粒子濃度の検査対象液が潤滑油であった。しかし、同様な原理に基づき、他の液体の粒子濃度を測定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の粒子濃度測定装置についてその第1実施形態における構成を示す概略図。
【図2】図1のA−A断面。
【図3】同実施形態において変更部の移動態様を示す断面図。
【図4】同実施形態において変更部の移動態様を示す断面図。
【図5】第2実施形態における検出機構の断面図。
【図6】同実施形態において液面が低下したときの変更部の移動態様を示す断面図。
【図7】第3実施形態における検出機構の断面図。
【図8】図7のB−B断面図。
【図9】第4実施形態における検出機構の断面図。
【図10】同実施形態において変更部の移動態様を示す断面図。
【図11】第5実施形態における検出機構の断面図。
【図12】同実施形態において変更部の移動態様を示す断面図。
【図13】第6実施形態の粒子濃度測定装置が適用される内燃機関の潤滑油流路の模式図。
【図14】同実施形態における検出機構の断面図。
【図15】同実施形態において変更部の移動態様を示す断面図。
【図16】第7実施形態の粒子濃度測定装置が適用される内燃機関のオイルポンプについてその構造を示す模式図。
【図17】(a)は、同実施形態におけるドライブロータの平面図。(b)は、(a)のC−C断面図。
【図18】同実施形態におけるオイルポンプの断面図。
【図19】(a)は、同実施形態の変形例におけるドライブロータの平面図。(b)は、(a)のD−D断面図。
【図20】同実施形態に変形例におけるオイルポンプの部分断面図。
【図21】同実施形態の変形例における検出機構の断面図。
【符号の説明】
【0167】
10…オイルパン、13…ピン、13a…フランジ部、20…ステー、30…オイルポンプ、31…ドライブロータ、32…ドリブンロータ、33…歯面、34…凹部、35…薄歯、36…厚歯、40…フィルタ、41…上流側流路、42…下流側流路、43…孔、50…メインホール、60…演算部、70…タイミングチェーンカバー、71…内面、81…ドライブロータ、82…段部、85…薄歯、86…厚歯、100…検出機構、110…ホルダ、111…貫通孔、120…発光部、121…発光素子、122…第1光透過部、130…受光部、131…受光素子、132…第2光透過部、140…変更部、141…厚肉部、142…薄肉部、143…フランジ、200…検出機構、240…変更部、241…フロート、300…検出機構、310…ホルダ、311…穴、340…変更部、341…厚肉部、342…薄肉部、343…軸、344…突起、400…検出機構、410…ホルダ、411…貫通孔、440…変更部、441…厚肉部、442…薄肉部、443…フランジ、450…スプリング、500…検出機構、510…ホルダ、511…穴、540…変更部、541…厚肉部、542…薄肉部、543…受圧部、550…スプリング、600…検出機構、610…ホルダ、611…貫通孔、621…光透過部、640…変更部、641…厚肉部、642…薄肉部、643…第1フランジ、644…第2フランジ、650…スプリング、700…検出機構、710…ホルダ、711…ビームスプリッタ、720…発光部、730…受光部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に貯留された液体に向けて検査光を照射する発光部と、前記液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部と、前記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有して前記照射方向に対し交差する方向に移動することで前記検査光の液中通過距離を変更する変更部とを備え、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量に基づき、前記液体中の粒子濃度を測定する内燃機関用の粒子濃度測定装置において、
前記変更部に伝達される機関振動によって前記変更部の移動が行われる
ことを特徴とする内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項2】
前記変更部の共振周波数が、内燃機関から発生する振動周波数と一致するように前記変更部は構成されている
請求項1に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項3】
前記共振周波数として、機関のクランキング時における前記振動周波数が設定されている
請求項2に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項4】
前記共振周波数として、機関のアイドル時における前記振動周波数が設定されている
請求項2に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項5】
前記変更部は前記液体が貯留された貯留部内に設けられており、前記変更部には、前記液体の比重よりも低比重の材質で形成されたフロートが設けられている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項6】
燃機関に貯留されて機関の稼働中には流動される液体に向けて検査光を照射する発光部と、前記液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部と、前記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有して前記照射方向に対し交差する方向に移動することで前記検査光の液中通過距離を変更する変更部とを備え、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量に基づき、前記液体中の粒子濃度を測定する内燃機関用の粒子濃度測定装置において、
前記変更部は前記液体の流勢による動圧が作用する受圧部を有し、同受圧部に前記動圧が作用することにより前記変更部の移動が行われる
ことを特徴とする内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項7】
前記変更部は回転体で構成されており、同変更部の外周には突起が設けられている
請求項6に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項8】
前記受圧部は、前記変更部の移動方向における端部に設けられている
請求項6に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項9】
内燃機関に貯留された液体に向けて検査光を照射する発光部と、前記液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部と、前記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有して前記照射方向に対し交差する方向に移動することで前記検査光の液中通過距離を変更する変更部とを備え、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量に基づき、前記液体中の粒子濃度を測定する内燃機関用の粒子濃度測定装置において、
前記変更部は前記液体の静圧が作用する受圧部を有し、同受圧部に前記静圧が作用することにより前記変更部の移動が行われる
ことを特徴とする内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項10】
前記液体の流路途中にあって圧力差の生じる部位の上流側の流路内に前記変更部の移動方向における一端部が設けられており、前記圧力差の生じる部位の下流側の流路内に前記変更部の移動方向における他端部が設けられている
請求項9に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項11】
前記流路の途中には前記液体中の異物を捕集するフィルタが設けられており、同フィルタの上流側の流路内に前記変更部の前記一端部が設けられており、同フィルタの下流側の流路内に前記変更部の前記他端部が設けられている
請求項10に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項12】
内燃機関に貯留された液体に向けて検査光を照射する発光部と、前記液体を透過した検査光の光量である透過光量を測定する受光部と、前記検査光の照射方向における厚さが異なる部位を有して前記照射方向に対し交差する方向に移動することで前記検査光の液中通過距離を変更する変更部とを備え、前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量に基づき、前記液体中の粒子濃度を測定する内燃機関用の粒子濃度測定装置において、
前記変更部が機関可動部に設けられている
ことを特徴とする内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項13】
前記機関可動部は前記液体の送液ポンプのドライブロータであり、同ドライブロータの歯幅が互いに異なって形成されている
請求項12に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項14】
前記機関可動部は前記液体の送液ポンプのドライブロータであり、同ドライブロータの回転軸方向における歯面には凹部が形成されている
請求項12に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項15】
前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量の比に基づいて前記液体中の粒子濃度を測定する
請求項1〜14のいずれか1項に記載に内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項16】
前記液中通過距離が異なる状態でそれぞれ測定された前記透過光量の比と前記液中通過距離の比とで求められる透過率に基づいて前記液体中の粒子濃度を測定する
請求項1〜14のいずれか1項に記載に内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項17】
前記液中通過距離が変化したときの前記透過光量の変化度合に基づいて前記液体中の粒子濃度を測定する
請求項1〜14のいずれか1項に記載に内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項18】
前記液中通過距離が一定のときの前記透過光量に基づいて前記液体中の粒子濃度を測定するとともに、前記液中通過距離が変化したときにはその変化直前の前記透過光量と変化直後の前記透過光量とに基づいて前記液体中の粒子濃度を測定し、その測定結果に基づき、前記液中通過距離が一定のときの前記透過光量に基づいて測定される前記液体中の粒子濃度を補正する
請求項1〜17のいずれか1項に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。
【請求項19】
前記液体は内燃機関の潤滑油である
請求項1〜18のいずれか1項に記載の内燃機関用の粒子濃度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−69097(P2009−69097A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240582(P2007−240582)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】